JP2002021211A - 結露防止壁構造 - Google Patents
結露防止壁構造Info
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Abstract
壁構造を提供する。 【解決手段】建物の壁内に用いられる断熱材1を、熱伝
導率が0.07W/m・K以下であって、相対湿度80
%と50%の含水率の差異である湿気容量が1.0vo
l%以上で、かつ、透湿率が2ng/m・s・Pa以上
の性質を有するものとする。このように高湿気容量、高
透湿率の断熱材1を用いると、壁内の湿気は短期では断
熱材中に吸湿保持され、長期では内装下地材2や外装下
地材3の方へ放出される。そのため、冬期には外気に冷
やされた外装下地材3の表面に、夏期には冷房で冷やさ
れた内装下地材2の表面に結露が生じることが防止され
る。
Description
物の壁構造に関する。
ために高断熱・高気密化が推し進められている。そのた
めに、例えば建物の壁構造は、真ん中に断熱材があり、
その両面に内装下地材(防湿材を含む)及び外装下地材
があって、その外側が内装材(例えばクロス)及び外装
材(外壁)という構造になっている。高断熱化のため
に、断熱材としてグラスウールや発泡ウレタンを用いて
いる。また、高気密化のために、内装材と断熱材との間
に防湿材としてポリエチレンシートを全面に入れてい
る。
シートが破れたり膨れたりして、あるいはコンセントボ
ックスなどの設備の取付による切り欠きや施工誤差やミ
スなどによって、室内の湿気が壁内に侵入することを完
全に止めることはできないのが現状である。
では冬だけではなく夏にも壁の構造内部で結露する恐れ
があり、その上ポリエチレンシートの施工も煩雑で手間
がかかる。
材も冷やされて、壁内の湿気が外装下地材の内面側で結
露して、断熱材や柱等の構造材を濡らしてしまう。その
結果、断熱性が低下したり、柱が腐食したりしてしま
う。このような冬期の結露は、外気気温の低い寒冷地域
で顕著である。
れに接している防湿材が冷やされる。一方、外壁及び外
装下地材は日射で暖められて、外壁及び外装下地材が含
んでいる水分が蒸発し、壁内の湿気となる。この湿気が
内装下地材と防湿材表面で結露して、冬期と同様に断熱
性の低下、木材の腐食とそれに伴う耐久性の低下が生じ
る。このような夏期の結露は、夏期の日差しの強い温暖
地域で顕著である。
法も壁内の湿気を外部に放出することができ、結露に対
する効果はあるものの、梅雨時のように外部の相対湿度
が壁内の相対湿度より高ければ、湿気は外部に放出され
ず、却って湿気が壁内に蓄積されて壁内の相対湿度が高
くなり結露しやすくなる。
ものであり、その目的とするところは、冬期及び夏期の
壁内部の結露を防止する快適な壁構造を提供することで
ある。
めに、壁内部に設置する断熱材を高湿気容量かつ高透湿
率のものとした。
下地材と外装下地材との間に断熱材が設けられている結
露防止壁構造であって、熱伝導率が0.07W/m・K
以下であって、相対湿度80%と50%の含水率の差異
である湿気容量が1.0vol%以上で、かつ、透湿率
が2ng/m・s・Pa以上である断熱材を用いている
ことを特徴とする結露防止壁構造である。
ば、高い断熱性を有している上、壁内部の湿気が、短期
的には断熱材内部に吸湿保持され、長期的には屋内外の
湿度の低い方に放出されて、結露は生じない。
することが可能な湿気量のことで、本発明では、含水率
曲線(吸脱着等温線)上の相対湿度80%と50%との
含水率の差異で示している。
装下地材と断熱材との間に入れなくても結露が防止で
き、構造が簡単になる。
おいて、上記内装下地材と上記外装下地材のいずれか一
方が、透湿率が2ng/m・s・Pa以上である下地材
であることを特徴とする結露防止壁構造である。
多すぎて断熱材内部に全ては吸湿保持されない場合で
も、いずれか一方の下地材を通って壁外部に放出されて
結露は生じない。内装下地材をこのような高透湿率のも
のにすれば、防湿材を用いる必要がなく、夏期の日差し
の強い地域での結露防止に有効である。また、外装下地
材をこのような高透湿率のものすれば、冬期の寒さが厳
しい地域での結露防止に有効である。
おいて、上記内装下地材と上記外装下地材の両方が、透
湿率が2ng/m・s・Pa以上である下地材であるこ
とを特徴とする結露防止壁構造である。
多すぎて断熱材内部に全ては吸湿保持されない場合で
も、両方の下地材を通って壁外部に放出され得るので結
露は生じない。本発明では、夏期、冬期を問わず、どん
な条件・地域でも結露を防止することができる。
効果を奏する。
で、壁内での結露が防止されて、その結果断熱性が維持
され、建物の耐久性も維持される。
で、構造が簡単になり、施工の手間を省くことができて
コストの低減ができる。
は、夏期の壁内での結露が防止され、外装下地材が高透
湿率であるときは、冬期の壁内での結露が防止される。
あるときは、夏冬問わず、また室内外の温度差が大きい
等の悪条件下でも壁内の結露が防止できる。そして年間
を通して湿度が安定するため、夏期には湿度が下がり快
適になり、冬期には暖房時に室内に湿気を放出して過乾
燥を防ぐ。
に基づいて説明する。
示す。図2に従来の壁構造の水平断面図を示す。図の上
側が室内側であり、図の下側が屋外側である。
いる。断熱材1の室内側に内装下地材2が張られてい
て、さらに内装下地材2の室内側表面にクロス4が張ら
れている。
張られている。さらに屋外側に胴縁7を介して外装材5
が設けられている。外装下地材3と外装材5との間は、
胴縁7を除いて通気層8である。
と内装下地材2との間にさらに防湿材9が設けられてい
る。
さいほど断熱性能が高い)が0.07W/m・K以下で
ある。熱伝導率が低ければ低いほど断熱性能が高いので
よいが、コストや耐久性等の点で0.01W/m・Kぐ
らいまでが好ましい。
を備えていて、具体的には1.0vol%以上である。
湿気容量が高ければ、断熱材1の内部に多くの湿気を吸
湿・保持するため結露を防ぐことができる。1.0vo
l%未満では、結露防止性能が不十分である。さらに、
1.2vol%以上であれば、結露が生じやすい厳しい
環境条件であっても結露を防ぐことができ好ましい。上
限は、コストや耐久性等の点で8vol%である。
備えていて、具体的には透湿率が2ng/m・s・Pa
以上である。このように透湿率が高ければ、断熱材1内
を湿気が比較的自由に通過して、断熱材1全体でくまな
く吸湿できて、高い湿気容量を生かすことができ、結露
を防止する。さらに透湿率が5ng/m・s・Pa以上
であれば、より結露防止性能が向上して好ましい。上限
は、コストや耐久性等の点で100ng/m・s・Pa
である。
しては、例えば、木質系としてセルロースファイバー成
形体、軟質繊維板等、天然繊維系として羊毛、木綿、麻
等を原料としたもの、天然材料系として粘土鉱物を凍結
乾燥固化したもの、デンプンの発泡体などが挙げられ
る。これらの断熱材は、材料が植物由来であったり、土
などの天然材料であるため、廃棄する場合も処理が容易
で好ましい。
であることが好ましく、50mm以上であれば断熱性が
向上するのでより好ましい。
性を備えていて、具体的には透湿率が2ng/m・s・
Pa以上である。このように高透湿率であれば、夏期に
日差しが強い地域における結露防止に有効である。外装
材から日射によって発生した湿気は、量が多いと断熱材
に吸湿されきらない恐れがある。そんなとき、内装下地
材が高透湿率であれば、過剰の湿気を室内側に通して、
冷房で冷やされた内装下地材表面で結露することを防止
する。このような内装下地材の高透湿性を生かすため
に、本実施の形態では内装下地材2と断熱材1との間に
防湿材を入れない。そのため、面倒な防湿材の施工がな
くなり、コストダウンが行える。透湿率は7ng/m・
s・Pa以上であれば、結露防止がより確実になり好ま
しい。上限は、コストや耐久性等の点で100ng/m
・s・Paである。
50%の含水率の差異である湿気容量が1.0vol%
以上であれば、結露防止性能がさらに向上するだけでは
なく、湿気以外のホルムアルデヒドや他の揮発性有機化
合物なども吸着できるので室内環境の改善も行えるので
好ましい。また、洗面所等の水廻り部分の室内側におい
ては、内装材として透湿抵抗の大きいビニールクロス等
を張るので、内装下地材2から室内に湿気を放出するこ
とができない。それで、内装下地材2を高湿気容量とし
て壁内の結露を防ぐのが好ましい。上限は、コストや耐
久性等の点で8vol%である。
ボード、火山性ガラス質複層板、木質繊維板(JIS
A5905に規定のインシュレーションボード等)、粘
土混入珪酸カルシウム板などを挙げることができる。
性を備えていて、具体的には透湿率が2ng/m・s・
Pa以上である。このように高透湿率であれば、冬期に
壁内の湿気が、冷やされた外装下地材3の表面で結露す
ることを防止し、湿気を通気層8に放出する。冬期の外
気温が低い寒冷地域での結露防止能力が高い。透湿率は
7ng/m・s・Pa以上であれば、結露防止がより確
実になり好ましい。上限は、コストや耐久性等の点で1
00ng/m・s・Paである。
50%の含水率の差異である湿気容量が1.0vol%
以上であれば、結露防止性能がさらに向上して好まし
い。上限は、コストや耐久性等の点で8vol%であ
る。
繊維板、シージングボード、火山性ガラス質複層板、耐
水石膏ボードなどを挙げることができる。
あって、本発明はこれに限定されない。例えば、室内側
にはクロス4の代わりに珪藻土、じゅらく塗り壁とした
り、吸放湿性セラミック材料(例えば、(株)イナック
ス製、製品名エコカラット)などを張ってもよいし、逆
に何も張らなくて内装下地材だけでもよい。また、外装
側も胴縁7と通気層8とをなくして、外装下地材3の上
に直接外装材5を設けてもよいし、外装下地材3に透湿
性塗料(例えば、スズカファイン(株)製、製品名コキ
ュートーン)を塗装しても良い。また、断熱材1と内装
下地材2との間、あるいは断熱材1と外装下地材3との
間に空気層を設けてもよい。
5のタタミボードを積層したもの) 内装下地材:粘土混入珪酸カルシウム板、厚さ6mm 外装下地材:火山性ガラス質複層板、厚さ12mm(大
建工業(株)製、製品名ダイライト) 以上の材料を用いて図1の構成の壁材を作成した。
5のタタミボードを積層したもの) 内装下地材:石膏ボード、厚さ12.5mm 外装下地材:シージングボード、厚さ12mm 以上の材料を用いて図1の構成の壁材を作成した。
5のタタミボードを積層したもの) 内装下地材:粘土混入珪酸カルシウム板、厚さ6mm 外装下地材:シージングボード、厚さ12mm 以上の材料を用いて図1の構成の壁材を作成した。
905のタタミボードを撥水剤、硼酸で処理して積層し
たもの) 内装下地材:石膏ボード、厚さ12.5mm 外装下地材:構造用合板、厚さ12mm 以上の材料を用いて図1の構成の壁材を作成した。
を表1に示す。
り付けて、箱内(室内側)を20℃70%RHになるよ
うに連続制御し、一方外壁側は、外気に1000時間さ
らす試験をした。この間外気は、温度が−2〜16℃の
間で、湿度が34〜100%RHの間で変動をした。
ンサーを設置して湿度を測定したところ、実施例1、
2、3は約75%RHでほぼ一定であり、壁内に結露は
生じなかった。
試験開始と同時に上昇し始めて、約150時間後に約9
5%RHに達して断熱材と外装下地材との間に結露が生
じ、その後はずっと結露し続けた。
示す。
度を示した図
Claims (3)
- 【請求項1】 内装下地材と外装下地材との間に断熱材
が設けられている結露防止壁構造であって、熱伝導率が
0.07W/m・K以下であって、相対湿度80%と5
0%の含水率の差異である湿気容量が1.0vol%以
上で、かつ、透湿率が2ng/m・s・Pa以上である
断熱材を用いていることを特徴とする結露防止壁構造。 - 【請求項2】 請求項1において、上記内装下地材と上
記外装下地材のいずれか一方が、透湿率が2ng/m・
s・Pa以上である下地材であることを特徴とする結露
防止壁構造。 - 【請求項3】 請求項1において、上記内装下地材と上
記外装下地材の両方が、透湿率が2ng/m・s・Pa
以上である下地材であることを特徴とする結露防止壁構
造。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000201950A JP4022363B2 (ja) | 2000-07-04 | 2000-07-04 | 結露防止壁構造 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003301618A (ja) * | 2002-04-11 | 2003-10-24 | Misawa Homes Co Ltd | 微気候配慮の植栽を備えた住宅システム |
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JP2013234558A (ja) * | 2011-09-16 | 2013-11-21 | Sekisui Chem Co Ltd | 内張断熱パネル、内張断熱壁、内張断熱パネルの施工法および内張断熱パネルの施工用治具 |
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JP2021031979A (ja) * | 2019-08-26 | 2021-03-01 | フクビ化学工業株式会社 | 壁構造及び建築物 |
-
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- 2000-07-04 JP JP2000201950A patent/JP4022363B2/ja not_active Expired - Fee Related
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