JP2021031979A - 壁構造及び建築物 - Google Patents

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Motonori Hasegawa
意法 長谷川
賢治 井上
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Abstract

【課題】間柱における室内側の外面等が結露するのを抑えた壁構造を提供する。【解決手段】壁構造11は、互いに間隔を空けて配置された一対の柱12A,12Bと、一対の柱12A,12Bの間の全範囲にわたって配置された板材14と、一対の柱12A,12Bの間であって、板材14よりも室内51側に配置され、板材14に固定された間柱13A,13B,13Cと、一対の柱12A,12Bの間の全範囲にわたって、板材14よりも室外52側に配置された第1断熱材15と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、壁構造及び建築物に関する。
従来、建築物が備える壁構造は、複数(一対)の柱と、板材と、間柱と、断熱材(第1断熱材)と、を備えている(例えば、特許文献1から3参照)。
板材は、複数の柱に連結されている。間柱は、複数の柱の間に配置され、板材に固定されている。断熱材は、壁構造の室外側と室内側との間を断熱している。
特開2001−164671号公報 特開2004−339868号公報 特開平11−093288号公報
建築物では、人が主に室内側で作業するため等により、室外側よりも室内側で水蒸気が発生しやすい。室内側で発生した水蒸気は、間柱における室内側の外面等で結露しやすくなる。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、間柱における室内側の外面等が結露するのを抑えた壁構造、及びこの壁構造を備える建築物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の壁構造は、互いに間隔を空けて配置された一対の柱と、前記一対の柱の間の全範囲にわたって配置された板材と、前記一対の柱の間であって、前記板材よりも室内側に配置され、前記板材に固定された間柱と、前記一対の柱の間の全範囲にわたって、前記板材よりも室外側に配置された第1断熱材と、を備えることを特徴としている。
この発明によれば、一対の柱の間の全範囲にわたって第1断熱材が配置されているため、間柱の室外側に第1断熱材が配置されている。従って、間柱の位置を通る室外側と室内側との間の断熱性能が向上し、間柱における室内側の外面等が結露するのを抑えることができる。
また、上記の壁構造において、前記板材は、前記一対の柱の外面における、前記一対の柱が並べて配置された方向に直交する方向の端以外の中間部にそれぞれ連結されていてもよい。
この発明によれば、壁構造が上下方向に沿う軸線周りに撓みにくくなり、壁構造の構造耐力(壁倍率)を向上させることができる。
また、上記の壁構造において、前記一対の柱の少なくとも一方の室外側の外面を覆う第2断熱材を備えてもよい。
この発明によれば、壁構造の柱近傍における断熱性能をより高めることができる。
また、上記の壁構造において、前記一対の柱及び前記第1断熱材の室外側の外面をそれぞれ覆う第2断熱材を備えてもよい。
この発明によれば、第2断熱材により、一対の柱近傍、及び、第1断熱材が配置された部分における断熱性能をより高めることができる。
また、本発明の建築物は、上記のいずれか一項に記載の壁構造を備えることを特徴としている。
この発明によれば、間柱における室内側の外面等が結露するのを抑えた壁構造を用いて、建築物を構成することができる。
本発明の壁構造及び建築物によれば、間柱における室内側の外面等が結露するのを抑えることができる。
本発明の一実施形態の建築物の要部における横断面図である。 本発明の一実施形態の変形例における建築物の要部における横断面図である。 本発明の実施例1の壁構造の横断面図である。 本発明の比較例1の壁構造の横断面図である。 本発明の実施例2の壁構造の横断面図である。 本発明の比較例2の壁構造の横断面図である。
以下、本発明に係る建築物の一実施形態を、図1及び図6を参照しながら説明する。
図1に示すように、建築物1は、本実施形態の壁構造11と、図示しない床構造及び天井構造と、を備えている。壁構造11を挟んで、第1の側が室内51であり、第2の側が室外52である。
壁構造11は、複数の柱12A,12Bと、間柱13A,13B,13Cと、構造用合板(板材)14と、充填断熱材(第1断熱材)15と、外張断熱材(第2断熱材)16と、を備えている。
壁構造11は、複数の柱として、一対の柱12A,12Bを備えている。柱12A,12Bは、上下方向に沿って延びている。柱12A,12Bは、図1に示す横断面図でそれぞれ矩形状(正方形状)である。柱12A,12Bは、水平面に沿う第1方向Xに互いに間隔を空けて並べて配置されている。第1方向Xは、柱12A,12Bが並べて配置された方向である。柱12A,12Bは、柱12A,12Bが備える複数の外面の一部が第1方向Xに沿うように配置されている。
間柱13A,13B,13Cは、一対の柱12A,12Bの間に配置されている。
間柱13Aは、柱12Aの柱12Bに対向する外面のうち、室内51側の端部に固定されている。間柱13Cは、柱12Bの柱12Aに対向する外面のうち、室内51側の端部に固定されている。間柱13Bは、間柱13Aと間柱13Cとの間に配置されている。間柱13A,13B,13Cは、第1方向Xに互いに間隔を空けてこの順で配置されている。間柱13A,13B,13Cの室内51側の外面、及び柱12A,12Bの室内51側の外面は、互いに面一である。
例えば、間柱13A,13Cは、図示しない釘等により柱12A,柱12Bにそれぞれ固定されている。
構造用合板14は、柱12A,12Bの間に配置されている。構造用合板14は、構造用合板14の厚さ方向が、水平面に沿い、かつ第1方向Xに直交する第2方向Yに沿うように配置されている。第2方向Yは、室内51と室外52とを結ぶ方向であり、水平面に沿う方向である。
構造用合板14は、柱12A,12Bの外面における第2方向Yの中間部にそれぞれ連結されている。ここで言う外面における第2方向Yの中間部は、外面における、第2方向Yの第1の端、及び第1の端とは反対の第2の端以外の部分である。
構造用合板14は、柱12A,12Bの間の全範囲にわたって配置されている。すなわち、構造用合板14と柱12Aとの間、及び、構造用合板14と柱12Bとの間、には、隙間はほとんど形成されていない。
前述の間柱13A,13B,13Cは、構造用合板14よりも室内51側に配置されている。構造用合板14は、間柱13A,13B,13Cにそれぞれ固定されている。
構造用合板14としては、木質系ボード、セメント板、石こうボード、及び火山性ガラス質複層板等が用いられる。
木質系ボードには、JIS A 5908:2018で規定されるパーティクルボード、JIS A 5905:2014で規定される繊維板におけるハードボード(ハードファイバーボード)やミディアムデンシティファイバーボード、製材等が挙げられる。
セメント板には、JIS A 5404:2007で規定される木質系セメント板における木質系セメント板、JIS A 5430:2013で規定される繊維強化セメント板における繊維強化セメント板、フレキシブル板、及びけい酸カルシウム板等が挙げられる。
火山性ガラス質複層板は、JIS A 5440:2009で規定されるものである。
充填断熱材15は、柱12A,12Bの間に、柱12A,12Bの間の全範囲にわたって配置されている。すなわち、充填断熱材15と柱12Aとの間、及び、充填断熱材15と柱12Bとの間、には、隙間はほとんど形成されていない。充填断熱材15は、構造用合板14よりも室外52側に配置されている。充填断熱材15の室外52側の外面、及び柱12A,12Bの室外52側の外面は、互いに面一である。
外張断熱材16は、柱12A,12Bの室外52側の外面、及び充填断熱材15の室外52側の外面をそれぞれ覆っている。
充填断熱材15及び外張断熱材16には、フェノールフォーム、硬質ウレタンフォーム、押出し法ポリスチレンフォーム、吹付け硬質ウレタンフォーム(HFO(ハイドロフルオロオレフィン)ガスを含む)等が用いられる。
充填断熱材15及び外張断熱材16の熱伝導率は、柱12A,12Bの熱伝導率、及び間柱13A,13B,13Cの熱伝導率よりもそれぞれ低い。
充填断熱材15及び外張断熱材16の熱伝導率は、0.028W/(mK)(ワット・パー・メートルケルビン)であることが好ましい。充填断熱材15及び外張断熱材16の熱伝導率は、0.022W/(mK)であることがより好ましく、0.020(W/(mK)であることがさらに好ましい。
充填断熱材15及び外張断熱材16としては、フェノバボード(登録商標、フクビ化学工業株式会社製)を好適に用いることができる。フェノバボードの熱伝導率は、0.019W/(mK)であり、外張断熱材16としてフェノバボードを用いると、壁構造11の断熱性能をさらに向上させ、壁構造11の厚さ(第2方向Yの長さ)を薄くすることができる。
外張断熱材16の室外52側の外面には、胴縁21を介して外装材22が固定されている。胴縁21は、外張断熱材16の外面に複数設けられている。複数の胴縁21は、第1方向Xに互いに間隔を空けて配置されている。
外装材22と外張断熱材16との間には、空気が流れる空気層(空間)S1が形成されている。
柱12A,12Bの室内51側の外面、及び間柱13A,13B,13Cの室内51側の外面には、内装材24が固定されている。内装材24と構造用合板14との間には、空気が流れる空気層S2が形成されている。
以上説明したように、本実施形態の壁構造11によれば、柱12A,12Bの間の全範囲にわたって充填断熱材15が配置されているため、間柱13A,13B,13Cの室外52側に充填断熱材15が配置されている。従って、間柱13A,13B,13Cの位置を通る室外52側と室内51側との間の断熱性能が向上し、間柱13A,13B,13Cにおける室内51側の外面等が結露するのを抑えることができる。
構造用合板14は、柱12A,12Bの外面における第2方向Yの中間部にそれぞれ連結されている。このため、壁構造11が上下方向に沿う軸線周りに撓みにくくなり、壁構造11の構造耐力(壁倍率)を向上させることができる。
充填断熱材15は柱12A,12Bの間の全範囲にわたって配置され、充填断熱材15を遮るように間柱が配置されない。このため、間柱13A,13B,13Cが配置された部分における熱橋(断熱性能)を改善することができる。
断熱材15,16として熱伝導率が0.028W/(mK)以下の断熱材を用いることにより、断熱材15,16の厚さを薄くすることができる。そして、断熱材15,16の厚さが薄くなった分、空気層S2をコンセントボックスや、配管等を配置するスペースとして確保することができる。
また、壁構造11の納まり上の気密性能を改善することができる。
外張断熱材16は、柱12A,12B及び充填断熱材15の室外52側の外面をそれぞれ覆う。このため、外張断熱材16により、柱12A,12B近傍、及び、充填断熱材15が配置された部分における断熱性能をより高めることができる。
また、本実施形態の建築物1によれば、間柱13A,13B,13Cにおける室内51側の外面等が結露するのを抑えた壁構造11を用いて、建築物1を構成することができる。
なお、壁構造11を構成する、間柱13A,13B,13C、構造用合板14、充填断熱材15等は、断熱パネル化することができ、この断熱パネルは、室外52側から施工可能である。
なお、図2に示す壁構造11Aのように、本実施形態の壁構造11の充填断熱材15及び外張断熱材16に代えて、充填断熱材15A及び外張断熱材16A,16Bを備えてもよい。
充填断熱材15Aは、充填断熱材15と同一の材質で形成され、充填断熱材15よりも第2方向Yに厚い(長い)。充填断熱材15Aの室外52側の外面は、柱12A,12Bの室外52側の外面よりも、室外52側に突出している。
外張断熱材16A,16Bは、柱12A,12Bの室外52側の外面をそれぞれ覆っている。外張断熱材16A,16Bは、充填断熱材15Aに接触している。外張断熱材16A,16Bの室外52側の外面、及び充填断熱材15Aの室外52側の外面は、互いに面一である。
複数の胴縁21は、外張断熱材16A,16Bの室外52側の外面、及び充填断熱材15Aの室外52側の外面にそれぞれ設けられている。
以上のように構成された変形例の壁構造11Aによっても、本実施形態の壁構造11と同様の効果を奏することができる。
また、外張断熱材16A,16Bは、柱12A,12Bの室外52側の外面をそれぞれ覆うため、壁構造11Aの柱12A,12B近傍における断熱性能を高めることができる。
なお、外張断熱材は、柱12A,12Bの少なくとも一方の室外52側の外面を覆っていればよい。
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。
例えば、前記実施形態では、構造用合板14は、柱12A,12Bの外面における第2方向Yの各端にそれぞれ連結されていてもよい。
壁構造11は、外張断熱材16、胴縁21、外装材22、及び内装材24を備えなくてもよい。壁構造11Aについても同様である。
以下では、本発明の実施例及び比較例を具体的に示してより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図3に示すように、実施例1の壁構造11Bは、本実施形態の壁構造11の外張断熱材16、胴縁21、及び外装材22に代えて、透湿防水シート31を備えている。透湿防水シート31は、間柱13A及び充填断熱材15の室外52側の外面に固定されている。
壁構造11Bにおいて、間柱13Aの位置を通り、室内51と室外52とを結ぶ方向に延びる領域R1での断熱性能をシミュレートした。内装材24、間柱13A、構造用合板14、充填断熱材15、及び透湿防水シート31の厚さ(mm)、熱伝導率(W/(mK))、透湿比抵抗(msPa/(ng):メートル秒パスカル・パー・ナノグラム)を表1のように規定した。
Figure 2021031979
内装材24は、石膏ボードで形成されているとした。内装材24において、厚さは12.5mm、熱伝導率は0.22W/(mK)、透湿比抵抗は0.025msPa/(ng)とした。
間柱13Aは、天然の木材で形成されているとした。間柱13Aにおいて、厚さは48.0mm、熱伝導率は0.12W/(mK)、透湿比抵抗は0.25msPa/(ng)とした。
構造用合板14は、合板であるとした。構造用合板14において、厚さは12.0mm、熱伝導率は0.16W/(mK)、透湿比抵抗は0.901msPa/(ng)とした。
充填断熱材15は、フェノバボードであるとした。充填断熱材15において、厚さは45.0mm、熱伝導率は0.019W/(mK)、透湿比抵抗は0.667msPa/(ng)とした。
透湿防水シート31において、厚さは0.1mm、熱伝導率はほぼ0W/(mK)、透湿比抵抗はほぼ0msPa/(ng)とした。
室内の空気の温度を10℃とし、室内の空気の湿度(相対湿度)を70%とした。室外の空気の湿度を70%とした。壁構造11Bの室内側の表面熱伝達抵抗を0.11mK/W、室外側の表面熱伝達抵抗を0.04mK/Wとした。
この場合に、室外の空気の温度を10℃からどの温度まで下げると、壁構造11Bのいずれかの部分に結露が発生するかをシミュレートした。
例えば、各部位の温度は、公知のフーリエの式から求めることができる。ただし、第2方向Yの熱伝導等は考慮していない。各部位の飽和水蒸気圧は、境界面の温度から求めることができる。各部位に結露が発生するか否かは、境界面の飽和水蒸気圧より実在水蒸気圧が大きくなったことから判断することができる。
室外の空気の温度を−37.7℃まで下げると、表1に示すような温度分布及び飽和水蒸気圧分布となり、このとき構造用合板14の室内51側の外面(図3中に位置P1で示す)に結露が生じることが分かった。
なお、例えば、このとき内装材24の室内51側の外面の温度は8.3℃となり、内装材24と間柱13Aとの境界の温度は7.4℃となった。内装材24の室内51側の外面近傍の空気の飽和水蒸気圧は1092.8Paとなり、内装材24と間柱13Aとの境界の空気の飽和水蒸気圧は1028.5Paとなった。
これに対して、図4に示すように、比較例1の壁構造41Bは、壁構造11Bの各構成に対して、間柱13Aが構造用合板14よりも室外52側に配置されている。壁構造41Bでは、充填断熱材15は、柱12A,12Bの間の全範囲にわたって、構造用合板14よりも室外52側に配置されていない。
壁構造41Bにおいて、間柱13Aの位置を通る領域R2での断熱性能をシミュレートした。領域R2では、壁構造11Bの領域R1に対して、間柱13A、充填断熱材15に代えて空気層S2、間柱13Aがそれぞれ配置されている。内装材24、空気層S2、構造用合板14、間柱13A、及び透湿防水シート31の厚さ、熱伝導率、透湿比抵抗を表2のように規定した。
Figure 2021031979
空気層S2において、厚さは48.0mm、熱伝導率はほぼ0W/(mK)、透湿比抵抗はほぼ0msPa/(ng)とした。
室内の空気の温度、室内外の空気の湿度、及び各表面熱伝達抵抗は、実施例1と同一である。
室外の空気の温度を−5.6℃まで下げると、表2に示すような温度分布及び飽和水蒸気圧分布となり、このとき構造用合板14の空気層S2側の外面(図4中に位置P2で示す)に結露が生じることが分かった。
なお、例えば、このとき内装材24の室内51側の外面の温度は7.7℃となり、内装材24と空気層S2との境界の温度は6.5℃となった。内装材24の室内51側の外面近傍の空気の飽和水蒸気圧は1050.6Paとなり、内装材24と空気層S2との境界の空気の飽和水蒸気圧は968.5Paとなった。
比較例1の壁構造41Bでは、室外の空気の温度を−5.6℃まで下げると結露が生じるのに対し、実施例1の壁構造11Bでは、室外の空気の温度を−37.7℃まで下げて初めて結露が生じる。間柱13Aの室外52側に充填断熱材15を配置することにより、実施例1の壁構造11Bでは、比較例1の壁構造41Bに比べて、構造用合板の室内51側の外面が結露するのが抑えられることが分かった。
(実施例2)
図5に示すように、実施例2の壁構造11Cは、本実施形態の壁構造11の胴縁21、及び外装材22に代えて、透湿防水シート31を備えている。透湿防水シート31は、外張断熱材16の室外52側の外面に固定されている。
壁構造11Cにおいて、空気層S2の位置を通る領域R3での断熱性能をシミュレートした。内装材24、空気層S2、構造用合板14、充填断熱材15、外張断熱材16、及び透湿防水シート31の厚さ、熱伝導率、透湿比抵抗を表3のように規定した。
Figure 2021031979
外張断熱材16は、フェノバボードであるとした。外張断熱材16において、厚さは35.0mm、熱伝導率は0.019W/(mK)、透湿比抵抗は0.667msPa/(ng)とした。
室内の空気の温度、室内外の空気の湿度、及び各表面熱伝達抵抗は、実施例1と同一である。
室外の空気の温度を−16.9℃まで下げると、表3に示すような温度分布及び飽和水蒸気圧分布となり、このとき充填断熱材15と外張断熱材16との境界(図5中に位置P3で示す)に結露が生じることが分かった。
なお、例えば、このとき内装材24の室内51側の外面の温度は9.4℃となり、内装材24と空気層S2との境界の温度は9.0℃となった。内装材24の室内51側の外面近傍の空気の飽和水蒸気圧は1175.1Paとなり、内装材24と空気層S2との境界の空気の飽和水蒸気圧は1149.0Paとなった。
これに対して、図6に示すように、比較例2の壁構造41Cは、壁構造11Cの各構成に対して、間柱13Aを備えず、構造用合板14は、充填断熱材15及び柱12Aと、外張断熱材16と、の間に配置されている。
壁構造41Cにおいて、空気層S2の位置を通る領域R4での断熱性能をシミュレートした。領域R4では、壁構造11Cの領域R3に対して、構造用合板14が充填断熱材15Aと外張断熱材16との間に配置されている。内装材24、空気層S2、充填断熱材15、構造用合板14、外張断熱材16、及び透湿防水シート31の厚さ、熱伝導率、透湿比抵抗を表4のように規定した。
Figure 2021031979
室内の空気の温度、室内外の空気の湿度、及び各表面熱伝達抵抗は、実施例1と同一である。
室外の空気の温度を−10.0℃まで下げると、表4に示すような温度分布及び飽和水蒸気圧分布となり、このとき充填断熱材15と構造用合板14との境界(図6中に位置P4で示す)に結露が生じることが分かった。
なお、例えば、このとき内装材24の室内51側の外面の温度は9.5℃となり、内装材24と空気層S2との境界の温度は9.3℃となった。内装材24の室内51側の外面近傍の空気の飽和水蒸気圧は1188.3Paとなり、内装材24と空気層S2との境界の空気の飽和水蒸気圧は1168.6Paとなった。
比較例2の壁構造41Cでは、室外の空気の温度を−10.0℃まで下げると結露が生じるのに対し、実施例2の壁構造11Cでは、室外の空気の温度を−16.9℃まで下げて初めて結露が生じる。構造用合板14の配置位置を充填断熱材15の室内51側にすることにより、実施例2の壁構造11Cでは、比較例2の壁構造41Cに比べて、充填断熱材15の外面が結露するのが抑えられることが分かった。
11,11A,11B,11C 壁構造
12A,12B 柱
13A,13B,13C 間柱
14 構造用合板(板材)
15 充填断熱材(第1断熱材)
16,16A,16B 外張断熱材(第2断熱材)
51 室内
52 室外

Claims (5)

  1. 互いに間隔を空けて配置された一対の柱と、
    前記一対の柱の間の全範囲にわたって配置された板材と、
    前記一対の柱の間であって、前記板材よりも室内側に配置され、前記板材に固定された間柱と、
    前記一対の柱の間の全範囲にわたって、前記板材よりも室外側に配置された第1断熱材と、
    を備える壁構造。
  2. 前記板材は、前記一対の柱の外面における、前記一対の柱が並べて配置された方向に直交する方向の端以外の中間部にそれぞれ連結されている請求項1に記載の壁構造。
  3. 前記一対の柱の少なくとも一方の室外側の外面を覆う第2断熱材を備える請求項1又は2に記載の壁構造。
  4. 前記一対の柱及び前記第1断熱材の室外側の外面をそれぞれ覆う第2断熱材を備える請求項1又は2に記載の壁構造。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の壁構造を備える建築物。
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