JP3485730B2 - 吸放湿ボードおよびその製造方法 - Google Patents

吸放湿ボードおよびその製造方法

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JP3485730B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は建築物の内装材等
に使用される吸放湿ボードおよびその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【発明の背景】 近年、建築物の構造は住み心地を向上
させるために気密性が高められ、そして室内は空調設備
によって温度および湿度を調節するような仕様とされて
いる。しかし空調に要するエネルギーは莫大なものとな
り、また室外に放出するエネルギーによる外界温度の上
昇は特に都会では大きな問題となっている。そこで壁材
や天井材等の建築物内装材に吸放湿性を持たせ、室内高
湿時には該内装材に吸湿させ、低湿時には該内装材から
放湿すれば室内調湿に要する空調エネルギーの使用量が
節減出来る。更には該内装材は吸湿により表面結露が防
止されるから、表面結露による壁や天井構造の断熱性の
低下と云う問題が解消され、結果として冷暖房に要する
空調エネルギーの使用量が節減される。
【0003】
【従来の技術】 従来、吸放湿性を有する内装材とし
て、シリカゲルを混合した石 膏板が提供されている
(特開平8−42110号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 上記従来の吸放湿性
石膏板は内部にシリカゲルを偏在させていないので、吸
放湿性を高めようとすると全体的にシリカゲルの含有量
を増やすことが必要である。しかし自硬性のないシリカ
ゲルの含有量を全体的に増やすと石膏板の強度が大巾に
低下する。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明は上記従来の課
題を解決するための手段と して、シリカゲル混合石
ペースト層 (18A) の硬化物であるシリカゲル混合層(2
1)を 表面側に配した石膏ボードからなる吸放湿ボー
ド(20)を提供するものであり、更に原 紙(16A) 上に
シリカゲルSを混合した石膏ペーストAを層状に流し出
し、更にその上 からシリカゲルSを混合しない通常
石膏ペーストBを層状に流し出し、その上から原 紙
(16B) を当接して押圧し、硬化乾燥せしめる吸放湿ボー
ド(20)の製造方法を提供す るものである。
【0006】
【発明の実施の形態】 本発明に使用される石膏は天然
に産出する天然石膏、あるいはボイラー等の排煙脱硫装
置から副生する副生石膏等であり、上記石膏は100℃
前後で乾燥させた後170〜180℃で焼成して焼石膏
とし、該焼石膏は微粒子に粉砕された後図1に示す石膏
タンク(1) 内に備蓄され、該石膏タンク(1) から計量タ
ンク(2) を介して矢印イ方向に巡動するコンベア(3) 上
に供給され、混和タンク(4) 、薬品タンク(5,6,7) から
逐次混和材および薬品を添加されてロート(8) 、分配機
(9) を介してペースト調製タンク(10A) または調製タン
ク(10B) に投入され、タンク(10A) においては水および
コンベア(11)を介してシリカゲルSが添加混合されシリ
カゲルSが混合されている石膏ペーストAが調製され、
タンク(10B) においては水のみが添加されて通常の石膏
ペーストBが調製され、シリカゲル混合石膏ペーストA
は払出タンク(11A) からフラットロール(12)と凹溝付ロ
ール(13)との間に供給され、ロール(14A) から引出され
成形フラットコンベア(15)上で矢印ロ方向に移動する原
紙(16A) 上に層状に流し出され、ドクターブレート(17)
により厚みを調節されてシリカゲル混合石膏ペースト層
(18A) を形成し、通常の石膏ペーストBは払出タンク(1
1B) から該シリカゲル混合石膏ペースト層(18A) 上に流
し出され、ロール(14B) から引出された原紙(16B) がそ
の上から圧着されてシリカゲルを含有しない通常の石膏
ペースト層(18B) を形成する。該複合石膏ペースト層(1
8)は原紙(16A,16B) 間で複数個の押えロール(19)によっ
て押圧され厚みを調節成形され、硬化後所定寸法に切断
されてから120℃程度に加熱乾燥され、図2に示すよ
うな石膏ボード(20)となる。該石膏ボード(20)は表面側
(図面下側)にシリカゲル混合石膏ペースト層(18A) の
硬化物であるシリカゲル混合層(21)が配されている。
【0007】 上記吸放湿ボードに使用されるシリカゲ
ルとしては、可逆的吸湿 性を有し平均細孔径が30
Å以上、望ましくは平均細孔径が40Å以上120Å以
下 のものである。このような平均細孔径が大きいシ
リカゲルは高湿時には平衡吸湿率が 高く、低湿時に
は平衡吸湿率が低い可逆的吸湿性を有する。該シリカゲ
ル混合層(21) における混合量は通常50〜70重量
%程度、該石膏ボード(20)の厚みは通常10〜 15
mm程度で、該シリカゲル混合層(21)の厚みは通常3〜5
mm程度に設定される。
【0008】 上記石膏ボード(20)は例えば図3に示す
ような壁構造に適用され る。図に示す壁構造にあっ
ては、土台(22)と桁行(23)との間に上下端を支持されて
い る間柱(24)の内側には透湿性防水シート(26)を介
して胴縁(25)が差渡され、該胴縁(2 5)の内側に上記
石膏ボード(20)が張設されるが、該石膏ボード(20)はシ
リカゲル混 (21)を室内側に配置される。そして
該間柱(24)間には断熱材(27)が挿入され、該間 柱(2
4)の外側には透湿性防水シート(28)を介して通気性下地
材(29)が張設され、該下 地材(29)の外側には外装材
(30)が張設されている。
【0009】 上記壁構造にあっては室内の空気は該石
膏ボード(20)のシリカゲ ル混合層(21)に直接接触
し、該シリカゲル混合層(21)に含有されているシリカゲ
ルは 高湿時には吸湿し、低湿時には放湿して室内の
調湿を行ない、更に石膏ボード(20)表 面の結露防止
を行なって壁構造の結露による断熱性の低下を防止す
る。
【0010】 更に本発明にあっては、図1に示すボー
ド製造システムにおいて 、払出タンク(11A) の前段
に原紙(16A) 上にシリカゲルが混合されていない通常の
石 膏ペーストを層状に流し出す払出タンクが配置さ
れ、このようなシステムで製造され た石膏ボード(3
0)においては、図4に示すようにシリカゲル混合層(31)
が内側に配置 されている。該石膏ボード(30)にあっ
ては硬化乾燥工程前あるいは硬化乾燥工程後に おい
て図5に示すように原紙(16B) 側から該シリカゲル混
(31)に達する半貫通孔 (32)の複数個を穿孔する。
上記構成の石膏ボード(30)にあっては、湿気を含む空気
は該半貫通孔(32)を介して直接シリカゲル混合層(31)に
接触して調湿される。
【0011】
【発明の効果】 本発明では石膏ボードである吸放湿ボ
ード内にシリカゲル混合層 を配し、該シリカゲル混
合層に直接湿気を含んだ空気を接触させて調湿を行なう
ので 、空気の調湿およびボード表面の結露防止は効
率良く行なわれ、空調設備に要するエ ネルギーが大
巾に削減され、しかもシリカゲルが混合されていない石
膏ボードの部分 により、ボードの強度は充分維持さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ボード製造システム説明図
【図2】 吸放湿ボードの一具体例の部分断面図
【図3】 壁構造縦断面図
【図4】 他の具体例の吸放湿ボードの部分断面図
【図5】 半貫通孔を設けた吸放湿ボードの部分断面図
【符号の説明】
16A,16B 原紙 20,30 石膏ボード(吸放湿ボード) 21,31 シリカゲル混合層 32 半貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI E04B 1/64 E04B 1/64 D (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04F 13/14 E04B 1/64 B32B 13/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリカゲル混合石膏ペースト層の硬化物で
    あるシリカゲル混合層を表面側に配した石膏ボードから
    なることを特徴とする吸放湿ボード
  2. 【請求項2】シリカゲル混合石膏ペースト層の硬化物で
    あるシリカゲル混合層を内 側に配した石膏ボードで
    あって、該石膏ボードの表面から該シリカゲル混合層
    達す る半貫通孔を複数個設けたことを特徴とする吸
    放湿ボード
  3. 【請求項3】原紙上にシリカゲルを混合した石膏ペース
    トを層状に流し出し、更にその上からシリカゲルを混合
    しない通常石膏ペーストを層状に流し出し、その上から
    原紙を当接して押圧し、硬化乾燥せしめることを特徴と
    する請求項1に記載の吸放湿ボードの製造方法
  4. 【請求項4】原紙上にシリカゲルを混合しない通常石膏
    ペーストを層状に流し出し、その上からシリカゲルを混
    合した石膏ペーストを層状に流し出し、更にその上から
    シリカゲルを混合しない通常石膏ペーストを層状に流し
    出し、その上から原紙を当接して押圧し、硬化乾燥の前
    または後に表面から該シリカゲル混合層に達する複数個
    の半貫通孔を穿孔することを特徴とする請求項2に記載
    の吸放湿ボードの製造方法
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