JPH073087B2 - 調湿性複合材 - Google Patents

調湿性複合材

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JPH073087B2
JPH073087B2 JP61216774A JP21677486A JPH073087B2 JP H073087 B2 JPH073087 B2 JP H073087B2 JP 61216774 A JP61216774 A JP 61216774A JP 21677486 A JP21677486 A JP 21677486A JP H073087 B2 JPH073087 B2 JP H073087B2
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和彦 浅野
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は建築物の内装パネル材やその他の壁材或いは単
独の調湿部材等としての使用に適した防火性に優れた調
湿性複合材に関するものである。
(従来の技術) 従来から、室内や庫内の湿気を吸収する材料としては、
木材や吸湿性フィラー含浸紙或いはゾノライト系ケイ酸
カルシウム板が知られている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、木材や吸湿性フィラー含浸紙は可燃性の
ため、内装制限を受ける用途には使用できなかった。そ
のため、ゾノトライト系ケイ酸カルシウム板が用いられ
るが、高価であるので文化財保管庫等の特定用途以外に
は汎用されていない。しかも、木材やゾノトライト系ケ
イ酸カルシウム板は、空気中の湿気を吸着水として取込
み、飽和に達すると、それ以上の湿気の吸収ができない
ために、調湿機能が不充分であるばかりでなく、放湿に
も時間を要するという問題点があった。
一方、吸湿性フィラー含浸紙は吸湿性は優れているが、
それ自体が吸湿するだけであるから、吸湿が進行すると
皺の発生や強度低下が著しく、吸湿性フィラーが流失す
る虞れがある等の問題点を有する。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであ
り、湿気を材内で自由水として取り込むことにより、調
湿性能の向上を図るだけでなく、防火性能を更に良好に
すると共に長期に亘る調湿性能と耐久性の維持を図るこ
とを目的とした調湿性複合材を提供するものである。
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明の調湿性複合材は、
水硬性無機物と吸湿性フィラーとを水で混合し、内添一
体化してなる吸湿体とセメント系水和物硬化体とが一体
化してなることを特徴とするものである。
(作用) 上記のように構成した調湿性複合材を一定の温度下で吸
湿体側から吸湿させると、次のような現象が生じる。
(a).市販の同厚のゾノライト系ケイ酸カルシウム板
に比べて4〜6倍の吸湿能力を有する。
(b).多孔質体側の含水率は自由水の発生により多孔
質単独の飽和含湿率(吸湿して平衡に達した状態)より
高くなる。
(c).多孔質体側の含水率が増加する一方、吸湿体側
の含水率が増加しない場合があり、吸収した湿気が多孔
質体内に移行している。
以上の現象により、吸湿体内に吸湿された空気中の湿気
がセメント系水和物硬化体に移行し、その材内で水に変
化したことになる。
この自由水の生じるメカニズムは明確ではないが、セメ
ント系水和物硬化体は平衡含水率が低くて高湿度下では
微細孔内には実質部で吸湿し切れない飽和蒸気に近い湿
気が存在する一方、吸湿体は平衡含水率が高く、高湿度
下におかれても吸湿性フィラーが完全に吸湿しない限り
吸湿余力があるので、一体化している両者の界面付近で
は両者間に微小な蒸気圧差及び温度差が生じて飽和に近
いセメント系水和物硬化体内側で凝集し、水が生成され
るものと思われる。
セメント系水和物硬化体の微細空隙部ないしは微細孔の
平均孔径は、水銀圧入法で測定すると10μ以下であり、
このような微細孔内においては凝集力により液化が促進
するが、それ以上の大きさ、例えば、濾紙(平均孔径20
μ)では凝集力が小さく、湿気が水滴化しにくくなって
吸湿硬化が小さくなることが実験で確認されている。
実際の使用時には、温度の変化があるので、温度が下が
ると湿気の凝縮が更に増加して多孔質体内での保水が促
進される。
自由水の発生により火災発生時にはその水分が温度上昇
を押さえて効果的な防火性を付与する。
又、セメント系水和物硬化体は水による寸法変化や強度
低下が小さく、上記の凝縮水が生じても性能の低下が僅
かである。
一方、吸湿体内の空隙部は日常の雰囲気下での使用では
凝縮水で充満することは殆どなく、従って、内部で混合
分散された吸湿性フィラーの流出があまり生じないの
で、対向面を密接、一体化したセメント系水和物硬化体
への吸湿性フィラーの移行を押え、長期間に亘って調湿
性を保有し得るものである。
(実施例) 本発明の実施例を図面について説明すると、第1図はパ
ネル状に形成した調湿性複合材の斜視図で、(1)は平
板形状の吸湿材であり、この吸湿材(1)の片面に同じ
く平板形状のセメント系水和物硬化体(2)を一体に固
着してある。
吸湿材(1)は、吸湿性フィラーとして塩化カルシウ
ム、塩化マグネシウム、塩化リチウム等の潮解性物質、
或いはトリエチレングリコール、ポリアクリル酸ソー
ダ、PVA等の水溶性高分子やケイ酸ナトリウム、セピオ
ライト、ゾノトライト等の無機系吸湿材、グラフト化さ
れたデンプン、イソブチレン無水マレイン酸、ポリアク
リル酸塩等の水不溶性高分子吸湿剤のうち、一種又は二
種以上の混合体を使用し、具体的には、セメント、石膏
等の水硬性物質と上記吸湿フィラーとを水で混練一体化
して硬化させたもの、或いは混抄したものにより得られ
たものである。
一方、セメント系水和物硬化体(2)はポルトランドセ
メント、シリカセメント、アルミナセメント、ケイ酸カ
ルシウミム等を主原料としたもので、コンクリート板、
モルタル板、石綿スレート板、ケイ酸カルシウム板、AL
C板、木片セメント板、パルプセメント板、GRC板などが
ある。
上記材料のセメント系水和物硬化体(2)のセメント系
水和物結合部分の微細孔の平均孔径は約10μ以下であ
り、このような微細空隙部に取り込まれる蒸気は凝縮し
易いことが実験の結果判明している。
吸湿体(1)とセメント系水和物硬化体(2)とが一体
化してなる調湿性複合材を得るには、予め成板された吸
湿体(1)とセメント系水和物硬化体(2)とを積層一
体化する方法、吸湿体とセメント系水和物硬化体との何
れか一方を成板しておき、他方をベースト状にして成板
に該ペーストを所望厚さに塗布し、一体に層着する方法
等を採用することができる。
又、吸湿体(1)の両面にセメント系水和物硬化体
(2)を積層、一体化してもよい。
さらに、第2図に例示するように、上下面間に貫通する
適宜径の孔(3)を複数個設けるように押し出し成形さ
れたセメント系水和物硬化体(2)の該孔(3)内にペ
ースト状の吸湿材を充填して固化させるか、或いは孔
(3)と同形状に形成した吸湿体(3)を該孔(3)内
に挿着してもよい。
なお、吸湿体(1)とセメント系水和物硬化体(2)と
の接合面には、透湿性を妨げない程度の接着層、或い
は、吸湿性フィラーや水分が移動しないような撥水層、
半透膜などを介在させてもよい。
又、セメント系水和物硬化体(2)を配設していない吸
湿体(1)の表面側に、紙、布、又は透湿性塗膜、合
板、石膏ボード、ロックウール吸音板等の化粧パネルの
ような透湿性材料を一体に積層しておいてもよく、さら
に、セメント系水和物硬化体(2)の露出面側に該面か
ら吸湿しないように断湿層を設けておいてもよい。
次に本発明の具体的な実施例並びに比較例を示す。
実施例1 吸湿性フィラーとしてトリエチレングリコールを使用
し、このトリエチレングリコール20重量部に石膏と水を
各々100重量部ずつ添加して混練したのち、15mm厚の平
板状に形成、硬化して得られた吸湿体の片面に、厚さ9m
mの市販のケイ酸カルシウム板を積層一体化してなる調
湿複合材を得た。
実施例2 実施例1のセメント系水和物硬化体に代えて上下方向に
複数の充填用孔を貫設してなる厚さ25mmの押出成形セメ
ントケイ酸カルシウム板(微細孔の平均孔径0.3μ)を
用い、この押出成形セメントケイ酸カルシウム板の前記
孔に、セメント:水:塩化カルシウム=100:50:20の割
合で混練してなるペーストを充填、硬化して調湿複合材
を得た。
比較例1 市販の調湿材として、厚さ25mmのゾノトライト系ケイ酸
カルシウム板を用いた。
上記実施例1、2及び比較例において、調湿材を構成す
る吸湿体及びケイ酸カルシウム板、押出成形セメントケ
イ酸カルシウム板、ゾノトライト系ケイ酸カルシウム板
の各単体に95%RHのデシケータ内で平衡に達するまで、
予め吸湿させた時の含水率は次の通りであった。
吸湿体:70%、ケイ酸カルシウム板:15%、押出成形セメ
ントケイ酸カルシウム板:13%、ゾノトライト系ケイ酸
カルシウム板:25%。
又、上記実施例1、2及び比較例の吸湿体及びケイ酸カ
ルシウム板、押出成形セメントケイ酸カルシウム板、ゾ
ノトライト系ケイ酸カルシウム板の各層を予め35%RHで
調湿したのち上記のように夫々の調湿材に構成し、95%
RHのデシケータ内で7日間吸湿させたのち、これらの調
湿材の各層の含水率を測定した結果は次の通りであっ
た。
吸湿体:20〜25%、ケイ酸カルシウム板:25%、押出成形
セメントケイ酸カルシウム板:20%。
又、実施例1、2の調湿材の水分吸着量(重量増加)は
1800〜2000g/m2であるのに対し、比較例の調湿材は450g
/m2であった。
以上の結果から、実施例1、2におけるケイ酸カルシウ
ム板は飽和含水率以上の重量増加があり、該多孔質体内
で自由水が発生していることが理解でき、しかも、吸湿
速度も比較例に比べて約4倍大きく、自由水で保有して
いるので放湿も早いものと考えられ、調湿速度が優れて
いることが分かる。
(発明の効果) 以上のように本発明の吸湿複合材によれば、水硬性無機
物と吸湿性フィラーを水で混合し、内添一体化してなる
吸湿体とセメント系水和物硬化体とを一体化したことに
よって、セメント系水和物硬化体が単体で吸湿し得る以
上の水分を自由水として取り込むことができる構造とな
り、吸湿量を一段と増大させることができると共に調湿
速度も従来のものに比べて4〜6倍もの早さとなって円
滑な調湿機能を発揮するものである。しかも、防火性能
の向上が図れると共に安価に供給できる。
さらに、吸湿性フィラーが吸湿体の内部に混合分散され
ており、従来のような流失が少なくなって、吸湿体の内
部で充分保持されているので、吸湿しても、対向面を密
接、一体化したセメント系水和物硬化体への吸湿性フィ
ラーの移行が少なく又、強度低下や反りの発生を生じ
ず、吸湿性の低下が小さくて耐久性が良好であり、吸湿
性を長期に亘り保持し得るものである。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の2種の実施例を示すもので、第1図は例
1の斜視図、第2図は例2の斜視図である。 (1)……吸湿体、(2)……セメント系水和物硬化
体。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水硬性無機物と吸湿性フィラーとを水で混
    合し、内添一体化してなる吸湿体と、セメント系水和物
    硬化体との対向面を密接、一体化してなることを特徴と
    する調湿性複合材。
  2. 【請求項2】水硬性無機物と吸湿性フィラーとを水で混
    合し、内添一体化してなる吸湿体と、セメント系水和物
    硬化体とを平板形状に形成して積層一体化してなること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の調湿性複合
    材。
  3. 【請求項3】セメント系水和物硬化体に形成した空間部
    に、水硬性無機物と吸湿性フィラーとを水で混合し、内
    添一体化してなる吸湿体を充填ないしは介在させてなる
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の調湿性複
    合材。
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DE8787308053T DE3768751D1 (de) 1986-09-12 1987-09-11 Hygroskopisches verbundmaterial.
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