JPH061926A - 調湿性を有する塗材 - Google Patents

調湿性を有する塗材

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JPH061926A
JPH061926A JP4183172A JP18317292A JPH061926A JP H061926 A JPH061926 A JP H061926A JP 4183172 A JP4183172 A JP 4183172A JP 18317292 A JP18317292 A JP 18317292A JP H061926 A JPH061926 A JP H061926A
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JP
Japan
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clay mineral
inorganic salt
water
coating material
synthetic resin
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Application number
JP4183172A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Mimura
清 三村
Akira Matsuoka
章 松岡
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Daiken Trade and Industry Co Ltd
Original Assignee
Daiken Trade and Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 壁材や天井下地材等の内装材表面に塗布して
室内の調湿を行う塗材を提供する。 【構成】 モンモリロナイトを主成分とする粘土鉱物
と、無機塩と、水硬性物質と、合成樹脂エマルジョン
と、水との混合組成物よりなり、無機塩がモンモリロナ
イトを主成分とする粘土鉱物との陽イオン交換により粘
土鉱物の層内に吸着され、且つ粘土鉱物の層間が膨潤状
態で固定して多孔質となっており、無機塩と粘土鉱物と
の良好な吸放湿性、並びに水硬性物質の硬化による無数
の微細な小孔とによって内部にまで良好な通湿機能を発
現させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は室内の壁や天井下地材、
即ち、コンクリートや合板、石膏ボード等からなる内装
下地材の表層に塗着することによって、調湿性を有する
内装面を形成する塗材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物の壁や天井下地材等の内装材に
は、室内の空気中に含まれている水分の付着、凝縮によ
って、結露が発生し、内装材の耐用性に悪影響を及ぼす
ばかりでなく、生活環境をも損なうことになる。そのた
め、結露の発生を防止する手段が開発されつゝあり、例
えば、特公平2ー60391号公報に記載されているよ
うな結露防止性を有する塗料が知られており、この塗料
を内装材に塗布して湿気吸収層を形成することが行われ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この塗
料は吸水性ポリマーをポリウレタンフォームのような合
成樹脂発泡調製液に混合してなるものであるから、吸湿
速度が遅いと共に比較的水分の拡散移動が生じ難く、多
量の水分を吸着させた場合には湿気吸収層の表層部分に
て飽和してしまってそれ以上の吸水が妨げられ、内層部
まで有効に吸水させることができないという問題点があ
る。また、吸水性ポリマーは内部に保有している水分の
放湿速度が小さいため、室内の乾燥度に応じて水分を放
出するという、室内調湿機能に劣るものである。
【0004】従って、長時間、高湿度環境下にあると、
湿気吸収層の表層部で飽和してしまい、表面結露や湿度
の調整ができなくなるものであり、そのため、内装材の
内部における水分の移動を可能にするには、大量の吸水
性ポリマーが必要となって塗膜性能の悪化や価格の高騰
につながり、実用化には困難性を有するものである。本
発明はこのような問題点を解消し得る調湿性を有する塗
材の提供を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の調湿性を有する塗材は、上記請求項1に記
載しているように、モンモリロナイトを主成分とする粘
土鉱物と、無機塩と、水硬性物質と、合成樹脂エマルジ
ョンと、水との混合物を必須成分とする塗料組成物から
なるものである。また、請求項2に記載した発明におい
ては、モンモリロナイトを主成分とする粘土鉱物と無機
塩とを水に混合したのち乾燥して得られた無機塩吸着粘
土鉱物に、水硬性物質と、合成樹脂エマルジョンと水と
を混合してなることを特徴とするものである。
【0006】
【作用】モンモリロナイトを主成分とする粘土鉱物と無
機塩とは、水の存在下においてモンモリロナイトの交換
性陽イオンと無機塩の陽イオンとが交換して粘土鉱物の
層間に無機塩の陽イオンが入り込み、層間が膨潤した状
態で固定して多孔質性を確保する。粘土鉱物の層間に吸
着した無機塩は比較的大きな吸湿性を有しており、モン
モリロナイトも吸湿性があるので、これらの粘土鉱物と
無機塩、および水硬性物質、合成樹脂エマルジョンとの
混合塗料組成物からなる塗材を内装材等の表面に塗布し
た場合、良好な吸湿作用を発揮するばかりでなく、粘土
鉱物や無機塩は吸湿性と共に比較的水分を放湿しやすい
ので、室内の湿度状況に即応して吸放湿作用を行い、優
れた室内調湿機能を発揮する。
【0007】また、無機塩は粘土鉱物の層間に入り込ん
でいるので、水硬性物質の硬化時に収縮作用を受けても
寸法変化が生じ難く、従って、塗膜にクラックが入りに
くいものであり、その上、水硬性物質は無機塩を吸着さ
せている粘土鉱物の多孔質性を維持しながら硬化するバ
インダーであって、硬化後に無数の微細な小孔を形成
し、内装材の内部における水分移動を妨げることはな
い。一方、合成樹脂エマルジョンは、モルタルや合板等
の内装材との接着性が良好であって塗膜が内装材から脱
落する虞れもなく、且つ塗材を確実に造膜させることが
できる。
【0008】本発明の請求項2に記載した発明によれ
ば、まずモンモリロナイトを主成分とする粘土鉱物と無
機塩とを水に混合したのち乾燥させるものであるから、
無機塩を粘土鉱物の層間に確実に吸着させることがで
き、その後、水硬性物質や合成樹脂エマルジョンによっ
て層間に無機塩を吸着させた粘土鉱物が固定されるの
で、一層優れた吸放湿作用並びに室内調湿機能を発揮す
るものである。
【0009】
【実施例】本発明の実施例を説明すると、調湿性を有す
る塗材は粘土鉱物、無機塩、水硬性物質、骨材、補強
材、合成樹脂エマルジョン、および水とを所定量宛、混
合してなる塗料組成物からなるものである。この塗料組
成物において、上記粘土鉱物としてはベントナイトなど
のモンモリロナイトを主成分とする層状粘土鉱物が用い
られ、無機塩としてはCaCl2 、MgCl2 、KC
l、AlCl3 、ZnCl2 、LiCl、NaCl、N
aNo3 、KNo3 、AgNo3 、Pb(No32
Ca(No32 等の単体、または混合物が使用され
る。
【0010】また、水硬性物質としてはセメント、ケイ
酸カルシウム、マグネシア、石膏、石膏スラグ等の単体
又は混合物を用いることができ、増量材としての骨材に
は、ケイ砂、砂、寒水石、パーライト、シラスバルーン
等がある。さらに、補強材としてはポリプロピレン、パ
ルプ、ワラストナイトが使用され、バインダーとして用
いられる合成樹脂エマルジョンとしては、アクリルやア
クリルウレタン樹脂エマルジョンであって、適量の増粘
剤や分散剤、増膜助剤を添加して水硬性物質との親和性
を向上させたものを用いる。
【0011】上記各材料の混合割合としては、重量比率
で粘土鉱物100重量部に対して無機塩は2〜15重量
部、水硬性物質は30〜200重量部、骨材30〜10
0重量部、補強材1〜10重量部、合成樹脂エマルジョ
ン5〜50重量部、水30〜500重量部が適当であ
り、無機塩の配合割合が上記の量以上になると遊離して
しまうので好ましくない。
【0012】このような塗料組成物からなる塗材を室内
の壁や天井下地材等の内装材に、金コテやローラ、刷毛
等の適宜な塗装具を用いて膜厚が1〜10mm程度となる
ように塗布した場合、合成樹脂エマルジョンを介して内
装材に強固に塗着すると共に無機塩がモンモリロナイト
を主成分とする粘土鉱物との陽イオン交換によって粘土
鉱物の層内に吸着されているため、層間が膨潤した状態
で固定して多孔質となり、この多孔質性が水硬化性物質
の硬化によって維持され、且つ該水硬性物質が硬化後に
無数の微細な小孔を形成して塗膜の全体に亘って良好な
通湿機能を発揮することになる。
【0013】さらに、無機塩は比較的大きな吸湿性を有
しており、モンモリロナイトも吸湿性があるので、塗膜
が良好な吸湿作用を奏するばかりでなく、粘土鉱物や無
機塩は吸湿性と共に比較的水分を放湿しやすいので、室
内の湿度状況に即応して吸放湿作用を行い、優れた室内
調湿機能を発揮するものである。なお、内装材に対する
塗材の塗布作業は、内装材製造工場において、合板やケ
イ酸カルシウム等の板状物表面にフローコータを使用し
て塗着してもよい。
【0014】このような塗材の製造方法としては、ま
ず、粘土鉱物と無機塩とを水に上記配合割合でもって混
合して1〜24時間放置すると、粘土鉱物が膨潤すると
共に粘土鉱物の層間に無機塩の陽イオンが入り込んで粘
土鉱物が凝集した状態で沈澱する。次いで、粘土鉱物が
沈澱した水溶液中に、上記配合割合でもって水硬性物質
と骨材、補強材、合成樹脂エマルジョンおよび水を混合
することにより得ることができる。
【0015】また、別な製造方法としては、粘土鉱物と
無機塩とを水に混合して上記のように凝集、沈澱させた
のち、これを乾燥して無機塩吸着粘土鉱物とし、この無
機塩吸着粘土鉱物と、水硬性物質と、骨材と、補強材
と、合成樹脂エマルジョン及び水とを混合してもよく、
さらに、上記固形の無機塩吸着粘土鉱物と、水硬性物質
と、骨材と補強材とを混合してなる粉体に、適宜な水で
希釈した合成樹脂エマルジョンを混合することにより塗
材を作製してもよい。このように、予め、無機塩吸着粘
土鉱物を作っておくと、粘土鉱物の層間に無機塩を確実
に吸着させた状態とすることができると共に、その後に
水硬性物質や合成樹脂エマルジョンによって層間に無機
塩を吸着させた粘土鉱物が固定されるので、一層優れた
吸放湿作用並びに室内調湿機能を発揮するものである。
【0016】尚、使用方法として建築現場等で用いる場
合は、予め、無機塩吸着粘土鉱物と水硬性物質と骨材、
補強材を一定の割合で混合した粉体に合成樹脂エマルジ
ョンを主体とする液体を用意しておき、使用直前に一定
量の水と共に混合して用いると混合比率が確実となり、
好ましい。また、無機塩吸着粘土鉱物と合成樹脂エマル
ジョンを混合した液体と水硬性物質と骨材、補強材を混
合した粉体を用意して使用直前に混合して用いてもよ
い。
【0017】次に、本発明実施例における塗材の吸放湿
試験結果を示す。この試験方法は、大きさが6×100
×100mmのケイ酸カルシウム板の表面にリバースコー
タを用いて、配合割合を、セメント100重量部、ベン
トナイト65重量部、塩化カルシウム2部、軽量骨材
(パーライト)50重量部、補強材(ワラストナイト)
1.4部、水97部、合成樹脂エマルジョン11部とし
た塗材を1.6mm厚、及び3.2mm厚に塗布したのち、
該塗膜を硬化乾燥させて実施例1、2を作成し、これら
の板状物を25℃、50%RH中で平衡含水率となる衡
量を確認したのち塗膜以外の板面を非通気性材料によっ
てシールし、25℃、90%RH中で24時間吸湿させ
た。引き続き25℃、50%RH中で24時間放湿さ
せ、この間の吸放湿量を板状物の重量変化から測定し
た。比較例1、2として特公平2ー60391号公報に
準じた塗材を実施例と同様に作成し、これを上記実施例
と同様に試験した。その結果を図1に示す。この図から
明らかなように、実施例1、2は比較例1、2に比べ、
吸湿性、放湿性とも極めて優れていることが判った。
【0018】
【発明の効果】以上のように本発明の調湿性を有する塗
材によれば、モンモリロナイトを主成分とする粘土鉱物
と、無機塩と、水硬性物質と、合成樹脂エマルジョン
と、水との混合物を必須成分とする塗料組成物からなる
ものであるから、モンモリロナイトの交換性陽イオンと
無機塩の陽イオンとが交換して粘土鉱物の層間に無機塩
の陽イオンが入り込み、層間が膨潤した状態で固定して
吸放湿機能を有する多孔質性を確保することができるも
のであり、この多孔質性とともに、無機塩は比較的大き
な吸湿性を有しており、モンモリロナイトも吸湿性を有
するので、この塗材を内装材等の表面に塗布した場合、
良好な吸湿機能を発揮するばかりでなく、粘土鉱物や無
機塩は吸湿性と共に比較的水分を放湿しやすいので、室
内の湿度状況に即応して吸放湿作用が行われ、優れた室
内調湿が可能となるものである。
【0019】また、無機塩は粘土鉱物の層間に入り込ん
でいるので、水硬性物質の硬化時に収縮作用を受けても
寸法変化が生じ難く、従って、塗膜にクラックが生じに
くい安定した塗膜を形成することができ、その上、水硬
性物質によって上記粘土鉱物の多孔質性が維持されると
共に、水硬性物質は硬化後に無数の微細な小孔を形成し
て内装材の内部における水分移動を妨げることはなく、
内部まで有効な吸放湿機能を発揮させることができる。
さらに、合成樹脂エマルジョンは、モルタルや合板等の
内装材との接着性が良好であるから、塗膜が内装材から
脱落する虞れもなく、且つ塗材を確実に造膜させること
ができるものである。
【0020】また、本発明の請求項2に記載しているよ
うに、モンモリロナイトを主成分とする粘土鉱物と無機
塩とを水に混合したのち乾燥させてなる固形の無機塩吸
着粘土鉱物を作製すれば、無機塩を粘土鉱物の層間に確
実に吸着させることができ、その後、水硬性物質や合成
樹脂エマルジョンによって層間に無機塩を吸着させた粘
土鉱物が固定されるので、一層優れた吸放湿作用並びに
室内調湿機能を発揮させることができるものである。
【0021】このような本発明の塗材を用いれば、厚み
の大なる塗膜となるように塗布しても、多孔性が確保で
きて内部にまで有効に吸放湿機能を発揮させることがで
き、長時間、高湿度の環境下にあっても塗膜の表層部で
飽和状態となるようなことはなく、室内の温度状況に即
応して吸放湿を行って優れた表面結露防止性能と湿度調
整機能とを備えることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸放湿試験結果を示す線図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モンモリロナイトを主成分とする粘土鉱
    物と、無機塩と、水硬性物質と、合成樹脂エマルジョン
    と、水との混合物を必須成分とする塗料組成物からなる
    ことを特徴とする調湿性を有する塗材。
  2. 【請求項2】 モンモリロナイトを主成分とする粘土鉱
    物と無機塩とを水に混合したのち乾燥して得られた無機
    塩吸着粘土鉱物に、水硬性物質と、合成樹脂エマルジョ
    ンと水とを混合してなる調湿性を有する塗材。
JP4183172A 1992-06-16 1992-06-16 調湿性を有する塗材 Pending JPH061926A (ja)

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Cited By (5)

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