JP4832810B2 - 表面化粧無機質抄造板 - Google Patents

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Description

本発明は、無機質抄造板に関するものであり、更に詳しくは、表面化粧層を備えてなる表面化粧無機質抄造板に関するものである。
現在、一般的な建材として使用されている無機質板には、例えばセメント系、石膏系、ケイ酸カルシウム系等の材質のものがある。これらの無機質板は、通常、抄造法、プレス成形法等の方法によって製造されている。
無機質板の原料としては、セメント系、石膏系およびケイ酸カルシウム系とも、通常、マトリックス形成原料および繊維原料を必須原料とし、これらの必須原料とともに、必要な性能を付与するための無機質充填材を併用している。従来は、繊維原料として石綿が使用されていた。石綿は、無機質板の製造および性能に極めて好適な繊維であるが、健康への影響も指摘されていることから、石綿を使用せずに無機質板を製造し、必要な性能を得るために様々な技術開発が行われてきた。
例えば、繊維補強された無機質板の抄造法による製造方法に関して、特許文献1には、セルロースパルプ、合成パルプ、ガラス繊維、PVA繊維、PAN繊維、アラミド繊維及びカーボン繊維からなる群から選択された繊維質原料と、ポルトランドセメントを主体とするか、または石灰質原料と珪酸質原料を主体とするマトリックス形成用粉体原料を必須成分とする構成原料を湿式混合し、抄造法により形成した生板を複数枚積層した後、プレス成形を行い、養生硬化することからなるノンアスベストスレートの製造方法において、プレス成形前の生板含水率を33%以上とし且つプレス成形による生板含水率の低下量を10%以上とすることを特徴とするノンアスベストスレートの製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、セメント20〜60質量%、予め石灰質原料とシリカ質原料を水熱合成してなるけい酸カルシウム系軽量水熱合成物5〜50質量%、補強繊維3〜18質量%および充填材0〜60質量%からなる配合物を湿式成形して得られ、かさ比重0.5〜1.2、曲げ強度10〜30N/mmおよび壁倍率2.5以上であることを特徴とする無機質耐力面材が開示されている。
更に、特許文献3には、II型無水石こう98〜60重量%(質量%)と短繊維2〜40重量%(質量%)からなる混合物100重量部(質量部)、無機粉末5〜100重量部(質量部)、および上記II型無水石こう100重量部(質量部)に対する添加割合が0.1〜2.5重量部(質量部)の石こう硬化促進剤からなる組成物を、水温20〜35℃のスラリーとし、該スラリーを抄造成形した後、1〜400kg/cmの圧力で加圧成形して抄造板とし、該抄造板を温度0〜15℃、湿度70〜100%の雰囲気下で冷却養生することを特徴とする無水石こう抄造板の製造方法が開示されている。
また、特許文献4には、予め石灰質原料とケイ酸質原料を水と混合し、水熱合成して得られ、平均粒子径が25μm〜150μmであるケイ酸カルシウム水和物5〜50質量%、セメント20〜60質量%及び補強繊維3〜18質量%を含有する配合物を湿式加圧成形することにより表裏面の少なくとも一面に凹凸形状を形成してなる、曲げ強度が10N/mm以上の無機質板(請求項1);予め石灰質原料とケイ酸質原料を水と混合し、水熱合成して得られ、平均粒子径が25μm〜150μmであるケイ酸カルシウム水和物5〜50質量%、セメント20〜60質量%及び補強繊維3〜18質量%を含有する配合物に水を加えてスラリーとし、該スラリーを脱水成形して得られたグリーンシートの表裏面の片面又は両面と凹凸形状を有する型板とを重ね合わせた積層体を単体又は複数体積み重ねて1〜25N/mmの圧力で加圧成形し、次いで養生硬化することを特徴とする製造方法(請求項5)が開示されている。
また、近年、高断熱技術の向上に伴い、住宅及び他の建築物の高気密化が進み、室内の温度環境及び省エネルギーレベルが向上している。その反面、室内の多湿化、あるいは寒冷期の結露といった弊害も少なくない。換気システムの導入による解消は可能であるが、小規模オフィスや一般家庭では現実的とは言えない。そこで、現在では、内装用壁材に調湿機能を付与した調湿建材が提案されている。例えば特許文献5には、かさ比重がある一定の範囲内にありかつ、ある一定範囲内の直径を有する細孔を特定量有する多孔質成形体に潮解性物質を含有させることにより、表面硬度が高く、吸放湿性に優れ吸湿時も表面にぬれが生じにくい吸放湿建材が開示されている。
また、本出願人は、特願2004−222404号において、マトリックス形成用水和性原料20〜60質量%;無機質充填材1〜50質量%;補強繊維(石綿を除く)3.5〜12質量%;及び予め石灰質原料およびケイ酸質原料を水熱合成して得られるケイ酸カルシウム水和物10〜50質量%を含有してなる配合物を湿式混合してスラリーを得、得られたスラリーを抄造することにより生板を得、得られた生板を加圧脱水した後、養生硬化することからなる無機質抄造板の製造方法において、前記ケイ酸カルシウム水和物の平均粒子径は、30μm〜100μmの範囲内にあり、前記補強繊維は、濾水度がカナディアン標準フリーネスで150〜450mlの範囲内にある天然繊維3〜11質量%及び繊維長6.0〜0.2mmで、繊維径20〜50μmの範囲内にある無機繊維及び/または合成繊維0.5〜5質量%から構成され、抄造工程におけるエンドレスフェルト上での薄膜の脱水速度を5〜30%/秒の範囲内とし、且つメーキングロールに巻き取る際の薄膜の含水率を100〜180%とすることによりメーキングロールから切り離した後の生板の見掛け密度を0.35〜0.65g/cmの範囲内とし、該生板を加圧脱水し、加圧脱水後の生板の見掛け密度を加圧脱水前の生板の見掛け密度の1.3〜2.0倍の範囲内とすることを特徴とする無機質抄造板の製造方法(請求項1);並びに前記無機質抄造板の23℃−75%RHと23℃−53%RHの間での吸放湿量が30g/m以上であることを特徴とする無機質抄造板(請求項6)を既に提案している。
更に、特許文献6には、珪酸カルシュウム、石膏、スラグセメント、珪藻土等から選ばれた無機質を主原料とし、珪藻土、シリカゲル、珪酸カルシュウム、セピオライト、ゼオライト、シラス、カオリナイト質粘土、酸化アルミニュウム、木炭、活性炭等から選ばれた吸放湿材料と補強繊維等からなる原料を混合して形成された吸放湿性能を有する基材の一面に、接着剤を介して化粧単板が貼着されてなる化粧単板貼り調湿性防火建材(請求項1);重量で、二水石膏:2%〜30%、水硬性物質:15〜60%、粒度が2μm〜100μmの範囲内にある珪藻土:5%〜30%、パーライト:10%〜15%、有機質補強繊維:3%〜5%および無機質繊維:1%〜8%の何れか一方または双方からなる基材の一面に、通気性シーラー層が形成され、その表面に接着剤を介して化粧単板が貼着されてなる請求項1記載の化粧単板貼り調湿性防火建材が開示されている。
また、コンクリート構造物表面に透湿性塗膜を提供するための水性塗料組成物として、例えば特許文献7には、水性塗料組成物における固形分100重量部(質量部)、アルキルアルコキシシランの水分散体(a)15〜47重量部(質量部)、フッ素エマルジョン(b)8〜27重量部(質量部)、フッ素ペンダントアクリルポリマー(c)9〜27重量部(質量部)、および、顔料(d)1〜35重量部(質量部)からなることを特徴とする水性塗料組成物(請求項1);さらに、生物不活性剤を0.1〜2重量部(質量部)含んでいる請求項1に記載の水性塗料組成物(請求項2);さらに、極性有機溶剤および/または増粘剤を合計3〜10重量%(質量%)を含んでいる請求項1または2に記載の水性塗料組成物(請求項3);請求項1ないし3のうちのいずれか1つに記載の水性塗料組成物を塗布して得られる塗膜であって、23℃、湿度50%における24時間当たりの透湿量が30〜40g/mであることを特徴とする透湿性塗膜(請求項4)が開示されている。
特公平8−25182号公報 特許請求の範囲 特開2001−48630号公報 特許請求の範囲 特公平7−35289号公報 特許請求の範囲 特開2003−136514号公報 特許請求の範囲 特開2003−286088号公報 特許請求の範囲 特開2002−178444号公報 特許請求の範囲 特開2001−348529号公報 特許請求の範囲
しかしながら、特許文献1に開示されているノンアスベストスレートの製造方法は、抄造法により、厚さの厚いノンアスベストスレートを剥離を生ずることなく効率的に製造する方法に関するものであり、耐衝撃性や吸放湿性能に優れたノンアスベストスレートを製造するための方法については何等開示されていない。また、この方法により製造されたノンアスベストスレートは、高密度及び高強度を有するが、必ずしも十分な柔軟性、耐衝撃性および吸放湿性能を有するものではない。また、特許文献2には、耐衝撃性および吸放湿性能に優れた無機質板を製造するための方法は何等開示されておらず、特許文献2に開示されている原料および方法により製造して得られる無機質耐力面材は、高密度および高強度を有するものであるが、必ずしも十分な柔軟性、耐衝撃性および吸放湿性能を有するものではない。更に、特許文献3に開示されている無水石こう抄造板の製造方法においても、耐衝撃性や吸放湿性能に優れた無水石こう板を製造するための方法については何等開示されていない。また、特許文献4は、深い凹凸形状を有する無機質板およびその製造方法に関するものであり、耐衝撃性および吸放湿性能に優れた無機板の製造方法については何等開示されていない。更に、特許文献5には、調湿建材を抄造法により製造することについて何等開示されていない。また、特許文献6には透湿性塗料を施した調湿建材について開示されているが、高強度、耐衝撃性に優れる無機質抄造板については何ら言及されていない。
従って、本発明の目的は、原料として石綿を使用しないにもかかわらず、施工性、柔軟性、強度、ネジ保持力等に優れるとともに、高い耐衝撃性能並びに調湿建材としての吸放湿性能を有する無機質抄造板を基材として使用した表面化粧無機質抄造板を提供することにある。
即ち、本発明の表面化粧無機質抄造板は、マトリックス形成用水和性原料20〜60質量%;無機質充填材1〜50質量%;濾水度がカナディアン標準フリーネスで150〜450mlの範囲内にある天然繊維3〜11質量%および繊維長6.0〜0.2mmで、繊維径20〜50μmの範囲内にある無機繊維および/または合成繊維0.5〜5質量%から構成される補強繊維(石綿を除く)3.5〜12質量%;及び予め石灰質原料およびケイ酸質原料を水熱合成して得られる平均粒子径が30μm〜100μmの範囲内にあるケイ酸カルシウム水和物10〜50質量%を含有してなる配合物を湿式混合してスラリーを得、得られたスラリーをエンドレスフェルト上での薄膜の脱水速度を5〜30%/秒の範囲内とし、且つメーキングロールに巻き取る際の薄膜の含水率を100〜180%とすることによりメーキングロールから切り離した後の生板の見掛け密度を0.35〜0.65g/cmの範囲内として抄造することにより生板を得、該生板を加圧脱水し、加圧脱水後の生板の見掛け密度を加圧脱水前の生板の見掛け密度の1.3〜2.0倍の範囲内とした後、養生硬化することにより得られた無機質抄造板を基材とし、該基材の少なくとも一面に透湿性表面化粧層を備えてなることを特徴とする。
また、本発明の表面化粧無機質抄造板は、基材と透湿性表面化粧層の間に、透湿性シーラー層を備えてなることを特徴とする。
更に、本発明の表面化粧無機質抄造板は、基材として使用される無機質抄造板の抄造法が丸網式抄造法であることを特徴とする。
また、本発明の表面化粧無機質抄造板は、基材として使用される無機質抄造板の曲げ強度が10N/mm以上であることを特徴とする。
更に、本発明の表面化粧無機質抄造板は、基材として使用される無機質抄造板の厚さ1mmあたりのネジ保持力が20N以上であることを特徴とする。
また、本発明の表面化粧無機質抄造板は、基材として使用される無機質抄造板の厚さ1mmあたりの耐衝撃エネルギーが2.0J以上であることを特徴とする。
更に、本発明の表面化粧無機質抄造板は、基材として使用される無機質抄造板の23℃−75%RHと23℃−53%RHの間での吸放湿量が30g/m以上であることを特徴とする。
本発明によれば、原料として石綿を使用しないにもかかわらず、施工性、柔軟性、強度、ネジ保持力等に優れるとともに、高い耐衝撃性能並びに調湿建材として優れた吸放湿性能を有する無機質抄造板を基材として使用した表面化粧無機質抄造板が提供される。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
まず、本発明の表面化粧無機質抄造板に基材として使用される無機質抄造板について説明する。該無機質抄造板は、マトリックス形成用水和性原料20〜60質量%;無機質充填材1〜50質量%;濾水度がカナディアン標準フリーネスで150〜450mlの範囲内にある天然繊維3〜11質量%および繊維長6.0〜0.2mmで、繊維径20〜50μmの範囲内にある無機繊維および/または合成繊維0.5〜5質量%から構成される補強繊維(石綿を除く)3.5〜12質量%;および予め石灰質原料およびケイ酸質原料を水熱合成して得られる平均粒子径が30μm〜100μmの範囲内にあるケイ酸カルシウム水和物10〜50質量%を含有してなる配合物を湿式混合してスラリーを得、得られたスラリーをエンドレスフェルト上での薄膜の脱水速度を5〜30%/秒の範囲内とし、且つメーキングロールに巻き取る際の薄膜の含水率を100〜180%とすることによりメーキングロールから切り離した後の生板の見掛け密度を0.35〜0.65g/cmの範囲内として抄造することにより生板を得、該生板を加圧脱水し、加圧脱水後の生板の見掛け密度を加圧脱水前の生板の見掛け密度の1.3〜2.0倍の範囲内とした後、養生硬化することにより得ることができる。
ここで、マトリックス形成用水和性原料は、水硬性および気硬性のいずれであってもよく、特に限定されるものではないが、強度発現力が高いことから水硬性セメントが好適であり、例えば、普通ポルトランドセメント、早強セメント、高炉セメント、低熱セメント、エコセメント等を挙げることができる。また、気硬性セメントとしては、半水石膏、II型無水石膏等の石膏系材料を挙げることができる。石膏系材料を用いる場合は、必要に応じて硬化遅延剤(クエン酸、フタル酸、酒石酸等)または硬化促進剤(硫酸ナトリウム等のアルカリ金属硫酸塩等)を所定量添加することができる。なお、マトリックス形成用水和性原料の比表面積は、水硬性セメントの場合、2500〜5000cm/g、好ましくは3000〜4000cm/gの範囲内にあり、気硬性セメントの場合、4000〜80000cm/g、好ましくは4500〜6500cm/gの範囲内にあることが望ましい。
また、無機質充填材は、一般的に無機質板に使用されるものであればよく、とくに制限されないが、例えばマイカやウォラストナイト等の耐熱性向上用充填材、二水石膏や炭酸カルシウム等の耐火性向上用充填材、珪石等の亀裂発生防止用充填材、フェロシリコンダストやフライアッシュ等のポラゾン物質等が挙げられ、これらは2種類以上を併用することもできる。
更に、補強繊維は、例えば、木質パルプ、各種麻類等の天然繊維、ガラス繊維、ロックウール、セラミックウール、炭素繊維などの無機繊維、人造パルプ、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、アクリル、レーヨン等の合成繊維が挙げられる。中でも、曲げ強度および耐衝撃性能を一層高めるという観点から、木質パルプ等のセルロース系繊維を補強繊維の主成分として用いるのが好適である。なお、天然繊維の濾水度は、JIS P 8121に規定されるカナディアン標準フリーネス(以下CSFという)で150〜450ml、好ましくは150〜350mlの範囲内にある。CSFは、補強繊維、例えば木質パルプを湿式にてリファイナー等による叩解処理を行うことで調整することができる。該叩解処理により、繊維の枝分かれが増加し、いわゆるフィブリル化がなされ、その結果マトリックス形成用水和性原料が水和して形成されるマトリックスとの密着性及び柔軟性の向上を図ることができる。ここでCSFを450ml以下にすることにより、補強繊維とマトリックスとの十分な密着が達成されるとともに、良好な補強繊維の分散が得られ、製品(無機質抄造板)に高い強度を付与することができる。また、CSFを150ml以上にすることにより、スラリーの濾水性を高め、加圧脱水時の脱水ムラ、フクレ、ハクリ等を防止するとともに、良好な柔軟性、ひいては耐衝撃性能を製品に付与することができる。
なお、無機繊維及び合成繊維の繊維長は、6.0〜0.2mm、好ましくは4.0〜0.5mmの範囲内にあり、かつ繊維径が20〜50μm、好ましくは20〜40μmの範囲内である。
また、ケイ酸カルシウム水和物は、石灰質原料およびケイ酸質原料を水とともに混合し、高温高圧下での水熱合成により生成させることができる。
石灰質原料としては、生石灰、消石灰等が挙げられ、ケイ酸質原料としては、珪石、珪藻土、シリカヒューム等が挙げられ、とくに珪石が好適である。
ケイ酸カルシウム水和物の合成は、例えば次のようにして行なうことができる。石灰質原料とケイ酸質原料とを、例えば配合比(CaO/SiOのモル比)0.5〜1.5、好ましくは0.5〜1.2とし、この混合物に対し、質量比で5〜20倍、好ましくは7〜16倍の水を加え、混合分散し、原料スラリーとし、この原料スラリーを攪拌可能な圧力容器内にて150〜230℃、好ましくは170〜210℃の温度で、1〜20時間、好ましくは3〜12時間にわたり水熱合成を行なう。このようにして、例えばトバモライト、ゾノトライト等としてケイ酸カルシウム水和物が得られる。
ケイ酸カルシウム水和物の平均粒子径は、30μm〜100μm、好ましくは50μm〜90μmの範囲内にある。
なお、前記平均粒子径は、ケイ酸質原料の粒度、使用される水の割合、圧力容器内における攪拌の度合い等によって調整することができる。例えばケイ酸質原料の粒度を80μm以下、好ましくは60μm以下とし、水の使用量を、石灰質原料とケイ酸質原料との混合物に対し、質量比で7〜16倍とし、圧力容器内に備えられた攪拌回転羽根の周速を100〜200m/分とすることにより、得られるケイ酸カルシウム水和物の平均粒子径を前記のように30μm〜100μmの範囲で調整することができる。なお、本明細書で規定するケイ酸カルシウム水和物の平均粒子径は、レーザー回折散乱法による粒度分布測定装置により求めたものである。
前記各種原料は、得られる無機質抄造板に対する質量割合として、マトリックス形成用水和性原料20〜60質量%、好ましくは30〜60質量%、無機質充填材1〜50質量%、好ましくは1〜30質量%、補強繊維3〜12質量%、好ましくは3〜10質量%、およびケイ酸カルシウム水和物10〜50質量%、好ましくは15〜40質量%となるように配合するのが好ましい。なお、補強繊維は、濾水度がCSFで150〜450mlの範囲内にある天然繊維3.5〜11質量%、好ましくは4〜8質量%および繊維長6.0〜0.2mmで、繊維径20〜50μmの範囲内にある無機繊維および/または合成繊維0.5〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%から構成され、天然繊維と無機繊維および/または合成繊維の合計量が上記範囲内となるように配合する。
基材として使用される無機質抄造板は、前記の各種材料を、好ましくは前記配合割合にて配合し、そこに各種材料の7〜30倍(質量比)、好ましくは10〜20倍の水を加えて湿式混合してスラリーとし、得られたスラリーを抄造することにより生板を得、得られた生板を加圧脱水した後、養生硬化することにより製造することができる。なお、無機質抄造板を製造するに際して、抄造工程におけるエンドレスフェルト上での薄膜の脱水速度を5〜30%/秒、好ましくは5〜15%/秒の範囲内とし、且つメーキングロールに巻き取る際の薄膜の含水率を100〜180%、好ましくは110〜160%とすることによりメーキングロールから切り離した後の生板の見掛け密度を0.35〜0.65g/cmの範囲内とし、次に、得られた生板を加圧脱水し、加圧脱水後の生板の見掛け密度を加圧脱水前の生板の見掛け密度の1.3〜2.0倍の範囲内とする。
上記抄造工程において、エンドレスフェルト上での薄膜の脱水速度が5%/秒未満であると、得られる生板の見掛け密度が高くなり、また、含水率が高いことによりメーキングロールに巻き取る際の搾水の抵抗が高くなり、良質な生板が得られないために好ましくない。また、該脱水速度が30%/秒超となると、生板含水率が低くなりすぎ、目標とする生板の見掛け密度が得られず、また、層間の密着性が著しく失われ、製品を得ることができなくなるために好ましくない。また、メーキングロールに巻き取る際の薄膜の含水率が100%未満であると、得られる製品の見掛け密度が高くなり、所望の吸放湿性能が得られなくなり、また、該含水率が180%超であると、メーキングロールに巻き取る際の搾水の抵抗が高くなり、良質な生板が得られないために好ましくない。
なお、本明細書でいう抄造法は、当業界において知られる抄造法をいずれも適用することができ、例えば丸網式抄造法、長網式抄造法、フローオン式抄造法等が挙げられる。例えば丸網式抄造法は、原料スラリーを金網シリンダーで抄き上げてグリーンフィルム(薄膜)を形成し、得られたグリーンフィルムをエンドレスフェルトに移し取り、エンドレスフェルト上で脱水し、メーキングロールに所定の厚さとなるまで巻き取り、所定の厚さとなったならばメーキングロールから切り離してグリーンシート(生板)を得る方法である。また、フローオン式抄造法は、原料スラリーを直接エンドレスフェルト上に供給し、エンドレスフェルト上で脱水してグリーンフィルム(薄膜)を形成し、メーキングロールに所定の厚さとなるまで巻き取り、所定の厚さとなったならばメーキングロールから切り離してグリーンシート(生板)を得る方法である。中でも丸網式抄造法は、製造効率が高く、薄物の製造も可能であり、繊維の二次元配向がよいので、その補強性能を十分に発揮できるという点から好ましい。なお、本発明では、スラリーを抄造した後に得られる、加圧脱水前のシート状成形物を「生板」と定義する。
なお、本明細書でいう「見掛け密度」とは、得られた材料を絶乾状態(105℃で恒量となるまで乾燥した状態)まで乾燥し、乾燥後の質量(g)をその体積(cm)で除する方法により算出できる。好ましい生板の見掛け密度は、0.4〜0.6g/cmである。
また、生板を加圧脱水した後の見かけ密度が、加圧脱水前の生板の見掛け密度の1.3倍未満であると、各種材料から構成される組織の緻密化が十分になされず、製品の所望の強度が得られないばかりか、材料組織の結合力が弱いので所望の耐衝撃性能も得られない。逆に、2.0倍を超えると、材料密度が高くなりすぎ、高い曲げ強度は得られるものの、調湿建材としての適性な空隙率とならず、吸放湿性能が著しく低下してしまうばかりでなく、製品の柔軟性が損なわれ、耐衝撃性能の低下を招いてしまう。また、加圧脱水に多くの時間を要し、作業効率の低下を招き、水割れ、シワ等の原因となる。
生板の加圧脱水は、公知のプレス機等の加圧脱水装置を用いて行なうことができる。生板の加圧脱水条件(昇圧速度、保持圧力および保持時間等)は、加圧脱水後の生板の見掛け密度を加圧脱水前の生板の見掛け密度の1.3〜2.0倍の範囲内とするように定める必要がある。加圧脱水の条件の定め方としては、例えば、実製造に先立って、抄造を模した吸引脱水試験により、原料スラリーを5〜30%/秒で脱水して見掛け密度が0.35〜0.65g/cmの生板を作製し、これを加圧脱水試験して、加圧脱水後の生板の見掛け密度を加圧脱水前の生板の見掛け密度の1.3〜2.0倍の範囲内となるよう加圧脱水の条件を定めればよい。従って、加圧脱水の条件は、特定の範囲として限定されるものではないが、保持圧力は、概ね5〜30N/mmであり、保持圧力(N/mm)と保持時間(秒)の積は、概ね1000〜40000N/mm・秒である。
また、養生硬化の方法は、特に制限されるものではなく、例えば自然養生、湿潤養生、冷却養生等、公知の手段を適用することができる。
現在市販されている無機質建材の材料厚さは、薄物で3mmないし4mmが下限であり、それ以下のものは実用品として未だない。また、薄物になると、ハンドリング性が著しく低下し、割れやすいのが現状である。しかし、上記方法にて得られた無機質抄造板は、例えば更に2mm程度の厚さまで薄くすることができ、前記の通り高い耐衝撃性能を有するため、ハンドリングによる割れ等を著しく軽減することができる。製品厚さの上限値は、とくに限定されるものではないが、丸網式抄造法では、15mm程度までが好適であり、長網式抄造法では50mm程度までが好適である。この厚さは、生板の厚さを調整することで適宜決定することができる。なお、耐衝撃性を最も良好に発現し得る厚さは、6〜12mmである。
上述のようにして得られた無機質抄造板は、無機質抄造板の厚さ1mmあたりの耐衝撃エネルギーが2.0J以上を有する。ここで本発明で言う無機質抄造板の厚さ1mmあたりの耐衝撃エネルギーとは、無機質抄造板表面に所定の衝撃力を与え、その無機質抄造板が破壊(貫通)されない最大のエネルギー(J)を意味する。その際の無機質抄造板支持は一般建材として使用される木材等を用い、所定の間隔にて2辺での支持にて貼り付けた後、無機質抄造板中央部に例えば鋼球(ナス型、球型等)等を落下させることにより衝撃を与え、無機質抄造板が破壊されない最大のエネルギーを計測し、それを無機質抄造板の厚さで除することで得られた値を意味する。さらに具体的に説明すると、耐衝撃エネルギーは、中心間455mm間隔にて平行に配した二辺の木下地(サイズ50mm角×500mm長さ)上に無機質抄造板(サイズ500mm×500mm)を抄造方向と下地材が垂直になるように置き、釘(鉄丸釘 N45)にて貼り付ける。このときの釘打ち間隔は、一般施工条件範囲内で差し支えないが、150mm程度でよい。また、釘打ちの縁端距離は、本発明では22.5mmとした。それを水平な床上に置き、1kgの鋼球(ナス型、球型等)を無機質抄造板中央に向けて所定の高さから落下させる。その結果、無機質抄造板において鋼球の貫通や、著しい破壊により鋼球が支持されない状態にならない最大高さを、1cm刻みにて計測し、その無機質抄造板の厚さと併せて、無機質抄造板の厚さ1mmあたりの耐衝撃エネルギー(J)を算出する。
また、前記無機質抄造板は、23℃−75%RHから23℃−53%RHの間での吸放湿量が30g/m以上となる。前記温湿度条件は、JIS A 1470記載の吸放湿性能測定(湿度応答法:中湿域での吸放湿性能試験)に基づくものである。
更に、前記無機質抄造板は、高い曲げ強度、すなわち10N/mm以上の曲げ強度を有する。また、無機質抄造板は、優れたネジ保持力、即ち、無機質抄造板の材料厚さ1mmあたり20N以上のネジ保持力を有する。ここで本発明でいう曲げ強度とは、JIS A 1408により測定された値を意味する。また、ネジ保持力は、JIS B 1112の「十字穴付き木ねじ」の4,2に規定された皿木ネジであり、呼び径4.1mmで長さ38mmの木ネジを気乾状態の材料にねじ込み、その材料を固定したまま木ネジを引き抜く際の最大引張り荷重を測定する方法によって得られた値を意味する。
本発明の表面化粧無機質抄造板は、上述のようにして得られた無機質抄造板を基材として使用し、基材の少なくとも一面に透湿性表面化粧層を備えてなるものである。基材上に透湿性表面化粧層を設けることにより、無機質抄造板に意匠性を向上して付加価値の高いものとすることができる。表面化粧層を形成するために一般的な塗料を使用すると、基材となる無機質抄造板の調湿建材としての吸放湿性能を活かすことができなくなる。従って、前記透湿性表面化粧層は、例えば透湿性塗料、漆喰塗料、透湿性化粧紙、透湿性化粧単板(フィルム)等より形成する必要がある。
ここで、透湿性塗料としては、例えば上記特許文献7に開示されているようなものを使用することができる。即ち、アルコキシシランおよび合成樹脂分散体を含有し、乾燥後の塗膜内部に湿気の通路を有する構造となる塗膜組成物である。
また、漆喰塗料としては、消石灰をベースとした漆喰材料と合成樹脂分を混合し、質感のある外壁用として現在広く用いられている汎用品を使用することができる。なお、漆喰塗料は、無機質粒子を多量に含み、湿気の通路が多数形成されているため、基材の吸放湿性能を損なうことがない。
更に、透湿性化粧紙、透湿性化粧単板(フィルム)等としては、一般的に紙の表面に様々な塗装が施され、かつ紙および化粧層に多数の気孔を有し、透湿性を有するものであれば特に限定されるものではない。なお、透湿性化粧紙、透湿性化粧単板(フィルム)等を用いて透湿性表面化粧層を基材表面上に形成する場合には、透湿性を有する接着剤を用いて基材表面に接着することができる。このような透湿性を有する接着剤としては、例えば水性ビニルウレタン、メラミン・酢酸ビニル共重合体樹脂等を用いることができる。
上述のような材質により形成される透湿性表面化粧層は、旧JIS K5400 8.17に規定されている透湿度が30g/m・24時間以上、好ましくは40g/m・24時間以上を有する。なお、透湿性度が30g/m・24時間未満となると、調湿建材としての吸放湿性能を充分に発揮させることができないために好ましくない。
また、本発明の表面化粧無機質抄造板においては、基材表面と透湿性表面化粧層の間に透湿性シーラー層を設けることにより、透湿性を損なうことなく、基材と透湿性表面化粧層の密着性を向上させることができる。透湿性シーラー層を形成するためのシーラーとしては、透湿性を有するものであれば特に限定されないが、例えばシリカ変性アクリル共重合体樹脂、アクリル樹脂エマルション等を用いることができる。
ここで、透湿性シーラー層もまた上記表面化粧層と同様に旧JIS K5400 8.17に規定されている透湿度が30g/m・24時間以上、好ましくは40g/m・24時間以上を有する。なお、透湿度が30g/m・24時間未満となると、調湿建材としての吸放湿性能を充分に発揮させることができないために好ましくない。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明する。
無機質抄造板(基材)の製造:
平均粒径40μmのケイ酸カルシウム水和物[トバモライト(スラリー状態、固形分濃度=10質量%)]25質量%;普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製、比表面積3300cm/g)45質量%;炭酸カルシウム(有恒鉱業社製 TM−1号)22質量%;木質パルプ(繊維長3.5mm、繊維径30μm、CSF280ml)22質量%;ポリビニルアルコール繊維(繊維長4.0mm、繊維径27μm)2質量%の配合を有する配合物に、水を加えて混合し、濃度約10質量%のスラリーとし、このスラリーを丸網抄造法に施し、所定厚さの生板を得た。得られた生板をプレス機により9N/mmの圧力にて10分間にわたり加圧脱水した後、温度60℃で15時間養生し、硬化させ、長さ1820mm、幅910mm、厚さ15mmの無機質抄造板を得た。
抄造並びに加圧条件:
・エンドレスフェルト上での薄膜の脱水速度:6%/秒
・メーキングロールに巻き取る際の薄膜の含水率:130%
・加圧脱水前の生板の見掛け密度(1):0.48g/cm
・生板を加圧脱水した後の見掛け密度(2):0.82g/cm
・(2)/(1):1.71
無機質抄造板の物性:
・見掛け密度:0.88g/cm
・曲げ強度(抄造方向):18N/mm
・抄造板厚さ1mmあたりのφ4.1mm木ネジ保持力:54N
・抄造板厚さ1mmあたりの耐衝撃エネルギー:2.5J
・吸放湿量:43g/m
実施例1
上述のようにして得られた無機質抄造板を基材とし、基材表面に透湿性塗料[セラミック変成シリコン系塗料:ニッペDANシリコンセラ、日本ペイント社製]を101g/mの塗布量で塗布した後、常温にて乾燥硬化することにより本発明の表面化粧無機質抄造板を得た。得られた表面化粧層の厚さは、45μmであり、透湿度は41g/m・24時間であった。また、得られた表面化粧無機質抄造板の吸放湿量は、40g/mであった。
実施例2
上記無機質抄造板を基材とし、基材表面に透湿性シーラー[ニッペウルトラシーラーIII、日本ペイント社製]を45g/mの塗布量で塗布した後、常温にて乾燥硬化することにより透湿性シーラー層を形成した。次に、透湿性シーラー層上に、透湿性塗料[セラミック変成シリコン系塗料:ニッペDANシリコンセラ、日本ペイント社製]を74g/mの塗布量で塗布した後、常温にて乾燥硬化することにより本発明の表面化粧無機質抄造板を得た。表面化粧層+透湿性シーラー層の厚さは、30μmであり、透湿度は39g/m・24時間であった。また、得られた表面化粧無機質抄造板の吸放湿量は、38g/mであった。
実施例3
上記無機質抄造板を基材とし、基材表面に漆喰塗料[消石灰・合成樹脂系塗料:インディアートCera、日本ペイント社製]を497g/mの塗布量で塗布した後、常温にて乾燥硬化することにより本発明の表面化粧無機質抄造板を得た。得られた表面化粧層の厚さは、0.9mmであり、透湿度は65g/m・24時間であった。また、得られた表面化粧無機質抄造板の吸放湿量は、42g/mであった。
実施例4
上記無機質抄造板を基材とし、基材表面に透湿性シーラー[ニッペウルトラシーラーIII、日本ペイント社製]を51g/mの塗布量で塗布した後、常温にて乾燥硬化することにより透湿性シーラー層を形成した。次に、透湿性シーラー層上に、漆喰塗料[消石灰・合成樹脂系塗料:インディアートCera、日本ペイント社製]を474g/mの塗布量で塗布した後、常温にて乾燥硬化することにより本発明の表面化粧無機質抄造板を得た。得られた表面化粧層+透湿性シーラー層の厚さは、0.95mmであり、透湿度は51g/m・24時間であった。また、得られた表面化粧無機質抄造板の吸放湿量は、43g/mであった。
比較例1
上記無機質抄造板を基材とし、基材表面に有機系塗料[塩化ビニル系塗料:ラバラック3000、日本ペイント社製]を88g/mの塗布量で塗布した後、常温にて乾燥硬化することにより比較品の表面化粧無機質抄造板を得た。得られた表面化粧層の厚さは、40μmであり、透湿度は14g/m・24時間であった。また、得られた表面化粧無機質抄造板の吸放湿量は、12g/mであり、充分な透湿性は得られず、調湿建材としての性能を有するものではなかった。
比較例2
上記無機質抄造板を基材とし、基材表面にシーラー[ラバラック3000用シーラー、日本ペイント社製]を30g/mの塗布量で塗布した後、常温にて乾燥硬化することによりシーラー層を形成した。次に、シーラー層上に、透湿性塗料[セラミック変成シリコン系塗料:ニッペDANシリコンセラ、日本ペイント社製]を67g/mの塗布量で塗布した後、常温にて乾燥硬化することにより比較品の表面化粧無機質抄造板を得た。得られた表面化粧層+シーラー層の厚さは、40μmであり、透湿度は10g/m・24時間であった。また、得られた表面化粧無機質抄造板の吸放湿量は、10g/mであり、充分な透湿性は得られず、調湿建材としての性能を有するものではなかった。
比較例3
上記無機質抄造板を基材とし、基材表面にシーラー[ラバラック3000用シーラー、日本ペイント社製]を38g/mの塗布量で塗布した後、常温にて乾燥硬化することによりシーラー層を形成した。次に、シーラー層上に、漆喰塗料[消石灰・合成樹脂系塗料:インディアートCera、日本ペイント社製]を483g/mの塗布量で塗布した後、常温にて乾燥硬化することにより比較品の表面化粧無機質抄造板を得た。得られた表面化粧層+シーラー層の厚さは、1.2mmであり、透湿度は12g/m・24時間であった。また、得られた表面化粧無機質抄造板の吸放湿量は、11g/mであり、充分な透湿性は得られず、調湿建材としての性能を有するものではなかった。
本発明の表面化粧無機質抄造板によれば、施工性、柔軟性、強度、ネジ保持力等に優れるとともに、高い耐衝撃性能並びに調湿建材としての吸放湿性能を有し、意匠性に優れた調湿建材として各種用途に好適に使用することができる。

Claims (7)

  1. マトリックス形成用水和性原料20〜60質量%;無機質充填材1〜50質量%;濾水度がカナディアン標準フリーネスで150〜450mlの範囲内にある天然繊維3〜11質量%及び繊維長6.0〜0.2mmで、繊維径20〜50μmの範囲内にある無機繊維および/または合成繊維0.5〜5質量%から構成される補強繊維(石綿を除く)3.5〜12質量%;および予め石灰質原料およびケイ酸質原料を水熱合成して得られる平均粒子径が30μm〜100μmの範囲内にあるケイ酸カルシウム水和物10〜50質量%を含有してなる配合物を湿式混合してスラリーを得、得られたスラリーをエンドレスフェルト上での薄膜の脱水速度を5〜30%/秒の範囲内とし、且つメーキングロールに巻き取る際の薄膜の含水率を100〜180%とすることによりメーキングロールから切り離した後の生板の見掛け密度を0.35〜0.65g/cmの範囲内として抄造することにより生板を得、該生板を加圧脱水し、加圧脱水後の生板の見掛け密度を加圧脱水前の生板の見掛け密度の1.3〜2.0倍の範囲内とした後、養生硬化することにより得られた無機質抄造板を基材とし、該基材の少なくとも一面に透湿性表面化粧層を備えてなることを特徴とする表面化粧無機質抄造板。
  2. 基材と透湿性表面化粧層の間に、透湿性シーラー層を備えてなる、請求項1記載の表面化粧無機質抄造板。
  3. 基材として使用される無機質抄造板の抄造法が、丸網式抄造法である、請求項1記載の表面化粧無機質抄造板。
  4. 基材として使用される無機質抄造板の曲げ強度が10N/mm以上である、請求項1記載の表面化粧無機質抄造板。
  5. 基材として使用される無機質抄造板の厚さ1mmあたりのネジ保持力が20N以上である、請求項1記載の表面化粧無機質抄造板。
  6. 基材として使用される無機質抄造板の厚さ1mmあたりの耐衝撃エネルギーが2.0J以上である、請求項1記載の表面化粧無機質抄造板。
  7. 基材として使用される無機質抄造板の23℃−75%RHと23℃−53%RHの間での吸放湿量が30g/m以上である、請求項1記載の表面化粧無機質抄造板。
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