JP2003136514A - 無機質板及びその製造方法 - Google Patents

無機質板及びその製造方法

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JP2003136514A JP2001340585A JP2001340585A JP2003136514A JP 2003136514 A JP2003136514 A JP 2003136514A JP 2001340585 A JP2001340585 A JP 2001340585A JP 2001340585 A JP2001340585 A JP 2001340585A JP 2003136514 A JP2003136514 A JP 2003136514A
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calcium silicate
silicate hydrate
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Akira Owada
彰 大和田
Hirohisa Kitahata
裕久 北畠
Takeji Harasawa
武治 原沢
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 予め石灰質原料とケイ酸質原料を水と混
合し、水熱合成して得られ、平均粒子径が25μm〜1
50μmであるケイ酸カルシウム水和物5〜50質量
%、セメント20〜60質量%及び補強繊維3〜18質
量%を含有する配合物を湿式加圧成形することにより表
裏面の少なくとも一面に凹凸形状を形成してなる、曲げ
強度が10N/mm2以上の無機質板及びその製造方法。 【効果】 表面型付け性に優れ、プレス皺、柄のボケ、
キレツ等を伴うことなく良好な深い凹凸形状を施すこと
ができ、且つ優れた強度を有する無機質板が効率よく得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加圧成形により表
面に深い凹凸形状を形成でき、かつ優れた強度をもつ無
機質板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在では、一般住宅向けの外装材等、表
面の意匠性を重視した建材が求められており、セメント
水硬性材料等で成形された無機質板の表面に凹凸模様を
付与することが行われている。例えば、セメント水硬性
組成物のスラリーを抄造し、脱水して成形したグリーン
シートに凹凸模様を有する型板を押圧して凹凸を付与す
る方法や型枠中にスラリーを充填して凹凸形状を有する
押し型により加圧脱水成形する方法により、凹凸形状を
有する無機質板が製造されている。
【0003】このうち、型による脱水プレス方式によれ
ば、比較的容易に凹凸形状を付与できるが、大判サイズ
の成形及び効率の良い大量生産については、抄造法に比
べ不利であり、コストも嵩むという欠点がある。従っ
て、抄造により所望の凹凸形状が付与できれば理想的で
ある。しかし、現在存在する一般的な無機質板において
は、グリーンシートの圧縮比率が小さいことから、プレ
ス成形により板の表面に深みのある凹凸模様を施すこと
は困難であり、実際に表面に深い凹凸形状を施そうとす
ると、圧縮比率が小さいことから柄のボケ、キレツ等の
不具合が生じ易いという問題がある。また、後加工とし
て切削加工による深彫り形状を施す場合は緻密な模様を
付けることが非常に困難となるばかりか、製作にかかる
費用も嵩むことになる。
【0004】一方、最近、不燃性であり、耐久性に優
れ、釘保持力が高く且つ長さ変化率が小さい無機質板と
して、セメント20〜60質量%、予め石灰質原料とシ
リカ質原料を水熱合成してなるケイ酸カルシウム系軽量
水熱合成物5〜50質量%、補強繊維3〜18質量%お
よび充填材0〜60質量%からなる配合物を湿式成形し
て得られ、かさ比重0.5〜1.2、曲げ強度10〜3
0N/mm2及び壁倍率2.5以上である無機質耐力面材
が報告されている(特開2000−48630号公
報)。しかしながら、斯かる無機質板においても、抄造
によって凹凸形状を形成する場合、柄のボケ、キレツ等
の不具合が発生したり、無機質板自身の強度や凹凸柄の
固着力を損ねてしまう場合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、表面型付け
性に優れ、比較的容易に深彫り形状を施すことができ、
且つ優れた強度を有する無機質板を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、斯かる実
情に鑑みケイ酸カルシウム水和物を配合した無機質板の
表面型付け性について検討したところ、特定の粒子径を
有するケイ酸カルシウム水和物を一定量配合したセメン
ト系配合物を用いることにより、表面型付け性に優れ、
プレス皺、柄のボケ、キレツ等を伴うことなく良好な深
い凹凸形状を施すことができ、且つ優れた強度を有する
無機質板が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は、予め石灰質原料とケイ
酸質原料を水と混合し、水熱合成して得られ、平均粒子
径が25μm〜150μmであるケイ酸カルシウム水和物
5〜50質量%、セメント20〜60質量%及び補強繊
維3〜18質量%を含有する配合物を湿式加圧成形する
ことにより表裏面の少なくとも一面に凹凸形状を形成し
てなる、曲げ強度が10N/mm2以上の無機質板を提供
するものである。
【0008】また本発明は、予め石灰質原料とケイ酸質
原料を水と混合し、水熱合成して得られ、平均粒子径が
25μm〜150μmであるケイ酸カルシウム水和物5〜
50質量%、セメント20〜60質量%及び補強繊維3
〜18質量%を含有する配合物に水を加えてスラリーと
し、該スラリーを脱水成形して得られたグリーンシート
の表裏面の片面又は両面と凹凸形状を有する型板とを重
ねあわせた積層体を単体又は複数体積み重ねて1〜25
N/mm2の圧力で加圧成形し、次いで養生硬化すること
を特徴とする当該無機質板の製造方法を提供するもので
ある。
【0009】更に本発明は、予め石灰質原料とケイ酸質
原料を水と混合し、水熱合成して得られ、平均粒子径が
25μm〜150μmであるケイ酸カルシウム水和物5〜
50質量%、セメント20〜60質量%及び補強繊維3
〜18質量%を含有する配合物に水を加えてスラリーと
し、該スラリーを型枠中に充填して凹凸形状を有する押
し型により加圧脱水成形し、次いで養生硬化することを
特徴とする当該無機質板の製造方法を提供するものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の無機質板は、予め石灰質
原料とケイ酸質原料を水と混合し、水熱合成して得ら
れ、その平均粒子径が25μm〜150μmであるケイ酸
カルシウム水和物5〜50質量%、セメント20〜60
質量%及び補強繊維3〜18質量%を含有する配合物を
原料として製造される。
【0011】本発明のケイ酸カルシウム水和物は、石灰
質原料とケイ酸質原料を水と混合し、高温高圧下で水熱
合成することにより得られるものである。ここで用いら
れる石灰質原料としては生石灰、消石灰等が挙げられ、
ケイ酸質原料としては、珪石、珪藻土、シリカフューム
等が挙げられ、特に珪石が好適である。石灰質原料とケ
イ酸質原料の配合比(CaO/SiO2のモル比)は通
常0.5〜1.5であり、これらを質量比で5〜20
倍、好ましくは8〜16倍の水に分散混合し、水熱合成
する。
【0012】水熱合成は、常法又はこれに準ずる方法に
より行えばよく、例えば、原料スラリーを撹拌すること
のできる圧力容器内にて150℃〜230℃の範囲で温
度設定し、1〜20時間実施すればよい。かくして得ら
れるケイ酸カルシウム水和物は、主としてトパモライト
系及びゾノトライト系である。
【0013】本発明に用いられるケイ酸カルシウム水和
物は、平均粒子径が25μm〜150μm、好ましくは3
0〜80μmのものが使用される。平均粒径が25μm以
下であると、製造及び物性についての問題は少ないもの
の、表面に凹凸形状を施す場合には保水性が高くなるた
め微細な模様が保持できず、模様ボケ等が発生し、意匠
性を欠いてしまう。また、平均粒径が150μmより大
きいと、ケイ酸カルシウム水和物粒子自体の強度が著し
く低下し、無機質板自身の強度及び凹凸柄の固着力を損
ねてしまう。
【0014】ケイ酸カルシウム水和物の平均粒径を決定
する要因としては、ケイ酸カルシウム水和物スラリーを
合成する際に用いられるケイ酸質原料の粒度、合成水比
及び撹拌羽根周速等が特に大きく影響を及ぼすものと考
えられており、本発明の粒子径を持ったケイ酸カルシウ
ム水和物を得るためには、前述のケイ酸カルシウム水和
物の基本合成条件に加え、使用するケイ酸質原料の粒度
を100μm以下、好ましくは50μm以下とし、前記粉
体原料総量に対し、質量比で8倍〜16倍の水を加え、
撹拌回転羽根の周速を100〜170m/minとする条件
範囲内にて適宜調整することが好ましい。
【0015】また、ケイ酸カルシウム水和物のかさ密度
は、0.05〜0.2g/cm3となるようにすることが
好ましい。ケイ酸カルシウム水和物を水熱合成する際、
反応が不十分な場合はケイ酸カルシウム水和物のかさ密
度が低くならず、無機質板に添加したときの軽量効果が
損なわれるばかりでなく、ケイ酸カルシウム水和物が持
つ形状可変性が少なくなるため目標とする圧縮率が得ら
れない。尚、ここでいうかさ密度とは、該ケイ酸カルシ
ウム水和物スラリーをブフナーロート等にて濾過脱水
し、その湿潤濾過ケーキの容積(I)を測定し、該濾過
ケーキを乾燥した後の質量(II)を測定し、II÷Iなる
式にて算出した、該ケイ酸カルシウム水和物の単位湿潤
容積あたりの乾燥質量を意味するものであり、ケイ酸カ
ルシウム水和物の性状を評価する指標とされる。得られ
るケイ酸カルシウム水和物が所望の粒子径を示していて
も、水熱反応が不十分で粒子内に未反応物が多く存在す
ると、軽量化効果及び強度発現性を著しく損ねてしまう
ことがある。
【0016】本発明無機質板において、ケイ酸カルシウ
ム水和物は5〜50質量%配合される。5質量%未満で
はグリーンシートの圧縮率の許容量が小さく、表面凹凸
の深い形状の押し型を用いてプレス成形しても、凸部ま
で十分に押し固められず凹凸の保形性を欠き、外観の悪
い仕上がりとなってしまう。尚、ケイ酸カルシウム水和
物の代わりに、例えば、パーライト、シラスバルーン、
発泡ガラス質軽量骨材、スチレンビーズ等のような軽量
骨材を使用した場合は、その一部が表面に露出してクレ
ーター状になり、塗装等を施す場合の障害となる。一
方、50質量%以上では無機質板としての必要な強度及
び釘保持力が得られにくい。
【0017】本発明で用いられるセメントとは、水で練
ったときに硬化性を示す無機物質を意味し、水硬性セメ
ント及び気硬性セメントのいずれでもよく、これを20
〜60質量%配合する。水硬性セメントとしては、普通
ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、高
炉セメント、低熱セメント及びエコセメント等を、気硬
性セメントとしては、半水石膏及びII型無水石膏等を用
いることができる。また、斯かるセメントには、必要に
応じて硬化促進剤又は硬化遅延剤を所定量添加すること
ができる。本発明においては、製造における効率の面か
ら水硬性セメントを使用することが好適である。
【0018】本発明で用いられる補強繊維は、木質パル
プ、各種麻類等の植物質繊維、ガラス繊維、ロックウー
ル、セラミックウール、炭素繊維等の無機人造繊維、ボ
リビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリエステル、アクリル、レーヨン等の合成有機繊維が
挙げられ、曲げ強度及び耐衝撃性能を保持できる木質パ
ルプ又は木質パルプと他の繊維との併用が好適である。
当該補強繊維は3〜18質量%配合される。3質量%未
満では製品の強度、たわみ等が十分とならず、一方18
質量%以上では製品の表面精度、長さ変化率及び耐久性
が劣ってしまう。
【0019】本発明の無機質板には、板の柔軟性や釘打
ち加工性等の向上及び生産コスト低減の点から、更に無
機質充填材を配合するのが好ましく、この場合の配合量
は、1〜60質量%とするのがよい。斯かる無機質充填
材は、一般的に無機質板に使用される原料であり特に限
定されるものではないが、例えば炭酸カルシウム、マイ
カ、ウォラストナイト、2水石膏、珪石、フェロシリコ
ンダスト及びフライアッシュ等から選択される一種又は
二種以上が挙げられ、このうち強度及び寸法安定性を著
しく損なうことのない炭酸カルシウム及びウォラストナ
イトが好適である。但し、珪石等のケイ酸質原料を用い
て、養生方法としてオートクレーブ養生を行った場合、
そのケイ酸質原料は主にマトリックス形成原料として働
く。
【0020】本発明の無機質板は、上記のケイ酸カルシ
ウム水和物、セメント及び補強繊維の一定量、更に所望
により無機質充填材を加えた配合物を水と混合して、ス
ラリーとし、通常無機質板製造に用いられている、丸網
式抄造法、長網式抄造法及びフローオン法等の抄造式成
形方法及び加圧脱水成形方法といった各方法にて、その
表面に所望の凹凸形状の押し型等にて模様付けを施し、
次いで養生硬化することにより製造することができる。
このうち、製造効率、強度発現性及びコストを考慮する
と、抄造法による製造が好適である。
【0021】抄造式成形方法の場合は、上記のスラリー
を脱水成形して得られたグリーンシートの表裏面の片面
又は両面と凹凸形状を有する型板(押し型)とを重ねあ
わせた積層体を、単体又は複数体積み重ねて、1〜25
N/mm2の圧力で加圧成形するのが好ましい。ここで用
いられる型板は、板表面に深みのある複雑な凹凸形状を
付与できるような凹凸形状を有し、加圧成形時に押し型
表面の凸部等の破損が発生しない程度の強度を有するも
のであれものであればよく、一般的な金型及びFRP型
等のいかなる材質でもよい。
【0022】グリーンシートとの加圧成形におけるプレ
ス圧力は、1〜25N/mm2、好ましくは5〜20N/m
m2とするのが好適である。また、該グリーンシートは、
必要に応じてそれを複数積層することが可能である。積
層することにより、効率的に無機質板の製品厚みを変え
ることが可能であり、その際、型押しと同時に個々のグ
リーンシートの圧着がなされ、養生硬化させることによ
り層間密着性の良い厚物の成形体を得ることができる。
【0023】また、加圧脱水成形法により凹凸形状を形
成する場合には、プレス圧力は、1〜25N/mm2、好
ましくは5〜20N/mm2とするのがよい。
【0024】無機質板表面に形成される凹凸形状は、押
し型の凹凸形状を適宜選択することにより、意匠性に富
む様々な形状とすることができ、特に深みのある複雑な
凹凸形状も容易に作成できる。斯かる凹凸形状として
は、例えば、最大凸部厚さに対する最小凹部厚さの比が
0.2〜0.6であり、且つ凹凸部の傾斜角度の最大値
が30°〜80°であるものが挙げられる。
【0025】すなわち、図1に示す無機質板断面の概念
図において、凹部a、凸部bにおける最大凸部厚さT1
に対する最小凹部厚さT2の比が0.2〜0.6、好ま
しくは0.2〜0.5となるような凹凸形状が挙げられ
る。最大凸部厚さT1に対する最小凹部厚さT2の比が
0.6以上であると、凹凸形状に深みがなく意匠性を欠
き、0.2以下であると製品となる無機質板全厚が薄い
場合は凹部aが極端に薄くなり、該無機質板の耐荷重が
極端に下落する。従って、該無機質板の凹部aの厚さ
は、所望の耐荷重を有する最低厚さとなるように製品全
厚及び押し型形状を設定し、加えて好ましくは凹部aが
表面上特定の一箇所に集中せず、できる限り凹凸が平均
的に表面全体に広がった形状にすることが好適である。
【0026】更に、表面凹凸部の傾斜角度の最大値θ
は、30°〜80°、好ましくは45°〜80°の範囲
に設定することができる。傾斜角度の最大値θが80°
より大きいと、押し型を離型するのが困難となり生産性
が低下してしまう。
【0027】無機質板の養生は、自然養生、冷却養生、
湿潤養生、蒸気養生及びオートクレーブ養生があるが、
養生時間の短縮及び釘打ち等の加工性のためには、例え
ばセメントとして普通ポルトランドセメントを使用する
場合は蒸気養生、また、セメントとしてII型無水石膏を
使用する場合は冷却養生が好ましい。
【0028】かくして、無機質板に必要な材料としての
物性、例えば曲げ強度、寸法安定性、加工性及び耐久性
を損なうことなく、特に曲げ強度10N/mm2以上を保
持し、且つその材料表面に良好な深みのある凹凸形状を
有する無機質板、すなわち意匠性に優れた建築材料を得
ることができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に詳細に説
明する。 実施例1〜6、比較例1〜6 表1に示す割合で、普通ポルトランドセメント、補強繊
維(木質パルプ、ポリビニルアルコール繊維)、ケイ酸
カルシウム水和物及び無機質充填材(炭酸カルシウム、
ウォラストナイト)を水と混合し、原料スラリーとし
た。これをフローオン抄造機にて脱水原料フィルムとし
て抄き上げグリーンシートを作製した後、凹凸形状を持
つ数種の押し型を各グリーンシート表面と重ねあわせ、
プレス機により加圧成形を行い、板の最大凸部厚さを2
0mm程度となるよう製造した。該ケイ酸カルシウム水和
物の生成条件としては、生石灰35質量%、珪石65質
量%と粉体原料全量に対し10倍の合成用水とを混合
し、撹拌機付きオートクレーブにて200℃、撹拌回転
羽根の周速140m/minの条件により2時間の水熱合成
を行い、所定の範囲の粒径を有する該ケイ酸カルシウム
水和物をスラリーとして製造した。得られた無機質板に
ついての、かさ密度、曲げ強度、表面外観を評価した。
結果を表1に併せて示す。尚、前記無機質板のかさ密度
とは、JIS A 5430記載の見かけ密度に相当す
るものであり、また、該無機質板のかさ密度及び曲げ強
度はJIS A5430に準拠して測定した。表面外観
の判定は、(1)凹凸模様の深み感、(2)エッジのシ
ャープさ、(3)凹凸模様の欠け、について行い、それ
ぞれ「良い(○)」、「悪い(×)」の二段階で評価し
た。
【0030】
【表1】
【0031】実施例1〜6においては、プレス機による
加圧成形において無理なく柄のボケのないつまり凹凸形
状のエッジがシャープであり、皺、キレツ等のない深み
のある良好な凹凸表面形状が得られた。
【0032】比較例1は、ケイ酸カルシウム水和物の平
均粒径が過小であるためグリーンシートの保水性が過度
となりプレス機による加圧成形において型付けの際、表
面凹凸形状のエッジが明確でない柄のボケが認められ
た。
【0033】比較例2は、ケイ酸カルシウムの添加量が
多く、比較的低いプレス圧での型付けが可能となるが無
機質板自体及び表面凸部の強度が弱く、凹凸形状のエッ
ジがシャープにならず柄のボケが認められた。
【0034】比較例3は、ケイ酸カルシウム水和物の平
均粒径が過大で材料強度が低下し、表面凹凸形状に欠
け、崩れが発生した。
【0035】比較例4〜5は、ケイ酸カルシウム水和物
の添加量が少ないあるいは無添加であり、プレス機によ
り加圧成形する際に材料変形が小さく、深みのある凹凸
形状が再現できなかった。
【0036】比較例6は、ケイ酸カルシウム水和物の粒
子径、添加量及び他の原料配合比率等が全て設定範囲内
であるが、使用した押し型の凹凸形状における凸物の最
大傾斜角度が過大であったため、該押し型を離型する際
に材料の剥がれが発生した。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、表面型付け性に優れ、
プレス皺、柄のボケ、キレツ等を伴うことなく良好な深
い凹凸形状を施すことができ且つ優れた強度を有する無
機質板が効率よく得られる。従って、本発明はケイ酸カ
ルシウム水和物を配合する無機質板の品質及び汎用性の
向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、表面に凹凸形状を付与された無機質板
の断面を示す概念図である。
【符号の説明】
a :凹部 b :凸部 T1:最大凸部厚さ T2:最小凹部厚さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C04B 28/00 C04B 14:04 Z 14:04 16:02 Z 16:02 16:06 B 16:06 14:28 14:28) (72)発明者 原沢 武治 東京都江戸川区江戸川4丁目23番22号 Fターム(参考) 4G012 PA03 4G054 AA01 AA15 AB01 BA02 BA22 4G055 AA02 AB01 AB05 AC09 BA22 BA44

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め石灰質原料とケイ酸質原料を水と混
    合し、水熱合成して得られ、平均粒子径が25μm〜1
    50μmであるケイ酸カルシウム水和物5〜50質量
    %、セメント20〜60質量%及び補強繊維3〜18質
    量%を含有する配合物を湿式加圧成形することにより表
    裏面の少なくとも一面に凹凸形状を形成してなる、曲げ
    強度が10N/mm2以上の無機質板。
  2. 【請求項2】 配合物が、更に無機質充填材1〜60質
    量%を含有するものである請求項1記載の無機質板。
  3. 【請求項3】 凹凸形状が、最大凸部厚さに対する最小
    凹部厚さの比が0.2〜0.6であり、且つ凹凸部の傾
    斜角度の最大値が30°〜80°である請求項1又は2
    記載の無機質板。
  4. 【請求項4】 ケイ酸カルシウム水和物のかさ密度が、
    0.05〜0.2g/cm3である請求項1〜3のいずれ
    か1項記載の無機質板。
  5. 【請求項5】 予め石灰質原料とケイ酸質原料を水と混
    合し、水熱合成して得られ、平均粒子径が25μm〜1
    50μmであるケイ酸カルシウム水和物5〜50質量
    %、セメント20〜60質量%及び補強繊維3〜18質
    量%を含有する配合物に水を加えてスラリーとし、該ス
    ラリーを脱水成形して得られたグリーンシートの表裏面
    の片面又は両面と凹凸形状を有する型板とを重ねあわせ
    た積層体を単体又は複数体積み重ねて1〜25N/mm2
    の圧力で加圧成形し、次いで養生硬化することを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか1項記載の無機質板の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 予め石灰質原料とケイ酸質原料を水と混
    合し、水熱合成して得られ、平均粒子径が25μm〜1
    50μmであるケイ酸カルシウム水和物5〜50質量
    %、セメント20〜60質量%及び補強繊維3〜18質
    量%を含有する配合物に水を加えてスラリーとし、該ス
    ラリーを型枠中に充填して凹凸形状を有する押し型によ
    り加圧脱水成形し、次いで養生硬化することを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか1項記載の無機質板の製造方
    法。
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