JP2000263687A - 耐衝撃性に優れた水硬性硬化体 - Google Patents

耐衝撃性に優れた水硬性硬化体

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JP2000263687A
JP2000263687A JP11064977A JP6497799A JP2000263687A JP 2000263687 A JP2000263687 A JP 2000263687A JP 11064977 A JP11064977 A JP 11064977A JP 6497799 A JP6497799 A JP 6497799A JP 2000263687 A JP2000263687 A JP 2000263687A
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pulp
hydraulic
fiber
nonwoven fabric
impact resistance
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JP11064977A
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Yoshiki Nishinaka
喜樹 西中
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性に優れ、内外装材,屋根材等の建築
材料として好適な水硬性硬化体を提供する。 【解決手段】 水硬性材料とパルプが混在した水性スラ
リーを抄き上げたシートと、有機繊維からなる不織布と
の積層物をプレス成形し、養生硬化して得られた硬化体
であって、衝撃強度が2.5kgf・cm/cm2 以上
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内外装材,屋根材
等の建築材料として好適な耐衝撃性に優れた水硬性硬化
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内外装材,屋根材等の建築材料として使
用される水硬性硬化体は、通常、水硬性材料およびパル
プとポリビニルアルコール(PVA)繊維、アクリル繊
維、ポリプロピレン繊維などの有機短繊維等の補強繊維
を配合した組成物を適量の水と混合してスラリーとし、
細かいメッシュを有する丸網シリンダーで濾過し、薄い
シート状にしたものをメーキングロールに巻き付け、所
定の厚みまで多層に積層する丸網抄造法や、あるいは、
前述のスラリーを高濃度として、細かいメッシュを有す
る長網シリンダーで濾過し、一層物で所定の厚みとする
長網抄造法で抄造し、養生硬化させて得られている。
【0003】しかし、これらの方法では、補強繊維を水
硬性材料と同時に攪拌する際、投入方法、攪拌能力、攪
拌時間等が不適切な場合、補強繊維が絡み合ってファイ
バーボールを発生し、水硬性硬化体の材質が不均一にな
ったり、十分な補強性能が得られなくなる。丸網抄造法
の場合、補強繊維材料が抄造方向に強く配向するため材
質が不均一になりやすい。また、長網抄造法の場合は、
スラリーが高濃度であるため、補強繊維の分散が不均一
となりやすく、いずれも耐衝撃性を向上させることがで
きない。
【0004】また、水硬性硬化体の衝撃強度を向上させ
る方法として、補強繊維の直径を大きくしたり、繊維長
を長くする方法等があるが、いずれの方法も、同一繊維
量では、繊維の構成本数を減少させるので曲げ強度が低
下し、特に繊維長を長くする方法では、前記したファイ
バーボールが形成されやすくなり、十分な効果は得られ
ない。
【0005】さらに、特開平9−277430公報に
は、水硬性組成物の水性スラリーを抄き上げたシート
と、ポリビニルアルコール(PVA)フィルムや有機繊
維からなる不織布とを積層する方法が開示されている
が、この発明は層間剥離を生じ難くすることを目的とし
ており、最終的にオートクレーブ養生を行うため、PV
Aフィルムや不織布が溶解(部分溶解)してしまい、耐
衝撃性の向上は見られない。
【0006】内外装材,屋根材の建築材料として使用さ
れる水硬性硬化体は、養生硬化後の製品搬送時での角欠
けや施工時(釘打ち)、さらに外装材,屋根材は施工後
の経時劣化や障害物の衝突による割れ等の対策として耐
衝撃性の向上が要望されているが、従来の水硬性硬化体
は、上記の理由でこの要望に答えることができなかっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、耐衝撃性に優れ、内外装材,屋根材の建築材
料として好適な水硬性硬化体を提供することを技術的な
課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために鋭意研究した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、水硬性材料とパルプが混在し
た水性スラリーを抄き上げたシートと、有機繊維からな
る不織布との積層物をプレス成形し、養生硬化して得ら
れた硬化体であって、衝撃強度が2.5kgf・cm/
cm2 以上であることを特徴とする耐衝撃性に優れた水
硬性硬化体を要旨とするものである。
【0009】
【発明実施の形態】以下、本発明について詳細に説明す
る。本発明の水硬性硬化体は、水硬性材料とパルプが混
在した水性スラリーを抄き上げたシートと、有機繊維か
らなる不織布との積層物をプレス成形し、養生硬化して
得られたものである。
【0010】そして、本発明における水硬性材料として
は、通常のポルトランドセメント,高炉セメント,アル
ミナセメント,ケイ酸カルシウム,石膏,アルミン酸カ
ルシウム,水硬性石灰などが挙げられ、これらは単独で
も、2種以上を組合せてもよい。また、水硬性材料とし
てセメント系のものを用いる場合、ポゾランと称される
石灰と水との存在下で徐々に水硬性を発揮する、シリカ
系粉末,フライアッシュ,高炉スラグ粉末,硅藻土等を
併用するのが好ましい。
【0011】また、パルプについても特に限定されるも
のではなく、一般に製紙材料として使用されている針葉
樹材(マツ、スギ、ヒノキ、モミ、ツガ)や広葉樹材
(ブナ、カバ、ナラ、セン)を原料とした機械パルプ、
ケミグラウンドパルプ、セミケイカルパルプ、化学パル
プや麻類、じんぴ繊維(コウゾ、ミツマタ、ガンピ)な
どを原料とした非木材パルプのほか、故紙パルプ、合成
パルプ等が用いられる。これらは、1種類で用いてもよ
いし、2種以上を組み合せてもよいが、カナダ標準濾水
度が250ml以下、より好ましくは100ml以下の
高度に叩解したものが水硬性粒子の捕捉性がよく、好ま
しい。
【0012】水硬性材料とパルプとの重量比率は、9
9.5/0.5〜95.0〜5.0であることが好まし
い。パルプが0.5重量%未満になると、水硬性粒子の
捕捉が不十分となって抄造効率が低下しやすく、また、
5.0重量%を超えると、水硬性硬化体の寸法変化が大
きくなったり、不燃性が低下しやすい。
【0013】次に、不織布を構成する有機繊維は特に限
定されるものではなく、例えばPVA繊維、アクリル繊
維、ポリプロピレン繊維などを使用することができる
が、繊度10デニール以下、強度5gf/d以上のものが
好ましい。繊度が10デニールを超えたり、強度が5g
f/d未満の繊維は補強材料としての効果が低下しやす
い。
【0014】不織布は、公知の方法である湿式抄紙法や
乾式抄紙法により製造されるが、不織布の目付けは5〜
100g/m2 であることが好ましい。目付けが5g/
2より小さいと、補強効果を得るためには不織布の積
層枚数を多くする必要があり、工程が複雑で手間が多く
かかるようになる。また、100g/m2 より大きい
と、不織布の厚みで水硬性硬化体が層間剥離を起こしや
すくなる。
【0015】本発明の水硬性硬化体は、上記のような水
硬性材料とパルプが混在した水性スラリーを抄き上げた
シートと、有機繊維からなる不織布との積層物をプレス
成形し、養生硬化して得られた硬化体であり、かつ、衝
撃強度が2.5kgf・cm/cm2 以上であることが
必要である。衝撃強度が2.5kgf・cm/cm2
満では、養生硬化後の製品搬送時での角欠けや施工時
(釘打ち)、さらに外装材,屋根材は施工後の経時劣化
や障害物の衝突による割れで内外装材,屋根材等の建築
材料として問題がある。なお、本発明において、衝撃強
度はシャルピー衝撃試験方法(JIS K−7111)
で測定するものである。
【0016】次に、本発明の耐衝撃性に優れた水硬性硬
化体の製造法を、型枠流し込みプレス成形法を用いた例
について説明する。
【0017】まず、水硬性材料とパルプが重量比率9
9.5/0.5〜95.0/5.0で混在した濃度が3
〜20重量%の水性スラリーを調製するが、水硬性材料
とパルプが前記範囲を満足すれば、ポゾランと称される
石灰と水との存在下で徐々に水硬性を発揮する、シリカ
系粉末,フライアッシュ,高炉スラグ粉末,硅藻土等を
水硬性材料とパルプの合計重量の3〜30%程度配合し
てもよい。その際、攪拌の手順としては、パルプを練り
水に対して、重量比率0.05〜0.5%であらじめ攪
拌しておき、次いで水硬性材料を投入し、さらに攪拌し
て、水性スラリーとする方法が好ましい。
【0018】次いで、上記で得られた水性スラリーを型
枠に流し込んで濾水し、その上に不織布を積層し、さら
に水性スラリーの流し込みと濾水、不織布の積層という
操作を繰り返して、水性スラリーを抄き上げたシートと
有機繊維からなる不織布との積層体を得る。さらに、上
記の積層体を面圧20〜200kgf/cm2 で30〜12
0秒間プレス成形し、さらに自然養生して目的とする硬
化体を得る。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0020】実施例1〜3、比較例1 ビニロン繊維(繊度1.6d、繊維長6mm、引張強度1
4.5gf/d、引張弾性率316gf/d)90重量
%とビニロンバインダー(繊度1.0d、繊維長3mm、
溶解温度70℃)10重量%を水中で混合分散させ、T
APPI試験用角型シートマシンで抄紙し、目付けの異
なるビニロン不織布を得た。
【0021】次いで、ポルトランドセメント85.5重
量%、シリカフラワー10.0重量%、メチルセルロー
ス0.5重量%、パルプ3.0重量%の割合で配合した
濃度5重量%の水性スラリーをサイズ20cm×8cmの型
枠に流し込んで抄造した後、この上に前述のビニロン不
織布を積層し、この操作を繰り返して水性スラリーの抄
造シートと不織布が交互に積層され、ビニロン不織布が
1.0重量%となるような積層体とし、これを面圧10
0kgf/cm2 で60秒間プレス成形した。次に、この成
形品をナイロン袋に入れて密封状態とし、20℃恒温室
中で1カ月間養生して硬化体を得た。
【0022】実施例4 アクリル繊維(繊度1.35d、繊維長6mm、引張強度
9.1gf/d、引張弾性率180gf/d)90重量
%と実施例1で使用したビニロンバインダー10重量%
を水中で混合分散させ、TAPPI試験用角型シートマ
シンで抄紙し、目付け20g/m2 のアクリル不織布を
得た。この不織布を使用する以外は、実施例1と同様に
して硬化体を得た。
【0023】実施例5 ポリプロピレン繊維(繊度2.0d、繊維長6mm、引張
強度7.0gf/d、引張弾性率125gf/d)90
重量%と実施例1で使用したビニロンバインダー10重
量%を水中で混合分散させ、TAPPI試験用角型シー
トマシンで抄紙し、目付け20g/m2 のポリプロピレ
ン不織布を得た。
【0024】この不織布を使用する以外は、実施例1と
同様にして硬化体を得た。実施例1〜5における水性ス
ラリーの分散性と、得られた硬化体の構成及び衝撃強
度、釘打ち性の評価結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】実施例1〜5で得られた硬化体は、ファイ
バーボールが形成されずに均質であり、また、表1から
明らかなように、いずれも衝撃強度が2.5kgf・c
m/cm2 以上で、耐衝撃性が優れたものであった。
【0027】比較例2〜4 ポルトランドセメント85.5重量%、シリカフラワー
10.0重量%、メチルセルロース0.5重量%、パル
プ3.0重量%、実施例3〜5で不織布に使用した有機
繊維1.0重量%の割合で配合した水性スラリーで抄造
し、抄造体を面圧100kgf/cm2 で60秒間プレス成
形した。
【0028】次に、得られた成形品をナイロン袋に入れ
て密封状態とし、20℃恒温室中で1カ月間養生して硬
化体を得た。比較例1〜4における水性スラリーの分散
性と、得られた硬化体の構成及び衝撃強度、釘打ち性の
評価結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】表2から明らかなように、比較例1〜4で
得られた硬化体は、いずれも衝撃強度が2.5kgf・
cm/cm2 未満で、耐衝撃性が劣るものであった。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、耐衝撃性に優れ、内外
装材,屋根材等の建築材料として好適な水硬性硬化体が
提供される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水硬性材料とパルプが混在した水性スラ
    リーを抄き上げたシートと、有機繊維からなる不織布と
    の積層物をプレス成形し、養生硬化して得られた硬化体
    であって、衝撃強度が2.5kgf・cm/cm2 以上
    であることを特徴とする耐衝撃性に優れた水硬性硬化
    体。
  2. 【請求項2】 不織布の目付けが、5〜100g/m2
    である請求項1記載の耐衝撃性に優れた水硬性硬化体。
JP11064977A 1999-03-11 1999-03-11 耐衝撃性に優れた水硬性硬化体 Pending JP2000263687A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103510670A (zh) * 2012-06-18 2014-01-15 丁召志 具有高等级防火耐雨淋特性的轻体水泥保温装饰板
CN116330758A (zh) * 2022-03-01 2023-06-27 山东土工侠信息科技有限公司 一种水泥毯及其制作方法与应用

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