JP2005036376A - ナノファイバーの機能加工品 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、機能性物質の耐久性が飛躍的に向上し、機能性物質の効果発現に優れた機能性繊維構造物を提供するものである。
【解決手段】平均による単繊維直径が10〜200nmであり、単繊維直径200nm以上の面積比率が3%以下である、繊維直径のばらつきの小さいナノファイバーに機能性物質が含まれてなる機能性繊維構造物。
【選択図】なし

Description

本発明は、機能性物質を含んだナノファイバー凝集体および分散体に関するものである。
本発明は、無機の機能が最大限発揮できる無機多孔質ファイバーの製造方法に関するものである。
従来、織編物、不織布などの繊維構造物に機能性物質を後加工により付与する方法は公知であり、(1)機能性物質を繊維構造物に吸着させる。(2)機能性物質をバインダーに混合し、繊維構造物に含浸、固着させる。(3)機能性物質を樹脂に混合し繊維構造物にコーティングする。などの方法が一般的に行なわれている。しかしながら上記の方法では、機能性物質が繊維内部に浸漬するか、表層に固定されることによって機能が付与されるため、単位重量当たりの繊維表面積の制限から繊維構造物への機能性物質の付着量は限られたものであった。バインダーを用いた後加工では、布帛表層部分への固着であるために耐久性に劣り、使用時の物理的な接触による摩擦等によって機能性物質が脱落するといった問題があった。また、コーティングによる塗工の場合にも繊維構造物の表層部分の利用となるために、繊維への物理的な接触による摩擦等によって機能性物質が脱落するといった問題があった。
このような問題を解決する1つの手段として、繊維の表面積を大きくし、機能性物質の吸着効率を上げる方法が試みられている。
繊維の表面積を増加させるために異形断面糸を用いる方法(特許文献1)が公知であり、機能性物質を多量に担持させ、性能を向上させると同時に耐久性も向上させる方法が試みられている。該文献の実施例においては、確かに繊維の表面積を大きくすることで機能性物質の耐久性向上の効果があることが示されているが、機能性の飛躍的な向上には至っていなかった。
また、繊維に細孔を形成させる手段があり、この場合には機能性物質が繊維表面または繊維内部の細孔内に取りこまれ、耐久性が向上することが知られている。しかしながら、例えば消臭効果が求められる場合には、機能性物質と悪臭物質との反応が必要であり、細孔内と外界との物質の移動が必要となる。繊維内部の細孔に消臭物質が存在する場合には、悪臭物質が繊維内部に浸透することが必要であり、消臭効果は物質の繊維内部への拡散に依存する。このため、微多孔繊維では十分な効果が得られることがなく、繊維の外部表面を増加させることが求められていた。
この方法として、単繊維直径を小さくする方法(特許文献2)が公知である。しかしながら、現在の海島複合紡糸技術では単繊維直径2μm程度が限界であり、ナノファイバーに対するニーズに充分応えられるレベルではなかった。また、ポリマーブレンド繊維により極細糸を得る方法(特許文献3、特許文献4)が知られているが、ここで得られる単繊維直径は細くとも直径0.1μm程度であり、機能性の飛躍的な向上には及ばない物であった。
また、繊維を極細化する方法としてエレクトロスピニング技術が知られている。この方法は、ポリマーを電解質溶液に溶解しポリマー溶液を口金から吐出する時に高電圧を印加し、その静電反発作用でポリマー溶液を無理矢理ひきちぎって極細化する技術(非特許文献1)である。しかし、この方法で得られる繊維の単繊維直径は細くとも250nm程度で、ナノファイバーとしては不十分であった。また、特異的に単繊維直径を100nm以下にできる場合もあるが、このときには単繊維間の直径のばらつきが大きくなってしまう問題があった。このばらつきのためにナノレベルでは表面積の分布にばらつきが生じ、機能性物質の分布に斑が生じてしまう。このように、確かに極細繊維を得ることが可能であるが、繊維直径のばらつきのために繊維直径の小さいナノファイバーの能力を効果的に引き出すことができないものであった。また、エレクトロスピニングで得られる繊維・繊維製品の形状は不織布に限定されるとともに、繊維化の過程で溶媒が蒸発するため、得られた繊維集合体は配向結晶化していない場合が多く、強度も通常の繊維製品に比べてごく弱いものしか得られておらず、応用展開に大きな制約があった。
このため、成形しやすく様々な分野に展開可能で、なおかつ機能性物質が耐久性よく保持され、その効果が十分に発揮されるような繊維・繊維製品が求められていた。
ところで、通常のテキスタイルの後加工とは異なるアプローチで無機物の機能を利用する有機/無機ハイブリッド材料の開発が行われている。ハイブッリド材料は、無機物の機能と有機物のフレキシビリティーを兼備する高機能材料であり、無機微粒子を繊維に練り込む、あるいは金属を繊維表面へコーティングすることにより、有機ファイバーに無機物の機能を複合することが行われてきた。
例えば、吸湿性に優れた湿式シリカ微粒子をポリエステルに練り込み、これを繊維化することで吸湿性に優れたポリエステル繊維を得る検討がなされている(特許文献5)。しかし、ここで用いられる湿式シリカの粒径は数μmであり、微粒子径が大きすぎるため、製糸性や糸加工性が不良となり実用に耐えうる吸湿ポリエステル繊維を得ることは困難であった。また、サブμmの微粒子を用いることも不可能ではないが、ポリマーに添加した段階で微粒子同士が激しく凝集し、実際の粒径は数μmから小さくすることは困難であった。このため、実用に際しては、微粒子の添加率を低く抑えることが必須であり、微粒子の吸湿性を充分活かせないという問題があった。また、微粒子表面が疎水性のポリエステルで覆い尽くされているため吸湿速度が遅くなり、微粒子表面のシラノール基とポリエステルが複合体を形成し易く、実際の繊維では微粒子単体から予想されるよりも低い吸湿率しか発揮できないという問題があった。これらの問題は、無機微粒子をポリマーに添加する際に普遍的に現れる問題であり、無機微粒子添加による有機/無機ハイブリッド材料には性能・加工性の点から限界があった。
一方、繊維製品に金属メッキを施し導電性や電磁場シールドといった金属の特性を有機ファイバーに付与する検討も行われている(特許文献6)。しかしながら、繊維に薄く金属メッキを施した場合は金属量が不足するため金属の特性発現が弱く、厚く金属メッキした場合には繊維のフレキシビリティーが著しく損なわれ、厚手の金属シートのような風合いしか得られないといった問題があった。さらに、金属と有機繊維が剥がれやすく耐久性にも問題があった。これは、金属と有機ファイバーの間の接着面積が不十分なためである。
上記問題のため、無機物の含有量を増加させても、無機物の特性が十分発揮でき、しかも有機ファイバーのフレキシビリティーが損なわれないという、二律背反を解決でき、しかも耐久性にも優れた有機/無機ハイブリッド材料が求められていた。
従来、金属ファイバーや金属粉末を多孔質燒結体に形成してフィルター等に用いる試みがなされている。金属酸化物をフィルター形状に形成するために、金属酸化物の粉末またはファイバーをその材料として用いている。しかしながら、金属酸化物の微粒子を用いた場合にはそれだけでは成形性が悪く、ファイバーを用いた場合には成形性は向上するものの、粉末と比較して表面積が減少し、金属酸化物の機能発現効率が低減させられるという課題があった。
このため、成形しやすく、かつ表面積の大きな金属酸化物が求められていた。
特開平5−239709号公報 特開平4−338234号公報 特開平3−113082号公報 特開平6−272114号公報 特開2000−204230号公報 特開平4−36958号公報 Polymer,vol.40,4585(1999).
本発明は、成形しやすく様々な分野に展開可能で、なおかつ機能性物質を多量に耐久性良く保持し、効果的に機能発現する繊維・繊維製品を提供することを目的とする。
本発明は、無機物の多孔質ファイバーおよびその製造方法に関するものであり、無機物の機能を効率的に発現させるために表面積が大きく無機物の特性を十分発揮し、成形性が高いという課題を解決でき、しかも生産性の高い材料を提供するものである。
上記目的は、数平均による単繊維直径が10〜200nm、単繊維直径200nm以上の面積比率が3%以下、熱可塑性ポリマーからなり、機能性物質を含むナノファイバー凝集体および分散体によって達成することができる。また、組成の90重量%以上が無機物から成り、短軸断面方向の数平均細孔直径が1〜5000nmである無機多孔ファイバー。
本発明の、繊維表面積を増大させたナノファイバーに機能性物質を付与した分散体および凝集体により、多量の機能性物質の付与および耐久性の向上が実現でき、徐放性能にも優れ、風合いの良好な高付加価値の繊維製品を得ることができる。また、有機ポリマーであるナノファイバーと、無機または有機の難溶解性機能物質で形成される有機/無機や有機/有機ハイブッリド材料により、有機ファイバーのフレキシビリティーと無機物や難溶解性機能物質の機能を兼備した機能材料を得ることができる。
さらに、有機/無機ハイブリッド材料から有機ナノファイバーを除くことで得られる無機多孔ファイバーにより、無機の優れた機能性を有した、成形性の高い材料を得ることが出きる。
本発明のナノファイバーを構成するポリマーはポリエステルやポリアミド、またポリオレフィンに代表される熱可塑性ポリマーであることが、その成形性の点から重要である。中でもポリエステルやポリアミドは融点が高いものが多く、より好ましい。ポリマーの融点は165℃以上であると耐熱性が良好であり好ましい。例えば、ポリ乳酸(PLA)は170℃、ポリエチレンテレフタレート(PET)は255℃、ナイロン6(N6)は220℃である。また、ポリマーの性質を損なわない範囲で他の成分が共重合されていても良いが、ポリマー本来の耐熱性や力学特性を保持するためには共重合率は5mol%あるいは5重量%以下であることが好ましい。特に衣料、インテリア、車両内装等に用いる場合には、ポリエステルやポリアミドが融点、力学特性、風合いの点から好ましく、共重合率が5mol%または5重量%以下の相対粘度2以上のナイロン6、ナイロン66、極限粘度0.50以上のPET、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、数平均分子量5万以上のPLAが特に好ましい。また、これらのポリマーはナノファイバーの耐熱性や力学特性を保持するために80重量%以上を構成することが重要である。
本発明でいうナノファイバーとは、単繊維直径が1〜250nmの繊維のことを指すものであるが、本発明においては、ナノファイバーの数平均による単繊維直径が10〜200nmであることが重要である。単繊維直径が小さくなることで繊維の表面積が著しく増大するために、機能性物質を多量に固着することができる。上記ナノファイバーは、従来の海島複合紡糸による超極細糸に比べ1/100〜1/100000という細さであり、機能性を飛躍的に向上させることができる。また、ナノファイバーでは、単繊維間の微小な空隙にも機能性物質を固着することが可能で、外界と連通した空隙では、機能性物質が凝集体および分散体の表面に徐々に滲み出し、徐放性に優れた繊維・繊維製品を得ることが可能となる。以上のような観点から、数平均による単繊維直径が10〜150nmであればより好ましく、10〜90nmであればさらに好ましい。
また、本発明で用いるナノファイバーの単繊維直径ばらつきは、以下のようにして評価する。すなわち、ナノファイバーそれぞれの測定した単繊維直径から計算したナノファイバー横断面積をSiとし、その総和を総面積(S1+S2+…+Sn)とする。また、同じ断面積を持つナノファイバーの頻度(個数)を数え、その積を総面積で割ったものをその単繊維直径の面積比率とする。これは、ナノファイバーを用いた繊維集合体に対する各単繊維の面積分率に相当し、分率が大きい成分がナノファイバーを用いた集合体の性質に対する寄与が大きいことになる。本発明では、数平均による単繊維直径が10〜200nmであることに加えて単繊維直径が200nm以上の面積比率が3%以下であることが重要である。すなわち、ナノファイバーの特性を引き出すために、単繊維直径200nmより大きいナノファイバーの存在がゼロに近いことが重要である。特に、数平均による単繊維直径が10〜150nmの場合は、単繊維直径150nmを超える面積比率が3%以下であることがより好ましい。さらに、数平均直径が10〜100nmの場合は、単繊維直径100nmを超える面積比率が3%以下であることがより好ましい。すなわち、これらは粗大単繊維の存在がゼロに近いことを意味するものであり、単繊維直径のばらつきが小さくなることで、ナノファイバーの機能を充分発揮することができるのである。
また、本発明のナノファイバーの強度は1cN/dtex以上であれば繊維・繊維製品の力学物性を向上できるため好ましい。ナノファイバーの強度は、より好ましくは2cN/dtex以上である。また、本発明で用いるナノファイバーの収縮率は用途に応じて調整可能であるが、衣料用途に用いる場合は140℃乾熱収縮は10%以下であることが好ましい。
本発明でいうナノファイバー集合体とは、ナノファイバーの単繊維が集合した凝集体および分散体をいう。ナノファイバー凝集体とは、ナノファイバー単繊維が寄り集まりバンドルを形成しているもの(図1)を示す。ナノファイバー分散体とは、ナノファイバーが単繊維に分散しているもの(図2)を示す。
本発明でいう繊維・繊維製品とは、凝集体および/または分散体よりなる構造体のことを指し、凝集体よりなるバンドル、長繊維、短繊維、綿、織編物、不織布およびこれらから成形される衣料品、衣料資材、産業用資材、生活資材、化粧用具、医療基材などのことをさす。
本発明における機能性物質とは、ナノファイバー凝集体または分散体に機能性を積極的に付与する物質のことを指し、機能を有する化合物であれば、特に限定されるものではないが、ナノファイバー凝集体および分散体に対して後加工によりその機能を発現させ得る物質が好ましい。また、機能性物質は有機化合物でも無機化合物でも良く、無機微粒子の場合には直径10〜200nm程度のナノ粒子が好ましい。
機能性物質のナノファイバー表面または単繊維間への存在状態としては様々な形態が考えられるが、その形態としては化学的結合による担持や吸尽、物理的吸着などが挙げられる。機能性の飛躍的な向上や耐久性ならびに風合い向上のために、ナノファイバーの特性をうまく利用して機能性物質を加工することが望ましい。以下に例をあげるが、これらの方法に限定されるものではない。例えば、化学結合ならびに繊維表面に吸着させる加工剤の場合には、表面積の大きいナノファイバーに機能性物質を担持させることにより、通常の繊維に比べて加工剤の付着量が非常に多く、このために機能性物質の効果が増大される。また、本発明で使用するナノファイバーは単繊維直径のばらつきが小さく、粗大な繊維を含まないため、機能性物質が斑になることなく均一に加工される。また、ナノファイバーは繊維表面だけでなく単繊維間に機能性物質を満たすことが可能であり、ナノファイバーの凝集体または分散体内に形成される外部と連通または非連通な微小な空間内に機能性物質を閉じ込めることができる。この場合には、機能性物質がナノファイバー凝集体または分散体内を拡散したり、ナノファイバー凝集体または分散体が外部より力を受けて変形することにより、機能性物質が徐々に開放されるような、徐放性効果を得ることができる。このほか、機能性物質がナノファイバー凝集体または分散体に浸透して単繊維間に連続して存在しているような場合には、単繊維間の空隙によるアンカー効果が期待できる。これらの効果を合わせて発現させることで、有効な機能性が得られるのである。
本発明における機能性の例としては、紫外線カット、芳香、消臭、抗菌、防虫、吸湿、制電、難燃、防汚、美容やヘルスケア等が挙げられるがこれらの機能に限定されるものではない。
以下、各種の機能を有する機能性物質についていくつかの例を具体的に記述するが、これらの化合物に特に限定されるものではない。
本発明における紫外線カットの機能を有する機能性物質としては、ベンゾトリアゾール系化合物、p−アミノ安息香酸系化合物、ベンゾフェノン系化合物、サリシレート系化合物、ウロカニン酸あるいはその誘導体、アルブチンあるいはその誘導体、さらには酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の超微粒子などが挙げられる。
本発明における芳香の機能を有する機能性物質としては、ジャスミンやラベンダー、バラなどの花から抽出した芳香性の物質、レモンやオレンジなどの柑橘類から抽出したもの、主に樹木などから抽出したテルペン系化合物、効果としてアロマテラピー作用がある物質などが挙げられる。
本発明における消臭機能および有害ガスの除去機能を有する機能性物質としては、過酸化水素、亜硫酸ナトリウム、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸鉄、フラボノイド、キンモクセイやミントなどの植物から抽出した物質、グリオキザール、メタクリル酸エステル、亜鉛や銅をカルボキシル基末端に配位したポリアクリル酸やポリメタクリル酸などのビニル系ポリマー、ジエチレントリアミン、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のヒドラジン誘導体、多価カルボン酸系化合物、多価フェノール系化合物、木酢液、パラジクロロベンゼン、テレピン油、ユーカリ油、加水分解酵素、酵母などが挙げられる。
本発明における抗菌の機能を有する機能性物質としては、銀や亜鉛を主成分とした化合物および無機金属系超微粒子、金属酸化物配位アミノケイ素系ポリマーや亜鉛配位アクリル酸ポリマーなどのポリマー配位金属系化合物、セチルトリメチルアンモニウムクロライドやオクタデシルトリメチルアンモニウムクロリドなどの4級アンモニウムハライド化合物、シリコーン第4級アンモニウム、アルキルアミン誘導体、トリクロカルバンなどのハロジアリル尿素系化合物、グルコン酸クロロヘキシジンやポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩などのグアニジン系化合物、アルキレンビスフェノールナトリウムやパラクロロメタキシレノールなどのフェノール酸系化合物、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステルやグリセリン脂肪酸エステルなどの脂肪酸エステル系化合物、キトサン、シルクプロテイン、などの天然物系化合物が挙げられる。
本発明における防虫の機能を有する機能性物質としてはボルニルアルコール誘導体、デヒドロ酢酸、N,N−ジエチルメタトルアミド、ジフェニルエーテル系、フタルイミド系、芳香族カルボン酸エステル系、有機リン系、ピレトリン類、合成ピレスロイド系、ピレスロイド様系、オキサジアゾール系、アミジノヒドラゾン系化合物などが挙げられる。
本発明における吸湿および吸水の機能を有する機能性物質としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、ブテントリカルボン酸などのモノマーからなるビニルカルボン酸重合体や共重合体の金属置換化合物、アリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、スチレンスルホン酸などのビニルスルホン酸重合体や共重合体、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどの重合体や共重合体、高級アルコール、水性ウレタン樹脂、ポリエーテルエポキシ、シリコーン系化合物やそのエマルジョン、親水性ポリエステル系樹脂、ポリエチレングリコールやポリエチレンオキサイドのポリエーテル類、さらにはその誘導体、グリセリン等の多価アルコール類などが挙げられる。
本発明における制電の機能を有する機能性物質としては、アニオンおよびカチオン、さらには非イオン性の界面活性剤、ベタイン系化合物、リン酸エステル系化合物、アルキルスルホン酸やアルキルホスフェートの金属塩、アルキルアミドアミン誘導体、ポリアミン系化合物、ポリアクリル酸エステル/ジアミン/ジグリシジルエーテル、イミダゾリニウム化合物、4級アンモニウム塩を含有する制電剤、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどの縮合生成物、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステル、ポリエーテルエステルアミドなどが挙げられる。
本発明における難燃の機能を有する機能性物質としてはヘキサブロモベンゼンや塩化パラフィン、ヘキサブロモシクロドデカンなどのハロゲン含有化合物、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェートなどのハロゲン含有燐化合物、ポリ燐酸アンモニウムやトリメチルホスフェートなどの燐化合物、窒素硫黄化合物、ジブチルアミノホスフェート、ハロゲン含有ポリウレタン樹脂やそのエマルジョン、臭素化芳香族系ジオール、炭酸カルシウムや水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化第二錫、メタ錫酸、水酸化第一錫などの無機化合物などが挙げられる。
本発明における防汚の機能を有する機能性物質としては、ポリエチレングリコールなどの親水基を有する親水性樹脂、フッ素系の樹脂や化合物またはそれらのエマルジョン、シリコーン系の樹脂や化合物またはそれらのエマルジョン、ワックスエマルジョン、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミドやアルキルアミドの誘導体などが挙げられる。
本発明における美容やヘルスケアの機能を有する機能性物質としては、ビタミンCやビタミンEなどのビタミン類の誘導体(プロビタミン)、キシリトール、カプサイシン、ラズベリーケトン、ヨモギ、天草、アロエエキス、ヒオウギエキス、ヒノキチオールなどの草花や樹木、あるいは果物や野菜などから抽出した物質、カテキン等のポリフェノール類、アルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、セリン、プロリン、システインなどのアミノ酸類、コンドロイチン硫酸Na、セラミド、トレハロース、ヒアルロン酸、γ−リノレン酸、スクワラン、シルクフィブロイン、セリシン、コラーゲン、ラノリン、ケラチン、尿素、多糖類、タンパク質、プロホルモン、コウジ酸、γ−オリザノールなどの健康・美容促進のための薬剤などが挙げられる。
また、硝酸ミコナゾールや硝酸エコナゾールなどの皮膚疾患の薬や消毒剤、抗炎症剤、鎮痛剤等の薬効成分なども挙げることができる。
さらに、金属酸化物や金属などを坦持することにより触媒能を持たせることもできる。
これらの機能性物質をナノファイバーに加工する際、水などの極性溶媒や極性分散媒を用いた場合には、機能性物質が疎水性、かつナノファイバーも疎水性ポリマーで構成されていると、疎水性の機能性物質は極性溶媒中よりも極性の低い疎水性ナノファイバー内に移行し易いため機能性物質の含有率を高くすることができる。機能加工の溶媒に水を用いることで、環境負荷の少ない工程とすることが可能である。加えて、疎水性の機能性物質が水などに溶け出し難いため、洗濯耐久性も向上できるため好ましい。ここで、疎水性ポリマーとしてはポリエステルまたはポリオレフィンなどを挙げることができる。衣料用に用いる場合には特にポリエステル、中でもPET、PTTなどが好ましい。また、疎水性の機能物質としても種々の物が挙げられるが、油脂類や芳香環や長鎖アルキル鎖を含む化合物等が挙げられる。
また、ナノファイバー凝集体または分散体の特徴を利用した好ましい機能加工方法として以下のようなものを挙げることができる。
まず、ナノファイバー凝集体または分散体に易溶解性機能物質を含浸させ、その後、化学反応あるいは対イオン交換により難溶解性機能物質としてナノファイバーに固着させる機能加工方法である。ここで易溶解性機能物質とは、溶媒に対しては容易に溶解し、分散媒に対しては容易に分散化するものを言う。そして、易溶解性物質をナノファイバー中に含浸させた後に難溶解化して洗濯耐久性を向上させるのであるが、ここで難溶化する手段として種々の化学反応や対イオン交換反応などが挙げられる。化学反応としては酸化還元反応や置換反応、転移反応などが挙げられる。例えば、硝酸銀水溶液をナノファイバーに含浸させた後に、対イオン交換により塩化銀として難溶化する方法や、塩化白金水溶液をナノファイバーに含浸させた後、還元することで白金メタルにして難溶化する方法などが挙げられる。
また別の方法として、ナノファイバー凝集体または分散体にモノマーを含浸させ、その後、重合あるいは架橋することにより難溶解性機能物質としてナノファイバーに固着させる機能加工方法が挙げられる。有機ポリマーであるナノファイバーと、無機または有機の難溶解性機能物質で形成される有機/無機または有機/有機ハイブッリド材料は、ナノファイバーのフレキシビリティーと難溶解性機能物質の機能を兼備した優れた機能材料でもある。上記ハイブリッド材料においては、ナノファイバーの単繊維間に機能性物質が存在し、しかも機能性物質が連続体として存在していることことが重要である。ここで、連続体とは以下の状態をいうものである。すなわちハイブリッド材料の任意の断面をとったときに、機能性物質が1μm以上の長さを有することをいう。 難溶解性物質がハイブリッド材料の表面から内部まで連続体となっている場合には、ハイブリッド材料の形態を維持しつつ無機物または難溶解性物質の特性を充分発揮できるようになる。その形態としては、フィブリル状のナノファイバー間隙に難溶解性機能物質が侵入し、あたかもナノファイバーを互いに接着したような形態や、難溶解性物質のマトリックス中にナノファイバーが分散している形態などが挙げられる。
無機または有機モノマーをナノファイバーに含浸させる場合に、数平均による単繊維直径が10〜200nm、単繊維直径200nm以上の面積比率が3%以下であれば表面活性が向上するため、モノマーとの有機ファイバーの親和性が向上してモノマーが分散しやすく、結果として機能性物質の凝集が少ない超微分散有機/無機ハイブリッド材料または、有機/有機ハイブリッド材料を得ることができる。また、数平均による単繊維直径が10〜150nm以下であれば、機能性物質がさらに超微分散した状態となり、機能性能の発現およびその耐久性の効果が高められ好ましく、10〜100nmであればより好ましい。ナノファイバーのポリマーとして、モノマーとの親和性が高いものを選んでおくことも、ナノファイバーを超微分散させる観点から好ましい。
また、本発明のハイブリッド材料中のナノファイバー含有率は、5〜95重量%とすることが重要である。これにより、無機物の特性とナノファイバーのフレキシビリティーを両立することができるのである。有機ファイバーの含有率は好ましくは20〜90重量%、さらに好ましくは25〜80重量%である。
無機物のモノマーとしては、金属、金属酸化物、金属ハロゲン化物、金属錯体前駆体となるものであれば特に限定されないが、一例としてケイ酸塩やチタン酸塩、金属ハロゲン化物、有機系のケイ素化合物等を挙げることができ、金属酸化物が耐熱性、耐薬品性の点から好ましい。有機物のモノマーとしては、ジメチルジエトキシシランのような油類のモノマーだけでなく、ポリウレタンオリゴマー、アクリル酸、アクリル酸エステルなどの有機ポリマーの原料などが挙げられる。なお、モノマーの分子量や重合度等も特に限定されず、ナノファイバーに含浸できるものであれば良く、単量体だけでなく重合度10程度までのオリゴマーなども含むものとする。さらにこれらのモノマーはゾル−ゲル反応などにより速やかに重合あるいは架橋して難溶化するものが好ましい。また、酸化剤や還元剤、ラジカル発生剤などの重合開始剤を用いて重合反応を進行させる方法も好ましい方法として挙げられる。
本発明で用いる機能性物質を含むナノファイバーは単独で用いることもできるが、混繊、混紡、交織、交編等により通常の合成繊維や化繊、天然繊維と混用することにより、布帛の寸法安定性、および風合いのさらなる向上をはかることももちろん可能である。また、フラットヤーンでも捲縮糸でも良く、さらに、長繊維、短繊維、不織布、束状物、熱成形体等様々な繊維製品形態をとることができる。不織布や抄紙形成体など、ナノファイバーの単繊維が特に分散状態をとっているものでは、これまでに示したナノファイバーの特徴を引き出しやすい。また、混用率としては特に限定はされないが、5〜95%が好ましく、機能性発現の目的や用途によって適宜選択される。
本発明で用いるナノファイバーの製造方法は特に限定されるものではないが、例えば難溶解性ポリマーと易溶解性ポリマーからなるポリマーアロイ繊維から易溶解ポリマーを除去することによって得ることができる。
上記したポリマーアロイ繊維の製造方法は特に制限されるものではないが、例えば下記のような方法を採用することができる。
すなわち、難溶解性ポリマーと易溶解性ポリマーを溶融混練し、難溶解性ポリマーおよび/または易溶解性ポリマーが微分散化した難溶解性ポリマー/易溶解性ポリマーからなるポリマーアロイを得る。そして、これを溶融紡糸することにより本発明で用いるポリマーアロイ繊維を得ることができる。ここで、ナノファイバーの前駆体であるポリマーアロイ繊維中で易溶解性ポリマーが島(ドメイン)、難溶解性ポリマーが海(マトリックス)となし、その島サイズを制御することが重要である。島サイズは、ポリマーアロイ繊維の横断面を透過型電子顕微鏡(TEM)観察し、直径換算で評価したものである。前駆体中での島サイズによりナノファイバーの直径がほぼ決定されるため、島サイズの分布は本発明で用いるナノファイバーの直径分布に準じて設計される。このため、アロイ化するポリマーの混練が非常に重要であり、本発明では混練押出機や静止混練器等によって高混練することが好ましい。例えば単純なチップブレンド(ドライブレンド)を用いた場合には、ブレンド斑が大きく島ポリマーの凝集を防ぐことができず、本発明で用いるような数十nmサイズで島を分散させることは困難である。強制的に混練する観点から、押出混練機としては二軸押出混練機、静止混練器としては分割数100万分割以上のものを用いることが好ましい。
混練装置として二軸押出混練機を使用する場合には、高度の混練とポリマー滞留時間の抑制を両立させることが好ましい。スクリューは、送り部と混練部から構成されているが、混練部長さをスクリュー有効長さの20%以上とすることで高混練とすることができ好ましい。また、混練部長さがスクリュー有効長さの40%以下とすることで、過度の剪断応力を避け、しかも滞留時間を短くすることができ、ポリマーの熱劣化やポリアミド成分等のゲル化を抑制することができる。また、混練部はなるべく二軸押出機の吐出側に位置させることで、混練後の滞留時間を短くし、島ポリマーの再凝集を抑制することができる。加えて、混練を強化する場合は、押出混練機中でポリマーを逆方向に送るバックフロー機能のあるスクリューを設けることもできる。
さらに、ベント式として混練時の分解ガスを吸引したり、ポリマー中の水分を減じることによってポリマーの加水分解を抑制し、ポリアミド中のアミン末端基やポリエステル中のカルボン酸末端基量も抑制することができる。
また、島を数十nmサイズで超微分散させるには、ポリマーの組み合わせも重要である。島ドメイン(ナノファイバー断面)を円形に近づけるためには、島ポリマーと海ポリマーは非相溶であることが好ましい。しかしながら、単なる非相溶ポリマーの組み合わせでは島ポリマーが充分超微分散化し難い。このため、組み合わせるポリマーの相溶性を最適化することが好ましいが、このための指標の一つが溶解度パラメータ(SP値)である。SP値とは(蒸発エネルギー/モル容積)1/2で定義される物質の凝集力を反映するパラメータであり、SP値が近い物同士では相溶性が良いポリマーアロイが得られる可能性がある。SP値は種々のポリマーで知られているが、例えば「プラスチック・データブック」旭化成アミダス株式会社/プラスチック編集部共編、189ページ等に記載されている。2つのポリマーのSP値の差が1〜9(MJ/m1/2であると、非相溶化による島ドメインの円形化と超微分散化が両立させやすく好ましい。例えばN6とPETはSP値の差が6(MJ/m1/2程度であり好ましい例であるが、N6とPEはSP値の差が11(MJ/m1/2程度であり好ましくない例として挙げられる。
上記したような製造法の特徴により、粗大な凝集ポリマー粒子の生成が抑制されるため、チップブレンドを用いたものと比較した場合、ポリマーアロイの粘弾性バランスが崩れにくく紡糸吐出が安定し、曳糸性や糸斑を著しく向上できるという利点もある。
ポリマー同士の融点差が20℃以下であると、特に押出混練機を用いた混練の際、押出混練機中での融解状況に差を生じにくいため高効率混練しやすく、好ましい。また、熱分解や熱劣化し易いポリマーを1成分に用いる際は、混練や紡糸温度を低く抑える必要があるが、これにも有利となるのである。ここで、非晶性ポリマーの場合は融点が存在しないためビカット軟化温度、ガラス転移温度、熱変形温度でこれに代える。
本製造方法は、以上のようなポリマーの組み合わせ、紡糸・延伸条件の最適化を行うことで、島ポリマーが数十nmに超微分散化し、しかも糸斑の小さなポリマーアロイ繊維を得ることを可能にするものである。このようにして糸長手方向に糸斑の小さなポリマーアロイ繊維を前駆体とすることで、ある断面だけでなく長手方向のどの断面をとっても単糸繊度ばらつきの小さなナノファイバーとすることができるのである。前駆体であるポリマーアロイ繊維のウースター斑は15%以下とすることが好ましく、より好ましくは5%以下である。このようにして得られたポリマーアロイ繊維から海ポリマーである易溶解ポリマーを溶剤で溶出することで、ナノファイバーを得るのであるが、その際、溶剤としては水溶液系のものを用いることが環境負荷を低減する観点から好ましい。具体的にはアルカリ水溶液や熱水を用いることが好ましい。このため、易溶解ポリマーとしては、ポリエステル等のアルカリ加水分解されるポリマーやポリアルキレングリコールやポリビニルアルコールおよびそれらの誘導体等の熱水可溶性ポリマーが好ましい。このような製造方法により繊維長が数十μmから場合によってはcmオーダー以上のナノファイバーがところどころ接着したり絡み合った形状のナノファイバーが得られるのである。
本発明の有機/無機ハイブリッドファイバーはそのまま用いることも可能であるが、これから有機ファイバー成分を除去し、無機物の多孔ファイバーとするができる。
この時、組成の90重量%以上が金属、金属酸化物、金属ハロゲン化物、金属錯体等の無機物として材料の耐熱性を向上させる観点から重要である。また、細孔の数平均直径は短軸断面方向で1〜5000nmであると、比表面積が大きくなり吸着特性を向上させることが可能であり、軽量化の観点から重要である。細孔の数平均直径は好ましくは1〜100nmである。ここで短軸断面方向とは、鋳型に用いる有機ファイバーの半径方向を意味するものである。
無機多孔ファイバーの繊維長は1mm以上であると、繊維製品の形態を保持することができ好ましい。繊維長は好ましくは10cm以上である。
ここで、有機ファイバー成分を除去する方法としては、焼成により有機ファイバーをガス化して除去したり、溶媒による抽出して除去する方法等を用いることができる。焼成温度は有機ポリマー成分にもよるが500〜1000℃程度を採用することができる。また、焼成により一般に収縮が発生するため、焼成温度により有機ファイバーが除去された後の細孔サイズを制御することもできる。焼成装置としてはシリカやチタニア等の金属酸化物用や炭素繊維用等の従来公知のものを採用することができる。また、抽出の場合には有機ポリマーの良溶媒を用いれば良いが、例えば有機ポリマーがナイロンの場合はギ酸等の酸、ポリエステルの場合はアルカリ水溶液やオルトクロロフェノール等のハロゲン系有機溶媒、PPの場合はトルエン等の有機溶媒を用いることができる。抽出装置としては従来公知の繊製品の高次加工用の装置を用いることができる。
本発明の無機多孔ファイバーは織編物や不織布といった布にとどまらず熱成形体等様々な繊維製品形態を採ることができるため、布として使用する以外にモジュール化したり、他の材料に張り合わせる等広汎な応用展開が可能である。そして、吸着特性や吸湿性を活かし住宅環境を改善するためにカーテン、壁紙、カーペット、マット、家具等のインテリア用品に利用したり、クリーンルーム用のケミカル汚染物質除去のためのケミカルフィルターに利用することも可能である。また、トイレや室内の消臭シートや、車両内環境を改善するための車両内装材、より具体的には座席のイス張りや天井用表皮材等として利用することも可能である。さらに、快適で消臭性能のある衣料やカップ・パッド等の衣料資材用途にも利用可能である。また、金属の導電性を活かした電磁波シールド素材。さらにフィルター等の産業資材用途、細胞吸着材のようなメディカル用途にも好適に用いることができる。
以上のように、本発明で用いるナノファイバーは従来の極細繊維に比べてさらに大きな表面積を有し、また粗大繊維をほとんど含まず、衣料用のみならず様々な分野に応用可能な優れた素材であり、優れた高品質の機能性繊維構造物を提供することができる。また、有機/無機または有機/有機ハイブリッド材料とすることで、熱成形体等の様々な繊維製品形態をとることができるため、布として用いる以外にモジュール化したり、他の材料に張り合わせる等広汎な応用展開が可能である。このため、シャツやブルゾン、パンツ、コート、人工皮革といった衣料用途のみならず、カップやパッド等の衣料資材用途、カーテンやカーペット、マット、家具等のインテリア用途、さらにワイピングクロス、研磨布、フィルター等の産業資材用途、車両内装用途、細胞吸着材のようなメディカル用途にも好適に用いることができる。さらに、機能性物質の吸着により、健康・美容関連製品や医薬品基布、燃料電池といった環境、メディカルIT関連のような最先端材料としても利用することができる。
本発明を実施例で詳細に説明する。なお、実施例中の測定方法は以下の方法を用いた。
[測定方法]
A.ポリマーの溶融粘度
東洋精機キャピログラフ1Bによりポリマーの溶融粘度を測定した。なお、サンプル投入から測定開始までのポリマーの貯留時間は10分とした。
B.融点、ガラス転移温度
Perkin Elmaer DSC-7を用いて2nd runで比熱が階段状の変化を示す領域の中点をガラス転移温度とし、ポリマーの融解を示すピークトップ温度をポリマーの融点とした。この時の昇温速度は16℃/分、サンプル量は10mgとした。なお、ガラス転移温度についてはDSC−7では不明瞭な場合は、温度変調DSCを用いる等して測定することもできる。
C.ポリマーアロイ繊維のウースター斑(U%)
ツェルベガーウスター株式会社製USTER TESTER 4を用いて給糸速度200m/分、ノーマルモードで測定を行った。
D.TEMによる繊維横断面観察
繊維の横断面方向に超薄切片を切り出し、透過型電子顕微鏡(TEM)で繊維横断面を観察した。また、ナイロンはリンタングステン酸で金属染色した。
TEM装置 : 日立社製H−7100FA型
E.ナノファイバーの数平均による単繊維直径
ナノファイバーまたは機能加工を施したナノファイバーの単繊維直径の平均値は以下のようにして求める。すなわち、サンプルの超薄切片を切り出し、TEMで観察した。これにより得られた写真を画像処理ソフト(WINROOF)を用いて単繊維直径を計算し、それの単純な平均値を求めた。これを「数平均による単繊維直径」とした。この時、平均に用いるナノファイバー数は同一横断面内で無作為抽出した300本以上の単繊維直径を測定したが、それを5箇所で行い、合計1500本以上の単繊維直径を用いて計算した。また、コントラストが低い場合は、金属染色を施した。
F.ナノファイバーの単繊維直径ばらつき
ナノファイバーの単繊維直径ばらつきは、以下のようにして評価する。すなわち、上記数平均による単繊維直径を求める際に使用したデータを用い、ナノファイバーそれぞれの単繊維直径から計算した横断面積をSiとし、その総和を総面積(S1+S2+…+Sn)とする。また、同じ単繊維直径を持つナノファイバーの頻度(個数)を数え、その積を有機ファイバーの総面積で割ったものをその単繊維直系の面積比率とする。
G.ナノファイバーの直径ばらつき幅
ナノファイバーの直径ばらつき幅は以下のようにして評価する。すなわち、ナノファイバーの単繊維直径の中心値付近で単繊維直径差が30nmの幅に入る単繊維の面積比率で評価する。これは、中心直径付近へのばらつきの集中度を意味しており、この面積比率が高いほどばらつきが小さいことを意味している。これも上記数平均による単繊維直径を求める際に使用したデータを用いた。
H.走査型電子顕微鏡(SEM)観察
図1、2のSEM写真は繊維に白金−パラジウム合金を蒸着し、走査型電子顕微鏡で繊維側面を観察した。
SEM装置 : 日立製作所 UHR−FE−SEM S−900H
I.力学特性
有機ファイバー10mの重量をn=5回測定し、これの平均値から有機ファイバーの繊度(dtex)を求めた。そして、室温(25℃)で、初期試料長=200mm、引っ張り速度=200mm/分とし、JIS L1013に示される条件で荷重−伸長曲線を求めた。次に破断時の荷重値を初期の繊度で割り、それを強度とし、破断時の伸びを初期試料長で割り伸度として強伸度曲線を求めた。
J.吸湿性(ΔMR)
サンプルを秤量瓶に1〜2g程度はかり取り、110℃に2時間保ち乾燥させ重量を測定し(W0)、次に対象物質を20℃、相対湿度65%に24時間保持した後重量を測定する(W65)。そして、これを30℃、相対湿度90%に24時間保持した後重量を測定する(W90)。そして、以下の式にしたがい計算を行う。
MR65=[(W65−W0)/W0]×100% ・・・・・ (1)
MR90=[(W90−W0)/W0]×100% ・・・・・ (2)
ΔMR=MR90−MR65 ・・・・・・・・・・・・ (3)
K.有害・悪臭物質ガスの除去試験
サンプル3.0gを500mlのポリエチレン製容器内に固定した後、悪臭物質を容器内に導入した。そして、密栓後、容器を50℃で1分間保持し、悪臭物質を十分気化させた。そして、30℃で10分間放置後、容器内の空気をサンプリングし、株式会社ガステック社製のガス検知管で悪臭物質濃度を測定した。そして、下記式で消臭率を計算した。
消臭率(%)=[(初期濃度−10分間放置後濃度)/初期濃度]×100(%)
L.難燃性
45°コイル法で評価し、接炎回数3回以上を合格とした。
M.有機/無機ハイブリッドファイバー製品の耐久性
製品サンプルに180°屈曲変形を1000回連続で与えた後、屈曲部の有機ファイバーと無機物の剥離を観察した。
N.抗菌性の評価
繊維製品新機能評価評議会が制定した、繊維製品の定量的抗菌性試験方法マニュアルに準拠した。すなわち、減菌した1/20濃度のニュートリエントブロスに試験菌(黄色ぶどう状球菌)1±0.3×105個/mlを0.4gの試料に対して均一に接種し、37℃で18時間培養した。培養終了後、試験菌を洗い出し、その液で混釈平板寒天培地を作製し、37℃で24〜48時間培養することによって、接種した生菌数を測定する。抗菌性は下記式による静菌活性値で評価した。静菌活性値の高いものほど抗菌性に優れており、4.0以上で抗菌性良好であると評価した。
静菌活性値=log(B)−log(C)
但し、試験成立条件:log(B)−log(A)>1.5を満たすこと。
A:未加工品の接種直後に回収した菌数の平均値
B:未加工品の18時間培養回収した菌数の平均値
C:加工品の18時間培養回収した菌数の平均値
O.制電性の評価
JIS L1094 “織物及び編物の帯電性試験法方法”の摩擦耐電圧測定法に準拠して行った。摩擦耐電圧が300V以下で制電性が良好であると評価した。
P.消臭性および有害物質除去性能の評価
温度20℃、湿度65%RHの調湿された環境下で、布帛1gを5Lのテトラバッグに入れておき、テトラバッグ内に所定濃度の対象臭気あるいは有害ガスを3L注入して、ガス検知管(ガステック社製)を用いて10分後のテトラバッグ内のガス濃度を測定した。尚、初期濃度の1/10以下の濃度になった場合に消臭性および有害物質除去性能が良好であると評価した。
Q.防汚性の評価
試料をソース、コーヒー、マヨネーズ、及びビールの混合物で汚染し、10分間放置後、JIS L−1045と同様の方法で洗浄し、汚染の除去度合いから、目視判定により防汚性を○(良好)、△(やや良好)、×(不良)の3段階で評価した。
R.一般洗濯試験方法
加工後の基布を洗濯(15分)→脱水(1分)→すすぎ(6分)→脱水(1分)→乾燥の順で25サイクル行った。洗濯条件は、水温40℃、浴比が1:30、洗剤は“トップ”(ライオン(株)製)0.5g/lを用いた。すすぎ条件は水温20℃、浴比はオーバーフローとした。
S.機能性物質の含有率
加工前の布帛を110℃で2時間乾燥させ、重量を測定した(W1)。機能加工後の布帛を110℃で2時間乾燥させ、重量を測定した(W2)。加工前と加工後の重量から、次式により求めた。
含有率=(W2−W1)/W1×100(%)
T.吸水率の評価
機能加工後の布帛を110℃、2時間乾燥させ、重量を測定した(W1)。これを100倍の重量の蒸留水に1時間浸した。布帛を取り上げ、1分間放置して水を切り、重量を測定した(W2)吸水前と吸水後の重量から、次式により求めた。
吸水率=(W2−W1)/W1×100(%)
[基布の作製]
参考例1
溶融粘度53Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec−1)、融点220℃のN6(20重量%)と溶融粘度310Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec−1)、融点225℃のイソフタル酸を7mol%、ビスフェノールAを4mol%共重合した融点225℃の共重合PET(80重量%)を2軸押し出し混練機で260℃で混練してポリマーアロイチップを得た。なお、この共重合PETの262℃、1216sec−1での溶融粘度は180Pa・sであった。このときの混練条件は以下のとおりであった。
スクリュー型式 同方向完全噛合型 2条ネジ
スクリュー 直径37mm、有効長さ1670mm、L/D=45.1
混練部長さはスクリュー有効長さの28%
混練部はスクリュー有効長さの1/3より吐出側に位置させた。
途中3個所のバックフロー部有り
ポリマー供給 N6と共重合PETを別々に計量し、別々に混練機に供給した。
温度 260℃
ベント 2個所
このポリマーアロイを275℃の溶融部1で溶融し、紡糸温度280℃のスピンブロック2に導いた。そして、限界濾過径15μmの金属不織布でポリマーアロイ溶融体を濾過した後、口金面温度262℃とした口金3から溶融紡糸した(図3)。この時、口金としては図4に示すように吐出孔上部に直径0.3mmの計量部8を備えた、吐出孔径10が0.7mm、吐出孔長9が1.75mmのものを用いた。そして、この時の単孔あたりの吐出量は2.9g/分とした。さらに、口金下面から冷却開始点(チムニー7の上端部)までの距離は9cmであった。吐出された糸条は20℃の冷却風で1mにわたって冷却固化され、口金3から1.8m下方に設置した集束給油ガイド4で給油された後、非加熱の第1引き取りローラー5および第2引き取りローラー6を介して900m/分で巻き取られた。この時の紡糸性は良好であり、24時間の連続紡糸の間の糸切れはゼロであった。そして、これを第1ホットローラー11の温度を90℃、第2ホットローラー12の温度を130℃として延伸熱処理した(図5)。この時、第1ホットローラー11と第2ホットローラー12間の延伸倍率を3.2倍とした。得られたポリマーアロイ繊維は120dtex、12フィラメント、強度4.0cN/dtex、伸度35%、U%=1.7%の優れた特性を示した。また、得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、共重合PETが海(薄い部分)、N6(濃い部分)が島の海島構造を示し(図6)、島N6の数平均による直径は53nmであり、N6が超微分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。
ここで得られたポリマーアロイ繊維を3本合糸して丸編みを作製し、これを6%の水酸化ナトリウム水溶液(95℃、浴比1:100)で2時間浸漬することでポリマーアロイ繊維中の共重合PETの99%以上を加水分解除去した。この結果得られた、N6ナノファイバーからなる丸編みの目付は60g/mであった。この丸編みでは、海ポリマーである共重合PETが除去されたにもかかわらず、マクロに見るとあたかも長繊維のように連続しており、丸編み形状を保っていた。
このN6ナノファイバーからなる丸編みから糸を引きだし、まず光学顕微鏡で繊維側面観察を行ったところ、アルカリ処理前の繊維に比べ繊維径が約2/3程度になっており、海ポリマーを除去することによって繊維半径方向に収縮が起こっていることが分かった。次に、これの繊維側面をSEMにより観察したところ、この糸は1本の糸ではなく無数のナノファイバーがハンドルを形成しながら繋がったナノファイバー凝集体であることが分かった。また、このN6ナノファイバー凝集体のナノファイバー同士の間隔は数nm〜数百nm程度であり、極めて微小な空隙が存在していた。さらにこれの繊維横断面をTEMによって観察した結果を図7に示すが、このN6ナノファイバーは単糸直径が数十nm程度であることがわかった。そして、ナノファイバーの数平均による単繊維直径は56nm(3×10−5dtex)と従来にない細さであった。また、単繊維直径で1〜100nmの面積比率は99%であり、単繊維直径が100nm以上の面積比率は1%であった。特に単繊維直径で45〜84nmの間に入る単糸面積比率は71%であり、単繊維直径ばらつきはごく小さいものであった。TEM写真から解析したナノファイバーの単繊維直径および単糸繊度のヒストグラムを図8、9に示すが、この時、単繊維直径で10nm刻みで本数(頻度)および繊度比率を数えた。単繊維直径で10nm刻みとは、例えば単繊維直径55〜64nmのものは単繊維直径60nm、また単繊維直径75〜84nmのものは単繊維直径80nmとして数えたことを意味している。
参考例2
溶融粘度250Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec−1)、融点220℃のN6(50重量%)、溶融粘度250Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec−1)、融点220℃のPLA(50重量%)を用いて参考例1と同様に溶融混練してポリマーアロイチップを得た。36ホールの口金を用いて、参考例1と同様に溶融紡糸を行った。この時の紡糸性は良好であり、24時間の連続紡糸の間、糸切れはゼロであった。そして、これをやはり参考例1同様に延伸・熱処理して128dtex、36フィラメント、強度4.3cN/dtex、伸度37%、U%=2.5%の優れた特性を有するポリマーアロイ繊維を得た。得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、参考例1同様、PLAが海、N6が島の海島構造を示し、島N6の数平均による直径は110nmであり、N6が超微分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。
ここで得られたポリマーアロイ繊維を2本合糸して参考例1同様に、アルカリ処理によりN6ナノファイバーからなる目付150g/mの丸編みを得た。さらにこれらのナノファイバーの単繊維直径を参考例1同様に解析した結果、ナノファイバーの数平均による単繊維直径は120nm(1.1×10−4dtex)と従来にない細さであった。また、単繊維直径が150nm以上の面積比率は36%、単繊維直径が200nm以上の面積比率は0%であった。
参考例3
参考例1で用いたN6と共重合PETを図10の装置を用いて別々に270℃で溶融した後、ポリマー融液を紡糸温度を280℃のスピンブロック13に導いた。そして、紡糸パック14内に装着した静止混練器15(東レエンジニアリング社製“ハイミキサー”)を用いて2種のポリマーを104万分割して充分混合した後、参考例2と同様に溶融紡糸を行った。この時のポリマーのブレンド比はN6が20重量%、共重合PETが80重量%であった。この未延伸糸にやはり参考例2と同様に延伸・熱処理を施した。得られたポリマーアロイ繊維は120dtex、12フィラメント、強度3.9cN/dtex、伸度38%、U%=1.7%の優れた特性を示した。これに図11の装置を用いて仮撚り加工を施した。この時、回転子18としてはスピンドルを用い、ヒーター17の温度は180℃、フィードローラー16とデリバリーローラー19の周速差である延伸倍率は1.01倍とした。ここで得られた仮撚り加工糸を用い、参考例1同様にアルカリ処理によりN6ナノファイバーからなる目付100g/mの丸編みを得た。さらにこのナノファイバーの単繊維直径を参考例1同様に解析した結果、ナノファイバーの数平均による単繊維直径は60nm(8×10−5dtex)と従来にない細さであり、単繊維直径が100nm以上の面積比率は2%であった。
参考例4
溶融粘度120Pa・s(262℃、121.6sec−1)、融点225℃のPBTと溶融粘度140Pa・s(262℃、121.6sec−1)の2−エチルヘキシルアクリレートを22%共重合したポリスチレン(co−PS)を、PBTの含有率を20重量%とし、混練温度を240℃として実施例1と同様に溶融混練し、ポリマーアロイチップを得た。なお、このco−PSの245℃、1216sec−1での溶融粘度は60Pa・sであった。
これを溶融温度260℃、紡糸温度260℃(口金面温度245℃)、紡糸速度1200m/分で参考例1と同様に溶融紡糸を行った。この時、口金として参考例1で用いたものと同様の紡糸口金を使用した。紡糸性は良好であり、24時間の紡糸で糸切れは1回であった。この時の単孔吐出量は1.0g/分とした。得られた未延伸糸を延伸温度100℃、延伸倍率2.49倍とし、熱セット装置としてホットローラーの代わりに実効長15cmの熱板を用い、熱セット温度115℃とし参考例1と同様に延伸熱処理した。得られた延伸糸は161dtex、36フィラメントであり、強度1.4cN/dtex、伸度33%、U%=2.0%であった。
得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、co−PSが海(薄い部分)、PBTが島(濃い部分)の海島構造を示し、PBTの数平均による直径は45nmであり、PBTがナノサイズで均一分散化したポリマーアロイ繊維であった。
ここで得られたポリマーアロイ繊維を参考例1と同様に丸編み後、トリクロロエチレンに浸漬する事により、海成分であるco−PSの99%以上を溶出した。得られたナノファイバーの単繊維直径を参考例1と同様に解析した結果、ナノファイバーの数平均による単糸直径は50nm(2×10−5dtex)と従来にない細さであり、単糸直径100nm以上の面積比率は0%であった。
参考例5
参考例2で作製したポリマーアロイ繊維に機械捲縮を施した後、繊維長51mmにカットし、カードで解繊した後クロスラップウェーバーでウェッブとした。次にニードルパンチを2500本/cm施し、750g/mの繊維絡合不織布とした。この不織布に6%の水酸化ナトリウム水溶液(95℃、浴比1:100)でアルカリ処理を2時間施し、PLAの99%以上を除去し、N6ナノファイバーからなる不織布を得た。
捲縮を施したポリマーアロイ繊維にアルカリ処理した。得られたナノファイバーの数平均による単繊維直径は120nm(1.3×10−4dtex)と従来にない細さであり、また、単繊維直径150nm以上の面積比率は37%、単繊維直径200nm以上の面積比率は0%であった。
参考例6
溶融粘度106Pa・s(220℃、243.2sec−1)、融点170℃のPLAと、熱水可溶性ポリマーとして第一工業製薬株式会社製“パオゲンPP−15”(溶融粘度407Pa・s、240℃、243.2sec−1、融点60℃)を用い、図13の装置を用いてスパンボンド不織布を得た。この時、2軸押し出し機21での溶融温度は225℃、紡糸温度は230℃、口金面温度は217℃とした。また、単孔吐出量は0.8g/分、口金下面から冷却開始までの距離は12cmとした。
得られたポリマーアロイ不織布を90℃の温水で2時間処理することにより、熱水可溶性ポリマーを99%以上溶解除去し、PLAナノファイバーからなる目付20g/mの不織布を得た。このナノファイバーの数平均による単繊維直径は54nm、単繊維直径100nm以上の面積比率は1%であった。
参考例7
溶融粘度300Pa・s(262℃、121.6sec−1)、融点235℃の共重合PET(PEG1000を8重量%、イソフタル酸を7mol%共重合)と2−エチルヘキシルアクリレートを22%共重合したポリスチレン(co−PS)を、共重合PETの含有率を20重量%とし、混練温度を235℃として参考例1と同様に溶融混練し、ポリマーアロイチップを得た。この時、co−PSの262℃、121.6sec−1での溶融粘度は140Pa・s、245℃、1216sec−1での溶融粘度は60Pa・sであった。
これを溶融温度260℃、紡糸温度260℃(口金面温度245℃)、紡糸速度1200m/分で参考例2と同様に溶融紡糸を行った。紡糸性は良好であり、24時間の紡糸で糸切れは1回であった。この時の単孔吐出量は1.15g/分とした。得られた未延伸糸を延伸温度100℃、延伸倍率2.49倍とし、熱セット装置としてホットローラーの代わりに実効長15cmの熱板を用い、熱セット温度115℃として参考例1と同様に延伸熱処理した。得られた延伸糸は166dtex、36フィラメントであり、強度1.2cN/dtex、伸度27%、U%=2.0%であった。
捲縮後のポリマーアロイ繊維をTHFに浸漬し、得られたナノファイバーの単繊維直径を参考例1と同様に解析した結果、ナノファイバーの数平均による単繊維直径は60nm(3×10−5dtex)と従来にない細さであり、単繊維直径が100nm以上の面積比率は1%であり、単繊維直径のばらつきは非常に小さいものであった。
作成したポリマーアロイ繊維に機械捲縮を施した後、繊維長51mmにカットし、カードで解繊した後、クロスラップウェーバーでウェッブとした。次にニードルパンチ2500本/cmを施し、750g/mの繊維絡合不織布とした。この不織布をテトラヒドロフラン(THF)に浸漬する事により、海成分であるco−PSの99%以上を溶出し、PETナノファイバーからなる不織布を得た。
参考例8
溶融粘度300Pa・s(220℃、121.6sec−1)、融点162℃のPPと参考例6で用いたPLA(溶融粘度106Pa・s、220℃、121.6sec−1、融点170℃)を用い、参考例6と同様に混練、溶融紡糸を行った。この時、ポリマーのブレンド比はPPが22重量%、PLAが78重量%、2軸押し出し機21での溶融温度は220℃、紡糸速度を1200m/分、紡糸温度220℃、単孔あたりの吐出量は1.0g/分とした。得られた繊維を延伸倍率を1.5倍として実施例1と同様に延伸、熱処理した。そして、77dtex、36フィラメント、強度2.5cN/dtex、伸度50%のポリマーアロイ繊維を得た。得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、PLAが海、PPが島の海島構造を示し、島PPの数平均による直径は150nmであり、PPが超微分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。
得られたポリマーアロイ繊維をアルカリ処理し、参考例1と同様に解析した結果、単繊維直径の数平均155nm、単繊維直径200nm以上の面積比率は2%であり、単繊維直径のばらつきも非常に小さいものであった。
ここで得られたポリマーアロイ繊維を用いて参考例7と同様の操作により、750g/mの繊維絡合不織布とした。この不織布を参考例1と同様にアルカリ処理し、PLAを99%以上溶解除去し、PPナノファイバーからなる不織布を得た。
参考例9
参考例5と同様の操作により、PBTと共重合ポリスチレンのポリマーアロイの延伸糸を得た。このポリマーアロイ繊維を4万dtexに引きそろえ、かせに巻きつけた後、トリクロロエチレンに1時間浸漬してポリマーアロイ繊維中のco−PS成分の99%以上を溶解除去した。さらに水洗、乾燥してナノファイバー繊維束を作製した。得られたナノファイバー繊維束の力学特性は、強度1.7cN/dtex、伸度60%であった。参考例1と同様に解析した結果、繊維の平均直径は65nm(2×10−5dtex)と従来にない細さであり、単繊維直径100nm以上の面積比率は3%であった。
このナノファイバー繊維束を長さ2mm長に切断してナノファイバーのカット繊維を得た。タッピースタンダードナイヤガラ試験ビータ(東洋精機製)に水23Lと先ほど得られたカット繊維30gを仕込み、5分間予備叩解し、その後余分な水を切って繊維を回収した。この繊維の重量は250gであり、その含水率は88%であった。含水状態の繊維250gをそのまま自動式PFIミル(熊谷理機製)に仕込み、回転数1500回転、クリアランス0.2mmで6分間叩解した。ファイバーミキサーMX−X103(ナショナル製)に叩解した繊維4.2g、分散剤としてノイゲンEA−87(第一工業製薬製)を0.5g、水500gを仕込み、5分間撹拌してPBTナノファイバーの水分散体を得た。上記で得られた水分散体250g、水20Lをセミオートマチック角型シートマシン(熊谷理機製)に仕込み、No.2定性用ろ紙(アドバンテック製)の上に抄紙し、そのまま高温用回転型乾燥機(熊谷理機製)を用いて110℃で乾燥して、ろ紙から繊維シート部分をはがして厚さ1μmの不織布を作成した。
参考例10
参考例1と同様の操作によりN6と共重合PETのポリマーアロイの延伸糸を得た。このポリマーアロイ繊維を4万dtexに引きそろえ、かせに巻きつけた後、90℃の3重量%水酸化ナトリウム水溶液にて2時間浸漬することでポリマーアロイ繊維中のco−PET成分の99%以上を加水分解除去した。さらに酢酸で中和後、水洗、乾燥することで強度2.0cN/dtex、伸度50%のナノファイバー繊維束を作製した。参考例1と同様に解析した結果、繊維の平均は60nm(3×10−5dtex)と従来にない細さであり、また単繊維直径100nm以上の面積比率は2%であった。
得られたナノファイバー繊維束を長さ2mmにカットし、参考例9と同様にカット繊維を作製した。このとき、分散剤としてシャロールAN−103P(第一工業製薬製)を用いた。得られた水分散体250g、水20Lをセミオートマチック角型シートマシン(熊谷理機製)に仕込み、No.2定性用ろ紙の上に支持層とする単糸繊度1.3dtex、目付100g/cmの不織布を重ね、不織布上にナノファイバーを抄紙し、そのまま高温用回転型乾燥機(熊谷理機製)を用いて110℃で乾燥して、ろ紙から支持層とナノファイバー層をはがして支持層を有するナノファイバー不織布を作成した。この時、濾過層であるナノファイバー不織布層の厚みは1μmであった。
参考例11
溶融粘度150Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec−1)、融点220℃のN6と溶融粘度145Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec−1)、融点105℃のPEとをN6ブレンド比を20重量%となるようそれぞれのポリマーを計量しながら2軸押し出し混練機に導く図12の装置を用い溶融紡糸を行い、未延伸糸を得た。参考例1と同様に延伸・熱処理を行い、82dtex、12フィラメントの延伸糸を得た。この時の延伸倍率は2.0倍とした。
この糸を用いて参考例1と同様に丸編みとなし、85℃のトルエンにより1時間以上PEを溶出処理しPEの99%以上を除去した。得られた丸編みからN6単独糸を引き出し、TEMにより繊維横断面観察を行ったところ、単繊維直径が100nm〜1μm(単糸繊度9×10−5〜9×10−3dtex)の超極細糸が生成していることを確認した。しかし、これの数平均による単繊維直径は384nm(1×10−3dtex)であり、単繊維直径が300nm以上の単繊維の面積比率は80%以上であった。
参考例12
溶融粘度200Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec−1)、融点220℃のN6を常法にしたがい265℃で溶融紡糸した後、3800m/分で巻き取った。そして、これを第1ホットローラー11の温度を70℃、第2ホットローラー12の温度を130℃として延伸熱処理した(図5)。この時、第1ホットローラー11と第2ホットローラー12間の延伸倍率を1.4倍とした。得られた繊維は45dtex、12フィラメント、強度5.1cN/dtex、伸度40%、U%=0.9%であった。これの丸編みを作製した(目付は120g/m)。
参考例13
溶融粘度180Pa・s(290℃、剪断速度121.6sec−1)、融点255℃のPETを島成分に、溶融粘度100Pa・s(290℃、剪断速度121.6sec−1)、ビカット軟化温度107℃のポリスチレン(PS)を海成分に用いて、特開昭53−106872号公報の実施例1記載のように海島複合糸を得た。そして、これを経糸および緯糸に用いて平織りを作製後、やはり特開昭53−106872号公報の実施例記載のようにトリクロロエチレン処理によりPSを99%以上除去して超極細糸を得た。これの繊維横断面をTEM観察したところ、超極細糸の単繊維直径は2000nm(0.04dtex)であった。
参考例14
溶融粘度180Pa・s(290℃、剪断速度121.6sec−1)、融点255℃のPETを常法にしたがい285℃で溶融紡糸した後、3800m/分で巻き取った。そして、これを第1ホットローラー11の温度を90℃、第2ホットローラー12の温度を130℃として延伸熱処理した(図5)。この時、第1ホットローラー11と第2ホットローラー12間の延伸倍率を3.2倍とした。得られた繊維は45dtex、12フィラメント、強度2.0cN/dtex、伸度40%、U%=0.9%の優れた特性を示した。これの丸編みを作製した(目付は120g/m)。
Figure 2005036376
上記参考例における基布は必要に応じ定法により精練および乾燥し、各実施例に用いた。
実施例1、2、比較例1〜4
参考例1、3、11〜14で作製したナノファイバー、極細繊維または通常糸からなる布帛を定法により染色を施した後に、以下に示す吸湿加工を行った。これらの基布を下記組成のパッド液に浸漬し、マングル圧20Kg/cmで絞り、ロール状に巻き上げ、ポリプロピレンフィルムでシールを行い、100℃の飽和スチーム導入中でマイクロ波を照射し、60分間加熱処理した。
〈パッド液組成〉
メタクリル酸 35%
ベンゾイルパーオキサイド 2%
オクチルピリジニュームクロライド 20%
水 43%
実施例および比較例の基布へのモノマーの含有率は表に示した通りであり、ナノファイバーを用いた実施例においては、メタクリル酸モノマーが繊維間の微細な空隙に多量に吸尽された後にグラフト反応することによって、含有率が著しく高くなった。上記基布を通常のソーピング、乾燥後、炭酸ナトリウム8g/L水溶液で浴比1:20の条件で60℃、30分間加熱処理を行い、モノマーのカルボキシル末端基をナトリウム置換処理した。その後、水洗および乾燥を行い、これらのΔMRを測定したところ表のような結果が得られた。極細繊維においても、通常糸と比較してΔMRの値が上昇する効果があるものの、ナノファイバーではさらにΔMRの値が大きくなり、良好な吸湿性能を示すことがわかった。
Figure 2005036376
実施例3、4、比較例5〜8
参考例1、4、11〜14で作製したナノファイバー、極細繊維または通常糸からなる布帛を、難燃剤であるトリメチルホスフェートのエマルジョン水溶液(有効濃度3%)に浸漬して、浴比1:20、温度98℃で30分間処理を行った。加工後、水洗および乾燥して難燃剤の含有率を測定したところ表の通りであった。それぞれの基布について難燃性を評価したところ、比較例においては全ての布帛で接炎回数が2回までで全焼してしまった。一方、実施例においては接炎回数が5回でもほとんど基布が燃焼することはなかった。N6ナノファイバーを用いた実施例4、5では、難燃剤が繊維表面または繊維間の微細な空隙に吸尽されており、さらに繊維内部にまで難燃剤が存在しているため、非常に難燃性に優れたものであった。比較例のN6極細繊維に加工を施した場合にも効果が見られるが、十分とは言えなかった。また、実施例にあるように疎水性ポリマーであるPET、またはPBTを用いた場合には、N6と比較してさらに固着量が高く、難燃性能が飛躍的に向上した。疎水的性質を示すトリメチルホスフィンとPETおよびPBTでは、親和性が高く、難燃性能に優れたものであった。
Figure 2005036376
実施例5〜7、比較例9、10
参考例1、3、9、11、12で作製したナノファイバーあるいは超極細糸からなる布帛に、以下に示す制電加工を行った。制電剤として三洋化成社製、商品名“サンスタットES−15(アニオン活性剤)”の20%水溶液を用い、pHコントロールによって酸性条件下で基布に含浸させ、98℃で1時間処理を行った後、50℃で基布を乾燥した。基布への制電剤の含有率は表の通りであった。得られた基布の摩擦耐電圧を測定したところ、実施例1、3では50V、比較例10では1500Vであった。表のように、極細繊維においても通常糸と比較して表面積が高くなった効果があるものの、ナノファイバーでは繊維構造体を形成するナノァイバー内部に制電剤がナノオーダーで多量に分散可能であり、単繊維間の空隙へ制電剤の吸尽量が著しく高くなることで、制電性能に優れるものであった。
Figure 2005036376
実施例8、比較例11、12
実施例8および比較例11、12については以下に示す制電加工を行った。参考例7、13、14で作製した各布帛に対して、制電剤として三洋化成社製、商品名“サンスタットKT−305C(カチオン活性剤)”の20%水溶液に基布を含浸させ、130℃で1時間処理を行った後、50℃で基布を乾燥した。基布への制電剤の含有率を測定したところ、表5の通りであった。得られた基布の摩擦耐電圧を測定したところ、実施例8では60V、比較例12では2200Vであり、実施例8では良好な制電性能を有することがわかった。
Figure 2005036376
実施例9、比較例13、14
参考例7、11、12で作製したナノファイバー、極細繊維または通常糸からなる布帛に、下に示す機能加工を行った。アセトアルデヒドに対して吸着能のあるドデカン二酸ジヒドラジドの10%水溶液を用い、固形分として20%owf、浴比1:20、処理温度130℃、処理時間1時間でそれぞれの基布の処理を行った。ドデカン二酸ジヒドラジドの含有率を測定したところ、表の通りであった。これらのアセトアルデヒド除去能力を評価したところ、実施例7においては10分間で初期濃度30ppmから1ppmまで濃度が低下した。一方、比較例14においては初期濃度30ppmから22ppmまでしか濃度が低下しなかった。ナノファイバーを用いた場合には、ドデカン二酸ジヒドラジドの布帛への固着量が多く、アセトアルデヒドに対して優れた除去能力を示した。
Figure 2005036376
実施例10〜15、比較例15〜18
参考例1、4、6〜8、11〜14で作製したナノファイバー、極細繊維または通常糸からなる布帛を、抗菌剤である大和化学社製、商品名“ニッカノンRB(第4級アンモニウム塩)”の10%水溶液に浸漬し、実施例10、12および比較例15、16においては98℃で1時間処理し、他の実施例および比較例では130℃で1時間処理を行った。その後、50℃で基布を乾燥した。それぞれの基布における抗菌剤の含有率を測定したところ、表のとおりであった。これらの基布の静菌活性値を評価したところ、N6を用いた実施例10では6.5、比較例16では1.6となり、実施例のように、ナノファイバーを用いた繊維構造物では優れた抗菌性能を示すことがわかった。
Figure 2005036376
実施例16、比較例19、20
参考例1、11、12で作製したナノファイバー、極細繊維または通常糸からなる布帛に、以下に示す防汚加工を施した。日華化学社製、商品名“NKガードFGN−860”の20%水溶液に浸漬し、98℃で30分間処理を行った後、50℃で乾燥させた。含有率を測定したところ、表8の通りであった。これらの基布の防汚性を評価したところ、実施例16では○(良好)、比較例11、12では△(やや良好)であった。さらに実施例および比較例の基布を一般洗濯(25回)を行った後に、再度防汚性を評価したところ、実施例16は○(良好)、比較例では×(不良)であった。実施例においてはナノファイバーの単繊維間の空隙によるアンカー効果によって、防汚加工剤の洗濯耐久性が良好であった。
Figure 2005036376
実施例17〜20、比較例21〜24
参考例1、4、5、7、11〜14で作製したナノファイバー極細繊維または通常糸からなる布帛に、鮫の肝臓から抽出した天然油成分であり、保湿によるスキンケア効果のあるスクワランを吸尽させた。この時の処理条件は、スクワラン60%と乳化分散剤40%を混合した物を水に濃度7.5g/リットルで分散させ、浴比1:40、浴中温度98℃、処理時間60分間である。処理後80℃で2時間洗浄を行い、この時のスクワランの付着量は布帛に対して表の通りであった。その後、洗濯試験を施した後のスクワランの付着量は、ナノファイバーではそれぞれ、充分な洗濯耐久性を示したのに対して、通常糸では洗濯耐久性がまったく得られなかった。また、ポリアミドに比べて、ポリエステル、ポリオレフィンでの耐久性が特に高く、疎水性物質の耐久性能は疎水性ポリマーからなるナノファイバーを用いる方が効果的であった。
スクワラン加工された実施例7のPET不織布を被験者10人の手の甲に貼りつけ、着用試験を行ったところ、うち8人が乾燥肌が改善されたと答えた。これは、不織布内にトラップされたスクワランが徐々に抽出され、肌と接触したためと考えられる。
Figure 2005036376
実施例21〜23
参考例1、2、5で作製したナノファイバーからなる布帛を塩化白金水溶液に浸漬し、布帛に塩化白金を十分含浸させた。その後、これを一旦取り出し、イオン交換水で布帛表面を洗浄、乾燥した後、ヒドラジン処理により還元を行い、有機ファイバー/白金からなる布帛あるいはシート形状の材料が得られた。これはフレキシビリティーに富み、扱いやすい材料であった。
Figure 2005036376
実施例24
参考例1で作製した布帛を5重量%の硝酸銀水溶液に1分間浸漬した後、4重量%のKCl水溶液を滴下し、イオン交換を行い銀イオンを繊維中に固着させた。その後、流水で15分間洗浄した後、洗濯テストを行った。この時のAgClの布帛重量に対する付着量は3.8重量%であった。
比較例25
参考例12で作製した布帛を用い、実施例24と同様に銀イオンの加工を行ったが、洗濯テスト後の付着量は0.2重量%であり、多量に付着させることはできなかった。
Figure 2005036376
実施例25〜27、比較例26、27
テトラエチルオルトシリケート(TEOS)とテトラエチルオルトチタネート(TEOT)をモル比1:0.026で混合して15分間攪拌後、TEOSに対しモル比0.68のデシルアミンを添加した。この混合溶液に参考例1〜3、11、12で作製したナノファイバーからなる布帛を10分間浸漬、攪拌後、0.5N塩酸水溶液を添加して生成した懸濁液をさらに24時間攪拌した。その後、布帛をイオン交換水で洗浄後、風乾した。この操作により、ナノファイバーを鋳型とした布帛あるいはシート形状の有機ファイバー/シリカチタニア複合体が得られた。また、シリカチタニア中のTi含量は1.7mol%であった。これは、充分な剛性としなやかさを併せ持つ優れた材料であった。また、優れた難燃性を持つハイブリッド材料でもあった。さらに、チタニアを含むため光触媒機能も発現し、優れたメチルメルカプタン消臭性能を発揮した。この時、メチルメルカプタンの初期濃度は20ppmであった。
Figure 2005036376
実施例28〜35、比較例28〜31
「ゾル−ゲル法の科学」(作花済夫著、アグネ承風社)、88〜90ページに記載のようにバリウムビスイソプロポキシドとチタンテトライソプロポキシドの混合物からなるコーティング溶液を調整した。この溶液に参考例1〜8、11〜14で作製したナノファイバー、極細繊維または通常糸からなる布帛を2時間浸漬し、コーティング溶液を十分有機ファイバーに含浸させた。布帛を溶液から引き上げた後、100℃で乾燥させることにより、チタン酸バリウム中にナイロンが微分散した有機/無機ハイブリッド材料を得た。ナノファイバーを用いた場合には耐久性よく複合体を形成した。
Figure 2005036376
実施例36〜41
参考例1〜6で作製したナノファイバーからなる布帛をイオン交換水に浸漬し、その後1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンを布帛重量に対し大過剰加え、3時間攪拌した。室温で14時間静置後、さらに13時間攪拌し、さらに室温で14時間静置後、さらに7時間攪拌し、シリカを重合した。その後、布帛をイオン交換水で洗浄後、風乾した。この操作により、ナノファイバーを鋳型とした布帛形状の有機ファイバー/シリカ複合体が得られた。ナノファイバーを鋳型として用いた場合には、充分な剛性としなやかさを併せ持つ優れた材料が得られ、優れた難燃性を持つハイブリッド材料であった。
比較例32〜35
参考例11〜14で作製したN6またはPETの通常糸の丸編みを用いて実施例41と同様に有機ファイバー/シリカ複合体を作製した。参考例12、14の通常糸では、シリカ源である1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンの含浸・吸着効率が悪く、実施例に比べ無機物比率が低く、有機ファイバー比率が高くなった。また、単繊維直径が大きく比表面積が小さいため、シリカの含有量が低いものしか得られなかった。これは吸湿性、難燃性、耐久性とも満足できるものではなかった。
Figure 2005036376
実施例42〜47
メチルトリメトキシシランオリゴマー(n=3〜4)をイソプロピルアルコール/エチレングリコール=1/1混合溶液に溶解し、シロキサン結合を有するシリコーンポリマーの重合触媒としてジブチルスズジアセテートをシランオリゴマーに対して4重量%加え、シリコーンポリマーのコート液を調整した。これに参考例1、4〜8で作製した布帛を30℃で20分間で浸漬し、充分コート液を含浸させた。そして、これらの布帛をコート液から引き上げ、100℃で5分間乾燥させるとともに、シリコーンの重合を進め、ナノファイバーがシリコーンポリマーでコーティングされた布帛を得た。これは優れた撥水性と難燃性を示す物であった。このコーティング布帛中のシリコーン含有率はそれぞれ表の通りであった。
Figure 2005036376
実施例48〜51
参考例1〜4で作製したナノファイバーからなる布帛を、デシルトリメトキシシラン10ml、水10ml、エタノール30ml、10%希塩酸0.1mlから調整したを用いて実施例54と同様の操作を行なった。この操作により、ナノファイバーを鋳型とした、布帛形状の有機ファイバー/シリカ複合体が得られた。これは、充分な剛性としなやかさを併せ持つ優れた材料であった。また、優れた難燃性を持つハイブリッド材料でもあった。
比較例36〜39
参考例11〜14で作製した超極細糸または通常糸からなる布帛を、実施例49と同様にシリコーン加工を行った。洗濯テスト後のジメチルシリコーン坦持量は、極細繊維ではナノファイバーと比較して6割程度、通常糸では半分程度であった。
Figure 2005036376
実施例52〜57
参考例1、4〜8で作製したナノファイバーからなる布帛を、ジフェニルジメトキシシラン10ml、水10ml、エタノール30ml、10%希塩酸0.1mlから調整した加工液中に2時間浸漬し、取り上げた流水で1分間洗浄した。この後、布帛を140℃、3分間熱処理してシリコーンモノマーの重合を進め、ジメチルシリコーン化した。そして、流水で40分間洗浄後、さらに洗濯試験を行った。この操作により、ナノファイバーあるいは超極細糸を鋳型とした、布帛形状の有機ファイバー/シリコーン複合体が得られた。これは、充分な剛性としなやかさを併せ持つ優れた材料であった。また、優れた難燃性を持つハイブリッド材料でもあった。
比較例40〜43
参考例11〜14で作製した超極細糸または通常糸からなる布帛を、実施例72と同様にシリコーン加工を行った。洗濯テスト後のジメチルシリコーン坦持量はナノファイバーと比較して半分程度であった。
Figure 2005036376
実施例58〜65、比較例44、45
参考例1、4〜10、12、14で作製したナノファイバーまたは通常糸からなる布帛を、アクリル酸ナトリウム30g、2−メタクリル酸エチレン1g、過硫酸アンモニウム0.1g、水100gから調整した加工液中に10分間浸漬した後、80℃に加熱し4時間反応させた。この操作により、ナノファイバーを鋳型としたナノファイバー/ポリアクリル酸ナトリウム複合体が得られた。これは吸水性が高く、実施例65のナイロンナノファイバーの複合体では、430%の蒸留水を吸収する材料であった。また、これは風合いが柔らかく、吸湿性、ポリアクリル酸の耐久性もある優れた複合材料であった。
Figure 2005036376
実施例66〜73
参考例1、4〜10で作製したナノファイバーからなる布帛を、ヘキサメチレンジイソシアネート40g(0.24mol)、ブタンジオール21g(0.24mol)、メチルエチルケトン100gから調整した加工溶液中に10分間浸漬した後、80℃の乾燥機で加熱して反応を進行させた。この操作により、ナノファイバーを鋳型としたナノファイバー/ポリウレタン複合体が得られた。これは風合いが柔らかく伸縮性があり、ポリウレタンの弾性が付与された、優れた複合材料であった。
Figure 2005036376
実施例74〜79
実施例36〜41で得られた有機ファイバー/シリカ複合体を600℃で2時間焼成することにより、鋳型に用いた有機ファイバーを除去し、微細孔を多数有するシリカファイバーからなる布帛およびシートを得た。これらは、優れた吸湿、アンモニア消臭性能を示した。この時、アンモニアの初期濃度は250ppmであった。
比較例46〜49
比較例33、35で得られた有機ファイバー/シリカ複合体を600℃で焼成することにより、鋳型に用いた有機ファイバーを除去したところ、シリカ含量が少なすぎたため布帛形状を保つことができず崩壊した。極細繊維では、ナノファイバーと同様に無機物が得られた。ただし、何ファイバーでは繊維直径が小さく、完全に焼成できたのに対し.比較例48ではPETの分子鎖中に芳香環を含んでいるため600℃で2時間の焼成では完全には除去できなかった。
Figure 2005036376
実施例80〜85
実施例36〜41で得られた有機ファイバー/シリカ複合体から溶媒を用いて有機ファイバーを溶出することにより鋳型に用いた有機ファイバーを除去し、微細孔を多数有するシリカファイバーからなる布帛およびシートを得た。これらは、優れたアンモニア消臭性能を示した。この時、アンモニアの初期濃度は500ppmであった。ただし、有機ファイバーの直径が大きな比較例50、52を用いたものでは溶出率が低く有機ファイバーがかなり残存した。また、シート形状であった実施例40、41を用いたものでは、編物形状のものに比べ見かけ比表面積が小さいため抽出効率が低く、若干有機ファイバーが残存した。また、実施例85はアルカリ水溶液を用いているため、シリカも若干加水分解され、やや強度に劣るものであった。
比較例50〜53
比較例33で得られた有機ファイバー/シリカ複合体からギ酸でナイロンを抽出することにより、鋳型に用いた有機ファイバーを除去したところ、シリカ含量が少なすぎたため布帛形状を保つことができず崩壊した。
Figure 2005036376
実施例86〜88
テトラエチルオルトシリケート(TEOS)とテトラエチルオルトチタネート(TEOT)をモル比1:0.026で混合して15分間攪拌後、TEOSに対しモル比0.68のデシルアミンを添加した。この混合溶液に参考例1〜3、8で作製したナノファイバーからなる布帛を10分間浸漬、攪拌後、0.5N塩酸水溶液を添加して生成した懸濁液をさらに24時間攪拌した。その後、布帛をイオン交換水で洗浄後、風乾した。この操作により、ナノファイバーを鋳型とした、布帛あるいはシート形状の有機ファイバー/シリカチタニア複合体が得られた。また、シリカチタニア中のTi含量は1.7mol%であった。得られた有機ファイバー/シリカチタニア複合体を500℃で4時間焼成し、Tiを1.7mol%含有した微細孔を多数有するシリカチタニアファイバーからなる布帛およびシートを得た。これらは、優れたメチルメルカプタン消臭性能を示した。の時、メチルメルカプタンの初期濃度は40ppmであった。
Figure 2005036376
実施例89〜91
「ゾル−ゲル法の科学」(作花済夫著、アグネ承風社)、88〜90ページに記載のようにバリウムビスイソプロポキシドとチタンテトライソプロポキシドの混合物からなるコーティング溶液を調整した。この溶液に参考例1〜3で作製したナノファイバーからなる布帛を2時間浸漬し、コーティング溶液を十分有機ファイバーに含浸させた。布帛を溶液から引き上げた後、100℃で乾燥させることにより、チタン酸バリウム中にナイロンが微分散した有機/無機ハイブリッド材料を得た。得られたチタン酸バリウム中にナイロンが微分散した有機/無機ハイブリッド材料を600℃で2時間焼成することにより、ナイロンを除去するとともにチタン酸バリウムの結晶化を行い、チタン酸バリウムからなる布帛、シートを得た。
Figure 2005036376
実施例92〜94
参考例1、2、6で作製したナノファイバーからなる布帛を塩化白金水溶液に浸漬し、
布帛に塩化白金を十分含浸させた。その後、これを一旦取り出し、イオン交換水で布帛表面を洗浄、乾燥した後、ヒドラジン処理により還元を行い、有機ファイバー/白金からなる布帛あるいはシート形状の材料が得られた。作製した有機/無機ハイブリッド材料から有機ファイバーを溶出することにより微細孔を多数有する超軽量白金ファイバーからなる布帛およびシートが得られた。
Figure 2005036376
ナノファイバー凝集体を示すSEM写真である。 ナノファイバー分散体を示すSEM写真である。 紡糸機を示す図である。 口金を示す図である。 延伸機を示す図である。 参考例1のポリマーアロイ繊維の横断面を示すTEM写真である。 参考例1のナノファイバー集合体の繊維横断面を示すTEM写真である。 参考例1のナノファイバーの単糸直径ばらつきをあらわす図である。 参考例1のナノファイバーの単糸直径ばらつきをあらわす図である。 紡糸機を示す図である。 仮撚り装置を示す図である。 紡糸機を示す図である。 スパンボンド紡糸装置を示す図である。
符号の説明
1:溶融部
2:スピンブロック
3:口金
4:集束給油ガイド
5:第1引き取りローラー
6:第2引き取りローラー
7:チムニー
8:計量部
9:吐出孔長
10:吐出孔径
11:第1ホットローラー
12:第2ホットローラー
13:1軸押出混練機
14:紡糸パック
15:静止混練器
16:フィードローラー
17:ヒーター
18:回転子
19:デリバリーローラー
20:冷却板
21:2軸押出混練機
22:イジェクター
23:開繊装置
24:捕集装置

Claims (16)

  1. 熱可塑性ポリマーからなり、数平均による単繊維直径が10〜200nm、単繊維直径200nm以上の面積比率が3%以下である、機能性物質を含んだナノファイバー集合体。
  2. ナノファイバーを構成する熱可塑性ポリマーの80重量%以上がポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンの群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載のナノファイバー集合体。
  3. ナノファイバーを構成する熱可塑性ポリマーが疎水性ポリマーであり、機能性物質が疎水性であることを特徴とする請求項1または2記載のナノファイバー集合体。
  4. 強度が1cN/dtex以上であることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載のナノファイバー集合体。
  5. 機能性物質が無機ポリマーであることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項記載のナノファイバー集合体。
  6. 機能性物質が有機ポリマーであることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項記載のナノファイバー集合体。
  7. 機能性物質が連続体であることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項記載のナノファイバー集合体。
  8. 請求項1から7のいずれか1項記載のナノファイバー集合体を一部に有する繊維製品。
  9. 熱可塑性ポリマーからなり、数平均による単繊維直径が10〜200nm、単繊維直径200nm以上の面積比率が3%以下であるナノファイバーに易溶解性機能物質を含浸させ、その後、化学反応あるいは対イオン交換により難溶解性機能物質としてナノファイバー集合体に固着させる機能加工方法。
  10. 熱可塑性ポリマーからなり、数平均による単繊維直径が10〜200nm、単繊維直径200nm以上の面積比率が3%以下であるナノファイバーにモノマーを含浸させ、その後、重合あるいは架橋することにより難溶解性機能物質としてナノファイバー集合体に固着させる機能加工方法。
  11. 組成の90重量%以上が無機物から成り、短軸断面方向の数平均細孔直径が1〜5000nmである無機多孔ファイバー。
  12. ファイバー長が1mm以上である請求項11記載の多孔ファイバー。
  13. 請求項11または12記載の多孔ファイバーを1重量%以上含む構造体。
  14. 構造体がシートである請求項13記載の構造体。
  15. 数平均直径が10〜5000nmである有機ファイバーの集合体に無機モノマーを含浸させ、その後無機モノマーを重合して得られる有機/無機ハイブリッドファイバーから有機ファイバー部分を除去し、組成の90重量%以上が無機物から成る多孔ファイバーの製造方法。
  16. 数平均直径が10〜5000nmである有機ファイバーを含む繊維構造体に無機モノマーを含浸させ、その後無機モノマーを重合して得られる有機/無機ハイブリッドファイバーを含む構造体から有機ファイバー部分を除去し、組成の90重量%以上が無機物から成る多孔ファイバーを含む構造体の製造方法。
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