JPH0813239A - 巻縮ポリアミドフィブリル繊維およびその製造方法 - Google Patents
巻縮ポリアミドフィブリル繊維およびその製造方法Info
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- JPH0813239A JPH0813239A JP14909494A JP14909494A JPH0813239A JP H0813239 A JPH0813239 A JP H0813239A JP 14909494 A JP14909494 A JP 14909494A JP 14909494 A JP14909494 A JP 14909494A JP H0813239 A JPH0813239 A JP H0813239A
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 優れた水輸送性、水保持性、坑ピル性、坑ス
ナッグ性を有し、軽量で、繊維資材分野および衣料分野
全般に好適な性質を具備する巻縮ポリアミドフィブリル
繊維およびその製造方法を提供する。 【構成】 ポリアミド70〜50重量%と、ポリエステ
ル30〜50重量%とのブレンドポリマ−を溶融紡糸し
て得た繊維を巻縮加工し、少くともその一部をアルカリ
減量し、単繊維の表面がおおよそその繊維軸方向に並行
に配列した多数のフィブリルで覆われている巻縮ポリア
ミドフィブリル繊維。
ナッグ性を有し、軽量で、繊維資材分野および衣料分野
全般に好適な性質を具備する巻縮ポリアミドフィブリル
繊維およびその製造方法を提供する。 【構成】 ポリアミド70〜50重量%と、ポリエステ
ル30〜50重量%とのブレンドポリマ−を溶融紡糸し
て得た繊維を巻縮加工し、少くともその一部をアルカリ
減量し、単繊維の表面がおおよそその繊維軸方向に並行
に配列した多数のフィブリルで覆われている巻縮ポリア
ミドフィブリル繊維。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モップ、フロアマッ
ト、フキン等の繊維資材分野、スキ−ウエア、トレ−ニ
ングウエア、レオタ−ド、ランジェリ−、ストッキング
等の衣料分野に好適な性質を具備する巻縮ポリアミドフ
ィブリル繊維およびその製造方法に関する。特に、本発
明は、優れた水輸送性、水保持性、坑ピル性、坑スナッ
グ性を有し、軽量で、繊維資材分野および衣料分野全般
に好適な性質を具備する巻縮ポリアミドフィブリル繊維
およびその製造方法に関する。
ト、フキン等の繊維資材分野、スキ−ウエア、トレ−ニ
ングウエア、レオタ−ド、ランジェリ−、ストッキング
等の衣料分野に好適な性質を具備する巻縮ポリアミドフ
ィブリル繊維およびその製造方法に関する。特に、本発
明は、優れた水輸送性、水保持性、坑ピル性、坑スナッ
グ性を有し、軽量で、繊維資材分野および衣料分野全般
に好適な性質を具備する巻縮ポリアミドフィブリル繊維
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】巻縮繊維は嵩高であるため、資材分野や
衣料分野で広く用いられている。しかしながら、いくつ
かの欠点を有しており、改良が求められている。例えば
繊維資材分野では従来、例えばモップはホコリを捕捉除
去するための用具でありながら、それ自体がホコリの発
生源になるという欠点を抱えていた。なぜならば、モッ
プコ−ド用の原料は主として綿をはじめステ−プル繊維
の紡績糸が用いられ、その構成単繊維が繊維屑としてい
とも容易に糸から抜け出すからである。例えば、綿糸や
単一成分もしくは複合成分の紡績糸からつくられたモッ
プは、振るだけで繊維屑による発塵が著しかった。また
綿は比重が比較的大でかつ嵩高性に劣るため、製品の重
量が大であるという欠点があった。
衣料分野で広く用いられている。しかしながら、いくつ
かの欠点を有しており、改良が求められている。例えば
繊維資材分野では従来、例えばモップはホコリを捕捉除
去するための用具でありながら、それ自体がホコリの発
生源になるという欠点を抱えていた。なぜならば、モッ
プコ−ド用の原料は主として綿をはじめステ−プル繊維
の紡績糸が用いられ、その構成単繊維が繊維屑としてい
とも容易に糸から抜け出すからである。例えば、綿糸や
単一成分もしくは複合成分の紡績糸からつくられたモッ
プは、振るだけで繊維屑による発塵が著しかった。また
綿は比重が比較的大でかつ嵩高性に劣るため、製品の重
量が大であるという欠点があった。
【0003】これらの欠点に対応すべく巻縮合成繊維、
例えば巻縮ポリアミド繊維でできたモップ材料が特開昭
61−100223号公報に知られている。しかし、既
存の主力材料である綿と異なり、吸水性に乏しくてフロ
ア分野への対応が難しいのと、合成繊維の場合、ダスト
コントロ−ル剤の繊維への保持性が悪く、光沢のある面
などに使用するとダストコントロ−ル剤の付着転移がみ
られるなどの欠点があった。さらにポリアミド繊維は強
靭すぎるため、長期間使用した場合や粗面のフロアに使
用した場合にはピルが発生し、隣接するモップコ−ド糸
同志が集束してしまい、ほこりの捕捉除去性能が著しく
低下すると共に、美観を損ね、商品としての寿命が短い
という欠点もあった。
例えば巻縮ポリアミド繊維でできたモップ材料が特開昭
61−100223号公報に知られている。しかし、既
存の主力材料である綿と異なり、吸水性に乏しくてフロ
ア分野への対応が難しいのと、合成繊維の場合、ダスト
コントロ−ル剤の繊維への保持性が悪く、光沢のある面
などに使用するとダストコントロ−ル剤の付着転移がみ
られるなどの欠点があった。さらにポリアミド繊維は強
靭すぎるため、長期間使用した場合や粗面のフロアに使
用した場合にはピルが発生し、隣接するモップコ−ド糸
同志が集束してしまい、ほこりの捕捉除去性能が著しく
低下すると共に、美観を損ね、商品としての寿命が短い
という欠点もあった。
【0004】また衣料分野でも従来同様の欠点があっ
た。すなわち吸水性に乏しいため、体表面の汗を迅速に
吸収することができず、繊維が体表面にべたべたと付着
したり保水性が悪いため、機能加工剤を充分な量でかつ
耐久性良く付着させることができなかったり、ささくれ
等に接触するとピルやスナッグが発生する等の欠点があ
った。
た。すなわち吸水性に乏しいため、体表面の汗を迅速に
吸収することができず、繊維が体表面にべたべたと付着
したり保水性が悪いため、機能加工剤を充分な量でかつ
耐久性良く付着させることができなかったり、ささくれ
等に接触するとピルやスナッグが発生する等の欠点があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、優れた水輸送性、水保持性、坑ピル性、坑スナッグ
性を有し、軽量で、繊維資材分野および衣料分野全般に
好適な性質を具備する巻縮ポリアミドフィブリル繊維お
よびその製造方法を提供することである。
は、優れた水輸送性、水保持性、坑ピル性、坑スナッグ
性を有し、軽量で、繊維資材分野および衣料分野全般に
好適な性質を具備する巻縮ポリアミドフィブリル繊維お
よびその製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】研究の結果、上記の課題
を解決するためには、ポリアミド70〜50重量%と、
ポリエステル30〜50重量%とのブレンドポリマ−を
溶融紡糸して得た繊維を巻縮加工し、少くともその一部
をアルカリ減量し、単繊維の表面がおおよそその繊維軸
方向に並行に配列した多数のフィブリルで覆われている
巻縮ポリアミドフィブリル繊維とすることが好適である
ことがわかった。
を解決するためには、ポリアミド70〜50重量%と、
ポリエステル30〜50重量%とのブレンドポリマ−を
溶融紡糸して得た繊維を巻縮加工し、少くともその一部
をアルカリ減量し、単繊維の表面がおおよそその繊維軸
方向に並行に配列した多数のフィブリルで覆われている
巻縮ポリアミドフィブリル繊維とすることが好適である
ことがわかった。
【0007】本発明をその好適態様について以下に詳細
に説明する。本発明において、ポリアミドとしては、公
知の繊維形成性ポリアミドを用い得る。中でもナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン46、ナ
イロン12等のアルカリ水溶液に殆ど溶解しないポリア
ミドが好ましい。これらポリアミドに他のポリアミドを
ブレンドしたポリアミドを用いても良いし、他のポリア
ミドのアミン成分または酸成分を共重合させたポリアミ
ドをもちいても良いし、またテレフタル酸、イソフタル
酸等の芳香族成分を共重合させたものであってもよい。
吸水性能の観点からはナイロン6、ナイロン66である
ことがより好ましい。製品の染色堅牢度、コ−ド素糸の
反発弾性率の観点からは、ナイロン66であることがさ
らに好ましい。なお、上記ポリアミドには、必要に応じ
て任意の添加剤、例えば抗菌剤、坑かび剤、防臭剤、帯
電防止剤、撥水剤、着色防止剤、難撚剤、着色剤、結晶
化調節剤等が含まれていてもよい。
に説明する。本発明において、ポリアミドとしては、公
知の繊維形成性ポリアミドを用い得る。中でもナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン46、ナ
イロン12等のアルカリ水溶液に殆ど溶解しないポリア
ミドが好ましい。これらポリアミドに他のポリアミドを
ブレンドしたポリアミドを用いても良いし、他のポリア
ミドのアミン成分または酸成分を共重合させたポリアミ
ドをもちいても良いし、またテレフタル酸、イソフタル
酸等の芳香族成分を共重合させたものであってもよい。
吸水性能の観点からはナイロン6、ナイロン66である
ことがより好ましい。製品の染色堅牢度、コ−ド素糸の
反発弾性率の観点からは、ナイロン66であることがさ
らに好ましい。なお、上記ポリアミドには、必要に応じ
て任意の添加剤、例えば抗菌剤、坑かび剤、防臭剤、帯
電防止剤、撥水剤、着色防止剤、難撚剤、着色剤、結晶
化調節剤等が含まれていてもよい。
【0008】ポリアミドとブレンドするポリエステルと
しては、公知の溶融紡糸可能な繊維形成性ポリエステル
の中で、アルカリ水溶液により容易に加水分解するポリ
エステルを用いることができる。中でもテレフタル酸を
酸成分とし、エチレングリコ−ルをグリコ−ル成分とし
て得られるポリエチレンテレフタレ−ト、さらに第3成
分を添加して得られるポリエチレンテレフタレ−トとイ
ソフタル酸類との共重合体、ポリエチレンテレフタレ−
トとポリエチレングリコ−ルとの共重合体、ポリエチレ
ングリコ−ルとイソフタル酸類およびポリエチレングリ
コ−ルとの共重合体が好ましい。ここにイソフタル酸類
とは、イソフタル酸、イソフタル酸の金属塩、イソフタ
ル酸ジメチル、スルホイソフタル酸、スルホイソフタル
酸の金属塩、スルホイソフタル酸ジメチル等のことをい
う。なお、上記ポリエステルには、必要に応じて任意の
添加剤、例えば抗菌剤、防腐剤、帯電防止剤、着色防止
剤、難撚剤、着色剤等が含まれていてもよい。
しては、公知の溶融紡糸可能な繊維形成性ポリエステル
の中で、アルカリ水溶液により容易に加水分解するポリ
エステルを用いることができる。中でもテレフタル酸を
酸成分とし、エチレングリコ−ルをグリコ−ル成分とし
て得られるポリエチレンテレフタレ−ト、さらに第3成
分を添加して得られるポリエチレンテレフタレ−トとイ
ソフタル酸類との共重合体、ポリエチレンテレフタレ−
トとポリエチレングリコ−ルとの共重合体、ポリエチレ
ングリコ−ルとイソフタル酸類およびポリエチレングリ
コ−ルとの共重合体が好ましい。ここにイソフタル酸類
とは、イソフタル酸、イソフタル酸の金属塩、イソフタ
ル酸ジメチル、スルホイソフタル酸、スルホイソフタル
酸の金属塩、スルホイソフタル酸ジメチル等のことをい
う。なお、上記ポリエステルには、必要に応じて任意の
添加剤、例えば抗菌剤、防腐剤、帯電防止剤、着色防止
剤、難撚剤、着色剤等が含まれていてもよい。
【0009】ポリアミドとして代表的なナイロン6、ナ
イロン66を用い、微細なフィブリルからなる巻縮ポリ
アミドフィブリル繊維をアルカリ減量処理により容易に
得るためには、上記ポリエステルの中でも共重合ポリエ
スエルを用いることが好ましい。共重合ポリエステルの
中でも、第3成分としてポリエチレングリコ−ルを10
〜30重量%添加した共重合ポリエステルを用いること
が好ましい。ポリエチレングリコ−ルの重量が10重量
%未満であると微細なフィブリル繊維を得ることが困難
になり、また30重量%より多いと共重合ポリエステル
の耐熱性が不良となり、紡糸性および延伸性が低下し、
糸切れが頻発する。エチレングリコ−ルに対するポリエ
チレングリコ−ルの添加重量比を大とするとアルカリ減
量速度が大となるので、グリコ−ル成分としてはポリエ
チレングリコ−ルを主とすることがより好ましい。ポリ
エチレングリコ−ルの分子量は、アルカリ減量速度を大
としかつ耐熱性を著しく低下させないために2000〜
10000の範囲であることが好ましく、5000〜7
000であることがより好ましい。有機スルホン酸金属
塩を添加しても良いが、微細なフィブリル繊維を得るた
めには、その添加量を5重量%以下に制限することが望
ましい。また紡糸性、延伸性を低下させないという観点
からも、共重合ポリエステルを用いることがより望まし
い。
イロン66を用い、微細なフィブリルからなる巻縮ポリ
アミドフィブリル繊維をアルカリ減量処理により容易に
得るためには、上記ポリエステルの中でも共重合ポリエ
スエルを用いることが好ましい。共重合ポリエステルの
中でも、第3成分としてポリエチレングリコ−ルを10
〜30重量%添加した共重合ポリエステルを用いること
が好ましい。ポリエチレングリコ−ルの重量が10重量
%未満であると微細なフィブリル繊維を得ることが困難
になり、また30重量%より多いと共重合ポリエステル
の耐熱性が不良となり、紡糸性および延伸性が低下し、
糸切れが頻発する。エチレングリコ−ルに対するポリエ
チレングリコ−ルの添加重量比を大とするとアルカリ減
量速度が大となるので、グリコ−ル成分としてはポリエ
チレングリコ−ルを主とすることがより好ましい。ポリ
エチレングリコ−ルの分子量は、アルカリ減量速度を大
としかつ耐熱性を著しく低下させないために2000〜
10000の範囲であることが好ましく、5000〜7
000であることがより好ましい。有機スルホン酸金属
塩を添加しても良いが、微細なフィブリル繊維を得るた
めには、その添加量を5重量%以下に制限することが望
ましい。また紡糸性、延伸性を低下させないという観点
からも、共重合ポリエステルを用いることがより望まし
い。
【0010】ポリアミドとポリエステルとの望ましい混
合比率は、それぞれのポリマ−の重合度や紡糸温度で若
干変化するが、ポリアミド70〜50重量%、ポリエス
テル30〜50重量%にすることが長いフィブリルを多
数形成させるために本発明では必要である。ポリアミド
の混合比率が70重量%を越えるとポリアミドの海相の
中にポリエステルの島相が分散した相構造となり、微細
なフィブリルを形成させることが困難となり、繊維表面
の変化が少なく、筋状の条痕が生じるのみであり、パ−
ル光沢を示すだけである。またポリアミドの混合比率が
50重量%を下回ると、ポリエステルの海相の中にポリ
アミドの島相が分散した相構造となり生成したフィブリ
ルがパルプ状に減量処理液中に分散してしまい、繊維形
態を保持することが困難となり、たとえ繊維形態を保持
し得た場合でも布帛の厚みが大幅に減少し、ペ−パ−ラ
イクになるため、実用的でない。
合比率は、それぞれのポリマ−の重合度や紡糸温度で若
干変化するが、ポリアミド70〜50重量%、ポリエス
テル30〜50重量%にすることが長いフィブリルを多
数形成させるために本発明では必要である。ポリアミド
の混合比率が70重量%を越えるとポリアミドの海相の
中にポリエステルの島相が分散した相構造となり、微細
なフィブリルを形成させることが困難となり、繊維表面
の変化が少なく、筋状の条痕が生じるのみであり、パ−
ル光沢を示すだけである。またポリアミドの混合比率が
50重量%を下回ると、ポリエステルの海相の中にポリ
アミドの島相が分散した相構造となり生成したフィブリ
ルがパルプ状に減量処理液中に分散してしまい、繊維形
態を保持することが困難となり、たとえ繊維形態を保持
し得た場合でも布帛の厚みが大幅に減少し、ペ−パ−ラ
イクになるため、実用的でない。
【0011】本発明の繊維を紡糸するにあたって、ポリ
アミドポリマ−とポリエステルポリマ−とは、予めチッ
プブレンドして用いるのが良い。この場合、溶融紡糸装
置としては、溶融格子方式でなく、スクリュ−押出機方
式が良い。紡糸に用いる紡糸パックおよび紡糸口金は、
常用のものを用いればよい。必要に応じて複合紡糸機を
用い、鞘成分にチップブレンドポリマ−を、芯成分にホ
モポリマ−を用い、紡糸性、延伸性、加工工程性の向上
をはかっても良い。紡糸、延伸、巻縮加工は連続して一
工程で行っても良い。また、紡糸および延伸工程は直接
製糸法により連続して一工程で行い、次いで別工程でジ
ェットスタッファ−、仮撚機等公知の巻縮加工装置を用
いて巻縮加工を施しても良い。またいわゆるPOYとし
て巻取り、延伸仮撚機を用いて延伸と巻縮加工とを同時
におこなっても良い。さらにまた、紡出繊維を一度未延
伸パッケ−ジとして巻き取ったのち延伸し、次いで巻縮
加工を施すように、全部別々の工程で行っても良い。
アミドポリマ−とポリエステルポリマ−とは、予めチッ
プブレンドして用いるのが良い。この場合、溶融紡糸装
置としては、溶融格子方式でなく、スクリュ−押出機方
式が良い。紡糸に用いる紡糸パックおよび紡糸口金は、
常用のものを用いればよい。必要に応じて複合紡糸機を
用い、鞘成分にチップブレンドポリマ−を、芯成分にホ
モポリマ−を用い、紡糸性、延伸性、加工工程性の向上
をはかっても良い。紡糸、延伸、巻縮加工は連続して一
工程で行っても良い。また、紡糸および延伸工程は直接
製糸法により連続して一工程で行い、次いで別工程でジ
ェットスタッファ−、仮撚機等公知の巻縮加工装置を用
いて巻縮加工を施しても良い。またいわゆるPOYとし
て巻取り、延伸仮撚機を用いて延伸と巻縮加工とを同時
におこなっても良い。さらにまた、紡出繊維を一度未延
伸パッケ−ジとして巻き取ったのち延伸し、次いで巻縮
加工を施すように、全部別々の工程で行っても良い。
【0012】以下に例としてモップコ−ドの場合を挙
げ、この場合について主に説明する。モップコ−ド用素
糸としては、巻縮ポリアミドフィブリル繊維用原糸は、
それを構成する単繊維の繊度が2〜 2000デニ−ル
で、繊維の繊度が500〜10000デニ−ルのものが
好ましい。フィブリル繊維は後述するアルカリ減量処理
により微細なフィブリルを生じ柔軟になるので、モノフ
ィラメントに類する単繊維繊度のものまで使用すること
ができる。必要に応じ、このポリアミドフィブリル繊維
用原糸と単繊維の繊度が1〜50デニ−ルで繊維の繊度
が500〜10000デニ−ルである通常のポリアミド
繊維とを複合して用いてもよい。この素糸は単一の繊維
糸であってもよいし、複数本の繊維糸を合糸し撚糸した
ものであってもよい。
げ、この場合について主に説明する。モップコ−ド用素
糸としては、巻縮ポリアミドフィブリル繊維用原糸は、
それを構成する単繊維の繊度が2〜 2000デニ−ル
で、繊維の繊度が500〜10000デニ−ルのものが
好ましい。フィブリル繊維は後述するアルカリ減量処理
により微細なフィブリルを生じ柔軟になるので、モノフ
ィラメントに類する単繊維繊度のものまで使用すること
ができる。必要に応じ、このポリアミドフィブリル繊維
用原糸と単繊維の繊度が1〜50デニ−ルで繊維の繊度
が500〜10000デニ−ルである通常のポリアミド
繊維とを複合して用いてもよい。この素糸は単一の繊維
糸であってもよいし、複数本の繊維糸を合糸し撚糸した
ものであってもよい。
【0013】モップコ−ド用素糸としては、この巻縮ポ
リアミドフィブリル繊維糸単独で使用することが吸水
性、ダストコントロ−ル剤の繊維への浸透性、坑ピル性
の観点から好ましい。しかしながら、これら性能および
その他の性能とのバランスをとったり、風合、美観の観
点から、前述のポリアミド繊維と混繊、合糸、合撚等に
より複合化して用いてもよい。その場合、複合するポリ
アミドフィブリル繊維の重量比は30%以上とすること
が好ましく、これを下回ると上記の性能が低下する傾向
がある。同様に、ポリアミドフィブリル繊維の重量比が
30%以上となるならば、レ−ヨン等の化学繊維、アク
リル繊維等の合成繊維、綿等の天然繊維と複合化しても
よい。
リアミドフィブリル繊維糸単独で使用することが吸水
性、ダストコントロ−ル剤の繊維への浸透性、坑ピル性
の観点から好ましい。しかしながら、これら性能および
その他の性能とのバランスをとったり、風合、美観の観
点から、前述のポリアミド繊維と混繊、合糸、合撚等に
より複合化して用いてもよい。その場合、複合するポリ
アミドフィブリル繊維の重量比は30%以上とすること
が好ましく、これを下回ると上記の性能が低下する傾向
がある。同様に、ポリアミドフィブリル繊維の重量比が
30%以上となるならば、レ−ヨン等の化学繊維、アク
リル繊維等の合成繊維、綿等の天然繊維と複合化しても
よい。
【0014】布巾、タオル、ワイパ−等用の資材分野
や、衣料分野には、その用途に最適な単繊維繊度、糸繊
度、撚数、巻縮特性を選択すれば良い。次に、モップコ
−ド用素糸は、通常、低融点ポリアミド繊維を用いて接
合する。低融点ポリアミド繊維とは、複数種のポリアミ
ド形成用単量体、すなわちω−アミノカルボン酸成分ま
たはジカルボン酸成分とジアミン成分との組合せからな
る共重合ポリアミド類であって、その融点が一般に80
〜140℃の範囲にあるものであり、この低融点ポリア
ミド繊維は、湿熱条件下では乾燥条件下よりもかなり低
い温度で溶融することが顕著な特徴の一つである。低融
点ポリアミドも一般に繊度の低い繊維糸の形で入手で
き、その繊度は一般に30〜300デニ−ルの範囲にあ
る。低融点ポリアミド繊維糸の具体例としては、エルダ
−(商品名,東レ株式会社製)、フロ−ル(商品名,ユ
ニチカ株式会社製)等を用いることができる。全デニ−
ルに対して低融点ポリアミド繊維糸の混入デニ−ル割合
は0.1〜10%程度である。低融点ポリアミド繊維糸
は1本であるよりは、半分のデニ−ルの糸を2本入れた
方がよい。
や、衣料分野には、その用途に最適な単繊維繊度、糸繊
度、撚数、巻縮特性を選択すれば良い。次に、モップコ
−ド用素糸は、通常、低融点ポリアミド繊維を用いて接
合する。低融点ポリアミド繊維とは、複数種のポリアミ
ド形成用単量体、すなわちω−アミノカルボン酸成分ま
たはジカルボン酸成分とジアミン成分との組合せからな
る共重合ポリアミド類であって、その融点が一般に80
〜140℃の範囲にあるものであり、この低融点ポリア
ミド繊維は、湿熱条件下では乾燥条件下よりもかなり低
い温度で溶融することが顕著な特徴の一つである。低融
点ポリアミドも一般に繊度の低い繊維糸の形で入手で
き、その繊度は一般に30〜300デニ−ルの範囲にあ
る。低融点ポリアミド繊維糸の具体例としては、エルダ
−(商品名,東レ株式会社製)、フロ−ル(商品名,ユ
ニチカ株式会社製)等を用いることができる。全デニ−
ルに対して低融点ポリアミド繊維糸の混入デニ−ル割合
は0.1〜10%程度である。低融点ポリアミド繊維糸
は1本であるよりは、半分のデニ−ルの糸を2本入れた
方がよい。
【0015】また、モップコ−ド用素糸は、80〜25
0回/m、特に100〜220回/mの撚回数の下撚
と、撚方向が下撚と逆で、しかも下撚の撚回数よりも少
なくかつ50〜220回/m、特に70〜200回/m
の撚回数の上撚とを有するようにするのがよい。上撚お
よび下撚の撚回数がこの範囲よりも少ない場合には、撚
の固定が不十分であり、反復使用中に糸のほつれや損耗
を生じる傾向が増大する。上撚および下撚の撚回数がこ
の範囲よりも多いと、モップコ−ドの柔軟さ、自由さが
失われて、ダスト捕集・保持性が低下すると共に、清掃
作業性が悪くなり、また風合も低下する傾向があり、著
しい場合には単繊維相互がフィブリルにより被覆され、
こより状となり、モップコ−ドとしての性能を発現し得
なくなる。このような場合には揉み等の物理的柔軟化処
理を施すのが良い。
0回/m、特に100〜220回/mの撚回数の下撚
と、撚方向が下撚と逆で、しかも下撚の撚回数よりも少
なくかつ50〜220回/m、特に70〜200回/m
の撚回数の上撚とを有するようにするのがよい。上撚お
よび下撚の撚回数がこの範囲よりも少ない場合には、撚
の固定が不十分であり、反復使用中に糸のほつれや損耗
を生じる傾向が増大する。上撚および下撚の撚回数がこ
の範囲よりも多いと、モップコ−ドの柔軟さ、自由さが
失われて、ダスト捕集・保持性が低下すると共に、清掃
作業性が悪くなり、また風合も低下する傾向があり、著
しい場合には単繊維相互がフィブリルにより被覆され、
こより状となり、モップコ−ドとしての性能を発現し得
なくなる。このような場合には揉み等の物理的柔軟化処
理を施すのが良い。
【0016】撚糸の撚の固定は、撚糸をJ−ボックスの
ような浴中に連続的に通すことによっても行い得るし、
加圧下に蒸気雰囲気中でも行い得る。また撚糸のかせ・
コ−ン等を浴中に浸漬することによっても行い得る。低
融点ポリアミドを用いて撚の固定を行うことが、より好
ましい。巻縮ポリアミドフィブリル繊維用原糸をアルカ
リ溶液を用いて処理すると、この原糸中のポリエステル
成分は分解除去され、巻縮ポリアミドフィブリル繊維糸
を得ることができる。ここで使用するアルカリ水溶液
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、テトラメチルアン
モニウムハイドロサルファイト、およびこれらの混合物
等の水溶液が好ましいが、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムが特に好ましい。工業的には水酸化ナトリウムが
最も適している。減量促進剤を用いることも好ましい。
ような浴中に連続的に通すことによっても行い得るし、
加圧下に蒸気雰囲気中でも行い得る。また撚糸のかせ・
コ−ン等を浴中に浸漬することによっても行い得る。低
融点ポリアミドを用いて撚の固定を行うことが、より好
ましい。巻縮ポリアミドフィブリル繊維用原糸をアルカ
リ溶液を用いて処理すると、この原糸中のポリエステル
成分は分解除去され、巻縮ポリアミドフィブリル繊維糸
を得ることができる。ここで使用するアルカリ水溶液
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、テトラメチルアン
モニウムハイドロサルファイト、およびこれらの混合物
等の水溶液が好ましいが、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムが特に好ましい。工業的には水酸化ナトリウムが
最も適している。減量促進剤を用いることも好ましい。
【0017】アルカリ化合物の水溶液の濃度は、アルカ
リ化合物の種類、処理条件などによって異なるが、通常
は0.01〜40重量%の範囲であり、その中でも0.
1〜30重量%の範囲が好ましい。処理温度は通常室温
〜135℃の範囲であり、処理時間は通常1分〜4時間
の範囲が好ましく、1分〜60分であるのがより好まし
い。このアルカリ水溶液の処理によって溶出除去する共
重合ポリエステルの量は、共重合ポリエステル含有量の
少くとも10重量%であることが好ましい。吸水性能的
には90重量%以上を除去することがより好ましいが、
コ−ド素糸の嵩高性、反発性を向上させたい場合には9
0〜10重量%までの範囲で適宜変更してもよい。
リ化合物の種類、処理条件などによって異なるが、通常
は0.01〜40重量%の範囲であり、その中でも0.
1〜30重量%の範囲が好ましい。処理温度は通常室温
〜135℃の範囲であり、処理時間は通常1分〜4時間
の範囲が好ましく、1分〜60分であるのがより好まし
い。このアルカリ水溶液の処理によって溶出除去する共
重合ポリエステルの量は、共重合ポリエステル含有量の
少くとも10重量%であることが好ましい。吸水性能的
には90重量%以上を除去することがより好ましいが、
コ−ド素糸の嵩高性、反発性を向上させたい場合には9
0〜10重量%までの範囲で適宜変更してもよい。
【0018】巻縮ポリアミドフィブリル繊維はまた、い
わゆるパッドスチ−ム法処理によっても得ることができ
る。すなわち、アルカリ濃厚溶液を巻縮ポリアミドフィ
ブリル繊維用原糸にパディングし、100℃以上、すな
わち例えば通常135℃の高温加圧水蒸気雰囲気中で加
熱して、ポリエステル成分を分解し、水洗により除去し
てもよい。
わゆるパッドスチ−ム法処理によっても得ることができ
る。すなわち、アルカリ濃厚溶液を巻縮ポリアミドフィ
ブリル繊維用原糸にパディングし、100℃以上、すな
わち例えば通常135℃の高温加圧水蒸気雰囲気中で加
熱して、ポリエステル成分を分解し、水洗により除去し
てもよい。
【0019】上記の低融点ポリアミド繊維糸を用いた融
着処理と、巻縮ポリアミドフィブリル繊維用原糸のアル
カリ処理とは同一の浴で実施してもよいし、別々の浴で
実施してもよい。同一の浴で融着処理とアルカリ処理と
を行う場合、上記のアルカリ水溶液法を用いても、パッ
ドスチ−ム法を用いてもよい。別々の浴で実施する場
合、まず融着処理を行い、引き続いてアルカリ処理を行
うことが好ましい。アルカリ処理を行ったのちに融着処
理を行うとモップコ−ド素糸間の接着が不十分となり、
モップコ−ドのハリ、腰がなくなるほか、使用中にモッ
プコ−ドがほつれたり、もつれたり、損耗が大となり、
好ましくない。
着処理と、巻縮ポリアミドフィブリル繊維用原糸のアル
カリ処理とは同一の浴で実施してもよいし、別々の浴で
実施してもよい。同一の浴で融着処理とアルカリ処理と
を行う場合、上記のアルカリ水溶液法を用いても、パッ
ドスチ−ム法を用いてもよい。別々の浴で実施する場
合、まず融着処理を行い、引き続いてアルカリ処理を行
うことが好ましい。アルカリ処理を行ったのちに融着処
理を行うとモップコ−ド素糸間の接着が不十分となり、
モップコ−ドのハリ、腰がなくなるほか、使用中にモッ
プコ−ドがほつれたり、もつれたり、損耗が大となり、
好ましくない。
【0020】このようなアルカリ処理を行って得られる
巻縮ポリアミドフィブリル繊維は、第1図(電子顕微鏡
写真、倍率2000)にその側面の表面状態の一例を示
すように、ポリアミドフィブリル繊維の巻縮加工糸を構
成する単繊維の表面は、おおよそその繊維軸方向に並行
に配列した数μm以下の多数のフィブリルで覆われてい
る。フィブリルとは、セルロース繊維の場合には直径
0.1〜0.3μmの繊維束を意味するが(岡島三郎
著、「パルプ・紙・レーヨン」5頁、昭和37年、日刊
工業新聞社刊)、本発明の場合は2000倍に拡大して
観察した場合の微細な繊維束の幅が10μm以下、好ま
しくは3μm以下の繊維束を意味する。アルカリ処理前
後の単繊維の外径変化は、強撚等の外力を与えない限
り、誤差の範囲内でほとんどない。すなわち微細な空隙
を多数含んだ、見かけの密度が小さい非常に小さい繊維
を得ることができる。例えばナイロン66と共重合ポリ
エステルとを60対40でブレンドした繊維からは、見
かけの密度が0.7の軽量繊維が得られる。この乾燥繊
維を水中に浸漬すると、微細な気泡が繊維中より多数浮
上するのが観察される。このような繊維構造上の特徴を
有しているため、水の吸収速度が高まり、保水性も高ま
る。その総合的な結果として、繊維を水中に浸漬したち
のち遠心脱水した場合の残留水を測定し、水の浸透性の
尺度とすると、本発明繊維の水浸透性が非常に優れてい
ることを容易に理解できる。例えば市販されている巻縮
ポリアミド繊維の水浸透性(残留水の重量%)は20%
以下であるのに対し、本発明の巻縮ポリアミドフィブリ
ル繊維の水浸透性は100%以上となる。有機液体等の
水エマルジョン、有機液体の場合もその種類によるが、
ほぼ同等の結果を得ることができる。したがって、本発
明の巻縮ポリアミド繊維は、水浸透性が100%以上で
あることが好ましく、120%以上であることが、特に
好ましい。なお、実施例としては、繊維資材分野で使用
されるダスコン剤エマルジョンを例にとり浸透性を例示
したが、水のみを使用した場合もほぼ同様の結果にな
る。本発明によるフィブリルは非常に微細であるので、
前述の添加剤、例えば抗菌剤がフィブリル表面付近に存
在する比率が高まり、そのため細菌との接触の機会が増
大し、その効果を増大させることができる。
巻縮ポリアミドフィブリル繊維は、第1図(電子顕微鏡
写真、倍率2000)にその側面の表面状態の一例を示
すように、ポリアミドフィブリル繊維の巻縮加工糸を構
成する単繊維の表面は、おおよそその繊維軸方向に並行
に配列した数μm以下の多数のフィブリルで覆われてい
る。フィブリルとは、セルロース繊維の場合には直径
0.1〜0.3μmの繊維束を意味するが(岡島三郎
著、「パルプ・紙・レーヨン」5頁、昭和37年、日刊
工業新聞社刊)、本発明の場合は2000倍に拡大して
観察した場合の微細な繊維束の幅が10μm以下、好ま
しくは3μm以下の繊維束を意味する。アルカリ処理前
後の単繊維の外径変化は、強撚等の外力を与えない限
り、誤差の範囲内でほとんどない。すなわち微細な空隙
を多数含んだ、見かけの密度が小さい非常に小さい繊維
を得ることができる。例えばナイロン66と共重合ポリ
エステルとを60対40でブレンドした繊維からは、見
かけの密度が0.7の軽量繊維が得られる。この乾燥繊
維を水中に浸漬すると、微細な気泡が繊維中より多数浮
上するのが観察される。このような繊維構造上の特徴を
有しているため、水の吸収速度が高まり、保水性も高ま
る。その総合的な結果として、繊維を水中に浸漬したち
のち遠心脱水した場合の残留水を測定し、水の浸透性の
尺度とすると、本発明繊維の水浸透性が非常に優れてい
ることを容易に理解できる。例えば市販されている巻縮
ポリアミド繊維の水浸透性(残留水の重量%)は20%
以下であるのに対し、本発明の巻縮ポリアミドフィブリ
ル繊維の水浸透性は100%以上となる。有機液体等の
水エマルジョン、有機液体の場合もその種類によるが、
ほぼ同等の結果を得ることができる。したがって、本発
明の巻縮ポリアミド繊維は、水浸透性が100%以上で
あることが好ましく、120%以上であることが、特に
好ましい。なお、実施例としては、繊維資材分野で使用
されるダスコン剤エマルジョンを例にとり浸透性を例示
したが、水のみを使用した場合もほぼ同様の結果にな
る。本発明によるフィブリルは非常に微細であるので、
前述の添加剤、例えば抗菌剤がフィブリル表面付近に存
在する比率が高まり、そのため細菌との接触の機会が増
大し、その効果を増大させることができる。
【0021】この巻縮ポリアミドフィブリル繊維は、軽
量で、吸水性、保水性、坑ピル性、坑スナッグ性、捕塵
性に優れている。吸水性に優れているため、ダストコン
トロ−ル剤に対する優れた含浸性を有している。通常ダ
ストコントロ−ル剤は繊維重量にたいして15重量%前
後付着させるが、本発明に用いるポリアミドフィブリル
繊維の吸水能力は通常200%以上あり、ダスト捕捉能
力のほかにさらに充分な吸水能力を有している。しかし
ながらその構造の特徴から柔軟であるため、前述のよう
に撚糸したり、低融点ポリアミド繊維糸で融着加工した
りして、ハリや腰を向上させることが実用上有効であ
る。また、アルカリ減量率を減少させ、繊維の中心部の
フィブリル化を抑制し、同様の効果を得ることができ
る。また、複合紡糸技術を用い、鞘成分にフィブリル化
可能なブレンドポリマ−を用い、芯成分にホモポリマ−
を用い、同様の効果を得ることができる。
量で、吸水性、保水性、坑ピル性、坑スナッグ性、捕塵
性に優れている。吸水性に優れているため、ダストコン
トロ−ル剤に対する優れた含浸性を有している。通常ダ
ストコントロ−ル剤は繊維重量にたいして15重量%前
後付着させるが、本発明に用いるポリアミドフィブリル
繊維の吸水能力は通常200%以上あり、ダスト捕捉能
力のほかにさらに充分な吸水能力を有している。しかし
ながらその構造の特徴から柔軟であるため、前述のよう
に撚糸したり、低融点ポリアミド繊維糸で融着加工した
りして、ハリや腰を向上させることが実用上有効であ
る。また、アルカリ減量率を減少させ、繊維の中心部の
フィブリル化を抑制し、同様の効果を得ることができ
る。また、複合紡糸技術を用い、鞘成分にフィブリル化
可能なブレンドポリマ−を用い、芯成分にホモポリマ−
を用い、同様の効果を得ることができる。
【0022】このようにして得られたコ−ド糸をカンバ
ス等の基布に縫製し、コ−ドの長さを一定に切りそろえ
て清掃用モップとして使用する。このモップはそれ自体
公知のダストの捕集・保持用油剤、いわゆるダストコン
トロ−ル剤を含浸させて、ドライ状態で使用するダスト
コントロールモップとすることができる。以上は、用途
として主にモップコ−ドを例として説明したが、モップ
のほかに靴等の塵埃除去用のエントランスマット等に用
いることができる。
ス等の基布に縫製し、コ−ドの長さを一定に切りそろえ
て清掃用モップとして使用する。このモップはそれ自体
公知のダストの捕集・保持用油剤、いわゆるダストコン
トロ−ル剤を含浸させて、ドライ状態で使用するダスト
コントロールモップとすることができる。以上は、用途
として主にモップコ−ドを例として説明したが、モップ
のほかに靴等の塵埃除去用のエントランスマット等に用
いることができる。
【0023】他の用途としては、本発明の巻縮ポリアミ
ドフィブリル繊維は吸水性に優れるという特徴を有しな
がら綿に比較して腐敗しにくいため、ダストコントロ−
ル剤を含浸させずに、あるいは含浸させて、厨房用フロ
アマット、フキン、タオル、眼鏡拭き、ワイパ−等の清
掃材として用いることもできる。この場合、例えば乾燥
した綿を用いて卓上にこぼれた水を拭き取ろうとした場
合、水滴がどうしても残ってしまうが、本発明の巻縮ポ
リアミドフィブリル繊維製品を使用すると、水を完全に
拭き取ることができる。したがって、レストラン等で客
に好印象をあたえることができる。また一般住宅、ビ
ル、自動車等の窓の拭き上がりも良い。
ドフィブリル繊維は吸水性に優れるという特徴を有しな
がら綿に比較して腐敗しにくいため、ダストコントロ−
ル剤を含浸させずに、あるいは含浸させて、厨房用フロ
アマット、フキン、タオル、眼鏡拭き、ワイパ−等の清
掃材として用いることもできる。この場合、例えば乾燥
した綿を用いて卓上にこぼれた水を拭き取ろうとした場
合、水滴がどうしても残ってしまうが、本発明の巻縮ポ
リアミドフィブリル繊維製品を使用すると、水を完全に
拭き取ることができる。したがって、レストラン等で客
に好印象をあたえることができる。また一般住宅、ビ
ル、自動車等の窓の拭き上がりも良い。
【0024】また、本発明の巻縮ポリアミドフィブリル
繊維のソフトな感触と良好な吸水性等を利用し、巻縮ポ
リアミドフィブリル繊維単独であるいは他の繊維と複合
して、シ−ツ、布団カバ−、シ−トカバ−、帽材等の繊
維資材に用いることができる。また、本発明の巻縮ポリ
アミドフィブリル繊維単独であるいは他の繊維と複合し
て、あるいはまた交織、交編して、ランジェリ−、ファ
ウンデ−ション等のインナ−衣料用途、タンクトップ、
Tシャツ等の中衣用途、ニット、コ−ト、ブラウス、シ
ャツ、ス−ツ等のアウタ−衣料、スキ−ウエア、トレ−
ニングウエア、レオタ−ド等のスポ−ツ衣料用途、スト
ッキング、ソックス等のレッグ用途に用いることができ
る。
繊維のソフトな感触と良好な吸水性等を利用し、巻縮ポ
リアミドフィブリル繊維単独であるいは他の繊維と複合
して、シ−ツ、布団カバ−、シ−トカバ−、帽材等の繊
維資材に用いることができる。また、本発明の巻縮ポリ
アミドフィブリル繊維単独であるいは他の繊維と複合し
て、あるいはまた交織、交編して、ランジェリ−、ファ
ウンデ−ション等のインナ−衣料用途、タンクトップ、
Tシャツ等の中衣用途、ニット、コ−ト、ブラウス、シ
ャツ、ス−ツ等のアウタ−衣料、スキ−ウエア、トレ−
ニングウエア、レオタ−ド等のスポ−ツ衣料用途、スト
ッキング、ソックス等のレッグ用途に用いることができ
る。
【0025】本発明の巻縮ポリアミドフィブリル繊維は
柔軟なので、特に肌に接触する用途に使用すると、皮膚
炎を悪化させない効果も期待される。また以上は水を液
体の代表として説明したが、塩水溶液、乳濁液、微細粒
子の懸濁液、コロイド溶液、油脂等の液体の吸液性もよ
く、その保持性能にも優れている。したがって、本発明
の巻縮ポリアミドフィブリル繊維は後加工による機能の
賦与性と持続性にも優れている。
柔軟なので、特に肌に接触する用途に使用すると、皮膚
炎を悪化させない効果も期待される。また以上は水を液
体の代表として説明したが、塩水溶液、乳濁液、微細粒
子の懸濁液、コロイド溶液、油脂等の液体の吸液性もよ
く、その保持性能にも優れている。したがって、本発明
の巻縮ポリアミドフィブリル繊維は後加工による機能の
賦与性と持続性にも優れている。
【0026】代表的な機能加工としては、化学薬品によ
る加工のほかに、天然物、例えばキトサン、竹の抽出液
等による抗菌加工と防臭加工、フラボノイド類、竹の抽
出液等による消臭加工、グルコサミン類による撥水加工
と抗かび加工、アロエエキス、スクアラン等による保湿
加工と制電加工、キトサン、木酢液等による抗アトピ−
性皮膚炎加工等が挙げられる。
る加工のほかに、天然物、例えばキトサン、竹の抽出液
等による抗菌加工と防臭加工、フラボノイド類、竹の抽
出液等による消臭加工、グルコサミン類による撥水加工
と抗かび加工、アロエエキス、スクアラン等による保湿
加工と制電加工、キトサン、木酢液等による抗アトピ−
性皮膚炎加工等が挙げられる。
【0027】
【実施例】以下に実施例を用いて、本発明を説明する。
ここに、 アルカリ減量率 : 減量前後の試料の絶乾重量の
差と、減量前の試料の絶乾重量との比の百分率 バイレック法吸水高さ : 試料に0.1g/dの荷重
をかけ、その一部を20℃の水中に10分間浸漬したの
ちに吸い上げられた水柱の高さ(JIS−L−109
6、吸水性試験方法B法)を測定する。
ここに、 アルカリ減量率 : 減量前後の試料の絶乾重量の
差と、減量前の試料の絶乾重量との比の百分率 バイレック法吸水高さ : 試料に0.1g/dの荷重
をかけ、その一部を20℃の水中に10分間浸漬したの
ちに吸い上げられた水柱の高さ(JIS−L−109
6、吸水性試験方法B法)を測定する。
【0028】保水率 : 試料を水中に
20分間浸漬したのち、水中より取り出す。その一端を
クリップで把持したのち5分間懸下したあとの布帛の水
分率。 ワイピング性能 : 離型紙上に2gの赤インク
を滴下し、試料1gで5往復拭き取り操作を行う。離型
紙上に残った赤インクの液滴の残留状態を視覚判定す
る。
20分間浸漬したのち、水中より取り出す。その一端を
クリップで把持したのち5分間懸下したあとの布帛の水
分率。 ワイピング性能 : 離型紙上に2gの赤インク
を滴下し、試料1gで5往復拭き取り操作を行う。離型
紙上に残った赤インクの液滴の残留状態を視覚判定す
る。
【0029】◎印:液滴残らず、○印:長さ2mm以下
の微小液滴僅かに薄く残る、△印:長さ5mm以下の液
滴が残る。X印:長さ5mmより大の液滴が残る。 ダスコン剤浸透性 : 特開昭61−100223
号公報記載の方法にしたがい、モップコ−ドを60℃の
水浴中に浴比が10:1となるように浸漬し、浴のpH
を4.5に調整する。この浴中に油剤組成物(流動パラ
フィン40部、アルキルベンゼン油53部、界面活性剤
3部)を繊維当り15%となるように添加し、油剤のエ
マルジョンを形成させ、油剤組成物を吸尽させる。この
含油処理モップを150Gで遠心脱水し、重量増加率を
求める。
の微小液滴僅かに薄く残る、△印:長さ5mm以下の液
滴が残る。X印:長さ5mmより大の液滴が残る。 ダスコン剤浸透性 : 特開昭61−100223
号公報記載の方法にしたがい、モップコ−ドを60℃の
水浴中に浴比が10:1となるように浸漬し、浴のpH
を4.5に調整する。この浴中に油剤組成物(流動パラ
フィン40部、アルキルベンゼン油53部、界面活性剤
3部)を繊維当り15%となるように添加し、油剤のエ
マルジョンを形成させ、油剤組成物を吸尽させる。この
含油処理モップを150Gで遠心脱水し、重量増加率を
求める。
【0030】ピリング性 : ICIピリン
グ評価法を一部修正して用いる。すなわち回転函として
はその内面に40メッシュのサンドペ−パ−を貼ったも
のを用いる。平行に引き揃えたモップコ−ドの束の中央
部分に重し(内径2.5cm、長さ1cm、重さ55g
の環状ステンレスパイプ)をはめ込み、試料長10cm
に切り揃え、測定用試料とする。この測定用試料を回転
函中に投入し、連続的に10時間回転させる。取り出し
た試料のピル発生状況を、目視で観察する。
グ評価法を一部修正して用いる。すなわち回転函として
はその内面に40メッシュのサンドペ−パ−を貼ったも
のを用いる。平行に引き揃えたモップコ−ドの束の中央
部分に重し(内径2.5cm、長さ1cm、重さ55g
の環状ステンレスパイプ)をはめ込み、試料長10cm
に切り揃え、測定用試料とする。この測定用試料を回転
函中に投入し、連続的に10時間回転させる。取り出し
た試料のピル発生状況を、目視で観察する。
【0031】◎印:ピルの発生なし、○印:直径2mm
以下のピルが発生する、△印:2〜5mmのピルが発生
する、X印:直径5mmより大のピルが発生するか、コ
−ド相互が交絡する。 圧縮弾性 : モップコ−ドの束をその糸軸
方向に圧縮した場合の反発性を官能評価する。
以下のピルが発生する、△印:2〜5mmのピルが発生
する、X印:直径5mmより大のピルが発生するか、コ
−ド相互が交絡する。 圧縮弾性 : モップコ−ドの束をその糸軸
方向に圧縮した場合の反発性を官能評価する。
【0032】◎印:綿より優れる、○印:綿並、△印:
綿以下 嵩高性 : 1260デニ−ルの巻縮糸の
下撚コ−ド2本を上撚したモップコ−ドの外径を拡大投
影して測定する。 ◎印:見掛の直径3.0mm以上、○印:見掛の直径
3.0〜2.5mm、△印:見掛の直径2.5〜2.
0、X印:見掛の直径2.0mm未満。
綿以下 嵩高性 : 1260デニ−ルの巻縮糸の
下撚コ−ド2本を上撚したモップコ−ドの外径を拡大投
影して測定する。 ◎印:見掛の直径3.0mm以上、○印:見掛の直径
3.0〜2.5mm、△印:見掛の直径2.5〜2.
0、X印:見掛の直径2.0mm未満。
【0033】
【実施例1】280℃での溶融粘度が400ポイズのナ
イロン66と、ジメチルテレフタレ−ト51部、分子量
6000のポリエチレングリコ−ル26部、エチレング
リコ−ル23部より重合した280℃での溶融粘度が4
00ポイズの共重合ポリエステルとを用い、ナイロン6
6と共重合ポリエステルとの混合比を重量で60対40
としてチップブレンド紡糸したのち延伸し、ジェットス
タッファ−で巻縮加工し、1260デニ−ル/82フィ
ラメントのY型断面繊維の巻縮加工糸を得た。
イロン66と、ジメチルテレフタレ−ト51部、分子量
6000のポリエチレングリコ−ル26部、エチレング
リコ−ル23部より重合した280℃での溶融粘度が4
00ポイズの共重合ポリエステルとを用い、ナイロン6
6と共重合ポリエステルとの混合比を重量で60対40
としてチップブレンド紡糸したのち延伸し、ジェットス
タッファ−で巻縮加工し、1260デニ−ル/82フィ
ラメントのY型断面繊維の巻縮加工糸を得た。
【0034】この繊維を巻縮加工糸モップコ−ド用素糸
とし、この素糸2本の間に低融点ポリアミド繊維(10
0デニ−ル/12フィラメント)を1本位置させ、下撚
(Z撚)220回/m、上撚(S撚)150回/mの2
本合糸とした。この撚糸をカセの状態で、濃度50g/
L、温度90℃のNaOH水溶液中に30分間浸漬し、
熱融着処理とアルカリ減量加工処理とを行った。見掛の
減量率は39%であった。
とし、この素糸2本の間に低融点ポリアミド繊維(10
0デニ−ル/12フィラメント)を1本位置させ、下撚
(Z撚)220回/m、上撚(S撚)150回/mの2
本合糸とした。この撚糸をカセの状態で、濃度50g/
L、温度90℃のNaOH水溶液中に30分間浸漬し、
熱融着処理とアルカリ減量加工処理とを行った。見掛の
減量率は39%であった。
【0035】このコ−ドの繊維表面を走査型電子顕微鏡
で2000倍に拡大して観察したところ、単繊維の側面
は2μm以下の微細フィブリルが繊維軸方向に並行に配
列したフィブリルの緊密な集合構造をしていた(図
1)。このコ−ドの特性は、表1に示すように、吸水
性、ワイピング性、ダスコン剤浸透性、ピリング性全て
に優れるものであった。
で2000倍に拡大して観察したところ、単繊維の側面
は2μm以下の微細フィブリルが繊維軸方向に並行に配
列したフィブリルの緊密な集合構造をしていた(図
1)。このコ−ドの特性は、表1に示すように、吸水
性、ワイピング性、ダスコン剤浸透性、ピリング性全て
に優れるものであった。
【0036】
【実施例2】NaOH水溶液中への浸漬時間を15分間
とし、見掛のアルカリ減量率を20%とした以外は実施
例1と同様の処理を行った。このコ−ドの繊維表面を走
査型電子顕微鏡で2000倍に拡大して観察したとこ
ろ、実施例1の試料と同様の微細フィブリルが繊維軸方
向に並行に配列したフィブリルの緊密な集合構造をして
いた。このコ−ドの特性は、表1に示すように、吸水
性、ワイピング性、ダスコン剤浸透性、ピリング性全て
に優れるほか、圧縮弾性、嵩高性も優れるものであっ
た。
とし、見掛のアルカリ減量率を20%とした以外は実施
例1と同様の処理を行った。このコ−ドの繊維表面を走
査型電子顕微鏡で2000倍に拡大して観察したとこ
ろ、実施例1の試料と同様の微細フィブリルが繊維軸方
向に並行に配列したフィブリルの緊密な集合構造をして
いた。このコ−ドの特性は、表1に示すように、吸水
性、ワイピング性、ダスコン剤浸透性、ピリング性全て
に優れるほか、圧縮弾性、嵩高性も優れるものであっ
た。
【0037】
【実施例3】280℃での溶融粘度が400ポイズのナ
イロン66と、ジメチルテレフタレ−ト59部、分子量
6000のポリエチレングリコ−ル15部、エチレング
リコ−ル26部より重合した280℃での溶融粘度が4
00ポイズの共重合ポリエステルとを用い、ナイロン6
6と共重合ポリエステルとの混合比を重量で65対35
としてチップブレンド紡糸したのち延伸し、ジェットス
タッファ−で巻縮加工し、1260デニ−ル/82フィ
ラメントのY型断面繊維の巻縮加工糸得た。
イロン66と、ジメチルテレフタレ−ト59部、分子量
6000のポリエチレングリコ−ル15部、エチレング
リコ−ル26部より重合した280℃での溶融粘度が4
00ポイズの共重合ポリエステルとを用い、ナイロン6
6と共重合ポリエステルとの混合比を重量で65対35
としてチップブレンド紡糸したのち延伸し、ジェットス
タッファ−で巻縮加工し、1260デニ−ル/82フィ
ラメントのY型断面繊維の巻縮加工糸得た。
【0038】この繊維の巻縮加工糸用いた以外は実施例
1と同様の処理を行い、モップコ−ドを得た。見掛のア
ルカリ減量率は33重量%であった。このコ−ドの繊維
表面を走査型電子顕微鏡で2000倍に拡大して観察し
たところ、単繊維の側面は2μm以下の微細フィブリル
が繊維軸方向に並行に配列したフィブリルの緊密な集合
構造をしていた。このコ−ドの特性は、表1に示すよう
に、吸水性、ワイピング性、ダスコン剤浸透性、ピリン
グ性全てに優れるものであった。
1と同様の処理を行い、モップコ−ドを得た。見掛のア
ルカリ減量率は33重量%であった。このコ−ドの繊維
表面を走査型電子顕微鏡で2000倍に拡大して観察し
たところ、単繊維の側面は2μm以下の微細フィブリル
が繊維軸方向に並行に配列したフィブリルの緊密な集合
構造をしていた。このコ−ドの特性は、表1に示すよう
に、吸水性、ワイピング性、ダスコン剤浸透性、ピリン
グ性全てに優れるものであった。
【0039】
【実施例4】90℃の水中で10分間融着処理を行い、
引き続いて90℃で30分間アルカリ処理を行った以外
は、実施例3と同様の処理を行い、モップコ−ドを得
た。見掛のアルカリ減量率は33重量%であった。この
コ−ドの繊維表面を走査型電子顕微鏡で2000倍に拡
大して観察したところ、単繊維の側面は2μm以下の微
細フィブリルが繊維軸方向に並行に配列したフィブリル
の緊密な集合構造をしていた。このコ−ドの特性は、表
1に示すように、吸水性、ワイピング性、ダスコン剤浸
透性、ピリング性全てに優れるものであった。
引き続いて90℃で30分間アルカリ処理を行った以外
は、実施例3と同様の処理を行い、モップコ−ドを得
た。見掛のアルカリ減量率は33重量%であった。この
コ−ドの繊維表面を走査型電子顕微鏡で2000倍に拡
大して観察したところ、単繊維の側面は2μm以下の微
細フィブリルが繊維軸方向に並行に配列したフィブリル
の緊密な集合構造をしていた。このコ−ドの特性は、表
1に示すように、吸水性、ワイピング性、ダスコン剤浸
透性、ピリング性全てに優れるものであった。
【0040】
【比較例1】Y型レギュラ−巻縮ナイロン66の126
0デニ−ル/82フィラメント繊維の巻縮加工糸モップ
コ−ド用素糸として用い、実施例1と同様に90℃の水
中で10分間融着処理を行いモップコ−ドを得た。この
コ−ドの特性は、表1に示すように、保水性、圧縮弾
性、嵩高性に優れるものの、ワイピング性、ダスコン剤
浸透性、ピリング性は劣るものであった。
0デニ−ル/82フィラメント繊維の巻縮加工糸モップ
コ−ド用素糸として用い、実施例1と同様に90℃の水
中で10分間融着処理を行いモップコ−ドを得た。この
コ−ドの特性は、表1に示すように、保水性、圧縮弾
性、嵩高性に優れるものの、ワイピング性、ダスコン剤
浸透性、ピリング性は劣るものであった。
【0041】
【比較例2】L型異形断面ファインデニ−ルナイロン6
6の30デニ−ル/24フィラメント繊維の巻縮加工糸
42本合糸し、1260デニ−ル/1008フィラメン
トとした。この繊維を巻縮加工したものをモップコ−ド
用素糸として用い、実施例1と同様に90℃の水中で1
0分間融着処理を行いモップコ−ドを得た。このコ−ド
の特性は、表1に示すように、保水性、嵩高性に優れる
ものの、ワイピング性、ダスコン剤浸透性、ピリング性
は劣るものであった。
6の30デニ−ル/24フィラメント繊維の巻縮加工糸
42本合糸し、1260デニ−ル/1008フィラメン
トとした。この繊維を巻縮加工したものをモップコ−ド
用素糸として用い、実施例1と同様に90℃の水中で1
0分間融着処理を行いモップコ−ドを得た。このコ−ド
の特性は、表1に示すように、保水性、嵩高性に優れる
ものの、ワイピング性、ダスコン剤浸透性、ピリング性
は劣るものであった。
【0042】
【比較例3】4番手の木綿糸をモップコ−ド用素糸とし
て用い、実施例1と同様に90℃の水中で10分間融着
処理を行いモップコ−ドを得た。このコ−ドの特性は、
表1に示すように、吸水性、保水性、ワイピング性、ダ
スコン剤浸透性、ピリング性に優れるものの、圧縮弾
性、嵩高性に劣るものであった。
て用い、実施例1と同様に90℃の水中で10分間融着
処理を行いモップコ−ドを得た。このコ−ドの特性は、
表1に示すように、吸水性、保水性、ワイピング性、ダ
スコン剤浸透性、ピリング性に優れるものの、圧縮弾
性、嵩高性に劣るものであった。
【0043】
【比較例4】ナイロン66と共重合ポリエステルとの混
合比を重量で80対20とした以外は実施例1と同様の
処理を行った。見掛の減量率は19%であった。このコ
−ドの繊維表面を走査型電子顕微鏡で2000倍に拡大
して観察したところ、単繊維の側面には微細フィブリル
が発達せず、平滑であった。このコ−ドの特性は、表1
に示すように、保水性、圧縮弾性、嵩高性に優れるもの
の、ワイピング性、ダスコン剤浸透性、ピリング性は劣
るものであった。
合比を重量で80対20とした以外は実施例1と同様の
処理を行った。見掛の減量率は19%であった。このコ
−ドの繊維表面を走査型電子顕微鏡で2000倍に拡大
して観察したところ、単繊維の側面には微細フィブリル
が発達せず、平滑であった。このコ−ドの特性は、表1
に示すように、保水性、圧縮弾性、嵩高性に優れるもの
の、ワイピング性、ダスコン剤浸透性、ピリング性は劣
るものであった。
【0044】
【比較例5】ナイロン66と共重合ポリエステルとの混
合比を重量で40対60とした以外は実施例1と同様の
処理を行った。アルカリ溶液は白濁し、その液を250
倍の光学顕微鏡で観察したところ、多数のパルプ状の微
細なフイブリルが浮遊しているのが見受けられ、アルカ
リ減量により生成したパルプ状の微細なフィブリルの一
部が繊維より離脱していると推定された。見掛の減量率
は63%であった。コ−ドはその表面がランダムに配向
したフィブリルで覆われ一体化し、コヨリ状に硬く集束
していた。このコ−ドは圧縮すると折れ曲がり、モップ
コ−ドとしては不適であった。
合比を重量で40対60とした以外は実施例1と同様の
処理を行った。アルカリ溶液は白濁し、その液を250
倍の光学顕微鏡で観察したところ、多数のパルプ状の微
細なフイブリルが浮遊しているのが見受けられ、アルカ
リ減量により生成したパルプ状の微細なフィブリルの一
部が繊維より離脱していると推定された。見掛の減量率
は63%であった。コ−ドはその表面がランダムに配向
したフィブリルで覆われ一体化し、コヨリ状に硬く集束
していた。このコ−ドは圧縮すると折れ曲がり、モップ
コ−ドとしては不適であった。
【0045】
【比較例6】60℃で1時間アルカリ処理を行ったのち
融着処理を行った以外は実施例1と同様の処理を行っ
た。このコ−ドはコ−ド素糸相互の融着性が悪く、その
特性は表1に示すように、吸水性、保水性、ワイピング
性、ダスコン剤浸透性、嵩高性に優れるものの、ピリン
グ性、圧縮弾性に劣るものであった。
融着処理を行った以外は実施例1と同様の処理を行っ
た。このコ−ドはコ−ド素糸相互の融着性が悪く、その
特性は表1に示すように、吸水性、保水性、ワイピング
性、ダスコン剤浸透性、嵩高性に優れるものの、ピリン
グ性、圧縮弾性に劣るものであった。
【0046】
【比較例7】低融点ポリアミド繊維を用いない以外は実
施例1と同様の処理を行った。このコ−ドの特性は、表
1に示すように、吸水性、保水性、ワイピング性、ダス
コン剤浸透性、嵩高性に優れるものの、ピリング性、圧
縮弾性に劣るものであった。
施例1と同様の処理を行った。このコ−ドの特性は、表
1に示すように、吸水性、保水性、ワイピング性、ダス
コン剤浸透性、嵩高性に優れるものの、ピリング性、圧
縮弾性に劣るものであった。
【0047】
【比較例8】巻縮加工を行わなかった以外は実施例1と
同様の処理を行った。このコ−ドの特性は、表1に示す
ように、巻縮加工を行ったものに対し、水吸収性、保水
性、ダスコン剤浸透性、嵩高性に劣るものであった。
同様の処理を行った。このコ−ドの特性は、表1に示す
ように、巻縮加工を行ったものに対し、水吸収性、保水
性、ダスコン剤浸透性、嵩高性に劣るものであった。
【0048】
【表1】
【0049】
【実施例5】280℃での溶融粘度が400ポイズのナ
イロン66と、ジメチルテレフタレ−ト51部、分子量
6000のポリエチレングリコ−ル26部、エチレング
リコ−ル23部より重合した280℃での溶融粘度が4
00ポイズの共重合ポリエステルとを用い、ナイロン6
6と共重合ポリエステルとの混合比を重量で60対40
としてチップブレンド紡糸したのち延伸し、仮撚機を用
いて巻縮加工し、70デニ−ル/12フィラメントの円
型断面繊維の巻縮加工糸を得た。
イロン66と、ジメチルテレフタレ−ト51部、分子量
6000のポリエチレングリコ−ル26部、エチレング
リコ−ル23部より重合した280℃での溶融粘度が4
00ポイズの共重合ポリエステルとを用い、ナイロン6
6と共重合ポリエステルとの混合比を重量で60対40
としてチップブレンド紡糸したのち延伸し、仮撚機を用
いて巻縮加工し、70デニ−ル/12フィラメントの円
型断面繊維の巻縮加工糸を得た。
【0050】この巻縮加工糸を一口編し、濃度50g/
L、温度90℃のNaOH水溶液中に30分間浸漬し、
アルカリ減量加工処理を行った。見掛の減量率は39%
であった。この巻縮ポリアミドフィブリル繊維の一口編
地を酢酸3重量%とキトサン5重量%とを含む水溶液中
に15分浸漬し、洗濯機で脱水し、60゜Cで30分間
乾燥した。黄色葡萄状球菌を用い、繊維製品衛生加工協
議会の「衛生加工製品の加工効果評価試験方法マニュア
ル」にしたがい、菌数測定法により菌数を測定した。そ
の結果、菌増減値差は3.2であり、抗菌性が認められ
た。次いで洗濯機中で10回水洗し、乾燥後に同様の測
定をしたところ、キトサンの乳酸塩は水溶性であるため
その殆どは流出したが、菌の増減値差は0.3と、僅か
ながら抗菌効果は残存していた。
L、温度90℃のNaOH水溶液中に30分間浸漬し、
アルカリ減量加工処理を行った。見掛の減量率は39%
であった。この巻縮ポリアミドフィブリル繊維の一口編
地を酢酸3重量%とキトサン5重量%とを含む水溶液中
に15分浸漬し、洗濯機で脱水し、60゜Cで30分間
乾燥した。黄色葡萄状球菌を用い、繊維製品衛生加工協
議会の「衛生加工製品の加工効果評価試験方法マニュア
ル」にしたがい、菌数測定法により菌数を測定した。そ
の結果、菌増減値差は3.2であり、抗菌性が認められ
た。次いで洗濯機中で10回水洗し、乾燥後に同様の測
定をしたところ、キトサンの乳酸塩は水溶性であるため
その殆どは流出したが、菌の増減値差は0.3と、僅か
ながら抗菌効果は残存していた。
【0051】
【比較例8】同様の処理および測定を表面平滑なレギュ
ラ−ポリアミド糸70デニ−ル/24フィラメントの円
型断面繊維の巻縮加工糸について行った。その結果、洗
濯前の菌増減値差は3.2であり抗菌性が認められたも
のの、洗濯後の菌増減値差は0.0と、抗菌効果は全く
残存していなかった。。
ラ−ポリアミド糸70デニ−ル/24フィラメントの円
型断面繊維の巻縮加工糸について行った。その結果、洗
濯前の菌増減値差は3.2であり抗菌性が認められたも
のの、洗濯後の菌増減値差は0.0と、抗菌効果は全く
残存していなかった。。
【0052】
【発明の効果】優れた水輸送性、水保持性、坑ピル性、
坑スナッグ性を有し、軽量で、繊維資材分野および衣料
分野全般に好適な性質を具備する巻縮ポリアミドフィブ
リル繊維およびその製造方法を提供できる。
坑スナッグ性を有し、軽量で、繊維資材分野および衣料
分野全般に好適な性質を具備する巻縮ポリアミドフィブ
リル繊維およびその製造方法を提供できる。
【図1】本発明の巻縮ポリアミドフィブリル繊維の側面
の表面状態の一例を示す電子顕微鏡写真(x2,00
0)である。
の表面状態の一例を示す電子顕微鏡写真(x2,00
0)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // D06M 101:32
Claims (2)
- 【請求項1】 単繊維の表面がおおよそその繊維軸方向
に並行に配列した多数のフィブリルで覆われていること
を特徴とする巻縮ポリアミドフィブリル繊維。 - 【請求項2】 ポリアミド70〜50重量%と、ポリエ
ステル30〜50重量%とのブレンドポリマ−を溶融紡
糸して得た繊維を巻縮加工し、少くともその一部をアル
カリ減量することを特徴とする巻縮ポリアミドフィブリ
ル繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14909494A JPH0813239A (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 巻縮ポリアミドフィブリル繊維およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14909494A JPH0813239A (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 巻縮ポリアミドフィブリル繊維およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0813239A true JPH0813239A (ja) | 1996-01-16 |
Family
ID=15467569
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14909494A Withdrawn JPH0813239A (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 巻縮ポリアミドフィブリル繊維およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0813239A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000192342A (ja) * | 1998-12-25 | 2000-07-11 | Mizuno Corp | 複合糸および布地ならびに複合糸の製造方法 |
-
1994
- 1994-06-30 JP JP14909494A patent/JPH0813239A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000192342A (ja) * | 1998-12-25 | 2000-07-11 | Mizuno Corp | 複合糸および布地ならびに複合糸の製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010904 |