JP2005036333A - 炭素繊維フィラメント織物及びその製造方法 - Google Patents

炭素繊維フィラメント織物及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005036333A
JP2005036333A JP2003198689A JP2003198689A JP2005036333A JP 2005036333 A JP2005036333 A JP 2005036333A JP 2003198689 A JP2003198689 A JP 2003198689A JP 2003198689 A JP2003198689 A JP 2003198689A JP 2005036333 A JP2005036333 A JP 2005036333A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon fiber
fabric
filament
bundle
fiber filament
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003198689A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Shimazaki
賢司 島崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Toho Tenax Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toho Tenax Co Ltd filed Critical Toho Tenax Co Ltd
Priority to JP2003198689A priority Critical patent/JP2005036333A/ja
Publication of JP2005036333A publication Critical patent/JP2005036333A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Fibers (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

【課題】炭素繊維を応用したガス拡散用基材であって、厚さはより薄く、電気伝導性に優れ、かつ後加工が連続的に可能な(柔軟性のある)基材である炭素繊維フィラメント織物を提供する。
【解決手段】炭素繊維フィラメント束を製織してなる炭素繊維フィラメント織物であって、織物の、厚さが0.15〜0.43mm、目付が24〜210g/m、厚さ方向の電気抵抗値が10mΩ以下であり、フィラメント束の、厚さ(T)が0.06〜0.21mm、幅(W)が7〜20mm、扁平度(W/T)が27〜130、フィラメント数が1000〜24000本/束であり、炭素繊維単繊維の繊度が0.3〜1.5dtexである炭素繊維フィラメント織物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気伝導性に優れた炭素繊維フィラメント織物、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高分子電解質型燃料電池のガス拡散用基材への応用として、炭素繊維は、通電性を示し、かつ薄いシート状に成形加工が容易なことから、今後の本格的な需要が期待されている。
【0003】
炭素繊維を応用したガス拡散用基材として、厚さはより薄く、電気伝導性に優れ、かつ後加工が連続的に可能な(柔軟性のある)基材の開発を目指し、これまで下記の素材が開発されている。
【0004】
1.炭素繊維強化炭素材料
この炭素繊維強化炭素材料は、炭素繊維カットファイバーを湿式抄紙し、熱硬化性樹脂にてシート状に硬化成型後、炭素化することにより製造される(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この炭素材料は、問題点として、柔軟性に乏しく、脆いため後加工時、端部割れを生じ易い。ロール状に巻上が難しいため、連続的な後加工が難しい。
【0006】
2.炭素繊維紡績糸織物
炭素繊維は、伸度が一般の有機繊維に比べ低く(約1〜3%)紡績糸加工が難しい。この為、ポリアクリロニトリル(PAN)系繊維の場合、一般の有機繊維と同様紡績糸加工の容易な酸化繊維を紡績加工し、得られた紡績糸を織物加工した後、炭素化した基材が開発されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
しかし、上記PAN系炭素繊維紡績糸織物を製造するに当たっては、紡績糸は嵩高い、織物は厚さを薄くする加工が難しい、引っ張り強度が低い、並びに、ケバが多いなどの問題点がある。
【0008】
なお、上記織物の基材である酸化繊維に対し、樹脂や無機材で処理が行われる場合がある。これらの処理は、生産性を向上する為に高速で処理することが好ましいので、長さ方向(処理方向)に張力が加えられ、その結果織物の寸法安定性が悪くなる。
【0009】
このようにして処理される繊維は、炭素化に際し処理方向への伸び及び幅方向への収縮を生じ、織物の幅が狭くなったり、切断を生じ易くなったりする。
【0010】
3.炭素繊維フィラメント束を原料糸とする炭素繊維フィラメント織物
樹脂強化基材として、炭素繊維フィラメント束を樹脂処理や扁平処理し、織物加工した炭素繊維フィラメント織物が知られている。
【0011】
この織物を燃料電池ガス拡散用基材として応用した場合の問題点として、炭素繊維フィラメント束が剛直なため、織物加工時に繊維束同士の交絡部の密着性が不十分となり、厚さ方向の電気伝導性が低下する。また所期の薄い織物が得にくい。なお、薄い織物にするため、圧縮処理すると、単繊維の切断によりケバを生じやすい。
【0012】
4.酸化繊維フィラメント束を原料糸とする炭素繊維フィラメント織物
製織用原料糸としては、PAN系酸化繊維紡績糸、炭素繊維フィラメント束以外に、PAN系酸化繊維フィラメント束が用いられる場合がある(例えば、特許文献3参照)。
【0013】
しかし、上記PAN系酸化繊維フィラメント束を用いてPAN系炭素繊維フィラメント織物を製造するに当たっても、PAN系炭素繊維紡績糸織物製造の場合と同様の問題点があり、従来目的とする薄い織物を得ることができない。
【0014】
【特許文献1】特許第2584497号公報 (第2頁)
【特許文献2】特開2002−348743号公報 (段落番号[0020])
【特許文献3】特開2003−64539号公報 (特許請求の範囲)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、炭素繊維を応用したガス拡散用基材であって、厚さはより薄く、電気伝導性に優れ、かつ後加工が連続的に可能な(柔軟性のある)炭素繊維織物を得るために種々検討した。その結果、フィラメント束を構成する単繊維の繊度、及び単繊維の本数(フィラメント数)を所定の範囲にしたPAN系酸化繊維フィラメント束を原料糸とすることにより、フィラメント束を扁平化し易くなり、織物の薄化が容易になり、織物の引っ張り強度が向上でき、後加工における寸法安定性が良好なPAN系酸化繊維フィラメント織物を得ることができた。この酸化繊維フィラメント織物を炭素化すると、上記物性の炭素繊維織物を得ることができることを知得し、本発明を完成するに到った。
【0016】
従って、本発明の目的とするところは、上記問題を解決したPAN系炭素繊維織物を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、以下に記載するものである。
【0018】
〔1〕 炭素繊維フィラメント束を製織してなる炭素繊維フィラメント織物であって、織物の、厚さが0.15〜0.43mm、目付が24〜210g/m、厚さ方向の電気抵抗値が10mΩ以下であり、フィラメント束の、厚さ(T)が0.06〜0.21mm、幅(W)が7〜20mm、扁平度(W/T)が27〜130、フィラメント数が1000〜24000本/束であり、炭素繊維単繊維の繊度が0.3〜1.5dtexである炭素繊維フィラメント織物。
【0019】
〔2〕 単繊維繊度0.5〜2.5dtex、フィラメント数1000〜24000本/束のポリアクリロニトリル系酸化繊維フィラメント束を製織してなる、目付40〜350g/m、厚さ0.20〜0.45mmのポリアクリロニトリル系酸化繊維フィラメント織物であって、フィラメント束の厚さ(T)が0.07〜0.25mm、フィラメント束の幅(W)が8〜22mm、フィラメント束の扁平度(W/T)が30〜150であるポリアクリロニトリル系酸化繊維フィラメント織物を、不活性雰囲気中、1200〜2300℃で炭素化する炭素繊維フィラメント織物の製造方法。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】
本発明の炭素繊維フィラメント織物は、炭素繊維束を製織してなる。この炭素繊維フィラメント織物は、厚さが0.15〜0.43mmである。炭素繊維フィラメント織物の厚さが0.15mm未満の場合は、織物の強度が低下する、加工時に切断、伸びが発生し易くなる、並びに、加工性が低下するなどの不具合を生ずるので好ましくない。炭素繊維フィラメント織物の厚さが0.43mmを超える場合は、織物の表面摩擦係数が大きくなり、加工時にケバが発生し易くなり、電気抵抗値が増加するので好ましくない。
【0022】
本発明の炭素繊維フィラメント織物は、目付が24〜210g/mである。炭素繊維フィラメント織物の目付が24g/m未満の場合は、織物の強度低下、対応するフィラメントの作製が難しいので好ましくない。炭素繊維フィラメント織物の目付が210g/mを超える場合は、織物の表面摩擦係数が大きくなり、加工時にケバが発生し易くなり、電気抵抗値が増加するので好ましくない。
【0023】
本発明の炭素繊維フィラメント織物は、厚さ方向の電気抵抗値が10mΩ以下である。
【0024】
本発明の炭素繊維フィラメント織物を構成するフィラメント束の厚さ(T)は0.06〜0.21mmである。フィラメント束の厚さ(T)が0.06mm未満の場合は、織物の強度が低下するので好ましくない。フィラメント束の厚さ(T)が21mmを超える場合は、所期の厚さの織物が得難く、織物の電気抵抗値が増加するので好ましくない。
【0025】
このフィラメント束の幅(W)は7〜20mmである。フィラメント束の幅(W)が7mm未満の場合は、織物の加工時にケバが発生し易くなり、加工性が悪くなるので好ましくない。フィラメント束の幅(W)が20mmを超える場合は、織物の強度が低下するので好ましくない。また、この織物を高分子電解質型燃料電池用電極材として用いる場合、起電力が下がり、電池性能が悪くなるので好ましくない。
【0026】
このフィラメント束の扁平度(W/T)は27〜130である。フィラメント束の扁平度(W/T)が27未満の場合は、所期の厚さの薄い織物にならないので好ましくない。織物の加工時にケバが発生し易くなるので好ましくない。フィラメント束の扁平度(W/T)が130を超える場合は、織物の強度が低下するので好ましくない。
【0027】
このフィラメント束は、フィラメント数が1000〜24000本/束、好ましくは3000〜20000本/束である。フィラメント束におけるフィラメント数が1000本/束未満の場合は、織物の加工時にケバが発生し易くなり、加工性が悪くなるので好ましくない。フィラメント束におけるフィラメント数が24000本/束を超える場合は、所期の厚さの薄い織物にならないので好ましくない。
【0028】
本発明の炭素繊維フィラメント織物を構成する炭素繊維単繊維(炭素繊維フィラメント)の繊度は0.3〜1.5dtexである。
【0029】
本発明の炭素繊維フィラメント織物は、厚さ方向の電気抵抗値が10mΩ以下である。このフィラメント織物を高分子電解質型燃料電池用電極材として用いる場合、電気抵抗値が低い程、電池性能が良い。この電気抵抗値が4mΩを超えると起電力が下がり、電池性能が悪くなるので好ましくない。
【0030】
本発明の炭素繊維フィラメント織物における電池性能は、電流密度0.4A/cmでの起電圧で、0.7V以上が好ましい。
【0031】
なお、炭素繊維フィラメント織物における厚さ方向の電気抵抗値は、後述する測定方法により測定する。炭素繊維フィラメント織物における電池性能は、後述する評価方法により評価する。
【0032】
以下、本発明の炭素繊維フィラメント織物の製造方法の一例について、詳細に説明する。
【0033】
〔酸化繊維(単繊維)〕
炭素繊維フィラメント織物原料の酸化繊維(単繊維)は、PAN系酸化繊維であり、例えば市販のPAN系繊維を空気中、高温で処理することにより環化反応を生じさせ、酸素結合量を増加させて不融化、難燃化させる耐炎化処理によって得られるものを用いることができる。
【0034】
PAN系酸化繊維(単繊維フィラメント)の繊度は0.5〜2.5dtex、好ましくは0.7〜2.0dtexである。
【0035】
酸化繊維における乾強度、乾伸度は、JIS L 1015により測定した物性値である。
【0036】
酸化繊維の乾強度は、1.5gf/dtex(14.7mN/dtex)以上である。酸化繊維乾強度が14.7mN/dtex未満の場合は、この酸化繊維から得られる酸化繊維フィラメント織物の強度低下、後工程炭素化処理中の寸法安定性低下などが起こるので好ましくない。
【0037】
酸化繊維の乾伸度は、特に限定されないが、10%以上が好ましい。
【0038】
酸化繊維の比重は、特に限定されないが、1.35〜1.45が好ましく、1.37〜1.43が更に好ましい。
【0039】
〔酸化繊維フィラメント束〕
上述した酸化繊維は、所定本数を束ねて酸化繊維フィラメント束を得る。
【0040】
酸化繊維フィラメント束は、フィラメント数が1000〜24000本/束、好ましくは3000〜20000本/束である。フィラメント束におけるフィラメント数が1000本/束未満の場合は、織物加工が難しく、織物の炭素化処理時における切断やケバ発生し易いので好ましくない。フィラメント束におけるフィラメント数が24000本/束を超える場合は、所期の厚さの薄い織物が得られない。しかも、織物の表面摩擦係数が増加するので好ましくない。
【0041】
〔樹脂処理(サイジング)〕
上述した酸化繊維フィラメント束は、圧縮処理の前に、扁平度調整のため樹脂処理を行う。
【0042】
樹脂(サイズ剤)の種類は熱可塑性、熱硬化性樹脂のいずれでもよいが、後工程で高温(50〜350℃)圧縮処理される際に軟化し、繊維間で融着し、かつ焼成炭素化時(窒素雰囲気下、1200〜2300℃)に僅かでも炭素化し残留する樹脂を用いることが好ましい。例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルローズ、エポキシ、フェノールノボラック、アラミド、ポリイミド等の樹脂が好ましい。
【0043】
樹脂の付着量は、樹脂の種類や、織物の加工性により最適量は異なるが、通常0.05〜5質量%の範囲が好ましい。樹脂の付着量が5質量%を超える場合、樹脂処理後のフィラメント束が剛直となり織物加工が難しくなり、焼成炭素化後の炭素繊維織物の電気抵抗値が増加するので好ましくない。
【0044】
樹脂処理の方法は浸漬法が好ましい。この方法によれば最も均一に樹脂添着が可能である。樹脂処理時の温度は常温(25℃)〜90℃の範囲が好ましい。
【0045】
〔圧縮処理〕
必要に応じ、上述した酸化繊維フィラメント束を、樹脂処理後又は処理せずに、50〜350℃の温度下、圧力0.05〜5MPaにて圧縮処理する。
【0046】
この圧縮処理時の温度及び圧力は、樹脂処理時の樹脂の種類、目標とする酸化繊維フィラメント束の厚さ(T)、幅(W)、扁平度(W/T)、並びに、酸化繊維フィラメント織物の厚さにより適宜調整する。
【0047】
酸化繊維フィラメント束の厚さ(T)は0.07〜0.25mmである。フィラメント束の厚さ(T)が0.07mm未満の場合は、その厚さのフィラメント束を作製することが難しく、強度が低下するので好ましくない。フィラメント束の厚さ(T)が0.25mmを超える場合は、所期の厚さの織物が得難い。
【0048】
酸化繊維フィラメント束の幅(W)は8〜22mmである。フィラメント束の幅(W)が8mm未満の場合は、織物表面にケバが発生し易い。また、織物を所期の厚さに調整することが難しい。フィラメント束の幅(W)が22mmを超える場合は、織物の強度低下、後工程炭素化処理中の寸法安定性低下などが起こるので好ましくない。
【0049】
酸化繊維フィラメント束の扁平度(W/T)は30〜150である。フィラメント束の扁平度(W/T)が30未満の場合は、所期の薄い織物を得るのが難しい。しかも、織物表面におけるケバが増加するので好ましくない。フィラメント束の扁平度(W/T)が150を超える場合は、織物加工が難しく、織物強度が低下するので好ましくない。
【0050】
〔製織〕
圧縮処理後、酸化繊維フィラメント束を製織することにより、酸化繊維フィラメント織物を製造する。
【0051】
この酸化繊維織物の形態は、特に限定されないが、表面の静摩擦係数が低い織物を作製し易いことから平織りが好ましい。
【0052】
酸化繊維フィラメント束の打込み本数は、フィラメント束の厚さ(T)、幅(W)、扁平度(W/T)により調整されるが、1.0〜3.0本/インチ(2.54cm)の範囲が好ましい。
【0053】
製織後のPAN系酸化繊維フィラメント織物は、厚さが0.20〜0.45mmである。酸化繊維フィラメント織物の厚さが0.20mm未満の場合は、織物の強度低下、後工程炭素化処理中の寸法安定性低下などが起こるので好ましくない。酸化繊維フィラメント織物の厚さが0.45mmを超える場合は、織物の表面摩擦係数が増加し、後工程炭素化処理中ケバが発生し易くなるので好ましくない。
【0054】
PAN系酸化繊維フィラメント織物は、目付が40〜350g/mである。酸化繊維フィラメント織物の目付が40g/m未満の場合は、織物の強度低下、後工程炭素化処理中の寸法安定性低下などが起こるので好ましくない。酸化繊維フィラメント織物の目付が350g/mを超える場合は、織物の表面摩擦係数が増加し、後工程炭素化処理中ケバが発生し易くなるので好ましくない。
【0055】
PAN系酸化繊維フィラメント織物は、長さ方向の引張強度が245N/cm(25kgf/cm)以上が好ましい。酸化繊維フィラメント織物の長さ方向の引張強度が245N/cm未満の場合は、後工程炭素化処理時における織物の寸法安定性が低下するので好ましくない。
【0056】
〔焼成・炭素化〕
上述した酸化繊維フィラメント織物を、窒素雰囲気下などの不活性ガス雰囲気下、1200〜2300℃で、0.5〜20分間焼成し炭素化する。焼成時の温度が1200℃未満の場合は、得られる炭素繊維フィラメント織物の電気抵抗値が増加するので好ましくない。焼成時の温度が2300℃を超える場合は、炭素繊維フィラメント織物の強度が劣化し、微粉末が発生するので好ましくない。
【0057】
【実施例】
本発明を以下の実施例及び比較例により詳述する。
【0058】
以下の実施例及び比較例の条件により酸化繊維フィラメント織物を作製した。原料酸化繊維、酸化繊維フィラメント束、酸化繊維フィラメント織物の諸物性値を、以下の方法により測定した。
【0059】
以下の実施例及び比較例の条件により炭素繊維フィラメント織物を作製した。原料酸化繊維、酸化繊維フィラメント束、酸化繊維フィラメント織物、炭素繊維、炭素繊維フィラメント束、及び炭素繊維フィラメント織物の諸物性値を、以下の方法により測定した。
【0060】
酸化繊維の比重:アルキメデス法(溶媒アセトン)により測定した。
【0061】
繊維性能:酸化繊維の繊度、乾強度、乾伸度、酸化繊維フィラメント束の厚さ(T)、幅(W)、扁平度(W/T)、並びに、炭素繊維の繊度、炭素繊維フィラメント束の厚さ(T)、幅(W)、扁平度(W/T)は、JIS L 1015により測定した。
【0062】
織物の厚さ:直径30mmの円板状圧板で200gfを負荷したとき(2.8kPa)の厚さを測定した。
【0063】
織物の目付:50mm角のフィラメント織物を120℃、2時間乾燥させた質量より、単位面積当たりの質量を算出した。
【0064】
フィラメント束の打込み本数:50mm角に切り出した織物について、それぞれタテ方向及びヨコ方向のフィラメント束の本数/インチ(2.54cm)を測定し、二方向についての平均値を求めた。
【0065】
織物の厚さ方向の電気抵抗値:2枚の50mm角(厚さ10mm)の金メッキした電極に炭素繊維織物の全面を接触するように挟み、両電極間の電気抵抗値(mΩ)を測定した。
【0066】
電池性能:炭素繊維織物を50mm角にカットし、これに陽極側及び陰極側の電極材として触媒(Pt−Ru)を0.2mg/cm担持させて、高分子電解質型燃料電池電極材を得た。高分子電解質膜(デュポン社製:ナフィオン膜117)の両側に、上記50mm角にカットした電極材を接合して単セルを構成し、温度80℃、電流密度0.4A/cmにおいて、セル電圧を測定した。
【0067】
実施例1〜4及び比較例1〜3
表1及び2に示す条件下に、PAN系酸化繊維のフィラメント束をPVA水溶液(0.1〜0.5質量%)にて浸漬処理(樹脂処理)し、PVAを表1及び2に示す量を添着させた後、熱ローラーにて圧縮処理した(但し、比較例1は樹脂処理も圧縮処理もしていない)。
【0068】
これら酸化繊維フィラメント束を織物加工し、表1及び2に示す物性の酸化繊維フィラメント織物を得た。
【0069】
これら酸化繊維フィラメント織物を窒素雰囲気下、表1及び2に示す温度、張力にて連続炭素化処理し、表1及び2に示す物性の炭素繊維フィラメント織物を得た。
【0070】
表2における比較例1〜3については、×で示す箇所が本発明の構成から逸脱している。
【0071】
【表1】
Figure 2005036333
【0072】
【表2】
Figure 2005036333
【0073】
比較例4
PAN系酸化繊維(比重1.40、繊度0.7dtex、乾強度34mN/dtex、乾伸度28%)のフィラメント束(フィラメント数6000本/束)を、窒素雰囲気下、2000℃、5分間連続的に炭素化後、PVA水溶液(0.10質量%)にて浸漬処理(樹脂処理)し、PVA0.1質量%を添着させた後、熱ローラーにて圧力処理(80℃、0.1Mpa)した。
【0074】
この処理により得られた炭素繊維フィラメント束(厚さ:0.14mm、幅15.0mm、扁平度107)を用い、織物加工(打ち込み本数:1.6本/2.45cm)し、表3に示す物性の炭素繊維フィラメント織物を得た。
【0075】
表3において、×で示す箇所が本発明の構成から逸脱している。
【0076】
【表3】
Figure 2005036333
【0077】
【発明の効果】
本発明の炭素繊維フィラメント織物は、織物の、厚さ、目付、厚さ方向の電気抵抗値、織物を構成するフィラメント束の、厚さ、幅、扁平度、フィラメント数、並びに、フィラメント束を構成する単繊維の繊度などが所定の範囲になるように構成されているので、炭素繊維を応用したガス拡散用基材であって、厚さはより薄く、電気伝導性に優れ、かつ後加工が連続的に可能な(柔軟性のある)基材である。
【0078】
また、原料の酸化繊維の物性、その酸化繊維のフィラメント束加工、圧縮処理、製織、焼成等を所定の条件で行うことにより、上記炭素繊維フィラメント織物を得ることができる。

Claims (2)

  1. 炭素繊維フィラメント束を製織してなる炭素繊維フィラメント織物であって、織物の、厚さが0.15〜0.43mm、目付が24〜210g/m、厚さ方向の電気抵抗値が10mΩ以下であり、フィラメント束の、厚さ(T)が0.06〜0.21mm、幅(W)が7〜20mm、扁平度(W/T)が27〜130、フィラメント数が1000〜24000本/束であり、炭素繊維単繊維の繊度が0.3〜1.5dtexである炭素繊維フィラメント織物。
  2. 単繊維繊度0.5〜2.5dtex、フィラメント数1000〜24000本/束のポリアクリロニトリル系酸化繊維フィラメント束を製織してなる、目付40〜350g/m、厚さ0.20〜0.45mmのポリアクリロニトリル系酸化繊維フィラメント織物であって、フィラメント束の厚さ(T)が0.07〜0.25mm、フィラメント束の幅(W)が8〜22mm、フィラメント束の扁平度(W/T)が30〜150であるポリアクリロニトリル系酸化繊維フィラメント織物を、不活性雰囲気中、1200〜2300℃で炭素化する炭素繊維フィラメント織物の製造方法。
JP2003198689A 2003-07-17 2003-07-17 炭素繊維フィラメント織物及びその製造方法 Pending JP2005036333A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003198689A JP2005036333A (ja) 2003-07-17 2003-07-17 炭素繊維フィラメント織物及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003198689A JP2005036333A (ja) 2003-07-17 2003-07-17 炭素繊維フィラメント織物及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005036333A true JP2005036333A (ja) 2005-02-10

Family

ID=34208396

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003198689A Pending JP2005036333A (ja) 2003-07-17 2003-07-17 炭素繊維フィラメント織物及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005036333A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012014768A1 (ja) 2010-07-29 2012-02-02 日清紡ホールディングス株式会社 燃料電池用電極

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012014768A1 (ja) 2010-07-29 2012-02-02 日清紡ホールディングス株式会社 燃料電池用電極
US9397347B2 (en) 2010-07-29 2016-07-19 Nisshinbo Holdings Inc. Electrode for use in a fuel cell functioning as a gas diffusion layer and an electrocatalyst layer

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060257720A1 (en) Conductive carbonaceous fiber woven cloth and solid polymer-type fuel cell
EP1237214A2 (en) Conductive carbonaceous-fiber sheet and solid polymer electrolyte fuel cell
JP2008201005A (ja) 炭素繊維シート及びその製造方法
JP2008204824A (ja) 炭素繊維シート及びその製造方法
JP2009283259A (ja) 多孔質炭素電極基材
JP4329296B2 (ja) 導電性炭素質繊維シート及び固体高分子型燃料電池
JP4371662B2 (ja) 炭素繊維シート及びその製造方法
JP2004027435A (ja) 炭素繊維シート及びその製造方法
JP6167562B2 (ja) 炭素繊維不織布の製造方法および不織布
JP2005036333A (ja) 炭素繊維フィラメント織物及びその製造方法
JP2010047865A (ja) 複合材料用炭素繊維とそれを用いた複合材料
TWI819357B (zh) 具有改善的彎曲特性的用於燃料電池的氣體擴散層
JP4282964B2 (ja) 炭素質繊維織布
JP2005240224A (ja) 高密度耐炎繊維不織布及び炭素繊維不織布、並びにそれらの製造方法
JP3442061B2 (ja) 扁平炭素繊維紡績糸織物構造材
JP2004111341A (ja) 燃料電池ガス拡散層用の炭素繊維織布または不織布の製造方法
JP4002426B2 (ja) 高分子電解質型燃料電池電極材用炭素繊維紡績糸織物構造体、及びその製造方法
JP2005183325A (ja) 高分子電解質型ガス拡散層用炭素繊維シート及びその製造方法
JP4974700B2 (ja) 炭素繊維シート及びその製造方法
JP2012201996A (ja) 炭素繊維紡績糸織物、炭素繊維紡績糸織物の製造方法、燃料電池用ガス拡散電極
JP4018550B2 (ja) 炭素繊維紡績糸織物及びその製造方法
JP4333106B2 (ja) 炭素質繊維織布の製造方法
JP2003227054A (ja) ポリアクリロニトリル系酸化繊維紡績糸織物、炭素繊維紡績糸織物、及び炭素繊維紡績糸織物の製造方法
JP2013082570A (ja) 電池電極基材用炭素繊維シート及びその製造方法
JP2004084147A (ja) 炭素質繊維織布