JP2005035981A - 抗炎症剤及び抗老化剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 一酸化窒素(NO)産生抑制物質及びシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害物質の少なくともいずれかを含む抗炎症剤、コラーゲン合成促進物質、エストロゲン様作用物質及びヒアルロン酸合成促進物質から選択される少なくともいずれかを含む抗老化剤、並びに、マメ科ハナモツヤクノキの抽出物を含有する皮膚外用剤及び飲食物の提供。
【解決手段】 マメ科ハナモツヤクノキの抽出物を含有する抗炎症剤である。マメ科ハナモツヤクノキの抽出物が、一酸化窒素(NO)産生抑制物質及びシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害物質の少なくともいずれかを含む態様が好ましい。マメ科ハナモツヤクノキの抽出物を含有する抗老化剤である。マメ科ハナモツヤクノキの抽出物が、コラーゲン合成促進物質、エストロゲン様作用物質及びヒアルロン酸合成促進物質から選択される少なくともいずれかを含む態様が好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 マメ科ハナモツヤクノキの抽出物を含有する抗炎症剤である。マメ科ハナモツヤクノキの抽出物が、一酸化窒素(NO)産生抑制物質及びシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害物質の少なくともいずれかを含む態様が好ましい。マメ科ハナモツヤクノキの抽出物を含有する抗老化剤である。マメ科ハナモツヤクノキの抽出物が、コラーゲン合成促進物質、エストロゲン様作用物質及びヒアルロン酸合成促進物質から選択される少なくともいずれかを含む態様が好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、マメ科ハナモツヤクノキの抽出物を含む抗炎症剤及び抗老化剤、並びに該抗炎症剤又は抗老化剤を含有する皮膚外用剤及び飲食物に関する。
炎症は、発赤、浮腫、発熱、痛み、機能障害などの症状を示す複雑な反応である。微視的に見ると、血漿漏出を起こす血管反応、白血球の浸潤、炎症性細胞による組織破壊などの共通する反応からなり、発熱反応や痛覚過敏など中枢神経系も関与する全身の反応も引き起こす場合もある。このような炎症の個々の反応にはプロスタグランジンが重要な役割を果たしており、この炎症時におけるプロスタグランジンの産生には、主として誘導型のシクロオキシゲナーゼであるシクロオキシゲナーゼ−2の関与が明らかとなっている。
このため、炎症反応の防止及び予防を図る目的で、アスピリンに代表される多くのシクロオキシゲナーゼ阻害剤が用いられている(非特許文献1参照)。また、植物由来のシクロオキシゲナーゼ阻害剤としては、マンゴスチン果皮抽出物中のα−マンゴスチン及びγ−マンゴスチンが知られている(特許文献1参照)。また、前記シクロオキシゲナーゼ−2阻害作用を有する化合物としては、2−フェニル−1,2−ベンズイソセレナゾール−3(2H)−オン、その塩、又はその水和物が知られている(特許文献2参照)。
また、誘導型一酸化窒素(NO)合成酵素によりマクロファージ等から産生される一酸化窒素(NO)も炎症性メディエーターとして機能し、免疫反応や細胞死、発癌などにも関与することが知られている。過剰なNOの産生は炎症の増悪や免疫抑制などの有害な影響をもたらおそれがある。また、過剰に生産されたNOは、生体内で活性酸素と反応して更に強力で反応性に富む窒素酸化物を生成し、生体内酵素の不活性化や脂質過酸化作用などを引き起こすとされている(非特許文献2参照)。
一方、皮膚の真皮及び表皮は、表皮細胞、線維芽細胞、及びこれらの細胞の外にあって皮膚構造を支持するエラスチン、コラーゲン等の細胞外マトリックスによって構成されている。若い皮膚においてはこれらの皮膚組織の相互作用が恒常性を保つことにより水分保持、柔軟性、弾力性等が確保され、肌は外見的にも張りや艶があって、みずみずしい状態に維持される。
ところが、紫外線、著しい乾燥、過度の皮膚洗浄等、ある種の外的因子の影響があったり加齢が進んだりすると、細胞外マトリックスの主要構成成分であるコラーゲンは産生量が減少すると共に架橋による弾性低下を引き起こし、またエラスチンは分解・変質を起こす。外的因子の影響や加齢に伴う線維芽細胞の増殖率低下もコラーゲンの産生量の減少、天然保湿因子であるヒアルロン酸の産生量の低下を引き起こす。その結果、皮膚の弾力性や保湿機能は低下し、角質は異常剥離を引き起こし、肌は張りや艶を失い、荒れ、しわ、くすみ等の老化症状を呈するようになる。
このように、皮膚の老化に伴う変化、即ち、しわ、くすみ、きめの消失、及び弾力性の低下等には、コラーゲンやヒアルロン酸の減少、変性が関与している。近年、紫外線等がこの変化を誘導する因子とされており、皮膚のしわ形成等の大きな要因となると考えられる。したがって、コラーゲン合成やヒアルロン酸合成の促進は、皮膚の老化を防止・改善する上で重要である。
また、加齢を伴う皮膚老化の一因は、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が減退することにある。即ち、エストロゲンは成人女性の健康維持に深く関わっていて、その分泌不足は種々の内科的疾患を招くほか、肌の過敏症、弾力性低下、潤いの減少等、好ましくない肌の変化の原因となることが知られている。そこで、エストロゲンの分泌が衰える更年期以降の女性に対して、エストロゲンと同様の作用をする物質(エストロゲン様作用剤)を経皮的又は経口的に投与することが行われている。前記エストロゲン様作用剤としては、ステロイド系エストロゲン、非ステロイド系エストロゲン、フラボン系化合物等が使われている(特許文献3〜5等参照)。
しかしながら、安価であり、安全性の高い天然物系のものであって味や匂いの点でも添加対象物の品質に悪影響を及ぼさず、皮膚外用剤及び飲食物に広く使用可能な抗炎症剤又は抗老化剤は未だ提供されておらず、その速やかな提供が強く求められているのが現状である。
薬理学アトラス(P184)、福原武彦監訳、文光堂
NOの生理作用と疾患(P54)、谷口直之編集、羊土社
特開2002−047180号公報
特開2000−16935号公報
特開2001−316240号公報
特開2002−226323号公報
特開2003−055245号公報
本発明は、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、一酸化窒素(NO)産生抑制物質及びシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害物質の少なくともいずれかを含む抗炎症剤、コラーゲン合成促進物質、エストロゲン様作用物質及びヒアルロン酸合成促進物質から選択される少なくともいずれかを含む抗老化剤、並びに、マメ科ハナモツヤクノキの抽出物を含有する皮膚外用剤及び飲食物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を行った結果、マメ科ハナモツヤクノキの抽出物が、優れた一酸化窒素(NO)産生抑制作用、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害作用、コラーゲン合成促進作用、エストロゲン様作用及びヒアルロン酸合成促進作用の少なくともいずれかを有し、抗炎症剤又は抗炎症剤として有効であることを知見した。また、該マメ科ハナモツヤクノキの抽出物を含有する皮膚外用剤が、優れた抗炎症作用及び皮膚の老化防止作用を有することを知見した。また、該マメ科ハナモツヤクノキの抽出物を含有する飲食物が、経口摂取によっても優れた抗炎症作用及び皮膚の老化防止作用を有することを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> マメ科ハナモツヤクノキ(Butea monosperma(Lam.)Taub.)の抽出物を含有することを特徴とする抗炎症剤である。
<2> マメ科ハナモツヤクノキの抽出物が、一酸化窒素(NO)産生抑制物質及びシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害物質の少なくともいずれかを含有する前記<1>に記載の抗炎症剤である。
<3> マメ科ハナモツヤクノキ(Butea monosperma(Lam.)Taub.)の抽出物を含有することを特徴とする抗老化剤である。
<4> マメ科ハナモツヤクノキの抽出物が、コラーゲン合成促進物質、エストロゲン様作用物質及びヒアルロン酸合成促進物質から選択される少なくともいずれかを含有する前記<3>に記載の抗老化剤である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のマメ科ハナモツヤクノキの抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤である。
<6> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のマメ科ハナモツヤクノキの抽出物を含有することを特徴とする飲食物である。
<1> マメ科ハナモツヤクノキ(Butea monosperma(Lam.)Taub.)の抽出物を含有することを特徴とする抗炎症剤である。
<2> マメ科ハナモツヤクノキの抽出物が、一酸化窒素(NO)産生抑制物質及びシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害物質の少なくともいずれかを含有する前記<1>に記載の抗炎症剤である。
<3> マメ科ハナモツヤクノキ(Butea monosperma(Lam.)Taub.)の抽出物を含有することを特徴とする抗老化剤である。
<4> マメ科ハナモツヤクノキの抽出物が、コラーゲン合成促進物質、エストロゲン様作用物質及びヒアルロン酸合成促進物質から選択される少なくともいずれかを含有する前記<3>に記載の抗老化剤である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のマメ科ハナモツヤクノキの抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤である。
<6> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のマメ科ハナモツヤクノキの抽出物を含有することを特徴とする飲食物である。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、一酸化窒素(NO)産生抑制作用、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害作用の少なくともいずれかの作用を有する抗炎症剤が提供される。また、本発明によると、コラーゲン合成促進作用、エストロゲン様作用及びヒアルロン酸合成促進作用の少なくともいずれかの作用を有する抗老化剤が提供される。また、本発明の皮膚外用剤は、皮膚に使用した場合に、使用感がよく、極めて高い抗老化作用及び抗炎症作用を有すると共に、高い安全性も有する。また、本発明の飲食物は、経口摂取した場合においても、極めて高い抗老化作用及び抗炎症作用を有すると共に、高い安全性も有する。
(抗炎症剤及び抗老化剤)
本発明の抗炎症剤及び抗老化剤は、マメ科ハナモツヤクノキ(Butea monosperma(Lam.)Taub.)の抽出物を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明の抗炎症剤及び抗老化剤は、マメ科ハナモツヤクノキ(Butea monosperma(Lam.)Taub.)の抽出物を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記ハナモツヤクノキ(Butea monosperma(Lam.)Taub.)は、マメ科に属する落葉の高木であって、インドからビルマにかけて分布し、ラックカイガラムシの飼育に利用されている。
前記ハナモツヤクノキの赤色の水溶性樹脂はブテアガム(Butea Gum)と呼ばれ、薬用にされ、収斂剤として利用されている。また、ハナモツヤクノキの種子は、駆除剤として利用されている。樹皮は繊維料に利用できる。
しかし、前記ハナモツヤクノキの抽出物が優れた一酸化窒素(NO)産生抑制作用、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害作用、コラーゲン合成促進作用、エストロゲン様作用及びヒアルロン酸合成促進作用の少なくともいずれかを有し、抗炎症剤又は抗老化剤として有用であることは全く知られておらず、これらのことは、本発明者らによる新知見である。
前記ハナモツヤクノキの赤色の水溶性樹脂はブテアガム(Butea Gum)と呼ばれ、薬用にされ、収斂剤として利用されている。また、ハナモツヤクノキの種子は、駆除剤として利用されている。樹皮は繊維料に利用できる。
しかし、前記ハナモツヤクノキの抽出物が優れた一酸化窒素(NO)産生抑制作用、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害作用、コラーゲン合成促進作用、エストロゲン様作用及びヒアルロン酸合成促進作用の少なくともいずれかを有し、抗炎症剤又は抗老化剤として有用であることは全く知られておらず、これらのことは、本発明者らによる新知見である。
前記ハナモツヤクノキの抽出物が含有する有効成分である抗炎症物質又は抗老化物質についての詳細は不明であるが、これら有効成分は植物の抽出に一般に用いられている抽出方法により得ることができる。なお、前記ハナモツヤクノキの抽出物には、抽出液、該抽出液の希釈液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物もしくは精製物のいずれもが含まれる。
前記ハナモツヤクノキは、抽出原料として、葉、樹皮、枝部等の地上部、根、花、果実を使用することができるが、最も好ましいのは花部である。
前記抽出原料であるハナモツヤクノキは、乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用い粉砕して溶媒抽出に供することにより得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。なお、前記ハナモツヤクノキは、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。なお、脱脂等の前処理を行うことにより、ハナモツヤクノキの極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
前記抽出原料であるハナモツヤクノキは、乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用い粉砕して溶媒抽出に供することにより得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。なお、前記ハナモツヤクノキは、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。なお、脱脂等の前処理を行うことにより、ハナモツヤクノキの極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
前記抽出に用いる溶媒としては、水若しくは親水性有機溶媒又はこれらの混合液を室温又は溶媒の沸点以下の温度で用いることが好ましい。
前記抽出溶媒として使用し得る水としては、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。従って、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
前記抽出溶媒として使用し得る水としては、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。従って、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
前記親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられ、これら親水性有機溶媒と水との混合溶媒などを用いることができる。
なお、前記水と親水性有機溶媒との混合溶媒を使用する場合には、低級アルコールの場合は水10質量部に対して1〜90質量部、低級脂肪族ケトンの場合は水10質量部に対して1〜40質量部添加することが好ましい。多価アルコールの場合は水10質量部に対して1〜90質量部添加することが好ましい。
なお、前記水と親水性有機溶媒との混合溶媒を使用する場合には、低級アルコールの場合は水10質量部に対して1〜90質量部、低級脂肪族ケトンの場合は水10質量部に対して1〜40質量部添加することが好ましい。多価アルコールの場合は水10質量部に対して1〜90質量部添加することが好ましい。
本発明において、抽出原料であるハナモツヤクノキから抗炎症物質又は抗老化物質を抽出するにあたって特殊な抽出方法を採用する必要はなく、室温又は還流加熱下で、任意の装置を用いて抽出することができる。
具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料としてのハナモツヤクノキを投入し、更に必要に応じて時々攪拌しながら、30分〜2時間静置して可溶性成分を溶出した後、ろ過して固形物を除去し、得られた抽出液から抽出溶媒を留去し、乾燥することにより抽出物が得られる。抽出溶媒量は通常、抽出原料の5〜15倍量(質量比)である。抽出条件は、抽出溶媒として水を用いた場合には、通常50〜95℃にて1〜4時間程度である。また、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いた場合には、通常40〜80℃にて30分〜4時間程度である。なお、溶媒で抽出することにより得られる抽出液は、抽出溶媒が安全性の高いものであればそのまま配合して本発明の抗炎症剤又は抗老化剤の有効成分として用いることができるが、濃縮液又はその乾燥物としたものの方が利用しやすい。
得られたハナモツヤクノキの抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
なお、得られたハナモツヤクノキの抽出液はそのままでも抗炎症剤又は抗老化剤として使用することができるが、濃縮液又はその乾燥物としたものの方が利用しやすい。抽出液の乾燥物を得るにあたっては、吸湿性を改善するためにデキストリン、シクロデキストリン等のキャリアーを添加してもよい。また、前記ハナモツヤクノキは特有の匂いを有しているため、その生理活性の低下を招かない範囲で脱色、脱臭等を目的とする精製を行うことも可能であるが、皮膚外用剤や飲食物などに添加する場合には大量に使用するものではないから、未精製のままでも実用上支障はない。なお、精製は具体的には、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理等によって行うことができる。
本発明の抗炎症剤及び抗老化剤は、消化管で消化されるようなものではないことが確認されているので、任意の飲食品や栄養補助食品等に配合するのに好適である。
本発明の抗炎症剤及び抗老化剤は、極めて高い抗炎症作用及び抗老化作用を有しており、特に、一酸化窒素(NO)産生抑制作用、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害作用、コラーゲン合成促進作用、エストロゲン様作用及びヒアルロン酸合成促進作用の少なくともいずれかの作用を効果的に達成することができると共に、高い安全性をも有し、以下の本発明の皮膚外用剤又は飲食物に好適に使用することができる。
(皮膚外用剤)
本発明の皮膚外用剤は、本発明の前記抗炎症剤及び抗老化剤の少なくともいずれかを含有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有してなる。
本発明の皮膚外用剤は、本発明の前記抗炎症剤及び抗老化剤の少なくともいずれかを含有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有してなる。
ここで、前記皮膚外用剤としては、皮膚に適用される各種薬剤を意味し、例えば、化粧料、医薬部外品、医薬品、などが含まれる。
前記皮膚外用剤の用途としては、特に制限はなく、各種用途から適宜選択することができ、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、ゼリー、リップクリーム、口紅、入浴剤、トニック、リンス、シャンプー、アストリンゼント、などが挙げられる。
前記皮膚外用剤の用途としては、特に制限はなく、各種用途から適宜選択することができ、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、ゼリー、リップクリーム、口紅、入浴剤、トニック、リンス、シャンプー、アストリンゼント、などが挙げられる。
前記抗炎症剤又は抗老化剤の前記皮膚外用剤全体に対する配合量は、皮膚外用剤の種類や抽出物の生理活性等によって適宜調整することができるが、前記ハナモツヤクノキ抽出物に換算して0.001〜10質量%が好ましい。
前記抗炎症剤及び抗老化剤を配合する皮膚外用剤は、更に必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、その皮膚外用剤の製造に通常使用される各種主剤及び助剤、その他成分を使用することができる。本発明の抗炎症剤及び抗老化剤を配合する皮膚外用剤は、炎症性疾患の予防・治療及び皮膚の老化防止・改善に関し、本発明の抗炎症剤及び抗老化剤のみが主剤となるものに限られるわけではない。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、抗炎症作用又は抗老化作用の妨げにならない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択した成分が挙げられ、例えば、美白剤、収斂剤、殺菌・抗菌剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料、などが挙げられる。これらの成分は、前記ハナモツヤクノキ抽出物と共に併用した場合、相乗的に作用して、通常期待される以上の優れた使用効果をもたらすことがある。
前記その他の成分としては、抗炎症作用又は抗老化作用の妨げにならない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択した成分が挙げられ、例えば、美白剤、収斂剤、殺菌・抗菌剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料、などが挙げられる。これらの成分は、前記ハナモツヤクノキ抽出物と共に併用した場合、相乗的に作用して、通常期待される以上の優れた使用効果をもたらすことがある。
前記美白剤としては、例えば、アスコルビン酸又はその誘導体、イオウ、胎盤加水分解物、エラグ酸又はその誘導体、コウジ酸又はその誘導体、グルコサミン又はその誘導体、アルブチン又はその誘導体、ヒドロキシケイヒ酸又はその誘導体、グルタチオン、アルニカエキス、オウゴンエキス、ソウハクヒエキス、サイコエキス、ボウフウエキス、マンネンタケ菌糸体培養物又はその抽出物、シナノキエキス、モモ葉エキス、エイジツエキス、クジンエキス、ジユエキス、トウキエキス、ヨクイニンエキス、カキ葉エキス、ダイオウエキス、ボタンピエキス、ハマメリスエキス、マロニエエキス、オトギリソウエキス、油溶性カンゾウエキス(カンゾウ疎水性フラボン、グラブリジン、グラブレン、リコカルコンA)、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、美白効果を向上させる観点から、アスコルビン酸又はその誘導体、プラセンタエキス、カミツレエキス、アルブチン、エラグ酸、ルシノール及びコウジ酸から選ばれる少なくとも1種以上を用いることが好ましい。
前記収斂剤としては、例えば、クエン酸又はその塩類、酒石酸又はその塩類、乳酸又はその塩類、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム・カリウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛、硫酸亜鉛、ジユエキス、エイジツエキス、ハマメリスエキス、ゲンノショウコエキス、チャカテキン類、オドリコソウエキス、オトギリソウエキス、ダイオウエキス、ヤグルマソウエキス、キズタエキス、キューカンバーエキス、マロニエエキス、サルビアエキス、メリッサエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記殺菌・抗菌剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、塩化ジステアリルメチルアンモニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、感光素101号、感光素201号、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ソルビン酸、ハロカルバン、レゾルシン、パラクロロフェノール、フェノキシエタノール、ビサボロール、ヒノキチオール、メントール、キトサン、キトサン分解物、ジユエキス、クジンエキス、エンメイソウエキス、ビワエキス、ユッカエキス、アロエエキス、ケイヒエキス、ガジュツエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、β−イソプロピルフラノン誘導体、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、オキシベンゾン、オキシベンゾンスルホン酸、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、シノキサート、ジイソプロピルケイヒ酸メチル、メトキシケイヒ酸オクチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチル安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、酸化チタン、β−カロチン、γ−オリザノール、コメヌカエキス、アロエエキス、カバノキエキス、シラカンバエキス、カミツレエキス、ヘンナエキス、チョウチグルミエキス、イチョウ葉エキス、カミツレエキス、セイヨウサンザシエキス、油溶性カンゾウエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記保湿剤としては、例えば、セリン、グリシン、スレオニン、アラニン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、ヒドロネクチン、フィブロネクチン、ケラチン、エラスチン、ローヤルゼリー、コンドロイチン硫酸ヘパリン、グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴリン脂質、スフィンゴ糖脂質、リノール酸又はそのエステル類、エイコサペンタエン酸又はそのエステル類、ペクチン、ビフィズス菌発酵物、乳酸発酵物、酵母抽出物、レイシ菌糸体培養物又はその抽出物、小麦胚芽油、アボガド油、米胚芽油、ホホバ油、ダイズリン脂質、γ−オリザノール、ビロウドアオイエキス、ヨクイニンエキス、ジオウエキス、タイソウエキス、カイソウエキス、キダチアロエエキス、ゴボウエキス、マンネンロウエキス、アルニカエキス、小麦フスマ、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記細胞賦活剤としては、例えば、リボフラビン又はその誘導体、ピリドキシン又はその誘導体、ニコチン酸又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体、α−トコフェロール又はその誘導体、アルニカエキス、ニンジンエキス、ナタネニンジンエキス、ヘチマエキス(サポニン)、シコンエキス、オウバクエキス、ボタンピエキス、シャクヤクエキス、ムクロジエキス、ベニバナエキス、アシタバエキス、ビワ葉エキス、ヒキオコシエキス、ユキノシタエキス、黄杞エキス、サルビアエキス、ニンニクエキス、マンネンロウエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記消炎・抗アレルギー剤としては、例えば、アズレン、アラントイン、アミノカプロン酸、インドメタシン、塩化リゾチーム、イプシロンアミノカプロン酸、オキシベンゾン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、感光素301号、感光素401号、塩酸ジフェンヒドラミン、トラネキサム酸又はその誘導体、アデノシンリン酸、エストラジオール、エスロン、エチニルエストラジオール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、プロゲステロン、コルチコステロン、アルニカエキス、インチンコウエキス、サンシシエキス、ジュウヤクエキス、カンゾウエキス、トウキエキス、ヨモギエキス、ワレモコウエキス、リンドウエキス、サイコエキス、センキュウエキス、セイヨウノコギリソウエキス、オウレンエキス、シソエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記抗酸化・活性酸素消去剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没子食酸プロピル、バイカリン、バイカレイン、スーパーオキサイドディスムターゼ、カタラーゼ、ローズマリーエキス、メリッサエキス、オウゴンエキス、エイジツエキス、ビワ葉エキス、ホップエキス、ハマメリスエキス、シャクヤクエキス、セージエキス、キナエキス、カミツレエキス、ユーカリエキス、シソエキス、イチョウ葉エキス、タイムエキス、カルダモンエキス、キャラウェイエキス、ナツメグエキス、メースエキス、ローレルエキス、クローブエキス、ターメリックエキス、ヤナギタデエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記油脂類としては、例えば、大豆油、アマニ油、ゴマ油、ヌカ油、綿実油、ナタネ油、サフラワー油、トウモロコシ油、オリーブ油、ツバキ油、アーモンド油、ヒマシ油、落花生油、カカオ油、パーム核油、牛脂、ミンク油、ホホバ油、月見草油、馬油、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ロウ類としては、例えば、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、蜜ロウ、サラシ蜜ロウ、鯨ロウ、セラックス、ラノリン類、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記炭化水素類としては、例えば、流動パラフィン、ワセリン、マイクロスリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、ポリエチレン末、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記脂肪酸類としては、例えば、ステアリン酸、リノール酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ヘベニン酸、ラノリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、イソステアリン酸、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルコール類としては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラノリンアルコール、水添ラノリンアルコール、オレイルアルコール、ヘキサデシルアルコール、2−オクチルドデカノール、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール又はその重合体、ブドウ糖、白糖、コレステロール、フィトステロール、セトステアリルアルコール、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記エステル類としては、例えば、オレイン酸デシル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ジオレイン酸プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸グリセリン、トリミリスチン酸グリセリン、乳酸セチル、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記界面活性剤としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを使用することができるが、これらの中でも皮膚疾患の発生のない、又は軽微な化粧品原料基準に収載された界面活性剤が好ましく、例えば、大豆レシチン、卵黄レシチン、サポニン、オリゴ配糖体、リン脂質系バイオサーファクタント、アシルペプチド系バイオサーファクタント、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリリン酸ナトリウム、モノオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、などの界面活性剤が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記香料としては、例えば、メントール、カルボン、オイゲノール、アネトール、ハッカ油、スペアミント油、ペパーミント油、ユーカリ油、アニス油、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の皮膚外用剤は、皮膚に使用した場合に高い安全性を有し、極めて高い抗炎症作用及び抗老化作用を有しており、特に、一酸化窒素(NO)産生抑制作用、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害作用、コラーゲン合成促進作用、エストロゲン様作用及びヒアルロン酸合成促進作用の少なくともいずれかの作用を効果的に達成することができる。
(飲食物)
本発明の飲食物は、本発明の前記抗炎症剤又は抗老化剤を含有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有してなる。
ここで、前記飲食物とは、人の健康に危害を加えるおそれが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品、などの区分に制限されるものではなく、例えば、経口的に摂取される一般食品、健康食品、保健機能食品、医薬部外品、医薬品などを幅広く含むものを意味する。
本発明の飲食物は、本発明の前記抗炎症剤又は抗老化剤を含有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有してなる。
ここで、前記飲食物とは、人の健康に危害を加えるおそれが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品、などの区分に制限されるものではなく、例えば、経口的に摂取される一般食品、健康食品、保健機能食品、医薬部外品、医薬品などを幅広く含むものを意味する。
前記飲食物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;カニ、サケ、アサリ、マグロ、イワシ、エビ、カツオ、サバ、クジラ、カキ、サンマ、イカ、アカガイ、ホタテ、アワビ、ウニ、イクラ、トコブシ等の水産物;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、うな丼、ハヤシライス、おでん、マーボドーフ、牛丼、ミートソース、玉子スープ、オムライス、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール等のレトルトパウチ食品;種々の形態の健康・栄養補助食品;錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、トローチ等の医薬品、医薬部外品などが挙げられる。なお、前記飲食物は上記例示に限定されるものではない。
前記その他の成分としては、前記飲食物を製造するに当たって通常用いられる補助的原料又は添加物、などが挙げられる。
前記原料又は添加物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤、などが挙げられる。
前記原料又は添加物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤、などが挙げられる。
前記飲食物における本発明の前記抗炎症剤又は抗老化剤の添加量は、対象となる飲食物の種類に応じて異なり一概には規定することができないが、飲食物本来の味を損なわない範囲で添加すれば良く、各種対象飲食物に対し、通常0.01〜50質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましい。また、顆粒、錠剤又はカプセル形態の飲食物の場合には、通常0.1〜100質量%が好ましく、5〜100質量%がより好ましい。なお、ハナモツヤクノキ抽出物の摂取量は、成人1日当たり約1〜1000mgになるようにするのが適当である。
本発明の飲食物は、日常的に経口摂取することが可能であり、有効成分であるハナモツヤクノキ抽出物の働きによって、抗炎症作用及び皮膚の老化防止の少なくともいずれかの作用を極めて効果的に達成することができる。
なお、本発明の抗炎症剤、抗老化剤、皮膚外用剤、及び飲食物は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
−ハナモツヤクノキ抽出物の製造−
ハナモツヤクノキの花部の乾燥物を細切りしたもの200gに対し水2000mLを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣について更に同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、乾燥して製造例1のハナモツヤクノキの水抽出物を得た。得られた抽出物の収率を表1に示す。
−ハナモツヤクノキ抽出物の製造−
ハナモツヤクノキの花部の乾燥物を細切りしたもの200gに対し水2000mLを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣について更に同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、乾燥して製造例1のハナモツヤクノキの水抽出物を得た。得られた抽出物の収率を表1に示す。
(製造例2)
−ハナモツヤクノキ抽出物の製造−
ハナモツヤクノキの花部の乾燥物を細切りしたもの200gに対し50質量%エタノール(水とエタノールとの質量比1:1)2000mLを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣について更に同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、乾燥して製造例2のハナモツヤクノキの50質量%エタノール抽出物を得た。得られた抽出物の収率を表1に示す。
−ハナモツヤクノキ抽出物の製造−
ハナモツヤクノキの花部の乾燥物を細切りしたもの200gに対し50質量%エタノール(水とエタノールとの質量比1:1)2000mLを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣について更に同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、乾燥して製造例2のハナモツヤクノキの50質量%エタノール抽出物を得た。得られた抽出物の収率を表1に示す。
(製造例3)
−ハナモツヤクノキ抽出物の製造−
ハナモツヤクノキの花部の乾燥物を細切りしたもの200gに対しエタノール2000mLを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣について更に同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、乾燥して製造例3のハナモツヤクノキのエタノール抽出物を得た。得られた抽出物の収率を表1に示す。
−ハナモツヤクノキ抽出物の製造−
ハナモツヤクノキの花部の乾燥物を細切りしたもの200gに対しエタノール2000mLを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣について更に同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、乾燥して製造例3のハナモツヤクノキのエタノール抽出物を得た。得られた抽出物の収率を表1に示す。
(実施例1)
<一酸化窒素(NO)産生抑制作用試験>
マウスマクロファージ由来細胞株RAW264.7の培養は、phenol red−free Eagle’s MEM(日水製薬株式会社製)に10% fetal bovine serum(FBS)培養液、37℃、5%CO2下で7日間前培養し、トリプシン処理により細胞を集めた。phenol red−freeのRPMI−1640(SIGMA)に10% fetal bovine serum(FBS)、100u/ml penicillin、及び100μg/ml streptomycinを添加した培地を使用し、3×105/cells/100μlの密度で96穴マイクプレートに播種した。
4時間の前培養の後、予め、2%ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む培養液で溶解した製造例1〜3の各ハナモツヤクノキ抽出液を50μl添加した後、LPS(終濃度1μg/ml,E.coli 0111;B4,DIFCO社)を添加し、RAW264.7細胞に対して刺激した。5%CO2下で、37℃にて48時間培養した後、培養上清を採取し、同量のGriess試薬(1% Sulfanilamide、0.1% N−1−naphthyl ethylendiamine dihydrochlpride in 5% phosphoric acid solution)と混合し、10分間室温にて反応後に540nmの吸光度をマイクロプレートリーダーで測定し、コントロールの一酸化窒素(NO)産生量を基にして、下記数式1からNO産生抑制率を算出した。
<一酸化窒素(NO)産生抑制作用試験>
マウスマクロファージ由来細胞株RAW264.7の培養は、phenol red−free Eagle’s MEM(日水製薬株式会社製)に10% fetal bovine serum(FBS)培養液、37℃、5%CO2下で7日間前培養し、トリプシン処理により細胞を集めた。phenol red−freeのRPMI−1640(SIGMA)に10% fetal bovine serum(FBS)、100u/ml penicillin、及び100μg/ml streptomycinを添加した培地を使用し、3×105/cells/100μlの密度で96穴マイクプレートに播種した。
4時間の前培養の後、予め、2%ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む培養液で溶解した製造例1〜3の各ハナモツヤクノキ抽出液を50μl添加した後、LPS(終濃度1μg/ml,E.coli 0111;B4,DIFCO社)を添加し、RAW264.7細胞に対して刺激した。5%CO2下で、37℃にて48時間培養した後、培養上清を採取し、同量のGriess試薬(1% Sulfanilamide、0.1% N−1−naphthyl ethylendiamine dihydrochlpride in 5% phosphoric acid solution)と混合し、10分間室温にて反応後に540nmの吸光度をマイクロプレートリーダーで測定し、コントロールの一酸化窒素(NO)産生量を基にして、下記数式1からNO産生抑制率を算出した。
<数式1>
NO産生抑制率(%)=1−((C−D)/(A−B))×100
ただし、前記数式1において、Aは、対照溶液の540nmにおける吸光度(OD540)を表す。Bは、対照溶液ブランクの吸光度(OD540)を表す。Cは、試料溶液の吸光度(OD540)を表す。Dは、試料溶液ブランクの吸光度(OD540)を表す。
NO産生抑制率(%)=1−((C−D)/(A−B))×100
ただし、前記数式1において、Aは、対照溶液の540nmにおける吸光度(OD540)を表す。Bは、対照溶液ブランクの吸光度(OD540)を表す。Cは、試料溶液の吸光度(OD540)を表す。Dは、試料溶液ブランクの吸光度(OD540)を表す。
次に、製造例1〜3の各抽出物溶液の濃度を段階的に減少させて上記NO産生抑制率を測定し、抑制率が50%になる濃度IC50を内挿法により求めた(このIC50値が小さいほどNO産生抑制作用が強い)。結果を表2に示す。
(実施例2)
−シクロオキシゲナーゼ(COX−2)を介したPGE2産生抑制作用−
Hwang,B.−Y.らの方法(Planta Medica 67(2001)406−410)に一部修正を加えて行った。即ち、マウス由来マクロファージ様細胞(RAW264.7)を前培養後、細胞を集め、1×105個/mLに調製して、96穴プレートに100μlづつ播種し、37℃、5%CO2で18時間培養した。培養後、既に存在するCOX−1及び少量発現しているCOX−2をアセチル化し失活させるため、500μmol/lアスピリン含有培地に交換して4時間培養した。細胞をPBS(−)で3回洗浄し、1μg/mlのLPSを含む培地で溶解した製造例1〜3の各ハナモツヤクノキ抽出物溶液200μlを添加し、18時間培養した。培養後、上清中のPGE2をPGE2 EIA Kit(Cayman,Chemical,Ann Arbor,MI,米国)を用いて定量し、製造例1〜3の各抽出物を無添加時の値を100%として、PGE2産生抑制率を算出した。
−シクロオキシゲナーゼ(COX−2)を介したPGE2産生抑制作用−
Hwang,B.−Y.らの方法(Planta Medica 67(2001)406−410)に一部修正を加えて行った。即ち、マウス由来マクロファージ様細胞(RAW264.7)を前培養後、細胞を集め、1×105個/mLに調製して、96穴プレートに100μlづつ播種し、37℃、5%CO2で18時間培養した。培養後、既に存在するCOX−1及び少量発現しているCOX−2をアセチル化し失活させるため、500μmol/lアスピリン含有培地に交換して4時間培養した。細胞をPBS(−)で3回洗浄し、1μg/mlのLPSを含む培地で溶解した製造例1〜3の各ハナモツヤクノキ抽出物溶液200μlを添加し、18時間培養した。培養後、上清中のPGE2をPGE2 EIA Kit(Cayman,Chemical,Ann Arbor,MI,米国)を用いて定量し、製造例1〜3の各抽出物を無添加時の値を100%として、PGE2産生抑制率を算出した。
次に、製造例1〜3の各抽出物溶液の濃度を段階的に減少させて上記COX−2を介したPGE2産生抑制率を測定し、抑制率が50%になる濃度IC50を内挿法により求めた(このIC50値が小さいほどCOX−2を介したPGE2産生抑制作用が強い)。結果を表3に示す。
(実施例3)
−コラーゲン合成促進作用試験−
下記の試験法によりコラーゲン合成促進作用を試験した。
まず、ヒトの線維芽細胞を10%FBS、1%NEAA、1mmol/lピルビン酸ナトリウムを含むMEM培地を用いて5%CO2−95%airの下、37℃にて培養した。培養終了後、トリプシン処理により細胞を集め、2×105/mLに調整した。その後、96穴マイクロプレートの各穴に100μlずつ播撞した。5%CO2−95%airの下、37℃にて一晩培養した。次いで、培地を、製造例1〜3の各ハナモツヤクノキ抽出物(100ppm)を含む0.5%FBS−MEM培地(150μl)に交換して、5%CO2−95%airの下、37℃にて3日間培養した。得られた培養上清を90μl採取し、ELISAプレートに移した後、抗ヒトコラーゲンタイプ1抗体を用いたELISA法によって、培養上清中のコラーゲンを定量した。定量の際には、ヒトコラーゲンタイプ1を標準品とする検量線を用いた。コラーゲン合成促進率(%)を、試料無添加時の値を100%として算出した。結果を表4に示す。
−コラーゲン合成促進作用試験−
下記の試験法によりコラーゲン合成促進作用を試験した。
まず、ヒトの線維芽細胞を10%FBS、1%NEAA、1mmol/lピルビン酸ナトリウムを含むMEM培地を用いて5%CO2−95%airの下、37℃にて培養した。培養終了後、トリプシン処理により細胞を集め、2×105/mLに調整した。その後、96穴マイクロプレートの各穴に100μlずつ播撞した。5%CO2−95%airの下、37℃にて一晩培養した。次いで、培地を、製造例1〜3の各ハナモツヤクノキ抽出物(100ppm)を含む0.5%FBS−MEM培地(150μl)に交換して、5%CO2−95%airの下、37℃にて3日間培養した。得られた培養上清を90μl採取し、ELISAプレートに移した後、抗ヒトコラーゲンタイプ1抗体を用いたELISA法によって、培養上清中のコラーゲンを定量した。定量の際には、ヒトコラーゲンタイプ1を標準品とする検量線を用いた。コラーゲン合成促進率(%)を、試料無添加時の値を100%として算出した。結果を表4に示す。
(実施例4)
−エストロゲン様作用試験−
下記の試験法によりエストロゲン様作用を試験した。
まず、エストロゲン依存性細胞の増殖に対する影響を調べるThomasらの方法(In Vitro Cell.Dev.Biol.28A,595−602,1992)に準拠して試験を行った。
ヒト乳ガン由来のMCF−7細胞を75cm2フラスコでコンフルエント様になるまで培養し、トリプシン処理により、このMCF−7細胞を集め、10%FBS(活性炭処理済み)、1%NEAA及び1mMピルビン酸ナトリウムを含みフェノールレッドを含まないMEM培地(以下、「MEM培地」と称することがある)を用いて、3×104cells/mlに調製した。
調製したMCF−7細胞を24穴プレートに0.9mlずつ播種し、これを定着させるために5%CO2−95%airの下、37℃にて培養した。6時間後(0日日)、MEM培地で終濃度の10倍の濃度(31.25ppm)に調製した製造例1〜3の各ハナモツヤクノキ抽出物溶液100μlを上記プレートに添加し、培養を続けた。
培養開始から6日目、培地を0.97mmol/l MTTを含むMEM培地に交換し、2時間培養後、培地をイソプロパノールに交換して細胞内に生成したブルーホルマザンを抽出した。溶出したブルーホルマザンを含有するイソプロパノールについて、ブルーホルマザンの吸収極大点がある570nmの吸光度を測定した。
なお、付着細胞の影響を補正するため、同時に650nmの吸光度も測定し、両吸光度の差をもってブルーホルマザンの生成量に比例する値とした(下記数式2における吸光度はこの補正済み吸光度である)。陽性対照としては、10−10M エチニルエストラジオールを使用した。エストロゲン様作用(エストロゲン依存性増殖作用)の強さは、試料無添加時の吸光度を100%として下記数式2により算出した。結果を表5に示す。
−エストロゲン様作用試験−
下記の試験法によりエストロゲン様作用を試験した。
まず、エストロゲン依存性細胞の増殖に対する影響を調べるThomasらの方法(In Vitro Cell.Dev.Biol.28A,595−602,1992)に準拠して試験を行った。
ヒト乳ガン由来のMCF−7細胞を75cm2フラスコでコンフルエント様になるまで培養し、トリプシン処理により、このMCF−7細胞を集め、10%FBS(活性炭処理済み)、1%NEAA及び1mMピルビン酸ナトリウムを含みフェノールレッドを含まないMEM培地(以下、「MEM培地」と称することがある)を用いて、3×104cells/mlに調製した。
調製したMCF−7細胞を24穴プレートに0.9mlずつ播種し、これを定着させるために5%CO2−95%airの下、37℃にて培養した。6時間後(0日日)、MEM培地で終濃度の10倍の濃度(31.25ppm)に調製した製造例1〜3の各ハナモツヤクノキ抽出物溶液100μlを上記プレートに添加し、培養を続けた。
培養開始から6日目、培地を0.97mmol/l MTTを含むMEM培地に交換し、2時間培養後、培地をイソプロパノールに交換して細胞内に生成したブルーホルマザンを抽出した。溶出したブルーホルマザンを含有するイソプロパノールについて、ブルーホルマザンの吸収極大点がある570nmの吸光度を測定した。
なお、付着細胞の影響を補正するため、同時に650nmの吸光度も測定し、両吸光度の差をもってブルーホルマザンの生成量に比例する値とした(下記数式2における吸光度はこの補正済み吸光度である)。陽性対照としては、10−10M エチニルエストラジオールを使用した。エストロゲン様作用(エストロゲン依存性増殖作用)の強さは、試料無添加時の吸光度を100%として下記数式2により算出した。結果を表5に示す。
<数式2>
エストロゲン様作用率(%)=(A/B)×100
ただし、前記数式2において、Aは、試料添加の場合の吸光度を表す。Bは、試料無添加の場合の吸光度を表す。
エストロゲン様作用率(%)=(A/B)×100
ただし、前記数式2において、Aは、試料添加の場合の吸光度を表す。Bは、試料無添加の場合の吸光度を表す。
(実施例5)
−ヒアルロン酸合成促進作用の試験−
以下のようにして、ヒアルロン酸合成促進作用の試験を行った。
まず、ヒト正常新生児線維芽細胞(NB1RGB)1×106個を75cm2フラスコで10%FBSを含むα−MEM培地(GIBCO)(pH7.2)を用いて5%CO2−95%airの下、37℃にて7日間培養し、トリプシン処理により細胞を集め、1%FBSを含むα−MEM培養液を用いて2.2×104cells/mLに調整し96well plateに100μLずつ播種した。5%CO2−95%airの下、37℃にて一晩培養し、製造例1〜3の各ハナモツヤクノキ抽出物(50ppm)を溶解した1%FBSを含むα−MEM培養液を各wellに100μlずつ添加し、5%CO2−95%airの下、37℃にて3日間培養した。
この培養上清を10μl採取して、90μlのリン酸生理緩衝液で10倍希釈し、このうちの50μlについて、予めヒアルロン酸をコーティングして調製したELISAプレートに添加してELISA法によりヒアルロン酸を定量した。ヒアルロン酸の定量は検量線を用いて行い、ヒアルロン酸合成促進率を試料無添加時の値を100%として算出した。結果を表6に示す。
−ヒアルロン酸合成促進作用の試験−
以下のようにして、ヒアルロン酸合成促進作用の試験を行った。
まず、ヒト正常新生児線維芽細胞(NB1RGB)1×106個を75cm2フラスコで10%FBSを含むα−MEM培地(GIBCO)(pH7.2)を用いて5%CO2−95%airの下、37℃にて7日間培養し、トリプシン処理により細胞を集め、1%FBSを含むα−MEM培養液を用いて2.2×104cells/mLに調整し96well plateに100μLずつ播種した。5%CO2−95%airの下、37℃にて一晩培養し、製造例1〜3の各ハナモツヤクノキ抽出物(50ppm)を溶解した1%FBSを含むα−MEM培養液を各wellに100μlずつ添加し、5%CO2−95%airの下、37℃にて3日間培養した。
この培養上清を10μl採取して、90μlのリン酸生理緩衝液で10倍希釈し、このうちの50μlについて、予めヒアルロン酸をコーティングして調製したELISAプレートに添加してELISA法によりヒアルロン酸を定量した。ヒアルロン酸の定量は検量線を用いて行い、ヒアルロン酸合成促進率を試料無添加時の値を100%として算出した。結果を表6に示す。
(実施例6)
−カミソリ負け防止効果試験−
下記表7に示す組成の、製造例2のハナモツヤクノキの50質量%エタノール抽出物を含有するローション状の塗布液a(本発明品)、及びハナモツヤクノキの50質量%エタノール抽出物を含有しない以外は塗布液aと同じ組成の塗布液b(比較品)を調製した。
−カミソリ負け防止効果試験−
下記表7に示す組成の、製造例2のハナモツヤクノキの50質量%エタノール抽出物を含有するローション状の塗布液a(本発明品)、及びハナモツヤクノキの50質量%エタノール抽出物を含有しない以外は塗布液aと同じ組成の塗布液b(比較品)を調製した。
得られたローション状の塗布液a及びbについて、以下のようにして、カミソリ負け防止効果を試験した。なお、「カミソリ負け」とは、ひげ等の毛を剃った後、皮膚が赤くなりヒリヒリ痛んだり、腫れて熱を持ったり痒くなったりする症状であり、カミソリでひげ等の毛を剃った後の皮膚に細かい切り傷ができ、そこから細菌が感染して炎症が起こることによって生じる症状である。
<評価方法>
カミソリ負けする男性被験者20名を10名ずつ2群に分け、1群に対して前記塗布液a(本発明品)を、他の1群に対して前記塗布液b(比較品)をひげ剃り直後の皮膚に塗布し、以下の判定基準でカミソリ負け改善効果を評価した。
カミソリ負けする男性被験者20名を10名ずつ2群に分け、1群に対して前記塗布液a(本発明品)を、他の1群に対して前記塗布液b(比較品)をひげ剃り直後の皮膚に塗布し、以下の判定基準でカミソリ負け改善効果を評価した。
−判定基準−
カミソリ負けが消失した場合には「著効あり」、カミソリ負けが弱くなった場合には「有効」、カミソリ負けがやや弱くなった場合には「やや有効」、カミソリ負けに変化が認められない場合には「無効」と判定し、「無効」と判定した被験者が20%未満である場合には「A」、20%以上50%未満である場合には「B」、50%以上80%未満である場合には「C」、80%以上である場合には「D」と評価した。
カミソリ負けが消失した場合には「著効あり」、カミソリ負けが弱くなった場合には「有効」、カミソリ負けがやや弱くなった場合には「やや有効」、カミソリ負けに変化が認められない場合には「無効」と判定し、「無効」と判定した被験者が20%未満である場合には「A」、20%以上50%未満である場合には「B」、50%以上80%未満である場合には「C」、80%以上である場合には「D」と評価した。
<評価結果>
塗布液a(本発明品)のカミソリ負け防止効果は「A」と評価され、塗布液b(比較品)のカミソリ負け防止効果は「D」と評価された。なお、カミソリ負け防止効果についての判定と同時に、肌に対する刺激(ヒリヒリ感)の程度について感想を求めたところ、全ての被験者が両塗布液とも刺激を感じないと答えた。
この結果から、ハナモツヤクノキの抽出物がカミソリ負け防止作用、即ち抗炎症作用を有することが示された。
塗布液a(本発明品)のカミソリ負け防止効果は「A」と評価され、塗布液b(比較品)のカミソリ負け防止効果は「D」と評価された。なお、カミソリ負け防止効果についての判定と同時に、肌に対する刺激(ヒリヒリ感)の程度について感想を求めたところ、全ての被験者が両塗布液とも刺激を感じないと答えた。
この結果から、ハナモツヤクノキの抽出物がカミソリ負け防止作用、即ち抗炎症作用を有することが示された。
〔実施例6〕 肌荒れ改善作用(皮膚の老化防止・改善作用)試験
下記表8に示す製造例3のハナモツヤクノキのエタノール抽出物を配合した組成の乳液(以下、「本発明乳液」という)を常法に従って調製した。
下記表8に示す製造例3のハナモツヤクノキのエタノール抽出物を配合した組成の乳液(以下、「本発明乳液」という)を常法に従って調製した。
次に、前記本発明乳液と、製造例3のハナモツヤクノキのエタノール抽出物を含まない以外は本発明乳液と同じ組成からなる比較乳液とについて、以下のようにして、評価試験を行った。
<評価試験>
被験者:22〜43歳の女性多数の中から、皮溝・皮丘が消え、広範囲の角質がめくれている(表9に示す評価が1)、又は皮溝・皮丘が不鮮明で、角質が部分的にめくれている(表9に示す評価が2)、肌荒れと判定された20名を選抜して被験者とした。
被験者:22〜43歳の女性多数の中から、皮溝・皮丘が消え、広範囲の角質がめくれている(表9に示す評価が1)、又は皮溝・皮丘が不鮮明で、角質が部分的にめくれている(表9に示す評価が2)、肌荒れと判定された20名を選抜して被験者とした。
−塗布試験−
各被験者に、顔の右半分には本発明乳液を、左半分には比較乳液を、朝夕各1回、30日間塗布させた。
〔判定1:肌荒れ改善効果〕
塗布試験終了後、シルフロ(FLEXICL DEVELOPMENTS LTD製)によるレプリカ法を用いて顔のレプリカをとり、50倍の顕微鏡で皮紋の状態及び角質剥離の状態を観察し、表9に示す評価基準で肌の状態を判定した。判定結果を表10に示す。
各被験者に、顔の右半分には本発明乳液を、左半分には比較乳液を、朝夕各1回、30日間塗布させた。
〔判定1:肌荒れ改善効果〕
塗布試験終了後、シルフロ(FLEXICL DEVELOPMENTS LTD製)によるレプリカ法を用いて顔のレプリカをとり、50倍の顕微鏡で皮紋の状態及び角質剥離の状態を観察し、表9に示す評価基準で肌の状態を判定した。判定結果を表10に示す。
〔判定2・官能評価〕
使用感と肌への効果について、本発明乳液と比較乳液とを比較した場合の優劣を被験者全員に質問した。回答の集計結果を表11に示す。
使用感と肌への効果について、本発明乳液と比較乳液とを比較した場合の優劣を被験者全員に質問した。回答の集計結果を表11に示す。
従って、判定1及び2の結果から、ハナモツヤクノキ抽出物を配合した皮膚化粧料が皮膚の老化防止・改善作用(肌荒れ改善作用)を有すると共に、皮膚に適用した場合の使用感と安全性に優れていることが確認できた。
(配合実施例5) 錠剤状栄養補助食品
ハナモツヤクノキの水抽出物(製造例1)30g、コルチール47g、結晶セルロース15g、及びショ糖脂肪酸エステル8gを混合し、打錠して、錠剤状栄養補助食品を製造した。
ハナモツヤクノキの水抽出物(製造例1)30g、コルチール47g、結晶セルロース15g、及びショ糖脂肪酸エステル8gを混合し、打錠して、錠剤状栄養補助食品を製造した。
(配合実施例6) 栄養補助食品
ハナモツヤクノキのエタノール抽出物(製造例3)34g、ビートオリゴ糖1000g、ビタミンC167g、及びステビア抽出物10gを混合し、顆粒状に形成して栄養補助食品を製造した。
ハナモツヤクノキのエタノール抽出物(製造例3)34g、ビートオリゴ糖1000g、ビタミンC167g、及びステビア抽出物10gを混合し、顆粒状に形成して栄養補助食品を製造した。
本発明の抗炎症剤は、一酸化窒素(NO)産生抑制物質及びシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害物質の少なくともいずれかを含有してなり、経口的に摂取される一般食品、健康食品、保健機能食品、医薬部外品、医薬品などに幅広く用いられる。
本発明の抗老化剤は、コラーゲン合成促進物質、エストロゲン様作用物質及びヒアルロン酸合成促進物質から選択される少なくともいずれかを含有してなり、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、ゼリー、リップクリーム、口紅、入浴剤、トニック、リンス、シャンプー、アストリンゼントなどに幅広く用いられる。
本発明の抗老化剤は、コラーゲン合成促進物質、エストロゲン様作用物質及びヒアルロン酸合成促進物質から選択される少なくともいずれかを含有してなり、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、ゼリー、リップクリーム、口紅、入浴剤、トニック、リンス、シャンプー、アストリンゼントなどに幅広く用いられる。
Claims (6)
- マメ科ハナモツヤクノキ(Butea monosperma(Lam.)Taub.)の抽出物を含有することを特徴とする抗炎症剤。
- マメ科ハナモツヤクノキの抽出物が、一酸化窒素(NO)産生抑制物質及びシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害物質の少なくともいずれかを含有する請求項1に記載の抗炎症剤。
- マメ科ハナモツヤクノキ(Butea monosperma(Lam.)Taub.)の抽出物を含有することを特徴とする抗老化剤。
- マメ科ハナモツヤクノキの抽出物が、コラーゲン合成促進物質、エストロゲン様作用物質及びヒアルロン酸合成促進物質から選択される少なくともいずれかを含有する請求項3に記載の抗老化剤。
- 請求項1から4のいずれかに記載のマメ科ハナモツヤクノキの抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
- 請求項1から4のいずれかに記載のマメ科ハナモツヤクノキの抽出物を含有することを特徴とする飲食物。
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