JP2005035948A - 新規生理活性物質 - Google Patents

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雅宣 藤田
Kenichi Nomoto
研一 野本
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Tomohiro Samejima
朋宏 鮫島
Noriaki Sakata
紀秋 坂田
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Abstract

【課題】 PKC阻害活性を有する新規物質を単離し、PKCの病的な活性化を伴う各種疾患に対する予防および治療剤を提供すること。
【解決手段】 ペニシリウム属菌種の培養液より、式(I)の化合物を単離構造解析し、PKC阻害活性を有することを確認し、動脈硬化症、高血圧症、虚血性心疾患、心不全、糖尿病性合併症、癌、自己免疫疾患等への応用が図られた。
【化1】
Figure 2005035948

【選択図】 なし

Description

本発明は、新規生理活性物質及びその製造方法、並びにプロテインキナーゼC(PKC)を阻害することにより、動脈硬化症、高血圧症、虚血性心疾患、心不全、糖尿病性合併症、癌、自己免疫疾患等を治療する治療剤に関する。
PKCは、西塚ら(非特許文献1)によって発見された細胞内の情報伝達に重要な役割を果たしているセリン・スレオニン蛋白キナーゼである。現在、11種類のアイソエンザイムが知られており、その活性化にカルシウムと脂質の両方を必要とするcPKC、脂質のみで活性化するnPKC、活性化にそのいずれも必要としないaPKCに大別される。
PKCは細胞成長制御、調節及び分化に重要な役割を果たしている(非特許文献2)ので、その活性化は動脈硬化症、高血圧症、虚血性心疾患、心不全、糖尿病性合併症などの心脈管系疾患、癌、自己免疫疾患を含む炎症などの多くのヒト疾患プロセスに関与している(非特許文献3)。従って、PKCの阻害は、これら障害の治療に大きな価値を有すると考えられる。
Nature, 308, 693-698, 1984 Protein kinase C. Parker, P.J.; Dekker, L.V., Eds. Springer: London 1997 Current Medicinal Chemistry, 1999. 6. 877-903, Peter G. Goekjian and Michael R. Jirousek: Protein kinase C in the Treatment of Disease: signal Transduction Pathways, Inhibitors and Agents in Development
本発明の課題は、PKC阻害活性を有する新規物質を単離し、PKCの病的な活性化を伴う各種疾患に対する予防および治療剤を提供することにある。
上記現状に鑑み、本発明者らは微生物培養液を原料として、PKC阻害物質の探索スクリーニングを行った。その結果、ペニシリウム属に属する微生物Mer-f7019の培養液中にPKC阻害物質が産生されることを見出した。この活性物質を単離・構造決定したところ下記式(I)で表される新規活性物質EM-f7019Aであることが判明した。
Figure 2005035948
すなわち本発明は、下記(1)〜(4)に関する。
(1) 式(I)で表される化合物、もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの水和物。
(2) 式(I)で表される化合物、もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの水和物を含有して成る、PKCの阻害が奏功する疾患の治療剤。
(3) PKCの阻害が奏功する疾患が、動脈硬化症、高血圧症、虚血性心疾患、心不全、糖尿病性合併症、癌または自己免疫疾患である、(2)に記載の治療剤。
(4) ペニシリウム・エスピー・エムイーアール・エフ7019(Penicillium sp. Mer-f7019, FERM P-17972)を栄養培地中で培養し、その培養液から式(I)で表される化合物を採取する事を特徴とする、式(I)で表される化合物、もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの水和物の製造方法。
本発明により新規PKC阻害剤が見出され、動脈硬化症、高血圧症、虚血性心疾患、心不全、糖尿病性合併症、癌、自己免疫疾患の治療薬としての応用の可能性が開かれた。
本発明について、1.分離された生産菌の性状、2.生産菌の培養法、3.活性物質の精製法、4.活性物質の利用法の順に詳細に説明する。
1.分離された生産菌の性状
本発明化合物の精製原料として、当該物質を生産するペニシリウム属の菌種はいずれも使用可能であると期待されるが、本発明の代表的な菌株として、九州地方の土壌より分離された糸状菌で、本発明者らがMer-f7019菌株と番号を付した菌株が挙げられる。この菌株の菌学的性状は次の通りである。
1) 肉眼的観察
Pittの同定法に従い、CYA (Czapek Yeast Extract Agar)培地、MEA (Malt Extract Agar)培地、G25N (25% Glycerol Nitrate Agar)培地で7日間培養を行い、観察した。
a) CYA培地、25℃培養:コロニー直径は38〜45mmとなり、放射状に溝を形成した。菌糸は白色かつ稠密で、分生子形成を欠いていた。また、透明な滲出液を微量生じた。コロニー裏面は白色を呈した。
b) MEA培地、25℃培養:コロニー直径は40〜50mmとなり溝を形成しなかった。コロニー表面は平坦なベルベット状であった。菌糸は白色で、灰緑色の分生子を着生した。コロニー中央部は濃緑色で、コロニー裏面は白色を呈した。
c) G25N培地、25℃培養:コロニー直径は13〜15mmで溝やしわを形成しなかった。菌糸は白色で、コロニー中央部は濃緑色、コロニー裏面は白色を呈した。
d) CYA培地、37℃培養:コロニー直径は3mm以下で、菌糸、コロニー裏面共に白色を呈した。
2) 分生子形成構造
アナモルフ種分類の根拠となる分生子形成構造を、光学顕微鏡、電子顕微鏡を用いて観察したところ、ペニシラスが観察された。分生子柄は長く、200μm以上となった。単輪生(monoverticillate)から三輪生(terverticillate)まで見られるが、複雑な構造をもつものが多く観察された。粗面で末端または末端付近に粗面円筒形のメトレ(2.3〜3.3×10〜20μm)あるいは粗面アンプル形のフィアライド(2.5〜3.5×9〜11μm)を生じた。また、分生子は球形〜亜球形の構造を有し、直径2.5〜3.5μmであった。表面には粗面を構成する突起のほか僅かながら溝のようなものも観察された。
以上の菌学的性質から本菌をペニシリウム(Penicillium)属の菌と同定した。本発明者は本菌をペニシリウム・エスピー・エムイーアール・エフ7019(Penicillium sp. Mer-f7019)として工業技術院微生物工業技術研究所(現、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター)にFERM P-17972の番号で寄託している。
2.生産菌の培養法
上記微生物の培養方法は、通常は液体培養による振盪培養法、通気攪拌培養法などの好気的条件下で行なうのが好適である。
培養に用いられる培地としては、ペニシリウム属に属する微生物が利用できる栄養源を含有する培地であればよく、各種の合成培地、半合成培地、天然培地などいずれも用いることができる。培地組成としては炭素源としてのグルコース、シュークロース、フルクトース、グリセリン、デキストリン、澱粉、糖蜜、コーン・スティープ・リカー、有機酸などを単独または組み合わせて用い得る。窒素源としてはファーマメディア、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、大豆粉、カゼイン、アミノ酸、尿素などの有機窒素源、硝酸ナトリウム、硫酸アンモニウムなどの無機窒素源を単独または組み合わせて用い得る。
ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、燐酸塩、その他の重金属塩なども必要に応じて添加使用され得る。なお、培養中発泡の著しいときは公知の各種消泡剤を適宜培地中に添加することもできるが、その添加は目的物質の生産に悪影響をあたえないものとする必要がある。
培地のpHは微生物の至適pH範囲、通常中性付近とするのが望ましい。培養温度は、微生物が良好に生育する温度、通常20〜40℃、特に好ましくは25℃付近に保つのがよい。培養時間は液体培養の場合、1〜14日間程度とされる。
上述した各種の培養条件は、使用微生物の種類や特性、外部条件などに応じて適宜変更でき、またそれぞれに応じて上記範囲から最適条件を選択、調節される。
3.活性物質の精製法
培養終了後、培養液から化合物EM-f7019Aを採取するためには、一般に微生物代謝産物をその培養液から単離するために用いられる分離、精製の方法が利用できる。例えば、ブタノール、酢酸エチル、クロロホルム等を用いた有機溶媒抽出、各種のイオン交換クロマトグラフィー、セファデックスLH-20等を用いたゲル濾過クロマトグラフィー、活性炭、シリカゲル等による吸着クロマトグラフィー、もしくは薄層クロマトグラフィーによる吸脱着処理、あるいは逆相カラム等を用いた高速液体クロマトグラフィー等の公知のあらゆる方法がこれにあたる。また、ここに示した方法に特に限定されるものではない。
これらの方法を単独あるいは任意の順序に組み合わせ、また反復して用いることにより、化合物EM-f7019Aを単離、そして採取することができる。
4.活性物質の利用法
PKC阻害剤は、動脈硬化症、高血圧症、虚血性心疾患、心不全、糖尿病性合併症などの心脈管系疾患、癌、自己免疫疾患を含む炎症などの多くのヒト疾患の治療剤として有効である。
化合物EM-f7019A、もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの水和物を各種疾患治療・予防剤として投与する場合、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤などとして経口的に投与してもよいし、また噴霧剤、坐剤、注射剤、外用剤、点滴剤として非経口的に投与してもよい。投与量は症状の程度、年齢、疾患の種類などにより著しく異なるが、通常成人1日当たり約 1mg〜100mg を1日1〜数回にわけて投与する。
製剤化の際は通常の製剤担体を用い、常法により製造する。すなわち、経口用固形製剤を調製する場合は、主薬に賦形剤、更に必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤などを加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などとする。これらの錠剤、顆粒剤には糖衣、ゼラチン衣、その他必要により適宜コーティングすることは勿論差し支えない。
注射剤を調製する場合には、主薬に必要によりpH調整剤、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤などを添加し、常法により皮下、筋肉内、静脈内用注射剤とする。
なお、本発明の化合物EM-f7019Aの塩としては、薬理学上許容される塩基との塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩等が例示される。
以下の実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]EM-f7019Aの培養及び精製
Mer-f7019株のポテトデキストロース寒天(PDA)斜面培地から、菌体1白金耳を殺菌済みの培地(ポテト澱粉2%、グルコース1%、エスサンミート2%、KH2PO4 0.1%、MgSO4(7水和物) 0.05%、pH無調整)60mlをいれた500ml容の三角フラスコに接種し、25℃で3日間回転振とう培養機上で培養して種培養液を得た。この種培養液1mlを60mlの生産培地を含む500ml容の三角フラスコに接種した。生産培地の組成は種培養に用いたものと同一であった。接種された各フラスコを回転振とう培養機上、28℃で3日間培養を行った。培養量は、必要に応じて容量、本数を適宜増減した。
培養終了後、培養液5Lを遠心分離器にかけ、上清と菌体とに分離した。また、菌体を1Lのメタノールで抽出し、得られたメタノール抽出物を減圧下で濃縮してメタノールを留去し上清と混合した。混合液に水で膨潤したダイヤイオンHP-20 0.5Lを加え撹拌した後、樹脂をろ取してカラムに充填し蒸留水2Lで洗浄した。続いて、80%メタノール4Lで溶出し、溶出液を減圧下で濃縮してメタノールを留去した。残った水溶液を凍結乾燥して粗抽出物を得た。
この粗抽出物を少量のジメチルスルホキシドに溶解し、アセトニトリル:10mMリン酸緩衝液(pH 7.0)=1:9の混合溶液で予め平衝化しておいたYMC-GEL ODS-AM 120-S50(ワイエムシィ社製)のカラム(内径120mm×長さ50mm)に付した。同じ組成の混合溶媒で洗浄 (1L)し、続いて、2:8の組成の混合溶媒 (1L)で溶出した。溶出液のアセトニトリルを減圧下留去した後、水で膨潤したダイヤイオンHP-20を加え撹拌した後、樹脂をカラムに充填し、蒸留水で洗浄した。続いて80%メタノールで溶出し、溶出液を減圧下で濃縮してメタノールを留去した。残った水溶液を凍結乾燥して粗精製物を得た。
この粗精製物を少量のテトラヒドロフラン:メタノール:蒸留水=1:1:1の混合溶媒に溶解し、同じ混合溶液で予め平衝化しておいたSephadex LH-20(ファルマシア社製)のカラム(内径50mm×長さ500mm)に付し同じ組成の混合溶媒で溶出した。溶出液は高速液体クロマトグラフで分析し、 EM-f7019A (カラム:J’sphere ODS-M80内径4.6mm×長さ75mm(ワイエムシイ社製)、移動層:アセトニトリル:蒸留水=5:95→100:0を30minの濃度勾配、流速:1mL/min、検出:210nmにおける紫外吸収、保持時間:10.2min)を含む溶出液を集め、EM- f7019Aを含むフラクションを得た。溶出液を減圧下で濃縮しテトラヒドロフランとメタノールを留去した。残った水溶液を凍結乾燥して粗精製物を得た。
さらに、このものを少量のテトラヒドロフラン:メタノール:蒸留水=1:1:0.1の混合溶媒に溶解し、同じ混合溶液で予め平衝化しておいたSephadex LH-20(ファルマシア社製)のカラム(内径50mm×長さ500mm)に付し、同じ組成の混合溶媒で溶出した。溶出液は高速液体クロマトグラフで分析し、EM-f7019Aを含む溶出液を集めた。溶出液を減圧下で濃縮し、テトラヒドロフランとメタノールを留去した。残った水溶液を凍結乾燥して粗精製物を得た。
このものを少量のテトラヒドロフラン:蒸留水=1:1の混合溶媒に溶解し、分取HPLC(カラム:J’sphere ODS-M80内径20mm×長さ250mm(ワイエムシイ社製)、移動層:アセトニトリル:10mMリン酸緩衝液(pH 7.0)=10:90→30:70を70minの濃度勾配、流速:10mL/min、検出:210nmにおける紫外吸収、保持時間:31.5min )に付した。この分取をくりかえし、溶出液を併せアセトニトリルを減圧下留去した。
この水溶液をHPLC上カラム(カートリッジガードカラムE、内径4mm×長さ10mm(ジーエルサイエンス社製))に導入後蒸留水で洗浄した。続いてメタノールで溶出し、溶出液を減圧下で濃縮しメタノールを留去した。残った水溶液を凍結乾燥してEM-f7019Aの純粋な黄色粉末を5.7mg得た。
[実施例2]EM-f7019Aの理化学的性質
1.色および性状:黄色粉末
2.分子式:C29H28N2O11
3.マススペクトル(FAB-MS):m/z 581(M+H)+
4.比旋光度:[α]D 21 −126.1(c 0.1, MeOH)
5.紫外部吸収スペクトル:中性メタノール中:λmax nm(ε):258 (13200)
6.赤外部吸収スペクトル:KBr粉末中で測定した。主な吸収を示す。(波数、cm-1
3080, 2960, 1720, 1710, 1610, 1560, 1510, 1420, 1380, 1240, 1130, 1060, 1000, 910, 850, 770
7.1H NMRスペクトル、13C NMRスペクトル:
重ジメチルスルホキシド溶液中で測定した結果を表1に示す。
Figure 2005035948
8.溶解性:
可溶:酢酸エチル、クロロホルム、メタノール、ジメチルスルホキシド
不溶:ヘキサン、中性の水
9.高速液体クロマトグラフィー分析条件:
カラム:J’sphere ODS-M80、内径4.6mm×長さ75mm(ワイエムシイ社製)
溶媒:アセトニトリル:蒸留水5:95→100:0を20minの濃度勾配
流速:1mL/min
検出波長:210nmにおける紫外吸収
保持時間:10.2min
[実施例3]EM-f7019AのPKC阻害活性
1) ヒト巨核芽球性白血病細胞におけるEM-f7019AのPKC阻害活性
EM-f7019Aのヒト巨核芽球性白血病細胞におけるPKC活性の阻害を検討した。
すなわち、225cm2のフラスコに培養したヒト巨核芽球性白血病細胞株をPBSで洗浄した後、1×107 cells/mlの濃度でキナーゼ緩衝液に懸濁する。1.5mlのチューブに細胞懸濁液を160μl分注した後、各濃度のEM-f7019Aを20μl加え室温で30分間インキュべートする。その後、digitonin(50μg/ml)、ATP(100μM)、基質ペプチド(100μM:Arg-Lys-Arg-Thr-Leu-Arg-Arg-Leu、Sigma V-2131)、PMA(100nM))、33P-γATP(AH9968、アマシャムファルマシアバイオテク社製)を同時に20μl加え反応を開始し、30℃で12分間インキュべートする。10%TCAを50μl加え反応を停止し、3000rpmで2分間遠心後、上清40μlをP81 phosphocelluroseフィルターにスポットする。75mM phosphoric acidを用いてフィルターを洗浄した後、放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定する。
表2に0.2%DMSO添加時に得られた値を100%とした、EM-f7019Aの各濃度における阻害率(%)を示した。EM-f7019AのPKC活性阻害のIC50値は約2nMであった。
Figure 2005035948
2) 精製PKCを用いたcell free系でのPKC阻害活性
EM-f7019AのPKC阻害活性を、市販のPKC活性アッセイシステム(RPN77、アマシャムファルマシアバイオテク社製)のプロトコールに従い測定した。
すなわち、Ca2+緩衝液、脂質緩衝液、合成基質ペプチド(Arg-Lys-Arg-Thr-Leu-Arg-Arg-Leu-OH)緩衝液、DTT緩衝液、ATP-Mg2+緩衝液(33P-ATPを含む)から成る混合液30μlとEM-f7019A 5μlをインキュべートする。そこに精製PKCα(V2227、TAKARA社製)又は精製PKCβII(V2251、TAKARA社製)を10ng/15μlとなるように加えて、反応を37℃で開始する。15分後に10μlの反応停止液を加え、反応を停止する。3000rpmで2分間遠心後、上清35μlをP81 phosphocelluroseフィルターにスポットする。75mM phosphoric acidを用いてフィルターを洗浄した後、放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定する。
その結果を0.2%DMSO添加時(対照)に得られた値を100%として、EM-f7019Aの各濃度における阻害率(%対照)として表3に示す。いずれのPKCに対してもEM-f7019Aの阻害のIC50値は8〜10nMであった。
Figure 2005035948

Claims (4)

  1. 式(I)で表される化合物、もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの水和物。
    Figure 2005035948
  2. 請求項1に記載の式(I)で表される化合物、もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの水和物を含有して成る、プロテインキナーゼC(PKC)の阻害が奏功する疾患の治療剤。
  3. PKCの阻害が奏功する疾患が、動脈硬化症、高血圧症、虚血性心疾患、心不全、糖尿病性合併症、癌または自己免疫疾患である、請求項2に記載の治療剤。
  4. ペニシリウム・エスピー・エムイーアール・エフ7019(Penicillium sp. Mer-f7019, FERM P-17972)を栄養培地中で培養し、その培養液から請求項1に記載の式(I)で表される化合物を採取する事を特徴とする、請求項1に記載の式(I)で表される化合物、もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの水和物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009157802A1 (ru) * 2008-06-25 2009-12-30 Mikheeva Tatyana Germanovna Штамм гриба реniсilliuм vеrruсоsuм, используемый для получения средства, обладающего иммуномодулирующими свойствами, и средство-иммуномодулятор на его основе

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WO2009157802A1 (ru) * 2008-06-25 2009-12-30 Mikheeva Tatyana Germanovna Штамм гриба реniсilliuм vеrruсоsuм, используемый для получения средства, обладающего иммуномодулирующими свойствами, и средство-иммуномодулятор на его основе

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