JP2005035419A - 車両用サンバイザの取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車体パネルP又はサンバイザ本体3の一方に節度付与部材29が、また車体パネルP又はサンバイザ本体3の他方にステー5がそれぞれ設けられていて、このステー5が節度付与部材29に対して相対的に摺動しながら回動するように嵌入され、サンバイザ本体3が格納位置と遮光位置とに切り替わるようにした車両用サンバイザ1の取付構造において、簡単で安価な構造によって、サンバイザ本体3の回動に節度を付与させる節度機能と、ステー5を支持する支持機能とを持たせる。
【解決手段】ステー5を節度付与部材29に嵌入してステー5の軸線方向に離間して設けた環状部31のステー支持部33,33に支持すると共に、ステー5の節度部9又は該節度部9に周方向に連続する外周面11のいずれか一方を節度付与部材29の節度付与部35に対して圧接して保持する。
【選択図】図1
【解決手段】ステー5を節度付与部材29に嵌入してステー5の軸線方向に離間して設けた環状部31のステー支持部33,33に支持すると共に、ステー5の節度部9又は該節度部9に周方向に連続する外周面11のいずれか一方を節度付与部材29の節度付与部35に対して圧接して保持する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両に運転席や助手席への直射光を遮るために設けられる車両用サンバイザの取付構造に関するものである。
一般に、この種の車両用サンバイザでは、そのサンバイザ本体を格納位置と遮光位置とに切り替わるようにするために、車体又はサンバイザ本体の一方に節度付与部材を、また車体又はサンバイザ本体の他方にステーをそれぞれ設け、このステーを節度付与部材に対して相対的に摺動しながら回動するように嵌入している。
このような車両用サンバイザの取付構造として、従来、サンバイザ本体内にワイヤーに保持された樹脂製ホルダを設け、このホルダに節度付与部材としての板バネを挿入固定し、該ホルダによってステーを支持させると共に、板バネによってサンバイザ本体の回動に節度を付与させ、かつサンバイザ本体の垂れ下がりを防止するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来の車両用サンバイザの取付構造では、サンバイザ本体の回動に節度を付与する部品(板バネ)と、ステーを支持する部品(ホルダ)とが別々に設けられているため、部品点数が増えてコストがかかるという問題があった。
さらに、上記従来の構造では、サンバイザ本体の回動に節度を付与させる板バネとサンバイザ本体の垂れ下がりを防止する板バネとを別々に設けているため、構造が複雑となり、この点でもコストがかかるという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ステーの支持構造に工夫を加えることにより、簡単で安価な構造でサンバイザ本体の回動に節度を付与させる節度機能と、ステーを支持する支持機能とを発揮することができる車両用サンバイザの取付構造を提供しようとすることにある。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明では、車体又はサンバイザ本体の一方に節度付与部材が、また車体又はサンバイザ本体の他方にステーがそれぞれ設けられていて、このステーが節度付与部材に対して相対的に摺動しながら回動するように嵌入され、サンバイザ本体が格納位置と遮光位置とに切り替わるようにした車両用サンバイザの取付構造を対象とする。
そして、上記ステーは、円柱体の外周面の一部を切り欠いて形成した節度部を備え、上記節度付与部材は、板状のバネ材を環状に折曲してステーを嵌入する環状部と、この環状部におけるバネ材の両端部から環状部の半径方向に延びて互いに重合する取付部とが一体に形成され、上記環状部には、ステーの軸線方向に離間して配置されてステーを支持する一対の環状のステー支持部と、両ステー支持部間において、環状部内に位置しかつ該環状部の略半径方向に変位可能なように該環状部から折り曲げられ、上記サンバイザ本体の回動に伴って上記ステーの節度部又は該節度部に周方向に連続する外周面のいずれか一方に対して圧接する節度付与部とが一体に形成される構成とする。
上記の構成によると、節度付与部材が車体に設けられたときには、サンバイザ本体にステーが設けられる一方、節度付与部材がサンバイザ本体に設けられたときには、車体にステーが設けられるが、いずれの場合においても、ステーが節度付与部材に嵌入され、ステーの軸線方向に所定の間隔を空けて設けられた環状部のステー支持部に支持されると共に、ステーの節度部又は該節度部に周方向に連続する外周面のいずれか一方が節度付与部に対して圧接してサンバイザ本体が保持される。つまり、ステー支持部は、ステーの軸線方向に離間して配置されているので、ステーを安定して確実に支持することができる。また、節度付与部材の節度付与部が環状部の略半径方向外側に拡径されてステーの節度部に周方向に連続する外周面に圧接しているときには、この外周面が節度付与部に相対的に摺動しながら、サンバイザ本体が回動される。このとき、節度付与部の弾性力によりサンバイザ本体が遮光位置に保持されて垂れ下がることはない。そして、サンバイザ本体が格納位置に向かって回動されると、拡径されていた節度付与部が元の形状に戻ろうとする力によって環状部の略半径方向内側に変位してステーの節度部に圧接することで、サンバイザ本体が格納位置に確実に保持される。このようにして、サンバイザ本体が節度を持って格納位置と遮光位置とに切り替えられる。
したがって、1つの節度付与部材によって、車両用サンバイザにサンバイザ本体の回動に節度を付与させる節度機能と、ステーを支持する支持機能とを持たせることができる。
請求項2の発明では、節度付与部材の環状部には、節度付与部のステーの軸線方向の両端と、一対のステー支持部との間にそれぞれ第1スリット部が形成され、両第1スリット部は、上記節度付与部が揺動するようにステーの軸線方向と平行に延びる第2スリット部により互いに連続している構成とする。
上記の構成によると、環状部に設けられた第1スリット部と第2スリット部によって節度付与部が、その先端側を第2スリット部側に位置し、基端側を第2スリット部の反対側に位置するように切り欠かれて形成されている。すなわち、節度付与部は、その基端側を軸心として環状部の略半径方向に向かって揺動されることで、サンバイザ本体を節度を持って支持する。したがって、節度付与部とステー支持部とが両スリット部によって区切られているため、節度付与部の揺動が容易となり、これによりステーの支持部が拡径方向に変位してステーに対する保持力が低下することはない。
以上説明したように、請求項1の発明の車両用サンバイザの取付構造によると、ステーを節度付与部材に嵌入してステーの軸線方向に離間して設けた環状部のステー支持部に支持すると共に、ステーの節度部又は該節度部に周方向に連続する外周面のいずれか一方を節度付与部材に対して圧接して保持したことにより、簡単で安価な構造によって節度機能と支持機能とを発揮することができる車両用サンバイザの取付構造が得られる。
請求項2の発明では、節度付与部材の環状部に、節度付与部のステーの軸線方向の両端と一対のステー支持部との間にそれぞれ第1スリット部を形成し、両第1スリット部を上記節度付与部が揺動するようにステーの軸線方向に延びる第2スリット部により互いに連続させたことにより、両者の節度機能と支持機能の機能分担が明確にされ、本発明の作用効果がさらに顕著に発揮される。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図6はオープンカーの運転席前側のフロントウインド部分を示し、PはフロントウインドWが取り付けられた車体パネルで、この車体パネルPには、本発明の実施形態に係る車両用サンバイザ1が取り付けられている。
図6はオープンカーの運転席前側のフロントウインド部分を示し、PはフロントウインドWが取り付けられた車体パネルで、この車体パネルPには、本発明の実施形態に係る車両用サンバイザ1が取り付けられている。
図1にも示すように、上記車体パネルPの車室側表面は車体内装板21(フロントヘッダトリム)によって覆われ、この車体内装板21には、その一部を略矩形状に凹陥してなるサンバイザ収容部23が形成されている。このサンバイザ収容部23のうちの車体左下側部分には、他の部分よりも隆起したサンバイザ取付部25が形成されている。このサンバイザ取付部25内は空洞になっていて、その右側壁には水平方向の中心を有するステー貫通孔(図示せず)が開口され、このステー貫通孔によりサンバイザ取付部25の内外が連通している。
また、上記サンバイザ取付部25の上側における車体内装板21(サンバイザ収容部23)にはビス挿通孔23aが、またこのビス挿通孔23aに対応する車体パネルPにはビス挿通孔P1がそれぞれ同じ軸線上に貫通形成され、この車体パネルPの裏側(車体前側)にはビス挿通孔P1に対応してウエルドナットNが固着されている。
上記サンバイザ1は、図5及び図6に示すように、車幅方向に長い略矩形板状に形成されたサンバイザ本体3と、このサンバイザ本体3の下部に一体に形成された円柱体のステー5とを一体形成した樹脂成形品からなり、ステー5の先端部はサンバイザ本体3から車体左側に向けて略水平方向に突出している。
上記サンバイザ本体3は、その格納位置における車体左下側(同図の左下側)に位置する角部を平面視略L字状に切り欠いてなる切欠部3aを有し、この切欠部3aに対応するサンバイザ本体3裏側に上記ステー5が先端部を切欠き部3a内に突出させるように一体に形成されている。図3に拡大詳示するように、このステー5の先端部には、外周面11の外径が基端側よりも若干小さくなるように挿入部7が形成されている。挿入部7の先端には、ステー5の節度付与部材29(詳細後述)への挿入が容易になるようにテーパ面7aが形成されている。
そして、挿入部7には、そのサンバイザ本体3が格納位置で表側(車室側)となる部分に、外周面11の一部をステー5の軸線と略平行に切り欠いて形成した平坦面からなる節度部9が設けられている。
なお、図4に示すように、サンバイザ本体3の周縁部には、該サンバイザ本体3の補強のために全周に亘ってガスインジェクション成形方法により中空部3bを有するリブ3cが形成されている。
図1及び図2に示すように、本発明の特徴として、上記車体内装板21のサンバイザ取付部25の内部には、上記ステー5の挿入部7を保持する節度付与部材29が設けられている。この節度付与部材29には、矩形板状の金属製(他の材料でもよい)バネ材を環状に折曲したもので上記ステー5を嵌入する環状部31と、該環状部31におけるバネ材の両端部から環状部31の半径方向に延びて互いに重合する取付部39とが一体に形成されている。上記取付部39には、ビス51が挿通されるビス挿通孔39aが貫通形成されている。
上記節度付与部材29は、その環状部31の開口を車体左右方向に向けるようにして車体パネルPと車体内装板21のサンバイザ取付部25との間に配置し、その状態でビス51を上記ビス挿通孔P1,23a,39aに挿通してナットNに螺合させることで、上記取付部39を車体パネルPに締結固定されている。
上記環状部31の両端には、ステー5を支持する一対の環状のステー支持部33,33がステー5の軸線方向(車体左右方向)に離間して配置されている。また、環状部31には、このステー支持部33,33と一体に節度付与部35が形成されている。つまり、節度付与部材29の環状部31には、節度付与部35のステー5の軸線方向の両端と、一対のステー支持部33との間にそれぞれステー5の軸線方向と直交する方向に互いに平行に延びる直線状の第1スリット部41,41が形成され、両第1スリット部41,41は、節度付与部35が揺動するようにステー5の軸線方向と平行に延びる直線状の第2スリット部43により連続している。言い換えれば、スリット部41,41,43は、両ステー支持部33,33間において、平面視コ字状に連続するように形成されている。このようにして、節度付与部35は、その基端側35aが取付部39の反対側に位置するようにして環状部31内に設けられている。そして、節度付与部35は、その基端側35aを軸心として先端側35bが環状部31の略半径方向に揺動可能かつ該環状部31内に位置するように環状部31から半径方向内側に向かって折り曲げられている。
また、ステー支持部33,33は、ステー5の挿入部7の外径よりも若干大きい内径を有し、ステー5を回動可能に支持するようになっている。
そして、上記ステー5の挿入部7がそのテーパ面7a側から上記サンバイザ取付部25のステー貫通孔に挿通されて上記節度付与部材29の環状部31内に押し込まれている。このことで、サンバイザ本体3は、ステー5の挿入部7が節度付与部材29に対して相対的に摺動すると共に、ステー支持部33,33に支持されながら、ステー5の軸心回りに略180°の回動範囲で回動可能となる。このとき、節度付与部35は、上記サンバイザ本体3の回動に伴って上記ステー5の節度部9又は節度部9に周方向に連続する外周面11のいずれか一方に対して圧接している。こうしてサンバイザ本体3は、車体パネルPに沿うように位置する格納位置(図1の実線状態)と、フロントウインドW側に位置する遮光位置(例えば、同図の仮想線の状態)とに節度を持って切り替えられるようになっている。
次に、上記車両用サンバイザ1を車体パネルPに取り付ける方法について説明する。まず、図1に示すように、節度付与部材29の環状部31が車体パネルPと車体内装板21のサンバイザ取付部25との間に位置すると共に、節度付与部材29の取付部39におけるビス挿通孔39aがサンバイザ収容部23のビス挿通孔23aに合致するように節度付与部材29を車体パネルPと車体内装板21との間に挟持する。この状態で、サンバイザ収容部23の表側から上記ビス挿通孔23a,39a,P1にビス51を挿入し、このビス51の先端部を車体パネルPの裏面に固着されたナットNに螺合させることで車体内装板21と節度付与部材29とを車体パネルPに締結固定する。
次いで、車両用サンバイザ1のステー5の挿入部7をサンバイザ取付部25の右側壁部のステー貫通孔に挿通して上記節度付与部材29の環状部31内に押し込む。この押し込みに伴い節度付与部材29の節度付与部35が拡径するように変形され、その弾性力によってステー5の挿入部7が圧接状態で保持されると共に、ステー支持部33,33に支持される。このことで、車両用サンバイザ1が車体パネルPに回動可能に取り付けられる。格納状態では、ステー5の節度部9が節度付与部材29の節度付与部35に圧接している。
そして、このようにして車体パネルPに取り付けられて格納状態に保持された車両用サンバイザ1を使用する際には、サンバイザ本体3をステー5の挿入部7の軸心を中心としてフロントウインドWに近づくように後回りに回動させる。このサンバイザ本体3の格納状態を解除するときには、節度付与部35が環状部31の半径方向外側に向かって基端側35aを中心に揺動される。遮光位置ではステー5の節度部9に周方向に連続する外周面11が環状部31の節度付与部35に圧接し、この圧接による節度付与部35の弾性力によって、サンバイザ本体3が垂れ下がらないように乗員の好みの遮光位置に保持され、運転席の乗員への直射光が遮られる。
一方、上記遮光状態の車両用サンバイザ1を格納するときには、サンバイザ本体3を上記遮光位置から前回りに回動させて車体パネルPに沿う格納位置に位置付ける。この際節度付与部材29の節度付与部35が上記ステー5の外周面11から節度部9に移行するとき、節度付与部35は、その弾性力によって縮径されて上記節度部9に移行し、この縮径状態での節度付与部35の圧接によってサンバイザ本体3が格納位置に確実に保持される。
したがって、上記実施形態1による車両用サンバイザ1の取付構造によると、ステー5を節度付与部材29に嵌入してステー5の軸線方向に離間して設けた環状部31のステー支持部33,33に支持すると共に、ステー5の節度部9又は該節度部9に周方向に連続する外周面11のいずれか一方を節度付与部材29の節度付与部35により圧接されるようにしたことにより、簡単で安価な構造で節度機能と支持機能とを発揮することができる車両用サンバイザ1の取付構造が得られる。
また、節度付与部材29の環状部31に、節度付与部35のステー5の軸線方向の両端と一対のステー支持部33,33との間にそれぞれ第1スリット部41を形成し、両第1スリット部41,41を節度付与部35が揺動するようにステー5の軸線方向と平行に延びる第2スリット部43により互いに連続させたことにより、両者の節度機能と支持機能の機能分担が明確にされるので、本実施形態の作用効果がさらに顕著に発揮される。
−実施形態1の変形例−
なお、上記実施形態1では、ステー5をサンバイザ本体3の裏側に一体に形成したが、ステーをサンバイザ本体の左側側面から突出させるように一体形成してもよい。
なお、上記実施形態1では、ステー5をサンバイザ本体3の裏側に一体に形成したが、ステーをサンバイザ本体の左側側面から突出させるように一体形成してもよい。
さらに、上記実施形態1では、ステー5の挿入部7をサンバイザ本体3の左側から突出させてサンバイザ本体3を左側のサンバイザ取付部25のみで保持するようにしたが、ステーをサンバイザ本体の右側からも突出させると共に、車体内装板のサンバイザ取付部を左右2ヶ所に設け、サンバイザ本体を左右両側のサンバイザ取付部で保持するようにしてもよい。この場合に、節度付与部材を左右両側のサンバイザ取付部に設けてもよく、あるいはどちらか一方のサンバイザ取付部のみに設けてもよい。
また、上記実施形態1では、オープンカーの車体パネルPに車両用サンバイザ1を取り付けたが、オープンカーでない車体の天井面に車両用サンバイザを取り付けてもよいのは勿論のことである。この場合には、サンバイザ本体の格納位置において、サンバイザ本体が車体の天井面に沿うように車両用サンバイザを取り付ければよい。
(実施形態2)
図7〜図10は本発明の実施形態2を示し、特に節度付与部材29の設置位置が異なる点で上記実施形態1と異なる。なお、以下の実施形態では、図1〜図6と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
図7〜図10は本発明の実施形態2を示し、特に節度付与部材29の設置位置が異なる点で上記実施形態1と異なる。なお、以下の実施形態では、図1〜図6と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
図9及び図10に示すように、サンバイザ本体103は鉛直軸部105aと水平軸部105bとを備えたL字形の円柱体よりなるステー105により、車体(図示せず)に取り付けられている。上記ステー105は鉛直軸部105a回りにほぼ水平方向へ回動すると共に、上記水平軸部105bにサンバイザ本体103が取り付けられ、該サンバイザ本体103は水平軸部105b回りに前後回りに回動して車体パネルに設けられた車体内装板(天井内装板)107に沿うように位置する格納位置(図10実線の状態)と、車両のフロントウインドW内面に沿うように位置する遮光位置(図10仮想線の状態)とに切り替え可能に構成されている。
図8及び図9に示すように、上記サンバイザ本体103は、略矩形状の切欠部109に設けられた支承バー111を車体に取り付けられたフック133(図10にのみ示す)に嵌合することで、この支承バー111及びステー105の水平軸部105bの回りにサンバイザ本体103を前後回りに回動可能としている。
そして、上記サンバイザ本体103は、その格納姿勢において車幅方向(サンバイザ本体103の長手方向)に延びる中央の断面V字形の薄肉ヒンジ113を境に、車室側に面して表面部を構成する第1平面体115と、車体内装板107側に面して裏面部を構成する第2平面体117とに厚み方向に対称に2分割されて半割形状に形成されている。第1平面体115及び第2平面体117は、上記薄肉ヒンジ113を中心に折り曲げられてそれぞれの外周縁部に一体に立設された側壁部115b,117bを互いに突き合わせることにより、内部に中空部118(図7にのみ示す)が形成されるように、重合されて偏平板状に組み合わされている。
図8に示すように、上記第1平面体115の平面部115a内面において、薄肉ヒンジ113と反対側の側壁部115b近傍の車幅方向一端側には一対の第1リブ121,122が車幅方向に間隔を有して一体に立設されている。一方、上記第2平面体117の薄肉ヒンジ113と反対側の側壁部117b近傍の車幅方向一端側には一対の第2リブ123,124が上記第1リブ121,122に略対応するよう車幅方向に間隔を有して立設されており、第1及び第2平面体115,117を互いに重合させたときに、第1リブ121,122が第2リブ123,124間に位置して車幅方向に一列に並び、一方の第1リブ121と一方の第2リブ123とが、また他方の第1リブ122と他方の第2リブ124とがそれぞれ重なるようになっている。そして、第1及び第2リブ121,123と第1及び第2リブ122,124との各々に形成された挿入孔121a,123a及び挿入孔122a,124aがステー105を回動可能に挿入できるようにそれぞれ連通している。このように、各リブ121〜124にステー5が挿入されることで重合された第1及び第2平面体115,117の各リブ121〜124近傍が開くのを阻止することができる。
なお、ステー105の挿入部7は上記各リブ121〜124に挿入できるように、上記実施形態1の挿入部7(図3に示す)よりも長いものとなっている。また、上記各リブ121〜124周辺を除く第1平面体115及び第2平面体117の側壁部115b,117bには、第1平面体115及び第2平面体117の重合状態を保持する(口開き防止)ための係合爪(図示せず)が設けられており、この係合爪によって第1平面体115及び第2平面体117が結合されている。
上記第1平面体115の平面部115a内面において上記の第1リブ121,122間近傍には、ビス孔127a(図7にのみ示す)を有する取付座127が一体に形成され、該取付座127に、サンバイザ本体103を回動可能に支持する節度付与部材29が取り付けられている。具体的には、図7に示すように、節度付与部材29は、取付部39のビス挿通孔39aにビス51を挿入して上記取付座127のビス孔127aに螺合締結することにより、節度付与部材29の環状部31を上記一対の第1リブ121,122間に配置して取付座127に取付固定されている。
そして、互いに重合されたサンバイザ本体103の第1リブ121及び第2リブ123の挿入孔121a,123aと第1リブ122及び第2リブ124の挿入孔122a,124aとに上記水平軸部105bのリブ7を回動可能に挿入したとき、節度付与部材29の環状部31の節度付与部35を形成した部分にステー105の節度部9が配置されるようになっている。
そして、サンバイザ本体103が遮光範囲内にあるときは、節度付与部材29の節度付与部35がステー105の節度部9に周方向に連続する外周面11に圧接し、ステー105が節度付与部材29の弾性力により一定の力で圧接してサンバイザ本体103が不用意に垂れ下がらないように保持されると共に、ステー105の節度部9のステー5の軸線方向両側がステー支持部33,33に支持される。このようにして、乗員の好みの位置にサンバイザ本体103の遮光位置を設定保持するようになっている。一方、サンバイザ本体103を遮光位置から前回りに回動させて車体内装板107に沿う格納位置に位置付けると、節度付与部材29の節度付与部35とステー105の節度部9とが重合し、サンバイザ本体103がステー支持部33,33に支持されながら車体内装板107側の格納位置に確実に保持される。
次に、本実施形態に係る車両用サンバイザ101を使用するときには、図10に示すように、格納状態にあるサンバイザ本体103をステー105の水平軸部105bの軸心を中心として後回りに回動させる。この際節度付与部材29の節度付与部35が、ステー105の節度部9から上記外周面11に移行するとき、節度付与部35は、その弾性力に抗して拡径されて、上記外周面11に移行し、サンバイザ本体103をフロントウインドW側の遮光範囲に位置付ける。この遮光範囲内では、図7に示すように、ステー105が節度付与部材29の節度付与部35の弾性力により一定の力で圧接され、サンバイザ本体103の適切な任意の回動位置が設定される。このようにして、サンバイザが適切な遮光位置に保持されて運転席の乗員への直射光が遮られる。
一方、車両用サンバイザ101を上記遮光状態から格納するときには、サンバイザ本体103を上記遮光位置から前回りに回動させて車体内装板107に沿う格納位置に位置付ける。このとき、節度付与部材29の節度付与部35とステー105の節度部9とが重合して圧接し、節度付与部35の弾性力によってサンバイザ本体103が格納位置に確実に保持される。
このようにして、ステー105が節度付与部材29のステー支持部33,33に支持された状態でサンバイザ本体103が節度を持って格納位置と遮光位置とに切り替えられる。
したがって、本発明の実施形態2に係る車両用サンバイザ101の取付構造によっても、上記実施形態1と同様の作用効果が得られる。
また、上記第1及び第2平面体115,117の各リブ121〜124にステー5が挿入されることで、重合された第1及び第2平面体115,117の各リブ121〜124近傍が開くのを阻止することができる。また、上記各リブ121〜124周辺を除く第1及び第2平面体115,117の側壁部115b,117bの係合爪によって第1及び第2平面体115,117の口開きが防止されている。
−実施形態2の変形例−
また、上記の実施形態2では、第1平面体115側の第1リブ121,122間に節度付与部材29を配置したが、第2平面体117側の第2リブ123,124間に節度付与部材29を配置してもよい。
また、上記の実施形態2では、第1平面体115側の第1リブ121,122間に節度付与部材29を配置したが、第2平面体117側の第2リブ123,124間に節度付与部材29を配置してもよい。
また、上記リブ121〜124は、あくまでステー105を補助的に支持しているに過ぎず、節度付与部材29のステー支持部33,33のみによってステー105を保持できるのは、勿論のことである。
また、上記実施形態2では、第1平面体115及び第2平面体117はヒンジ113により一体形成したが、これらの平面体を別体に形成してもよい。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態1及び2について、以下のような構成としてもよい。すなわち、上記実施形態1及び2では、節度部9を、外周面11の一部をステー5(105)の軸線と略平行に切り欠いた平坦面からなるものしたが、図11に示すように、ステー205の外周面211に断面V字状の節度部209を凹設してもよい。この場合には節度付与部材229の節度付与部235に節度部209に対応する形状の突起部235aを設ければよい。また、節度付与部材の環状部を、取付部の重合面と一致する方向に延びる長軸を有する楕円状の断面を備えるものとしてもよい。
本発明は、上記実施形態1及び2について、以下のような構成としてもよい。すなわち、上記実施形態1及び2では、節度部9を、外周面11の一部をステー5(105)の軸線と略平行に切り欠いた平坦面からなるものしたが、図11に示すように、ステー205の外周面211に断面V字状の節度部209を凹設してもよい。この場合には節度付与部材229の節度付与部235に節度部209に対応する形状の突起部235aを設ければよい。また、節度付与部材の環状部を、取付部の重合面と一致する方向に延びる長軸を有する楕円状の断面を備えるものとしてもよい。
また、上記実施形態1及び2では、節度付与部材29の環状部31に、節度付与部35のステー5の軸線方向の両端と一対のステー支持部33,33との間にそれぞれ第1スリット部41を形成し、両第1スリット部41,41を節度付与部35の基端側35aに対向する端部において互いに第2スリット部43により連続させて平面視コ字状に節度付与部35を形成しているが、その他、節度付与部を平面視U字状やV字状に形成してもよい。また、第2スリット部43を取付部39と反対側に設け、節度付与部35の基端側35aを取付部39側としてもよい。さらに、第2スリット部43を設けずに節度付与部を構成してもよい。
以上説明したように、本発明は、簡単で安価な構造でサンバイザ本体の回動に節度を付与させる節度機能と、ステーを支持する支持機能とを発揮することができるので、車両に運転席や助手席への直射光を遮るために設けられる車両用サンバイザの取付構造について有用である。
P 車体パネル(車体)
1,101 車両用サンバイザ
3,103 サンバイザ本体
5,105 ステー
9 節度部
11 外周面
29 節度付与部材
31 環状部
33 ステー支持部
35 節度付与部
39 取付部
41 第1スリット部
43 第2スリット部
1,101 車両用サンバイザ
3,103 サンバイザ本体
5,105 ステー
9 節度部
11 外周面
29 節度付与部材
31 環状部
33 ステー支持部
35 節度付与部
39 取付部
41 第1スリット部
43 第2スリット部
Claims (2)
- 車体又はサンバイザ本体の一方に節度付与部材が、また車体又はサンバイザ本体の他方にステーがそれぞれ設けられていて、該ステーが節度付与部材に対して相対的に摺動しながら回動するように嵌入され、サンバイザ本体が格納位置と遮光位置とに切り替わるようにした車両用サンバイザの取付構造であって、
上記ステーは、円柱体の外周面の一部を切り欠いて形成した節度部を備え、
上記節度付与部材は、板状のバネ材を環状に折曲して上記ステーを嵌入する環状部と、該環状部におけるバネ材の両端部から環状部の半径方向に延びて互いに重合する取付部とが一体に形成され、
上記環状部には、ステーの軸線方向に離間して配置されてステーを支持する一対の環状のステー支持部と、
上記両ステー支持部間において、環状部内に位置しかつ該環状部の略半径方向に変位可能なように該環状部から折り曲げられ、上記サンバイザ本体の回動に伴って上記ステーの節度部又は該節度部に周方向に連続する外周面のいずれか一方に対して圧接する節度付与部とが一体に形成されていることを特徴とする車両用サンバイザの取付構造。 - 請求項1の車両用サンバイザの取付構造において、
節度付与部材の環状部には、節度付与部のステーの軸線方向の両端と、一対のステー支持部との間にそれぞれ第1スリット部が形成され、
上記両第1スリット部は、上記節度付与部が揺動するようにステーの軸線方向と平行に延びる第2スリット部により互いに連続していることを特徴とする車両用サンバイザの取付構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003275228A JP2005035419A (ja) | 2003-07-16 | 2003-07-16 | 車両用サンバイザの取付構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019229967A1 (ja) * | 2018-06-01 | 2019-12-05 | 河西工業株式会社 | 車両用サンバイザー |
-
2003
- 2003-07-16 JP JP2003275228A patent/JP2005035419A/ja active Pending
Cited By (2)
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WO2019229967A1 (ja) * | 2018-06-01 | 2019-12-05 | 河西工業株式会社 | 車両用サンバイザー |
US11130390B2 (en) | 2018-06-01 | 2021-09-28 | Kasai Kogyo Co., Ltd. | Vehicle sun visor |
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