JP2005035310A - 乗員保護装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的出力の小さいガス発生器を用いても十分に早期に展開し、且つ乗員を十分に保護することができる乗員保護装置を提供する。
【解決手段】乗員保護装置10のカーテン12は、後部座席1の乗員前方領域において上下左右に展開した状態となるように展開する。カーテン12の左右の側辺は、該カーテン12の上端部よりも車両後方に延在する車室天井部分の左右の側縁に対し、それぞれ連結部24によって連結されている。カーテン12のうち、後部座席1の乗員と対面する箇所には、左右1対の膨張可能なバッグ部14L,14Rが設けられている。左側バッグ部14L及び右側バッグ部14Rは、それぞれ、乗員の左肩及び右肩付近を受け止めるよう配置されている。左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの間には空間部Sが形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】乗員保護装置10のカーテン12は、後部座席1の乗員前方領域において上下左右に展開した状態となるように展開する。カーテン12の左右の側辺は、該カーテン12の上端部よりも車両後方に延在する車室天井部分の左右の側縁に対し、それぞれ連結部24によって連結されている。カーテン12のうち、後部座席1の乗員と対面する箇所には、左右1対の膨張可能なバッグ部14L,14Rが設けられている。左側バッグ部14L及び右側バッグ部14Rは、それぞれ、乗員の左肩及び右肩付近を受け止めるよう配置されている。左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの間には空間部Sが形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の乗員を前突時等に保護するための乗員保護装置に係り、特に車室内において上下左右に展開するカーテンを備えた乗員保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両乗員を衝突時に保護する乗員保護装置としてエアバッグ装置が広く用いられている。特開平10−264761号公報には、後席の前方に車室天井部分から下方に向ってエアバッグを膨張させて後席乗員を保護するエアバッグ装置が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−264761号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
エアバッグによって乗員を保護するようにした上記特開平10−264761号の後席用エアバッグ装置では、座席に座った乗員の前方の空間を埋め尽くすような大容量のエアバッグを用いることにより乗員は十分に保護されるであろうが、そのためには著しく出力の大きいガス発生器が必要となる。
【0005】
本発明は、比較的出力の小さいガス発生器を用いても十分に早期に展開し、且つ乗員を十分に保護することができる乗員保護装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の乗員保護装置は、車両室内の上下左右方向に展開した展開状態をとるように展開可能なカーテンと、該カーテンに設けられた膨張可能なバッグ部と、該バッグ部を膨張させるためのガス発生器とを備えてなり、該バッグ部は、乗員の両肩を受け止めるように配置されているものである。
【0007】
かかる乗員保護装置にあっては、カーテンによって乗員を受け止めて保護することができる。本発明では、バッグ部が乗員の両肩を受け止めるので、両肩の間の胸骨や頚椎付近に加えられる受け止め時の反力が軽減される。
【0008】
本発明では、バッグ部を車両の左右方向に間隔をおいて複数対設けることにより、複数の乗員のそれぞれを肩で受け止めて保護することができる。
【0009】
本発明では、カーテンは、車室の天井部分から下方に展開するものであることが好ましい。かかる構成とすることにより、座席に座った乗員の上半身の前方の広い範囲にカーテンを確実に展開させることができる。
【0010】
この場合、展開した該カーテンの左右の側辺と、該カーテンよりも車両後方に延在する該天井部分の左右の側縁とをそれぞれ連結する連結部を設けるようにしてもよい。このように構成した場合、このカーテンに乗員が突っ込んできたときには、該カーテンの左右の側辺が、該カーテンよりも車両後方に延在した天井部分の左右の側縁にそれぞれ連結されているので、該カーテンは車両前方に退動することなく、しっかりと乗員を受け止める。
【0011】
本発明では、膨張したバッグ部同士の接離方向の動きを抑制する抑制手段を設けてもよい。これにより、膨張したバッグ部が左右に揺れることが抑制される。
【0012】
この抑制手段としては、バッグ部同士を繋ぐ紐又は布が、簡便であり好適である。
【0013】
また、この抑制手段は、膨張したバッグ部同士の間に膨張するミニバッグ部であってもよい。このミニバッグ部は、その膨張時に膨張したバッグ部よりも乗員側へは突出しないように乗員方向への最大膨張大きさがバッグ部よりも小さいものである。このミニバッグ部は、乗員の頭部を受け止めるように配置されてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。第1図は本発明の実施の形態に係る乗員保護装置のカーテン展開状態における斜視図、第2図はカーテンの要部正面図、第3図は第2図のIII−III線に沿う断面図、第4図は第2図のIV−IV線に沿う断面図、第5図はこの乗員保護装置のカーテン展開時における側面図である。
【0015】
自動車の後部座席1と前部座席(図示略)との間の車室天井部分(図示略)に乗員保護装置10が設置されている。この乗員保護装置10のカーテン12は、該後部座席1に座った乗員の上半身の前方領域において上下左右に展開した状態となるように、車室天井部分から略下方に向って展開可能なものとなっている。
この実施の形態では、後部座席1は3人掛けの座席であり、該カーテン12のうち、この後部座席1の正規の着座位置に並んで座った3人の乗員の各々と対面する箇所には、それぞれ、左右1対の膨張可能なバッグ部14L,14Rが設けられている。
【0016】
第2図に示すように、左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの間には空間部Sが形成されている。本発明において、該左側バッグ部14L及び右側バッグ部14Rの左右方向(車両幅方向)の中心付近同士の間隔dは、150〜350mm、特に170〜330mmであることが好ましい。左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとをこのように配置することにより、後部座席1の正規位置に着座した各乗員がカーテン12に向って倒れ込んできたときに、左側バッグ部14Lが乗員の左肩付近を受け止め、且つ右側バッグ部14Rが右肩付近を受け止めると共に、空間部Sに両肩の間の部位が臨むようになる。
【0017】
各バッグ部14L,14Rは、カーテン12の上縁部から下縁部にかけて上下方向に延在している。この実施の形態では、カーテン12の下縁部に沿って、左右方向に延在した横長のバッグ部16が設けられている。第4図に示す通り、各バッグ部14L,14Rの下端部はこの横長バッグ部16に連通している。
【0018】
第3図に示すように、このカーテン12の上縁部内に管状のダクト18が引き通されている。このダクト18は、後部座席1の乗員前方領域の上方を車両幅方向に横切るように車室天井部分に固定設置されている。このダクト18の一端側には、ダクト20を介して、各バッグ部14L,14R,16を膨張させるためのガス発生器22が接続されている。これらのダクト20とガス発生器22とは、車室天井部分の側縁に沿って配置されている。
【0019】
該ダクト18には、第4図に示すように、各バッグ部14L,14Rの上端部に通じる連通孔18aが設けられている。ガス発生器22がガス噴出作動すると、該ガス発生器22からのガスは、各ダクト20,18を通って該連通孔18aから各バッグ部14L,14Rに供給され、これにより、各バッグ部14L,14Rが膨張する。次いで、各バッグ部14L,14Rを経由して横長バッグ部16にもガスが流入し、該横長バッグ部16が膨張する。
【0020】
カーテン12の左右の側辺は、該カーテン12の上端部(ダクト18)よりも車両後方に延在する車室天井部分の左右の側縁に対し、それぞれ連結部24によって連結されている。該連結部24は、この実施の形態では、第5図に示すように、展開状態とされたカーテン12の各側辺と、該カーテン12の上端部よりも車両後方に延在する車室天井部分の各側縁との狭角部に配置された三角形シート状のものである。該連結部24の3辺24a,24b,24cのうち、カーテン12の側辺に沿う辺24aは、該カーテン12に対し縫着等により結合されている。また、車室天井部分の側縁に沿う辺24bからは、複数の突片26が突設されており、各突片26に設けられたボルト等の挿通孔(符号略)にボルト等が通されて各突片26が車室天井部分の側縁に留め付けられている。
【0021】
なお、第5図に示すように、カーテン12の側辺に沿って延在した辺24aと天井部3の側縁に沿って延在した辺24bとの狭角θは鋭角となっている。この狭角θは、45°〜80°であることが好ましい。また、この連結部24の残りの一辺24cの長さr2は、車室天井部分の側縁に沿って延在した辺24bの長さr1とほぼ等しい長さとなっている。ただし、この辺24cの長さr2は、辺24bの長さr1よりも大きくてもよい。
【0022】
このように各連結部24の辺24aと24bとの狭角θが鋭角となっていることにより、第3図に示すように、カーテン12はこの連結部24の辺24aに沿って車両後方に向って斜め下向きに延在した姿勢となり、該カーテン12の下縁部に沿って設けられた横長バッグ部16が後部座席乗員の腰部付近と対面するようになる。
【0023】
各バッグ部14L,14Rは、このように展開したカーテン12の乗員対向面から乗員側(車両後方)に向って突出するように膨張すると共に、膨張した状態において、各々の先端面(乗員対向面)がほぼ垂直な面を形成するよう構成されている。
【0024】
カーテン12は、非展開時には、その下端側から上端側に向って折り畳まれ、車室天井部分に沿って細長く延在した折り畳み体とされて、該車室天井部分に装着されたカーテン用カバー(図示略)によって覆われている。このカーテン用カバーには、カーテン12が展開するときに開裂してカーテン12の下方への展開を許容する開裂部が設けられている。
【0025】
また、各連結部24も、カーテン非展開時には、車室天井部分の左右の側縁に沿って細長く延在するように折り畳まれている。車室天井部分の各側縁には、この連結部24の折り畳み体を覆う連結部用カバー(図示略)が装着されている。この連結部用カバーにも、カーテン12の展開に追従して連結部24が展開するときに該連結部24の下方への展開を許容するように開裂する開裂部が設けられている。
【0026】
なお、これらのカーテン用カバーと連結部用カバーとは一体に構成されていてもよく、別々に構成されていてもよい。
【0027】
この実施の形態では、前述の通り連結部24の辺24bと辺24cとが略等しい長さとなっているので、カーテン12を折り畳むに際しては、該カーテン12がその上縁部から下縁部まで車両前後方向に殆どズレなく折り重なる。このため、カーテン12を、該車両前後方向に比較的コンパクトに折り畳むことができる。なお、辺24c長さr2を辺24bの長さr1よりも大きくしたときにも、カーテン12を上縁部から下縁部まで折り畳んだときの車両前後方向のズレを吸収することができる。
【0028】
このように構成された乗員保護装置10においては、車両衝突時には、ガス発生器24がガス噴出作動し、このガス発生器24からのガスによって各バッグ部14L,14Rが上下方向に膨張することにより、カーテン12が車室天井部分から下方に展開し、後部座席1に着座した乗員の上半身の前方に広がる。また、各連結部24は、このカーテン12によって下方に引張られ、車室内の左右の側面に沿うようにして下方に展開する。そして、前述の通り、カーテン12はこの連結部24の辺24aに沿って車両後方に向って斜め下向きに延在した姿勢となり、該カーテン12の下縁部に沿って設けられた横長バッグ部16が後部座席乗員の腰部付近と対面するようになる。この横長バッグ部16は、各バッグ部14L,14Rを経由して流入したガスにより膨張し、乗員の腰部付近を後部座席1に拘束して乗員の前方移動を阻止する。
【0029】
このように展開したカーテン12の左右の側辺は、該カーテン12よりも車両後方に延在した車室天井部分の左右の側縁に対して連結部24によって連結されているので、車両衝突に伴って乗員がこのカーテン12に倒れ込んできても、カーテン12は車両前方に退動することなくしっかりと乗員を受け止めて保護することができる。この際、左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとがそれぞれ乗員の両肩を受け止め、この両肩の間の部位は空間部Sに臨むようになるので、比較的デリケートな胸骨や頚椎付近に加えられる受け止め時の反力が軽減される。
【0030】
この乗員保護装置10にあっては、各バッグ部14L,14R,16はカーテン12の一部を占めるものであるため、後部座席1の乗員前方領域を埋め尽くすようなエアバッグと比べてガス発生器22の出力は十分に小さいもので足りる。
【0031】
この実施の形態では、カーテン12のうち、後部座席1の規定位置に並んで座った3人の乗員の各々と対面する箇所にそれぞれ1対のバッグ部14L,14Rが設けられているので、3人の乗員の各々を該バッグ部14L,14Rによって両肩で受け止めることができる。
【0032】
また、この実施の形態では、カーテン12を車室天井部分から下方に展開させるよう構成したことにより、該カーテン12を後部座席1に座った乗員の上半身の前方の広い範囲に確実に展開させることができる。
【0033】
なお、本発明においては、第6〜8図の乗員保護装置10Aのように、バッグ部は、カーテンのうち、該カーテンが展開したときに乗員の両肩と対向する領域にのみ設けられてもよい。第6図はこのように構成された乗員保護装置10Aのカーテン12Aの要部正面図、第7図は第6図のVII−VII線断面図、第8図は第6図のVIII−VIII線断面図である。
【0034】
第6〜8図の乗員保護装置10Aも、後部座席1の乗員の上半身の前方領域において上下左右に展開した状態となるように車室天井部分(図示略)から略下方に向って展開するカーテン12Aを備えている。この乗員保護装置10Aにおいては、該カーテン12Aのうち、該カーテン12Aが展開したときに後部座席1の正規位置に着座した乗員の両肩付近と対向する領域にのみ、該乗員の両肩に向って膨張可能な左右1対のバッグ部30L,30Rが設けられている。これらの左側バッグ部30Lと右側バッグ部30Rとの間には空間部Sが形成されており、展開したカーテン12Aに対して乗員が倒れ込んできたときには、左側バッグ部30Lがこの乗員の左肩付近を受け止め、右側バッグ部30Rが右肩付近を受け止め、該空間部Sに両肩の間の部位が臨むようになる。
【0035】
この実施の形態でも、カーテン12Aの上縁部内に管状のダクト18が引き通されており、このダクト18の一端側にガス発生器(図示略)が接続されている。カーテン12Aの上縁部からは、該ガス発生器からダクト18内に供給されたガスを左側バッグ部30L及び右側バッグ部30Rにそれぞれ導入するためのガス流路32が該カーテン12Aの前面(乗員対向面)に沿って上下方向に延設されている。第8図に示すように、ダクト18には、前述の実施の形態と同様、複数の連通孔18aが設けられており、各連通孔18aが各ガス流路32の上端部に臨んでいる。各ガス流路32の下端部は、左側バッグ部30L及び右側バッグ部30Rの上端部にそれぞれ連通している。
【0036】
また、この実施の形態でも、カーテン12Aの下縁部に沿って横長バッグ部16が設けられている。各バッグ部30L,30Rの下端部からは、この横長バッグ部16に連なるガス流路34がカーテン12Aの前面に沿って上下方向に延設されている。前記ガス発生器がガス噴出作動すると、該ガス発生器からのガスは、まずダクト18及び各ガス流路32を通って左側バッグ部30L及び右側バッグ部30R内に導入され、次いで、該左側バッグ部30L及び右側バッグ部30Rから各ガス流路34を通って横長バッグ部16内に導入される。
【0037】
なお、図示はしないが、前述の実施の形態と同様、カーテン12Aの左右の側辺は、該カーテン12Aの上端部(ダクト18)よりも車両後方に延在する車室天井部分の左右の側縁に対して連結部によって連結されており、該カーテン12Aは、展開したときに、該連結部によって車両後方に向って引き付けられて斜め下向きに延在した姿勢となる。この際、第7図に示すように、横長バッグ部16が後部座席乗員の腰部付近と対面するようになる。また、左側バッグ部30L及び右側バッグ部30Rは、それぞれ、このように展開したカーテン12Aの乗員対向面から乗員の両肩付近のみに向って車両後方に突出するように膨張する。
【0038】
この実施の形態でも、カーテン12Aは、非展開時には、その下端側から上端側に向って折り畳まれ、車室天井部分に沿って細長く延在した折り畳み体とされて、該車室天井部分に装着されたカーテン用カバー(図示略)によって覆われている。このカーテン用カバーには、カーテン12Aが展開するときに開裂してカーテン12の下方への展開を許容する開裂部が設けられている。また、前記連結部も、前述の実施の形態と同様カーテン非展開時には、車室天井部分の左右の側縁に沿って細長く延在するように折り畳まれて連結部用カバー(図示略)によって覆われている。この連結部用カバーにも、該連結部の下方への展開を許容するように開裂する開裂部が設けられている。
【0039】
この乗員保護装置10Aのその他の構成は、前述の第1〜5図の乗員保護装置10と同様となっている。
【0040】
このように構成された乗員保護装置10Aにおいては、車両衝突時には、ガス発生器がガス噴出作動し、このガス発生器からのガスが、カーテン12Aの上縁部のダクト18からガス流路32、各バッグ部30L,30R及びガス流路34を通って下縁部の横長バッグ部16へと流通することにより、該カーテン12Aが車室天井部分から下方に展開し、後部座席1に着座した乗員の上半身の前方に広がる。そして、左側バッグ部30Lと右側バッグ部30Rとがそれぞれ乗員の両肩付近に向って突出するように膨張する。この際、前述の通り、カーテン12Aは車両後方に向って斜め下向きに延在した姿勢となり、膨張した横長バッグ部16が後部座席乗員の腰部付近を後部座席1に拘束して乗員の前方移動を阻止する。
【0041】
この乗員保護装置10Aにおいても、展開したカーテン12Aに乗員が倒れ込んできた場合には、左側バッグ部30Lと右側バッグ部30Rとが乗員の両肩を受け止め、しっかりと乗員を保護する。この際、乗員の両肩の間の部位は空間部Sに臨むようになるので、比較的デリケートな胸骨や頚椎付近に加えられる受け止め時の反力が軽減される。
【0042】
この乗員保護装置10Aにあっては、左側バッグ部30L及び右側バッグ部30Rは、乗員の両肩付近のみに向って膨張するものであるため、その容積は、前述の第1〜5図の乗員保護装置10における左側バッグ部14L及び右側バッグ部14Rよりも小さい。そのため、ガス発生器としてより出力の小さいものを採用することが可能である。
【0043】
本発明では、第9図の乗員保護装置10Bや第10図の乗員保護装置10Cのように、膨張したバッグ部同士の接離方向の動きを抑制する抑制手段を設けてもよい。なお、第9図及び第10図は、それぞれ、このようなバッグ部揺動抑制手段が設けられた乗員保護装置10B,10Cのカーテン展開時の斜視図である。
【0044】
第9図の乗員保護装置10Bにおいては、図示の通り、膨張した左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの接離方向の動きを抑制する抑制手段として、隣り合う左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとを連結した紐状(ないし細帯状)のストラップ40が設けられている。
【0045】
なお、前述の第1〜5図の乗員保護装置10と同様に、この乗員保護装置10Bも、3人掛けの後部座席1の乗員前方領域において、該後部座席1に並んで座った3人の乗員全員に対面しうるように車室天井部分(図示略)から下方に向って展開するカーテン12を備えており、このカーテン12のうち、これら3人の乗員の各々と対面する箇所に、それぞれ、左右1対の膨張可能なバッグ部14L,14Rが設けられている。各1対のバッグ部14L,14Rのうち、左側バッグ部14Lは、展開したカーテンに乗員が倒れ込んできたときにこの乗員の左肩を受け止めうるように配置され、右側バッグ部14Rは、この乗員の右肩を受け止めうるように配置されている。
【0046】
各バッグ部14L,14Rは、この実施の形態でも、カーテン12の上縁部から下縁部にかけて延在しており、カーテン12が後部座席1の乗員前方領域に展開したときには、該カーテン12の上縁部内に引き通されたダクト18を介してガス発生器22からガスが供給されることにより、該カーテン12の前面から乗員側へ向って突出するように膨張する。
【0047】
この実施の形態では、これら3対のバッグ部14L,14R(計6個のバッグ部14L,14R)の上面部同士が一本のストラップ40によって連結されている。即ち、ストラップ40は、これら3対のバッグ部14L,14Rのうち、最も外側に位置した左側バッグ部14Lの上面部から最も外側に位置した右側バッグ部14Rの上面部まで引き回されており、その両端部が、これら最も外側に位置した左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとに結合されると共に、途中部分が、間隔をおいて、これら最も外側に位置した左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの間に配置されている残り4個のバッグ部14L,14Rの上面部にそれぞれ結合されている。
【0048】
符号42は、このストラップ40の両端部及び途中部分を各バッグ部14L,14Rの上面部に係合した縫糸等よりなるシームを示している。
【0049】
この乗員保護装置10Bのその他の構成は、前述の第1〜6図の乗員保護装置10と同様となっており、第9図において、第1〜6図と同一の符号は同一の部分を示している。
【0050】
このように構成された乗員保護装置10Bにあっては、隣り合うバッグ部14L,14R同士がストラップ40によって連結されているので、膨張した各バッグ部14L,14Rが左右(各バッグ部14L,14R同士が接離する方向)に揺れることが防止される。
【0051】
なお、この実施の形態では、1本のストラップ40によってすべてのバッグ部14L,14R同士を連結しているが、1対ずつ又は数個ずつバッグ部14L,14R同士を連結してもよい。また、2本以上のストラップによってバッグ部14L,14R同士を連結してもよい。
【0052】
第10図の乗員保護装置10Cにおいては、膨張した左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの接離方向の動きを抑制する抑制手段として、前述の乗員保護装置10Bにおける紐状(ないし細帯状)のストラップ40の代りに、幅広シート状の連結布44を用いて隣り合うバッグ部14L,14R同士を連結している。
【0053】
この連結布44も、前述の乗員保護装置10Bにおけるストラップ40と同様に、カーテン12の前面に設けられた複数対(この実施の形態でも3対)のバッグ14L,14Rのうち、最も外側に位置した左側バッグ部14Lの上面部から最も外側に位置した右側バッグ部14Rの上面部まで引き回されており、その両側辺部が、これら最も外側に位置した左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとに結合されると共に、途中部分が、間隔をおいて、これら最も外側に位置した左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの間に配置されている残りのバッグ部14L,14Rの上面部にそれぞれ結合されている。
【0054】
符号46は、この連結布44の両側辺部及び途中部分を各バッグ部14L,14Rの上面部に係合した縫糸等よりなるシームを示している。
【0055】
この連結布44は、膨張した各バッグ部14L,14Rのカーテン12の前面からの突出方向において、各バッグ部14L,14Rの上面部の基端側(カーテン12側)から先端側(各バッグ部14L,14Rの乗員対向面に臨む側)にまで至る大きさ(幅)を有しており、この連結布44の前記両側辺部及び途中部分は、それぞれ、各バッグ部14L,14Rの上面部に対し、該上面部の前記突出方向のほぼ全長にわたってシーム46により結合されている。
【0056】
この乗員保護装置10Cのその他の構成は、前述の第1〜6図の乗員保護装置10と同様となっている。
【0057】
この乗員保護装置10Cのように、紐状(ないし細帯状)のストラップの代りに幅広の連結布44によって各バッグ部14L,14R同士を連結した場合には、該ストラップによって各バッグ部14L,14R同士を連結した場合に比べ、膨張した各バッグ部14L,14Rの横揺れ(バッグ部14L,14R同士が接離する方向への揺れ)を一層抑制することができる。
【0058】
本発明においては、これらストラップや連結布等のバッグ揺動抑制手段は、第11図の乗員保護装置10Dのように、各バッグ部の乗員対向面(特に、乗員対向面のうち、乗員の頭部が倒れかかってくる部位)から離隔した位置に配置されてもよい。第11図は、このように構成された乗員保護装置10Dのカーテン展開時の斜視図である。
【0059】
この乗員保護装置10Dにおいても、左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの接離方向の動きを抑制する抑制手段として、隣り合うバッグ部14L,14R同士を連結した幅広シート状の連結布44Aが用いられている。
【0060】
また、この連結布44Aは、前述の各実施の形態におけるストラップ40や連結布44と同様、カーテン12の前面に設けられた複数対(この実施の形態でも3対)のバッグ部14L,14Rのうち、最も外側に位置した左側バッグ部14Lの上面部から最も外側に位置した右側バッグ部14Rの上面部まで引き回されており、その両側辺部が、これら最も外側に位置した左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとに結合されると共に、途中部分が、間隔をおいて、これら最も外側に位置した左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの間に配置されている残りのバッグ部14L,14Rの上面部にそれぞれ結合されている。
【0061】
符号46Aは、この連結布44Aの両側辺部及び途中部分を各バッグ部14L,14Rの上面部に係合した縫糸等よりなるシームを示している。
【0062】
この実施の形態では、該連結布44Aの幅(各バッグ部14L,14Rのカーテン12の前面からの突出方向における大きさ)は、各バッグ部14L,14Rの上面部の基端側から乗員対向面に至るまでの長さよりも小さいものとなっており、且つ該連結布44Aは、該乗員対向面から離隔するように、各バッグ部14L,14Rの上面部の基端側に配置されている。
【0063】
この乗員保護装置10Dのその他の構成は、前述の第10図の乗員保護装置10Cと同様となっている。
【0064】
このように連結布44Aが各バッグ部14L,14Rの乗員対向面から離隔した位置に配置されている場合には、乗員が各バッグ部14L,14Rに向って倒れ込んできたときに、乗員の頭部等がこの連結布44Aにぶつかることが防止される。(ただし、本発明は、ストラップ40や連結布44,44A等のバッグ部揺動抑制手段によって乗員の頭部等の身体を受け止めうるよう構成することを否定するものではない。)
【0065】
上記の第9〜11図の各実施の形態では、各バッグ部14L,14Rの上面部同士をストラップ40や連結布44,44Aによって連結しているが、各バッグ部14L,14Rの上面部以外の部位同士、例えば、第12図の乗員保護装置10Eのように、左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの対向面同士を連結してもよく、各バッグ部14L,14Rの乗員対向面同士を連結してもよい。なお、第12図は、左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの対向面同士を連結することにより各バッグ部14L,14R同士の接離方向の動きを抑制するよう構成された乗員保護装置10Eのカーテン展開時の斜視図である。
【0066】
第12図の乗員保護装置10Eでは、隣り合う左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rの対向面同士が紐状(ないし細帯状)のストラップ40Aによって連結されている。この実施の形態では、隣り合う左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの対向面同士の間に、それぞれ、上下方向に位置を異ならせて3本のストラップ40Aが設けられているが、このストラップ40Aの本数や配置は図示の構成に限定されるものではない。また、図示はしないが、紐状(ないし細帯状)のストラップ40Aの代りに、幅広シート状の連結布を用いて左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの対向面同士を連結するようにしてもよい。
【0067】
この乗員保護装置10Eのその他の構成は、前述の第1〜6図の乗員保護装置10と同様となっている。
【0068】
本発明において、膨張したバッグ部同士の接離方向の動きを抑制する抑制手段としては、前述の各実施の形態における紐状(ないし細帯状)ストラップや幅広シート状の連結布以外の形態のものも採用できる。例えば、第13図及び第14図の乗員保護装置10Fにおいては、この抑制手段として、膨張したバッグ部14L,14R同士の間に膨張するミニバッグ部50が設けられている。第13図は、この乗員保護装置10Fのバッグ部14L,14R及びミニバッグ部50の膨張時(カーテン12の展開時)の斜視図であり、第14図(a)はカーテン12の正面図、第14図(b)は第14図(a)のB−B線に沿う断面図である。
【0069】
第13,14図の乗員保護装置10Fも、後部座席1の乗員の上半身の前方領域において上下左右に展開した状態となるように車室天井部分(図示略)から略下方に向って展開するカーテン12を備えており、このカーテン12のうち、該カーテン12が展開したときに後部座席1の正規位置に着座した乗員の両肩付近と対向する領域に、該乗員の両肩に向って突出するように膨張可能な左右1対のバッグ部14L,14Rが設けられている。展開したカーテン12に対して乗員が倒れ込んできたときには、膨張した左側バッグ部14Lがこの乗員の左肩付近を受け止め、膨張した右側バッグ部14Rが右肩付近を受け止める。各バッグ部14L,14Rは、カーテン12の上縁部付近から下縁部付近にかけて上下方向に延在している。
【0070】
この実施の形態でも、一端側にガス発生器22が接続された管状のダクト18がカーテン12の上縁部内に引き通されている。このダクト18には各バッグ部14L,14R内に通じる連通孔(図示略)が設けられており、各バッグ部14L,14Rは、このダクト18及び連通孔を介してガス発生器22からガスが導入されることにより膨張する。
【0071】
この乗員保護装置10Fにおいては、隣り合うバッグ部14L,14R同士の間に膨張するミニバッグ部50が設けられている。このミニバッグ部50は、第14図(a)に示すように、隣り合うバッグ部14L,14Rの上部同士をつなぐように形成されている。また、第14図(b)に示すように、このミニバッグ部50は、カーテン12の前面から、その両側のバッグ部14L,14Rと共に乗員側へ突出するように膨張する。
【0072】
なお、このミニバッグ部50は、膨張したときに、その両側において膨張した各バッグ部14L,14Rの乗員対向面よりも乗員側へは突出しないように、該乗員側への最大膨張大きさが各バッグ部14L,14Rよりも小さいものとなっている。
【0073】
この実施の形態では、前記ダクト18に、各ミニバッグ部50内に通じる連通孔18bが設けられており、各ミニバッグ部50は、このダクト18及び連通孔18bを介してガス発生器22からガスが導入されることにより膨張する。なお、各ミニバッグ部50とその両側の各バッグ部14L,14Rとを仕切っているパネル(バッグ基布)に両者を連通する通気口を設け、各バッグ部14L,14Rを経由して各ミニバッグ部50内にガスが導入されるようにしてもよい。
【0074】
この乗員保護装置10Fのその他の構成は前述の第1〜6図の乗員保護装置10と同様となっている。
【0075】
この乗員保護装置10Fにあっては、各バッグ部14L,14Rが膨張したときに、各バッグ部14L,14R同士の間にミニバッグ部50が膨張するので、このミニバッグ部50により、膨張した各バッグ部14L,14Rが支えられる。これにより、膨張した各バッグ部14L,14Rが左右に揺れることが抑制される。
【0076】
この実施の形態では、各ミニバッグ部50の乗員側への最大膨張大きさは、その両側の各バッグ部14L,14Rの乗員側への最大膨張大きさよりも小さいので、膨張した各バッグ部14L,14Rに乗員が倒れかかってきたときに、乗員の頭部等が膨張したミニバッグ部50にぶつかることが防止される。
【0077】
この実施の形態では、各ミニバッグ部50は内部にガス発生器22からガスが導入されることにより膨張するよう構成されているが、例えば外気が導入されることにより膨張するよう構成されてもよい。
【0078】
この場合、例えば、図示はしないが、各ミニバッグ部50内にガス発生器22からのガスを導入するための前記流通孔18bがダクト18に設けられる代りに、各ミニバッグ部50に外気(大気)導入口が設けられてもよい。このように構成した場合には、各バッグ部14L,14Rが内部にガス発生器22からガスが導入されて乗員側へ膨張すると、各ミニバッグ部50の外皮が各バッグ部14L,14Rによって乗員側へ引張られる。そして、該外気導入口から各ミニバッグ部50の内部に外気が流入し、各ミニバッグ部50も乗員側へ膨らみ出す。
【0079】
このように外気が導入されてミニバッグ部50が膨張することにより、膨張したミニバッグ部50内のガス圧は大気圧と同程度となる。このため、膨張した各バッグ部14L,14Rに乗員が倒れ込んできたときに、これらの間に膨張したミニバッグ部50に乗員の頭部がぶつかった場合でも、該ミニバッグ部50は乗員の頭部をソフトに受け止めることができる。
【0080】
本発明では、第15,16図の乗員保護装置10Gのように、膨張した各バッグ部の間に膨張するミニバッグ部によって乗員の頭部等を受け止めるよう構成してもよい。第15図はこのように構成された乗員保護装置10Gのバッグ部及びミニバッグ部膨張時(カーテン展開時)の斜視図であり、第16図は第15図のXVI−XVI線に沿う断面図である。
【0081】
第15,16図の乗員保護装置10Gにおいても、前述の乗員保護装置10Fのように、隣り合うバッグ部14L,14R同士の間に膨張するミニバッグ部50Aが設けられている。該ミニバッグ部50Aは、この実施の形態では、第16図に示すように、膨張した隣り合うバッグ部14L,14R同士の間において、カーテン12の前面から乗員側へ向って各バッグ部14L,14Rの乗員対向面の近傍にまで膨らみ出し、膨張したバッグ部14L,14Rに乗員が倒れかかってきたときには、これらのバッグ部14L,14Rの間に倒れ込もうとする乗員の頭部を受け止めることができるよう構成されている。
【0082】
この実施の形態では、該ミニバッグ部50Aは、ガス発生器22からのガスによって膨張するのではなく、内部に外気が導入されることにより膨張するものであり、このミニバッグ部50Aには、外気(大気)導入口(図示略)が設けられている。
【0083】
このミニバッグ部50Aにあっては、各バッグ部14L,14Rが内部にガス発生器22からガスが導入されて乗員側へ膨張すると、該ミニバッグ部50Aの外皮が各バッグ部14L,14Rによって乗員側へ引張られる。そして、該外気導入口から該ミニバッグ部50Aの内部に外気が流入し、該ミニバッグ部50Aも乗員側へ膨らみ出す。
【0084】
この乗員保護装置10Gのその他の構成は、前述の第1〜6図の乗員保護装置10と同様となっている。
【0085】
このように構成された乗員保護装置10Gにあっても、各バッグ部14L,14Rが膨張したときに、各バッグ部14L,14R同士の間にミニバッグ部50Aが膨張するので、膨張した各バッグ部14L,14Rが左右に揺れることが抑制される。
【0086】
また、この乗員保護装置10Gにあっては、膨張した各バッグ部14L,14Rがそれぞれ乗員の両肩を受け止め、各バッグ部14L,14R同士の間に膨張したミニバッグ部50Aが乗員の頭部を受け止めて乗員を保護することができる。
【0087】
この実施の形態では、膨張した該ミニバッグ部50A内のガス圧は大気圧と同等であるため、乗員の頭部をソフトに受け止めることができる。
【0088】
なお、上記の各実施の形態は本発明の一例を示すものであり、本発明は上記の各実施の形態に限定されるものではない。
【0089】
例えば、本発明においては、カーテンが車室のフロア部分から上方に向って展開するよう構成してもよく、車室の左右の側面部分から車室中央側に向って、又は一方の車室側面部分から他方の車室側面部分に向ってカーテンが展開するよう構成してもよい。
【0090】
本発明においては、カーテンの両サイドに該カーテンの展開を案内する案内部材を設けてもよい。
【0091】
本発明では、ワイヤ等によりカーテンを展開方向に引張ることによりカーテンを展開させるようにしてもよい。
【0092】
本発明では、カーテンの左右の側辺と該カーテンよりも車両後方に延在する車室天井部分の左右の側縁とを連結した連結部以外の手段により、乗員受け止め時にカーテンに反力を生じさせるよう構成してもよい。
【0093】
本発明は、3人掛けの座席だけでなく、1人掛け又は2人掛け或いは4人掛け以上の座席の乗員保護装置にも適用可能である。本発明を2人掛け以上の座席の乗員保護装置に適用する場合には、当該座席に並んで座ったすべての乗員を共通のカーテンによって保護するようにしてもよく、1人1人又は数人ずつを1枚のカーテンで保護するようにしてもよい。
【0094】
本発明は、自動車の後部座席以外の座席の乗員保護装置にも適用できる。
【0095】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、比較的出力の小さいガス発生器を用いても十分に早期に展開し、且つ乗員を十分に保護することができる乗員保護装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る乗員保護装置のカーテン展開状態における斜視図である。
【図2】カーテンの要部正面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】乗員保護装置のカーテン展開時における側面図である。
【図6】別の実施の形態に係る乗員保護装置のカーテンの要部正面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】図6のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】膨張したバッグ部同士の接離方向の動きを抑制する抑制手段を設けた実施の形態に係る乗員保護装置の斜視図である。
【図10】膨張したバッグ部同士の接離方向の動きを抑制する抑制手段を設けた別の実施の形態に係る乗員保護装置の斜視図である。
【図11】膨張したバッグ部同士の接離方向の動きを抑制する抑制手段を設けたさらに別の実施の形態に係る乗員保護装置の斜視図である。
【図12】膨張したバッグ部同士の接離方向の動きを抑制する抑制手段を設けたさらに別の実施の形態に係る乗員保護装置の斜視図である。
【図13】膨張したバッグ部同士の接離方向の動きを抑制する抑制手段を設けた異なる実施の形態に係る乗員保護装置の斜視図である。
【図14】図13の乗員保護装置のカーテンの正面図及び断面図である。
【図15】膨張したバッグ部同士の接離方向の動きを抑制する抑制手段を設けたさらに異なる実施の形態に係る乗員保護装置の斜視図である。
【図16】図15のXVI−XVI線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 前部座席
10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G 乗員保護装置
12,12A カーテン
14L,14R,30L,30R バッグ部
16 横長バッグ部
18,20 ダクト
22 ガス発生器
24 連結部
32,34 ガス流路
40,40A ストラップ
44,44A 連結布
50,50A ミニバッグ部
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の乗員を前突時等に保護するための乗員保護装置に係り、特に車室内において上下左右に展開するカーテンを備えた乗員保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両乗員を衝突時に保護する乗員保護装置としてエアバッグ装置が広く用いられている。特開平10−264761号公報には、後席の前方に車室天井部分から下方に向ってエアバッグを膨張させて後席乗員を保護するエアバッグ装置が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−264761号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
エアバッグによって乗員を保護するようにした上記特開平10−264761号の後席用エアバッグ装置では、座席に座った乗員の前方の空間を埋め尽くすような大容量のエアバッグを用いることにより乗員は十分に保護されるであろうが、そのためには著しく出力の大きいガス発生器が必要となる。
【0005】
本発明は、比較的出力の小さいガス発生器を用いても十分に早期に展開し、且つ乗員を十分に保護することができる乗員保護装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の乗員保護装置は、車両室内の上下左右方向に展開した展開状態をとるように展開可能なカーテンと、該カーテンに設けられた膨張可能なバッグ部と、該バッグ部を膨張させるためのガス発生器とを備えてなり、該バッグ部は、乗員の両肩を受け止めるように配置されているものである。
【0007】
かかる乗員保護装置にあっては、カーテンによって乗員を受け止めて保護することができる。本発明では、バッグ部が乗員の両肩を受け止めるので、両肩の間の胸骨や頚椎付近に加えられる受け止め時の反力が軽減される。
【0008】
本発明では、バッグ部を車両の左右方向に間隔をおいて複数対設けることにより、複数の乗員のそれぞれを肩で受け止めて保護することができる。
【0009】
本発明では、カーテンは、車室の天井部分から下方に展開するものであることが好ましい。かかる構成とすることにより、座席に座った乗員の上半身の前方の広い範囲にカーテンを確実に展開させることができる。
【0010】
この場合、展開した該カーテンの左右の側辺と、該カーテンよりも車両後方に延在する該天井部分の左右の側縁とをそれぞれ連結する連結部を設けるようにしてもよい。このように構成した場合、このカーテンに乗員が突っ込んできたときには、該カーテンの左右の側辺が、該カーテンよりも車両後方に延在した天井部分の左右の側縁にそれぞれ連結されているので、該カーテンは車両前方に退動することなく、しっかりと乗員を受け止める。
【0011】
本発明では、膨張したバッグ部同士の接離方向の動きを抑制する抑制手段を設けてもよい。これにより、膨張したバッグ部が左右に揺れることが抑制される。
【0012】
この抑制手段としては、バッグ部同士を繋ぐ紐又は布が、簡便であり好適である。
【0013】
また、この抑制手段は、膨張したバッグ部同士の間に膨張するミニバッグ部であってもよい。このミニバッグ部は、その膨張時に膨張したバッグ部よりも乗員側へは突出しないように乗員方向への最大膨張大きさがバッグ部よりも小さいものである。このミニバッグ部は、乗員の頭部を受け止めるように配置されてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。第1図は本発明の実施の形態に係る乗員保護装置のカーテン展開状態における斜視図、第2図はカーテンの要部正面図、第3図は第2図のIII−III線に沿う断面図、第4図は第2図のIV−IV線に沿う断面図、第5図はこの乗員保護装置のカーテン展開時における側面図である。
【0015】
自動車の後部座席1と前部座席(図示略)との間の車室天井部分(図示略)に乗員保護装置10が設置されている。この乗員保護装置10のカーテン12は、該後部座席1に座った乗員の上半身の前方領域において上下左右に展開した状態となるように、車室天井部分から略下方に向って展開可能なものとなっている。
この実施の形態では、後部座席1は3人掛けの座席であり、該カーテン12のうち、この後部座席1の正規の着座位置に並んで座った3人の乗員の各々と対面する箇所には、それぞれ、左右1対の膨張可能なバッグ部14L,14Rが設けられている。
【0016】
第2図に示すように、左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの間には空間部Sが形成されている。本発明において、該左側バッグ部14L及び右側バッグ部14Rの左右方向(車両幅方向)の中心付近同士の間隔dは、150〜350mm、特に170〜330mmであることが好ましい。左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとをこのように配置することにより、後部座席1の正規位置に着座した各乗員がカーテン12に向って倒れ込んできたときに、左側バッグ部14Lが乗員の左肩付近を受け止め、且つ右側バッグ部14Rが右肩付近を受け止めると共に、空間部Sに両肩の間の部位が臨むようになる。
【0017】
各バッグ部14L,14Rは、カーテン12の上縁部から下縁部にかけて上下方向に延在している。この実施の形態では、カーテン12の下縁部に沿って、左右方向に延在した横長のバッグ部16が設けられている。第4図に示す通り、各バッグ部14L,14Rの下端部はこの横長バッグ部16に連通している。
【0018】
第3図に示すように、このカーテン12の上縁部内に管状のダクト18が引き通されている。このダクト18は、後部座席1の乗員前方領域の上方を車両幅方向に横切るように車室天井部分に固定設置されている。このダクト18の一端側には、ダクト20を介して、各バッグ部14L,14R,16を膨張させるためのガス発生器22が接続されている。これらのダクト20とガス発生器22とは、車室天井部分の側縁に沿って配置されている。
【0019】
該ダクト18には、第4図に示すように、各バッグ部14L,14Rの上端部に通じる連通孔18aが設けられている。ガス発生器22がガス噴出作動すると、該ガス発生器22からのガスは、各ダクト20,18を通って該連通孔18aから各バッグ部14L,14Rに供給され、これにより、各バッグ部14L,14Rが膨張する。次いで、各バッグ部14L,14Rを経由して横長バッグ部16にもガスが流入し、該横長バッグ部16が膨張する。
【0020】
カーテン12の左右の側辺は、該カーテン12の上端部(ダクト18)よりも車両後方に延在する車室天井部分の左右の側縁に対し、それぞれ連結部24によって連結されている。該連結部24は、この実施の形態では、第5図に示すように、展開状態とされたカーテン12の各側辺と、該カーテン12の上端部よりも車両後方に延在する車室天井部分の各側縁との狭角部に配置された三角形シート状のものである。該連結部24の3辺24a,24b,24cのうち、カーテン12の側辺に沿う辺24aは、該カーテン12に対し縫着等により結合されている。また、車室天井部分の側縁に沿う辺24bからは、複数の突片26が突設されており、各突片26に設けられたボルト等の挿通孔(符号略)にボルト等が通されて各突片26が車室天井部分の側縁に留め付けられている。
【0021】
なお、第5図に示すように、カーテン12の側辺に沿って延在した辺24aと天井部3の側縁に沿って延在した辺24bとの狭角θは鋭角となっている。この狭角θは、45°〜80°であることが好ましい。また、この連結部24の残りの一辺24cの長さr2は、車室天井部分の側縁に沿って延在した辺24bの長さr1とほぼ等しい長さとなっている。ただし、この辺24cの長さr2は、辺24bの長さr1よりも大きくてもよい。
【0022】
このように各連結部24の辺24aと24bとの狭角θが鋭角となっていることにより、第3図に示すように、カーテン12はこの連結部24の辺24aに沿って車両後方に向って斜め下向きに延在した姿勢となり、該カーテン12の下縁部に沿って設けられた横長バッグ部16が後部座席乗員の腰部付近と対面するようになる。
【0023】
各バッグ部14L,14Rは、このように展開したカーテン12の乗員対向面から乗員側(車両後方)に向って突出するように膨張すると共に、膨張した状態において、各々の先端面(乗員対向面)がほぼ垂直な面を形成するよう構成されている。
【0024】
カーテン12は、非展開時には、その下端側から上端側に向って折り畳まれ、車室天井部分に沿って細長く延在した折り畳み体とされて、該車室天井部分に装着されたカーテン用カバー(図示略)によって覆われている。このカーテン用カバーには、カーテン12が展開するときに開裂してカーテン12の下方への展開を許容する開裂部が設けられている。
【0025】
また、各連結部24も、カーテン非展開時には、車室天井部分の左右の側縁に沿って細長く延在するように折り畳まれている。車室天井部分の各側縁には、この連結部24の折り畳み体を覆う連結部用カバー(図示略)が装着されている。この連結部用カバーにも、カーテン12の展開に追従して連結部24が展開するときに該連結部24の下方への展開を許容するように開裂する開裂部が設けられている。
【0026】
なお、これらのカーテン用カバーと連結部用カバーとは一体に構成されていてもよく、別々に構成されていてもよい。
【0027】
この実施の形態では、前述の通り連結部24の辺24bと辺24cとが略等しい長さとなっているので、カーテン12を折り畳むに際しては、該カーテン12がその上縁部から下縁部まで車両前後方向に殆どズレなく折り重なる。このため、カーテン12を、該車両前後方向に比較的コンパクトに折り畳むことができる。なお、辺24c長さr2を辺24bの長さr1よりも大きくしたときにも、カーテン12を上縁部から下縁部まで折り畳んだときの車両前後方向のズレを吸収することができる。
【0028】
このように構成された乗員保護装置10においては、車両衝突時には、ガス発生器24がガス噴出作動し、このガス発生器24からのガスによって各バッグ部14L,14Rが上下方向に膨張することにより、カーテン12が車室天井部分から下方に展開し、後部座席1に着座した乗員の上半身の前方に広がる。また、各連結部24は、このカーテン12によって下方に引張られ、車室内の左右の側面に沿うようにして下方に展開する。そして、前述の通り、カーテン12はこの連結部24の辺24aに沿って車両後方に向って斜め下向きに延在した姿勢となり、該カーテン12の下縁部に沿って設けられた横長バッグ部16が後部座席乗員の腰部付近と対面するようになる。この横長バッグ部16は、各バッグ部14L,14Rを経由して流入したガスにより膨張し、乗員の腰部付近を後部座席1に拘束して乗員の前方移動を阻止する。
【0029】
このように展開したカーテン12の左右の側辺は、該カーテン12よりも車両後方に延在した車室天井部分の左右の側縁に対して連結部24によって連結されているので、車両衝突に伴って乗員がこのカーテン12に倒れ込んできても、カーテン12は車両前方に退動することなくしっかりと乗員を受け止めて保護することができる。この際、左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとがそれぞれ乗員の両肩を受け止め、この両肩の間の部位は空間部Sに臨むようになるので、比較的デリケートな胸骨や頚椎付近に加えられる受け止め時の反力が軽減される。
【0030】
この乗員保護装置10にあっては、各バッグ部14L,14R,16はカーテン12の一部を占めるものであるため、後部座席1の乗員前方領域を埋め尽くすようなエアバッグと比べてガス発生器22の出力は十分に小さいもので足りる。
【0031】
この実施の形態では、カーテン12のうち、後部座席1の規定位置に並んで座った3人の乗員の各々と対面する箇所にそれぞれ1対のバッグ部14L,14Rが設けられているので、3人の乗員の各々を該バッグ部14L,14Rによって両肩で受け止めることができる。
【0032】
また、この実施の形態では、カーテン12を車室天井部分から下方に展開させるよう構成したことにより、該カーテン12を後部座席1に座った乗員の上半身の前方の広い範囲に確実に展開させることができる。
【0033】
なお、本発明においては、第6〜8図の乗員保護装置10Aのように、バッグ部は、カーテンのうち、該カーテンが展開したときに乗員の両肩と対向する領域にのみ設けられてもよい。第6図はこのように構成された乗員保護装置10Aのカーテン12Aの要部正面図、第7図は第6図のVII−VII線断面図、第8図は第6図のVIII−VIII線断面図である。
【0034】
第6〜8図の乗員保護装置10Aも、後部座席1の乗員の上半身の前方領域において上下左右に展開した状態となるように車室天井部分(図示略)から略下方に向って展開するカーテン12Aを備えている。この乗員保護装置10Aにおいては、該カーテン12Aのうち、該カーテン12Aが展開したときに後部座席1の正規位置に着座した乗員の両肩付近と対向する領域にのみ、該乗員の両肩に向って膨張可能な左右1対のバッグ部30L,30Rが設けられている。これらの左側バッグ部30Lと右側バッグ部30Rとの間には空間部Sが形成されており、展開したカーテン12Aに対して乗員が倒れ込んできたときには、左側バッグ部30Lがこの乗員の左肩付近を受け止め、右側バッグ部30Rが右肩付近を受け止め、該空間部Sに両肩の間の部位が臨むようになる。
【0035】
この実施の形態でも、カーテン12Aの上縁部内に管状のダクト18が引き通されており、このダクト18の一端側にガス発生器(図示略)が接続されている。カーテン12Aの上縁部からは、該ガス発生器からダクト18内に供給されたガスを左側バッグ部30L及び右側バッグ部30Rにそれぞれ導入するためのガス流路32が該カーテン12Aの前面(乗員対向面)に沿って上下方向に延設されている。第8図に示すように、ダクト18には、前述の実施の形態と同様、複数の連通孔18aが設けられており、各連通孔18aが各ガス流路32の上端部に臨んでいる。各ガス流路32の下端部は、左側バッグ部30L及び右側バッグ部30Rの上端部にそれぞれ連通している。
【0036】
また、この実施の形態でも、カーテン12Aの下縁部に沿って横長バッグ部16が設けられている。各バッグ部30L,30Rの下端部からは、この横長バッグ部16に連なるガス流路34がカーテン12Aの前面に沿って上下方向に延設されている。前記ガス発生器がガス噴出作動すると、該ガス発生器からのガスは、まずダクト18及び各ガス流路32を通って左側バッグ部30L及び右側バッグ部30R内に導入され、次いで、該左側バッグ部30L及び右側バッグ部30Rから各ガス流路34を通って横長バッグ部16内に導入される。
【0037】
なお、図示はしないが、前述の実施の形態と同様、カーテン12Aの左右の側辺は、該カーテン12Aの上端部(ダクト18)よりも車両後方に延在する車室天井部分の左右の側縁に対して連結部によって連結されており、該カーテン12Aは、展開したときに、該連結部によって車両後方に向って引き付けられて斜め下向きに延在した姿勢となる。この際、第7図に示すように、横長バッグ部16が後部座席乗員の腰部付近と対面するようになる。また、左側バッグ部30L及び右側バッグ部30Rは、それぞれ、このように展開したカーテン12Aの乗員対向面から乗員の両肩付近のみに向って車両後方に突出するように膨張する。
【0038】
この実施の形態でも、カーテン12Aは、非展開時には、その下端側から上端側に向って折り畳まれ、車室天井部分に沿って細長く延在した折り畳み体とされて、該車室天井部分に装着されたカーテン用カバー(図示略)によって覆われている。このカーテン用カバーには、カーテン12Aが展開するときに開裂してカーテン12の下方への展開を許容する開裂部が設けられている。また、前記連結部も、前述の実施の形態と同様カーテン非展開時には、車室天井部分の左右の側縁に沿って細長く延在するように折り畳まれて連結部用カバー(図示略)によって覆われている。この連結部用カバーにも、該連結部の下方への展開を許容するように開裂する開裂部が設けられている。
【0039】
この乗員保護装置10Aのその他の構成は、前述の第1〜5図の乗員保護装置10と同様となっている。
【0040】
このように構成された乗員保護装置10Aにおいては、車両衝突時には、ガス発生器がガス噴出作動し、このガス発生器からのガスが、カーテン12Aの上縁部のダクト18からガス流路32、各バッグ部30L,30R及びガス流路34を通って下縁部の横長バッグ部16へと流通することにより、該カーテン12Aが車室天井部分から下方に展開し、後部座席1に着座した乗員の上半身の前方に広がる。そして、左側バッグ部30Lと右側バッグ部30Rとがそれぞれ乗員の両肩付近に向って突出するように膨張する。この際、前述の通り、カーテン12Aは車両後方に向って斜め下向きに延在した姿勢となり、膨張した横長バッグ部16が後部座席乗員の腰部付近を後部座席1に拘束して乗員の前方移動を阻止する。
【0041】
この乗員保護装置10Aにおいても、展開したカーテン12Aに乗員が倒れ込んできた場合には、左側バッグ部30Lと右側バッグ部30Rとが乗員の両肩を受け止め、しっかりと乗員を保護する。この際、乗員の両肩の間の部位は空間部Sに臨むようになるので、比較的デリケートな胸骨や頚椎付近に加えられる受け止め時の反力が軽減される。
【0042】
この乗員保護装置10Aにあっては、左側バッグ部30L及び右側バッグ部30Rは、乗員の両肩付近のみに向って膨張するものであるため、その容積は、前述の第1〜5図の乗員保護装置10における左側バッグ部14L及び右側バッグ部14Rよりも小さい。そのため、ガス発生器としてより出力の小さいものを採用することが可能である。
【0043】
本発明では、第9図の乗員保護装置10Bや第10図の乗員保護装置10Cのように、膨張したバッグ部同士の接離方向の動きを抑制する抑制手段を設けてもよい。なお、第9図及び第10図は、それぞれ、このようなバッグ部揺動抑制手段が設けられた乗員保護装置10B,10Cのカーテン展開時の斜視図である。
【0044】
第9図の乗員保護装置10Bにおいては、図示の通り、膨張した左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの接離方向の動きを抑制する抑制手段として、隣り合う左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとを連結した紐状(ないし細帯状)のストラップ40が設けられている。
【0045】
なお、前述の第1〜5図の乗員保護装置10と同様に、この乗員保護装置10Bも、3人掛けの後部座席1の乗員前方領域において、該後部座席1に並んで座った3人の乗員全員に対面しうるように車室天井部分(図示略)から下方に向って展開するカーテン12を備えており、このカーテン12のうち、これら3人の乗員の各々と対面する箇所に、それぞれ、左右1対の膨張可能なバッグ部14L,14Rが設けられている。各1対のバッグ部14L,14Rのうち、左側バッグ部14Lは、展開したカーテンに乗員が倒れ込んできたときにこの乗員の左肩を受け止めうるように配置され、右側バッグ部14Rは、この乗員の右肩を受け止めうるように配置されている。
【0046】
各バッグ部14L,14Rは、この実施の形態でも、カーテン12の上縁部から下縁部にかけて延在しており、カーテン12が後部座席1の乗員前方領域に展開したときには、該カーテン12の上縁部内に引き通されたダクト18を介してガス発生器22からガスが供給されることにより、該カーテン12の前面から乗員側へ向って突出するように膨張する。
【0047】
この実施の形態では、これら3対のバッグ部14L,14R(計6個のバッグ部14L,14R)の上面部同士が一本のストラップ40によって連結されている。即ち、ストラップ40は、これら3対のバッグ部14L,14Rのうち、最も外側に位置した左側バッグ部14Lの上面部から最も外側に位置した右側バッグ部14Rの上面部まで引き回されており、その両端部が、これら最も外側に位置した左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとに結合されると共に、途中部分が、間隔をおいて、これら最も外側に位置した左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの間に配置されている残り4個のバッグ部14L,14Rの上面部にそれぞれ結合されている。
【0048】
符号42は、このストラップ40の両端部及び途中部分を各バッグ部14L,14Rの上面部に係合した縫糸等よりなるシームを示している。
【0049】
この乗員保護装置10Bのその他の構成は、前述の第1〜6図の乗員保護装置10と同様となっており、第9図において、第1〜6図と同一の符号は同一の部分を示している。
【0050】
このように構成された乗員保護装置10Bにあっては、隣り合うバッグ部14L,14R同士がストラップ40によって連結されているので、膨張した各バッグ部14L,14Rが左右(各バッグ部14L,14R同士が接離する方向)に揺れることが防止される。
【0051】
なお、この実施の形態では、1本のストラップ40によってすべてのバッグ部14L,14R同士を連結しているが、1対ずつ又は数個ずつバッグ部14L,14R同士を連結してもよい。また、2本以上のストラップによってバッグ部14L,14R同士を連結してもよい。
【0052】
第10図の乗員保護装置10Cにおいては、膨張した左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの接離方向の動きを抑制する抑制手段として、前述の乗員保護装置10Bにおける紐状(ないし細帯状)のストラップ40の代りに、幅広シート状の連結布44を用いて隣り合うバッグ部14L,14R同士を連結している。
【0053】
この連結布44も、前述の乗員保護装置10Bにおけるストラップ40と同様に、カーテン12の前面に設けられた複数対(この実施の形態でも3対)のバッグ14L,14Rのうち、最も外側に位置した左側バッグ部14Lの上面部から最も外側に位置した右側バッグ部14Rの上面部まで引き回されており、その両側辺部が、これら最も外側に位置した左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとに結合されると共に、途中部分が、間隔をおいて、これら最も外側に位置した左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの間に配置されている残りのバッグ部14L,14Rの上面部にそれぞれ結合されている。
【0054】
符号46は、この連結布44の両側辺部及び途中部分を各バッグ部14L,14Rの上面部に係合した縫糸等よりなるシームを示している。
【0055】
この連結布44は、膨張した各バッグ部14L,14Rのカーテン12の前面からの突出方向において、各バッグ部14L,14Rの上面部の基端側(カーテン12側)から先端側(各バッグ部14L,14Rの乗員対向面に臨む側)にまで至る大きさ(幅)を有しており、この連結布44の前記両側辺部及び途中部分は、それぞれ、各バッグ部14L,14Rの上面部に対し、該上面部の前記突出方向のほぼ全長にわたってシーム46により結合されている。
【0056】
この乗員保護装置10Cのその他の構成は、前述の第1〜6図の乗員保護装置10と同様となっている。
【0057】
この乗員保護装置10Cのように、紐状(ないし細帯状)のストラップの代りに幅広の連結布44によって各バッグ部14L,14R同士を連結した場合には、該ストラップによって各バッグ部14L,14R同士を連結した場合に比べ、膨張した各バッグ部14L,14Rの横揺れ(バッグ部14L,14R同士が接離する方向への揺れ)を一層抑制することができる。
【0058】
本発明においては、これらストラップや連結布等のバッグ揺動抑制手段は、第11図の乗員保護装置10Dのように、各バッグ部の乗員対向面(特に、乗員対向面のうち、乗員の頭部が倒れかかってくる部位)から離隔した位置に配置されてもよい。第11図は、このように構成された乗員保護装置10Dのカーテン展開時の斜視図である。
【0059】
この乗員保護装置10Dにおいても、左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの接離方向の動きを抑制する抑制手段として、隣り合うバッグ部14L,14R同士を連結した幅広シート状の連結布44Aが用いられている。
【0060】
また、この連結布44Aは、前述の各実施の形態におけるストラップ40や連結布44と同様、カーテン12の前面に設けられた複数対(この実施の形態でも3対)のバッグ部14L,14Rのうち、最も外側に位置した左側バッグ部14Lの上面部から最も外側に位置した右側バッグ部14Rの上面部まで引き回されており、その両側辺部が、これら最も外側に位置した左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとに結合されると共に、途中部分が、間隔をおいて、これら最も外側に位置した左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの間に配置されている残りのバッグ部14L,14Rの上面部にそれぞれ結合されている。
【0061】
符号46Aは、この連結布44Aの両側辺部及び途中部分を各バッグ部14L,14Rの上面部に係合した縫糸等よりなるシームを示している。
【0062】
この実施の形態では、該連結布44Aの幅(各バッグ部14L,14Rのカーテン12の前面からの突出方向における大きさ)は、各バッグ部14L,14Rの上面部の基端側から乗員対向面に至るまでの長さよりも小さいものとなっており、且つ該連結布44Aは、該乗員対向面から離隔するように、各バッグ部14L,14Rの上面部の基端側に配置されている。
【0063】
この乗員保護装置10Dのその他の構成は、前述の第10図の乗員保護装置10Cと同様となっている。
【0064】
このように連結布44Aが各バッグ部14L,14Rの乗員対向面から離隔した位置に配置されている場合には、乗員が各バッグ部14L,14Rに向って倒れ込んできたときに、乗員の頭部等がこの連結布44Aにぶつかることが防止される。(ただし、本発明は、ストラップ40や連結布44,44A等のバッグ部揺動抑制手段によって乗員の頭部等の身体を受け止めうるよう構成することを否定するものではない。)
【0065】
上記の第9〜11図の各実施の形態では、各バッグ部14L,14Rの上面部同士をストラップ40や連結布44,44Aによって連結しているが、各バッグ部14L,14Rの上面部以外の部位同士、例えば、第12図の乗員保護装置10Eのように、左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの対向面同士を連結してもよく、各バッグ部14L,14Rの乗員対向面同士を連結してもよい。なお、第12図は、左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの対向面同士を連結することにより各バッグ部14L,14R同士の接離方向の動きを抑制するよう構成された乗員保護装置10Eのカーテン展開時の斜視図である。
【0066】
第12図の乗員保護装置10Eでは、隣り合う左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rの対向面同士が紐状(ないし細帯状)のストラップ40Aによって連結されている。この実施の形態では、隣り合う左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの対向面同士の間に、それぞれ、上下方向に位置を異ならせて3本のストラップ40Aが設けられているが、このストラップ40Aの本数や配置は図示の構成に限定されるものではない。また、図示はしないが、紐状(ないし細帯状)のストラップ40Aの代りに、幅広シート状の連結布を用いて左側バッグ部14Lと右側バッグ部14Rとの対向面同士を連結するようにしてもよい。
【0067】
この乗員保護装置10Eのその他の構成は、前述の第1〜6図の乗員保護装置10と同様となっている。
【0068】
本発明において、膨張したバッグ部同士の接離方向の動きを抑制する抑制手段としては、前述の各実施の形態における紐状(ないし細帯状)ストラップや幅広シート状の連結布以外の形態のものも採用できる。例えば、第13図及び第14図の乗員保護装置10Fにおいては、この抑制手段として、膨張したバッグ部14L,14R同士の間に膨張するミニバッグ部50が設けられている。第13図は、この乗員保護装置10Fのバッグ部14L,14R及びミニバッグ部50の膨張時(カーテン12の展開時)の斜視図であり、第14図(a)はカーテン12の正面図、第14図(b)は第14図(a)のB−B線に沿う断面図である。
【0069】
第13,14図の乗員保護装置10Fも、後部座席1の乗員の上半身の前方領域において上下左右に展開した状態となるように車室天井部分(図示略)から略下方に向って展開するカーテン12を備えており、このカーテン12のうち、該カーテン12が展開したときに後部座席1の正規位置に着座した乗員の両肩付近と対向する領域に、該乗員の両肩に向って突出するように膨張可能な左右1対のバッグ部14L,14Rが設けられている。展開したカーテン12に対して乗員が倒れ込んできたときには、膨張した左側バッグ部14Lがこの乗員の左肩付近を受け止め、膨張した右側バッグ部14Rが右肩付近を受け止める。各バッグ部14L,14Rは、カーテン12の上縁部付近から下縁部付近にかけて上下方向に延在している。
【0070】
この実施の形態でも、一端側にガス発生器22が接続された管状のダクト18がカーテン12の上縁部内に引き通されている。このダクト18には各バッグ部14L,14R内に通じる連通孔(図示略)が設けられており、各バッグ部14L,14Rは、このダクト18及び連通孔を介してガス発生器22からガスが導入されることにより膨張する。
【0071】
この乗員保護装置10Fにおいては、隣り合うバッグ部14L,14R同士の間に膨張するミニバッグ部50が設けられている。このミニバッグ部50は、第14図(a)に示すように、隣り合うバッグ部14L,14Rの上部同士をつなぐように形成されている。また、第14図(b)に示すように、このミニバッグ部50は、カーテン12の前面から、その両側のバッグ部14L,14Rと共に乗員側へ突出するように膨張する。
【0072】
なお、このミニバッグ部50は、膨張したときに、その両側において膨張した各バッグ部14L,14Rの乗員対向面よりも乗員側へは突出しないように、該乗員側への最大膨張大きさが各バッグ部14L,14Rよりも小さいものとなっている。
【0073】
この実施の形態では、前記ダクト18に、各ミニバッグ部50内に通じる連通孔18bが設けられており、各ミニバッグ部50は、このダクト18及び連通孔18bを介してガス発生器22からガスが導入されることにより膨張する。なお、各ミニバッグ部50とその両側の各バッグ部14L,14Rとを仕切っているパネル(バッグ基布)に両者を連通する通気口を設け、各バッグ部14L,14Rを経由して各ミニバッグ部50内にガスが導入されるようにしてもよい。
【0074】
この乗員保護装置10Fのその他の構成は前述の第1〜6図の乗員保護装置10と同様となっている。
【0075】
この乗員保護装置10Fにあっては、各バッグ部14L,14Rが膨張したときに、各バッグ部14L,14R同士の間にミニバッグ部50が膨張するので、このミニバッグ部50により、膨張した各バッグ部14L,14Rが支えられる。これにより、膨張した各バッグ部14L,14Rが左右に揺れることが抑制される。
【0076】
この実施の形態では、各ミニバッグ部50の乗員側への最大膨張大きさは、その両側の各バッグ部14L,14Rの乗員側への最大膨張大きさよりも小さいので、膨張した各バッグ部14L,14Rに乗員が倒れかかってきたときに、乗員の頭部等が膨張したミニバッグ部50にぶつかることが防止される。
【0077】
この実施の形態では、各ミニバッグ部50は内部にガス発生器22からガスが導入されることにより膨張するよう構成されているが、例えば外気が導入されることにより膨張するよう構成されてもよい。
【0078】
この場合、例えば、図示はしないが、各ミニバッグ部50内にガス発生器22からのガスを導入するための前記流通孔18bがダクト18に設けられる代りに、各ミニバッグ部50に外気(大気)導入口が設けられてもよい。このように構成した場合には、各バッグ部14L,14Rが内部にガス発生器22からガスが導入されて乗員側へ膨張すると、各ミニバッグ部50の外皮が各バッグ部14L,14Rによって乗員側へ引張られる。そして、該外気導入口から各ミニバッグ部50の内部に外気が流入し、各ミニバッグ部50も乗員側へ膨らみ出す。
【0079】
このように外気が導入されてミニバッグ部50が膨張することにより、膨張したミニバッグ部50内のガス圧は大気圧と同程度となる。このため、膨張した各バッグ部14L,14Rに乗員が倒れ込んできたときに、これらの間に膨張したミニバッグ部50に乗員の頭部がぶつかった場合でも、該ミニバッグ部50は乗員の頭部をソフトに受け止めることができる。
【0080】
本発明では、第15,16図の乗員保護装置10Gのように、膨張した各バッグ部の間に膨張するミニバッグ部によって乗員の頭部等を受け止めるよう構成してもよい。第15図はこのように構成された乗員保護装置10Gのバッグ部及びミニバッグ部膨張時(カーテン展開時)の斜視図であり、第16図は第15図のXVI−XVI線に沿う断面図である。
【0081】
第15,16図の乗員保護装置10Gにおいても、前述の乗員保護装置10Fのように、隣り合うバッグ部14L,14R同士の間に膨張するミニバッグ部50Aが設けられている。該ミニバッグ部50Aは、この実施の形態では、第16図に示すように、膨張した隣り合うバッグ部14L,14R同士の間において、カーテン12の前面から乗員側へ向って各バッグ部14L,14Rの乗員対向面の近傍にまで膨らみ出し、膨張したバッグ部14L,14Rに乗員が倒れかかってきたときには、これらのバッグ部14L,14Rの間に倒れ込もうとする乗員の頭部を受け止めることができるよう構成されている。
【0082】
この実施の形態では、該ミニバッグ部50Aは、ガス発生器22からのガスによって膨張するのではなく、内部に外気が導入されることにより膨張するものであり、このミニバッグ部50Aには、外気(大気)導入口(図示略)が設けられている。
【0083】
このミニバッグ部50Aにあっては、各バッグ部14L,14Rが内部にガス発生器22からガスが導入されて乗員側へ膨張すると、該ミニバッグ部50Aの外皮が各バッグ部14L,14Rによって乗員側へ引張られる。そして、該外気導入口から該ミニバッグ部50Aの内部に外気が流入し、該ミニバッグ部50Aも乗員側へ膨らみ出す。
【0084】
この乗員保護装置10Gのその他の構成は、前述の第1〜6図の乗員保護装置10と同様となっている。
【0085】
このように構成された乗員保護装置10Gにあっても、各バッグ部14L,14Rが膨張したときに、各バッグ部14L,14R同士の間にミニバッグ部50Aが膨張するので、膨張した各バッグ部14L,14Rが左右に揺れることが抑制される。
【0086】
また、この乗員保護装置10Gにあっては、膨張した各バッグ部14L,14Rがそれぞれ乗員の両肩を受け止め、各バッグ部14L,14R同士の間に膨張したミニバッグ部50Aが乗員の頭部を受け止めて乗員を保護することができる。
【0087】
この実施の形態では、膨張した該ミニバッグ部50A内のガス圧は大気圧と同等であるため、乗員の頭部をソフトに受け止めることができる。
【0088】
なお、上記の各実施の形態は本発明の一例を示すものであり、本発明は上記の各実施の形態に限定されるものではない。
【0089】
例えば、本発明においては、カーテンが車室のフロア部分から上方に向って展開するよう構成してもよく、車室の左右の側面部分から車室中央側に向って、又は一方の車室側面部分から他方の車室側面部分に向ってカーテンが展開するよう構成してもよい。
【0090】
本発明においては、カーテンの両サイドに該カーテンの展開を案内する案内部材を設けてもよい。
【0091】
本発明では、ワイヤ等によりカーテンを展開方向に引張ることによりカーテンを展開させるようにしてもよい。
【0092】
本発明では、カーテンの左右の側辺と該カーテンよりも車両後方に延在する車室天井部分の左右の側縁とを連結した連結部以外の手段により、乗員受け止め時にカーテンに反力を生じさせるよう構成してもよい。
【0093】
本発明は、3人掛けの座席だけでなく、1人掛け又は2人掛け或いは4人掛け以上の座席の乗員保護装置にも適用可能である。本発明を2人掛け以上の座席の乗員保護装置に適用する場合には、当該座席に並んで座ったすべての乗員を共通のカーテンによって保護するようにしてもよく、1人1人又は数人ずつを1枚のカーテンで保護するようにしてもよい。
【0094】
本発明は、自動車の後部座席以外の座席の乗員保護装置にも適用できる。
【0095】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、比較的出力の小さいガス発生器を用いても十分に早期に展開し、且つ乗員を十分に保護することができる乗員保護装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る乗員保護装置のカーテン展開状態における斜視図である。
【図2】カーテンの要部正面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】乗員保護装置のカーテン展開時における側面図である。
【図6】別の実施の形態に係る乗員保護装置のカーテンの要部正面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】図6のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】膨張したバッグ部同士の接離方向の動きを抑制する抑制手段を設けた実施の形態に係る乗員保護装置の斜視図である。
【図10】膨張したバッグ部同士の接離方向の動きを抑制する抑制手段を設けた別の実施の形態に係る乗員保護装置の斜視図である。
【図11】膨張したバッグ部同士の接離方向の動きを抑制する抑制手段を設けたさらに別の実施の形態に係る乗員保護装置の斜視図である。
【図12】膨張したバッグ部同士の接離方向の動きを抑制する抑制手段を設けたさらに別の実施の形態に係る乗員保護装置の斜視図である。
【図13】膨張したバッグ部同士の接離方向の動きを抑制する抑制手段を設けた異なる実施の形態に係る乗員保護装置の斜視図である。
【図14】図13の乗員保護装置のカーテンの正面図及び断面図である。
【図15】膨張したバッグ部同士の接離方向の動きを抑制する抑制手段を設けたさらに異なる実施の形態に係る乗員保護装置の斜視図である。
【図16】図15のXVI−XVI線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 前部座席
10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G 乗員保護装置
12,12A カーテン
14L,14R,30L,30R バッグ部
16 横長バッグ部
18,20 ダクト
22 ガス発生器
24 連結部
32,34 ガス流路
40,40A ストラップ
44,44A 連結布
50,50A ミニバッグ部
Claims (7)
- 車両室内の上下左右方向に展開した展開状態をとるように展開可能なカーテンと、
該カーテンに設けられた膨張可能なバッグ部と、
該バッグ部を膨張させるためのガス発生器とを備えてなり、
該バッグ部は、乗員の両肩を受け止めるように配置されている乗員保護装置。 - 請求項1において、該バッグ部は、車両の左右方向に間隔をおいて複数対設けられていることを特徴とする乗員保護装置。
- 請求項1又は2において、該カーテンは、車室の天井部分から下方に展開するものであることを特徴とする乗員保護装置。
- 請求項3において、展開した該カーテンの左右の側辺と、該カーテンよりも車両後方に延在する該天井部分の左右の側縁とをそれぞれ連結する連結部が設けられていることを特徴とする乗員保護装置。
- 請求項1ないし4のいずれか1項において、膨張したバッグ部同士の接離方向の動きを抑制する抑制手段を備えたことを特徴とする乗員保護装置。
- 請求項5において、該抑制手段は、バッグ部同士を繋ぐ紐又は布よりなることを特徴とする乗員保護装置。
- 請求項5において、該抑制手段は、膨張したバッグ部同士の間に膨張するミニバッグ部よりなることを特徴とする乗員保護装置。
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