JP2005035116A - 走査装置用照明装置および印刷物読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】管状の光源を使用した場合においても、その軸方向において均一で、かつ、高輝度な光を照射することが可能な走査装置用照明装置および印刷物読取装置を提供することを目的とする。
【解決手段】照明部44は、その外周部に集光部材としてのプリズムシート101が装着された一対の蛍光灯102と、蛍光灯102から出射された光を印刷物としての印刷用紙100に向けて反射するための凹面ミラー103とを有する。プリズムシート101は、蛍光灯102の軸方向に拡散する光を蛍光灯102の軸と直交する方向に集光する集光部材として機能するものであり、その表面に蛍光灯102の軸と直交する方向を向く微小な略三角柱状の凸部が、蛍光灯102の軸方向に連続して形成された構成を有する。
【選択図】 図10
【解決手段】照明部44は、その外周部に集光部材としてのプリズムシート101が装着された一対の蛍光灯102と、蛍光灯102から出射された光を印刷物としての印刷用紙100に向けて反射するための凹面ミラー103とを有する。プリズムシート101は、蛍光灯102の軸方向に拡散する光を蛍光灯102の軸と直交する方向に集光する集光部材として機能するものであり、その表面に蛍光灯102の軸と直交する方向を向く微小な略三角柱状の凸部が、蛍光灯102の軸方向に連続して形成された構成を有する。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、走査装置用照明装置および印刷物読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、印刷機におけるインキの供給量や湿し水の供給量を制御するためには、印刷物読取装置が使用される。そして、この印刷物読取装置として、印刷物を照明部および撮像部に対して相対的に移動させることにより、照明部により印刷物を照明しながら撮像部により印刷物の画像を読み取る走査式のものも使用される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−355950
【0004】
このような走査式の印刷物読取装置においては、光源として蛍光灯等の管状の光源が使用される。そして、照明部においては、管状の光源から照射された光を効率的に利用するため、光源の後部には凹面鏡等の反射鏡が配設される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような印刷物読取装置に使用される照明部においては、線状に均一でかつ照度の高い光を印刷物に照射する必要がある。しかしながら従来の照明部においては、反射鏡により管状の光源の軸と直交する方向の集光は行われているが、管状の光源の軸方向の集光は実施されていないというのが実情である。このため、光源として蛍光灯等の管状の光源を使用した場合、光源の長手方向において中央部に相当する部分で照度が高く、両端部で照度が低いという現象が発生していた。
【0006】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、管状の光源を使用した場合においても、その軸方向において均一で、かつ、高輝度な光を照射することが可能な走査装置用照明装置および印刷物読取装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、管状の光源と、前記光源と被照明物との間に配設され、前記光源の軸方向に拡散する光を前記光源の軸と直交する方向に集光する集光部材とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記集光部材は、その表面に前記光源の軸と直交する方向を向く微小な略三角柱状の凸部が前記光源の軸方向に連続して形成されている。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記集光部材は、前記光源の外周部に装着された樹脂製シートから構成されている。
【0010】
請求項4に記載の発明は、照明部と、撮像部と、印刷物を前記照明部および前記撮像部に対して相対的に移動させる移動機構とを備え、印刷物を前記照明部および前記撮像部により走査して印刷物の画像を読み取る印刷物読取装置において、前記照明部は、管状の光源と、前記光源のと被照明物との間に配設され、前記光源の軸方向に拡散する光を前記光源の軸と直交する方向に集光する集光部材とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記集光部材は、その表面に前記光源の軸と直交する方向を向く微小な略三角柱状の凸部が前記光源の軸方向に連続して形成され、前記光源の外周部に装着された樹脂製シートから構成される。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記集光部材は、前記光源における印刷物読取装置の読取領域の両端部に相当する位置に配置される。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の発明において、前記照明部および撮像部は、印刷機における排紙部近傍に配置されており、前記移動機構は、印刷が終了した印刷用紙を排紙部に排出する排紙機構から構成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
[オフセット印刷機の構成]
【0016】
最初に、この発明に係る印刷物読取装置40を適用するオフセット印刷機の構成について説明する。図1はこの発明に係る印刷物読取装置40を適用するオフセット印刷機の概要図である。
【0017】
このオフセット印刷機は、第1、第2の版胴11、12に保持された画像が記録されていない印刷版に画像を記録して製版した後、この印刷版に供給されたインキを第1、第2のブランケット胴13、14を介して圧胴15に保持された印刷用紙に転写することにより印刷を行うものである。
【0018】
このオフセット印刷機は、図1において実線で示す第1の印刷位置と二点鎖線で示す画像記録位置との間を移動可能な第1の版胴11と、図1において実線で示す第2の印刷位置と上記画像記録位置との間を移動可能な第2の版胴12とを有する。
【0019】
第1の印刷位置に移動した第1の版胴11の周囲には、印刷版に例えばブラック(K)のインキを供給するためのインキ供給装置20aと、印刷版に例えばマゼンタ(M)のインキを供給するためのインキ供給装置20bと、印刷版に湿し水を供給するための湿し水供給装置21a、21bとが配置されている。また、第2の印刷位置に移動した第2の版胴12の周囲には、印刷版に例えばシアン(C)のインキを供給するためのインキ供給装置20cと、印刷版に例えばイエロー(Y)のインキを供給するためのインキ供給装置20dと、印刷版に湿し水を供給するための湿し水供給装置21c、21dとが配置されている。さらに、画像記録位置に移動した第1の版胴11または第2の版胴12の周囲には、給版部23と、排版部24と、画像記録装置25と、現像処理装置26とが配置されている。
【0020】
また、このオフセット印刷機は、第1の版胴11と当接可能に設けられた第1のブランケット胴13と、第2の版胴12と当接可能に設けられた第2のブランケット胴14と、第1、第2のブランケット胴13、14に対して互いに異なる位置で当接可能に設けられた圧胴15と、給紙部27から供給された印刷用紙を圧胴15に渡すための給紙胴16と、圧胴15から受け取った印刷済の印刷用紙を排紙部28に排出するためのチェーン19を巻回した排紙胴17と、印刷用紙に印刷された検出パッチの濃度を測定するためのこの発明に係る印刷物読取装置40と、ブランケット洗浄装置29とを有する。
【0021】
上記第1、第2の版胴11、12は、それぞれ図示しない版胴移動機構と連結されており、この版胴移動機構の駆動により、上述した第1または第2の印刷位置と画像記録位置との間を往復移動する。また、図示しないモータの駆動により、第1の版胴11は、第1の印刷位置において第1のブランケット胴13と同期して回転し、第2の版胴12は、第2の印刷位置において第2のブランケット胴14と同期して回転するよう構成されている。さらに、画像記録位置近傍には、図示しない版胴回転機構が配設されており、第1、第2の版胴11、12は、いずれも、画像記録位置に移動した状態において、この版胴回転機構の駆動により回転するよう構成されている。
【0022】
画像記録位置に移動した第1の版胴11または第2の版胴12の周囲には、給版部23と排版部24とが配置されている。
【0023】
給版部23には、画像が記録されていない長尺ロール状の印刷版を光密な状態で収納する供給カセット63と、この供給カセット63から引き出した印刷版の先端部を第1の版胴11または第2の版胴12の表面に案内するためのガイド部材64およびガイドローラ65と、長尺の印刷版を切断してシート状の印刷版とするためのカッター66とが配設されている。また、第1、第2の版胴11、12には、給版部23より供給された印刷版の先端部と後端部とをくわえるための図示しない一対のくわえ爪が配設されている。
【0024】
排版部24は、印刷完了後に第1の版胴11または第2の版胴12上に保持された印刷版を剥がすための爪機構73と、爪機構73の作用により剥がされた印刷版を排出カセット68に搬送するためのコンベア機構69と、排出カセット68を有する。
【0025】
給版部23における供給カセット63から引き出された印刷版の先端部は、ガイドローラ65およびガイド部材64により案内され、第1の版胴11または第2の版胴12の一方のくわえ爪にくわえられる。そして、第1の版胴11または第2の版胴12が版胴回転機構30の駆動により回転し、印刷版が第1の版胴11または第2の版胴12の外周部に巻き付けられる。そして、カッター66で切断された印刷版の後端部は、他方のくわえ爪によりくわえられる。この状態において、第1の版胴11または第2の版胴12を低速で回転させながら、画像記録装置25により第1の版胴11または第2の版胴12の外周部に保持された印刷版の表面に変調されたレーザビームを照射し、画像を記録する。
【0026】
なお、第1の版胴11の外周部に装着された印刷版Pには、画像記録装置25により、図2(a)に示すように、ブラックのインキで印刷を行うための画像領域67aと、マゼンタのインキで印刷を行うための画像領域67bとが記録される。また、第2の版胴12の外周部に装着された印刷版Pには、画像記録装置25により、図2(b)に示すように、シアンのインキで印刷を行うための画像領域67cと、イエローのインキで印刷を行うための画像領域67dとが記録される。画像領域67aと画像領域67bとは、第1の版胴11の外周部に装着された状態において、均等に振り分けられた状態(すなわち互いに180度離隔した状態)となる位置に記録される。同様に、画像領域67cと画像領域67dとは、第2の版胴12の外周部に装着された状態において、均等に振り分けられた状態(すなわち互いに180度離隔した状態)となる位置に記録される。
【0027】
再度図1を参照して、上述したように、第1の印刷位置に移動した第1の版胴11の周囲には、インキ供給装置20aとインキ供給装置20bとが、また、第2の印刷位置に移動した第2の版胴12の周囲には、インキ供給装置20cとインキ供給装置20dとが配置されている。これらのインキ供給装置20a、20b、20cおよび20d(これらを総称する場合には「インキ供給装置20」という)は、各々、複数のインキローラ71とインキ供給部72とを有する。
【0028】
インキ供給装置20a、20bのインキローラ71は、図示しないカム等の作用で揺動動作を行う。そして、この揺動動作により、第1の版胴11の外周部に保持した印刷版Pに形成された2個の画像領域67a、67bのうちの任意の画像領域に、インキ供給装置20aまたは20bのインキローラ71が接触することにより、必要な画像領域にのみインキを供給しうる構成となっている。また、同様に、インキ供給装置20c、20dのインキローラ71も、図示しないカム等の作用で揺動動作を行う。そして、この揺動動作により、第2の版胴12の外周部に保持した印刷版Pに形成された2個の画像領域67c、67dのうちの任意の画像領域に、インキ供給装置20cまたは20dのインキローラ71が接触することにより、必要な画像領域にのみインキを供給しうる構成となっている。
【0029】
図3は上述したインキ供給部72の側面概要図であり、図4はその平面図である。なお、図4においては、インキ3の図示を省略している。
【0030】
このインキ供給部72は、その軸線方向が印刷物の幅方向(印刷機による印刷方向と直交する方向)に向けて配置されたインキ元ローラ1と、印刷物の幅方向に対して分割されたL個の領域に対応してL個列設され、各々がインキ元ローラ1の外周面に対する開度を調整可能に構成されたインキキー2(1)、2(2)・・・2(L)(この明細書において、これらを総称する場合には「インキキー2」という)とを備え、これらのインキ元ローラ1とインキキー2とで構成されるインキつぼ内にインキ3を貯留可能な構成となっている。
【0031】
各インキキー2の裏面側には、各インキキー2のインキ元ローラ1に対する開度を変更するために、インキキー2をインキ元ローラ1の表面に向けて各々押圧するための、L個の偏芯カム4が配設されている。これらの偏芯カム4は、各々、軸5を介して、偏芯カム4を回転駆動するためのL個のパルスモータ6と連結されている。
【0032】
パルスモータ6に対し、インキキー駆動パルスを印加した場合には、パルスモータ6の駆動により軸5を中心に偏芯カム4が回転し、各インキキー2への押圧力が変更されることにより、各インキキー2のインキ元ローラ1に対する開度が変更され、印刷版へのインキの供給量が変更される。
【0033】
再度図1を参照して、湿し水供給装置21a、21b、21cおよび21d(これらを総称する場合には「湿し水供給装置21」という)は、上記インキ供給装置20により印刷版Pにインキを供給する前に、印刷版Pに湿し水を供給するものである。これらの湿し水装置21のうち、湿し水供給装置21aは印刷版Pにおける画像領域67aに、湿し水供給装置21bは印刷版Pにおける画像領域67bに、湿し水供給装置21cは印刷版Pにおける画像領域67cに、また、湿し水供給装置21dは印刷版Pにおける画像領域67dに、各々湿し水を供給する。
【0034】
図5は、上述した湿し水供給装置21bの側面概要図である。
【0035】
この湿し水供給装置21bは、湿し水を貯留する水舟31と、図示しないモータの駆動により回転する水元ローラ32とからなる湿し水供給部と、水元ローラ32により供給された湿し水を第1の版胴11の外周部に装着された印刷版の表面に転移させるための二本の水ローラ33、34とを備える。この湿し水供給装置においては、水元ローラ32の回転数を変更することにより、印刷版の表面に供給する湿し水の供給量を調整することができる。
【0036】
なお、他の3個の湿し水供給装置21a、21c、21dも、この湿し水供給装置21bと同様の構成を有する。
【0037】
再度図1を参照して、画像記録位置に移動した第1の版胴11または第2の版胴12の下方には、現像処理装置26が配設されている。この現像処理装置26は、現像部、定着部および絞り部を有し、図1において二点鎖線で示す待機位置と実線で示す現像処理位置との間を昇降可能に構成されている。
【0038】
この現像処理装置26によって画像記録装置25により画像が記録された印刷版Pを現像処理する場合においては、第1の版胴11または第2の版胴とともに回転する印刷版Pに対して、現像部、定着部および絞り部を順次接触させる。
【0039】
第1、第2の版胴11、12と当接可能に設けられた第1、第2のブランケット胴13、14は、第1、第2の版胴11、12と同一の直径を有し、その外周部にはインキ転写用のブランケットが装着されている。そして、この第1、第2のブランケット胴13、14は、第1、第2の版胴11、12および圧胴15に対し、図示しない胴入れ機構により接離自在な構成となっている。
【0040】
第1、第2のブランケット胴13、14の間に配設されたブランケット洗浄装置29は、巻き出しロールから複数の圧接ローラを介して巻き取りロールに至る経路に貼張された長尺の洗浄布に洗浄液を供給し、この洗浄布を第1、第2のブランケット胴13、14に対して当接させた上、摺動させることにより、第1、第2のブランケット胴13、14の表面を洗浄するものである。
【0041】
第1、第2のブランケット胴13、14と当接可能に設けられた圧胴15は、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の直径の1/2の直径を有する。また、圧胴15は、印刷用紙の先端を保持して搬送するための図示しないグリッパを有する。
【0042】
また、圧胴15に隣接して配設された給紙胴16は、圧胴15と同一の直径を有する。この給紙胴16は、往復移動する吸着盤74により給紙部27から1枚ずつ供給された印刷用紙の先端部を図示しないグリッパにより保持して搬送する。グリッパにより保持された印刷用紙の先端部は、給紙胴16から圧胴15への印刷用紙の受け渡し時に、圧胴15のグリッパにより保持される。
【0043】
また、圧胴15に隣接して配設された排紙胴17は、圧胴15と同一の直径を有する。この排紙胴17は、その両端部に一対のチェーン19を巻回した構造を有し、この一対のチェーン19を連結する図示しない連結部材上に、各々後述するグリッパ41が配設されている。圧胴15のグリッパにより保持された印刷用紙の先端部は、圧胴15から排紙胴17への印刷用紙の受け渡し時に、排紙胴17のいずれかのグリッパ41により保持される。そして、この印刷用紙は、チェーン19の移動に伴って、印刷物読取装置40によりそこに印刷された検出パッチの濃度を測定された後、排紙部28上に搬送されて排出される。
【0044】
前記給紙胴16は、図示しないベルトを介して駆動モータと連結されている。そして、給紙胴16、圧胴15、排紙胴17、第1、第2のブランケット胴13、14は、各々その端部に付設された歯車により連結されている。さらに、第1のブランケット胴13と第1の印刷位置に移動した第1の版胴11、および、第2のブランケット胴14と第2の印刷位置に移動した第2の版胴12とは、その端部に付設された歯車により各々連結されている。従って、図示しない駆動モータの駆動により、これらの給紙胴16、圧胴15、排紙胴17、第1、第2のブランケット胴13、14、第1、第2の版胴11、12は、互いに同期して回転する。
【0045】
図6は、印刷物としての印刷用紙に印刷された検出パッチ等の濃度を測定するためのこの発明に係る印刷物読取装置40を示す側面概要図である。
【0046】
上述した一対のチェーン19は、図1に示す排紙胴17の両端部と一対の大径のスプロケット18との間に無端状に掛け渡されている。そして、上述したように、一対のチェーン19を連結する図示しない連結部材上には、各々、印刷用紙100の先端部を咥えて搬送するためのグリッパ41が配設されている。
【0047】
なお、一対のチェーン19の長さは、排紙胴17の周長の整数倍の長さとなっており、チェーン19上におけるグリッパ41の配置間隔は、排紙胴7の周長と等しくなるように設定されている。そして、各グリッパ41は、図示しないカム機構によって排紙胴7に設けられたグリッパと同期して開閉するように構成されており、排紙胴7から印刷用紙100を受け取り、チェーン19の回転に伴って印刷用紙100を搬送した後、排紙部28上に排出する。
【0048】
この印刷用紙100の搬送時には、印刷用紙100の先端部のみをグリッパ41により咥えて搬送するため、印刷用紙100の後端は固定されていない状態で搬送されることになる。このため、この搬送時には、印刷用紙100のばたつきが発生し、後述する印刷物読取装置40による検出パッチの濃度測定動作に支障を来すことになる。このため、このオフセット印刷機においては、排紙部28の前方側において印刷用紙100の搬送状態を安定させる吸着ローラ43を備えている。
【0049】
この吸着ローラ43は、その表面に微細な吸着孔を多数備えた中空状のローラから構成されており、その中空部は図示しない真空ポンプと接続されている。この吸着ローラ43は、その軸線が一対のチェーン19間に掛け渡されたグリッパ41に対し平行となり、チェーン19の下方通過位置と略同じ高さにその頂部が位置するように配置されている。
【0050】
なお、吸着ローラ43は、グリッパ41の通過速度に合わせて回転駆動する、もしくは、回転自在に構成されている。従って、印刷用紙100は、吸着ローラ43上を通過する際には吸着ローラ43の表面に吸着された状態となって搬送されることになり、この吸着ローラ43上の部分では印刷用紙100はばたつかない。なお吸着ローラ43に代えて、前記印刷用紙100を平面的に吸着するような吸着板部材を使用してもよい。
【0051】
この発明に係る印刷物読取装置40は、搬送される印刷物としての印刷用紙を照明する照明部44と、この照明部44により照明された印刷用紙100上の検出パッチを撮像してその濃度を測定するための撮像部45とを備える。また、上述した一対のチェーン19等からなる印刷用紙100の移動機構もこの発明に係る印刷物読取装置40を構成する。照明部44は、吸着ローラ43に沿って配置され、吸着ローラ43上の印刷用紙100を照明する複数の線状光源からなり、チェーン19の上下走行領域間に設けられている。
【0052】
なお、この発明の特徴部分である照明部44の構成については、後程、詳細に説明する。
【0053】
撮像部45は、遮光および防塵のための筐体46と、この筐体内部に配置されたミラー49、レンズ48、CCDラインセンサ47とを備える。この撮像部45は、吸着ローラ43上の印刷用紙100の画像を照明部44のスリットを通して撮像するものであり、ミラー49で折り返された画像の入射光は、レンズ48を通ってCCDラインセンサ47で受光される。
【0054】
図7は、このオフセット印刷機の主要な電気的構成を示すブロック図である。このオフセット印刷機は、装置の制御に必要な動作プログラムが格納されたROM141と、制御時にデータ等が一時的にストアされるRAM142と、論理演算を実行するCPU143とからなる制御部140を備える。この制御部は140は、インタフェース144を介して、インキ供給装置20、湿し水供給装置21、画像記録装置25、現像処理装置26、ブランケット洗浄装置29、印刷物読取装置40、第1、第2のブランケット胴13、14の胴入れ機構等における駆動部等の駆動信号を発生させる駆動回路145と接続されている。オフセット印刷機はこの制御部140により制御され、後述する製版動作および印刷動作を実行する。
【0055】
[印刷動作]
【0056】
次に、このオフセット印刷機による製版および印刷動作について説明する。図8は、このオフセット印刷機による製版および印刷動作の概要を示すフローチャートである。なお、この印刷および製版動作は、印刷用紙にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインキで多色印刷を行う場合のものである。
【0057】
まず、第1、第2の版胴11、12上において印刷版Pに画像を記録し、現像処理を行う製版工程を実行する(ステップS1)。この製版工程は、サブルーチンとしての図9のフローチャートに示す工程に従って実行される。
【0058】
すなわち、最初に第1の版胴11を、図1において二点鎖線で示す画像記録位置に移動させる(ステップS11)。
【0059】
次に、第1の版胴11の外周に印刷版Pを供給する(ステップS12)。この印刷版Pの供給は、供給カセット63から引き出した印刷版Pの先頭部とカッター66で切断された印刷版Pの後端部とを図示しない一対のくわえ爪でくわえることにより実行される。
【0060】
続いて、第1の版胴11の外周に保持された印刷版Pに画像を記録する(ステップS13)。この画像の記録は、第1の版胴11を低速で回転させるとともに、画像記録装置25から第1の版胴11の外周に保持された印刷版Pに変調されたレーザビームを照射することにより実行される。
【0061】
次に、画像が記録された印刷版Pを現像処理する(ステップS14)。この現像処理は、現像処理装置26を図1において二点鎖線で示す待機位置から実線で示す現像処理位置まで上昇させた後、第1の版胴11とともに回転する印刷版Pに対して、現像部、定着部および絞り部を順次接触させることにより実行される。
【0062】
上記現像処理が終了すれば、第1の版胴11を図1において実線で示す第1の印刷位置まで移動させる(ステップS15)。
【0063】
続いて、上記ステップS11〜15と同様の動作により、第2の版胴12の外周に保持される印刷版Pに対する製版工程を実行する(ステップS16〜20)。 そして、第1、第2の版胴11、12の外周に保持される印刷版Pへの製版が終了すれば、製版工程を終了する。
【0064】
再度図8を参照して、製版工程が完了すれば、第1、第2の版胴11、12上の印刷版Pを用いて印刷用紙に印刷を行う印刷工程を実行する(ステップS2)。この印刷工程は、次のようにして実行される。
【0065】
すなわち、先ず、各湿し水供給装置21および各インキ供給装置20を第1、第2の版胴11、12上に保持された印刷版Pのうちの対応する画像領域とのみ当接させる。これにより、各画像領域67a、67b、67c、67dには対応する各湿し水供給装置21および各インキ供給装置20から湿し水とインキとが供給される。そして、印刷版Pに供給されたインキは、第1、第2のブランケット胴13、14の対応する領域に転写される。
【0066】
そして、印刷用紙を給紙胴16に供給する。この印刷用紙は、給紙胴16から圧胴15に渡される。この状態で、圧胴15が回転を続けると、圧胴15は、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の1/2の直径を有することから、圧胴15の外周部に保持された印刷用紙には、その1回転目においてブラックとシアンのインキが、また、その2回転目においてマゼンタとイエローのインキが転写される。
【0067】
このようにして、4色の印刷が終了した印刷用紙の先端部は、圧胴15から排紙胴17に渡される。そして、4色の印刷が終了した印刷用紙は、一対のチェーン19の駆動により、排紙部28に向けて搬送され、印刷物読取装置40において検出パッチの濃度を測定された後、排紙部28上に排出される。
【0068】
印刷工程が終了すれば、印刷に使用した印刷版Pを排出する(ステップS3)。この印刷版Pの排出を行うためには、最初に第1の版胴11を、図1において二点鎖線で示す画像記録位置に移動させる。そして、第1の版胴11を反時計回りに回転させるとともに、第1の版胴11上に保持された印刷版Pの端部を爪機構73により剥がした後、この印刷版Pをコンベア機構69により案内して、排出カセット68内に排出する。そして、第1の版胴11を第1の印刷位置に復帰させた後、第2の版胴12を第2の印刷位置から画像記録位置に移動させ、上記同様の動作を実行することにより、第2の版胴12上に保持された印刷版Pを排出カセット68内に排出する。
【0069】
印刷版Pの排出工程が完了すれば、ブランケット胴洗浄装置29により第1、第2のブランケット胴13、14を洗浄する(ステップS4)。
【0070】
第1、第2のブランケット胴13、14の洗浄が終了すれば、さらに別の印刷物の印刷作業を行うか否かを確認する(ステップS5)。他の印刷作業を行う場合には、ステップ1〜4の動作を繰り返す。
【0071】
印刷作業が終了した場合には、インキの洗浄を行う(ステップS6)。このインキの洗浄は、各インキ供給装置20に配設された図示しないインキ洗浄装置により、各インキ供給装置20におけるインキローラ71やインキ供給部72に付着するインキを除去および洗浄することにより実行される。
【0072】
インキの洗浄工程が終了すれば、全ての工程を完了する。
【0073】
[照明部44の構成]
【0074】
次に、この発明の特徴部分である印刷物読取装置40における照明部44の構成について説明する。図10は照明部44の要部を拡大して示す側面概要図である。
【0075】
この照明部44は、その外周部に集光部材としてのプリズムシート101が装着された一対の蛍光灯102と、蛍光灯102から出射された光を印刷物としての印刷用紙100に向けて反射するための凹面ミラー103とを有する。蛍光灯102としては、凹面ミラー103方向により多くの構成が出射される構成のものが採用されている。そして、凹面ミラー103は、蛍光灯102の軸と直交する方向に拡がる光を集光して印刷用紙100方向に反射する。
【0076】
図11は、蛍光灯102における外壁管104とその外周部に装着されたプリズムシート101との関係を示す一部拡大断面図であり、図12はプリズムシート101を拡大して示す斜視図である。
【0077】
プリズムシート101は、蛍光灯102の軸方向に拡散する光を蛍光灯102の軸と直交する方向に集光する集光部材として機能するものであり、その表面に蛍光灯102の軸と直交する方向を向く微小な略三角柱状の凸部が、蛍光灯102の軸方向に連続して形成された構成を有する。このプリズムシート101は、図12に示すように、アクリル系樹脂からなる凹凸状のシート106とポリエステルフィルムからなるベースシート107とを積層した構成を有する。このプリズムシート101においては、ベースシート107側から入射した拡散光が略三角柱状の凸部の表面で屈折し、蛍光灯102の軸と直交する方向に集光されてシート106側から出射される。
【0078】
図13は、他の実施形態に係るプリズムシート108を拡大して示す斜視図である。
【0079】
このプリズムシート108は、アクリル系樹脂からなる凹凸状のシート116とポリエステルフィルムからなるベースシート117とを積層した構成を有する。上述したプリズムシート101においては、蛍光灯102の軸と直交する方向を向く微小な略三角柱状の凸部が規則的に形成されているのに対し、このプルリズムシート108においては、略三角柱状の凸部が不規則に形成された構成となっている。このプリズムシート108においても、ベースシート117側から入射した拡散光が略三角柱状の凸部の表面で屈折し、蛍光灯102の軸と直交する方向に集光されてシート116側から出射される。
【0080】
図14は、さらに他の実施形態に係るプリズムシート109を拡大して示す斜視図である。
【0081】
このプリズムシート109は、ポリカーボネート樹脂からなる単一の凹凸状のシートから構成される。上述したプリズムシート101、106においては、蛍光灯102の軸と直交する方向を向く微小な略三角柱状の凸部が規則的に形成されているのに対し、このプリズムシート109においては、三角柱の先端部分が丸みを帯びた形状を有する。このプリズムシート109においても、そこに入射した拡散光が略三角柱状の凸部の表面で屈折し、蛍光灯102の軸と直交する方向に集光されて出射される。
【0082】
以上のようなプリズムシート101、108、109は、例えば、住友スリーエム株式会社から「輝度上昇フィルム」という名称で提供されている。
【0083】
以上のような構成を有する照明部44においては、蛍光灯102から出射された拡散光は、プリズムシート101、108、109に入射した後、略三角柱状の凸部の表面で屈折することにより蛍光灯102の軸と直交する方向(厳密には、蛍光灯102の軸と直交する方向に対して所定範囲の角度内)に集光される。そして、プリズムシート101、108、109から出射した光は、凹面ミラー103の作用により、蛍光灯102の軸と平行な方向に集光された後印刷用紙100の表面に照射される。
【0084】
このため、従来のように、光源の長手方向において中央部に相当する部分で照度が高く、両端部で照度が低いという現象の発生を有効に防止することができる。また、蛍光灯102から出射された光が蛍光灯102の軸と直交する方向に集光されることから、印刷用紙100に照射される光の照度が向上することになる。従って、印刷物読取装置40による画像の読取精度を向上させることが可能となる。
【0085】
特に、印刷機の内部に印刷物読取装置40を配置する場合、印刷機内部の凹凸構造やチェーン等の稼働部の存在により、散乱光が印刷物端部の測定に悪影響を及ぼす場合がある。しかしながら、本発明のように蛍光灯102の軸方向への光の散乱を極力防止することで、上述した散乱光による影響を少なくすることができるという効果もあることから、この発明は印刷機内に設置された印刷物読取装置40に特に有用となる。
【0086】
なお、蛍光灯102の軸方向の寸法が大きい場合においては、プリズムシート101、108、109を蛍光灯102の外周面全域に装着するのではなく、蛍光灯102における印刷物読取装置40の読取領域Eの両端部に相当する位置にのみ装着することが好ましい。
【0087】
以下、この点について説明する。図15は、蛍光灯102とプリズムシート101との配置関係を示す正面図である。なお、他の実施形態に係るプリズムシート108、109も、このプリズムシート101と同様に配置される。
【0088】
この図に示すように、プリズムシート101は、蛍光灯102における印刷物読取装置40の読取領域Eの両端部に相当する位置に配置されている。
【0089】
プリズムシート101、108、109に入射した光の一部はプリズムシート101、108、109を透過しないことから、プリズムシート101、108、109においては一定の光量損失が発生する。蛍光灯102の軸方向の寸法が比較的小さな場合には、この光量損失よりもプリズムシート101、108、109による集光効率の向上作用の方が大きいことから、プリズムシート101、108、109を蛍光灯102の外周面全域に装着することが好ましい。
【0090】
一方、蛍光灯102の軸方向の寸法が比較的大きな場合には、上記の光量損失を考慮し、また、印刷物読取装置40の読取領域Eの両端部に相当する位置において印刷用紙100に照射される光の照度を向上させることにより蛍光灯102の軸方向の光の照度のバランスをとる目的から、プリズムシート101、108、109を蛍光灯102における印刷物読取装置40の読取領域Eの両端部に相当する位置にのみ装着することが好ましい。このときのプリズムシート101、108、109の寸法等は、使用する蛍光灯102の長さ等に応じて適宜調整すればよい。
【0091】
次に、印刷物読取装置40における照明部44の他の実施形態について説明する。図16は、他の実施形態に係る照明部44の要部を拡大して示す側面概要図である。なお、図10に示す実施形態と同位置の部材については、同一の記号を付して詳細な説明を省略する。
【0092】
上述して実施形態においては、プリズムシート101、108、109から出射した光を、一対の凹面ミラー103の作用により蛍光灯102の軸と平行な方向に集光した後、印刷用紙100の表面に照射している。これに対してこの実施形態においては、蛍光灯102の軸と平行な方向にのみパワーを有する一対のシリンドリカルレンズ105の作用により、プリズムシート101、108、109から出射した光を蛍光灯102の軸と平行な方向に集光する構成となっている。
【0093】
なお、上述した実施形態においては、この発明に係る印刷物読取装置40を、オフセット印刷機における排紙部28近傍に配置し、印刷が終了した印刷用紙100を排紙部に排出する際に印刷用紙100の画像を読み取る構成を採用している。オフセット印刷機の排紙部28においては、多数の障害物が設置されていることから、複雑な光学系は採用し難いが、この発明に係る印刷物読取装置40においては、プリズムシート101、108、109を利用した簡易な構成により、管状の蛍光灯102を使用した場合においても、その軸方向において均一で、かつ、高輝度な光を印刷用紙100に照射することが可能となる。
【0094】
但し、この発明はこのような構成に限定されるべきものではなく、印刷機とは独立した印刷物読取装置にこの発明を適用してもよい。また、上述した照明部44と同様の構成を有する走査装置用照明装置を印刷物読取装置以外の走査装置に適用してもよい。
【0095】
また、上述した実施形態においては、プリズムシート101、108、109を蛍光灯102の外周部に装着する構成としているが、プリズムシート101、108、109を、蛍光灯102から離隔した印刷用紙100との間の位置に配置するようにしてもよい。
【0096】
さらに、上述した実施形態においては、管状の光源として蛍光灯102を使用しているが、例えば、冷陰極管等の他の管状の光源を使用してもよい。
【0097】
【発明の効果】
請求項1乃至請求項3に記載の発明によれば、管状の光源と被照明物との間に配設され、光源の軸方向に拡散する光を光源の軸と直交する方向に集光する集光部材を備えることから、その軸方向において均一で、かつ、高輝度な光を照射することが可能となる。
【0098】
請求項4および請求項5に記載の発明によれば、照明部が、管状の光源と被照明物との間に配設され、光源の軸方向に拡散する光を光源の軸と直交する方向に集光する集光部材を備えることから、その軸方向において均一で、かつ、高輝度な光を照射することができ、印刷物読取装置による画像の読取精度を向上させることが可能となる。
【0099】
請求項6に記載の発明によれば、集光部材が光源における印刷物読取装置の読取領域の両端部に相当する位置に配置されることから、軸方向の寸法が比較的大きな光源を使用した場合においても、その軸方向において均一で、かつ、高輝度な光を照射することが可能となる。
【0100】
請求項7に記載の発明によれば、印刷機の構成を利用して印刷物の画像を正確に読み取ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る印刷物読取装置40を適用するオフセット印刷機の側面概要図である。
【図2】印刷版P上における画像領域67の配置を示す説明図である。
【図3】インキ供給部72の側面概要図である。
【図4】インキ供給部72の平面図である。
【図5】湿し水供給装置21bの側面概要図である。
【図6】印刷物読取装置40を示す側面概要図である。
【図7】オフセット印刷機の主要な電気的構成を示すブロック図である。
【図8】オフセット印刷機による製版および印刷動作の概要を示すフローチャートである。
【図9】製版工程を示すフローチャートである。
【図10】照明部44の要部を拡大して示す側面概要図である。
【図11】蛍光灯102における外壁管104とその外周部に装着されたプリズムシート101との関係を示す一部拡大断面図である。
【図12】プリズムシート101を拡大して示す斜視図である。
【図13】他の実施形態に係るプリズムシート108を拡大して示す斜視図である。
【図14】さらに他の実施形態に係るプリズムシート108を拡大して示す斜視図である。
【図15】蛍光灯102とプリズムシート101との配置関係を示す正面図である。
【図16】他の実施形態に係る照明部44の要部を拡大して示す側面概要図である。
【符号の説明】
11 第1の版胴
12 第2の版胴
13 第1のブランケット胴
14 第2のブランケット胴
15 圧胴
16 給紙胴
17 排紙胴
18 スプロケット
19 チェーン
20 インキ供給装置
21 湿し水供給装置
23 給版部
24 排版部
25 画像記録装置
26 現像処理装置
27 給紙部
28 排紙部
40 印刷物読取装置
41 グリッパ
43 吸着ローラ
44 照明部
45 撮像部
47 CCDカメラ
48 レンズ
49 ミラー
72 インキ供給部
100 印刷用紙
101 プリズムシート
102 蛍光灯
103 凹面ミラー
104 外壁管
105 シリンドリカルレンズ
106 シート
107 ベースシート
108 プリズムシート
109 プリズムシート
116 シート
117 ベースシート
140 制御部
E 読取領域
P 印刷版
【発明の属する技術分野】
この発明は、走査装置用照明装置および印刷物読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、印刷機におけるインキの供給量や湿し水の供給量を制御するためには、印刷物読取装置が使用される。そして、この印刷物読取装置として、印刷物を照明部および撮像部に対して相対的に移動させることにより、照明部により印刷物を照明しながら撮像部により印刷物の画像を読み取る走査式のものも使用される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−355950
【0004】
このような走査式の印刷物読取装置においては、光源として蛍光灯等の管状の光源が使用される。そして、照明部においては、管状の光源から照射された光を効率的に利用するため、光源の後部には凹面鏡等の反射鏡が配設される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような印刷物読取装置に使用される照明部においては、線状に均一でかつ照度の高い光を印刷物に照射する必要がある。しかしながら従来の照明部においては、反射鏡により管状の光源の軸と直交する方向の集光は行われているが、管状の光源の軸方向の集光は実施されていないというのが実情である。このため、光源として蛍光灯等の管状の光源を使用した場合、光源の長手方向において中央部に相当する部分で照度が高く、両端部で照度が低いという現象が発生していた。
【0006】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、管状の光源を使用した場合においても、その軸方向において均一で、かつ、高輝度な光を照射することが可能な走査装置用照明装置および印刷物読取装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、管状の光源と、前記光源と被照明物との間に配設され、前記光源の軸方向に拡散する光を前記光源の軸と直交する方向に集光する集光部材とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記集光部材は、その表面に前記光源の軸と直交する方向を向く微小な略三角柱状の凸部が前記光源の軸方向に連続して形成されている。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記集光部材は、前記光源の外周部に装着された樹脂製シートから構成されている。
【0010】
請求項4に記載の発明は、照明部と、撮像部と、印刷物を前記照明部および前記撮像部に対して相対的に移動させる移動機構とを備え、印刷物を前記照明部および前記撮像部により走査して印刷物の画像を読み取る印刷物読取装置において、前記照明部は、管状の光源と、前記光源のと被照明物との間に配設され、前記光源の軸方向に拡散する光を前記光源の軸と直交する方向に集光する集光部材とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記集光部材は、その表面に前記光源の軸と直交する方向を向く微小な略三角柱状の凸部が前記光源の軸方向に連続して形成され、前記光源の外周部に装着された樹脂製シートから構成される。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記集光部材は、前記光源における印刷物読取装置の読取領域の両端部に相当する位置に配置される。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の発明において、前記照明部および撮像部は、印刷機における排紙部近傍に配置されており、前記移動機構は、印刷が終了した印刷用紙を排紙部に排出する排紙機構から構成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
[オフセット印刷機の構成]
【0016】
最初に、この発明に係る印刷物読取装置40を適用するオフセット印刷機の構成について説明する。図1はこの発明に係る印刷物読取装置40を適用するオフセット印刷機の概要図である。
【0017】
このオフセット印刷機は、第1、第2の版胴11、12に保持された画像が記録されていない印刷版に画像を記録して製版した後、この印刷版に供給されたインキを第1、第2のブランケット胴13、14を介して圧胴15に保持された印刷用紙に転写することにより印刷を行うものである。
【0018】
このオフセット印刷機は、図1において実線で示す第1の印刷位置と二点鎖線で示す画像記録位置との間を移動可能な第1の版胴11と、図1において実線で示す第2の印刷位置と上記画像記録位置との間を移動可能な第2の版胴12とを有する。
【0019】
第1の印刷位置に移動した第1の版胴11の周囲には、印刷版に例えばブラック(K)のインキを供給するためのインキ供給装置20aと、印刷版に例えばマゼンタ(M)のインキを供給するためのインキ供給装置20bと、印刷版に湿し水を供給するための湿し水供給装置21a、21bとが配置されている。また、第2の印刷位置に移動した第2の版胴12の周囲には、印刷版に例えばシアン(C)のインキを供給するためのインキ供給装置20cと、印刷版に例えばイエロー(Y)のインキを供給するためのインキ供給装置20dと、印刷版に湿し水を供給するための湿し水供給装置21c、21dとが配置されている。さらに、画像記録位置に移動した第1の版胴11または第2の版胴12の周囲には、給版部23と、排版部24と、画像記録装置25と、現像処理装置26とが配置されている。
【0020】
また、このオフセット印刷機は、第1の版胴11と当接可能に設けられた第1のブランケット胴13と、第2の版胴12と当接可能に設けられた第2のブランケット胴14と、第1、第2のブランケット胴13、14に対して互いに異なる位置で当接可能に設けられた圧胴15と、給紙部27から供給された印刷用紙を圧胴15に渡すための給紙胴16と、圧胴15から受け取った印刷済の印刷用紙を排紙部28に排出するためのチェーン19を巻回した排紙胴17と、印刷用紙に印刷された検出パッチの濃度を測定するためのこの発明に係る印刷物読取装置40と、ブランケット洗浄装置29とを有する。
【0021】
上記第1、第2の版胴11、12は、それぞれ図示しない版胴移動機構と連結されており、この版胴移動機構の駆動により、上述した第1または第2の印刷位置と画像記録位置との間を往復移動する。また、図示しないモータの駆動により、第1の版胴11は、第1の印刷位置において第1のブランケット胴13と同期して回転し、第2の版胴12は、第2の印刷位置において第2のブランケット胴14と同期して回転するよう構成されている。さらに、画像記録位置近傍には、図示しない版胴回転機構が配設されており、第1、第2の版胴11、12は、いずれも、画像記録位置に移動した状態において、この版胴回転機構の駆動により回転するよう構成されている。
【0022】
画像記録位置に移動した第1の版胴11または第2の版胴12の周囲には、給版部23と排版部24とが配置されている。
【0023】
給版部23には、画像が記録されていない長尺ロール状の印刷版を光密な状態で収納する供給カセット63と、この供給カセット63から引き出した印刷版の先端部を第1の版胴11または第2の版胴12の表面に案内するためのガイド部材64およびガイドローラ65と、長尺の印刷版を切断してシート状の印刷版とするためのカッター66とが配設されている。また、第1、第2の版胴11、12には、給版部23より供給された印刷版の先端部と後端部とをくわえるための図示しない一対のくわえ爪が配設されている。
【0024】
排版部24は、印刷完了後に第1の版胴11または第2の版胴12上に保持された印刷版を剥がすための爪機構73と、爪機構73の作用により剥がされた印刷版を排出カセット68に搬送するためのコンベア機構69と、排出カセット68を有する。
【0025】
給版部23における供給カセット63から引き出された印刷版の先端部は、ガイドローラ65およびガイド部材64により案内され、第1の版胴11または第2の版胴12の一方のくわえ爪にくわえられる。そして、第1の版胴11または第2の版胴12が版胴回転機構30の駆動により回転し、印刷版が第1の版胴11または第2の版胴12の外周部に巻き付けられる。そして、カッター66で切断された印刷版の後端部は、他方のくわえ爪によりくわえられる。この状態において、第1の版胴11または第2の版胴12を低速で回転させながら、画像記録装置25により第1の版胴11または第2の版胴12の外周部に保持された印刷版の表面に変調されたレーザビームを照射し、画像を記録する。
【0026】
なお、第1の版胴11の外周部に装着された印刷版Pには、画像記録装置25により、図2(a)に示すように、ブラックのインキで印刷を行うための画像領域67aと、マゼンタのインキで印刷を行うための画像領域67bとが記録される。また、第2の版胴12の外周部に装着された印刷版Pには、画像記録装置25により、図2(b)に示すように、シアンのインキで印刷を行うための画像領域67cと、イエローのインキで印刷を行うための画像領域67dとが記録される。画像領域67aと画像領域67bとは、第1の版胴11の外周部に装着された状態において、均等に振り分けられた状態(すなわち互いに180度離隔した状態)となる位置に記録される。同様に、画像領域67cと画像領域67dとは、第2の版胴12の外周部に装着された状態において、均等に振り分けられた状態(すなわち互いに180度離隔した状態)となる位置に記録される。
【0027】
再度図1を参照して、上述したように、第1の印刷位置に移動した第1の版胴11の周囲には、インキ供給装置20aとインキ供給装置20bとが、また、第2の印刷位置に移動した第2の版胴12の周囲には、インキ供給装置20cとインキ供給装置20dとが配置されている。これらのインキ供給装置20a、20b、20cおよび20d(これらを総称する場合には「インキ供給装置20」という)は、各々、複数のインキローラ71とインキ供給部72とを有する。
【0028】
インキ供給装置20a、20bのインキローラ71は、図示しないカム等の作用で揺動動作を行う。そして、この揺動動作により、第1の版胴11の外周部に保持した印刷版Pに形成された2個の画像領域67a、67bのうちの任意の画像領域に、インキ供給装置20aまたは20bのインキローラ71が接触することにより、必要な画像領域にのみインキを供給しうる構成となっている。また、同様に、インキ供給装置20c、20dのインキローラ71も、図示しないカム等の作用で揺動動作を行う。そして、この揺動動作により、第2の版胴12の外周部に保持した印刷版Pに形成された2個の画像領域67c、67dのうちの任意の画像領域に、インキ供給装置20cまたは20dのインキローラ71が接触することにより、必要な画像領域にのみインキを供給しうる構成となっている。
【0029】
図3は上述したインキ供給部72の側面概要図であり、図4はその平面図である。なお、図4においては、インキ3の図示を省略している。
【0030】
このインキ供給部72は、その軸線方向が印刷物の幅方向(印刷機による印刷方向と直交する方向)に向けて配置されたインキ元ローラ1と、印刷物の幅方向に対して分割されたL個の領域に対応してL個列設され、各々がインキ元ローラ1の外周面に対する開度を調整可能に構成されたインキキー2(1)、2(2)・・・2(L)(この明細書において、これらを総称する場合には「インキキー2」という)とを備え、これらのインキ元ローラ1とインキキー2とで構成されるインキつぼ内にインキ3を貯留可能な構成となっている。
【0031】
各インキキー2の裏面側には、各インキキー2のインキ元ローラ1に対する開度を変更するために、インキキー2をインキ元ローラ1の表面に向けて各々押圧するための、L個の偏芯カム4が配設されている。これらの偏芯カム4は、各々、軸5を介して、偏芯カム4を回転駆動するためのL個のパルスモータ6と連結されている。
【0032】
パルスモータ6に対し、インキキー駆動パルスを印加した場合には、パルスモータ6の駆動により軸5を中心に偏芯カム4が回転し、各インキキー2への押圧力が変更されることにより、各インキキー2のインキ元ローラ1に対する開度が変更され、印刷版へのインキの供給量が変更される。
【0033】
再度図1を参照して、湿し水供給装置21a、21b、21cおよび21d(これらを総称する場合には「湿し水供給装置21」という)は、上記インキ供給装置20により印刷版Pにインキを供給する前に、印刷版Pに湿し水を供給するものである。これらの湿し水装置21のうち、湿し水供給装置21aは印刷版Pにおける画像領域67aに、湿し水供給装置21bは印刷版Pにおける画像領域67bに、湿し水供給装置21cは印刷版Pにおける画像領域67cに、また、湿し水供給装置21dは印刷版Pにおける画像領域67dに、各々湿し水を供給する。
【0034】
図5は、上述した湿し水供給装置21bの側面概要図である。
【0035】
この湿し水供給装置21bは、湿し水を貯留する水舟31と、図示しないモータの駆動により回転する水元ローラ32とからなる湿し水供給部と、水元ローラ32により供給された湿し水を第1の版胴11の外周部に装着された印刷版の表面に転移させるための二本の水ローラ33、34とを備える。この湿し水供給装置においては、水元ローラ32の回転数を変更することにより、印刷版の表面に供給する湿し水の供給量を調整することができる。
【0036】
なお、他の3個の湿し水供給装置21a、21c、21dも、この湿し水供給装置21bと同様の構成を有する。
【0037】
再度図1を参照して、画像記録位置に移動した第1の版胴11または第2の版胴12の下方には、現像処理装置26が配設されている。この現像処理装置26は、現像部、定着部および絞り部を有し、図1において二点鎖線で示す待機位置と実線で示す現像処理位置との間を昇降可能に構成されている。
【0038】
この現像処理装置26によって画像記録装置25により画像が記録された印刷版Pを現像処理する場合においては、第1の版胴11または第2の版胴とともに回転する印刷版Pに対して、現像部、定着部および絞り部を順次接触させる。
【0039】
第1、第2の版胴11、12と当接可能に設けられた第1、第2のブランケット胴13、14は、第1、第2の版胴11、12と同一の直径を有し、その外周部にはインキ転写用のブランケットが装着されている。そして、この第1、第2のブランケット胴13、14は、第1、第2の版胴11、12および圧胴15に対し、図示しない胴入れ機構により接離自在な構成となっている。
【0040】
第1、第2のブランケット胴13、14の間に配設されたブランケット洗浄装置29は、巻き出しロールから複数の圧接ローラを介して巻き取りロールに至る経路に貼張された長尺の洗浄布に洗浄液を供給し、この洗浄布を第1、第2のブランケット胴13、14に対して当接させた上、摺動させることにより、第1、第2のブランケット胴13、14の表面を洗浄するものである。
【0041】
第1、第2のブランケット胴13、14と当接可能に設けられた圧胴15は、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の直径の1/2の直径を有する。また、圧胴15は、印刷用紙の先端を保持して搬送するための図示しないグリッパを有する。
【0042】
また、圧胴15に隣接して配設された給紙胴16は、圧胴15と同一の直径を有する。この給紙胴16は、往復移動する吸着盤74により給紙部27から1枚ずつ供給された印刷用紙の先端部を図示しないグリッパにより保持して搬送する。グリッパにより保持された印刷用紙の先端部は、給紙胴16から圧胴15への印刷用紙の受け渡し時に、圧胴15のグリッパにより保持される。
【0043】
また、圧胴15に隣接して配設された排紙胴17は、圧胴15と同一の直径を有する。この排紙胴17は、その両端部に一対のチェーン19を巻回した構造を有し、この一対のチェーン19を連結する図示しない連結部材上に、各々後述するグリッパ41が配設されている。圧胴15のグリッパにより保持された印刷用紙の先端部は、圧胴15から排紙胴17への印刷用紙の受け渡し時に、排紙胴17のいずれかのグリッパ41により保持される。そして、この印刷用紙は、チェーン19の移動に伴って、印刷物読取装置40によりそこに印刷された検出パッチの濃度を測定された後、排紙部28上に搬送されて排出される。
【0044】
前記給紙胴16は、図示しないベルトを介して駆動モータと連結されている。そして、給紙胴16、圧胴15、排紙胴17、第1、第2のブランケット胴13、14は、各々その端部に付設された歯車により連結されている。さらに、第1のブランケット胴13と第1の印刷位置に移動した第1の版胴11、および、第2のブランケット胴14と第2の印刷位置に移動した第2の版胴12とは、その端部に付設された歯車により各々連結されている。従って、図示しない駆動モータの駆動により、これらの給紙胴16、圧胴15、排紙胴17、第1、第2のブランケット胴13、14、第1、第2の版胴11、12は、互いに同期して回転する。
【0045】
図6は、印刷物としての印刷用紙に印刷された検出パッチ等の濃度を測定するためのこの発明に係る印刷物読取装置40を示す側面概要図である。
【0046】
上述した一対のチェーン19は、図1に示す排紙胴17の両端部と一対の大径のスプロケット18との間に無端状に掛け渡されている。そして、上述したように、一対のチェーン19を連結する図示しない連結部材上には、各々、印刷用紙100の先端部を咥えて搬送するためのグリッパ41が配設されている。
【0047】
なお、一対のチェーン19の長さは、排紙胴17の周長の整数倍の長さとなっており、チェーン19上におけるグリッパ41の配置間隔は、排紙胴7の周長と等しくなるように設定されている。そして、各グリッパ41は、図示しないカム機構によって排紙胴7に設けられたグリッパと同期して開閉するように構成されており、排紙胴7から印刷用紙100を受け取り、チェーン19の回転に伴って印刷用紙100を搬送した後、排紙部28上に排出する。
【0048】
この印刷用紙100の搬送時には、印刷用紙100の先端部のみをグリッパ41により咥えて搬送するため、印刷用紙100の後端は固定されていない状態で搬送されることになる。このため、この搬送時には、印刷用紙100のばたつきが発生し、後述する印刷物読取装置40による検出パッチの濃度測定動作に支障を来すことになる。このため、このオフセット印刷機においては、排紙部28の前方側において印刷用紙100の搬送状態を安定させる吸着ローラ43を備えている。
【0049】
この吸着ローラ43は、その表面に微細な吸着孔を多数備えた中空状のローラから構成されており、その中空部は図示しない真空ポンプと接続されている。この吸着ローラ43は、その軸線が一対のチェーン19間に掛け渡されたグリッパ41に対し平行となり、チェーン19の下方通過位置と略同じ高さにその頂部が位置するように配置されている。
【0050】
なお、吸着ローラ43は、グリッパ41の通過速度に合わせて回転駆動する、もしくは、回転自在に構成されている。従って、印刷用紙100は、吸着ローラ43上を通過する際には吸着ローラ43の表面に吸着された状態となって搬送されることになり、この吸着ローラ43上の部分では印刷用紙100はばたつかない。なお吸着ローラ43に代えて、前記印刷用紙100を平面的に吸着するような吸着板部材を使用してもよい。
【0051】
この発明に係る印刷物読取装置40は、搬送される印刷物としての印刷用紙を照明する照明部44と、この照明部44により照明された印刷用紙100上の検出パッチを撮像してその濃度を測定するための撮像部45とを備える。また、上述した一対のチェーン19等からなる印刷用紙100の移動機構もこの発明に係る印刷物読取装置40を構成する。照明部44は、吸着ローラ43に沿って配置され、吸着ローラ43上の印刷用紙100を照明する複数の線状光源からなり、チェーン19の上下走行領域間に設けられている。
【0052】
なお、この発明の特徴部分である照明部44の構成については、後程、詳細に説明する。
【0053】
撮像部45は、遮光および防塵のための筐体46と、この筐体内部に配置されたミラー49、レンズ48、CCDラインセンサ47とを備える。この撮像部45は、吸着ローラ43上の印刷用紙100の画像を照明部44のスリットを通して撮像するものであり、ミラー49で折り返された画像の入射光は、レンズ48を通ってCCDラインセンサ47で受光される。
【0054】
図7は、このオフセット印刷機の主要な電気的構成を示すブロック図である。このオフセット印刷機は、装置の制御に必要な動作プログラムが格納されたROM141と、制御時にデータ等が一時的にストアされるRAM142と、論理演算を実行するCPU143とからなる制御部140を備える。この制御部は140は、インタフェース144を介して、インキ供給装置20、湿し水供給装置21、画像記録装置25、現像処理装置26、ブランケット洗浄装置29、印刷物読取装置40、第1、第2のブランケット胴13、14の胴入れ機構等における駆動部等の駆動信号を発生させる駆動回路145と接続されている。オフセット印刷機はこの制御部140により制御され、後述する製版動作および印刷動作を実行する。
【0055】
[印刷動作]
【0056】
次に、このオフセット印刷機による製版および印刷動作について説明する。図8は、このオフセット印刷機による製版および印刷動作の概要を示すフローチャートである。なお、この印刷および製版動作は、印刷用紙にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインキで多色印刷を行う場合のものである。
【0057】
まず、第1、第2の版胴11、12上において印刷版Pに画像を記録し、現像処理を行う製版工程を実行する(ステップS1)。この製版工程は、サブルーチンとしての図9のフローチャートに示す工程に従って実行される。
【0058】
すなわち、最初に第1の版胴11を、図1において二点鎖線で示す画像記録位置に移動させる(ステップS11)。
【0059】
次に、第1の版胴11の外周に印刷版Pを供給する(ステップS12)。この印刷版Pの供給は、供給カセット63から引き出した印刷版Pの先頭部とカッター66で切断された印刷版Pの後端部とを図示しない一対のくわえ爪でくわえることにより実行される。
【0060】
続いて、第1の版胴11の外周に保持された印刷版Pに画像を記録する(ステップS13)。この画像の記録は、第1の版胴11を低速で回転させるとともに、画像記録装置25から第1の版胴11の外周に保持された印刷版Pに変調されたレーザビームを照射することにより実行される。
【0061】
次に、画像が記録された印刷版Pを現像処理する(ステップS14)。この現像処理は、現像処理装置26を図1において二点鎖線で示す待機位置から実線で示す現像処理位置まで上昇させた後、第1の版胴11とともに回転する印刷版Pに対して、現像部、定着部および絞り部を順次接触させることにより実行される。
【0062】
上記現像処理が終了すれば、第1の版胴11を図1において実線で示す第1の印刷位置まで移動させる(ステップS15)。
【0063】
続いて、上記ステップS11〜15と同様の動作により、第2の版胴12の外周に保持される印刷版Pに対する製版工程を実行する(ステップS16〜20)。 そして、第1、第2の版胴11、12の外周に保持される印刷版Pへの製版が終了すれば、製版工程を終了する。
【0064】
再度図8を参照して、製版工程が完了すれば、第1、第2の版胴11、12上の印刷版Pを用いて印刷用紙に印刷を行う印刷工程を実行する(ステップS2)。この印刷工程は、次のようにして実行される。
【0065】
すなわち、先ず、各湿し水供給装置21および各インキ供給装置20を第1、第2の版胴11、12上に保持された印刷版Pのうちの対応する画像領域とのみ当接させる。これにより、各画像領域67a、67b、67c、67dには対応する各湿し水供給装置21および各インキ供給装置20から湿し水とインキとが供給される。そして、印刷版Pに供給されたインキは、第1、第2のブランケット胴13、14の対応する領域に転写される。
【0066】
そして、印刷用紙を給紙胴16に供給する。この印刷用紙は、給紙胴16から圧胴15に渡される。この状態で、圧胴15が回転を続けると、圧胴15は、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の1/2の直径を有することから、圧胴15の外周部に保持された印刷用紙には、その1回転目においてブラックとシアンのインキが、また、その2回転目においてマゼンタとイエローのインキが転写される。
【0067】
このようにして、4色の印刷が終了した印刷用紙の先端部は、圧胴15から排紙胴17に渡される。そして、4色の印刷が終了した印刷用紙は、一対のチェーン19の駆動により、排紙部28に向けて搬送され、印刷物読取装置40において検出パッチの濃度を測定された後、排紙部28上に排出される。
【0068】
印刷工程が終了すれば、印刷に使用した印刷版Pを排出する(ステップS3)。この印刷版Pの排出を行うためには、最初に第1の版胴11を、図1において二点鎖線で示す画像記録位置に移動させる。そして、第1の版胴11を反時計回りに回転させるとともに、第1の版胴11上に保持された印刷版Pの端部を爪機構73により剥がした後、この印刷版Pをコンベア機構69により案内して、排出カセット68内に排出する。そして、第1の版胴11を第1の印刷位置に復帰させた後、第2の版胴12を第2の印刷位置から画像記録位置に移動させ、上記同様の動作を実行することにより、第2の版胴12上に保持された印刷版Pを排出カセット68内に排出する。
【0069】
印刷版Pの排出工程が完了すれば、ブランケット胴洗浄装置29により第1、第2のブランケット胴13、14を洗浄する(ステップS4)。
【0070】
第1、第2のブランケット胴13、14の洗浄が終了すれば、さらに別の印刷物の印刷作業を行うか否かを確認する(ステップS5)。他の印刷作業を行う場合には、ステップ1〜4の動作を繰り返す。
【0071】
印刷作業が終了した場合には、インキの洗浄を行う(ステップS6)。このインキの洗浄は、各インキ供給装置20に配設された図示しないインキ洗浄装置により、各インキ供給装置20におけるインキローラ71やインキ供給部72に付着するインキを除去および洗浄することにより実行される。
【0072】
インキの洗浄工程が終了すれば、全ての工程を完了する。
【0073】
[照明部44の構成]
【0074】
次に、この発明の特徴部分である印刷物読取装置40における照明部44の構成について説明する。図10は照明部44の要部を拡大して示す側面概要図である。
【0075】
この照明部44は、その外周部に集光部材としてのプリズムシート101が装着された一対の蛍光灯102と、蛍光灯102から出射された光を印刷物としての印刷用紙100に向けて反射するための凹面ミラー103とを有する。蛍光灯102としては、凹面ミラー103方向により多くの構成が出射される構成のものが採用されている。そして、凹面ミラー103は、蛍光灯102の軸と直交する方向に拡がる光を集光して印刷用紙100方向に反射する。
【0076】
図11は、蛍光灯102における外壁管104とその外周部に装着されたプリズムシート101との関係を示す一部拡大断面図であり、図12はプリズムシート101を拡大して示す斜視図である。
【0077】
プリズムシート101は、蛍光灯102の軸方向に拡散する光を蛍光灯102の軸と直交する方向に集光する集光部材として機能するものであり、その表面に蛍光灯102の軸と直交する方向を向く微小な略三角柱状の凸部が、蛍光灯102の軸方向に連続して形成された構成を有する。このプリズムシート101は、図12に示すように、アクリル系樹脂からなる凹凸状のシート106とポリエステルフィルムからなるベースシート107とを積層した構成を有する。このプリズムシート101においては、ベースシート107側から入射した拡散光が略三角柱状の凸部の表面で屈折し、蛍光灯102の軸と直交する方向に集光されてシート106側から出射される。
【0078】
図13は、他の実施形態に係るプリズムシート108を拡大して示す斜視図である。
【0079】
このプリズムシート108は、アクリル系樹脂からなる凹凸状のシート116とポリエステルフィルムからなるベースシート117とを積層した構成を有する。上述したプリズムシート101においては、蛍光灯102の軸と直交する方向を向く微小な略三角柱状の凸部が規則的に形成されているのに対し、このプルリズムシート108においては、略三角柱状の凸部が不規則に形成された構成となっている。このプリズムシート108においても、ベースシート117側から入射した拡散光が略三角柱状の凸部の表面で屈折し、蛍光灯102の軸と直交する方向に集光されてシート116側から出射される。
【0080】
図14は、さらに他の実施形態に係るプリズムシート109を拡大して示す斜視図である。
【0081】
このプリズムシート109は、ポリカーボネート樹脂からなる単一の凹凸状のシートから構成される。上述したプリズムシート101、106においては、蛍光灯102の軸と直交する方向を向く微小な略三角柱状の凸部が規則的に形成されているのに対し、このプリズムシート109においては、三角柱の先端部分が丸みを帯びた形状を有する。このプリズムシート109においても、そこに入射した拡散光が略三角柱状の凸部の表面で屈折し、蛍光灯102の軸と直交する方向に集光されて出射される。
【0082】
以上のようなプリズムシート101、108、109は、例えば、住友スリーエム株式会社から「輝度上昇フィルム」という名称で提供されている。
【0083】
以上のような構成を有する照明部44においては、蛍光灯102から出射された拡散光は、プリズムシート101、108、109に入射した後、略三角柱状の凸部の表面で屈折することにより蛍光灯102の軸と直交する方向(厳密には、蛍光灯102の軸と直交する方向に対して所定範囲の角度内)に集光される。そして、プリズムシート101、108、109から出射した光は、凹面ミラー103の作用により、蛍光灯102の軸と平行な方向に集光された後印刷用紙100の表面に照射される。
【0084】
このため、従来のように、光源の長手方向において中央部に相当する部分で照度が高く、両端部で照度が低いという現象の発生を有効に防止することができる。また、蛍光灯102から出射された光が蛍光灯102の軸と直交する方向に集光されることから、印刷用紙100に照射される光の照度が向上することになる。従って、印刷物読取装置40による画像の読取精度を向上させることが可能となる。
【0085】
特に、印刷機の内部に印刷物読取装置40を配置する場合、印刷機内部の凹凸構造やチェーン等の稼働部の存在により、散乱光が印刷物端部の測定に悪影響を及ぼす場合がある。しかしながら、本発明のように蛍光灯102の軸方向への光の散乱を極力防止することで、上述した散乱光による影響を少なくすることができるという効果もあることから、この発明は印刷機内に設置された印刷物読取装置40に特に有用となる。
【0086】
なお、蛍光灯102の軸方向の寸法が大きい場合においては、プリズムシート101、108、109を蛍光灯102の外周面全域に装着するのではなく、蛍光灯102における印刷物読取装置40の読取領域Eの両端部に相当する位置にのみ装着することが好ましい。
【0087】
以下、この点について説明する。図15は、蛍光灯102とプリズムシート101との配置関係を示す正面図である。なお、他の実施形態に係るプリズムシート108、109も、このプリズムシート101と同様に配置される。
【0088】
この図に示すように、プリズムシート101は、蛍光灯102における印刷物読取装置40の読取領域Eの両端部に相当する位置に配置されている。
【0089】
プリズムシート101、108、109に入射した光の一部はプリズムシート101、108、109を透過しないことから、プリズムシート101、108、109においては一定の光量損失が発生する。蛍光灯102の軸方向の寸法が比較的小さな場合には、この光量損失よりもプリズムシート101、108、109による集光効率の向上作用の方が大きいことから、プリズムシート101、108、109を蛍光灯102の外周面全域に装着することが好ましい。
【0090】
一方、蛍光灯102の軸方向の寸法が比較的大きな場合には、上記の光量損失を考慮し、また、印刷物読取装置40の読取領域Eの両端部に相当する位置において印刷用紙100に照射される光の照度を向上させることにより蛍光灯102の軸方向の光の照度のバランスをとる目的から、プリズムシート101、108、109を蛍光灯102における印刷物読取装置40の読取領域Eの両端部に相当する位置にのみ装着することが好ましい。このときのプリズムシート101、108、109の寸法等は、使用する蛍光灯102の長さ等に応じて適宜調整すればよい。
【0091】
次に、印刷物読取装置40における照明部44の他の実施形態について説明する。図16は、他の実施形態に係る照明部44の要部を拡大して示す側面概要図である。なお、図10に示す実施形態と同位置の部材については、同一の記号を付して詳細な説明を省略する。
【0092】
上述して実施形態においては、プリズムシート101、108、109から出射した光を、一対の凹面ミラー103の作用により蛍光灯102の軸と平行な方向に集光した後、印刷用紙100の表面に照射している。これに対してこの実施形態においては、蛍光灯102の軸と平行な方向にのみパワーを有する一対のシリンドリカルレンズ105の作用により、プリズムシート101、108、109から出射した光を蛍光灯102の軸と平行な方向に集光する構成となっている。
【0093】
なお、上述した実施形態においては、この発明に係る印刷物読取装置40を、オフセット印刷機における排紙部28近傍に配置し、印刷が終了した印刷用紙100を排紙部に排出する際に印刷用紙100の画像を読み取る構成を採用している。オフセット印刷機の排紙部28においては、多数の障害物が設置されていることから、複雑な光学系は採用し難いが、この発明に係る印刷物読取装置40においては、プリズムシート101、108、109を利用した簡易な構成により、管状の蛍光灯102を使用した場合においても、その軸方向において均一で、かつ、高輝度な光を印刷用紙100に照射することが可能となる。
【0094】
但し、この発明はこのような構成に限定されるべきものではなく、印刷機とは独立した印刷物読取装置にこの発明を適用してもよい。また、上述した照明部44と同様の構成を有する走査装置用照明装置を印刷物読取装置以外の走査装置に適用してもよい。
【0095】
また、上述した実施形態においては、プリズムシート101、108、109を蛍光灯102の外周部に装着する構成としているが、プリズムシート101、108、109を、蛍光灯102から離隔した印刷用紙100との間の位置に配置するようにしてもよい。
【0096】
さらに、上述した実施形態においては、管状の光源として蛍光灯102を使用しているが、例えば、冷陰極管等の他の管状の光源を使用してもよい。
【0097】
【発明の効果】
請求項1乃至請求項3に記載の発明によれば、管状の光源と被照明物との間に配設され、光源の軸方向に拡散する光を光源の軸と直交する方向に集光する集光部材を備えることから、その軸方向において均一で、かつ、高輝度な光を照射することが可能となる。
【0098】
請求項4および請求項5に記載の発明によれば、照明部が、管状の光源と被照明物との間に配設され、光源の軸方向に拡散する光を光源の軸と直交する方向に集光する集光部材を備えることから、その軸方向において均一で、かつ、高輝度な光を照射することができ、印刷物読取装置による画像の読取精度を向上させることが可能となる。
【0099】
請求項6に記載の発明によれば、集光部材が光源における印刷物読取装置の読取領域の両端部に相当する位置に配置されることから、軸方向の寸法が比較的大きな光源を使用した場合においても、その軸方向において均一で、かつ、高輝度な光を照射することが可能となる。
【0100】
請求項7に記載の発明によれば、印刷機の構成を利用して印刷物の画像を正確に読み取ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る印刷物読取装置40を適用するオフセット印刷機の側面概要図である。
【図2】印刷版P上における画像領域67の配置を示す説明図である。
【図3】インキ供給部72の側面概要図である。
【図4】インキ供給部72の平面図である。
【図5】湿し水供給装置21bの側面概要図である。
【図6】印刷物読取装置40を示す側面概要図である。
【図7】オフセット印刷機の主要な電気的構成を示すブロック図である。
【図8】オフセット印刷機による製版および印刷動作の概要を示すフローチャートである。
【図9】製版工程を示すフローチャートである。
【図10】照明部44の要部を拡大して示す側面概要図である。
【図11】蛍光灯102における外壁管104とその外周部に装着されたプリズムシート101との関係を示す一部拡大断面図である。
【図12】プリズムシート101を拡大して示す斜視図である。
【図13】他の実施形態に係るプリズムシート108を拡大して示す斜視図である。
【図14】さらに他の実施形態に係るプリズムシート108を拡大して示す斜視図である。
【図15】蛍光灯102とプリズムシート101との配置関係を示す正面図である。
【図16】他の実施形態に係る照明部44の要部を拡大して示す側面概要図である。
【符号の説明】
11 第1の版胴
12 第2の版胴
13 第1のブランケット胴
14 第2のブランケット胴
15 圧胴
16 給紙胴
17 排紙胴
18 スプロケット
19 チェーン
20 インキ供給装置
21 湿し水供給装置
23 給版部
24 排版部
25 画像記録装置
26 現像処理装置
27 給紙部
28 排紙部
40 印刷物読取装置
41 グリッパ
43 吸着ローラ
44 照明部
45 撮像部
47 CCDカメラ
48 レンズ
49 ミラー
72 インキ供給部
100 印刷用紙
101 プリズムシート
102 蛍光灯
103 凹面ミラー
104 外壁管
105 シリンドリカルレンズ
106 シート
107 ベースシート
108 プリズムシート
109 プリズムシート
116 シート
117 ベースシート
140 制御部
E 読取領域
P 印刷版
Claims (7)
- 管状の光源と、
前記光源と被照明物との間に配設され、前記光源の軸方向に拡散する光を前記光源の軸と直交する方向に集光する集光部材と、
を備えることを特徴とする走査装置用照明装置。 - 請求項1に記載の走査装置用照明装置において、
前記集光部材は、その表面に前記光源の軸と直交する方向を向く微小な略三角柱状の凸部が前記光源の軸方向に連続して形成される走査装置用光源装置。 - 請求項2に記載の走査装置用照明装置において、
前記集光部材は、前記光源の外周部に装着された樹脂製シートから構成される走査装置用照明装置。 - 照明部と、撮像部と、印刷物を前記照明部および前記撮像部に対して相対的に移動させる移動機構とを備え、印刷物を前記照明部および前記撮像部により走査して印刷物の画像を読み取る印刷物読取装置において、
前記照明部は、
管状の光源と、
前記光源のと被照明物との間に配設され、前記光源の軸方向に拡散する光を前記光源の軸と直交する方向に集光する集光部材と、
を備えたことを特徴とする印刷物読取装置。 - 請求項4に記載の印刷物読取装置において、
前記集光部材は、その表面に前記光源の軸と直交する方向を向く微小な略三角柱状の凸部が前記光源の軸方向に連続して形成され、前記光源の外周部に装着された樹脂製シートから構成される印刷物読取装置。 - 請求項5に記載の印刷物読取装置において、
前記集光部材は、前記光源における印刷物読取装置の読取領域の両端部に相当する位置に配置される印刷物読取装置。 - 請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の印刷物読取装置において、
前記照明部および撮像部は、印刷機における排紙部近傍に配置されており、
前記移動機構は、印刷が終了した印刷用紙を排紙部に排出する排紙機構から構成される印刷物読取装置。
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