JP2005035028A - インクジェット記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷用塗工紙と同等の風合いを有し、かつ、顔料インク印字を行う際においても充分なインク吸収性を得ることができ、さらに両面インクジェット記録を行った際でも裏側までインクが抜けないように印刷性を改良した安価なインクジェット記録媒体を提供する。
【解決手段】支持体上に顔料および接着剤を含有する記録層を設けたインクジェット記録媒体において、該記録層のうち少なくとも1層の記録層に含まれる顔料100重量部当たり25重量部以上が硫酸カルシウムであることを特徴とする。特に硫酸カルシウムの吸油量が50ml/100g以上であることが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】支持体上に顔料および接着剤を含有する記録層を設けたインクジェット記録媒体において、該記録層のうち少なくとも1層の記録層に含まれる顔料100重量部当たり25重量部以上が硫酸カルシウムであることを特徴とする。特に硫酸カルシウムの吸油量が50ml/100g以上であることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録媒体に関し、特に、顔料インクジェット記録適性を有するインクジェット記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット技術の進歩は目覚ましく、プリンター技術、インク技術、専用記録媒体技術があいまって写真画質とよばれるようになっている。画質の向上に伴い、インクジェット画像の保存性を従来の銀塩写真と比較するようになり、多くの染料インクにおいて、インクジェット画像の耐水性、耐にじみ性の弱さといった色剤の移動を伴う劣化や、耐光性や耐酸化性ガス性の弱さといった色剤の化学反応を伴う劣化が指摘されている。
【0003】
そこで、この欠点の改良を目的として着色成分である有色顔料を分散したインク(以下、顔料インクと呼称)をインクジェット記録方式に適用する試みがなされており、顔料インクを用いたインクジェット記録方式で使用される記録シートとしては、例えば、特開2001−96907号公報には顔料インク用インクジェット記録用シートがある。
【0004】
一方、コンピュータやパソコン、プリンターの高性能化に伴い、画像の劣化が生じにくい顔料インクの特徴を生かしたポスターや印刷のプルーフなどの用途が生まれてきている。これらの用途においては、一般のコート紙の風合いに近いものが求められている。例えば、特開2001−150800号公報や特開2000−190626号公報等には、記録層の顔料としてコロイダルシリカを用いることで印刷用紙並の光沢度を付与し、印刷用塗工紙の風合いを持たせたインクジェット記録用紙が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−96907号公報
【特許文献2】特開2001−150800号公報
【特許文献3】特開2000−190626号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のインクジェット記録媒体は高いインク吸収性を達成するために合成非晶質シリカ等インク吸収性の高い顔料が用いられており、オフセット印刷用の塗工紙と比べ光沢度が低く、風合いが大きく異なっている。また、記録層にコロイダルシリカを用いて光沢を付与したインクジェット記録媒体は高価であり、営業利用目的に使用するには問題がある。
従って本発明は、印刷用塗工紙と同等の風合いを有し、かつ、顔料インク印字を行う際においても充分なインク吸収性を得ることができ、さらに両面インクジェット記録を行った際でも裏側までインクが抜けないように印刷性を改良した安価なインクジェット記録媒体の提供を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題について鋭意検討した結果、記録層の顔料として硫酸カルシウムを使用することで、前記課題が解決されることを見出し本発明に至った。すなわち、本発明は支持体上に顔料および接着剤を含有する記録層を設けたインクジェット記録媒体において、少なくとも1層の記録層の顔料として硫酸カルシウムを、記録層に含有される顔料100重量部当たり25重量部以上含有することを特徴とするインクジェット記録媒体である。また、前記硫酸カルシウムの吸油量が50ml/100g以上であることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の支持体は特に限定されるものではなく、透明であっても不透明であっても良い。例えば、セロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のプラスチックフィルム類、合成紙、含浸紙、酸性及び中性の上質紙や中質紙、再生紙等が挙げられ、適宜、用途に応じて使用することが出来る。特にインク吸収性がある支持体を使用することが好ましい。
【0009】
インク吸収性がある支持体としては、紙が好適に用いられる。基紙に用いられるパルプは、特に限定されるものではないが、例えば、LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)、LBSP(広葉樹晒亜硫酸パルプ)、NBSP(針葉樹晒亜硫酸パルプ)等の化学パルプ、あるいはGP(グランドパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)等の機械パルプ、故紙パルプ等を単独あるいは混合して使用することができる。また、基紙に使用される填料は、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョーク等の炭酸カルシウムや、カオリン、焼成クレー、無定型シリケート、パイオロフィライト、セリサイト、タルク等のケイ酸類や、二酸化チタン等の無機填料を単独あるいは混合して使用できる。
【0010】
基紙に使用できる内添サイズ剤としては、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤などのサイズ剤が使用することができる。また、硫酸バンド、カチオン化デンプン等、適当なサイズ剤と繊維への定着剤を組合せて使用することもできるし、紙力増強剤、染料、pH制御剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、等の抄紙用内添助剤を目的に応じて適宜添加することも可能である。また、抄紙方法については特に限定されるものではなく、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機を用いて、酸性抄紙、中性抄紙等の抄紙方式で抄紙したいずれであってもよい。また、抄紙の際、サイズプレス工程で紙の表面にデンプン、ポリビニルアルコール等の表面サイズ剤、導電剤を塗布したものも使用できる。
【0011】
本発明のインクジェット記録媒体においては、支持体上に顔料と接着剤とを含有する記録層を設ける。記録層の顔料としては、硫酸カルシウムを少なくとも1層の記録層中の顔料100重量部に対して25重量部以上含有する。
硫酸カルシウムは、天然石こうと化学石こうに大別されるが、天然石こうは不純物により着色していることがあるため、本発明では化学石こうが用いることが好ましい。化学石こうとしては、例えばリン鉱石に硫酸を反応させてリン酸を製造する過程で副生成物として得られる(村上恵一監修・「新しい資源・セッコウとその利用」株式会社ソフトサイエンス社・昭和51年発行、または「13398の化学商品」化学工業日報社・1998年発行)。また、硫酸カルシウムは2水和物(CaSO4・2H2O)、1/2水和物(CaSO4・1/2H2O)、無水物(CaSO4)にも分類されるが、本発明では2水和物が用いられる。硫酸カルシウム2水和物は針状または平板状の結晶を形成するが、結晶の成長過程での過飽和度を小さくすることで平板状結晶が得られることが知られている(村上恵一監修・「新しい資源・セッコウとその利用」株式会社ソフトサイエンス社・昭和51年発行の164ページ、また「13398の化学商品」化学工業日報社・1998年発行の79ページ参照。また針状及び平板状結晶の写真が「新しい資源・セッコウとその利用」の236ページに掲載されている。)本発明では、この天然あるいは化学石こうを湿式粉砕して、粒径0.1〜10μm程度の平板状の形状をした硫酸カルシウム粒子の分散液としたものが好適に用いられる。
【0012】
本発明においては、上記硫酸カルシウムは体積基準の粒度分布が2つのピーク(山)を有すること(それぞれのピークの形状が明瞭でなく、ショルダーの形状になる場合も含む)が好ましい。特に粒径が1μm未満、1μm以上でそれぞれ一つのピークが存在することが好ましく、特に粒径が0.1〜1μm未満に一つ、1μm〜以上10μm未満に一つそれぞれピークが存在することが更に好ましい。
また、本発明においては、硫酸カルシウムのJIS K5101に定められた吸油量が50ml/100g以上であることが好ましい。吸油量が50ml/100g以上とした場合、インクジェット記録用紙のインク吸収性が向上するが、50ml/100g未満では十分なインク吸収性を得ることが難しい。一方、硫酸カルシウムの吸油量に特に上限はないが、100g/100mlを超えると顔料インクが記録層内部に入り込みすぎて、印字濃度が低下するなどの問題が生じやすくなる。
【0013】
本発明においては、少なくとも1層の記録層中に硫酸カルシウムを顔料100重量部中に25重量部以上し、好ましくは30重量部以上含有する。また、硫酸カルシウムを顔料100重量部中に75重量部以下含有することが好ましく、より好ましくは70重量部以下含有することが好ましい。記録層中に含有する、硫酸カルシウム以外の顔料の特性によって、硫酸カルシウムの割合を適宜調整することが好ましく、前述の配合量とすることでコート紙に近い風合い有しかつインク吸収性を向上することが可能となる。例えば、記録層中に合成非晶質シリカのような硫酸カルシウムより吸油量が大きい顔料を含む場合、硫酸カルシウムの割合が少ないとインクジェット記録用紙の光沢度が低下し、通常印刷用紙並の風合いを得にくい傾向にある。また、炭酸カルシウムのように比較的吸油量が小さい顔料と併用する場合、硫酸カルシウムの割合が少ないとインク吸収性が低下する傾向にある。
【0014】
硫酸カルシウム以外の顔料としては、従来から用いられている、シリカ、カオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト等の無機顔料、プラスチックピグメント等の有機顔料を使用することが可能であり、これら硫酸カルシウム以外の顔料は単独あるいは2種以上を併用して使用することができ、特に炭酸カルシウム、カオリン、シリカのうちのいずれかと単独又は併用して使用することが好ましい。
【0015】
本発明の顔料塗工層に用いる接着剤としては、従来から用いられている、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体およびポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白の蛋白質類、酸化デンプン、陽性デンプン、尿素燐酸エステル化デンプン、ヒドロキシエチルエーテル化デンプンなどのエーテル化デンプン、デキストリンなどのデンプン類、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体などの、通常の塗工紙用接着剤1種類以上を適宜選択して使用される。これらの接着剤は顔料100重量部あたり5〜50重量部、より好ましくは5〜35重量部程度の範囲で使用される。また、必要に応じて、インク定着剤、サイズ剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、界面活性剤等を発明の効果を損なわない範囲で適宜添加することができる。
【0016】
支持体上に設ける記録層は、支持体の片面あるいは両面に、単層あるいは2層以上設けることも可能である。生産コストの点からは単層であることが好ましい。本発明の記録層の塗工量は、インク吸収性、風合いの観点から、片面あたり10〜60g/m2であることが好ましく、より好ましくは20〜50g/m2である。
【0017】
支持体に記録層を設ける方法としては、2ロールサイズプレスコーターやゲートロールコーターおよびブレードメタリングサイズプレスコーター、およびロッドメタリングサイズプレスコーター、シムサイザー等のフィルム転写型ロールコーターや、フラデットニップ/ブレードコーター、ジェットファウンテン/ブレードコーター、ショートドウェルタイムアプルケート式コーターの他、ブレードの替わりにグルーブドロッド、プレーンロッド等を用いたロッドメタリングコーターや、カーテンコーター、ダイコーター等の公知のコーターにより塗工することができる。
【0018】
乾燥は、加熱熱風エアドライヤ、加熱シリンダ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等の各種方式のドライヤを単独あるいは組み合わせて実施できる。乾燥状態が用紙のカールに影響を及ぼすため、表裏の乾燥バランスをコントロールできるような装置が好ましい。この様にして得られた記録媒体はカレンダー処理を行い平滑度を高めることも可能である。カレンダー処理においては、通常コート紙の平滑化処理に使用されるスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー等でよく、これらを併用してもよい。
特に本発明においては、記録層にスーパーカレンダー処理を行うことでインクジェット記録媒体に高い光沢を付与することが可能となり、一般コート紙のような風合いを持つインクジェット記録媒体を得ることができる。また、記録層に硫酸カルシウムを含有することで、高い圧力でカレンダー処理を行ってもインク吸収性を保持することが可能である。
【0019】
本発明において、インクジェット記録に用いるインクとしては、水系インク組成物、油系インク組成物、固体(相変化)インク組成物等を用いることができるが、水系インク組成物(例えば、インク総質量あたり10質量%以上の水を含有する水系インクジェット記録液等)を、特に好ましく用いることができる。
インクに用いられる着色剤としては、水溶性染料、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、あるいは分散染料、顔料等を用いることができる。
【0020】
本発明においてはいわゆる顔料インクを用いるインクジェット記録方法において、大きな効果を得られる。特に、ゼータ電位が−60〜−30mV、インク粒径が70〜150nm、表面張力が20mN/m以上、好ましくは25〜35mN/mであるような顔料インクを用いてインクジェット記録方式で印字した時に、発色・インク吸収とも良好な画像を得られる。
【0021】
顔料インクを使用することはは画像保存性の観点から特に好ましい。顔料インクで用いる顔料としては、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料およびカーボンブラック等を好ましく用いることができる。
【0022】
不溶性顔料としては、特に限定するものではないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
【0023】
好ましく用いることのできる具体的顔料としては、以下の顔料が挙げられる。マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0024】
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
【0025】
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0026】
これらの顔料には、必要に応じて顔料分散剤を用いてもよく、用いることのできる顔料分散剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、あるいはスチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩を挙げることができる。
【0027】
顔料の分散方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各種分散機を用いることができる。また、顔料分散体の粗粒分を除去する目的で、遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用することも好ましい。
【0028】
顔料インクとして好ましい形態である水系インク組成物は、水溶性有機溶媒を併用することが好ましい。本発明で用いることのできる水溶性有機溶媒としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。好ましい水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類が挙げられる。さらに、多価アルコールと多価アルコールエーテルを併用することが、特に好ましい。
【0029】
水溶性有機溶媒は、単独もしくは複数を併用しても良い。水溶性有機溶媒のインク中の添加量としては、総量で5〜60質量%であり、好ましくは10〜35質量%である。
【0030】
インク組成物は、必要に応じて、吐出安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号および特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤等を挙げることができる。
【0031】
インク組成物は、その飛翔時の粘度として40mPa・s以下が好ましく、30mPa・s以下であることがより好ましい。
【0032】
【作用】
本発明で用いられる硫酸カルシウムを用いた場合に、顔料インク印字においてインク吸収性、両面印字適性が優れるインクジェット記録媒体が得られる理由は定かではないが、以下のように考えられる。すなわち、合成非晶質シリカやアルミナといった一般的にインクジェットで使用される顔料では、吸油量が大きすぎるためにインクが塗工層表面に留まらずに塗工層内部に浸透し過ぎて発色に劣る傾向が見られる。また炭酸カルシウムやカオリンといった一般的にコート紙で使用される顔料では、塗工層が緻密になりすぎるためにインク吸収に劣る傾向がある。本発明で用いられる硫酸カルシウムは、炭酸カルシウムやカオリンに比べ粒径・吸油量ともにやや大きいが、シリカやアルミナと比較すると粒径・吸油量ともに小さくなっている。またある程度厚みのある平板状の粒子であるため、塗工層形成時に炭酸カルシウムやカオリンに比べてバルキーな層が形成されやすいと考えられる。これらの点が顔料インクでの印字適性と関連していると考えられる。
【0033】
また、記録層に硫酸カルシウムを配合することで、記録層中に蛍光増白剤を大量に添加することなく高い白色度を得ることができる。また、記録層の不透明度も向上し、画像の裏抜けが防止できる。これは、平板状の硫酸カルシウム粒子を用いているために、炭酸カルシウムやカオリン等を使用した場合に比べて塗工層がバルキーになり、紙の不透明度が上がるために画像の裏抜けが防止できるためと考えられる。
【0034】
【発明の効果】
本発明により、インク吸収性が高く顔料インク印字適性に優れ、風合いが一般印刷用塗工紙と同等であるインクジェット記録媒体を得ることができる。また、本発明のインクジェット記録媒体は蛍光増白剤を使用していないにもかかわらず、白色度が高く優れていた。
【0035】
【実施例】
以下に実施例をあげて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらの例に限定されるものではない。尚、実施例及び比較例で得られた記録媒体については以下に示すような評価法に基いて試験を実施した。
(1)ISO白色度の測定
測定機CMS−35SPX(村上色彩技術研究所製)を使用し、JIS P8148(ISO 2470)に準じて記録層表面のISO白色度を測定した(白色度1)。また、420nmカットオフフィルターを光路に置いて測定し、蛍光増白しないときの白色度を測定した(白色度2)。蛍光増白剤を使用していない場合、白色度1と白色度2の値はほとんど変わらない。
【0036】
(2)75°鏡面光沢度の測定
測定機GM−26PRO(村上色彩技術研究所製)を使用し、JIS Z8741に準じて記録層表面の75°鏡面光沢度を測定した
(3)印字濃度
セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−4000PXを用い、純正顔料インク(ICBK23:フォトブラック、ICGY23:グレー、ICC:シアン、ICM23:マゼンタ、ICY23:イエロー、ICLC23:ライトシアン、ICLM23:ライトマゼンタ)を使用し、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのベタをMC光沢紙/きれい(詳細設定;色補正なし)モードで印字し、印字部をグレタグマクベス反射濃度計RD−19Iにより計測した。
【0037】
(4)インク吸収性
セイコーエプソン社製PM−4000PXを用い、前述と同条件にて黒ベタ中に10ポイントの白抜き文字を印字し、その明瞭さを目視評価した。
評価基準:○(白抜けがはっきりしている)
×(白抜けが潰れて判読できない)
(5)風合い
インクジェト記録用紙の風合いを一般印刷用塗工紙(オーロラコート157g/m2、日本製紙株式会社製、75°光沢度 77%)と比較し、目視で評価した。
評価基準:○(見た目の光沢感が一般印刷用塗工紙に似ている)
×(光沢が高すぎたり低すぎたりして、一般印刷用塗工紙との違いが明らかである)
(6)裏抜け
セイコーエプソン社製PM−4000PXを用い、前述と同条件にて黒ベタを印字し、印字した裏側に黒ベタが確認できるか(裏抜けが発生しているか)を目視で評価した。
評価基準:○(裏抜けは発生していない)
:×(裏側に、印字したベタ部の形が確認できる)
【0038】
[実施例1]
〈基紙〉
原紙を構成するパルプ組成を、LBKP100部に対して、填料としてタルクを紙重量あたり17部、サイズ剤0.3部、カチオン化澱粉0.4部を配合した紙料を硫酸バンドでpH=4.5に調整して、長網抄紙機にて抄造し、坪量105g/m2の紙を得た。この紙にサイズプレスで澱粉5%液を塗工量が両面で4.8g/m2となるように塗工して本発明の記録媒体の基紙を得た。
〈塗工液〉
顔料として、平均粒子径2.3μmであり、体積基準の粒度分布が0.4μmと3μmでそれぞれ一つピークを有し、(平均粒子径・体積基準の粒度分布はMALVERN社製 MastersizerSによる測定値、以下も同様)、吸油量62ml/100gの硫酸カルシウム50部、重質炭酸カルシウム(FMT−90:ファイマテック社製 平均粒子径0.76μm)50部、酸化澱粉(MS−3600、日本食品加工社製)3部、ラテックス(PA−0226、日本A&L社製)5部を配合した固形分55%の塗料を調製した。この塗料を、ブレードコーターで塗工量が片面36g/m2となるように基紙上に塗工、乾燥し記録層を設けた後、スーパーカレンダー処理(線圧150kg/cm、金属ロール温度65℃、ニップ数10)を行いインクジェット記録媒体を得た。
【0039】
[比較例1]
硫酸カルシウムの変わりにカオリン(アマゾンプラス:CADAM社製 平均粒子径0.44μm)を使用した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用媒体を得た。
【0040】
表1に実施例1及び比較例1で得られたインクジェット記録用紙を評価した結果を示す。
【0041】
【表1】
【0042】
本発明である実施例1で得られたインクジェット記録媒体は、一般コート紙並の風合いでありかつインク吸収性も良好であった。一方、比較例1のインクジェット記録媒体は、実施例1と比較して印字濃度が高くなっているが、これはインクが吸収されずに媒体表面に溢れているためであり、インク吸収性が実施例1に比べ大きく劣るために実用に耐えるものではなかった。
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録媒体に関し、特に、顔料インクジェット記録適性を有するインクジェット記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット技術の進歩は目覚ましく、プリンター技術、インク技術、専用記録媒体技術があいまって写真画質とよばれるようになっている。画質の向上に伴い、インクジェット画像の保存性を従来の銀塩写真と比較するようになり、多くの染料インクにおいて、インクジェット画像の耐水性、耐にじみ性の弱さといった色剤の移動を伴う劣化や、耐光性や耐酸化性ガス性の弱さといった色剤の化学反応を伴う劣化が指摘されている。
【0003】
そこで、この欠点の改良を目的として着色成分である有色顔料を分散したインク(以下、顔料インクと呼称)をインクジェット記録方式に適用する試みがなされており、顔料インクを用いたインクジェット記録方式で使用される記録シートとしては、例えば、特開2001−96907号公報には顔料インク用インクジェット記録用シートがある。
【0004】
一方、コンピュータやパソコン、プリンターの高性能化に伴い、画像の劣化が生じにくい顔料インクの特徴を生かしたポスターや印刷のプルーフなどの用途が生まれてきている。これらの用途においては、一般のコート紙の風合いに近いものが求められている。例えば、特開2001−150800号公報や特開2000−190626号公報等には、記録層の顔料としてコロイダルシリカを用いることで印刷用紙並の光沢度を付与し、印刷用塗工紙の風合いを持たせたインクジェット記録用紙が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−96907号公報
【特許文献2】特開2001−150800号公報
【特許文献3】特開2000−190626号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のインクジェット記録媒体は高いインク吸収性を達成するために合成非晶質シリカ等インク吸収性の高い顔料が用いられており、オフセット印刷用の塗工紙と比べ光沢度が低く、風合いが大きく異なっている。また、記録層にコロイダルシリカを用いて光沢を付与したインクジェット記録媒体は高価であり、営業利用目的に使用するには問題がある。
従って本発明は、印刷用塗工紙と同等の風合いを有し、かつ、顔料インク印字を行う際においても充分なインク吸収性を得ることができ、さらに両面インクジェット記録を行った際でも裏側までインクが抜けないように印刷性を改良した安価なインクジェット記録媒体の提供を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題について鋭意検討した結果、記録層の顔料として硫酸カルシウムを使用することで、前記課題が解決されることを見出し本発明に至った。すなわち、本発明は支持体上に顔料および接着剤を含有する記録層を設けたインクジェット記録媒体において、少なくとも1層の記録層の顔料として硫酸カルシウムを、記録層に含有される顔料100重量部当たり25重量部以上含有することを特徴とするインクジェット記録媒体である。また、前記硫酸カルシウムの吸油量が50ml/100g以上であることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の支持体は特に限定されるものではなく、透明であっても不透明であっても良い。例えば、セロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のプラスチックフィルム類、合成紙、含浸紙、酸性及び中性の上質紙や中質紙、再生紙等が挙げられ、適宜、用途に応じて使用することが出来る。特にインク吸収性がある支持体を使用することが好ましい。
【0009】
インク吸収性がある支持体としては、紙が好適に用いられる。基紙に用いられるパルプは、特に限定されるものではないが、例えば、LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)、LBSP(広葉樹晒亜硫酸パルプ)、NBSP(針葉樹晒亜硫酸パルプ)等の化学パルプ、あるいはGP(グランドパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)等の機械パルプ、故紙パルプ等を単独あるいは混合して使用することができる。また、基紙に使用される填料は、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョーク等の炭酸カルシウムや、カオリン、焼成クレー、無定型シリケート、パイオロフィライト、セリサイト、タルク等のケイ酸類や、二酸化チタン等の無機填料を単独あるいは混合して使用できる。
【0010】
基紙に使用できる内添サイズ剤としては、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤などのサイズ剤が使用することができる。また、硫酸バンド、カチオン化デンプン等、適当なサイズ剤と繊維への定着剤を組合せて使用することもできるし、紙力増強剤、染料、pH制御剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、等の抄紙用内添助剤を目的に応じて適宜添加することも可能である。また、抄紙方法については特に限定されるものではなく、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機を用いて、酸性抄紙、中性抄紙等の抄紙方式で抄紙したいずれであってもよい。また、抄紙の際、サイズプレス工程で紙の表面にデンプン、ポリビニルアルコール等の表面サイズ剤、導電剤を塗布したものも使用できる。
【0011】
本発明のインクジェット記録媒体においては、支持体上に顔料と接着剤とを含有する記録層を設ける。記録層の顔料としては、硫酸カルシウムを少なくとも1層の記録層中の顔料100重量部に対して25重量部以上含有する。
硫酸カルシウムは、天然石こうと化学石こうに大別されるが、天然石こうは不純物により着色していることがあるため、本発明では化学石こうが用いることが好ましい。化学石こうとしては、例えばリン鉱石に硫酸を反応させてリン酸を製造する過程で副生成物として得られる(村上恵一監修・「新しい資源・セッコウとその利用」株式会社ソフトサイエンス社・昭和51年発行、または「13398の化学商品」化学工業日報社・1998年発行)。また、硫酸カルシウムは2水和物(CaSO4・2H2O)、1/2水和物(CaSO4・1/2H2O)、無水物(CaSO4)にも分類されるが、本発明では2水和物が用いられる。硫酸カルシウム2水和物は針状または平板状の結晶を形成するが、結晶の成長過程での過飽和度を小さくすることで平板状結晶が得られることが知られている(村上恵一監修・「新しい資源・セッコウとその利用」株式会社ソフトサイエンス社・昭和51年発行の164ページ、また「13398の化学商品」化学工業日報社・1998年発行の79ページ参照。また針状及び平板状結晶の写真が「新しい資源・セッコウとその利用」の236ページに掲載されている。)本発明では、この天然あるいは化学石こうを湿式粉砕して、粒径0.1〜10μm程度の平板状の形状をした硫酸カルシウム粒子の分散液としたものが好適に用いられる。
【0012】
本発明においては、上記硫酸カルシウムは体積基準の粒度分布が2つのピーク(山)を有すること(それぞれのピークの形状が明瞭でなく、ショルダーの形状になる場合も含む)が好ましい。特に粒径が1μm未満、1μm以上でそれぞれ一つのピークが存在することが好ましく、特に粒径が0.1〜1μm未満に一つ、1μm〜以上10μm未満に一つそれぞれピークが存在することが更に好ましい。
また、本発明においては、硫酸カルシウムのJIS K5101に定められた吸油量が50ml/100g以上であることが好ましい。吸油量が50ml/100g以上とした場合、インクジェット記録用紙のインク吸収性が向上するが、50ml/100g未満では十分なインク吸収性を得ることが難しい。一方、硫酸カルシウムの吸油量に特に上限はないが、100g/100mlを超えると顔料インクが記録層内部に入り込みすぎて、印字濃度が低下するなどの問題が生じやすくなる。
【0013】
本発明においては、少なくとも1層の記録層中に硫酸カルシウムを顔料100重量部中に25重量部以上し、好ましくは30重量部以上含有する。また、硫酸カルシウムを顔料100重量部中に75重量部以下含有することが好ましく、より好ましくは70重量部以下含有することが好ましい。記録層中に含有する、硫酸カルシウム以外の顔料の特性によって、硫酸カルシウムの割合を適宜調整することが好ましく、前述の配合量とすることでコート紙に近い風合い有しかつインク吸収性を向上することが可能となる。例えば、記録層中に合成非晶質シリカのような硫酸カルシウムより吸油量が大きい顔料を含む場合、硫酸カルシウムの割合が少ないとインクジェット記録用紙の光沢度が低下し、通常印刷用紙並の風合いを得にくい傾向にある。また、炭酸カルシウムのように比較的吸油量が小さい顔料と併用する場合、硫酸カルシウムの割合が少ないとインク吸収性が低下する傾向にある。
【0014】
硫酸カルシウム以外の顔料としては、従来から用いられている、シリカ、カオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト等の無機顔料、プラスチックピグメント等の有機顔料を使用することが可能であり、これら硫酸カルシウム以外の顔料は単独あるいは2種以上を併用して使用することができ、特に炭酸カルシウム、カオリン、シリカのうちのいずれかと単独又は併用して使用することが好ましい。
【0015】
本発明の顔料塗工層に用いる接着剤としては、従来から用いられている、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体およびポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白の蛋白質類、酸化デンプン、陽性デンプン、尿素燐酸エステル化デンプン、ヒドロキシエチルエーテル化デンプンなどのエーテル化デンプン、デキストリンなどのデンプン類、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体などの、通常の塗工紙用接着剤1種類以上を適宜選択して使用される。これらの接着剤は顔料100重量部あたり5〜50重量部、より好ましくは5〜35重量部程度の範囲で使用される。また、必要に応じて、インク定着剤、サイズ剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、界面活性剤等を発明の効果を損なわない範囲で適宜添加することができる。
【0016】
支持体上に設ける記録層は、支持体の片面あるいは両面に、単層あるいは2層以上設けることも可能である。生産コストの点からは単層であることが好ましい。本発明の記録層の塗工量は、インク吸収性、風合いの観点から、片面あたり10〜60g/m2であることが好ましく、より好ましくは20〜50g/m2である。
【0017】
支持体に記録層を設ける方法としては、2ロールサイズプレスコーターやゲートロールコーターおよびブレードメタリングサイズプレスコーター、およびロッドメタリングサイズプレスコーター、シムサイザー等のフィルム転写型ロールコーターや、フラデットニップ/ブレードコーター、ジェットファウンテン/ブレードコーター、ショートドウェルタイムアプルケート式コーターの他、ブレードの替わりにグルーブドロッド、プレーンロッド等を用いたロッドメタリングコーターや、カーテンコーター、ダイコーター等の公知のコーターにより塗工することができる。
【0018】
乾燥は、加熱熱風エアドライヤ、加熱シリンダ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等の各種方式のドライヤを単独あるいは組み合わせて実施できる。乾燥状態が用紙のカールに影響を及ぼすため、表裏の乾燥バランスをコントロールできるような装置が好ましい。この様にして得られた記録媒体はカレンダー処理を行い平滑度を高めることも可能である。カレンダー処理においては、通常コート紙の平滑化処理に使用されるスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー等でよく、これらを併用してもよい。
特に本発明においては、記録層にスーパーカレンダー処理を行うことでインクジェット記録媒体に高い光沢を付与することが可能となり、一般コート紙のような風合いを持つインクジェット記録媒体を得ることができる。また、記録層に硫酸カルシウムを含有することで、高い圧力でカレンダー処理を行ってもインク吸収性を保持することが可能である。
【0019】
本発明において、インクジェット記録に用いるインクとしては、水系インク組成物、油系インク組成物、固体(相変化)インク組成物等を用いることができるが、水系インク組成物(例えば、インク総質量あたり10質量%以上の水を含有する水系インクジェット記録液等)を、特に好ましく用いることができる。
インクに用いられる着色剤としては、水溶性染料、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、あるいは分散染料、顔料等を用いることができる。
【0020】
本発明においてはいわゆる顔料インクを用いるインクジェット記録方法において、大きな効果を得られる。特に、ゼータ電位が−60〜−30mV、インク粒径が70〜150nm、表面張力が20mN/m以上、好ましくは25〜35mN/mであるような顔料インクを用いてインクジェット記録方式で印字した時に、発色・インク吸収とも良好な画像を得られる。
【0021】
顔料インクを使用することはは画像保存性の観点から特に好ましい。顔料インクで用いる顔料としては、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料およびカーボンブラック等を好ましく用いることができる。
【0022】
不溶性顔料としては、特に限定するものではないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
【0023】
好ましく用いることのできる具体的顔料としては、以下の顔料が挙げられる。マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0024】
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
【0025】
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0026】
これらの顔料には、必要に応じて顔料分散剤を用いてもよく、用いることのできる顔料分散剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、あるいはスチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩を挙げることができる。
【0027】
顔料の分散方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各種分散機を用いることができる。また、顔料分散体の粗粒分を除去する目的で、遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用することも好ましい。
【0028】
顔料インクとして好ましい形態である水系インク組成物は、水溶性有機溶媒を併用することが好ましい。本発明で用いることのできる水溶性有機溶媒としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。好ましい水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類が挙げられる。さらに、多価アルコールと多価アルコールエーテルを併用することが、特に好ましい。
【0029】
水溶性有機溶媒は、単独もしくは複数を併用しても良い。水溶性有機溶媒のインク中の添加量としては、総量で5〜60質量%であり、好ましくは10〜35質量%である。
【0030】
インク組成物は、必要に応じて、吐出安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号および特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤等を挙げることができる。
【0031】
インク組成物は、その飛翔時の粘度として40mPa・s以下が好ましく、30mPa・s以下であることがより好ましい。
【0032】
【作用】
本発明で用いられる硫酸カルシウムを用いた場合に、顔料インク印字においてインク吸収性、両面印字適性が優れるインクジェット記録媒体が得られる理由は定かではないが、以下のように考えられる。すなわち、合成非晶質シリカやアルミナといった一般的にインクジェットで使用される顔料では、吸油量が大きすぎるためにインクが塗工層表面に留まらずに塗工層内部に浸透し過ぎて発色に劣る傾向が見られる。また炭酸カルシウムやカオリンといった一般的にコート紙で使用される顔料では、塗工層が緻密になりすぎるためにインク吸収に劣る傾向がある。本発明で用いられる硫酸カルシウムは、炭酸カルシウムやカオリンに比べ粒径・吸油量ともにやや大きいが、シリカやアルミナと比較すると粒径・吸油量ともに小さくなっている。またある程度厚みのある平板状の粒子であるため、塗工層形成時に炭酸カルシウムやカオリンに比べてバルキーな層が形成されやすいと考えられる。これらの点が顔料インクでの印字適性と関連していると考えられる。
【0033】
また、記録層に硫酸カルシウムを配合することで、記録層中に蛍光増白剤を大量に添加することなく高い白色度を得ることができる。また、記録層の不透明度も向上し、画像の裏抜けが防止できる。これは、平板状の硫酸カルシウム粒子を用いているために、炭酸カルシウムやカオリン等を使用した場合に比べて塗工層がバルキーになり、紙の不透明度が上がるために画像の裏抜けが防止できるためと考えられる。
【0034】
【発明の効果】
本発明により、インク吸収性が高く顔料インク印字適性に優れ、風合いが一般印刷用塗工紙と同等であるインクジェット記録媒体を得ることができる。また、本発明のインクジェット記録媒体は蛍光増白剤を使用していないにもかかわらず、白色度が高く優れていた。
【0035】
【実施例】
以下に実施例をあげて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらの例に限定されるものではない。尚、実施例及び比較例で得られた記録媒体については以下に示すような評価法に基いて試験を実施した。
(1)ISO白色度の測定
測定機CMS−35SPX(村上色彩技術研究所製)を使用し、JIS P8148(ISO 2470)に準じて記録層表面のISO白色度を測定した(白色度1)。また、420nmカットオフフィルターを光路に置いて測定し、蛍光増白しないときの白色度を測定した(白色度2)。蛍光増白剤を使用していない場合、白色度1と白色度2の値はほとんど変わらない。
【0036】
(2)75°鏡面光沢度の測定
測定機GM−26PRO(村上色彩技術研究所製)を使用し、JIS Z8741に準じて記録層表面の75°鏡面光沢度を測定した
(3)印字濃度
セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−4000PXを用い、純正顔料インク(ICBK23:フォトブラック、ICGY23:グレー、ICC:シアン、ICM23:マゼンタ、ICY23:イエロー、ICLC23:ライトシアン、ICLM23:ライトマゼンタ)を使用し、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのベタをMC光沢紙/きれい(詳細設定;色補正なし)モードで印字し、印字部をグレタグマクベス反射濃度計RD−19Iにより計測した。
【0037】
(4)インク吸収性
セイコーエプソン社製PM−4000PXを用い、前述と同条件にて黒ベタ中に10ポイントの白抜き文字を印字し、その明瞭さを目視評価した。
評価基準:○(白抜けがはっきりしている)
×(白抜けが潰れて判読できない)
(5)風合い
インクジェト記録用紙の風合いを一般印刷用塗工紙(オーロラコート157g/m2、日本製紙株式会社製、75°光沢度 77%)と比較し、目視で評価した。
評価基準:○(見た目の光沢感が一般印刷用塗工紙に似ている)
×(光沢が高すぎたり低すぎたりして、一般印刷用塗工紙との違いが明らかである)
(6)裏抜け
セイコーエプソン社製PM−4000PXを用い、前述と同条件にて黒ベタを印字し、印字した裏側に黒ベタが確認できるか(裏抜けが発生しているか)を目視で評価した。
評価基準:○(裏抜けは発生していない)
:×(裏側に、印字したベタ部の形が確認できる)
【0038】
[実施例1]
〈基紙〉
原紙を構成するパルプ組成を、LBKP100部に対して、填料としてタルクを紙重量あたり17部、サイズ剤0.3部、カチオン化澱粉0.4部を配合した紙料を硫酸バンドでpH=4.5に調整して、長網抄紙機にて抄造し、坪量105g/m2の紙を得た。この紙にサイズプレスで澱粉5%液を塗工量が両面で4.8g/m2となるように塗工して本発明の記録媒体の基紙を得た。
〈塗工液〉
顔料として、平均粒子径2.3μmであり、体積基準の粒度分布が0.4μmと3μmでそれぞれ一つピークを有し、(平均粒子径・体積基準の粒度分布はMALVERN社製 MastersizerSによる測定値、以下も同様)、吸油量62ml/100gの硫酸カルシウム50部、重質炭酸カルシウム(FMT−90:ファイマテック社製 平均粒子径0.76μm)50部、酸化澱粉(MS−3600、日本食品加工社製)3部、ラテックス(PA−0226、日本A&L社製)5部を配合した固形分55%の塗料を調製した。この塗料を、ブレードコーターで塗工量が片面36g/m2となるように基紙上に塗工、乾燥し記録層を設けた後、スーパーカレンダー処理(線圧150kg/cm、金属ロール温度65℃、ニップ数10)を行いインクジェット記録媒体を得た。
【0039】
[比較例1]
硫酸カルシウムの変わりにカオリン(アマゾンプラス:CADAM社製 平均粒子径0.44μm)を使用した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用媒体を得た。
【0040】
表1に実施例1及び比較例1で得られたインクジェット記録用紙を評価した結果を示す。
【0041】
【表1】
【0042】
本発明である実施例1で得られたインクジェット記録媒体は、一般コート紙並の風合いでありかつインク吸収性も良好であった。一方、比較例1のインクジェット記録媒体は、実施例1と比較して印字濃度が高くなっているが、これはインクが吸収されずに媒体表面に溢れているためであり、インク吸収性が実施例1に比べ大きく劣るために実用に耐えるものではなかった。
Claims (2)
- 支持体上に顔料および接着剤を含有する記録層を1層以上設けたインクジェット記録媒体において、該記録層のうち少なくとも1層の記録層に含まれる顔料100重量部当たり25重量部以上が硫酸カルシウムであることを特徴とするインクジェット記録媒体。
- 前記硫酸カルシウムの吸油量が50ml/100g以上であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
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JP2007261006A (ja) * | 2006-03-28 | 2007-10-11 | Nippon Paper Industries Co Ltd | インクジェット記録用紙の製造方法 |
JP2012526678A (ja) * | 2009-05-11 | 2012-11-01 | ケミラ ユルキネン オサケイティエ | インクジェット印刷特性を改良するための組成物の使用及びインクジェット記録紙 |
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2003
- 2003-07-16 JP JP2003197715A patent/JP2005035028A/ja active Pending
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KR101772065B1 (ko) * | 2009-05-11 | 2017-09-12 | 케미라 오와이제이 | 잉크젯 인쇄 특성을 개선하기 위해 조성물을 사용하는 방법과 잉크젯 기록 시트 |
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