JP2005034433A - 透析システムおよびその清浄化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】不具合を発生させることなくシステム全体を効率よく清浄化でき、しかも生菌の増殖を確実に抑えてその清浄化状態を次の透析治療の実施まで確実に維持できるようにした、透析システムおよびその清浄化方法を提供する。
【解決手段】精製水製造装置、透析液供給装置、透析監視装置を備えたシステムを清浄化するに際し、該システムの少なくとも透析液供給装置以降の領域に高濃度消毒用薬液を注入して滅菌し、次いで少なくとも該滅菌部に対して低濃度消毒用薬液を注入して高濃度消毒用薬液を排出するとともに該低濃度消毒用薬液を封入し、さらに、システムの少なくとも精製水製造装置を含む領域に対し、低濃度消毒用薬液よりもさらに低濃度の極低濃度消毒用薬液を注入し、かつそれを封入する透析システムおよびその清浄化方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、透析治療に使用される透析液システムとそのシステムの清浄化方法に関し、とくにシステム全体を効果的に清浄化できるとともに、非稼働時間にもその清浄化状態を良好に維持できるようにした透析システムおよびその清浄化方法に関する。
たとえば、従来の多人数用透析システムは、逆浸透膜により原水を精製して精製水を製造する精製水製造装置と、該精製水製造装置で製造された精製水に透析原剤(通常、透析用A原液とB原液と呼ばれている透析原剤)を添加して透析液を調合し、調合された透析液を送液する透析液供給装置と、該透析液供給装置から送液される透析液を用いて血液透析を行う透析監視装置とを備えたシステムとして構成されている。また、個人用透析装置により透析を行う場合には、上記精製水製造装置から供給される精製水に、該個人用透析装置で透析原剤を添加して透析液を調合し、調合された透析液を用いて透析治療に供されるシステム、つまり、上記透析液供給装置と透析監視装置の機能を個人用に一台の個人用透析装置として形成した透析システムとして構成されている。
このような透析システムにおいては、透析中のエンドトキシンを減らすためには、それを産出する生菌の増殖を抑制する必要があり、通常、透析治療後(透析システム非稼働中)に系内に消毒用薬液を注入して滅菌する操作が行われる。しかし、滅菌用には、通常、相当高濃度の消毒用薬液が要求されるが、高濃度消毒用薬液は滅菌効果が高い一方で、配管や各構成部材の腐食を促進するという不具合を発生させるおそれもある。したがって、この高濃度消毒用薬液による消毒は、通常は、システム内における上記透析液供給装置以降の領域に対してしか行われない。
ところが現実には、精製水製造装置で製造された精製水の供給ライン中の生菌数が低減されなければ、それよりも下流側の領域における清浄化、つまり、下流側の領域における生菌数ひいてはエンドトキシン量の低減効果に限界があることが判明している。そこで、上記精製水の供給ライン中に、上記高濃度消毒用薬液による消毒とは別に、それよりも低濃度の消毒用薬液を供給して、配管や各構成部材の腐食を促進するという不具合を発生させることなく、より上流側からより有効な清浄化を行うことができるようにした透析システムが提案されている(たとえば、特許文献1)。
しかしながら、生菌は、放置しておくと周囲の栄養源により徐々に増殖するものであるから、上記のように単に上流側の精製水供給ライン中に低濃度消毒用薬液を供給するだけでは、時間の経過につれて望ましくない生菌棲息状態となるおそれがあり、やはりシステム全体としての清浄化効果に限界が生じているのが実情である。
特開2001−353214号公報
そこで本発明の課題は、配管や各構成部材の腐食等を促進するという不具合を発生させることなく、システム全体を効率よく清浄化でき、しかも生菌の増殖を確実に抑えてその清浄化状態を次の透析治療の実施まで確実に維持できるようにした、透析システムおよびその清浄化方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る透析システムは、逆浸透膜により原水を精製して精製水を製造する精製水製造装置と、該精製水製造装置で製造された精製水に透析原剤を添加して透析液を調合し、調合された透析液を送液する透析液供給装置と、該透析液供給装置から送液される透析液を用いて血液透析を行う透析監視装置とを備えた透析システムにおいて、該システムの所定領域に対し高濃度消毒用薬液を注入する高濃度消毒用薬液注入手段と、前記高濃度消毒用薬液を注入してシステム内の所定領域を滅菌した後、少なくとも該所定領域に低濃度消毒用薬液を注入し、かつそれを封入する低濃度消毒用薬液注入・封入手段を設けたことを特徴とするものからなる。すなわち、所定領域に低濃度消毒用薬液を注入するとともにそれを封入して、透析非作動中、封入された低濃度消毒用薬液により生菌の増殖を抑えて清浄化状態を維持し続けるようにしたものである。この封入中には、低濃度の消毒用薬液であるから、配管や各構成部材の腐食等を促進させることはない。
また、本発明に係る透析システムは、逆浸透膜により原水を精製して精製水を製造する精製水製造装置と、該精製水製造装置で製造された精製水に透析原剤を添加して透析液を調合し、調合された透析液を送液する透析液供給装置と、該透析液供給装置から送液される透析液を用いて血液透析を行う透析監視装置とを備えた透析システムにおいて、該システムの所定領域に対し高濃度消毒用薬液を注入する高濃度消毒用薬液注入手段と、前記高濃度消毒用薬液を注入してシステム内の所定領域を滅菌した後、少なくとも該所定領域に低濃度消毒用薬液を注入し、かつそれを封入する低濃度消毒用薬液注入・封入手段と、前記システムの少なくとも前記精製水製造装置を含む領域に対し、前記低濃度消毒用薬液よりもさらに低濃度の極低濃度消毒用薬液を注入し、かつそれを封入する極低濃度消毒用薬液注入・封入手段を設けたことを特徴とするものからなる。すなわち、所定領域に低濃度消毒用薬液を注入するとともにそれを封入するとともに、それよりも上流側の精製水製造装置を含む領域に対しては、さらに低濃度の極低濃度消毒用薬液を注入・封入して、この上流側領域に対しても、透析非作動中、封入された極低濃度消毒用薬液により生菌の増殖を抑えて清浄化状態を維持し続けるようにしたものである。これによって、システムの実質的に全領域が低濃度消毒用薬液と極低濃度消毒用薬液により封入されることになり、全領域において清浄化状態を維持し続けることができる。とくにこの極低濃度消毒用薬液の封入領域には、消毒用薬液によってダメージを受けやすい逆浸透膜が存在するが、消毒用薬液の濃度が極低濃度であるため、ダメージを受けるおそれは完全に除去され、問題なく全領域にわたって効果的な清浄化が可能となる。
このような本発明に係る透析システムにおいては、上記消毒用薬液としては、塩素系薬液や過酢酸、過酸化水素、オゾン水、酸性電解水など、種々の薬液の使用が可能である。中でも、滅菌効果や濃度調整の容易性、腐食等の問題を発生させにくいこと等の点から、塩素系薬液の使用が好ましい。塩素系薬液としては、とくに次亜塩素酸ソーダ溶液が好ましい。
また、本発明に係る透析システムにおいては、上記極低濃度消毒用薬液を上記精製水製造装置を含む領域に対し循環させる系を備えているが好ましく、とくに精製水製造装置における逆浸透膜の一次側から二次側へと極低濃度消毒用薬液を通過させ、かつ、精製水タンクを介して循環できるように構成することが好ましい。このような構成により、逆浸透膜に実質的にダメージを与えることなく、逆浸透膜の二次側まで良好に清浄化することが可能になる。この逆浸透膜への極低濃度消毒用薬液の通液は、精製水の外部循環ラインを利用してもよいし、装置内部精製水循環ラインを利用してもよい。とにかく精製水タンクと、逆浸透膜へ送液する高圧ポンプの一次側とを連通する回路を利用することができる。但し、通液後の薬液は精製水タンクへは戻さずに逆浸透膜と精製水タンク間の分岐配管より装置外部に排出する。すなわち、逆浸透膜への通液は、薬液の濃度を一定に保つべくワンパス通液を基本とすることが好ましい。逆浸透膜による精製水中には有機物の共存が少ないため、上記のような極低濃度の消毒用薬液(たとえば、極低濃度の次亜塩素酸ソーダ溶液)であっても、その封入で細菌の抑制に大きな効果を発揮できる。
さらに、本発明に係る透析システムにおいては、上記のような極低濃度消毒用薬液を自動的に注入、封入できるようにすることが好ましく、かつ、その自動注入・封入の頻度の設定手段を備えていることが好ましい。たとえば、1週間に何度繰り返し実行するかの頻度設定手段を備えていることが好ましく、その実行時間帯(たとえば、夜間の透析非稼働中)まで設定できるようにしておくことが好ましい。とくに、夜間の透析非稼働中に極低濃度消毒用薬液を封入しておくことで、翌日の透析治療の実施まで清浄化状態を確実に維持できるようになる。
本発明に係る透析システムの清浄化方法は、逆浸透膜により原水を精製して精製水を製造する精製水製造装置と、該精製水製造装置で製造された精製水に透析原剤を添加して透析液を調合し、調合された透析液を送液する透析液供給装置と、該透析液供給装置から送液される透析液を用いて血液透析を行う透析監視装置とを備えた透析システムの清浄化方法であって、該システムの少なくとも前記透析液供給装置以降の領域に高濃度消毒用薬液を注入して滅菌し、次いで少なくとも該滅菌部に対して低濃度消毒用薬液を注入して前記高濃度消毒用薬液を排出するとともに該低濃度消毒用薬液を封入することを特徴とする方法からなる。すなわち、所定領域に低濃度消毒用薬液を注入するとともにそれを封入して、透析非作動中、封入された低濃度消毒用薬液により生菌の増殖を抑えて清浄化状態を維持し続けるようにしたものである。
また、本発明に係る透析システムの清浄化方法は、逆浸透膜により原水を精製して精製水を製造する精製水製造装置と、該精製水製造装置で製造された精製水に透析原剤を添加して透析液を調合し、調合された透析液を送液する透析液供給装置と、該透析液供給装置から送液される透析液を用いて血液透析を行う透析監視装置とを備えた透析システムの清浄化方法であって、該システムの少なくとも前記透析液供給装置以降の領域に高濃度消毒用薬液を注入して滅菌し、次いで少なくとも該滅菌部に対して低濃度消毒用薬液を注入して前記高濃度消毒用薬液を排出するとともに該低濃度消毒用薬液を封入し、さらに、前記システムの少なくとも前記精製水製造装置を含む領域に対し、前記低濃度消毒用薬液よりもさらに低濃度の極低濃度消毒用薬液を注入し、かつそれを封入することを特徴とする方法からなる。すなわち、所定領域に低濃度消毒用薬液を注入するとともにそれを封入するとともに、それよりも上流側の精製水製造装置を含む領域に対しては、さらに低濃度の極低濃度消毒用薬液を注入・封入して、この上流側領域に対しても、透析非作動中、封入された極低濃度消毒用薬液により生菌の増殖を抑えて清浄化状態を維持し続けるようにしたものである。
このような本発明に係る透析システムの清浄化方法においても、上記消毒用薬液としては、塩素系薬液や過酢酸、過酸化水素、オゾン水、酸性電解水など、種々の薬液の使用が可能であり、中でも塩素系薬液の使用が好ましく、塩素系薬液としては、とくに次亜塩素酸ソーダ溶液が好ましい。
上記高濃度消毒用薬液としては、たとえば100ppm以上の(数百ppmの)次亜塩素酸ソーダ溶液を用いることができ、上記低濃度消毒用薬液としては、たとえば10ppm以上100ppm未満の次亜塩素酸ソーダ溶液を用いることができる。また、上記極低濃度消毒用薬液が10ppm未満の次亜塩素酸ソーダ溶液、とくに3ppm未満の(たとえば、1ppm程度の)次亜塩素酸ソーダ溶液を用いることができる。
また、このような本発明に係る透析システムの清浄化方法においては、上記極低濃度消毒用薬液を、上記精製水製造装置を含む所定の領域内に導入し、該精製水製造装置の逆浸透膜を通過するように循環させた後、その領域内に封入することができる。さらに、極低濃度消毒用薬液を設定頻度に応じて自動的に注入・封入するようにすることができる。
本発明に係る透析システムおよびその清浄化方法によれば、高濃度消毒用薬液を用いて従来同様の所定領域を消毒、滅菌した後、少なくともその所定領域に低濃度消毒用薬液を注入し、かつ、封入することにより、低濃度のため配管や各構成部材の腐食等を促進するという不具合を発生させることなく、意図した領域全体を次の透析治療の実施まで確実に清浄化状態に維持できる。また、それよりも上流側の精製水製造装置を含む領域に対してさらに極低濃度消毒用薬液を注入・封入することにより、逆浸透膜部位でも不具合を発生させることなくシステム全体を効率よく清浄化でき、しかも生菌の増殖を上流側から効率よく確実に抑えて、その清浄化状態を次の透析治療の実施まで確実に維持することができる。さらに、このような清浄化動作を、透析非作動中に(たとえば、夜間に)ある期間(たとえば、1週間)に対して好ましいと考えられる所定の設定頻度で行うことにより、透析治療直前には常に望ましい清浄化状態とすることが可能となり、しかもこの動作を設定にしたがってマイクロコンピュータ等を用いた制御によって自動で行わせることにより、実質的に付加労力を伴うことなく極めて容易に目標とする望ましい、清浄化された透析システムを実現できる。
なお、前述の精製水領域への極低濃度消毒用薬液の注入・封入と、逆浸透膜への通液・封入とは、必ずしもセット動作とする必要はない。極低濃度消毒用薬液であっても連日の逆浸透膜への通液は、膜へのダメージを考慮すると必ずしも好ましいとは言えない場合があるので、このような観点から、精製水領域への極低濃度消毒用薬液の封入のシステムの延長戦上に逆浸透膜通液があるが、動作スケジュールは個別設定可能としておくことが望ましい。例えば、精製水領域への封入は毎日行い、逆浸透膜通液は週1回行う等の動作スケジュールを採用することができる。このようにすれば、逆浸透膜のダメージをより確実に抑えつつ、システムを望ましい清浄化状態に維持することができる。
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る透析システムを示している。図1において、水道水等からなる原水1は、精製水製造装置2に導入されてポンプ3により逆浸透膜4に通水され、逆浸透膜4の透過水が精製水としてタンク5に貯留される。タンク5に貯留された精製水は、ポンプ6により送液され、本実施態様では、精製水供給ライン7を介して、多人数用の透析液供給装置8の透析液供給装置本体9に供給されるとともに、A粉末を溶解してA原液を調製するA原液調製装置10とB粉末を溶解してB原液を調製するB原液調製装置11とに供給される。透析液供給装置本体9では、精製水に透析原剤としてのA原液とB原液が添加されて透析液が調合される。調合された透析液は、透析液送液ライン12を通して、各透析監視装置13に供給され、各透析監視装置13で供給された透析液を用いて血液透析を行うことができるようになっている。透析液送液ライン12の末端は、ライン中の液置換やライン洗浄のためにブロー(排液)できるよう、つまり、末端ブロー14が可能に構成されている。
また、本実施態様では、精製水供給ライン7は、透析監視装置13と並列に設けられた個人用透析装置15にも接続されており、精製水を直接個人用透析装置15に供給できるようになっている。この個人用透析装置15は、多人数用透析液供給装置8と透析監視装置13の両機能を併せ持つ装置に構成されており、内部で透析液の調合が行われるとともに透析を実行できるようになっている。
16は、内部に所定濃度(たとえば、0.5%)の、消毒用薬液としての次亜塩素酸ソーダ溶液が貯留されており、必要に応じて、所定の濃度となるように、要求される箇所に注入する消毒用薬液注入ユニットを示している。本実施態様では、先ず、多人数用透析系統に対しては、システムの、透析液供給装置8、とくに透析液供給装置本体9以降の領域に対し高濃度消毒用薬液(たとえば、数百ppm程度(たとえば、300ppm程度)の濃度の消毒用薬液)を注入できるようになっており、それによって、透析液供給装置本体9以降透析監視装置13までの領域を消毒、滅菌できるようになっている。また、消毒後、その所定領域に対し、低濃度消毒用薬液(たとえば、数十ppm程度(たとえば、20ppm程度)の濃度の消毒用薬液)を注入できるようになっており、注入によって該領域中の高濃度消毒用薬液を該低濃度消毒用薬液で置換した後、封入可能となっている。ただし、これら高濃度消毒用薬液の注入および低濃度消毒用薬液の注入、封入は、透析液供給装置本体9内に消毒用薬液注入ユニットを設けておき、そこから注入するようにしてもよい。
このように、透析液供給装置8以降の領域に対して、高濃度消毒用薬液の注入による消毒、滅菌を行った後、低濃度消毒用薬液の注入、封入を行うことにより、高濃度消毒用薬液の長時間の存在に伴う部材劣化を引き起こすことなく、消毒により清浄化された状態を長時間維持することが可能になる。次の透析を行うに際しては、精製水を供給して、封入されていた低濃度消毒用薬液と置換して洗浄し、洗浄排液は末端ブロー14から排出すればよい。
また同様に、個人用透析装置15に対しても、高濃度消毒用薬液の注入による消毒、滅菌を行った後、低濃度消毒用薬液の注入、封入を行うことにより、高濃度消毒用薬液の長時間の存在に伴う部材劣化を引き起こすことなく、消毒により清浄化された状態を長時間維持することが可能になる。洗浄排液は、個人用透析装置15自身の排液ラインを介して排出できる。この個人用透析装置15の場合にも、個人用透析装置15自身内に消毒用薬液注入ユニットを設けておき、そこから注入するようにしてもよい。
さらに本実施態様では、上記消毒、薬液封入領域よりも上流側の領域、すなわち、精製水製造装置2を含む精製水製造装置2から透析液供給装置8および個人用透析装置15までの領域、換言すれば、精製水存在領域に対しても、消毒用薬液注入ユニット16から所定濃度となるように消毒用薬液が注入されるようになっている。この場合の濃度は、極低濃度とされ、たとえば、数ppm程度(たとえば、1ppm程度)の濃度の極低濃度消毒用薬液が注入される。極低濃度消毒用薬液の注入は、本実施態様では逆浸透膜4の二次側と精製水タンク5との間で行われる。精製水供給ライン7は、ポンプ3の上流側へと戻され、極低濃度消毒用薬液が注入された精製水が循環されて、逆浸透膜4の一次側から二次側へと透過できるようになっている。そして、この循環極低濃度消毒用薬液の供給系においては、とくに逆浸透膜4の二次側以降の、精製水存在領域のすべてにわたって、極低濃度消毒用薬液が注入され、かつ、注入された極低濃度消毒用薬液を封入できるようになっている。外部精製水循環ライン17における液置換のために、必要に応じて排水口18から排液することができる。なお、19は、精製水製造時の精製度を向上するための、逆浸透膜4、タンク6間の内部精製水循環ラインである。一般的に精製水タンク5が満水になった時に、原水の供給を遮断し、この時、高圧ポンプ3は停止して逆浸透膜4の通液も停止される。精製水が停滞していると汚染の懸念があるため、この工程においては内部精製水循環ライン19を利用して精製水を循環させている。つまり、逆浸透膜通液にはこの回路を使うこともできる。本実施態様では、外部精製水循環ライン17、内部精製水循環ライン19を有しており、逆浸透膜4に極低濃度消毒用薬液を通液させない時には、薬液は排水口18からブローされる。つまり、極低濃度消毒用薬液封入システムにおいて外部循環は必須の構成ではなく、個人用透析装置の下流側に、透析液ラインにおけるのと同様に、末端ブロー弁が設置されていれば同様のシステムが構築可能である。
上記のような極低濃度消毒用薬液の注入、封入は、透析液供給装置本体9、A原液調製装置10、B原液調製装置11、個人用透析装置15の入口までを対象に行うこともできるし、前述の低濃度消毒用薬液が注入、または注入および封入後に、実質的にシステム全領域に対して行うこともできる。
精製水製造装置2を含む上流側からの消毒用薬液の注入、封入であるから、消毒、清浄化状態の維持が、効率よくシステム全体に対して行われ、生菌が実質的に最上流側から滅菌されて、システム全体の生菌数、エンドトキシン量が効果的に大幅に低減される。また、極低濃度の消毒用薬液の封入であるから、それに伴う部材劣化等のおそれは全くなく、しかも、次の透析治療に際してのライン洗浄も極めて容易にかつ短時間のうちに行うことができる。とくに、このような極低濃度消毒用薬液の注入、封入を付加することにより、不具合を発生させることなく、システム全体の理想的な清浄化維持が可能になる。
上記のような極低濃度消毒用薬液の注入、封入を含む一連の動作は、マイクロコンピュータによる制御等を介して自動的に行わせることが可能である。とくに、低濃度消毒用薬液の注入、封入、好ましくは極低濃度消毒用薬液の注入、封入の実行時間帯や頻度を適切に設定しておくことにより、常に望ましい清浄化状態に維持でき、次の透析治療に際して常に望ましい初期条件で待機させることが可能になる。たとえば、通常、透析治療が行われない夜間の時間帯に極低濃度消毒用薬液を封入して、翌日の透析治療まで望ましい清浄化状態に維持しておくようにすることができる。
本発明は、実質的にあらゆる透析システムに適用でき、連日透析を行ったり、休日期間中不定期に透析を中止したりするシステム等に対しても、問題なく適用でき、とくに上流側からの極低濃度消毒用薬液の注入、封入により、従来方法では達成し得なかったレベルまでの清浄化、およびその維持が可能となる。
本発明の一実施態様に係る透析システムの概略機器系統図である。
符号の説明
1 原水
2 精製水製造装置
3 ポンプ
4 逆浸透膜
5 タンク
6 ポンプ
7 精製水供給ライン
8 透析液供給装置
9 透析液供給装置本体
10 A原液調製装置
11 B原液調製装置
12 透析液送液ライン
13 透析監視装置
14 末端ブロー
15 個人用透析装置
16 消毒用薬液注入ユニット
17 外部精製水循環ライン
18 排水口
19 内部精製水循環ライン

Claims (16)

  1. 逆浸透膜により原水を精製して精製水を製造する精製水製造装置と、該精製水製造装置で製造された精製水に透析原剤を添加して透析液を調合し、調合された透析液を送液する透析液供給装置と、該透析液供給装置から送液される透析液を用いて血液透析を行う透析監視装置とを備えた透析システムにおいて、該システムの所定領域に対し高濃度消毒用薬液を注入する高濃度消毒用薬液注入手段と、前記高濃度消毒用薬液を注入してシステム内の所定領域を滅菌した後、少なくとも該所定領域に低濃度消毒用薬液を注入し、かつそれを封入する低濃度消毒用薬液注入・封入手段を設けたことを特徴とする透析システム。
  2. 逆浸透膜により原水を精製して精製水を製造する精製水製造装置と、該精製水製造装置で製造された精製水に透析原剤を添加して透析液を調合し、調合された透析液を送液する透析液供給装置と、該透析液供給装置から送液される透析液を用いて血液透析を行う透析監視装置とを備えた透析システムにおいて、該システムの所定領域に対し高濃度消毒用薬液を注入する高濃度消毒用薬液注入手段と、前記高濃度消毒用薬液を注入してシステム内の所定領域を滅菌した後、少なくとも該所定領域に低濃度消毒用薬液を注入し、かつそれを封入する低濃度消毒用薬液注入・封入手段と、前記システムの少なくとも前記精製水製造装置を含む領域に対し、前記低濃度消毒用薬液よりもさらに低濃度の極低濃度消毒用薬液を注入し、かつそれを封入する極低濃度消毒用薬液注入・封入手段を設けたことを特徴とする透析システム。
  3. 前記消毒用薬液が塩素系薬液からなる、請求項1または2の透析システム。
  4. 前記塩素系薬液が次亜塩素酸ソーダ溶液からなる、請求項3の透析システム。
  5. 前記極低濃度消毒用薬液を前記精製水製造装置を含む領域に対し循環させる系を備えている、請求項2〜4のいずれかに記載の透析システム。
  6. 前記極低濃度消毒用薬液の自動注入・封入の頻度の設定手段を備えている、請求項2〜5のいずれかに記載の透析システム。
  7. 逆浸透膜により原水を精製して精製水を製造する精製水製造装置と、該精製水製造装置で製造された精製水に透析原剤を添加して透析液を調合し、調合された透析液を送液する透析液供給装置と、該透析液供給装置から送液される透析液を用いて血液透析を行う透析監視装置とを備えた透析システムの清浄化方法であって、該システムの少なくとも前記透析液供給装置以降の領域に高濃度消毒用薬液を注入して滅菌し、次いで少なくとも該滅菌部に対して低濃度消毒用薬液を注入して前記高濃度消毒用薬液を排出するとともに該低濃度消毒用薬液を封入することを特徴とする透析システムの清浄化方法。
  8. 逆浸透膜により原水を精製して精製水を製造する精製水製造装置と、該精製水製造装置で製造された精製水に透析原剤を添加して透析液を調合し、調合された透析液を送液する透析液供給装置と、該透析液供給装置から送液される透析液を用いて血液透析を行う透析監視装置とを備えた透析システムの清浄化方法であって、該システムの少なくとも前記透析液供給装置以降の領域に高濃度消毒用薬液を注入して滅菌し、次いで少なくとも該滅菌部に対して低濃度消毒用薬液を注入して前記高濃度消毒用薬液を排出するとともに該低濃度消毒用薬液を封入し、さらに、前記システムの少なくとも前記精製水製造装置を含む領域に対し、前記低濃度消毒用薬液よりもさらに低濃度の極低濃度消毒用薬液を注入し、かつそれを封入することを特徴とする透析システムの清浄化方法。
  9. 前記消毒用薬液が塩素系薬液からなる、請求項7または8の透析システムの清浄化方法。
  10. 前記塩素系薬液が次亜塩素酸ソーダ溶液からなる、請求項9の透析システムの清浄化方法。
  11. 前記高濃度消毒用薬液が100ppm以上の次亜塩素酸ソーダ溶液からなる、請求項10の透析システムの清浄化方法。
  12. 前記低濃度消毒用薬液が10ppm以上100ppm未満の次亜塩素酸ソーダ溶液からなる、請求項10または11の透析システムの清浄化方法。
  13. 前記極低濃度消毒用薬液が10ppm未満の次亜塩素酸ソーダ溶液からなる、請求項10〜12のいずれかに記載の透析システムの清浄化方法。
  14. 前記極低濃度消毒用薬液が3ppm未満の次亜塩素酸ソーダ溶液からなる、請求項13の透析システムの清浄化方法。
  15. 前記極低濃度消毒用薬液を、前記精製水製造装置を含む所定の領域内に導入し、該精製水製造装置の逆浸透膜を通過するように循環させた後、その領域内に封入する、請求項8〜14のいずれかに記載の透析システムの清浄化方法。
  16. 前記極低濃度消毒用薬液を設定頻度に応じて自動的に注入・封入する、請求項8〜15のいずれかに記載の透析システムの清浄化方法。
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