JP2005033535A - 無線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディジタル変調方式を使用して情報を外部に送信する無線装置に関し、送信情報の伝送効率を低下させずに増幅器の内部温度の変化に対応させ、少ない演算量と簡単な回路構成で増幅器の非線形歪を補償することを目的とする。
【解決手段】歪測定用信号および直交ベースバンド信号をそれぞれ生成する歪測定用信号生成部1および直交ベースバンド信号生成部2と、増幅器の非線形歪を補償する歪補償係数が格納された複数の歪補償テーブルと、選択された歪補償テーブルから直交ベースバンド信号の振幅値に対応する歪補償係数を読み出してプリディストーションを行うプリディストーション部5と、歪測定用信号や直交ベースバンド信号の直交変調信号を増幅する増幅器9とを備え、バースト波等の送信時は増幅器の内部温度が低い状態で取得した歪補償テーブルを使用し、連続波等の送信時は増幅器を予め動作させて取得した歪補償テーブルを使用する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直交変調等のディジタル変調方式を使用して任意の情報(信号)を外部に送信するために携帯電話等に設けられた無線装置に関する。さらに詳しくいえば、本発明は、無線装置内の電力増幅器(以下、単に「増幅器」と呼ぶこともある)で発生する非線形歪を補償するために、特にリニアライザで予め取得された歪補償テーブルを利用して電力増幅器の入力信号に対するプリディストーションを行う技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図19は、一般の電力増幅器の入出力特性の一例を示すグラフ、図20は、従来の無線装置において送信電力が隣接チャネルへ漏洩する様子を示す図、そして、図21は、送信フレームの先頭に付加されるプリアンブル信号の一例を示す図である。ただし、図20では、説明を簡単にするために、複数の無線装置内の電力増幅器の中で、互いに隣接する2つの電力増幅器のチャネル(例えば、チャネル♯1およびチャネル♯2)における周波数fと電力増幅器の出力信号の電力値との関係を代表して示す。
【0003】
ディジタル変調方式を使用した従来の無線装置においては、通常、直交変調後の入力信号を増幅して他の無線装置に送信するための電力増幅器が設けられている。この増幅器の入出力特性(または送信電力特性)に関していえば、図19に示すように、増幅器の入力信号Sinの振幅値(または電力値)が小さい場合は、増幅器の入力信号Sinと出力信号(すなわち、増幅信号)Sa とが比例関係にあり、入力信号Sin(振幅値または電力値)と出力信号Sa (振幅値または電力値)との間で直線性(線形性)が成立している。しかしながら、入力信号Sinの振幅値(または電力値)が大きくなると、増幅器が飽和して入力信号Sinと出力信号Saとの間で直線性が得られなくなり、非線形歪が発生する。
【0004】
一般に、個々の無線装置内の増幅器に対しては、図20に示すように、電波法によって、増幅器の出力信号の電力値に相当する送信電力の占有帯域幅Δfwおよび隣接チャネル間の間隔Δfcが予め規定されている。前述のように入力信号Sinと出力信号Sa との間で非線形歪が発生した場合、図20の周波数fと増幅器の出力信号の電力値との関係から明らかなように、各々の増幅器に対して割り当てられたチャネルの送信電力の周波数スペクトルに広がりが生じ、当該周波数スペクトルが占有帯域幅Δfw内に収まらなくなる。このため、ある一つのチャネル(例えば、チャネル♯1)の送信電力が隣接するチャネル(例えば、チャネル♯2)へ漏洩するという問題が生じてくる。
【0005】
これを防止するために、リニアライザを使用して増幅器の非線形歪を補償するための従来の方式が数多く提案されている。
【0006】
第1の方式として、できる限り安いコストで増幅器の非線形歪を補償するために、増幅器からのフィードバックを行わずにリニアライザにより非線形歪を補償する方式が考案されてきた。例えば、下記の先行技術文献においては、送信系の増幅器からのフィードバックを行わずに、非線形歪補償部を含むリニアライザにより増幅器の非線形歪を補償する機能を備えた送信装置が開示されている。この先行技術文献のように、フィードバックを行わずにリニアライザにより増幅器の非線形歪を補償する方式では、歪補償テーブルを更新せずに固定の歪補償テーブルを使用している。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−251246号公報
また一方で、増幅器で発生する非線形歪に関する非線形歪特性は、主に増幅器の内部温度の違いにより変化する。増幅器の内部温度は送信開始直後から急激に上昇するので、増幅器の非線形歪特性は刻々と変化する。それゆえに、増幅器の非線形歪を確実に除去するためには、増幅器で発生する非線形歪特性の変化を常時監視しておく必要がある。
【0008】
このため、第2の方式として、増幅器の出力信号の一部を直交復調し、ベースバンド信号処理部へフィードバックして非線形歪量を検出することで、歪補償テーブルをリアルタイムにて監視し補正する方式が広く採用されている。
【0009】
さらに、第3の方式として、増幅器の出力信号の送信フレームの先頭にプリアンブル信号を付加し、このプリアンブル信号を利用して増幅器の非線形歪特性を容易に取得する方式が考案されてきた。ここで、プリアンブル信号は増幅器の非線形歪特性の取得を目的として付加されるものであり、このプリアンブル信号として、代表的に図21に示すように、時間tに対して位相を固定した状態で振幅をなだらかに変化させた信号が用いられている。このような第3の方式に係る従来の非線形歪補償方法は、例えば、下記の2件の先行技術文献に開示されている。
【0010】
【特許文献2】
特開平9−83481号公報
【特許文献3】
特許第3268135号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1の方式に係る従来の非線形歪補償方法では、増幅器の出力信号を入力側のプリディストーション部にフィードバックしないので、増幅器の内部温度の変化や増幅器のばらつきによる非線形歪特性の変動に対応することができない。
【0012】
また一方で、第2の方式に係る従来の非線形歪補償方法では、ディジタル変調が施された直交変調信号を用いて非線形歪量を算出しなければならないので、リニアライザの処理に必要な演算量が多くなり、リニアライザの処理自体が複雑になると共にリニアライザの処理に使用する回路も複雑になる。
【0013】
さらに、第3の方式に係る従来の非線形歪補償方法では、増幅器の出力信号の送信フレームにプリアンブル信号を付加しなければならず、その分、送信可能な情報ビット量が減少してしまうので情報の伝送効率が低下する。特に1チャネル当りの周波数の占有帯域幅が狭い通信方式の場合は、情報の伝送レートが低いので、少しでも多くの情報を伝送したいという要望がある。
【0014】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、プリディストーション方式によるリニアライザを使用して増幅器の非線形歪を補償する場合に、送信すべき情報の伝送効率を低下させることなく、増幅器の内部温度の変化等にも対応することが可能であり、かつ、少ない演算量と簡単な回路構成で増幅器の入力信号のプリディストーションを実現することが可能な無線装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明の第1の態様は、増幅器で発生する非線形歪を測定するための歪測定用信号を生成する歪測定用信号生成部と、直交ベースバンド信号を生成する直交ベースバンド信号生成部と、この直交ベースバンド信号生成部にて生成された直交ベースバンド信号の振幅値を算出する振幅値算出部と、上記増幅器で発生する非線形歪を補償するための歪補償係数が格納された複数の歪補償テーブルと、これらの複数の歪補償テーブルから一つの歪補償テーブルを選択する歪補償テーブル選択部と、この歪補償テーブル選択部にて選択された一つの歪補償テーブルから、上記直交ベースバンド信号の振幅値に対応する歪補償係数を読み出し、上記直交ベースバンド信号のプリディストーションを行うことで上記直交ベースバンド信号を補正するプリディストーション部と、上記歪測定用信号、または、上記プリディストーションが行われた上記直交ベースバンド信号のいずれか一方の信号を選択する信号選択部と、この信号選択部にて選択された信号を直交変調して直交変調信号を生成する直交変調部と、この直交変調部にて生成された直交変調信号を増幅する増幅器と、上記信号選択部にて上記歪測定用信号が選択された場合にのみ、上記増幅器の出力信号の電力値を測定して上記増幅器の送信電力を取得するための送信電力測定部と、この送信電力測定部にて取得された送信電力特性に基づき、上記増幅器で発生する非線形歪を補償するための歪補償係数を算出し、上記複数の歪補償テーブルを作成する歪補償テーブル作成部とを備え、間欠的な時間間隔を有する直交変調信号(例えば、バースト波)を送信する場合は、上記増幅器の内部温度が低い状態で取得された歪補償テーブルを使用し、連続する直交変調信号(例えば、連続波)を送信する場合は、上記増幅器を予め動作させて上記増幅器の内部温度を上昇させた状態で取得された歪補償テーブルを使用して上記直交ベースバンド信号のプリディストーションを行うような無線装置を提供する。
【0016】
また一方で、本発明の第2の態様は、増幅器で発生する非線形歪を測定するための歪測定用信号を生成する歪測定用信号生成部と、直交ベースバンド信号を生成する直交ベースバンド信号生成部と、この直交ベースバンド信号生成部にて生成された直交ベースバンド信号の振幅値の二乗の値を算出する振幅値算出部と、上記増幅器で発生する非線形歪を補償するための歪補償係数が格納された複数の歪補償テーブルと、これらの複数の歪補償テーブルから一つの歪補償テーブルを選択する歪補償テーブル選択部と、この歪補償テーブル選択部にて選択された一つの歪補償テーブルから、上記直交ベースバンド信号の振幅値の二乗の値に対応する歪補償係数を読み出し、上記直交ベースバンド信号のプリディストーションを行うことで上記直交ベースバンド信号を補正するプリディストーション部と、上記歪測定用信号、または、上記プリディストーションが行われた上記直交ベースバンド信号のいずれか一方の信号を選択する信号選択部と、この信号選択部にて選択された信号を直交変調して直交変調信号を生成する直交変調部と、この直交変調部にて生成された直交変調信号を増幅する増幅器と、上記信号選択部にて上記歪測定用信号が選択された場合にのみ、上記増幅器の出力信号の電力値を測定して上記増幅器の送信電力を取得するための送信電力測定部と、この送信電力測定部にて取得された送信電力特性に基づき、上記増幅器で発生する非線形歪を補償するための歪補償係数を算出し、上記複数の歪補償テーブルを作成する歪補償テーブル作成部とを備え、間欠的な時間間隔を有する直交変調信号を送信する場合は、上記増幅器の内部温度が低い状態で取得された歪補償テーブルを使用し、連続する直交変調信号を送信する場合は、上記増幅器を予め動作させて上記増幅器の内部温度を上昇させた状態で取得された歪補償テーブルを使用して上記直交ベースバンド信号のプリディストーションを行うような無線装置を提供する。
【0017】
好ましくは、本発明の第1および第2の態様に係る無線装置は、上記の間欠的な時間間隔を有する直交変調信号を送信する場合に、上記歪測定用信号の最初の部分で取得された歪補償テーブルを使用して上記直交ベースバンド信号のプリディストーションを行い、上記の連続する直交変調信号を送信する場合に、上記歪測定用信号を一定時間送信した後に取得された歪補償テーブルを使用して上記直交ベースバンド信号のプリディストーションを行うようになっている。
【0018】
さらに、好ましくは、本発明の第1および第2の態様に係る無線装置は、上記直交変調信号の送信開始からの経過時間を測定するタイマーを備える。このような構成において、上記歪補償テーブル選択部は、上記直交変調信号の送信開始からの経過時間に応じて、選択すべき歪補償テーブルの切替えを行うようになっている。
【0019】
さらに、好ましくは、本発明の第1および第2の態様に係る無線装置は、上記直交変調信号の送信停止からの経過時間を測定するタイマーを備える。このような構成において、上記歪補償テーブル選択部は、上記直交変調信号の送信停止からの経過時間に応じて、選択すべき歪補償テーブルの切替えを行うようになっている。
【0020】
さらに、好ましくは、本発明の第1および第2の態様に係る無線装置は、上記直交変調信号の送信開始からの経過時間、および、上記直交変調信号の送信停止からの経過時間を測定するタイマーを備える。このような構成において、上記歪補償テーブル選択部は、上記直交変調信号の送信開始からの経過時間と、上記直交変調信号の送信停止からの経過時間により決定されるパラメータに応じて、選択すべき歪補償テーブルの切替えを行うようになっている。
【0021】
さらに、好ましくは、本発明の第1および第2の態様に係る無線装置は、上記直交変調信号の送信開始からの送信フレーム数、および、上記直交変調信号の送信停止からの無送信フレーム数を計数するカウンタを備える。このような構成において、上記歪補償テーブル選択部は、上記直交変調信号の送信開始からの送信フレーム数と、上記直交変調信号の送信停止からの無送信フレーム数に応じて、選択すべき歪補償テーブルの切替えを行うようになっている。
【0022】
さらに、好ましくは、本発明の第1および第2の態様に係る無線装置は、上記増幅器にて増幅された上記直交変調信号の一部を取り出して包絡線信号を生成する包絡線信号生成部と、この包絡線信号生成部にて生成された包絡線信号に基づき、上記包絡線信号の送信フレームの先頭で現れる極大値を検出する極大値検出部とを備える。このような構成において、上記歪補償テーブル選択部は、上記極大値検出部にて検出された包絡線信号の極大値に応じて、選択すべき歪補償テーブルの切替えを行うようになっている。
【0023】
さらに、好ましくは、本発明の第1および第2の態様に係る無線装置は、上記増幅器に流れる電流値を電圧値に変換する電流/電圧変換部を備える。このような構成において、上記歪補償テーブル選択部は、上記電流/電圧変換部にて変換された電圧値に応じて、選択すべき歪補償テーブルの切替えを行うようになっている。
【0024】
さらに、好ましくは、本発明の第1および第2の態様に係る無線装置は、上記増幅器の近傍に設置されるか、または、上記増幅器に接触させて設置される温度センサを備える。このような構成において、上記歪補償テーブル選択部は、上記温度センサにより検出された温度に応じて、選択すべき歪補償テーブルの切替えを行うようになっている。
【0025】
さらに、好ましくは、本発明の第1および第2の態様に係る無線装置は、上記直交変調信号の送信を開始する前に上記増幅器の電源を投入してプリヒートを行い、上記増幅器の内部温度を予め上昇させておくようになっている。
【0026】
要約すれば、本発明においては、間欠的な時間間隔を有する直交変調信号を送信する場合と、連続する直交変調信号を送信する場合とで、使用すべき歪補償テーブルを切り替えて直交ベースバンド信号のプリディストーションを行うようにしているので、増幅器の出力信号の送信フレームにプリアンブル信号を付加しなくても、増幅器で発生する非線形歪を確実に補償することが可能な無線装置を実現することができる。このような構成では、プリアンブル信号が不要なので、送信すべき情報の伝送効率を低下させることなく、送信可能な情報ビット量を十分に確保することが可能になる。
【0027】
また一方で、本発明においては、増幅器の出力信号の一部をフィードバックするための包絡線信号生成部や電流/電圧変換部等のフィードバック回路を設けるような構成においても、比較的簡単な回路構成で当該フィードバック回路を実現することができる。
【0028】
かくして、本発明の無線装置では、送信すべき情報の伝送効率を低下させることなく、増幅器の温度変化等にも対応することが可能になると共に、少ない演算量と簡単な回路構成で増幅器の入力信号のプリディストーションを実現することが可能になる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面(図1〜図18)を参照しながら、本発明の好ましい実施例の構成および動作を説明する。
【0030】
図1は、本発明に係る第1の実施例の構成を示すブロック図、図2は、図1の実施例における増幅器の入力信号の例を示す信号波形図、図3は、歪補償係数を算出する際に目標とする直線特性の設定例を示すグラフ、図4は、図3の方法により算出された歪補償係数の一例を示すグラフ、そして、図5は、図1の実施例に使用される歪測定用信号の一例を示す信号波形図である。
【0031】
ただし、図1の第1の実施例では、プリディストーション方式のリニアライザを構成する無線装置10の構成を簡略化して示す。なお、これ以降、前述した構成要素と同様のものについては、同一の参照番号または参照符号を付して表すこととする。
【0032】
図1の無線装置10は、増幅器(すなわち、電力増幅器)9で発生する非線形歪を測定するための歪測定用信号を生成する歪測定用信号生成部1と、直交ベースバンド信号を生成する直交ベースバンド信号生成部2と、この直交ベースバンド信号生成部2にて生成された直交ベースバンド信号の振幅値(または直交ベースバンド信号の振幅値の二乗の値)を算出する振幅値算出部20と、増幅器9で発生する非線形歪を補償するための歪補償係数が格納された複数の歪補償テーブルとを備えている。ここで、複数の歪補償テーブルは、間欠的な時間間隔を有する直交変調信号(例えば、バースト波)の送信時に使用される第1の歪補償テーブル3−1と、連続する直交変調信号(例えば、連続波)の送信時に使用される第2の歪補償テーブル3−2とを含んでおり、メモリ30に保持されている。
【0033】
さらに、図1の無線装置10は、第1の歪補償テーブル3−1および第2の歪補償テーブル3−2からいずれか一つの歪補償テーブルを選択する歪補償テーブル選択部4と、この歪補償テーブル選択部4にて選択された一つの歪補償テーブルから、直交ベースバンド信号の振幅値(または直交ベースバンド信号の振幅値の二乗の値)に対応する歪補償係数を読み出し、上記直交ベースバンド信号のプリディストーションを行うことで上記直交ベースバンド信号を補正するプリディストーション部5と、歪測定用信号生成部1からの歪測定用信号、または、プリディストーション部5によるプリディストーションが行われた後の直交ベースバンド信号のいずれか一方のディジタル信号を選択する信号選択部6とを備えている。
【0034】
上記の直交ベースバンド信号生成部2、振幅値算出部20、複数の歪補償テーブル3−1、3−2、メモリ30、歪補償テーブル選択部4およびプリディストーション部5は、ベースバンド信号処理部を構成する。
【0035】
ここで、歪補償テーブル選択部4による第1の歪補償テーブル3−1または第2の歪補償テーブル3−2の選択は、バースト波/連続波切替え信号生成部40から供給されるバースト波/連続波切替え信号に基づいて実行される。また一方で、信号選択部6による歪測定用信号または直交ベースバンド信号の選択は、歪測定用信号/直交ベースバンド信号切替え用の制御信号に基づいて実行される。
【0036】
さらに、図1の無線装置10は、信号選択部6にて選択されたディジタル信号をアナログ信号に変換するディジタル/アナログ・コンバータ(D/Aコンバータ)7と、このアナログ信号を直交変調して直交変調信号を生成する直交変調部8と、この直交変調部8にて生成された直交変調信号を増幅する増幅器9とを備えている。
【0037】
なお、図1では、D/Aコンバータ7の後段部に直交変調部8を配置することによって信号選択部6からのディジタル信号をアナログ信号に変換した後に直交変調を行う構成になっているが、D/Aコンバータ7の前段部に直交変調部8を配置することによって上記ディジタル信号をアナログ信号に変換する前に直交変調を行う構成であってもよい。
【0038】
さらに、図1の実施例においては、信号選択部6にて歪測定用信号が選択された場合に、増幅器9の出力信号Sa の電力値を測定して増幅器9の送信電力を取得するための送信電力測定部11と、この送信電力測定部11にて取得された送信電力特性に基づき、増幅器9で発生する非線形歪を補正するための歪補償係数を算出し、前述の複数の歪補償テーブル(第1の歪補償テーブル3−1および第2の歪補償テーブル3−2)を作成する歪補償テーブル作成部12とが、無線装置10の外部に設けられている。この歪補償テーブル作成部12にて作成された複数の歪補償テーブルは、メモリ30に設定されて保持される。
【0039】
図1の無線装置10の歪測定用信号生成部1では、信号選択部6にて歪測定用信号が選択された場合にのみ、ディジタル変調がなされた直交ベースバンド信号(I、Q)の代わりに、増幅器8で発生する非線形歪を測定するための歪測定用信号(I、Q)を生成して信号選択部6に入力するようにしている。
【0040】
この歪測定用信号生成部1にて生成された歪測定用信号は、位相を固定した状態で、振幅または振幅の二乗の値を一定の周期で変化させた直交ベースバンド信号である。この歪測定用信号の例を図2の(a)、(b)および(c)に示す。
【0041】
本発明の第1の態様では、歪測定用信号生成部1からの歪測定用信号として、例えば図2の(a)の上部に示すように、増幅器9への入力信号の振幅値に相当する振幅を時間tに対し直線的に増加させたものを一定の周期で繰り返した直交ベースバンド信号が出力される。ただし、直交ベースバンド信号の位相は、任意の位相に固定しておくものとする。この直交ベースバンド信号を増幅器9に入力した場合、増幅器9からの出力信号の電力値は、図2の(a)の下部に示すように、入力信号の振幅の二乗(すなわち、入力信号の電力値)に比例して変化する。
【0042】
また一方で、本発明の第2の態様では、歪測定用信号生成部1からの歪測定用信号として、例えば図2の(b)の下部に示すように、増幅器への入力信号の振幅値の二乗(すなわち、入力信号の電力値)を時間tに対し直線的に増加させたものを一定の周期で繰り返した直交ベースバンド信号が出力される。したがって、増幅器への入力信号の振幅値で見ると、図2の(b)の上部に示すように変化させる必要がある。なお、歪測定用信号は、図2の(c)に示すように、増幅器への入力信号の電力値を時間tに対し直線的に増加および減少させたものを一定の周期で繰り返した直交ベースバンド信号であってもよい。
【0043】
図1の実施例では、図2に示した歪測定用信号のプリディストーションを行わずに上記歪測定用信号を増幅器9に入力し、増幅器9から出力される出力信号の送信電力を測定して増幅器の非線形歪に関する非線形歪特性を取得するようにしている。図1の無線装置は増幅器9の送信電力の検出系を持っていないので、増幅器の非線形歪特性の測定には、前述の送信電力測定部11のような外部の測定器を用いる必要がある。
【0044】
このような外部の測定器を用いて増幅器9からの出力信号の電力値を連続的に測定し、増幅器9への入力信号の波形と比較することによって、増幅器9で発生する非線形歪に関する非線形歪特性を知ることができる。特に、図2の(b)または(c)で示した入力信号を増幅器9に入力した場合は、外部の測定器により取得された増幅器9の出力信号の電力値も直線的に変化するはずであるが、増幅器9の出力信号の電力値が大きくなると非線形歪の影響で上記出力信号の電力値が飽和して頭打ちになる。この現象が、増幅器で実際に発生する非線形歪である。また一方で、図2の(a)で示した入力信号を増幅器9に入力した場合は、外部の測定器により取得された出力信号の電力値の平方根の値(出力信号の電力値のルートを取った値)が直線的に変化するはずなので、この出力信号の電力値の平方根の値を演算することによって増幅器9の非線形歪特性を取得することができる。
【0045】
本発明の第2の態様に従って、図2の(b)で示した入力信号を用いて増幅器9の非線形歪に関する非線形歪特性を補正し、直線的な特性が得られるようにするためには、理想的な増幅器の送信電力特性に基づいて非線形歪特性の逆特性を算出すればよい。このようにして算出された非線形歪特性の逆特性を上記非線形歪特性に付加することによって、増幅器9からの出力信号の電力値の直線性を確保することができる。
【0046】
また一方で、増幅器9の非線形歪特性の逆特性を算出する代わりに、図3に示すような目標とする直線特性(目標直線)を設定し、この目標直線に従う特性が得られるように、増幅器9への入力信号を調整する歪補償係数を算出してもよい。
【0047】
より詳しく説明すると、図3に示すように、増幅器9の出力信号Sa の電力値が0になる点と出力信号Sa の電力値の最大値とを結ぶ直線を示す一次式を、目標とする直線特性として設定する。さらに、目標とする直線特性が得られるような増幅器9の入力信号の振幅値の二乗(すなわち、入力信号の電力値)を求めるための算出式を求め、入力信号の振幅値の二乗の最小値から最大値までの値を上記算出式に等間隔に代入して、各々の入力信号の振幅値の二乗に対する歪補償係数を直接算出するようにしている。これによって、非線形歪特性の逆特性を使用した場合に比べて、より正確な非線形歪の補償を行うことが可能になる。
【0048】
このようにして算出された歪補償係数を歪補償テーブルとしてメモリ30(図1参照)に格納し、直交ベースバンド信号のプリディストーションを行う際の歪補償係数として使用する。増幅器9の入力信号の振幅値の二乗に対して算出された歪補償係数の一例を図4に示す。
【0049】
実際に算出された歪補償テーブルを使用して直交変調信号を補正する場合には、直交ベースバンド信号の振幅値の成分であるIおよびQの値から入力信号の振幅値の二乗(I +Q )を算出し、この振幅値の二乗の値に対応する補正値を歪補償テーブルから参照して直交ベースバンド信号のプリディストーションを行うようにしている。
【0050】
ここで、歪測定用信号生成部1(図1参照)からの歪測定用信号は、歪補償テーブルを作成することを目的としているので、この歪測定用信号として、直交ベースバンド信号の全ての振幅値が出力されるような信号が望ましい。また一方で、同一波形の信号を一定の周期で繰り返し出力すれば、連続して増幅器の送信電力を測定することができる。このような歪測定用信号の一例として、特開2002−64411号公報にも同じような信号波形が示されている。ただし、特開2002−64411号公報では、歪測定用信号もプリディストーションを行ってから出力するようになっており、その点で本発明の無線装置の場合と異なっている。
【0051】
なお、図3および図4のグラフでは、本発明の第2の態様に従って取得された非線形歪特性を使用して歪補償係数および歪補償テーブルを作成する方法を説明しているが、本発明の第1の態様に従って取得された非線形歪特性を使用する場合も、ほぼ同様の手順にて歪補償係数および歪補償テーブルを作成することができる。
【0052】
ただし、この場合は、増幅器9の出力信号の電力値が0になる点と出力信号の電力値の平方根の最大値とを結ぶ直線を示す一次式を目標直線として設定し、この目標直線が得られるような増幅器9の入力信号の振幅値(図2の(a)参照)を求めるための算出式を求め、入力信号の振幅値の最小値から最大値までの値を上記算出式に等間隔に代入して、各々の入力信号の振幅値に対する歪補償係数を直接算出するようにしている。
【0053】
図3および図4に示すような方法で算出された歪補償テーブルを用いてプリディストーションを行う場合、間欠的な時間間隔を有する直交変調信号(例えば、バースト波)を送信するときは送信時間が短いので、増幅器9の内部温度があまり上昇しない。これに対し、連続する直交変調信号(例えば、連続波)を送信するときは送信を継続すると増幅器9の内部温度が上昇し、増幅器9で発生する非線形歪に関する非線形歪特性が変化してしまう。このため、バースト波の場合と同じ歪補償テーブルを使用して連続波を補正すると、増幅器9の入出力特性の直線性が大きく劣化する可能性がある。
【0054】
これを防止するために、図1の実施例では、バースト波を送信する場合は、増幅器9の内部温度が低い状態で取得された歪補償テーブル(例えば、図1の第1の歪補償テーブル3−1)を使用し、連続波を送信する場合は、増幅器9を予め動作させて増幅器9の内部温度を上昇させた状態で取得された歪補償テーブル(例えば、図1の第2の歪補償テーブル3−2)を使用するようにしている。ここでは、バースト波を送信する場合と連続波を送信する場合とで、増幅器9で発生する非線形歪の測定を個別に行う必要がある。
【0055】
ここで、上記2種類の歪補償テーブルは、無線装置を製造する際に測定器を用いて1台ずつ作成し、無線装置内部のメモリに書き込んで、直交ベースバンド信号のプリディストーションを行う際に使用するものとする。あるいは、複数の無線装置に対して代表的な歪補償テーブルを作成しておき、同じ歪補償テーブルを全ての無線装置に書き込んでもよい。
【0056】
より具体的には、図5に示すように、バースト波のプリディストーションを行う場合は、歪測定用信号(入力信号Sinの電力値または振幅値)の最初の部分(一周期目)で取得された歪補償テーブルを使用し、連続波のプリディストーションを行う場合は、同一の歪測定用信号を一定時間送信した後に取得された歪補償テーブルを使用している。
【0057】
この図5に示すような方法によっても、バースト波を送信する場合と連続波を送信する場合とで増幅器9の非線形歪の測定を個別に行った場合と同等の歪補償テーブルが求められる。上記の方法では、一度の測定で、バースト波に使用される第1の歪補償テーブルと連続波に使用される第2の歪補償テーブルの両方を算出することができる。
【0058】
図6は、本発明に係る第2の実施例の構成を示すブロック図、図7は、図6の実施例に使用される歪測定用信号の一例を示す信号波形図、そして、図8は、図6の実施例に使用される歪測定用信号の他の例を示す信号波形図である。
【0059】
図6の第2の実施例に係る無線装置10は、前述の図1の第1の実施例の構成に、直交変調信号または歪測定用信号(入力信号Sinの電力値または振幅値)の送信開始からの経過時間を測定するタイマー41を追加したものである。さらに、ここでは、歪測定用信号の送信開始からの経過時間に応じて、2種類以上の複数の歪補償テーブル(歪補償テーブル♯1(3a−1)、歪補償テーブル♯2(3a−2)および歪補償テーブル♯n(3a−n):nは2以上の任意の正の整数)を作成してメモリ30に保持するようになっている。
【0060】
より詳しく説明すると、図6の実施例では、連続的に歪測定用信号を送信し、予め設定しておいた送信時間が経過した時点で、増幅器9の非線形歪に関する非線形歪特性を取得する。このようにして取得された非線形歪特性から複数の歪補償テーブルを算出してメモリ30に保持しておく。さらに、連続波の直交変調信号を送信する場合には、連続波の送信開始からの経過時間に応じて、複数の歪補償テーブルから選択すべき歪補償テーブルを切り替えながらプリディストーションを行うようにしている。
【0061】
例えば図7に示すように、20msec(ミリ秒)の周期を有する歪測定用信号の送信開始直後、送信開始から40msec経過後、120msec経過後、および220msec経過後に取得されたデータからそれぞれ算出した複数の歪補償テーブルをベースバンド信号処理部のメモリ30に保持しておき、直交ベースバンド信号のプリディストーションを行う際には、タイマー41により計測された送信開始からの経過時間に応じて歪補償テーブルを切り替えていく。これによって、送信を継続したために増幅器9の内部温度が上昇した場合でも、増幅器9の非線形歪に関する非線形歪特性を改善することができる。
【0062】
また一方で、図6の実施例に係る無線装置10において、直交変調信号または歪測定用信号(入力信号Sinの電力値または振幅値)の送信停止からの経過時間を測定するタイマー41を追加することも可能である。
【0063】
直交変調信号の送信を停止すると増幅器9の内部温度が徐々に低下するので、送信停止からの経過時間に応じて、複数の歪補償テーブルから選択すべき歪補償テーブルを切り替えることによって、増幅器9で発生する非線形歪をより正確に補償することができる。
【0064】
このようなタイマー41を用いて増幅器9の非線形歪を測定する場合には、予め設定しておいた時間だけ間隔を空けながら歪測定用信号を送信して、増幅器9の出力信号の電力値の測定を行うようにしている。
【0065】
例えば図8に示すように、歪測定用信号の送信を停止してから30秒(sec)経過後、および1分(min)経過後に取得されたデータから算出した歪補償テーブルをベースバンド信号処理部のメモリ30に保持しておき、直交ベースバンド信号のプリディストーションを行う際には、タイマ−41により計測された送信停止からの経過時間に応じて歪補償テーブルを切り替えていく。これによって、増幅器9の内部温度が低下した場合でも、増幅器9の非線形歪に関する非線形歪特性を改善することができる。
【0066】
図8の方法により取得された複数の歪補償テーブルを用いて増幅器9の非線形歪特性を補償する場合には、直交変調信号の送信を停止していた時間に応じて歪補償テーブルを切り替えながらプリディストーションを行うようにしている。
【0067】
また一方で、図6の実施例に係る無線装置10において、直交変調信号または歪測定用信号の送信開始からの経過時間、および、直交変調信号または歪測定用信号の送信停止からの経過時間を測定するタイマー41を追加することも可能である。
【0068】
このようなタイマー41を用いて増幅器9の非線形歪を測定する場合には、連続的に歪測定用信号を送信し、予め設定しておいた送信時間が経過した時点で、増幅器9の非線形歪に関する非線形歪特性を取得すると共に、予め設定しておいた時間だけ間隔を空けながら歪測定用信号を送信して、増幅器9の非線形歪に関する非線形歪特性を取得する。このようにして取得された非線形歪特性から複数の歪補償テーブルを算出してメモリ30に保持しておく。さらに、直交変調信号を送信する場合には、直交変調信号の送信開始からの経過時間と、直交変調信号の送信停止からの経過時間により決定されるパラメータに応じて、複数の歪補償テーブルから選択すべき歪補償テーブルを切り替えながらプリディストーションを行うようにしている。
【0069】
より具体的には、直交変調信号の送信開始からの経過時間をton、送信停止からの経過時間をtoff 、増幅器9の内部温度を示す変数をTとする。直交変調信号の送信を開始した場合は、送信開始からの経過時間に応じて、TをT+a×ton(aは温度の上昇を示す定数)に変更する。これに対し、直交変調信号の送信を停止した場合は、送信停止からの経過時間に応じて、TをT−b×ton(bは温度の低下を示す定数)に変更する。増幅器9の内部温度は周辺温度以下にはならないので、Tの最低値を設定しておく。このようにして算出したTの値を用いて歪補償テーブルを切り替えながらプリディストーションを行えば、送信開始からの経過時間のみ使用して歪補償テーブルを切り替えた場合、あるいは、送信停止からの経過時間のみ使用し歪補償テーブルを切り替えた場合に比べて、増幅器で発生する非線形歪をより正確に補償することができる。
【0070】
図9は、本発明に係る第3の実施例の構成を示すブロック図であり、図10は、図9の実施例に使用される歪測定用信号の一例を示す信号波形図である。
【0071】
図9の第3の実施例に係る無線装置10は、前述の図1の第1の実施例の構成に、直交変調信号または歪測定用信号の送信開始からの送信フレーム数を計数する送信フレーム数カウンタ42と、直交変調信号または歪測定用信号の送信停止からの無送信フレーム数を計数する無送信フレーム数カウンタ43とを追加したものである。この場合も、前述の図6の実施例の場合と同様に、歪測定用信号の送信開始からの送信フレーム数や送信停止からの無送信フレーム数に応じて、2種類以上の複数の歪補償テーブルを作成してメモリ30に保持するようになっている。
【0072】
より詳しく説明すると、図9の実施例では、送信開始からの経過時間や送信停止からの経過時間をタイマーにより測定する代わりに、実際に送信した送信フレーム数、または送信しなかった無送信フレーム数を計数することによって、増幅器9の非線形歪に関する非線形歪特性を取得する。このようにして取得された非線形歪特性から複数の歪補償テーブルを算出してメモリ30に保持しておく。さらに、直交変調信号を送信する場合には、送信フレーム数カウンタ42により計数された送信フレーム数や、無送信フレーム数カウンタ42により計数された無送信フレーム数に応じて、複数の歪補償テーブルから選択すべき歪補償テーブルを切り替えながらプリディストーションを行うようにしている。このような構成では、前述の図6の実施例で必要であったタイマーが不要になる。
【0073】
図9の実施例において複数の歪補償テーブルを算出する場合は、直交変調信号の送信フレームにおける1フレームのフレーム長と同じ周期を有する歪測定用信号を送信して増幅器9の非線形歪特性を取得してもよい。例えば図10に示すように、1フレームのフレーム長が40msecの直交変調信号を送信する場合、この直交変調信号のフレーム長と同じ周期を有する歪測定用信号の送信開始直後、2フレーム目(40msec経過後)、4フレーム目(120msec経過後)、および8フレーム目(280msec経過後)に増幅器9の入力信号Sinの電力値(または振幅値)を測定し、増幅器9の送信電力を取得する。このようにして取得された送信電力のデータに基づいて複数の歪補償テーブルを算出し、メモリ30に保持しておく。
【0074】
直交ベースバンド信号のプリディストーションを行う際は、1フレーム目の送信には送信開始直後の歪補償テーブルを使用し、2フレーム目の送信には40msec経過後に取得された歪補償テーブルを使用する。このようにして、実際に送信した送信フレーム数を計数しながら歪補償テーブルを切り替えることによって、送信開始からの経過時間を測定するためのタイマーを不要にすることが可能になる。
【0075】
図11は、本発明に係る第4の実施例の構成を示すブロック図、図12は、図11の実施例に使用される送信フレームの一例を示すフレームフォーマット図、図13は、図11の実施例に使用される一周期分の歪測定用信号を示す信号波形図、そして、図14は、複数の周期にわたって図13の歪測定用信号を表した様子を示す信号波形図である。
【0076】
図11の第4の実施例に係る無線装置10は、前述の図1の第1の実施例の構成に、包絡線信号生成部90、アナログ/ディジタル・コンバータ(A/Dコンバータ)91および極大値検出部92を追加したものである。ここで、包絡線信号生成部90は、増幅器9にて増幅された直交変調信号(増幅器9からの出力信号Sa )の一部を取り出してアナログの包絡線信号を生成する機能を有する。A/Dコンバータ91は、包絡線信号生成部90にて生成されたアナログの包絡線信号をディジタル信号に変換する機能を有する。極大値検出部92は、アナログ/ディジタル・コンバータ(A/Dコンバータ)91から出力されたディジタル信号に基づき、包絡線信号の送信フレームの先頭で現れる極大値(ピーク値)を検出する機能を有する。この場合も、前述の実施例の場合と同様に、極大値検出部92にて検出された包絡線信号の極大値に応じて、2種類以上の複数の歪補償テーブルを作成してメモリ30に保持するようになっている。
【0077】
より詳しく説明すると、図11の実施例では、増幅器9の出力信号の一部から取り出された包絡線信号の情報をベースバンド信号処理部にフィードバックし、送信フレームの先頭で現れる包絡線信号の極大値の大きさによって、歪補償テーブルを切り替えながらプリディストーションを行うようにしている。
【0078】
図11の実施例に使用される送信フレームの一例を図12に示す。ただし、ここでは、説明を簡単にするために、複数のフレームから構成される送信フレームの中の1フレームの構成を示すこととする。
【0079】
図12に示すように、送信フレームのデータ部は、フレーム毎に送信ビット列が異なる。これに対し、送信フレームの先頭に付加されるプリアンブル信号や同期シンボル等の信号に関しては、基本的に、各フレームに対して同じパターンの送信ビット列が送信される。したがって、この送信ビット列を変調した波形に相当する包絡線信号も常に一定になる。このため、送信フレームの先頭で包絡線信号の極大値が現れた場合は、この包絡線信号の振幅値もフレーム毎に一定になる。ただし、増幅器9の非線形歪に関する非線形歪特性が変化すると、包絡線信号の極大値も変化する。それゆえに、図10の実施例では、送信フレームの先頭で現れる包絡線信号の極大値の大きさによって、歪補償テーブルを切り替えてプリディストーションを行うことが可能になる。
【0080】
図13および図14に、図11の実施例に使用される一周期分の歪測定用信号、および、複数の周期分の歪測定用信号をそれぞれ示す。複数の歪補償テーブルを算出する場合は、包絡線信号の極大値も同時に取得することができるように、直交変調信号(入力信号Sinの電力値または振幅値)の送信フレームの先頭部分と、歪測定用信号を順次送信する。ここで、送信フレームの各フレームの先頭で発生する包絡線信号の極大値は、図14に示すように、増幅器9の非線形歪特性の変化に応じて変化する。
【0081】
極大値検出部92により包絡線信号の極大値を検出しながら、歪測定用信号を用いて、送信電力測定部11等の外部の測定器により増幅器9の非線形歪特性を取得する。外部の測定器により取得された非線形歪特性のデータから複数の歪補償テーブルを作成する。このようにして作成された歪補償テーブルと、極大値検出部92により検出された包絡線信号の極大値とを関連付け、歪補償テーブルとしてメモリ30に保持する。直交ベースバンド信号のプリディストーションを行う際には、ベースバンド信号処理部にフィードバックした包絡線信号の極大値をパラメータとして、歪補償テーブルを切り替える。これによって、増幅器9で発生する非線形歪をより正確に補償することができる。
【0082】
図15は、本発明に係る第5の実施例の構成を示すブロック図である。図15の第5の実施例に係る無線装置10は、前述の図1の第1の実施例の構成に、増幅器9に流れる電流値をアナログの電圧値に変換する電流/電圧変換部93と、この電流/電圧変換部93から出力されたアナログの電圧値をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル・コンバータ(A/Dコンバータ)94とを追加したものである。この場合も、前述の実施例の場合と同様に、増幅器9に流れる電流値に相当するディジタル信号に応じて、2種類以上の複数の歪補償テーブルを作成してメモリ30に保持するようになっている。
【0083】
増幅器9に流れる電流値が変化すると、増幅器9で発生する非線形歪に関する非線形歪特性も変化する。そこで、増幅器9に流れる電流値をアナログの電圧値に変換し、A/Dコンバータ94によりディジタル信号に変換してベースバンド信号処理部の歪補償テーブル選択部4に入力する。このディジタル信号の電圧値をパラメータとして歪補償テーブルを切り替えながらプリディストーションを行うようにしている。
【0084】
図15の実施例において複数の歪補償テーブルを算出する場合は、ベースバンド信号処理部で、増幅器9に流れる電流値をディジタル信号の電圧値に変換した値を記憶しながら歪測定用信号を出力し、送信電力測定部11等の外部の測定器を用いて増幅器9の非線形歪に関する非線形歪特性を取得する。
【0085】
このようにして取得された非線形歪特性のデータから複数の歪補償テーブルを作成し、ベースバンド処理部で記憶しておいた電流値と関連付ける。そして、直交ベースバンド信号のプリディストーションを行う際には、ディジタル信号の電圧値に変換された増幅器9の電流値をパラメータとして歪補償テーブルを切り替えることにより、増幅器9で発生する非線形歪をより正確に補償することができる。
【0086】
図16は、本発明に係る第6の実施例の構成を示すブロック図である。図16の第6の実施例に係る無線装置10は、前述の図1の第1の実施例の構成に、増幅器9の近傍に設置されるか、または、増幅器9に接触させて設置される温度センサ95と、この温度センサ95により検出された温度をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル・コンバータ(A/Dコンバータ)96とを追加したものである。この場合も、前述の実施例の場合と同様に、温度センサ95により検出された温度に相当するディジタル信号に応じて、2種類以上の複数の歪補償テーブルを作成してメモリ30に保持するようになっている。
【0087】
増幅部9の内部温度を正確に測定することは難しいが、長時間送信していない場合は、増幅器9の内部温度と外部温度がほぼ等しくなる。そこで、温度センサ95から出力された温度を示す電圧値をA/Dコンバータ96によりディジタル信号に変換し、ベースバンド処理部にて検出する。このディジタル信号の値をパラメータとして歪補償テーブルを切り替えながらプリディストーションを行うようにしている。
【0088】
図16の実施例において複数の歪補償テーブルを算出する場合は、ベースバンド処理部で、温度センサから出力された電圧値を記憶しながら歪測定用信号を出力し、送信電力測定部11等の外部の測定器を用いて増幅器9の非線形歪に関する非線形歪特性を取得する。
【0089】
このようにして取得された非線形歪特性のデータから複数の歪補償テーブルを作成し、ベースバンド処理部で記憶しておいた温度を示す電圧値と関連付ける。そして、直交ベースバンド信号のプリディストーションを行う際には、温度センサ95から出力された温度を示す電圧値をパラメータとして歪補償テーブルを切り替えることにより、増幅器9で発生する非線形歪をより正確に補償することができる。
【0090】
図17は、本発明に係る第7の実施例の構成を示すブロック図であり、図18は、本発明の実施例において増幅器のプリヒートを行う方法を説明するためのタイミングチャートである。
【0091】
図17の第7の実施例に係る無線装置10は、前述の図1の第1の実施例の構成に、直交変調信号(入力信号Sinの電力値または振幅値)の送信を開始する前に増幅器9の電源を投入してプリヒートを行うためのプリヒート制御部97を追加したものである。この増幅器9のプリヒートを行うことによって、直交変調信号の送信を開始する前に増幅器9の内部温度を予め上昇させておくことが可能になる。ここでは、前述の第1の実施例の構成に増幅器9のプリヒートを行う機能を持たせているが、前述の第2〜第6の実施例の構成に増幅器9のプリヒートを行う機能を持たせることも可能である。
【0092】
図17の実施例においては、直交変調信号の送信を開始すると共に増幅器9の内部温度が急上昇するため、送信を開始した直後では増幅器9の非線形歪に関する非線形歪特性の変化が大きい。そこで、直交変調信号の送信を開始する前に増幅器9の電源を投入してプリヒートを行い、増幅器9の内部温度を予め上昇させて送信中の温度変化を少なくすると、非線形歪特性の変化を小さくすることができる。
【0093】
例えば図18に示すように、無線装置のプレスが押されたことを検出した直後に、増幅器9の電源を投入して増幅器に電源電圧Va を供給し(電源オフ→電源オン)、ベースバンド信号処理部から直交変調信号を出力するまでの間に100msec程度のウェイトを持たせる。換言すれば、増幅器9の電源を投入してプリヒートを行ってから100msec程度の時間が経過した後に、入力信号Sinの増幅器9への入力を開始するようにしている。このような増幅器9のプリヒートを行うと、ウェイトの期間中に増幅器9の内部温度が上昇するため、送信開始直後の非線形歪特性の変化を抑制することができ、増幅器9で発生する非線形歪を高精度で補償することが可能になる。
【0094】
また一方で、増幅器9の内部温度を迅速に上昇させるために、増幅器9のプリヒートを行っている最中に増幅器へ供給される電流の電流値を増加させてもよい。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、バースト波のように間欠的な時間間隔を有する直交変調信号を送信する場合と、連続波のように連続する直交変調信号を送信する場合とで、使用すべき歪補償テーブルを切り替えて直交ベースバンド信号のプリディストーションを行うようにしているので、増幅器の出力信号の送信フレームにプリアンブル信号を付加しなくても、増幅器で発生する非線形歪を確実に補償することが可能な無線装置を実現することができる。このような構成では、プリアンブル信号が不要なので、送信すべき情報の伝送効率を低下させることなく、送信可能な情報ビット量を十分に確保することが可能になる。
【0096】
さらに、本発明によれば、増幅器の出力信号の一部をフィードバックするためのフィードバック回路を設けるような構成においても、比較的簡単な回路構成で当該フィードバック回路を実現することが可能になる。
【0097】
さらに、本発明によれば、送信すべき情報の伝送効率を低下させることなく、増幅器の温度変化等にも対応することが可能になると共に、少ない演算量と簡単な回路構成で増幅器の入力信号のプリディストーションを実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の実施例における増幅器の入力信号の例を示す信号波形図である。
【図3】歪補償係数を算出する際に目標とする直線特性の設定例を示すグラフである。
【図4】図3の方法により算出された歪補償係数の一例を示すグラフである。
【図5】図1の実施例に使用される歪測定用信号の一例を示す信号波形図である。
【図6】本発明に係る第2の実施例の構成を示すブロック図である。
【図7】図6の実施例に使用される歪測定用信号の一例を示す信号波形図である。
【図8】図6の実施例に使用される歪測定用信号の他の例を示す信号波形図である。
【図9】本発明に係る第3の実施例の構成を示すブロック図である。
【図10】図9の実施例に使用される歪測定用信号の一例を示す信号波形図である。
【図11】本発明に係る第4の実施例の構成を示すブロック図である。
【図12】図11の実施例に使用される送信フレームの一例を示すフレームフォーマット図である。
【図13】図11の実施例に使用される一周期分の歪測定用信号を示す信号波形図である。
【図14】複数の周期にわたって図13の歪測定用信号を表した様子を示す信号波形図である。
【図15】本発明に係る第5の実施例の構成を示すブロック図である。
【図16】本発明に係る第6の実施例の構成を示すブロック図である。
【図17】本発明に係る第7の実施例の構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の実施例において増幅器のプリヒートを行う方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図19】一般の電力増幅器の入出力特性の一例を示すグラフである。
【図20】従来の無線装置において送信電力が隣接チャネルへ漏洩する様子を示す図である。
【図21】送信フレームの先頭に付加されるプリアンブル信号の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…歪測定用信号生成部
2…直交ベースバンド信号生成部
3−1…第1の歪補償テーブル
3−2…第2の歪補償テーブル
3a−1…歪補償テーブル♯1
3a−2…歪補償テーブル♯2
3a−n…歪補償テーブル♯n
4…歪補償テーブル選択部
5…プリディストーション部
6…信号選択部
7…ディジタル/アナログ・コンバータ(D/Aコンバータ)
8…直交変調部
9…増幅器
10…無線装置
11…送信電力測定部
12…歪補償テーブル作成部
20…振幅値算出部
30…メモリ
40…バースト波/連続波切替え信号生成部
41…タイマー
42…送信フレーム数カウンタ
43…無送信フレーム数カウンタ
90…包絡線信号生成部
91…アナログ/ディジタル・コンバータ(A/Dコンバータ)
92…極大値検出部
93…電流/電圧変換部
94…アナログ/ディジタル・コンバータ(A/Dコンバータ)
95…温度センサ
96…アナログ/ディジタル・コンバータ(A/Dコンバータ)
97…プリヒート制御部

Claims (11)

  1. 増幅器で発生する非線形歪を測定するための歪測定用信号を生成する歪測定用信号生成部と、
    直交ベースバンド信号を生成する直交ベースバンド信号生成部と、
    該直交ベースバンド信号生成部にて生成された直交ベースバンド信号の振幅値を算出する振幅値算出部と、
    前記増幅器で発生する非線形歪を補償するための歪補償係数が格納された複数の歪補償テーブルと、
    該複数の歪補償テーブルから一つの歪補償テーブルを選択する歪補償テーブル選択部と、
    該歪補償テーブル選択部にて選択された一つの歪補償テーブルから、前記直交ベースバンド信号の振幅値に対応する歪補償係数を読み出し、前記直交ベースバンド信号のプリディストーションを行うことで前記直交ベースバンド信号を補正するプリディストーション部と、
    前記歪測定用信号、または、前記プリディストーションが行われた前記直交ベースバンド信号のいずれか一方の信号を選択する信号選択部と、
    該信号選択部にて選択された信号を直交変調して直交変調信号を生成する直交変調部と、
    該直交変調部にて生成された直交変調信号を増幅する増幅器と、
    前記信号選択部にて前記歪測定用信号が選択された場合にのみ、前記増幅器の出力信号の電力値を測定して該増幅器の送信電力を取得するための送信電力測定部と、
    該送信電力測定部にて取得された送信電力特性に基づき、前記増幅器で発生する非線形歪を補償するための歪補償係数を算出し、前記複数の歪補償テーブルを作成する歪補償テーブル作成部とを備え、
    間欠的な時間間隔を有する直交変調信号を送信する場合は、前記増幅器の内部温度が低い状態で取得された歪補償テーブルを使用し、連続する直交変調信号を送信する場合は、前記増幅器を予め動作させて前記増幅器の内部温度を上昇させた状態で取得された歪補償テーブルを使用して前記直交ベースバンド信号のプリディストーションを行うことを特徴とする無線装置。
  2. 増幅器で発生する非線形歪を測定するための歪測定用信号を生成する歪測定用信号生成部と、
    直交ベースバンド信号を生成する直交ベースバンド信号生成部と、
    該直交ベースバンド信号生成部にて生成された直交ベースバンド信号の振幅値の二乗の値を算出する振幅値算出部と、
    前記増幅器で発生する非線形歪を補償するための歪補償係数が格納された複数の歪補償テーブルと、
    該複数の歪補償テーブルから一つの歪補償テーブルを選択する歪補償テーブル選択部と、
    該歪補償テーブル選択部にて選択された一つの歪補償テーブルから、前記直交ベースバンド信号の振幅値の二乗の値に対応する歪補償係数を読み出し、前記直交ベースバンド信号のプリディストーションを行うことで前記直交ベースバンド信号を補正するプリディストーション部と、
    前記歪測定用信号、または、前記プリディストーションが行われた前記直交ベースバンド信号のいずれか一方の信号を選択する信号選択部と、
    該信号選択部にて選択された信号を直交変調して直交変調信号を生成する直交変調部と、
    該直交変調部にて生成された直交変調信号を増幅する増幅器と、
    前記信号選択部にて前記歪測定用信号が選択された場合にのみ、前記増幅器の出力信号の電力値を測定して該増幅器の送信電力を取得するための送信電力測定部と、
    該送信電力測定部にて取得された送信電力特性に基づき、前記増幅器で発生する非線形歪を補償するための歪補償係数を算出し、前記複数の歪補償テーブルを作成する歪補償テーブル作成部とを備え、
    間欠的な時間間隔を有する直交変調信号を送信する場合は、前記増幅器の内部温度が低い状態で取得された歪補償テーブルを使用し、連続する直交変調信号を送信する場合は、前記増幅器を予め動作させて前記増幅器の内部温度を上昇させた状態で取得された歪補償テーブルを使用して前記直交ベースバンド信号のプリディストーションを行うことを特徴とする無線装置。
  3. 前記の間欠的な時間間隔を有する直交変調信号を送信する場合は、前記歪測定用信号の最初の部分で取得された歪補償テーブルを使用して前記直交ベースバンド信号のプリディストーションを行い、前記の連続する直交変調信号を送信する場合は、前記歪測定用信号を一定時間送信した後に取得された歪補償テーブルを使用して前記直交ベースバンド信号のプリディストーションを行う請求項1または2記載の無線装置。
  4. 前記無線装置が、さらに、前記直交変調信号の送信開始からの経過時間を測定するタイマーを備え、
    前記歪補償テーブル選択部は、前記直交変調信号の送信開始からの経過時間に応じて、選択すべき前記歪補償テーブルの切替えを行う請求項1または2記載の無線装置。
  5. 前記無線装置が、さらに、前記直交変調信号の送信停止からの経過時間を測定するタイマーを備え、
    前記歪補償テーブル選択部は、前記直交変調信号の送信停止からの経過時間に応じて、選択すべき前記歪補償テーブルの切替えを行う請求項1または2記載の無線装置。
  6. 前記無線装置が、さらに、前記直交変調信号の送信開始からの経過時間、および、前記直交変調信号の送信停止からの経過時間を測定するタイマーを備え、
    前記歪補償テーブル選択部は、前記直交変調信号の送信開始からの経過時間と、前記直交変調信号の送信停止からの経過時間により決定されるパラメータに応じて、選択すべき前記歪補償テーブルの切替えを行う請求項1または2記載の無線装置。
  7. 前記無線装置が、さらに、前記直交変調信号の送信開始からの送信フレーム数、および、前記直交変調信号の送信停止からの無送信フレーム数を計数するカウンタを備え、
    前記歪補償テーブル選択部は、前記直交変調信号の送信開始からの送信フレーム数と、前記直交変調信号の送信停止からの無送信フレーム数に応じて、選択すべき前記歪補償テーブルの切替えを行う請求項1または2記載の無線装置。
  8. 前記無線装置が、さらに、
    前記増幅器にて増幅された前記直交変調信号の一部を取り出して包絡線信号を生成する包絡線信号生成部と、
    該包絡線信号生成部にて生成された包絡線信号に基づき、前記包絡線信号の送信フレームの先頭で現れる極大値を検出する極大値検出部とを備え、
    前記歪補償テーブル選択部は、前記極大値検出部にて検出された包絡線信号の極大値に応じて、選択すべき前記歪補償テーブルの切替えを行う請求項1または2記載の無線装置。
  9. 前記無線装置が、さらに、前記増幅器に流れる電流値を電圧値に変換する電流/電圧変換部を備え、
    前記歪補償テーブル選択部は、前記電流/電圧変換部にて変換された電圧値に応じて、選択すべき前記歪補償テーブルの切替えを行う請求項1または2記載の無線装置。
  10. 前記無線装置が、さらに、前記増幅器の近傍に設置されるか、または、該増幅器に接触させて設置される温度センサを備え、
    前記歪補償テーブル選択部は、前記温度センサにより検出された温度に応じて、選択すべき前記歪補償テーブルの切替えを行う請求項1または2記載の無線装置。
  11. 前記直交変調信号の送信を開始する前に前記増幅器の電源を投入してプリヒートを行い、前記増幅器の内部温度を予め上昇させておく請求項1から10のいずれか一項に記載の無線装置。
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