JP2005031459A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 定着ベルトを磨耗させたりあるいは傷つけることなく、そのベルト外周面に付着するNVOトナーおよび紙粉を良好にかつ安定して除去することができる定着装置を提供する。
【解決手段】 定着ベルト(10)を加熱する加熱手段(20、21)と、この加熱手段で加熱された定着ベルトの表面に定着対象のトナー像(T)が担持された記録用紙(P)を圧接させる加圧回転体(30、31)とを備え、この加圧回転体による定着加圧部を通過した後も記録用紙を定着ベルトの外周面に密着させた状態で所定の距離だけ搬送してから剥離する定着装置において、定着ベルト(10)の外周面に接触して回転する加熱ロール(21)と、この加熱ロールの表面に接触して離型性オイルを塗布するオイル供給装置(50)とを設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、定着対象のトナー像を担持する記録用紙を、加熱されて回転する無端状の定着ベルトに密着させた状態で搬送した後に剥離するタイプの定着装置に係り、特に、その定着ベルト表面に付着する特定のトナーや紙粉を除去することができる定着装置に関するものである。
近年、電子写真方式、静電記録方式等を利用したプリンタ、複写機、複合機等の画像形成装置に使用される定着装置として、回転する張架状態の定着ベルトを使用し、その定着ベルトを加熱しつつそのベルト表面に対して未定着のトナー画像が担持された記録用紙を圧接させ、その定着ベルトに密着させた状態のままで冷却しながら搬送し、最後に定着ベルトから剥離させることで定着を行うタイプのベルト定着装置が提案されている(特許文献1、2)。
このタイプの定着装置によれば、記録用紙上のトナー画像が定着ベルトの平滑な表面にならって表面平滑な状態で冷却固化された後に定着ベルトから剥離されるため、特に光沢感に優れた定着画像が得られるようになる。また、記録用紙の定着ベルトからの剥離はトナーが冷却固化された後に行われるため、トナーが定着ベルトに転移付着するオフセットも発生しにくくなる利点がある。
ところで、このような定着ベルトを使用した定着装置においては、定着ベルトの外周面に肉眼では見えないほどの少量のオフセットトナー(以下、「NVO(Non Visual Offset)トナー」という)や紙粉が付着している。このNVOトナーや紙粉は、少量のものが付着し始めている初期の段階では画像への影響がないものの、定着ベルトが加熱されることにより長時間加熱されていると定着ベルト上に固着してしまい、それが定着ベルトの外周面の平滑性(鏡面性)を劣化させて定着画像の光沢性を悪化させるという問題がある。
前掲の定着装置においても、加熱ローラに巻きつく定着ベルトの外周面にクリーニングロールを設けるか(特許文献1)、あるいは巻取り式ウェブを設けるようにしている(特許文献2)。
しかしながら、クリーニングロールを設けた場合には、トナーのような粘性のあるものを除去することはできるが、紙粉のようなものものは十分に除去することができない。また、巻取り式ウェブを設けた場合には、定着ベルトとウェブとが接触する部位において両者間に速度差があるとウェブで擦られることにより定着ベルトの外周面が傷つくおそれがあり、この場合には特に光沢感に優れた定着画像を得るうえで不利となる。
なお、従来において、定着ベルトを用いた定着装置ではないが、中間転写体(ベルト)のトナー像形成面に残留するトナーを除去する熱源内蔵の金属製クリーニングローラを設けるとともに、そのクリーニングローラの表面に接触してその表面をクリーニングする部材(ローラ、フェルト、ブレードなど)を設けた転写定着装置が提案されている(特許文献3)。また、光導電性ベルトに接触固定して回転する接触固定ローラにトナーを加熱する加熱手段を設け、その接触固定ローラのクリーニング領域で接触して回転し、トナー層に覆われているとともに多数の孔が形成されたクリーニングローラを設けた接触固定装置が提案されている(特許文献4)。
しかし、前者の提案に係る構成の場合には、その熱源内蔵の金属製クリーニングローラによるトナーの除去はできるものの、紙粉の除去は十分にできなかった。また、後者の提案に係る構成の場合には、クリーニングローラの表面を覆うトナー層の粘着力を利用して接触固定ローラに付着するトナーおよび紙屑を除去するものであるが、紙屑(紙粉)が多い場合にはクリーニングローラの表面(トナー層表面)がその紙屑で覆われてしまい、そのクリーニング性能が悪化することになる。しかも、そのクリーニング性能を維持しようとすれば、定期的なメンテナンスが必要となり好ましくない。
特開平7−5781号公報(段落0015、図3など) 特開平7−219366号公報(段落0015、図2など) 特開昭63−189878号公報(特許請求の範囲、第1図など) 特公平4−31394号公報(特許請求の範囲、第1図など)
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その主な目的とするところは、定着ベルトを磨耗させたりあるいは傷つけることなく、そのベルト外周面に付着するNVOトナーおよび紙粉を良好にかつ安定して除去することができる定着装置を提供することにある。
本発明の定着装置は、一定方向に回転する無端状の定着ベルトと、この定着ベルトを加熱する加熱手段と、この加熱手段で加熱された定着ベルトの外周面に定着対象のトナー像が担持された記録用紙を圧接させる加圧回転体とを備え、この加圧回転体による定着加圧部を通過した後も前記記録用紙を前記定着ベルトの外周面に密着させた状態で所定の距離だけ搬送してから剥離する定着装置において、前記定着ベルトの外周面に接触して回転する加熱ロールと、この加熱ロールの表面に接触して離型性オイルを塗布するオイル供給装置とを設けたことを特徴とするものである。
この定着装置によれば、オイル供給装置からの離型性オイルが加熱ロールを介して定着ベルトの外周面に供給される。これにより、定着時においてトナー像を担持する記録用紙が定着ベルトの外周面から剥離する動作が良好に行われるようになる一方で、オイル供給装置の直接的な接触による定着ベルト外周面の傷や磨耗の発生が防止されるようになる。
また、定着動作により定着ベルト外周面に付着するNVOトナーは、加熱された加熱ロールに次第に転移付着した後、その加熱ロールに接触するオイル供給装置により最終的に捕獲される。同じく定着動作により定着ベルト外周面に付着する紙粉は、トナーのような粘着性がないものの、加熱ロールに離型性オイルが付着しているため、そのオイルを介して加熱ロールに転移付着した後、その加熱ロールに接触するオイル供給装置により最終的に捕獲される。ちなみに、オイル供給装置による上記NVOトナーや紙粉の捕獲によりオイル供給効果が低減する場合には、その対策として、たとえば、オイルの含浸量を増やすかウェブの送り出し速度を速くする。
ここで、上記オイル供給装置は、離型性オイルを弾性層に含浸させたロール式のものを適用することも可能であるが、そのロール表面がトナーの付着等により汚れてオイル供給量が不安定になることが避ける観点からすると、離型性オイルを含浸させたウェブを送り出して巻き取るウェブ式オイル供給装置であることが好ましい。ウェブとは、布状シートであり、例えば不織布等にて構成される。ウェブ式オイル供給装置は、離型性オイルを含浸させたウェブを所定量ずつ繰り出することにより、その新しいウェブ面が可能な限り加熱ロールに接するように構成するとよい。これにより、オイルの安定した供給が可能になる。
また、上記加熱ロールは、オイル供給装置の設置のためだけに使用される専用の加熱ロールであってもよいが、上記定着ベルトを加熱するための加熱手段(加熱ロール)を兼ねたものであることが好ましい。この場合には、構成部品の簡素化や構成部品の設置スペースの簡略化が可能になる。
また、上記加熱ロールの表面温度は、トナーの軟化点よりも高い温度に加熱するとよい。この場合には、定着ベルト上のトナーを溶融させた状態で加熱ロールに効率よく転移付着させることができるうえに、加熱ロールに付着したトナーをオイル供給装置(特にウェブ式のもの)により確実に捕獲することができるようになる。しかも、加熱ロールに転移付着する紙粉についても、その溶融したトナーの粘着性を利用してオイル供給装置(特にウェブ式のもの)により確実に捕獲することができるようになる。
さらに、上記加熱ロールの表面に接してその表面の清掃を行う清掃手段を設けてもよい。この清掃手段は、加熱ロールのオイル供給装置よりも回転方向上流側に配置することが好ましい。また、この清掃部材としては、ウェブ方式、ロール方式、ブレード方式等が可能であるが、好ましくはウェブ方式である。このような清掃手段を設けた場合は、加熱ロールに転移付着するNVOトナーや紙粉が清掃手段によって捕獲されるようになり、オイル供給装置のNVOトナーや紙粉の捕獲によってそのオイル供給効果が低減することを回避することができる。
なお、上記加圧回転体は、対向して配置されるロール形態どうしのものが好ましいが、特にその形態のものに限定されない。この加圧回転体における定着加圧部は、定着対象のトナー像を担持する記録用紙に対して、少なくとも定着に必要な加圧を行うことができるものであればよい。記録用紙は、定着装置内を搬送してトナー画像の定着が可能なものであればよく、通常の用紙や塗工紙に限らず、OHPシート、ハガキ、封筒等のような部材を含むものである。また、トナー画像を構成するトナーは、着色剤等を含有させたバイダー樹脂からなる微粉体であり、一般に一成分または二成分現像剤として使用されるものである。
このような本発明の定着装置によれば、定着ベルトを磨耗させたりあるいは傷つけることなく、そのベルト外周面に付着するNVOトナーおよび紙粉を良好にかつ安定して除去することができる。この結果、定着ベルトの表面性が保たれて高光沢の定着画像を長期にわたって安定して得ることができる。また、定着ベルト専用のクリーニング装置を設置しないでも済むため、その分、定着装置の低コスト化や小型化が可能になり有利である。
以下、実施例を挙げて本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る定着装置の要部を示す概略構成図である。この定着装置は、プリンタ、複写機等の画像形成装置における定着手段として使用される。図中の実線矢印は主な回転部品の回転方向を示す。
定着装置は、矢印方向に回転する無端状の定着ベルト10と、この定着ベルトを加熱する加熱ロール20、21と、この加熱ロール20、21により加熱された定着ベルト10を挟むような状態で対向して圧接配置される一対の加圧ロール30、31と、この一対の加圧ロールのうち定着ベルト10の外周面側に配置される第2加圧ロール31にも支持されつつ定着ベルト10と所定の距離だけ当接して同じ方向に移動するように回転する加圧ベルト35と、加圧ロール30、31を通過した後の定着ベルト10の内周面側に接触するように配置されて定着ベルト等を冷却する冷却装置としての熱循環器40等を具備するものである。図中の符号Pは記録用紙、Tはその記録用紙に担持されるトナー像である。また、矢付一点鎖線は記録用紙Pの搬送経路を示す。
定着ベルト10は、カーボングラックを含有させたポリイミド等からなる厚さ50μm程度のベルト基材上に、厚さ60μm程度のシリコーン共重合体等からなる弾性層と、さらにフッ素ゴム等からなる表面離型層をこの順に積層形成した3層構造のものである。この定着ベルト10は、第1加熱ロール20、第2加熱ロール21、第1加圧ロール30、複数のベルト支持ロール15〜18等に張架されており、駆動ロールとして兼用されている第1加熱ロール20によって矢印A方向に回転するようになっている。
ベルト支持ロール17は、定着ベルト10を急激に曲がった状態で移動走行させるように支持し、これにより定着ベルト10に密着して搬送される記録用紙Pをそれ自身のこしの強さにより自力で剥離させる役割を果たす剥離用ロールとして機能する。第2加熱ロール21は、その回転軸の一端側が変位して定着ベルト20の蛇行走行を矯正するステアリングロールとして機能するようにもなっている。
第1加熱ロール20は、円筒状の金属(アルミニウム等)製ロールの内部にハロゲンランプ等の加熱源22を配置した構造からなるものであり、定着ベルト10をその内周面側から加熱する。また、第2加熱ロール21は、円筒状の金属製ロールの内部にハロゲンランプ等の加熱源23を配置した構造からなるものであり、定着ベルト10をその外周面側から加熱する。
加圧ベルト35は、ポリイミド等のベルト基材上にシリコーンゴム等からなる弾性層と、さらにシリコーン樹脂等からなる表面離型層をこの順に積層形成した3層構造のものである。また、この加圧ベルト35は、第2加圧ロール31、ステアリングロール36、複数のベルト支持ロール37〜39に張架されており、第1加圧ロール30と第2加圧ロール31の間に挟まれて第1加熱ロール30の回転動力が伝達されることによって矢印B方向に従動回転するようになっている。この加圧ベルト35は、第2加圧ロール31とベルト支持ロール39の所定の区間で定着ベルト10の外周面と接して同じ方向に回転移動する。
加圧ロール30、31はいずれも円筒形の金属(アルミニウム等)製ロール基体にシリコーンゴム等からなる厚さ6mm程度の耐熱弾性層を形成した構造のものであり、図示しない加圧機構により所定の加圧力(例えばニップ圧力が3.5×105Pa程度になる圧力)でもって圧接し、そのニップ幅が20mm程度となるように設置されている。また、この加圧ロール30、31では、その内部空間にハロゲンランプ等の加熱源を配し、このロールを定着動作時の温度まで上昇させるいわゆるウォームアップ時のみの加熱を行う(定着動作時には加熱しない)ようにしている。ステアリングロール36は、その回転軸の一端側が所定の方向に所定量だけ変位することにより加圧ベルト35の蛇行走行を矯正するようになっている。
熱循環器40は、第1加圧ロール30とベルト支持ロール17との間で定着ベルト10の内周面に接する第1金属板41と、ベルト支持ロール18と第1加熱ロール20の間で定着ベルト10の内周面と接する第2金属板42と、その第1金属板41と第2金属板42に結合されて第1金属板41の熱を第2金属板42に移動させて循環させる熱輸送体43とで構成されている。
金属板41、42はいずれもアルミニウム等の金属にて形成される板状のものであり、そのベルト接触面が少なくとも外側に突出しかつベルト走行方向に方向に緩やかに湾曲した湾曲面に形成されている。熱輸送体43としては、管のなかに液体を減圧して封入し、熱抵抗が非常に小さく、小さな温度差でも多くの熱を低温側に高速で輸送できる複数本のヒートパイプを使用している。そのヒートパイプは、各金属板41、42の内面側にそれぞれ触れて通過しながら各板間を循環するようなほど四角形の環状形状に組んで使用している。
この熱循環器40は、第1金属板41が加熱された状態にある定着ベルト10から熱を奪うと、その熱が熱輸送体43としてのヒートパイプの熱伝導作用により、第1金属板41に比べて低温状態にある第2金属板42側に伝えられる。これにより、第1金属板41が接する定着ベルト部分を吸熱して所定の温度まで冷却する一方、第2金属板42が接する定着ベルト部分を所定の温度になるまで加熱する仕組みになっている。また、この熱循環器40は、この上記熱循環の効果が高める観点から、例えば定着ベルト10のベルト支持ロール17、18の間となる内周面に冷却装置(例えばヒートシンク等の放熱部材など)を設置し、第1金属板41と第2金属板42との間の温度勾配を大きくするとよい。
そして、この定着装置1においては、図1や図2に示すように、第2加熱ロール21の周囲にウェブ式のオイル供給装置50を設置している。
オイル供給装置50は、離型性オイルを含浸させたウェブ51を送出ロール52により所定の低速度で送り出し、その送り出されるウェブ51をスポンジロール等の押圧ロール53により第2加熱ロール21の表面に圧接させた後に、巻取ロール54によって巻き取るようになっている。これにより、ウェブ51に含まれる離型性オイルが加熱ロール21に塗布された後に、定着ベルト10の外周面に供給される。このオイル供給量は、ウェブ51の送り速度や、オイルの含浸量などを変更することで適切な量に調整することが可能である。
ウェブ51としては、定着ベルト10の幅とほぼ同じ幅を有する不織布からなる布状シートを使用している。ウェブ51の送り速度は1〜4mm/min程度に設定される。また、離型性オイルとしては、ジメイチルシリコーンオイル等を使用し、これをウェブ51に25g/m2の量だけ含浸させている。
また、この定着装置1では、図1や図2に示すように、第2加熱ロール21のオイル供給装置50よりも回転方向上流側にウェブ式のクリーニング装置60を設置している。
クリーニング装置60は、クリーニング用のウェブ61を送出ロール62により所定の速度で送り出し、その送り出されたウェブ61を押圧ロール63により第2加熱ロール21の表面に圧接させた後に、巻取ロール64によって巻き取るようになっている。これにより、第2加熱ロール21の表面に付着するトナー等がウェブ61に捕獲されて除去される。
このような定着装置1では、画像形成装置の作像部側においてトナー画像Tが転写された記録用紙Pに対して以下のごとき定着が行われる。
すなわち、まずトナー像Tが転写された記録用紙Pが、図示しない用紙搬送ベルト、搬送ガイド等を通してそのトナー像担持面を定着ベルト10に当接させる姿勢で、定着ベルト10と加圧ベルト35とが加圧ロール30、31に挟まれた状態で互いに重なり合って走行し始める間となる定着ニップ部Nに導入される。
この際、定着装置1における定着ベルト10は、主に第1加熱ロール20および第2加熱ロール21を通過する際にその内周面側および外周面側から順次加熱されて回転移動する。このときの定着条件は、例えば、第1加熱ロール20が180℃に、第2加熱ロール21が185℃に、第1加圧ロール30が145℃に、第2加圧ロール31が90℃にそれぞれ加熱される。また、定着ベルト10は、355mm/secの速度で回転させるとともに、冷却装置40によって剥離用のベルト支持ロール17が70℃になるような温度まで冷却させる。
そして、定着ニップ部Nに導入された前記トナー像Tを担持する記録用紙Pは、その加熱された定着ベルト10により加熱されると同時に加圧ロール30、31により加圧される。
続いて、記録用紙Pは、定着ベルト10と加圧ベルト35とに挟持されて定着ベルト10に密着した状態で搬送されるとともに、熱循環器40の熱循環により熱が奪われる第1金属板41を通過する際にトナー画像と一緒に所定の温度以下に冷却される。この冷却によりトナー像が固化される。熱循環器40の第1金属板41を通過した記録用紙Pは、ベルト支持ロール17のある剥離部において紙自身の腰の強さにより自力で定着ベルト10から、トナー像とともに剥離される。この剥離された記録用紙Pは装置外に排出される。
これによりトナー画像が記録用紙に定着される。このときの定着画像は、特に定着ベルト10の平滑な表面にならい平滑化された光沢感に富む画像として得られる。
また、このような定着においては、オイル供給装置50により、第2加熱ロール21を介して定着ベルト10の外周面に離型性オイルが供給される。これにより、定着ベルト10は、その外周面へのトナーや紙粉の付着が起こりにくい状態におかれる。
しかし、定着ベルト10の外周面には定着動作によりトナー像Tを担持する記録用紙Pが頻繁に接触することにより、その外周面に前記NVOトナーや紙粉などが次第に付着する。この場合であっても、そのNVOトナーや紙粉は、離型性オイルが付着する第2加熱ロール21に捕獲されて転移付着した後、それがクリーニング装置60の所定量ずつ繰り出されるウェブ61により捕獲されて除去されるとともに、さらにオイル供給装置50の所定量ずつ繰り出されるウェブ51によっても捕獲されて除去される。
特にこの定着装置1においては、第2加熱ロール21をトナーの軟化点(例ええば110℃)よりも高い温度(例えば前記185℃)に加熱している。このため、定着ベルト10の外周面に付着するNVOトナーは、高温に加熱された加熱ロール21に分断されながら転移付着しやすくなり、その加熱ロール21に数回接触することによりすべて転移付着する。そのようにして加熱ロール21に転移付着したトナーは、前述したようにクリーニング装置60およびオイル供給装置50によって除去される。
また、定着ベルト10の外周面に付着する紙粉は、トナーのような粘着性がないものの、加熱ロール21に離型性オイルが付着しているため、そのオイルを介して加熱ロール21に転移付着した後、前述したようにクリーニング装置60およびオイル供給装置50によって除去される。
このように定着ベルト10の外周面に付着するNVOトナーや紙粉は、最終的に、第2加熱ロール21を介してクリーニング装置60およびオイル供給装置50によって除去される。また、クリーニング装置60およびオイル供給装置50の各ウェブ61、51は、定着ベルト10に直接触れたり、速度差をもって触れることがないため、ウェブの接触により定着ベルト10に傷や磨耗が発生することもない。また、その各ウェブ61、51は、所定量ずつ送り出されて新しい面が第2加熱ロールと接触するため、上記NVOトナーや紙粉の捕獲除去が安定して行われる。特にオイル供給装置50においては、オイルの安定した供給も可能になる。
上記したようなクリーニング効果を確認するため、上記第2加熱ロール21の加熱温度とオイル供給装置50のウェブ51によるトナーの除去効果との関係を以下のようにして調べた。
試験は、図3に示すように、第2加熱ロール21に試験用のパッチ像(シアン色の面積率20%のトナー像)T0を厚さ2.5〜3.0μmの厚さに形成するとともに、所定の温度に加熱して所定の速度(例えば周速355mm/sec)で回転させる。そして、このパッチ像を形成した加熱ロール21に離型性オイルを含浸させたウェブ51をアルミニウム板70によりベース材71(10mm厚の発泡シリコーンゴム)を介して所定の圧力F(例えば5.2×102Pa)で押し付けて、そのパッチ像をウェブ51に1回通過させて接触させる。その後、パッチ像の厚さの減少量について顕微鏡で観察しながら測定した。このときの結果を図4に示す。
図4に示す結果から明らかなように、加熱ロールの温度をトナーの軟化点(110℃)よりも高い温度に設定すると、クリーニング効果が高くなる傾向にあることがわかる。
なお、実施例1では、オイル供給装置50を第2加熱ロール21の周囲に設置したが、第2加熱ロール21がない定着装置の場合には、定着ベルト10の外周面に接する専用の加熱ロールを別途配置し、その加熱ロールの周囲にオイル供給装置50を(そのウェブ51が当接するように)設置するように構成することも可能である。
また、実施例1では、クリーニング装置60を省略することが可能である。この場合には、オイル供給装置50による上記NVOトナーや紙粉の捕獲によりオイル供給効果が低減するおそれがあるため、その対策として、たとえば、オイルの含浸量を増やすかウェブの送り出し速度を速くすることが望ましい。
さらに、実施例1に係る定着装置1においては、加圧ベルト35を設けることを省略してもよい。この場合は、その加圧ベルト35を張架して回転させるための各ロール36〜39も不要となる。また、定着ベルト10を加熱する手段としては、加熱ロール20、21に代えて、加熱板等の他の加熱手段を適用してもよい。
実施例1に係る定着装置の要部を示す概略構成図。 加熱ロールとオイル供給装置などの構成を示す要部拡大図。 クリーニング効果を調べる試験の内容を示す概略説明図。 加熱ロールの温度とクリーニング効果との関係を示すグラフ。
符号の説明
1…定着装置、10…定着ベルト、20,21…加熱ロール(加熱手段)、30、31…加圧ロール(加圧回転体)、50…オイル供給装置、51…離型性オイルを含浸させたウェブ、60…クリーニング装置(清掃手段)、T…トナー像、P…記録用紙、N…定着ニップ部(定着加圧部)。

Claims (5)

  1. 一定方向に回転する無端状の定着ベルトと、この定着ベルトを加熱する加熱手段と、この加熱手段で加熱された定着ベルトの外周面に定着対象のトナー像が担持された記録用紙を圧接させる加圧回転体とを備え、この加圧回転体による定着加圧部を通過した後も前記記録用紙を前記定着ベルトの外周面に密着させた状態で所定の距離だけ搬送してから剥離する定着装置において、
    前記定着ベルトの外周面に接触して回転する加熱ロールと、この加熱ロールの表面に接触して離型性オイルを塗布するオイル供給装置とを設けたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記オイル供給装置が、離型性オイルを含浸させたウェブを送り出して巻き取るウェブ式オイル供給装置である請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記加熱ロールが前記加熱手段を兼ねている請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記加熱ロールの表面温度をトナーの軟化点よりも高い温度に加熱する請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記加熱ロールの表面に接してその表面の清掃を行う清掃手段を設けた請求項1に記載の定着装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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