JP2005030792A - 測温用ウエハー - Google Patents

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志郎 鏡原
Hisayoshi Shigematsu
久義 重松
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Abstract

【課題】簡単な構成で上記保持部の接合性を向上させるとともに、同時に熱電対の接合性を担保し正確な温度検出を可能とする測温用ウエハーを提供する。
【解決手段】測温用ウエハー本体1上に複数本の熱電対2を結束する結束部3が設けられる。この結束部3は、熱電対2を保持する保持部30と、この保持部30とウエハー本体1との間に介在しウエハー本体1の表面と面接着される基台31とを備える。この基台31におけるウエハー本体1との接着面に多数の突出部35が設けられる。これらの突出部35に対向するウエハー本体1の位置に突出部35が収納される凹部11が設けられる。この凹部11内に充填された固着剤16に突出部35が埋設された状態で固着剤16によって基台31がウエハー本体1に固着される
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板等として用いられるシリコン板、石英板、セラミック板等のウエハーを加熱処理する場合に、この加熱温度の管理のために用いられる上記ウエハーと同形、同質の測温用の疑似ウエハーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体基板として用いられるシリコンウエハーに加熱処理が施される場合、すなわちエッチング処理や被膜処理等において加熱処理が施される場合には、被加熱対象物たるシリコンウエハーの厳密な温度管理が求められる。このようなシリコンウエハーの温度を管理する場合に、製品となるシリコンウエハー(真正ウエハー)の加熱に先立って、該シリコンウエハーと同形状、同材質のウエハーに熱電対を接合した、いわゆる測温用のダミーウエハー(疑似ウエハー)が用いられることがある(例えば特許文献1)。
【0003】
この特許文献1に開示のダミーウエハーは、真正ウエハーと同形同質の疑似ウエハー本体と、該疑似ウエハーの表面に点在する多数の凹部と、この凹部に対応する熱電対とからなり、熱電対の温度検出部を凹部の底部に接触せしめた状態で、上記凹部に充填した固着剤中に温度検出部が埋設される一方、上記熱電対がコネクタに導かれ、このコネクタにおいて熱電対を束ねるものとなされている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−051776号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなダミーウエハーは自動的に或いは手動で加熱処理装置内にセットされるが、このセットの際に熱電対の束が左右に揺動等し、この揺動等に伴って温度検出部を埋設していた固着剤に熱電対を通して外力が作用し、この固着剤がひび割れる等損傷し、ひいては固着剤が欠落することがあった。このように温度検出部を固定する固着剤が欠落すると、温度検出部が露出してウエハーと離間することがあり、このため正確に温度を検出することができなくなることがあった。
【0006】
ここで、上記不都合を解消するため、複数本の熱電対を結束するとともに、この結束部分を保持部で保持して、該保持部をウエハー上に固着することにより、熱電対の揺動等に伴って作用する外力を保持部で受け止め、これにより上記外力が直接凹部内の固着剤に作用せず、固着剤の欠落を防止することも考えられる。
【0007】
しかしながら、上記保持部で結束した状態の熱電対を保持するものとした場合、各熱電対に作用する外力がこの保持部に集中することからウエハーへの保持部の接合性が問題となる。
【0008】
本発明は、上記従来の技術に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で上記保持部の接合性を向上させるとともに、同時に熱電対の接合性を担保し正確な温度検出を可能とする測温用ウエハーを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明に係る測温用ウエハーは、複数本の熱電対がその温度検出部をウエハー本体に接触させた状態で接合された測温用ウエハーにおいて、このウエハー本体上に上記複数本の熱電対を結束する結束部が設けられ、この結束部は、上記熱電対を保持する保持部と、この保持部を担持した状態で該保持部とウエハー本体との間に介在しウエハー本体の表面と面接着される基台とを備え、この基台におけるウエハー本体との接着面に多数の突出部が設けられる一方、これらの突出部に対向するウエハー本体の位置に該突出部が収納される凹部が設けられ、この凹部内に充填された固着剤に上記突出部が埋設された状態で該固着剤によって上記基台がウエハー本体に固着されることを特徴とするものである。
【0010】
この発明によれば、複数本の熱電対を結束する結束部が設けられ、この結束部がウエハー本体と面接着する基台を介してウエハー本体に固着されるので、熱電対に作用する外力がこの結束部で受け止められて熱電対の接合部分に直接作用せず、熱電対の接合性を担保してその温度検出部の位置決めを確実なものとし、これにより正確な温度検出を維持することができる。
【0011】
一方、熱電対を結束部で結束しこの結束部をウエハー本体に接合した場合には、複数本の熱電対のそれぞれに作用する外力がこの結束部に集中することから、結束部のウエハー本体からの脱落が懸念されるが、この点、この発明によれば、基台におけるウエハー本体との接着面に多数の突出部が設けられ、この突出部がウエハーの凹部内に収納された状態で固着剤内に埋設されるので、簡単な構成で固着面積を増大させて接合性を向上させることができる。しかも、基台がウエハー本体に固着され、この基台に突出部が設けられるので、基台を大きく設定することにより接合性を自由に向上させることができる。
【0012】
この発明において、上記突出部の形状を特に限定するものではないが、上記突出部が曲折した形状を有するのが好ましい(請求項2)。このように構成すれば、投錨効果により基台とウエハー本体の接合性がより一層向上する。
【0013】
この発明において、上記基台は上記凹部を被覆した状態で固着されるのが好ましい(請求項3)。このように構成すれば、基台が凹部を被覆しているので、該凹部内に充填された固着剤も基台に被覆され、この固着剤から生じることがある粉塵の飛散を効果的に防止することができる。
【0014】
また、この発明において、上記熱電対の接合構造を特に限定するものではなく、例えばウエハー本体に設けられた接合孔に熱電対の温度検出部を差し込み、この温度検出部をウエハー本体に接触させた状態で熱電対を接合するものであってもよいが、ウエハー本体の表面に、開口縁に向かって先すぼまり状に形成された複数個の熱電対用収納凹部が設けられる一方、上記熱電対の先端部が巻バネ状に形成され、この熱電対の先端部が、径方向に拡がった状態で、固着剤が充填された熱電対用収納凹部内に埋設されるように構成してもよい(請求項4)。このように構成すれば、熱電対の先端部が径方向外方に拡がって熱電対用収納凹部の内周壁に付勢され、この熱電対用収納凹部の内周壁が下方に向かうに伴い外方に傾斜するテーパー面として構成されるので、熱電対の先端部が熱電対用収納凹部の底部に押し付けられ、熱電対において、結束部により保持された部分と温度検出部との間に外力が作用して熱電対を固着するための固着剤が欠落した場合にでも、温度検出部がウエハー本体から離間することが有効に防止される。従って、上記のような場合にでもウエハーの正確な温度検出が可能である。
【0015】
ところで、熱電対を結束部により結束させる場合には、熱電対の基端側に作用する外力が熱電対の温度検出部側に伝搬されないように結束部で熱電対を保持する必要があり、この保持構造について、保持部が内部に上記熱電対が挿通される筒状体として形成され、この筒状体の内部に熱電対を固着するための固着材が充填されるのが好ましい(請求項5)。このように構成すれば、熱電対の周囲に隙間なく固着剤が充填されて該熱電対が保持されるので、外力の伝搬を確実に防止することができる。しかも、この固着剤は筒状体の内部に充填されているので、保形性に優れ、熱電対の揺動等に伴ってその形が崩れるような事態も回避することができる。
【0016】
この場合に、上記保持部は筒状体の途中に上記固着剤を充填するための切欠き部が設けられるのが好ましい(請求項6)。このように構成すれば、該切欠き部を介して固着剤を充填することができ、製造効率が向上する。
【0017】
ところで、上記のように筒状体としての保持部に熱電対を挿通させ、この状態で固着剤が充填されているような場合に、断線等の理由により熱電対を取り替える際に、新たに取り付ける熱電対をどのように結束部に保持させるかが問題となる。このような場合には、保持部に予め予備の筒状体を設け、上記取り替えによる新たな熱電対を該予備の筒状体に保持させるのが作業効率上好ましい(請求項7)。すなわち、この発明において、保持部が複数個の筒状体から構成されるとともに、これらの筒状体の一部が、上記熱電対が挿通されていない状態で残存させるのが好ましい。
【0018】
また、この発明に係る別の測温用ウエハーは、ウエハー本体の温度を測定するための複数個の測温体がウエハー本体に取り付けられるとともに、これらの測温体に外部リード線が接続されている測温用ウエハーにおいて、このウエハー本体上に上記複数本の外部リード線を結束する結束部が設けられ、この結束部は、上記外部リード線を保持する保持部と、この保持部を担持した状態で該保持部とウエハー本体との間に介在しウエハー本体の表面と面接着される基台とを備え、この基台におけるウエハー本体との接着面に多数の突出部が設けられる一方、これらの突出部に対向するウエハー本体の位置に該突出部が収納される凹部が設けられ、この凹部内に充填された固着剤に上記突出部が埋設された状態で該固着剤によって上記基台がウエハー本体に固着されることを特徴とするものである。
【0019】
このような発明によれば、結束部により外部リード線に作用する外力がこの結束部で受け止められて、外部リード線が接合された測温体のウエハー本体との接合部分に上記外力が直接作用せず、従って測温体の接合性を担保してその温度検出部の位置決めを確実なものとし、これにより正確な温度検出を維持することができる。
【0020】
一方、上記熱電対における場合と同様に、複数本の外部リード線のそれぞれに作用する外力がこの結束部に集中することから、結束部のウエハー本体からの脱落が懸念されるが、この点、この発明によれば、基台におけるウエハー本体との接着面に多数の突出部が設けられ、この突出部がウエハーの凹部内に収納された状態で固着剤内に埋設されるので、簡単な構成で固着面積を増大させて接合性を向上させることができる。しかも、基台がウエハー本体に固着され、この基台に突出部が設けられるので、基台を大きく設定することにより接合性を自由に向上させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
この発明に係る測温用ウエハーを図面に示された一実施形態に基づいて説明する。
【0022】
なお、以下の実施形態で示すウエハーは、半導体基板として用いられるシリコンウエハーを真正ウエハーとする疑似ウエハーについて説明するが、真正ウエハーは、シリコンウエハーに限定されるものではなく、セラミックや石英等からなるウエハー(板状体)であってもよい。
【0023】
図1は、本発明の第1実施形態に係る測温用ウエハーを示す平面図である。この測温用ウエハーは、円板状のウエハー本体1と、このウエハー本体1に取り付けられた複数本のシース型熱電対2と、この複数本の熱電対2を結束してこの結束部分を上記ウエハー本体1に取り付ける結束部3とを備える。
【0024】
ウエハー本体1は、真正ウエハーと同一の材質及び形状に形成される。本実施形態では、単結晶シリコンインゴットが適宜厚さで切り出されたものであり、その表面には、上記熱電対2の先端部が収納される複数個の熱電対用収納凹部10が散点的に穿設されているとともに、上記結束部3を固定するための凹部11(図4及び図5参照)が1箇所に穿設されている。
【0025】
具体的には、熱電対用収納凹部10は、ウエハー本体1の中心部に設けられるとともに、ウエハー本体1と中心を同じくし、径の異なる二つの同心円上に周方向にそれぞれ八つずつ均等に配置される。そして、径の異なる二つの同心円上に設けられた熱電対用収納凹部10及び中心部に設けられた熱電対用収納凹部10が同一直線上に配置されるように設定されている。このように、熱電対用収納凹部10がウエハー本体1上に均一に分散されて(散点的に)設けられているので、ウエハー本体1の温度分布を比較的高精度で計測することができる。なお、この熱電対用収納凹部10の配置態様は、特に限定するものではないが、ウエハー本体1全体の温度分布を計測するためには散点的に設けられるのが好ましい。
【0026】
そして、この熱電対用収納凹部10にシース型の熱電対2の先端部が収納され、この状態で熱電対用収納凹部10に固着剤4が充填されて熱電対2がウエハー本体1に接合されている。
【0027】
図2及び図3は、ウエハー本体に対する熱電対の接合状態を示す断面図及び平面図である。
【0028】
図2に示すように、上記熱電対用収納凹部10は、座ぐり加工により上面が小径の円錐台状に内部空間が形成され、開口縁に向かって先すぼまり状に形成されている。従って、この熱電対用収納凹部10の周壁が開口縁に向かって内側に傾斜するテーパー状に形成され、上記固着剤4が硬化した後に脱落し難いものとなされている。
【0029】
熱電対2は、異種材質からなる一対の素線(図示せず)と、これらの素線を被覆する金属製の外皮部20と、上記素線と外皮部20との間に充填された熱伝導性に優れた電気絶縁層(図示せず)と、上記一対の素線の接点を含む温度検出部21とを備え、先端から所定の長さ部分において巻バネ状に曲成されている。
【0030】
すなわち、熱電対2の先端部は、平面視においてe字状に形成され、先端部に温度検出部21が設けられた直線部2aと、この直線部2aの基端から延設され熱電対用収納凹部10の底部周縁に沿って曲成された曲成部2bとを備え、この先端部、特に曲成部2bが弾性変形し得るように構成されている。すなわち、この熱電対2の先端部は、図3において直線部2aを時計方向に捻ることにより曲成部2bの外縁が弾性的に縮径し得るように構成され、このように縮径させた状態で熱電対用収納凹部10の上端開口部を挿通し得るように設定されている。このように曲成部2bを弾性的に縮径させた状態で、熱電対2の先端部を熱電対用収納凹部10の上端開口部を挿通させた後、直線部2aを開放することにより、曲成部2bが弾性回復して拡径し、熱電対収納用凹部10の傾斜周側面に案内されて直線部2a及び曲成部2bが該凹部10の底面に当接した状態で収納されるものとなされている。この熱電対2の先端部が熱電対用収納凹部10に当接した状態では、温度検出部21がウエハー本体1に接触した状態で配設される。
【0031】
そして、熱電対2の先端部を熱電対用収納凹部10に収納させた状態でこの熱電対用収納凹部10に固着剤4が充填され、熱電対2がウエハー本体1に接合される。この固着剤4は、耐熱性を有し、熱膨張率が低いものが好ましく、例えばアルミナ及びシリカを主成分とするアルミナセラミック等の無機材料からなる耐熱セメントが採用される。また、充填された固着剤4は、その表面が熱電対用収納凹部10にウエハー本体1の表面と実質的に面一に形成されている。
【0032】
ウエハー本体1に接合された複数本の熱電対2は、ウエハー本体1における所定部分に集合させて、この所定部分において結束部3で結束されている。
【0033】
図4は、結束部を示す平面図であり、図5は図4のV−V線断面図である。図6は、図5を拡大して示す要部断面図であり、図7は図4のVII−VII線断面図である。
【0034】
上記熱電対2が集合したウエハー本体1における所定部分(ウエハー本体1の周縁部)には、平面視略矩形状の凹部11が形成されている。この凹部11は、上端から下端に亘って開口面積が同一の寸胴型に形成される一方、その内面がサンドブラスト等の処理により粗面化され、後述する固着剤16の接着性を向上するものとなされている。また、凹部11の深さは、ウエハー本体1の厚み及び結束部3の後述する突出部35長さに応じて適宜設定されるが、本実施形態ではウエハー本体1の厚みの略半分に設定されている。
【0035】
そして、この凹部11には、結束部3をウエハー本体1に対して接着するための固着剤16が略満杯となる程度に充填されている。この固着剤16内に後述する突出部35が埋設され、かつ凹部11の開口部を被覆した状態で結束部3が取り付けられる。この固着剤16は、上記各固着剤4,33と同様であるので、ここではその説明を省略する。なお、各固着剤4,16,33は、同一の測温用ウエハーにおいて、同一のものを用いる必要はないが、これらについて同一のものを用いた場合には材料の共通化により製造コストを低減することができる。
【0036】
結束部3は、上記熱電対2を所定単位数毎に保持する複数個の保持部30と、この複数個の保持部30とウエハー本体1との間に介在しウエハー本体1の表面と面接着する基台31とを備え、ウエハー本体1と熱電対2の先端部分との接合部分に作用する引張力を軽減し、熱電対2の不測の抜脱を防止するために設けられている。
【0037】
具体的には、保持部30は、円筒状体として構成されるとともに、その長手方向中間部に所定形状(本実施形態では略長円形状)の切欠き部37が形成され、この切欠き部37を通して円筒状体の内部に固着剤33が充填されるように構成される。すなわち、この保持部30には、複数本の上記熱電対2が上記円筒状体に挿通されるとともに、この状態で固着剤33が切欠き部37を通して充填され、この固着剤33が硬化することにより挿通されている熱電対2が拘束状態に保持される。本実施形態では、保持部30に挿通される熱電対2の上限が4本に設定されている。
【0038】
この保持部30の製作方法は、特に限定するものではないが、本実施形態では、チューブ部材を所定長さに切断し、その中間部を所定長さにわたって切り欠いて形成される。
【0039】
なお、この保持部30の構造は特に限定されるものではなく、例えば保持部30をアーチ状に形成し、その弦側端面が基台31の上面に接合され、基台31と協働して熱電対2を保持するものであってもよい。
【0040】
上記切欠き部37の円筒状体に対する形成位置は、特に限定するものではないが、固着剤33を長手方向に均等に充填する観点から円筒状体の中間部に設けるのが好ましい。また、この切欠き部37の大きさは、使用される固着剤33の粘性等を考慮して適宜決定されるが、粘性が高い固着剤33を用いる場合には比較的大きく形成されるのが好ましい。
【0041】
また、保持部30に充填される固着剤33は、上記熱電対2の取付のために使用した固着剤4と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0042】
この保持部30には、予備の保持部30aが設けられ、この予備の保持部30aには熱電対2が挿通されず、しかも固着剤が充填されていない状態で残されている。すなわち、測温用ウエハーにおいて、熱電対2の素線が不測に断線等した場合にこの外皮部20を含めた熱電対2の交換が必要となるが、断線等した熱電対2を交換するためには、この熱電対2を保持部30から開放することが必要となり、固着剤33を崩して断線等した熱電対2を引き抜くのは手間暇がかかり、作業効率が悪い。従って、本実施形態では、予備の保持部30aを設け、断線した熱電対2を結束部3の周辺で切り離す一方、新たな熱電対を予備の保持部30aに挿通させ、この予備の保持部30aにおける切欠き部37を通じて固着剤を充填し、測温用ウエハーを簡易に補修し得るものとなされている。
【0043】
この予備の保持部30aを含めた保持部30は、板状の基台31上に並設され、溶接により固定されている。すなわち、基台31が複数個の保持部30を担持するように構成されている。この基台31は、平面視略矩形状に形成された板状体であり、その厚さが比較的薄く形成されている。基台31は、上記凹部11の上端開口部よりも大きく形成され、その周縁部の下面が上記ウエハー本体1の表面に接着される接着面として形成されている。
【0044】
また、この基台31の接着面には、下方(ウエハー本体1側)に突出する多数の突出部35が髭状に設けられている。この突出部35は、後述する固着剤16との接触面積を増大させ、基台31の接合強度を向上させるものであり、基台31における上記凹部11に対向する領域に配設されており、本実施形態では各保持部30の下側に該保持部30の軸線方向に沿って複数個列設されている。
【0045】
この突出部35は、ステンレス鋼性の細線部材からなり、基端部が基台31に溶接等により接合されている一方、先端部が鈎状に屈曲形成されている。この突出部35の先端部における屈曲方向は、特に限定するものではないが、図5及び図6に示すように、左右交互となっている。
【0046】
なお、突出部35の基台31における配置態様は、特に限定するものではなく、上記のように一定の規則に従って配列されているものであってもよいし、或いは散点的に設けられるものであってもよい。ただし、突出部35が基台31の接合強度を向上させるものである以上、基台31における接着面に均等に分散させた状態で設け、基台31に垂直方向に剥離力が作用する場合に、全突出部35に略均等に剥離力が作用するように構成するのが好ましい。
【0047】
次にこの測温用ウエハーの作成手順について簡単に説明する。
【0048】
まず、ウエハー本体1の凹部11にアルミナセラミック等の固着剤16を該凹部11から若干盛り上がる程度に充填し、この固着剤16内に突出部35を埋設しつつ基台31によって凹部11の上端開口部を被覆する態様で結束部3をウエハー本体1に取り付ける。このとき、基台31により固着剤16が凹部11から押し出され、ウエハー本体1と基台31の周縁部との間にも固着剤16がはみ出し、両者を強固に接合することができる。
【0049】
そして、乾燥固定された結束部3の保持部30にシース型熱電対2を4本ずつ(一の保持部30には1本)挿入し、切欠き部37を通して固着剤33を保持部30内に充填し、乾燥硬化させる。
【0050】
次に、各熱電対2の温度検出部21を熱電対用収納凹部10に収納して、該温度検出部21をウエハー本体1に接触させた状態で固着剤4により熱電対2をウエハー本体1に接合固定し、測温用ウエハーを製作する。
【0051】
この測温用ウエハーによれば、各熱電対2が結束部3で結束され、該結束部3がウエハー本体1に固着されるので、結束部3を基準にウエハー本体1と反対側で熱電対2に外力が作用しても、この外力が結束部3で受け止められ、熱電対2の接合部分に直接作用せず、従って該熱電対2を接合する固着剤4がひび割れて欠落する等の事態も回避することができるとともに、温度検出部21をウエハー本体1に確実に接触させた状態を担保することができ、これにより正確な温度検出を維持することができる。
【0052】
また、結束部3はその基台31を介してウエハー本体1に固着され、この基台31が凹部11に充填された固着剤16でウエハー本体1に固着されるとともに、凹部11からはみ出した固着剤16により基台31の周縁部がウエハー本体1の表面と接着され、これにより基台31の前面において強固に面接着される。しかも、基台31の接着面に設けられた突出部35が固着剤16内に埋設されて接着面積が増大されているので、接合強度が向上し、この突出部35のアンカー効果(投錨効果)によりさらに接合強度が向上する。また、結束部3がその基台31を介してウエハー本体1に取り付けられるので、基台31の大きさを調整することにより結束部3のウエハー本体1に対する接合強度を調整することができる。
【0053】
このようにこの測温用ウエハーにおいては、各熱電対2に作用する外力を受け止める結束部3がウエハー本体1に強固に固着される。
【0054】
さらに、基台31が凹部11を被覆する状態でウエハー本体1に固着されているので、例えば結束部3に作用する外力により一部の固着剤16が解れても該固着剤16が欠落して加熱装置内部に脱落することもない。
【0055】
また、凹部11は開口面積が同一の寸胴型に形成されているので、結束部3に限度以上の外力が作用した場合には固着剤16ごと脱落して、ウエハー本体1を損傷することがなく、補修作業を容易に行うことができる。
【0056】
なお、以上に本実施形態に係る測温用ウエハーについて説明したが、この発明に係る測温用ウエハーは、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、以下のような変更が可能である。
【0057】
▲1▼上記実施形態では、結束部3の基台31は平面視略矩形状のものを用いたが、この基台31の形状は特に限定するものではなく、例えば円形状であってもよい。
【0058】
▲2▼上記実施形態では、ウエハー本体1に設けられた凹部11が上端から下端に亘って同一の開口面積を有する寸胴型のものが採用されているが、ウエハー本体1と結束部3との接合強度を向上させる観点からは、凹部11が上端開口に向かうにつれ先すぼまり状の四角錐台状に形成されるのが好ましい。
【0059】
▲3▼上記結束部3の突出部35の形状は特に限定するものではなく、例えばワイヤーを所定長さに切断して、その軸線方向を基台31の接触面に沿わせた状態で、所定の規則に従って溶接するものであってもよい。この場合に、ワイヤーを長短2種類の長さに切断して、長尺切断ワイヤーを一方向に揃えて基台31の接触面に列設する一方、この長尺切断ワイヤー間に短尺切断ワイヤーを長尺切断ワイヤーと垂直方向に揃えて基台31の接触面に列設するものであってもよい。
【0060】
また、ワイヤーを所定長さに切断してこれを基台31の接触面に適宜蛇行状に配設するものであってもよい。
【0061】
さらに、図8に示すように、平板37の所定箇所を打ち抜いて周縁部を突出させた状態で孔部を形成し、この平板37を基台の接着面に接合して上記突出周縁部35を突出部とするものであってもよい。
【0062】
一方、上記実施形態のように、突出部35の先端部を曲折させる場合には、鈎状に曲折させるものだけでなく、環状、アーチ状等に曲折するものであってもよく、また突出部35の先端部に槍状、球状等の膨出部が設けられているものであってもよい。
【0063】
▲4▼上記実施形態では、結束部3としてシース型熱電対2を保持するものについて説明したが、このシース型熱電対に換えてウエハー本体1に取り付けられた測温体の外部リード線を保持するものとしてもよい。
【0064】
すなわち、例えば図9に示すように、ウエハー本体1の適所に複数個の測温体用収納凹部110が穿設され、該測温体収納用凹部110に測温抵抗体としての測温体102が収納され、この収納状態でセラミックセメント等の固着剤により固定されている。この測温体102は、引出端子部102aを有し、該引出端子部102aには外部リード線112が溶接、半田等により接合されている。そして、各測温体102の引出端子部102aに接合された外部リード線112がウエハー本体1上の1箇所に纏められ、結束部3により結束されている。
【0065】
このような測温体102についても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0066】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明は、複数本の熱電対がその温度検出部をウエハーに接触させた状態で接合された測温用ウエハーにおいて、この測温用ウエハー上に上記複数本の熱電対を結束する結束部が設けられ、この結束部は、上記熱電対を保持する保持部と、この保持部とウエハーとの間に介在しウエハーの表面と面接着される基台とを備え、この基台におけるウエハーとの接着面に多数の突出部が設けられる一方、これらの突出部に対向するウエハーの位置に該突出部が収納される凹部が設けられ、この凹部内に充填された固着剤に上記突出部が埋設された状態で該固着剤によって上記基台がウエハーに固着されるので、簡単な構成で結束部の接合強度を向上させつつ、ウエハーに対する熱電対の接合性を担保することができ、正確な温度検出を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る測温用ウエハーを示す平面図である。
【図2】ウエハー本体に対する熱電対の接合状態を示す断面図である。
【図3】ウエハー本体に対する熱電対の接合状態を示す平面図である。
【図4】測温用ウエハーにおける結束部を示す平面図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】図5の拡大図である。
【図7】図4のVII−VII線断面図である。
【図8】別の実施形態に係る測温用ウエハーを示す断面図である。
【図9】さらに別の実施形態に係る測温用ウエハーを示す平面図である。
【符号の説明】
1 ウエハー本体
2 シース型熱電対
3 結束部
10 熱電対収納用凹部
11 凹部
16 固着剤
21 温度検出部
30 保持部
30a 保持部
31 基台
33 固着剤
35 突出部

Claims (8)

  1. 複数本の熱電対がその温度検出部をウエハー本体に接触させた状態で接合された測温用ウエハーにおいて、
    このウエハー本体上に上記複数本の熱電対を結束する結束部が設けられ、
    この結束部は、上記熱電対を保持する保持部と、この保持部を担持した状態で該保持部とウエハー本体との間に介在しウエハー本体の表面と面接着される基台とを備え、
    この基台におけるウエハー本体との接着面に多数の突出部が設けられる一方、これらの突出部に対向するウエハー本体の位置に該突出部が収納される凹部が設けられ、この凹部内に充填された固着剤に上記突出部が埋設された状態で該固着剤によって上記基台がウエハー本体に固着されることを特徴とする測温用ウエハー。
  2. 請求項1記載の測温用ウエハーにおいて、上記突出部は、曲折した形状を有することを特徴とする測温用ウエハー。
  3. 請求項1または請求項2記載の測温用ウエハーにおいて、上記基台は、上記凹部を被覆した状態で固着されていることを特徴とする測温用ウエハー。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の測温用ウエハーにおいて、上記ウエハー本体の表面に、開口縁に向かって先すぼまり状に形成された複数個の熱電対用収納凹部が設けられる一方、上記熱電対の先端部が巻バネ状に形成され、
    この熱電対の先端部が、径方向に拡がった状態で、固着剤が充填された熱電対用収納凹部内に埋設されていることを特徴とする測温用ウエハー。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の測温用ウエハーにおいて、上記保持部は、内部に上記熱電対が挿通される筒状体として形成され、この筒状体の内部に熱電対を固着するための固着材が充填されていることを特徴とする測温用ウエハー。
  6. 請求項5記載の測温用ウエハーにおいて、上記保持部は、その筒状体の途中に上記固着材を充填するための切欠き部が設けられていることを特徴とする測温用ウエハー。
  7. 請求項5または請求項6記載の測温用ウエハーにおいて、上記保持部が複数個の筒状体から構成されるとともに、これらの筒状体の一部が、上記熱電対が挿通されていない状態で残存していることを特徴とする測温用ウエハー。
  8. ウエハー本体の温度を測定するための複数個の測温体がウエハー本体に取り付けられるとともに、これらの測温体に外部リード線が接続されている測温用ウエハーにおいて、
    このウエハー本体上に上記複数本の外部リード線を結束する結束部が設けられ、
    この結束部は、上記外部リード線を保持する保持部と、この保持部を担持した状態で該保持部とウエハー本体との間に介在しウエハー本体の表面と面接着される基台とを備え、
    この基台におけるウエハー本体との接着面に多数の突出部が設けられる一方、これらの突出部に対向するウエハー本体の位置に該突出部が収納される凹部が設けられ、この凹部内に充填された固着剤に上記突出部が埋設された状態で該固着剤によって上記基台がウエハー本体に固着されることを特徴とする測温用ウエハー。
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