JP2003098013A - 熱電対及び温度センサー - Google Patents

熱電対及び温度センサー

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JP2003098013A
JP2003098013A JP2001286901A JP2001286901A JP2003098013A JP 2003098013 A JP2003098013 A JP 2003098013A JP 2001286901 A JP2001286901 A JP 2001286901A JP 2001286901 A JP2001286901 A JP 2001286901A JP 2003098013 A JP2003098013 A JP 2003098013A
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wire
temperature sensor
temperature
hot junction
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Atsushi Yamanaka
篤 山中
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Hamada Heavy Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度センサー及びそのための熱電対におい
て、熱電対素線を通じての熱伝導による処理対象物の温
度の乱れを防止し、素線の可撓性を確保し、さらに熱電
対素線の折損を防止することのできる熱電対及び温度セ
ンサーを提供する。 【解決手段】 熱電対の温接点2の近傍に、当該熱電対
用極細素線の+極線1a及び−極線1bに当該熱電対素
線と同一材質の金属線を螺旋状に形成した保護管3を装
着し、保護管3は熱電対の温接点と接触しないように構
成されてなることを特徴とする熱電対である。保護管
は、金属箔をパイプ状に丸めて形成した保護管3cであ
る。保護管3dは金属管に多数の切れ目を形成してな
る。被測温物4の温度測定部位に上記熱電対の温接点2
を固定し、保護管3の一端及び温接点2は絶縁材料6中
に埋め込まれてなることを特徴とする温度センサーであ
る。温度センサーは半導体処理装置用温度センサーであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体処理装置に
おいて、シリコンウエーハ等をはじめとする処理対象物
の温度を測定するための温度センサーと、該温度センサ
ーに用いることができる熱電対に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体の製造や分析等の半導体処理にお
いては、シリコンウエーハの表面に薄膜の蒸着を行うC
VD装置、あるいはスパッタリング装置、イオン注入装
置等、シリコンウエーハをはじめとする処理対象物を高
温の状態で処理して半導体回路を製造する工程が多い。
このような高温の処理工程においては、シリコンウエー
ハ等処理対象物の温度を正確に制御することが要求され
る。処理対象物の温度を正確に制御するためには、該処
理対象物の温度を直接測定することが好ましい。
【0003】例えば、シリコンウエーハを高温に加熱す
る製造工程においては、シリコンウエーハそのものを温
度センサーとして用いることができる。該温度センサー
の被測温物としてのシリコンウエーハの温度測定部位に
非貫通孔を設け、熱電対の温接点を該非貫通孔の底部に
当接するように挿入し、ガラス質あるいはセラミック質
の接着剤を該非貫通孔に充填して熱電対を被測温物に固
定する(図6(b))。このように熱電対を固定した被
測温物を半導体処理装置のシリコンウエーハ処理炉に挿
入し、被測温物の温度を測定しながら炉内温度を調整す
ることによって炉内におけるシリコンウエーハ表面温度
を正確に制御する。炉内に温度センサーを挿入して温度
を測定しながら炉内温度分布が最適になるように温度制
御条件の設定を行い、温度を最適に設定した後に温度セ
ンサーを炉内から取り出し、実際に半導体を製造するた
めの対象としてシリコンウエーハを挿入して半導体製造
を行う。
【0004】被測温物に固定した熱電対は、その素線を
通して熱伝導が発生すること及び熱電対が持つ熱容量の
ため、太い熱電対素線を用いると、熱電対が持つ熱容量
が大きくなり、熱伝導によって、熱電対自身が炉内の被
測温物の温度を乱す要因となる。また、温度センサーを
ハンドリング中に熱電対の接着部分から接着剤ごと剥離
しやすくなる。そのため、被測温物に固定する熱電対の
素線はできるだけ細い素線を用い、温度の乱れを防止す
るとともに素線の可撓性を高める必要があり、素線とし
て直径0.1mm程度の極細素線が用いられている。
【0005】熱電対を装着した温度センサーを半導体処
理装置を炉内に挿入しまた取り出す過程で、熱電対素線
には素線を変形させようとする外力が働くことがある。
また、処理装置内での温度測定中に熱電対素線の振動な
どによる衝撃が発生することがある。素線として直径
0.1mm程度の極細素線を用いており、該素線の温接
点部が被測温物に接着剤等からなる絶縁材料で固定さ
れ、絶縁材料層の表面から素線が露出している。素線に
外力が働くと、絶縁材料表面から露出した部位の素線に
過大な応力が作用し、繰り返し温度センサーを使用する
過程で該露出部において素線が折損するため、このまま
では温度センサーの寿命が低下する。
【0006】特開平8−136357号公報には、熱電
対素線のそれぞれを装置本体取り付け部(温接点)付近
において2本の同一素線で構成し、2本の同一素線のう
ち、一方を短くし、短い方の素線の長さを装置本体取り
付け部から始まり、絶縁管、保護管よりも若干長い長さ
とした熱電対が記載されている。同公報及び特開200
0−234961公報には、図6(a)に示すように、
熱電対素線の先端部(温接点2)をそれぞれ同じ種類の
素線どうし撚り合わせた撚り合わせ部10を有する熱電
対が記載されている。これにより、接着剤部分から露出
する熱電対の剛性を高めることができ、当該部分におけ
る折損の発生を防止することが可能になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平8−13635
7号公報や特開2000−234961公報に記載のも
のは、接着剤部分から露出する熱電対の剛性を高めるこ
とはできるものの、熱電対の+極線及び−極線ともに温
接点から2本の素線を用いているので、各極線毎に1本
の極細素線を用いる場合に比較して、素線を通しての熱
伝導の増大を免れることはできない。このため、熱電対
自体が炉内の被測温物の温度を乱す要因を完全になくす
ことができない。
【0008】本発明は、半導体処理装置などにおける処
理対象物の温度を測定する温度センサー及びそのための
熱電対において、熱電対素線を通じての熱伝導による処
理対象物の温度の乱れを防止し、素線の可撓性を確保
し、さらに熱電対素線の折損を防止することのできる熱
電対及び温度センサーを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨とす
るところは以下のとおりである。 (1)熱電対の温接点2の近傍に、当該熱電対用極細素
線の+極線1a及び−極線1bに当該熱電対素線と同一
材質の金属線を螺旋状に形成した保護管3を装着し、保
護管3は熱電対の温接点と接触しないように構成されて
なることを特徴とする熱電対。 (2)保護管3を形成する金属線と熱電対用素線1と
は、お互いに撚り合わせてなることを特徴とする上記
(1)に記載の熱電対。 (3)熱電対の温接点2の近傍に、当該熱電対用極細素
線の+極線1a及び−極線1bに当該熱電対素線と同一
材質の金属箔をパイプ状に丸めて形成した保護管3を装
着し、当該保護管は熱電対の温接点と接触しないように
構成されてなることを特徴とする熱電対。 (4)熱電対の温接点2の近傍に、熱電対用極細素線の
+極線1a及び−極線1bに当該熱電対素線と同一材質
の金属にて形成した保護管3を装着し、保護管3は金属
管に多数の切れ目を形成してなり、保護管3は熱電対の
温接点2と接触しないように構成されてなることを特徴
とする熱電対。 (5)保護管3は、熱電対素線1と同一材質の金属に代
え、熱電対の使用温度範囲で劣化や溶損が発生しない材
質で形成されてなることを特徴とする上記(1)乃至
(4)のいずれかに記載の熱電対。 (6)熱電対素線1を筒状の繊維質絶縁被覆材8で被覆
し、熱電対温接点近傍の該繊維質絶縁被覆材8の端部を
熱電対素線と同材質の極細素線又は薄板若しくは熱電対
の使用温度範囲で劣化や溶損が発生しない材質の極細素
線又は薄板を用いて前記保護管周囲に巻き固めた巻き固
め部9を有することを特徴とする上記(1)乃至(5)
のいずれかに記載の熱電対。 (7)被測温物4の温度測定部位に上記(1)乃至
(6)のいずれかに記載の熱電対の温接点2を固定し、
保護管3の一端及び温接点2は絶縁材料6中に埋め込ま
れてなることを特徴とする温度センサー。 (8)前記温度センサーは半導体処理装置用温度センサ
ーであり、保護管3の材質は被測温物や処理装置に影響
を与えない材質であることを特徴とする上記(7)に記
載の温度センサー。
【0010】本発明においては、図1、2に示すように
熱電対用極細素線の+極線1a及び−極線1bに保護管
3を装着し、その保護管3は熱電対の温接点2と接触し
ないように構成される。保護管3は熱電対の温接点2と
接触していないので、被測温物4の熱が温接点2から熱
電対を通して流出する経路は+極線1a・−極線1bそ
れぞれ1本の極細素線のみとなるので、被測温物4から
熱電対を通じて流出する熱を極小に抑えることができ
る。
【0011】熱電対素線の温接点近傍には上記のように
保護管3が装着されている。保護管3は、金属線を螺旋
状に形成したもの(図1(a)(b))、あるいは金属
管であって多数の切れ目を形成したもの(図2(c)
(d))等であるから、適度な剛性と可撓性とを併せ持
った弾力性とすることができる。この熱電対の温接点2
を被測温物4に配置して温度センサーとするに際し、熱
電対を被測温物4に固定するため、接着剤等の絶縁材料
6が用いられる(図3)。保護管3は熱電対温接点2近
傍に装着されており、保護管3の一端を絶縁材料6中に
埋め込む。熱電対素線において最も折損が起きやすいの
は絶縁材料表面からの露出部であるから、この部分の素
線1が保護管3によって保護されることにより、素線1
の折損を防止することができる。保護管3の弾性は、素
線1の折損を防止する上で最適な弾性を有するものとす
ることができる。
【0012】保護管3より先に露出した熱電対素線1は
極細素線であるので、素線1の可撓性を確保することが
でき、温度センサーのハンドリングを容易にすることが
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の温度センサーは、半導体
の各種処理装置、例えばスパッタリング装置で処理され
るシリコンウエーハの温度分布を予め測定するために使
用される。この場合、温度センサーの被測温物としてシ
リコンウエーハを用いる。また、シリコンウエーハ以外
でも、LCD用ガラス基板、ガラス板、あるいは合成樹
脂板等の板状のものや、その他種々の半導体処理装置に
おける温度分布を測定するために用いることができる。
【0014】本発明の熱電対を図1、2に基づいて説明
する。熱電対の種類は、測定する温度範囲、使用する半
導体処理装置が許容する金属の種類によって選択され
る。主に使用される熱電対の種類としてR型と称される
白金−白金ロジウムや、K型と称されるアルメル−クロ
メル等がある。
【0015】熱電対素線1の直径は、温度測定における
外乱を防止するため、極細素線が用いられる。一般に使
用可能な極細素線として、直径0.1mmの素線を用い
ることができる。
【0016】本発明においては、熱電対の温接点2の近
傍に、熱電対用極細素線の+極線1a及び−極線1bに
保護管3を装着する。保護管3は熱電対の温接点2と接
触しないように装着する。保護管3としては、本発明の
上記(1)にあるように(図1(a)(b))、熱電対
素線と同一材質の金属線を螺旋状に形成した保護管3a
とすることができる。この保護管3aを各熱電対素線1
に装着することにより、保護管装着部分については熱電
対素線2本分の剛性を有することとなる。保護管装着部
分を図3に示すように温度センサー測温部に配置した絶
縁材料6からの露出部分に配置することにより、熱電対
素線1の絶縁材料6から露出する部分における折損を防
止することができる。従って、保護管の温接点2に近い
側の保護管先端7aと温接点2との間の距離は、保護管
先端7aが絶縁材料6中に埋設される距離とすることが
肝要である。螺旋状の金属線としては、図1(a)
(b)に示すような断面円形の金属線を螺旋状に形成し
た保護管3aとしても良く、あるいは図1(c)(d)
に示すような帯状の金属線を螺旋状に密に配置した保護
管3bでも良い。
【0017】上記保護管を形成する金属線と熱電対用素
線とは、本発明の上記(2)にあるようにお互いに撚り
合わせて形成することもできる(図1(e)(f))。
これにより、熱電対用素線の剛性を高める保護管として
の役割を果たすと同時に、保護管を素線の装着部分に固
定することが可能になる。
【0018】本発明の上記(3)にあるように(図2
(a)(b))、保護管3として熱電対素線と同一材質
の金属箔をパイプ状に丸めて形成した保護管3dを用い
ても良い。金属箔が弾力性を有しているため、保護管3
として好適な剛性と可撓性とを併せ持つ保護管を形成す
ることができる。
【0019】本発明の上記(4)にあるように(図2
(c)(d))、保護管3として熱電対素線と同一材質
の金属管に多数の切れ目を形成した保護管3eを用いて
も良い。切れ目の深さと切れ目間の間隔及び金属管の厚
さを調整することにより、保護管3として好適な剛性と
可撓性とを併せ持つ保護管を形成することができる。こ
こで用いる金属管としては、上記(3)における金属箔
をパイプ状に丸めて形成した金属管を用いるとより効果
的である。
【0020】本発明において、保護管3の材質は熱電対
素線1と同一材質の金属を用いると最も好ましい。熱電
対素線1は、予め該半導体処理装置において半導体を汚
染しない材質であることを確認して種類が選択される。
従って、保護管3の材質として熱電対素線1と同材質の
ものを用いることにより、本発明の熱電対を温度センサ
ーに用いた場合に、処理する半導体の重金属汚染を防止
することができる。さらには、本発明の上記(5)にあ
るように、熱電対素線と同一材質の金属に代え、熱電対
の使用温度範囲で劣化や溶損が発生しない材質で形成し
ても良い。また、温度センサーが半導体処理装置用温度
センサーである場合には、本発明の上記(8)にあるよ
うに、予め被測温物や処理装置を汚染しない、即ち影響
を与えない材質が判明している場合が多いので、保護管
の材質として被測温物や処理装置に影響を与えない材質
を選択して用いることができる。
【0021】次に本発明の温度センサーについて図3、
4に基づいて説明する。測温用シリコンウエーハ(被測
温物4)の測温すべき箇所には熱電対の温接点2を固定
するための非貫通孔5を配置する。非貫通孔5を設けな
いで直接シリコンウエーハの表面に熱電対の温接点を固
定することも可能であり、あるいはシリコンウエーハに
貫通孔を設置して該貫通孔内に温接点を固定してもよ
い。非貫通孔5は保護管3を装着した素線先端の温接点
2が挿入可能な大きさとする。例えば、直径0.5mm
φ、深さが0.35mm程度の非貫通孔5をシリコンウ
エーハ上の温度を測定すべき箇所に配置する。熱電対の
温接点2を非貫通孔5の底部に当接するように挿入し、
セラミック質等の接着剤を該非貫通孔5に充填して熱電
対をシリコンウエーハに固定する。熱電対素線1に装着
された保護管3の保護管先端7aが接着剤中に埋設され
る。接着剤充填後に最適な加熱処理温度と時間で熱処理
を行うと、接着剤充填部が絶縁材料6となり、被測温物
4であるシリコンウエーハと一体化された温度センサー
が形成される。
【0022】このように構成した温度センサーは、保護
管3は熱電対の温接点2と接触していないので、被測温
物4の熱が温接点2から熱電対を通して流出する経路は
+極線1a・−極線1bそれぞれ1本の極細素線のみと
なるので、被測温物4から熱電対を通じて流出する熱を
極小に抑えることができる。絶縁材料表面から露出した
部分の素線1が保護管3によって保護されることによ
り、素線1の折損を防止することができる。保護管3よ
り先に露出した熱電対素線1は極細素線であるので、素
線1の可撓性を確保することができ、温度センサーのハ
ンドリングを容易にすることができる。
【0023】熱電対素線1を断熱被覆材8で被覆した本
発明の熱電対及び温度センサーについて図5に基づいて
説明する。熱電対素線1は、温接点2から冷接点及び測
定装置端子までの間を絶縁する必要がある。セラミック
製の絶縁碍子等は熱容量が大きいので温度測定の外乱因
子となる。従って、1200℃以下の温度においては、
熱電対素線1をアルミナ繊維などの筒状の繊維質絶縁被
覆材8で被覆することにより絶縁することが多い。筒状
の繊維質絶縁被覆材8は、多数回の使用とともにその端
部の切断部分がほつれ、内部の素線が露出して絶縁不良
となるために温度センサーの寿命が低下すると共に、繊
維屑が脱落して発塵し、高い清浄度を要求される半導体
処理装置の炉室内を汚染することとなるので、ほつれを
防止することが必要である。
【0024】本発明の上記(6)の熱電対及びこの熱電
対を用いた本発明の上記(7)の温度センサーにおいて
は、図5に示すように、熱電対の温接点2近傍における
この絶縁被覆材8の端部を、熱電対素線1と同じ材質の
極細素線又は薄板若しくは熱電対の使用温度範囲で劣化
や溶損が発生しない材質の極細素線又は薄板を用いて巻
き固めた巻き固め部9を形成する。巻き固め部9に用い
る素線の直径は、熱電対素線1と同じ程度の直径とする
ことが好ましい。巻き固めは、巻き固める素線に最適な
張力を与え、隣り合った巻き固め素線の間に隙間がない
ようにスパイラル状に巻き上げる。巻き固め部9を保護
管3の上に形成するので、巻き固め部9が保護管3の凹
凸に食い込んで熱電対素線1に固く結合するとともに、
剛性の高い保護管部において巻き固めを行うので巻き固
め時の張力を増やすことが可能であり、その結果巻き固
め部9がより強固で安定したものとなる。保護管3とし
て、図5に示すように保護管を形成する金属線と熱電対
用素線とをお互いに撚り合わせた保護管3cを用いる
と、熱電対素線1における巻き固め部9の位置がずれる
ことなく絶縁被覆材8を堅牢に保持することができるの
で好ましい。
【0025】
【実施例】直径12インチのシリコンウエーハを処理す
るスパッタリング装置において本発明の熱電対を用いた
温度センサーを適用した。温度センサーの部分断面図を
図3に示す。厚み0.78mmの12インチシリコンウ
エーハ4の表面に9箇所の温度側定点を設定し、各温度
側定点において直径1.0mmφ、深さが0.45mm
の非貫通孔5を配置する。温度測定のための熱電対には
素線径0.1mmのK型(アルメル−クロメル)熱電対
を用いた。
【0026】本発明例において用いる保護管として、図
1(a)に示す保護管3aを準備した。保護管3aは、
熱電対素線と同じ素線材(アルメル、クロメル)を用い
て同じ線径(0.1mmφ)の素線で螺旋状に形成し、
保護管3aの内径は0.15mm、長さ20mmとし
た。図1(a)に示すとおり、+極線1a、−極線1b
の先端部にそれぞれの素線と同じ材質の素線を用いた保
護管3aを装着し、保護管先端7aと熱電対の温接点2
との間の距離は0.1mmから0.4mm程度になるよ
うにした。熱電対の温接点2を上記非貫通孔5の底部に
当接し、セラミック質接着剤を該非貫通孔に充填し、次
いで加熱して固着させることにより絶縁材料6を形成し
た。保護管3aは、保護管の先端7aを含めた約0.5
〜1.0mmの範囲が絶縁材料6内部に埋め込まれた。
これにより、図3に示すような温度センサーが形成され
た。
【0027】比較例1として、図6(a)に示すよう
に、熱電対の温接点から長さ30mmの範囲の素線が同
一材質の2本の素線を撚り合わせた撚り合わせ部10を
有する熱電対を用いて温度センサーを作成した。比較例
2として、図6(b)に示すように、保護管3も撚り合
わせ部10も持たない熱電対を用いて温度センサーを作
成した。比較例1、2とも、その他の熱電対条件は本発
明例と同様である。
【0028】本発明例及び比較例1について、被測定物
の温度変化に対する熱電対測温値の応答速度を、時定数
63.2%にて比較した。0.1mm素線を2本撚り合
わせた撚り合わせ部10を有する比較例1は、応答速度
が約5μ秒であった。一方、温接点2と保護管3との間
に0.1mm素線1本の部分を有する本発明例について
は応答速度は約3μ秒であり、本発明例は比較例1に対
して応答速度が約1.67培速かった。比較例1に比較
して本発明例の応答速度が良好であった理由は、熱電対
の温接点に接する熱電対素線が、比較例1では0.1m
mφ素線が2本撚り合わされているのに対し、本発明例
では0.1mmφ素線1本のみであることに起因する。
【0029】本発明の温度センサーと比較例1、2の温
度センサーとをスパッタリング装置の温度測定に用いて
熱電対の耐久性の評価を行った。比較例2においては、
平均42回の使用によって熱電対素線の断線が発生した
のに対し、本発明例では断線にいたるまでの使用回数が
107回であり、熱電対の寿命を延長することができ
た。比較例1の熱電対は撚り合わせ部10を有している
ので、使用回数は110回と本発明例なみであった。
【0030】比較例1は熱電対の寿命は良好であるが熱
電対の応答速度が不良であり、比較例2はその反対に応
答速度は良好であるが寿命が不良である。それに対し、
本発明例は、熱電対の寿命及び応答速度の両方が良好で
あるとの結果を得ることができた。
【0031】
【発明の効果】本発明は、半導体処理装置などにおける
処理対象物の温度を測定する温度センサー及びそのため
の熱電対において、熱電対用極細素線の+極線及び−極
線に保護管を装着し、その保護管は熱電対の温接点と接
触していないので、被測温物から熱電対を通じて流出す
る熱を極小に抑えることができる。絶縁材料表面からの
露出部において素線が保護管によって保護されることに
より、素線の折損を防止することができる。保護管より
先に露出した熱電対素線は極細素線であるので、素線の
可撓性を確保することができ、温度センサーのハンドリ
ングを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱電対を示す概略図であり、(b)
(d)(f)はそれぞれ(a)(c)(e)の保護管の
詳細を示す部分図である。
【図2】本発明の熱電対を示す概略図であり、(b)
(d)はそれぞれ(a)(c)の保護管の詳細を示す部
分図である。
【図3】本発明の温度センサーの熱電対接続部分を示す
部分断面図である。
【図4】本発明の温度センサーの熱電対接続部分を示す
部分断面図である。
【図5】本発明の熱電対素線を絶縁被覆材で被覆した状
況を示す図であり、(a)は熱電対、(b)は温度セン
サーの部分を示す。
【図6】従来の温度センサーの熱電対接続部分を示す部
分断面図であり、(a)は温接点に達する撚り合わせ部
を有するものであり、(b)は保護管も撚り合わせ部も
有しないものである。
【符号の説明】
1 熱電対素線 1a +極線 1b −極線 2 熱電対の温接点 3 保護管 3a〜3c 金属線を螺旋状に形成した保護管 3d 金属箔をパイプ状に丸めて形成した保護管 3e 金属管に多数の切れ目を形成した保護管 4 被測温物 5 非貫通孔 6 絶縁材料 7 保護管先端 8 絶縁被覆材 9 巻き固め部 10 撚り合わせ部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱電対の温接点の近傍に、当該熱電対用
    極細素線の+極線及び−極線に当該熱電対素線と同一材
    質の金属線を螺旋状に形成した保護管を装着し、当該保
    護管は熱電対の温接点と接触しないように構成されてな
    ることを特徴とする熱電対。
  2. 【請求項2】 前記保護管を形成する金属線と熱電対用
    素線とは、お互いに撚り合わせてなることを特徴とする
    請求項1に記載の熱電対。
  3. 【請求項3】 熱電対の温接点の近傍に、当該熱電対用
    極細素線の+極線及び−極線に当該熱電対素線と同一材
    質の金属箔をパイプ状に丸めて形成した保護管を装着
    し、当該保護管は熱電対の温接点と接触しないように構
    成されてなることを特徴とする熱電対。
  4. 【請求項4】 熱電対の温接点の近傍に、当該熱電対用
    極細素線の+極線及び−極線に当該熱電対素線と同一材
    質の金属にて形成した保護管を装着し、当該保護管は金
    属管に多数の切れ目を形成してなり、当該保護管は熱電
    対の温接点と接触しないように構成されてなることを特
    徴とする熱電対。
  5. 【請求項5】 前記保護管は、熱電対素線と同一材質の
    金属に代え、熱電対の使用温度範囲で劣化や溶損が発生
    しない材質で形成されてなることを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれかに記載の熱電対。
  6. 【請求項6】 熱電対素線を筒状の繊維質絶縁被覆材で
    被覆し、熱電対温接点近傍の該繊維質絶縁被覆材の端部
    を熱電対素線と同材質の極細素線又は薄板若しくは熱電
    対の使用温度範囲で劣化や溶損が発生しない材質の極細
    素線又は薄板を用いて前記保護管周囲に巻き固めたこと
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の熱電
    対。
  7. 【請求項7】 被測温物の温度測定部位に請求項1乃至
    6のいずれかに記載の熱電対の温接点を固定し、前記保
    護管の一端及び温接点は絶縁材料中に埋め込まれてなる
    ことを特徴とする温度センサー。
  8. 【請求項8】 前記温度センサーは半導体処理装置用温
    度センサーであり、前記保護管の材質は被測温物や処理
    装置に影響を与えない材質であることを特徴とする請求
    項7に記載の温度センサー。
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