JP2005029659A - ポリイミド樹脂、その樹脂溶液組成物、感光性樹脂組成物、積層体およびカラーフィルター - Google Patents

ポリイミド樹脂、その樹脂溶液組成物、感光性樹脂組成物、積層体およびカラーフィルター Download PDF

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Katsumoto Hosokawa
勝元 細川
Hiroyuki Kagawa
博之 香川
Seiji Kamimura
誠二 神村
Kenichiro Fujimoto
憲一郎 藤本
Soro Isogawa
素朗 礒川
Mitsuaki Senda
光昭 千田
Shigeyoshi Mita
三田  成良
Sunao Nagai
永井  直
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Abstract

【課題】環境への負荷の小さい希アルカリ水溶液により溶解剥離可能なポリイミド樹脂組成物およびその積層体を提供する。
【解決手段】下記化1
【化1】
Figure 2005029659

(式中、kは1以上の整数、m、nは1以上の整数であり、R 、R は互いに同一でも良く異なっていても良い2価の有機基であり、R 、R は互いに同一でも良く異なっていても良い4価の有機基であり、少なくとも、R がジアミノビシクロヘキシルジカルボン酸に由来する2価の有機基である)からなるものである。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリイミド樹脂、樹脂溶液組成物、感光性樹脂組成物およびその積層体に関し、更に詳しくは、ポリイミドの分子中にジアミノビシクロヘキシルジカルボン酸由来のカルボキシル基を有する特定の二価の有機基を含有させたポリイミド樹脂、樹脂溶液組成物、感光性樹脂組成物およびその積層体に関するものであり、さらにその組成物を用いて製造された液晶ディスプレイや撮像素子などに用いられるカラーフィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイス製造工程又はディスプレイデバイス製造工程において、フォトレジスト膜は、エッチング工程が終わると剥離除去されるが、フォトレジスト膜を、半導体デバイスの表面保護膜や層間絶縁膜として使用される場合には、永久膜として残されるため、電気的・機械的特性に優れたものが要求されると共に高温にも耐えることが要求される。
【0003】
このようなフォトレジスト膜として、感光性ポリイミド樹脂の膜が使用されている(特許文献1、特許文献2)。
【0004】
ポリイミド樹脂は、電気的・機械的特性、耐熱特性に優れており、感光性ポリイミド樹脂として、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸に光重合性官能基を有する感光助剤と光重合開始剤を導入した化合物が知られている。
【0005】
現在、基板上に形成されたポリイミド層を溶解剥離する場合、有機極性溶剤もしくは有機アルカリを用いることが一般的である。
【0006】
ここでの有機極性溶剤、および有機アルカリとはN−メチル‐2‐ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ヒドラジン等である。
【0007】
また、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸は、希アルカリ水溶液への溶解性を有しているため、基板上に形成されたポリアミック酸層を希アルカリ水溶液により溶解剥離し、その後残存させたポリアミック酸層を加熱処理することによりイミドへ転化し、ポリイミド層とする手法も取られている。
【0008】
ここでの希アルカリ水溶液とは濃度0.01から10%の水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液等である。
【0009】
さらに、カルボキシル基をポリイミド分子内に有することで希アルカリ水溶液への溶解性を有したポリイミド樹脂は特許文献3に記載されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−282157号公報
【特許文献2】
特開2003−173024号公報
【特許文献3】
特開2003−41004号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、そのような従来の手法では剥離の際に用いる有機極性溶剤、および有機アルカリは廃液処理の際に環境への負荷が懸念され、また、ポリアミック酸の溶解剥離の場合、イミドへ転化する必要があるため、高温での熱処理が必要となり、基材への熱履歴等が懸念される。
【0012】
さらに、特許文献3に記載のカルボキシル基をポリイミド分子内に有するポリイミドは酸価に対する明確な規定が無く、ポリイミド樹脂の希アルカリ水溶液への溶解性は必ずしも実用上十分であるとは言えない。
【0013】
このような現状より、環境への負荷の小さい希アルカリ水溶液で実用上十分に溶解剥離可能なポリイミドが強く求められている。
【0014】
従って、本発明の目的は、環境への負荷の小さい希アルカリ水溶液により実用上十分に溶解剥離可能なポリイミド樹脂組成物およびその積層体を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、下記化1
【0016】
【化1】
Figure 2005029659
【0017】
(式中、kは1以上の整数、m、nは1以上の整数であり、R 、R は互いに同一でも良く異なっていても良い2価の有機基であり、R 、R は互いに同一でも良く異なっていても良い4価の有機基であり、少なくとも、R がジアミノビシクロヘキシルジカルボン酸に由来する2価の有機基である)
からなるポリイミド樹脂である。
【0018】
また、化1中のR 及び又はR が脂肪族構造を有する4価の有機基であってもよく、R が脂肪族構造を有する2価の有機基であってもよい。
【0019】
本発明のポリイミド樹脂の酸価は、160mgKOH/g以上、260mgKOH/g以下であるのが好ましく、これにより本発明のポリイミド樹脂は希アルカリ水溶液に対して良好な溶解性を示す。
【0020】
また本発明のポリイミド樹脂は、化1において、下記式(1)
2.32×10−3≧ Nk/Mk ≧1.43×10−3 …(1)
(式(1)中、Nk:化1記載のkで示される括弧中のジアミノビシクロヘキシルジカルボン酸に由来する2価の有機基の数、Mk:化1に記載のkで示される括弧中の分子量)となるのがよい。この式(1)は、単位重量当たりのポリイミド樹脂中のジアミノビシクロヘキシルジカルボン酸に由来する2価の有機基の数を規定するものであり、得られるポリイミド樹脂中のカルボキシル基の数、つまり酸価を規定することができる。
【0021】
上述の本発明のポリイミド樹脂を溶剤成分に溶解させて樹脂溶液組成物としてもよい。
【0022】
また、本発明の樹脂溶液組成物に、感光剤を含有させて感光性樹脂組成物としてもよい。
【0023】
本発明は、さらに上述のポリイミド樹脂、樹脂溶液組成物、あるいは感光性樹脂組成物を含有する樹脂層と、ガラス、または銅、またはアルミ、またはステンレス等の基材からなる積層体としたものであり、カラーフィルターはかかる組成物からなる樹脂層を透明基板上に有することを特徴とするものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好適実施の形態を説明する。
【0025】
本発明のポリイミド樹脂、および樹脂溶液組成物、および感光性樹脂組成物、およびこれらからなる積層体は、ジアミノビシクロヘキシルジカルボン酸からなる2価の有機基を分子内に有することを特徴とする。
【0026】
この本発明のポリイミド樹脂は、ジアミノビシクロヘキシルジカルボン酸に、テトラカルボン酸二無水物、好ましくは1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ(2,2,2)オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物のいずれか、あるいはこれら2つ以上のテトラカルボン酸二無水物を加え、さらにγ−カプロラクトン(4−エチルブチロラクトン)、ピリジンを加え、溶剤としてNMP(N−メチル−2−ピロリドン)とトルエンを加えて、これらを窒素雰囲気中で撹拌した後、約180℃で、3時間程度撹拌しながら反応させることで得られる。
【0027】
このポリイミド樹脂を乾燥して粉末とし、これをNMP溶媒に溶解して基板等に塗布することで、ポリイミド樹脂膜層とすることができる。
【0028】
また、本発明におけるジアミノジカルボン酸は、3,3’−ジアミノビシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸、4,3’−ジアミノビシクロヘキシル−3,4’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノビシクロヘキシル−3,3’−ジカルボン酸のいずれか1種類の位置異性体から構成されていても、あるいは2種類以上の位置異性体の混合物から構成されていても良い。
【0029】
この本発明のポリイミド樹脂は、ポリイミド樹脂層の剥離の際に、任意離部分を選択するために既存の光酸発生剤、光重合開始剤等と増感剤、架橋剤、架橋助剤等を併用することにより、所望の感光性樹脂組成物に調整し、使用可能である。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例を比較例と共に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0031】
(実施例1)
攪拌器を取りつけた1000mlのセパラブル四つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取りつけ、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物(化1中のR 、R となる脂肪族を構成)21.0g、ジアミノビシクロヘキシルジカルボン酸(同じくR 又はR を構成、以降DABCHDCと称す)28.4g、γ−カプロラクトン1.1g、ピリジン2.0g、NMP200.0g、トルエン40.0gを加え、常温で窒素雰囲気中10分間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで3時間攪拌した。なお留出成分は反応中に水分分離トラップより適時取り除いた。この後、真空乾燥を行い反応液(ワニス)を得た[工程1]。
【0032】
次いで得られたワニスをメタノール中に投入することによって、生成した沈殿を分離し、粉砕、ろ過、洗浄および減圧乾燥させる工程を経ることによりポリマー粉末を得た[工程2]。
【0033】
その後、NMP26.0gに樹脂4.0gを溶解し、これを基材に塗布、乾燥することで溶解試験用評価用サンプルを作成した[工程3]。
【0034】
得られたサンプルを用いて希アルカリ水溶液への溶解性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0035】
(実施例2)
実施例1と同様の装置に、ビシクロ(2,2,2)オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物(化1中のR 、R となる脂肪族を構成、以降BCDと称す)24.8g、DABCHDC28.4g、γ−カプロラクトン1.1g、ピリジン2.0g、NMP200.0g、トルエン40.0gを加え、実施例1の[工程1]と同様に、常温で窒素雰囲気中10分間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで3時間攪拌し、反応中の留出成分を水分分離トラップより適時取り除き、この後、真空乾燥を行って、反応液(ワニス)を得た。
【0036】
次いで得られたワニスを、同じく[工程2]と同様に、メタノール中に投入することによって、生成した沈殿を分離し、粉砕、ろ過、洗浄および減圧乾燥させる工程を経ることによりポリマー粉末を得た後、[工程3]と同様に、NMP26.0gに樹脂4.0gを溶解し、これを基材に塗布、乾燥することで溶解試験用評価用サンプルを作成した。
【0037】
得られたサンプルを用いて、希アルカリ水溶液への溶解性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0038】
(実施例3)
実施例1と同様の装置に、4,4’−オキシジフタル酸無水物(化1中のR 、R となる有機基を構成、以降ODPAと称す)31.0g、DABCHDC28.4g、γ−カプロラクトン1.1g、ピリジン2.0g、NMP200.0g、トルエン40.0gを加え、[工程1]と同様の方法で反応液(ワニス)を得た。
【0039】
次いで、得られたワニスを[工程2]、[工程3]と同様の方法で希アルカリ水溶液への溶解性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0040】
以下に得られたポリマーの分析結果を示す。
【0041】
H−NMR分析結果
(測定装置:(「JNM−GSX400」日本電子製)、測定条件:観測周波数=400MHz、溶媒:重DMSO、標準物質:TSP、測定温度60℃)
δ=1.2−2.0ppm(12H)、δ=2.5−4.3ppm(6H)、δ=7.5ppm(4H)、δ=7.9ppm(2H)
(実施例4)
実施例1と同様の装置に、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(化1中のR 、R となる有機基を構成、以降6−FDAと称す)44.4g、DABCHDC28.4g、γ−カプロラクトン1.1g、ピリジン2.0g、NMP200.0g、トルエン40.0gを加え、[工程1]と同様の方法で反応液(ワニス)を得た。
【0042】
次いで得られたワニスを[工程2]、[工程3]と同様の方法で希アルカリ水溶液への溶解性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0043】
(実施例5)
実施例1と同様の装置に3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(化1中のR 、R となる有機基を構成)32.2g、DABCHDC28.4g、γ−カプロラクトン1.1g、ピリジン2.0g、NMP200.0g、トルエン40.0gを加え、[工程1]と同様の方法で反応液(ワニス)を得た。
【0044】
次いで得られたワニスを[工程2]、[工程3]と同様の方法で希アルカリ水溶液への溶解性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0045】
(実施例6)
実施例1と同様の装置に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(化1中のR 、R となる有機基を構成、以降BPDAと称す)29.4g、DABCHDC28.4g、NMP200.0gを加え、[工程1]と同様の方法で反応液(ワニス)を得た。
【0046】
次いで、得られたワニスを[工程2]、[工程3]と同様の方法で希アルカリ水溶液への溶解性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0047】
(実施例7)
実施例1と同様の装置にピロメリット酸二無水物(化1中のR 、R となる有機基を構成、以降PMDAと称す)21.8g、DABCHDC28.4g、NMP200.0gを加え、[工程1]と同様の方法で反応液(ワニス)を得た。
【0048】
次いで、得られたワニスを[工程2]、[工程3]と同様の方法で希アルカリ水溶液への溶解性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0049】
(実施例8)
実施例1と同様の装置に6−FDA(化1中のR となる有機基を構成)22.2g、ODPA(化1中のR となる有機基を構成)15.5g、DABCHDC28.4g、γ−カプロラクトン1.1g、ピリジン2.0g、NMP200.0g、トルエン40.0gを加え、[工程1]と同様の方法で反応液(ワニス)を得た。
【0050】
次いで、得られたワニスを[工程2]、[工程3]と同様の方法で希アルカリ水溶液への溶解性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0051】
(実施例9)
実施例1と同様の装置にBCD(化1中のR 、R となる脂肪族を構成)24.8g、DABCHDC21.3g、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン6.0g、γ−カプロラクトン1.1g、ピリジン2.0g、NMP200.0g、トルエン40.0gを加え、[工程1]と同様の方法で反応液(ワニス)を得た。
【0052】
次いで、得られたワニスを[工程2]、[工程3]と同様の方法で希アルカリ水溶液への溶解性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0053】
(実施例10)
以下の方法により、本発明のポリイミド樹脂より緑色塗膜を有するカラーフィルターを作成した。
【0054】
ピグメントグリーン36(オノールグリーン6YKP−N:東洋インキ株式会社製)10gをγ−ブチロラクトン90gに加えガラスビーズを用いてホモジナイザーで分散後、ガラスビーズをろ別することにより顔料分散液を得た。
【0055】
この顔料分散液50gと実施例1で得られたポリマー粉末30g、γ−ブチロラクトン250g及び界面活性剤“デイスパロン(登録商標)LC−951”(楠本化成株式会社製)の1%NMP溶液5gを室温で攪拌しながら添加し、顔料分散ポリイミド溶液を得た。
【0056】
この分散液をガラス基板上に熱処理後の膜厚が2μmとなるようにスピンコート法で塗布し、90℃で10分間乾燥し、この上にポジ型フォトレジスト(東京応化株式会社製OFPR−800)を乾燥後の膜厚が2μmとなるようにスピンコート法で塗布、90℃で10分間乾燥した。その後クロム製のフォトマスクを介して紫外線露光機で365nmの紫外線強度が150mJ/cmとなるよう露光し、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液からなる現像液でフォトレジスト層並びにポリイミド層を溶解剥離した。残ったフォトレジスト層はアセトンにより溶解剥離し、200℃で30分乾燥することにより残存溶剤を除去した。このようにして得られた塗膜は所望のパターン形状を有していた。
【0057】
(比較例1)
実施例1と同様の装置にBPDA(化1中のR 、R となる有機基に相当)29.4g、1,4−フェニレンジアミン(化1のR 、R に相当)10.8g、NMP200.0gを加え、[工程1]と同様の方法で反応液(ワニス)を得た。
【0058】
次いで得られたワニスを[工程2]、[工程3]と同様の方法で希アルカリ水溶液への溶解性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0059】
(比較例2)
実施例1と同様の装置にPMDA(化1中のR 、R となる有機基に相当)21.8g、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(化1中のR 、R となる有機基に相当)20.0g、NMP200.0gを加え、[工程1]と同様の方法で反応液(ワニス)を得た。
【0060】
次いで得られたワニスを[工程2]、[工程3]と同様の方法で希アルカリ水溶液への溶解性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0061】
(比較例3)
実施例1と同様の装置にBCD(化1中のR 、R となる脂肪族に相当)24.8g、イソホロンジアミン(化1中のR 、R となる脂肪族に相当)17.0g、γ−カプロラクトン1.1g、ピリジン2.0g、NMP200.0g、トルエン40.0gを加え、[工程1]と同様の方法で反応液(ワニス)を得た。
【0062】
次いで、得られたワニスを[工程2]、[工程3]と同様の方法で希アルカリ水溶液への溶解性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0063】
(希アルカリ水溶液への溶解試験)
溶解試験用サンプルは、ガラス基板上に[工程3]により得られたポリイミド樹脂を主成分とする溶液をスピンコート法により塗布した後、乾燥し、ガラス基板上にポリイミド樹脂を主成分とする樹脂層を形成することにより作成した。
【0064】
次に、この溶解試験用サンプルを1%水酸化ナトリウム水溶液、及び1%水酸化カリウム水溶液、1%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に浸漬し、樹脂層の溶解性を評価した。
【0065】
(酸価の測定)
酸価は、[工程2]により得られたポリマー粉末を溶解性の有する有機溶剤・イオン交換水の混合溶液に規定量溶解し、既知の濃度のKOH水溶液で電位差滴定装置を用いて滴定することにより測定した。
【0066】
以上の結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
Figure 2005029659
【0068】
表1より、実施例1〜9は、化1のR 及び、又はR がジアミノビシクロヘキシルジカルボン酸に由来する2価の有機基を有し、その酸価は162〜245(mgKOH/g)であり、1%水酸化ナトリウム水溶液、1%水酸化カリウム水溶液、及び1%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液への溶解性は良好であり、希アルカリ水溶液で容易に剥離でき、環境への負荷が少ない。これに対して比較例1〜3は、1%水酸化ナトリウム、1%水酸化カリウム水溶液、及び1%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対して不溶であり、酸価も0(mgKOH/g)であった。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、ジアミノビシクロヘキシルジカルボン酸に由来する2価の有機基を有することを特徴とするポリイミド樹脂層は希アルカリ水溶液により不要部分を簡単に溶解剥離できることから、剥離液の廃液処理時に環境への負荷を低く抑えることができる。

Claims (10)

  1. 下記化1
    Figure 2005029659
    (式中、kは1以上の整数、m、nは1以上の整数であり、R 、R は互いに同一でも良く異なっていても良い2価の有機基であり、R 、R は互いに同一でも良く異なっていても良い4価の有機基であり、少なくとも、R がジアミノビシクロヘキシルジカルボン酸に由来する2価の有機基である)
    からなることを特徴とするポリイミド樹脂。
  2. 及び又はR が脂肪族構造を有する4価の有機基である請求項1に記載のポリイミド樹脂。
  3. が脂肪族構造を有する2価の有機基である請求項1〜2いずれかに記載のポリイミド樹脂。
  4. 酸価が160mgKOH/g以上、260mgKOH/g以下であるポリイミド樹脂。
  5. 酸価が160mgKOH/g以上、260mgKOH/g以下である請求項1〜3いずれかに記載のポリイミド樹脂。
  6. 化1において、下記式(1)
    2.32×10−3≧ Nk/Mk ≧1.43×10−3 …(1)
    (式(1)中、Nk:化1記載のkで示される括弧中のジアミノビシクロヘキシルジカルボン酸に由来する2価の有機基の数、Mk:化1に記載のkで示される括弧中の分子量)となる請求項1〜3いずれかに記載のポリイミド樹脂。
  7. 請求項1〜6いずれかに記載のポリイミド樹脂を、溶剤に溶解してなる樹脂溶液組成物。
  8. 請求項7に記載の樹脂溶液組成物に、感光剤を混合してなることを特徴とする感光性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8いずれかに記載のポリイミド樹脂、樹脂溶液組成物、あるいは感光性樹脂組成物を含有する樹脂層と、ガラス、または銅、またはアルミ、またはステンレス等の基材からなることを特徴とする積層体。
  10. 請求項7〜8いずれかに記載の組成物からなる樹脂層を透明基板上に有することを特徴とするカラーフィルター。
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