JP2005028632A - 印刷装置及び印刷制御方法 - Google Patents

印刷装置及び印刷制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005028632A
JP2005028632A JP2003193675A JP2003193675A JP2005028632A JP 2005028632 A JP2005028632 A JP 2005028632A JP 2003193675 A JP2003193675 A JP 2003193675A JP 2003193675 A JP2003193675 A JP 2003193675A JP 2005028632 A JP2005028632 A JP 2005028632A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing
platen roller
rotating member
print head
rotation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003193675A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Takizawa
宏 瀧澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2003193675A priority Critical patent/JP2005028632A/ja
Publication of JP2005028632A publication Critical patent/JP2005028632A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Handling Of Sheets (AREA)
  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)

Abstract

【課題】印刷用紙の実際の搬送量を正確に捉え、印刷用紙の実際の動きに合わせた正確な印刷を行うことができる印刷装置及び印刷制御方法を提供すること。
【解決手段】印刷用紙を搬送するプラテンローラ20と接触して回転する回転部材10によりプラテンローラ20の表面の動きを捉え、回転部材10のスリット(被検出要素)18の変化を検出器11で検出する。回転部材11の動きは検出パルスまたは検出データとして紙送り検出部68から出力される。検出パルスは印刷制御部63に出力され、実際の印刷用紙の搬送を反映した検出パルスに基づいて印刷ヘッド13の駆動タイミングが制御される。これにより正確な印刷位置に印刷することが可能となる。検出パルスは搬送制御部66に出力されて、検出パルスに基づきDCモータからなる搬送モータ25が制御される。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷用紙を搬送しながら印刷を行なう印刷装置に関し、特に、実際の印刷用紙の動きを正確に検出して印刷を行なう印刷装置及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来技術】
例えば、レシート発行等に用いられるサーマルプリンタにおいては、印刷用紙を搬送する駆動源としてステップモータ用いているものが多い。すなわち、ステップモータを駆動源にして、減速歯車を介してプラテンローラを回転させて、紙送り(搬送)を行い、紙送りのためのステップモータの駆動ステップに同期させながら、印刷を行っていた。このようなステップモータの駆動制御には、一般的には、実際の動きをフィードバックして駆動モータの回転の制御を行なわない、いわゆる開ループ制御が行なわれている。一方、プラテンローラにエンコーダ等のパルス発生器を設けて、プラテンローラの回転に同期させて印刷を行なうものも存在する(特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−212946号公報
【特許文献2】
特開2002−361948号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、開ループを用いた印刷用紙の搬送の場合には、印刷用紙の動きとステップモータの駆動の同期がとれない場合、例えば、印刷開始時の急激な加速領域または停止直前の減速領域においては動きが不安定であり、印刷品質が落ちるという問題がある。また、プラテンローラにエンコーダ等を設けた場合であっても、プラテンが真円ではなく、かつその表面も凹凸や歪みが存在するため、プラテンローラの軸の回転とプラテンローラ表面の動きは必ずしも同期しているとはいえない場合がある。すなわち、プラテンローラの表面は、印刷ヘッドの押圧力を吸収し印刷用紙とのすべりをなくすためゴム等の弾性部材が用いられている。そのため、プラテンローラの回転開始及び停止等の加速時または減速時には、弾性部材が慣性により歪み、表面の動きとプラテンローラの軸の動きが異なる事態が発生する。また、プラテンローラは磨耗等により変形するので、プラテンローラの回転軸の中心から円周の表面までの距離(半径)がすべての部分にわたって一定とは限らない。従って、プラテンローラの軸の回転運動をエンコーダ等で補足しても、印刷用紙の動きを正確に捉えることはできず、印刷品質が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は、この点に鑑みてなされたもので、実際の印刷用紙の動きを正確に捉えることのできる紙送り検出部を備えた印刷装置を提供することをその目的の一つとする。
【0006】
また、本発明は、実際の印刷用紙の動きに応じた正確な印刷が可能な印刷装置及びその印刷制御方法を提供することをその目的の一つとする。
【0007】
さらに本発明は、低消費電力でかつ静音性に優れた印刷装置及び印刷制御方法を提供することのその目的の一つとする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、プラテンローラの表面に接触して回転する回転部材により、プラテンローラ表面の動きを捉えて、これに基づいて搬送及び印刷を制御することにより上記課題を解決する。
【0009】
本発明の第1の態様にかかる印刷装置は、印刷用紙を搬送する駆動源となる搬送モータと、文字又はイメージ画像を印刷用紙に印刷する印刷ヘッドと、印刷ヘッドと対向する位置に設けられ、搬送モータにより回転駆動されて印刷用紙を搬送するプラテンロ―ラと、プラテンローラの表面と接触して回転する回転部材を備え、該回転部材の回転量及び回転速度に対応する検出信号を出力する紙送り検出部と、検出信号に基づいて、搬送モータの駆動を制御する搬送制御部と、検出信号に基づいて、印刷ヘッドによる印刷用紙への印刷タイミングを制御する印刷制御部とを備えることを特徴とする。
この態様による印刷装置では、プラテン表面の動きを直接計測する。従って、プラテンローラの軸の回転速度ではなく、プラテンローラ表面の実際の回転速度(角速度)を把握できる。これにより、実際に搬送される印刷用紙の搬送量をより正確に把握することができる。例えば、加速時等はプラテン表面の弾性部材(ゴム等)が変形してプラテン軸の回転量とプラテン表面の回転量は異なるが、この場合でもプラテン表面の実際の動きを計測して、印刷用紙の搬送量を検出する。
【0010】
本発明の他の態様にかかる印刷装置は、紙送り検出部が、円周端近くの位置に全周に亘り所定幅の微小間隔をもって配列された複数の被検出要素を有する回転部材と、回転部材の回転により通過する被検出要素を検出し、検出パルスを出力する検出部を備えることを特徴とする。
【0011】
この態様により、検出パルス間隔、検出パルス幅を認識することが可能となる。各被検出要素の間隔、検出要素の回転半径等の情報は予め認識可能であるから、これらの検出パルスからプラテンローラの表面の回転速度、回転量を把握することが可能となる。これにより、印刷用紙の紙送り量及び速度を正確に把握できる。また、被検出要素の間隔を微小にすれば、細かい動きを検出することも可能である。
【0012】
本発明の他の態様にかかる印刷装置は、プラテンローラの回転中心と回転部材の回転中心とを結ぶ線が、プラテンローラの回転中心と印刷ヘッドによる印刷位置とを結ぶ線が、略平行になるように前記回転部材を配置することを特徴とする。この態様により、印刷ヘッドがプラテンローラ表面と接触する位置と同じ高さで回転部材がプラテンローラの表面と接触するので、印刷位置におけるプラテンローラ表面の回転状態を正確に把握することができる。
【0013】
本発明の他の態様にかかる印刷装置は、回転部材の回転軸が、プラテンローラの回転軸と略平行となるように、印刷ヘッドを指示する印刷ヘッドアセンブリに一体的に固定されていることを特徴とする。この態様により、回転部材がプラテンローラ表面と接触し、スムーズに回転可能となり、プラテンローラの表面の回転をより正確に捉えることが可能となる。従って、正確な紙送り量の把握が可能であり、プラテンローラの表面の歪み、捻れを正確に捕らえることが可能となる。
【0014】
本発明の他の態様にかかる印刷装置は、回転部材の回転軸が、プラテンローラの回転軸と印刷ヘッドによる印刷位置とを結ぶ線とほぼ平行な線上を移動可能であり、回転部材は印刷ヘッドを押圧する押圧力とは異なる押圧力によりプラテンローラ表面に押圧されていることを特徴とする。この態様により、回転部材の取り付け位置によって、印刷ヘッドとプラテンローラの間に隙間が生じたり、回転部材とプラテンローラの表面に接触しなかったりする不都合を除去することが可能となる。また、印刷ヘッドと別個の押圧力でプラテンローラに押圧されるので、印刷ヘッドに影響されることなくプラテンローラの表面に接触してその回転動作を正確に追従することができる。また、横方向の多少の位置ずれは、印刷ヘッドとは独立した押圧力で補正されるので、回転部材の取り付け作業も容易となる。
【0015】
本発明の他の態様にかかる印刷装置は、回転部材の円周表面が、プラテンローラとの摩擦係数が高くなるように表面加工されていることを特徴とする。この態様により、プラテンローラの表面と回転部材の表面とがその接触面ですべることを抑制し、プラテンローラの表面の回転動作を回転部材により正確に追従することが可能となる。
【0016】
本発明の他の態様にかかる印刷装置は、回転部材の円周表面が、プラテンローラとの摩擦係数が高い材料により構成されていることを特徴とする。この態様によっても同様に、プラテンローラの表面と回転部材の表面とがその接触面ですべることを抑制し、プラテンローラの表面の回転動作を回転部材により正確に追従することが可能となる。
【0017】
本発明の他の態様にかかる印刷装置は、印刷制御部が、紙送り検出部からの検出信号に基づき、印刷ヘッドを駆動するタイミングを制御することを特徴とする。この態様により、実際の印刷用紙の動きに応じた印刷が可能となり、ラインドット行毎の印刷位置精度が向上し、印刷品質を向上させることが可能となる。また、高速搬送による印刷、印刷途中で印刷を一時停止した場合にも一定の印刷品質を維持することが可能となる。
【0018】
本発明の他の態様にかかる印刷装置は、搬送モータはDCモータであり、搬送制御部は、紙送り検出部からの検出信号をフィードバック信号としてDCモータの駆動を制御することを特徴とする。この態様により、印刷用紙の高速搬送、搬送消費電力の抑制が可能となる。
【0019】
本発明の第1の態様にかかる印刷制御方法は、(a)制御データに基づいて、プラテンローラの回転を起動する工程と、(b)プラテン表面の回転動作を検出して、その動作に対応する検出パルスを出力する工程と、(c)検出パルス出力に基づき、プラテンローラを駆動する駆動源を制御する工程と、(d)検出パルスに基づき、印刷動作タイミングを制御する工程とを備えることを特徴とする。
【0020】
本発明の他の態様は、前述の印刷制御方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラムであることを特徴とする。コンピュータは、CPU、論理回路、メモリ、及び各種制御プログラム等から成り、本プログラムを読み込むことにより、上記属性データ送信方法の各工程を実行する。
【0021】
本発明の他の態様は、前述の印刷制御方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラムを記載したコンピュータにより読取可能な記録媒体であることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる印刷装置のプラテン及び印刷ヘッド部分の外観を示す斜視図であり、上部カバー30を少し空けた直前の状態を示している。なお、本明細書では印刷装置として、ラインサーマルプリンタを用いて説明するが、インクジェット方式のラインプリンタでも本発明の適用が可能である。上部カバー30は、ヒンジ31(図2に示す)を中心に開閉可能である。上部カバー30には、軸21にプラテンローラ20が回転可能に設けられている。プラテンローラ20の軸21には一端にプラテン歯車22が固定されており、上部カバー30を閉じたときに減速歯車23と噛み合う状態となる。減速歯車23は、モータ歯車24と噛み合っており、モータ25が回転することにより、モータ歯車24が回転し、プラテンローラ20が回転する。従って、モータ25を駆動することにより、プラテンローラ20が回転し印刷用紙を搬送する。図1において、プラテンローラ20が反時計方向に回転することにより、印刷用紙が正方向に搬送される。モータ25は、ステップモータでも、DCモータでも良いが、DCモータを用いると、消費電力が少なく、印刷用紙の高速搬送が可能となる。
【0023】
上部カバー30を閉じた状態でプラテンローラ20と対向する位置には、サーマル印刷ヘッド13が設けられている。サーマル印刷ヘッド13はヒートシンク(放熱板)14と一体的に設けられており、バネ等の押圧弾性部材17によりプラテンローラ20の方に付勢されている。従って、上部カバー30が閉じられたときには、印刷ヘッド13がプラテンローラ20に押圧された状態となる。
【0024】
さらにサーマル印刷ヘッド13の横には、プラテンローラ20と対向する位置に回転板またはコードディスク(回転部材10)が設けられている。回転部材10の円周端には複数のスリット板またはスリット状のマーク(被検出要素18)が円周全体に設けられており、回転部材10の下方には、これらの被検出要素18を読み取る検出器11が設けられている。回転部材10は、上部カバー30が閉じられたときに、印刷ヘッド13と同様にプラテンローラ20の表面に押圧された状態となる。従って、プラテンローラ20が回転すると、プラテンローラ20の表面との摩擦により回転部材10もプラテンローラ20とは反対方向に回転する。回転部材10が回転すると、検出器11から、スリットまたはマーク等の被検出要素の検出時間に応じた幅及び間隔のパルスが順次生成されて、後述する搬送モータ制御部及び印刷制御部に出力される。
【0025】
図2及び図3を用いて、プラテンローラ20と、印刷ヘッド13及び、回転部材10の関係を説明する。図2は、図1の印刷装置の上部カバー30を閉じる直前の状態を横方向からみた略断面図を示し、図3は図2の状態からヒンジ31を中心にして上部カバー30を時計方向に回転させて、上部カバー30を完全に閉じた状態におけるプラテンローラ20、印刷ヘッド13、回転部材10の部分を示す部分拡大断面図である。図3では、印刷用紙も示している。印刷用紙51はロール紙50から引き出されて印刷ヘッド13とプラテンローラ20の間を通り、排出される。図3からわかるように、上部カバー30を閉じた状態では、ラインサーマル印刷ヘッド13(以下印刷ヘッド13と称する)及び回転部材10が、弾性部材17によりプラテンローラ20に押圧されている。
【0026】
図4に、プラテンローラ20、印刷ヘッド13及び回転部材10の関係を詳細に示す。図4(a)は、プラテンローラ20と、プラテンローラ20に押圧されている印刷ヘッド13及び回転部材10との関係を示す横方からみた部分断面拡大図であり、図4(b)は図4(a)の矢印A方向から見た状態を縮小して示す平面図である。図4(a)、(b)から、印刷ヘッド13は印刷用紙51をプラテンローラ20との間に挟んだ状態で、プラテンローラ20の方に押圧されていることがわかる。
【0027】
印刷ヘッド13は、図4(b)に示すように、印刷用紙51とほぼ同じ幅を有するラインサーマルヘッドであり、1ラインドット行(高さが1ドット、横方向の長さ印刷幅の行)のすべてのドットを印刷するのに必要な印刷要素(図示せず)を備えている。
【0028】
図4及び図5を用いて、印刷処理について簡単に説明する。図5は本発明の一実施形態にかかる印刷装置の機能ブロック図である。印刷は1ラインドット行毎に行われる(駆動電流を抑制するために、1ラインドット行を複数の単位に分割して印刷する場合もあるが、本明細書では説明を簡単にするために1ラインドット行単位の印刷を用いて説明する)。
【0029】
印刷装置60がホスト装置70から印刷命令及び印刷データを受信すると、通信インタフェース61を介して受信バッファ62に一時記憶される。受信バッファ62に記憶されたデータは、印刷制御部63により解析される。印刷命令であることが判明すると、後続する印刷データがそのまま、またはビットマップデータに変換されて、印刷バッファ64に記憶される。印刷バッファ64に記憶されたビットマップデータは、1ラインドット行ずつ取り出されて、印刷機構65に出力される。印刷機構65には、印刷素子毎に印刷ドットを記憶するラッチが備えられており、ビットマップデータの各ドット(印刷データ)に応じて各ラッチがセットされる。
【0030】
一方、印刷制御部63から搬送制御部66に印刷に必要な印刷用紙の搬送命令が出力される。これに基づき搬送制御部66は、搬送機構67を制御することにより搬送モータ25を起動して、印刷用紙51の搬送を開始する。印刷用紙51が所定の印刷位置まで搬送されると、印刷制御部63から印刷機構65に印刷ヘッド駆動信号が出力され、印刷データに対応する各印刷素子(ラッチがセットされた印刷素子)への通電が行われ、1ラインドット行の印刷が行われる。通電された印刷素子は加熱され、印刷用紙(感熱紙)51を変色させることにより印刷が行われる。印刷用紙51が普通紙である場合には、熱転写リボン(図示せず)を用いて印刷用紙51に熱転写印刷を行なう。1ラインドット行の印刷が終ると、次の1ランドット行の印刷データに基づいてラッチがセットされる。
【0031】
印刷用紙51がさらに搬送されることにより、次のラインドット行の印刷位置まで(所定量)移動すると、セットされたラッチに対応する印刷要素に通電され、次のラインドット行が印刷される。このような1ラインドット行の印刷動作が繰り返されて、すべてのラインドット行の印刷を終えることにより、所定のキャラクタまたはイメージ(ビットマップデータ)の印刷が終了する。このように、ラインプリンタでは、印刷用紙51が所定量搬送される度に1ラインドット行の印刷が行われ、全体としての印刷が完了する。従って、印刷用紙の搬送量が誤って認識されると、各ラインドット行の行印刷位置がずれてしまい、印刷品質が低下する。従って、印刷用紙の位置の検出は非常に重要であり、印刷品質に大きな影響を与える。
【0032】
本発明では、プラテンローラの表面の回転量から印刷用紙の搬送量を検出する。すなわち、搬送用紙51の搬送量を、回転部材10の回転量により検出する。回転部材10の円周部には、微細な間隔でスリットまたはマーク(被検出要素18)が配列されており、所定の位置で被検出要素18に対して光が照射され、被検出要素18の透過光または反射光が検出される。これらの透過光または反射光は、電気的なパルスに変換され、そのまま若しくはデジタルデータに変換されて紙送り検出部68から、搬送制御部66及び、印刷制御部63に搬送される。
【0033】
搬送制御部66は、紙送り検出部68からの検出データ(パルス)に基づいて、搬送機構67の搬送モータ25の動作を制御する。印刷制御部63は、紙送り検出部68からの検出データ(パルス)に基づいて、印刷ヘッド13の駆動タイミングを正確に制御する。
【0034】
ステップモータを用いた開ループ制御によっても、モータ自体の回転量は正確に制御することが可能である。しかし、実際に印刷用紙51が搬送されるまでには、ギア22、23、24やプラテンローラ20が介在しているので、開ループ制御では印刷用紙51の搬送位置を正確に把握することはできない。また、プラテンローラ20の回転軸21にエンコーダを設けても、加速時及び減速時にプラテンローラ20の表面の弾性部材が歪んでしまう。印刷用紙51の動きはプラテンローラ20の表面の動きに依存するので、プラテンローラ20の回転軸21に設けたエンコーダでは、実際の印刷用紙51の動きを正確に捉えることができない。さらに、プラテンローラ20の回転軸21の中心Xから円周の表面までの距離r(半径)がすべての部分にわたって一定とは限らない。図4(a)に変形量“α”として示すように、印刷ヘッド13の押圧力等によりプラテンローラ20の表面が半径rに対してーαだけ変形するので、プラテンローラ20の回転軸21の中心Xから円周の各点までの距離が、印刷ヘッド13との接触位置Zとその他の部分で異なる。また、摩擦、熱等による弾性ローラの変形“β”、熱により感熱紙のプラテンローラ20への貼り付き等も、プラテンローラ20の表面の動きを不安定なものにする。このように、種々の要因よりプラテンローラ20の径r(中心Xから円周までの長さ)がαまたはβだけ変動し、その変動量に応じて紙送り量も変動している。このような印刷用紙51の搬送動作のゆらぎ(搬送の不規則性)は、プラテンローラ20の回転軸21に設けたエンコーダでは、検出することができない。
【0035】
このような観点から、本発明では、プラテンローラ20の表面に接触して回転する円盤形状の回転部材10を設けて、プラテンローラ20の表面の回転動作を正確に捉えている。回転部材10は、プラテンローラ20の回転を正確に捉える必要があるため、回転部材10の回転軸12は、プラテンローラ20の回転軸21と略平行となるように設けられる。また、印刷ヘッド13がプラテンローラ20に接触する位置Zでのプラテンローラ20表面の回転量を正確に捉えることが望ましいので、回転部材10は、接触位置Zを通りプラテンローラ20の回転中心Xと直交する直線と、プラテンローラ20の回転中心Xと回転部材10の回転中心Yとを直行する直線とが互いに略平行となるような位置に、取りつけられる。
【0036】
以上のような観点から、図4(b)の例では、回転部材10の回転軸12を印刷ヘッド13及び放熱板14とが一体的に設けられた印刷ヘッドアセンブリ16に対して固定し、回転部材10がプラテンローラ20の左端部近くでその表面に接触させる構造となっている。従って、回転部材10は印刷ヘッド13を押圧する押圧弾性部材17によりプラテンローラ20に押圧される。これにより、印刷ヘッド13との接触位置Zにおけるプラテンローラ20表面の回転動作を正確に捉えることが可能となり、印字品質を向上させることが可能となる。
【0037】
図6は、本発明の構成の概略を模式的に示す図である。プラテンローラ20が回転すると、その表面に接触している回転部材10が回転する。回転部材10が回転すると、検出器11内を回転部材10に設けられているスリットまたはマーク(以下スリットと称する)が通過する。検出器11からはスリットの通過に応じて検出パルスが出力され、紙送り検出部68によりデジタルデータとしてまたはパルスデータとして、搬送制御部66及び印刷制御部63に出力される。搬送制御部66は、所定の搬送が正しく実行されるように紙送り検出部68からの出力に基づき、搬送モータ25を制御する。
【0038】
このように、搬送制御部66は、実際の紙送りの状態を正確にフィードバックして搬送モータ25を制御することができるので、搬送用モータとしてDCモータを用いても正確な紙送りを行なうことが可能となる。このように、搬送モータとしてDCモータの使用が可能となると、同サイズのステップモータに比べて高速の紙送りが可能となる。さらに、DCモータにより印刷用紙51を急加速搬送したとしても、本発明の紙送り検出部68では実際の印刷用紙51の移動量を検出して印刷タイミングを調整するので、印刷品質を低下させることがない。従って、結果として印刷品質を維持しつつDCモータを用いた高速印刷が可能となる。また、DCモータは、ステップモータに比べ消費電力が少ないという利点も有する。
【0039】
次に、図7を用いて、印刷タイミングについて説明する。図7は、ステップモータを用いたヘッド駆動タイミング(ヘッド駆動パルスA)と、本発明にかかる回転部材10による出力パルス(エンコーダパルス)を用いたヘッド駆動タイミング(ヘッド駆動パルスB)とを示すタイミングチャートである。図7では、搬送モータ25を駆動開始して加速する時の状態を示している。
【0040】
ステップモータパルスによる印刷制御では、ヘッド駆動パルスタイミングをステップモータのパルス幅に基づいて、規則的にヘッド駆動パルスAを生成している。しかし、プラテンローラ20の表面は、実際には、駆動開始時にはプラテンローラ20の表面は駆動方向と反対の慣性力が働き表面の回転が遅れ、その後その反作用により表面の動きが高速になる等の脈動運動をする。このような、実際の紙送り動作は、エンコーダパルスとして捉えられる。本発明では、ヘッド駆動パルスをこのエンコーダパルスにあわせて生成している(ヘッド駆動パルスB参照)。従って、本発明では、プラテンローラ20の表面の動き、すなわち印刷用紙の動きが変化してもそれに合わせてラインドット行の印刷位置が調整されるので、急加速しても適正な印刷が可能となる。
【0041】
このように、プラテン表面の動きに合わせて印刷タイミングを制御することにより、印刷途中の印刷用紙が停止し、その後搬送を再開しても、安定した印刷品質を得ることができるほか、急加速であっても所定の印刷品質が得られ、高温、高湿下の使用において、印刷用紙51がプラテンローラ20に貼りつくような場合でも印刷品質を確保することが可能となる。
【0042】
さらにプラテンローラ20の表面の動きが変化しても、印刷に与える影響が少ないため、プラテンローラ20の材料として硬度の低いプラテンゴム材質を使用することができる。硬度の低い材質を使用できると、印刷ヘッドの押圧力を下げることが可能となる。これにより、印刷用紙51と印刷ヘッド13の摺動不可を著しく低下させることが可能となり、搬送のための消費電力を低下させることも可能となる。
【0043】
また、各構成部品の剛性を下げても、構成部品の変形分をプラテンローラ20の表面の動きの変化として捉え補正することができるため、部品の剛性を下げることができる。これにより、印刷装置の静音化を図ることが可能となる。さらに、部品精度を下げて、多少のガタ、ハッシュ量の増大等が生じても印刷品質への影響を抑制することも可能となる。
【0044】
図8を用いて、回転部材10の他の取り付け例を説明する。図8では、回転部材10が、駆動アーム26に回転可能に設けられており、駆動アーム26は印刷ヘッドアセンブリ16に固定された回転軸27を中心に回転可能に取り付けられている。さらに、駆動アーム26は引っ張りバネ等の弾性部材28により反時計方向に付勢されており、回転部材10が印刷プラテンローラ20に押圧されている。この場合も、プラテンローラ20の回転中心Xと印刷ヘッド13とプラテンローラ20の接触位置Z及び回転部材10の回転中心Yが、横方向からみて一直線になるように設けることが好ましい。
【0045】
図8の例では、回転部材10が印刷ヘッドアセンブリ16とは別の弾性部材28により押圧され、印刷ヘッドアセンブリ16に固定された構造とはなっていない。そのため、回転部材10の位置が印刷ヘッドより突出して印刷ヘッドとプラテンローラ20の間に隙間ができるという不都合、または逆に回転部材10がプラテンローラ20の表面に接触せずに回転しなくなるという問題がなくなり、より安定してプラテンローラ20の表面に接触させることが可能となる。
【0046】
なお、図8において、駆動アーム26を回転可能に支持している回転軸27の代りに、印刷ヘッドアセンブリ16に2つの摺動軸(または摺動ピン)を、プラテンローラ20の回転中心X、接触位置Z、回転部材の回転中心Yとを結ぶ直線Lと略平行となるように設けるとともに、駆動アーム26にその2つの軸をスライドするようなスリットを設けて、駆動アームをプラテンローラ20の方に押圧するような構成としてもよい。これにより、回転部材10の回転中心YがラインLに沿って正確に移動するよう、回転部材10を押圧することが可能となる。
【0047】
なお、回転部材の材質は、金属、プラスティック等当業者が使用可能なすべての材料を用いて製造可能である。その際、回転部材10の円周表面は、プラテンローラ20との摩擦係数の高い材料が好ましい。一方、プラテンローラ20を磨耗させることが少ない材料の選定が望ましい。また回転部材10の円周表面の摩擦が増大するように、微細な凹凸を形成する等当業者にとって可能な加工を施すことも可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、プラテンローラの表面に接触して回転する回転部材により、プラテンローラ表面の動きを捉え、これに基づいて印刷用紙の搬送及び印刷を制御する。これにより、実際の印刷用紙の動きを正確に捉えて所定の印刷位置に正確に印刷することが可能となった。そのため、急激な加速時等に印刷用紙の動きが変動する場合でも印刷品質を低下させることなく、正確な印刷を行なうことができる。また、プラテンローラの動きを正確に捉えてこれをフィードバックして、搬送制御することにより、搬送モータとしてDCモータを使用しても、正確な搬送が可能となり、高速搬送も可能となる。さらに、印刷用紙の動きを追従可能であるので、プラテンローラの材質を柔らかくし、または部品剛性を低下させることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる印刷装置のプラテン及び印刷ヘッド部分の外観を示す斜視図である。
【図2】図1の印刷装置の上部カバーを閉じる直前の状態を横方向からみた略断面図である。
【図3】上部カバーを完全に閉じた状態におけるプラテンローラ、印刷ヘッド、回転部材の関係を示す部分拡大断面図である。
【図4】プラテンローラ20、印刷ヘッド及び回転部材の関係を詳細に示す図であり、(a)は、プラテンローラと、印刷ヘッド及び回転部材との関係を示す部分断面拡大図であり、(b)は図4(a)の矢示A方向から見た状態を縮小して示す平面図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる印刷装置の機能ブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかる印刷装置の構成の概略を示す模式図である。
【図7】ステップモータを用いたヘッド駆動タイミングと、本発明にかかる回転部材による出力パルス(エンコーダパルス)を用いたヘッド駆動タイミングとを示すタイミングチャートである。
【図8】回転部材の取り付け構造の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
10 回転部材 11 検出器
12 回転部材の回転軸 13 印刷ヘッド
14 放熱板 16 印刷ヘッドアセンブリ
17 押圧弾性部材 18 被検出要素
20 プラテンローラ 21 ローラ回転軸
22 プラテン歯車 23 減速歯車
24 モータ歯車 25 搬送モータ
26 駆動アーム 27 アーム回転軸
28 弾性部材(アーム付勢用) 30 上部カバー
31 ヒンジ 50 印刷紙ロール
51 印刷用紙 63 印刷制御部
66 搬送制御部 68 紙送り検出部
X プラテンローラの回転中心 Y 回転部材の回転中心
Z 印刷ヘッドとプラテンローラの接触位置

Claims (12)

  1. 印刷用紙を搬送する駆動源となる搬送モータと、
    文字又はイメージ画像を印刷用紙に印刷する印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドと対向する位置に設けられ、前記搬送モータにより回転駆動されて前記印刷用紙を搬送するプラテンロ―ラと、
    前記プラテンローラの表面と接触して回転する回転部材を備え、該回転部材の回転量及び回転速度に対応する検出信号を出力する紙送り検出部と、
    前記検出信号に基づいて、前記搬送モータの駆動を制御する搬送制御部と、
    前記検出信号に基づいて、前記印刷ヘッドによる前記印刷用紙への印刷タイミングを制御する印刷制御部と、
    を備えることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記紙送り検出部は、円周端近くの位置に全周にわたり所定幅の微小間隔をもって配列された複数の被検出要素を有する前記回転部材と、該回転部材の回転により通過する前記被検出要素を検出し、検出パルスを出力する検出部を備えることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記プラテンローラの回転中心と前記回転部材の回転中心とを結ぶ線が、前記プラテンローラの回転中心と前記印刷ヘッドの印刷位置とを結ぶ線が、略平行になるように前記回転部材を配置することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
  4. 前記回転部材の回転軸が、前記プラテンローラの回転軸と略平行となるように、前記印刷ヘッドを支持する印刷ヘッドアセンブリに固定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の印刷装置。
  5. 前記回転部材の回転軸が、前記プラテンローラの回転軸と前記印刷ヘッドによる印刷位置とを結ぶ線とほぼ平行な線上を移動可能であり、前記回転部材は前記印刷ヘッドを押圧する押圧力とは異なる押圧力により前記プラテンローラ表面に押圧されていることを特徴とする請求項3または4に記載の印刷装置。
  6. 前記回転部材の円周表面が、前記プラテンローラとの摩擦係数が高くなるように表面加工されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の印刷装置。
  7. 前記回転部材の円周表面が、前記プラテンローラとの摩擦係数が高い材料により構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の印刷装置。
  8. 前記印刷制御部は、前記紙送り検出部からの検出信号に基づき、前記印刷ヘッドを駆動するタイミングを制御することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の印刷装置。
  9. 前記搬送モータはDCモータであり、前記搬送制御部は、前記紙送り検出部からの検出信号をフィードバック信号として前記DCモータの駆動を制御することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の印刷装置。
  10. (a) 制御データに基づいて、プラテンローラの回転を起動する工程と、
    (b) プラテン表面の回転動作を検出して、その動作に対応する検出パルスを出力する工程と、
    (c) 前記検出パルス出力に基づき、プラテンローラを駆動する駆動源を制御する工程と、
    (d) 前記検出パルスに基づき、印刷動作タイミングを制御する工程と、
    を備えることを特徴とする印刷制御方法。
  11. 請求項10に記載の方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  12. 請求項10に記載の方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムを記載したコンピュータにより読取可能な記録媒体。
JP2003193675A 2003-07-08 2003-07-08 印刷装置及び印刷制御方法 Withdrawn JP2005028632A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003193675A JP2005028632A (ja) 2003-07-08 2003-07-08 印刷装置及び印刷制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003193675A JP2005028632A (ja) 2003-07-08 2003-07-08 印刷装置及び印刷制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005028632A true JP2005028632A (ja) 2005-02-03

Family

ID=34205075

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003193675A Withdrawn JP2005028632A (ja) 2003-07-08 2003-07-08 印刷装置及び印刷制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005028632A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007112084A (ja) * 2005-10-24 2007-05-10 Fuji Xerox Co Ltd プリンタシステム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007112084A (ja) * 2005-10-24 2007-05-10 Fuji Xerox Co Ltd プリンタシステム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4886426B2 (ja) 記録装置及び搬送制御方法
US20070063429A1 (en) Image forming apparatus and paper feeding method used with the same
JP3595779B2 (ja) 記録装置
JP2002137469A (ja) シート部材搬送装置の制御方法および記録装置
US7173643B2 (en) Printing apparatus
JP2008049555A (ja) 記録装置及び搬送制御方法
US9272550B2 (en) Image forming apparatus
JP4795168B2 (ja) 記録装置
JPWO2002100647A1 (ja) プリンタ
JP2002361958A (ja) 記録装置および記録方法
JP2006130789A (ja) 記録装置及びその制御方法
US7307648B2 (en) Printing apparatus and method for passbooks
JP5993842B2 (ja) 記録装置及び制御方法
JP2006130857A (ja) 記録装置
JP2005028632A (ja) 印刷装置及び印刷制御方法
US6017160A (en) Printer sheet feed device having controller
JP2007083500A (ja) 記録装置
JP4484586B2 (ja) 記録装置及び記録装置の頭出し位置制御方法
JP7082450B2 (ja) 印刷装置および印刷装置の制御方法
JP2004142269A (ja) 記録装置
JP5121990B2 (ja) シート搬送装置
JPH0881120A (ja) プリンタの紙送りロール駆動装置
JP2006044060A (ja) 記録装置
JPH01233958A (ja) 記録装置のシート送り方法
JP2003341023A (ja) 印刷装置、印刷方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20061003