JP2005024637A - カラーフィルターの製造方法 - Google Patents
カラーフィルターの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005024637A JP2005024637A JP2003187044A JP2003187044A JP2005024637A JP 2005024637 A JP2005024637 A JP 2005024637A JP 2003187044 A JP2003187044 A JP 2003187044A JP 2003187044 A JP2003187044 A JP 2003187044A JP 2005024637 A JP2005024637 A JP 2005024637A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- diazonium salt
- group
- layer
- color filter
- salt compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Optical Filters (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
Abstract
【課題】減法混色によることなく直接RGBの画素を形成することができ、かつ、そのRGBの色純度の優れたカラーフィルターが作製できるカラーフィルターの製造方法を提供する。
【解決手段】透明基板上にジアゾ感熱記録層3層を順に積層塗布した感熱記録材料を用いたカラーフィルターの製造方法において、3層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる3種のジアゾニウム塩化合物とそれぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーとを組み合せたジアゾ感熱記録層3層であり、該3種ジアゾニウム塩化合物をそれぞれが対応する波長で光照射し、次いでこれらの層を全面熱印画し、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた3種別々の色画素を形成させることを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】透明基板上にジアゾ感熱記録層3層を順に積層塗布した感熱記録材料を用いたカラーフィルターの製造方法において、3層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる3種のジアゾニウム塩化合物とそれぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーとを組み合せたジアゾ感熱記録層3層であり、該3種ジアゾニウム塩化合物をそれぞれが対応する波長で光照射し、次いでこれらの層を全面熱印画し、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた3種別々の色画素を形成させることを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーフィルターの製造方法に関し、特に感熱方式によるカラーフィルターの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶カラーディスプレーは、ガラス等の透明基板上にカラーフィルター、保護膜、マトリックス状またはストライプ状のパターンをもつ透明電極、絶縁膜、配向膜をこの順に有する第1の多層構造体と、ガラス等の透明基板上に全面、マトリックス状またはストライプ状の透明電極、絶縁膜、配向膜をこの順に有する第2の多層構造体を、それぞれの配向膜面を内側にして対向させ、その間にスペーサーを介して張り合わせたセル中に液晶を封入したものを2枚の偏光板の間に挟んだ構造をもつ。また、第1の多層構造体において、マトリックス状またはストライプ状のパターンをもつ透明電極がカラーフィルターの下で透明基板の上にある時もある。
【0003】
カラーフィルターは、透明基板上に、赤色、青色及び緑色のドット状画像をそれぞれマトリックス状またはストライプ状に配置し、それぞれの境界をブラックストライプまたはブラックマトリックスで区分した構造である。
液晶ディスプレー用のカラーフィルターの製造法については、支持体としてガラス等の透明基板を用い、1)染色法、2)印刷法、3)着色した感光性樹脂液の塗布と露光、現像の繰り返しによる着色感光性樹脂液法(着色レジスト法)(例えば、特許文献1〜3等参照。)、4)仮支持体上に形成した画像を順次、最終または仮の支持体上に転写する方法(例えば、特許文献4〜6等参照。)、5)予め着色した感光性樹脂液を仮支持体上に塗布することにより着色層を形成し、順次、直接透明基板上にこの感光性着色層を転写し、露光、現像を繰り返す方法(例えば、特許文献7参照。)、6)仮支持体上に感光性着色層を転写し、露光、現像することを繰り返し行うことにより仮支持体上に多色画像を形成した後、ガラスなどの最終支持体に多色画像を転写する方法(例えば、特許文献8参照。)などにより多色画像を形成することが知られている。そのほかにも電着法、写真法、蒸着法、脱色法などの方法も知られている。
【0004】
次に、カラーフィルターの物理化学的保護と表面の平坦化を目的とする保護層をその上に形成する。保護層としてはアクリル系、ウレタン系、シリコーン系などの樹脂皮膜や酸化珪素などの金属酸化物皮膜のような透明性の高い皮膜をスピンコート、ロールコート、印刷法などにより塗布し、必要に応じて水平放置、溶剤除去を行い、硬化させるといった方法が一般的に用いられている。
【0005】
更にその上に、スパッタリング法や真空蒸着法などの真空成膜法を用いて、酸化インジウム錫(ITO)や酸化錫のような透明導電性の皮膜を成膜させた後、マスク蒸着法、エッチング法等により電極パターン加工を行い、透明電極層を形成する。透明電極層は、着色画像とブラックストライプまたはブラックマトリックス層の下で、透明基板の上に形成することもある。
【0006】
【特許文献1】
特開昭63−298304号公報
【特許文献2】
特開昭63−309916号公報
【特許文献3】
特開平1−152449号公報
【特許文献4】
特開昭61−99103号公報
【特許文献5】
特開昭61−233704号公報
【特許文献6】
特開昭61−279802号公報
【特許文献7】
特開昭61−99102号公報
【特許文献8】
特開昭61−256303号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
これらの主なカラーフィルターの製造方法において、1)染色法ではフォトレジスト塗布、乾燥した透明な膜の部分的染色を繰り返すため、防染層の形成と除去の反復が必要であり製造工程が煩雑であった。2)印刷法では、ガラスへの印刷インキの転写性が劣るため、着色パターンの形状不良や濃度むらを生じやすく、更に3色あるいは4色パターンの位置合わせの点でも不利であり、この方法による品質の良いフィルターの形成は困難であった。3)の方法では、着色層の濃度は、着色層の厚みにより決まるため、着色層の濃度を一定にするためには精密な塗布技術を必要とした。更に、第1色目を形成後、第2色目の着色層を塗布するのは第1の着色層に基づく表面の凹凸のため、実際には均一な塗布層を得るのが困難であった。さらに、4)の方法は、最終支持体への着色画像の転写時に各色の画像を所望の位置に正しく配置する(以下、「位置合わせ」と称す。)ことが困難であった。5)や6)の方法は、着色画像の形成の工程が簡略化され、露光、現像、濃度管理が容易であり、位置合わせも容易であるが、まだまだいくつかの問題があった。
【0008】
特に、これらのいずれの製造方法もその製造工程が長く複雑であり、さらに現像においては、現像用の水溶液を使用するためその乾燥及び廃水処理等の非効率性等の問題も残し、それらを解決する手法が望まれていた。
【0009】
本発明者はこれらの問題点を克服するために新しいカラーフィルターの製造方法を鋭意検討し、直接感熱方式でフルカラー画像を得る方法に着目した。
直接感熱方式でフルカラー画像を得る方法については、例えば、特開平3−288688号公報には、電子供与性無色染料前駆体と電子受容性化合物を組み合せた発色層と、感光波長が異なる2種のジアゾニウム塩化合物とそれぞれのジアゾニウム塩化合物と反応して異なった色相に発色するカプラーを組み合せた2層の発色層、合計3層の発色層を用いることにより、直接感熱方式でフルカラーを得る方法が提案されている。
【0010】
この直接感熱方式において、3層の発色層でイエロー、マゼンタ、シアンの減法混色の3原色画像を形成させることは知られているが、カラーフィルター画素に必要な赤(R)、緑(G)、青(B)という加法混色の3原色画像を形成させることは知られておらず、前記公報の記載の方法では良好なカラーフィルターを製造することができず、発色色素の開発が必要であった。
また、生産性を高めるためにワンショットで光定着を行う場合は、各発色層を光定着することができない。即ち、前記公報記載の方法では良好なカラーフィルターを製造することはできず、光定着できる発色層の開発が必要であった。
本発明は、前記従来技術の問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、減法混色によることなく直接RGBの画素を形成することができ、かつ、そのRGBの色純度の優れたカラーフィルターが作製できるカラーフィルターの製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、直接感熱方式でカラーフィルターの製造する方法を検討した結果、赤(R)、緑(G)、青(B)に発色する色素及び光定着できる発色層を見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、
<1> 透明基板上に基板側から感熱記録層1層、ジアゾ感熱記録層2層を順に積層塗布した感熱記録材料を用いたカラーフィルターの製造方法において、該2層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる2種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれのジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーとを組み合せたジアゾ感熱記録層2層であり、これらの層を逐次、熱印画、全面光照射をし、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた2種別々の色画素を形成させ、ついで感熱記録層の1層を熱印画し残りの1色の画素を形成させることを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
<2> 前記ジアゾニウム塩化合物の極大吸収波長が445±50nmと365±30nmの領域に分画されている2種のジアゾニウム塩化合物を用いることを特徴とする上記<1>に記載のカラーフィルターの製造方法。
【0012】
<3> 前記感熱記録層が電子供与性無色染料と電子受容性化合物から構成されていることを特徴とする上記<1>または<2>に記載のカラーフィルターの製造方法。
<4> 透明基板上にジアゾ感熱記録層3層を順に積層塗布した感熱記録材料を用いたカラーフィルターの製造方法において、該3層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる3種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーとを組み合せたジアゾ感熱記録層3層であり、これらの層を逐次、熱印画、全面光照射し、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた3種別々の色画素を形成させることを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
【0013】
<5> 透明基板上にジアゾ感熱記録層3層を順に積層塗布した感熱記録材料を用いたカラーフィルターの製造方法において、該3層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる3種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーとを組み合せたジアゾ感熱記録層3層であり、該3種のジアゾニウム塩化合物をそれぞれが対応する波長で光照射し、次いでこれらの層を全面熱印画し、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた3種別々の色画素を形成させることを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
<6> 前記ジアゾニウム塩化合物の極大吸収波長が445±50nm、365±30nm、305±30nmの領域に分画されている3種のジアゾニウム塩化合物を用いることを特徴とする上記<4>または<5>に記載のカラーフィルターの製造方法。
【0014】
<7> 光源のうち少なくともひとつが発光ダイオードであることを特徴とする上記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
<8> 前記極大吸収波長が445±50nmのジアゾニウム塩化合物が下記一般式(1)〜(3)のいずれかであることを特徴とする上記<2>または<6>に記載のカラーフィルターの製造方法。
【化4】
[一般式(1)〜(3)中、R1、R2、及びR4〜R9は同一でも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、R3は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、スルホニル基、アシル基、又はアルコキシカルボニル基を表し、D1はHammettのσp値が−0.05以下の基を表す。
Aは、Hammettのσp値が0.3以上の基を表す。Xは対アニオンを表す。一般式(1)〜(3)中のそれぞれのベンゼン環は更に置換基を有していても良い。]
【0015】
<9> 前記極大吸収波長365±30nmであるジアゾニウム塩化合物が、下記一般式(4)で表されるジアゾニウム塩化合物であることを特徴とする上記<1>〜<8>のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
【化5】
[一般式(4)中、R10及びR11は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、D2はHammettのσp値が0.3未満の基を表す。Xは対アニオンを表す。一般式(4)中のベンゼン環は更に置換基を有していてもよい。]
<10> 前記極大吸収波長305±30nmであるジアゾニウム塩化合物が、下記一般式(5)で表されるジアゾニウム塩化合物であることを特徴とする上記<1>〜<9>のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
【化6】
[一般式(5)中、D3はHammettのσp値が−0.45以上の基を表す。Xは対アニオンを表す。一般式(5)中のベンゼン環は更に置換基を有していても良い。]
<11> 前記ジアゾニウム塩化合物がマイクロカプセルに内包させることを特徴とする上記<1>〜<10>のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のカラーフィルターの製造方法について説明する。
本発明のカラーフィルターの製造方法の態様としては、第1に、透明基板上に基板側から感熱記録層1層、ジアゾ感熱記録層2層を順に積層塗布した感熱記録材料において、該2層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる2種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれのジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーを組み合せたジアゾ感熱記録層2層であり、これらの層を(1層ごとに)逐次、熱印画、全面光照射を(2回繰り返)し、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた2種別々の色画素を形成させ、ついで感熱記録層の1層を熱印画し残りの1色の画素を形成させることを特徴とする態様(第1の態様)がある。
【0017】
また、第2に、透明基板上にジアゾ感熱記録層3層を順に積層塗布した感熱記録材料において、該3層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる3種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーを組み合せたジアゾ感熱記録層3層であり、これらの層を(1層ごとに)逐次、熱印画、全面光照射し、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた3種別々の色画素を形成させることを特徴とする態様(第2の態様)がある。
【0018】
さらに、第3に、透明基板上にジアゾ感熱記録層3層を順に積層塗布した感熱記録材料において、該3層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる3種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーを組み合せたジアゾ感熱記録層3層であり、該3種のジアゾニウム塩化合物をそれぞれの対応する波長で光照射し、次いでこれらの層を全面熱印画し、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた3種別々の色画素を形成させることを特徴とする態様(第3の態様)がある。
【0019】
以下、各態様(第2、第3及び第1態様)、他の層及び構成成分等について説明する。
【0020】
[第2の態様]
透明基板上にジアゾ感熱記録層3層を順に積層塗布した感熱記録材料を用いたカラーフィルターの製造方法において、該3層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる3種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーを組み合せたジアゾ感熱記録層3層であり、これらの各層を1層ごとに、逐次、画像様熱印画、全面光照射し、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた3種別々の色画素を形成させる。
このようにすることによって、従来のY(イエロー)、M(マゼンタ)及びC(シアン)の減法混色による画像とは全く異なり、色濁りの無い、いわゆる色純度の高いRGB画素を有するカラーフィルターを得ることができる。
【0021】
(ジアゾ感熱記録層)
第2の態様におけるジアゾ感熱記録層3層は、感光波長が異なる3種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーを組み合せた異なる赤(R)、緑(G)、青(B)の色相を形成するジアゾ感熱記録層3層であり、これらの層構成は、前記の通り、特に限定せずに、任意に取り得ることができる。
【0022】
また、該ジアゾ感熱記録層3層の各層は、それぞれ異なる色相である赤(R)、緑(G)、青(B)から選ばれる色相の1つを有すればよく、第1層〜第3層の色相は限定されるものではなく、種々の色相の構成とすることができる。
【0023】
前記の通り、本態様はいずれの層構成をも取り得るが、逐次で記録する場合には、透明基板に最も近い第1層に、極大吸収波長305±30nmのジアゾニウム塩化合物(以下、「第3のジアゾニウム塩化合物」とも言う。)を含むジアゾ感熱記録層(以下、「A層」とも言う。)を設けることが好ましい。
これは、305±30nmの波長領域において殆どの有機化合物が吸収を持つため、前記第3のジアゾニウム塩化合物を有するジアゾ感熱記録層を第3層(透明基板から最も遠い層)に設け、光定着を最初に行うとき第1層、第2層のジアゾニウム塩化合物も一部定着してしまう場合があるからである。
【0024】
即ち、好ましい層構成としては、極大吸収波長305±30nmのジアゾニウム塩化合物を含むジアゾ感熱記録層を第1層に有し、極大吸収波長365±30nmのジアゾニウム塩化合物(以下、「第2のジアゾニウム塩化合物」とも言う。)を含むジアゾ感熱記録層(以下、「B層」ともいう。)と極大吸収波長445±50nmのジアゾニウム塩化合物(以下、「第1のジアゾニウム塩化合物」とも言う。)を含むジアゾ感熱記録層(以下、「C層」ともいう。)のいずれかの一方の層が第2層を、また、もう一方の層が第3層を形成することが好ましい。これらは、適宜用途に応じて選択することができる。例えば、印画時間を短縮する点においては、前記B層が第3層を形成することが好ましい。
【0025】
また、画像形成後の第3層の画像部は光を吸収しやすいため、第2層の光定着は、第3層への影響を考慮することが好ましい。第2層と第1層との関係においても同様である。即ち、上層への影響を考慮した層構成とすることが好ましい。その点を考慮すると第3層の色相としては、光の吸収が少ない青色(B)が最も好ましく、次いで緑色(G)が好ましいことが分かる。以上のことから、本発明における感熱記録材料の色相としては次の組合わせが好ましい。
透明基板から順に、青色(B)/緑色(G)/赤色(R) 、緑色(G)/青色(B)/赤色(R)、青色(B)/赤色(R)/緑色(G)である。
【0026】
前記各層は、前記極大吸収波長を有するジアゾニウム塩化合物を単独でも用いても、また、同じ前記極大吸収波長と同じ色相を有する異なる2種以上のジアゾニウム塩化合物を併用してもよい。ここで、2つの「同じ」とは、全く同一であることを意味するのではなく、同じ目的に使用することが可能であるような程度の意味合いを示す。
【0027】
前記ジアゾ感熱記録層3層は、それぞれが異なる色相を有することができることにより、前記極大吸収波長の層構成に、異なる赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色相に基づいた層構成を絡めた形態の層構成とすることができる。これらにより、多種多様な目的に応じたカラーフィルターを得ることができる。
【0028】
(製造方法)
本態様のパターン画像形成によるカラーフィルターの製造方法は、以下のようにして行うことができる。即ち、例えば、多色感熱記録材料のジアゾ感熱記録層が設けられた側の表面を、サーマルヘッド等の加熱装置により画像様に加熱印画することにより、ジアゾ感熱記録層の加熱部で、層中のポリウレア及び/又はポリウレタンを含むカプセル壁が軟化して物質透過性となり、カプセル外のカプラーや塩基性物質(有機塩基)がマイクロカプセル内に浸入すると、画像様に発色して画像形成する。
前記ジアゾニウム塩化合物を含むジアゾ感熱記録を発色させた後、さらにジアゾニウム塩化合物の吸収波長に相当する光を照射することにより(光定着)、ジアゾニウム塩化合物が分解反応を起こしてカプラーとの反応性を失い、画像の定着を図ることができる。上記のように光定着を施すことにより、未反応のジアゾニウム塩化合物は、分解反応を生じてその活性を失うため、形成した画像の濃度変動や、非画像部(地肌部)におけるステインの発生による着色、即ち、白色性の低下、該低下に伴う画像コントラストの低下を抑制することができる。
【0029】
前記光定着に用いる光源としては、種々の発光ダイオード、蛍光灯、キセノンランプ、水銀灯等が挙げられ、これら光源の発光スペクトルが感熱記録材料中のジアゾニウム塩の吸収スペクトルとほぼ一致していることが、高効率に定着しうる点で好ましい。また、光定着の経時的安定性の観点から発光ダイオードが好ましい。本態様においては、前記光源のうち少なくとも一つが発光ダイオードであることが好ましい。
特に、本態様においては、照射される光の発光中心波長が、350〜480nmの光源を用いることが特に好ましい。
【0030】
本態様におけるカラーフィルターの製造方法の一例を、以下に具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、透明基板から最も遠い第3層の表面をサーマルヘッド等の加熱装置により画像様に加熱して、該層に含まれるジアゾニウム塩化合物(例えば、極大吸収波長域445±50nm)、とカプラーとを発色させ、R、G、Bの異なる色相から選択される第1の色相を有する色画素を得る(例えば、B画素。)。次いで、該ジアゾニウム塩化合物の極大吸収波長域の光を照射して、該層中に含まれている未反応のジアゾニウム塩化合物を分解させる。
次に、第2層が発色するのに十分な熱を与え、該層に含まれるジアゾニウム塩化合物(例えば、極大吸収波長域365±30nm)とカプラーとを発色させ、R、G、Bの異なる色相から選択される第1の色相とは異なる第2の色相を有する色画素を得る(例えば、G画素。)。このとき第3層のジアゾ感熱記録層も同時に強く加熱されるが、既にジアゾニウム塩化合物は分解しており、発色能力が失われているので発色しない。この後、該ジアゾニウム塩化合物の極大吸収波長域の光を照射して、該層中に含まれている未反応のジアゾニウム塩化合物を分解させる。
最後に、第1層が発色するのに十分な熱を与え、該層に含まれるジアゾニウム塩化合物(例えば、極大吸収波長域305±30nm)とカプラーとを発色させ、R、G、Bの異なる色相から選択される第1及び第2の色相とは異なる第3の色相を有する色画素を得る(例えば、R画素。)。このとき第2層も同時に強く加熱されるが、既にジアゾニウム塩化合物は分解しており、発色能力が失われているので発色しない。この後、該ジアゾニウム塩化合物の極大吸収波長域の光を照射して、該層中に含まれている未反応のジアゾニウム塩化合物を分解させる。これらの操作を行うことによって、従来のY(イエロー)、M(マゼンタ)及びC(シアン)の減法混色による画像とは全く異なり、余分な波長における色相を有さない色濁りの無い、いわゆる色純度の高いRGB画素を有するカラーフィルターを得ることができる。
【0031】
[第3の態様]
透明基板上にジアゾ感熱記録層3層を順に積層塗布した感熱記録材料を用いたカラーフィルターの製造方法において、該3層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる3種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーを組み合せたジアゾ感熱記録層3層であり、該3種のジアゾニウム塩化合物をそれぞれの対応する波長で光照射し、次いでこれらの層を全面熱印画し、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた3種別々の色画素を形成させる。
このようにすることによって、従来のY(イエロー)、M(マゼンタ)及びC(シアン)の減法混色による画像とは全く異なり、色濁りの無い、いわゆる色純度の高いRGB画素を有するカラーフィルターを得ることができる。
【0032】
(ジアゾ感熱記録層)
第3の態様におけるジアゾ感熱記録層3層は、感光波長が異なる3種のジアゾニウム塩化合物、即ち、前記第1、第2及び第3のジアゾニウム塩化合物と、それぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーとを組み合せた異なる赤(R)、緑(G)、青(B)の色相を形成するジアゾ感熱記録層3層の層構成であれば良く、特に限定されず、任意に選定することができる。
【0033】
また、前記3層は、それぞれ異なる色相である赤(R)、緑(G)、青(B)から選ばれる色相の1つを有すればよく、第1層〜第3層の色相は限定されるものではなく、種々の色相の層構成とすることができる。
【0034】
前記各層は、前記極大吸収波長を有するジアゾニウム塩化合物を単独でも用いても、また、同じ前記極大吸収波長と同じ色相を有する異なる2種以上のジアゾニウム塩化合物を併用してもよい。ここで、2つの「同じ」とは、全く同一であることを意味するのではなく、同じ目的に使用することが可能であるような程度の意味合いを示す。
【0035】
(製造方法)
本態様のパターン画像形成によるカラーフィルターの製造方法は、以下のようにして行うことができるが、本態様はこれらに限定されるものではない。
即ち、例えば、透明基板上にジアゾ感熱記録層3層が設けられた側の表面を、フォトマスク等を介して発光中心波長445nm、365nm、305nmを有する紫外線ランプを用いて、順番に1層ごと画像様に露光する。露光する際に、ブラックマトリックスを形成する部分は露光を行わず、また、RGBマトリックスを形成する部分には、前記紫外線ランプのうち異なる2波長で露光して、ジアゾニウム塩化合物のいずれか1種のみを残存させる。
次に、サーマルヘッド等の加熱装置(サーマルヘッドKTS、京セラ社製)にて全層全面加熱することにより、前記ジアゾ感熱記録層3層中のそれぞれのポリウレア及び/又はポリウレタンを含むカプセル壁が軟化して物質透過性となり、カプセル外のカプラーや塩基性物質(有機塩基)がマイクロカプセル内に浸入し、各層に残存するジアゾニウム塩化合物は、対応するカプラーと反応してR、G、Bの画像様に発色してジアゾ感熱記録層3層の全層において各層毎に色相を異にするRGB画像を形成する。
【0036】
このように前記ジアゾニウム塩化合物を含むジアゾ感熱記録層を発色させる前に、ジアゾ感熱記録層のジアゾニウム塩化合物の吸収波長に相当する光を照射することにより(光定着)、ジアゾニウム塩化合物が分解反応を起こしてカプラーとの反応性を失い画像の定着を図ることができる。
最初に加熱発色させた後に光定着をする場合に比べて、熱と光の指向性の差により、さらにR、G、Bの各マトリックスの境界がより鮮明となり画像コントラストに優れたものを得ることができる。また、未反応のジアゾニウム塩化合物は、光定着による分解反応によりその活性を失うため、形成した画像の濃度変動や、非画像部(地肌部)におけるステインの発生による着色、即ち、白色性の低下、該低下に伴う画像コントラストの低下を抑制することができる。
【0037】
本態様は、その画像様パターン形成において、まずジアゾ感熱記録層に含まれるジアゾニウム塩化合物の感光波長の光を画像様に照射し、続いて、全面熱印画して画像を形成するものである。
つまり、RGBの異なる3つの色相から1つの色相を有する色画素(RGBの各マトリックス)を形成する場合、前記ジアゾ感熱記録層3層に含有される異なる3種のジアゾニウム塩化合物のうちの2種を有するジアゾ感熱記録層2層に、それぞれに相当する感光波長の光を照射することにより該2層に含まれる2種のジアゾニウム塩化合物は分解する。該ジアゾニウム塩化合物はカプラーと反応して発色する能力が失われる。次に、残る1種のジアゾニウム塩化合物はその後の加熱によりカプラーと反応して画像様に発色し、1つの色相を有する色画素が形成されるものである。その他の2つの色画素も同様に形成される。
【0038】
本態様における画像様パターン形成の方法としては、主として以下の(1)〜(4)の方法等があるが、本態様はそれらに限定されず前記の規定を満たすものであればいずれの方法をも包含するものである。
たとえば、前記画像様パターン形成の方法としては、(1)ジアゾ感熱記録層の全3層に、逐次に1層ごとにフォトマスクを介して画像様光照射し、全3層の光照射後に全面全層熱印画する方法、(2)ジアゾ感熱記録層の第3層、第2層にフォトマスクを介して、逐次に画像様光照射し、該第3層と該第2層を同時全面熱印画後、最後に、第1層へ画像様光照射をして全面熱印画する方法、(3)ジアゾ感熱記録層の第3層に、フォトマスクを介して画像様光照射し、全面熱印画、続いて、第2層、第1層に逐次に画像様光照射後、最後に、第2層と第1層の同時全面熱印画する方法、(4)ジアゾ感熱記録層の第3層にフォトマスクを介して画像様光照射し、続いて、全面熱印画、続いて、第2層に画像様光照射し、続いて、全面熱印画、最後に、第1層に画像様光照射、続いて、全面熱印画する方法、等があるが、目的に応じて適宜種々の方法を選択することができ、特にこれらの方法に限定されるものではない。
また、連続する工程、例えば、熱印画(光照射)の後、更に続いて熱印画(光照射)の場合、目的に支障を来さない限り、同時に行ってもよい。
【0039】
前記露光に用いる光源としては、前記第2の態様に記載したものと同様であり、好ましいものも同様である。
【0040】
前記フォトマスク等とは、光を選択的に薄膜に映写する道具のことであり、不要の光を遮断して、特定の発光中心波長を有する光を透過させるものであれば特に限定されるものではない。
【0041】
以下のように、本発明おけるカラーフィルターの製造方法を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、第3層のジアゾ感熱記録層に青色(B)画素を形成する場合、第1層及び第2層の赤色(R)画素及び緑色(G)画素の形成部分に相当する第3層の部分にフォトマスクを介して発光中心波長445nmを有する紫外線ランプを用いて光照射し、第3層に含まれる不必要なジアゾニウム塩化合物を失活させる。一方、ブラックマトリックス形成部分には紫外線照射を行わない。この操作により、第3層は発色前のジアゾニウム塩化合物(例えば、B発色)を残存する。ここで、青色(B)画素、緑色(G)画素および赤色(R)画素はそれぞれBマトリックス、Gマトリックス及びRマトリックスとも言う。
【0042】
続いて、第2層において、第1層及び第3層の赤色(R)画素及び緑色(B)画素の形成部分に相当する第2層の部分にフォトマスクを介して発光中心波長365nmを有する紫外線ランプを用いて光照射し、第2層に含まれる不必要なジアゾニウム塩化合物を失活させる。一方、ブラックマトリックス形成部分には紫外線照射を行わない。この操作により、第2層は発色前のジアゾニウム塩化合物(例えば、G発色)を残存する。
【0043】
さらに、第1層において、第2層及び第3層の緑色(G)画素及び青色(B)画素の形成部分に相当する第1層の部分にフォトマスクを介して発光中心波長305nmを有する紫外線ランプを用いて光照射し、第1層に含まれる不必要なジアゾニウム塩化合物を失活させる。一方、ブラックマトリックス形成部分には紫外線照射を行わない。この操作により、第1層は発色前のジアゾニウム塩化合物(例えば、R発色)を残存する。
【0044】
最後に、第1層〜第3層までのジアゾ感熱記録層をサーマルヘッドKST等を用いて全面加熱して、該3層に含まれるジアゾニウム塩化合物とカプラーとを反応させ発色させることにより、赤色(R)、緑色(G)及び、青色(B)の中から選択された異なる色画素をそれぞれの層において得ることができる。即ち、この例においては、第1層、第2層及び第3層の順に赤色(R)、緑色(G)及び、青色(B)の色画素を得る。また、露光されいないブラックマトリックス形成部分は、加熱により黒色のブラックマトリックスを形成する。
【0045】
前記操作により、ブラックマトリックスを形成する部分には露光が行われずジアゾニウム塩化合物は全て残存しており、RGBマトリックスを形成する部分には上記発光中心波長を有する紫外線ランプのうち、2波長の光が露光され、ジアゾニウム塩化合物のいずれか1種だけが残存していることになり、その後の全面熱印画によりカラーフィルターを得ることができる。
これらの操作を行うことによって、色濁りの無い、いわゆる色純度の高いRGB画素を有するカラーフィルターを得ることができる。
【0046】
前記光照射は、所望の色画素を得るために必要なフィルターを適宜選定することにより、異なる2波長の光を同時に照射することができ、同時に2層のジアゾニウム塩化合物を失活させることもできる。
【0047】
[第1の態様]
透明基板上に基板側から感熱記録層1層、ジアゾ感熱記録層2層を順に積層塗布した感熱記録材料を用いたカラーフィルターの製造方法において、該2層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる2種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれのジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーを組み合せたジアゾ感熱記録層2層であり、これらの層を1層ごとに逐次、熱印画、全面光照射を2回繰り返し、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた2種別々の色画素を形成させ、ついで感熱記録層の1層を熱印画し残りの1色の画素を形成させる態様である。
【0048】
(ジアゾ感熱記録層)
透明基板上に直接積層される後述の感熱記録層(第1層)上に、感光波長が異なる2種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーを組合せたジアゾ感熱記録層2層(第2層、第3層)を有する。
【0049】
前記ジアゾ感熱記録層2層に含有される2種のジアゾニウム塩化合物は極大吸収波長が445±50nm(第1のジアゾニウム塩化合物)と365±30nm(第2のジアゾニウム塩化合物)の領域に分画されている2種のジアゾニウム塩化合物であることが好ましい。これらの2種のジアゾニウム塩化合物はそれぞれ別々に第2層及び第3層のいずれかの層に用いることができ、特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができる。
印画時間を短縮するという観点では、前記第2のジアゾニウム塩化合物を第2層に、前記第1のジアゾニウム塩化合物を第3層とすることもできる。
【0050】
第3層におけるジアゾニウム塩化合物の感光波長に対する、第2層におけるジアゾニウム塩化合物の感光波長の、モル吸光係数の割合が20%以下であることが好ましい。
即ち、第3層におけるジアゾニウム塩化合物の吸光波長領域が第2層におけるジアゾニウム塩化合物の感光波長と重なる吸収波長領域を持たないことが好ましいが、重なっても、前記モル吸光係数の割合を20%以下とすることにより、第3層を定着する際、その影響が第2層に及ばない。
【0051】
(感熱記録層)
感熱記録層は、その発色系としては、電子供与性無色染料と電子受容性化合物の組合せ、塩基性化合物と接触して発色する塩基発色系、キレート発色系、求核剤と反応して脱離反応を生じて発色する発色系等の感熱記録材料に通常用いられるものが制限無く使用可能であるが、電子供与性無色染料と電子受容性化合物の組合せが好ましい。
【0052】
本態様における前記ジアゾ感熱記録層2層、感熱記録層1層の各層はそれぞれ異なる色相である、赤(R)、緑(G)、青(B)から選ばれる色相の1つを有すればよく、これらの3層の各色相は限定されるものではなく、種々の色相の構成とすることができる。
【0053】
また、画像形成後の第3層の画像部は光を吸収しやすいため、第2層の光定着は、第3層への影響を考慮することが好ましい。第2層と第1層との関係においても同様である。即ち、上層への影響を考慮した層構成とすることが好ましい。その点を考慮すると第3層の色相としては、光の吸収が少ない青色(B)が最も好ましく、次いで緑色(G)が好ましいことが分かる。以上のことから、本発明における感熱記録材料の色相としては次の組合わせが好ましい。
透明基板から順に、青色(B)/緑色(G)/赤色(R) 、緑色(G)/青色(B)/赤色(R)、青色(B)/赤色(R)/緑色(G)である。
【0054】
(製造方法)
第1の態様のパターン画像形成によるカラーフィルターの製造方法は、以下のようにして行うことができる。ここで、感熱記録層はジアゾ感熱記録層を含むものとする。
即ち、例えば、感熱記録材料の感熱記録層が設けられた側の表面を、サーマルヘッド等の加熱装置により画像様に加熱印画することにより、感熱記録層の加熱部で、層中のポリウレア及び/又はポリウレタンを含むカプセル壁が軟化して物質透過性となり、カプセル外のカプラーや塩基性物質(有機塩基)がマイクロカプセル内に浸入すると、画像様に発色して画像形成する。
前記感熱記録層がジアゾ感熱記録層の場合、その発色後、さらにジアゾニウム塩化合物の吸収波長に相当する光を照射することにより(光定着)、ジアゾニウム塩化合物が分解反応を起こしてカプラーとの反応性を失い、画像の定着を図ることができる。上記のように光定着を施すことにより、未反応のジアゾニウム塩化合物は、分解反応を生じてその活性を失うため、形成した画像の濃度変動や、非画像部(地肌部)におけるステインの発生による着色、即ち、白色性の低下、該低下に伴う画像コントラストの低下を抑制することができる。
【0055】
前記光定着に用いる光源としては、種々の発光ダイオード、蛍光灯、キセノンランプ、水銀灯等が挙げられ、これら光源の発光スペクトルが感熱記録材料中のジアゾニウム塩の吸収スペクトルとほぼ一致していることが、高効率に定着しうる点で好ましい。また、光定着の経時的安定性の観点から発光ダイオードが好ましい。本態様においては、前記光源のうち少なくとも一つが発光ダイオードであることが好ましい。また、照射される光の発光中心波長が、350〜480nmの光源を用いることが特に好ましい。
【0056】
本態様におけるカラーフィルターの製造方法としては、例えば、以下のようにして行うことができる。
以下は、透明基板上に電子供与性無色染料前駆体と電子受容性化合物を含有する感熱記録層(第1層)と、第1のジアゾニウム塩化合物を含む第一のジアゾ感熱記録層(第2層)と、第2のジアゾニウム塩化合物を含む第ニのジアゾ感熱記録層(第3層)とを有するカラーフィルターである。
まず、ジアゾ感熱記録層(第3層)を画像様に加熱し、該層に含まれるジアゾニウム塩化合物とカプラーとを反応させ発色させる。次いで、445±50nmの光を照射してジアゾ感熱記録層(第3層)中に含まれている未反応のジアゾニウム塩を分解させる。
次に、第2層のジアゾ感熱記録層が発色するに十分な熱を与え、該層に含まれているジアゾニウム塩化合物とカプラー化合物とを反応させ発色させる。このとき、第3層のジアゾ感熱記録層も同時に強く加熱されるが、既にジアゾニウム塩化合物は分解しており、発色能力が失われているので発色しない。この後、365±30nmの光を照射して第2層のジアゾ感熱記録層に含まれているジアゾニウム塩化合物を分解させる。
最後に、第1層の感熱記録層が発色するに十分な熱を与えて発色させる。このとき、第2層、第3層のジアゾ感熱記録層も同時に強く加熱されるが、既にジアゾニウム塩は分解しており、発色能力が失われているので発色しない。
【0057】
本発明において、前記カラーフィルターの感熱記録層、ジアゾ感熱記録層相互の混色を防ぐ目的で、各感熱記録層間に中間層を設けることもできる。
該中間層は、ゼラチン、フタル化ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子化合物からなり、適宜各種添加剤を含んでいてもよい。
【0058】
本発明におけるカラーフィルターは、必要に応じて、さらにその上層として保護層を設けることが望ましい。
【0059】
本明細書において、以下、特に断らない限り、感熱記録層はジアゾ感熱記録層をも含んだ意味で用いるものとする。
【0060】
(ジアゾニウム塩化合物)
本発明に用いられる前記ジアゾニウム塩化合物としては、前記第2、3の態様において、3層のジアゾ感熱記録層にはそれぞれ感光波長の異なる3種のジアゾニウム塩化合物を有し、該ジアゾニウム塩化合物が第1、第2及び第3のジアゾニウム塩化合物であることが好ましい。また、第1の態様における2層のジアゾ感熱記録層の各層には、それぞれ感光波長の異なる2種のジアゾニウム塩化合物を有し、該ジアゾニウム塩化合物が該第1及び第2のジアゾニウム塩化合物であることが好ましい。
【0061】
−第1のジアゾニウム塩化合物−
第1のジアゾニウム塩化合物は、極大吸収波長445±50nmの範囲のジアゾニウム塩化合物である。前記極大吸収波長の範囲内であると、ジアゾニウム塩の安定性が劣化がしにくく、実用性が向上する点で好ましい。第1のジアゾニウム塩化合物の極大吸収波長の範囲は、より好ましくは、395〜470nmである。
第1のジアゾニウム塩化合物としては、一般式(1)〜(3)で表されるジアゾニウム塩化合物であることが好ましい。
【0062】
【化7】
【0063】
一般式(1)〜(3)中、R1、R2、及びR4〜R9は同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、又はアリール基、R3は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、スルホニル基、アシル基、又はアルコキシカルボニル基を表し、D1はHammettのσp値が−0.05以下の電子供与性基を表し、中でも、置換アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、又は、アリールオキシ基が好ましい。
Xは対アニオンを表す。AはHammettのσp値が0.3以上の電子吸引性基を表す。一般式(1)〜(3)中のそれぞれのベンゼン環は更に置換基を有していてもよい。
【0064】
前記R1、R2、R4〜R9は、水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。特に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基が好ましい。アルキル基は分岐していてもよく、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、フェニル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、又はカルバモイル基で置換されていてもよい。また、フェニル基は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシルオキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、又はアシル基で置換されていてもよい。
前記R1、R2、R4〜R9は、具体的には例えば以下に示すものが挙げられる。
【0065】
【化8】
【0066】
前記R3は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、塩素原子、フッ素原子、炭素数1〜15のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、炭素数1〜18のアシル基、又は炭素数1〜18のアルコキシカルボニル基が好ましい。アルキル基、アルキルスルホニル基は分岐していてもよく、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、フェニル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、又はカルバモイル基で置換していてもよい。
アリールスルホニル基は、ハロゲン原子、アルキル基、又はアルコキシ基で置換されていてもよい。
前記R3は、具体的には、例えば、以下に示すものが挙げられる。
【0067】
【化9】
【0068】
前記D1が、Hammettのσp値が−0.05以下の電子供与性基として、置換アミノ基を表わす場合、置換アミノ基としては、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、炭素数6〜10のアリールアミノ基、炭素数7〜20のN−アルキル−N−アリールアミノ基、炭素数2〜20のアシルアミノ基が好ましく、これらの基はさらに1又は2以上の置換基を有していてもよい。また、前記アルキル基等の置換基同士が結合して環状アミノ基を形成してもよい。
D1がHammettのσp値が−0.05以下の電子供与性基として、アルキルチオ基を表わす場合、炭素数1〜18のアルキルチオ基が好ましく、アリールチオ基を表わす場合、炭素数6〜10のアリールチオ基が好ましく、アルコキシ基を表わす場合、炭素数1〜18のアルコキシ基が好ましく、アリールオキシ基を表わす場合、炭素数6〜10のアリールオキシ基が好ましく、これらの基はさらに1又は2以上の置換基を有していてもよい。
ジアゾニウム塩化合物の安定性の観点から、D1がジアルキルアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基が好ましい。
【0069】
前記D1が示すHammettのσp値が−0.05以下の電子供与性基として、置換アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基におけるアルキル基、アリール基としては以下のようなものが挙げられる。
【0070】
【化10】
【0071】
前記Aとしては、スルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、又はシアノ基が好ましい。スルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、R3が表すスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基と同義である。
R8とR9、R13とR14は互いに結合して環を形成していてもよい。
【0072】
酸アニオンX−の例としては、炭素数1〜20のパーフルオロアルキルカルボン酸(例えば、パーフルオロオクタン酸、パーフルオロデカン酸、パーフルオロドデカン酸)、炭素数1〜20のパーフルオロアルキルスルホン酸(例えば、パーフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロデカンスルホン酸、パーフルオロヘキサデカンスルホン酸)、炭素数7〜50の芳香族カルボン酸(例えば、4,4−ジ−t−ブチルサリチル酸、4−t−オクチルオキシ安息香酸、2−n−オクチルオキシ安息香酸、4−t−ヘキサデシル安息香酸、2,4−ビス−n−オクタデシルオキシ安息香酸、4−n−デシルナフトエ酸)、炭素数6〜50の芳香族スルホン酸(例えば、1,5−ナフタレンジスルホン酸、4−t−オクチルオキシベンゼンスルホン酸、4−n−ドデシルベンゼンスルホン酸)、4,5−ジ−t−ブチル−2−ナフトエ酸、テトラフッ化ホウ酸、テトラフェニルホウ酸、ヘキサフルオロリン酸等が挙げられる。中でも、炭素数6〜16のパーフルオロアルキルカルボン酸、炭素数10〜40の芳香族カルボン酸、炭素数10〜40の芳香族スルホン酸、テトラフッ化ホウ酸、テトラフェニルホウ酸、ヘキサフルオロリン酸などが好ましい。
【0073】
一般式(1)中のD1が置換アミノ基を示す場合、置換基同士が結合して形成される環状アミノ基、及び一般式(2)中の−N(R8)R9の環状のものとしては、例えば以下のものが挙げられる。
【0074】
【化11】
【0075】
一般式(3)のインドリル基上のベンゼン環は核置換基を有していてもよく、特に環の安定性の観点から電子吸引性基が好ましい。電子吸引性基のHammettのσp値としては0.1以上が好ましい。中でも、アシル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、スルホンアミド基、又はカルボンアミド基が好ましい。アシル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基は前記R3と同義であり、好ましい態様も同様である。スルホンアミド基は炭素数1〜12のものが好ましく、具体的には、次のものが挙げられる。
【0076】
【化12】
【0077】
カルボンアミド基は、炭素数2〜13のものが好ましく、具体的には以下のものが挙げられる。
【0078】
【化13】
【0079】
以下に、一般式(1)〜(3)で表されるジアゾニウム塩化合物の具体例(例示化合物(1)〜(22))を挙げるが、本発明は以下に限定されるものではない。
【0080】
【化14】
【0081】
【化15】
【0082】
【化16】
【0083】
−第2のジアゾニウム塩化合物−
前記第2のジアゾニウム塩化合物は、極大吸収波長365±30nmの範囲のジアゾニウム塩化合物である。該範囲であると該ジアゾニウム塩化合物の安定性及び光分解性の向上の点で好ましい。第2のジアゾニウム塩化合物の極大吸収波長の範囲は、より好ましくは、350〜385nmである。
前記第2のジアゾニウム塩化合物としては、下記一般式(4)で表されるジアゾニウム塩化合物が好ましい。
【0084】
【化17】
【0085】
一般式(4)中、R10及びR11は、R1と同義であり、好ましい例も同様である。
【0086】
前記D2はアルコキシ基又はアリールオキシ基を表す。該アルコキシ基のアルキル基、アリールオキシ基のアリール基はR1が表すアルキル基、アリール基と同義であり、好ましい例も同様である。
【0087】
以下に、一般式(4)で表されるジアゾニウム塩化合物の具体例(例示化合物(23)〜(29))を挙げるが本発明は以下に限定されるものではない。
【0088】
【化18】
【0089】
また、前記一般式(1)〜(3)及び(4)で示されるジアゾニウム塩化合物において、一般式(4)で示される第2のジアゾニウム塩化合物に対する、一般式(1)〜(3)で示される第1のジアゾニウム塩化合物の波長365nmにおけるモル吸光係数の割合が20%以下のものが好ましい。
【0090】
−第3のジアゾニウム塩化合物−
前記第3のジアゾニウム塩化合物は、極大吸収波長305±30nmの範囲のジアゾニウム塩化合物である。該範囲であると極大吸収範囲の重なりが無く、また、ジアゾニウム塩化合物の安定性と光分解性が向上する点で好ましい。第3のジアゾニウム塩化合物の極大吸収波長の範囲は、より好ましくは、290〜325nmである。
前記第3のジアゾニウム塩化合物としては、下記一般式(5)で表されるジアゾニウム塩化合物が好ましい。
【0091】
【化19】
【0092】
一般式(5)中、D3はHammettのσp値が−0.45以上の基を表す。
Hammettのσp値が−0.45以上の基を表すD3としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子、水素原子、ニトロ基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アルコキシカルボニル基が好ましい。
アルコキシ基としては、置換可能なC1〜20のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ、エトキシ、n−ブチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、3−メチル−5,5−ジメチルヘキシルオキシ、n−デシルオキシ、2−フェノキシエトキシ、2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェニル)オキシエチルオキシ等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、置換可能なC6〜20のアリールオキシ基が好ましく、たとえば、フェノキシ、メチルフェノキシ、イソプロピルフェノキシ、2,4―ジ−(t−ペンチル)フェノキシ、クロロフェノキシ、メトキシフェノキシ等が挙げられる。
アルキル基としては、C1〜8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、n−ヘキシル、t−オクチル等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、C1〜8のアルキルチオ基が好ましく、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n−ブチルチオ、n−オクチルチオ、ベンジルチオ、等が挙げられる。
アリールチオ基としては、置換可能なC6〜10のアリールチオ基が好ましく、例えば、フェニルチオ、メチルフェニルチオ、クロロフェニルチオ、メトキシフェニルチオ、t−ブチルフェニルチオ等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子等が好ましい。
アルキルスルホニル基としては、C1〜8のアルキルスルホニル、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−ブチルスルホニル、n−オクチルスルホニル、ベンジルスルホニル、等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、C2〜10のアルコキシカルボニル、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−ブチルオキシカルボニル、n−オクチルオキシカルボニル等が挙げられる。
【0093】
一般式(5)中のXは、一般式(1)と同義である。一般式(5)中のベンゼン環は、更に置換基を有していても良い。
前記ベンゼン環上に置換基を有する場合、ジアゾ基のオルト位(O−位)に置換されていることが好ましい。該置換基としては、いずれの置換基でも可能であるが、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、シアノ基、アルキルスルホニル基、アルコキシカルボニル基などが好ましい。
前記アルキル基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、アルキルスルホニル基、アルコキシカルボニル基は、前記D3のそれぞれに対応する置換基と同義である。
前記アルコキシ基としては、C1〜16のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−ブチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、3−メチル−5,5−ジメチルヘキシルオキシ、n−ヘキサデシルオキシ等が挙げられる。
【0094】
以下に、一般式(5)で表されるジアゾニウム塩化合物の具体例(例示化合物(30)〜(36))を挙げるが本発明は以下に限定されるものではない。
【0095】
【化20】
【0096】
また、前記一般式(4)及び(5)で示されるジアゾニウム塩化合物においては、前記一般式(5)で示される第3のジアゾニウム塩化合物に対する、一般式(4)で示される第2のジアゾニウム塩化合物の波長305nmにおけるモル吸光係数の割合が20%以下のものが好ましい。
以下、同様に一般式(1)〜(3)で示される第1のジアゾニウム塩化合物に対する一般式(4)で示される第2のジアゾニウム塩化合物の波長445nmにおけるモル吸光係数の割合、一般式(5)で示される第3のジアゾニウム塩化合物に対する一般式(1)〜(3)で示される第1のジアゾニウム塩化合物の波長305nmにおけるモル吸光係数の割合及び一般式(4)で示される第2のジアゾニウム塩化合物に対する一般式(5)で示される第3のジアゾニウム塩化合物の波長365nmにおけるモル吸光係数の割合がそれぞれ20%以下のものが好ましい。
【0097】
また、前記一般式(1)〜(5)で表されるジアゾニウム塩化合物は、油状、結晶状のいずれであってもよいが、取扱い性の点で常温で結晶状態のものが好ましい。このジアゾニウム塩化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、また、既存のジアゾニウム塩化合物と併用してもよい。
【0098】
前記一般式(1)〜(5)で表されるジアゾニウム塩化合物のジアゾ感熱記録層における含有量としては、0.02〜5g/m2が好ましく、発色濃度の点から0.1〜4g/m2がより好ましい。
【0099】
前記一般式(1)〜(5)で表されるジアゾニウム塩化合物の安定化のために、塩化亜鉛、塩化カドミウム、塩化スズ等を用いて錯化合物を形成させ、ジアゾニウム塩化合物の安定化を図ることもできる。
【0100】
(電子供与性無色染料と電子受容性化合物)
本発明に用いる電子供与性無色染料としては、赤色、緑色、青色の各色を出すことができ、その発色色相は組合せる電子受容性化合物により多少変化するものの、大きく変化すること無く、必要に応じて任意に選択することができる。
【0101】
−電子供与性無色染料−
前記電子供与性無色染料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の物の中から適宜選択することができ、本発明においては電子供与性無色染料前駆体を用いることができる。
電子供与性無色染料前駆体および電子受容性化合物などは、特開平6−328860号公報、特開平7−290826号公報、特開平7−314904号公報、特開平8−324116号公報、特開平3−37727号公報、特開平9−31345号公報、特開平9−111136号公報、特開平9−118073号公報、特開平11−157221号公報、などに詳しく記載されている。
本発明に用いられる電子供与性無色染料前駆体として、その具体例(例示化合物(4)−1〜5)を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0102】
【化21】
【0103】
また、前記例示の化合物を単独に用いることもできるが、従来知られているものを混合して用いてもよい。混合に適する化合物(例示化合物(4)−6〜11)を以下に例示する。
【0104】
【化22】
【0105】
−電子受容性化合物の具体例−
電子受容性化合物としては、フェノール誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げられる。特に、ビスフェノール類、ヒドロキシ安息香酸エステル類が好ましい。これらの一部を例示すれば、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(即ち、ビスフェノールP)、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクロロフェニル)プロパン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸およびその多価金属塩、3,5−ジ(tert−ブチル)サリチル酸およびその多価金属塩、3−α,α−ジメチルベンジルサリチル酸およびその多価金属塩、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシル、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノールなどが挙げられる。
【0106】
(カプラー)
次に、本発明のカラーフィルターの製造方法において使用可能なカプラー(カップリング成分)について説明する。
前記カプラーとしては、塩基性雰囲気及び/又は中性雰囲気でジアゾニウム塩化合物とカップリングして色素を形成するものであればいずれの化合物も使用可能である。ハロゲン化銀写真感光材料用のいわゆる4当量カプラー化合物はすべてカプラーとして使用可能である。また、2当量カプラーの一部も使用可能である。これらは目的とする色相に応じて選択することが可能である。
例えば、カルボニル基の隣にメチレン基を有するいわゆる活性メチレン化合物、フェノール誘導体、ナフトール誘導体等があり、具体的には以下のものが挙げられ、本発明の目的に合致する範囲で使用される。
【0107】
前記カプラーの具体例としては、例えば、レゾルシン、フロログルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸アニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシルオキシプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシルアミド、5−アセトアミド−1−ナフトール、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ジアニリド、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、5,5−ジメチル−l,3−シクロヘキサンジオン、1,3−シクロペンタンジオン、5−(2−n−テトラデシルオキシフェニル)−1,3−シクロへキサンジオン、5−フェニル−4−メトキシカルボニル−1,3−シクロヘキサンジオン、5−(2,5−ジーn−オクチルオキシフェニル)−1,3−シクロヘキサンジオン;
【0108】
N,N’−ジシクロヘキシルバルビツール酸、N,N’−ジ−n−ドデシルバルビツール酸、N−n−オクチル−N’−n−オタタデシルバルビツール酸、N−フェニル−N’−(2,5−ジ−n−オクチルオキジフェニル)バルビツール酸、N,N’−ビス(オクタデシルオキシカルボニルメチル)バルビツール酸、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−アニリノ−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、6−ヒドロキシ−4−メチル−3−シアノ−1−(2−エチルヘキシル)−2−ピリドン、2,4−ビス−(ベンゾイルアセトアミド)トルエン、1,3−ビス−(ピバロイルアセトアミドメチル)ベンゼン、ベンゾイルアセトニトリル、テノイルアセトニトリル、アセトアセトアニリド、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイルアセトアニリド、2−クロロ−5−(N−n−ブチルスルファモイル)−1−ビバロイルアセトアミドベンゼン、1−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(ドデシルオキシプロピル)−3−アセチル−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(4−n−オクチルオキシフェニル)−3−tert−ブチル−5−アミノピラゾール等が挙げられる。
【0109】
カプラーの詳細については、特開平4−201483号、特開平7−223367号、特開平7−223368号、特開平7−323660号、特開平7−125446号、特開平7−96671号、特開平7−223367号、特開平7−223368号、特開平9−156229号、特開平9−216468号、特開平9−216469号、特開平9−203472号、特開平9−319025号、特開平10−35113号、特開平10−193801号、特開平10−264532号等の公報に記載されている。
【0110】
上記のうち、本発明においては、下記一般式(IV)で表される化合物又はその互変異性体が特に好ましい。
以下に、一般式(IV)で表されるカプラーについて詳述する。
【0111】
【化23】
一般式(IV)中、E1とE2はそれぞれ独立に電子吸引性基を表し、Xはアゾカップリングするときに離脱してアゾ色素を形成することができる基を表し、またE1とびE2は結合して環を形成してもよい。
【0112】
前記E1及びE2で表される電子吸引性基とは、Hammettのσp値が正である置換基を意味し、これらは同一であっても異なっていてもよく、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、クロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、1−メチルシクロプロピルカルボニル基、1−エチルシクロプロピルカルボニル基、1−ベンジルシクロプロピルカルボニル基、ベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、テノイル基等のアシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−メトキシエトキシカルボニル基、4−メトキシフェノキシカルボニル基等のオキシカルボニル基;カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−〔2,4−ビス(ペンチルオキシ)フェニル〕カルバモイル基、N−〔2,4−ビス(オクチルオキシ)フェニル〕カルバモイル基、モルホリノカルボニル基等のカルバモイル基;メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等のアルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基;ジエチルホスホノ基等のホスホノ基;ベンゾオキサゾール−2−イル基、ベンゾチアゾール−2−イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン−2−イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−スルホン−2−イル基等の複素環基;ヘテロ環基;ニトロ基;イミノ基;シアノ基が好適に挙げられる。
【0113】
また、E1及びE2で表される電子吸引性基は、両者が結合し環を形成してもよい。E1及びE2で形成される環としては、5員ないし6員の炭素環又は複素環が好ましい。
【0114】
Xはアゾカップリング時に脱離する基を示すが、離脱基Xとしては、ハロゲン原子(フッ素、臭素、塩素、沃素)、置換アルキル基(ヒドロキシメチル基、ジメチルアミノメチル基)、アルキルチオ基(例えば、エチルチオ基、2−カルボキシエチルチオ基、ドデシルチオ基、1−カルボキシドデシルチオ基)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、2−ブトキシ−t−オクチルフェニルチオ基)、アルコキシル基(例えば、エトキシ基、ドデシルオキシ基、メトキシエチルカルバモイルメトキシ基、カルボキシプロピルオキシ基、メチルスルホニルエトキシ基、エトキシカルボニルメトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、4−メチルフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−カルボキシフェノキシ基、3−エトキシカルボキシフェノキシ基、3−アセチルアミノフェノキシ基、2−カルボキシフェノキシ基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、テトラデカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基)、アリールスルホニルオキシ基(例えば、トルエンスルホニルオキシ基)、ジアルキルアミノカルボニルオキシ基(例えば、ジメチルアミノカルボニルオキシ基、ジエチルアミノカルボニルオキシ基)、ジアリールアミノカルボニルオキシ基(例えば、ジフェニルアミノカルボニルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(例えば、エトキシカルボニルオキシ基、ベンジルオキシカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ基)、又は複素環基(例えば、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基)が挙げられる。
【0115】
以下に、一般式(IV)で表されるカプラーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、以下に示すカプラーの互変異性体も好適なものとして挙げることができる。
【0116】
【化24】
【0117】
【化25】
【0118】
【化26】
【0119】
【化27】
【0120】
【化28】
【0121】
【化29】
【0122】
【化30】
【0123】
前記カプラーの互変異性体とは、上記に代表されるカプラーの異性体として存在するものであって、その両者間で構造が容易に変化し合う関係にあるものをいい、本発明に用いるカプラーとしては、該互変異性体も好ましい。
【0124】
(ジアゾニウム塩化合物とカプラーとの組合せ具体例)
本発明の前記第1〜第3の態様において用いられる前記極大吸収波長が445±50nmのジアゾニウム塩化合物と、該ジアゾニウム塩化合物と発色反応する前記カプラーとは、赤色、緑色、青色を出すことができる。その具体的な組合せ例(例示組合せ(1)−1〜10)を下記する。本発明に用いられる組み合わせはこれらに限定されるものではなく、所望の色相を発色する組合せは適宜選択使用することができる。
【0125】
【表1】
【0126】
【表2】
【0127】
【表3】
【0128】
本発明の前記第1〜3の態様において用いられる前記極大吸収波長が365±30nmのジアゾニウム塩化合物と、該ジアゾニウム塩化合物と発色反応する前記カプラーは、赤色、緑色、青色を出すことができる。その具体的な組合せ例(例示組合せ(2)−1〜7)を下記するが、本発明に用いられる組み合わせはこれらに限定されるものではなく、所望の色相を発色する組合せは適宜選択使用することができる。
【0129】
【表4】
【0130】
【表5】
【0131】
本発明の前記第2及び第3の態様において用いられる前記極大吸収波長が305±30nmのジアゾニウム塩化合物と、該ジアゾニウム塩化合物と発色反応する前記カプラーは、赤色、青色を出すことができる。その具体的な組合せ例(例示組合せ(3)−1〜3)を下記するが、本発明に用いられる組み合わせはこれらに限定されるものではなく、所望の色相を発色する組合せは適宜選択使用することができる。
【0132】
【表6】
【0133】
(マイクロカプセル化)
本発明のカラーフィルターの製造方法に用いられる前記ジアゾニウム塩化合物はその使用前の生保存性を良化する目的で、マイクロカプセルに内包させることが好ましい。該マイクロカプセルの形成方法としては、既に公知の方法の中から適宜選択することができる。
マイクロカプセルのカプセル壁を形成する高分子物質としては、常温では非透過性であり、加熱時に透過性となる性質を有することが必要である点から、特にガラス転移温度が60〜200℃のものが好ましく、例えば、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレン・メタクリレート共重合体、スチレン・アクリレート共重合体及びこれらの混合系を挙げることができる。
【0134】
マイクロカプセル形成方法としては、具体的には、界面重合法や内部重合法が適している。該カプセル形成方法の詳細及びリアクタントの具体例等については、米国特許第3,726,804号、同第3,796,669号等の明細書に記載がある。例えば、カプセル壁材として、ポリウレア、ポリウレタンを用いる場合には、ポリイソシアネート及びそれと反応してカプセル壁を形成する第2物質(例えば、ポリオールやポリアミン)を水性媒体又はカプセル化すべき油性媒体中に混合し、水中でこれらを乳化分散し次に加温することにより油滴界面で高分子形成反応を起こしマイクロカプセル壁を形成する。尚、上記第2物質の添加を省略した場合もポリウレアを生成することができる。
【0135】
本発明においては、マイクロカプセルのカプセル壁を形成する高分子物質としては、ポリウレタン及び/又はポリウレアを成分として含有することが、製造適性と熱応答感度に優れるので好ましい。
【0136】
次に、ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル(ポリウレア・ポリウレタン壁)の製造方法について述べる。
まず、ジアゾニウム塩化合物は、カプセルの芯となる疎水性の有機溶媒に溶解又は分散させ、マイクロカプセルの芯となる油相を調製する。このとき、さらに壁材として多価イソシアネートが添加される。
【0137】
前記油相の調製に際し、ジアゾニウム塩化合物を溶解、分散してマイクロカプセルの芯の形成に用いる疎水性の有機溶媒としては、沸点100〜300℃の有機溶媒が好ましく、例えば、アルキルナフタレン、アルキルジフェニルエタン、アルキルジフェニルメタン、アルキルビフェニル、アルキルターフェニル、塩素化パラフィン、リン酸エステル類、マレイン酸エステル類、アジピン酸エステル類、フタル酸エステル類、安息香酸エステル類、炭酸エステル類、エーテル類、硫酸エステル類、スルホン酸エステル類等が挙げられる。これらは2種以上混合して用いてもよい。
【0138】
カプセル化しようとするジアゾニウム塩化合物の前記有機溶媒に対する溶解性が劣る場合には、用いるジアゾニウム塩化合物の溶解性の高い低沸点溶媒を補助的に併用することもでき、該低沸点溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
このため、ジアゾニウム塩化合物は、高沸点疎水性有機溶媒、低沸点溶媒に対する適当な溶解度を有していることが好ましく、具体的には、該溶剤に5%以上の溶解度を有していることが好ましい。水に対する溶解度は1%以下が好ましい。
【0139】
一方、用いる水相には水溶性高分子を溶解した水溶液を使用し、これに前記油相を投入後、ホモジナイザー等の手段により乳化分散を行うが、該水溶性高分子は、分散を均一かつ容易にするとともに、乳化分散した水溶液を安定化させる分散媒として作用する。ここで、更に均一に乳化分散し安定化させるためには、油相あるいは水相の少なくとも一方に界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤は公知の乳化用界面活性剤が使用可能である。
界面活性剤を添加する場合の添加量としては、油相質量に対して0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。
【0140】
調製された油相を分散する水溶性高分子水溶液に用いる水溶性高分子は、乳化しようとする温度における、水に対する溶解度が5%以上の水溶性高分子が好ましく、例えば、ポリビニルアルコール及びその変成物、ポリアクリル酸アミド及びその誘導体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、アラビヤゴム、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0141】
前記水溶性高分子は、イソシアネート化合物との反応性がないか、若しくは低いことが好ましく、例えば、ゼラチンのように分子鎖中に反応性のアミノ基を有するものは、予め変成する等して反応性をなくしておくことが好ましい。
【0142】
前記多価イソシアネート化合物としては、3官能以上のイソシアネート基を有する化合物が好ましいが、2官能のイソシアネート化合物であってもよい。具体的には、キシレンジイソシアネート及びその水添物、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート及びその水添物、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネートを主原料とし、これらの2量体あるいは3量体(ビューレットあるいはイソシアヌレート)の他、トリメチロールプロパン等のポリオールとキシリレンジイソシアネート等の2官能イソシアネートとのアダクト体として多官能としたもの、トリメチロールプロパン等のポリオールとキシリレンジイソシアネート等の2官能イソシアネートとのアダクト体にポリエチレンオキシド等の活性水素を有するポリエーテル等の高分子量化合物を導入した化合物、ベンゼンイソシアネートのホルマリン縮合物等が挙げられる。
特開昭62−212190号公報、特開平4−26189号公報、特開平5−317694号公報、特願平8−268721号公報等に記載の化合物が好ましい。
【0143】
多価イソシアネートの使用量としては、マイクロカプセルの平均粒径が0.3〜12μmで、壁厚みが0.01〜0.3μmとなるように決定される。また、その分散粒子径としては、0.2〜10μm程度が一般的である。
水相中に油相を加えた乳化分散液中では、油相と水相の界面において多価イソシアネートの重合反応が生じてポリウレア壁が形成される。
【0144】
水相中又は油相の疎水性溶媒中に、さらにポリオール及び/又はポリアミンを添加しておけば、多価イソシアネートと反応してマイクロカプセル壁の構成成分の一つとして用いることもできる。上記反応において、反応温度を高く保ち、或いは、適当な重合触媒を添加することが反応速度を速める点で好ましい。
これらのポリオール又はポリアミンの具体例としては、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ソルビトール、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。ポリオールを添加した場合には、ポリウレタン壁が形成される。
多価イソシアネート、ポリオール、反応触媒、あるいは、壁剤の一部を形成させるためのポリアミン等については成書に詳しい(岩田敬治編 ポリウレタンハンドブック 日刊工業新聞社(1987))。
【0145】
乳化は、ホモジナイザー、マントンゴーリー、超音波分散機、ディゾルバー、ケディーミル等の公知の乳化装置の中から適宜選択して行うことができる。乳化後は、カプセル壁形成反応を促進させるために乳化物を30〜70℃に加温することが行われる。また、反応中はカプセル同士の凝集を防止するために、加水してカプセル同士の衝突確率を下げたり、十分な攪拌を行う等の必要がある。
【0146】
また、反応中に改めて凝集防止用の分散物を添加してもよい。重合反応の進行に伴って炭酸ガスの発生が観測され、その終息をもっておよそのカプセル壁形成反応の終点とみなすことができる。通常、数時間反応させることにより、目的のジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセルを得ることができる。
【0147】
前記ジアゾニウム塩化合物をマイクロカプセルに内包することにより、本発明におけるカラーフィルターとしての長期安定性をより高めることができる。
【0148】
次に、本発明に用いるカプラーは、例えば、水溶性高分子、有機塩基、その他の発色助剤等とともに、サンドミル等により固体分散して用いることもできるが、特に好ましくは、予め水に難溶性又は不溶性の高沸点有機溶剤に溶解した後、これを界面活性剤及び/又は水溶性高分子を保護コロイドとして含有する高分子水溶液(水相)と混合し、ホモジナイザー等で乳化した乳化分散物として用いることが好ましい。この場合、必要に応じて、低沸点溶剤を溶解助剤として用いることもできる。さらに、カプラー、有機塩基は別々に乳化分散することも、混合してから高沸点有機溶剤に溶解し、乳化分散することも可能である。好ましい乳化分散粒子径は1μm以下である。
【0149】
前記カプラーの使用量としては、ジアゾニウム塩化合物1質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。
【0150】
この場合に使用される高沸点有機溶剤は、例えば、特開平2−141279号公報に記載の高沸点オイルの中から適宜選択することができる。中でも、乳化分散物の乳化安定性の観点から、エステル類が好ましく、リン酸トリクレジルが特に好ましい。上記オイル同士、又は他のオイルとの併用も可能である。
【0151】
前記有機溶剤に、さらに溶解助剤として、低沸点の補助溶剤を加えることもでき、該補助溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル及びメチレンクロライド等を好適に挙げることができる。場合に応じて、高沸点オイルを含まず、低沸点補助溶剤のみを用いることもできる。
【0152】
また、水相中に保護コロイドとして含有させる水溶性高分子としては、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子の中から適宜選択することができ、中でも、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、セルロース誘導体等が好ましい。
【0153】
また、水相中に含有させる界面活性剤としては、アニオン性又はノニオン性の界面活性剤であって、上記保護コロイドと作用して沈澱や凝集を起こさないものを適宜選択して使用することができる。該界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)等が挙げられる。
【0154】
(塩基性物質、その他)
本発明においては、ジアゾニウム塩化合物とカプラーとのカップリング反応を促進する目的で、有機塩基等の塩基性物質を加えることも好ましい態様である。前記有機塩基としては、第3級アミン類、ピぺリジン類、ピペラジン類、アミジン類、ホルムアミジン類、ピリジン類、グアニジン類、モルホリン類等の含窒素化合物等が挙げられ、例えば、特公昭52−46806号公報、特開昭62−70082号公報、特開昭57−169745号公報、特開昭60−94381号公報、特開昭57−123086号公報、特開昭60−49991号公報、特公平2−24916号公報、特公平2−28479号公報、特開昭60−165288号公報、特開昭57−185430号公報に記載のものを好適に挙げることができる。これらは、単独で用いても2種以上併用してもよい。
【0155】
上記のうち、具体的には、N,N’−ビス(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メチルフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス(3−フェニルチオ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N−3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピル−N’−メチルピペラジン、1,4−ビス{〔3−(N−メチルピペラジノ)−2−ヒドロキシ〕プロピルオキシ)ベンゼン等のピペラジン類、N−〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシ〕プロピルモルホリン、1,4−ビス(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン、1,8−ビス(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン等のモルホリン類、N−(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン、N−ドデシルピペリジン等のピペリジン類、トリフェニルグアニジン、トリシクロヘキシルグアニジン、ジシクロヘキシルフェニルグアニジン等のグアニジン類等が好ましい。
【0156】
前記塩基性物質の使用量としては、ジアゾニウム塩化合物1質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。
前記使用量が、0.1質量部未満であると、十分な発色濃度が得られなくなることがあり、30質量部を超えると、ジアゾニウム塩化合物の分解が促進されることがある。
【0157】
本発明のカラーフィルターの製造方法において、カップリング反応を促進する目的で、感熱記録層中に、アミノフェノール系、フェノール系、カテコール系、ハイドロキノン系、アミン系、ヒドロキシアミン系、アルコール系、チオール系、スルフィド系、アルカリ金属、アルカリ土類金属、金属水素化物、ヒドラジン系、フェニドン系、アニリン系、フェニルエーテル系、L−アスコルビン酸類等の還元剤を添加することが好ましく、なかでも、ハイドロキノン系、カテコール系、アミノフェノール系還元剤が好ましい。中でも、ハイドロキノン系、カテコール系、アミノフェノール系が好ましい。
【0158】
これらの還元剤は、感熱記録層に微粒子状態で固体分散させてもよい。また、ジアゾ化合物をマイクロカプセル化した場合には、マイクロカプセルの内に添加することも、内と外の両方に添加することも可能である。
【0159】
また、前記還元剤の含有量は、ジアゾ化合物に対して1〜10倍モルであることが好ましく、1〜4倍モルであることがより好ましい。ジアゾ化合物の含有量の1倍モルより少ない添加量では、発色性の向上効果や、画像保存性の向上効果が充分に得られないことがあり、一方、10倍モルより多く添加すると、却って発色性の向上効果が小さくなったり、また、生保存性が悪化したりすることがある。
【0160】
また、感熱記録層中には、上記塩基性物質の他、発色反応を促進させる、即ち、低エネルギーで迅速かつ完全に熱印画させる目的で、発色助剤を加えることもできる。ここで、発色助剤とは、加熱記録時の発色濃度を高くする、若しくは発色温度を制御する物質であり、カプラー、塩基性物質若しくはジアゾニウム塩化合物等の融解点を下げたり、カプセル壁の軟化点を低下させうる作用により、ジアゾニウム塩、塩基性物質、カプラー等が反応しやすい条件とするためのものである。
前記発色助剤としては、例えば、フェノール誘導体、ナフトール誘導体、アルコキシ置換ベンゼン類、アルコキシ置換ナフタレン類、芳香族エーテル、チオエーテル、エステル、アミド、ウレイド、ウレタン、スルホンアミド化合物、ヒドロキシ化合物等が挙げられる。
【0161】
前記発色助剤には、熱融解性物質も含まれる。
該熱融解性物質は、常温下では固体であって、加熱により融解する融点50℃〜150℃の物質であり、ジアゾニウム塩化合物、カプラー、或いは、有機塩基等を溶解しうる物質である。具体的には、カルボン酸アミド、N置換カルボン酸アミド、ケトン化合物、尿素化合物、エステル類等を挙げることができる。
【0162】
本発明におけるカラーフィルターにおいては、熱発色画像の光及び熱に対する堅牢性を向上させ、又は、定着後の未印画部分(非画像部)の光による黄変を軽減する目的で、以下に示す公知の酸化防止剤等を用いることも好ましい。
前記酸化防止剤については、例えば、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、同第309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、アメリカ特許第4814262号、アメリカ特許第4980275号等に記載されている。
【0163】
感熱若しくは感圧記録材料において既に用いられている公知の各種添加剤を用いることも有効である。
前記各種添加剤としては、例えば、特開昭60−107384号公報、同60−107383号公報、同60−125470号公報、同60−125471号公報、同60−125472号公報、同60−287485号公報、同60−287486号公報、同60−287487号公報、同60−287488号公報、同61−160287号公報、同61−185483号公報、同61−211079号公報、同62−146678号公報、同62−146680号公報、同62−146679号公報、同62−282885号公報、同63−051174号公報、同63−89877号公報、同63−88380号公報、同63−088381号公報、同63−203372号公報、同63−224989号公報、同63−251282号公報、同63−267594号公報、同63−182484号公報、特開平1−239282号公報、同4−291685号公報、同4−291684号公報、同5−188687号公報、同5−188686号公報、同5−110490号公報、同5−170361号公報、特公昭48−043294号公報、同48−033212号公報等に記載の化合物を挙げることができる。
【0164】
具体的には、6−エトキシ−1−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−フェニル−2,2.4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
【0165】
前記酸化防止剤、又は各種添加剤の添加量としては、ジアゾニウム塩化合物1質量部に対して、0.05〜100質量部が好ましく、0.2〜30質量部がより好ましい。
【0166】
前記酸化防止剤及び各種添加剤は、マイクロカプセル中にジアゾニウム塩化合物とともに含有させてもよいし、或いは、固体分散物としてカプラー、塩基性物質及びその他の発色助剤とともに含有させてもよいし、乳化物にして適当な乳化助剤とともに含有させてもよいし、又はその両形態で含有させてもよい。また、酸化防止剤、又は各種添加剤は、単独で用いてもよく、複数併用することもできる。さらに、保護層に含有させることもできる。
【0167】
前記酸化防止剤及び各種添加剤は、必ずしも同一層に添加しなくてもよい。
前記酸化防止剤及び/又は各種添加剤を複数組合わせて用いる場合には、アニリン類、アルコキシベンゼン類、ビンダードフェノール類、ヒンダードアミン類、ハイドロキノン誘導体、リン化合物、硫黄化合物のように構造的に分類し、互いに異構造のものを組合わせてもよいし、同一のものを複数組合わせることもできる。
【0168】
画像記録後の地肌部の黄着色を軽減する目的で、光重合性組成物等に用いられる遊離基発生剤(光照射により遊離基を発生する化合物)を添加することができる。
前記遊離基発生剤としては、例えば、芳香族ケトン類、キノン類、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、アゾ化合物、有機ジスルフィド類、アシルオキシムエステル類等が挙げられる。
該遊離基発生剤の添加量としては、ジアゾニウム塩化合物1質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましい。
【0169】
また、同様に黄着色を軽減する目的で、エチレン性不飽和結合を有する重合可能な化合物(以下、「ビニルモノマー」と称する。)を用いることもできる。ビニルモノマーとは、その化学構造中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合(ビニル基、ビニリデン基等)を有する化合物であって、モノマーやプレポリマーの化学形態を持つものである。
前記ビニルモノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコールとのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。該ビニルモノマーは、ジアゾニウム塩1質量部に対して、0.2〜20質量部の割合で用いる。
前記遊離基発生剤やビニルモノマーは、ジアゾニウム塩化合物と共にマイクロカプセル中に含有して用いることもできる。
【0170】
さらに、酸安定剤としてクエン酸、酒石酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸、ピロリン酸等を添加することもできる。
【0171】
前記感熱記録層は、例えば、ジアゾニウム塩化合物を含有したマイクロカプセル、カプラー、必要に応じて塩基性物質及び他の成分等を含有する塗布液を調製し、該塗布液を透明基板上に塗布、乾燥することにより塗設することができる。
本発明においては、前記感熱記録層が塩基性物質を含有する態様が好ましい。
【0172】
前記塗布は、公知の塗布方法の中から適宜選択することができ、例えば、バー塗布、ブレード塗布、エアナイフ塗布、グラビア塗布、ロールコーティング塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、カーテン塗布等が挙げられる。
また、塗布、乾燥後の感熱記録層の乾燥塗布量としては、2.5〜30g/m2が好ましい。
【0173】
本発明におけるカラーフィルターにおいて、ジアゾ感熱記録層、感熱記録層、中間層又は後述の保護層等の各層にはバインダーを含有することができ、該バインダーとしては、公知の水溶性高分子化合物やラテックス類等の中から適宜選択することができる。
前記水溶性高分子化合物としては、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン誘導体、カゼイン、アラビアゴム、ゼラチン、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、エピクロルヒドリン変性ポリアミド、イソブチレン−無水マレインサリチル酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アミド等及びこれらの変性物等が挙げられる。
【0174】
前記ラテックス類としては、例えば、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられる。
中でも、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン誘導体、ゼラチン、ポリビニルアルコール誘導体、ポリアクリル酸アミド誘導体等が好ましい。
【0175】
また、本発明におけるカラーフィルターには顔料を含有させることもでき、該顔料としては、有機、無機を問わず公知のものが挙げられ、例えば、カオリン、焼成カオリン、タルク、ロウ石、ケイソウ土、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化亜鉛、リトポン、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、焼成石コウ、シリカ、炭酸マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、炭酸バリウム、硫酸バリウム、マイカ、マイクロバルーン、尿素−ホルマリンフィラー、ポリエステルパーティクル、セルロースフィラー等が挙げられる。
【0176】
また、必要に応じて、公知のワックス、帯電防止剤、消泡剤、導電剤、蛍光染料、界面活性剤、紫外線吸収剤及びその前駆体等の各種添加剤を使用することもできる。
【0177】
本発明におけるカラーフィルターにおいては、前記保護層は、必要に応じて二層以上積層してもよい。
前記保護層に用いる材料としては、ポリビニルアルコール、カルボキシ変成ポリビニルアルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴム、カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解物、スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水分解物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダ等の水溶性高分子化合物、及びスチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等のラテックス類等が挙げられる。
【0178】
前記水溶性高分子化合物は、架橋させることで、より一層保存安定性を向上させることもできる。該架橋剤としては、公知の架橋剤の中から適宜選択することができ、例えば、N−メチロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素−ホルマリン等の水溶性初期縮合物;グリオキザール、グルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類;硼酸、硼砂等の無機系架橋剤;ポリアミドエピクロルヒドリン等が挙げられる。
【0179】
前記保護層には、さらに必要に応じて、公知の顔料、金属石鹸、ワックス、界面活性剤等を使用することもできる。
保護層の塗布量としては、乾燥塗布量で0.2〜5g/m2が好ましく、0.5〜2g/m2がより好ましい。その膜厚としては、0.2〜5μmが好ましく、0.5〜2μmがより好ましい。
また、保護層を設ける場合には、該保護層中に公知の紫外線吸収剤やその前駆体を含有させてもよい。
前記保護層は、透明基板上に感熱記録層を形成する場合と同様、上述の公知の塗布方法により設けることができる。
【0180】
本発明におけるカラーフィルターのパターンを作成するための透明基板としては、場合により紫外線透過性で、加圧及び/又は加熱においても著しい変形、例えば、収縮若しくは伸び等が生じないことが好ましい。感光性樹脂層を形成する際に、加熱処理することがあり、この処理に絶えることが必要であるからである。
そのような透明基板の例としては、ポリエチレンテレフタレートフイルム、トリ酢酸セルロースフイルム、ポリスチレンフイルム、ポリカーボネートフイルム、ガラス板を挙げることができる。2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルム、ガラス板が特に好ましい。
【0181】
【実施例】
以下、実施例において本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、以下において「部」は特に限定のない限り「質量部」を意味する。
【0182】
(実施例1)
<フタル化ゼラチン溶液の調製>
フタル化ゼラチン(商品名;MGPゼラチン,ニッピコラーゲン(株)製)32部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)0.9143部、イオン交換水367.1部を混合し、40℃にて溶解し、フタル化ゼラチン水溶液を得た。
【0183】
<アルカリ処理ゼラチン溶液の調製>
アルカリ処理低イオンゼラチン(商品名;#750ゼラチン,新田ゼラチン (株)製)25.5部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)0.7286部、水酸化カルシウム0.153部、イオン交換水143.6部を混合し、50℃にて溶解し、乳化物作成用ゼラチン水溶液を得た。
【0184】
(1)赤発色感熱記録層液の調整
<ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)の調製>
酢酸エチル16.1部に、ジアゾニウム化合物(17)4.5部、イソプロピルビフェニル4.8部及びフタル酸ジフェニル4.8部を添加し40℃に加熱して均一に溶解した。上記混合液にカプセル壁材としてキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物とキシリレンジイソシアネート/ビスフェノールA付加物の混合物(商品名;タケネートD119N(50質量%酢酸エチル溶液),武田薬品工業(株)製)8.6部を添加し、均一に攪拌し混合液(I)を得た。
別途、前記フタル化ゼラチン水溶液58.6部にイオン交換水16.3部、Scraph AG−8(50質量%)日本精化(株)製)0.34部添加し、混合液(II)を得た。
混合液(II)に混合液(I)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られた乳化液に水20部を加え均一化した後、40℃下で攪拌し酢酸エチルを除去しながら3時間カプセル化反応を行った。この後、イオン交換樹脂アンバーライトIRA68(オルガノ(株)製)4.1部、アンバーライトIRC50(オルガノ(株)製)8.2部を加え、更に1時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過して取り除き、カプセル液の固形分濃度が20.0%になるように濃度調節しジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)を得た。得られたマイクロカプセルの粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で0.36μmであった。
【0185】
<カプラー化合物乳化液(a)の調製>
酢酸エチル33.0部にカプラー化合物(B−28)10部とトリフェニルグアニジン(保土ヶ谷化学(株)製)9.9部、4,4′−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(商品名;ビスフェノールM(三井石油化学(株)製))20.8部、4−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゼンスルホン酸アミド(マナック(株)製) 13.6部、4−n−ペンチルオキシベンゼンスルホン酸アミド(マナック(株)製)6.8部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品名パイオニンA−41−C 70%メタノール溶液,竹本油脂(株)製) 4.2部を溶解し、混合液(III)を得た。
別途前記アルカリ処理ゼラチン水溶液206.3部にイオン交換水107.3部を混合し、混合液(IV)を得た。
混合液(IV)に混合液(III)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られたカプラー化合物乳化物を減圧、加熱し、酢酸エチルを除去した後、固形分濃度が26.5質量%になるように濃度調節を行った。得られたカプラー化合物乳化物の粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で0.21μmであった。
更に上記カプラー化合物乳化物100部に対して、SBRラテックス(商品名SN−307,48%液、住化エイビーエスラテックス(株)製)を26.5%に濃度調整したものを9部添加して均一に撹拌してカプラー化合物乳化液(a)を得た。
【0186】
<塗布液(a)の調製>
前記ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)および前記カプラー化合物分乳化液(a)を、内包しているカプラー化合物/ジアゾ化合物の重量比が2.2/1になるように混合し、感熱記録層用塗布液(a)を得た。
【0187】
(2)青発色感熱記録層液の調整
<ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(b)の調製>
酢酸エチル15.1部に、ジアゾニウム化合物(26)(最大吸収波長365nm)3部、フタル酸ジフェニル3.8部、フェニル2−ベンゾイロキシ安息香酸エステル3.9部及び化合物(E)(商品名;ライトエステルTMP,共栄油脂化学(株)製)4.2部及びドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品名パイオニンA−41−C 70%メタノール溶液,竹本油脂(株)製) 0.1部を添加し加熱して均一に溶解した。上記混合液にカプセル壁材としてキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物とキシリレンジイソシアネート/ビスフェノールA付加物の混合物(商品名;タケネートD119N(50質量%酢酸エチル溶液),武田薬品工業(株)製)2.5部とキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(商品名;タケネートD110N(75質量%酢酸エチル溶液),武田薬品工業(株)製)6.8部を添加し、均一に攪拌し混合液(V)を得た。
別途、前記フタル化ゼラチン水溶液55.3部にイオン交換水21.0部添加、混合し、混合液(VI)を得た。
混合液(VI)に混合液(V)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られた乳化液に水24部を加え均一化した後、40℃下で攪拌し酢酸エチルを除去しながら3時間カプセル化反応を行った。この後、イオン交換樹脂アンバーライトIRA68(オルガノ(株)製)4.1部、アンバーライトIRC50(オルガノ(株)製)8.2部を加え、更に1時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過して取り除き、カプセル液の固形分濃度が20.0%になるように濃度調節しジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)を得た。得られたマイクロカプセルの粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で0.43μmであった。
【0188】
<カプラー化合物乳化液(b)の調製>
酢酸エチル36.9部にカプラー化合物(B−46)11.8部とトリフェニルグアニジン(保土ヶ谷化学(株)製)14.0部、4,4′−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(商品名;ビスフェノールM(三井石油化学(株)製))14.0部、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン 14部、リン酸トリクレジル 1.7部、マレイン酸ジエチル0.8部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品名パイオニンA−41−C 70%メタノール溶液,竹本油脂(株)製) 4.5部を溶解し、混合液(VII)を得た。
別途アルカリ処理ゼラチン水溶液206.3部にイオン交換水107.3部を混合し、混合液(VIII)を得た。
混合液(VIII)に混合液(VII)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られたカプラー化合物乳化物を減圧、加熱し、酢酸エチルを除去した後、固形分濃度が24.5質量%になるように濃度調節を行い、カプラー化合物乳化液(b)を得た。得られたカプラー化合物乳化液の粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で0.22μmであった。
【0189】
<塗布液(b)の調製>
前記ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)および前記カプラー化合物分乳化液(b)を、内包しているカプラー化合物/ジアゾ化合物の重量比が3.5/1になるように混合した。さらに、ポリスチレンスルホン酸(一部水酸化カリウム中和型)水溶液(5質量%)をカプセル液量10部に対し、0.2部になるように混合し、感熱記録層用塗布液(b)を得た。
【0190】
(3)緑発色感熱記録層液の調整
<電子供与性無色染料前駆体内包マイクロカプセル液(c)の調製>
酢酸エチル18.1部に、電子供与性無色染料前駆体((4)−▲4▼)7.5部、1−メチルプロピルフェニル−フェニルメタンおよび1−(1−メチルプロプルフェニル)−2−フェニルエタンの混合物(商品名;ハイゾールSAS−310,日本石油(株)製)16.0部を添加し加熱して均一に溶解した。上記混合液にカプセル壁材としてキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物 (商品名;タケネートD110N(75質量%酢酸エチル溶液),武田薬品工業(株)製)7.2部とポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(商品名;ミリオネートMR−200,日本ポリウレタン工業(株)製)5.3部を添加し、均一に攪拌し混合液(IX)を得た。
別途、前記フタル化ゼラチン水溶液28.8部にイオン交換水9.5部、Scraph AG−8(50質量%)日本精化(株)製)0.17部およびドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム(10%水溶液)4.3部を添加混合し、混合液(X)を得た。
混合液(X)に混合液(IX)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られた乳化液に水50部、エチルトリアミン0.12部を加え均一化し、65℃下で攪拌し酢酸エチルを除去しながら3時間カプセル化反応を行ないカプセル液の固形分濃度が33%になるように濃度調節しマイクロカプセル液を得た。得られたマイクロカプセルの粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で1.00μmであった。
更に上記マイクロカプセル液100部に対して、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム25%水溶液(商品名;ネオペレックスF−25、花王(株)製)3.7部と4,4’−ビストリアジニルアミノスチルベン−2,2’−ジスルフォン誘導体を含む蛍光増白剤(商品名;Kaycoll BXNL、日本曹達(株)製)を4.3部添加して均一に撹拌してマイクロカプセル分散液(c)を得た。
【0191】
<電子受容性化合物分散液(c)の調製>
前記フタル化ゼラチン水溶液11.3質量部にイオン交換水30.1質量部、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(商品名;ビスフェノールP、三井石油化学(株)製) 15質量部、2質量%−2−エチルヘキシルコハク酸ナトリウム水溶液3.8質量部を加えて、ボールミルにて一晩分散した後、分散液を得た。この分散液の、固形分濃度は26.6質量%であった。
上記分散液100質量部に、前記アルカリ処理ゼラチン水溶液45.2質量部加えて、30分攪拌した後、分散液の固形分濃度が23.5%となるようにイオン交換水を加えて電子受容性化合物分散液(c)を得た。
【0192】
<塗布液(c)の調製>
前記電子供与性無色染料前駆体内包マイクロカプセル液(c)および前記電子受容性化合物分散液(c)を、電子受容性化合物/電子供与性無色染料前駆体の重量比が10/1になるように混合し、塗布液(c)を得た。
【0193】
<中間層用塗布液の調製>
アルカリ処理低イオンゼラチン(商品名;#750ゼラチン,新田ゼラチン (株)製)100.0部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)2.857部、水酸化カルシウム0.5部、イオン交換水521.643部を混合し、50℃にて溶解し、中間層作成用ゼラチン水溶液を得た。
前記中間層作成用ゼラチン水溶液10.0部、(4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム (三協化学(株)製 2.0質量%水溶液)0.05部、硼酸(4.0質量%水溶液)1.5部、ポリスチレンスルホン酸(一部水酸化カリウム中和型)水溶液(5質量%)0.19部、下記化合物(J)(和光純薬(株)製)の4質量%水溶液3.42部、下記化合物(J’)の4質量%水溶液1.13部、イオン交換水0.67部を混合し、中間層用塗布液とした。
【0194】
【化31】
【0195】
<保護層用塗布液の調製>
(iv−1)保護層用ポリビニルアルコール溶液の作成
ビニルアルコール−アルキルビニルエーテル共重合物(商品名:EP−130,電気化学工業(株)製)160部、アルキルスルホン酸ナトリウムとポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステルの混合液(商品名:ネオスコアCM−57,(54質量%水溶液),東邦化学工業(株)製)8.74部、イオン交換水3832部を混合し、90℃のもとで1時間溶解し均一な保護層用ポリビニルアルコール溶液を得た。
【0196】
(iv−2)保護層用顔料分散液の作成
硫酸バリウム(商品名:BF−21F,硫酸バリウム含有量93%以上,堺化学工業(株)製)8部に陰イオン性特殊ポリカルボン酸型高分子活性剤(商品名:ポイズ532A(40質量%水溶液),花王(株)製)0.2部、イオン交換水11.8部を混合し、ダイノミルにて分散して保護層用顔料分散液を作成した。この分散液は粒径測定(LA−910,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で0.15μm以下であった。
上記硫酸バリウム分散液45.6部に対し、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスO(20質量%水分散液)、日産化学(株)製)8.1部を添加して目的の分散物を得た。
【0197】
(iv−3)保護層用マット剤分散液の作成
小麦澱粉(商品名:小麦澱粉S,新進食料工業(株)製)180部に1−2ベンズイソチアゾリン3オンの水分散物(商品名:PROXEL B.D,I.C.I(株)製)3.81部、イオン交換水1976.19部を混合し、均一に分散し、保護層用マット剤分散液を得た。
【0198】
(iv−4) 保護層用塗布ブレンド液の調製
前記保護層用ポリビニルアルコール溶液1000部にフッ素系界面活性剤(商品名:メガファックF−120,5質量%水溶液,大日本インキ化学工業(株))40部、 (4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム (三協化学(株)製
2.0質量%水溶液)50部、前記保護層用顔料分散液49.87部、前記保護層用マット剤分散液16.65部、ステアリン酸亜鉛分散液(商品名:ハイドリンF115,20.5質量%水溶液,中京油脂(株)製)48.7部、イオン交換水280部を均一に混合し保護層用塗布ブレンド液を得た。
【0199】
<各感熱記録層用塗布液の塗布>
ガラス板の上に下から、前記感熱記録層用塗布液(c)、前記中間層用塗布液、前記感熱記録層用塗布液(b)、前記中間層用塗布液、前記感熱記録層用塗布液(a)、前記保護層用塗布液の順に6層を逐次塗布し、30℃湿度30%、および40℃湿度30%の条件でそれぞれ乾燥して多色感熱記録材料を得た。
この際前記感熱記録層用塗布液(a)の塗布量は液中に含まれるジアゾ化合物の塗布量が固形分塗布量で0.31g/m2となるように、同様に前記感熱記録層用塗布液(b)の塗布量は液中に含まれるジアゾ化合物の塗布量が固形分塗布量で0.41g/m2となるように、同様に前記感熱記録層用塗布液(c)の塗布量は液中に含まれる電子供与性無色染料前駆体の塗布量が固形分塗布量で0.50g/m2となるように塗布を行った。
また、前記中間層用塗布液は(a)と(b)の間は固形分塗布量が2.39g/m2、(b)と(c)の間は固形分塗布量が3.34g/m2、保護層は固形分塗布量が1.39g/m2となるように塗布を行った。
【0200】
<画像記録>
(1)実施例1〜3
実施例1から3の画像記録は、前記及び下記多色感熱記録材料を用いてサーマルヘッドKST(商品名:京セラ社製)と紫外線ランプを用いて以下の方法で行った。
▲1▼単位面積当たりの記録エネルギー45mJ/mm2でブラックマトリックスとRGBマトリックスに画像(例えばR)を印画する。続いて、発光中心波長445nmの紫外線ランプで20秒間曝光する。感熱記録層用塗布液(a)が塗布された感熱記録層のジアゾニウム塩が完全に光分解され画像定着される。
▲2▼単位面積当たりの記録エネルギー90mJ/mm2でブラックマトリックスとRGBマトリックス末印画部に対して画像(例えばG)を印画する。続いて、発光中心波長365nmの紫外線ランプで40秒間曝光する。感熱記録層用塗布液(b)が塗布された感熱記録層のジアゾニウム塩が完全に光分解され画像定着される。
▲3▼単位面積当たりの記録エネルギーとして135mJ/mm2でブラックマトリックスとRGBマトリックス末印画部に対して画像(例えばB)を印画する。ブラックマトリックスを形成する部分にはRGBが逐次で印画される結果、黒画像を得ることができる。
【0201】
(2)実施例4〜6
実施例4から6の画像記録は、下記多色感熱記録材料を用いて実施例1の紫外線ランプを、▲1▼では発光中心波長445nmから365nmに▲2▼では発光中心波長365nmから445nmに変えた他は実施例1と同じように行った。
【0202】
(3)実施例7、8
実施例7から8の画像記録は、下記多色感熱記録材料を用いてサーマルヘッドKST(商品名:京セラ社製)と紫外線ランプを用いて以下の方法で行った。
▲1▼ 単位面積当たりの記録エネルギー45mJ/mm2でブラックマトリックスとRGBマトリックスに画像(例えばR)を印画する。続いて、発光中心波長445nmの紫外線ランプで20秒間曝光する。感熱記録層用塗布液(a)が塗布された感熱記録層のジアゾニウム塩が完全に光分解され画像定着される。
▲2▼単位面積当たりの記録エネルギー90mJ/mm2でブラックマトリックスとRGBマトリックス末印画部に対して画像(例えばG)を印画する。続いて、発光中心波長365nmの紫外線ランプで40秒間曝光する。感熱記録層用塗布液(b)が塗布された感熱記録層のジアゾニウム塩が完全に光分解され画像定着される。
▲3▼単位面積当たりの記録エネルギーとして135mJ/mm2でブラックマトリックスとRGBマトリックス末印画部に対して画像(例えばB)を印画する。続いて発光中心波長305nmの紫外線ランプで20秒間曝光する。ブラックマトリックスを形成する部分にはRGBが逐次で印画される結果、黒画像を得ることができる。
【0203】
(4)実施例9、10
実施例9、10の画像記録は、実施例7の紫外線ランプを、▲1▼では発光中心波長445nmから365nmに、▲2▼では発光中心波長365nmから445nmに変えた他は、実施例7と同様に行った。
【0204】
(5)実施例11〜16
▲1▼まず、感熱記録材料の第3層のジアゾ感熱記録層において、例えば、緑色(G)及び赤色(R)マトリックス印画部のそれぞれ相当する第3層のマトリックス未印画部分に、フォトマスクを介して発光中心波長445nmを有する紫外線ランプを用いて光照射し、第3層に含まれるジアゾニウム塩化合物を失活させる。一方、ブラックマトリックス印画部には光照射を行わない。この操作により第3層は発色前のジアゾニウム塩化合物(例えば、B発色)を残存する。
【0205】
▲2▼前記第3層のBマトリックス印画部及び第1層のRマトリックス印画部のそれぞれに相当する第2層のマトリックス未印画部分に、フォトマスクを介して発光中心波長365nmを有する紫外線ランプを用いて光照射し、第2層に含まれるジアゾニウム塩化合物を失活させる。上記と同様に、ブラックマトリックスには光照射を行わない。この操作により第2層は発色前のジアゾニウム塩化合物(例えば、G発色)を残存する。
【0206】
▲3▼ さらに、第3層のBマトリックス印画部及び第2層のGマトリックス印画部のそれぞれに相当する第1層のマトリックス未印画部に、フォトマスクを介して発光中心波長305nmを有する紫外線ランプを用いて光照射し、第1層に含まれるジアゾニウム塩化合物を失活させる。一方、ブラックマトリックスには光照射を行わない。この操作により第1層は発色前のジアゾニウム塩化合物(例えば、R発色)を残存する。
【0207】
▲4▼ ブラックマトリックスを形成する部分には露光が行われておらず感熱記録層用塗布液(a)、(b)、(c)のジアゾ二ウム塩化合物は全て残存しており、RGBマトリックス印画部には上記紫外線ランプのうち2つが露光され感熱記録層用塗布液(a)、(b)、(c)のジアゾ二ウム塩化合物のいずれか1種だけが残存していることになる。
▲5▼ 単位面積当たりの記録エネルギー60mJ/mm2で、第1層〜第3層までのジアゾ感熱記録をサーマルヘッドKST(商品名:京セラ社製)を用いて全面加熱して、該層に含まれるジアゾニウム塩化合物とカプラーとを反応させ発色させることにより、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選択された色画素をそれぞれの層において得ることができる。第1層、第2層及び第3層の順に赤(R)、緑(G)、青(B)の色画素を得る。
【0208】
(6)比較例1
比較例の画像記録は、下記多色感熱記録材料を用いて実施例1と同様にサーマルヘッドKST(商品名:京セラ社製)と紫外線ランプを用いて以下の方法で行った。
▲1▼単位面積当たりの記録エネルギー45mJ/mm2でブラックマトリックスとRGBマトリックスにイエロー画像を印画する。続いて発光中心波長445nmの紫外線ランプで20秒間曝光する。イエロー発色層のジアゾニウム塩化合物(17)が完全に光分解され画像定着される。
▲2▼単位位面積当たりの記録エネルギー90mJ/mm2でブラックマトリックスとRGBマトリックスのイエロー画像印画部と未印画部に対してマゼンタ画像を印画する。統いて発光中心波長365nmの紫外線ランプで40秒間曝光する。マゼンタ発色層のジアゾニウム塩化合物(26)が完全に光分解され画像定着される。
▲3▼単位面積当たりの記録エネルギーとして135mJ/mm2でブラックマトリックス、RGBマトリックスのマゼンタ画像印画部、RGBマトリックスのマゼンタ画像末印画部でRGBマトリックスのイエロー画像印画部に対してシアン画像を印画する。
これにより、RGBマトリックスのRはイエロー画像とマゼンタ画像の両方が印画された部分で形成でき、同様にGはイエロー画像とシアン画像の両方、Bはマゼンタ画像とシアン画像の両方がそれぞれ印画された部分で形成できることになる。ブラックマトリックス形成部にはイエロー、マゼンタ、シアンが逐次で画像形成される結果、黒画像を得ることができる。
【0209】
(実施例2〜16、比較例1)
表7に示す組成で発色層を構成した他は、実施例1と同様にしてガラス板上に多色感熱記録材料を得た。
【0210】
【表7】
【0211】
<画像濃度測定>
得られた多色の感熱記録材料の画像濃度は、マクベス濃度測定計(X−rite,マクベス社製)で測定した。
各RGB画素に対して測定フィルタを次のように選んだ。
R画素 測定フィルタ:G
G画素 測定フィルタ:R
B画素 測定フィルタ:R
測定結果を表8に示す。色相は目視により観察した。
【0212】
【表8】
比較例で得られたRGB画素のR濃度は1.60、G濃度は0.50、B濃度は2.48であった。
【0213】
<画像の色濁り評価>
得られたカラーフィルターの画像色濁りは目視にて観察した。その結果、実施例では濁りのないRGB画素であるのに対して、比較例では濁りが認められた。
これは実施例では単独のRGB画素を形成させているのに対して、比較例では二つの画素を積層してRGB画素を形成させていることの違いから生じるものと考えられる。
【0214】
【発明の効果】
本発明によれば、感熱方式によるカラーフィルターの製造方法を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーフィルターの製造方法に関し、特に感熱方式によるカラーフィルターの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶カラーディスプレーは、ガラス等の透明基板上にカラーフィルター、保護膜、マトリックス状またはストライプ状のパターンをもつ透明電極、絶縁膜、配向膜をこの順に有する第1の多層構造体と、ガラス等の透明基板上に全面、マトリックス状またはストライプ状の透明電極、絶縁膜、配向膜をこの順に有する第2の多層構造体を、それぞれの配向膜面を内側にして対向させ、その間にスペーサーを介して張り合わせたセル中に液晶を封入したものを2枚の偏光板の間に挟んだ構造をもつ。また、第1の多層構造体において、マトリックス状またはストライプ状のパターンをもつ透明電極がカラーフィルターの下で透明基板の上にある時もある。
【0003】
カラーフィルターは、透明基板上に、赤色、青色及び緑色のドット状画像をそれぞれマトリックス状またはストライプ状に配置し、それぞれの境界をブラックストライプまたはブラックマトリックスで区分した構造である。
液晶ディスプレー用のカラーフィルターの製造法については、支持体としてガラス等の透明基板を用い、1)染色法、2)印刷法、3)着色した感光性樹脂液の塗布と露光、現像の繰り返しによる着色感光性樹脂液法(着色レジスト法)(例えば、特許文献1〜3等参照。)、4)仮支持体上に形成した画像を順次、最終または仮の支持体上に転写する方法(例えば、特許文献4〜6等参照。)、5)予め着色した感光性樹脂液を仮支持体上に塗布することにより着色層を形成し、順次、直接透明基板上にこの感光性着色層を転写し、露光、現像を繰り返す方法(例えば、特許文献7参照。)、6)仮支持体上に感光性着色層を転写し、露光、現像することを繰り返し行うことにより仮支持体上に多色画像を形成した後、ガラスなどの最終支持体に多色画像を転写する方法(例えば、特許文献8参照。)などにより多色画像を形成することが知られている。そのほかにも電着法、写真法、蒸着法、脱色法などの方法も知られている。
【0004】
次に、カラーフィルターの物理化学的保護と表面の平坦化を目的とする保護層をその上に形成する。保護層としてはアクリル系、ウレタン系、シリコーン系などの樹脂皮膜や酸化珪素などの金属酸化物皮膜のような透明性の高い皮膜をスピンコート、ロールコート、印刷法などにより塗布し、必要に応じて水平放置、溶剤除去を行い、硬化させるといった方法が一般的に用いられている。
【0005】
更にその上に、スパッタリング法や真空蒸着法などの真空成膜法を用いて、酸化インジウム錫(ITO)や酸化錫のような透明導電性の皮膜を成膜させた後、マスク蒸着法、エッチング法等により電極パターン加工を行い、透明電極層を形成する。透明電極層は、着色画像とブラックストライプまたはブラックマトリックス層の下で、透明基板の上に形成することもある。
【0006】
【特許文献1】
特開昭63−298304号公報
【特許文献2】
特開昭63−309916号公報
【特許文献3】
特開平1−152449号公報
【特許文献4】
特開昭61−99103号公報
【特許文献5】
特開昭61−233704号公報
【特許文献6】
特開昭61−279802号公報
【特許文献7】
特開昭61−99102号公報
【特許文献8】
特開昭61−256303号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
これらの主なカラーフィルターの製造方法において、1)染色法ではフォトレジスト塗布、乾燥した透明な膜の部分的染色を繰り返すため、防染層の形成と除去の反復が必要であり製造工程が煩雑であった。2)印刷法では、ガラスへの印刷インキの転写性が劣るため、着色パターンの形状不良や濃度むらを生じやすく、更に3色あるいは4色パターンの位置合わせの点でも不利であり、この方法による品質の良いフィルターの形成は困難であった。3)の方法では、着色層の濃度は、着色層の厚みにより決まるため、着色層の濃度を一定にするためには精密な塗布技術を必要とした。更に、第1色目を形成後、第2色目の着色層を塗布するのは第1の着色層に基づく表面の凹凸のため、実際には均一な塗布層を得るのが困難であった。さらに、4)の方法は、最終支持体への着色画像の転写時に各色の画像を所望の位置に正しく配置する(以下、「位置合わせ」と称す。)ことが困難であった。5)や6)の方法は、着色画像の形成の工程が簡略化され、露光、現像、濃度管理が容易であり、位置合わせも容易であるが、まだまだいくつかの問題があった。
【0008】
特に、これらのいずれの製造方法もその製造工程が長く複雑であり、さらに現像においては、現像用の水溶液を使用するためその乾燥及び廃水処理等の非効率性等の問題も残し、それらを解決する手法が望まれていた。
【0009】
本発明者はこれらの問題点を克服するために新しいカラーフィルターの製造方法を鋭意検討し、直接感熱方式でフルカラー画像を得る方法に着目した。
直接感熱方式でフルカラー画像を得る方法については、例えば、特開平3−288688号公報には、電子供与性無色染料前駆体と電子受容性化合物を組み合せた発色層と、感光波長が異なる2種のジアゾニウム塩化合物とそれぞれのジアゾニウム塩化合物と反応して異なった色相に発色するカプラーを組み合せた2層の発色層、合計3層の発色層を用いることにより、直接感熱方式でフルカラーを得る方法が提案されている。
【0010】
この直接感熱方式において、3層の発色層でイエロー、マゼンタ、シアンの減法混色の3原色画像を形成させることは知られているが、カラーフィルター画素に必要な赤(R)、緑(G)、青(B)という加法混色の3原色画像を形成させることは知られておらず、前記公報の記載の方法では良好なカラーフィルターを製造することができず、発色色素の開発が必要であった。
また、生産性を高めるためにワンショットで光定着を行う場合は、各発色層を光定着することができない。即ち、前記公報記載の方法では良好なカラーフィルターを製造することはできず、光定着できる発色層の開発が必要であった。
本発明は、前記従来技術の問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、減法混色によることなく直接RGBの画素を形成することができ、かつ、そのRGBの色純度の優れたカラーフィルターが作製できるカラーフィルターの製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、直接感熱方式でカラーフィルターの製造する方法を検討した結果、赤(R)、緑(G)、青(B)に発色する色素及び光定着できる発色層を見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、
<1> 透明基板上に基板側から感熱記録層1層、ジアゾ感熱記録層2層を順に積層塗布した感熱記録材料を用いたカラーフィルターの製造方法において、該2層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる2種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれのジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーとを組み合せたジアゾ感熱記録層2層であり、これらの層を逐次、熱印画、全面光照射をし、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた2種別々の色画素を形成させ、ついで感熱記録層の1層を熱印画し残りの1色の画素を形成させることを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
<2> 前記ジアゾニウム塩化合物の極大吸収波長が445±50nmと365±30nmの領域に分画されている2種のジアゾニウム塩化合物を用いることを特徴とする上記<1>に記載のカラーフィルターの製造方法。
【0012】
<3> 前記感熱記録層が電子供与性無色染料と電子受容性化合物から構成されていることを特徴とする上記<1>または<2>に記載のカラーフィルターの製造方法。
<4> 透明基板上にジアゾ感熱記録層3層を順に積層塗布した感熱記録材料を用いたカラーフィルターの製造方法において、該3層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる3種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーとを組み合せたジアゾ感熱記録層3層であり、これらの層を逐次、熱印画、全面光照射し、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた3種別々の色画素を形成させることを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
【0013】
<5> 透明基板上にジアゾ感熱記録層3層を順に積層塗布した感熱記録材料を用いたカラーフィルターの製造方法において、該3層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる3種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーとを組み合せたジアゾ感熱記録層3層であり、該3種のジアゾニウム塩化合物をそれぞれが対応する波長で光照射し、次いでこれらの層を全面熱印画し、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた3種別々の色画素を形成させることを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
<6> 前記ジアゾニウム塩化合物の極大吸収波長が445±50nm、365±30nm、305±30nmの領域に分画されている3種のジアゾニウム塩化合物を用いることを特徴とする上記<4>または<5>に記載のカラーフィルターの製造方法。
【0014】
<7> 光源のうち少なくともひとつが発光ダイオードであることを特徴とする上記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
<8> 前記極大吸収波長が445±50nmのジアゾニウム塩化合物が下記一般式(1)〜(3)のいずれかであることを特徴とする上記<2>または<6>に記載のカラーフィルターの製造方法。
【化4】
[一般式(1)〜(3)中、R1、R2、及びR4〜R9は同一でも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、R3は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、スルホニル基、アシル基、又はアルコキシカルボニル基を表し、D1はHammettのσp値が−0.05以下の基を表す。
Aは、Hammettのσp値が0.3以上の基を表す。Xは対アニオンを表す。一般式(1)〜(3)中のそれぞれのベンゼン環は更に置換基を有していても良い。]
【0015】
<9> 前記極大吸収波長365±30nmであるジアゾニウム塩化合物が、下記一般式(4)で表されるジアゾニウム塩化合物であることを特徴とする上記<1>〜<8>のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
【化5】
[一般式(4)中、R10及びR11は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、D2はHammettのσp値が0.3未満の基を表す。Xは対アニオンを表す。一般式(4)中のベンゼン環は更に置換基を有していてもよい。]
<10> 前記極大吸収波長305±30nmであるジアゾニウム塩化合物が、下記一般式(5)で表されるジアゾニウム塩化合物であることを特徴とする上記<1>〜<9>のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
【化6】
[一般式(5)中、D3はHammettのσp値が−0.45以上の基を表す。Xは対アニオンを表す。一般式(5)中のベンゼン環は更に置換基を有していても良い。]
<11> 前記ジアゾニウム塩化合物がマイクロカプセルに内包させることを特徴とする上記<1>〜<10>のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のカラーフィルターの製造方法について説明する。
本発明のカラーフィルターの製造方法の態様としては、第1に、透明基板上に基板側から感熱記録層1層、ジアゾ感熱記録層2層を順に積層塗布した感熱記録材料において、該2層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる2種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれのジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーを組み合せたジアゾ感熱記録層2層であり、これらの層を(1層ごとに)逐次、熱印画、全面光照射を(2回繰り返)し、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた2種別々の色画素を形成させ、ついで感熱記録層の1層を熱印画し残りの1色の画素を形成させることを特徴とする態様(第1の態様)がある。
【0017】
また、第2に、透明基板上にジアゾ感熱記録層3層を順に積層塗布した感熱記録材料において、該3層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる3種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーを組み合せたジアゾ感熱記録層3層であり、これらの層を(1層ごとに)逐次、熱印画、全面光照射し、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた3種別々の色画素を形成させることを特徴とする態様(第2の態様)がある。
【0018】
さらに、第3に、透明基板上にジアゾ感熱記録層3層を順に積層塗布した感熱記録材料において、該3層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる3種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーを組み合せたジアゾ感熱記録層3層であり、該3種のジアゾニウム塩化合物をそれぞれの対応する波長で光照射し、次いでこれらの層を全面熱印画し、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた3種別々の色画素を形成させることを特徴とする態様(第3の態様)がある。
【0019】
以下、各態様(第2、第3及び第1態様)、他の層及び構成成分等について説明する。
【0020】
[第2の態様]
透明基板上にジアゾ感熱記録層3層を順に積層塗布した感熱記録材料を用いたカラーフィルターの製造方法において、該3層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる3種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーを組み合せたジアゾ感熱記録層3層であり、これらの各層を1層ごとに、逐次、画像様熱印画、全面光照射し、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた3種別々の色画素を形成させる。
このようにすることによって、従来のY(イエロー)、M(マゼンタ)及びC(シアン)の減法混色による画像とは全く異なり、色濁りの無い、いわゆる色純度の高いRGB画素を有するカラーフィルターを得ることができる。
【0021】
(ジアゾ感熱記録層)
第2の態様におけるジアゾ感熱記録層3層は、感光波長が異なる3種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーを組み合せた異なる赤(R)、緑(G)、青(B)の色相を形成するジアゾ感熱記録層3層であり、これらの層構成は、前記の通り、特に限定せずに、任意に取り得ることができる。
【0022】
また、該ジアゾ感熱記録層3層の各層は、それぞれ異なる色相である赤(R)、緑(G)、青(B)から選ばれる色相の1つを有すればよく、第1層〜第3層の色相は限定されるものではなく、種々の色相の構成とすることができる。
【0023】
前記の通り、本態様はいずれの層構成をも取り得るが、逐次で記録する場合には、透明基板に最も近い第1層に、極大吸収波長305±30nmのジアゾニウム塩化合物(以下、「第3のジアゾニウム塩化合物」とも言う。)を含むジアゾ感熱記録層(以下、「A層」とも言う。)を設けることが好ましい。
これは、305±30nmの波長領域において殆どの有機化合物が吸収を持つため、前記第3のジアゾニウム塩化合物を有するジアゾ感熱記録層を第3層(透明基板から最も遠い層)に設け、光定着を最初に行うとき第1層、第2層のジアゾニウム塩化合物も一部定着してしまう場合があるからである。
【0024】
即ち、好ましい層構成としては、極大吸収波長305±30nmのジアゾニウム塩化合物を含むジアゾ感熱記録層を第1層に有し、極大吸収波長365±30nmのジアゾニウム塩化合物(以下、「第2のジアゾニウム塩化合物」とも言う。)を含むジアゾ感熱記録層(以下、「B層」ともいう。)と極大吸収波長445±50nmのジアゾニウム塩化合物(以下、「第1のジアゾニウム塩化合物」とも言う。)を含むジアゾ感熱記録層(以下、「C層」ともいう。)のいずれかの一方の層が第2層を、また、もう一方の層が第3層を形成することが好ましい。これらは、適宜用途に応じて選択することができる。例えば、印画時間を短縮する点においては、前記B層が第3層を形成することが好ましい。
【0025】
また、画像形成後の第3層の画像部は光を吸収しやすいため、第2層の光定着は、第3層への影響を考慮することが好ましい。第2層と第1層との関係においても同様である。即ち、上層への影響を考慮した層構成とすることが好ましい。その点を考慮すると第3層の色相としては、光の吸収が少ない青色(B)が最も好ましく、次いで緑色(G)が好ましいことが分かる。以上のことから、本発明における感熱記録材料の色相としては次の組合わせが好ましい。
透明基板から順に、青色(B)/緑色(G)/赤色(R) 、緑色(G)/青色(B)/赤色(R)、青色(B)/赤色(R)/緑色(G)である。
【0026】
前記各層は、前記極大吸収波長を有するジアゾニウム塩化合物を単独でも用いても、また、同じ前記極大吸収波長と同じ色相を有する異なる2種以上のジアゾニウム塩化合物を併用してもよい。ここで、2つの「同じ」とは、全く同一であることを意味するのではなく、同じ目的に使用することが可能であるような程度の意味合いを示す。
【0027】
前記ジアゾ感熱記録層3層は、それぞれが異なる色相を有することができることにより、前記極大吸収波長の層構成に、異なる赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色相に基づいた層構成を絡めた形態の層構成とすることができる。これらにより、多種多様な目的に応じたカラーフィルターを得ることができる。
【0028】
(製造方法)
本態様のパターン画像形成によるカラーフィルターの製造方法は、以下のようにして行うことができる。即ち、例えば、多色感熱記録材料のジアゾ感熱記録層が設けられた側の表面を、サーマルヘッド等の加熱装置により画像様に加熱印画することにより、ジアゾ感熱記録層の加熱部で、層中のポリウレア及び/又はポリウレタンを含むカプセル壁が軟化して物質透過性となり、カプセル外のカプラーや塩基性物質(有機塩基)がマイクロカプセル内に浸入すると、画像様に発色して画像形成する。
前記ジアゾニウム塩化合物を含むジアゾ感熱記録を発色させた後、さらにジアゾニウム塩化合物の吸収波長に相当する光を照射することにより(光定着)、ジアゾニウム塩化合物が分解反応を起こしてカプラーとの反応性を失い、画像の定着を図ることができる。上記のように光定着を施すことにより、未反応のジアゾニウム塩化合物は、分解反応を生じてその活性を失うため、形成した画像の濃度変動や、非画像部(地肌部)におけるステインの発生による着色、即ち、白色性の低下、該低下に伴う画像コントラストの低下を抑制することができる。
【0029】
前記光定着に用いる光源としては、種々の発光ダイオード、蛍光灯、キセノンランプ、水銀灯等が挙げられ、これら光源の発光スペクトルが感熱記録材料中のジアゾニウム塩の吸収スペクトルとほぼ一致していることが、高効率に定着しうる点で好ましい。また、光定着の経時的安定性の観点から発光ダイオードが好ましい。本態様においては、前記光源のうち少なくとも一つが発光ダイオードであることが好ましい。
特に、本態様においては、照射される光の発光中心波長が、350〜480nmの光源を用いることが特に好ましい。
【0030】
本態様におけるカラーフィルターの製造方法の一例を、以下に具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、透明基板から最も遠い第3層の表面をサーマルヘッド等の加熱装置により画像様に加熱して、該層に含まれるジアゾニウム塩化合物(例えば、極大吸収波長域445±50nm)、とカプラーとを発色させ、R、G、Bの異なる色相から選択される第1の色相を有する色画素を得る(例えば、B画素。)。次いで、該ジアゾニウム塩化合物の極大吸収波長域の光を照射して、該層中に含まれている未反応のジアゾニウム塩化合物を分解させる。
次に、第2層が発色するのに十分な熱を与え、該層に含まれるジアゾニウム塩化合物(例えば、極大吸収波長域365±30nm)とカプラーとを発色させ、R、G、Bの異なる色相から選択される第1の色相とは異なる第2の色相を有する色画素を得る(例えば、G画素。)。このとき第3層のジアゾ感熱記録層も同時に強く加熱されるが、既にジアゾニウム塩化合物は分解しており、発色能力が失われているので発色しない。この後、該ジアゾニウム塩化合物の極大吸収波長域の光を照射して、該層中に含まれている未反応のジアゾニウム塩化合物を分解させる。
最後に、第1層が発色するのに十分な熱を与え、該層に含まれるジアゾニウム塩化合物(例えば、極大吸収波長域305±30nm)とカプラーとを発色させ、R、G、Bの異なる色相から選択される第1及び第2の色相とは異なる第3の色相を有する色画素を得る(例えば、R画素。)。このとき第2層も同時に強く加熱されるが、既にジアゾニウム塩化合物は分解しており、発色能力が失われているので発色しない。この後、該ジアゾニウム塩化合物の極大吸収波長域の光を照射して、該層中に含まれている未反応のジアゾニウム塩化合物を分解させる。これらの操作を行うことによって、従来のY(イエロー)、M(マゼンタ)及びC(シアン)の減法混色による画像とは全く異なり、余分な波長における色相を有さない色濁りの無い、いわゆる色純度の高いRGB画素を有するカラーフィルターを得ることができる。
【0031】
[第3の態様]
透明基板上にジアゾ感熱記録層3層を順に積層塗布した感熱記録材料を用いたカラーフィルターの製造方法において、該3層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる3種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーを組み合せたジアゾ感熱記録層3層であり、該3種のジアゾニウム塩化合物をそれぞれの対応する波長で光照射し、次いでこれらの層を全面熱印画し、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた3種別々の色画素を形成させる。
このようにすることによって、従来のY(イエロー)、M(マゼンタ)及びC(シアン)の減法混色による画像とは全く異なり、色濁りの無い、いわゆる色純度の高いRGB画素を有するカラーフィルターを得ることができる。
【0032】
(ジアゾ感熱記録層)
第3の態様におけるジアゾ感熱記録層3層は、感光波長が異なる3種のジアゾニウム塩化合物、即ち、前記第1、第2及び第3のジアゾニウム塩化合物と、それぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーとを組み合せた異なる赤(R)、緑(G)、青(B)の色相を形成するジアゾ感熱記録層3層の層構成であれば良く、特に限定されず、任意に選定することができる。
【0033】
また、前記3層は、それぞれ異なる色相である赤(R)、緑(G)、青(B)から選ばれる色相の1つを有すればよく、第1層〜第3層の色相は限定されるものではなく、種々の色相の層構成とすることができる。
【0034】
前記各層は、前記極大吸収波長を有するジアゾニウム塩化合物を単独でも用いても、また、同じ前記極大吸収波長と同じ色相を有する異なる2種以上のジアゾニウム塩化合物を併用してもよい。ここで、2つの「同じ」とは、全く同一であることを意味するのではなく、同じ目的に使用することが可能であるような程度の意味合いを示す。
【0035】
(製造方法)
本態様のパターン画像形成によるカラーフィルターの製造方法は、以下のようにして行うことができるが、本態様はこれらに限定されるものではない。
即ち、例えば、透明基板上にジアゾ感熱記録層3層が設けられた側の表面を、フォトマスク等を介して発光中心波長445nm、365nm、305nmを有する紫外線ランプを用いて、順番に1層ごと画像様に露光する。露光する際に、ブラックマトリックスを形成する部分は露光を行わず、また、RGBマトリックスを形成する部分には、前記紫外線ランプのうち異なる2波長で露光して、ジアゾニウム塩化合物のいずれか1種のみを残存させる。
次に、サーマルヘッド等の加熱装置(サーマルヘッドKTS、京セラ社製)にて全層全面加熱することにより、前記ジアゾ感熱記録層3層中のそれぞれのポリウレア及び/又はポリウレタンを含むカプセル壁が軟化して物質透過性となり、カプセル外のカプラーや塩基性物質(有機塩基)がマイクロカプセル内に浸入し、各層に残存するジアゾニウム塩化合物は、対応するカプラーと反応してR、G、Bの画像様に発色してジアゾ感熱記録層3層の全層において各層毎に色相を異にするRGB画像を形成する。
【0036】
このように前記ジアゾニウム塩化合物を含むジアゾ感熱記録層を発色させる前に、ジアゾ感熱記録層のジアゾニウム塩化合物の吸収波長に相当する光を照射することにより(光定着)、ジアゾニウム塩化合物が分解反応を起こしてカプラーとの反応性を失い画像の定着を図ることができる。
最初に加熱発色させた後に光定着をする場合に比べて、熱と光の指向性の差により、さらにR、G、Bの各マトリックスの境界がより鮮明となり画像コントラストに優れたものを得ることができる。また、未反応のジアゾニウム塩化合物は、光定着による分解反応によりその活性を失うため、形成した画像の濃度変動や、非画像部(地肌部)におけるステインの発生による着色、即ち、白色性の低下、該低下に伴う画像コントラストの低下を抑制することができる。
【0037】
本態様は、その画像様パターン形成において、まずジアゾ感熱記録層に含まれるジアゾニウム塩化合物の感光波長の光を画像様に照射し、続いて、全面熱印画して画像を形成するものである。
つまり、RGBの異なる3つの色相から1つの色相を有する色画素(RGBの各マトリックス)を形成する場合、前記ジアゾ感熱記録層3層に含有される異なる3種のジアゾニウム塩化合物のうちの2種を有するジアゾ感熱記録層2層に、それぞれに相当する感光波長の光を照射することにより該2層に含まれる2種のジアゾニウム塩化合物は分解する。該ジアゾニウム塩化合物はカプラーと反応して発色する能力が失われる。次に、残る1種のジアゾニウム塩化合物はその後の加熱によりカプラーと反応して画像様に発色し、1つの色相を有する色画素が形成されるものである。その他の2つの色画素も同様に形成される。
【0038】
本態様における画像様パターン形成の方法としては、主として以下の(1)〜(4)の方法等があるが、本態様はそれらに限定されず前記の規定を満たすものであればいずれの方法をも包含するものである。
たとえば、前記画像様パターン形成の方法としては、(1)ジアゾ感熱記録層の全3層に、逐次に1層ごとにフォトマスクを介して画像様光照射し、全3層の光照射後に全面全層熱印画する方法、(2)ジアゾ感熱記録層の第3層、第2層にフォトマスクを介して、逐次に画像様光照射し、該第3層と該第2層を同時全面熱印画後、最後に、第1層へ画像様光照射をして全面熱印画する方法、(3)ジアゾ感熱記録層の第3層に、フォトマスクを介して画像様光照射し、全面熱印画、続いて、第2層、第1層に逐次に画像様光照射後、最後に、第2層と第1層の同時全面熱印画する方法、(4)ジアゾ感熱記録層の第3層にフォトマスクを介して画像様光照射し、続いて、全面熱印画、続いて、第2層に画像様光照射し、続いて、全面熱印画、最後に、第1層に画像様光照射、続いて、全面熱印画する方法、等があるが、目的に応じて適宜種々の方法を選択することができ、特にこれらの方法に限定されるものではない。
また、連続する工程、例えば、熱印画(光照射)の後、更に続いて熱印画(光照射)の場合、目的に支障を来さない限り、同時に行ってもよい。
【0039】
前記露光に用いる光源としては、前記第2の態様に記載したものと同様であり、好ましいものも同様である。
【0040】
前記フォトマスク等とは、光を選択的に薄膜に映写する道具のことであり、不要の光を遮断して、特定の発光中心波長を有する光を透過させるものであれば特に限定されるものではない。
【0041】
以下のように、本発明おけるカラーフィルターの製造方法を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、第3層のジアゾ感熱記録層に青色(B)画素を形成する場合、第1層及び第2層の赤色(R)画素及び緑色(G)画素の形成部分に相当する第3層の部分にフォトマスクを介して発光中心波長445nmを有する紫外線ランプを用いて光照射し、第3層に含まれる不必要なジアゾニウム塩化合物を失活させる。一方、ブラックマトリックス形成部分には紫外線照射を行わない。この操作により、第3層は発色前のジアゾニウム塩化合物(例えば、B発色)を残存する。ここで、青色(B)画素、緑色(G)画素および赤色(R)画素はそれぞれBマトリックス、Gマトリックス及びRマトリックスとも言う。
【0042】
続いて、第2層において、第1層及び第3層の赤色(R)画素及び緑色(B)画素の形成部分に相当する第2層の部分にフォトマスクを介して発光中心波長365nmを有する紫外線ランプを用いて光照射し、第2層に含まれる不必要なジアゾニウム塩化合物を失活させる。一方、ブラックマトリックス形成部分には紫外線照射を行わない。この操作により、第2層は発色前のジアゾニウム塩化合物(例えば、G発色)を残存する。
【0043】
さらに、第1層において、第2層及び第3層の緑色(G)画素及び青色(B)画素の形成部分に相当する第1層の部分にフォトマスクを介して発光中心波長305nmを有する紫外線ランプを用いて光照射し、第1層に含まれる不必要なジアゾニウム塩化合物を失活させる。一方、ブラックマトリックス形成部分には紫外線照射を行わない。この操作により、第1層は発色前のジアゾニウム塩化合物(例えば、R発色)を残存する。
【0044】
最後に、第1層〜第3層までのジアゾ感熱記録層をサーマルヘッドKST等を用いて全面加熱して、該3層に含まれるジアゾニウム塩化合物とカプラーとを反応させ発色させることにより、赤色(R)、緑色(G)及び、青色(B)の中から選択された異なる色画素をそれぞれの層において得ることができる。即ち、この例においては、第1層、第2層及び第3層の順に赤色(R)、緑色(G)及び、青色(B)の色画素を得る。また、露光されいないブラックマトリックス形成部分は、加熱により黒色のブラックマトリックスを形成する。
【0045】
前記操作により、ブラックマトリックスを形成する部分には露光が行われずジアゾニウム塩化合物は全て残存しており、RGBマトリックスを形成する部分には上記発光中心波長を有する紫外線ランプのうち、2波長の光が露光され、ジアゾニウム塩化合物のいずれか1種だけが残存していることになり、その後の全面熱印画によりカラーフィルターを得ることができる。
これらの操作を行うことによって、色濁りの無い、いわゆる色純度の高いRGB画素を有するカラーフィルターを得ることができる。
【0046】
前記光照射は、所望の色画素を得るために必要なフィルターを適宜選定することにより、異なる2波長の光を同時に照射することができ、同時に2層のジアゾニウム塩化合物を失活させることもできる。
【0047】
[第1の態様]
透明基板上に基板側から感熱記録層1層、ジアゾ感熱記録層2層を順に積層塗布した感熱記録材料を用いたカラーフィルターの製造方法において、該2層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる2種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれのジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーを組み合せたジアゾ感熱記録層2層であり、これらの層を1層ごとに逐次、熱印画、全面光照射を2回繰り返し、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた2種別々の色画素を形成させ、ついで感熱記録層の1層を熱印画し残りの1色の画素を形成させる態様である。
【0048】
(ジアゾ感熱記録層)
透明基板上に直接積層される後述の感熱記録層(第1層)上に、感光波長が異なる2種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーを組合せたジアゾ感熱記録層2層(第2層、第3層)を有する。
【0049】
前記ジアゾ感熱記録層2層に含有される2種のジアゾニウム塩化合物は極大吸収波長が445±50nm(第1のジアゾニウム塩化合物)と365±30nm(第2のジアゾニウム塩化合物)の領域に分画されている2種のジアゾニウム塩化合物であることが好ましい。これらの2種のジアゾニウム塩化合物はそれぞれ別々に第2層及び第3層のいずれかの層に用いることができ、特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができる。
印画時間を短縮するという観点では、前記第2のジアゾニウム塩化合物を第2層に、前記第1のジアゾニウム塩化合物を第3層とすることもできる。
【0050】
第3層におけるジアゾニウム塩化合物の感光波長に対する、第2層におけるジアゾニウム塩化合物の感光波長の、モル吸光係数の割合が20%以下であることが好ましい。
即ち、第3層におけるジアゾニウム塩化合物の吸光波長領域が第2層におけるジアゾニウム塩化合物の感光波長と重なる吸収波長領域を持たないことが好ましいが、重なっても、前記モル吸光係数の割合を20%以下とすることにより、第3層を定着する際、その影響が第2層に及ばない。
【0051】
(感熱記録層)
感熱記録層は、その発色系としては、電子供与性無色染料と電子受容性化合物の組合せ、塩基性化合物と接触して発色する塩基発色系、キレート発色系、求核剤と反応して脱離反応を生じて発色する発色系等の感熱記録材料に通常用いられるものが制限無く使用可能であるが、電子供与性無色染料と電子受容性化合物の組合せが好ましい。
【0052】
本態様における前記ジアゾ感熱記録層2層、感熱記録層1層の各層はそれぞれ異なる色相である、赤(R)、緑(G)、青(B)から選ばれる色相の1つを有すればよく、これらの3層の各色相は限定されるものではなく、種々の色相の構成とすることができる。
【0053】
また、画像形成後の第3層の画像部は光を吸収しやすいため、第2層の光定着は、第3層への影響を考慮することが好ましい。第2層と第1層との関係においても同様である。即ち、上層への影響を考慮した層構成とすることが好ましい。その点を考慮すると第3層の色相としては、光の吸収が少ない青色(B)が最も好ましく、次いで緑色(G)が好ましいことが分かる。以上のことから、本発明における感熱記録材料の色相としては次の組合わせが好ましい。
透明基板から順に、青色(B)/緑色(G)/赤色(R) 、緑色(G)/青色(B)/赤色(R)、青色(B)/赤色(R)/緑色(G)である。
【0054】
(製造方法)
第1の態様のパターン画像形成によるカラーフィルターの製造方法は、以下のようにして行うことができる。ここで、感熱記録層はジアゾ感熱記録層を含むものとする。
即ち、例えば、感熱記録材料の感熱記録層が設けられた側の表面を、サーマルヘッド等の加熱装置により画像様に加熱印画することにより、感熱記録層の加熱部で、層中のポリウレア及び/又はポリウレタンを含むカプセル壁が軟化して物質透過性となり、カプセル外のカプラーや塩基性物質(有機塩基)がマイクロカプセル内に浸入すると、画像様に発色して画像形成する。
前記感熱記録層がジアゾ感熱記録層の場合、その発色後、さらにジアゾニウム塩化合物の吸収波長に相当する光を照射することにより(光定着)、ジアゾニウム塩化合物が分解反応を起こしてカプラーとの反応性を失い、画像の定着を図ることができる。上記のように光定着を施すことにより、未反応のジアゾニウム塩化合物は、分解反応を生じてその活性を失うため、形成した画像の濃度変動や、非画像部(地肌部)におけるステインの発生による着色、即ち、白色性の低下、該低下に伴う画像コントラストの低下を抑制することができる。
【0055】
前記光定着に用いる光源としては、種々の発光ダイオード、蛍光灯、キセノンランプ、水銀灯等が挙げられ、これら光源の発光スペクトルが感熱記録材料中のジアゾニウム塩の吸収スペクトルとほぼ一致していることが、高効率に定着しうる点で好ましい。また、光定着の経時的安定性の観点から発光ダイオードが好ましい。本態様においては、前記光源のうち少なくとも一つが発光ダイオードであることが好ましい。また、照射される光の発光中心波長が、350〜480nmの光源を用いることが特に好ましい。
【0056】
本態様におけるカラーフィルターの製造方法としては、例えば、以下のようにして行うことができる。
以下は、透明基板上に電子供与性無色染料前駆体と電子受容性化合物を含有する感熱記録層(第1層)と、第1のジアゾニウム塩化合物を含む第一のジアゾ感熱記録層(第2層)と、第2のジアゾニウム塩化合物を含む第ニのジアゾ感熱記録層(第3層)とを有するカラーフィルターである。
まず、ジアゾ感熱記録層(第3層)を画像様に加熱し、該層に含まれるジアゾニウム塩化合物とカプラーとを反応させ発色させる。次いで、445±50nmの光を照射してジアゾ感熱記録層(第3層)中に含まれている未反応のジアゾニウム塩を分解させる。
次に、第2層のジアゾ感熱記録層が発色するに十分な熱を与え、該層に含まれているジアゾニウム塩化合物とカプラー化合物とを反応させ発色させる。このとき、第3層のジアゾ感熱記録層も同時に強く加熱されるが、既にジアゾニウム塩化合物は分解しており、発色能力が失われているので発色しない。この後、365±30nmの光を照射して第2層のジアゾ感熱記録層に含まれているジアゾニウム塩化合物を分解させる。
最後に、第1層の感熱記録層が発色するに十分な熱を与えて発色させる。このとき、第2層、第3層のジアゾ感熱記録層も同時に強く加熱されるが、既にジアゾニウム塩は分解しており、発色能力が失われているので発色しない。
【0057】
本発明において、前記カラーフィルターの感熱記録層、ジアゾ感熱記録層相互の混色を防ぐ目的で、各感熱記録層間に中間層を設けることもできる。
該中間層は、ゼラチン、フタル化ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子化合物からなり、適宜各種添加剤を含んでいてもよい。
【0058】
本発明におけるカラーフィルターは、必要に応じて、さらにその上層として保護層を設けることが望ましい。
【0059】
本明細書において、以下、特に断らない限り、感熱記録層はジアゾ感熱記録層をも含んだ意味で用いるものとする。
【0060】
(ジアゾニウム塩化合物)
本発明に用いられる前記ジアゾニウム塩化合物としては、前記第2、3の態様において、3層のジアゾ感熱記録層にはそれぞれ感光波長の異なる3種のジアゾニウム塩化合物を有し、該ジアゾニウム塩化合物が第1、第2及び第3のジアゾニウム塩化合物であることが好ましい。また、第1の態様における2層のジアゾ感熱記録層の各層には、それぞれ感光波長の異なる2種のジアゾニウム塩化合物を有し、該ジアゾニウム塩化合物が該第1及び第2のジアゾニウム塩化合物であることが好ましい。
【0061】
−第1のジアゾニウム塩化合物−
第1のジアゾニウム塩化合物は、極大吸収波長445±50nmの範囲のジアゾニウム塩化合物である。前記極大吸収波長の範囲内であると、ジアゾニウム塩の安定性が劣化がしにくく、実用性が向上する点で好ましい。第1のジアゾニウム塩化合物の極大吸収波長の範囲は、より好ましくは、395〜470nmである。
第1のジアゾニウム塩化合物としては、一般式(1)〜(3)で表されるジアゾニウム塩化合物であることが好ましい。
【0062】
【化7】
【0063】
一般式(1)〜(3)中、R1、R2、及びR4〜R9は同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、又はアリール基、R3は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、スルホニル基、アシル基、又はアルコキシカルボニル基を表し、D1はHammettのσp値が−0.05以下の電子供与性基を表し、中でも、置換アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、又は、アリールオキシ基が好ましい。
Xは対アニオンを表す。AはHammettのσp値が0.3以上の電子吸引性基を表す。一般式(1)〜(3)中のそれぞれのベンゼン環は更に置換基を有していてもよい。
【0064】
前記R1、R2、R4〜R9は、水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。特に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基が好ましい。アルキル基は分岐していてもよく、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、フェニル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、又はカルバモイル基で置換されていてもよい。また、フェニル基は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシルオキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、又はアシル基で置換されていてもよい。
前記R1、R2、R4〜R9は、具体的には例えば以下に示すものが挙げられる。
【0065】
【化8】
【0066】
前記R3は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、塩素原子、フッ素原子、炭素数1〜15のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、炭素数1〜18のアシル基、又は炭素数1〜18のアルコキシカルボニル基が好ましい。アルキル基、アルキルスルホニル基は分岐していてもよく、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、フェニル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、又はカルバモイル基で置換していてもよい。
アリールスルホニル基は、ハロゲン原子、アルキル基、又はアルコキシ基で置換されていてもよい。
前記R3は、具体的には、例えば、以下に示すものが挙げられる。
【0067】
【化9】
【0068】
前記D1が、Hammettのσp値が−0.05以下の電子供与性基として、置換アミノ基を表わす場合、置換アミノ基としては、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、炭素数6〜10のアリールアミノ基、炭素数7〜20のN−アルキル−N−アリールアミノ基、炭素数2〜20のアシルアミノ基が好ましく、これらの基はさらに1又は2以上の置換基を有していてもよい。また、前記アルキル基等の置換基同士が結合して環状アミノ基を形成してもよい。
D1がHammettのσp値が−0.05以下の電子供与性基として、アルキルチオ基を表わす場合、炭素数1〜18のアルキルチオ基が好ましく、アリールチオ基を表わす場合、炭素数6〜10のアリールチオ基が好ましく、アルコキシ基を表わす場合、炭素数1〜18のアルコキシ基が好ましく、アリールオキシ基を表わす場合、炭素数6〜10のアリールオキシ基が好ましく、これらの基はさらに1又は2以上の置換基を有していてもよい。
ジアゾニウム塩化合物の安定性の観点から、D1がジアルキルアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基が好ましい。
【0069】
前記D1が示すHammettのσp値が−0.05以下の電子供与性基として、置換アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基におけるアルキル基、アリール基としては以下のようなものが挙げられる。
【0070】
【化10】
【0071】
前記Aとしては、スルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、又はシアノ基が好ましい。スルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、R3が表すスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基と同義である。
R8とR9、R13とR14は互いに結合して環を形成していてもよい。
【0072】
酸アニオンX−の例としては、炭素数1〜20のパーフルオロアルキルカルボン酸(例えば、パーフルオロオクタン酸、パーフルオロデカン酸、パーフルオロドデカン酸)、炭素数1〜20のパーフルオロアルキルスルホン酸(例えば、パーフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロデカンスルホン酸、パーフルオロヘキサデカンスルホン酸)、炭素数7〜50の芳香族カルボン酸(例えば、4,4−ジ−t−ブチルサリチル酸、4−t−オクチルオキシ安息香酸、2−n−オクチルオキシ安息香酸、4−t−ヘキサデシル安息香酸、2,4−ビス−n−オクタデシルオキシ安息香酸、4−n−デシルナフトエ酸)、炭素数6〜50の芳香族スルホン酸(例えば、1,5−ナフタレンジスルホン酸、4−t−オクチルオキシベンゼンスルホン酸、4−n−ドデシルベンゼンスルホン酸)、4,5−ジ−t−ブチル−2−ナフトエ酸、テトラフッ化ホウ酸、テトラフェニルホウ酸、ヘキサフルオロリン酸等が挙げられる。中でも、炭素数6〜16のパーフルオロアルキルカルボン酸、炭素数10〜40の芳香族カルボン酸、炭素数10〜40の芳香族スルホン酸、テトラフッ化ホウ酸、テトラフェニルホウ酸、ヘキサフルオロリン酸などが好ましい。
【0073】
一般式(1)中のD1が置換アミノ基を示す場合、置換基同士が結合して形成される環状アミノ基、及び一般式(2)中の−N(R8)R9の環状のものとしては、例えば以下のものが挙げられる。
【0074】
【化11】
【0075】
一般式(3)のインドリル基上のベンゼン環は核置換基を有していてもよく、特に環の安定性の観点から電子吸引性基が好ましい。電子吸引性基のHammettのσp値としては0.1以上が好ましい。中でも、アシル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、スルホンアミド基、又はカルボンアミド基が好ましい。アシル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基は前記R3と同義であり、好ましい態様も同様である。スルホンアミド基は炭素数1〜12のものが好ましく、具体的には、次のものが挙げられる。
【0076】
【化12】
【0077】
カルボンアミド基は、炭素数2〜13のものが好ましく、具体的には以下のものが挙げられる。
【0078】
【化13】
【0079】
以下に、一般式(1)〜(3)で表されるジアゾニウム塩化合物の具体例(例示化合物(1)〜(22))を挙げるが、本発明は以下に限定されるものではない。
【0080】
【化14】
【0081】
【化15】
【0082】
【化16】
【0083】
−第2のジアゾニウム塩化合物−
前記第2のジアゾニウム塩化合物は、極大吸収波長365±30nmの範囲のジアゾニウム塩化合物である。該範囲であると該ジアゾニウム塩化合物の安定性及び光分解性の向上の点で好ましい。第2のジアゾニウム塩化合物の極大吸収波長の範囲は、より好ましくは、350〜385nmである。
前記第2のジアゾニウム塩化合物としては、下記一般式(4)で表されるジアゾニウム塩化合物が好ましい。
【0084】
【化17】
【0085】
一般式(4)中、R10及びR11は、R1と同義であり、好ましい例も同様である。
【0086】
前記D2はアルコキシ基又はアリールオキシ基を表す。該アルコキシ基のアルキル基、アリールオキシ基のアリール基はR1が表すアルキル基、アリール基と同義であり、好ましい例も同様である。
【0087】
以下に、一般式(4)で表されるジアゾニウム塩化合物の具体例(例示化合物(23)〜(29))を挙げるが本発明は以下に限定されるものではない。
【0088】
【化18】
【0089】
また、前記一般式(1)〜(3)及び(4)で示されるジアゾニウム塩化合物において、一般式(4)で示される第2のジアゾニウム塩化合物に対する、一般式(1)〜(3)で示される第1のジアゾニウム塩化合物の波長365nmにおけるモル吸光係数の割合が20%以下のものが好ましい。
【0090】
−第3のジアゾニウム塩化合物−
前記第3のジアゾニウム塩化合物は、極大吸収波長305±30nmの範囲のジアゾニウム塩化合物である。該範囲であると極大吸収範囲の重なりが無く、また、ジアゾニウム塩化合物の安定性と光分解性が向上する点で好ましい。第3のジアゾニウム塩化合物の極大吸収波長の範囲は、より好ましくは、290〜325nmである。
前記第3のジアゾニウム塩化合物としては、下記一般式(5)で表されるジアゾニウム塩化合物が好ましい。
【0091】
【化19】
【0092】
一般式(5)中、D3はHammettのσp値が−0.45以上の基を表す。
Hammettのσp値が−0.45以上の基を表すD3としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子、水素原子、ニトロ基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アルコキシカルボニル基が好ましい。
アルコキシ基としては、置換可能なC1〜20のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ、エトキシ、n−ブチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、3−メチル−5,5−ジメチルヘキシルオキシ、n−デシルオキシ、2−フェノキシエトキシ、2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェニル)オキシエチルオキシ等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、置換可能なC6〜20のアリールオキシ基が好ましく、たとえば、フェノキシ、メチルフェノキシ、イソプロピルフェノキシ、2,4―ジ−(t−ペンチル)フェノキシ、クロロフェノキシ、メトキシフェノキシ等が挙げられる。
アルキル基としては、C1〜8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、n−ヘキシル、t−オクチル等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、C1〜8のアルキルチオ基が好ましく、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n−ブチルチオ、n−オクチルチオ、ベンジルチオ、等が挙げられる。
アリールチオ基としては、置換可能なC6〜10のアリールチオ基が好ましく、例えば、フェニルチオ、メチルフェニルチオ、クロロフェニルチオ、メトキシフェニルチオ、t−ブチルフェニルチオ等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子等が好ましい。
アルキルスルホニル基としては、C1〜8のアルキルスルホニル、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−ブチルスルホニル、n−オクチルスルホニル、ベンジルスルホニル、等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、C2〜10のアルコキシカルボニル、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−ブチルオキシカルボニル、n−オクチルオキシカルボニル等が挙げられる。
【0093】
一般式(5)中のXは、一般式(1)と同義である。一般式(5)中のベンゼン環は、更に置換基を有していても良い。
前記ベンゼン環上に置換基を有する場合、ジアゾ基のオルト位(O−位)に置換されていることが好ましい。該置換基としては、いずれの置換基でも可能であるが、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、シアノ基、アルキルスルホニル基、アルコキシカルボニル基などが好ましい。
前記アルキル基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、アルキルスルホニル基、アルコキシカルボニル基は、前記D3のそれぞれに対応する置換基と同義である。
前記アルコキシ基としては、C1〜16のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−ブチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、3−メチル−5,5−ジメチルヘキシルオキシ、n−ヘキサデシルオキシ等が挙げられる。
【0094】
以下に、一般式(5)で表されるジアゾニウム塩化合物の具体例(例示化合物(30)〜(36))を挙げるが本発明は以下に限定されるものではない。
【0095】
【化20】
【0096】
また、前記一般式(4)及び(5)で示されるジアゾニウム塩化合物においては、前記一般式(5)で示される第3のジアゾニウム塩化合物に対する、一般式(4)で示される第2のジアゾニウム塩化合物の波長305nmにおけるモル吸光係数の割合が20%以下のものが好ましい。
以下、同様に一般式(1)〜(3)で示される第1のジアゾニウム塩化合物に対する一般式(4)で示される第2のジアゾニウム塩化合物の波長445nmにおけるモル吸光係数の割合、一般式(5)で示される第3のジアゾニウム塩化合物に対する一般式(1)〜(3)で示される第1のジアゾニウム塩化合物の波長305nmにおけるモル吸光係数の割合及び一般式(4)で示される第2のジアゾニウム塩化合物に対する一般式(5)で示される第3のジアゾニウム塩化合物の波長365nmにおけるモル吸光係数の割合がそれぞれ20%以下のものが好ましい。
【0097】
また、前記一般式(1)〜(5)で表されるジアゾニウム塩化合物は、油状、結晶状のいずれであってもよいが、取扱い性の点で常温で結晶状態のものが好ましい。このジアゾニウム塩化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、また、既存のジアゾニウム塩化合物と併用してもよい。
【0098】
前記一般式(1)〜(5)で表されるジアゾニウム塩化合物のジアゾ感熱記録層における含有量としては、0.02〜5g/m2が好ましく、発色濃度の点から0.1〜4g/m2がより好ましい。
【0099】
前記一般式(1)〜(5)で表されるジアゾニウム塩化合物の安定化のために、塩化亜鉛、塩化カドミウム、塩化スズ等を用いて錯化合物を形成させ、ジアゾニウム塩化合物の安定化を図ることもできる。
【0100】
(電子供与性無色染料と電子受容性化合物)
本発明に用いる電子供与性無色染料としては、赤色、緑色、青色の各色を出すことができ、その発色色相は組合せる電子受容性化合物により多少変化するものの、大きく変化すること無く、必要に応じて任意に選択することができる。
【0101】
−電子供与性無色染料−
前記電子供与性無色染料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の物の中から適宜選択することができ、本発明においては電子供与性無色染料前駆体を用いることができる。
電子供与性無色染料前駆体および電子受容性化合物などは、特開平6−328860号公報、特開平7−290826号公報、特開平7−314904号公報、特開平8−324116号公報、特開平3−37727号公報、特開平9−31345号公報、特開平9−111136号公報、特開平9−118073号公報、特開平11−157221号公報、などに詳しく記載されている。
本発明に用いられる電子供与性無色染料前駆体として、その具体例(例示化合物(4)−1〜5)を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0102】
【化21】
【0103】
また、前記例示の化合物を単独に用いることもできるが、従来知られているものを混合して用いてもよい。混合に適する化合物(例示化合物(4)−6〜11)を以下に例示する。
【0104】
【化22】
【0105】
−電子受容性化合物の具体例−
電子受容性化合物としては、フェノール誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げられる。特に、ビスフェノール類、ヒドロキシ安息香酸エステル類が好ましい。これらの一部を例示すれば、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(即ち、ビスフェノールP)、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクロロフェニル)プロパン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸およびその多価金属塩、3,5−ジ(tert−ブチル)サリチル酸およびその多価金属塩、3−α,α−ジメチルベンジルサリチル酸およびその多価金属塩、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシル、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノールなどが挙げられる。
【0106】
(カプラー)
次に、本発明のカラーフィルターの製造方法において使用可能なカプラー(カップリング成分)について説明する。
前記カプラーとしては、塩基性雰囲気及び/又は中性雰囲気でジアゾニウム塩化合物とカップリングして色素を形成するものであればいずれの化合物も使用可能である。ハロゲン化銀写真感光材料用のいわゆる4当量カプラー化合物はすべてカプラーとして使用可能である。また、2当量カプラーの一部も使用可能である。これらは目的とする色相に応じて選択することが可能である。
例えば、カルボニル基の隣にメチレン基を有するいわゆる活性メチレン化合物、フェノール誘導体、ナフトール誘導体等があり、具体的には以下のものが挙げられ、本発明の目的に合致する範囲で使用される。
【0107】
前記カプラーの具体例としては、例えば、レゾルシン、フロログルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸アニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシルオキシプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシルアミド、5−アセトアミド−1−ナフトール、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ジアニリド、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、5,5−ジメチル−l,3−シクロヘキサンジオン、1,3−シクロペンタンジオン、5−(2−n−テトラデシルオキシフェニル)−1,3−シクロへキサンジオン、5−フェニル−4−メトキシカルボニル−1,3−シクロヘキサンジオン、5−(2,5−ジーn−オクチルオキシフェニル)−1,3−シクロヘキサンジオン;
【0108】
N,N’−ジシクロヘキシルバルビツール酸、N,N’−ジ−n−ドデシルバルビツール酸、N−n−オクチル−N’−n−オタタデシルバルビツール酸、N−フェニル−N’−(2,5−ジ−n−オクチルオキジフェニル)バルビツール酸、N,N’−ビス(オクタデシルオキシカルボニルメチル)バルビツール酸、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−アニリノ−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、6−ヒドロキシ−4−メチル−3−シアノ−1−(2−エチルヘキシル)−2−ピリドン、2,4−ビス−(ベンゾイルアセトアミド)トルエン、1,3−ビス−(ピバロイルアセトアミドメチル)ベンゼン、ベンゾイルアセトニトリル、テノイルアセトニトリル、アセトアセトアニリド、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイルアセトアニリド、2−クロロ−5−(N−n−ブチルスルファモイル)−1−ビバロイルアセトアミドベンゼン、1−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(ドデシルオキシプロピル)−3−アセチル−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(4−n−オクチルオキシフェニル)−3−tert−ブチル−5−アミノピラゾール等が挙げられる。
【0109】
カプラーの詳細については、特開平4−201483号、特開平7−223367号、特開平7−223368号、特開平7−323660号、特開平7−125446号、特開平7−96671号、特開平7−223367号、特開平7−223368号、特開平9−156229号、特開平9−216468号、特開平9−216469号、特開平9−203472号、特開平9−319025号、特開平10−35113号、特開平10−193801号、特開平10−264532号等の公報に記載されている。
【0110】
上記のうち、本発明においては、下記一般式(IV)で表される化合物又はその互変異性体が特に好ましい。
以下に、一般式(IV)で表されるカプラーについて詳述する。
【0111】
【化23】
一般式(IV)中、E1とE2はそれぞれ独立に電子吸引性基を表し、Xはアゾカップリングするときに離脱してアゾ色素を形成することができる基を表し、またE1とびE2は結合して環を形成してもよい。
【0112】
前記E1及びE2で表される電子吸引性基とは、Hammettのσp値が正である置換基を意味し、これらは同一であっても異なっていてもよく、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、クロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、1−メチルシクロプロピルカルボニル基、1−エチルシクロプロピルカルボニル基、1−ベンジルシクロプロピルカルボニル基、ベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、テノイル基等のアシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−メトキシエトキシカルボニル基、4−メトキシフェノキシカルボニル基等のオキシカルボニル基;カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−〔2,4−ビス(ペンチルオキシ)フェニル〕カルバモイル基、N−〔2,4−ビス(オクチルオキシ)フェニル〕カルバモイル基、モルホリノカルボニル基等のカルバモイル基;メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等のアルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基;ジエチルホスホノ基等のホスホノ基;ベンゾオキサゾール−2−イル基、ベンゾチアゾール−2−イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン−2−イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−スルホン−2−イル基等の複素環基;ヘテロ環基;ニトロ基;イミノ基;シアノ基が好適に挙げられる。
【0113】
また、E1及びE2で表される電子吸引性基は、両者が結合し環を形成してもよい。E1及びE2で形成される環としては、5員ないし6員の炭素環又は複素環が好ましい。
【0114】
Xはアゾカップリング時に脱離する基を示すが、離脱基Xとしては、ハロゲン原子(フッ素、臭素、塩素、沃素)、置換アルキル基(ヒドロキシメチル基、ジメチルアミノメチル基)、アルキルチオ基(例えば、エチルチオ基、2−カルボキシエチルチオ基、ドデシルチオ基、1−カルボキシドデシルチオ基)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、2−ブトキシ−t−オクチルフェニルチオ基)、アルコキシル基(例えば、エトキシ基、ドデシルオキシ基、メトキシエチルカルバモイルメトキシ基、カルボキシプロピルオキシ基、メチルスルホニルエトキシ基、エトキシカルボニルメトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、4−メチルフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−カルボキシフェノキシ基、3−エトキシカルボキシフェノキシ基、3−アセチルアミノフェノキシ基、2−カルボキシフェノキシ基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、テトラデカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基)、アリールスルホニルオキシ基(例えば、トルエンスルホニルオキシ基)、ジアルキルアミノカルボニルオキシ基(例えば、ジメチルアミノカルボニルオキシ基、ジエチルアミノカルボニルオキシ基)、ジアリールアミノカルボニルオキシ基(例えば、ジフェニルアミノカルボニルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(例えば、エトキシカルボニルオキシ基、ベンジルオキシカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ基)、又は複素環基(例えば、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基)が挙げられる。
【0115】
以下に、一般式(IV)で表されるカプラーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、以下に示すカプラーの互変異性体も好適なものとして挙げることができる。
【0116】
【化24】
【0117】
【化25】
【0118】
【化26】
【0119】
【化27】
【0120】
【化28】
【0121】
【化29】
【0122】
【化30】
【0123】
前記カプラーの互変異性体とは、上記に代表されるカプラーの異性体として存在するものであって、その両者間で構造が容易に変化し合う関係にあるものをいい、本発明に用いるカプラーとしては、該互変異性体も好ましい。
【0124】
(ジアゾニウム塩化合物とカプラーとの組合せ具体例)
本発明の前記第1〜第3の態様において用いられる前記極大吸収波長が445±50nmのジアゾニウム塩化合物と、該ジアゾニウム塩化合物と発色反応する前記カプラーとは、赤色、緑色、青色を出すことができる。その具体的な組合せ例(例示組合せ(1)−1〜10)を下記する。本発明に用いられる組み合わせはこれらに限定されるものではなく、所望の色相を発色する組合せは適宜選択使用することができる。
【0125】
【表1】
【0126】
【表2】
【0127】
【表3】
【0128】
本発明の前記第1〜3の態様において用いられる前記極大吸収波長が365±30nmのジアゾニウム塩化合物と、該ジアゾニウム塩化合物と発色反応する前記カプラーは、赤色、緑色、青色を出すことができる。その具体的な組合せ例(例示組合せ(2)−1〜7)を下記するが、本発明に用いられる組み合わせはこれらに限定されるものではなく、所望の色相を発色する組合せは適宜選択使用することができる。
【0129】
【表4】
【0130】
【表5】
【0131】
本発明の前記第2及び第3の態様において用いられる前記極大吸収波長が305±30nmのジアゾニウム塩化合物と、該ジアゾニウム塩化合物と発色反応する前記カプラーは、赤色、青色を出すことができる。その具体的な組合せ例(例示組合せ(3)−1〜3)を下記するが、本発明に用いられる組み合わせはこれらに限定されるものではなく、所望の色相を発色する組合せは適宜選択使用することができる。
【0132】
【表6】
【0133】
(マイクロカプセル化)
本発明のカラーフィルターの製造方法に用いられる前記ジアゾニウム塩化合物はその使用前の生保存性を良化する目的で、マイクロカプセルに内包させることが好ましい。該マイクロカプセルの形成方法としては、既に公知の方法の中から適宜選択することができる。
マイクロカプセルのカプセル壁を形成する高分子物質としては、常温では非透過性であり、加熱時に透過性となる性質を有することが必要である点から、特にガラス転移温度が60〜200℃のものが好ましく、例えば、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレン・メタクリレート共重合体、スチレン・アクリレート共重合体及びこれらの混合系を挙げることができる。
【0134】
マイクロカプセル形成方法としては、具体的には、界面重合法や内部重合法が適している。該カプセル形成方法の詳細及びリアクタントの具体例等については、米国特許第3,726,804号、同第3,796,669号等の明細書に記載がある。例えば、カプセル壁材として、ポリウレア、ポリウレタンを用いる場合には、ポリイソシアネート及びそれと反応してカプセル壁を形成する第2物質(例えば、ポリオールやポリアミン)を水性媒体又はカプセル化すべき油性媒体中に混合し、水中でこれらを乳化分散し次に加温することにより油滴界面で高分子形成反応を起こしマイクロカプセル壁を形成する。尚、上記第2物質の添加を省略した場合もポリウレアを生成することができる。
【0135】
本発明においては、マイクロカプセルのカプセル壁を形成する高分子物質としては、ポリウレタン及び/又はポリウレアを成分として含有することが、製造適性と熱応答感度に優れるので好ましい。
【0136】
次に、ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル(ポリウレア・ポリウレタン壁)の製造方法について述べる。
まず、ジアゾニウム塩化合物は、カプセルの芯となる疎水性の有機溶媒に溶解又は分散させ、マイクロカプセルの芯となる油相を調製する。このとき、さらに壁材として多価イソシアネートが添加される。
【0137】
前記油相の調製に際し、ジアゾニウム塩化合物を溶解、分散してマイクロカプセルの芯の形成に用いる疎水性の有機溶媒としては、沸点100〜300℃の有機溶媒が好ましく、例えば、アルキルナフタレン、アルキルジフェニルエタン、アルキルジフェニルメタン、アルキルビフェニル、アルキルターフェニル、塩素化パラフィン、リン酸エステル類、マレイン酸エステル類、アジピン酸エステル類、フタル酸エステル類、安息香酸エステル類、炭酸エステル類、エーテル類、硫酸エステル類、スルホン酸エステル類等が挙げられる。これらは2種以上混合して用いてもよい。
【0138】
カプセル化しようとするジアゾニウム塩化合物の前記有機溶媒に対する溶解性が劣る場合には、用いるジアゾニウム塩化合物の溶解性の高い低沸点溶媒を補助的に併用することもでき、該低沸点溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
このため、ジアゾニウム塩化合物は、高沸点疎水性有機溶媒、低沸点溶媒に対する適当な溶解度を有していることが好ましく、具体的には、該溶剤に5%以上の溶解度を有していることが好ましい。水に対する溶解度は1%以下が好ましい。
【0139】
一方、用いる水相には水溶性高分子を溶解した水溶液を使用し、これに前記油相を投入後、ホモジナイザー等の手段により乳化分散を行うが、該水溶性高分子は、分散を均一かつ容易にするとともに、乳化分散した水溶液を安定化させる分散媒として作用する。ここで、更に均一に乳化分散し安定化させるためには、油相あるいは水相の少なくとも一方に界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤は公知の乳化用界面活性剤が使用可能である。
界面活性剤を添加する場合の添加量としては、油相質量に対して0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。
【0140】
調製された油相を分散する水溶性高分子水溶液に用いる水溶性高分子は、乳化しようとする温度における、水に対する溶解度が5%以上の水溶性高分子が好ましく、例えば、ポリビニルアルコール及びその変成物、ポリアクリル酸アミド及びその誘導体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、アラビヤゴム、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0141】
前記水溶性高分子は、イソシアネート化合物との反応性がないか、若しくは低いことが好ましく、例えば、ゼラチンのように分子鎖中に反応性のアミノ基を有するものは、予め変成する等して反応性をなくしておくことが好ましい。
【0142】
前記多価イソシアネート化合物としては、3官能以上のイソシアネート基を有する化合物が好ましいが、2官能のイソシアネート化合物であってもよい。具体的には、キシレンジイソシアネート及びその水添物、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート及びその水添物、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネートを主原料とし、これらの2量体あるいは3量体(ビューレットあるいはイソシアヌレート)の他、トリメチロールプロパン等のポリオールとキシリレンジイソシアネート等の2官能イソシアネートとのアダクト体として多官能としたもの、トリメチロールプロパン等のポリオールとキシリレンジイソシアネート等の2官能イソシアネートとのアダクト体にポリエチレンオキシド等の活性水素を有するポリエーテル等の高分子量化合物を導入した化合物、ベンゼンイソシアネートのホルマリン縮合物等が挙げられる。
特開昭62−212190号公報、特開平4−26189号公報、特開平5−317694号公報、特願平8−268721号公報等に記載の化合物が好ましい。
【0143】
多価イソシアネートの使用量としては、マイクロカプセルの平均粒径が0.3〜12μmで、壁厚みが0.01〜0.3μmとなるように決定される。また、その分散粒子径としては、0.2〜10μm程度が一般的である。
水相中に油相を加えた乳化分散液中では、油相と水相の界面において多価イソシアネートの重合反応が生じてポリウレア壁が形成される。
【0144】
水相中又は油相の疎水性溶媒中に、さらにポリオール及び/又はポリアミンを添加しておけば、多価イソシアネートと反応してマイクロカプセル壁の構成成分の一つとして用いることもできる。上記反応において、反応温度を高く保ち、或いは、適当な重合触媒を添加することが反応速度を速める点で好ましい。
これらのポリオール又はポリアミンの具体例としては、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ソルビトール、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。ポリオールを添加した場合には、ポリウレタン壁が形成される。
多価イソシアネート、ポリオール、反応触媒、あるいは、壁剤の一部を形成させるためのポリアミン等については成書に詳しい(岩田敬治編 ポリウレタンハンドブック 日刊工業新聞社(1987))。
【0145】
乳化は、ホモジナイザー、マントンゴーリー、超音波分散機、ディゾルバー、ケディーミル等の公知の乳化装置の中から適宜選択して行うことができる。乳化後は、カプセル壁形成反応を促進させるために乳化物を30〜70℃に加温することが行われる。また、反応中はカプセル同士の凝集を防止するために、加水してカプセル同士の衝突確率を下げたり、十分な攪拌を行う等の必要がある。
【0146】
また、反応中に改めて凝集防止用の分散物を添加してもよい。重合反応の進行に伴って炭酸ガスの発生が観測され、その終息をもっておよそのカプセル壁形成反応の終点とみなすことができる。通常、数時間反応させることにより、目的のジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセルを得ることができる。
【0147】
前記ジアゾニウム塩化合物をマイクロカプセルに内包することにより、本発明におけるカラーフィルターとしての長期安定性をより高めることができる。
【0148】
次に、本発明に用いるカプラーは、例えば、水溶性高分子、有機塩基、その他の発色助剤等とともに、サンドミル等により固体分散して用いることもできるが、特に好ましくは、予め水に難溶性又は不溶性の高沸点有機溶剤に溶解した後、これを界面活性剤及び/又は水溶性高分子を保護コロイドとして含有する高分子水溶液(水相)と混合し、ホモジナイザー等で乳化した乳化分散物として用いることが好ましい。この場合、必要に応じて、低沸点溶剤を溶解助剤として用いることもできる。さらに、カプラー、有機塩基は別々に乳化分散することも、混合してから高沸点有機溶剤に溶解し、乳化分散することも可能である。好ましい乳化分散粒子径は1μm以下である。
【0149】
前記カプラーの使用量としては、ジアゾニウム塩化合物1質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。
【0150】
この場合に使用される高沸点有機溶剤は、例えば、特開平2−141279号公報に記載の高沸点オイルの中から適宜選択することができる。中でも、乳化分散物の乳化安定性の観点から、エステル類が好ましく、リン酸トリクレジルが特に好ましい。上記オイル同士、又は他のオイルとの併用も可能である。
【0151】
前記有機溶剤に、さらに溶解助剤として、低沸点の補助溶剤を加えることもでき、該補助溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル及びメチレンクロライド等を好適に挙げることができる。場合に応じて、高沸点オイルを含まず、低沸点補助溶剤のみを用いることもできる。
【0152】
また、水相中に保護コロイドとして含有させる水溶性高分子としては、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子の中から適宜選択することができ、中でも、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、セルロース誘導体等が好ましい。
【0153】
また、水相中に含有させる界面活性剤としては、アニオン性又はノニオン性の界面活性剤であって、上記保護コロイドと作用して沈澱や凝集を起こさないものを適宜選択して使用することができる。該界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)等が挙げられる。
【0154】
(塩基性物質、その他)
本発明においては、ジアゾニウム塩化合物とカプラーとのカップリング反応を促進する目的で、有機塩基等の塩基性物質を加えることも好ましい態様である。前記有機塩基としては、第3級アミン類、ピぺリジン類、ピペラジン類、アミジン類、ホルムアミジン類、ピリジン類、グアニジン類、モルホリン類等の含窒素化合物等が挙げられ、例えば、特公昭52−46806号公報、特開昭62−70082号公報、特開昭57−169745号公報、特開昭60−94381号公報、特開昭57−123086号公報、特開昭60−49991号公報、特公平2−24916号公報、特公平2−28479号公報、特開昭60−165288号公報、特開昭57−185430号公報に記載のものを好適に挙げることができる。これらは、単独で用いても2種以上併用してもよい。
【0155】
上記のうち、具体的には、N,N’−ビス(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メチルフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス(3−フェニルチオ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N−3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピル−N’−メチルピペラジン、1,4−ビス{〔3−(N−メチルピペラジノ)−2−ヒドロキシ〕プロピルオキシ)ベンゼン等のピペラジン類、N−〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシ〕プロピルモルホリン、1,4−ビス(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン、1,8−ビス(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン等のモルホリン類、N−(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン、N−ドデシルピペリジン等のピペリジン類、トリフェニルグアニジン、トリシクロヘキシルグアニジン、ジシクロヘキシルフェニルグアニジン等のグアニジン類等が好ましい。
【0156】
前記塩基性物質の使用量としては、ジアゾニウム塩化合物1質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。
前記使用量が、0.1質量部未満であると、十分な発色濃度が得られなくなることがあり、30質量部を超えると、ジアゾニウム塩化合物の分解が促進されることがある。
【0157】
本発明のカラーフィルターの製造方法において、カップリング反応を促進する目的で、感熱記録層中に、アミノフェノール系、フェノール系、カテコール系、ハイドロキノン系、アミン系、ヒドロキシアミン系、アルコール系、チオール系、スルフィド系、アルカリ金属、アルカリ土類金属、金属水素化物、ヒドラジン系、フェニドン系、アニリン系、フェニルエーテル系、L−アスコルビン酸類等の還元剤を添加することが好ましく、なかでも、ハイドロキノン系、カテコール系、アミノフェノール系還元剤が好ましい。中でも、ハイドロキノン系、カテコール系、アミノフェノール系が好ましい。
【0158】
これらの還元剤は、感熱記録層に微粒子状態で固体分散させてもよい。また、ジアゾ化合物をマイクロカプセル化した場合には、マイクロカプセルの内に添加することも、内と外の両方に添加することも可能である。
【0159】
また、前記還元剤の含有量は、ジアゾ化合物に対して1〜10倍モルであることが好ましく、1〜4倍モルであることがより好ましい。ジアゾ化合物の含有量の1倍モルより少ない添加量では、発色性の向上効果や、画像保存性の向上効果が充分に得られないことがあり、一方、10倍モルより多く添加すると、却って発色性の向上効果が小さくなったり、また、生保存性が悪化したりすることがある。
【0160】
また、感熱記録層中には、上記塩基性物質の他、発色反応を促進させる、即ち、低エネルギーで迅速かつ完全に熱印画させる目的で、発色助剤を加えることもできる。ここで、発色助剤とは、加熱記録時の発色濃度を高くする、若しくは発色温度を制御する物質であり、カプラー、塩基性物質若しくはジアゾニウム塩化合物等の融解点を下げたり、カプセル壁の軟化点を低下させうる作用により、ジアゾニウム塩、塩基性物質、カプラー等が反応しやすい条件とするためのものである。
前記発色助剤としては、例えば、フェノール誘導体、ナフトール誘導体、アルコキシ置換ベンゼン類、アルコキシ置換ナフタレン類、芳香族エーテル、チオエーテル、エステル、アミド、ウレイド、ウレタン、スルホンアミド化合物、ヒドロキシ化合物等が挙げられる。
【0161】
前記発色助剤には、熱融解性物質も含まれる。
該熱融解性物質は、常温下では固体であって、加熱により融解する融点50℃〜150℃の物質であり、ジアゾニウム塩化合物、カプラー、或いは、有機塩基等を溶解しうる物質である。具体的には、カルボン酸アミド、N置換カルボン酸アミド、ケトン化合物、尿素化合物、エステル類等を挙げることができる。
【0162】
本発明におけるカラーフィルターにおいては、熱発色画像の光及び熱に対する堅牢性を向上させ、又は、定着後の未印画部分(非画像部)の光による黄変を軽減する目的で、以下に示す公知の酸化防止剤等を用いることも好ましい。
前記酸化防止剤については、例えば、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、同第309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、アメリカ特許第4814262号、アメリカ特許第4980275号等に記載されている。
【0163】
感熱若しくは感圧記録材料において既に用いられている公知の各種添加剤を用いることも有効である。
前記各種添加剤としては、例えば、特開昭60−107384号公報、同60−107383号公報、同60−125470号公報、同60−125471号公報、同60−125472号公報、同60−287485号公報、同60−287486号公報、同60−287487号公報、同60−287488号公報、同61−160287号公報、同61−185483号公報、同61−211079号公報、同62−146678号公報、同62−146680号公報、同62−146679号公報、同62−282885号公報、同63−051174号公報、同63−89877号公報、同63−88380号公報、同63−088381号公報、同63−203372号公報、同63−224989号公報、同63−251282号公報、同63−267594号公報、同63−182484号公報、特開平1−239282号公報、同4−291685号公報、同4−291684号公報、同5−188687号公報、同5−188686号公報、同5−110490号公報、同5−170361号公報、特公昭48−043294号公報、同48−033212号公報等に記載の化合物を挙げることができる。
【0164】
具体的には、6−エトキシ−1−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−フェニル−2,2.4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
【0165】
前記酸化防止剤、又は各種添加剤の添加量としては、ジアゾニウム塩化合物1質量部に対して、0.05〜100質量部が好ましく、0.2〜30質量部がより好ましい。
【0166】
前記酸化防止剤及び各種添加剤は、マイクロカプセル中にジアゾニウム塩化合物とともに含有させてもよいし、或いは、固体分散物としてカプラー、塩基性物質及びその他の発色助剤とともに含有させてもよいし、乳化物にして適当な乳化助剤とともに含有させてもよいし、又はその両形態で含有させてもよい。また、酸化防止剤、又は各種添加剤は、単独で用いてもよく、複数併用することもできる。さらに、保護層に含有させることもできる。
【0167】
前記酸化防止剤及び各種添加剤は、必ずしも同一層に添加しなくてもよい。
前記酸化防止剤及び/又は各種添加剤を複数組合わせて用いる場合には、アニリン類、アルコキシベンゼン類、ビンダードフェノール類、ヒンダードアミン類、ハイドロキノン誘導体、リン化合物、硫黄化合物のように構造的に分類し、互いに異構造のものを組合わせてもよいし、同一のものを複数組合わせることもできる。
【0168】
画像記録後の地肌部の黄着色を軽減する目的で、光重合性組成物等に用いられる遊離基発生剤(光照射により遊離基を発生する化合物)を添加することができる。
前記遊離基発生剤としては、例えば、芳香族ケトン類、キノン類、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、アゾ化合物、有機ジスルフィド類、アシルオキシムエステル類等が挙げられる。
該遊離基発生剤の添加量としては、ジアゾニウム塩化合物1質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましい。
【0169】
また、同様に黄着色を軽減する目的で、エチレン性不飽和結合を有する重合可能な化合物(以下、「ビニルモノマー」と称する。)を用いることもできる。ビニルモノマーとは、その化学構造中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合(ビニル基、ビニリデン基等)を有する化合物であって、モノマーやプレポリマーの化学形態を持つものである。
前記ビニルモノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコールとのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。該ビニルモノマーは、ジアゾニウム塩1質量部に対して、0.2〜20質量部の割合で用いる。
前記遊離基発生剤やビニルモノマーは、ジアゾニウム塩化合物と共にマイクロカプセル中に含有して用いることもできる。
【0170】
さらに、酸安定剤としてクエン酸、酒石酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸、ピロリン酸等を添加することもできる。
【0171】
前記感熱記録層は、例えば、ジアゾニウム塩化合物を含有したマイクロカプセル、カプラー、必要に応じて塩基性物質及び他の成分等を含有する塗布液を調製し、該塗布液を透明基板上に塗布、乾燥することにより塗設することができる。
本発明においては、前記感熱記録層が塩基性物質を含有する態様が好ましい。
【0172】
前記塗布は、公知の塗布方法の中から適宜選択することができ、例えば、バー塗布、ブレード塗布、エアナイフ塗布、グラビア塗布、ロールコーティング塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、カーテン塗布等が挙げられる。
また、塗布、乾燥後の感熱記録層の乾燥塗布量としては、2.5〜30g/m2が好ましい。
【0173】
本発明におけるカラーフィルターにおいて、ジアゾ感熱記録層、感熱記録層、中間層又は後述の保護層等の各層にはバインダーを含有することができ、該バインダーとしては、公知の水溶性高分子化合物やラテックス類等の中から適宜選択することができる。
前記水溶性高分子化合物としては、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン誘導体、カゼイン、アラビアゴム、ゼラチン、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、エピクロルヒドリン変性ポリアミド、イソブチレン−無水マレインサリチル酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アミド等及びこれらの変性物等が挙げられる。
【0174】
前記ラテックス類としては、例えば、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられる。
中でも、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン誘導体、ゼラチン、ポリビニルアルコール誘導体、ポリアクリル酸アミド誘導体等が好ましい。
【0175】
また、本発明におけるカラーフィルターには顔料を含有させることもでき、該顔料としては、有機、無機を問わず公知のものが挙げられ、例えば、カオリン、焼成カオリン、タルク、ロウ石、ケイソウ土、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化亜鉛、リトポン、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、焼成石コウ、シリカ、炭酸マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、炭酸バリウム、硫酸バリウム、マイカ、マイクロバルーン、尿素−ホルマリンフィラー、ポリエステルパーティクル、セルロースフィラー等が挙げられる。
【0176】
また、必要に応じて、公知のワックス、帯電防止剤、消泡剤、導電剤、蛍光染料、界面活性剤、紫外線吸収剤及びその前駆体等の各種添加剤を使用することもできる。
【0177】
本発明におけるカラーフィルターにおいては、前記保護層は、必要に応じて二層以上積層してもよい。
前記保護層に用いる材料としては、ポリビニルアルコール、カルボキシ変成ポリビニルアルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴム、カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解物、スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水分解物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダ等の水溶性高分子化合物、及びスチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等のラテックス類等が挙げられる。
【0178】
前記水溶性高分子化合物は、架橋させることで、より一層保存安定性を向上させることもできる。該架橋剤としては、公知の架橋剤の中から適宜選択することができ、例えば、N−メチロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素−ホルマリン等の水溶性初期縮合物;グリオキザール、グルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類;硼酸、硼砂等の無機系架橋剤;ポリアミドエピクロルヒドリン等が挙げられる。
【0179】
前記保護層には、さらに必要に応じて、公知の顔料、金属石鹸、ワックス、界面活性剤等を使用することもできる。
保護層の塗布量としては、乾燥塗布量で0.2〜5g/m2が好ましく、0.5〜2g/m2がより好ましい。その膜厚としては、0.2〜5μmが好ましく、0.5〜2μmがより好ましい。
また、保護層を設ける場合には、該保護層中に公知の紫外線吸収剤やその前駆体を含有させてもよい。
前記保護層は、透明基板上に感熱記録層を形成する場合と同様、上述の公知の塗布方法により設けることができる。
【0180】
本発明におけるカラーフィルターのパターンを作成するための透明基板としては、場合により紫外線透過性で、加圧及び/又は加熱においても著しい変形、例えば、収縮若しくは伸び等が生じないことが好ましい。感光性樹脂層を形成する際に、加熱処理することがあり、この処理に絶えることが必要であるからである。
そのような透明基板の例としては、ポリエチレンテレフタレートフイルム、トリ酢酸セルロースフイルム、ポリスチレンフイルム、ポリカーボネートフイルム、ガラス板を挙げることができる。2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルム、ガラス板が特に好ましい。
【0181】
【実施例】
以下、実施例において本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、以下において「部」は特に限定のない限り「質量部」を意味する。
【0182】
(実施例1)
<フタル化ゼラチン溶液の調製>
フタル化ゼラチン(商品名;MGPゼラチン,ニッピコラーゲン(株)製)32部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)0.9143部、イオン交換水367.1部を混合し、40℃にて溶解し、フタル化ゼラチン水溶液を得た。
【0183】
<アルカリ処理ゼラチン溶液の調製>
アルカリ処理低イオンゼラチン(商品名;#750ゼラチン,新田ゼラチン (株)製)25.5部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)0.7286部、水酸化カルシウム0.153部、イオン交換水143.6部を混合し、50℃にて溶解し、乳化物作成用ゼラチン水溶液を得た。
【0184】
(1)赤発色感熱記録層液の調整
<ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)の調製>
酢酸エチル16.1部に、ジアゾニウム化合物(17)4.5部、イソプロピルビフェニル4.8部及びフタル酸ジフェニル4.8部を添加し40℃に加熱して均一に溶解した。上記混合液にカプセル壁材としてキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物とキシリレンジイソシアネート/ビスフェノールA付加物の混合物(商品名;タケネートD119N(50質量%酢酸エチル溶液),武田薬品工業(株)製)8.6部を添加し、均一に攪拌し混合液(I)を得た。
別途、前記フタル化ゼラチン水溶液58.6部にイオン交換水16.3部、Scraph AG−8(50質量%)日本精化(株)製)0.34部添加し、混合液(II)を得た。
混合液(II)に混合液(I)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られた乳化液に水20部を加え均一化した後、40℃下で攪拌し酢酸エチルを除去しながら3時間カプセル化反応を行った。この後、イオン交換樹脂アンバーライトIRA68(オルガノ(株)製)4.1部、アンバーライトIRC50(オルガノ(株)製)8.2部を加え、更に1時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過して取り除き、カプセル液の固形分濃度が20.0%になるように濃度調節しジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)を得た。得られたマイクロカプセルの粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で0.36μmであった。
【0185】
<カプラー化合物乳化液(a)の調製>
酢酸エチル33.0部にカプラー化合物(B−28)10部とトリフェニルグアニジン(保土ヶ谷化学(株)製)9.9部、4,4′−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(商品名;ビスフェノールM(三井石油化学(株)製))20.8部、4−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゼンスルホン酸アミド(マナック(株)製) 13.6部、4−n−ペンチルオキシベンゼンスルホン酸アミド(マナック(株)製)6.8部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品名パイオニンA−41−C 70%メタノール溶液,竹本油脂(株)製) 4.2部を溶解し、混合液(III)を得た。
別途前記アルカリ処理ゼラチン水溶液206.3部にイオン交換水107.3部を混合し、混合液(IV)を得た。
混合液(IV)に混合液(III)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られたカプラー化合物乳化物を減圧、加熱し、酢酸エチルを除去した後、固形分濃度が26.5質量%になるように濃度調節を行った。得られたカプラー化合物乳化物の粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で0.21μmであった。
更に上記カプラー化合物乳化物100部に対して、SBRラテックス(商品名SN−307,48%液、住化エイビーエスラテックス(株)製)を26.5%に濃度調整したものを9部添加して均一に撹拌してカプラー化合物乳化液(a)を得た。
【0186】
<塗布液(a)の調製>
前記ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)および前記カプラー化合物分乳化液(a)を、内包しているカプラー化合物/ジアゾ化合物の重量比が2.2/1になるように混合し、感熱記録層用塗布液(a)を得た。
【0187】
(2)青発色感熱記録層液の調整
<ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(b)の調製>
酢酸エチル15.1部に、ジアゾニウム化合物(26)(最大吸収波長365nm)3部、フタル酸ジフェニル3.8部、フェニル2−ベンゾイロキシ安息香酸エステル3.9部及び化合物(E)(商品名;ライトエステルTMP,共栄油脂化学(株)製)4.2部及びドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品名パイオニンA−41−C 70%メタノール溶液,竹本油脂(株)製) 0.1部を添加し加熱して均一に溶解した。上記混合液にカプセル壁材としてキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物とキシリレンジイソシアネート/ビスフェノールA付加物の混合物(商品名;タケネートD119N(50質量%酢酸エチル溶液),武田薬品工業(株)製)2.5部とキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(商品名;タケネートD110N(75質量%酢酸エチル溶液),武田薬品工業(株)製)6.8部を添加し、均一に攪拌し混合液(V)を得た。
別途、前記フタル化ゼラチン水溶液55.3部にイオン交換水21.0部添加、混合し、混合液(VI)を得た。
混合液(VI)に混合液(V)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られた乳化液に水24部を加え均一化した後、40℃下で攪拌し酢酸エチルを除去しながら3時間カプセル化反応を行った。この後、イオン交換樹脂アンバーライトIRA68(オルガノ(株)製)4.1部、アンバーライトIRC50(オルガノ(株)製)8.2部を加え、更に1時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過して取り除き、カプセル液の固形分濃度が20.0%になるように濃度調節しジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)を得た。得られたマイクロカプセルの粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で0.43μmであった。
【0188】
<カプラー化合物乳化液(b)の調製>
酢酸エチル36.9部にカプラー化合物(B−46)11.8部とトリフェニルグアニジン(保土ヶ谷化学(株)製)14.0部、4,4′−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(商品名;ビスフェノールM(三井石油化学(株)製))14.0部、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン 14部、リン酸トリクレジル 1.7部、マレイン酸ジエチル0.8部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品名パイオニンA−41−C 70%メタノール溶液,竹本油脂(株)製) 4.5部を溶解し、混合液(VII)を得た。
別途アルカリ処理ゼラチン水溶液206.3部にイオン交換水107.3部を混合し、混合液(VIII)を得た。
混合液(VIII)に混合液(VII)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られたカプラー化合物乳化物を減圧、加熱し、酢酸エチルを除去した後、固形分濃度が24.5質量%になるように濃度調節を行い、カプラー化合物乳化液(b)を得た。得られたカプラー化合物乳化液の粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で0.22μmであった。
【0189】
<塗布液(b)の調製>
前記ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)および前記カプラー化合物分乳化液(b)を、内包しているカプラー化合物/ジアゾ化合物の重量比が3.5/1になるように混合した。さらに、ポリスチレンスルホン酸(一部水酸化カリウム中和型)水溶液(5質量%)をカプセル液量10部に対し、0.2部になるように混合し、感熱記録層用塗布液(b)を得た。
【0190】
(3)緑発色感熱記録層液の調整
<電子供与性無色染料前駆体内包マイクロカプセル液(c)の調製>
酢酸エチル18.1部に、電子供与性無色染料前駆体((4)−▲4▼)7.5部、1−メチルプロピルフェニル−フェニルメタンおよび1−(1−メチルプロプルフェニル)−2−フェニルエタンの混合物(商品名;ハイゾールSAS−310,日本石油(株)製)16.0部を添加し加熱して均一に溶解した。上記混合液にカプセル壁材としてキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物 (商品名;タケネートD110N(75質量%酢酸エチル溶液),武田薬品工業(株)製)7.2部とポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(商品名;ミリオネートMR−200,日本ポリウレタン工業(株)製)5.3部を添加し、均一に攪拌し混合液(IX)を得た。
別途、前記フタル化ゼラチン水溶液28.8部にイオン交換水9.5部、Scraph AG−8(50質量%)日本精化(株)製)0.17部およびドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム(10%水溶液)4.3部を添加混合し、混合液(X)を得た。
混合液(X)に混合液(IX)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られた乳化液に水50部、エチルトリアミン0.12部を加え均一化し、65℃下で攪拌し酢酸エチルを除去しながら3時間カプセル化反応を行ないカプセル液の固形分濃度が33%になるように濃度調節しマイクロカプセル液を得た。得られたマイクロカプセルの粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で1.00μmであった。
更に上記マイクロカプセル液100部に対して、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム25%水溶液(商品名;ネオペレックスF−25、花王(株)製)3.7部と4,4’−ビストリアジニルアミノスチルベン−2,2’−ジスルフォン誘導体を含む蛍光増白剤(商品名;Kaycoll BXNL、日本曹達(株)製)を4.3部添加して均一に撹拌してマイクロカプセル分散液(c)を得た。
【0191】
<電子受容性化合物分散液(c)の調製>
前記フタル化ゼラチン水溶液11.3質量部にイオン交換水30.1質量部、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(商品名;ビスフェノールP、三井石油化学(株)製) 15質量部、2質量%−2−エチルヘキシルコハク酸ナトリウム水溶液3.8質量部を加えて、ボールミルにて一晩分散した後、分散液を得た。この分散液の、固形分濃度は26.6質量%であった。
上記分散液100質量部に、前記アルカリ処理ゼラチン水溶液45.2質量部加えて、30分攪拌した後、分散液の固形分濃度が23.5%となるようにイオン交換水を加えて電子受容性化合物分散液(c)を得た。
【0192】
<塗布液(c)の調製>
前記電子供与性無色染料前駆体内包マイクロカプセル液(c)および前記電子受容性化合物分散液(c)を、電子受容性化合物/電子供与性無色染料前駆体の重量比が10/1になるように混合し、塗布液(c)を得た。
【0193】
<中間層用塗布液の調製>
アルカリ処理低イオンゼラチン(商品名;#750ゼラチン,新田ゼラチン (株)製)100.0部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)2.857部、水酸化カルシウム0.5部、イオン交換水521.643部を混合し、50℃にて溶解し、中間層作成用ゼラチン水溶液を得た。
前記中間層作成用ゼラチン水溶液10.0部、(4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム (三協化学(株)製 2.0質量%水溶液)0.05部、硼酸(4.0質量%水溶液)1.5部、ポリスチレンスルホン酸(一部水酸化カリウム中和型)水溶液(5質量%)0.19部、下記化合物(J)(和光純薬(株)製)の4質量%水溶液3.42部、下記化合物(J’)の4質量%水溶液1.13部、イオン交換水0.67部を混合し、中間層用塗布液とした。
【0194】
【化31】
【0195】
<保護層用塗布液の調製>
(iv−1)保護層用ポリビニルアルコール溶液の作成
ビニルアルコール−アルキルビニルエーテル共重合物(商品名:EP−130,電気化学工業(株)製)160部、アルキルスルホン酸ナトリウムとポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステルの混合液(商品名:ネオスコアCM−57,(54質量%水溶液),東邦化学工業(株)製)8.74部、イオン交換水3832部を混合し、90℃のもとで1時間溶解し均一な保護層用ポリビニルアルコール溶液を得た。
【0196】
(iv−2)保護層用顔料分散液の作成
硫酸バリウム(商品名:BF−21F,硫酸バリウム含有量93%以上,堺化学工業(株)製)8部に陰イオン性特殊ポリカルボン酸型高分子活性剤(商品名:ポイズ532A(40質量%水溶液),花王(株)製)0.2部、イオン交換水11.8部を混合し、ダイノミルにて分散して保護層用顔料分散液を作成した。この分散液は粒径測定(LA−910,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で0.15μm以下であった。
上記硫酸バリウム分散液45.6部に対し、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスO(20質量%水分散液)、日産化学(株)製)8.1部を添加して目的の分散物を得た。
【0197】
(iv−3)保護層用マット剤分散液の作成
小麦澱粉(商品名:小麦澱粉S,新進食料工業(株)製)180部に1−2ベンズイソチアゾリン3オンの水分散物(商品名:PROXEL B.D,I.C.I(株)製)3.81部、イオン交換水1976.19部を混合し、均一に分散し、保護層用マット剤分散液を得た。
【0198】
(iv−4) 保護層用塗布ブレンド液の調製
前記保護層用ポリビニルアルコール溶液1000部にフッ素系界面活性剤(商品名:メガファックF−120,5質量%水溶液,大日本インキ化学工業(株))40部、 (4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム (三協化学(株)製
2.0質量%水溶液)50部、前記保護層用顔料分散液49.87部、前記保護層用マット剤分散液16.65部、ステアリン酸亜鉛分散液(商品名:ハイドリンF115,20.5質量%水溶液,中京油脂(株)製)48.7部、イオン交換水280部を均一に混合し保護層用塗布ブレンド液を得た。
【0199】
<各感熱記録層用塗布液の塗布>
ガラス板の上に下から、前記感熱記録層用塗布液(c)、前記中間層用塗布液、前記感熱記録層用塗布液(b)、前記中間層用塗布液、前記感熱記録層用塗布液(a)、前記保護層用塗布液の順に6層を逐次塗布し、30℃湿度30%、および40℃湿度30%の条件でそれぞれ乾燥して多色感熱記録材料を得た。
この際前記感熱記録層用塗布液(a)の塗布量は液中に含まれるジアゾ化合物の塗布量が固形分塗布量で0.31g/m2となるように、同様に前記感熱記録層用塗布液(b)の塗布量は液中に含まれるジアゾ化合物の塗布量が固形分塗布量で0.41g/m2となるように、同様に前記感熱記録層用塗布液(c)の塗布量は液中に含まれる電子供与性無色染料前駆体の塗布量が固形分塗布量で0.50g/m2となるように塗布を行った。
また、前記中間層用塗布液は(a)と(b)の間は固形分塗布量が2.39g/m2、(b)と(c)の間は固形分塗布量が3.34g/m2、保護層は固形分塗布量が1.39g/m2となるように塗布を行った。
【0200】
<画像記録>
(1)実施例1〜3
実施例1から3の画像記録は、前記及び下記多色感熱記録材料を用いてサーマルヘッドKST(商品名:京セラ社製)と紫外線ランプを用いて以下の方法で行った。
▲1▼単位面積当たりの記録エネルギー45mJ/mm2でブラックマトリックスとRGBマトリックスに画像(例えばR)を印画する。続いて、発光中心波長445nmの紫外線ランプで20秒間曝光する。感熱記録層用塗布液(a)が塗布された感熱記録層のジアゾニウム塩が完全に光分解され画像定着される。
▲2▼単位面積当たりの記録エネルギー90mJ/mm2でブラックマトリックスとRGBマトリックス末印画部に対して画像(例えばG)を印画する。続いて、発光中心波長365nmの紫外線ランプで40秒間曝光する。感熱記録層用塗布液(b)が塗布された感熱記録層のジアゾニウム塩が完全に光分解され画像定着される。
▲3▼単位面積当たりの記録エネルギーとして135mJ/mm2でブラックマトリックスとRGBマトリックス末印画部に対して画像(例えばB)を印画する。ブラックマトリックスを形成する部分にはRGBが逐次で印画される結果、黒画像を得ることができる。
【0201】
(2)実施例4〜6
実施例4から6の画像記録は、下記多色感熱記録材料を用いて実施例1の紫外線ランプを、▲1▼では発光中心波長445nmから365nmに▲2▼では発光中心波長365nmから445nmに変えた他は実施例1と同じように行った。
【0202】
(3)実施例7、8
実施例7から8の画像記録は、下記多色感熱記録材料を用いてサーマルヘッドKST(商品名:京セラ社製)と紫外線ランプを用いて以下の方法で行った。
▲1▼ 単位面積当たりの記録エネルギー45mJ/mm2でブラックマトリックスとRGBマトリックスに画像(例えばR)を印画する。続いて、発光中心波長445nmの紫外線ランプで20秒間曝光する。感熱記録層用塗布液(a)が塗布された感熱記録層のジアゾニウム塩が完全に光分解され画像定着される。
▲2▼単位面積当たりの記録エネルギー90mJ/mm2でブラックマトリックスとRGBマトリックス末印画部に対して画像(例えばG)を印画する。続いて、発光中心波長365nmの紫外線ランプで40秒間曝光する。感熱記録層用塗布液(b)が塗布された感熱記録層のジアゾニウム塩が完全に光分解され画像定着される。
▲3▼単位面積当たりの記録エネルギーとして135mJ/mm2でブラックマトリックスとRGBマトリックス末印画部に対して画像(例えばB)を印画する。続いて発光中心波長305nmの紫外線ランプで20秒間曝光する。ブラックマトリックスを形成する部分にはRGBが逐次で印画される結果、黒画像を得ることができる。
【0203】
(4)実施例9、10
実施例9、10の画像記録は、実施例7の紫外線ランプを、▲1▼では発光中心波長445nmから365nmに、▲2▼では発光中心波長365nmから445nmに変えた他は、実施例7と同様に行った。
【0204】
(5)実施例11〜16
▲1▼まず、感熱記録材料の第3層のジアゾ感熱記録層において、例えば、緑色(G)及び赤色(R)マトリックス印画部のそれぞれ相当する第3層のマトリックス未印画部分に、フォトマスクを介して発光中心波長445nmを有する紫外線ランプを用いて光照射し、第3層に含まれるジアゾニウム塩化合物を失活させる。一方、ブラックマトリックス印画部には光照射を行わない。この操作により第3層は発色前のジアゾニウム塩化合物(例えば、B発色)を残存する。
【0205】
▲2▼前記第3層のBマトリックス印画部及び第1層のRマトリックス印画部のそれぞれに相当する第2層のマトリックス未印画部分に、フォトマスクを介して発光中心波長365nmを有する紫外線ランプを用いて光照射し、第2層に含まれるジアゾニウム塩化合物を失活させる。上記と同様に、ブラックマトリックスには光照射を行わない。この操作により第2層は発色前のジアゾニウム塩化合物(例えば、G発色)を残存する。
【0206】
▲3▼ さらに、第3層のBマトリックス印画部及び第2層のGマトリックス印画部のそれぞれに相当する第1層のマトリックス未印画部に、フォトマスクを介して発光中心波長305nmを有する紫外線ランプを用いて光照射し、第1層に含まれるジアゾニウム塩化合物を失活させる。一方、ブラックマトリックスには光照射を行わない。この操作により第1層は発色前のジアゾニウム塩化合物(例えば、R発色)を残存する。
【0207】
▲4▼ ブラックマトリックスを形成する部分には露光が行われておらず感熱記録層用塗布液(a)、(b)、(c)のジアゾ二ウム塩化合物は全て残存しており、RGBマトリックス印画部には上記紫外線ランプのうち2つが露光され感熱記録層用塗布液(a)、(b)、(c)のジアゾ二ウム塩化合物のいずれか1種だけが残存していることになる。
▲5▼ 単位面積当たりの記録エネルギー60mJ/mm2で、第1層〜第3層までのジアゾ感熱記録をサーマルヘッドKST(商品名:京セラ社製)を用いて全面加熱して、該層に含まれるジアゾニウム塩化合物とカプラーとを反応させ発色させることにより、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選択された色画素をそれぞれの層において得ることができる。第1層、第2層及び第3層の順に赤(R)、緑(G)、青(B)の色画素を得る。
【0208】
(6)比較例1
比較例の画像記録は、下記多色感熱記録材料を用いて実施例1と同様にサーマルヘッドKST(商品名:京セラ社製)と紫外線ランプを用いて以下の方法で行った。
▲1▼単位面積当たりの記録エネルギー45mJ/mm2でブラックマトリックスとRGBマトリックスにイエロー画像を印画する。続いて発光中心波長445nmの紫外線ランプで20秒間曝光する。イエロー発色層のジアゾニウム塩化合物(17)が完全に光分解され画像定着される。
▲2▼単位位面積当たりの記録エネルギー90mJ/mm2でブラックマトリックスとRGBマトリックスのイエロー画像印画部と未印画部に対してマゼンタ画像を印画する。統いて発光中心波長365nmの紫外線ランプで40秒間曝光する。マゼンタ発色層のジアゾニウム塩化合物(26)が完全に光分解され画像定着される。
▲3▼単位面積当たりの記録エネルギーとして135mJ/mm2でブラックマトリックス、RGBマトリックスのマゼンタ画像印画部、RGBマトリックスのマゼンタ画像末印画部でRGBマトリックスのイエロー画像印画部に対してシアン画像を印画する。
これにより、RGBマトリックスのRはイエロー画像とマゼンタ画像の両方が印画された部分で形成でき、同様にGはイエロー画像とシアン画像の両方、Bはマゼンタ画像とシアン画像の両方がそれぞれ印画された部分で形成できることになる。ブラックマトリックス形成部にはイエロー、マゼンタ、シアンが逐次で画像形成される結果、黒画像を得ることができる。
【0209】
(実施例2〜16、比較例1)
表7に示す組成で発色層を構成した他は、実施例1と同様にしてガラス板上に多色感熱記録材料を得た。
【0210】
【表7】
【0211】
<画像濃度測定>
得られた多色の感熱記録材料の画像濃度は、マクベス濃度測定計(X−rite,マクベス社製)で測定した。
各RGB画素に対して測定フィルタを次のように選んだ。
R画素 測定フィルタ:G
G画素 測定フィルタ:R
B画素 測定フィルタ:R
測定結果を表8に示す。色相は目視により観察した。
【0212】
【表8】
比較例で得られたRGB画素のR濃度は1.60、G濃度は0.50、B濃度は2.48であった。
【0213】
<画像の色濁り評価>
得られたカラーフィルターの画像色濁りは目視にて観察した。その結果、実施例では濁りのないRGB画素であるのに対して、比較例では濁りが認められた。
これは実施例では単独のRGB画素を形成させているのに対して、比較例では二つの画素を積層してRGB画素を形成させていることの違いから生じるものと考えられる。
【0214】
【発明の効果】
本発明によれば、感熱方式によるカラーフィルターの製造方法を提供することができる。
Claims (11)
- 透明基板上に基板側から感熱記録層1層、ジアゾ感熱記録層2層を順に積層塗布した感熱記録材料を用いたカラーフィルターの製造方法において、該2層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる2種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれのジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーとを組み合せたジアゾ感熱記録層2層であり、これらの層を逐次、熱印画、全面光照射をし、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた2種別々の色画素を形成させ、ついで感熱記録層の1層を熱印画し残りの1色の画素を形成させることを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
- 前記ジアゾニウム塩化合物の極大吸収波長が445±50nmと365±30nmの領域に分画されている2種のジアゾニウム塩化合物を用いることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 前記感熱記録層が電子供与性無色染料と電子受容性化合物から構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 透明基板上にジアゾ感熱記録層3層を順に積層塗布した感熱記録材料を用いたカラーフィルターの製造方法において、該3層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる3種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーとを組み合せたジアゾ感熱記録層3層であり、これらの層を逐次、熱印画、全面光照射し、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた3種別々の色画素を形成させることを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
- 透明基板上にジアゾ感熱記録層3層を順に積層塗布した感熱記録材料を用いたカラーフィルターの製造方法において、該3層の該ジアゾ感熱記録層は感光波長が異なる3種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれの該ジアゾニウム塩化合物と反応して異なる色相に発色するカプラーとを組み合せたジアゾ感熱記録層3層であり、該3種のジアゾニウム塩化合物をそれぞれが対応する波長で光照射し、次いでこれらの層を全面熱印画し、赤(R)、緑(G)、青(B)の中から選ばれた3種別々の色画素を形成させることを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
- 前記ジアゾニウム塩化合物の極大吸収波長が445±50nm、365±30nm、305±30nmの領域に分画されている3種のジアゾニウム塩化合物を用いることを特徴とする請求項4または5に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 光源のうち少なくともひとつが発光ダイオードであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 前記極大吸収波長が445±50nmのジアゾニウム塩化合物が下記一般式(1)〜(3)のいずれかであることを特徴とする請求項2または6に記載のカラーフィルターの製造方法。
Aは、Hammettのσp値が0.3以上の基を表す。Xは対アニオンを表す。一般式(1)〜(3)中のそれぞれのベンゼン環は更に置換基を有していても良い。] - 前記ジアゾニウム塩化合物がマイクロカプセルに内包させることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003187044A JP2005024637A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | カラーフィルターの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003187044A JP2005024637A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | カラーフィルターの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005024637A true JP2005024637A (ja) | 2005-01-27 |
Family
ID=34186012
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003187044A Pending JP2005024637A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | カラーフィルターの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005024637A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009122650A (ja) * | 2007-10-23 | 2009-06-04 | Jsr Corp | 青色カラーフィルタ用感放射線性組成物、カラーフィルタ及び液晶表示素子 |
-
2003
- 2003-06-30 JP JP2003187044A patent/JP2005024637A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009122650A (ja) * | 2007-10-23 | 2009-06-04 | Jsr Corp | 青色カラーフィルタ用感放射線性組成物、カラーフィルタ及び液晶表示素子 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3683685B2 (ja) | 感熱記録材料 | |
JP2005024637A (ja) | カラーフィルターの製造方法 | |
JP4179755B2 (ja) | 多官能イソシアネート化合物、マイクロカプセル及び感熱記録材料 | |
JP3683679B2 (ja) | 感光感熱記録材料 | |
JP2005007851A (ja) | 多色感熱記録材料 | |
JP2000015935A (ja) | 感光感熱記録材料 | |
JP3980127B2 (ja) | ジアゾニウム塩および感熱記録材料 | |
JP2004216563A (ja) | 多色感熱記録材料及び記録方法 | |
JP2004216751A (ja) | 多色感熱記録材料及び記録方法 | |
JP2004291254A (ja) | 記録方法 | |
JP2004322356A (ja) | 記録方法 | |
JP2002003738A (ja) | ジアゾ化合物含有マイクロカプセル及びそれを用いた記録材料 | |
JP2001130143A (ja) | マイクロカプセルの製造方法及び感熱記録材料 | |
JP2005212156A (ja) | 記録方法及び記録装置 | |
JP2005271301A (ja) | 記録材料 | |
JP2005138543A (ja) | 記録材料及び記録方法 | |
JP2004122651A (ja) | 感熱記録材料 | |
JPH1180110A (ja) | ジアゾニウム塩および感熱記録材料 | |
JP2003321451A (ja) | ジアゾニウム塩およびそれを用いた感熱記録材料 | |
JP2003182218A (ja) | 感熱記録材料 | |
JP2001158174A (ja) | マイクロカプセルの製造方法及び感熱記録材料 | |
JP2004142301A (ja) | マイクロカプセル及び感熱記録材料 | |
JP2003321447A (ja) | ジアゾニウム塩及びそれを用いた感熱記録材料 | |
JP2005343109A (ja) | マイクロカプセル及びその製造方法並びにそれを用いた記録材料 | |
JPH11105432A (ja) | 感光感熱記録材料 |