JP2005024419A - 水系処理剤濃度の測定又は決定方法及び測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水系から取り込んだ試料水中の溶存有機物の測定精度に与える影響を抑制して正確な処理剤濃度の測定データを得ること。
【解決手段】水系中の液体に添加されたアニオン性高分子電解質からなる処理剤Cと反応試薬Rとを化学反応させて不溶性物質を生成し、前記処理剤Cの濃度を比濁法によって測定する方法において、前記水系から取り込まれた試料水W1に対して、前記反応試薬Rと塩類Sが添加される水系処理剤濃度の測定方法又は手段を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】水系中の液体に添加されたアニオン性高分子電解質からなる処理剤Cと反応試薬Rとを化学反応させて不溶性物質を生成し、前記処理剤Cの濃度を比濁法によって測定する方法において、前記水系から取り込まれた試料水W1に対して、前記反応試薬Rと塩類Sが添加される水系処理剤濃度の測定方法又は手段を提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に水系の処理剤濃度を自動測定する技術に関する。より詳細には、防食やスケール防止等を目的に処理剤が添加される水系プラントから採取された試料水中の処理剤濃度を正確に自動測定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ボイラ水系、冷却水系、集塵水系、紙パルプ工場の水系、製鉄工場の水系等の水系プランントに対して、当該水系プラント設備の金属腐食防止、スケール析出防止、汚れ防止等の目的から、アクリル酸共重合体、マレイン酸重合体又は共重合体等のアニオン性高分子電解質を含む処理剤等が添加される場合がある。
【0003】
この場合、前記処理剤が水系において充分な効果を発揮するためには、該処理剤の水系内濃度を適正に保持する必要がある。このため、従来から水系の処理剤濃度を正確かつ迅速に測定するために、蛍光トレーサー又はリチウムトレーサーを用いたり、紫外分光計を用いたりして処理剤濃度を測定する技術が提案されている。
【0004】
また、処理剤濃度をリアルタイムにオンストリーム監視できる技術も提案されている。例えば、水系プラントから得られた試料水を、一定時間毎に一定量、測定セル(比色セル)内に貯留して攪拌する構成が採用され、アニオン性高分子電解質を含む処理剤と所定の反応試薬(第四級アンモニウム塩)とを反応させると不溶性物質が生成して白濁することを利用し、その白濁の程度から処理剤濃度を自動的に比濁測定することによって、水系中の処理剤濃度を適正に維持するという技術等である(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−332595号公報。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例示された上記従来技術では、例えば、冷却水のスケール析出防止、防食処理を目的としてアニオン性高分子電解質を含む処理剤を水系に添加し、該水系中の処理剤を適正濃度に維持して有効な処理効果を持続させるために、水系から試料水を採取して処理剤濃度の測定を行うと、水系の実際の処理剤濃度よりも高い測定値となる傾向がある。この結果、該測定値に基づいて決定される処理剤の添加量は少なく制御されてしまい、水系の処理剤濃度の不足を次第に招いていくという問題があった。
【0007】
この問題について本願発明者が鋭意研究を重ねた結果、水系を流れる液体に溶存している有機物が、アニオン性高分子電解質を含む処理剤と反応試薬との化学反応に何らかの影響を与え、正の測定誤差(高めの測定値となる誤差)をもたらすことが主たる原因であることが判明した。処理剤と反応試薬の化学反応に溶存有機物が影響を与えることは意外なことであり、予測し得ないことであった。
【0008】
そこで、本発明では、処理剤と反応試薬の化学反応に与える溶存有機物の影響を抑制することによって、処理剤濃度の測定精度を向上せしめ、ひいては水系に添加される処理剤を適正濃度に保持し、該処理剤の効果が適正に発揮されるようにすることを主な目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために、本発明では、まず、水系中の液体に添加されたアニオン性高分子電解質からなる処理剤と反応試薬とを化学反応させて不溶性物質を生成し、前記処理剤の濃度を比濁法によって測定する方法において、前記水系から取り込まれた試料水に対して、前記反応試薬と塩類とを添加するように工夫した水系処理剤濃度の測定方法を提供する。
【0010】
この手段では、処理剤と化学反応する反応試薬を、水系から取り込んだ試料水に添加する際に、反応試薬に加えて、塩類を少なくとも添加する工程を備えることを特徴としている。塩類は、処理剤と反応試薬との間の化学反応に与える溶存有機物の影響を抑制する作用を発揮する。このため、水系を流れる液体の処理剤濃度の測定を正確に行うことが可能となる。
【0011】
本発明で採用できる塩類は、塩化ナトリウムを例示できるが、処理剤と反応試薬との化学反応に対する溶存有機物の影響を抑制する作用を発揮するものであればよく、狭く解釈されるべきではない。塩類は、試料水中に含まれる溶存有機物の影響を有効に抑制できる充分な量を添加する必要があり、具体的には、試料水に対して1,000mg/L以上、好ましくは10,000mg/L以上添加する。
【0012】
また、水系から取り込まれた試料水に添加される塩類の量は、測定値の再現性を悪化させないために、厳密に一定に維持する必要がある。即ち、塩類の添加量がばらつくと、溶存有機物の影響の抑制作用が変動し、その結果、処理剤濃度の測定値の精度にも影響が出てしまうので、本発明では、塩類の添加量を厳密に管理して一定に維持する必要がある。このため、本発明では、試料水へ添加された塩類濃度を随時再測定し、塩類添加量を一定に維持するための制御工程を設けてもよい。
【0013】
ここで、本発明で採用する反応試薬として、第四級アンモニウム塩とキレート剤の組み合わせが、比濁測定を安定的に行うことができる点において、特に好適である。
【0014】
本発明に用いる第四級アンモニウム塩としては、アニオン性高分子電解質と定量的に反応して安定な白濁を生じるものであれば適宜選択可能であるが、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、ベンゼトニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリウム塩並びにこれらの誘導体を挙げることができる。第四級アンモニウム塩は、分子中に第四級アンモニウム基が複数あってもよく、そのような化合物の例としては、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンクロライド]、ポリジアリルジアルキルアンモニウム塩、ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウム塩等を挙げることができる。第四級アンモニウム塩の塩としては、塩化物、臭化物、沃化物、硫酸塩等を挙げることができる。
【0015】
キレート剤は、試料水に共存する金属イオンが第四級アンモニム塩とアニオン性高分子電解質との定量的を妨害するのをマスキングするとともに、第四級アンモニウム塩とアニオン性高分子電解質との沈殿反応に影響を与えて、アニオン性高分子電解質の高濃度域での検量線の直線性を確保するために用いられるものであり、反応時のpH緩衝剤としても作用する。
【0016】
本発明に用いられるキレート剤としては、前段落で記載した作用を発揮するものであれば適宜選択可能である。例えば、エチレンジアミン四酢酸塩、ニトリロ酢酸塩、ジエチレントリアミン五酢酸塩等のアミノカルボン酸類、クエン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、グリコール酸塩等のヒドロキシ酸類等を採用できるが、これらを単独又は組み合わせて使用することもできる。前記塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、アミン塩等を挙げることができる。
【0017】
本発明において、反応試薬として上記第四級アンモニウム塩とキレート剤を用いる場合は、塩類を添加する具体的な方法として、(1)第四級アンモニウム塩溶液に塩類を添加する方法、(2)キレート剤溶液に塩類を添加する方法、(3)第四級アンモニウム塩とキレート剤の混合溶液に塩類を添加する方法、これら(1)〜(3)のいずれの方法も採用することができる。
【0018】
次に、本発明は、前記測定方法によって得られた処理剤濃度に関する正確な測定データに基づいて、水系に添加される処理剤の添加量を決定する水系処理剤濃度の決定方法を提供する。
【0019】
この手段では、本発明に係る水系処理剤濃度の測定方法によって得られる正確な処理剤濃度の測定データを利用し、該測定データを水系に対する処理剤添加工程又は手段にフィードバックして、処理剤の添加量を決定するように工夫した。このため、水系中の処理剤を安定かつ継続的に、過不足のない適正な濃度に保持することができる。
【0020】
続いて、本発明では、本発明に係る水系処理剤濃度の測定方法を好適に実施することができる水系処理剤濃度の測定装置を提供する。具体的には、水系からアニオン性高分子電解質が含有されている試料水を取り込んで測定部に供給する試料水導入手段と、前記アニオン性高分子電解質と化学反応して不溶性物質を生成する反応試薬を前記試料水に添加する試薬添加手段と、前記アニオン性高分子電解質の濃度を前記測定部において比濁法により測定する光学測定手段と、を少なくとも備えた水系処理剤濃度の自動測定装置を構成し、前記試薬添加手段において、前記試料水に対して前記反応試薬と塩類が添加できるように工夫された水系処理剤濃度の測定装置を提供する。
【0021】
この測定装置によれば、上記した本発明に係る水系処理剤濃度の測定方法を実施できるので、水系の処理剤濃度の正確な測定を行うことが可能となる。なお、本測定装置から得られた測定データに基づいて、水系に対する処理剤の添加量を決定できる制御手段を本測定装置に付設することによって、上記した本発明に係る水系処理剤濃度の決定方法を実施できる。
【0022】
以上のように、本発明は、水系から採取された試料水に塩類を添加することによって、処理剤と反応試薬との化学反応に与える溶存有機物の影響を抑制して、処理剤濃度の測定精度の向上を達成し、ひいては水系に添加される処理剤を適正濃度に確実に保持し、水系内で該処理剤の防食やスケール発生防止等の効果が有効に発揮されるようにする技術的意義を有している。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好適な実施形態について、添付した図面を参照しながら、説明する。図1は、本発明に係る水系処理剤濃度の測定方法の工程並びに測定装置の構成を簡略に表す図である。
【0024】
まず、図1中に示された符号1は、ボイラ水系、冷却水系、集塵水系、紙パルプ工場の水系、製鉄工場の水系等に備わる水路の一部を表している。この水路1から符号2で表された流量調整バルブによって流量が調整され、試料水W1が取り込まれる。
【0025】
この採取された試料水W1は、少なくとも測定時には、符号3で示されているストレーナーによって混入している夾雑物の粒子が除去され、後続の本発明に係る水系処理剤濃度の測定装置4(以下、単に「測定装置4」と称する。)に向けて通水されるように構成されている。
【0026】
測定装置4は、まず、前記ストレーナー3に連設された試料水供給経路401を備えている。この試料水供給経路401(以下、「試料経路401」と称する。)には、反応試薬注入経路H(以下、「試薬経路H」と称する。)が連結されている。この試薬経路Hは、前記試料水W1中に含まれている防食剤、スケール防止剤等の処理剤Cと化学反応し、反応生成物(例、白濁不溶性物質)をつくる反応試薬Rが貯留されている反応試薬槽402から延設されている。
【0027】
なお、試料水W1中に、防食剤とスケール防止剤を別々に添加している場合のように処理剤Cが複数であり、各処理剤濃度を測定するために異種の反応試薬を用いる場合、また、複数の反応試薬(例えば、第四級アンモニウム塩とキレート剤)を組み合わせて用いて、各反応試薬を別添加するような場合、反応試薬に加えてpH調整剤を添加する場合等は、反応試薬槽402及び注入経路Hを複数設けることが可能である。
【0028】
試薬経路Hの途中には、反応試薬Rの注入量を調整するための注入ポンプP1が付設されている。反応試薬Rは、測定時に、前記注入ポンプP1によって液量が調整されながら試料経路401へ注入される。なお、反応試薬Rの添加量は、試料水W1中に含まれている処理剤Cの濃度に応じて定めるようにする。
【0029】
ここで、本発明では、反応試薬槽402の近傍に、符号403で示す塩類槽を設置する。この塩類槽403からは所定量、所定濃度の塩化ナトリウムその他の塩類Sが吐出されて前記試薬経路Hに添加され、該試薬経路Hを流れてきた反応試薬Rと合流し、注入ポンプP1を介して、試料経路401に添加される。この塩類Sの添加方法に係わる本実施例では、反応試薬Rと塩類Sの混合効果が発揮されるので好適である。
【0030】
添付した図2、図3は、塩類Sの添加方法に係わる変形例を表している。まず、図2で示された第1変形例では、反応試薬槽402及び該反応試薬槽402から延設される試薬経路H1と、試薬塩類槽403及び該塩類槽403から延設される塩類経路H2と、が並設され、試薬経路H1と塩類経路H2のそれぞれに注入ポンプP1、P2が付設されている。この構成により、試料経路401に対して反応試薬Rと塩類Sとが別々に注入される。
【0031】
図3で示された第2変形例では、薬剤貯留槽402aを設置し、この薬剤貯留槽402aに反応試薬Rと塩類Sを添加して混合し、一つの試薬経路H及び注入ポンプP1を通じて、試料経路401に対して反応試薬Rと塩類Sを同時に注入される構成が採用されている。
【0032】
塩類Sの添加方法としては、上記した実施例並びに二つの変形例のいずれも採用可能であるが、装置全体のコスト面では、図3に示された第2変形例を採用するのが望ましい。また、図1に示された実施例並びに図2で示された第1変形例では、塩類Sの添加量の調整を反応試薬Rとは別個独立で行い易くなるので、状況に応じて塩類Sの添加量を即座に調整できるという利点がある。
【0033】
ここで、試料経路401へ注入された反応試薬R及び塩類Sは、試薬経路401中を通水されている試料水W1に添加され、該試料水W1の流れの作用によって自然撹拌される。
【0034】
この撹拌作用によって、処理剤Cと反応試薬Rの化学反応が促進されるとともに、試料水W1中の溶存有機物による前記化学反応への影響を塩類Sで効果的に抑制することができるので、後続の光学測定に適した測定用試料水W2を得ることができる。なお、試料経路401の長さは、処理剤Cと反応試薬Rの反応時間を考慮して適宜決定することができる。
【0035】
ここで、反応試薬Rと塩類Sとが注入される箇所以降の試料経路401部分(符号401aで示す。)には、撹拌作用を高めるための配管構造を設けてもよい。例えば、流速を高める作用を発揮するオリフィス状の構造、渦流を形成するような羽構造、静的混合器(スタティックミキサー)等を配管内壁面に設けてもよい。
【0036】
この工夫により、試料経路401(401a)における撹拌作用が一層促進されるので、処理剤Cと反応試薬Rの化学反応並びに塩類Sによる溶存有機物の影響抑制作用が更に促進され、より正確に処理剤Cの濃度を測定できる試料水W2を得ることが可能となる。
【0037】
このようにして得られた測定用の試料水W2は、試料経路401から吐出され、符号404で示された光学測定部内部のセル405内に導入される。そして、試料水W2は、セル405内を通過して排出経路408から排出される。
【0038】
ここで、本発明では、処理剤濃度のオンストリーム監視に適するようにすることを最終的な目的とするものであるから、長期間の連続的な測定を可能とするために、セル405を自動洗浄できるように工夫してもよい。即ち、セル405に洗浄液注入装置(図示せず)を付設して、一定時間毎に洗浄液をセル405内に注入できるようにする。
【0039】
なお、符号406は、セル405中の試料水S2に光を照射するための光源、符号407は、セル405中の試料水W2に照射された光の透過光ないし散乱光の強度を検知し、この強度を電気信号として捕捉する受光部を表している。符号409は、前記受光部407に接続する解析部を表している。
【0040】
ここで、本発明においては、前記解析部409で得られた処理剤Cの濃度を電気信号に変換してCPU等が内蔵された制御部5に送信して、処理剤Cが貯留されている処理剤槽6に連結する処理剤添加経路7の途中に付設された処理剤注入用ポンプPの注入量を自動制御することができる。
【0041】
これにより、水系中の処理剤Cの正確な濃度をリアルタイムで測定してオンストリーム監視し、水系に対する処理剤Cの適正な注入量をリアルタイムで自動補正しながら決定することができるので、常に処理剤Cが水系内に最も適正な濃度で保持されることになる。
【0042】
この結果、当該水系のプラント設備においては、処理剤Cの作用が常に有効に発揮されるので、腐食やスケール発生を防止できる。また、この処理剤Cの注入を自動制御することで、添加作業の省力化、効率化も達成することができる。
【0043】
【実施例】
実験方法。
CODMnとして、0、30、45mg/Lの有機物が含まれた計3種の各実冷却水に対して、それぞれポリマー<アクリル酸:2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロパンスルホン酸ソーダ(モル比80:20)>を20mg/L添加することによって得られた各サンプル10mLに対して、以下の表1に示された実施例1と比較例1の内容物を含む溶液をそれぞれ添加し、一定温度下、一定時間経過後の吸光度を測定した。なお、ポリマー濃度は、別途作成した検量線(図示せず。)に基づいて求めた。
【0044】
【表1】
【0045】
前掲した実施例1並びに比較例1がそれぞれ添加されたサンプルを数回分析した結果、得られたポリマー濃度は次の表2に示す通りであった。
【0046】
【表2】
【0047】
前掲した表2に示されているように、本発明に係る方法による測定においては、測定対象のサンプル溶液中に共存する有機物の影響をほとんど受けることなくポリマー濃度、即ち水系に添加される高分子処理剤濃度を正確に測定できることが明らかである。
【0048】
【発明の効果】
本発明は、水系に添加されたアニオン性高分子電解質を含む処理剤の正確な濃度の正確なリアルタイム測定並びにオンストリーム監視を行うことができ、また、水系に対する処理剤の適正な注入量をリアルタイムで自動補正しながら正確に決定することができるので、常に処理剤が水系内に最も適正な濃度で保持されるようになる。この結果、当該水系のプラント設備においては、処理剤の目的とする作用が常に有効に発揮されることになるので、前記プラント設備で腐食やスケール析出発生を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水系処理剤濃度の測定方法並びに測定装置(4)の構成を簡略に表す図である。
【図2】塩類(S)の添加方法に係わる第1の変形例の構成を表す図である。
【図3】塩類(S)の添加方法に係わる第2の変形例の構成を表す図である。
【符号の説明】
1 (水系を構成する)水路
4 本発明に係る水系処理剤濃度の測定装置。
404 光学測定部
C 処理剤
R 反応試薬
S 塩類
W(W1,W2) 試料水
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に水系の処理剤濃度を自動測定する技術に関する。より詳細には、防食やスケール防止等を目的に処理剤が添加される水系プラントから採取された試料水中の処理剤濃度を正確に自動測定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ボイラ水系、冷却水系、集塵水系、紙パルプ工場の水系、製鉄工場の水系等の水系プランントに対して、当該水系プラント設備の金属腐食防止、スケール析出防止、汚れ防止等の目的から、アクリル酸共重合体、マレイン酸重合体又は共重合体等のアニオン性高分子電解質を含む処理剤等が添加される場合がある。
【0003】
この場合、前記処理剤が水系において充分な効果を発揮するためには、該処理剤の水系内濃度を適正に保持する必要がある。このため、従来から水系の処理剤濃度を正確かつ迅速に測定するために、蛍光トレーサー又はリチウムトレーサーを用いたり、紫外分光計を用いたりして処理剤濃度を測定する技術が提案されている。
【0004】
また、処理剤濃度をリアルタイムにオンストリーム監視できる技術も提案されている。例えば、水系プラントから得られた試料水を、一定時間毎に一定量、測定セル(比色セル)内に貯留して攪拌する構成が採用され、アニオン性高分子電解質を含む処理剤と所定の反応試薬(第四級アンモニウム塩)とを反応させると不溶性物質が生成して白濁することを利用し、その白濁の程度から処理剤濃度を自動的に比濁測定することによって、水系中の処理剤濃度を適正に維持するという技術等である(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−332595号公報。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例示された上記従来技術では、例えば、冷却水のスケール析出防止、防食処理を目的としてアニオン性高分子電解質を含む処理剤を水系に添加し、該水系中の処理剤を適正濃度に維持して有効な処理効果を持続させるために、水系から試料水を採取して処理剤濃度の測定を行うと、水系の実際の処理剤濃度よりも高い測定値となる傾向がある。この結果、該測定値に基づいて決定される処理剤の添加量は少なく制御されてしまい、水系の処理剤濃度の不足を次第に招いていくという問題があった。
【0007】
この問題について本願発明者が鋭意研究を重ねた結果、水系を流れる液体に溶存している有機物が、アニオン性高分子電解質を含む処理剤と反応試薬との化学反応に何らかの影響を与え、正の測定誤差(高めの測定値となる誤差)をもたらすことが主たる原因であることが判明した。処理剤と反応試薬の化学反応に溶存有機物が影響を与えることは意外なことであり、予測し得ないことであった。
【0008】
そこで、本発明では、処理剤と反応試薬の化学反応に与える溶存有機物の影響を抑制することによって、処理剤濃度の測定精度を向上せしめ、ひいては水系に添加される処理剤を適正濃度に保持し、該処理剤の効果が適正に発揮されるようにすることを主な目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために、本発明では、まず、水系中の液体に添加されたアニオン性高分子電解質からなる処理剤と反応試薬とを化学反応させて不溶性物質を生成し、前記処理剤の濃度を比濁法によって測定する方法において、前記水系から取り込まれた試料水に対して、前記反応試薬と塩類とを添加するように工夫した水系処理剤濃度の測定方法を提供する。
【0010】
この手段では、処理剤と化学反応する反応試薬を、水系から取り込んだ試料水に添加する際に、反応試薬に加えて、塩類を少なくとも添加する工程を備えることを特徴としている。塩類は、処理剤と反応試薬との間の化学反応に与える溶存有機物の影響を抑制する作用を発揮する。このため、水系を流れる液体の処理剤濃度の測定を正確に行うことが可能となる。
【0011】
本発明で採用できる塩類は、塩化ナトリウムを例示できるが、処理剤と反応試薬との化学反応に対する溶存有機物の影響を抑制する作用を発揮するものであればよく、狭く解釈されるべきではない。塩類は、試料水中に含まれる溶存有機物の影響を有効に抑制できる充分な量を添加する必要があり、具体的には、試料水に対して1,000mg/L以上、好ましくは10,000mg/L以上添加する。
【0012】
また、水系から取り込まれた試料水に添加される塩類の量は、測定値の再現性を悪化させないために、厳密に一定に維持する必要がある。即ち、塩類の添加量がばらつくと、溶存有機物の影響の抑制作用が変動し、その結果、処理剤濃度の測定値の精度にも影響が出てしまうので、本発明では、塩類の添加量を厳密に管理して一定に維持する必要がある。このため、本発明では、試料水へ添加された塩類濃度を随時再測定し、塩類添加量を一定に維持するための制御工程を設けてもよい。
【0013】
ここで、本発明で採用する反応試薬として、第四級アンモニウム塩とキレート剤の組み合わせが、比濁測定を安定的に行うことができる点において、特に好適である。
【0014】
本発明に用いる第四級アンモニウム塩としては、アニオン性高分子電解質と定量的に反応して安定な白濁を生じるものであれば適宜選択可能であるが、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、ベンゼトニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリウム塩並びにこれらの誘導体を挙げることができる。第四級アンモニウム塩は、分子中に第四級アンモニウム基が複数あってもよく、そのような化合物の例としては、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンクロライド]、ポリジアリルジアルキルアンモニウム塩、ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウム塩等を挙げることができる。第四級アンモニウム塩の塩としては、塩化物、臭化物、沃化物、硫酸塩等を挙げることができる。
【0015】
キレート剤は、試料水に共存する金属イオンが第四級アンモニム塩とアニオン性高分子電解質との定量的を妨害するのをマスキングするとともに、第四級アンモニウム塩とアニオン性高分子電解質との沈殿反応に影響を与えて、アニオン性高分子電解質の高濃度域での検量線の直線性を確保するために用いられるものであり、反応時のpH緩衝剤としても作用する。
【0016】
本発明に用いられるキレート剤としては、前段落で記載した作用を発揮するものであれば適宜選択可能である。例えば、エチレンジアミン四酢酸塩、ニトリロ酢酸塩、ジエチレントリアミン五酢酸塩等のアミノカルボン酸類、クエン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、グリコール酸塩等のヒドロキシ酸類等を採用できるが、これらを単独又は組み合わせて使用することもできる。前記塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、アミン塩等を挙げることができる。
【0017】
本発明において、反応試薬として上記第四級アンモニウム塩とキレート剤を用いる場合は、塩類を添加する具体的な方法として、(1)第四級アンモニウム塩溶液に塩類を添加する方法、(2)キレート剤溶液に塩類を添加する方法、(3)第四級アンモニウム塩とキレート剤の混合溶液に塩類を添加する方法、これら(1)〜(3)のいずれの方法も採用することができる。
【0018】
次に、本発明は、前記測定方法によって得られた処理剤濃度に関する正確な測定データに基づいて、水系に添加される処理剤の添加量を決定する水系処理剤濃度の決定方法を提供する。
【0019】
この手段では、本発明に係る水系処理剤濃度の測定方法によって得られる正確な処理剤濃度の測定データを利用し、該測定データを水系に対する処理剤添加工程又は手段にフィードバックして、処理剤の添加量を決定するように工夫した。このため、水系中の処理剤を安定かつ継続的に、過不足のない適正な濃度に保持することができる。
【0020】
続いて、本発明では、本発明に係る水系処理剤濃度の測定方法を好適に実施することができる水系処理剤濃度の測定装置を提供する。具体的には、水系からアニオン性高分子電解質が含有されている試料水を取り込んで測定部に供給する試料水導入手段と、前記アニオン性高分子電解質と化学反応して不溶性物質を生成する反応試薬を前記試料水に添加する試薬添加手段と、前記アニオン性高分子電解質の濃度を前記測定部において比濁法により測定する光学測定手段と、を少なくとも備えた水系処理剤濃度の自動測定装置を構成し、前記試薬添加手段において、前記試料水に対して前記反応試薬と塩類が添加できるように工夫された水系処理剤濃度の測定装置を提供する。
【0021】
この測定装置によれば、上記した本発明に係る水系処理剤濃度の測定方法を実施できるので、水系の処理剤濃度の正確な測定を行うことが可能となる。なお、本測定装置から得られた測定データに基づいて、水系に対する処理剤の添加量を決定できる制御手段を本測定装置に付設することによって、上記した本発明に係る水系処理剤濃度の決定方法を実施できる。
【0022】
以上のように、本発明は、水系から採取された試料水に塩類を添加することによって、処理剤と反応試薬との化学反応に与える溶存有機物の影響を抑制して、処理剤濃度の測定精度の向上を達成し、ひいては水系に添加される処理剤を適正濃度に確実に保持し、水系内で該処理剤の防食やスケール発生防止等の効果が有効に発揮されるようにする技術的意義を有している。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好適な実施形態について、添付した図面を参照しながら、説明する。図1は、本発明に係る水系処理剤濃度の測定方法の工程並びに測定装置の構成を簡略に表す図である。
【0024】
まず、図1中に示された符号1は、ボイラ水系、冷却水系、集塵水系、紙パルプ工場の水系、製鉄工場の水系等に備わる水路の一部を表している。この水路1から符号2で表された流量調整バルブによって流量が調整され、試料水W1が取り込まれる。
【0025】
この採取された試料水W1は、少なくとも測定時には、符号3で示されているストレーナーによって混入している夾雑物の粒子が除去され、後続の本発明に係る水系処理剤濃度の測定装置4(以下、単に「測定装置4」と称する。)に向けて通水されるように構成されている。
【0026】
測定装置4は、まず、前記ストレーナー3に連設された試料水供給経路401を備えている。この試料水供給経路401(以下、「試料経路401」と称する。)には、反応試薬注入経路H(以下、「試薬経路H」と称する。)が連結されている。この試薬経路Hは、前記試料水W1中に含まれている防食剤、スケール防止剤等の処理剤Cと化学反応し、反応生成物(例、白濁不溶性物質)をつくる反応試薬Rが貯留されている反応試薬槽402から延設されている。
【0027】
なお、試料水W1中に、防食剤とスケール防止剤を別々に添加している場合のように処理剤Cが複数であり、各処理剤濃度を測定するために異種の反応試薬を用いる場合、また、複数の反応試薬(例えば、第四級アンモニウム塩とキレート剤)を組み合わせて用いて、各反応試薬を別添加するような場合、反応試薬に加えてpH調整剤を添加する場合等は、反応試薬槽402及び注入経路Hを複数設けることが可能である。
【0028】
試薬経路Hの途中には、反応試薬Rの注入量を調整するための注入ポンプP1が付設されている。反応試薬Rは、測定時に、前記注入ポンプP1によって液量が調整されながら試料経路401へ注入される。なお、反応試薬Rの添加量は、試料水W1中に含まれている処理剤Cの濃度に応じて定めるようにする。
【0029】
ここで、本発明では、反応試薬槽402の近傍に、符号403で示す塩類槽を設置する。この塩類槽403からは所定量、所定濃度の塩化ナトリウムその他の塩類Sが吐出されて前記試薬経路Hに添加され、該試薬経路Hを流れてきた反応試薬Rと合流し、注入ポンプP1を介して、試料経路401に添加される。この塩類Sの添加方法に係わる本実施例では、反応試薬Rと塩類Sの混合効果が発揮されるので好適である。
【0030】
添付した図2、図3は、塩類Sの添加方法に係わる変形例を表している。まず、図2で示された第1変形例では、反応試薬槽402及び該反応試薬槽402から延設される試薬経路H1と、試薬塩類槽403及び該塩類槽403から延設される塩類経路H2と、が並設され、試薬経路H1と塩類経路H2のそれぞれに注入ポンプP1、P2が付設されている。この構成により、試料経路401に対して反応試薬Rと塩類Sとが別々に注入される。
【0031】
図3で示された第2変形例では、薬剤貯留槽402aを設置し、この薬剤貯留槽402aに反応試薬Rと塩類Sを添加して混合し、一つの試薬経路H及び注入ポンプP1を通じて、試料経路401に対して反応試薬Rと塩類Sを同時に注入される構成が採用されている。
【0032】
塩類Sの添加方法としては、上記した実施例並びに二つの変形例のいずれも採用可能であるが、装置全体のコスト面では、図3に示された第2変形例を採用するのが望ましい。また、図1に示された実施例並びに図2で示された第1変形例では、塩類Sの添加量の調整を反応試薬Rとは別個独立で行い易くなるので、状況に応じて塩類Sの添加量を即座に調整できるという利点がある。
【0033】
ここで、試料経路401へ注入された反応試薬R及び塩類Sは、試薬経路401中を通水されている試料水W1に添加され、該試料水W1の流れの作用によって自然撹拌される。
【0034】
この撹拌作用によって、処理剤Cと反応試薬Rの化学反応が促進されるとともに、試料水W1中の溶存有機物による前記化学反応への影響を塩類Sで効果的に抑制することができるので、後続の光学測定に適した測定用試料水W2を得ることができる。なお、試料経路401の長さは、処理剤Cと反応試薬Rの反応時間を考慮して適宜決定することができる。
【0035】
ここで、反応試薬Rと塩類Sとが注入される箇所以降の試料経路401部分(符号401aで示す。)には、撹拌作用を高めるための配管構造を設けてもよい。例えば、流速を高める作用を発揮するオリフィス状の構造、渦流を形成するような羽構造、静的混合器(スタティックミキサー)等を配管内壁面に設けてもよい。
【0036】
この工夫により、試料経路401(401a)における撹拌作用が一層促進されるので、処理剤Cと反応試薬Rの化学反応並びに塩類Sによる溶存有機物の影響抑制作用が更に促進され、より正確に処理剤Cの濃度を測定できる試料水W2を得ることが可能となる。
【0037】
このようにして得られた測定用の試料水W2は、試料経路401から吐出され、符号404で示された光学測定部内部のセル405内に導入される。そして、試料水W2は、セル405内を通過して排出経路408から排出される。
【0038】
ここで、本発明では、処理剤濃度のオンストリーム監視に適するようにすることを最終的な目的とするものであるから、長期間の連続的な測定を可能とするために、セル405を自動洗浄できるように工夫してもよい。即ち、セル405に洗浄液注入装置(図示せず)を付設して、一定時間毎に洗浄液をセル405内に注入できるようにする。
【0039】
なお、符号406は、セル405中の試料水S2に光を照射するための光源、符号407は、セル405中の試料水W2に照射された光の透過光ないし散乱光の強度を検知し、この強度を電気信号として捕捉する受光部を表している。符号409は、前記受光部407に接続する解析部を表している。
【0040】
ここで、本発明においては、前記解析部409で得られた処理剤Cの濃度を電気信号に変換してCPU等が内蔵された制御部5に送信して、処理剤Cが貯留されている処理剤槽6に連結する処理剤添加経路7の途中に付設された処理剤注入用ポンプPの注入量を自動制御することができる。
【0041】
これにより、水系中の処理剤Cの正確な濃度をリアルタイムで測定してオンストリーム監視し、水系に対する処理剤Cの適正な注入量をリアルタイムで自動補正しながら決定することができるので、常に処理剤Cが水系内に最も適正な濃度で保持されることになる。
【0042】
この結果、当該水系のプラント設備においては、処理剤Cの作用が常に有効に発揮されるので、腐食やスケール発生を防止できる。また、この処理剤Cの注入を自動制御することで、添加作業の省力化、効率化も達成することができる。
【0043】
【実施例】
実験方法。
CODMnとして、0、30、45mg/Lの有機物が含まれた計3種の各実冷却水に対して、それぞれポリマー<アクリル酸:2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロパンスルホン酸ソーダ(モル比80:20)>を20mg/L添加することによって得られた各サンプル10mLに対して、以下の表1に示された実施例1と比較例1の内容物を含む溶液をそれぞれ添加し、一定温度下、一定時間経過後の吸光度を測定した。なお、ポリマー濃度は、別途作成した検量線(図示せず。)に基づいて求めた。
【0044】
【表1】
【0045】
前掲した実施例1並びに比較例1がそれぞれ添加されたサンプルを数回分析した結果、得られたポリマー濃度は次の表2に示す通りであった。
【0046】
【表2】
【0047】
前掲した表2に示されているように、本発明に係る方法による測定においては、測定対象のサンプル溶液中に共存する有機物の影響をほとんど受けることなくポリマー濃度、即ち水系に添加される高分子処理剤濃度を正確に測定できることが明らかである。
【0048】
【発明の効果】
本発明は、水系に添加されたアニオン性高分子電解質を含む処理剤の正確な濃度の正確なリアルタイム測定並びにオンストリーム監視を行うことができ、また、水系に対する処理剤の適正な注入量をリアルタイムで自動補正しながら正確に決定することができるので、常に処理剤が水系内に最も適正な濃度で保持されるようになる。この結果、当該水系のプラント設備においては、処理剤の目的とする作用が常に有効に発揮されることになるので、前記プラント設備で腐食やスケール析出発生を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水系処理剤濃度の測定方法並びに測定装置(4)の構成を簡略に表す図である。
【図2】塩類(S)の添加方法に係わる第1の変形例の構成を表す図である。
【図3】塩類(S)の添加方法に係わる第2の変形例の構成を表す図である。
【符号の説明】
1 (水系を構成する)水路
4 本発明に係る水系処理剤濃度の測定装置。
404 光学測定部
C 処理剤
R 反応試薬
S 塩類
W(W1,W2) 試料水
Claims (4)
- 水系中の液体に添加されたアニオン性高分子電解質からなる処理剤と反応試薬とを化学反応させて不溶性物質を生成し、前記処理剤の濃度を比濁法によって測定する方法において、
前記水系から取り込まれた試料水に対して、前記反応試薬と塩類が添加されることを特徴とする水系処理剤濃度の測定方法。 - 前記反応試薬は、第四級アンモニウム塩並びにキレート剤から構成されることを特徴とする請求項1に記載の水系処理剤濃度の測定方法。
- 請求項1又は2のいずれか1項に記載の測定方法によって得られた測定データに基づいて、前記水系に添加される前記処理剤の量が決定されることを特徴とする水系処理剤濃度の決定方法。
- 水系からアニオン性高分子電解質が含有されている試料水を取り込んで測定部に供給する試料水導入手段と、前記アニオン性高分子電解質と化学反応して不溶性物質を生成する反応試薬を前記試料水に添加する試薬添加手段と、前記アニオン性高分子電解質の濃度を前記測定部において比濁法により測定する光学測定手段と、を少なくとも備えた水系処理剤濃度の自動測定装置であって、
前記試薬添加手段では、前記試料水に対して前記反応試薬と塩類が添加されることを特徴とする水系処理剤濃度の測定装置。
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JP2003190911A JP2005024419A (ja) | 2003-07-03 | 2003-07-03 | 水系処理剤濃度の測定又は決定方法及び測定装置 |
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JP2007260517A (ja) * | 2006-03-28 | 2007-10-11 | Miura Co Ltd | 水処理剤供給量の管理方法 |
JP2008170113A (ja) * | 2007-01-12 | 2008-07-24 | Miura Co Ltd | 蒸気ボイラ装置における復水経路の腐食抑制方法 |
JP2010529430A (ja) * | 2007-05-31 | 2010-08-26 | ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ | 水系でのポリマー濃度の測定方法 |
-
2003
- 2003-07-03 JP JP2003190911A patent/JP2005024419A/ja not_active Withdrawn
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