JPH10332595A - 水系におけるアニオン性高分子電解質を含む処理剤濃度のオンストリーム監視装置及び処理剤注入量の制御方法 - Google Patents

水系におけるアニオン性高分子電解質を含む処理剤濃度のオンストリーム監視装置及び処理剤注入量の制御方法

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JPH10332595A
JPH10332595A JP13669697A JP13669697A JPH10332595A JP H10332595 A JPH10332595 A JP H10332595A JP 13669697 A JP13669697 A JP 13669697A JP 13669697 A JP13669697 A JP 13669697A JP H10332595 A JPH10332595 A JP H10332595A
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treatment agent
concentration
reagent
water
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JP13669697A
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Kenichi Ito
賢一 伊藤
Naoko Togo
直子 藤後
Junichi Nakajima
淳一 中嶋
Tamami Sakaguchi
たまみ 阪口
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Hakuto Co Ltd
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Hakuto Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水系における金属の腐食、スケール析出
ないし汚れを防止するためにアニオン性高分子電解質を
含む処理剤を添加しているシステムにおいて、アニオン
性高分子電解質を含む処理剤の濃度をオンストリームで
監視できる装置、および該装置を用いてアニオン性高分
子電解質を含む処理剤の注入量を制御する方法を提供す
る。 【解決手段】 比色セル、試薬供給装置、攪拌装置、光
源、受光部からなる装置であって、該比色セルに試料水
を連続的ないし断続的に流しながら、一定時間毎に一定
量の試料水を比色セルに留め、第四級アンモニウム塩と
キレート剤を含む試薬を添加して、比色セルにおける光
の透過光ないし散乱光の強度を測定して電気信号として
取り出すことを特徴とする水系におけるアニオン性高分
子電解質を含む処理剤の濃度のオンストリーム監視装
置、および上記操作により得られた電気信号をアニオン
性高分子電解質濃度の設定値と比較する工程を含み、そ
の比較に基づきアニオン性高分子電解質を含む処理剤の
注入量を制御する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】冷却水系、ボイラ水系、集塵
水系、紙パルプ工場・製鉄工場等の各種工程水等の各種
水系システムにおける金属の腐食、スケール析出ないし
汚れを防止するためにアニオン性高分子電解質を含む処
理剤を添加しているシステムにおいて、アニオン性高分
子電解質を含む処理剤の濃度をオンストリームで監視す
る装置、さらに該処理剤が水系における金属の腐食、ス
ケール析出ないし汚れを防止できる適正な濃度に維持で
きるように注入量を制御する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷却水系、ボイラ水系、集塵水系、紙パ
ルプ工場・製鉄工場等の各種工程水系における金属の腐
食、スケール析出ないし汚れを防止するためにアクリル
酸重合体、アクリル酸共重合体、マレイン酸重合体、マ
レイン酸共重合体等のアニオン性高分子電解質を含む処
理剤が広く使用されている。これらの処理剤が十分な効
果を発揮するには、水中に一定濃度以上の処理剤が維持
されていることが必要であり、その水中濃度を正確、か
つ迅速に測定する方法が求められている。
【0003】従来、アニオン性高分子電解質を含む処理
剤の水中濃度を直接そのままの形態で連続的に測定する
効果的な方法は見あたらなかった。そこで、該処理剤に
一定比率の蛍光トレーサーを添加する方法(特開平5−
163591号公報)、紫外放射感受性の部分を含有す
る重合体を水系に添加して紫外分光計を用いて重合体の
濃度を監視する方法(特開平7−8995号公報)ある
いはリチウムトレーサーを添加する方法(特公昭55−
3668号公報)が提案されているが、これらの方法で
は処理剤の一部成分が系内で吸着、分解等により消費す
ると、処理剤とトレーサーの濃度バランスが壊れ、トレ
ーサー濃度から処理剤濃度を追跡できなくなるという欠
点がある。
【0004】その改良として処理剤成分の一部を蛍光物
質で標識し、処理剤濃度とトレーサー濃度のバランスを
保とうとする方法(特開平5−163591号公報、特
許公報第2509402号等)が提案された。蛍光物質
で標識したポリマーは、水処理用ポリマーと蛍光性物質
との化学反応(縮合反応や付加反応)により製造される
が、この際未反応の蛍光性物質が残存することが多く、
反応してポリマーに結合した蛍光性物質と未反応蛍光性
物質を区別することが困難であるため、未反応の蛍光性
物質を除去する必要がある。しかし未反応の蛍光性物質
を除去するためには、煩雑な工程が必要とされ実用的で
ない。また紫外線感受性物質で標識化したポリマーは全
般に低濃度では紫外吸収強度が低く、通常の使用濃度範
囲では使用できないという欠点もある。
【0005】このような事情から、工業用の水系システ
ムでは、保有水量や水の流量を正確に把握することが困
難な場合が多く、また添加された処理剤の一部は系内に
おける吸着、分解等によって消費されるため、水中の処
理剤濃度を知るには、処理剤濃度を直接に測定する方法
が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水系におけ
る金属の腐食、スケール析出ないし汚れを防止するため
にアニオン性高分子電解質を含む処理剤を添加している
システムにおいて、アニオン性高分子電解質を標識化す
ることなく直接に、しかもオンストリームで高精度に監
視できる装置、さらに該処理剤が水系における金属の腐
食、スケール析出ないし汚れを防止できる適正な濃度に
維持できるように注入量を制御する方法を提供するもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水中のア
ニオン性高分子電解質の濃度を連続的かつリアルタイム
に高精度でオンストリーム監視できる簡便なオンストリ
ーム監視装置を開発するため鋭意研究を重ねた結果、本
発明に到達した。
【0008】すなわち、請求項1の発明は、水系におけ
る金属の腐食、スケール析出ないし汚れを防止するため
にアニオン性高分子電解質を含む処理剤を添加している
システムにおいて、比色セルに試料水を連続的ないし断
続的に流しながら、一定時間毎に一定量の試料水を比色
セル内に留める液量調整手段、比色セル内の試料水に第
四級アンモニウム塩とキレート剤を含む試薬を供給する
試薬供給装置、比色セルにおいて試料水と試薬供給装置
から供給された試薬とを均一に混合するための攪拌装
置、比色セル内の試料水に対して照射する光源、比色セ
ルにおける試料水の透過光ないし散乱光を検知する受光
部及び検知した試料水の透過光ないし散乱光の強度を電
気信号に変換して試料水中の処理剤濃度を測定する測定
手段を備えていることを特徴とする水系におけるアニオ
ン性高分子電解質を含む処理剤濃度のオンストリーム監
視装置である。
【0009】請求項2の発明は、該装置において第四級
アンモニウム塩とキレート剤を含む試薬の添加前の試料
水の透過光ないし散乱光の強度(I')と、試薬添加後の
試料水の透過光ないし散乱光の強度(I)を比較し、こ
れを電気信号として取り出すことを特徴としている。
【0010】請求項3の発明は、請求項1又は2に記載
した水系におけるアニオン性高分子電解質を含む処理剤
濃度のオンストリーム監視装置の電気信号を、該処理剤
の設定濃度に対応する電気信号と比較する工程を含み、
その比較に基づき該処理剤の注入装置を操作する工程を
含むことを特徴とする水系におけるアニオン性高分子電
解質を含む処理剤注入量の制御方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の装置及び方法は、アニオ
ン性高分子電解質を含む処理剤が、第四級アンモニウム
塩と反応し定量的に水に不溶性物質を作り試料水が白濁
することを利用したもので、その白濁の程度から該処理
剤の濃度を知ることに基礎を置いている。
【0012】本発明におけるアニオン性高分子電解質は
分子中に複数のカルボキシル基、ないしスルホン酸基を
有する分子量500以上の水溶性高分子化合物であり、
水系における腐食防止、スケール防止を主たる目的に加
えられているものである。アニオン性高分子電解質の例
としては、アクリル酸の単一又は共重合体、マレイン酸
の単一又は共重合体、イタコン酸の単一又は共重合体、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の
単一又は共重合体、アリルヒドロキシプロパンスルホン
酸の単一又は共重合体等が挙げられる。
【0013】アニオン性高分子電解質を含む処理剤は、
液体、固体、ゲル状等の形で供給され、アニオン性高分
子電解質のみを含むものであってもよく、また既存の腐
食防止、スケール防止、スライムコントロール剤等を含
む多成分系処理剤であってもよい。またアニオン性高分
子電解質を2種以上含んだ処理剤であってもよい。
【0014】本発明による処理剤濃度の測定装置は、基
本的には比色セル、試薬供給装置、攪拌装置、光源及び
受光部を具備している。
【0015】比色セルは、測定の対象となる試料水を充
たし、ここに第四級アンモニウム塩とキレート剤を含む
試薬を加え、光を照射する部分である。試料水はシステ
ム水路からの圧力や、試料水供給ポンプ等によりシステ
ム水路から比色セルに連続的ないし断続的に供給され
る。水路からの圧力で試料水を供給する場合、例えば一
定時間毎に試料水ラインに設けた試料水供給バルブを閉
じることにより試料水が比色セルに留められる。この試
料水供給バルブとしては電磁弁やモーター駆動カムによ
るチューブ締め付方式等が利用できる。また試料水供給
ポンプを用いて試料水を供給する場合は、ポンプをタイ
マー駆動で一定時間毎に停止させることにより試料水が
比色セルに留めらる。また試料水はオーバーフローやサ
イフォンの原理を利用して一定量が比色セルに留めるこ
ともできる。比色セルの材質は、光源とフォトセルを比
色セルの外部に設置して透過光を測定する場合はガラス
製セルや透明プラスチック製セルを用いる必要がある
が、光ファイバー式の比色プローブを浸漬する場合は非
透明セルも可能である。散乱光を測定する場合は、透明
セル、非透明セルのいずれも使用可能である。
【0016】試薬供給装置は、第四級アンモニウム塩と
キレート剤を含む試薬を比色セルに供給するものであ
る。第四級アンモニウム塩とキレート剤を別々の試薬供
給装置で添加してもよく、また第四級アンモニウム塩と
キレート剤を適当な割合で混合しておきこれを供給して
もよい。試薬供給装置は該試薬の一定量を微量供給でき
るものであれば、いかなるものでもよく、例えばマイク
ロチューブポンプ、マイクロシリンジポンプ、モーター
駆動カム方式等が利用できる。
【0017】攪拌装置は、比色セルに導いた試料水と試
薬を均一にするために攪拌する装置であり、磁石式スタ
ーラー、振とう攪拌、気体吹き込み、攪拌モーター等の
方法により行われる。比色セルの底部にスターラーモー
ターを取り付け比色セル内に永久磁石を内蔵したプラス
チック製攪拌子を入れ試料水を攪拌する方法が簡易であ
り好ましい。
【0018】光源は、比色セル中の試料水に照射するた
めのものであり、タングステンランプ、水銀放電管、発
光ダイオード、レーザー等が利用できる。
【0019】受光部は、比色セル中の試料水に照射され
た光の透過光ないし散乱光の強度を検知するものであ
り、この検知したものを電気信号として取り出すことも
含んでいる。
【0020】本発明に用いる第四級アンモニウム塩は、
アニオン性高分子電解質と定量的に反応して安定な白濁
を生じるものであればいかなるものでもよいが、好まし
くは炭素数が12以上の第四級アンモニウム塩である。
第四級アンモニウム塩の具体的な例として、テトラアル
キルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウ
ム塩、ジアルキルジベンジルアンモニウム塩、アルキル
トリベンジルアンモニウム塩、ベンゼトニウム塩、ベン
ザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリ
ニウム塩ならびにこれらの誘導体である。第四級アンモ
ニウム塩は分子中に第四級アンモニウム基が2個以上あ
ってもよく、そのような化合物の例として、ポリ〔オキ
シエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミ
ノ)エチレンジクロライド〕、ポリジアリルジアルキル
アンモニウム塩、ポリ(メタ)アクリロイルオキシアル
キルトリアルキルアンモニウム塩、ポリ(メタ)アクリ
ルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム塩等があ
る。また第四級アンモニウム塩の塩としては塩化物、臭
化物、沃化物、硫酸塩等である。
【0021】本発明に用いるキレート剤は試料水に共存
する金属イオンが第四級アンモニウム塩とアニオン性高
分子電解質との定量的反応を妨害するのをマスキングす
るとともに、第四級アンモニウム塩とアニオン性高分子
電解質との沈殿反応に影響を及ぼし、アニオン性高分子
電解質の高濃度域での検量線の直線性を確保するための
ものである。キレート剤を塩として添加することにより
反応時のpH緩衝剤として作用させることもできる。キ
レート剤としてはエチレンジアミン四酢酸塩、ニトリロ
三酢酸塩、ジエチレントリアミン五酢酸塩等のアミノカ
ルボン酸類、クエン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、グリ
コール酸塩等のヒドロキシ酸類が使用できるが、これら
は単独ないし2種以上組み合わせて使用してもよい。こ
こでいう塩とはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム
塩、アンモニウム塩、アミン塩等である。
【0022】第四級アンモニウム塩ならびにキレート剤
は試料水に添加して安定な白濁を生じるのに十分な量を
添加する必要があるが、試料水に対して第四級アンモニ
ウム塩を好ましくは100〜2000mg/L、さらに
好ましくは50〜1000mg/L、キレート剤を好ま
しくは3000〜30000mg/L、さらに好ましく
は5000〜15000mg/Lの範囲で添加する。第
四級アンモニウム塩の添加量が低くなったり、キレート
剤の添加量が多くなると分析精度が低下する。一方、第
四級アンモニウム塩の添加量が多すぎたり、キレート剤
の添加量が低くなるとアニオン性高分子電解質の高濃度
域での検量線の直線性が悪くなる。第四級アンモニウム
塩とキレート剤の添加量がばらつくと測定値の再現性が
悪くなるため、これらの試薬の添加量は厳密に一定量を
加える必要がある。
【0023】試薬添加後の試料水のpHは、好ましくは
7〜12、さらに好ましくはpH8〜11である。この
pH範囲は安定な白濁を生じさせるため選ばれたもので
ある。必要であれば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、アンモニア、アミン等のアルカリやリン酸塩、硼酸
塩等の緩衝剤を添加してpHを調整することができる。
【0024】本発明は、比色セルに試料水を連続的ない
し断続的に流しながら、一定時間毎に一定量の試料水を
比色セルに留め、そこに第四級アンモニウム塩とキレー
ト剤を含む試薬を添加混合して、比色セルにおける試料
水の透過光ないし散乱光の強度を電気信号として取り出
すことからなっている。
【0025】比色セル内における試料水と第四級アンモ
ニウム塩とキレート剤を含む試薬は、短時間の反応時間
で再現性の高い測定値が得られるので、反応時間を長く
とる必要はない。すなわち試料水に該試薬を添加してか
ら好ましくは30秒から3分後に比色セル内の試料水に
光を照射して透過光ないし散乱光の強度が測定される。
【0026】測定にあたっては、第四級アンモニウム塩
とキレート剤を含む試薬を添加する前の透過光ないし散
乱光の強度(I')と、試薬添加後の透過光ないし散乱光
の強度(I)を測定して、両者を比較して電気信号とし
て取り出すことにより試料水そのものに由来する濁りの
妨害をなくすことができるので好ましい。測定波長は試
料水を透過するものであれば特に限定されないが、試料
水が着色している場合には着色物質に由来する吸収波長
は避けるべきである。
【0027】散乱光を測定する場合は、例えば入射光に
対して通常90度ないし270度の位置に受光部(フォ
トセル)を設置して、フィルターで特定波長の光を取り
出して、試薬添加前の試料水の散乱光の強度(I')と試
薬添加後の試料水の散乱光の強度(I)をそれぞれ測定
し、試薬添加前の試料水の散乱光の強度(I')を0%と
して電気信号を取り出すことができる。
【0028】オンストリーム監視装置は長期間に亙って
連続的に運転することが望まれ、比色セルのスケールや
微生物等による汚染は、受光部に達する透過光や散乱光
の強度に影響を及ぼすため好ましくない。本発明の比色
セルに洗浄のための自動洗浄機能を付与することができ
る。例えば酸や過酸化水素等の洗浄用化学薬品を試料水
の代りに比色セルに流入させる切り替え弁と注入装置を
比色セルの手前に設置して、タイマーにより一定時間毎
に洗浄用化学薬品を一定時間、比色セルに流入させるよ
うに切り替え弁と注入装置を作動させ洗浄を行うことが
できる。
【0029】比色セル汚染の影響を除く方法のもう一つ
の例として、比色セル内の試料水表面に光源から光線を
鋭角的に照射して、照射光線に対して90度に散乱され
た光を試料水表面の上に設置されたフォトセルで検出す
る方法があり、この方法によれば比色セル汚染の影響を
全く受けないだけでなく、試料水自体の濁りによる妨害
を無視できる程度にすることができる。
【0030】オンストリーム監視装置からの電流ないし
電圧出力は、 記録計や表示計にそのまま取り込んでもよ
いが、スケーリング機能付きのデジタル表示器やマイク
ロプロセッサ等に取り込みデータ処理することによりア
ニオン性高分子電解質を含む処理剤濃度として直示させ
ることができる。オンストリーム監視装置のキャリブレ
ーションを行う場合は、低濃度と高濃度の濃度既知のア
ニオン性高分子電解質を含む処理剤の標準溶液を2個以
上用意し、試料水の替わりにそれぞれの標準溶液を比色
セルに入れ、測定値の電気信号を電流値または電圧値と
して取り出し、標準溶液の濃度対電気信号値の関係を直
線回帰する。これにより未知濃度の試料測定より得られ
た電気信号値よりアニオン性高分子電解質を含む処理剤
の濃度を求めることができる。またフルレンジの0%と
100%の電気信号値における処理剤の濃度をスケーリ
ング機能付きのデジタル表示器に入力するかマイクロプ
ロセッサ等でデータ処理して、処理剤濃度を表示器等に
直示させることができる。
【0031】上記操作により得られた測定値の電気信号
を、アニオン性高分子電解質濃度の設定値と比較する工
程、さらにその比較に基づきアニオン性高分子電解質を
含む処理剤の注入装置を操作する工程を組み合わせ、測
定値が設定下限値より低い場合は設定値に達するまで注
入装置を作動させ、測定値が設定上限値より高い場合は
設定値に達するまで注入装置を停止させることができ
る。具体的には本発明のオンストリーム監視装置からの
電気信号を指示調節計に入力して、指示調節計の制御出
力を処理剤添加用ポンプの電源に連動させることによ
り、アニオン性高分子電解質を含む処理剤の濃度を自動
的に制御することができる。
【0032】
【実施例】
〈実施例1〉本発明のオンストリーム監視装置の一例を
図1に示す。
【0033】図1のオンストリーム監視装置は試薬供給
装置と試料水流入バルブが一体となったポンプ/バルブ
モジュール2、光源6、ガラス製比色セル5、スターラ
ーモーター12と攪拌子13からなる攪拌装置、受光部
としてのフォトセル7から構成される。ポンプ/バルブ
モジュール2はシリコンやタイゴン製の厚壁チューブを
4個のモーター駆動カムとプレートの間に挟み、モータ
ー駆動カムの上下運動により、チューブ内の液体の流れ
を開閉したり、4個のモーター駆動カムのぜん動により
チューブをしごいて液体を定量的に注入することができ
る。
【0034】水系システムの水路1からの試料水は流量
調整用バルブ16により流量が調整され、ストレーナー
15により粗大粒子が除去されてオンライン監視装置に
導入される。水系システムの水路1からの試料水はポン
プ/バルブモジュール2の試料水流入バルブ用カム3が
開いたとき比色計ブロック4内に流入され、余分な試料
水はセル上部のオーバーフロー堰より流出する。一定時
間後、試料水流入バルブカム3が厚壁チューブ9を押さ
えて流れを閉じ新鮮な試料水の一定量がガラス製の比色
セル5に留められる。光源6からの光を比色セル5に照
射してフォトセル7で検出して試料水のブランク透過光
の強度を測定し、試料水の濁りによるゼロ点補正を行
う。試薬注入部8の4個のモーター駆動カムのぜん動に
より厚壁チューブ9をしごいて試薬瓶10、11より試
薬を一定速度で一定時間添加する。混合液はスターラー
モーター12により回転する攪拌子13により攪拌され
る。一定時間後にゼロ点と比較した混合液の吸光度が測
定され、電気信号として取り出される。
【0035】試料水流入バルブ用カム3が再び開き新鮮
な試料水が比色計ブロック4の下部より導入され、以降
同様の操作が繰り返され一定時間毎に測定値が得られ
る。
【0036】上記の一連の操作はシーケンス回路または
マイクロプロセッサーにより自動的に制御される。
【0037】〈実施例2〉本発明の制御装置の一例を図
2に示す。
【0038】水系システムの水路1からの試料水は流量
調整用バルブ16により流量が調整され、ストレーナー
15により粗大粒子が除去されてオンライン監視装置1
7に導入される。ここでオンライン監視装置17は図1
の点線で囲まれた部分と同じである。オンライン監視装
置17からの電気信号は比較処理部22に入力され、予
め設定された設定値と比較される。電気信号が下限設定
値よりも低い場合は電気信号が下限設定値を上回るまで
注入ポンプ19を作動させ、処理剤貯蔵容器18に入れ
られた処理剤を水系システムに注入する。電気信号が上
限設定値よりも高い場合は電気信号が上限設定値を下回
るまで注入ポンプ20を停止させる。注入ポンプ20は
予め設定された注入速度で連続的に作動させるかまたは
水系システムの水路1に設置したパルス流量計21から
のパルス数の出力に比例して作動させる。
【0039】ここで水系システムの水路1における試料
水導入部、処理剤注入部ならびにパルス流量計21の位
置ならびに配置順序は一例を示したに過ぎず、水系シス
テムの形態や処理剤の使用目的等により変更することが
できる。例えば水系システムが循環水系の場合、試料水
導入部は循環水系の任意の箇所ないしブローダウンライ
ンに設置され、パルス流量計21はブローダウンライン
に設置され、処理剤注入部は循環水系の任意の箇所に注
入されるのが好ましい。
【0040】〈実施例3〉四日市市水に下記組成の処理
剤を適宜濃度添加して試験水を実施例1における図1の
オンストリーム監視装置に通水した。
【0041】 [処理剤組成]: アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との共重合体 10重量% 2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸 5重量% 水 85重量%
【0042】装置に内蔵したマイクロプロセッサの制御
より2分毎に試料水供給バルブが閉じて試験水2mLを
比色セルに導入し、510nmの光を照射しその透過光
強度を基準とした。次いで下記に示す[試薬A]と[試
薬B]の分析試薬を比色セルに各0.03mLづつ15
秒間かけて添加し、試験水をセル内のスターラー攪拌子
により攪拌混合し、50秒後における510nmの光の
透過光強度を基準の透過光強度と比較した。引き続いて
試料水供給バルブが開け、新鮮な試料水が50秒間供
給、以降同様の操作が繰り返して2分間毎に測定値を得
た。測定値は0〜10mVの電気信号に変換して記録計
に記録した。一方、同時に試料水の全リン酸濃度を比色
分析法(モリブデン青法)により測定し、処理剤中の2
−ホスホノブタン−1、2、4−トリカルボン酸の配合
比よりリン酸濃度換算の処理剤濃度を計算して求めた。
リン酸濃度換算の処理剤濃度とオンストリーム監視装置
の電圧出力値との関係を図3に示すが、広範囲の処理剤
の濃度範囲にわたって良好な直線関係を示すことが分か
る。
【0043】[試薬A]:純水400mlにモノエタノ
ールアミン364gを加え攪拌混合した。スターラーで
攪拌しながらエチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム4
65gを徐々に加えて溶解した。
【0044】[試薬B]:純水810mlに塩化ベンゼ
トニウム40gを加えて完全に溶解した。モノエタノー
ルアミン62gを加え攪拌混合し、スターラーで攪拌し
ながらクエン酸ソーダ、2水塩 250gを徐々に加え
て溶解した。溶液を静置して泡が完全に無くなっててか
ら使用した。
【0045】〈実施例4〉四日市市水に下記組成の処理
剤を60mg/L添加して試験水を実施例1のオンスト
リーム監視装置に通水した。得られた13回個の測定値
の平均値と標準偏差を求めたところ、平均値に対する標
準偏差の比率すなわち変動係数は1.7%であった。
【0046】 [処理剤組成]: アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との共重合体 10重量% アクリル酸と無水マレイン酸と次亜リン酸塩との共重合体 10重量% 硝酸亜鉛 5重量% ベンゾトリアゾール 2重量% 水 73重量%
【0047】
【本発明の効果】本発明によれば、水系における金属の
腐食、スケール析出ないし汚れを防止するために添加し
ているアニオン性高分子電解質を含む処理剤の濃度を、
アニオン性高分子電解質を標識化することなくそのまま
の形態で高精度でオンストリームに監視ないし制御する
ことができ、水系システムにおける金属の腐食、スケー
ル析出ないし汚れを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のオンライン監視装置の実施様態の一
例を示す。
【図2】 本発明の処理剤注入量制御における実施様態
の一例を示す。
【図3】 実施例3におけるリン酸濃度換算の処理剤濃
度とオンストリーム監視装置の電圧出力値との関係を示
す。
【符号の説明】
1 水系システムの水路 2 ポンプ/バルブモジュール 3 試料水流入バルブ 4 比色計ブロック 5 比色セル 6 光源 7 フォトセル 8 試薬注入部 9 厚壁チューブ 10、11 試薬瓶 12 スターラーモーター 13 攪拌子 14 光学フィルター 15 ストレーナー 16 流量調整用バルブ 17 オンライン監視装置 18 処理剤貯蔵容器 19 注入ポンプ1 20 注入ポンプ2 21 パルス式流量計 22 比較処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 21/75 G01N 21/75 Z // G01N 31/00 31/00 V 33/18 33/18 C (72)発明者 阪口 たまみ 三重県四日市市別名6−6−9 伯東株式 会社四日市研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水系における金属の腐食、スケール析出
    ないし汚れを防止するためにアニオン性高分子電解質を
    含む処理剤を添加しているシステムにおいて、比色セル
    に試料水を連続的ないし断続的に流しながら、一定時間
    毎に一定量の試料水を比色セル内に留める液量調整手
    段、比色セル内の試料水に第四級アンモニウム塩とキレ
    ート剤を含む試薬を供給する試薬供給装置、比色セルに
    おいて試料水と試薬供給装置から供給された試薬とを均
    一に混合するための攪拌装置、比色セル内の試料水に対
    して照射する光源、比色セルにおける試料水の透過光な
    いし散乱光を検知する受光部及び検知した試料水の透過
    光ないし散乱光の強度を電気信号に変換して試料水中の
    処理剤濃度を測定する測定手段を備えていることを特徴
    とする水系におけるアニオン性高分子電解質を含む処理
    剤濃度のオンストリーム監視装置。
  2. 【請求項2】 第四級アンモニウム塩とキレート剤を含
    む試薬の添加前の試料水の透過光ないし散乱光の強度
    (I')と、試薬添加後の試料水の透過光ないし散乱光の
    強度(I)を比較し、これを電気信号として取り出すこ
    とを特徴とする請求項1記載の水系におけるアニオン性
    高分子電解質を含む処理剤濃度のオンストリーム監視装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の水系におけるアニ
    オン性高分子電解質を含む処理剤濃度のオンストリーム
    監視装置の電気信号を、該処理剤の設定濃度に対応する
    電気信号と比較する工程を含み、その比較に基づき該処
    理剤の注入装置を操作する工程を含むことを特徴とする
    水系におけるアニオン性高分子電解質を含む処理剤注入
    量の制御方法。
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