JP2005023720A - シャッター - Google Patents

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Abstract

【課題】 シャッターを構成するスラットが風等で前方に膨らんでガイドレールから引き抜かれようとするとき、スラットとガイドレールとに亘って設けられた係合部材が更に係合力を強めるような働きをして係合が外れないようにする。
【解決手段】 上下に屈曲可能に連接されたスラットと、このスラットの両端部が突入する断面がコの字形をしたガイドレールとを有するシャッターにおいて、ガイドレールの前面側の内方端内面に、外方突条と内方突条との間に空間を有する有空間突帯を形成するとともに、この有空間突帯より外方に存在するスラットの前面に、外方切込面と内方切込面との間を底面で結ぶ断面が台形をした凹陥部を形成し、スラットが、中央側が前方に突出する傾斜した状態で中央側に引っ張られたとき、凹陥部の外方切込面の先端が有空間突帯の内方突条の先端に係合するとともに、このとき、凹陥部の底面と有空間突帯の内方突条との間に隙間が確保される状態になって、その移動が規制されるものであることを特徴とするシャッター。
【選択図】 図1

Description

本発明は、強風等によってもガイドレールから抜け出ることがないシャッターに関するものである。
住宅の開口部等には、ガラス戸や障子の外側に主として防犯のためにスラットを上下に連ねたシャッターが設けられることがある。このスラットは、その両端がガイドレールに挿入されて前後への移動が抑制されているが、強風等が吹くと、その負圧によって各スラットが前方に膨らみ、その結果、中央側に引っ張られてガイドレールから抜け出ることがある。こうなると、スラットはガラス戸等に当たってこれを壊したり或いは自らが壊れて飛んで行ってしまったりする。このため、何らかの抜出防止手段が講ぜられているが、従来の防止手段は、スラットやガイドレールに互いに係合する係合部材を取り付けてこれを係合させたりするものであるため、昇降の際に支障を来したり、相手部材を傷付けたり、ドラムに巻き取るときの径を大きくしたりする弊害があった。
そこで、特許文献1には、スラットの前面の端部に、外方及び内方の前後方向への切込面とその間を結ぶ底面とで断面が台形をした係止凹部を形成し、係止凹部の外方切込面がガイドレールの前方側の内方端内面に突設された凸条(気密片装着溝が代用されている)の外方側壁に係止して抜出を防ぐものが提案されている。
特開2001−164852号公報
図4は従来例のスラットとガイドレールとの関係を示す断面図であるが、係止凹部10がガイドレール11に形成された凸条12に係止できるためには、係止凹部10の幅L(左右方向の長さ)は、凸条12の幅lよりは広くなければならない。このため、両者が係止したときには、スラット13は前方へ膨らまされて中央側が前方へ突出する傾斜した状態であるから、係止凹部10の底面は凸条12の内方側壁の先端と接触していることになる。このとき、スラット13が更に前方へ膨らまされると、その接触点が支点となる梃子作用が生じ、係止凹部10の外方切込面と凸条12の外方側壁との摩擦力に打ち勝ってその係止が容易に外れてしまい、スラット13が抜け外れる。本発明は、この支点を作らないようにするとともに、中央側への引張力を係止を強める力に変換するようにして係止が簡単には外れないようにしたものである。
本発明は、請求項1に記載したように、上下に屈曲可能に連接されたスラットと、このスラットの両端部が突入する断面がコの字形をしたガイドレールとを有するシャッターにおいて、ガイドレールの前面側の内方端内面に、外方突条と内方突条との間に空間を有する有空間突帯を形成するとともに、この有空間突帯より外方に存在するスラットの前面に、外方切込面と内方切込面との間を底面で結ぶ断面が台形をした凹陥部を形成し、スラットが、中央側が前方に突出する傾斜した状態で中央側に引っ張られたとき、凹陥部の外方切込面の先端が有空間突帯の内方突条の先端に係合するとともに、このとき、凹陥部の底面と有空間突帯の内方突条との間に隙間が確保される状態になって、その移動が規制されるものであることを特徴とするシャッターを提供する。
又、本発明は、請求項2に記載したように、上下に屈曲可能に連接されたスラットと、このスラットの両端部が突入する断面がコの字形をしたガイドレールとを有するシャッターにおいて、ガイドレールの前面側の内方端内面に、外方突条と内方突条との間に空間を
有する有空間突帯を形成するとともに、この有空間突帯より外方に存在するスラットの前面に、切り起し面が内方側を向く切り起し部を形成し、スラットが、中央側が前方に突出する傾斜した状態で中央側に引っ張られたとき、切り起し部の切り起し面の先端が有空間突帯の内方突条の先端に係合するとともに、このとき、スラットの表面と有空間突帯の内方突条との間に隙間が確保される状態になって、その移動が規制されるものであることを特徴とするシャッターを提供したものである。
更に、本発明は、以上におけるスラットの移動規制の具体的構成として、請求項2に記載した、凹陥部の幅が有空間突帯の幅よりも小さい構成、請求項3の、有空間突帯の外方突条の外方側面が前方に傾斜している構成を提供する他、スラットと有空間突帯の内方突条との間に隙間を確保するための具体的構成として、請求項5の、外方突条の先端へのスラットの当接による構成、請求項6の、外方突条の先端への切り起し部の当接による構成を提供したものである。
本発明では、スラットが中央側に引っ張られたときのスラットとガイドレールとの係合が、スラットに形成される凹陥部の外方切込面の先端の角が有空間突帯の内方突条の先端に係合するとともに、このとき、内方突条と凹陥部の底面との間には隙間が確保されているものであるから、凹陥部の底面と内方凸条との間には接触点、則ち、支点が生じない。従って、スラットが更に前方に膨らんで中央側に引っ張られたとしても、凹陥部の外方切込面の先端の角は、内方突条に更に食い込む方向に押し付けられて係合し、より外れ難くなる。
図8はシャッターの正面図、図5はシャッターを構成するスラットの斜視図、図6は側面図、図7はスラットの断面形状を示す図5のAーA断面図であるが、シャッター1は、短冊形をした薄い金属板や樹脂板からなるスラット2を上下に連接したものである。この連接は、各スラット2の上下端にカール部2a、2bを形成し、これを嵌合させて連結したものである。従って、各スラット2は屈曲可能に連結されていることになる。この場合、スラット2の側方断面形状は、中央を前方に膨らませて強度の向上を図っている。以上のシャッター1は、上部に設けられるドラム(図示省略)に巻き付けられており、ドラムを回転させて昇降させる。
更に、シャッター1は、スラット2の両端を断面がコの字形をしたガイドレール3に突入させており、これで前後の揺れを防止している。図1はある例におけるスラット2とガイドレール3との関係を示す要部の断面図であるが、このとき、ガイドレール3の内方端の内面の前後個所には、外方突条4aと内方突条4bとの間に空間4cを有する有空間突帯(以下、突帯という)4を形成している。尚、本例では、この空間4cにスラット2に当接させてスラット2とガイドレール3との接触音や擦り傷の発生及びガイドレール3内への雨水等の侵入を防ぐ気密片5を装着している関係で、外方突条4a及び内方突条4bともにその先端を相手方向に折曲させた鉤形部4aa、4baとして気密片5の抜止めを図っている。更に、内方突条4bの内方側面の先端は比較的大きなアールRに形成している。
次に、本例では、突帯4より外方に存在するスラット2の前面に、表面から落ち込む凹陥部6を形成するのである。この凹陥部6は、前後方向にほぼ真っ直ぐ落ち込む外方切込面6aと、外方側に斜め後方に落ち込む内方切込面6bと、この両者6a、6bをほぼ左右平行に結ぶ底面6cとからなる断面が台形をしたものであり、内方切込面6bはスラット2の表面から底面6cへの連続面により構成されるが、外方切込面6aは底面6cから切り離された切断端面により構成される。尚、スラット2の断面形状は、外面側に膨出する形状にしてあることは上述したが、この凹陥部6は、その上下方向の中央部分の一部にプレス等で形成されており、強度を弱化させる全高に亘って形成されてはいない他、特に強度を弱化させる底面6cから切り離された内方切込面6bは凹陥部6の全高に対し上半分の部分にのみ形成するとともに、内方切込面6b下端の底面6cからの立ち上がり面を急勾配に設定し、内方切込面6bの強度を高めている。加えて、本例では、凹陥部6の幅w(外方切込面6aと内方切込面6bとの距離)が突帯4の幅W(外方突条4aと内方突条4bの外側面間の長さ)よりも小さくしてある。
以上により、今、強風等が吹いてその負圧によってスラット2が前方に膨らまされると、スラット2はガイドレール3内で前方に押されて気密片5を圧縮させる(圧縮状態の図示省略)とともに、平面視、中央側が前方に突出する傾斜した状態で中央側に引っ張られる。従って、スラット2の前面は、突帯4の外方突条4aと内方突条4bの先端(後端)に擦れながら中央側に移動するが、このとき、凹陥部6の幅wと突帯4の幅Wは、w<Wの関係にあるから、凹陥部6の外方切込面6aは、突帯4の外方突条4aに係合できず、そのまま通過する。この状態でスラット2が更に中央寄りに移動すると、外方切込面6aの先端は遂には突帯4の内方突条4bの先端(正確には鉤形部4ba)に係合して停止する。
但し、この状態のときも、スラット2の凹陥部6より外方の前面は突帯4の内方突条4bよりも外方にあって外方突条4aの先端(正確には鉤形部4aa)に当接する(空間4c内に落ち込まない)関係にしておく。則ち、スラット2の前面の外方切込面6aより外方の真直な部分の長さは、突帯4の鉤形部4aa、4baの先端間の隙間よりもおおきくじてある。)に当接する(空間4c内に落ち込まない)関係にしておく。そして、このとき、スラット2の外方突条4a先端との当接点Pから凹陥部6の底面6cまでの距離(凹陥部6の深さ)Dと、同じく当接点Pから内方突条4bの先端までの距離hは、D>hの関係にあるから、内方突条4bの先端と凹陥部6の底面6cとの間には隙間が確保されることになり、スラット2に付与される中央側への移動力はこの外方切込面6aの係合を強めるのには作用するが、係合を外すものとはならない。
一方、風等が収まると、スラット2の撓みはなくなって元に戻ろうとする。則ち、突帯4の内方突条4bに係合している凹陥部6の外方切込面6aの係合は解かれてスラット2は外方へ動こうとする。このとき、凹陥部6より外方のスラット2の前面は突帯4に落ち込んではいないから、この動きを抑えたりしない。尚、このとき、凹陥部6の内方切込面6bを中央よりほど前面に向かう斜面部としておくと、この斜面部が内方突条4bの先端の角に当たってスラット2を速やかに後退させ、この動きをスムーズにする。従って、本例では、凹陥部6の内方切込面6bを上記のように斜面部にしている。加えて、内方突条4bの内方側面の先端を積極的にアールRに形成しておくことは、この動きをスムーズにすることに寄与する。
図2は他の例を示すスラット2とガイドレール3との関係を示す要部の断面図であるが、本例のものは、突帯4の外方突条4aの外方側側面が外方ほど前方に傾斜している斜面部Uとなっているものである。又、本例のものは、スラット2の外方突条4a先端との当接点Pから凹陥部6の底面6cまでの距離(凹陥部6の深さ)Dと当接点Pから内方突条4bの先端までの距離hの関係は、D>hであるが、凹陥部6の幅wと突帯4の幅Wの関係は、w>Wの関係にしてある。これによると、スラット2が前方に膨らんで中央側に引っ張られると、まず、w>Wの関係で凹陥部6の中に突帯4が嵌まり込むが、このとき、外方突条4aの外方側側面が斜面部Uを有することから、凹陥部6の外方切込面6aはこの斜面を駈け上がり、空間4c部分を通過して内方突条4bの先端(正確には鉤形部4ba)に係合する。
従って、本例の凹陥部6の幅wと突帯4の幅Wの関係には特別な制限は不要である。このときも、スラット2の前面の外方切込面6aより外方の真直な部分の長さは、突帯4の鉤形部4aa、4baの先端間の隙間よりも大きくしてスラット2の凹陥部6より外方の前面が突帯4の外方突条4aの先端(鉤形部4aa)に当接点Pで当接し、このときD>hの関係にあるから、内方突条4bの先端と凹陥部6の底面6cとの間には隙間が確保されていることになり、スラット2に付与される中央側への移動力は凹陥部6の外方切込面6aが突帯4の内方突条4bの角への係合を強めるのに作用し、係合を外すものとはならない。
図3も他の例を示すスラット2とガイドレール3との関係を示す要部の断面図、図9はスラット2の斜視図、図10は側面図であるが、本例のものは、スラット2に凹陥部を形成する代わりに、表面から前方に突出する切り起し部7が形成され、この切り起し部7は、スラット2から切り離された切り起し面7aがスラット2の内方側を向き、切り起し面7aから外方側へ平坦部7bが形成され、更に外方側に向け斜め後方に落ち込んだ断面形状をしている。この場合、スラット2の側方断面形状は、これまでの実施例とは反対に中央を後方に膨らませている。これによると、本例のものも外方突条4aの外方側側面が斜面部Uを有することから、スラット2が前方に膨らんで中央側に引っ張られると、切り起し部7の切り起し面7aはこの斜面を駈け上がり、その先端は、突帯4の空間4c部分を通過して内方突条4bの先端(鉤形部4ba)に係合する。
そして、このときも、スラット2の前面の切り起し面7aより外方の真直な部分である平坦部7bの長さは、突帯4の鉤形部4aa、4baの先端間の隙間よりも大きくしてスラット2の切り起し面7aより外方の前面が突帯4の外方突条4aの先端(鉤形部4aa)に当接点P1で当接し、このとき、当接点P1からスラット2の表面までの距離D1と、同じく当接点P1から内方突条4bの先端までの距離h1は、D1>h1の関係にあるから、内方突条4bの先端とスラット2の表面との間には隙間が確保されていることになり、スラット2を中央側に移動させる引張力はこの食い込みを増す方向に作用し、外れに作用する力とならない。切り起し部7は、その全幅に亘って外方側に向けて後方に傾斜した断面に形成することも可能であるが、本例のように、平坦部7bを設けた方が内方突条4bの先端とスラット2の表面との間により大きな隙間を確保できることになる。
このように本発明は、建物の開口部の外側を覆うシャッターに有用な機能を付与するものであるが、ガイドレールでガイドされるものである限り、ブラインドのような内側を覆うものであってもよい。又、これにおいて、スラットはドラムに巻き付けできる可撓性がある限り、必ずしも小さい単位の短冊形をしていなくてもよい。
スラットとガイドレールとの関係を示す要部断面図である(実施例1)。 スラットとガイドレールとの関係を示す要部断面図である(実施例2)。 スラットとガイドレールとの関係を示す要部断面図である(実施例3)。 スラットとガイドレールとの関係を示す要部断面図である(従来例)。 スラットの斜視図である。 スラットの側面図である。 図5のAーA断面図である。 シャッターの正面図である。 スラットの正面図である(実施例3)。 スラットの側面図である(実施例3)。
符号の説明
1 シャッター
2 スラット
3 ガイドレール
4 有空間突帯
4a 〃 の外方突条
4b 〃 の内方突条
5 気密片
6 凹陥部
6a 〃 の外方切込面
6b 〃 の内方切込面
6c 〃 の底面
7 切り起し部
7a 切り起し面
7b 平坦部
W 有空間突帯の幅
w 凹陥部の幅
P スラットの表面と外方突条の先端との当接点
D 当接点Pから凹陥部の底面までの距離
h 当接点Pから内方突条の先端までの距離
P1 切り起し部の平坦部と外方突条の先端との当接点
D1 当接点P1からスラットの表面までの距離
h1 当接点P1から内方突条の先端までの距離
U 外方突条の斜面部

Claims (6)

  1. 上下に屈曲可能に連接されたスラットと、このスラットの両端部が突入する断面がコの字形をしたガイドレールとを有するシャッターにおいて、ガイドレールの前面側の内方端内面に、外方突条と内方突条との間に空間を有する有空間突帯を形成するとともに、この有空間突帯より外方に存在するスラットの前面に、外方切込面と内方切込面との間を底面で結ぶ断面が台形をした凹陥部を形成し、スラットが、中央側が前方に突出する傾斜した状態で中央側に引っ張られたとき、凹陥部の外方切込面の先端が有空間突帯の内方突条の先端に係合するとともに、このとき、凹陥部の底面と有空間突帯の内方突条との間に隙間が確保される状態になって、その移動が規制されるものであることを特徴とするシャッター。
  2. 上下に屈曲可能に連接されたスラットと、このスラットの両端部が突入する断面がコの字形をしたガイドレールとを有するシャッターにおいて、ガイドレールの前面側の内方端内面に、外方突条と内方突条との間に空間を有する有空間突帯を形成するとともに、この有空間突帯より外方に存在するスラットの前面に、切り起し面が内方側を向く切り起し部を形成し、スラットが、中央側が前方に突出する傾斜した状態で中央側に引っ張られたとき、切り起し部の切り起し面の先端が有空間突帯の内方突条の先端に係合するとともに、このとき、スラットの表面と有空間突帯の内方突条との間に隙間が確保される状態になって、その移動が規制されるものであることを特徴とするシャッター。
  3. 凹陥部の幅が有空間突帯の幅よりも小さい請求項1のシャッター。
  4. 有空間突帯の外方突条の外方側面が前方に傾斜している請求項1又は2のシャッター。
  5. 凹陥部の底面と有空間突帯の内方突条との間の隙間の確保が、外方突条の先端へのスラットの当接による請求項1のシャッター。
  6. スラットの表面と有空間突帯の内方突条との間の隙間の確保が、外方突条の先端への切り起し部の当接による請求項2のシャッター。
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