JP2005023291A - 放射線硬化性シリコーンゴム組成物、該組成物からなる接着性シリコーンエラストマーフィルム、並びに該組成物を用いる構造体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
使用時の工程を合理化でき、低弾性で十分な耐熱性や強固な接着性を有し、作業性に優れた接着性シリコーンエラストマーフィルム、かかるフィルムの製造に好適な放射線硬化性シリコーンゴム組成物、該組成物を用いる構造体及び該構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】
(a)(メタ)アクリロイル基とヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(b)(メタ)アクリロイル基を有しヒドロシリル基を有しないオイル状オルガノポリシロキサン、(c)(任意成分)アルコキシシラン、その部分加水分解縮合物、オルガノシラン変性イソシアヌレート及びオルガノシロキサン変性イソシアヌレートからなる群から選ばれる化合物、(d)放射線増感剤及び(e)白金族金属系触媒を含有する組成物、該組成物からなる接着性シリコーンエラストマーフィルム、該組成物を用いる構造体、並びに該構造体の製造方法。
【選択図】 なし
Description
(a)一分子中にアクリロイル基およびメタクリロイル基からなる群から選ばれる基1個以上とヒドロシリル基1個以上とを有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン: 5〜100重量部、
(b)一分子中にアクリロイル基およびメタクリロイル基からなる群から選ばれる基2個以上を有し、ヒドロシリル基を有しないオイル状オルガノポリシロキサン: 95〜0重量部、
(ただし、上記(a)成分と(b)成分の含有量の合計は、100重量部である。)
(c)アルコキシシラン、アルコキシシランの部分加水分解縮合物、オルガノシランで変性されたイソシアヌレート、およびオルガノシロキサンで変性されたイソシアヌレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物: 0〜30重量部、
(d)放射線増感剤: 有効量、および、
(e)白金族金属系触媒: 有効量、
を含有する放射線硬化性シリコーンゴム組成物、好ましくは(a)成分と(b)成分との合計100重量部に対して(c)成分を0.1〜30重量部含有する上記の放射線硬化性シリコーンゴム組成物を提供する。
この接着性シリコーンエラストマーフィルムは、下記のような利点を有する。
(1)短時間の加熱で接着性が強固であり、加工性が良いので、カットにより定型の接着層を形成することができる。
(2)低弾性であるため、2つの異なる基板の貼り合わせにおける熱的および機械的応力を緩和し、接着した製品、例えば被覆体や構造体の安定性および信頼性を向上できる。
(3)硬化物であるため、取扱いが簡単である。
(4)フィルム状成形品として供給されるため、使用時の工程(接着した製品を製造する工程)が合理化できる。
(5)上記構造体の一実施形態として、半導体チップを該接着性フィルムにより支持体に接着させて半導体装置を製造するのに有用である。
本発明に係る放射線硬化性シリコーンゴム組成物は、下記(a)〜(e)成分(但し、(c)成分は必要に応じて適宜配合してもよい任意成分である)を含有してなるものである。
(a)成分の一分子中に、アクリロイル基およびメタクリロイル基からなる群から選ばれる基1個以上と、ヒドロシリル基(すなわち、SiH基)1個以上とを有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(すなわち、(メタ)アクリロイル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン)は、必須成分である。この分子は、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチル基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、(メタ)アクリロイルオキシブチル基等の(メタ)アクリロイルオキシアルキル基等の(メタ)アクリロイルオキシ基置換1価炭化水素基を、好ましくは1または2以上の分子鎖末端のケイ素原子に結合した置換基として、少なくとも1個、好ましくは1〜10個、より好ましくは2〜4個含有する。またこの分子は、分子鎖末端および/または分子鎖途中のケイ素原子に結合した水素原子(すなわち、SiHで表されるヒドロシリル基)を少なくとも1個、好ましくは2〜200個含有し、直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサンであることが望ましい。その重合度(または分子中のケイ素原子の数)は、好ましくは2〜10,000、より好ましくは10〜1,000、特に好ましくは20〜200程度である。
で表されるもの、具体的には以下の式で表されるものを挙げることができる。
〔式中、RおよびR’は独立に水素原子またはメチル基であり、R’が水素原子のときは、lは0≦l≦8,000の整数、好ましくは1≦l≦1,000の整数、より好ましくは1≦l≦200の整数であって、R’がメチル基のときは、1≦l≦8,000の整数、好ましくは2≦l≦1,000の整数、より好ましくは2≦l≦200の整数である。mは0≦m≦8,000の整数、好ましくは0≦m≦1,000の整数、より好ましくは0≦m≦200の整数である。また、l+mは1〜10,000、好ましくは10〜8,000、特に好ましくは20〜200の整数であり、kは1〜4の整数であり、好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは2である。〕
〔式中、Rは独立に水素原子またはメチル基であり、lは1≦l≦8,000の整数、好ましくは2≦l≦1,000の整数、より好ましくは2≦l≦200の整数である。mは0≦m≦8,000の整数、好ましくは0≦m≦1,000の整数、より好ましくは0≦m≦200の整数である。また、l+mは1〜10,000、好ましくは10〜8,000、特に好ましくは20〜200の整数であり、kは1〜4の整数であり、好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは2である。〕
〔式中、Rの定義ならびにk、lおよびmの範囲は、式(1−2)で定義したものと同様である。nの範囲は1≦n≦8の整数であり、好ましくは1≦n≦5、より好ましくは1≦n≦3である。また、l+m+nは1〜10,000、好ましくは10〜8,000、特に好ましくは20〜200の整数である。〕
本組成物中の(a)成分の含有量は、5〜100重量部、好ましくは20〜100重量部、より好ましくは20〜90重量部である。(なお、(a)成分と後記(b)成分との合計量は、100重量部とする。)
(b)成分の一分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有し、ヒドロシリル基を有しないオイル状オルガノポリシロキサンとしては、例えば下記一般式(II)で表されるものを挙げることができる。
〔式中、R1は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜9の1価炭化水素基であり、Lは8≦L≦10,000の整数、好ましくは18≦L≦1,000の整数、より好ましくは48≦L≦500の整数であり、Xは独立に下記一般式(III):
(式中、R2は炭素原子数2〜4の2価炭化水素基または酸素原子であり、R3は1〜3個の(メタ)アクリロイル基を有する炭素原子数4〜25の1価有機基であり、R4は独立に置換または非置換の炭素原子数1〜9の1価炭化水素基であり、R5は独立に置換または非置換の炭素原子数1〜18の1価炭化水素基であり、pは1≦p≦3の整数であり、qは0≦q≦2の整数であり、但し、p+qは1〜3である。)で表わされる基である。〕
また、好ましい実施形態では、R1の50モル%以上がメチル基であり、かつ25モル%以下がフェニル基であるものが好ましく、R1の80モル%以上(即ち、80〜100モル%)、特に90モル%以上(即ち、90〜100モル%)がメチル基であり、10モル%以下(即ち、0〜10モル%)がフェニル基であるものがより好ましい。
また、好ましい実施形態では、R4の50モル%以上がメチル基であり、かつ25モル%以下がフェニル基であるものが好ましく、R4の80モル%以上(即ち、80〜100モル%)、特に90モル%以上(即ち、90〜100モル%)がメチル基であり、10モル%以下(即ち、0〜10モル%)がフェニル基であるものがより好ましい。
(c)成分としてのアルコキシシランまたはアルコキシシランの部分加水分解縮合物(すなわち、分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以上の残存アルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン(オリゴマー))は、基体に対する接着性を改善するために、必要に応じて配合してもよい任意成分であり、この(c)成分の具体例としては、例えば下記の化合物を挙げることができる。
(d)成分の放射線増感剤としては、特に限定されないが、好ましくはベンゾフェノン等のベンゾイル化合物(または、フェニルケトン化合物)、特に、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン等のカルボニル基のα−位の炭素原子上にヒドロキシ基を有するベンゾイル化合物(またはフェニルケトン化合物);2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビスアシルモノオルガノホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等のオルガノホスフィンオキサイド化合物;イソブチルベンゾインエーテル等のベンゾインエーテル化合物;アセトフェノンジエチルケタール等のケタール化合物;チオキサントン系化合物;アセトフェノン系化合物等が例示される。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
(e)成分の白金族金属系触媒は、加熱処理により、上記のとおり、(a)成分中に含有されるSi−H結合の酸化重合および基体表面に存在する基(−OH基、−H基(活性水素基)等)との脱水素縮合反応を促進するために用いられる触媒である。
本件の(a)〜(e)成分を含有してなる組成物には、更に、必要に応じて配合される任意成分として、(f)反応制御剤を、保管時、輸送時等の室温における本発明の組成物の硬化反応を抑制し、作業上、十分な可使時間を確保するために配合されることが好ましい。該成分としては、例えば、重金属のイオン性化合物(米国特許第3,532,649号明細書参照)をはじめ、公知のヒドロシリル化反応による付加反応制御剤として用いられているものを制限なく用いることができる。
本発明の組成物には、本発明の組成物の硬化性、接着性等の性能を損なわない範囲および量で、上記(a)〜(f)成分(但し、(c)成分および(f)成分は任意成分である)に加えて、更に他の添加剤を配合することは任意である。
本発明の接着性シリコーンエラストマーフィルムは、上記の放射線硬化性シリコーンゴム組成物をフィルム状に成形した後、放射線を照射して硬化させることにより得ることができる。この放射線硬化性シリコーンゴム組成物はペースト状であり、市販のコーターにて連続的に成形できる。放射線の照射条件は後述する通りである。さらに、照射装置内部は、発熱の影響を避けるために、ファン等により冷却することが好ましい。この接着性シリコーンエラストマーフィルムは、シートである場合を含む。なお、このフィルムの厚さは、通常5〜1,000μmであり、好ましくは10〜500μmであり、より好ましくは20〜200μmである。
上記のようにして得られる接着性シリコーンエラストマーフィルムで基体の一部または全部を覆い、ついで加熱して該フィルムを基体に接着させることにより、被覆体を得ることができる。この際、加熱温度は、80〜250℃が好ましく、100〜200℃がより好ましい。基体としては、例えば、Si、Al、Cu、Ni、Cr、Au、Agおよびその他の各種金属、エポキシ樹脂、ベークライト、ポリイミド、ポリエステル、シリコーン樹脂等の有機樹脂が挙げられる。
本発明の構造体は、第一の基体、第二の基体および前記両基体間にある接着層を含有してなる。基体としては、例えば、Si、Al、Cu、Ni、Cr、Au、Agおよびその他の各種金属、エポキシ樹脂、ベークライト、ポリイミド、ポリエステル、シリコーン樹脂などの各種有機樹脂や、シリコン酸化膜、フォトレジスト膜、銅メッキ膜、金メッキ膜などが挙げられる。
本発明の構造体の製法Aを構造体が半導体装置である場合を例に説明する。
半導体装置の製造方法は、
(1) 第一の基体表面上に、上記放射線硬化性シリコーンゴム組成物をフィルム状に成形して、フィルム状成形体を得る工程、
(2) 得られたフィルム状成形体に放射線を照射して、接着性エラストマーフィルムとする工程、
(3) 前記エラストマーフィルム上に第二の基体を圧着して前駆構造体とする工程、および
(4) 前記(3)の工程と同時にまたは該工程に引き続いて、得られた前駆構造体を加熱処理して、前記エラストマーフィルムを加熱硬化させる工程
を含むものであって、この方法によって、前記両基体がシリコーンエラストマー硬化物からなる接着層を介して相互に結合されている半導体装置として得ることができる。
[(1)フィルム状成形体形成工程]
第一の基体は、半導体チップまたはその支持体のいずれであってもよい。
第一の基体表面に本発明の組成物をフィルム状に成形する方法としては、特に制限がなく、例えば、市販のコーターを用いて塗工すればよいが、スピンコート法またはスクリーン印刷法によることが好ましい。スピンコート法によれば、レジスト剤塗布と同様にウェハー等のように平らな表面を有する基体の表面全体に均一な厚さで、効率よくフィルム状成形体を形成することができる。また、スクリーン印刷法によっても、同様に均一な厚さのフィルム状成形体を形成することができ、更に、必要に応じて基体の一部分に特定の形状の成形体を形成できることから好ましい場合がある。
スクリーン印刷法を採用する場合には、本発明の組成物の粘度が比較的高粘度であることが好ましく、例えば、25℃において、10〜1,000 Pa・s、好ましくは 20〜800 Pa・s、より好ましくは 50〜500 Pa・sの粘度に調整することがよい。スクリーン印刷に際しては、例えば、メタルマスク、メッシュマスク等を用いることができる。
前記フィルムへの放射線の照射条件は後述するとおりである。
上記工程(2)により得られた接着性エラストマーフィルム上に第二の基体を圧着し前駆構造体を得る。半導体装置の製造において、工程(1)で半導体チップが第一の基体として用いられる場合には、その支持体は該工程で第二の基体として用いられる。しかし、工程(1)で支持体が第一の基体として用いられる場合には、半導体チップは該工程で第二の基体として用いられる。
また、例えば、市販のダイボンディングマウンターを使用し、半導体チップをマウントした加圧ツールを用いて、前記接着性エラストマーフィルム上に半導体チップまたは支持体のいずれかを圧着させた前駆構造体とすることもできる。
前記圧着工程(3)と同時に、または、前記圧着工程(3)に引き続いて、前記前駆構造体を加熱処理して、前記エラストマーフィルムを硬化させ、前記両基体がシリコーンエラストマー硬化物からなる接着層を介して相互に結合されている半導体装置を得ることができる。
本発明の構造体は、予め放射線照射により架橋された上述の接着性シリコーンエラストマーフィルムを第一の基体と第二の基体の間に挟み、前駆構造体とし、次いで該フィルムを加熱し、両基体を接着して両基体を相互に結合することにより、製造することもできる。
オクタメチルシクロテトラシロキサン1776g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン360g、および1,3−ビス(アクリロキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン18gを滴下ロートおよび攪拌装置を備えた反応容器内に導入して均一に攪拌した。次いでトリフルオロスルホン酸6gを滴下して、常温(25℃)にて約4時間攪拌し、平衡化反応させた後、炭酸ソーダ144gを添加して、中和およびろ過した。その後、トルエン1,000mlを入れて熱水洗浄し、反応液中の水分を除去した後に、重合禁止剤としてBHT0.2gを添加し、攪拌しながら、100℃/30mmHgの条件でストリップを行って、透明なオイル状の両末端アクリロキシ基含有ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体を得た。
攪拌装置、還流冷却器、滴下ロート、および乾燥空気導入器を取り付けた1,000mlの反応装置に、下記平均式:
で示されるクロロオルガノポリシロキサン571g、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン(商品名:NKエステル701−A、新中村化学工業(株)製)47g、トルエン200ml、トリエチルアミン26g、及び重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエン2000ppmを入れ、攪拌しながら、70℃に昇温して7時間加熱し、反応させた。反応液を放冷後、濾過し、プロピレンオキサイド4gを添加し、室温で1時間攪拌し、次いで100℃/30mmHgでストリップを行って下記式で示される透明なオイル状のオルガノポリシロキサンを得た。
(a)上記の合成例1で合成した下記構造のアクリロキシ基含有メチルハイドロジェンポリシロキサンを20部、
(但し、上記部分加水分解縮合物は、上記式においてmが1〜7の整数である化合物の混合物である)
(d)2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを2部、
(e)塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液0.1部(塩化白金酸中の白金金属原子/[(a)+(b)](重量)=17 ppm、白金金属原子量=1×10-5 モル)、
および
(f)1−エチニル−1−シクロヘキサノールの50重量%トルエン溶液0.1部(前記(e)成分中の白金金属原子量1モルに対する1-エチニル-1-シクロヘキサノールの量=40倍モル)
を混合し、放射線硬化性シリコーンゴム組成物を得た。
(なお、重量基準で、(c)/[(a)+(b)]=2.5/100)
上記(c)成分のテトラメトキシシランの部分加水分解縮合物3部に代えて、下記構造のエポキシ基含有ポリアルコキシシロキサンを3部用いる以外は、実施例1と同様にして組成物を調製し、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表1、2に示す。
上記(c)成分のテトラメトキシシランの部分加水分解縮合物3部に代えて、下記構造のトリイソシアヌレートシリコーン変性化合物を1部用いる以外は、実施例1と同様にして組成物を調製し(なお、重量基準で、(c)/[(a)+(b)]=0.8/100)、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表1、2に示す。
上記(a)成分のアクリロキシ基含有メチルハイドロジェンポリシロキサン20部に代えて、下記構造のアクリロキシ基含有メチルハイドロジェンポリシロキサンを20部用いる以外は、実施例1と同様にして組成物を調製し、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表1、2に示す。
上記(a)成分のアクリロキシ基含有メチルハイドロジェンポリシロキサンの添加量20部を5部に変更する以外は、実施例1と同様にして組成物を調製し(なお、重量基準で、(c)/[(a)+(b)]=2.9/100)、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表1、2に示す。
上記(a)成分のアクリロキシ基含有メチルハイドロジェンポリシロキサンの添加量20部を100部に変更する以外は、実施例1と同様にして組成物を調製し(なお、重量基準で、(c)/[(a)+(b)]=1.5/100)、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表1、2に示す。
上記(b)成分の(メタ)アクリロキシ基含有ポリシロキサン(100部)を含有させず、かつ、(a)成分の上記アクリロキシ基含有メチルハイドロジェンポリシロキサンの添加量20部を100部に変更する以外は、実施例1と同様にして組成物を調製し(なお、重量基準で、(c)/(a)=3/100)、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表1、2に示す。
上記実施例1において(e)成分の白金触媒、および(f)成分の反応制御剤を添加しない以外は、実施例1と同様にして組成物を調製し、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表1、2に示す。
上記実施例2において(e)成分の白金触媒、および(f)成分の反応制御剤を添加しない以外は、実施例2と同様にして組成物を調製し、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表1、2に示す。
上記実施例3において(e)成分の白金触媒、および(f)成分の反応制御剤を添加しない以外は、実施例3と同様にして組成物を調製し、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表1、2に示す。
上記実施例4において(e)成分の白金触媒、および(f)成分の反応制御剤を添加しない以外は、実施例4と同様にして組成物を調製し、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表1、2に示す。
上記(c)成分のテトラメトキシシランの部分加水分解縮合物3部を配合しない以外は実施例1と同様にして、放射線硬化性シリコーンゴム組成物を調製し、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表3、4に示す。
上記(c)成分のテトラメトキシシランの部分加水分解縮合物3部を配合しない以外は実施例4と同様にして、放射線硬化性シリコーンゴム組成物を調製し、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表3、4に示す。
上記(c)成分のテトラメトキシシランの部分加水分解縮合物3部を配合しない以外は実施例5と同様にして、放射線硬化性シリコーンゴム組成物を調製し、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表3、4に示す。
上記(c)成分のテトラメトキシシランの部分加水分解縮合物3部を配合しない以外は実施例6と同様にして、放射線硬化性シリコーンゴム組成物を調製し、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表3、4に示す。
上記(c)成分のテトラメトキシシランの部分加水分解縮合物3部を配合しない以外は実施例7と同様にして、放射線硬化性シリコーンゴム組成物を調製し、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表3、4に示す。
(a1)下記構造のアクリロイルオキシ基含有メチルハイドロジェンポリシロキサン 20部、
(但し、上記部分加水分解縮合物は、上記式においてmが1〜7の整数である化合物の混合物である)
(d) 2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン 2部、
(e)塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液 0.1部(塩化白金酸中の白金金属原子/[(a1)+(b)](重量)=17 ppm、白金金属原子量=1×10-5 モル)、および
(f) 1-エチニル-1-シクロヘキサノールの 50重量%トルエン溶液 0.1部(前記(e)成分中の白金金属原子量1モルに対する 1-エチニル-1-シクロヘキサノールの量=40倍モル)
を混合し、粘度が5Pa・sの硬化性シリコーンゴム組成物を得た。
実施例13に記載の(c)成分に代えて、(c2)下記構造のエポキシ基含有ポリアルコキシシロキサンを3部用いること以外は、実施例13と同様にして組成物を調製し、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例13と同様の試験を行った。その結果を表5、6に示す。
実施例13に記載の(c)成分に代えて、(c3)下記構造のトリイソシアヌレートシリコーン変性化合物を1部用いること以外は、実施例13と同様にして組成物を調製し(なお、(c3)/[(a1)+(b)](重量比)=0.8/100)、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例13と同様の試験を行った。その結果を表5、6に示す。
実施例1に記載の(a1)成分に代えて、(a2)下記構造のアクリロイルオキシ基含有メチルハイドロジェンポリシロキサンを 20部用いること以外は、実施例13と同様にして組成物を調製し、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例13と同様の試験を行った。その結果を表5、6に示す。
実施例13に記載の(a1)成分の添加量 20部を、5.0部に変更すること以外は、実施例13と同様にして組成物を調製し(なお、(c)/[(a1)+(b)](重量比)=2.9/100)、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例13と同様の試験を行った。その結果を表5、6に示す。
実施例13に記載の(a1)成分の添加量 20部を、100部に変更すること以外は、実施例13と同様にして組成物を調製し(なお、(c)/[(a1)+(b)](重量比)=1.5/100)、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例13と同様の試験を行った。その結果を表5、6に示す。
実施例13に記載の(b)成分を使用しないこと、および(a1)成分の添加量 20部を、100部に変更すること以外は、実施例13と同様にして組成物を調製し(なお、(c)/(a1)(重量比)=3/100)、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例13と同様の試験を行った。その結果を表5,6に示す。
(a3)下記構造のアクリロイルオキシ基含有メチルハイドロジェンポリシロキサン 20部、
(但し、上記部分加水分解縮合物は、上記式においてmが1〜7の整数である化合物の混合物である)
(d) 2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン 2部、
(e)塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液 0.1部(塩化白金酸中の白金金属原子/[(a3)+(b)](重量)=17 ppm、白金金属原子量=1×10-5 モル)、および
(f) 1-エチニル-1-シクロヘキサノールの 50重量%トルエン溶液 0.1部(前記(e)成分中の白金金属原子量1モルに対する 1-エチニル-1-シクロヘキサノールの量=40倍モル)
を混合し、粘度が 80Pa・sの硬化性シリコーンゴム組成物を得た。
次に、上記シリコンウェハーを用いて、実施例13と同様にして構造体を製造し、せん断接着力を測定した。その結果を表6に示す。
実施例20に記載の(b)成分を使用しないこと、および(a3)成分の添加量 20部を 100部に変更すること以外は、実施例20と同様にして組成物を調製し(なお、(c)/(a3)(重量比)=3/100)、この組成物を用いて実施例20と同様にして接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例13と同様の試験を行った。その結果を表5、6に示す。
上記実施例13に記載の(e)成分(白金族金属触媒)および(f)成分(反応制御剤)を使用しないこと以外は、実施例13と同様にして組成物を調製し、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例13と同様の試験を行った。その結果を表5、6に示す。
上記実施例13に記載の(e)成分および(f)成分を使用しないこと以外は、実施例14と同様にして組成物を調製し、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例13と同様の試験を行った。その結果を表5、6に示す。
上記実施例13に記載の(e)成分および(f)成分を使用しないこと以外は、実施例15と同様にして組成物を調製し、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例13と同様の試験を行った。その結果を表5、6に示す。
上記実施例13に記載の(e)成分および(f)成分を使用しないこと以外は、実施例16と同様にして組成物を調製し、この組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施例13と同様の試験を行った。その結果を表5、6に示す。
2.テストピース
3.フィルム層
4.端
5.端
Claims (10)
- (a)一分子中にアクリロイル基およびメタクリロイル基からなる群から選ばれる基1個以上とヒドロシリル基1個以上とを有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン: 5〜100重量部、
(b)一分子中にアクリロイル基およびメタクリロイル基からなる群から選ばれる基2個以上を有し、ヒドロシリル基を有しないオイル状オルガノポリシロキサン: 95〜0重量部、
(ただし、上記(a)成分と(b)成分の含有量の合計は、100重量部である。)
(c)アルコキシシラン、アルコキシシランの部分加水分解縮合物、オルガノシランで変性されたイソシアヌレート、およびオルガノシロキサンで変性されたイソシアヌレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物: 0〜30重量部、
(d)放射線増感剤: 有効量、および、
(e)白金族金属系触媒: 有効量、
を含有する放射線硬化性シリコーンゴム組成物。 - さらに、(f)反応制御剤を含有する請求項1に記載の組成物。
- 放射線硬化された、請求項1に記載の組成物からなる接着性シリコーンエラストマーフィルム。
- 請求項3に記載の接着性シリコーンエラストマーフィルムで基体の一部または全部を覆い、ついで加熱して該フィルムを基体に接着させることにより得られるシリコーンエラストマーフィルム被覆体。
- 第一の基体と、第二の基体と、これら二つの基体間に挟まれ両基体を相互に結合する、請求項1に係る組成物の硬化物からなる接着層とを有する構造体。
- 請求項5に係る構造体であって、前記の第一の基体または第二の基体のいずれか一方が半導体チップであり、残る基体が該半導体チップの支持体である、半導体装置を構成している構造体。
- 請求項1に記載の硬化性シリコーンゴム組成物を、第一の基体上にフィルム状に成形してフィルム状成形体を得る工程と、前記フィルム状成形体に放射線を照射して接着性エラストマーフィルムとする工程と、前記エラストマーフィルム上に第二の基体を圧着する工程と、次いで加熱処理して前記エラストマーフィルムを硬化させる工程とを含む、請求項5に記載の構造体の製造方法。
- 請求項7に記載の製造方法であって、前記の第一の基体または第二の基体のいずれか一方が半導体チップであり、残る基体が該半導体チップの支持体である、上記製造方法。
- 請求項3に記載の接着性シリコーンエラストマーフィルムを第一の基体と第二の基体の間に挟み、ついで加熱して該フィルムを両基体に接着させて、両基体を相互に結合させることを特徴とする請求項5に記載の構造体の製造方法。
- 請求項9に記載の方法であって、前記の第一の基体または第二の基体のいずれか一方が半導体チップであり、残る基体が該半導体チップの支持体である上記製造方法。
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