JP2005020902A - 電線配索構造及び電線ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】電線集合体30の曲げ半径を小さくしても、個々の電線32に加わる曲げ応力がさほど増大しない電線配索構造を提供する。
【解決手段】本発明に係る電線配索構造は、相対的に移動する2つの部材間に複数の電線32を配索するための電線配索構造であって、複数の電線32が断面略円形になるように束ねられるとともに、その中心線を軸として捻られ、個々の電線32の形状が略螺旋形になった状態で、前記複数の電線32の両端が各々の前記部材に固定されていることを特徴とする。このため、電線に加わる曲げ応力が分散され易くなり、従来のように、曲げ応力が電線32の曲がり部の内側面と外側面とに集中しなくなる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係る電線配索構造は、相対的に移動する2つの部材間に複数の電線32を配索するための電線配索構造であって、複数の電線32が断面略円形になるように束ねられるとともに、その中心線を軸として捻られ、個々の電線32の形状が略螺旋形になった状態で、前記複数の電線32の両端が各々の前記部材に固定されていることを特徴とする。このため、電線に加わる曲げ応力が分散され易くなり、従来のように、曲げ応力が電線32の曲がり部の内側面と外側面とに集中しなくなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、相対的に移動する2つの部材間に複数の電線を配索するための電線配索構造及び電線ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
相対的に移動する2つの部材間に複数の電線を配索する一般的な電線配索構造が特許文献1に記載されている。
この電線配索構造では、図4(A)に示すように、ケーブルベア51内に複数本の電線54が横一列にほぼ平行に並べられた状態で配索されている。即ち、ケーブルベア51の長手方向と電線54の長手方向(軸方向)とが一致している。このため、ケーブルベア51の曲がり部分では、図4(B)に示すように、電線54もケーブルベア51の曲げ半径とほぼ等しい曲げ半径で曲げられるようになる。なお、電線54の曲がり部分には、内側面(ケーブルベア51に接する面)に縮み方向の曲げ応力が集中し、外側面に延び方向の曲げ応力が集中する。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−123691号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した電線配索構造では、例えば、スペース上の理由からケーブルベア51の曲げ半径を減少させる場合には、それに伴って電線54に加わる曲げ応力が増加するようになる。この場合、耐久性能の高い電線54を使用しなければならず、電線54のコストアップにつながる。
また、上記した電線配索構造のようにケーブルベアを使用せず、複数の電線を束ねた状態で配索することも行われている。複数の電線54を束ねた場合、各々の電線54は曲がり部において内周と外周との差を吸収するために、内周側が無理な変形をして曲率が大きくなるため、曲がり癖がつく。そして、以後、この部分で曲がる際には、曲がり癖のとおり大きい曲率で曲がり、これを繰り返すうちに破断することがある。更に、このように束ねられた電線54がケーブルベア内に挿通されている場合、ケーブルベアによって変形するためのスペースが制限されているため、ケーブルベア内でより無理な変形をして曲がり癖がつき易い。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、束ねられた複数の電線(以下、電線集合体という)の曲げ半径を小さくしても個々の電線に大きな曲げ応力が加わらない電線配索構造を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、相対的に移動する2つの部材間に複数の電線を配索するための電線配索構造であって、前記複数の電線が断面略円形になるように束ねられるとともに、その中心線を軸として捻られ、個々の電線の形状が略螺旋形になった状態で、前記複数の電線の両端が各々の前記部材に固定されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によると、一方の部材に対して他方の部材が一定軌跡で接近することにより、束ねられた複数の電線(電線集合体)が曲げられると、個々の電線は略螺旋形の形状のまま曲げられるようになる。このため、個々の電線に加わる曲げ応力が曲げ方向と捻り方向とに分散され、従来のように、曲げ応力が電線の曲がり部の内側面と外側面とに集中しなくなる。即ち、従来の配索構造では、電線の曲がり部でその電線の内側面が縮まり、外側面が延ばされるのに対し、本発明の配索構造では個々の電線が螺旋形をしているため、電線集合体の曲がり部分で個々の電線は螺旋の傾斜角度が変化するだけである。このため、従来のように、電線の内側面が縮まり、外側面が延ばされるようなことがほとんどない。したがって、電線集合体の曲げ半径を小さくしても、個々の電線に加わる曲げ応力がさほど増大しない。このため、電線集合体の曲げ半径を小さくしても、特に、耐久性能の高い電線を使用する必要がなくなる。
【0008】
請求項2の発明によると、前記両部材間にケーブルベアが掛け渡され、前記複数の電線が断面略円形になるように束ねられるとともに、その中心線を軸として捻られ、個々の電線の形状が略螺旋形になった状態で、前記複数の電線が前記ケーブルベア内に挿通され、その両端が前記ケーブルベアの両端又は前記両部材に固定されている。
従来のように、電線を単に束ねた状態でケーブルベアに挿通させると、それらの電線が曲げられる際に束ねられた電線の変形がケーブルベアによって制限される。このため、電線がケーブルベア内でより無理な変形をして曲がり癖がつき易いという問題がある。しかし、本発明によると、電線集合体が曲げられても、個々の電線は略螺旋形の形状のまま曲げられるため、前述のように、曲げ応力が電線の曲がり部の内側面と外側面とに集中しなくなる。このため、電線がケーブルベア内で無理な変形をすることがなく、曲がり癖がつき難くなる。
【0009】
請求項3の発明における電線ユニットは、ケーブルベアと、断面略円形になるように束ねられるとともに、その中心線を軸に全体が捻られ、個々の形状が略螺旋形になった状態で、前記ケーブルベア内に配置され、両端が前記ケーブルベアの両端に固定された複数の電線とを備えている。
このため、請求項1、請求項2の場合と同様に、電線集合体の曲げ半径を小さくしても、耐久性能の高い電線を使用する必要がなくなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、図1〜図3に基づいて、本発明の実施形態1に係る電線配索構造の説明を行う。本実施形態に係る電線配索構造は、車両用シート装置のスライド機構に使用される電線配索構造である。ここで、図1は本実施形態に係る電線配索構造を表す全体模式平面図(A図)及び電線部分の拡大模式図(B図)であり、図2は電線が曲げられる様子を表す模式図である。また、図3はケーブルベアを表す模式平面図である。
【0011】
車両用シート装置のスライド機構は、図1(A)に示すように、固定ベース2と、その固定ベース2の真上位置で車両前後方向(矢印方向)に往復動作が可能なスライドベース(図示省略)とを備えている。前記スライドベースには、車両用シート装置を動作させる際に使用されるモータやリミットスイッチ等の複数の電気機器12が取付けられている。また、固定ベース2には、各々の電気機器12の電線が接続されるコネクタ盤14が取付けられている。なお、図1(A)には、図面簡略化のため電気機器12が一台、コネクタ盤14が一面の場合を例示している。
【0012】
固定ベース2と前記スライドベースとの間には、図3に示すように、ケーブルベア20が平面略U字形の状態で掛け渡されている。ケーブルベア20は、基端部22が固定ベース2のコネクタ盤14の近傍に固定されており、先端部24が前記スライドベースの電気機器12の近傍に固定されている。そして、前記スライドベースが固定ベース2に対して前方Fに移動すると、ケーブルベア20の先端部24がそのスライドベースと共に前方Fに移動する(図3 二点鎖線参照)。ケーブルベア20は、先端部24の移動に伴って湾曲部分26よりも基端部22側の直線部分が順番に湾曲し、その湾曲部分26の先端部24側が順番に直線状に伸ばされる。これによって、ケーブルベア20の湾曲部分26が等しい曲率で前記スライドベースの移動距離の1/2だけ前方Fに移動するようになる。また、前記スライドベースが固定ベース2に対して後方Bに移動することにより、同様にケーブルベア20の湾曲部分26が同じく等しい曲率で前記スライドベースの移動距離の1/2だけ後方Bに移動するようになる。
【0013】
ケーブルベア26の内部には、固定ベース2のコネクタ盤14と前記スライドベースの電気機器12とを電気的に接続する複数本の電線32が挿通されている。複数本の電線32は、断面略円形になるように束ねられるとともに、その中心線を軸として捻られている。これによって、個々の電線32の形状は、図1(B)に示すように、略螺旋形になる。そして、上記したように、束ねられた複数の電線32(以下、電線集合体30という)の両端がそれぞれクランプ(図示省略)により、ケーブルベア20の基端部22と先端部24とに固定されている。
ここで、電線集合体30は、長さ約100mmあたり一回転するように捻るのが好ましい。
即ち、固定ベース2とスライドベース(図示省略)とが本発明の相対的に移動する2つの部材に相当し、ケーブルベア20及び電線集合体30が本発明の電線ユニットに相当する。
【0014】
このように、本実施形態に係る電線配索構造によると、電線集合体30が、図2(A)に示すように、ケーブルベア20によって曲げられる際に、個々の電線32は略螺旋形の形状のまま曲げられるようになる。このため、電線32に加わる曲げ応力が曲げ方向と捻り方向に分散され、従来のように、曲げ応力が電線32の曲がり部の内側面と外側面とに集中しなくなる。即ち、従来の配索構造では、電線の曲がり部でその電線の内側面が縮まり、外側面が延ばされるのに対し、本実施形態の配索構造では個々の電線32が螺旋形をしているため、図2(B)に示すように、電線集合体30の曲がり部分で個々の電線32は螺旋の傾斜角度θ(例えば、θ1→θ3)が変化するだけである。このため、従来のように、電線の内側面が縮まり、外側面が引っ張られるようなことはほとんどない。
したがって、電線集合体30の曲げ半径を小さくしても、個々の電線32に加わる曲げ応力がさほど増大しない。このため、電線集合体30の曲げ半径を小さくしても、特に、耐久性能の高い電線32を使用する必要がなくなる。
【0015】
また、一般的に電線を単に束ねた状態でケーブルベアに挿通させると、それらの電線が曲げられる際に束ねられた電線の変形がケーブルベアによって制限される。この場合、電線がケーブルベア内でより無理な変形をして曲がり癖がつき易いという問題がある。しかし、本実施形態によると、電線集合体30が曲げられても、個々の電線32は略螺旋形の形状のまま曲げられるため、前述のように、曲げ応力が電線32の曲がり部の内側面と外側面とに集中しなくなる。このため、電線32がケーブルベア20内で無理な変形をすることがなく、曲がり癖がつき難くなる。
【0016】
なお、本実施形態では車両用シート装置のスライド機構に使用される電線配索構造を例に説明を行ったが、例えば、工作機械やロボット等の電線配索構造に本発明を適用することも可能である。
また、ケーブルベアを使用した電線配索構造を例に説明を行ったが、ケーブルベアを使用しない電線配索構造に本発明を適用することも可能である。
【0017】
【発明の効果】
本発明によると、電線集合体の曲げ半径を小さくしても、個々の電線に加わる曲げ応力がさほど増大しないため、特に、耐久性能の高い電線を使用する必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る電線配索構造を表す全体模式平面図(A図)及び電線部分の拡大模式図(B図)である。
【図2】本発明の実施形態1に係る電線配索構造において電線が曲げられる様子を表す模式図である。
【図3】ケーブルベアを表す模式平面図である。
【図4】従来の電線配索構造を表す斜視図(A図)及び電線が曲げられる様子を表す模式図(B図)である。
【符号の説明】
2 固定ベース(相対的に移動する2つの部材の一方)
12 電気機器
14 コネクタ盤
20 ケーブルベア(電線ユニット)
30 電線集合体(電線ユニット)
32 電線
【発明の属する技術分野】
本発明は、相対的に移動する2つの部材間に複数の電線を配索するための電線配索構造及び電線ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
相対的に移動する2つの部材間に複数の電線を配索する一般的な電線配索構造が特許文献1に記載されている。
この電線配索構造では、図4(A)に示すように、ケーブルベア51内に複数本の電線54が横一列にほぼ平行に並べられた状態で配索されている。即ち、ケーブルベア51の長手方向と電線54の長手方向(軸方向)とが一致している。このため、ケーブルベア51の曲がり部分では、図4(B)に示すように、電線54もケーブルベア51の曲げ半径とほぼ等しい曲げ半径で曲げられるようになる。なお、電線54の曲がり部分には、内側面(ケーブルベア51に接する面)に縮み方向の曲げ応力が集中し、外側面に延び方向の曲げ応力が集中する。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−123691号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した電線配索構造では、例えば、スペース上の理由からケーブルベア51の曲げ半径を減少させる場合には、それに伴って電線54に加わる曲げ応力が増加するようになる。この場合、耐久性能の高い電線54を使用しなければならず、電線54のコストアップにつながる。
また、上記した電線配索構造のようにケーブルベアを使用せず、複数の電線を束ねた状態で配索することも行われている。複数の電線54を束ねた場合、各々の電線54は曲がり部において内周と外周との差を吸収するために、内周側が無理な変形をして曲率が大きくなるため、曲がり癖がつく。そして、以後、この部分で曲がる際には、曲がり癖のとおり大きい曲率で曲がり、これを繰り返すうちに破断することがある。更に、このように束ねられた電線54がケーブルベア内に挿通されている場合、ケーブルベアによって変形するためのスペースが制限されているため、ケーブルベア内でより無理な変形をして曲がり癖がつき易い。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、束ねられた複数の電線(以下、電線集合体という)の曲げ半径を小さくしても個々の電線に大きな曲げ応力が加わらない電線配索構造を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、相対的に移動する2つの部材間に複数の電線を配索するための電線配索構造であって、前記複数の電線が断面略円形になるように束ねられるとともに、その中心線を軸として捻られ、個々の電線の形状が略螺旋形になった状態で、前記複数の電線の両端が各々の前記部材に固定されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によると、一方の部材に対して他方の部材が一定軌跡で接近することにより、束ねられた複数の電線(電線集合体)が曲げられると、個々の電線は略螺旋形の形状のまま曲げられるようになる。このため、個々の電線に加わる曲げ応力が曲げ方向と捻り方向とに分散され、従来のように、曲げ応力が電線の曲がり部の内側面と外側面とに集中しなくなる。即ち、従来の配索構造では、電線の曲がり部でその電線の内側面が縮まり、外側面が延ばされるのに対し、本発明の配索構造では個々の電線が螺旋形をしているため、電線集合体の曲がり部分で個々の電線は螺旋の傾斜角度が変化するだけである。このため、従来のように、電線の内側面が縮まり、外側面が延ばされるようなことがほとんどない。したがって、電線集合体の曲げ半径を小さくしても、個々の電線に加わる曲げ応力がさほど増大しない。このため、電線集合体の曲げ半径を小さくしても、特に、耐久性能の高い電線を使用する必要がなくなる。
【0008】
請求項2の発明によると、前記両部材間にケーブルベアが掛け渡され、前記複数の電線が断面略円形になるように束ねられるとともに、その中心線を軸として捻られ、個々の電線の形状が略螺旋形になった状態で、前記複数の電線が前記ケーブルベア内に挿通され、その両端が前記ケーブルベアの両端又は前記両部材に固定されている。
従来のように、電線を単に束ねた状態でケーブルベアに挿通させると、それらの電線が曲げられる際に束ねられた電線の変形がケーブルベアによって制限される。このため、電線がケーブルベア内でより無理な変形をして曲がり癖がつき易いという問題がある。しかし、本発明によると、電線集合体が曲げられても、個々の電線は略螺旋形の形状のまま曲げられるため、前述のように、曲げ応力が電線の曲がり部の内側面と外側面とに集中しなくなる。このため、電線がケーブルベア内で無理な変形をすることがなく、曲がり癖がつき難くなる。
【0009】
請求項3の発明における電線ユニットは、ケーブルベアと、断面略円形になるように束ねられるとともに、その中心線を軸に全体が捻られ、個々の形状が略螺旋形になった状態で、前記ケーブルベア内に配置され、両端が前記ケーブルベアの両端に固定された複数の電線とを備えている。
このため、請求項1、請求項2の場合と同様に、電線集合体の曲げ半径を小さくしても、耐久性能の高い電線を使用する必要がなくなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、図1〜図3に基づいて、本発明の実施形態1に係る電線配索構造の説明を行う。本実施形態に係る電線配索構造は、車両用シート装置のスライド機構に使用される電線配索構造である。ここで、図1は本実施形態に係る電線配索構造を表す全体模式平面図(A図)及び電線部分の拡大模式図(B図)であり、図2は電線が曲げられる様子を表す模式図である。また、図3はケーブルベアを表す模式平面図である。
【0011】
車両用シート装置のスライド機構は、図1(A)に示すように、固定ベース2と、その固定ベース2の真上位置で車両前後方向(矢印方向)に往復動作が可能なスライドベース(図示省略)とを備えている。前記スライドベースには、車両用シート装置を動作させる際に使用されるモータやリミットスイッチ等の複数の電気機器12が取付けられている。また、固定ベース2には、各々の電気機器12の電線が接続されるコネクタ盤14が取付けられている。なお、図1(A)には、図面簡略化のため電気機器12が一台、コネクタ盤14が一面の場合を例示している。
【0012】
固定ベース2と前記スライドベースとの間には、図3に示すように、ケーブルベア20が平面略U字形の状態で掛け渡されている。ケーブルベア20は、基端部22が固定ベース2のコネクタ盤14の近傍に固定されており、先端部24が前記スライドベースの電気機器12の近傍に固定されている。そして、前記スライドベースが固定ベース2に対して前方Fに移動すると、ケーブルベア20の先端部24がそのスライドベースと共に前方Fに移動する(図3 二点鎖線参照)。ケーブルベア20は、先端部24の移動に伴って湾曲部分26よりも基端部22側の直線部分が順番に湾曲し、その湾曲部分26の先端部24側が順番に直線状に伸ばされる。これによって、ケーブルベア20の湾曲部分26が等しい曲率で前記スライドベースの移動距離の1/2だけ前方Fに移動するようになる。また、前記スライドベースが固定ベース2に対して後方Bに移動することにより、同様にケーブルベア20の湾曲部分26が同じく等しい曲率で前記スライドベースの移動距離の1/2だけ後方Bに移動するようになる。
【0013】
ケーブルベア26の内部には、固定ベース2のコネクタ盤14と前記スライドベースの電気機器12とを電気的に接続する複数本の電線32が挿通されている。複数本の電線32は、断面略円形になるように束ねられるとともに、その中心線を軸として捻られている。これによって、個々の電線32の形状は、図1(B)に示すように、略螺旋形になる。そして、上記したように、束ねられた複数の電線32(以下、電線集合体30という)の両端がそれぞれクランプ(図示省略)により、ケーブルベア20の基端部22と先端部24とに固定されている。
ここで、電線集合体30は、長さ約100mmあたり一回転するように捻るのが好ましい。
即ち、固定ベース2とスライドベース(図示省略)とが本発明の相対的に移動する2つの部材に相当し、ケーブルベア20及び電線集合体30が本発明の電線ユニットに相当する。
【0014】
このように、本実施形態に係る電線配索構造によると、電線集合体30が、図2(A)に示すように、ケーブルベア20によって曲げられる際に、個々の電線32は略螺旋形の形状のまま曲げられるようになる。このため、電線32に加わる曲げ応力が曲げ方向と捻り方向に分散され、従来のように、曲げ応力が電線32の曲がり部の内側面と外側面とに集中しなくなる。即ち、従来の配索構造では、電線の曲がり部でその電線の内側面が縮まり、外側面が延ばされるのに対し、本実施形態の配索構造では個々の電線32が螺旋形をしているため、図2(B)に示すように、電線集合体30の曲がり部分で個々の電線32は螺旋の傾斜角度θ(例えば、θ1→θ3)が変化するだけである。このため、従来のように、電線の内側面が縮まり、外側面が引っ張られるようなことはほとんどない。
したがって、電線集合体30の曲げ半径を小さくしても、個々の電線32に加わる曲げ応力がさほど増大しない。このため、電線集合体30の曲げ半径を小さくしても、特に、耐久性能の高い電線32を使用する必要がなくなる。
【0015】
また、一般的に電線を単に束ねた状態でケーブルベアに挿通させると、それらの電線が曲げられる際に束ねられた電線の変形がケーブルベアによって制限される。この場合、電線がケーブルベア内でより無理な変形をして曲がり癖がつき易いという問題がある。しかし、本実施形態によると、電線集合体30が曲げられても、個々の電線32は略螺旋形の形状のまま曲げられるため、前述のように、曲げ応力が電線32の曲がり部の内側面と外側面とに集中しなくなる。このため、電線32がケーブルベア20内で無理な変形をすることがなく、曲がり癖がつき難くなる。
【0016】
なお、本実施形態では車両用シート装置のスライド機構に使用される電線配索構造を例に説明を行ったが、例えば、工作機械やロボット等の電線配索構造に本発明を適用することも可能である。
また、ケーブルベアを使用した電線配索構造を例に説明を行ったが、ケーブルベアを使用しない電線配索構造に本発明を適用することも可能である。
【0017】
【発明の効果】
本発明によると、電線集合体の曲げ半径を小さくしても、個々の電線に加わる曲げ応力がさほど増大しないため、特に、耐久性能の高い電線を使用する必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る電線配索構造を表す全体模式平面図(A図)及び電線部分の拡大模式図(B図)である。
【図2】本発明の実施形態1に係る電線配索構造において電線が曲げられる様子を表す模式図である。
【図3】ケーブルベアを表す模式平面図である。
【図4】従来の電線配索構造を表す斜視図(A図)及び電線が曲げられる様子を表す模式図(B図)である。
【符号の説明】
2 固定ベース(相対的に移動する2つの部材の一方)
12 電気機器
14 コネクタ盤
20 ケーブルベア(電線ユニット)
30 電線集合体(電線ユニット)
32 電線
Claims (3)
- 相対的に移動する2つの部材間に複数の電線を配索するための電線配索構造であって、
前記複数の電線が断面略円形になるように束ねられるとともに、その中心線を軸として捻られ、個々の電線の形状が略螺旋形になった状態で、前記複数の電線の両端が各々の前記部材に固定されていることを特徴とする電線配索構造。 - 相対的に移動する2つの部材間に複数の電線を配索するための電線配索構造であって、
前記両部材間にケーブルベアが掛け渡され、前記複数の電線が断面略円形になるように束ねられるとともに、その中心線を軸として捻られ、個々の電線の形状が略螺旋形になった状態で、前記複数の電線が前記ケーブルベア内に挿通され、その両端が前記ケーブルベアの両端又は前記両部材に固定されていることを特徴とする電線配索構造。 - ケーブルベアと、
断面略円形になるように束ねられるとともに、その中心線を軸に全体が捻られ、個々の形状が略螺旋形になった状態で、前記ケーブルベア内に配置され、両端が前記ケーブルベアの両端に固定された複数の電線と、
を備えることを特徴とする電線ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003182924A JP2005020902A (ja) | 2003-06-26 | 2003-06-26 | 電線配索構造及び電線ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003182924A JP2005020902A (ja) | 2003-06-26 | 2003-06-26 | 電線配索構造及び電線ユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005020902A true JP2005020902A (ja) | 2005-01-20 |
Family
ID=34183172
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003182924A Pending JP2005020902A (ja) | 2003-06-26 | 2003-06-26 | 電線配索構造及び電線ユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005020902A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014068419A (ja) * | 2012-09-24 | 2014-04-17 | Sumitomo Wiring Syst Ltd | 電線ガイド |
-
2003
- 2003-06-26 JP JP2003182924A patent/JP2005020902A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014068419A (ja) * | 2012-09-24 | 2014-04-17 | Sumitomo Wiring Syst Ltd | 電線ガイド |
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