JP2016001041A - クランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】相対変位する取付部分に渡って配索される長尺部材の「ねじり」、「軸方向移動」、「屈曲」による応力集中を抑制できるクランプを提供する。【解決手段】クランプ11は、車両に固定される環状固定部13と、環状固定部13の内側に変位吸収間隙35を有して配置され、挿通された長尺部材を保持する長尺部材保持部15と、環状固定部13と長尺部材保持部15を相対変位自在に連結するバネ片17と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、ワイヤハーネス等の長尺部材を支持するクランプに関する。
三相高圧ケーブルの局所的な屈曲を抑制して三相高圧ケーブルの耐久性を向上する三相高圧ケーブルの配線構造が提案されている(特許文献1参照)。
図6に示すように、この三相高圧ケーブルの配線構造を有する車両501は、インホイールモータ503と車体505に搭載された図示しないバッテリ側との間に配索された三相高圧ケーブルのU相ケーブル507、V相ケーブル509、W相ケーブル511を一括して内包するシース513と、シース513を支持する支持部515を有するケーブル支持部材517とを備える。
図6に示すように、この三相高圧ケーブルの配線構造を有する車両501は、インホイールモータ503と車体505に搭載された図示しないバッテリ側との間に配索された三相高圧ケーブルのU相ケーブル507、V相ケーブル509、W相ケーブル511を一括して内包するシース513と、シース513を支持する支持部515を有するケーブル支持部材517とを備える。
ケーブル支持部材517は、三相高圧ケーブルのシース513を支持する例えば筒状の支持部515と、この支持部515から延出されると共に支持部515とは反対側の端部が車体505に固定される弾性部519とを含む。ケーブル支持部材517は、支持部515が車体505の前後方向、幅方向及び高さ方向の任意の方向に移動可能となるように車体505に取り付けられる。また、三相高圧ケーブルは、インホイールモータ503とバッテリ側との間に撓み部分を含むように配索される。
ところで、インホイールモータ503を搭載した車両において、図7の(a)に示す車体前輪にインバータに接続される給電ワイヤハーネス521を配索する際、足回り他部品との干渉防止のため、サスペンションアーム523等へクランプ525を用いた固定が必要となる。クランプ525によってサスペンションアーム523に固定された給電ワイヤハーネス521は、コネクタ527を介してインホイールモータ503に接続される。
しかしながら、インホイールモータ503にコネクタ接続される給電ワイヤハーネス521が、クランプ525によってサスペンションアーム523に完全固定(剛固定)されると、図7の(b)に示すように、車両操舵による電線の「ねじり」、「曲げ」によって、クランプ525及び、モータ側のコネクタ527のコネクタ端末部に応力負荷がかかる。その結果、応力集中によって給電ワイヤハーネス521に損傷が生じる可能性がある。
ワイヤハーネス等の長尺部材は、一般的に、相対変位する取付部分に渡って配索される場合、張力による引っ張り荷重が加わらないようにするため、余長を有した長さLで配索される。長尺部材は、余長を付与したままでは、振動等によって移動し、他部材と接触して擦れ等が発生する。そのため、長尺部材は、相対変位する取付部分の何れか一方(図例ではサスペンションアーム523)に固定される。この際の固定が完全固定であると、余長を含む全長Lが、相対変位の吸収に寄与しなくなる。即ち、完全固定までの間の長さL1しか相対変位を吸収できなくなり、残りの余長を含む長さL2が変位吸収には無駄となる。これに対し、取付部分と完全固定との間の長さL1を増やせば、上記した他部材との接触による擦れ等が発生する。
特許文献1の三相高圧ケーブルの配線構造には、「ケーブル支持部材517は、支持部515が車体505に固定される弾性部519の端部を基端として車体505の前後方向、幅方向及び高さ方向を含む任意の方向に移動可能となるように車体505に設置される。」(特許文献1の段落番号0012)とする旨の記載があるが、その具体的な構造については開示されていない。
また、上記したインホイール搭載車両の前輪部の給電ワイヤハーネス以外においても、車両501等の相対変位する取付部分に渡って配索されるホースやチューブ等の長尺部材に対しては、耐久性を向上させるため、「ねじり」、「軸方向移動」、「屈曲」による応力集中を抑制したい場合がある。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、相対変位する取付部分に渡って配索される長尺部材の「ねじり」、「軸方向移動」、「屈曲」による応力集中を抑制できるクランプを提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 車両に固定される環状固定部と、前記環状固定部の内側に変位吸収間隙を有して配置され、挿通された長尺部材を保持する環状の長尺部材保持部と、前記環状固定部と前記長尺部材保持部を相対変位自在に連結する連結部と、を備えることを特徴とするクランプ。
(1) 車両に固定される環状固定部と、前記環状固定部の内側に変位吸収間隙を有して配置され、挿通された長尺部材を保持する環状の長尺部材保持部と、前記環状固定部と前記長尺部材保持部を相対変位自在に連結する連結部と、を備えることを特徴とするクランプ。
上記(1)の構成のクランプによれば、長尺部材が挿通される長尺部材保持部が、環状固定部との間に、変位吸収間隙を有して配置される。長尺部材保持部は、この変位吸収間隙に配置された連結部によって、環状固定部に支持される。連結部は、可撓性(好ましくは弾性)を有することで、環状固定部に対して長尺部材保持部を相対変位自在に支持することができる。この相対変位は、例えば車両の前後方向、幅方向及び高さ方向の長尺部材の移動によって生じる。連結部は、これらの長尺部材の移動に伴う相対変位を吸収することができる。
すなわち、クランプは、長尺部材保持部が保持する長尺部材にねじりが生じると、連結部が追従することによって長尺部材にかかるねじり応力を抑制する。また。クランプは、長尺部材に軸方向移動が生じると、連結部が追従することによって、長尺部材にかかる振動応力を抑制する。また、クランプは、長尺部材の屈曲時には、連結部が伸縮することによって長尺部材へかかる応力を抑制する。
すなわち、クランプは、長尺部材保持部が保持する長尺部材にねじりが生じると、連結部が追従することによって長尺部材にかかるねじり応力を抑制する。また。クランプは、長尺部材に軸方向移動が生じると、連結部が追従することによって、長尺部材にかかる振動応力を抑制する。また、クランプは、長尺部材の屈曲時には、連結部が伸縮することによって長尺部材へかかる応力を抑制する。
(2) 上記(1)の構成のクランプであって、前記連結部が、弾性を有するバネ片によって形成され、前記バネ片の伸縮によって前記長尺部材保持部が周方向に変位可能とされることを特徴とするクランプ。
上記(2)の構成のクランプによれば、連結部が、弾性を有するバネ片からなることで、変位した長尺部材保持部を弾性復元力によって元に戻すことができる。また、振動等が作用したときの減衰効果を得ることができる。
(3) 上記(2)の構成のクランプであって、前記バネ片が、前記変位吸収間隙内で伸縮することを特徴とするクランプ。
上記(3)の構成のクランプによれば、限られた変位吸収間隙のスペースで、長尺部材の変位の吸収が可能となる。これにより、長尺部材保持部の移動時におけるバネ片と他部材との干渉を防止して、設置密度を高めることができる。
(4) 上記(2)または(3)の構成のクランプであって、前記環状固定部及び前記長尺部材保持部が、円環状に形成され、前記バネ片が、周方向に複数設けられ、且つ周方向に沿う周方向延在部と、前記周方向延在部の延在方向両端に接続され、周方向に交差する方向で前記環状固定部または前記長尺部材保持部に接続される屈曲部とを有することを特徴とするクランプ。
上記(4)の構成のクランプによれば、環状固定部及び長尺部材保持部が、円環状に形成される。円環状とは、円環(リング)のような形であるが、軸線方向に厚みを有する円筒に近い形も含む。バネ片の周方向延在部は、変位吸収間隙において、周方向に沿って(円弧状に湾曲して)形成される。そして、この周方向延在部の延在方向両端は、周方向に交差する方向で曲がる屈曲部によって環状固定部または長尺部材保持部に接続される。屈曲部は、延在方向両端から直角に曲げられても、湾曲して曲げられて形成されてもよい。何れの場合も、延在方向両端の屈曲部は、それぞれ逆方向に曲げられる。従って、屈曲部が直角に曲げられたバネ片は、クランク形状となる。また、屈曲部が湾曲して曲げられたバネ片は、S字形状となる。
このようなバネ片の形状により、長尺部材保持部は長尺部材のねじり、軸方向移動、曲げにスムースに追従することができる。
このようなバネ片の形状により、長尺部材保持部は長尺部材のねじり、軸方向移動、曲げにスムースに追従することができる。
本発明に係るクランプによれば、相対変位する取付部分に渡って配索される長尺部材の「ねじり」、「軸方向移動」、「屈曲」による応力集中を抑制できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態に係るクランプ11は、車両に固定される環状固定部13と、環状固定部13の内側に変位吸収間隙35を有して配置された長尺部材保持部15と、環状固定部13と長尺部材保持部15を相対変位自在に連結する連結部であるバネ片17と、を有する。本実施形態において、クランプ11は、合成樹脂材により一体成形されてなる。クランプ11は、長尺部材である例えば三相高圧ケーブル19を車両に固定する際に用いられる。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態に係るクランプ11は、車両に固定される環状固定部13と、環状固定部13の内側に変位吸収間隙35を有して配置された長尺部材保持部15と、環状固定部13と長尺部材保持部15を相対変位自在に連結する連結部であるバネ片17と、を有する。本実施形態において、クランプ11は、合成樹脂材により一体成形されてなる。クランプ11は、長尺部材である例えば三相高圧ケーブル19を車両に固定する際に用いられる。
三相高圧ケーブル19は、一端がインホイールモータに接続されると共に他端が車体に搭載されたバッテリ側に接続されてインホイールモータへの給電に用いられる長尺部材であり、U相ケーブル、V相ケーブル及びW相ケーブルと、これら各相のケーブルを一括して内包するシース23とを有する。なお、図3〜図5において上記の各U相ケーブル、V相ケーブル及びW相ケーブルは省略している。
本実施形態に係るクランプ11の環状固定部13は、例えば、取付部分としての車両のサスペンションアーム21に固定されている。環状固定部13の外側には、クリップ25が突設される。クリップ25は、環状固定部13から突出する脚柱部27と、脚柱部27の基端側外周に張り出した押圧板部29と、脚柱部27の先端から押圧板部29に向かって拡開した一対の係止片部31と、からなる固定部である。クリップ25は、例えばサスペンションアーム21に穿設された固定穴33に係止片部31が挿入される。固定穴33に挿入された係止片部31は、縮径方向に弾性変形した後、固定穴33の裏側で弾性力によって拡開する。これにより、クリップ25は、固定穴33の周縁を表裏から係止片部31と押圧板部29とで挟んで、環状固定部13をサスペンションアーム21に固定する。
本実施形態に係るクランプ11は、図示しないインホイールモータから引き出された三相高圧ケーブル19をサスペンションアーム21に沿って固定するための最初の固定部分(インホイールモータの直近部分)に用いられることが好ましい。このようにインホイールモータから引き出されてサスペンションアーム21に最初に固定された部分の三相高圧ケーブル19には、車両操舵による「ねじり」、「軸方向移動」、「曲げ」などの応力負荷がかかり易くなっている。
なお、環状固定部13に設けられる固定部は、環状固定部13に一体成形された本実施形態のクリップ25に限らず、別体に形成されたクリップ等の固定部を環状固定部13に設けるなど種々の形態を採り得ることは云うまでもない。例えば、車体パネルに穿設された固定穴の内側に、環状固定部13が直接固定されるものであってもよい。
なお、環状固定部13に設けられる固定部は、環状固定部13に一体成形された本実施形態のクリップ25に限らず、別体に形成されたクリップ等の固定部を環状固定部13に設けるなど種々の形態を採り得ることは云うまでもない。例えば、車体パネルに穿設された固定穴の内側に、環状固定部13が直接固定されるものであってもよい。
本実施形態に係るクランプ11の長尺部材保持部15は、環状固定部13の内側に変位吸収間隙35を有して配置され、挿通された三相高圧ケーブル19を保持する。三相高圧ケーブル19に対する保持は、挿通による摩擦固定とすることができる。本実施形態において、環状固定部13及び長尺部材保持部15は、円環状に形成される。円環状に形成された環状固定部13及び長尺部材保持部15は、同心円状に配置されることで、変位吸収間隙35の間隔が、円周方向の任意の位置で等しくなっている。
本実施形態に係るクランプ11の連結部は、弾性を有するバネ片17によって形成され、バネ片17の伸縮によって長尺部材保持部15を周方向に変位可能とされている。本実施形態において、バネ片17は、変位吸収間隙35内で伸縮する。
本実施形態のバネ片17は、周方向に複数設けられる。本実施形態では、4つのバネ片17が、円周方向に等間隔で配置される。バネ片17は、2つ以上であれば、形成可能な範囲でいくつでもよい。
本実施形態のバネ片17は、図2に示すように、周方向延在部37と、周方向延在部37の延在方向両端に接続される屈曲部39と、によって形成される。周方向延在部37は、環状固定部13及び長尺部材保持部15の周方向に沿う例えば円弧状に形成される。屈曲部39は、周方向延在部37の延在方向両端に接続され、周方向に交差する方向で環状固定部13または長尺部材保持部15に接続される。屈曲部39は、例えば湾曲して形成される。
本実施形態のバネ片17は、図2に示すように、周方向延在部37と、周方向延在部37の延在方向両端に接続される屈曲部39と、によって形成される。周方向延在部37は、環状固定部13及び長尺部材保持部15の周方向に沿う例えば円弧状に形成される。屈曲部39は、周方向延在部37の延在方向両端に接続され、周方向に交差する方向で環状固定部13または長尺部材保持部15に接続される。屈曲部39は、例えば湾曲して形成される。
次に、上記の構成を有するクランプ11の作用を説明する。
本実施形態に係るクランプ11では、環状固定部13が、クリップ25により車両のサスペンションアーム21に固定される。環状固定部13の内側に配置された長尺部材保持部15には、三相高圧ケーブル19が保持されている。三相高圧ケーブル19は、長尺部材保持部15に挿通されることによって固定される。この固定は、三相高圧ケーブル19の外径よりも長尺部材保持部15の内径を若干小さく設定することによる摩擦による固定である。この場合、所定以上の引張力が三相高圧ケーブル19に作用すると、三相高圧ケーブル19は、長尺部材保持部15に対して軸方向移動が可能となる。
本実施形態に係るクランプ11では、環状固定部13が、クリップ25により車両のサスペンションアーム21に固定される。環状固定部13の内側に配置された長尺部材保持部15には、三相高圧ケーブル19が保持されている。三相高圧ケーブル19は、長尺部材保持部15に挿通されることによって固定される。この固定は、三相高圧ケーブル19の外径よりも長尺部材保持部15の内径を若干小さく設定することによる摩擦による固定である。この場合、所定以上の引張力が三相高圧ケーブル19に作用すると、三相高圧ケーブル19は、長尺部材保持部15に対して軸方向移動が可能となる。
長尺部材保持部15は、環状固定部13との間に、変位吸収間隙35を有して離反配置されている。長尺部材保持部15は、この変位吸収間隙35に配置されたバネ片17によって、環状固定部13に支持されている。バネ片17は、可撓性(好ましくは弾性)を有することで、環状固定部13に対して長尺部材保持部15を相対変位自在に支持することができる。この相対変位は、相対変位する取付部分に渡って配索される三相高圧ケーブル19に生じるものである。
環状固定部13に対する長尺部材保持部15の相対変位は、例えば車両の前後方向、幅方向及び高さ方向の三相高圧ケーブル19の移動によって生じる。相対変位を生じさせる要素としては、三相高圧ケーブル19のねじりR(図3参照)、三相高圧ケーブル19の軸方向移動Z(図4参照)、三相高圧ケーブル19の屈曲・傾きによる移動B(図5参照)、長尺部材直交面内での平行移動XY(図3参照)等が考えられる。環状固定部13と長尺部材保持部15を連結しているバネ片17は、これらの三相高圧ケーブル19の移動にスムースに追従し、移動に伴う相対変位を効果的に吸収することができる。
すなわち、本実施形態のクランプ11は、例えば車両操舵時に、長尺部材保持部15が保持する三相高圧ケーブル19にねじりRが生じると、バネ片17が追従することによって三相高圧ケーブル19にかかるねじり応力を抑制する。また。クランプ11は、例えば車両上下動時に、三相高圧ケーブル19に軸方向移動Zが生じると、バネ片17が追従することによって、三相高圧ケーブル19のかかる振動応力を抑制する。また、クランプ11は、三相高圧ケーブル19の屈曲・傾きによる移動Bが生じると、複数のバネ片17がそれぞれ伸長及び収縮によって三相高圧ケーブル19へかかる応力を抑制する。
また、本実施形態のクランプ11では、環状固定部13と長尺部材保持部15を連結する連結部が、弾性を有するバネ片17からなることで、三相高圧ケーブル19と共に変位した長尺部材保持部15を弾性復元力によって元に戻すことができる。また、バネ片17は、長尺部材保持部15に振動等が作用したときの減衰効果を得ることができる。
また、本実施形態のクランプ11では、限られた変位吸収間隙35のスペースで、長尺部材保持部15の変位の吸収が可能となる。これにより、長尺部材保持部15の移動時におけるバネ片17と他部材との干渉を防止して、設置密度を高めることができる。
また、本実施形態のクランプ11では、環状固定部13及び長尺部材保持部15が、円環状に形成される。そこで、バネ片17の周方向延在部37は、変位吸収間隙35において、周方向に沿って(円弧状に湾曲して)形成されることになる。そして、この周方向延在部37の延在方向両端は、周方向に交差する方向で曲がる屈曲部39によって環状固定部13または長尺部材保持部15に接続される。屈曲部39は、延在方向両端から湾曲して曲げられて形成されるものであり、バネ片17はS字形状となる。
本実施形態のS字形状で形成されたバネ片17は、その形状による特性から、上記のねじりR、軸方向移動Z、屈曲・傾きによる移動B、長尺部材直交面内での平行移動XYの全ての移動にスムースに追従し、移動に伴う相対変位を効果的に吸収することが可能となる。また、屈曲部39を湾曲させたS字形状のバネ片17によれば、直角曲げに比べ、湾曲部によって応力集中を緩和できる。これにより、クランプ11の耐久性を高めることができる。
本実施形態のS字形状で形成されたバネ片17は、その形状による特性から、上記のねじりR、軸方向移動Z、屈曲・傾きによる移動B、長尺部材直交面内での平行移動XYの全ての移動にスムースに追従し、移動に伴う相対変位を効果的に吸収することが可能となる。また、屈曲部39を湾曲させたS字形状のバネ片17によれば、直角曲げに比べ、湾曲部によって応力集中を緩和できる。これにより、クランプ11の耐久性を高めることができる。
そこで、本実施形態に係るクランプ11は、インホイールモータから引き出された三相高圧ケーブル19をサスペンションアーム21に沿って固定するための最初の固定部分に用いられることで、車両操舵時に三相高圧ケーブル19に作用する「ねじり」、「軸方向移動」、「曲げ」などの応力負荷を有効に抑制することができる。
なお、上記実施形態では、長尺部材として三相高圧ケーブル19を例に説明したが、本発明に係るクランプ11が保持する長尺部材は、これに限定されるものではなく、車速センサケーブル等のセンサ用ケーブルや、ホース及びチューブ等、三相高圧ケーブル以外の種々の長尺部材に用いても上記と同様の作用、効果を奏するものである。
従って、本実施形態に係るクランプ11によれば、相対変位する取付部分であるサスペンションアーム21に渡って配索される三相高圧ケーブル19の「ねじり」、「軸方向移動」、「屈曲」による応力集中を抑制できる。
ここで、上述した本発明に係るクランプの実施形態の特徴をそれぞれ以下に簡潔に纏めて列記する。
[1] 車両に固定される環状固定部(13)と、
前記環状固定部(13)の内側に変位吸収間隙(35)を有して配置され、挿通された長尺部材(三相高圧ケーブル19)を保持する環状の長尺部材保持部(15)と、
前記環状固定部(13)と前記長尺部材保持部(15)を相対変位自在に連結する連結部(バネ片17)と、
を備えることを特徴とするクランプ(11)。
[2] 上記[1]の構成のクランプ(11)であって、
前記連結部が、弾性を有するバネ片(17)によって形成され、前記バネ片(17)の伸縮によって前記長尺部材保持部(15)が周方向に変位可能とされることを特徴とするクランプ(11)。
[3] 上記[2]の構成のクランプ(11)であって、
前記バネ片(17)が、前記変位吸収間隙(35)内で伸縮することを特徴とするクランプ(11)。
[4] 上記[2]または[3]の構成のクランプ(11)であって、
前記環状固定部(13)及び前記長尺部材保持部(15)が、円環状に形成され、
前記バネ片(17)が、周方向に複数設けられ、且つ周方向に沿う周方向延在部(37)と、前記周方向延在部(37)の延在方向両端に接続され、周方向に交差する方向で前記環状固定部(13)または前記長尺部材保持部(15)に接続される屈曲部(39)とを有することを特徴とするクランプ(11)。
[1] 車両に固定される環状固定部(13)と、
前記環状固定部(13)の内側に変位吸収間隙(35)を有して配置され、挿通された長尺部材(三相高圧ケーブル19)を保持する環状の長尺部材保持部(15)と、
前記環状固定部(13)と前記長尺部材保持部(15)を相対変位自在に連結する連結部(バネ片17)と、
を備えることを特徴とするクランプ(11)。
[2] 上記[1]の構成のクランプ(11)であって、
前記連結部が、弾性を有するバネ片(17)によって形成され、前記バネ片(17)の伸縮によって前記長尺部材保持部(15)が周方向に変位可能とされることを特徴とするクランプ(11)。
[3] 上記[2]の構成のクランプ(11)であって、
前記バネ片(17)が、前記変位吸収間隙(35)内で伸縮することを特徴とするクランプ(11)。
[4] 上記[2]または[3]の構成のクランプ(11)であって、
前記環状固定部(13)及び前記長尺部材保持部(15)が、円環状に形成され、
前記バネ片(17)が、周方向に複数設けられ、且つ周方向に沿う周方向延在部(37)と、前記周方向延在部(37)の延在方向両端に接続され、周方向に交差する方向で前記環状固定部(13)または前記長尺部材保持部(15)に接続される屈曲部(39)とを有することを特徴とするクランプ(11)。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
11…クランプ
13…環状固定部
15…長尺部材保持部
17…バネ片(連結部)
19…三相高圧ケーブル(長尺部材)
35…変位吸収間隙
37…周方向延在部
39…屈曲部
13…環状固定部
15…長尺部材保持部
17…バネ片(連結部)
19…三相高圧ケーブル(長尺部材)
35…変位吸収間隙
37…周方向延在部
39…屈曲部
Claims (4)
- 車両に固定される環状固定部と、
前記環状固定部の内側に変位吸収間隙を有して配置され、挿通された長尺部材を保持する環状の長尺部材保持部と、
前記環状固定部と前記長尺部材保持部を相対変位自在に連結する連結部と、
を備えることを特徴とするクランプ。 - 請求項1に記載のクランプであって、
前記連結部が、弾性を有するバネ片によって形成され、前記バネ片の伸縮によって前記長尺部材保持部が周方向に変位可能とされることを特徴とするクランプ。 - 請求項2に記載のクランプであって、
前記バネ片が、前記変位吸収間隙内で伸縮することを特徴とするクランプ。 - 請求項2または請求項3に記載のクランプであって、
前記環状固定部及び前記長尺部材保持部が、円環状に形成され、
前記バネ片が、周方向に複数設けられ、且つ周方向に沿う周方向延在部と、前記周方向延在部の延在方向両端に接続され、周方向に交差する方向で前記環状固定部または前記長尺部材保持部に接続される屈曲部とを有することを特徴とするクランプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014121436A JP2016001041A (ja) | 2014-06-12 | 2014-06-12 | クランプ |
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