JP2005020818A - 自動車用電源バックアップシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレーキ等の自動車の安全面で重要な装置を電気制御するバッテリを1台としても安全性を確保できるようにする。
【解決手段】通常時には、周辺装置用バッテリ20から第2電力分配器21に電力が供給されて、該第2電力分配器21によりブレーキ系装置等の周辺装置に作動用電力と制御信号用電力が分配される一方、異常検出手段26により周辺装置用バッテリ20と第2電力分配器21の電力低下が検出されると、周辺装置用バッテリ20からの電力供給が遮断され、動力用バッテリ30から第1電力分配器32に電力が供給され、該第1電力分配器32によりブレーキ系装置等の周辺装置に作動用電力と制御信号用電力が分配される。
【選択図】 図2
【解決手段】通常時には、周辺装置用バッテリ20から第2電力分配器21に電力が供給されて、該第2電力分配器21によりブレーキ系装置等の周辺装置に作動用電力と制御信号用電力が分配される一方、異常検出手段26により周辺装置用バッテリ20と第2電力分配器21の電力低下が検出されると、周辺装置用バッテリ20からの電力供給が遮断され、動力用バッテリ30から第1電力分配器32に電力が供給され、該第1電力分配器32によりブレーキ系装置等の周辺装置に作動用電力と制御信号用電力が分配される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用電源バックアップシステムに関し、詳しくは、動力用バッテリと周辺装置用バッテリとを搭載し、周辺装置用バッテリの電圧が低下した異常時に動力用バッテリでバックアップするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車のブレーキ、ステアリング、シフト等の制御は機械的になされていたが、近時、電気制御するシステム(X−by−Wire システム)が提供されている。この電気制御システムでは、安全性を確保するために、図4に示すように、2台のバッテリ2、3を搭載した回路1を設けている。
【0003】
上記回路1では、バッテリ2、3をそれぞれスイッチ4、5と故障検出器6、7を介してブレーキアクチュエータ等の機器8に接続されている。スイッチ4、5はノーマルオンで機器8には両方のバッテリ2、3から電源が供給されている。いずれか一方の故障検出器7で接続したバッテリ3の故障が検出されると、スイッチ5がオフとなるが、機器8には他方のバッテリ2から電源が供給され続けているため、安全性が確保されるようにしている。
また、通常時は一方のスイッチのみが閉じられた状態で、一方のバッテリから電力を供給し、故障検出器が該バッテリの故障を検出すると、閉じられたスイッチが開いて電源の供給をストップすると共に、他方のスイッチが閉じられて他方のバッテリから電力供給が補完されるものもある。
【0004】
【非特許文献1】
文献名:Safety Related Fault Tolerant Systems in Vehicles
著者:X−By−Wire Team
発行日:1998年11月26日
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにブレーキシステム等の周辺装置用のバッテリを2つ設ける構造であると、車両の重量が重くなり、また、コスト高になるという問題がある。特に、電気駆動される自動車(HEV,FCEV等)においては大型の動力用バッテリも搭載されているため、さらに、周辺装置用のバッテリを2台搭載すると車両重量が非常に大きくなる。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、周辺装置用バッテリとして、2台のバッテリを搭載せず、1台のバッテリであっても安全性を確保できるようにすることを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、動力用バッテリと周辺装置用バッテリを自動車に搭載し、上記動力用バッテリに第1電力分配器を接続すると共に上記周辺装置用バッテリに第2電力分配器を接続し、上記第1電力分配器および第2電力分配器より周辺装置にそれぞれ電力線を配線し、
かつ、上記周辺装置用バッテリあるいは/および上記第2電力分配器の電力低下を検出する異常検出手段を設けると共に、 該異常検出手段で異常検出時に異常検出信号を第1電力分配器に送信する通信線を設け、
上記周辺装置用バッテリの正常時には、該周辺装置用バッテリから上記周辺装置に電力を供給する一方、上記周辺装置用バッテリの異常時には上記異常検出手段からの異常検出信号により上記動力用バッテリから上記周辺装置への電力供給を開始する構成としていることを特徴とする自動車用電源バックアップシステムを提供している。
【0008】
上記構成とすると、通常時は周辺装置用バッテリからブレーキ系装置、ステアリング系装置、シフト系装置、その他ランプ等の周辺装置に電力供給を行っているが、周辺装置用バッテリからの電力供給に異常が生じると、動力用バッテリから電力供給を受けて上記周辺装置への電力供給をバックアップすることができる。これにより、ブレーキ系装置、ステアリング系装置、シフト系装置等の自動車の安全面において重要な装置を電気制御するバッテリを1台としても安全性を確保することができる。また、上記バッテリを1台とすることができるため、車両の軽量化および低コスト化を図ることができる。
なお、周辺装置用バッテリとは動力用モーター以外のブレーキ系装置、ステアリング系装置、シフト系装置、その他ランプ等の周辺装置に電力を供給するバッテリをいい、また、動力用バッテリとは、通常時は自動車を走行駆動させる動力用モーターに電力を供給するバッテリを称す。
【0009】
上記異常検出手段からの異常検出信号で、上記周辺装置用バッテリから上記第2電力分配器もしくは上記電力分配器への電力供給を遮断する手段を設けていることが好ましい。
上記構成とすると、故障した周辺装置用バッテリからの不安定な電力供給をストップすることで、故障した周辺装置用バッテリからの電力供給により生じる危険性を未然に防止することができる。
【0010】
上記電力線は上記周辺装置用の駆動用電力線と制御信号用電力線からなる。
上記構成とすると、ブレーキ系装置、ステアリング系装置、シフト系装置等の周辺装置に駆動用電力線を配線して上記周辺装置を作動させると共に、上記周辺装置の制御部に制御信号用電力線を配線することにより、周辺装置を電気制御することができる。
また、上記電力線をそれぞれ1本の電線により構成して、電力線搬送により電気制御を行ってもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3は、本発明の第1実施形態を示す。
自動車用には、周辺装置用バッテリ20と、動力用バッテリ30とを搭載し、動力用バッテリ30は周辺装置用バッテリ20の電源バックアップ用としても機能させている。
【0012】
電源バックアップシステム10は、図1に示すように、動力用バッテリ30に第1電力分配器32を接続すると共に、周辺装置用バッテリ20に第2電力分配器21を接続し、第1、第2電力分配器32、21からそれぞれ周辺装置へ電力線を配線すると共に、第1電力分配器32と第2電力分配器21との間に通信線40を配線している。
【0013】
上記第1、第2電力分配器32、21から電力線を接続する周辺装置は、ブレーキ系装置、ステアリング系装置、シフト系装置の制御部及びランプ等からなる。図1に示すように、第2電力分配器21からは上記周辺装置に作動用電力線22を配線すると共に、上記周辺装置の制御部に制御信号用電力線23を配線している。図1では、ブレーキ系装置への配線のみを示し、ステアリング系装置、シフト系装置及びランプ等の他の周辺装置への配線は省略している。
【0014】
上記第2電力分配器21からブレーキ系装置への配線は、具体的には、図1に示すように、4つの駆動輪にそれぞれ1つずつ設けたブレーキアクチュエータ24と前輪及び後輪にそれぞれ1つずつ設けたブレーキ用ECU25にそれぞれ作動用電力線22を配線すると共に、ブレーキアクチュエータ24の制御部とブレーキ用ECU25の制御部にそれぞれ制御信号用電力線23を配線している。
また、ブレーキ用ECU25間及びブレーキ用ECU25とブレーキアクチュエータ24間はそれぞれ電線で接続されている。
【0015】
周辺装置用バッテリ20および第2電力分配器21には、該周辺装置用バッテリ20および第2電力分配器21の電力低下を検出する異常検出手段26を接続している。
なお、異常検出手段26は、周辺装置用バッテリ20と第2電力分配器21のいずれか一方に接続する構成としてもよい。
また、周辺装置用バッテリ20と第2電力分配器21とを接続する電線27には、遮断機28を設けている。
【0016】
自動車の走行駆動させる動力用モータ31に電力を供給する上記動力用バッテリ30にも、上記のように第1電力分配器32を接続し、該第1電力分配器32から上記周辺装置には、第2電力分配器21と同様、作動用電力線33と制御信号用電力線34を配線している。また、動力用バッテリ30と第1電力分配器32の間の電力線35には、遮断機36を設けている。
【0017】
図3のフロー図に示すように、自動車用電源バックアップシステム10を搭載した自動車の駆動開始時には、動力用バッテリ30から動力用モーター31に電力が供給されて自動車が駆動すると共に、遮断機28がオンされて周辺装置用バッテリ20から第2電力分配器21に電力が供給され、該第2電力分配器21により上記周辺装置に作動用電力と制御信号用電力が分配される。このとき、動力用バッテリ30と第1電力分配器32の間に設けた遮断機36はオフの状態となっており、動力用バッテリ30から第1電力分配器32へは電力が供給されない。
【0018】
上記のように、周辺装置用バッテリ20から周辺装置に電力を供給すると共に、周辺装置用バッテリ20と第2電力分配器21の電力を異常検出手段26により検出している。
異常検出手段26により周辺装置用バッテリ20と第2電力分配器21の電力低下が検出されない間は、周辺装置用バッテリ20からの電力供給を継続している。
一方、異常検出手段26により周辺装置用バッテリ20と第2電力分配器21の電力低下が検出されると、異常検出信号が第2電力分配器21を通して遮断機28に伝達され、該遮断機28がオフされて周辺装置用バッテリ20からの電力供給が遮断される。これと同時に第2電力分配器21から第1電力分配器32へ通信線40を通して異常検出信号が伝達され、該異常検出信号を受けた遮断機36がオンされて動力用バッテリ30から第1電力分配器32への電力供給が開始される。該電力は作動用電力及び制御信号用電力として第1電力分配器32により上記周辺装置に分配される。即ち、図2の矢印に示すように電力が供給される。
【0019】
上記構成とすると、通常時は、周辺装置用バッテリ20から作動用電力と制御信号用電力を周辺装置に供給して周辺装置を電気制御しているが、周辺装置用バッテリ20が故障等により電力を十分に供給することができなくなったときには、動力用バッテリ30の電力を周辺装置へ分配することにより、周辺装置用バッテリ20からの電力供給をバックアップすることができる。これにより、ブレーキ系装置、ステアリング系装置、シフト系装置等の自動車の安全面において重要な装置を電気制御する周辺装置用バッテリ20を1台としても安全性を確保することができる。また、周辺装置用バッテリ20を1台とすることができるため、車両の軽量化および低コスト化を図ることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、周辺装置用バッテリからブレーキ系装置、ステアリング系装置、シフト系装置及びランプ等の周辺装置への作動用電力と制御信号用電力の供給を動力用バッテリの電力によりバックアップすることができるため、周辺装置用バッテリが故障したとき等にも上記周辺装置に作動用電力と制御信号用電力を供給することができる。これにより、ブレーキ等の自動車の安全面において重要な装置に電力を供給する周辺装置用バッテリを1台としても安全性を確保でき、また、周辺装置用バッテリを1台とすることにより車両の軽量化および低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の自動車用電源バックアップシステムを示し、周辺装置用バッテリからブレーキ系装置に電力を供給している状態を示す図面である。
【図2】本発明の第1実施形態の自動車用電源バックアップシステムを示し、動力用バッテリからブレーキ系装置に電力を供給している状態を示す図面である。
【図3】本発明の第1実施形態の自動車用電源バックアップシステムのフローチャートである。
【図4】従来例を示す図面である。
【符号の説明】
10 自動車用電源バックアップシステム
20 周辺装置用バッテリ
21 第2電力分配器
22、33 作動用電力線
23、34 制御信号用電力線
24 ブレーキアクチュエータ
25 ブレーキ用ECU
26 異常検出手段
28、36 遮断機
30 動力用バッテリ
31 動力用モーター
32 第1電力分配器
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用電源バックアップシステムに関し、詳しくは、動力用バッテリと周辺装置用バッテリとを搭載し、周辺装置用バッテリの電圧が低下した異常時に動力用バッテリでバックアップするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車のブレーキ、ステアリング、シフト等の制御は機械的になされていたが、近時、電気制御するシステム(X−by−Wire システム)が提供されている。この電気制御システムでは、安全性を確保するために、図4に示すように、2台のバッテリ2、3を搭載した回路1を設けている。
【0003】
上記回路1では、バッテリ2、3をそれぞれスイッチ4、5と故障検出器6、7を介してブレーキアクチュエータ等の機器8に接続されている。スイッチ4、5はノーマルオンで機器8には両方のバッテリ2、3から電源が供給されている。いずれか一方の故障検出器7で接続したバッテリ3の故障が検出されると、スイッチ5がオフとなるが、機器8には他方のバッテリ2から電源が供給され続けているため、安全性が確保されるようにしている。
また、通常時は一方のスイッチのみが閉じられた状態で、一方のバッテリから電力を供給し、故障検出器が該バッテリの故障を検出すると、閉じられたスイッチが開いて電源の供給をストップすると共に、他方のスイッチが閉じられて他方のバッテリから電力供給が補完されるものもある。
【0004】
【非特許文献1】
文献名:Safety Related Fault Tolerant Systems in Vehicles
著者:X−By−Wire Team
発行日:1998年11月26日
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにブレーキシステム等の周辺装置用のバッテリを2つ設ける構造であると、車両の重量が重くなり、また、コスト高になるという問題がある。特に、電気駆動される自動車(HEV,FCEV等)においては大型の動力用バッテリも搭載されているため、さらに、周辺装置用のバッテリを2台搭載すると車両重量が非常に大きくなる。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、周辺装置用バッテリとして、2台のバッテリを搭載せず、1台のバッテリであっても安全性を確保できるようにすることを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、動力用バッテリと周辺装置用バッテリを自動車に搭載し、上記動力用バッテリに第1電力分配器を接続すると共に上記周辺装置用バッテリに第2電力分配器を接続し、上記第1電力分配器および第2電力分配器より周辺装置にそれぞれ電力線を配線し、
かつ、上記周辺装置用バッテリあるいは/および上記第2電力分配器の電力低下を検出する異常検出手段を設けると共に、 該異常検出手段で異常検出時に異常検出信号を第1電力分配器に送信する通信線を設け、
上記周辺装置用バッテリの正常時には、該周辺装置用バッテリから上記周辺装置に電力を供給する一方、上記周辺装置用バッテリの異常時には上記異常検出手段からの異常検出信号により上記動力用バッテリから上記周辺装置への電力供給を開始する構成としていることを特徴とする自動車用電源バックアップシステムを提供している。
【0008】
上記構成とすると、通常時は周辺装置用バッテリからブレーキ系装置、ステアリング系装置、シフト系装置、その他ランプ等の周辺装置に電力供給を行っているが、周辺装置用バッテリからの電力供給に異常が生じると、動力用バッテリから電力供給を受けて上記周辺装置への電力供給をバックアップすることができる。これにより、ブレーキ系装置、ステアリング系装置、シフト系装置等の自動車の安全面において重要な装置を電気制御するバッテリを1台としても安全性を確保することができる。また、上記バッテリを1台とすることができるため、車両の軽量化および低コスト化を図ることができる。
なお、周辺装置用バッテリとは動力用モーター以外のブレーキ系装置、ステアリング系装置、シフト系装置、その他ランプ等の周辺装置に電力を供給するバッテリをいい、また、動力用バッテリとは、通常時は自動車を走行駆動させる動力用モーターに電力を供給するバッテリを称す。
【0009】
上記異常検出手段からの異常検出信号で、上記周辺装置用バッテリから上記第2電力分配器もしくは上記電力分配器への電力供給を遮断する手段を設けていることが好ましい。
上記構成とすると、故障した周辺装置用バッテリからの不安定な電力供給をストップすることで、故障した周辺装置用バッテリからの電力供給により生じる危険性を未然に防止することができる。
【0010】
上記電力線は上記周辺装置用の駆動用電力線と制御信号用電力線からなる。
上記構成とすると、ブレーキ系装置、ステアリング系装置、シフト系装置等の周辺装置に駆動用電力線を配線して上記周辺装置を作動させると共に、上記周辺装置の制御部に制御信号用電力線を配線することにより、周辺装置を電気制御することができる。
また、上記電力線をそれぞれ1本の電線により構成して、電力線搬送により電気制御を行ってもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3は、本発明の第1実施形態を示す。
自動車用には、周辺装置用バッテリ20と、動力用バッテリ30とを搭載し、動力用バッテリ30は周辺装置用バッテリ20の電源バックアップ用としても機能させている。
【0012】
電源バックアップシステム10は、図1に示すように、動力用バッテリ30に第1電力分配器32を接続すると共に、周辺装置用バッテリ20に第2電力分配器21を接続し、第1、第2電力分配器32、21からそれぞれ周辺装置へ電力線を配線すると共に、第1電力分配器32と第2電力分配器21との間に通信線40を配線している。
【0013】
上記第1、第2電力分配器32、21から電力線を接続する周辺装置は、ブレーキ系装置、ステアリング系装置、シフト系装置の制御部及びランプ等からなる。図1に示すように、第2電力分配器21からは上記周辺装置に作動用電力線22を配線すると共に、上記周辺装置の制御部に制御信号用電力線23を配線している。図1では、ブレーキ系装置への配線のみを示し、ステアリング系装置、シフト系装置及びランプ等の他の周辺装置への配線は省略している。
【0014】
上記第2電力分配器21からブレーキ系装置への配線は、具体的には、図1に示すように、4つの駆動輪にそれぞれ1つずつ設けたブレーキアクチュエータ24と前輪及び後輪にそれぞれ1つずつ設けたブレーキ用ECU25にそれぞれ作動用電力線22を配線すると共に、ブレーキアクチュエータ24の制御部とブレーキ用ECU25の制御部にそれぞれ制御信号用電力線23を配線している。
また、ブレーキ用ECU25間及びブレーキ用ECU25とブレーキアクチュエータ24間はそれぞれ電線で接続されている。
【0015】
周辺装置用バッテリ20および第2電力分配器21には、該周辺装置用バッテリ20および第2電力分配器21の電力低下を検出する異常検出手段26を接続している。
なお、異常検出手段26は、周辺装置用バッテリ20と第2電力分配器21のいずれか一方に接続する構成としてもよい。
また、周辺装置用バッテリ20と第2電力分配器21とを接続する電線27には、遮断機28を設けている。
【0016】
自動車の走行駆動させる動力用モータ31に電力を供給する上記動力用バッテリ30にも、上記のように第1電力分配器32を接続し、該第1電力分配器32から上記周辺装置には、第2電力分配器21と同様、作動用電力線33と制御信号用電力線34を配線している。また、動力用バッテリ30と第1電力分配器32の間の電力線35には、遮断機36を設けている。
【0017】
図3のフロー図に示すように、自動車用電源バックアップシステム10を搭載した自動車の駆動開始時には、動力用バッテリ30から動力用モーター31に電力が供給されて自動車が駆動すると共に、遮断機28がオンされて周辺装置用バッテリ20から第2電力分配器21に電力が供給され、該第2電力分配器21により上記周辺装置に作動用電力と制御信号用電力が分配される。このとき、動力用バッテリ30と第1電力分配器32の間に設けた遮断機36はオフの状態となっており、動力用バッテリ30から第1電力分配器32へは電力が供給されない。
【0018】
上記のように、周辺装置用バッテリ20から周辺装置に電力を供給すると共に、周辺装置用バッテリ20と第2電力分配器21の電力を異常検出手段26により検出している。
異常検出手段26により周辺装置用バッテリ20と第2電力分配器21の電力低下が検出されない間は、周辺装置用バッテリ20からの電力供給を継続している。
一方、異常検出手段26により周辺装置用バッテリ20と第2電力分配器21の電力低下が検出されると、異常検出信号が第2電力分配器21を通して遮断機28に伝達され、該遮断機28がオフされて周辺装置用バッテリ20からの電力供給が遮断される。これと同時に第2電力分配器21から第1電力分配器32へ通信線40を通して異常検出信号が伝達され、該異常検出信号を受けた遮断機36がオンされて動力用バッテリ30から第1電力分配器32への電力供給が開始される。該電力は作動用電力及び制御信号用電力として第1電力分配器32により上記周辺装置に分配される。即ち、図2の矢印に示すように電力が供給される。
【0019】
上記構成とすると、通常時は、周辺装置用バッテリ20から作動用電力と制御信号用電力を周辺装置に供給して周辺装置を電気制御しているが、周辺装置用バッテリ20が故障等により電力を十分に供給することができなくなったときには、動力用バッテリ30の電力を周辺装置へ分配することにより、周辺装置用バッテリ20からの電力供給をバックアップすることができる。これにより、ブレーキ系装置、ステアリング系装置、シフト系装置等の自動車の安全面において重要な装置を電気制御する周辺装置用バッテリ20を1台としても安全性を確保することができる。また、周辺装置用バッテリ20を1台とすることができるため、車両の軽量化および低コスト化を図ることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、周辺装置用バッテリからブレーキ系装置、ステアリング系装置、シフト系装置及びランプ等の周辺装置への作動用電力と制御信号用電力の供給を動力用バッテリの電力によりバックアップすることができるため、周辺装置用バッテリが故障したとき等にも上記周辺装置に作動用電力と制御信号用電力を供給することができる。これにより、ブレーキ等の自動車の安全面において重要な装置に電力を供給する周辺装置用バッテリを1台としても安全性を確保でき、また、周辺装置用バッテリを1台とすることにより車両の軽量化および低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の自動車用電源バックアップシステムを示し、周辺装置用バッテリからブレーキ系装置に電力を供給している状態を示す図面である。
【図2】本発明の第1実施形態の自動車用電源バックアップシステムを示し、動力用バッテリからブレーキ系装置に電力を供給している状態を示す図面である。
【図3】本発明の第1実施形態の自動車用電源バックアップシステムのフローチャートである。
【図4】従来例を示す図面である。
【符号の説明】
10 自動車用電源バックアップシステム
20 周辺装置用バッテリ
21 第2電力分配器
22、33 作動用電力線
23、34 制御信号用電力線
24 ブレーキアクチュエータ
25 ブレーキ用ECU
26 異常検出手段
28、36 遮断機
30 動力用バッテリ
31 動力用モーター
32 第1電力分配器
Claims (3)
- 動力用バッテリと周辺装置用バッテリを自動車に搭載し、上記動力用バッテリに第1電力分配器を接続すると共に上記周辺装置用バッテリに第2電力分配器を接続し、上記第1電力分配器および第2電力分配器より周辺装置にそれぞれ電力線を配線し、
かつ、上記周辺装置用バッテリあるいは/および上記第2電力分配器の電力低下を検出する異常検出手段を設けると共に、 該異常検出手段で異常検出時に異常検出信号を第1電力分配器に送信する通信線を設け、
上記周辺装置用バッテリの正常時には、該周辺装置用バッテリから上記周辺装置に電力を供給する一方、上記周辺装置用バッテリの異常時には上記異常検出手段からの異常検出信号により上記動力用バッテリから上記周辺装置への電力供給を開始する構成としていることを特徴とする自動車用電源バックアップシステム。 - 上記異常検出手段からの異常検出信号で、上記周辺装置用バッテリから上記第2電力分配器への電力供給を遮断する手段を設けている請求項1に記載の自動車用電源バックアップシステム。
- 上記周辺装置はブレーキ系装置、ステアリング系装置、シフト系装置のうち少なくとも1つを含む請求項1または請求項2に記載の自動車用電源バックアップシステム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003178645A JP2005020818A (ja) | 2003-06-23 | 2003-06-23 | 自動車用電源バックアップシステム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003178645A JP2005020818A (ja) | 2003-06-23 | 2003-06-23 | 自動車用電源バックアップシステム |
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JP2005020818A true JP2005020818A (ja) | 2005-01-20 |
Family
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JP2003178645A Withdrawn JP2005020818A (ja) | 2003-06-23 | 2003-06-23 | 自動車用電源バックアップシステム |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005020818A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009542185A (ja) * | 2006-06-26 | 2009-11-26 | ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン | 全車輪が各々少なくとも1つの回転電気機械に連結されている車両の制動システムの制御信号段のための冗長度ハードウェア設計思想 |
CN105313952A (zh) * | 2014-07-31 | 2016-02-10 | 株式会社电装 | 电力转向系统以及包括电力转向系统的车辆控制系统 |
JP2021027691A (ja) * | 2019-08-05 | 2021-02-22 | トヨタ自動車株式会社 | 電力分配装置 |
-
2003
- 2003-06-23 JP JP2003178645A patent/JP2005020818A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
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