JP2005019611A - 電磁装置及び高電圧発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型で良好な出力特性を有する電磁装置及び高電圧発生装置を提供する。
【解決手段】電磁装置であるパルストランスPTは、棒状の磁気コア1と、磁気コア1の周面上に軸方向に沿って巻回された2次巻線3と、2次巻線3上に巻回された1次巻線2とを備える。そして、磁気コア1の軸方向における端部の一方に、磁気コア1の周面よりも外側へ突出する磁性材料片4が設けてある。磁性材料片4により漏れ磁束を減らして2次巻線3のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができる。故に、2次巻線3に発生するパルス電圧の波高値の低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて小型で良好な出力特性を有する電磁装置(パルストランスPT)が提供できる。
【選択図】 図1
【解決手段】電磁装置であるパルストランスPTは、棒状の磁気コア1と、磁気コア1の周面上に軸方向に沿って巻回された2次巻線3と、2次巻線3上に巻回された1次巻線2とを備える。そして、磁気コア1の軸方向における端部の一方に、磁気コア1の周面よりも外側へ突出する磁性材料片4が設けてある。磁性材料片4により漏れ磁束を減らして2次巻線3のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができる。故に、2次巻線3に発生するパルス電圧の波高値の低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて小型で良好な出力特性を有する電磁装置(パルストランスPT)が提供できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気コアに1次巻線及び2次巻線を巻回してなる電磁装置及び、この電磁装置を用いて高電圧を発生する高電圧発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年自動車用の前照灯(ヘッドライト)において、安全性及びエコロジーを重視する観点から従来のハロゲンランプよりも高輝度、低消費電力、長寿命であるHIDランプのような高圧放電ランプが使用されるようになっている。HIDランプ(高輝度放電灯)を始動、点灯させるためにはイグナイタと呼ばれる高電圧を発生する始動装置(高電圧発生装置)が必要であり、高電圧発生装置には低電圧の入力をパルス状の高電圧出力に変換するパルストランスのような電磁装置が用いられている。
【0003】
図14及び図15は、自動車用ヘッドライト向けのソケット内蔵型イグナイタ20の外観図及び回路図を示している(特許文献1参照)。イグナイタ20の基本的な回路構成は、入力端子T1〜T3と、出力端子T4,T5と、入力端子T1(高電圧側)−入力端子T2(低電圧側)間に接続したコンデンサC1と、コンデンサC1に並列接続した放電ギャップGAP(スイッチ要素)とパルストランスPTの1次巻線2aとの直列回路と、入力端子T1−出力端子T4(高電圧側)間に接続したパルストランスPTの2次巻線2bと、1次巻線2a、2次巻線2bが巻回された磁気コア1とから構成され、入力端子T3(低電圧側)−出力端子T5(低電圧側)間は短絡されている。高圧放電ランプLaは出力端子T4−T5間に接続されており、点灯装置50は入力端子T1,T2,T3に接続されている。
【0004】
そして、高圧放電ランプLaが点灯していない状態で点灯装置50から入力端子T1,T2を介して電圧が供給されるとコンデンサC1が充電され、コンデンサC1の両端電圧が上昇して所定値に達したときに放電ギャップGAPがオンすることでパルストランスPTの1次巻線2aに放電ギャップGAPを介してコンデンサC1の充電電荷が放電され、パルストランスPTの2次巻線2bにパルス状の高電圧が発生する。この高電圧パルスが出力端子T4,T5を介して高圧放電ランプLaの両端に印加されて高圧放電ランプLaを絶縁破壊に至らしめて始動するものである。
【0005】
また、イグナイタ20は、図14に示すように高圧放電ランプLaが着脱自在に装着されるソケットと一体に構成されており、内部にイグナイタ20を配置した合成樹脂製のソケット本体23を備えて、ソケット本体23の前面には略円形のソケット開口部24と、ソケット開口部24の内側略中央に突出した略円筒形の筒部25とが形成されており、この筒部25の内側にランプ口金の中央電極部(図示せず)と接触導通するランプ口金電極端子T4(図15参照)が収納されている。さらに、ランプ口金の外周面に設けられた外側電極部(図示せず)と接触導通する複数の外側電極T5(図15参照)がソケット開口部24の内側に取り付けられており、ランプ口金をソケット開口部24に挿入すると、イグナイタ20と高圧放電ランプLaとが電気的且つ機械的に接続される。また、ソケット本体23はノイズ抑制のために金属製のシールドカバー26で覆われるている。
【0006】
ところで、電磁装置であるパルストランスPTとして、図16〜図18に示す構造のものが提供されている(特許文献2参照)。このパルストランスPTは、棒状の磁気コア10に抵抗率(固有抵抗)が大きいNi−Znフェライト材を用い、平角形の導体140が絶縁皮膜141で覆われてなる平角導線14(図17参照)を、磁気コア1の周面に直接一層にエッジワイズ巻(厚みの薄い箔状の平角導線をその幅広の面が対向するように巻回する巻き方)して2次巻線2bを形成したものであり、平角導線のエッジワイズ巻による巻線占積率の向上に加えて、磁気コア1と2次巻線2bとの間にコイルボビン等の絶縁物が不要となって、より小型、薄型が可能となっている。さらに、断面円形の導体130が高耐圧被覆131で覆われてなる1次巻線2aを、2次巻線2b上の低圧側に寄せて巻回しており、1次巻線2aと2次巻線2bとの間の絶縁を確保している。また、上述のように構成されたパルストランスPTは、不飽和ポリエステル樹脂、液晶ポリマー樹脂、ポリスチレン、ポリアミドなどの合成樹脂材料で樹脂モールドされて各部品間の絶縁確保と固定が図られている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−93234号公報(第5−7頁、第1図)
【特許文献2】
特開2002−93635号公報(第3−4頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動車用の前照灯としてHIDランプのような高圧放電ランプが急速に普及するに至り、イグナイタをソケットに内蔵する際の寸法的な制約から、さらに小型・薄型の電磁装置が要望されている。また、自動車の前照灯という用途においては高圧放電ランプを瞬時に再始動する必要があるため、イグナイタ(高電圧発生装置)には始動・再始動の際に数十kVまで達するパルス電圧を発生することが必要とされている。
【0009】
そこで、従来の電磁装置(パルストランスPT)を、昇圧比一定のままで巻回数を変えることなく小型化しようとした場合、磁気コア1の断面積を小さくすると有効磁心断面積が減少して飽和磁束が小さくなり、パルス電圧の波高値が低下してしまう。また、巻線の断面積を小さくすると直流抵抗値が大きくなって高圧放電ランプの点灯時における損失が増加してしまうことになる。
【0010】
一方、昇圧比一定のままで巻回数を減らすと、棒状の磁気コア1による開磁路構造によって巻線の自己インダクタンスと結合係数が小さくなるため、図19の実線ロで示すように理想的なパルス電圧(同図に示す点線イ)に比べて波高値Vp及び周期が小さいパルス電圧が発生してしまう。また、1次巻線2aを疎巻にするなどして結合係数を大きくした場合も、図20の実線ハで示すように理想的なパルス電圧(同図に示す点線イ)に対して波高値Vpは同程度あるが、自己インダクタンスが減少することで立ち上がりの傾きが急峻となるパルス電圧が発生してしまう。一般に、始動時に印加されるパルス電圧の立ち上がりの傾きが大きいと高圧放電ランプLaの始動電圧(絶縁破壊を起こさせるに足る電圧)も大きくなるといわれており、パルストランスPTを小型化する際はパルス電圧の波高値を大きくすると同時に立ち上がりの傾きを小さくする必要がある。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、小型で良好な出力特性を有する電磁装置及び高電圧発生装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、棒状の磁気コアと、磁気コアの周面上に軸方向に沿って巻回された2次巻線と、2次巻線上に巻回された1次巻線とを備える電磁装置において、磁気コアの軸方向における端部の少なくとも一方に、磁気コアの周面よりも外側へ突出する磁性材料片が設けられたことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、磁性材料片により漏れ磁束を減らして2次巻線のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができるから、2次巻線に発生するパルス電圧の波高値の低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて小型で良好な出力特性を有する電磁装置が提供できる。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、磁性材料片は、磁気コアの端部における周面に突設されたことを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、磁気コアの軸方向にそった寸法が磁性材料片によって大型化することがなく、より小型の電磁装置が提供できる。
【0016】
請求項3の発明は、上記目的を達成するために、請求項1又は2記載の電磁装置からなるパルストランスと、パルストランスの1次巻線に並列接続されたコンデンサと、コンデンサから1次巻線への放電経路を開閉するスイッチ要素と、少なくとも前記パルストランス、コンデンサ、スイッチ要素を収容する装置本体と、導電体からなり装置本体を覆うシールドカバーとを備え、この装置本体に放電ランプのランプ口金が電気的且つ機械的に接続されるソケット部を設け、このソケット部を介してパルストランスの2次巻線に発生する高電圧パルスをランプ口金に印加するとともに、磁性材料片がシールドカバーから離れる方向へ突出するようにパルストランスを装置本体内に収納することを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、磁性材料片により漏れ磁束を減らして2次巻線のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができるから、2次巻線に発生するパルス電圧の波高値の低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて良好な出力特性を有するとともに、パルストランスで発生する磁束のうちでシールドカバーに鎖交する磁束を減らすことにより渦電流損による性能低下を防止した小型の高電圧発生装置が提供できる。
【0018】
請求項4の発明は、上記目的を達成するために、請求項1又は2記載の電磁装置からなるパルストランスと、パルストランスの1次巻線に並列接続されたコンデンサと、コンデンサから1次巻線への放電経路を開閉するスイッチ要素と、磁気コアの軸方向に沿って1次巻線及び2次巻線に対向する磁気ヨーク片と、少なくとも前記パルストランス、コンデンサ、スイッチ要素を収容する装置本体と、導電体からなり装置本体を覆うシールドカバーとを備え、この装置本体に放電ランプのランプ口金が電気的且つ機械的に接続されるソケット部を設け、このソケット部を介してパルストランスの2次巻線に発生する高電圧パルスをランプ口金に印加するとともに、磁性材料片が磁気ヨーク片に近付く方向へ突出するようにパルストランスを装置本体内に収納することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、磁性材料片並びに磁気ヨーク片により漏れ磁束を減らして2次巻線のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができるから、2次巻線に発生するパルス電圧の波高値の低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて良好な出力特性を有する小型の高電圧発生装置が提供できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本実施形態の電磁装置(パルストランスPT)は、図1に示すように断面形状が円形の棒状に形成された磁気コア1と、平角導線を磁気コア1に略当接して一層にエッジワイズ巻で巻回した2次巻線3と、高耐圧被覆を有して2次巻線3の上に巻回された1次巻線2と、フェライトなどの磁性材料により直方体状に形成された磁性材料片4とを備えている。1次巻線2は、2次巻線3上の低圧側に寄せて巻回されており、1次巻線2と2次巻線3との間の絶縁を確保して、従来例と同様の絶縁性能を有している。そして、磁気コア1として高抵抗のフェライトコアを用いることにより、2次巻線3との間に絶縁物を介せずに直接組み込むことができる。
【0021】
また、磁気コア1の軸方向における一端側(2次巻線3の高圧側)の側端面には、その中心を磁気コア1の中心軸に対して偏心させることにより磁気コア1の周面よりも外側へ突出するようにして磁性材料片4が固着されている。なお、磁気コア1に対する磁性材料片4の固着は接着などの適当な方法で行えばよい。
【0022】
而して、図2に示すように磁性材料片4を有しない従来のパルストランスPT’と、本実施形態のパルストランスPTとで1次巻線2に電流を流したときに生じる磁束φの経路(磁路)を比較すると、本実施形態では、図1(b)に示すように磁束φの磁路が磁性材料片4によって変化し、従来のパルストランスPT’に比べて漏れ磁束が減少している。このため、本実施形態のパルストランスPTは従来のパルストランスPT’に比べて2次巻線3のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができるから、図3の実線ニに示すように理想的なパルス電圧(同図に示す点線イ)と同程度の波高値Vpを有するとともに立ち上がりの傾きもほぼ同程度であるパルス電圧を発生させることができる。
【0023】
上述のように本実施形態のパルストランスPTは、磁性材料片4により漏れ磁束を減らして2次巻線3のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができるから、2次巻線3に発生するパルス電圧の波高値Vpの低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて良好な出力特性が得られるとともに小型化も可能となる。なお、本実施形態では磁性材料片4を直方体状に形成しているが、これに限定する趣旨ではなく、どのような形状であっても同様の効果を奏することはいうまでもない。
【0024】
(実施形態2)
本実施形態のパルストランスPTは、図4に示すように磁気コア1並びに磁性材料片4の形状が異なる点以外は実施形態1と共通の構成を有するものである。よって、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0025】
磁気コア1は従来例と同様に断面形状が略長円形の棒状に形成されている。また磁性材料片4は、磁気コア1の周面に嵌合する曲面形状の溝部4aが一端部に形成されており、この溝部4aを周面に嵌合するようにして磁気コア1に固着されている。
【0026】
すなわち、実施形態1では磁性材料片4が磁気コア1の軸方向における一端側の端面に固着されていることから磁性材料片4の厚み分だけパルストランスPTの長さ寸法が大きくなっていた。これに対して本実施形態では、磁気コア1の軸方向には磁性材料片4が突出しないことから、実施形態1に比較して小型のパルストランスPTが実現できる。また、磁気コア1の断面形状を長円形とすることにより、断面形状が円形の場合に比較して断面積が同じであればより薄型化が可能である。
【0027】
(実施形態3)
本実施形態のパルストランスPTは、図5に示すよう磁気コア1と磁性材料片4を一体に形成した点以外は実施形態2と共通の構成を有するものである。よって、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0028】
本実施形態における磁気コア1は、フェライト粉末を圧縮成形した後に焼結することによって、断面形状が長円形の棒状であって軸方向の一端部における周面から矩形の磁性材料片4が外側に突出する形状に形成されている。ここで、磁性材料片4がその中心を磁気コア1の中心軸に一致させて軸対象に形成される場合を考えると、焼結過程において磁気コア1を立てて焼結しない限りは磁気コア1の軸部分に負荷がかかって反りが発生する虞がある。これに対して本実施形態では、磁性材料片4を磁気コア1の中心軸に対して偏心させているから、焼結時においても軸部分に負荷をかけることなく磁気コア1を寝かせて焼結することができ、製造コストを抑えながら反りを小さくして形状の精度を向上した磁気コア1が得られる。
【0029】
上述のように本実施形態では、磁性材料片4を磁気コア1と一体に形成しているから、樹脂モールド時の成形圧力に対する磁性材料片4の位置ずれ等の発生を抑制することが可能となり、磁性材料片4の位置ずれによる性能のばらつきが少ないパルストランスPTが提供できる。
【0030】
(実施形態4)
本実施形態のパルストランスPTは、図6に示すように磁性材料片4の材質が異なる点以外は実施形態2と共通の構成を有するものである。よって、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0031】
本実施形態における磁性材料片4は、珪素鋼板を積層して形成されており、一端部に形成された溝部4aを周面に嵌合するようにして磁気コア1に固着される。
【0032】
而して、珪素鋼板はフェライトに比較して数倍〜10数倍の透磁率を有しているから、磁性材料片4がフェライト製である実施形態2に比較して漏れ磁束をさらに減少させることができ、パルストランスPTの一層の小型化が可能となる。また、珪素鋼板は打ち抜き加工や切削加工により複雑な形状を高い寸法精度で形成することが可能であるから、磁性材料片4に溝部4aを設ける際も、フェライト粉末を圧縮成形した後に焼結によって製作する場合に比較して、パルストランスPTの製作コストを下げることができる。
【0033】
(実施形態5)
図7及び図8は、実施形態2のパルストランスPT(電磁装置)を用いた本実施形態の自動車用ヘッドライト向けソケット内蔵型イグナイタ(高電圧発生装置)を示している。この高電圧発生装置は、図7に示すように合成樹脂製の装置本体30と、装置本体30の前面(図7における上面)を除く背面(図7における下面)及び周面を覆うシールドカバー50とを備えている。装置本体30はパルストランスPTを含む回路部品が収容されるボディ31と、ボディ31の前面を覆うカバー32と、ボディ31の背面を閉塞する蓋体33とを組み立てて構成される。
【0034】
カバー32の前面には略円形のソケット開口部34が開口し、このソケット開口部34の周縁部分にバヨネット式の係止部35が周方向に複数設けてある。係止部35はソケット開口部34の周縁部分に一体に設けられ、中心に向いた切欠からなり、高圧放電ランプLaのランプ口金の外周面に設けられた係合部(図示せず)をソケット開口部34の前方から背方へに挿入させる縦溝35aと、この縦溝35aに連続する横溝35bとからなるL字形溝を有し、さらに係合部を係止位置で抜け止めする係止凹部35cが内面に形成されている。
【0035】
ボディ31はカバー32のソケット開口部34の内側に配置される略円筒形の筒部36と、カバー32の周面に設けられた係合孔37と凹凸係合する係合爪38とを有し、ボディ31の前面にカバー32を被せて係合爪38を係合孔37に係合することによってソケット開口部34の内側に筒部36が配置された状態でボディ31とカバー32が組み立てられる。また、ボディ31の筒部36の中心には略円筒形の中央筒部39が突設されており、この中央筒部39の内側にランプ口金の中央電極部(図示せず)と接触導通する中央電極40が収納されている。さらに、ランプ口金の外周面に設けられた外側電極部(図示せず)と接触導通する複数の外側電極41が筒部36に取り付けられており、ボディ31とカバー32を組み立てたときに筒部36の前面側に露出する外側電極41の接触部41aがソケット開口部34の内側に臨むようにしてある。すなわち、ランプ口金をソケット開口部34に挿入するとき係合部が係止部35の縦溝35aに挿入され、ランプ口金を回転すると係合部が横溝35bに進入して係止凹部35cに係止し抜け止めされ、ランプ口金の中央電極部が中央筒部39内に挿入されて中央電極40と接触導通し、同時にソケット開口部34の内側に臨む外側電極41の接触部41aがランプ口金の外側電極部に接触導通することにより、本実施形態の高電圧発生装置と高圧放電ランプLaが電気的且つ機械的に接続される。
【0036】
一方、ボディ31の前面側には抵抗R1やコンデンサC1などの回路部品が収容される第1の収容凹部42が設けられる。また、ボディ31の背面側にはパルストランスPTを収容する収容凹所43が設けてある。
【0037】
蓋体33はボディ31の周面に設けられた複数の係合突部44と各々凹凸係合する複数の係合溝45が周壁33aに設けられ、ボディ31の背面に蓋体33を被せて係合突部44を係合溝45に係合することによってボディ31に蓋体33が取り付けられてボディ31の背面が蓋体33によって閉塞される。
【0038】
シールドカバー50は導電性を有する磁性体材料によって一面が開口する箱形に形成され、カバー32の周面に突設された嵌合突起46と凹凸嵌合する嵌合孔47が周壁に設けられている。
【0039】
而して、ボディ31とカバー32と蓋体33を組み立ててなる装置本体30を背面側からシールドカバー50内に挿入し、カバー32の嵌合突起46を嵌合孔47に嵌合することでシールドカバー50が装置本体30に取り付けられる。
【0040】
ここで、装置本体30内に収容されたパルストランスPTは、磁気コア1の一端部に設けられた磁性材料片4がシールドカバー50の底壁から離れる向き、すなわち、装置本体30の前面側へ突出するようにボディ31内に配置されている。このため、図8に示すようにパルストランスPTで発生する磁束φのうちでシールドカバー50に鎖交する磁束φを減らすことができるから渦電流損による性能低下を防止しつつ装置全体の小型化が図れる。
【0041】
(実施形態6)
本実施形態の高電圧発生装置は、基本的な構成が実施形態5と共通するので、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0042】
本実施形態の高電圧発生装置は、図9に示すように磁気コア1の軸方向に沿って1次巻線2及び2次巻線3に対向する磁気ヨーク片5がシールドカバー50の底に収納され、磁性材料片4が磁気ヨーク片5に近付く方向へ突出するようにパルストランスPTが装置本体30内に収納されている点に特徴がある。
【0043】
磁気ヨーク片5は磁性材料により扁平な板状であって長手方向の寸法が磁気コア1とほぼ同じ寸法に形成され、装置本体30とシールドカバー50との間に配設されてパルストランスPTの周面に対向している。
【0044】
而して、本実施形態では、磁性材料片4並びに磁気ヨーク片5により漏れ磁束をさらに減らして2次巻線3のインダクタンス値並びに結合係数を一層大きくすることができる。そのため、2次巻線3に発生するパルス電圧の波高値の低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて良好な出力特性を有する小型の高電圧発生装置が提供できる。また、パルストランスPTで発生する磁束φのうちでシールドカバー50に鎖交する磁束φは磁気ヨーク片5によって減らすことができるから渦電流損による性能低下を防止することも可能である。
【0045】
(実施形態7)
図10は本実施形態のパルストランスPTの外観斜視図を示している。但し、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。
【0046】
このパルストランスPTでは、2次巻線3の高圧側の端末3aが接続される高圧側端子板6を備え、この高圧側端子板6に磁性材料片4が取り付けられている。高圧側端子板6は、一端部に中央電極40が一体に形成された主片6aと、2次巻線3の高圧側端末3aが接続される接続片6bと、磁性材料片4が取り付けられる取付片6cとが金属製の板材を加工して一体に形成されている。磁性材料片4は、例えば既製のフェライトビーズからなり、図11に示すように一端面より突出する一対のリード4bを取付片6cに貫設された挿通孔6dに挿通した後に折り曲げることで取付片6cに取り付けられる。
【0047】
一方、磁気コア1の一端面にはV字形の溝部1aが形成されており、この溝部1aに側端を嵌合することで取付片6cが磁気コア1に固定されている。このようにして磁気コア1の軸方向における一端側に配設されたフェライトビーズからなる磁性材料片4により漏れ磁束を減らして2次巻線3のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができ、実施形態1と同様に2次巻線3に発生するパルス電圧の波高値Vpの低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて良好な出力特性が得られるとともに小型化も可能となる。また、パルストランスPTを樹脂モールドする際に成形圧力による磁性材料片4の位置ずれの発生を抑えることが可能であり、磁気コア1に対する磁性材料片4の位置ずれによる性能ばらつきを抑制することができる。さらに、一般に市販されているフェライトビーズを磁性材料片4とすることで安価に製造することができるという利点もある。
【0048】
(実施形態8)
図12は本実施形態のパルストランスPTの外観斜視図を示している。但し、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。
【0049】
このパルストランスPTでは、高固有抵抗を有する磁性粉が含浸された絶縁性を有する合成樹脂材料を、2次巻線3の高圧側の端部上に全周に亘ってモールドすることで筒状の磁性材料片4が形成されている。そして、この磁性材料片4によって2次巻線3のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができ、実施形態1と同様に2次巻線3に発生するパルス電圧の波高値Vpの低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて良好な出力特性が得られるとともに小型化も可能となり、しかも、容易に製造することができる。なお、本実施形態では磁性材料片4を全周に亘って形成しているが、周方向の一部に設けても同様の効果を奏する。
【0050】
(実施形態9)
本実施形態の高電圧発生装置は、基本的な構成が実施形態5と共通するので、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0051】
本実施形態の高電圧発生装置はパルストランスPTの磁気コア1の形状に特徴を有している。図13に示すように磁気コア1は軸方向における2次巻線3の高圧側の端部が低圧側の端部よりも外側へ突出させてあり、さらに装置本体30(ボディ31)の周面に対向する角部が周面に沿う形で軸方向に対して斜めにカットされた形状に形成されている。
【0052】
而して、1次巻線2に電流を流したときに生じる磁束φが2次巻線3の高圧側の端部において磁気コア1により装置本体30の中心側に曲げられるため、従来の棒状の磁気コアに比較して漏れ磁束を減少させてパルストランスPTの性能を向上することができる。また、磁気コア1を装置本体30の形状に合わせてカットした形状としているから、装置本体30のデッドスペースを有効に活用することができ、しかも、磁束φをシールドカバー50から遠ざける方向へ曲げることで渦電流損による出力の低下も防止できる。
【0053】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、磁性材料片により漏れ磁束を減らして2次巻線のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができるから、2次巻線に発生するパルス電圧の波高値の低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて小型で良好な出力特性を有する電磁装置が提供できる。
【0054】
請求項2の発明によれば、磁気コアの軸方向にそった寸法が磁性材料片によって大型化することがなく、より小型の電磁装置が提供できる。
【0055】
請求項3の発明によれば、磁性材料片により漏れ磁束を減らして2次巻線のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができるから、2次巻線に発生するパルス電圧の波高値の低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて良好な出力特性を有するとともに、パルストランスで発生する磁束のうちでシールドカバーに鎖交する磁束を減らすことにより渦電流損による性能低下を防止した小型の高電圧発生装置が提供できる。
【0056】
請求項4の発明によれば、磁性材料片並びに磁気ヨーク片により漏れ磁束を減らして2次巻線のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができるから、2次巻線に発生するパルス電圧の波高値の低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて良好な出力特性を有する小型の高電圧発生装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の電磁装置を示し、(a)は正面図、(b)は側面断面図である。
【図2】従来の電磁装置を示す側面断面図である。
【図3】同上の出力電圧の波形図である。
【図4】実施形態2の電磁装置を示し、(a)は正面図、(b)は側面断面図である。
【図5】実施形態3の電磁装置を示し、(a)は正面図、(b)は側面断面図である。
【図6】実施形態4の電磁装置を示し、(a)は正面図、(b)は側面断面図である。
【図7】実施形態5の高電圧発生装置を示す分解斜視図である。
【図8】同上の一部省略した断面図である。
【図9】実施形態6の高電圧発生装置を示し一部省略した断面図である。
【図10】実施形態7の電磁装置を示す斜視図である。
【図11】同上の要部を示す斜視図である。
【図12】実施形態8の電磁装置を示す斜視図である。
【図13】実施形態9の高電圧発生装置を示す平面図である。
【図14】従来の高電圧発生装置を示す斜視図である。
【図15】同上の回路図である。
【図16】従来の電磁装置を示す側面断面図である。
【図17】同上の要部を示す断面図である。
【図18】同上の磁気コア及び2次巻線を示す斜視図である。
【図19】同上の出力電圧の波形図である。
【図20】同上の出力電圧の波形図である。
【符号の説明】
PT パルストランス(電磁装置)
1 磁気コア
2 1次巻線
3 2次巻線
4 磁性材料片
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気コアに1次巻線及び2次巻線を巻回してなる電磁装置及び、この電磁装置を用いて高電圧を発生する高電圧発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年自動車用の前照灯(ヘッドライト)において、安全性及びエコロジーを重視する観点から従来のハロゲンランプよりも高輝度、低消費電力、長寿命であるHIDランプのような高圧放電ランプが使用されるようになっている。HIDランプ(高輝度放電灯)を始動、点灯させるためにはイグナイタと呼ばれる高電圧を発生する始動装置(高電圧発生装置)が必要であり、高電圧発生装置には低電圧の入力をパルス状の高電圧出力に変換するパルストランスのような電磁装置が用いられている。
【0003】
図14及び図15は、自動車用ヘッドライト向けのソケット内蔵型イグナイタ20の外観図及び回路図を示している(特許文献1参照)。イグナイタ20の基本的な回路構成は、入力端子T1〜T3と、出力端子T4,T5と、入力端子T1(高電圧側)−入力端子T2(低電圧側)間に接続したコンデンサC1と、コンデンサC1に並列接続した放電ギャップGAP(スイッチ要素)とパルストランスPTの1次巻線2aとの直列回路と、入力端子T1−出力端子T4(高電圧側)間に接続したパルストランスPTの2次巻線2bと、1次巻線2a、2次巻線2bが巻回された磁気コア1とから構成され、入力端子T3(低電圧側)−出力端子T5(低電圧側)間は短絡されている。高圧放電ランプLaは出力端子T4−T5間に接続されており、点灯装置50は入力端子T1,T2,T3に接続されている。
【0004】
そして、高圧放電ランプLaが点灯していない状態で点灯装置50から入力端子T1,T2を介して電圧が供給されるとコンデンサC1が充電され、コンデンサC1の両端電圧が上昇して所定値に達したときに放電ギャップGAPがオンすることでパルストランスPTの1次巻線2aに放電ギャップGAPを介してコンデンサC1の充電電荷が放電され、パルストランスPTの2次巻線2bにパルス状の高電圧が発生する。この高電圧パルスが出力端子T4,T5を介して高圧放電ランプLaの両端に印加されて高圧放電ランプLaを絶縁破壊に至らしめて始動するものである。
【0005】
また、イグナイタ20は、図14に示すように高圧放電ランプLaが着脱自在に装着されるソケットと一体に構成されており、内部にイグナイタ20を配置した合成樹脂製のソケット本体23を備えて、ソケット本体23の前面には略円形のソケット開口部24と、ソケット開口部24の内側略中央に突出した略円筒形の筒部25とが形成されており、この筒部25の内側にランプ口金の中央電極部(図示せず)と接触導通するランプ口金電極端子T4(図15参照)が収納されている。さらに、ランプ口金の外周面に設けられた外側電極部(図示せず)と接触導通する複数の外側電極T5(図15参照)がソケット開口部24の内側に取り付けられており、ランプ口金をソケット開口部24に挿入すると、イグナイタ20と高圧放電ランプLaとが電気的且つ機械的に接続される。また、ソケット本体23はノイズ抑制のために金属製のシールドカバー26で覆われるている。
【0006】
ところで、電磁装置であるパルストランスPTとして、図16〜図18に示す構造のものが提供されている(特許文献2参照)。このパルストランスPTは、棒状の磁気コア10に抵抗率(固有抵抗)が大きいNi−Znフェライト材を用い、平角形の導体140が絶縁皮膜141で覆われてなる平角導線14(図17参照)を、磁気コア1の周面に直接一層にエッジワイズ巻(厚みの薄い箔状の平角導線をその幅広の面が対向するように巻回する巻き方)して2次巻線2bを形成したものであり、平角導線のエッジワイズ巻による巻線占積率の向上に加えて、磁気コア1と2次巻線2bとの間にコイルボビン等の絶縁物が不要となって、より小型、薄型が可能となっている。さらに、断面円形の導体130が高耐圧被覆131で覆われてなる1次巻線2aを、2次巻線2b上の低圧側に寄せて巻回しており、1次巻線2aと2次巻線2bとの間の絶縁を確保している。また、上述のように構成されたパルストランスPTは、不飽和ポリエステル樹脂、液晶ポリマー樹脂、ポリスチレン、ポリアミドなどの合成樹脂材料で樹脂モールドされて各部品間の絶縁確保と固定が図られている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−93234号公報(第5−7頁、第1図)
【特許文献2】
特開2002−93635号公報(第3−4頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動車用の前照灯としてHIDランプのような高圧放電ランプが急速に普及するに至り、イグナイタをソケットに内蔵する際の寸法的な制約から、さらに小型・薄型の電磁装置が要望されている。また、自動車の前照灯という用途においては高圧放電ランプを瞬時に再始動する必要があるため、イグナイタ(高電圧発生装置)には始動・再始動の際に数十kVまで達するパルス電圧を発生することが必要とされている。
【0009】
そこで、従来の電磁装置(パルストランスPT)を、昇圧比一定のままで巻回数を変えることなく小型化しようとした場合、磁気コア1の断面積を小さくすると有効磁心断面積が減少して飽和磁束が小さくなり、パルス電圧の波高値が低下してしまう。また、巻線の断面積を小さくすると直流抵抗値が大きくなって高圧放電ランプの点灯時における損失が増加してしまうことになる。
【0010】
一方、昇圧比一定のままで巻回数を減らすと、棒状の磁気コア1による開磁路構造によって巻線の自己インダクタンスと結合係数が小さくなるため、図19の実線ロで示すように理想的なパルス電圧(同図に示す点線イ)に比べて波高値Vp及び周期が小さいパルス電圧が発生してしまう。また、1次巻線2aを疎巻にするなどして結合係数を大きくした場合も、図20の実線ハで示すように理想的なパルス電圧(同図に示す点線イ)に対して波高値Vpは同程度あるが、自己インダクタンスが減少することで立ち上がりの傾きが急峻となるパルス電圧が発生してしまう。一般に、始動時に印加されるパルス電圧の立ち上がりの傾きが大きいと高圧放電ランプLaの始動電圧(絶縁破壊を起こさせるに足る電圧)も大きくなるといわれており、パルストランスPTを小型化する際はパルス電圧の波高値を大きくすると同時に立ち上がりの傾きを小さくする必要がある。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、小型で良好な出力特性を有する電磁装置及び高電圧発生装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、棒状の磁気コアと、磁気コアの周面上に軸方向に沿って巻回された2次巻線と、2次巻線上に巻回された1次巻線とを備える電磁装置において、磁気コアの軸方向における端部の少なくとも一方に、磁気コアの周面よりも外側へ突出する磁性材料片が設けられたことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、磁性材料片により漏れ磁束を減らして2次巻線のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができるから、2次巻線に発生するパルス電圧の波高値の低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて小型で良好な出力特性を有する電磁装置が提供できる。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、磁性材料片は、磁気コアの端部における周面に突設されたことを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、磁気コアの軸方向にそった寸法が磁性材料片によって大型化することがなく、より小型の電磁装置が提供できる。
【0016】
請求項3の発明は、上記目的を達成するために、請求項1又は2記載の電磁装置からなるパルストランスと、パルストランスの1次巻線に並列接続されたコンデンサと、コンデンサから1次巻線への放電経路を開閉するスイッチ要素と、少なくとも前記パルストランス、コンデンサ、スイッチ要素を収容する装置本体と、導電体からなり装置本体を覆うシールドカバーとを備え、この装置本体に放電ランプのランプ口金が電気的且つ機械的に接続されるソケット部を設け、このソケット部を介してパルストランスの2次巻線に発生する高電圧パルスをランプ口金に印加するとともに、磁性材料片がシールドカバーから離れる方向へ突出するようにパルストランスを装置本体内に収納することを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、磁性材料片により漏れ磁束を減らして2次巻線のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができるから、2次巻線に発生するパルス電圧の波高値の低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて良好な出力特性を有するとともに、パルストランスで発生する磁束のうちでシールドカバーに鎖交する磁束を減らすことにより渦電流損による性能低下を防止した小型の高電圧発生装置が提供できる。
【0018】
請求項4の発明は、上記目的を達成するために、請求項1又は2記載の電磁装置からなるパルストランスと、パルストランスの1次巻線に並列接続されたコンデンサと、コンデンサから1次巻線への放電経路を開閉するスイッチ要素と、磁気コアの軸方向に沿って1次巻線及び2次巻線に対向する磁気ヨーク片と、少なくとも前記パルストランス、コンデンサ、スイッチ要素を収容する装置本体と、導電体からなり装置本体を覆うシールドカバーとを備え、この装置本体に放電ランプのランプ口金が電気的且つ機械的に接続されるソケット部を設け、このソケット部を介してパルストランスの2次巻線に発生する高電圧パルスをランプ口金に印加するとともに、磁性材料片が磁気ヨーク片に近付く方向へ突出するようにパルストランスを装置本体内に収納することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、磁性材料片並びに磁気ヨーク片により漏れ磁束を減らして2次巻線のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができるから、2次巻線に発生するパルス電圧の波高値の低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて良好な出力特性を有する小型の高電圧発生装置が提供できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本実施形態の電磁装置(パルストランスPT)は、図1に示すように断面形状が円形の棒状に形成された磁気コア1と、平角導線を磁気コア1に略当接して一層にエッジワイズ巻で巻回した2次巻線3と、高耐圧被覆を有して2次巻線3の上に巻回された1次巻線2と、フェライトなどの磁性材料により直方体状に形成された磁性材料片4とを備えている。1次巻線2は、2次巻線3上の低圧側に寄せて巻回されており、1次巻線2と2次巻線3との間の絶縁を確保して、従来例と同様の絶縁性能を有している。そして、磁気コア1として高抵抗のフェライトコアを用いることにより、2次巻線3との間に絶縁物を介せずに直接組み込むことができる。
【0021】
また、磁気コア1の軸方向における一端側(2次巻線3の高圧側)の側端面には、その中心を磁気コア1の中心軸に対して偏心させることにより磁気コア1の周面よりも外側へ突出するようにして磁性材料片4が固着されている。なお、磁気コア1に対する磁性材料片4の固着は接着などの適当な方法で行えばよい。
【0022】
而して、図2に示すように磁性材料片4を有しない従来のパルストランスPT’と、本実施形態のパルストランスPTとで1次巻線2に電流を流したときに生じる磁束φの経路(磁路)を比較すると、本実施形態では、図1(b)に示すように磁束φの磁路が磁性材料片4によって変化し、従来のパルストランスPT’に比べて漏れ磁束が減少している。このため、本実施形態のパルストランスPTは従来のパルストランスPT’に比べて2次巻線3のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができるから、図3の実線ニに示すように理想的なパルス電圧(同図に示す点線イ)と同程度の波高値Vpを有するとともに立ち上がりの傾きもほぼ同程度であるパルス電圧を発生させることができる。
【0023】
上述のように本実施形態のパルストランスPTは、磁性材料片4により漏れ磁束を減らして2次巻線3のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができるから、2次巻線3に発生するパルス電圧の波高値Vpの低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて良好な出力特性が得られるとともに小型化も可能となる。なお、本実施形態では磁性材料片4を直方体状に形成しているが、これに限定する趣旨ではなく、どのような形状であっても同様の効果を奏することはいうまでもない。
【0024】
(実施形態2)
本実施形態のパルストランスPTは、図4に示すように磁気コア1並びに磁性材料片4の形状が異なる点以外は実施形態1と共通の構成を有するものである。よって、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0025】
磁気コア1は従来例と同様に断面形状が略長円形の棒状に形成されている。また磁性材料片4は、磁気コア1の周面に嵌合する曲面形状の溝部4aが一端部に形成されており、この溝部4aを周面に嵌合するようにして磁気コア1に固着されている。
【0026】
すなわち、実施形態1では磁性材料片4が磁気コア1の軸方向における一端側の端面に固着されていることから磁性材料片4の厚み分だけパルストランスPTの長さ寸法が大きくなっていた。これに対して本実施形態では、磁気コア1の軸方向には磁性材料片4が突出しないことから、実施形態1に比較して小型のパルストランスPTが実現できる。また、磁気コア1の断面形状を長円形とすることにより、断面形状が円形の場合に比較して断面積が同じであればより薄型化が可能である。
【0027】
(実施形態3)
本実施形態のパルストランスPTは、図5に示すよう磁気コア1と磁性材料片4を一体に形成した点以外は実施形態2と共通の構成を有するものである。よって、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0028】
本実施形態における磁気コア1は、フェライト粉末を圧縮成形した後に焼結することによって、断面形状が長円形の棒状であって軸方向の一端部における周面から矩形の磁性材料片4が外側に突出する形状に形成されている。ここで、磁性材料片4がその中心を磁気コア1の中心軸に一致させて軸対象に形成される場合を考えると、焼結過程において磁気コア1を立てて焼結しない限りは磁気コア1の軸部分に負荷がかかって反りが発生する虞がある。これに対して本実施形態では、磁性材料片4を磁気コア1の中心軸に対して偏心させているから、焼結時においても軸部分に負荷をかけることなく磁気コア1を寝かせて焼結することができ、製造コストを抑えながら反りを小さくして形状の精度を向上した磁気コア1が得られる。
【0029】
上述のように本実施形態では、磁性材料片4を磁気コア1と一体に形成しているから、樹脂モールド時の成形圧力に対する磁性材料片4の位置ずれ等の発生を抑制することが可能となり、磁性材料片4の位置ずれによる性能のばらつきが少ないパルストランスPTが提供できる。
【0030】
(実施形態4)
本実施形態のパルストランスPTは、図6に示すように磁性材料片4の材質が異なる点以外は実施形態2と共通の構成を有するものである。よって、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0031】
本実施形態における磁性材料片4は、珪素鋼板を積層して形成されており、一端部に形成された溝部4aを周面に嵌合するようにして磁気コア1に固着される。
【0032】
而して、珪素鋼板はフェライトに比較して数倍〜10数倍の透磁率を有しているから、磁性材料片4がフェライト製である実施形態2に比較して漏れ磁束をさらに減少させることができ、パルストランスPTの一層の小型化が可能となる。また、珪素鋼板は打ち抜き加工や切削加工により複雑な形状を高い寸法精度で形成することが可能であるから、磁性材料片4に溝部4aを設ける際も、フェライト粉末を圧縮成形した後に焼結によって製作する場合に比較して、パルストランスPTの製作コストを下げることができる。
【0033】
(実施形態5)
図7及び図8は、実施形態2のパルストランスPT(電磁装置)を用いた本実施形態の自動車用ヘッドライト向けソケット内蔵型イグナイタ(高電圧発生装置)を示している。この高電圧発生装置は、図7に示すように合成樹脂製の装置本体30と、装置本体30の前面(図7における上面)を除く背面(図7における下面)及び周面を覆うシールドカバー50とを備えている。装置本体30はパルストランスPTを含む回路部品が収容されるボディ31と、ボディ31の前面を覆うカバー32と、ボディ31の背面を閉塞する蓋体33とを組み立てて構成される。
【0034】
カバー32の前面には略円形のソケット開口部34が開口し、このソケット開口部34の周縁部分にバヨネット式の係止部35が周方向に複数設けてある。係止部35はソケット開口部34の周縁部分に一体に設けられ、中心に向いた切欠からなり、高圧放電ランプLaのランプ口金の外周面に設けられた係合部(図示せず)をソケット開口部34の前方から背方へに挿入させる縦溝35aと、この縦溝35aに連続する横溝35bとからなるL字形溝を有し、さらに係合部を係止位置で抜け止めする係止凹部35cが内面に形成されている。
【0035】
ボディ31はカバー32のソケット開口部34の内側に配置される略円筒形の筒部36と、カバー32の周面に設けられた係合孔37と凹凸係合する係合爪38とを有し、ボディ31の前面にカバー32を被せて係合爪38を係合孔37に係合することによってソケット開口部34の内側に筒部36が配置された状態でボディ31とカバー32が組み立てられる。また、ボディ31の筒部36の中心には略円筒形の中央筒部39が突設されており、この中央筒部39の内側にランプ口金の中央電極部(図示せず)と接触導通する中央電極40が収納されている。さらに、ランプ口金の外周面に設けられた外側電極部(図示せず)と接触導通する複数の外側電極41が筒部36に取り付けられており、ボディ31とカバー32を組み立てたときに筒部36の前面側に露出する外側電極41の接触部41aがソケット開口部34の内側に臨むようにしてある。すなわち、ランプ口金をソケット開口部34に挿入するとき係合部が係止部35の縦溝35aに挿入され、ランプ口金を回転すると係合部が横溝35bに進入して係止凹部35cに係止し抜け止めされ、ランプ口金の中央電極部が中央筒部39内に挿入されて中央電極40と接触導通し、同時にソケット開口部34の内側に臨む外側電極41の接触部41aがランプ口金の外側電極部に接触導通することにより、本実施形態の高電圧発生装置と高圧放電ランプLaが電気的且つ機械的に接続される。
【0036】
一方、ボディ31の前面側には抵抗R1やコンデンサC1などの回路部品が収容される第1の収容凹部42が設けられる。また、ボディ31の背面側にはパルストランスPTを収容する収容凹所43が設けてある。
【0037】
蓋体33はボディ31の周面に設けられた複数の係合突部44と各々凹凸係合する複数の係合溝45が周壁33aに設けられ、ボディ31の背面に蓋体33を被せて係合突部44を係合溝45に係合することによってボディ31に蓋体33が取り付けられてボディ31の背面が蓋体33によって閉塞される。
【0038】
シールドカバー50は導電性を有する磁性体材料によって一面が開口する箱形に形成され、カバー32の周面に突設された嵌合突起46と凹凸嵌合する嵌合孔47が周壁に設けられている。
【0039】
而して、ボディ31とカバー32と蓋体33を組み立ててなる装置本体30を背面側からシールドカバー50内に挿入し、カバー32の嵌合突起46を嵌合孔47に嵌合することでシールドカバー50が装置本体30に取り付けられる。
【0040】
ここで、装置本体30内に収容されたパルストランスPTは、磁気コア1の一端部に設けられた磁性材料片4がシールドカバー50の底壁から離れる向き、すなわち、装置本体30の前面側へ突出するようにボディ31内に配置されている。このため、図8に示すようにパルストランスPTで発生する磁束φのうちでシールドカバー50に鎖交する磁束φを減らすことができるから渦電流損による性能低下を防止しつつ装置全体の小型化が図れる。
【0041】
(実施形態6)
本実施形態の高電圧発生装置は、基本的な構成が実施形態5と共通するので、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0042】
本実施形態の高電圧発生装置は、図9に示すように磁気コア1の軸方向に沿って1次巻線2及び2次巻線3に対向する磁気ヨーク片5がシールドカバー50の底に収納され、磁性材料片4が磁気ヨーク片5に近付く方向へ突出するようにパルストランスPTが装置本体30内に収納されている点に特徴がある。
【0043】
磁気ヨーク片5は磁性材料により扁平な板状であって長手方向の寸法が磁気コア1とほぼ同じ寸法に形成され、装置本体30とシールドカバー50との間に配設されてパルストランスPTの周面に対向している。
【0044】
而して、本実施形態では、磁性材料片4並びに磁気ヨーク片5により漏れ磁束をさらに減らして2次巻線3のインダクタンス値並びに結合係数を一層大きくすることができる。そのため、2次巻線3に発生するパルス電圧の波高値の低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて良好な出力特性を有する小型の高電圧発生装置が提供できる。また、パルストランスPTで発生する磁束φのうちでシールドカバー50に鎖交する磁束φは磁気ヨーク片5によって減らすことができるから渦電流損による性能低下を防止することも可能である。
【0045】
(実施形態7)
図10は本実施形態のパルストランスPTの外観斜視図を示している。但し、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。
【0046】
このパルストランスPTでは、2次巻線3の高圧側の端末3aが接続される高圧側端子板6を備え、この高圧側端子板6に磁性材料片4が取り付けられている。高圧側端子板6は、一端部に中央電極40が一体に形成された主片6aと、2次巻線3の高圧側端末3aが接続される接続片6bと、磁性材料片4が取り付けられる取付片6cとが金属製の板材を加工して一体に形成されている。磁性材料片4は、例えば既製のフェライトビーズからなり、図11に示すように一端面より突出する一対のリード4bを取付片6cに貫設された挿通孔6dに挿通した後に折り曲げることで取付片6cに取り付けられる。
【0047】
一方、磁気コア1の一端面にはV字形の溝部1aが形成されており、この溝部1aに側端を嵌合することで取付片6cが磁気コア1に固定されている。このようにして磁気コア1の軸方向における一端側に配設されたフェライトビーズからなる磁性材料片4により漏れ磁束を減らして2次巻線3のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができ、実施形態1と同様に2次巻線3に発生するパルス電圧の波高値Vpの低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて良好な出力特性が得られるとともに小型化も可能となる。また、パルストランスPTを樹脂モールドする際に成形圧力による磁性材料片4の位置ずれの発生を抑えることが可能であり、磁気コア1に対する磁性材料片4の位置ずれによる性能ばらつきを抑制することができる。さらに、一般に市販されているフェライトビーズを磁性材料片4とすることで安価に製造することができるという利点もある。
【0048】
(実施形態8)
図12は本実施形態のパルストランスPTの外観斜視図を示している。但し、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。
【0049】
このパルストランスPTでは、高固有抵抗を有する磁性粉が含浸された絶縁性を有する合成樹脂材料を、2次巻線3の高圧側の端部上に全周に亘ってモールドすることで筒状の磁性材料片4が形成されている。そして、この磁性材料片4によって2次巻線3のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができ、実施形態1と同様に2次巻線3に発生するパルス電圧の波高値Vpの低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて良好な出力特性が得られるとともに小型化も可能となり、しかも、容易に製造することができる。なお、本実施形態では磁性材料片4を全周に亘って形成しているが、周方向の一部に設けても同様の効果を奏する。
【0050】
(実施形態9)
本実施形態の高電圧発生装置は、基本的な構成が実施形態5と共通するので、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0051】
本実施形態の高電圧発生装置はパルストランスPTの磁気コア1の形状に特徴を有している。図13に示すように磁気コア1は軸方向における2次巻線3の高圧側の端部が低圧側の端部よりも外側へ突出させてあり、さらに装置本体30(ボディ31)の周面に対向する角部が周面に沿う形で軸方向に対して斜めにカットされた形状に形成されている。
【0052】
而して、1次巻線2に電流を流したときに生じる磁束φが2次巻線3の高圧側の端部において磁気コア1により装置本体30の中心側に曲げられるため、従来の棒状の磁気コアに比較して漏れ磁束を減少させてパルストランスPTの性能を向上することができる。また、磁気コア1を装置本体30の形状に合わせてカットした形状としているから、装置本体30のデッドスペースを有効に活用することができ、しかも、磁束φをシールドカバー50から遠ざける方向へ曲げることで渦電流損による出力の低下も防止できる。
【0053】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、磁性材料片により漏れ磁束を減らして2次巻線のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができるから、2次巻線に発生するパルス電圧の波高値の低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて小型で良好な出力特性を有する電磁装置が提供できる。
【0054】
請求項2の発明によれば、磁気コアの軸方向にそった寸法が磁性材料片によって大型化することがなく、より小型の電磁装置が提供できる。
【0055】
請求項3の発明によれば、磁性材料片により漏れ磁束を減らして2次巻線のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができるから、2次巻線に発生するパルス電圧の波高値の低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて良好な出力特性を有するとともに、パルストランスで発生する磁束のうちでシールドカバーに鎖交する磁束を減らすことにより渦電流損による性能低下を防止した小型の高電圧発生装置が提供できる。
【0056】
請求項4の発明によれば、磁性材料片並びに磁気ヨーク片により漏れ磁束を減らして2次巻線のインダクタンス値並びに結合係数を大きくすることができるから、2次巻線に発生するパルス電圧の波高値の低下並びに立ち上がりの傾きの増加を抑えて良好な出力特性を有する小型の高電圧発生装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の電磁装置を示し、(a)は正面図、(b)は側面断面図である。
【図2】従来の電磁装置を示す側面断面図である。
【図3】同上の出力電圧の波形図である。
【図4】実施形態2の電磁装置を示し、(a)は正面図、(b)は側面断面図である。
【図5】実施形態3の電磁装置を示し、(a)は正面図、(b)は側面断面図である。
【図6】実施形態4の電磁装置を示し、(a)は正面図、(b)は側面断面図である。
【図7】実施形態5の高電圧発生装置を示す分解斜視図である。
【図8】同上の一部省略した断面図である。
【図9】実施形態6の高電圧発生装置を示し一部省略した断面図である。
【図10】実施形態7の電磁装置を示す斜視図である。
【図11】同上の要部を示す斜視図である。
【図12】実施形態8の電磁装置を示す斜視図である。
【図13】実施形態9の高電圧発生装置を示す平面図である。
【図14】従来の高電圧発生装置を示す斜視図である。
【図15】同上の回路図である。
【図16】従来の電磁装置を示す側面断面図である。
【図17】同上の要部を示す断面図である。
【図18】同上の磁気コア及び2次巻線を示す斜視図である。
【図19】同上の出力電圧の波形図である。
【図20】同上の出力電圧の波形図である。
【符号の説明】
PT パルストランス(電磁装置)
1 磁気コア
2 1次巻線
3 2次巻線
4 磁性材料片
Claims (4)
- 棒状の磁気コアと、磁気コアの周面上に軸方向に沿って巻回された2次巻線と、2次巻線上に巻回された1次巻線とを備える電磁装置において、磁気コアの軸方向における端部の少なくとも一方に、磁気コアの周面よりも外側へ突出する磁性材料片が設けられたことを特徴とする電磁装置。
- 磁性材料片は、磁気コアの端部における周面に突設されたことを特徴とする請求項1記載の電磁装置。
- 請求項1又は2記載の電磁装置からなるパルストランスと、パルストランスの1次巻線に並列接続されたコンデンサと、コンデンサから1次巻線への放電経路を開閉するスイッチ要素と、少なくとも前記パルストランス、コンデンサ、スイッチ要素を収容する装置本体と、導電体からなり装置本体を覆うシールドカバーとを備え、この装置本体に放電ランプのランプ口金が電気的且つ機械的に接続されるソケット部を設け、このソケット部を介してパルストランスの2次巻線に発生する高電圧パルスをランプ口金に印加するとともに、磁性材料片がシールドカバーから離れる方向へ突出するようにパルストランスを装置本体内に収納することを特徴とする高電圧発生装置。
- 請求項1又は2記載の電磁装置からなるパルストランスと、パルストランスの1次巻線に並列接続されたコンデンサと、コンデンサから1次巻線への放電経路を開閉するスイッチ要素と、磁気コアの軸方向に沿って1次巻線及び2次巻線に対向する磁気ヨーク片と、少なくとも前記パルストランス、コンデンサ、スイッチ要素を収容する装置本体と、導電体からなり装置本体を覆うシールドカバーとを備え、この装置本体に放電ランプのランプ口金が電気的且つ機械的に接続されるソケット部を設け、このソケット部を介してパルストランスの2次巻線に発生する高電圧パルスをランプ口金に印加するとともに、磁性材料片が磁気ヨーク片に近付く方向へ突出するようにパルストランスを装置本体内に収納することを特徴とする高電圧発生装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003181188A JP2005019611A (ja) | 2003-06-25 | 2003-06-25 | 電磁装置及び高電圧発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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-
2003
- 2003-06-25 JP JP2003181188A patent/JP2005019611A/ja active Pending
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