JP2005018087A - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】化学増幅型レジストとして、特にコンタクトホールの解像度が優れ、しかも放射線に対する透明性、ドライエッチング耐性、パターン形状、感度、解像度等にも優れた感放射線性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】感放射線性樹脂組成物は、(A)主鎖のみに脂環式骨格を有する樹脂、(B)下記一般式(1)で表される分子量1,000以下の化合物、および(C)感放射線性酸発生剤を含有し、かつ成分(A)と成分(B)との少なくとも一方が酸開裂性基を含有する。
【化1】
Figure 2005018087

〔式中、R1 およびR2 は水素原子または酸開裂性基、Zは環構成炭素原子の合計数が7〜25の環状炭化水素構造を有する基を示し、aは0〜6の整数、bは1〜6の整数である。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、感放射線性樹脂組成物に関わり、さらに詳しくは化学増幅型レジストとして好適に使用することができる感放射線性樹脂組成物に関する。
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、より高い集積度を得るために、最近ではサブハーフミクロンオーダー(0.4μm以下)の微細加工を可能にするリソグラフィー技術の開発が進められており、近い将来には、サブクオーターミクロン(0.25μm以下)レベルでの微細加工技術が必要になるとされている。
従来のリソグラフィープロセスにおいては、一般に放射線としてi線等の近紫外線が用いられているが、近紫外線ではサブクオーターミクロンレベルの微細加工が極めて困難であると言われている。
そこで、サブクオーターミクロンレベルの微細加工を可能とするために、より波長の短い放射線の利用が検討されている。このような短波長の放射線としては、例えば水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、電子線等を挙げることができるが、これらのうち、特にKrFエキシマレーザー(波長248nm)あるいはArFエキシマレーザー(波長193nm)が注目されている。
このようなエキシマレーザーによる照射に適した感放射線性樹脂組成物として、酸解離性官能基を有する成分と放射線の照射により酸を発生する成分(以下、「酸発生剤」という。)とによる化学増幅効果を利用した組成物(以下、「化学増幅型感放射線性組成物」という。)が数多く提案されている。
このような化学増幅型感放射線性組成物としては、例えば、特許文献1には、カルボン酸のt−ブチルエステル基またはフェノールのt−ブチルカーボナート基を有する重合体と酸発生剤とを含有する組成物が提案されている。この組成物は、放射線の照射により発生した酸の作用により、重合体中に存在するt−ブチルエステル基あるいはt−ブチルカーボナート基が開裂して、該重合体がカルボキシル基あるいはフェノール性水酸基からなる酸性基を有するようになり、その結果、レジスト被膜の照射領域がアルカリ現像液に易溶性となる現象を利用したものである。
特公平2−27660号公報
ところで、従来の化学増幅型感放射線性組成物の多くは、フェノール系樹脂をベースにするものであるが、このような樹脂では、放射線として遠紫外線を使用する場合、樹脂中の芳香族環に起因して遠紫外線が吸収されるため、照射された遠紫外線がレジスト被膜の下層部まで十分に到達できないという欠点があり、そのため照射量がレジスト被膜の上層部では多く、下層部では少なくなり、現像後のレジストパターンが上部が細く下部にいくほど太い台形状になってしまい、十分な解像度が得られないなどの問題があった。その上、現像後のレジストパターンが台形状となった場合、次の工程、即ちエッチングやイオンの打ち込みなどを行う際に、所望の寸法精度が達成できず、問題となっていた。しかも、レジストパターン上部の形状が矩形でないと、ドライエッチングによるレジストの消失速度が速くなってしまい、エッチング条件の制御が困難になる問題もあった。
一方、レジストパターンの形状は、レジスト被膜の放射線の透過率を高めることにより改善することができる。例えば、ポリメチルメタクリレートに代表される(メタ)アクリレート系樹脂は、遠紫外線に対しても透明性が高く、放射線の透過率の観点から非常に好ましい樹脂であり、例えば特許文献2には、メタクリレート系樹脂を使用した化学増幅型感放射線性樹脂組成物が提案されている。しかしながら、この組成物は、微細加工性能の点では優れているものの、芳香族環をもたないため、ドライエッチング耐性が低いという欠点があり、この場合も高精度のエッチング加工を行うことが困難である。
特開平4−226461号公報
さらに、化学増幅型感放射線性組成物のレジストとしての特性を改良する方策の一つとして、高分子あるいは低分子の添加剤を配合した3成分以上の多成分系組成物が多数提案されているが、特にレジスト被膜の放射線の透過率と前記添加剤の作用との関係については、未だ十分検討されておらず、特にコンタクトホールの解像度の面で満足できず、さらにはドライエッチング耐性、パターン形状、感度、解像度等を総合した特性バランスの面でも未だ十分ではない。
本発明の課題は、活性放射線、例えばArFエキシマレーザーに代表される遠紫外線、に感応する化学増幅型レジストとして、放射線に対する透明性が優れ、十分なドライエッチング耐性を有するとともに、特にコンタクトホールの解像度が優れ、かつパターン形状、感度、解像度等の特性バランスにも優れた化学増幅型レジストとして好適に使用することができる感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
本発明の要旨は、
(A)側鎖のみに脂環式骨格を有する樹脂、
)下記一般式(1)で表される分子量1,000以下の化合物、および
(C)放射線の照射により酸を発生する感放射線性酸発生剤
を含有する感放射線性樹脂組成物であって、前記成分(A)と成分()の少なくとも一方が酸開裂性基を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物、
Figure 2005018087
〔一般式(1)において、R1 およびR2 はそれぞれ独立に水素原子または酸開裂性基を示し、Zは環を構成する炭素原子の合計数が7〜25の環状炭化水素構造を有する基を示し、aは0〜6の整数、bは1〜6の整数である。〕
からなる。
以下、本発明を詳細に説明する。
樹脂(A)
発明における(A)成分は、側鎖のみに脂環式骨格を有する樹脂(以下、「樹脂(A)」という。)からなる。
発明における樹脂(A)は、後述する化合物()が酸開裂性基を含有しない場合は、酸開裂性基を含有しなければならない。但し、発明においては、樹脂(A)と化合物()との双方が酸開裂性基を含有していてもよい。
樹脂(A)における酸開裂性基は、適宜の位置に存在することができ。また、樹脂(A)においては、酸開裂性基自体が脂環式骨格を有することもできる。
樹脂(A)における脂環式骨格は単環でも多環でもよく、また該脂環式骨格は1種以上存在することができる。また、該脂環式骨格は、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10の1価の炭化水素基、炭素数1〜10の1価のハロゲン化炭化水素基等の置換基を適宜の位置に有することもできる。
発明においては、樹脂(A)がその側鎖に脂環式骨格を有することにより、レジストとして、特に放射線に対する透明性およびドライエッチング耐性が優れた感放射線性樹脂組成物を得ることができる。
次に、樹脂()としては、例えば、カルボキシル基含有アルカリ可溶性樹脂中の該カルボキシル基の水素原子を、脂環式骨格を有する基で置換した構造を有する樹脂等を挙げることができる。
樹脂()における脂環式骨格を有する基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、4−メトキシシクロヘキシル基等の単環からなる基;ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、ジシクロペンテニル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、1−メチルアダマンチル基、トリシクロ[ 5.2.1.0 ]デカニル基、カルボキシトリシクロ[ 5.2.1,0 ]デカニル基、カルボキシテトラシクロデカニル基等の多環からなる基を挙げることができる。
これらの脂環式骨格を有する基のうち、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、1−メチルアダマンチル基、トリシクロ[ 5.2.1.0 ]デカニル基、カルボキシトリシクロ[ 5.2.1,0 ]デカニル基、カルボキシテトラシクロデカニル基等が好ましい。
また、樹脂()が含有することのできる酸開裂性基(以下、「酸開裂性基()」という。)としては、例えば、置換メチル基、1−置換エチル基、1−分岐アルキル基、シリル基、ゲルミル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、環式酸開裂性基等を挙げることができる。
前記置換メチル基としては、例えば、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、エチルチオメチル基、メトキシエトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、フェナシル基、ブロモフェナシル基、メトキシフェナシル基、メチルチオフェナシル基、α−メチルフェナシル基、シクロプロピルメチル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、ブロモベンジル基、ニトロベンジル基、メトキシベンジル基、メチルチオベンジル基、エトキシベンジル基、エチルチオベンジル基、ピペロニル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、イソプロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基等を挙げることができる。
また、前記1−置換エチル基としては、例えば、1−メトキシエチル基、1−メチルチオエチル基、1,1−ジメトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−エチルチオエチル基、1,1−ジエトキシエチル基、1−フェノキシエチル基、1−フェニルチオエチル基、1,1−ジフェノキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル基、1−ベンジルチオエチル基、1−シクロプロピルエチル基、1−フェニルエチル基、1,1−ジフェニルエチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、1−n−プロポキシカルボニルエチル基、1−イソプロポキシカルボニルエチル基、1−n−ブトキシカルボニルエチル基、1−t−ブトキシカルボニルエチル基等を挙げることができる。 また、前記1−分岐アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基等を挙げることができる。
また、前記シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、メチルジイソプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メチルジ−t−ブチルシリル基、トリ−t−ブチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。
また、前記ゲルミル基としては、例えば、トリメチルゲルミル基、エチルジメチルゲルミル基、メチルジエチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、イソプロピルジメチルゲルミル基、メチルジイソプロピルゲルミル基、トリイソプロピルゲルミル基、t−ブチルジメチルゲルミル基、メチルジ−t−ブチルゲルミル基、トリ−t−ブチルゲルミル基、フェニルジメチルゲルミル基、メチルジフェニルゲルミル基、トリフェニルゲルミル基等を挙げることができる。
また、前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。
また、前記アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピペロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、オレオイル基、マレオイル基、フマロイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、p−トルエンスルホニル基、メシル基等を挙げることができる。
さらに、前記環式酸開裂性基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、4−メトキシシクロヘキシル基等の脂環式骨格を有する基のほか、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基、3−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド基等を挙げることができる。
これらの酸開裂性基(ii)のうち、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、テトラヒドロピラニル基、メチルテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、メチルテトラヒドロフラニル基、t−ブトキシカルボニルメチル基等が好ましい。
樹脂()は、例えば、
)側鎖に脂環式骨格を有する重合性不飽和化合物を、場合により他の重合性不飽和化合物とともに、(共)重合する方法、
)予め製造したカルボキシル基含有アルカリ可溶性樹脂の該カルボキシル基に、1種以上の脂環式骨格を有する基を導入する方法
等により製造することができる。
また、酸開裂性基() を含有する樹脂()は、
−1)前記()の方法で、側鎖に脂環式骨格を有する重合性不飽和化合物として、酸開裂性基() 自体が該脂環式骨格を有する基である化合物を使用する方法、
−2)前記()の方法で、他の重合性不飽和化合物として酸開裂性基()を含有する化合物を使用する方法、
−1)前記()の方法で、カルボキシル基含有アルカリ可溶性樹脂の該カルボキシル基に、酸開裂性基()を同時に導入する方法
のほか、
)側鎖に脂環式骨格を有する重合性不飽和化合物とカルボキシル基含有重合性不飽和化合物との共重合体中の該カルボキシル基に、1種以上の酸開裂性基() を導入する方法
等により製造することができる。
以下、これらの方法について説明する。
前記()の方法において、側鎖に脂環式骨格を有する重合性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸テトラシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸アダマンチルメチル、(メタ)アクリル酸カルボキシトリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸カルボキシテトラシクロデカニル等を挙げることができる。
これらの側鎖に脂環式骨格を有する重合性不飽和化合物のうち、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸テトラシクロデカニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸カルボキシトリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸カルボキシテトラシクロデカニル等が好ましい。
また、()の方法において、他の重合性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル;α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸n−プロピル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸n−ブチル等のα−ヒドロキシメチルアクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸2−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−カルボキシブチル等のカルボキシル基含有脂肪族不飽和カルボン酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニスエステル類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、クロトンニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル、メサコンニトリル、シトラコンニトリル、イタコンニトリル等の不飽和ニトリル化合物;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド等の不飽和アミド化合物;N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の他の含窒素ビニル化合物等を挙げることができる。
これらの他の重合性不飽和化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、前記(−1)の方法において、酸開裂性基() 自体が脂環式骨格を有する基である酸開裂性基(ii) 含有重合性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロプロピル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキセニル、(メタ)アクリル酸4−メトキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−シクロプロピルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−シクロペンチルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−シクロヘキシルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−シクロヘキセニルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−(4−メトキシシクロヘキシル)オキシカルボニルエチル、等を挙げることができる。
これらの酸開裂性基() 自体が脂環式骨格を有する基である酸開裂性基() 含有重合性不飽和化合物うち、(メタ)アクリル酸シクロプロピル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキセニル、(メタ)アクリル酸4−メトキシシクロヘキシル等が好ましい。
前記酸開裂性基() 自体が脂環式骨格を有する基である酸開裂性基() 含有重合性不飽和化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、前記(−2)の方法において、酸開裂性基() を含有する他の重合性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の脂肪族不飽和カルボン酸類;(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸2−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−カルボキシブチル等のカルボキシル基含有脂肪族不飽和カルボン酸エステル類等のカルボキシル基の水素原子を、酸開裂性基() (但し、脂環式骨格を有する基を除く。)で置換した化合物等を挙げることができる。
これらの酸開裂性基() を含有する他の重合性不飽和化合物のうち、(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフラニル、(メタ)アクリル酸2−オキソシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチル等が好ましい。
前記酸開裂性基() を含有する他の重合性不飽和化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
次に、前記()の方法において、カルボキシル基含有アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、前記()の方法について例示した脂肪族不飽和カルボン酸類、カルボキシル基含有脂肪族不飽和カルボン酸エステル類等の(共)重合体等を挙げることができる。
)の方法において、カルボキシル基含有重合性不飽和化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
次に、前記()の方法において、側鎖に脂環式骨格を有する重合性不飽和化合物としては、例えば、前記()の方法について例示した側鎖に脂環式骨格を有する重合性不飽和化合物等を挙げることができ、またカルボキシル基含有重合性不飽和化合物としては、前記(−2)の方法について例示した脂肪族不飽和カルボン酸類、カルボキシル基含有脂肪族不飽和カルボン酸エステル類と同様の化合物等を挙げることができる。
)の方法において、側鎖に脂環式骨格を有する重合性不飽和化合物としては、前記()の方法で挙げたものと同様の化合物が好ましく、また、カルボキシル基含有重合性不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が好ましい。
)の方法において、側鎖に脂環式骨格を有する重合性不飽和化合物およびカルボキシル基含有重合性不飽和化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
)および()の方法においては、場合により、他の重合性不飽和化合物を併用することもできる。
前記他の重合性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル;α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸n−プロピル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸n−ブチル等のα−ヒドロキシメチルアクリル酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、クロトンニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル、メサコンニトリル、シトラコンニトリル、イタコンニトリル等の不飽和ニトリル化合物;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド等の不飽和アミド化合物;N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の他の含窒素ビニル化合物のほか、前記した側鎖に脂環式骨格を有する重合性不飽和化合物、酸開裂性基() 自体が脂環式骨格を有する基である酸開裂性基() 含有重合性不飽和化合物、酸開裂性基() (但し、脂環式骨格を有する基を除く。)含有重合性不飽和化合物等を適宜選択して使用することができる。
これらの他の重合性不飽和化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
)の方法における(共)重合、()の方法におけるカルボキシル基含有アルカリ可溶性樹脂を製造する重合、および()の方法における側鎖に脂環式骨格を有する重合性不飽和化合物とカルボキシル基含有重合性不飽和化合物との共重合体を製造する共重合は、例えば、ラジカル重合開始剤、アニオン重合触媒、配位アニオン重合触媒、カチオン重合触媒等を適宜に選定し、塊状重合、溶液重合、沈澱重合、乳化重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合等の適宜の重合方法により実施することができる。
樹脂()における側鎖に脂環式骨格を有する繰返し単位の含有量は、全繰返し単位に対して、通常、30〜80モル%、好ましくは40〜70モル%であり、また酸開裂性基() を含有する繰返し単位の含有量は、全繰返し単位に対して、通常、70〜20モル%、好ましくは60〜30モル%である。
樹脂()としては、下記のものが好ましい。
(メタ)アクリル酸イソボルニル/(メタ)アクリル酸メチル共重合体、(メタ)アクリル酸イソボルニル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸イソボルニル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸イソボルニル/(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸イソボルニル/(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸イソボルニル/(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル/(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル/(メタ)アクリル酸t−ブトキシカルボニル/(メタ)アクリル酸共重合体、
(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル/(メタ)アクリル酸1−エトキシエチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル/(メタ)アクリル酸1−n−ブトキシエチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル/(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル/(メタ)アクリル酸メチルテトラヒドロピラニル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル/(メタ)アクリル酸テトラヒドロフラニル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル/(メタ)アクリル酸メチルテトラヒドロフラニル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル/(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル共重合体、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル/(メタ)アクリル酸t−ブトキシカルボニル/(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル共重合体、
(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル/(メタ)アクリル酸1−エトキシエチル/(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル共重合体、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル/(メタ)アクリル酸1−n−ブトキシエチル/(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル共重合体、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル/(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル/(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル共重合体、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル/(メタ)アクリル酸メチルテトラヒドロピラニル/(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル共重合体、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル/(メタ)アクリル酸テトラヒドロフラニル/(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル共重合体、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル/(メタ)アクリル酸メチルテトラヒドロフラニル/(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル共重合体、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル/(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル/α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル共重合体、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル/(メタ)アクリル酸t−ブチル/α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル共重合体、
(メタ)アクリル酸テトラシクロデカニル/(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸テトラシクロデカニル/(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸テトラシクロデカニル/(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸アダマンチル/(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸アダマンチルメチル/(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸アダマンチル/(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸アダマンチルメチル共重合体/(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリル酸アダマンチル/(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸アダマンチルメチル/(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸イソボルニル/(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸イソボルニル/(メタ)アクリル酸テトラシクロデカニル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸イソボルニル/(メタ)アクリル酸アダマンチル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸イソボルニル/(メタ)アクリル酸アダマンチルメチル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体
等を挙げることができる。
樹脂(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、通常、5,000〜300,000、好ましくは5,000〜200,000、さらに好ましくは10,000〜100,000である。この場合、樹脂(A)のMwが5,000未満では、レジストとしての耐熱性が低下する傾向があり、また300,000を超えると、レジストとしての現像性が低下する傾向がある。
発明において、樹脂(A)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
発明における樹脂(A)は、不純物が少ないほど好ましい。この不純物は、主に各樹脂を製造する際に使用される触媒に由来するものであり、レジストとしての観点から特に考慮すべき不純物の例としては、F、Cl、Br等のハロゲンや、デミングの周期律表IV族、V族、VI族、VII 族およびVIII族の金属等を挙げることができる。
この場合、樹脂中の残留ハロゲン含有量を3ppm以下、特に2ppm以下とし、また残留金属含有量を300ppb以下、特に100ppb以下とすることが好ましく、特に残留ハロゲン含有量を3ppm以下、特に2ppm以下とし、かつ残留金属含有量を300ppb以下、特に100ppb以下とすることが好ましい。これらの不純物含有量を前記値以下とすることにより、感度、解像度、プロセス安定性、パターン形状等がさらに改善される。
樹脂中の不純物を低減する方法としては、残留ハロゲンの場合、十分水洗して除去する方法を挙げることができ、また残留金属の場合、樹脂溶液の純水による洗浄あるいは液々抽出、樹脂溶液の純水による洗浄あるいは液々抽出と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組み合わせ等の方法を挙げることができる。
また、発明における()成分は、前記一般式(1)で表される分子量1,000以下の化合物(以下、「化合物()」という。)からなる。一般式(1)において、R1 あるいはR2 が複数存在するとき、それぞれ相互に同一でも異なってもよい。
発明における化合物()は、前記樹脂(A)が酸開裂性基を含有しない場合は、酸開裂性基を含有しなければならない。
一般式(1)において、R1 およびR2 の酸開裂性基としては、例えば、前記酸開裂性基() と同様の基を挙げることができる。
発明における感放射線性樹脂組成物を化学増幅型レジストとして使用する場合は、放射線として、好ましくはArFエキシマレーザー(波長193nm)あるいはKrFエキシマレーザー(波長248nm)が使用される。
ArFエキシマレーザーに対して好適な化合物()としては、例えば、
アダマンタンカルボン酸t−ブチル、アダマンタンカルボン酸テトラヒドロピラニル、アダマンタンカルボン酸3−オキソシクロヘキシル、アダマンタンカルボン酸t−ブトキシカルボニルメチル、アダマンチル酢酸t−ブチル、アダマンチル酢酸テトラヒドロピラニル、アダマンチル酢酸3−オキソシクロヘキシル、アダマンチル酢酸t−ブトキシカルボニルメチル、トリシクロデカニルカルボン酸t−ブチル、トリシクロデカニルカルボン酸テトラヒドロピラニル、トリシクロデカニルカルボン酸3−オキソシクロヘキシル、トリシクロデカニルカルボン酸t−ブトキシカルボニルメチル、トリシクロデカニルジカルボン酸ジ−t−ブチル、トリシクロデカニルジカルボン酸ジテトラヒドロピラニル、トリシクロデカニルジカルボン酸ジ−3−オキソシクロヘキシル、トリシクロデカニルジカルボン酸ジ−t−ブトキシカルボニルメチル、コリック酸t−ブチル、コリック酸テトラヒドロピラニル、コリック酸3−オキソシクロヘキシル、コリック酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸t−ブチル、リトコール酸テトラヒドロピラニル、リトコール酸3−オキソシクロヘキシル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、ジヒドロコール酸t−ブチル、ジヒドロコール酸テトラヒドロピラニル、ジヒドロコール酸3−オキソシクロヘキシル、ジヒドロコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、1−t−ブトキシカルボニルオキシナフタレン、2−t−ブトキシカルボニルオキシナフタレン、1−カルボ−t−ブトキシメトキシナフタレン、2−カルボ−t−ブトキシメトキシナフタレン等を挙げることができる。
これらの化合物()のうち、アダマンタンカルボン酸t−ブチル、アダマンタンカルボン酸t−ブトキシカルボニルメチル、アダマンチル酢酸t−ブチル、アダマンチル酢酸t−ブトキシカルボニルメチル、トリシクロデカニルカルボン酸t−ブチル、トリシクロデカニルジカルボン酸ジ−t−ブチル、コリック酸t−ブチル、コリック酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、ジヒドロコール酸t−ブチル、ジヒドロコール酸t−ブトキシカルボニルメチル等が好ましい。
発明において、化合物()は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
発明における化合物()の使用量は、樹脂(A)100重量部に対して、通常、5〜50重量部、好ましくは5〜40重量部である。この場合、化合物()の使用量が5重量部未満では、放射線に対する透過率の向上効果が不十分となるおそれがあり、また50重量部を超えると、耐熱性や基板への接着性が低下する傾向がある。
酸発生剤(C)
さらに、発明における(C)成分は、放射線の照射(以下、「露光」という。)により酸を発生する感放射線性酸発生剤(以下、「酸発生剤(C)」という。)からなる。
酸発生剤(C)は、露光により発生した酸の作用によって、樹脂(A)、あるいは化合物()中に存在する酸開裂性基を開裂させ、その結果レジスト被膜の露光部がアルカリ現像液に易溶性となり、ポジ型のレジストパターンを形成する作用を有するものである。 このような酸発生剤(C)としては、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物等を挙げることができる。
これらの酸発生剤(C)の例としては、下記のものを挙げることができる。
オニウム塩
オニウム塩としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩(テトラヒドロチオフェニウム塩を含む。)、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等を挙げることができる。
好ましいオニウム塩の具体例としては、
ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムナフタレンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンゼンメチルスルホニウムトルエンスルホネート、シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、(4−ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート、
1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シアノ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ニトロ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シアノ−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ニトロ−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(1−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−i−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロフラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ベンジルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート
等を挙げることができる。
ハロゲン含有化合物
ハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物等を挙げることができる。
好ましいハロゲン含有化合物の具体例としては、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等の(トリクロロメチル)−s−トリアジン誘導体や、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン等を挙げることができる。
ジアゾケトン化合物
ジアゾケトン化合物としては、例えば、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等を挙げることができる。
好ましいジアゾケトンの具体例としては、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド、2,3,4,4’−テトラヒドロベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等を挙げることができる。
スルホン化合物
スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらの化合物のα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。
好ましいスルホン化合物の具体例としては、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン等を挙げることができる。
スルホン酸化合物
スルホン酸化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、アルキルスルホン酸イミド、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。
好ましいスルホン酸化合物の具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールのトリストリフルオロメタンスルホネート、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−ヒドロキシスクシイミドトリフルオロメタンスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネート等を挙げることができる。
これらの酸発生剤(C)のうち、特に、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−ヒドロキシスクシイミドトリフルオロメタンスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネート等が好ましい。
発明において、酸発生剤(C)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
酸発生剤(C)の使用量は、レジストとしての感度および現像性を確保する観点から、樹脂(A)100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜7重量部である。この場合、酸発生剤(C)の使用量が0.1重量部未満では、感度および現像性が低下し、また10重量部を超えると、放射線に対する透明性が低下して、矩形のレジストパターンを得られ難くなる傾向がある。
各種添加剤
発明の感放射線性樹脂組成物は、酸発生剤(C)から発生する酸に対してルイス塩基として作用する化合物(以下、「ルイス塩基添加剤」という。)を配合することにより、レジストパターンの側壁の垂直性をより効果的に改善することができる。
このようなルイス塩基添加剤としては、例えば、含窒素塩基性化合物やその塩類、カルボン酸類、アルコール類等を挙げることができるが、含窒素塩基性化合物が好ましい。
前記含窒素塩基性化合物の具体例としては、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリi−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、トリn−ヘキシルアミン、トリエタノールアミン、トリフェニルアミン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、ジフェニルアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピロリジン、ピペリジン等のアミン化合物;イミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、チアベンダゾール等のイミダゾール化合物;ピリジン、2−メチルピリジン、4−エチルピリジン、2−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、アクリジン等のピリジン化合物;プリン、1,3,5−トリアジン、トリフェニル−1,3,5−トリアジン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ウラゾール等の他の含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
これらの含窒素塩基性化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
ルイス塩基添加剤の配合量は、酸発生剤(C)1モルに対して、通常、1モル以下、好ましくは0.05〜1モルである。この場合、ルイス塩基添加剤の配合量が1モルを超えると、レジストとしての感度が低下する傾向がある。
さらに、発明の感放射線性樹脂組成物には、必要に応じて、他の各種添加剤を配合することができる。
このような添加剤としては、例えば、塗布性、現像性等を改良する作用を示す界面活性剤を挙げることができる。
前記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤のほか、以下商品名で、KP341(信越化学工業製)、ポリフローNo.75,同No.95(共栄社油脂化学工業製)、エフトップEF301,同EF303,同EF352(トーケムプロダクツ製)、メガファックスF171,同F173(大日本インキ化学工業製)、フロラードFC430,同FC431(住友スリーエム製)、アサヒガードAG710,サーフロンSー382,同SCー101,同SCー102,同SCー103,同SCー104,同SCー105,同SCー106(旭硝子製)等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
界面活性剤の配合量は、樹脂(A)と化合物()と酸発生剤(C)との合計100重量部に対して、通常、2重量部以下である。
また、前記以外の添加剤としては、ハレーション防止剤、接着助剤、保存安定化剤、消泡剤等を挙げることができる。
組成物溶液の調製
発明の感放射線性樹脂組成物は、通常、その使用に際して、全固形分濃度が、例えば5〜50重量%、好ましくは10〜25重量%となるように、溶剤に溶解したのち、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって、組成物溶液として調製される。
前記組成物溶液の調製に使用される溶剤としては、例えば、
2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状ケトン類;
シクロペンタノン、3−メチル−2−シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状ケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノi−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノsec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類のほか、
n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トルエン、キシレン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等を挙げることができる。
これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができるが、就中、環式ケトン類、直鎖状ケトン類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類および2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類が好ましく、特に環式ケトン類と、直鎖状ケトン類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類および2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類の群から選ばれる少なくとも1種との混合溶剤が好ましい。
レジストパターンの形成方法
発明の感放射線性樹脂組成物は、特に化学増幅型ポジ型レジストとして有用である。 前記化学増幅型ポジ型レジストにおいては、露光により酸発生剤(C)から発生した酸の作用によって、樹脂(A)、あるいは化合物()中の酸開裂性基が、例えば、
)アルコキシカルボニル基が開裂してカルボキシル基に変換される反応、
) アルキルカルボニルオキシ基が開裂して水酸基に変換される反応、
)シアノ基が開裂してカルボキシル基に変換される反応、
)酸無水物基が開裂してカルボキシル基に変換される反応
等を生起し、その結果レジストの露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、該露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のレジストパターンが得られる。
発明の感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、感放射線性樹脂組成物を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハー等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成し、場合により予めプレベークを行ったのち、所定のレジストパターンを形成するように該レジスト被膜に露光する。その際に使用される放射線としては、ArFエキシマレーザー(波長193nm)あるいはKrFエキシマレーザー(波長248nm)が好ましい。
発明においては、露光後に加熱処理(以下、「露光後ベーク」という。)を行うことが好ましい。この露光後ベークにより、前記()〜()等の反応が円滑に進行する。露光後ベークの加熱条件は、組成物の配合組成によって変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜170℃である。
発明においては、感放射線性樹脂組成物の潜在能力を最大限に引き出すため、例えば特許文献3等に開示されているように、使用される基板上に有機系あるいは無機系の反射防止膜を形成しておくこともでき、また環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、例えば特許文献4等に開示されているように、レジスト被膜上に保護膜を設けることもでき、あるいはこれらの技術を併用することもできる。
次いで、露光されたレジスト被膜を現像することにより、所定のレジストパターンを形成する。
特公平6−12452号公報 特開平5−188598号公報
現像に使用される現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液が好ましい。該アルカリ性水溶液の濃度は、通常、10重量%以下である。この場合、アルカリ性水溶液の濃度が10重量%を超えると、未露光部も現像液に溶解し、好ましくない。
また、前記アルカリ性水溶液からなる現像液には、例えば有機溶剤を添加することもできる。
前記有機溶剤の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチル−2−シクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類や、フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
これらの有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
有機溶剤の使用量は、アルカリ性水溶液に対して、100容量%以下が好ましい。この場合、有機溶剤の使用量が100容量%を超えると、現像性が低下し、露光部の現像残りが著しくなり、好ましくない。
また、アルカリ性水溶液からなる現像液には、界面活性剤等を適量添加することもできる。
なお、アルカリ性水溶液からなる現像液で現像したのちは、一般に、水で洗浄して乾燥する。
発明の感放射線性樹脂組成物は、化学増幅型レジストとして、放射線に対する透明性が優れ、十分なドライエッチング耐性を有するとともに、特にコンタクトホールの解像度が優れ、かつパターン形状、感度、解像度等の特性バランスにも優れており、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造に極めて好適に使用することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。ここで、部および%は、特記しない限り重量基準である。
実施例および比較例における各測定・評価は、下記の要領で行った。
Mw:
東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
放射線透過率:
組成物溶液を石英ガラス上にスピンコートした乾燥膜厚1.0μmの被膜について、波長193nmにおける吸光度から、放射線透過率を算出して、遠紫外線領域における透明性の尺度とした。
相対エッチング速度:
組成物溶液を石英ガラス上にスピンコートした乾燥膜厚1.0μmの被膜に対して、ドライエッチング装置(日電アネルバ社製、DEM451)を用い、エッチングガスをCF4 とし、ガス流量30sccm、圧力5Pa、出力100Wの条件でドライエッチングを行い、エッチング速度を測定して、クレゾールノボラック樹脂からなる被膜のエッチング速度に対する相対値により、相対エッチング速度を評価した。エッチング速度の小さいほど、ドライエッチング耐性に優れることを意味する。
パターン形状:
線幅0.30μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)の方形状断面の下辺寸法L1 と上下辺寸法L2 とを走査型電子顕微鏡により測定し、
0.85≦L2 /L1 ≦1を満足し、かつパターン形状が裾を引いていない場合を、パターン形状が良好であるとした。
感度:
組成物をシリコーンウエハー上にスピンコートしたのち、表2に示す温度に保持したホットプレート上で90秒間プレベークを行って、膜厚0.5μmのレジスト被膜を形成した。このレジスト被膜に、(株)ニコン製ArFエキシマレーザー露光装置(レンズ開口数0.55、露光波長193nm)により、マスクパターンを介して露光した。次いで、表2に示す温度に保持したホットプレート上で90秒間露光後ベークを行ったのち、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により、25℃で1分間現像し、水洗し、乾燥して、ポジ型レジストパターンを形成した。その際、線幅0.30μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度とした。
解像度:
最適露光量で露光したときに解像される最小のレジストパターンの寸法を解像度とした。
コンタクトホールの解像度:
シリコンウエハー上に形成したレジスト被膜に露光したのち、直ちに露光後ベークを行い、次いでアルカリ現像液で現像し、水洗し、乾燥して、レジストパターンを形成したとき、0.25μm×0.25μmの方形のレチクルを用いて断面が円形に形成されるコンタクトホールの直径が0.25μmとなる露光量を求め、この露光量で露光したときに解像されるコンタクトホールの最小直径(μm)を、コンタクトホールの解像度とした。
合成例
攪拌機、還流冷却器および三方コックを備えたセパラブルフラスコに、窒素気流下で、アクリル酸トリシクロデカニル60部、アクリル酸テトラヒドロピラニル35部、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル11部、アゾビスイソブチロニトリル1.5部、t−ドデシルメルカプタン3部およびジメトキシエタン250部を仕込み、75℃で6時間重合した。その後、得られた樹脂をn−ヘキサンより再沈凝固させ、凝固した樹脂をろ別したのち、真空乾燥して、下記各式で表される繰返し単位からなり、Mwが11,000のランダム共重合体(収率90%)を得た。この共重合体を、樹脂(A-1) とする。
Figure 2005018087
合成例
合成例1で用いたセパラブルフラスコに、窒素気流下で、メタクリル酸トリシクロデカニル30部、メタクリル酸テトラヒドロピラニル40部、メタクリル酸シクロペンチル30部、アゾビスイソブチロニトリル2部、t−ドデシルメルカプタン3部およびジメトキシエタン250部を仕込み、75℃で6時間重合した。その後、得られた樹脂をn−ヘキサンより再沈凝固させ、凝固した樹脂をろ別したのち、真空乾燥して、下記各式で表される繰り返し単位からなり、Mwが11,000のランダム共重合体(収率90%)を得た。この共重合体を、樹脂(A-2) とする。
Figure 2005018087
合成例
合成例1で用いたセパラブルフラスコに、窒素気流下で、メタクリル酸トリシクロデカニル30部、メタクリル酸テトラヒドロピラニル40部、メタクリル酸30部、アゾビスイソブチロニトリル2部、t−ドデシルメルカプタン3部およびジメトキシエタン250部を仕込み、75℃で6時間重合した。その後、得られた樹脂をn−ヘキサンより再沈凝固させ、凝固した樹脂をろ別したのち、真空乾燥して、下記各式で表される繰り返し単位からなり、Mwが13,000のランダム共重合体(収率95%)を得た。この共重合体を、樹脂(a-1) とする。
Figure 2005018087
合成例
合成例1で用いたセパラブルフラスコに、テトラヒドロフラン200部と蒸留水200部を仕込んだのち、リトコール酸100部、α−ブロモ酢酸t−ブチル57部および炭酸カリウム40部を溶解させ、窒素気流下で18時間還流しつつ反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、酢酸エチル400部と蒸留水400部を加えて、水層を分離したのち、有機層を水酸化カリウムの10%水溶液で2回洗浄して、未反応のリトコール酸を除去した。次いで、反応生成物を蒸留水で3回洗浄し、溶剤等を留去したのち、真空乾燥して、白色固体を得た。
この固体は、NMR測定により、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル(収率96%)であると同定された。この化合物を、化合物(B-1) とする。
Figure 2005018087
合成例
合成例1で用いたセパラブルフラスコに、ジオキサン200部を仕込んだのち、アダマンタンカルボン酸100部、ジヒドロピラン140部およびピリジニウムp−トルエンスルホネート2部を溶解させ、10℃で48時間攪拌しつつ反応させた。その後、炭酸カリウムの5%水溶液400部と酢酸エチル400部を加え、水層を分離して、有機層を3回水洗したのち、溶剤等を留去して、無色オイル状のアダマンタンカルボン酸テトラヒドロピラニル(収率90%)を得た。この化合物を、化合物(B-2) とする。
Figure 2005018087
実施例1〜および比較例1〜3
表1に示す各成分からなる組成物溶液を用いて形成した被膜について、放射線透過率および相対エッチング速度を評価した。
評価結果を、表1に示す。
実施例および比較例4〜6
表2に示す各成分からなる組成物溶液を用いてレジストパターンを形成して、パターン形状、感度、解像度およびコンタクトホールの解像度を評価した。
評価結果を、表3に示す。
表1および表2における樹脂および化合物()以外の成分は、下記のとおりである。(C-1) :4,4’−ジ−t−ブチルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート
(C-2) :シクロヘキシル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタ ンスルホネート
(D-1) :シクロヘキサノン
(D-2) :2−ヘプタノン
(E-1) :トリn−ブチルアミン
(E-2) :ニコチン酸アミド
Figure 2005018087
Figure 2005018087
Figure 2005018087

Claims (1)

  1. (A)側鎖のみに脂環式骨格を有する樹脂、
    (B)下記一般式(1)で表される分子量1,000以下の化合物、および
    (C)放射線の照射により酸を発生する感放射線性酸発生剤
    を含有する感放射線性樹脂組成物であって、前記成分(A)と成分(B)との少なくとも一方が酸開裂性基を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2005018087
    〔一般式(1)において、R1 およびR2 はそれぞれ独立に水素原子または酸開裂性基を示し、Zは環を構成する炭素原子の合計数が7〜25の環状炭化水素構造を有する基を示し、aは0〜6の整数、bは1〜6の整数である。〕
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