JP4123654B2 - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感放射線性樹脂組成物に関わり、さらに詳しくは、KrFエキシマレーザーあるいはArFエキシマレーザー等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線の如き各種の放射線を使用する微細加工に有用な化学増幅型レジストとして好適に使用することができる感放射線性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、より高い集積度を得るために、最近では0.20μm以下のレベルでの微細加工が可能なリソグラフィー技術が必要とされている。
しかし、従来のリソグラフィープロセスでは、一般に放射線としてi線等の近紫外線が用いられているが、この近紫外線では、サブクオーターミクロンレベルの微細加工が極めて困難であると言われている。
そこで、0.20μm以下のレベルでの微細加工を可能とするために、より波長の短い放射線の利用が検討されている。このような短波長の放射線としては、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、電子線等を挙げることができるが、これらのうち、特にKrFエキシマレーザー(波長248nm)あるいはArFエキシマレーザー(波長193nm)が注目されている。
このようなエキシマレーザーによる照射に適した感放射線性樹脂組成物として、酸解離性官能基を有する成分と放射線の照射(以下、「露光」という。)により酸を発生する成分(以下、「酸発生剤」という。)とによる化学増幅効果を利用した組成物(以下、「化学増幅型感放射線性組成物」という。)が数多く提案されている。
化学増幅型感放射線性組成物としては、例えば、特公平2−27660号公報には、カルボン酸のt−ブチルエステル基またはフェノールのt−ブチルカーボナート基を有する重合体と酸発生剤とを含有する組成物が提案されている。この組成物は、露光により発生した酸の作用により、重合体中に存在するt−ブチルエステル基あるいはt−ブチルカーボナート基が解離して、該重合体がカルボキシル基あるいはフェノール性水酸基からなる酸性基を有するようになり、その結果、レジスト被膜の露光領域がアルカリ現像液に易溶性となる現象を利用したものである。
【0003】
ところで、従来の化学増幅型感放射線性組成物の多くは、フェノール系樹脂をベースにするものであるが、このような樹脂の場合、放射線として遠紫外線を使用すると、樹脂中の芳香族環に起因して遠紫外線が吸収されるため、露光された遠紫外線がレジスト被膜の下層部まで十分に到達できないという欠点があり、そのため露光量がレジスト被膜の上層部では多く、下層部では少なくなり、現像後のレジストパターンが上部が細く下部にいくほど太い台形状になってしまい、十分な解像度が得られないなどの問題があった。その上、現像後のレジストパターンが台形状となった場合、次の工程、即ちエッチングやイオンの打ち込みなどを行う際に、所望の寸法精度が達成できず、問題となっていた。しかも、レジストパターン上部の形状が矩形でないと、ドライエッチングによるレジストの消失速度が速くなってしまい、エッチング条件の制御が困難になる問題もあった。
一方、レジストパターンの形状は、レジスト被膜の放射線透過率を高めることにより改善することができる。例えば、ポリメチルメタクリレートに代表される(メタ)アクリレート系樹脂は、遠紫外線に対しても透明性が高く、放射線透過率の観点から非常に好ましい樹脂であり、例えば特開平4−226461号公報には、メタクリレート系樹脂を使用した化学増幅型感放射線性樹脂組成物が提案されている。しかしながら、この組成物は、微細加工性能の点では優れているものの、芳香族環をもたないため、ドライエッチング耐性が低いという欠点があり、この場合も高精度のエッチング加工を行うことが困難であり、放射線に対する透明性とドライエッチング耐性とを兼ね備えたものとは言えない。
【0004】
また、化学増幅型感放射線性樹脂組成物からなるレジストについて、放射線に対する透明性を損なわないで、ドライエッチング耐性を改善する方策の一つとして、組成物中の樹脂成分に、芳香族環に代えて脂環族環を導入する方法が知られており、例えば特開平7−234511号公報には、脂環族環を有する(メタ)アクリレート系樹脂を使用した化学増幅型感放射線性樹脂組成物が提案されている。
しかしながら、この組成物では、樹脂成分が有する酸解離性官能基として、従来の酸により比較的解離し易い基(例えば、テトラヒドロピラニル基等のアセタール系官能基)や酸により比較的解離し難い基(例えば、t−ブチルエステル基、t−ブチルカーボネート基等のt−ブチル系官能基)が用いられており、前者の酸解離性官能基を有する樹脂成分の場合、レジストの基本物性、特に感度やパターン形状は良好であるが、組成物としての保存安定性に難点があり、また前者の酸解離性官能基を有する樹脂成分では、逆に保存安定性は良好であるが、レジストの基本物性、特に感度やパターン形状が損なわれるという欠点がある。さらに、この組成物中の樹脂成分には脂環族環が導入されているため、樹脂自体の疎水性が非常に高くなり、基板に対する接着性の面でも問題があった。
しかも、従来の化学増幅型感放射線性組成物では、微細加工の進展とともに、得られる半導体素子の歩留りを悪化させるという理由から、レジストパターン加工時の現像欠陥が大きな問題となってきている。
そこで、遠紫外線に代表される放射線に対する透明性が高く、しかもドライエッチング耐性、感度、解像度、パターン形状等に優れるのみならず、微細加工時に現像欠陥を生じることがなく、半導体素子を高い歩留りで製造しうる化学増幅型感放射線性樹脂組成物の開発が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、活性放射線、例えばKrFエキシマレーザーあるいはArFエキシマレーザーに代表される遠紫外線、に感応する化学増幅型レジストとして、放射線に対する透明性が高く、しかもドライエッチング耐性、感度、解像度、パターン形状等のレジストとしての基本物性に優れるとともに、微細加工時の現像欠陥を生じることがなく、半導体素子を高い歩留りで製造しうる感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、前記課題は、第一に、
(A)下記一般式(1)に示す繰返し単位(1-I) 、繰返し単位(1-II)および繰返し単位(1-III) を有するアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の酸解離性基含有樹脂であって、該酸解離性基が解離したときアルカリ可溶性となる樹脂、並びに(B)感放射線性酸発生剤を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物、
【0007】
【化3】
【0008】
〔一般式(1)において、A1 およびB1 は相互に独立に水素原子または炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を示し、X1 およびY1 は相互に独立に水素原子、1価の酸素含有極性基または1価の窒素含有極性基を示し、かつX1 とY1 の少なくとも1つは該酸素含有極性基または該窒素含有極性基であり、nは0〜2の整数であり、R1 は水素原子またはメチル基を示し、R2 は脂環式骨格を有する炭素数3〜15の2価の炭化水素基を示す。〕
によって達成される。
【0009】
また、本発明によると、前記課題は、第二に、
(A)下記一般式(2)に示す繰返し単位(2-I) 、繰返し単位(2-II)、繰返し単位(2-III) および繰返し単位(2-IV)を有するアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の酸解離性基含有樹脂であって、該酸解離性基が解離したときアルカリ可溶性となる樹脂、並びに(B)感放射線性酸発生剤を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物、
【0010】
【化4】
【0011】
〔一般式(2)において、A2 およびB2 は相互に独立に水素原子、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または酸の存在下で解離して酸性官能基を生じる炭素数20以下の酸解離性基を示し、かつA2 とB2 の少なくとも1つは該酸解離性基であり、X2 およびY2 は相互に独立に水素原子、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、1価の酸素含有極性基または1価の窒素含有極性基を示し、かつX2 とY2 の少なくとも1つは該酸素含有極性基または該窒素含有極性基であり、iおよびjは相互に独立に0〜2の整数であり、R1 は水素原子またはメチル基を示し、R2 は脂環式骨格を有する炭素数3〜15の2価の炭化水素基を示す。〕
によって達成される。
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
(A)成分
本発明における(A)成分は、前記一般式(1)に示す繰返し単位(1-I) 、繰返し単位(1-II)および繰返し単位(1-III) を有する有するアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の酸解離性基含有樹脂であって、該酸解離性基が解離したときアルカリ可溶性となる樹脂(以下、「樹脂(A1)」という。)、あるいは前記一般式(2)に示す繰返し単位(2-I) 、繰返し単位(2-II)、繰返し単位(2-III) および繰返し単位(2-IV)を有するアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の酸解離性基含有樹脂であって、該酸解離性基が解離したときアルカリ可溶性となる樹脂(以下、「樹脂(A2)」という。)からなる。
本発明においては、樹脂(A1)あるいは樹脂(A2)を含有することにより、レジストとして、特に、放射線に対する透明性およびドライエッチング耐性が優れ、かつ微細加工時に現像欠陥を生じることのない感放射線性樹脂組成物を得ることができる。
【0013】
樹脂(A1)において、繰返し単位(1-I) におけるA1 およびB1 の炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
これらのアルキル基のうち、特に、メチル基、エチル基等が好ましい。
【0014】
また、繰返し単位(1-I) におけるX1 およびY1 の1価の酸素含有極性基としては、例えば、ヒドロキシル基;カルボキシル基;ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシル基等を挙げることができ、また1価の窒素含有極性基としては、例えば、シアノ基;シアノメチル基、2−シアノエチル基等の炭素数1〜4のシアノアルキル基等を挙げることができる。
これらの酸素含有極性基および窒素含有極性基のうち、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基、シアノ基、シアノメチル基等が好ましい。
繰返し単位(1-I) におけるX1 とY1 の両方が酸素含有極性基または窒素含有極性基であるとき、X1 およびY1 がともに酸素含有極性基でも窒素含有極性基でもよく、またX1 とY1 の何れか一方が酸素含有極性基で他方が窒素含有極性基でもよい。
また、繰返し単位(1-I) におけるnとしては、0または1が好ましい。
樹脂(A1)において、繰返し単位(1-I) は、単独でまたは2種以上が存在することができる。
【0015】
次に、樹脂(A2)において、繰返し単位(2-I) におけるA2 およびB2 の炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
これらのアルキル基のうち、特に、メチル基、エチル基等が好ましい。
【0016】
また、繰返し単位(2-I)におけるA2 およびB2 の酸の存在下で解離して酸性官能基を生じる炭素数20以下の酸解離性基(以下、「酸解離性有機基(i)」という。)としては、酸の存在下で解離してカルボキシル基を生じる基が好ましい。
酸解離性有機基(i)としては、例えば、
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘプチルオキシカルボニル基、シクロオクチルオキシカルボニル基等の(シクロ)アルコキシカルボニル基;
フェノキシカルボニル基、4−t−ブチルフェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基等のアリーロキシカルボニル基;
ベンジルオキシカルボニル基、4−t−ブチルベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基、4−t−ブチルフェネチルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基;
【0017】
1−メトキシエトキシカルボニル基、1−エトキシエトキシカルボニル基、1−n−プロポキシエトキシカルボニル基、1−i−プロポキシエトキシカルボニル基、1−n−ブトキシエトキシカルボニル基、1−(2’−メチルプロポキシ)エトキシカルボニル基、1−(1’−メチルプロポキシ)エトキシカルボニル基、1−t−ブトキシエトキシカルボニル基、1−シクロヘキシルオキシエトキシカルボニル基、1−(4’−t−ブチルシクロヘキシルオキシ)エトキシカルボニル基等の1−(シクロ)アルキルオキシエトキシカルボニル基;
1−フェノキシエトキシカルボニル基、1−(4’−t−ブチルフェノキシ)エトキシカルボニル基、1−(1’−ナフチルオキシ)エトキシカルボニル基等の1−アリーロキシエトキシカルボニル基;
1−ベンジルオキシエトキシカルボニル基、1−(4’−t−ブチルベンジルオキシ)エトキシカルボニル基、1−フェネチルオキシエトキシカルボニル基、1−(4’−t−ブチルフェネチルオキシ)エトキシカルボニル基等の1−アラルキルオキシエトキシカルボニル基;
【0018】
メトキシカルボニルメトキシカルボニル基、エトキシカルボニルメトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニルメトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニルメトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニルメトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニルメトキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニルメトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニルメトキシカルボニル基、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニルメトキシカルボニル基等の(シクロ)アルコキシカルボニルメトキシカルボニル基;
メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、i−プロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基、2−メチルプロポキシカルボニルメチル基、1−メチルプロポキシカルボニルメチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、シクロヘキシルオキシカルボニルメチル基、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニルメチル基等の(シクロ)アルコキシカルボニルメチル基;
フェノキシカルボニルメチル基、4−t−ブチルフェノキシカルボニルメチル基、1−ナフチルオキシカルボニルメチル基等のアリーロキシカルボニルメチル基;
ベンジルオキシカルボニルメチル基、4−t−ブチルベンジルオキシカルボニルメチル基、フェネチルオキシカルボニルメチル基、4−t−ブチルフェネチルオキシカルボニルメチル基等のアラルキルオキシカルボニルメチル基;
【0019】
2−メトキシカルボニルエチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、2−n−プロポキシカルボニルエチル基、2−i−プロポキシカルボニルエチル基、2−n−ブトキシカルボニルエチル基、2−(2’−メチルプロポキシ)カルボニルエチル基、2−(1’−メチルプロポキシ)カルボニルエチル基、2−t−ブトキシカルボニルエチル基、2−シクロヘキシルオキシカルボニルエチル基、2−(4’−t−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニル)エチル基等の2−(シクロ)アルコキシカルボニルエチル基;
2−フェノキシカルボニルエチル基、2−(4’−t−ブチルフェノキシカルボニル)エチル基、2−(1’−ナフチルオキシカルボニル)エチル基等の2−アリーロキシカルボニルエチル基;
2−ベンジルオキシカルボニルエチル基、2−(4’−t−ブチルベンジルオキシカルボニル)エチル基、2−フェネチルオキシカルボニルエチル基、2−(4’−t−ブチルフェネチルオキシカルボニル)エチル基等の2−アラルキルオキシカルボニルエチル基や、
テトラヒドロフラニルオキシカルボニル基、テトラヒドロピラニルオキシカルボニル基
等を挙げることができる。
【0020】
これらの酸解離性有機基(i)のうち、基−COOR’〔但し、R’は炭素数1〜19の(シクロ)アルキル基を示す。〕または基−COOCH2 COOR''〔但し、R''は炭素数1〜17の(シクロ)アルキル基を示す。〕に相当するものが好ましく、特に、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニル基等が好ましい。
また、繰返し単位(2-I) におけるiとしては、0または1が好ましい。
樹脂(A2)において、繰返し単位(2-I) は、単独でまたは2種以上が存在することができる。
【0021】
また、繰返し単位(2-II)におけるX2 およびY2 の炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
これらのアルキル基のうち、特に、メチル基、エチル基等が好ましい。
【0022】
また、繰返し単位(2-II)におけるX2 およびY2 の1価の酸素含有極性基としては、例えば、ヒドロキシル基;カルボキシル基;ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシル基等を挙げることができ、また1価の窒素含有極性基としては、例えば、シアノ基;シアノメチル基、2−シアノエチル基等の炭素数2〜5のシアノアルキル基等を挙げることができる。
これらの酸素含有極性基および窒素含有極性基のうち、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基、シアノ基、シアノメチル基等が好ましい。
繰返し単位(2-II)におけるX2 とY2 の両方が酸素含有極性基または窒素含有極性基であるとき、X2 およびY2 がともに酸素含有極性基でも窒素含有極性基でもよく、またX2 とY2 の何れか一方が酸素含有極性基で他方が窒素含有極性基でもよい。
また、繰返し単位(2-II)におけるjとしては、0または1が好ましい。
樹脂(A2)において、繰返し単位(2-II)は、単独でまたは2種以上が存在することができる。
【0023】
さらに、樹脂(A1)における繰返し単位(1-II)および樹脂(A2)におけるおよび繰返し単位(2-III) は、無水マレイン酸に由来する単位である。無水マレイン酸は、繰返し単位(1-I) 、繰返し単位(2-I) あるいは繰返し単位(2-II)を与えるノルボルネン誘導体、後述するノルボルネンや他のノルボルネン誘導体との共重合性が良好であり、これらのノルボルネン(誘導体)と共重合することにより、得られる樹脂(A1)および樹脂(A2)の分子量を所望の値にまで大きくすることができる。
【0024】
また、樹脂(A1)における繰返し単位(1-III) および樹脂(A2)における繰返し単位(2-IV)のR2 の脂環式骨格を有する炭素数3〜15の2価の炭化水素基としては、例えば、ノルボルナン骨格、トリシクロデカン骨格、テトラシクロドデカン骨格、アダマンタン骨格や、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン類等に由来する脂環式骨格を有する基;これらの脂環式骨格を有する基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基の1種以上あるいは1個以上で置換した基等を挙げることができる。
これらの炭化水素基のうち、特に、ノルボルナン骨格、トリシクロデカン骨格、テトラシクロドデカン骨格またはアダマンタン骨格を有する基や、これらの基を前記アルキル基で置換した基等が好ましい。
R2 の好ましい具体例としては、例えば、下記式(3-I) 〜(3-XV)で表される基等を挙げることができる。但し、これらの基においては、2つの結合手(−)のうち何れが各繰返し単位中のt−ブトキシカルボニル基と結合してもよい。
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】
これらの基のうち、特に、式(3-I) 、式(3-II)、式(3-V) 、式(3-VI)、式(3-VII) または式(3-X) で表される基等が好ましい。
繰返し単位(1-III) および繰返し単位(2-IV)中のt−ブトキシカルボニル基は、酸の存在下で解離する酸解離性基である。
樹脂(A1)および樹脂(A2)において、繰返し単位(1-III) および繰返し単位(2-IV)はそれぞれ、単独でまたは2種以上が存在することができる。
【0029】
樹脂(A1)において、繰返し単位(1-I) を与える単量体としては、例えば、下記一般式(4)で表される化合物(以下、「ノルボルネン誘導体(4) 」という。)を挙げることができる。
【0030】
【化8】
〔一般式(4)において、A1 、B1 、X1 、Y1 およびnは一般式(1)におけるそれぞれA1 、B1 、X1 、Y1 およびnと同義である。〕
【0031】
ノルボルネン誘導体(4) のうち、nが0の好ましい化合物の具体例としては、
5−ヒドロキシビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシメチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(2’−ヒドロキシエチル)−5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシメチル−5−エチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(2’−ヒドロキシエチル)−5−エチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシ−6−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシメチル−6−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(2’−ヒドロキシエチル)−6−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシ−6−エチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシメチル−6−エチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(2’−ヒドロキシエチル)−6−エチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジヒドロキシビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
【0032】
5−シアノビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−シアノメチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(2’−シアノエチル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−シアノ−5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−シアノメチル−5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(2’−シアノエチル)−5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−シアノ−5−エチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−シアノメチル−5−エチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(2’−シアノエチル)−5−エチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−シアノ−6−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−シアノメチル−6−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(2’−シアノエチル)−6−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−シアノ−6−エチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−シアノメチル−6−エチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(2’−シアノエチル)−6−エチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジシアノビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(シアノメチル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(2’−シアノエチル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン
等を挙げることができる。
【0033】
また、ノルボルネン誘導体(4) のうち、nが1の好ましい化合物の具体例としては、
8−ヒドロキシテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2’−ヒドロキシエチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシ−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシメチル−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2’−ヒドロキシエチル)−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシ−8−エチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシメチル−8−エチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2’−ヒドロキシエチル)−8−エチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシ−9−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシメチル−9−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2’−ヒドロキシエチル)−9−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシ−9−エチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシメチル−9−エチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2’−ヒドロキシエチル)−9−エチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジヒドロキシテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(ヒドロキシメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(2’−ヒドロキシエチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
【0034】
8−シアノテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−シアノメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2’−シアノエチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−シアノ−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−シアノメチル−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2’−シアノエチル)−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−シアノ−8−エチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−シアノメチル−8−エチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2’−シアノエチル)−8−エチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−シアノ−9−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−シアノメチル−9−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2’−シアノエチル)−9−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−シアノ−9−エチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−シアノメチル−9−エチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2’−シアノエチル)−9−エチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジシアノテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(シアノメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(2’−シアノエチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン
等を挙げることができる。
【0035】
これらのノルボルネン誘導体(3) のうち、特に、
5−ヒドロキシビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−6−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−6−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、5−シアノメチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、5−シアノ−5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、5−シアノメチル−5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、5−シアノメチル−6−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
【0036】
8−ヒドロキシテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシ−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチル−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシ−9−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチル−9−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−シアノテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8−シアノメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8−シアノ−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8−シアノメチル−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8−シアノ−9−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8−シアノメチル−9−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン
等が好ましい。
【0037】
次に、樹脂(A2)において、繰返し単位(2-I) を与える単量体としては、例えば、下記一般式(5)で表される化合物(以下、「ノルボルネン誘導体(5) 」という。)を挙げることができる。
【0038】
【化9】
〔一般式(5)において、A2 、B2 およびiは一般式(2)におけるそれぞれA2 、B2 およびiと同義である。〕
【0039】
ノルボルネン誘導体(5)のうち、nが0の好ましい化合物の具体例としては、
5−メトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−エトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−n−プロポキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−i−プロポキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−n−ブトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(2’−メチルプロポキシ)カルボニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(1’−メチルプロポキシ)カルボニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−t−ブトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
【0040】
5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(4’−t−ブチルシクロヘキシルオキシ)カルボニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−フェノキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(1’−エトキシエトキシ)カルボニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(1’−シクロヘキシルオキシエトキシ)カルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
【0041】
5,6−ジ(メトキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(エトキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(n−プロポキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(i−プロポキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(n−ブトキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(2’−メチルプロポキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(1’−メチルプロポキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(t−ブトキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
【0042】
5,6−ジ(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(4’−t−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(フェノキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(1’−エトキシエトキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(1’−シクロヘキシルオキシエトキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(テトラヒドロフラニルオキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン
等を挙げることができる。
【0043】
また、ノルボルネン誘導体(5)のうち、nが1の好ましい化合物の具体例としては、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−i−プロポキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2’−メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(1’−メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−t−ブトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
【0044】
8−シクロヘキシルオキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(4’−t−ブチルシクロヘキシルオキシ)カルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(1’−エトキシエトキシ)カルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(1’−シクロヘキシルオキシエトキシ)カルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
【0045】
8,9−ジ(メトキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(エトキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(n−プロポキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(i−プロポキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(n−ブトキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(2’−メチルプロポキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(1’−メチルプロポキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(t−ブトキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
【0046】
8,9−ジ(シクロヘキシルオキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(4’−t−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(フェノキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(1’−エトキシエトキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(1’−シクロヘキシルオキシエトキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(テトラヒドロフラニルオキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン
等を挙げることができる。
【0047】
これらのノルボルネン誘導体(5)のうち、特に、
5−t−ブトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、5−t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(t−ブトキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
8−t−ブトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8−t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8,9−ジ(t−ブトキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8,9−ジ(t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン
等が好ましい。
【0048】
また、繰返し単位(2-II)を与える単量体としては、例えば、下記一般式(6)で表される化合物(以下、「ノルボルネン誘導体(6) 」という。)を挙げることができる。
【0049】
【化10】
〔一般式(6)において、X2 、Y2 およびjは一般式(2)におけるそれぞれX2 、Y2 およびjと同義である。〕
【0050】
ノルボルネン誘導体(6) のうち、nが0の化合物の好ましい具体例としては5−ヒドロキシビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシメチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシ−6−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシメチル−6−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(2’−ヒドロキシエチル)−6−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシ−6−エチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシメチル−6−エチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(2’−ヒドロキシエチル)−6−エチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
【0051】
5−シアノビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−シアノメチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(2’−シアノエチル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−シアノ−6−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−シアノメチル−6−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(2’−シアノエチル)−6−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−シアノ−6−エチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−シアノメチル−6−エチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(2’−シアノエチル)−6−エチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジシアノビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(シアノメチル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(2’−シアノエチル)ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン
等を挙げることができる。
【0052】
また、ノルボルネン誘導体(6) のうち、nが1の化合物の好ましい具体例としては
8−ヒドロキシテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2’−ヒドロキシエチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシ−9−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシメチル−9−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2’−ヒドロキシエチル)−9−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシ−9−エチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシメチル−9−エチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2’−ヒドロキシエチル)−9−エチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
【0053】
8−シアノテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−シアノメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2’−シアノエチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−シアノ−9−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−シアノメチル−9−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2’−シアノエチル)−9−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−シアノ−9−エチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−シアノメチル−9−エチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2’−シアノエチル)−9−エチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジシアノテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(シアノメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(2’−シアノエチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン
等を挙げることができる。
【0054】
これらのノルボルネン誘導体(6) のうち、特に、
5−ヒドロキシビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−6−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−6−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、5−シアノメチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、5−シアノメチル−6−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
8−ヒドロキシテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシ−9−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチル−9−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−シアノテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8−シアノメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8−シアノ−9−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8−シアノメチル−9−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン
等が好ましい。
【0055】
さらに、樹脂(A1)および樹脂(A2)において、繰返し単位(1-III) および繰返し単位(2-IV) を与える単量体は、(メタ)アクリル酸中のカルボキシル基の水素原子を、基−R2 −Z(但し、Zはt−ブトキシカルボニル基を示す。)で置換した化合物(以下、「(メタ)アクリル酸誘導体(α)」という。)からなる。
この場合の基−R2 −ZのR2 としては、前記式(3-I) 、式(3-II)、式(3-V) 、式(3-VI)、式(3-VII) または式(3-X) で表される基が特に好ましい。
【0056】
樹脂(A1)および樹脂(A2)は、前記以外の繰返し単位(以下、「他の繰返し単位」という。)を1種以上有することもできる。
他の繰返し単位としては、例えば、ノルボルネン(即ち、ビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン)、酸解離性を有する他のノルボルネン誘導体、酸解離性基をもたない他のノルボルネン誘導体や、これら以外の重合性不飽和単量体(以下、単に「他の単量体」という。)の重合性不飽和結合が開裂して得られる繰返し単位を挙げることができる。
【0057】
酸解離性を有する他のノルボルネン誘導体の具体例としては、
5−メトキシカルボニル−5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−エトキシカルボニル−5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−n−プロポキシカルボニル−5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−i−プロポキシカルボニル−5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−n−ブトキシカルボニル−5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(2’−メチルプロポキシ)カルボニル−5−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−(1’−メチルプロポキシ)カルボニル−5−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−t−ブトキシカルボニル−5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−シクロヘキシルオキシカルボニル−5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(4’−t−ブチルシクロヘキシルオキシ)カルボニル−5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−フェノキシカルボニル−5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−(1’−エトキシエトキシ)カルボニル−5−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−(1’−シクロヘキシルオキシエトキシ)カルボニル−5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニル−5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−テトラヒドロフラニルオキシカルボニル−5−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル−5−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
【0058】
8−メトキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−エトキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−n−プロポキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−i−プロポキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−n−ブトキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2’−メチルプロポキシ)カルボニル−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(1’−メチルプロポキシ)カルボニル−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−t−ブトキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−シクロヘキシルオキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(4’−t−ブチルシクロヘキシルオキシ)カルボニル−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−フェノキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(1’−エトキシエトキシ)カルボニル−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(1’−シクロヘキシルオキシエトキシ)カルボニル−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−テトラヒドロフラニルオキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン
等を挙げることができる。
【0059】
また、酸解離性をもたない他のノルボルネン誘導体の具体例としては、
5−メチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン、
テトラシクロ [4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチルテトラシクロ [4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−エチルテトラシクロ [4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−フルオロテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
【0060】
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロイソプロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2’,2’,2’−トリフルオロカルボエトキシ)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−(2’,2’,2’−トリフルオロカルボエトキシ)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
【0061】
ジシクロペンタジエン、トリシクロ[ 5.2.1.02,6 ] デカ−8−エン、トリシクロ[ 5.2.1.02,6 ] デカ−3−エン、トリシクロ[ 4.4.0.12,5 ] ウンデカ−3−エン、トリシクロ[ 6.2.1.01,8 ] ウンデカ−9−エン、トリシクロ[ 6.2.1.01,8 ] ウンデカ−4−エン、テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10.01,6 ] ドデカ−3−エン、8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10.01,6 ] ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,12 ]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10.01,6 ] ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[ 6.5.1.13,6 .02,7 .09,13 ]ペンタデカ−4−エン、ペンタシクロ[ 7.4.0.12,5 .19,12.08,13 ]ペンタデカ−3−エン等を挙げることができる。
【0062】
さらに、他の単量体としては、例えば、
(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸テトラシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸アダマンチルメチル、(メタ)アクリル酸1−メチルアダマンチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸シクロプロピル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキセニル、(メタ)アクリル酸4−メトキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−シクロプロピルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−シクロペンチルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−シクロヘキシルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−シクロヘキセニルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−(4’−メトキシシクロヘキシル)オキシカルボニルエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;
【0063】
α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸n−プロピル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸n−ブチル等のα−ヒドロキシメチルアクリル酸エステル類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;
(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、クロトンニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル、メサコンニトリル、シトラコンニトリル、イタコンニトリル等の不飽和ニトリル化合物;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド等の不飽和アミド化合物;
N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の他の含窒素ビニル化合物;
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和カルボン酸類;
(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸2−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−カルボキシブチル、(メタ)アクリル酸4−カルボキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸カルボキシトリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸カルボキシテトラシクロデカニル等の不飽和カルボン酸のカルボキシル基含有エステル類;前記不飽和カルボン酸類あるいは前記不飽和カルボン酸のカルボキシル基含有エステル類中のカルボキシル基を、下記する酸解離性有機基(以下、「酸解離性有機基(ii) 」という。)に変換した化合物
等の単官能性単量体や、
【0064】
メチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼンジ(メタ)アクリレート、1,3−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼンジ(メタ)アクリレート、1,2−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルジメチロールジ(メタ)アクリレート等の多官能性単量体
等を挙げることができる。
【0065】
酸解離性有機基(ii) としては、例えば、カルボキシル基の水素原子を、置換メチル基、1−置換エチル基、1−分岐アルキル基、シリル基、ゲルミル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、環式酸解離性基等で置換した基を挙げることができる。
前記置換メチル基としては、例えば、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、エチルチオメチル基、メトキシエトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、フェナシル基、ブロモフェナシル基、メトキシフェナシル基、メチルチオフェナシル基、α−メチルフェナシル基、シクロプロピルメチル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、ブロモベンジル基、ニトロベンジル基、メトキシベンジル基、メチルチオベンジル基、エトキシベンジル基、エチルチオベンジル基、ピペロニル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、イソプロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基等を挙げることができる。
また、前記1−置換エチル基としては、例えば、1−メトキシエチル基、1−メチルチオエチル基、1,1−ジメトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−エチルチオエチル基、1,1−ジエトキシエチル基、1−フェノキシエチル基、1−フェニルチオエチル基、1,1−ジフェノキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル基、1−ベンジルチオエチル基、1−シクロプロピルエチル基、1−フェニルエチル基、1,1−ジフェニルエチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、1−n−プロポキシカルボニルエチル基、1−イソプロポキシカルボニルエチル基、1−n−ブトキシカルボニルエチル基、1−t−ブトキシカルボニルエチル基等を挙げることができる。
【0066】
また、前記1−分岐アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基等を挙げることができる。
また、前記シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、メチルジイソプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メチルジ−t−ブチルシリル基、トリ−t−ブチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。
また、前記ゲルミル基としては、例えば、トリメチルゲルミル基、エチルジメチルゲルミル基、メチルジエチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、イソプロピルジメチルゲルミル基、メチルジイソプロピルゲルミル基、トリイソプロピルゲルミル基、t−ブチルジメチルゲルミル基、メチルジ−t−ブチルゲルミル基、トリ−t−ブチルゲルミル基、フェニルジメチルゲルミル基、メチルジフェニルゲルミル基、トリフェニルゲルミル基等を挙げることができる。
また、前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0067】
また、前記アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピペロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、オレオイル基、マレオイル基、フマロイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、p−トルエンスルホニル基、メシル基等を挙げることができる。
さらに、前記環式酸解離性基としては、例えば、3−オキソシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、2−オキソ−4−メチル−4−テトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基、3−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド基等を挙げることができる。
【0068】
樹脂(A1)において、繰返し単位(1-I)の含有率は、全繰返し単位に対して、通常、10〜60モル%、好ましくは10〜50モル%、さらに好ましくは10〜45モル%である。この場合、繰返し単位(1-I)の含有率が10モル%未満では、得られるレジスト被膜が現像液をはじき、現像性が低下する傾向があり、一方60モル%を超えると、得られるレジスト被膜が現像液により膨潤しやすくなる傾向がある。
また、繰返し単位(1-II)の含有率は、全繰返し単位に対して、通常、10〜50モル%、好ましくは15〜45モル%、さらに好ましくは15〜40モル%である。この場合、繰返し単位(1-II)の含有率が10モル%未満では、得られるレジスト被膜の基板との密着性が低下する傾向があり、一方50モル%を超えると、得られるレジスト被膜の放射線に対する透明性が低下して、パターン形状が損なわれるおそれがある。
また、繰返し単位(1-III) の含有率は、全繰返し単位に対して、通常、10〜50モル%、好ましくは10〜45モル%、さらに好ましくは15〜45モル%である。この場合、繰返し単位(1-III) の含有率が10モル%未満では、レジストとしての解像度が低下する傾向があり、一方50モル%を超えると、レジストとしてのドライエッチング耐性が低下する傾向がある。
さらに、他の繰返し単位の含有率は、全繰返し単位に対して、通常、20モル%以下、好ましくは10モル%以下である。
【0069】
次に、樹脂(A2)において、繰返し単位(2-I)の含有率は、全繰返し単位に対して、通常、10〜60モル%、好ましくは10〜50モル%、さらに好ましくは10〜45モル%である。この場合、繰返し単位(2-I)の含有率が10モル%未満では、、レジストとしての解像度が低下する傾向があり、一方60モル%を超えると、得られるレジスト被膜が現像液をはじき、現像性が低下する傾向がある。
また、繰返し単位(2-II)の含有率は、全繰返し単位に対して、通常、10〜60モル%、好ましくは10〜50モル%、さらに好ましくは10〜45モル%である。この場合、繰返し単位(2-II)の含有率が10モル%未満では、得られるレジスト被膜が現像液をはじき、現像性が低下する傾向があり、一方60モル%を超えると、得られるレジスト被膜が現像液により膨潤しやすくなる傾向がある。
また、繰返し単位(2-III) の含有率は、全繰返し単位に対して、通常、10〜50モル%、好ましくは15〜45モル%、さらに好ましくは15〜40モル%である。この場合、繰返し単位(2-III) の含有率が10モル%未満では、得られるレジスト被膜の基板との密着性が低下する傾向があり、一方50モル%を超えると、得られるレジスト被膜の放射線に対する透明性が低下して、パターン形状が損なわれるおそれがある。
また、繰返し単位(2-IV)の含有率は、全繰返し単位に対して、通常、10〜50モル%、好ましくは10〜45モル%、さらに好ましくは15〜45モル%である。この場合、繰返し単位(2-IV)の含有率が10モル%未満では、レジストとしての解像度が低下する傾向があり、一方50モル%を超えると、レジストとしてのドライエッチング耐性が低下する傾向がある。
さらに、他の繰返し単位の含有率は、全繰返し単位に対して、通常、10モル%以下、好ましくは5モル%以下である。
【0070】
樹脂(A1)は、例えば、ノルボルネン誘導体(4)、無水マレイン酸および(メタ)アクリル酸誘導体(α)を、場合により他の繰返し単位を与える単量体と共に、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類、アゾ化合物等のラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で重合することにより製造することができる。
また、樹脂(A2)は、例えば、ノルボルネン誘導体(5)、ノルボルネン誘導体(6)、無水マレイン酸および(メタ)アクリル酸誘導体(α)を、場合により他の繰返し単位を与える単量体と共に、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類、アゾ化合物等のラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で重合することにより製造することができる。
前記各重合に使用される溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーエル類等を挙げることができる。
これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、前記各重合における反応温度は、通常、40〜120℃、好ましくは50〜90℃であり、反応時間は、通常、1〜48時間、好ましくは1〜24時間である。
【0071】
樹脂(A1)および樹脂(A2)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、通常、3,000〜300,000、好ましくは4,000〜200,000、さらに好ましくは5,000〜100,000である。この場合、樹脂(A1)および樹脂(A2)のMwが3,000未満では、レジストとしての耐熱性が低下する傾向があり、一方300,000を超えると、レジストとしての現像性が低下する傾向がある。
また、樹脂(A1)および樹脂(A2)のMwとゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)との比(Mw/Mn)は、通常、1〜5、好ましくは1〜3である。なお、樹脂(A1)および樹脂(A2)は、ハロゲン、金属等の不純物が少ないほど好ましく、それにより、レジストとしての感度、解像度、プロセス安定性、パターン形状等をさらに改善することができる。樹脂(A1)および樹脂(A2)の精製法としては、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組み合わせ等を挙げることができる。
本発明において、樹脂(A1)および樹脂(A2)は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、また場合により、樹脂(A1)と樹脂(A2)とを併用することもできる。
【0072】
(B)成分
次に、本発明における(B)成分は、露光により酸を発生する感放射線性酸発生剤(以下、「酸発生剤(B)」という。)からなる。
酸発生剤(B)は、露光により発生した酸の作用によって、樹脂(A1)および樹脂(A2)中に存在する酸解離性基を解離させ、その結果レジスト被膜の露光部がアルカリ現像液に易溶性となり、ポジ型のレジストパターンを形成する作用を有するものである。
このような酸発生剤(B)としては、例えば、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物等を挙げることができる。
これらの酸発生剤(B)の例としては、下記のものを挙げることができる。
【0073】
オニウム塩:
オニウム塩としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩(テトラヒドロチオフェニウム塩を含む。)、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等を挙げることができる。
好ましいオニウム塩の具体例としては、
ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウム n−ドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム n−ドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムナフタレンスルホネート、
トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、トリフェニルスルホニウム 10−カンファースルホネート、
4−ヒドロキシフェニル・フェニル・メチルスルホニウム p−トルエンスルホネート、シクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシル・メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、2−オキソシクロヘキシルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシフェニル・ベンジル・メチルスルホニウム p−トルエンスルホネート、
1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シアノ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ニトロ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シアノ−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ニトロ−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
【0074】
4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(1’−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2’−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−i−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2’−テトラヒドロフラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2’−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ベンジルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(1’−ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート
等を挙げることができる。
【0075】
ハロゲン含有化合物:
ハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物等を挙げることができる。
好ましいハロゲン含有化合物の具体例としては、フェニルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−メトキシフェニルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1−ナフチルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等の(トリクロロメチル)−s−トリアジン誘導体や、1,1−ビス(4’−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン等を挙げることができる。
ジアゾケトン化合物:
ジアゾケトン化合物としては、例えば、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等を挙げることができる。
好ましいジアゾケトンの具体例としては、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,1−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)エタンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等を挙げることができる。
【0076】
スルホン化合物:
スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらの化合物のα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。
好ましいスルホン化合物の具体例としては、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン等を挙げることができる。
スルホン酸化合物:
スルホン酸化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、アルキルスルホン酸イミド、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。
好ましいスルホン酸化合物の具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールのトリス(トリフルオロメタンスルホネート)、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−ヒドロキシスクシイミドトリフルオロメタンスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネート等を挙げることができる。
【0077】
これらの酸発生剤(B)のうち、特に、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、シクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシル・メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、2−オキソシクロヘキシルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(1’−ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−ヒドロキシスクシイミドトリフルオロメタンスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネート等が好ましい。
【0078】
本発明において、酸発生剤(B)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
酸発生剤(B)の使用量は、レジストとしての感度および現像性を確保する観点から、樹脂(A1)あるいは樹脂(A2)100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜7重量部である。この場合、酸発生剤(B)の使用量が0.1重量部未満では、感度および現像性が低下する傾向があり、一方10重量部を超えると、放射線に対する透明性が低下して、矩形のレジストパターンを得られ難くなる傾向がある。
【0079】
各種添加剤
本発明の感放射線性樹脂組成物には、露光により酸発生剤(B)から生じる酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する作用を有する酸拡散制御剤を配合することが好ましい。
このような酸拡散制御剤を配合することにより、得られる感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性がさらに向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上するとともに、露光から現像処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れた組成物が得られる。
酸拡散制御剤としては、レジストパターンの形成工程中の露光や加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。
このような含窒素有機化合物としては、例えば、下記一般式(7)
【0080】
【化11】
〔一般式(7)において、R3 、R4 およびR5 は相互に独立に水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換のアラルキル基を示す。〕
【0081】
で表される化合物(以下、「含窒素化合物(イ)」という。)、同一分子内に窒素原子を2個有する化合物(以下、「含窒素化合物(ロ)」という。)、窒素原子を3個以上有する重合体(以下、「含窒素化合物(ハ)」という。)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
【0082】
含窒素化合物(イ)としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、シクロヘキシルアミン等のモノ(シクロ)アルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン、シクロヘキシルメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジ(シクロ)アルキルアミン類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族アミン類を挙げることができる。
【0083】
含窒素化合物(ロ)としては、例えば、エチレンジアミン、N,N,N',N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4’−アミノフェニル)プロパン、2−(3’−アミノフェニル)−2−(4’−アミノフェニル)プロパン、2−(4’−アミノフェニル)−2−(3’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4’−アミノフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス [1’−(4''−アミノフェニル)−1’−メチルエチル] ベンゼン、1,3−ビス [1’−(4''−アミノフェニル)−1’−メチルエチル] ベンゼン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル等を挙げることができる。
【0084】
含窒素化合物(ハ)としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、2−ジメチルアミノエチルアクリルアミドの重合体等を挙げることができる。
前記アミド基含有化合物としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
前記ウレア化合物としては、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア等を挙げることができる。前記含窒素複素環化合物としては、例えば、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、4−ヒドロキシキノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;ピペラジン、1−(2’−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類のほか、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ [2.2.2] オクタン等を挙げることができる。
【0085】
これらの含窒素有機化合物のうち、含窒素化合物(イ)、含窒素化合物(ロ)、含窒素複素環化合物が好ましい。
前記酸拡散制御剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
酸拡散制御剤の配合量は、樹脂(A1)あるいは樹脂(A2)100重量部に対して、通常、15重量部以下、好ましくは10重量部以下、さらに好ましくは5重量部以下である。この場合、酸拡散制御剤の配合量が15重量部を超えると、レジストとしての感度や露光部の現像性が低下する傾向がある。なお、酸拡散制御剤の配合量が0.001重量部未満であると、プロセス条件によっては、レジストとしてのパターン形状や寸法忠実度が低下するおそれがある。
【0086】
また、本発明の感放射線性樹脂組成物には、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等をさらに改善する作用を示す、酸解離性有機基を有する脂環族添加剤を配合することができる。
このような脂環族添加剤としては、例えば、
1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル、3−アダマンタンカルボン酸t−ブチル、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジ−t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブチル、3−アダマンタン酢酸t−ブチル、1,3−アダマンタンジ酢酸ジ−t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル、デオキシコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、デオキシコール酸3−オキソシクロヘキシル、デオキシコール酸テトラヒドロピラニル、デオキシコール酸メバロノラクトンエステル等のデオキシコール酸エステル類;
リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル、リトコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、リトコール酸3−オキソシクロヘキシル、リトコール酸テトラヒドロピラニル、リトコール酸メバロノラクトンエステル等のリトコール酸エステル類
等を挙げることができる。
これらの脂環族添加剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
脂環族添加剤の配合量は、樹脂(A1)あるいは樹脂(A2)100重量部に対して、通常、50重量部以下、好ましくは30重量部以下である。この場合、脂環族添加剤の配合量が50重量部を超えると、レジストとしての耐熱性が低下する傾向がある。
【0087】
また、本発明の感放射線性樹脂組成物には、塗布性、現像性等を改良する作用を示す界面活性剤を配合することができる。
前記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤のほか、以下商品名で、KP341(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.75,同No.95(共栄社化学(株)製)、エフトップEF301,同EF303,同EF352(トーケムプロダクツ(株)製)、メガファックスF171,同F173(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430,同FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンS−382,同SC−101,同SC−102,同SC−103,同SC−104,同SC−105,同SC−106(旭硝子(株)製)等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
界面活性剤の配合量は、樹脂(A1)あるいは樹脂(A2)と酸発生剤(B)との合計100重量部に対して、通常、2重量部以下である。
また、前記以外の添加剤としては、ハレーション防止剤、接着助剤、保存安定化剤、消泡剤等を挙げることができる。
【0088】
組成物溶液の調製
本発明の感放射線性樹脂組成物は、普通、その使用に際して、全固形分濃度が、通常、5〜50重量%、好ましくは10〜25重量%となるように、溶剤に溶解したのち、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって、組成物溶液として調製される。
前記組成物溶液の調製に使用される溶剤としては、例えば、
2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状もしくは分岐状のケトン類;
シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状のケトン類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類のほか、
【0089】
n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トルエン、キシレン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン
等を挙げることができる。
【0090】
これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができるが、就中、直鎖状もしくは分岐状のケトン類、環状のケトン類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類、3−アルコキシプロピオン酸アルキル類が好ましい。
【0091】
レジストパターンの形成方法
本発明の感放射線性樹脂組成物は、特に化学増幅型ポジ型レジストとして有用である。
前記化学増幅型ポジ型レジストにおいては、露光により酸発生剤(B)から発生した酸の作用によって、樹脂(A1)および樹脂(A2)中の酸解離性基が解離して、カルボキシル基を生じ、その結果、レジストの露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、該露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のレジストパターンが得られる。
本発明の感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハー等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成し、場合により予め加熱処理(以下、「PB」という。)を行ったのち、所定のレジストパターンを形成するように該レジスト被膜に露光する。その際に使用される放射線としては、使用される酸発生剤の種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等を適宜選定して使用されるが、ArFエキシマレーザー(波長193nm)あるいはKrFエキシマレーザー(波長248nm)が好ましい。
本発明においては、露光後に加熱処理(以下、「PEB」という。)を行うことが好ましい。このPEBにより、樹脂(A1)および樹脂(A2)中の酸解離性基の解離反応が円滑に進行する。PEBの加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成によって変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜170℃である。
【0092】
本発明においては、感放射線性樹脂組成物の潜在能力を最大限に引き出すため、例えば特公平6−12452号公報等に開示されているように、使用される基板上に有機系あるいは無機系の反射防止膜を形成しておくこともでき、また環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、例えば特開平5−188598号公報等に開示されているように、レジスト被膜上に保護膜を設けることもでき、あるいはこれらの技術を併用することもできる。
次いで、露光されたレジスト被膜を現像することにより、所定のレジストパターンを形成する。
現像に使用される現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液が好ましい。
前記アルカリ性水溶液の濃度は、通常、10重量%以下である。この場合、アルカリ性水溶液の濃度が10重量%を超えると、非露光部も現像液に溶解するおそれがあり好ましくない。
【0093】
また、前記アルカリ性水溶液からなる現像液には、例えば有機溶媒を添加することもできる。
前記有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類や、フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
有機溶媒の使用量は、アルカリ性水溶液に対して、100容量%以下が好ましい。この場合、有機溶媒の使用量が100容量%を超えると、現像性が低下して、露光部の現像残りが多くなるおそれがある。
また、アルカリ性水溶液からなる現像液には、界面活性剤等を適量添加することもできる。
なお、アルカリ性水溶液からなる現像液で現像したのちは、一般に、水で洗浄して乾燥する。
【0094】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。ここで、部は、特記しない限り重量基準である。
実施例および比較例における各測定・評価は、下記の要領で行った。
Mw:
東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
放射線透過率:
組成物溶液を石英ガラス上にスピンコートにより塗布し、90℃に保持したホットプレート上で60秒間PBを行って形成した膜厚1μmのレジスト被膜について、波長193nmにおける吸光度から、放射線透過率を算出して、遠紫外線領域における透明性の尺度とした。
相対エッチング速度:
組成物溶液をシリコーンウエハー上にスピンコートにより塗布し、乾燥して形成した膜厚0.5μmのレジスト被膜に対して、PMT社製ドライエッチング装置(Pinnacle8000) を用い、エッチングガスをCF4 とし、ガス流量75sccm、圧力2.5mTorr、出力2,500Wの条件でドライエッチングを行って、エッチング速度を測定し、クレゾールノボラック樹脂からなる被膜のエッチング速度に対する相対値により、相対エッチング速度を評価した。エッチング速度が小さいほど、ドライエッチング耐性に優れることを意味する。
感度:
基板として、表面に膜厚520ÅのDeepUV30(ブルワー・サイエンス(Brewer Science)社製)膜を形成したシリコーンウエハー(ARC)を用い、組成物溶液を、各基板上にスピンコートにより塗布し、ホットプレート上にて、表2に示す条件でPBを行って形成した膜厚0.4μmのレジスト被膜に、(株)ニコン製ArFエキシマレーザー露光装置(レンズ開口数0.55、露光波長193nm)により、マスクパターンを介して露光した。その後、表2に示す条件でPEBを行ったのち、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(実施例1〜2)または2.38×1/50重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(比較例1)により、25℃で1分間現像し、水洗し、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。このとき、線幅0.18μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度とした。
解像度:
最適露光量で解像される最小のレジストパターンの寸法を、解像度とした。
現像欠陥:
光学顕微鏡により現像欠陥の有無および程度を観察し、さらにケー・エル・エー・テンコール(株)製のKLA欠陥検査装置を用いて、下記手順により評価した。
KLA欠陥検査装置を用いる評価手順:
寸法0.15μm以上の欠陥を検出できるように感度を設定したKLA欠陥検査装置を用い、アレイモードにて観察して、比較用イメージとピクセル単位の重ね合わせにより生じる差異から抽出されるクラスターおよびアンクラスタ
ーのウエハー1枚当たりの欠陥総数を測定した。
パターン形状:
線幅0.20μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)の方形状断面の下辺寸法L1 と上辺寸法L2 とを走査型電子顕微鏡により測定し、0.85≦L2 /L1 ≦1を満足し、かつパターン形状が裾を引いていない場合を、パターン形状が“良好”であるとした。
【0095】
合成例1
8−メチル−8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン59.3g、無水マレイン酸28.5g、下記式(8)で表されるメタクリル酸誘導体(α)123.7g、アゾビスイソブチロニトリル15g、酢酸n−ブチル212gを、フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、70℃で6時間重合した。重合終了後、反応溶液を室温まで冷却して、大量のi−プロピルアルコール/n−ヘキサン混合溶液中に注ぎ、沈殿した樹脂をろ過して、少量のn−ヘキサンで洗浄したのち、真空乾燥して、Mwが8,500の白色樹脂を得た。
この樹脂は、下記式(9)に示す (9-I) 、(9-II)および(9-III) の各繰返し単位の含有率がそれぞれ29モル%、29モル%および42モル%からなる共重合体であった。この樹脂を、樹脂(A-1) とする。
【0096】
【化12】
【0097】
【化13】
【0098】
合成例2
仕込み原料として、5−t−ブトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン15.5g、8−ヒドロキシテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン47.6g、無水マレイン酸34.3g、下記式(10)で表されるアクリル酸誘導体(α)91.9g、アゾビスイソブチロニトリル15g、酢酸n−ブチル189gを用いた以外は、合成例1と同様にして、Mwが8,200の白色樹脂を得た。
この樹脂は、下記式(11)に示す (11-I) 、(11-II) 、(11-III)および(11-IV) の各繰返し単位の含有率がそれぞれ8モル%、27モル%、35モル%および30モル%からなる共重合体であった。この樹脂を、樹脂(A-2) とする。
【0099】
【化14】
【0100】
【化15】
【0101】
【実施例】
実施例1〜2および比較例1
表1に示す成分からなる各組成物溶液について、各種評価を行った。評価結果を、表3に示す。
表1における樹脂(A-1) 〜(A-2) 以外の成分は、下記のとおりである。
他の樹脂
a-1 :メタクリル酸t−ブチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体(共重合モル比=40/40/20、Mw=20,000)
酸発生剤(B)
B-1 :トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
B-2 :ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
酸拡散制御剤
C-1 :トリ−n−オクチルアミン
C-2 :ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル
他の添加剤
D-1 :1,3−アダマンタンジカルボン酸ジ−t−ブチル
溶剤
E-1 :2−ヘプタノン
E-2 :3−エトキシプロピオン酸エチル
【0102】
【表1】
【0103】
【表2】
【0104】
【表3】
【0105】
【発明の効果】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、化学増幅型レジストとして、放射線に対する透明性が高く、かつ解像度が優れるとともに、ドライエッチング耐性、感度、パターン形状等にも優れるのみならず、微細加工時に現像欠陥を生じることがなく、半導体素子の歩留りを著しく向上させることができ、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体素子の分野において、極めて好適に使用することができる。
Claims (2)
- (A)下記一般式(1)に示す繰返し単位(1-I) 、繰返し単位(1-II) および繰返し単位(1-III) を有するアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の酸解離性基含有樹脂であって、該酸解離性基が解離したときアルカリ可溶性となる樹脂、並びに(B)感放射線性酸発生剤を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
- (A)下記一般式(2)に示す繰返し単位(2-I) 、繰返し単位(2-II)、繰返し単位(2-III) および繰返し単位(2-IV)を有するアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の酸解離性基含有樹脂であって、該酸解離性基が解離したときアルカリ可溶性となる樹脂、並びに(B)感放射線性酸発生剤を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
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