JP3861892B2 - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
従来のリソグラフィープロセスにおいては、一般に放射線としてi線等の近紫外線が用いられているが、近紫外線ではサブクオーターミクロンレベルの微細加工が極めて困難であると言われている。
そこで、サブクオーターミクロンレベルの微細加工を可能とするために、より波長の短い放射線の利用が検討されている。このような短波長の放射線としては、例えば水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、電子線等を挙げることができるが、これらのうち、特にKrFエキシマレーザー(波長248nm)あるいはArFエキシマレーザー(波長193nm)が注目されている。
このような化学増幅型感放射線性組成物としては、例えば、特許文献1には、カルボン酸のt−ブチルエステル基またはフェノールのt−ブチルカーボナート基を有する重合体と酸発生剤とを含有する組成物が提案されている。この組成物は、放射線の照射により発生した酸の作用により、重合体中に存在するt−ブチルエステル基あるいはt−ブチルカーボナート基が開裂して、該重合体がカルボキシル基あるいはフェノール性水酸基からなる酸性基を有するようになり、その結果、レジスト被膜の照射領域がアルカリ現像液に易溶性となる現象を利用したものである。
さらに、化学増幅型感放射線性組成物のレジストとしての特性を改良する方策の一つとして、高分子あるいは低分子の添加剤を配合した3成分以上の多成分系組成物が多数提案されているが、特にレジスト被膜の放射線の透過率と前記添加剤の作用との関係については、未だ十分検討されておらず、特にコンタクトホールの解像度の面で満足できず、さらにはドライエッチング耐性、パターン形状、感度、解像度等を総合した特性バランスの面でも未だ十分ではない。
(A)主鎖のみに脂環式骨格を有し、該脂環式骨格が下記一般式(2)で表される骨格である樹脂(但し、該樹脂中の酸開裂性基は脂環式骨格を有することができる。)、(B)フィルムとして波長193nmの放射線に対する透過率が60%/μm以上である樹脂、並びに(C)放射線の照射により酸を発生する感放射線性酸発生剤を含有する感放射線性樹脂組成物であって、(B)成分の樹脂が(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルあるいは(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルからなる(メタ)アクリル酸エステル類の単独重合体もしくはこれらの共重合体;前記(メタ)アクリル酸エステル類の1種以上と(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸2−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシプロピルおよび(メタ)アクリル酸4−カルボキシブチルの群の1種以上との共重合体;(メタ)アクリル酸t−ブチルの単独重合体、(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸メチル共重合体、(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル共重合体あるいは(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル共重合体からなる(メタ)アクリル酸t−ブチルの(共)重合体;(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニルの単独重合体、(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル/(メタ)アクリル酸メチル共重合体、(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体あるいは(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル共重合体からなる(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニルの(共)重合体;および(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシルの単独重合体、(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル/(メタ)アクリル酸メチル共重合体、(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル/(メタ)アクリル酸共重合体あるいは(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体からなる(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシルの(共)重合体の群から選ばれる単独または2種以上の混合物からなることを特徴とする感放射線性樹脂組成物、
からなる。
樹脂(A)
本発明における(A)成分は、主鎖のみに脂環式骨格を有し、該脂環式骨格が前記一般式(2)で表される骨格である樹脂(以下、「樹脂(A)」という。)からなる。
本発明においては、樹脂(A)がその主鎖に脂環式骨格を有することにより、レジストとして、特に放射線に対する透明性およびドライエッチング耐性が優れた感放射線性樹脂組成物を得ることができる。
で表される含酸素複素環構造あるいは含窒素複素環構造が好ましい。
基-(CH2)x COOR3 としては、例えば、
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘプチルオキシカルボニル基、シクロオクチルオキシカルボニル基等の(シクロ)アルコキシカルボニル基;
フェノキシカルボニル基、4−t−ブチルフェノキシカルボニル基、1−ナフチルカルボニル基等のアリーロキシカルボニル基;
ベンジルオキシカルボニル基、4−t−ブチルベンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基;
メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、イソプロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基、2−メチルプロポキシカルボニルメチル基、1−メチルプロポキシカルボニルメチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、シクロヘキシルオキシカルボニルメチル基、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニルメチル基等の(シクロ)アルコキシカルボニルメチル基;
フェノキシカルボニルメチル基、1−ナフチルオキシカルボニルメチル基等のアリーロキシカルボニルメチル基;
ベンジルオキシカルボニルメチル基、4−t−ブチルベンジルオキシカルボニルメチル基等のアラルキルオキシカルボニルメチル基;
2−フェノキシカルボニルエチル基、2−(1−ナフチルオキシカルボニル)エチル基等の2−アリーロキシカルボニルエチル基;
2−ベンジルオキシカルボニルエチル基、2−(4−t−ブチルベンジルオキシカルボニル)エチル基等の2−アラルキルオキシカルボニルエチル基
等を挙げることができる。
アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、カプロイルオキシ基、ヘプタノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ノナノイルオキシ基、デカノイルオキシ基、ウンデカノイルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、4−t−ブチルシクロヘキシルカルボニルオキシ基等の(シクロ)アシロキシ基;
ベンゾイルオキシ基、4−t−ブチルベンゾイルオキシ基、1−ナフトイルオキシ基等のアリールカルボニルオキシ基;
ベンジルカルボニルオキシ基、4−t−ブチルベンジルカルボニルオキシ基等のアラルキルカルボニルオキシ基;
ベンジルカルボニルオキシメチル基、4−t−ブチルベンジルカルボニルオキシメチル基等のアラルキルカルボニルオキシメチル基;
2−アセチルオキシエチル基、2−プロピオニルオキシエチル基、2−ブチリルオキシエチル基、2−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル基、2−(4−t−ブチルシクロヘキシルカルボニルオキシ)エチル基等の2−(シクロ)アシロキシエチル基;
2−ベンゾイルオキシエチル基、2−(1−ナフトイルオキシ)エチル基等の2−アリールカルボニルオキシエチル基;2−ベンジルカルボニルオキシエチル基、2−(4−t−ブチルベンジルカルボニルオキシ)エチル基等の2−アラルキルカルボニルオキシエチル基
等を挙げることができる。
(イ)下記一般式(4)で表される少なくとも1種のノルボルネン誘導体(以下、「ノルボルネン誘導体(α)」という。)を、場合により、開環共重合が可能な少なくとも1種の他の不飽和脂環式化合物とともに、開環(共)重合する工程を経る方法、
(ハ)前記(ロ)の方法により得られた樹脂中のカルボキシル基あるいは水酸基を、常法により少なくとも部分的にエステル化して、基 -COOR3 あるいは -OCOR4 (以下、これらの基をまとめて「酸開裂性エステル基」という。)を新たに導入する方法、
(ニ)下記一般式(5)で表される少なくとも1種のノルボルネン誘導体(以下、「ノルボルネン誘導体(β)」という。)を開環(共)重合して得られた(共)重合体中のカルボキシル基あるいは水酸基を、常法により少なくとも部分的にエステル化して、酸開裂性エステル基を導入する工程を経る方法。
R9 およびR10は一般式(4)と同義であり、CおよびDはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の1価の炭化水素基、炭素数1〜10の1価のハロゲン化炭化水素基、-(CH2)x COOHまたは-(CH2)x OHを示し、かつCおよびDのうち少なくとも一つは-(CH2)x COOHまたは-(CH2)x OHであり、xは酸開裂性基(i)におけるxと同義である。〕
(ホ)樹脂中のカルボキシル基あるいは水酸基をさらにエステル化して、他の酸開裂性基を導入する方法
等により変性することもできる。
まず、前記(イ)の方法において、一般式(4)におけるR7 、R8 、R9 およびR10のハロゲン原子、炭素数1〜10の1価の炭化水素基および炭素数1〜10の1価のハロゲン化炭化水素基としては、例えば、前記一般式(2)について例示した基と同様のものを挙げることができる。
5−メトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−エトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−n−プロポキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−イソプロポキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−n−ブトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−(2−メチルプロポキシ)カルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−(1−メチルプロポキシ)カルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−t−ブトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−(4’−t−ブチルシクロヘキシルオキシ)カルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−フェノキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、5−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、5−アセチルオキシビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−n−プロポキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、5−メチル−5−イソプロポキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、5−メチル−5−n−ブトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−(2−メチルプロポキシ)カルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−(1−メチルプロポキシ)カルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−t−ブトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−(4’−t−ブチルシクロヘキシルオキシ)カルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−フェノキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−アセチルオキシビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−シアノビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(イソプロポキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(n−ブトキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(t−ブトキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(フェノキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(テトラヒドロフラニルオキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5,6−ジカルボキシアンハイドライドビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン
等を挙げることができる。
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2−メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(1−メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−t−ブトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−シクロヘキシルオキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(4’−t−ブチルシクロヘキシルオキシ)カルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]−3−ドデセン、
8−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]−3−ドデセン、
8−アセチルオキシテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−シアノテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .
17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−(2−メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.
12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−(1−メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.
12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−t−ブトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−シクロヘキシルオキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−(4’−t−ブチルシクロヘキシルオキシ)カルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.
12,5 .17,10 ]−3−ドデセン、
8−メチル−8−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.
12,5 .17,10 ]−3−ドデセン、
8−メチル−8−アセチルオキシテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−シアノテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(エトキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(n−プロポキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(イソプロポキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(n−ブトキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(t−ブトキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(シクロヘキシルオキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(フェノキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(テトラヒドロフラニルオキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.
12,5 .17,10 ]−3−ドデセン、
8,9−ジ(テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.
12,5 .17,10 ]−3−ドデセン、
8,9−ジカルボキシアンハイドライドテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン
等を挙げることができる。
ビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
テトラシクロ [4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチルテトラシクロ [4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−エチルテトラシクロ [4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−フルオロテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8−フルオロメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8−トリフルオロメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[ 4.4.0.
12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロイソプロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.
12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2,2,2−トリフルオロカルボキシエチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロカルボキシエチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
17,10.01,6 ] ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[ 6.5.1.13,6 .02,7 .
09,13 ]ペンタデカ−4−エン、ペンタシクロ[ 7.4.0.12,5 .19,12.08,13 ]ペンタデカ−3−エン
等を挙げることができる。
このようなメタセシス触媒は、通常、W、MoまたはReの化合物の群から選ばれる少なくとも1種(以下、「特定遷移金属化合物」という。)と、デミングの周期律表IA、IIA、 IIIA、IVAあるいはIVB族金属の化合物からなり、金属−炭素結合または金属−水素結合を有する化合物の群から選ばれる少なくとも1種(以下、「特定有機金属化合物等」という。)との組み合せからなる。
また、特定遷移金属化合物は、適当な錯化剤、例えば、トリフェニルホスフィン
(P(C6H5)3)、ピリジン(NC5H5)等により配位された化合物であることもできる。
MoCl5・P(C6H5)3、ReOBr3・P(C6H5)3、WCl6・NC5H5 、W(CO)5・P(C6H5)3、
W(CO)3・(CH3CN)3等を挙げることができる。
これらの化合物のうち、特にWCl6、MoCl5 、WCl2(OC2H5)4、MoCl3(OC2H5)2 等が好ましい。
前記特定遷移金属化合物は、単独でまたは2種以上を組み合せて使用することができる。
また、メタセシス触媒を構成する特定遷移金属化合物成分は、重合系内で反応して特定遷移金属化合物を生成する2種以上の化合物の混合物として使用することもできる。
CH3MgI、C2H5MgBr、CH3MgBr 、n-C3H7MgCl、t-C4H9MgCl、CH2=CHCH2MgCl 、(C2H5)2Zn 、(C2H5)2Cd 、CaZn(C2H5)4 、(CH3)3B 、(C2H5)3B、(n-C4H9)3B、(CH3)3Al、(CH3)2AlCl、CH3AlCl2、(CH3)3Al2Cl3、(C2H5)3Al 、(C2H5)3Al2Cl3 、 (C2H5)2Al・O(C2H5)2、
(C2H5)2AlCl 、C2H5AlCl2 、(C2H5)2AlH、(C2H5)2AlOC2H5、(C2H5)2AlCN 、LiAl(C2H5)2 、(n-C3H7)3Al 、(i-C4H9)3Al 、(i-C4H9)2AlH、(n-C6H13)3Al、(n-C8H17)3Al、
(C6H5)3Al 、(CH3)4Ga、(CH3)4Sn、(n-C4H9)4Sn 、(C2H5)3SnH、LiH 、NaH 、B2H6、
NaBH4 、AlH3、LiAlH4、TiH4等を挙げることができる。
これらの化合物のうち、(CH3)3Al、(CH3)2AlCl、CH3AlCl2、(CH3)3Al2Cl3、(C2H5)3Al 、(C2H5)2AlCl 、C2H5AlCl2 、(C2H5)3Al2Cl3 、(C2H5)2AlH、(C2H5)2AlOC2H5、
(C2H5)2AlCN 、(n-C3H7)3Al 、(i-C4H9)3Al 、(i-C4H9)2AlH、(n-C6H13)3Al、
(n-C8H17)3Al、(C6H5)3Al 等が好ましい。
前記特定有機金属化合物等は、単独でまたは2種以上を組み合せて使用することができる。
特定遷移金属化合物と特定有機金属化合物等との量的関係は、金属原子比として、通常、1:1〜1:100、好ましくは1:2〜1:50の範囲である。
活性化剤(i): B、BF3 、BCl3、B(O-n-C4H9)3、 BF3・O(CH3)2 、 BF3・O(C2H5)2、
BF3・O(n-C4H9)2、 BF3・2C6H5OH 、 BF3・2CH3COOH、 BF3・CO(NH2)2、
BF3・N(C2H4OH)3、 BF3・ピペリジン、 BF3・NH2C2H5 、B2O3、H3BO3 等のほう素化合 物;Si(OC2H5)4、 Si(Cl)4等のけい素化合物、
活性化剤(ii) :アルコール類、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジ アシルパーオキシド類、
活性化剤(iii):水、
活性化剤(iv) :酸素、
活性化剤(v):アルデヒド類、ケトン類等のカルボニル化合物や、それらのオリゴマー またはポリマー、
活性化剤(vi) :エチレンオキシド、エピクロルヒドリン、オキセタン等の環状エーテル 類、
活性化剤(vii):N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類; アニリン、モルホリン、ピペリジン等のアミン類;アゾベンゼン等のアゾ化合物、
活性化剤(viii) :N-ニトロソジメチルアミン、N-ニトロソジフェニルアミン等のN-ニト ロソ化合物、
活性化剤(ix) :トリクロロメラミン、N-クロロスクシンイミド、フェニルスルフェニル クロリド等の窒素−塩素結合または硫黄−塩素結合を有する化合物。
これらの活性化剤と特定遷移金属化合物との量的関係は、使用される活性化剤の種類によって極めて多様に変化するため、一概には規定できないが、多くの場合、モル比として、通常、0.005:1〜10:1、好ましくは0.05:1〜3.0:1の範囲である。
前記分子量調節剤としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフイン類;1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン等のα,ω−ジオレフィン類;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族化合物;アセチレン類;塩化アリル、酢酸アリル、トリメチルアリロキシシラン等の極性アリル化合物等を挙げることができる。
これらの分子量調節剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
分子量調節剤の使用量は、全モノマー1モルに対して、通常、0.005〜1モル、好ましくは0.02〜0.7モルである。
また、(イ)の方法に使用される溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;クロロブタン、ブロモヘキサン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類等を挙げることができる。
これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、前記(ハ)の方法による酸開裂性エステル基の導入率は、通常、10〜70モル%、好ましくは20〜60モル%である。
また、前記(ニ)の方法において、一般式(4)におけるCおよびDのハロゲン原子、炭素数1〜10の1価の炭化水素基および炭素数1〜10の1価のハロゲン化炭化水素基としては、例えば、前記一般式(2)について例示した基と同様のものを挙げることができる。
ノルボルネン誘導体(β)の具体例としては、前記ノルボルネン誘導体(α)について例示した化合物中のエステル基をカルボキシル基または水酸基に転換した化合物を挙げることができる。
本発明においては、ノルボルネン誘導体(β)を2種以上混合して使用する場合も、一般式(4)のnが0である化合物とnが1である化合物とを併用することが好ましい。
(ニ)の方法に使用される(共)重合体は、前記(イ)の方法により得られた各樹脂(A)を加水分解して得ることができ、あるいは別途合成してもよい。
(ニ)の方法による酸開裂性エステル基の導入率は、通常、10〜70モル%、好ましくは20〜60モル%である。
メトキシメチルオキシ基、エトキシメチルオキシ基、n−プロポキシメチルオキシ基、イソプロポキシメチルオキシ基、n−ブトキシメチルオキシ基、t−ブトキシメチルオキシ基、フェノキシメチルオキシ基、トリクロロエトキシメチルオキシ基等の線状アセタール基;
テトラヒドロフラニルオキシ基、テトラヒドロピラニルオキシ基等の環状アセタール基;イソプロポキシカルボニルオキシ基、2−ブテニルオキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、1−メチル−2−プロペニルオキシカルボニルオキシ基、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基、2−シクロヘキセニルオキシカルボニルオキシ基等のカーボネート基;
トリメトキシメチルオキシ基、トリエトキシメチルオキシ基、トリn−プロポキシメチルオキシ基、メトキシジエトキシメチルオキシ基等のオルソカーボネート基;メチルエーテル基、エチルエーテル基、n−プロピルエーテル基、イソプロピルエーテル基、n−ブチルエーテル基、2−メチルプロピルエーテル基、1−メチルプロピルエーテル基、t−ブチルエーテル基、シクロヘキシルエーテル基、t−ブチルシクロヘキシルエーテル基等の(シクロ)アルキルエーテル基;
アリルエーテル基、2−ブテニルエーテル基、2−シクロヘキセニルエーテル基、1−メチル−2−プロペニルエーテル基等のアルケニルエーテル基;
ベンジルエーテル基、t−ブチルベンジルエーテル基等のアラルキルエーテル基;
ビニルエーテル基、1−プロペニルエーテル基、1−ブテニルエーテル基、1,3−ブタジエニルエーテル基、フェニルビニルエーテル基等のエノールエーテル基
等を挙げることができる。
(ホ−1)各樹脂中のカルボキシル基と2,3−ジヒドロ−4H−ピランとの付加反応によるエステル化反応、
(ホ−2)各樹脂中のヒドロキシル基と2,3−ジヒドロ−4H−ピランとの付加反応によるエーテル化反応、
(ホ−3)各樹脂中のヒドロキシル基とジアルキルジカーボネートとの反応によるエステル化反応
等を挙げることができる。
(ホ)の方法による他の酸開裂性基の導入率は、通常、10〜70モル%、好ましくは20〜60モル%である。
このような樹脂(A)は、例えば、前記(イ)の方法または前記(ニ)の開環(共)重合する方法における適宜の段階で、あるいはこれらの方法に続いて、水素付加、水付加、ハロゲン付加、ハロゲン化水素付加等の付加反応を行うことによって得ることができ、特に水素付加反応させることにより得られる前記樹脂(A)が好ましい。
前記水素付加させた樹脂(A)における水素付加率は、好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは100%である。
このような水素付加触媒のうち、不均一系触媒としては、例えば、Pd、Pt、Ni、Rh、Ru等の貴金属を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニア等の担体に担持させた固体触媒等を挙げることができる。これらの不均一系触媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、均一系触媒としては、例えば、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム系、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム系、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム系、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド系や、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等のロジウム系等を挙げることができる。これらの均一系触媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記水素付加触媒のうち、不均一系触媒が、反応活性が高く、反応後の触媒除去も容易であり、得られる樹脂(A)の色調が優れる点で好ましい。
水素付加反応は、通常、常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガス雰囲気下において、通常、0〜200℃、好ましくは20〜180℃で実施することができる。
樹脂(A−1) は、下記一般式(6)で表される繰返し単位からなる樹脂である。
樹脂(A−1) において、一般式(6)で表される繰返し単位は1種以上存在することができる。
樹脂(A−2)における一般式(6)で表される繰返し単位と一般式(7)で表される繰返し単位とのモル比は、通常、95/5〜20/80、好ましくは90/10〜30/70である。
樹脂(A−2)において、一般式(6)で表される繰返し単位および一般式(7)で表される繰返し単位は、それぞれ1種以上存在することができる。
樹脂(A−3) における一般式(8)で表される繰返し単位と一般式(9)で表される繰返し単位とのモル比は、通常、95/5〜10/90、好ましくは90/10〜20/80である。
樹脂(A−3) において、一般式(8)で表される繰返し単位および一般式(9)で表される繰返し単位は、それぞれ1種以上存在することができる。
本発明において、樹脂(A)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
この場合、樹脂中の残留ハロゲン含有量を3ppm以下、特に2ppm以下とし、また残留金属含有量を300ppb以下、特に100ppb以下とすることが好ましく、特に残留ハロゲン含有量を3ppm以下、特に2ppm以下とし、かつ残留金属含有量を300ppb以下、特に100ppb以下とすることが好ましい。これらの不純物含有量を前記値以下とすることにより、感度、解像度、プロセス安定性、パターン形状等がさらに改善される。
樹脂中の不純物を低減する方法としては、残留ハロゲンの場合、十分水洗して除去する方法を挙げることができ、また残留金属の場合、樹脂溶液の純水による洗浄あるいは液々抽出、樹脂溶液の純水による洗浄あるいは液々抽出と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組み合わせ等の方法を挙げることができる。
本発明における感放射線性樹脂組成物を化学増幅型レジストとして使用する場合は、放射線として、ArFエキシマレーザー(波長193nm)が使用される。樹脂(B)のArFエキシマレーザーに対する透過率は、好ましくは65%以上、特に好ましくは70%以上である。
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルあるいは(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルからなる(メタ)アクリル酸エステル類の単独重合体もしくはこれらの共重合体;前記(メタ)アクリル酸エステル類の1種以上と(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸2−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシプロピルおよび(メタ)アクリル酸4−カルボキシブチルの群の1種以上との共重合体;並びに
の群から選ばれる単独または2種以上の混合物からなる。
また、前記1−置換エチル基としては、例えば、1−メトキシエチル基、1−メチルチオエチル基、1,1−ジメトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−エチルチオエチル基、1,1−ジエトキシエチル基、1−フェノキシエチル基、1−フェニルチオエチル基、1,1−ジフェノキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル基、1−ベンジルチオエチル基、1−シクロプロピルエチル基、1−フェニルエチル基、1,1−ジフェニルエチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、1−n−プロポキシカルボニルエチル基、1−イソプロポキシカルボニルエチル基、1−n−ブトキシカルボニルエチル基、1−t−ブトキシカルボニルエチル基等を挙げることができる。 また、前記1−分岐アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基等を挙げることができる。
また、前記ゲルミル基としては、例えば、トリメチルゲルミル基、エチルジメチルゲルミル基、メチルジエチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、イソプロピルジメチルゲルミル基、メチルジイソプロピルゲルミル基、トリイソプロピルゲルミル基、t−ブチルジメチルゲルミル基、メチルジ−t−ブチルゲルミル基、トリ−t−ブチルゲルミル基、フェニルジメチルゲルミル基、メチルジフェニルゲルミル基、トリフェニルゲルミル基等を挙げることができる。
また、前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。
さらに、前記環式酸開裂性基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、4−メトキシシクロヘキシル基等の脂環式骨格を有する基のほか、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基、3−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド基等を挙げることができる。
アダマンタンカルボン酸t−ブチル、アダマンタンカルボン酸テトラヒドロピラニル、アダマンタンカルボン酸3−オキソシクロヘキシル、アダマンタンカルボン酸t−ブトキシカルボニルメチル、アダマンチル酢酸t−ブチル、アダマンチル酢酸テトラヒドロピラニル、アダマンチル酢酸3−オキソシクロヘキシル、アダマンチル酢酸t−ブトキシカルボニルメチル、トリシクロデカニルカルボン酸t−ブチル、トリシクロデカニルカルボン酸テトラヒドロピラニル、トリシクロデカニルカルボン酸3−オキソシクロヘキシル、トリシクロデカニルカルボン酸t−ブトキシカルボニルメチル、トリシクロデカニルジカルボン酸ジ−t−ブチル、トリシクロデカニルジカルボン酸ジテトラヒドロピラニル、トリシクロデカニルジカルボン酸ジ−3−オキソシクロヘキシル、トリシクロデカニルジカルボン酸ジ−t−ブトキシカルボニルメチル、コリック酸t−ブチル、コリック酸テトラヒドロピラニル、コリック酸3−オキソシクロヘキシル、コリック酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸t−ブチル、リトコール酸テトラヒドロピラニル、リトコール酸3−オキソシクロヘキシル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、ジヒドロコール酸t−ブチル、ジヒドロコール酸テトラヒドロピラニル、ジヒドロコール酸3−オキソシクロヘキシル、ジヒドロコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、1−t−ブトキシカルボニルオキシナフタレン、2−t−ブトキシカルボニルオキシナフタレン、1−カルボ−t−ブトキシメトキシナフタレン、2−カルボ−t−ブトキシメトキシナフタレン等を挙げることができる。
本発明において、化合物(b)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
さらに、本発明における(C)成分は、放射線の照射(以下、「露光」という。)により酸を発生する感放射線性酸発生剤(以下、「酸発生剤(C)」という。)からなる。
酸発生剤(C)は、露光により発生した酸の作用によって、樹脂(A)、あるいは樹脂(B)中に存在する酸開裂性基を開裂させ、その結果レジスト被膜の露光部がアルカリ現像液に易溶性となり、ポジ型のレジストパターンを形成する作用を有するものである。
このような酸発生剤(C)としては、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物等を挙げることができる。
オニウム塩
オニウム塩としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩(テトラヒドロチオフェニウム塩を含む。)、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等を挙げることができる。
好ましいオニウム塩の具体例としては、
ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムナフタレンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンゼンメチルスルホニウムトルエンスルホネート、シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、(4−ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート、
1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シアノ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ニトロ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シアノ−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ニトロ−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
等を挙げることができる。
ハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物等を挙げることができる。
好ましいハロゲン含有化合物の具体例としては、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等の(トリクロロメチル)−s−トリアジン誘導体や、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン等を挙げることができる。
ジアゾケトン化合物
ジアゾケトン化合物としては、例えば、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等を挙げることができる。
好ましいジアゾケトンの具体例としては、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド、2,3,4,4’−テトラヒドロベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等を挙げることができる。
スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらの化合物のα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。
好ましいスルホン化合物の具体例としては、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン等を挙げることができる。
スルホン酸化合物
スルホン酸化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、アルキルスルホン酸イミド、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。
好ましいスルホン酸化合物の具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールのトリストリフルオロメタンスルホネート、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−ヒドロキシスクシイミドトリフルオロメタンスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネート等を挙げることができる。
本発明において、酸発生剤(C)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、酸発生剤(C)から発生する酸に対してルイス塩基として作用する化合物(以下、「ルイス塩基添加剤」という。)を配合することにより、レジストパターンの側壁の垂直性をより効果的に改善することができる。
このようなルイス塩基添加剤としては、例えば、含窒素塩基性化合物やその塩類、カルボン酸類、アルコール類等を挙げることができるが、含窒素塩基性化合物が好ましい。
前記含窒素塩基性化合物の具体例としては、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリi−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、トリn−ヘキシルアミン、トリエタノールアミン、トリフェニルアミン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、ジフェニルアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピロリジン、ピペリジン等のアミン化合物;イミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、チアベンダゾール等のイミダゾール化合物;ピリジン、2−メチルピリジン、4−エチルピリジン、2−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、アクリジン等のピリジン化合物;プリン、1,3,5−トリアジン、トリフェニル−1,3,5−トリアジン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ウラゾール等の他の含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
これらの含窒素塩基性化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
ルイス塩基添加剤の配合量は、酸発生剤(C)1モルに対して、通常、1モル以下、好ましくは0.05〜1モルである。この場合、ルイス塩基添加剤の配合量が1モルを超えると、レジストとしての感度が低下する傾向がある。
このような添加剤としては、例えば、塗布性、現像性等を改良する作用を示す界面活性剤を挙げることができる。
前記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤のほか、以下商品名で、KP341(信越化学工業製)、ポリフローNo.75,同No.95(共栄社油脂化学工業製)、エフトップEF301,同EF303,同EF352(トーケムプロダクツ製)、メガファックスF171,同F173(大日本インキ化学工業製)、フロラードFC430,同FC431(住友スリーエム製)、アサヒガードAG710,サーフロンSー382,同SCー101,同SCー102,同SCー103,同SCー104,同SCー105,同SCー106(旭硝子製)等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
界面活性剤の配合量は、樹脂(A)と樹脂(B)と酸発生剤(C)との合計100重量部に対して、通常、2重量部以下である。
また、前記以外の添加剤としては、ハレーション防止剤、接着助剤、保存安定化剤、消泡剤等を挙げることができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、通常、その使用に際して、全固形分濃度が、例えば5〜50重量%、好ましくは10〜25重量%となるように、溶剤に溶解したのち、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって、組成物溶液として調製される。
2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状ケトン類;
シクロペンタノン、3−メチル−2−シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状ケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノi−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノsec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類のほか、
本発明の感放射線性樹脂組成物は、特に化学増幅型ポジ型レジストとして有用である。 前記化学増幅型ポジ型レジストにおいては、露光により酸発生剤(C)から発生した酸の作用によって、樹脂(A)、あるいは樹脂(B)中の酸開裂性基が、例えば、
(ヘ)アルコキシカルボニル基が開裂してカルボキシル基に変換される反応、
(ト) アルキルカルボニルオキシ基が開裂して水酸基に変換される反応、
(チ)シアノ基が開裂してカルボキシル基に変換される反応、
(リ)酸無水物基が開裂してカルボキシル基に変換される反応
等を生起し、その結果レジストの露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、該露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のレジストパターンが得られる。
本発明においては、露光後に加熱処理(以下、「露光後ベーク」という。)を行うことが好ましい。この露光後ベークにより、前記(ヘ)〜(リ)等の反応が円滑に進行する。露光後ベークの加熱条件は、組成物の配合組成によって変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜170℃である。
本発明においては、感放射線性樹脂組成物の潜在能力を最大限に引き出すため、例えば特許文献3等に開示されているように、使用される基板上に有機系あるいは無機系の反射防止膜を形成しておくこともでき、また環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、例えば特許文献4等に開示されているように、レジスト被膜上に保護膜を設けることもでき、あるいはこれらの技術を併用することもできる。
現像に使用される現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液が好ましい。該アルカリ性水溶液の濃度は、通常、10重量%以下である。この場合、アルカリ性水溶液の濃度が10重量%を超えると、未露光部も現像液に溶解し、好ましくない。
また、前記アルカリ性水溶液からなる現像液には、例えば有機溶剤を添加することもできる。
これらの有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
有機溶剤の使用量は、アルカリ性水溶液に対して、100容量%以下が好ましい。この場合、有機溶剤の使用量が100容量%を超えると、現像性が低下し、露光部の現像残りが著しくなり、好ましくない。
また、アルカリ性水溶液からなる現像液には、界面活性剤等を適量添加することもできる。
なお、アルカリ性水溶液からなる現像液で現像したのちは、一般に、水で洗浄して乾燥する。
実施例および比較例における各測定・評価は、下記の要領で行った。
Mw:
東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
放射線透過率:
組成物溶液を石英ガラス上にスピンコートした乾燥膜厚1.0μmの被膜について、波長193nmにおける吸光度から、放射線透過率を算出して、遠紫外線領域における透明性の尺度とした。
組成物溶液を石英ガラス上にスピンコートした乾燥膜厚1.0μmの被膜に対して、ドライエッチング装置(日電アネルバ社製、DEM451)を用い、エッチングガスをCF4 とし、ガス流量30sccm、圧力5Pa、出力100Wの条件でドライエッチングを行い、エッチング速度を測定して、クレゾールノボラック樹脂からなる被膜のエッチング速度に対する相対値により、相対エッチング速度を評価した。エッチング速度の小さいほど、ドライエッチング耐性に優れることを意味する。
パターン形状:
線幅0.30μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)の方形状断面の下辺寸法L1 と上下辺寸法L2 とを走査型電子顕微鏡により測定し、
0.85≦L2 /L1 ≦1を満足し、かつパターン形状が裾を引いていない場合を、パターン形状が良好であるとした。
組成物をシリコーンウエハー上にスピンコートしたのち、表2に示す温度に保持したホットプレート上で90秒間プレベークを行って、膜厚0.5μmのレジスト被膜を形成した。このレジスト被膜に、(株)ニコン製ArFエキシマレーザー露光装置(レンズ開口数0.55、露光波長193nm)により、マスクパターンを介して露光した。次いで、表2に示す温度に保持したホットプレート上で90秒間露光後ベークを行ったのち、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により、25℃で1分間現像し、水洗し、乾燥して、ポジ型レジストパターンを形成した。その際、線幅0.30μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度とした。
解像度:
最適露光量で露光したときに解像される最小のレジストパターンの寸法を解像度とした。
シリコンウエハー上に形成したレジスト被膜に露光したのち、直ちに露光後ベークを行い、次いでアルカリ現像液で現像し、水洗し、乾燥して、レジストパターンを形成したとき、0.25μm×0.25μmの方形のレチクルを用いて断面が円形に形成されるコンタクトホールの直径が0.25μmとなる露光量を求め、この露光量で露光したときに解像されるコンタクトホールの最小直径(μm)を、コンタクトホールの解像度とした。
(1)8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エンの合成
温度180℃、圧力3.5kg/cm2 ・Gに保持した内容積50リットルの攪拌機付き反応容器に、定量ポンプを用いて、メチルメタクリレート、ジシクロペンタジエンおよび5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エンを、モル比1:2.4(シクロペンタジエン単位換算):2.4の割合で、反応容器内での反応原料の滞留時間が平均8時間となるように全供給速度を毎時4kgとして、連続的に供給した。また、重合禁止剤としてp−メトキシフェノールをメチルメタクリレートに溶解して、反応原料の合計供給量に対し300ppm(重量換算)の量で供給した。
反応中は、反応生成物を、毎時4kgの速度で反応容器から抜き出して、圧力300torr、温度105℃に保持したフラッシュ蒸留塔に連続的供給し、未反応原料の一部を分離した。
前記フラッシュ蒸留塔からの留出物を、充填材(商品名スルザーパッキンBX、住友重機(株)製)の充填高さが濃縮部で119cm、回収部で102cmである塔径3インチの蒸留塔に連続的に供給して、塔頂圧力5torr、還流比1で蒸留し、前記フラッシュ蒸留塔で分離できなかった未反応原料を、塔頂から回収し、塔底からは、下記式(10)で表される8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .
17,10 ]ドデカ−3−エンを67%含有する溶液を得た。
攪拌機、還流冷却器および三方コックを備えたセパラブルフラスコ内を窒素置換し、窒素気流下で、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン100部、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン100部、1−ヘキセン(分子量調節剤)35部、トルエン200部を仕込み、80℃に加熱した。次いで、メタセシス触媒としてジエチルアルミニウムクロライドのトルエン溶液(濃度0.19モル/リットル)2.7部とWCl6のトルエン溶液(濃度0.025モル/リットル)1.03部を加え、80℃で3時間攪拌して重合し、下記各式で表される繰返し単位からなる樹脂(収率90%)の溶液を得た。この樹脂を、樹脂(A-1) とする。
オートクレーブに、樹脂(A-1)400部と、水素付加触媒としてクロロヒドロカルボニルトリフェニルホスフィンルテニウム0.075部を添加し、水素ガス圧力100kg/cm2 ・G、温度165℃の条件で、4時間処理して、水素添加反応を行った。
次いで、得られた反応溶液400部とトルエン100部を別の反応容器に仕込み、乳酸0.71部と水1.15部を添加して、60℃で30分間攪拌したのち、メチルアルコール260部を添加して、60℃でさらに1時間攪拌した。その後、反応容器を室温まで冷却し、貧溶媒相(メチルアルコール相)と良溶媒相(樹脂溶液相)とに分離させたのち、貧溶媒相のみを抜き出した。その後、抜き出したメチルアルコールの4.5%に相当するメチルアルコールと55%に相当するトルエンとを、反応容器に添加して、60℃で1時間攪拌した。その後、再び室温まで冷却して、貧溶媒相と良溶媒相とに分離させ、貧溶媒相のみを抜き出した。このメチルアルコールによる抽出操作を数回繰返したのち、良溶媒相を分離し、良溶媒相から溶媒を留去して、樹脂を回収した。次いで、この樹脂をテトラヒドロフランに再溶解したのち、大量のメチルアルコールにより再凝固させ、凝固した樹脂を減圧下で乾燥して、精製樹脂を得た。
この樹脂は、NMRスペクトルにより測定した水素付加率が100%であり、下記各式で表される繰返し単位からなり、Mwが22,000のランダム共重合体であった。この樹脂を、樹脂(A-2) とする。
フラスコに、樹脂(A-2) 100部、プロピレングリコール200部、蒸留水10部および水酸化カリウム50部を仕込み、窒素雰囲気中185℃で、4時間加水分解を行った。次いで、反応溶液を冷却したのち、水酸化カリウムに対して1.1当量のしゅう酸2水和物を溶解した水溶液中に滴下して、樹脂を凝固させた。
この樹脂は、赤外吸収スペクトルおよび酸−アルカリ滴定により測定した加水分解率が100%であり、下記各式で表される繰返し単位からなるランダム共重合体であった。この樹脂を、樹脂(A-3) とする。
フラスコに、樹脂(A-3) 100部、テトラヒドロフラン200部、蒸留水200部、α−ブロモ酢酸t−ブチル52部および炭酸カリウム41部を仕込み、窒素雰囲気中還流下で、6時間攪拌した。次いで、酢酸エチル200部、蒸留水400部およびしゅう酸2水和物45部を添加し、攪拌したのち、静置して、有機層を分離させた。この有機層を数回水で洗浄したのち、真空下で乾燥して、精製樹脂を得た。
この樹脂は、NMRスペクトルにより測定したt−ブトキシカルボニルメチル基によるエステル化率が48%であり、下記式(11−1)〜(11−4)で表される繰返し単位からなり、各繰返し単位のモル比が、(11−1)/(11−2)/(11−3)/(11−4)=24/18/28/30であり、Mwが18,000のランダム共重合体であった。この樹脂を、樹脂(A-4) とする。
合成例1の(2)で用いたセパラブルフラスコに、窒素気流下で、アクリル酸トリシクロデカニル60部、アクリル酸テトラヒドロピラニル35部、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル11部、アゾビスイソブチロニトリル1.5部、t−ドデシルメルカプタン3部およびジメトキシエタン250部を仕込み、75℃で6時間重合した。その後、得られた樹脂をn−ヘキサンより再沈凝固させ、凝固した樹脂をろ別したのち、真空乾燥して、下記各式で表される繰返し単位からなり、Mwが11,000のランダム共重合体(収率90%)を得た。この共重合体を、樹脂(a-1) とする。
合成例1の(2)で用いたセパラブルフラスコに、窒素気流下で、メタクリル酸t−ブチル60部、メタクリル酸メチル40部、アゾビスイソブチロニトリル2部、t−ドデシルメルカプタン1.5部およびエチレングリコールジメチルエーテル250部を仕込み、75℃で6時間重合した。その後、得られた樹脂をn−ヘキサンより再沈凝固させ、凝固した樹脂をろ別したのち、真空乾燥して、下記各式で表される繰返し単位からなり、Mwが9,200である白色のランダム共重合体(収率90%)を得た。この共重合体を、樹脂(B-1) とする。
表1に示す各成分からなる組成物溶液を用いて形成した被膜について、放射線透過率および相対エッチング速度を評価した。
評価結果を、表1に示す。
表2に示す各成分からなる組成物溶液を用いてレジストパターンを形成して、パターン形状、感度、解像度およびコンタクトホールの解像度を評価した。
評価結果を、表3に示す。
(C-1) :4−ヒドロキシナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスル ホネート
(C-2) :シクロヘキシル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタ ンスルホネート
(D-1) :シクロヘキサノン
(D-2) :2−ヘプタノン
(E-1) :トリn−ブチルアミン
(E-2) :ニコチン酸アミド
Claims (1)
- (A)主鎖のみに脂環式骨格を有し、該脂環式骨格が下記一般式(2)で表される骨格である樹脂(但し、該樹脂中の酸開裂性基は脂環式骨格を有することができる。)、(B)フィルムとして波長193nmの放射線に対する透過率が60%/μm以上である樹脂、並びに(C)放射線の照射により酸を発生する感放射線性酸発生剤を含有する感放射線性樹脂組成物であって、(B)成分の樹脂が(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルあるいは(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルからなる(メタ)アクリル酸エステル類の単独重合体もしくはこれらの共重合体;前記(メタ)アクリル酸エステル類の1種以上と(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸2−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシプロピルおよび(メタ)アクリル酸4−カルボキシブチルの群の1種以上との共重合体;(メタ)アクリル酸t−ブチルの単独重合体、(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸メチル共重合体、(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル共重合体あるいは(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル共重合体からなる(メタ)アクリル酸t−ブチルの(共)重合体;(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニルの単独重合体、(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル/(メタ)アクリル酸メチル共重合体、(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体あるいは(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル共重合体からなる(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニルの(共)重合体;および(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシルの単独重合体、(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル/(メタ)アクリル酸メチル共重合体、(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル/(メタ)アクリル酸共重合体あるいは(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体からなる(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシルの(共)重合体の群から選ばれる単独または2種以上の混合物からなることを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
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