JP4218675B2 - 半導体デバイス製造用感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

半導体デバイス製造用感放射線性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、半導体デバイス製造用感放射線性樹脂組成物に関わり、さらに詳しくはKrFエキシマレーザーあるいはArFエキシマレーザー等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線の如き各種放射線を用いる微細加工に有用な化学増幅型レジストとして好適に使用することができる半導体デバイス製造用感放射線性樹脂組成物に関する。
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、より高い集積度を得るために、最近ではサブハーフミクロンオーダー(0.4μm以下)の微細加工を可能にするリソグラフィー技術の開発が進められており、近い将来には、サブクオーターミクロン(0.25μm以下)レベルでの微細加工技術が必要になるとされている。
従来のリソグラフィープロセスにおいては、一般に放射線としてi線等の近紫外線が用いられているが、近紫外線ではサブクオーターミクロンレベルの微細加工が極めて困難であると言われている。
そこで、サブクオーターミクロンレベルの微細加工を可能とするために、より波長の短い放射線の利用が検討されている。このような短波長の放射線としては、例えば水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、電子線等を挙げることができるが、これらのうち、特にKrFエキシマレーザーあるいはArFエキシマレーザーが注目されている。
このようなエキシマレーザーによる照射に適した感放射線性樹脂組成物として、酸解離性官能基を有する成分と放射線の照射により酸を発生する成分(以下、「酸発生剤」という。)とによる化学増幅効果を利用した組成物(以下、「化学増幅型感放射線性組成物」という。)が数多く提案されている。
このような化学増幅型感放射線性組成物としては、例えば特許文献1には、カルボン酸のt−ブチルエステル基またはフェノールのt−ブチルカーボナート基を有する重合体と酸発生剤とを含有する組成物が提案されている。この組成物は、放射線の照射により発生した酸の作用により、重合体中に存在するt−ブチルエステル基あるいはt−ブチルカーボナート基が開裂して、該重合体がカルボキシル基あるいはフェノール性水酸基からなる酸性基を有するようになり、その結果、レジスト被膜の照射領域がアルカリ現像液に易溶性となる現象を利用したものである。
ところで、従来の化学増幅型感放射線性組成物の多くは、フェノール系樹脂をベースにするものであるが、このような樹脂では、放射線として遠紫外線を使用する場合、樹脂中の芳香族環に起因して遠紫外線が吸収されるため、照射された遠紫外線がレジスト被膜の下層部まで十分に到達できないという欠点があり、そのため照射量がレジスト被膜の上層部では多く、下層部では少なくなり、現像後のレジストパターンが上部が細く下部にいくほど太い台形状になってしまい、十分な解像度が得られないなどの問題があった。その上、現像後のレジストパターンが台形状となった場合、次の工程、即ちエッチングやイオンの打ち込みなどを行う際に、所望の寸法精度が達成できず、問題となっていた。しかも、レジストパターン上部の形状が矩形でないと、ドライエッチングによるレジストの消失速度が速くなってしまい、エッチング条件の制御が困難になる問題もあった。
一方、レジストパターンの形状は、レジスト被膜の放射線の透過率を高めることにより改善することができる。例えば、ポリメチルメタクリレートに代表される(メタ)アクリレート系樹脂は、遠紫外線に対しても透明性が高く、放射線の透過率の観点から非常に好ましい樹脂であり、例えば特許文献2には、メタクリレート系樹脂を使用した化学増幅型感放射線性樹脂組成物が提案されている。しかしながら、この組成物は、微細加工性能の点では優れているものの、芳香族環をもたないため、ドライエッチング耐性が低いという欠点があり、この場合も高精度のエッチング加工を行うことが困難である。
さらに、化学増幅型感放射線性組成物からレジストパターンを形成する際には、一般に該組成物を適当な溶剤に溶解して使用されるが、得られるレジストパターンの精度、解像度等は、レジストパターンを形成する際に使用される溶剤の種類や組み合わせによっても大きく左右される。さらにまた、組成物を溶液として基板上に塗布(特に回転塗布)したときに、塗布されたレジスト被膜の表面が必ずしも十分均一にならず、膜厚均一性が不十分となるという問題があった。
従来、化学増幅型感放射線性組成物の溶液には、溶剤としてエーテル類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、セロソルブエステル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エステル類等の種々のものが使用されているが、その種類は多岐にわたっており、またレジストパターンの特性は、使用される樹脂とも密接に関連し、レジストとしての総合性能の観点から、使用される樹脂に応じた適切な溶剤あるいはその組み合わせを見い出すことが極めて困難であるのが実情である。
特公平2−27660号公報 特開平4−226461号公報
本発明の課題は、活性放射線、例えばKrFエキシマレーザーあるいはArFエキシマレーザーに代表される遠紫外線、に感応する化学増幅型レジストとして、特に放射線に対する透明性、ドライエッチング耐性、膜厚均一性が優れ、しかも基板接着性、精度、感度、解像度等にも優れたレジストパターンを与える半導体デバイス製造用感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、
(A)下記一般式(1)または一般式(2)で表される脂環式骨格を主鎖のみに有する樹脂(AI)から選ばれるアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の酸開裂性基含有樹脂からなり、該酸開裂性基が開裂したときにアルカリ可溶性となる樹脂、
(B)放射線の照射により酸を発生する感放射線性酸発生剤、並びに
(C)直鎖状ケトンと2−ヒドロキシプロピオン酸アルキルとの混合物からなる溶剤
を含有することを特徴とする半導体デバイス製造用感放射線性樹脂組成物、
からなる。
Figure 0004218675
Figure 0004218675
〔一般式(1)および一般式(2)において、nは0または1であり、AおよびBはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の1価の炭化水素基または炭素数1〜10の1価のハロゲン化炭化水素基を示し、XおよびYはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の1価の炭化水素基、炭素数1〜10の1価のハロゲン化炭化水素基または酸開裂性基を示し、かつXおよびYのうち少なくとも一つは酸開裂性基である。〕
以下、本発明を詳細に説明する。
樹脂(A)
本発明における(A)成分は、前記一般式(1)または一般式(2)で表される脂環式骨格を主鎖のみに有する樹脂(AI)から選ばれるアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の酸開裂性基含有樹脂からなり、該酸開裂性基が開裂したときにアルカリ可溶性となる樹脂(以下、「樹脂(A)」という。)である。
ここでいう「アルカリ不溶性ないしアルカリ難溶性」とは、本発明の感放射線性樹脂組成物から形成されたレジスト被膜の現像に使用されるアルカリ水溶液からなる現像液に対して不溶ないし難溶である性質を意味する。なお、樹脂(A)のアルカリ溶解性は、例えばカルボキシル基等の酸性官能基の含有率により調節することができる。
本発明においては、樹脂(A)が脂環式骨格を有することにより、レジストとして、特に放射線に対する透明性およびドライエッチング耐性が優れ、しかも基板接着性、感度、解像度、現像性等にも優れた感放射線性樹脂組成物を得ることができる。
樹脂(A)における脂環式骨格は、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10の1価の炭化水素基、炭素数1〜10の1価のハロゲン化炭化水素基等の置換基を適宜の位置に有することもできる。
樹脂(A)においては、酸開裂性基自体が脂環式骨格を有することもできる。
以下、樹脂(AI)について順次説明する。
まず、樹脂(AI)において、脂環式骨格としては、特に前記一般式(1)で表される骨格が好ましい。
一般式(1)および一般式(2)におけるXおよびYの酸開裂性基(以下、「酸開裂性基(i)」という。)としては、基-(CH2)x COOR1 、-(CH2)x 0COR2 もしくは -(CH2)x CN{但し、R1は炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のハロゲン化炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、アルコキシカルボニルメチル基(但し、アルコキシル基の炭素数は1〜10である。)、カルボブトキシメチル基、カルボブトキシエチル基、カルボブトキシプロピル基もしくはトリアルキリルシリル基(但し、アルキル基の炭素数は1〜4である。)を示し、R2は炭素数1〜10の炭化水素基または炭素数1〜10のハロゲン化炭化水素基を示し、xは0〜4の整数である。}、またはXおよびYが脂環式骨格中の炭素原子と結合して形成した、式
Figure 0004218675
{但し、R3は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数1〜4の -SO2R4(但し、R4は炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基である。)を示す。}で表される含酸素複素環構造あるいは含窒素複素環構造が好ましい。
一般式(1)および一般式(2)におけるXおよびYの好ましい酸開裂性基(i)において、
基-(CH2)x COOR1 としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘプチルオキシカルボニル基、シクロオクチルオキシカルボニル基等の(シクロ)アルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基、4−t−ブチルフェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基等のアリーロキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基、4−t−ブチルベンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基;n−ブトキシカルボニルメトキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニルメトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニル基等のブトキシカルボニルメトキシカルボニル基;メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、イソプロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基、2−メチルプロポキシカルボニルメチル基、1−メチルプロポキシカルボニルメチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、シクロヘキシルオキシカルボニルメチル基、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニルメチル基等の(シクロ)アルコキシカルボニルメチル基;
フェノキシカルボニルメチル基、1−ナフチルオキシカルボニルメチル基等のアリーロキシカルボニルメチル基;ベンジルオキシカルボニルメチル基、4−t−ブチルベンジルオキシカルボニルメチル基等のアラルキルオキシカルボニルメチル基;2−メトキシカルボニルエチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、2−n−プロポキシカルボニルエチル基、2−イソプロポキシカルボニルエチル基、2−n−ブトキシカルボニルエチル基、2−(2−メチルプロポキシ)カルボニルエチル基、2−(1−メチルプロポキシ)カルボニルエチル基、2−t−ブトキシカルボニルエチル基、2−シクロヘキシルオキシカルボニルエチル基、2−(4−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニル)エチル基等の(シクロ)アルコキシカルボニルエチル基;2−フェノキシカルボニルエチル基、2−(1−ナフチルオキシカルボニル)エチル基等の2−アリーロキシカルボニルエチル基;2−ベンジルオキシカルボニルエチル基、2−(4−t−ブチルベンジルオキシカルボニル)エチル基等の2−アラルキルオキシカルボニルエチル基等を挙げることができる。
これらの基のうち、基 -COOR1 に相当するものが好ましく、さらに好ましくはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニル基である。
また、基-(CH2)x 0COR2 としては、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、カプロイルオキシ基、ヘプタノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ノナノイルオキシ基、デカノイルオキシ基、ウンデカノイルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、4−t−ブチルシクロヘキシルカルボニルオキシ基等の(シクロ)アシロキシ基;ベンゾイルオキシ基、4−t−ブチルベンゾイルオキシ基、1−ナフトイルオキシ基等のアリールカルボニルオキシ基;ベンジルカルボニルオキシ基、4−t−ブチルベンジルカルボニルオキシ基等のアラルキルカルボニルオキシ基;アセチルオキシカルボニルメチル基、プロピオニルオキシカルボニルメチル基、ブチリルオキシカルボニルメチル基、シクロヘキシルカルボニルオキシメチル基、4−t−ブチルシクロヘキシルカルボニルオキシメチル基等の(シクロ)アシロキシメチル基;ベンゾイルオキシメチル基、1−ナフトイルオキシメチル基等のアリールカルボニルオキシメチル基;ベンジルカルボニルオキシメチル基、4−t−ブチルベンジルカルボニルオキシメチル基等のアラルキルカルボニルオキシメチル基;2−アセチルオキシエチル基、2−プロピオニルオキシエチル基、2−ブチリルオキシエチル基、2−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル基、2−(4−t−ブチルシクロヘキシルカルボニルオキシ)エチル基等の2−(シクロ)アシロキシエチル基;2−ベンゾイルオキシエチル基、2−(1−ナフトイルオキシ)エチル基等の2−アリールカルボニルオキシエチル基;2−ベンジルカルボニルオキシエチル基、2−(4−t−ブチルベンジルカルボニルオキシ)エチル基等の2−アラルキルカルボニルオキシエチル基等を挙げることができる。
また、基-(CH2)x CNとしては、例えば、シアノ基、シアノメチル基、2−シアノエチル基、2−シアノプロピル基、3−シアノプロピル基、4−シアノブチル基等を挙げることができる。
さらに、一般式(1)および一般式(2)におけるA、B、XおよびYのハロゲン原子としては、例えば、F、Cl、Br、I等を挙げることができ、また炭素数1〜10の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の(シクロ)アルキル基;フェニル基、4−t−ブチルフェニル基、1−ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、4−t−ブチルベンジル基等のアラルキル基等を挙げることができ、また炭素数1〜10の1価のハロゲン化炭化水素基としては、例えば、前記炭素数1〜10の1価の炭化水素基のハロゲン化誘導体を挙げることができる。
樹脂(AI)は、例えば、下記(イ)〜(ホ)の方法等により製造することができる。(イ)下記一般式(3)で表される少なくとも1種のノルボルネン誘導体(以下、「ノルボルネン誘導体(α)」という。)を、場合により、開環共重合が可能な少なくとも1種の他の不飽和脂環式化合物とともに、開環(共)重合する工程を経る方法、
Figure 0004218675
〔一般式(3)において、n、A、B、XおよびYは一般式(1)および一般式(2)と同義であり、R5、R6、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の1価の炭化水素基または炭素数1〜10の1価のハロゲン化炭化水素基を示す。〕
(ロ)少なくとも1種のノルボルネン誘導体(α)と、エチレン、無水マレイン酸等の共重合可能な1種以上の不飽和化合物とを、ラジカル共重合する方法、
(ハ)前記(イ)または(ロ)の方法により得られた各樹脂を、常法により部分的に加水分解および/または加溶媒分解する方法、
(ニ)前記(ハ)の方法により得られた樹脂中のカルボキシル基あるいはヒドロキシル基を、常法により少なくとも部分的にエステル化して、基 -COOR1 あるいは -OCOR2 (以下、これらの基をまとめて「酸開裂性エステル基」という。)を新たに導入する方法、
(ホ)下記一般式(4)で表される少なくとも1種のノルボルネン誘導体(以下、「ノルボルネン誘導体(β)」という。)を開環(共)重合あるいはラジカル共重合して得られた(共)重合体中のカルボキシル基あるいはヒドロキシル基を、常法により少なくとも部分的にエステル化して、酸開裂性エステル基を導入する工程を経る方法。
Figure 0004218675
〔一般式(4)において、n、AおよびBは一般式(1)および一般式(2)と同義であり、R5、R6、R7およびR8は一般式(3)と同義であり、CおよびDはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の1価の炭化水素基、炭素数1〜10の1価のハロゲン化炭化水素基、-(CH2)x COOHまたは-(CH2)x OHを示し、かつCおよびDのうち少なくとも一つは-(CH2)x COOHまたは-(CH2)x OHであり、xは酸開裂性基(i)におけるxと同義である。〕
さらに、前記(ハ)〜(ホ)の方法により得られた各樹脂は、
(ヘ)樹脂中のカルボキシル基あるいはヒドロキシル基をさらにエステル化して、他の酸開裂性基を導入する方法
等により変性することもできる。
以下、前記(イ)〜(へ)の方法について説明する。
まず、前記(イ)の方法において、一般式(3)におけるR5、R6、R7およびR8のハロゲン原子、炭素数1〜10の1価の炭化水素基および炭素数1〜10の1価のハロゲン化炭化水素基としては、例えば、前記一般式(1)および一般式(2)について例示した基と同様のものを挙げることができる。
ノルボルネン誘導体(α)のうち、一般式(3)のnが0である化合物の具体例としては、
5−メトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−エトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−n−プロポキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−イソプロポキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−n−ブトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−(2−メチルプロポキシ)カルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−(1−メチルプロポキシ)カルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−t−ブトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−(4’−t−ブチルシクロヘキシルオキシ)カルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−フェノキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、5−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、5−アセチルオキシビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−n−プロポキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、5−メチル−5−イソプロポキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、5−メチル−5−n−ブトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−(2−メチルプロポキシ)カルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−(1−メチルプロポキシ)カルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−t−ブトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−(4’−t−ブチルシクロヘキシルオキシ)カルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−フェノキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−アセチルオキシビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−シアノビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(メトキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、5,6−ジ(エトキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、5,6−ジ(n−プロポキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(イソプロポキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(n−ブトキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(t−ブトキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(フェノキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(テトラヒドロフラニルオキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)ビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5,6−ジカルボキシアンハイドライドビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン
等を挙げることができる。
また、ノルボルネン誘導体(α)のうち、一般式(3)のnが1である誘導体の具体例としては、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2−メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(1−メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−t−ブトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−シクロヘキシルオキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(4’−t−ブチルシクロヘキシルオキシ)カルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]−3−ドデセン、
8−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]−3−ドデセン、
8−アセチルオキシテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−シアノテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−(2−メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.
2,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−(1−メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.
2,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−t−ブトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−シクロヘキシルオキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−(4’−t−ブチルシクロヘキシルオキシ)カルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.
2,5 .17,10 ]−3−ドデセン、
8−メチル−8−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.
2,5 .17,10 ]−3−ドデセン、
8−メチル−8−アセチルオキシテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−シアノテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(メトキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(エトキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(n−プロポキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(イソプロポキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(n−ブトキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(t−ブトキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(シクロヘキシルオキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5
7,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(フェノキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジ(テトラヒドロフラニルオキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.
2,5 .17,10 ]−3−ドデセン、
8,9−ジ(テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)テトラシクロ[ 4.4.0.
2,5 .17,10 ]−3−ドデセン、
8,9−ジカルボキシアンハイドライドテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン
等を挙げることができる。
本発明において、前記ノルボルネン誘導体(α)を2種以上混合して使用する場合は、一般式(3)のnが0である化合物とnが1である化合物とを併用することが好ましい。
さらに、ノルボルネン誘導体(α)との開環共重合が可能な他の不飽和脂環式化合物の具体例としては、
ビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
ビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン−5−カルボキシリックアシド、
5−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン−5−カルボキシリックアシド、
5−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン、
テトラシクロ [4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチルテトラシクロ [4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−エチルテトラシクロ [4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
テトラシクロ [4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン−8−カルボキシリックアシド、
8−メチルテトラシクロ [4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン−8−カルボキシリックアシド、
8−フルオロテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8−フルオロメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、8−トリフルオロメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[ 4.4.0.
2,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロイソプロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.
2,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2,2,2−トリフルオロカルボキシエチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロカルボキシエチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、1,5−シクロオクタジエン、1,5,9−シクロドデカトリエン、ノルボルネン、5−エチリデンノルボルネン、5−メチルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、トリシクロ[ 5.2.1.02,6 ] デカ−8−エン、トリシクロ[ 5.2.1.02,6 ] デカ−3−エン、トリシクロ[ 4.4.0.
2,5 ] ウンデカ−3−エン、トリシクロ[ 6.2.1.01,8 ] ウンデカ−9−エン、トリシクロ[ 6.2.1.01,8 ] ウンデカ−4−エン、テトラシクロ[ 4.4.0.
2,5 .17,10.01,6 ] ドデカ−3−エン、8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.
2,5 .17,10.01,6 ] ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,12 ]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[ 4.4.0.
2,5 .17,10.01,6 ] ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[ 6.5.1.13,6
2,7 .09,13 ]ペンタデカ−4−エン、ペンタシクロ[ 7.4.0.12,5 .19,12.08,13 ]ペンタデカ−3−エン
等を挙げることができる。
樹脂(AI)において、前記他の不飽和脂環式化合物に由来する繰返し単位の含有量は、樹脂(AI)中の全繰返し単位に対して、通常、50モル%以下、好ましくは40モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下である。この場合、他の不飽和脂環式化合物に由来する繰返し単位の含有量が50モル%を超えると、ドライエッチング耐性が低下する傾向がある。
(イ)の方法における開環(共)重合は、例えば、メタセシス触媒を使用し、適当な溶媒中で実施することができる。
このようなメタセシス触媒は、特に限定されないが、好ましくはW、MoまたはReの化合物の群から選ばれる少なくとも1種(以下、「特定遷移金属化合物」という。)と、デミングの周期律表IA、IIA、 IIIA、IVAあるいはIVB族金属の化合物からなり、金属−炭素結合または金属−水素結合を有する化合物の群から選ばれる少なくとも1種(以下、「特定有機金属化合物等」という。)との組み合せからなる。
特定遷移金属化合物としては、例えば、W、MoまたはReのハロゲン化物、オキシハロゲン化物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシド、カルボン酸塩、(オキシ)アセチルアセトネート、カルボニル錯体、アセトニトリル錯体、ヒドリド錯体や、これらの化合物の誘導体等を挙げることができる。これらの化合物のうち、WまたはMoの化合物、より具体的にはWまたはMoのハロゲン化物、オキシハロゲン化物またはアルコキシハロゲン化物が、重合活性、実用性等の観点から好ましい。
また、特定遷移金属化合物は、適当な錯化剤、例えば、トリフェニルホスフィン(P(C6H5)3)、ピリジン(NC5H5)等により配位された化合物であることもできる。
特定遷移金属化合物の具体例としては、WCl6、WCl5、WCl4、WBr6、WF6 、WI6 、MoCl5 、MoCl4 、MoCl3 、ReCl3 、WOCl4 、WOCl3 、WOBr3 、MoOCl3、MoOBr3、ReOCl3、ReOBr3、WCl2(OC2H5)4、W(OC2H5)6 、MoCl3(OC2H5)2 、Mo(OC2H5)5、WO2(acac)2(但し、acacはアセチルアセトネート残基を示す。) 、MoO2(acac)2 、W(OCOR)5(但し、OCORはカルボン酸残基を示す。) 、Mo(OCOR)5 、W(CO)6、Mo(CO)6 、Re2(CO)10 、WCl5・P(C6H5)3
MoCl5・P(C6H5)3、ReOBr3・P(C6H5)3、WCl6・NC5H5 、W(CO)5・P(C6H5)3
W(CO)3・(CH3CN)3等を挙げることができる。
これらの化合物のうち、特にWCl6、MoCl5 、WCl2(OC2H5)4、MoCl3(OC2H5)2 等が好ましい。
前記特定遷移金属化合物は、単独でまたは2種以上を組み合せて使用することができる。
また、メタセシス触媒を構成する特定遷移金属化合物成分は、重合系内で反応して特定遷移金属化合物を生成する2種以上の化合物の混合物として使用することもできる。
次に、特定有機金属化合物等の具体例としては、n-C4H9Li、n-C5H11Na 、C6H5Na、
CH3MgI、C2H5MgBr、CH3MgBr 、n-C3H7MgCl、t-C4H9MgCl、CH2=CHCH2MgCl 、(C2H5)2Zn 、(C2H5)2Cd 、CaZn(C2H5)4 、(CH3)3B 、(C2H5)3B、(n-C4H9)3B、(CH3)3Al、(CH3)2AlCl、CH3AlCl2、(CH3)3Al2Cl3、(C2H5)3Al 、(C2H5)3Al2Cl3 、 (C2H5)2Al・O(C2H5)2
(C2H5)2AlCl 、C2H5AlCl2 、(C2H5)2AlH、(C2H5)2AlOC2H5、(C2H5)2AlCN 、LiAl(C2H5)2 、(n-C3H7)3Al 、(i-C4H9)3Al 、(i-C4H9)2AlH、(n-C6H13)3Al、(n-C8H17)3Al、
(C6H5)3Al 、(CH3)4Ga、(CH3)4Sn、(n-C4H9)4Sn 、(C2H5)3SnH、LiH 、NaH 、B2H6
NaBH4 、AlH3、LiAlH4、TiH4等を挙げることができる。
これらの化合物のうち、(CH3)3Al、(CH3)2AlCl、CH3AlCl2、(CH3)3Al2Cl3、(C2H5)3Al 、(C2H5)2AlCl 、C2H5AlCl2 、(C2H5)3Al2Cl3 、(C2H5)2AlH、(C2H5)2AlOC2H5
(C2H5)2AlCN 、(n-C3H7)3Al 、(i-C4H9)3Al 、(i-C4H9)2AlH、(n-C6H13)3Al、
(n-C8H17)3Al、(C6H5)3Al 等が好ましい。
前記特定有機金属化合物等は、単独でまたは2種以上を組み合せて使用することができる。
特定遷移金属化合物と特定有機金属化合物等との量的関係は、金属原子比として、通常、1:1〜1:100、好ましくは1:2〜1:50の範囲である。
前記特定遷移金属化合物と特定有機金属化合物等との組み合せからなる触媒には、触媒活性を高めるため、下記活性化剤a〜iの1種以上をさらに添加することもできる。
活性化剤a: B、BF3 、BCl3、B(O-n-C4H9)3、 BF3・O(CH3)2 、 BF3・O(C2H5)2
BF3・O(n-C4H9)2、 BF3・2C6H5OH 、 BF3・2CH3COOH、 BF3・CO(NH2)2
BF3・N(C2H4OH)3、 BF3・ピペリジン、 BF3・NH2C2H5 、B2O3、H3BO3 等の ほう素化合物;Si(OC2H5)4、 Si(Cl)4等のけい素化合物、
活性化剤b:アルコール類、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシ ルパーオキシド類、
活性化剤c:水、
活性化剤d:酸素、
活性化剤e:アルデヒド類、ケトン類等のカルボニル化合物や、それらのオリゴマーまた はポリマー、
活性化剤f:エチレンオキシド、エピクロルヒドリン、オキセタン等の環状エーテル類、活性化剤g:N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類;アニ リン、モルホリン、ピペリジン等のアミン類;アゾベンゼン等のアゾ化合物 、
活性化剤h:N-ニトロソジメチルアミン、N-ニトロソジフェニルアミン等のN-ニトロソ化 合物、
活性化剤i:トリクロロメラミン、N-クロロスクシンイミド、フェニルスルフェニルクロ リド等の窒素−塩素結合または硫黄−塩素結合を有する化合物。
これらの活性化剤と特定遷移金属化合物との量的関係は、使用される活性化剤の種類によって極めて多様に変化するため、一概には規定できないが、多くの場合、モル比として、通常、0.005:1〜10:1、好ましくは0.05:1〜3.0:1の範囲である。
(イ)の方法における開環(共)重合によって得られる樹脂(AI)の平均分子量は、メタセシス触媒の種類や濃度、重合温度、溶媒の種類や量、モノマー濃度等の反応条件を変えることにより調節することができるが、適当な分子量調節剤を反応系に適量添加して調節することが好ましい。
前記分子量調節剤としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフイン類;1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン等のα,ω−ジオレフィン類;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族化合物;アセチレン類;塩化アリル、酢酸アリル、トリメチルアリロキシシラン等の極性アリル化合物等を挙げることができる。
これらの分子量調節剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
分子量調節剤の使用量は、全モノマー1モルに対して、通常、0.005〜1モル、好ましくは0.02〜1.0モル、さらに好ましくは0.03〜0.7モルである。
また、(イ)の方法に使用される溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;クロロブタン、ブロモヘキサン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類等を挙げることができる。
これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、前記(ロ)の方法におけるラジカル共重合は、例えば、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類、アゾ化合物等のラジカル重合触媒を使用し、適当な溶媒中で実施することができる。
(ロ)の方法に使用される溶媒としては、例えば、前記(イ)の方法について例示した溶媒のほか、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、前記(ハ)の方法における加水分解率は、通常、10〜100モル%、好ましくは20〜95モル%である。
また、前記(ニ)の方法による酸開裂性エステル基の導入率は、通常、10〜70モル%、好ましくは20〜60モル%である。
また、前記(ホ)の方法において、一般式(4)におけるCおよびDのハロゲン原子、炭素数1〜10の1価の炭化水素基および炭素数1〜10の1価のハロゲン化炭化水素基としては、例えば、前記一般式(1)および一般式(2)について例示した基と同様のものを挙げることができる。
ノルボルネン誘導体(β)の具体例としては、前記ノルボルネン誘導体(α)について例示した化合物中のエステル基をカルボキシル基またはヒドロキシル基に転換した化合物を挙げることができる。
本発明においては、ノルボルネン誘導体(β)を2種以上混合して使用する場合も、一般式(4)のnが0である化合物とnが1である化合物とを併用することが好ましい。
(ホ)の方法に使用される(共)重合体は、前記(イ)または(ロ)の方法により得られた各樹脂(AI)を加水分解して得ることができ、あるいは別途合成してもよい。
(ホ)の方法による酸開裂性エステル基の導入率は、通常、10〜70モル%、好ましくは20〜60モル%である。
さらに、前記(ヘ)の方法において、他の酸開裂性基としては、例えば、メトキシメチルオキシ基、エトキシメチルオキシ基、n−プロポキシメチルオキシ基、イソプロポキシメチルオキシ基、n−ブトキシメチルオキシ基、t−ブトキシメチルオキシ基、フェノキシメチルオキシ基、トリクロロエトキシメチルオキシ基等の線状アセタール基;テトラヒドロフラニルオキシ基、テトラヒドロピラニルオキシ基等の環状アセタール基;イソプロポキシカルボニルオキシ基、2−ブテニルオキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、1−メチル−2−プロペニルオキシカルボニルオキシ基、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基、2−シクロヘキセニルオキシカルボニルオキシ基等のカーボネート基;トリメトキシメチルオキシ基、トリエトキシメチルオキシ基、トリn−プロポキシメチルオキシ基、メトキシジエトキシメチルオキシ基等のオルソカーボネート基;メチルエーテル基、エチルエーテル基、n−プロピルエーテル基、イソプロピルエーテル基、n−ブチルエーテル基、2−メチルプロピルエーテル基、1−メチルプロピルエーテル基、t−ブチルエーテル基、シクロヘキシルエーテル基、t−ブチルシクロヘキシルエーテル基等の(シクロ)アルキルエーテル基;アリルエーテル基、2−ブテニルエーテル基、2−シクロヘキセニルエーテル基、1−メチル−2−プロペニルエーテル基等のアルケニルエーテル基;ベンジルエーテル基、t−ブチルベンジルエーテル基等のアラルキルエーテル基;ビニルエーテル基、1−プロペニルエーテル基、1−ブテニルエーテル基、1,3−ブタジエニルエーテル基、フェニルビニルエーテル基等のエノールエーテル基等を挙げることができる。
(ヘ)の方法による他の酸開裂性基の導入反応の例としては、
(ヘ−1)各樹脂中のカルボキシル基と2,3−ジヒドロ−4H−ピランとの付加反応によるエステル化反応、
(ヘ−2)各樹脂中のヒドロキシル基と2,3−ジヒドロ−4H−ピランとの付加反応によるエーテル化反応、
(ヘ−3)各樹脂中のヒドロキシル基とジアルキルジカーボネートとの反応によるエステル化反応等を挙げることができる。
(ヘ)の方法による他の酸開裂性基の導入率は、通常、10〜70モル%、好ましくは20〜60モル%である。
本発明における樹脂(AI)としては、放射線に対する透明性の観点から、炭素・炭素不飽和結合の少ないものが好ましい。このような樹脂(AI)は、例えば、前記(イ)の方法または前記(ホ)の開環(共)重合する方法における適宜の段階で、あるいはこれらの方法に続いて、水素付加、水付加、ハロゲン付加、ハロゲン化水素付加等の付加反応を行うことによって得ることができ、特に水素付加反応させることにより得られる前記樹脂(AI)が好ましい。なお、前記(ロ)の方法および前記(ホ)のラジカル(共)重合する方法により得られる樹脂(AI)は、実質的に炭素・炭素不飽和結合をもたないものである。
前記水素付加させた樹脂(AI)における水素付加率は、好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは100%である。
前記水素付加反応に使用される触媒としては、例えば、通常のオレフイン性化合物の水素付加反応に用いられているものを使用することができる。
このような水素付加触媒のうち、不均一系触媒としては、例えば、Pd、Pt、Ni、Rh、Ru等の貴金属を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニア等の担体に担持させた固体触媒等を挙げることができる。これらの不均一系触媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、均一系触媒としては、例えば、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム系、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム系、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム系、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド系や、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等のロジウム系等を挙げることができる。これらの均一系触媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記水素付加触媒のうち、不均一系触媒が、反応活性が高く、反応後の触媒除去も容易であり、得られる樹脂(AI)の色調が優れる点で好ましい。
水素付加反応は、通常、常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガス雰囲気下において、通常、0〜200℃、好ましくは20〜180℃で実施することができる。
樹脂(AI)としては、特に、下記樹脂(AI−1) 、樹脂(AI−2)および樹脂(AI−3) が好ましい。
樹脂(AI−1) は、下記一般式(5)で表される繰返し単位からなる樹脂である。
Figure 0004218675
〔一般式(5)において、nおよびAはそれぞれ一般式(1)および一般式(2)と同義であり、Xは酸開裂性基(i)を示す。〕
樹脂(AI−1) としては、Xの酸開裂性基(i)が一般式(1)および一般式(2)における酸開裂性基について挙げた基-(CH2)x COOR1 からなる樹脂が好ましく、さらに好ましくはXの酸開裂性基(i)が基 -COOR1 からなる樹脂であり、特に好ましくはXの酸開裂性基(i)がメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘプチルオキシカルボニル基、シクロオクチルオキシカルボニル基等の(シクロ)アルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基、4−t−ブチルフェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基等のアリーロキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基、4−t−ブチルベンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基;t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニル基等のブトキシカルボニルメトキシカルボニル基からなる樹脂である。
樹脂(AI−1) において、一般式(5)で表される繰返し単位は1種以上存在することができる。
また、樹脂(AI−2)は、下記一般式(5)で表される繰返し単位および下記一般式(6)で表される繰返し単位からなるランダム共重合体である。
Figure 0004218675
Figure 0004218675
〔一般式(5)および一般式(6)において、nおよびmはそれぞれ独立に0または1であり、AおよびBはそれぞれ一般式(1)および一般式(2)と同義であり、Xは酸開裂性基(i)を示す。〕
樹脂(AI−2)としては、Xの酸開裂性基(i)が一般式(1)および一般式(2)における酸開裂性基(i)について挙げた基-(CH2)x COOR1 からなる樹脂が好ましく、さらに好ましくはXの酸開裂性基(i)が基 -COOR1 からなる樹脂であり、特に好ましくはXの酸開裂性基(i)がメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘプチルオキシカルボニル基、シクロオクチルオキシカルボニル基等の(シクロ)アルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基、4−t−ブチルフェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基等のアリーロキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基、4−t−ブチルベンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基;t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニル基等のブトキシカルボニルメトキシカルボニル基からなる樹脂である。
樹脂(AI−2)における一般式(5)で表される繰返し単位と一般式(6)で表される繰返し単位とのモル比は、通常、20/80〜95/5、好ましくは30/70〜90/10である。
樹脂(AI−2)において、一般式(5)で表される繰返し単位および一般式(6)で表される繰返し単位は、それぞれ1種以上存在することができる。
また、樹脂(AI−3) は、下記一般式(7)で表される繰返し単位および下記一般式(8)で表される繰返し単位からなるランダム共重合体である。
Figure 0004218675
Figure 0004218675
〔一般式(7)および一般式(8)において、AおよびBはそれぞれ一般式(1)および一般式(2)と同義であり、XおよびYはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の1価の炭化水素基、炭素数1〜10の1価のハロゲン化炭化水素基または酸開裂性基(i)を示し、かつXおよびYのうち少なくとも一つは酸開裂性基(i)である。〕
樹脂(AI−3) としては、XおよびYの酸開裂性基(i)が一般式(1)および一般式(2)における酸開裂性基(i)について挙げた基-(CH2)x COOR1 からなる樹脂が好ましく、さらに好ましくはXおよびYの酸開裂性基(i)が基-COOR1からなる樹脂であり、特に好ましくはXおよびYの酸開裂性基(i)がメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘプチルオキシカルボニル基、シクロオクチルオキシカルボニル基等の(シクロ)アルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基、4−t−ブチルフェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基等のアリーロキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基、4−t−ブチルベンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基;t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニル基等のブトキシカルボニルメトキシカルボニル基からなる樹脂である。
樹脂(AI−3) における一般式(7)で表される繰返し単位と一般式(8)で表される繰返し単位とのモル比は、通常、5/95〜100/0、好ましくは10/90〜90/10である。
樹脂(AI−3) において、一般式(7)で表される繰返し単位および一般式(8)で表される繰返し単位は、それぞれ1種以上存在することができる。
樹脂(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、通常、5,000〜300,000、好ましくは5,000〜200,000、さらに好ましくは10,000〜100,000である。この場合、樹脂(A)のMwが5,000未満では、レジストとしての耐熱性が低下する傾向があり、また300,000を超えると、レジストとしての現像性が低下する傾向がある。
本発明において、樹脂(A)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
酸発生剤(B)
次に、本発明における(B)成分は、放射線の照射(以下、「露光」という。)により酸を発生する感放射線性酸発生剤(以下、「酸発生剤(B)」という。)からなる。
酸発生剤(B)は、露光により発生した酸の作用によって、樹脂(A)および/または後述する酸開裂性添加剤中に存在する酸開裂性基を開裂させ、その結果レジスト被膜の露光部がアルカリ現像液に易溶性となり、ポジ型のレジストパターンを形成する作用を有するものである。
このような酸発生剤(B)としては、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物等を挙げることができる。
これらの酸発生剤(B)の例としては、下記のものを挙げることができる。
オニウム塩
オニウム塩としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩(テトラヒドロチオフェニウム塩を含む。)、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等を挙げることができる。
好ましいオニウム塩の具体例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムナフタレンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、
トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンゼンメチルスルホニウムトルエンスルホネート、シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、(4−ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート、
1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シアノ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ニトロ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シアノ−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ニトロ−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(1−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−i−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロフラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ベンジルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート
等を挙げることができる。
ハロゲン含有化合物
ハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物等を挙げることができる。
好ましいハロゲン含有化合物の具体例としては、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等の(トリクロロメチル)−s−トリアジン誘導体や、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン等を挙げることができる。
ジアゾケトン化合物
ジアゾケトン化合物としては、例えば、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等を挙げることができる。
好ましいジアゾケトンの具体例としては、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド、2,3,4,4’−テトラヒドロベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等を挙げることができる。
スルホン化合物
スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらの化合物のα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。
好ましいスルホン化合物の具体例としては、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン等を挙げることができる。
スルホン酸化合物
スルホン酸化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、アルキルスルホン酸イミド、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。
好ましいスルホン酸化合物の具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールのトリストリフルオロメタンスルホネート、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−ヒドロキシスクシイミドトリフルオロメタンスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネート等を挙げることができる。
これらの酸発生剤(B)のうち、特に、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−ヒドロキシスクシイミドトリフルオロメタンスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネート等が好ましい。
本発明において、酸発生剤(B)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
酸発生剤(B)の使用量は、レジストとしての感度および現像性を確保する観点から、樹脂(A)100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜7重量部である。この場合、酸発生剤(B)の使用量が0.1重量部未満では、感度および現像性が低下し、また10重量部を超えると、放射線に対する透明性が低下して、矩形のレジストパターンを得られ難くなる傾向がある。
溶剤(C)
次に、本発明における(C)成分は、直鎖状ケトンと2−ヒドロキシプロピオン酸アルキルとの混合物からなる溶剤(以下、「溶剤(C)」という。)である。
溶剤(C)の一方の構成成分である直鎖状ケトンとしては、例えば、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の合計炭素数3〜8の化合物等を挙げることができる。
これらの直鎖状ケトンのうち、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等が好ましい。
前記直鎖状ケトンは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
溶剤(C)の他方の構成成分である2−ヒドロキシプロピオン酸アルキルとしては、例えば、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル等の合計炭素数4〜8の化合物等を挙げることができる。
これらの2−ヒドロキシプロピオン酸アルキルのうち、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等が好ましい。
前記2−ヒドロキシプロピオン酸アルキルは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
溶剤(C)における直鎖状ケトンと2−ヒドロキシプロピオン酸アルキルとの配合比率は、通常、30/70〜95/5、好ましくは50/50〜90/10である。
本発明においては、前記溶剤(C)とともに、他の溶剤を使用することもできる。
前記他の溶剤としては、例えば、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トルエン、キシレン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等を挙げることができる。
これらの他の溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用される。
本発明における感放射線性樹脂組成物は、前記樹脂(A)、酸発生剤(B)および溶剤(C)を必須成分とし、場合により、後述する酸開裂性添加剤、ルイス塩基添加剤、界面活性剤等をさらに含有するが、その全固形分濃度は、通常、5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%である。
酸開裂性添加剤
本発明においては、酸の作用により開裂して、アルカリ現像液に対する親和性が向上する基を有する化合物(以下、「酸開裂性添加剤」という。)を配合することにより、化学増幅型レジストとしてのコントラストをさらに向上させることができる。
このような酸開裂性添加剤としては、例えば、t−ブチル基で保護された水酸基および/またはカルボキシル基、テトラヒドロピラニル基で保護された水酸基および/またはカルボキシル基、3−オキソシクロヘキシル基で保護されたカルボキシル基等の酸開裂性基を少なくとも1種有する高分子化合物あるいは低分子化合物を挙げることができる。
酸開裂性添加剤のうち、高分子化合物としては、例えば、t−ブチル(メタ)アクリレート単位、テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート単位および3−オキソシクロヘキシル(メタ)アクリレート単位の群から選ばれる繰返し単位を少なくとも1種含有する(共)重合体等を挙げることができる。
このような高分子化合物の具体例としては、
(メタ)アクリル酸t−ブチルの単独重合体、(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸メチル共重合体、(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル共重合体、(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル共重合体、
(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニルの単独重合体、(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル/(メタ)アクリル酸メチル共重合体、(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル共重合体、
(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシルの単独重合体、(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル/(メタ)アクリル酸メチル共重合体、(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体等を挙げることができる。
これらの高分子化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、酸開裂性添加剤のうち、低分子化合物の具体例としては、
アダマンタンカルボン酸t−ブチル、アダマンタンカルボン酸テトラヒドロピラニル、アダマンタンカルボン酸3−オキソシクロヘキシル、アダマンタン酢酸t−ブチル、アダマンタン酢酸テトラヒドロピラニル、アダマンタン酢酸3−オキソシクロヘキシル、
1−ナフチル酢酸t−ブチル、1−ナフチル酢酸テトラヒドロピラニル、1−ナフチル酢酸3−オキソシクロヘキシル、2−ナフチル酢酸t−ブチル、2−ナフチル酢酸テトラヒドロピラニル、2−ナフチル酢酸3−オキソシクロヘキシル、1−ナフトイックアシドt−ブチル、1−ナフトイックアシドテトラヒドロピラニル、1−ナフトイックアシド3−オキソシクロヘキシル、2−ナフトイックアシドt−ブチル、2−ナフトイックアシドテトラヒドロピラニル、2−ナフトイックアシド3−オキソシクロヘキシル、
コリック酸t−ブチル、コリック酸テトラヒドロピラニル、コリック酸3−オキソシクロヘキシル、
1−t−ブトキシカルボニルオキシナフタレン、2−t−ブトキシカルボニルオキシナフタレン、1−カルボ−t−ブトキシメトキシナフタレン、2−カルボ−t−ブトキシメトキシナフタレン
等を挙げることができる。
これらの低分子化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、本発明においては、酸開裂性添加剤として、高分子化合物と低分子化合物とを併用してもよい。
酸開裂性添加剤の配合量は、樹脂(A)100重量部に対して、通常、200重量部以下、好ましくは5〜150重量部である。この場合、酸開裂性添加剤の配合量が200重量部を超えると、基板への接着性が低下する傾向がある。
また、本発明における感放射線性樹脂組成物は、酸発生剤(B)から発生する酸に対してルイス塩基として作用する化合物(以下、「ルイス塩基添加剤」という。)を配合することにより、レジストパターンの側壁の垂直性をより効果的に改善することができる。
このようなルイス塩基添加剤としては、例えば、含窒素塩基性化合物やその塩類、カルボン酸類、アルコール類等を挙げることができるが、含窒素塩基性化合物が好ましい。
前記含窒素塩基性化合物の具体例としては、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリi−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、トリn−ヘキシルアミン、トリエタノールアミン、トリフェニルアミン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、ジフェニルアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピロリジン、ピペリジン等のアミン化合物;イミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、チアベンダゾール等のイミダゾール化合物;ピリジン、2−メチルピリジン、4−エチルピリジン、2−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、アクリジン等のピリジン化合物;プリン、1,3,5−トリアジン、トリフェニル−1,3,5−トリアジン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ウラゾール等の他の含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
これらの含窒素塩基性化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
ルイス塩基添加剤の配合量は、酸発生剤(B)1モルに対して、通常、1モル以下、好ましくは0.05〜1モルである。この場合、ルイス塩基添加剤の配合量が1モルを超えると、レジストとしての感度が低下する傾向がある。
さらに、本発明における感放射線性樹脂組成物には、必要に応じて、他の各種添加剤を配合することができる。
このような添加剤としては、例えば、塗布性、現像性等を改良する作用を示す界面活性剤を挙げることができる。
前記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤のほか、以下商品名で、KP341(信越化学工業製)、ポリフローNo.75,同No.95(共栄社油脂化学工業製)、エフトップEF301,同EF303,同EF352(トーケムプロダクツ製)、メガファックスF171,同F173(大日本インキ化学工業製)、フロラードFC430,同FC431(住友スリーエム製)、アサヒガードAG710,サーフロンSー382,同SCー101,同SCー102,同SCー103,同SCー104,同SCー105,同SCー106(旭硝子製)等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
界面活性剤の配合量は、樹脂(A)、酸発生剤(B)および酸開裂性添加剤の合計100重量部に対して、通常、2重量部以下である。
また、前記以外の添加剤としては、ハレーション防止剤、接着助剤、保存安定化剤、消泡剤等を挙げることができる。
本発明における感放射線性樹脂組成物は、特に化学増幅型ポジ型レジストとして有用である。
前記化学増幅型ポジ型レジストにおいては、露光により酸発生剤(B)から発生した酸の作用によって、樹脂(A)および/または酸開裂性添加剤中の酸開裂性基が、例えば、(ヌ)アルコキシカルボニル基が開裂してカルボキシル基に変換される反応、
(ル) アルキルカルボニルオキシ基が開裂して水酸基に変換される反応、
(ヲ)シアノ基が開裂してカルボキシル基に変換される反応、
(ワ)酸無水物基が開裂してカルボキシル基に変換される反応
等を生起し、その結果レジストの露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、該露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のレジストパターンが得られる。
レジストパターンの形成方法
本発明の半導体デバイス製造用感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、該組成物を、通常、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過しておく。
その後、感放射線性樹脂組成物を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハー等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成し、場合により予めプレベークを行ったのち、所定のレジストパターンを形成するように該レジスト被膜に露光する。その際に使用される放射線としては、KrFエキシマレーザー(波長248nm)あるいはArFエキシマレーザー(波長193nm)等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線の如き各種放射線を使用することができるが、好ましくはKrFエキシマレーザーまたはArFエキシマレーザー、特に好ましくはArFエキシマレーザーが使用される。
本発明においては、露光後に加熱処理(以下、「露光後ベーク」という。)を行うことが好ましい。この露光後ベークにより、前記(ヌ)〜(ワ)等の反応が円滑に進行する。露光後ベークの加熱条件は、組成物の配合組成によって変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜170℃である。
本発明においては、感放射線性樹脂組成物の潜在能力を最大限に引き出すため、例えば特許文献3等に開示されているように、使用される基板上に有機系あるいは無機系の反射防止膜を形成しておくこともでき、また環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、例えば特許文献4等に開示されているように、レジスト被膜上に保護膜を設けることもでき、あるいはこれらの技術を併用することもできる。
特公平6−12452号公報 特開平5−188598号公報
次いで、露光されたレジスト被膜を現像することにより、所定のレジストパターンを形成する。
前記現像に使用される現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液が好ましい。該アルカリ性水溶液の濃度は、通常、10重量%以下である。この場合、アルカリ性水溶液の濃度が10重量%を超えると、未露光部も現像液に溶解し、好ましくない。
また、前記アルカリ性水溶液からなる現像液には、例えば有機溶剤を添加することもできる。
前記有機溶剤の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチル−2−シクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類や、フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
これらの有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
有機溶剤の使用量は、アルカリ性水溶液に対して、100容量%以下が好ましい。この場合、有機溶剤の使用量が100容量%を超えると、現像性が低下し、露光部の現像残りが著しくなり、好ましくない。
また、アルカリ性水溶液からなる現像液には、界面活性剤等を適量添加することもできる。
なお、アルカリ性水溶液からなる現像液で現像したのちは、一般に、水で洗浄して乾燥する。
本発明の半導体デバイス製造用感放射線性樹脂組成物は、化学増幅型レジストとして、特に放射線に対する透明性、ドライエッチング耐性、膜厚均一性が優れ、しかも基板接着性、感度、解像度、現像性等にも優れたレジストパターンを形成することができるものであり、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造に極めて好適に使用することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。ここで、部および%は、特記しない限り重量基準である。
実施例および比較例における各測定・評価は、下記の要領で行った。
Mw:
東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ml/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
放射線透過率:
組成物を石英ガラス上にスピンコートした乾燥膜厚1.0μmのレジスト被膜について、波長248nmあるいは波長193nmにおける吸光度から、放射線透過率を算出して、遠紫外線領域における透明性の尺度とした。
エッチング速度:
レジスト被膜に対して、ドライエッチング装置(日電アネルバ社製、DEM451)を用い、エッチングガスをCF4 とし、ガス流量30sccm、圧力5Pa、出力100Wの条件でドライエッチングを行い、エッチング速度を測定した。エッチング速度の小さいほど、ドライエッチング耐性に優れることを意味する。基板接着性:
現像後、洗浄した0.25μmライン・アンド・スペースパターン(1L1S)のポジ型レジストパターンについて、走査型電子顕微鏡でパターンの接着具合を観察し、パターンの剥がれや浮き等の不具合が認められない場合を“良好”とし、これらの不具合が認められる場合を“不良”とした。
感度:
組成物をシリコーンウエハー上にスピンコートしたのち、表2に示す温度に保持したホットプレート上で90秒間プレベークを行って、膜厚0.6μmのレジスト被膜を形成した。このレジスト被膜に、(株)ニコン製KrFエキシマレーザー露光装置(レンズ開口数0.50、露光波長248nm)または(株)ニコン製ArFエキシマレーザー露光装置(レンズ開口数0.55、露光波長193nm)により、マスクパターンを介して露光した。次いで、表2に示す温度に保持したホットプレート上で90秒間露光後ベークを行ったのち、0.238重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により、25℃で1分間現像し、水洗し、乾燥して、ポジ型レジストパターンを形成した。その際、0.25μmライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度とした。
解像度:
最適露光量で露光したときに解像される最小のポジ型レジストパターンの寸法を解像度とした。
現像性:
感度の評価と同様にして形成したポジ型レジストパターンについて、現像後のスカムや現像残りの程度を、走査型電子顕微鏡にて観察した。
膜厚均一性:
東京エレクトロン(株)製現像塗布装置MARK−8を用い、組成物を直径6インチのウエハーに回転塗布して、平均膜厚0.50μmのレジスト被膜を形成した。このレジスト被膜について、大日本スクリーン(株)製ラムダエース、モデルVL−M6000−LSを用いて、図1に示すように、ウエハー中心よりオリフラ方向に、水平方向および垂直方向に1cm間隔で順次ずらした点と中心点との計25の測定点で膜厚を測定し、(最大膜厚−平均膜厚)≦50Åおよび(平均膜厚−最小膜厚)≦50Åをともに満足する場合を、膜厚均一性が良好とし、(最大膜厚−平均膜厚)≦50Åおよび(平均膜厚−最小膜厚)≦50Åの少なくとも何れか一方を満足しない場合を、膜厚均一性が不良とした。
合成例1
攪拌機、還流冷却器および三方コックを備えたセパラブルフラスコ内を窒素置換し、窒素気流下で、モノマーとして5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン60部と8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン40部、分子量調節剤として1−ヘキセン100部、溶媒として1,2−ジクロロエタン400部を仕込み、メタセシス触媒としてトリエチルアルミニウムのクロロベンゼン溶液(濃度1.5モル/リットル)0.6部と六塩化タングステンのクロロベンゼン溶液(濃度10.025モル/リットル)4部を加えて、80℃で3時間開環重合させた。重合終了後、反応溶液に大量のメタノールを加えてポリマーを析出させ、析出したポリマーをろ別し、真空乾燥して、下記各式で表される繰返し単位からなるランダム共重合体(収率92%)を得た。この共重合体を、樹脂(A1) とする。
Figure 0004218675
合成例2
樹脂(A1) 100部に対して、水素添加触媒として活性炭に担持させたロジウム(ロジウム含有率5%)10部を添加したのち、テトラヒドロフラン2000部に溶解し、水素ガス圧を150kg/cm2 として、150℃で、5時間水素添加反応を行った。反応後、反応容器中の水素ガスを放出し、さらに反応溶液から水素添加触媒をろ別したのち、メタノールを加えて、水素添加樹脂を凝固させた。次いで、この樹脂をテトラヒドロフランに再溶解したのち、メタノールを加えて、樹脂を再凝固させ、ろ別し、真空乾燥して、精製樹脂を得た。
この樹脂は、赤外吸収スペクトルおよびNMRスペクトルにより測定した水素添加率が100%であり、下記各式で表される繰返し単位からなるものであった。この樹脂を、樹脂(A2) とする。
Figure 0004218675
合成例3
樹脂(A2) 100部を、プロピレングリコール300部に溶解し、さらに水10部、85%水酸化カリウム10部を加えたのち、オートクレーブ中170℃で、8時間加水分解反応を行った。次いで、反応溶液を冷却し、しゅう酸二水和物の10%水溶液200部を加えて中和したのち、大量の水に注いで、樹脂を凝固させた。次いで、樹脂をろ別し、水洗し、真空乾燥して、精製樹脂を得た。
この樹脂は、赤外吸収スペクトルにより測定した加水分解率が100%であり、下記各式で表される繰返し単位からなるものであった。この樹脂を、樹脂(A3) とする。
Figure 0004218675
合成例4
樹脂(A3) 100部を、テトラヒドロフラン300部に溶解し、さらに水50部、α−ブロモ酢酸t−ブチル63部、反応触媒として炭酸カリウム49部を加えて、還流下で8時間置換反応を行った。次いで、しゅう酸二水和物の10%水溶液で中和したのち、酢酸エチル500部と水500部を加えて水層を分離する操作を3回繰り返して、塩および酸成分を除去した。その後、得られた樹脂溶液をn−ヘキサンに注いで、樹脂を凝固させ、凝固した樹脂をろ別し、真空乾燥して、精製樹脂を得た。
この樹脂は、NMRスペクトルにより測定した置換率が55%であり、下記各式で表される繰返し単位からなり、Mwが26,000の樹脂であった。この樹脂を、樹脂(A4) とする。
Figure 0004218675
合成例5
合成例1で用いたセパラブルフラスコに、窒素気流下で、モノマーとして5−t−ブトキシカルボニルビシクロ[ 2.2.1] ヘプト−2−エン50部と8−t−ブトキシカルボニルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5
7,10 ]ドデカ−3−エン50部、分子量調節剤として1−ヘキセン200部、溶媒として1,2−ジクロロエタン400重量部、メタセシス触媒としてジエチルアルミニウムクロライドのn−ヘキサン溶液(濃度10%)1.7部と六塩化タングステンのクロロベンゼン溶液(濃度2%)1.8部とパラアルデヒドの1,2−ジクロロエタン溶液(濃度10%)0.1部を加えて、60℃で7時間開環共重合させた。重合終了後、反応溶液に大量のメタノールを加えてポリマーを析出させ、析出したポリマーをろ別し、真空乾燥して、下記各式で表される繰返し単位からなるランダム共重合体(収率65%)を得た。この共重合体を、樹脂(A5)とする。
Figure 0004218675
合成例6
樹脂(A5)に対して、合成例2と同様にして水素添加反応を行った。
この樹脂は、赤外吸収スペクトルおよびNMRスペクトルにより測定した水素添加率が100%であり、下記各式で表される繰返し単位からなり、Mwが29,000の樹脂であった。この樹脂を、樹脂(A6)とする。
Figure 0004218675
合成例7
樹脂(A6) 100部、プロピレングリコール200部、85%水酸化カリウム20部をオートクレーブに仕込んだのち、合成例3と同様にして、加水分解反応および後処理を行った。
この樹脂は、赤外吸収スペクトルおよびNMRスペクトルにより測定した加水分解率が58%であり、下記各式で表される繰返し単位からなり、Mwが30,000の樹脂であった。この樹脂を、樹脂(A7) とする。
Figure 0004218675
実施例1〜2および比較例1
各合成例で得た樹脂(A4)または樹脂(A7)を用い、下記する酸発生剤(B)、溶剤およびルイス塩基添加剤と混合して、均一溶液としたのち、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過して、表1に示す組成物溶液を調製した。
得られた各組成物溶液について、ベーク温度および放射線の種類を表2に示すとおりとし、0.238%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で1分間現像して、レジストパターンを形成し、各種評価を行った。
評価結果を、表3に示す。
酸発生剤(B)
B1:シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフレート溶剤
C1:2−ヘプタノン
C2:2−ヒドロキシプロピオン酸エチル
C3:シクロヘキサノン
ルイス塩基添加剤
D1:トリn−ブチルアミン
Figure 0004218675
Figure 0004218675
Figure 0004218675
膜厚均一性の評価時の膜厚の測定点を示す図である。

Claims (3)

  1. (A)下記一般式(1)または一般式(2)で表される脂環式骨格を主鎖のみに有する樹脂(AI)から選ばれるアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の酸開裂性基含有樹脂からなり、該酸開裂性基が開裂したときにアルカリ可溶性となる樹脂、
    (B)放射線の照射により酸を発生する感放射線性酸発生剤、並びに
    (C)直鎖状ケトンと2−ヒドロキシプロピオン酸アルキルとの混合物からなる溶剤
    を含有することを特徴とする半導体デバイス製造用感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0004218675
    Figure 0004218675
    〔一般式(1)および一般式(2)において、nは0または1であり、AおよびBはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の1価の炭化水素基または炭素数1〜10の1価のハロゲン化炭化水素基を示し、XおよびYはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の1価の炭化水素基、炭素数1〜10の1価のハロゲン化炭化水素基または酸開裂性基を示し、かつXおよびYのうち少なくとも一つは酸開裂性基である。〕
  2. (C)成分において、直鎖状ケトンと2−ヒドロキシプロピオン酸アルキルとの配合比率が30/70〜95/5である、請求項1に記載の半導体デバイス製造用感放射線性樹脂組成物。
  3. (C)成分における2−ヒドロキシプロピオン酸アルキルが2−ヒドロキシプロピオン酸メチルおよび2−ヒドロキシプロピオン酸エチルの群から選ばれる、請求項1または請求項2に記載の半導体デバイス製造用感放射線性樹脂組成物。
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