JP2005016681A - 転がり軸受 - Google Patents

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JP2005016681A JP2003185103A JP2003185103A JP2005016681A JP 2005016681 A JP2005016681 A JP 2005016681A JP 2003185103 A JP2003185103 A JP 2003185103A JP 2003185103 A JP2003185103 A JP 2003185103A JP 2005016681 A JP2005016681 A JP 2005016681A
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Yuki Tsuchida
祐樹 土田
Takao Obara
孝男 小原
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NSK Ltd
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Abstract

【課題】温度上昇に伴う有効隙間の変化量を少なくして、初期残留隙間が小さいにも係わらず、有効隙間が過大に負の隙間となるのを防止し、異常音,振動,焼付き等の発生が少ない転がり軸受を提供する。
【解決手段】転動体9の線膨張係数α0と、外輪5および内輪6の線膨張係数αとの比α0/αを0.2以上、かつ0.45以下として、広い温度範囲にわたって温度に起因する転がり軸受4の有効隙間の変化量を少なくした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は転がり軸受に係り、例えば自動車のトランスミッション,トランスファ,デファレンシャル,プロペラシャフトの内部、あるいは中間部位に適用される駆動力伝達制御装置等を支持する転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車のトランスミッション,トランスファ,デファレンシャル,プロペラシャフトの内部、あるいは中間部位には、駆動力伝達制御装置が適用されることがある。
駆動力伝達制御装置としては、例えばビスカスカップリング,多板湿式クラッチを使用したカップリング,油圧を利用したカップリング等がある。駆動力伝達制御装置の入力軸および出力軸は、ハウジングに配設された駆動力伝達制御装置支持用の転がり軸受によって回動自在に支持されている。エンジン等から入力軸に伝達された駆動力は、車輛の状況に応じて適宜制御された後、出力軸に出力される。
【0003】
入力軸の回転数と出力軸の回転数との差が大きいと、駆動力伝達制御装置内で発熱し、温度が上昇して高温になることがある。これに伴なって、駆動力伝達制御装置を回動自在に支持する駆動力伝達制御装置支持用の転がり軸受の温度も上昇する。
一般的に、軸(入力軸および出力軸)よりハウジングの方が放熱条件が良いので、内輪および転動体の温度は、外輪よりも5〜10℃程度高くなる。
【0004】
転がり軸受の温度が上昇すると、熱膨張によって内部隙間が大幅に減少して有効隙間が小さくなり、場合によっては、軸受寿命を低下させる虞れがある。
転がり軸受の疲れ寿命は、有効隙間がわずかに負であるとき、最も長くなり、負の隙間が大きくなると、疲れ寿命が著しく低下することが知られている。
【0005】
従来は、熱膨張により有効隙間が減少し、負の隙間が過大になるのを防止するために、初期の残留隙間を大きく設定することで対処していた。
ここで、残留隙間とは、駆動力伝達制御装置支持用転がり軸受自身の持つ幾何隙間から、外輪および内輪のはめあいによる隙間の減少量を差し引いた隙間のことである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、残留隙間を大きく設定すると、軸受のガタが大きくなり、入力軸および出力軸の回転が不安定となって、駆動力伝達制御装置の振動や騒音が大きくなる問題点があった。
従って、残留隙間は、あまり大きな値に設定することはできない。
【0007】
また、例えば車輛がスタックする等して、車輪が空転すると、駆動力伝達制御装置の入力軸および出力軸の回転数の差が大きくなり、駆動力伝達制御装置が急激に発熱する。
これに伴なって、駆動力伝達制御装置支持用の転がり軸受の温度も上昇する。
【0008】
特に、入力軸および出力軸に嵌合している内輪は、駆動力伝達制御装置から直接に熱が伝達され、また放熱効率もよくないことから、温度上昇が大きい。
駆動力伝達制御装置支持用の転がり軸受の熱膨張によって、有効隙間が負の隙間になると、転動体に作用する荷重が増大し、転がり軸受内部からも発熱して、更に温度が上昇することになる。これによって、封入されたグリースの劣化が促進されて潤滑不良となり、異常音,振動,焼付き等が発生する虞れもある。
また、極端な場合には、軌道面または転動体にブリネル圧痕を生じ、異常音,異常振動等の原因となって軸受寿命が低下する場合があり、改善が熱望されていた。
【0009】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、温度上昇に伴う有効隙間の変化量が小さい転がり軸受を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、内径面に外輪軌道面が形成された外輪と、外径面に内輪軌道面が形成された内輪と、前記外輪軌道面および前記内輪軌道面間に配置された複数の転動体と、前記各転動体を回動自在に保持する保持器とを有する転がり軸受において、前記転動体の線膨張係数と前記外輪および前記内輪の線膨張係数との比が0.2以上、かつ、0.45以下であることを特徴としている。
【0011】
このように構成された転がり軸受においては、転動体の線膨張係数と、外輪および内輪の線膨張係数との比が0.2以上、かつ0.45以下であるので、広い温度範囲にわたって温度に起因する有効隙間の変化量を小さくできることになる。
従って、この転がり軸受においては、初期残留隙間を大きく設定する必要がなく、大きなガタによって回転が不安定となり、例えば駆動力伝達制御装置等の振動が大きくなるという従来の問題を解消できることになる。
【0012】
また、この転がり軸受においては、有効隙間が過大に負の隙間になることがない。
従って、転動体に過大な荷重が作用することが防止され、従来のような熱によりグリースが劣化し、潤滑不良となって異常音,振動,焼付き等が発生したり、また軌道面や転動体にブリネル圧痕が生じて寿命が低下するという問題を解消できることになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1に示すように、本発明に係る実施形態の転がり軸受4として例示される単列深溝玉軸受であり、外輪5と、内輪6と、転動体9と、保持器10とを有し、例えば自動車の駆動力伝達制御装置支持用に供される。
【0014】
外輪5の内径面には外輪軌道面5aが形成されていて、内輪6の外径面には内輪軌道面6aが形成されている。外輪軌道面5aおよび内輪軌道面6a間には、保持器10によって回動自在に保持された複数個の転動体9が転動自在に配設されている。転動体9は、例えばセラミックから製作され、また外輪5および内輪6は、例えばSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼から製作されている。
【0015】
一対の転がり軸受4は、外輪5がハウジング8に嵌合し、軸方向に離間して配置されている。夫々の内輪6の内径面には、入力軸2および出力軸3が圧入されて駆動力伝達制御装置1を回動自在に支承している。
転動体9の素材である、例えば窒化珪素セラミックの線膨張係数α0は、3.5×10−6である。また、外輪5および内輪6の素材である、例えば軸受鋼の線膨張係数αは、12.5×10−6である。従って、転動体9の線膨張係数α0と、外輪5および内輪6の線膨張係数αとの比(以下、線膨張係数比という)α0/αは、0.28となっている。
そして、エンジン等から入力軸2に伝達された駆動力は、駆動力伝達制御装置1によって、車両の状況に応じて適宜制御されて出力軸3に出力される。出力軸3からは、制御された駆動力が車輪等の後続する機構へ伝達されるようになつている。
【0016】
図2は、外径62mm、内径30mm、幅16mmの基本寸法を有する呼び番号6206の転がり軸受について、線膨張係数比α0/αと、内部隙間の変化量との関係を、各温度について示した図であり、縦軸の1マスは5μmである。
なお、線膨張係数比α0/αの変更は、転動体9の素材を変えることにより達成される。
【0017】
図2において、直線Aは、軸受温度160℃のときの内部隙間の変化量を、線膨張係数比α0/αの関係で示している。
直線Bは、軸受温度−40℃のときの内部隙間の変化量を、線膨張係数比α0/αの関係で示している。
また、曲線Cは、直線Aと直線Bとの差の絶対値を示している。
【0018】
図2の直線Aに示すように、高温時における内部隙間の変化量は、線膨張係数比α0/αが小さい方が少ないことが判る。
転動体と転動輪(外輪および内輪)とが共に、例えば軸受鋼で製作されている場合には、線膨張係数比α0/αは1.0となり、内部隙間の変化量が大きくなる。従って、単列深溝玉軸受4の温度が上昇すると、有効隙間が負の隙間となって転動体に作用する負荷が増大する可能性がある。
【0019】
また、図2の直線Bに示すように、軸受温度−40℃のときの内部隙間の変化量は、上記した高温の場合とは逆に、線膨張係数比α0/αが小さい方が、多くなっていることが分かる。従って線膨張係数比α0/αが小さいと、低温において転がり軸受のガタが大きくなり、予圧抜け等が生じる虞れがある。
図2の曲線Cに示すように、直線Aと直線Bとの差の絶対値は、線膨張係数比α0/αが略0.3において極小値を示し、線膨張係数比α0/αがそれより大きくても、また小さくても内部隙間の変化量が大きくなることが判る。
【0020】
駆動力伝達制御装置支持用の転がり軸受の特性としては、安定した回転を得るために、転がり軸受の使用温度範囲内で内部隙間が変化しない、または変化量が少なく、略一定の内部隙間を確保できるものが理想である。
内部隙間の変化量は、10μm以下程度であれば、軸受の寿命やトルク等の影響を小さくでき、実質的に問題のないことが経験的に知られている。曲線Cに、内部隙間の変化量10μm以下の条件を適用すると、線膨張係数比α0/αが0.2以上、かつ0.45以下であれば、±5μmレンジ(10μm)を満足して上記条件を達成できることが判る。
【0021】
前述した転がり軸受によれば、線膨張係数比α0/αを0.2以上、かつ0.45以下とすることにより、低温から高温までの広い温度範囲にわたって、温度に起因する内部隙間の変化量を小さくできる。
実施形態に示した転がり軸受4の線膨張係数比α0/αは、0.28となっているので、転がり軸受4の温度に係わらず、常に略一定の有効隙間を確保することができる。
【0022】
これによって、初期残留隙間を小さい値に設定することができ、軸受のガタによる振動の発生を防止することができる。
また、有効隙間が過大に負の隙間になることがなく、熱の発生によるグリース劣化や、潤滑不良による異常音、振動、焼付き等を防止することができ、軸受寿命を長期化できる。
【0023】
なお、本発明の転がり軸受は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、前述した実施形態では、転がり軸受は単列深溝玉軸受として、説明したが、どのような形式の転がり軸受であっても、本発明を適用することにより、同様の効果を得ることができる。
【0024】
その他、前述した実施形態において例示した外輪,内輪,転動体,保持器等の材質,形状,寸法,形態,数,配置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0025】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、転動体の線膨張係数と、外輪および内輪の線膨張係数との比が0.2以上、かつ0.45以下であるので、広い温度範囲にわたって温度に起因する有効隙間の変化量を小さくできる。
従って、この転がり軸受においては、初期残留隙間を小さな値に設定することができ、軸受の大きなガタによる不安定な回転が発生せず、例えば駆動力伝達制御装置の振動を防止できる。
【0026】
また、内部隙間の変化量が小さいので、初期残留隙間を小さく設定しても、転がり軸受の有効隙間が過大に負の隙間になることはない。
従って、転動体に過大な荷重が作用することが防止され、熱によるグリース劣化や、潤滑不良による異常音,振動,焼付き等を防止することかできる。また、過大な荷重によって、軌道面や転動体にブリネル圧痕が生じることも防止され、軸受寿命を長期化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態を示す縦断面図である。
【図2】転動体の線膨張係数と外輪および内輪の線膨張係数との比(α0/α)と、転がり軸受の内部隙間の変化量との関係を、各温度について示した図である。
【符号の説明】
4 転がり軸受
5 外輪
5a 外輪軌道面
6 内輪
6a 内輪軌道面
9 転動体
10 保持器
α 外輪および内輪の線膨張係数
α0 転動体の線膨張係数
α0/α 線膨張係数比

Claims (1)

  1. 内径面に外輪軌道面が形成された外輪と、外径面に内輪軌道面が形成された内輪と、前記外輪軌道面および前記内輪軌道面間に配置された複数の転動体と、前記各転動体を回動自在に保持する保持器とを有する転がり軸受において、
    前記転動体の線膨張係数と前記外輪および前記内輪の線膨張係数との比が0.2以上、かつ、0.45以下であることを特徴とする転がり軸受。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022137862A1 (ja) * 2020-12-22 2022-06-30 株式会社日立製作所 回転電機及び車両

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