JP2005015840A - Cvd用液体原料供給装置、cvd装置、及び酸化物超電導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のCVD用液体原料供給装置10は、3台の気化器61〜63と、3台の液体ポンプ(送液手段)とを備え、前記気化器61〜63のそれぞれに2台ずつの前記液体原料供給器30a〜30fが設けられており、液体ポンプP1は、気化器61の液体原料供給器30b及び気化器62の液体原料供給器30cに接続され、液体ポンプP2は、気化器62の液体原料供給器30d及び気化器62の液体原料供給器30eに接続され、液体ポンプP3は、気化器63の液体原料供給器30f及び気化器61の液体原料供給器30aに接続されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学気相堆積法(CVD法)によって酸化物超電導薄膜や誘電体薄膜などの薄膜を基材上に成膜するのに適用することができるCVD用液体原料供給装置、CVD装置、及び酸化物超電導体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、臨界温度(Tc)が液体窒素温度(77K)より高い酸化物超電導体として、Y−Ba−Cu−O系、Bi−Sr−Ca−Cu−O系、Tl−Ba−Ca−Cu−O系などの酸化物超電導体が発見されている。そしてこれらの酸化物超電導体は、電力ケーブル、マグネット、エネルギー貯蔵、発電機、医療機器、電流リード等の分野に利用する目的で種々の研究が進められている。
【0003】
上記の酸化物超電導体の製造方法の1つとして、CVD法等の薄膜形成手段によって基材表面に酸化物超電導薄膜を成膜する方法が知られている。この種の薄膜形成手段により形成した酸化物超電導薄膜は、臨界電流密度(Jc)が大きく、優れた超電導特性を発揮することが知られている。
このようなCVD法による酸化物超電導体の製造方法において、一般的に使用される原料化合物としては、酸化物超電導体を構成する元素のβ−ジケトン化合物、シクロペンタジエニル化合物等が用いられ、例えば、Y−Ba−Cu−O系の酸化物超電導体の製造にはY(thd)3、Ba(thd)2またはBa(thd)2・phen2、Cu(thd)2等のβ−ジケトン化合物の有機物を金属元素に配位させた有機金属錯体が使用されている。*(thd=2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、phen=フェナントロリン)
【0004】
上記のような有機金属錯体は室温では固体の原料であり、200〜300℃に加熱することにより高い昇華特性を示すが、原料の純度や加熱時間による仕込み原料の表面積変化等により昇華効率が大きく左右されるため、得られる超電導薄膜の組成制御が困難であり、特性の再現性が不十分であった。
そこで、これら固体の有機物錯体を有機溶媒に溶解し、液体原料として用いることも考えられており、上記有機溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、イソプロパノール、トルエン、ジグリム(2,5,8−トリオキソノナン)、酢酸ブチル等の有機溶媒、あるいはこれらを一定量比で混ぜ合わせた混合溶媒が用いられていた。特に、THFを溶媒とした液体原料は特許文献1に記載されており、比較的高特性の薄膜を成膜できることが知られている。
【0005】
本発明者らは、従来上記のようなTHF溶媒に有機金属錯体を溶解した液体原料を気化させてCVD反応装置へ供給するために、下記の特許文献2に記載のCVD用液体原料供給装置を用いていた。係るCVD用液体原料供給装置は、本発明者らにより提案されたもので、液体供給器先端における原料析出を大幅に改善し、連続100時間の原料供給を実現するとともに、液体供給器の低コスト化及びメンテナンス性の向上を実現した。
【0006】
【特許文献1】
特願平5−184904号公報
【特許文献2】
特開2002−155365号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
先の特許文献2に記載のCVD用液体原料供給装置では、使用する有機溶媒や液体供給器、及び気化器の改善により長時間に渡る原料の連続供給を行うことができるようなったが、係る液体原料供給装置を用いて実際に液体原料の供給実験を行ったところ、10時間に1,2度の割合で液体原料の供給が乱れる現象が認められた。このような原料供給の乱れが生じた原因として、以下の2つが考えられる。
(1)液体原料に何らの過程で混入した異物ないしは不純物などが、液体原料を気化器に供給する液体ポンプ、あるいは気化器への液体原料の導入部である液体供給器において動作エラーを引き起こした。
(2)液体原料を輸送する配管内壁等に付着したわずかな析出物が、時として剥離し、上記液体ポンプあるいは液体供給器の動作エラーを引き起こした。
【0008】
長尺の酸化物超電導体の製造中に液体ポンプあるいは液体原料供給器の動作エラーが起こると原料ガスの供給に乱れが生じる。この原料供給の乱れている時間は1分程度の極めて短い時間であるが、その間は気化器への液体原料の供給が途絶え、これによりCVD反応装置への原料ガスの供給も途絶えるため、超電導体としてはその部分の超電導薄膜に膜厚が乱れるなどの欠陥が生じる。特に、長尺の基材上に均一な特性の超電導薄膜を形成するためには、原料ガスの安定供給は極めて重要である。
【0009】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであって、気化器への液体原料の供給が途絶えるのを効果的に防止し、もってCVD反応装置への原料ガス供給を長時間に渡り安定して行うことができ、かつ低コストでメンテナンス性にも優れるCVD用液体原料供給装置を提供することを目的としている。
また本発明は、上記液体原料供給装置を備え、長時間に渡り安定して製造を行うことができるCVD装置を提供することを目的としている。
さらに本発明は、上記液体原料供給装置を用いた酸化物超電導体の製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
「CVD反応装置へ原料ガスを安定に供給し、もって欠陥が低減された超電導線材を製造可能にする」という課題を解決し得るCVD用液体原料供給装置として、本発明者らは既に複数式の原料供給ユニットを備えたCVD用液体原料供給装置を、特願2002−251345号にて提案している。図4は、係る出願に記載されているCVD用液体原料供給装置の概略構成図である。
図4に示すCVD用液体原料供給装置は、気化器150と、気化器150に設けられた2台の液体供給ユニット111,112とを備えて構成されており、液体供給ユニット111,112は、それぞれ液体原料134が貯留された収納容器142と、液体ポンプ135と、液体原料供給器130とから構成されている。また、液体ポンプ135,135には図示略の液体ポンプ流量制御手段が接続されており、液体ポンプ135,135によりそれぞれの液体原料供給器130,130へ供給される液体原料134の流量を制御できるようになっている。
【0011】
図4に示すCVD用液体原料供給装置は、1台の気化器150に対して複数式(図4では2式)の液体原料供給ユニット111,112を設けたことで、例えば液体原料供給ユニット111に設けられた液体ポンプ135に動作エラーが生じたとしても、他方の液体原料供給ユニット112により、上記液体原料供給ユニット111から供給されるべき量の液体原料134を賄うことができるようになっている。これにより、CVD反応装置に対して安定に原料ガスを供給することが可能になり、欠陥が低減され、均一な超電導特性を有する長尺の超電導線材を製造することができるようになった。
【0012】
その後、本発明者らは、図4に示す構成のCVD用液体原料供給装置を用いて、図5に示すような多段式のCVD装置を構成し、長尺の酸化物超電導線材の製造を行った。図5に示すCVD装置300は、図4に示すCVD用液体原料供給装置を3式と、直列に接続された3個の反応室C1〜C2を備えたCVD反応装置120とを備え、前記各CVD用液体原料供給装置を、それぞれ反応室C1〜C3に接続した構成とされている。そして、それぞれのCVD用液体原料供給装置から原料ガスを反応室C1〜C3へ供給し、内部が連通された反応室C1〜C3内を移動する基材S上にCVD反応により酸化物超電導体を形成するようになっている。
【0013】
図5に示すCVD装置300により長尺の酸化物超電導線材を製造したところ、CVD用液体原料供給装置の液体ポンプ135あるいは液体原料供給器130の動作エラーは効果的に補償され、均一な特性を有する酸化物超電導線材を製造することができた。しかしながら、図5に示すCVD装置300は、従来のCVD装置に対して液体ポンプの数が2倍に増えており、設備コスト及びメンテナンスコストの上昇、及びメンテナンス作業の長時間化を避けられないことが明らかになった。
【0014】
そこで、本発明者らは、多段式のCVD装置において設備コストを低減できるとともに、メンテナンス性を向上させることができ、好ましくは、さらに特性の均一性に優れる長尺の酸化物超電導線材を製造し得るCVD用液体原料供給装置、及びCVD装置を開発することを目的としてCVD用液体原料供給装置の検討を行い、本発明を完成するに至った。
【0015】
本発明のCVD用液体原料供給装置は、上記課題を解決するために、液体原料を貯溜する収納容器と、該収納容器に接続された液体原料供給器と、該液体原料供給器と前記収納容器との接続経路中に接続されて前記収納容器から前記液体原料供給器へ前記液体原料を送液する送液手段と、前記液体原料供給器に接続されてこの液体原料供給器から供給された液体原料を気化する気化器とを具備したCVD用液体原料供給装置であって、前記気化器と前記送液手段とがそれぞれ複数設けられ、前記各気化器に対応して1つ又は複数の前記液体原料供給器が設けられており、前記各気化器が、1つ又は複数の前記液体原料供給器を介して複数の前記送液手段に接続されるとともに、前記各送液手段が、異なる前記気化器に設けられた複数の前記液体原料供給器と接続されていることを特徴としている。
【0016】
すなわち、本構成のCVD用液体原料供給装置では、各気化器に対して複数の送液手段が接続され、かつ複数の気化器で1つの送液手段を共有する構成とされている。このような構成とされていることで、それぞれの気化器に対して、複数の送液手段により液体原料が供給されるので、送液手段のいずれかの原料供給動作に不具合が生じ、液体原料の供給量が変化したとしても、同一の気化器に接続された他の送液手段から供給される液体原料により、前記変化分を補償することができる。これにより、各々の気化器に対して安定かつ連続的に所定量の液体原料を供給することが可能になる。また、本構成では、複数の気化器が1台の送液手段を共有しているので、CVD用液体原料供給装置に設けられる送液手段の数を、先の図4に示した液体原料供給装置に比して削減でき、設備コスト及びメンテナンスコストの低減を実現することができる。
【0017】
本発明のCVD用液体原料供給装置は、前記送液手段が、前記気化器と同数設けられ、前記各気化器に2つずつの前記液体原料供給手段が設けられており、前記各送液手段が、異なる前記気化器にそれぞれ設けられた2個の前記液体原料供給器に接続されている構成とすることができる。
この液体原料供給装置は、任意の2台の気化器に対して、1つの送液手段がそれぞれ液体原料供給器を接続されている構成としたものである。このような構成とすることで、各気化器への液体原料の安定供給を、気化器と同数の送液手段を用いて行うことが可能になり、経済的である。
【0018】
本発明のCVD用液体原料供給装置は、前記各気化器に、前記送液手段の数と同数の前記液体原料供給器が設けられており、1台の前記気化器に設けられた複数の前記液体原料供給器が、それぞれ異なる前記送液手段に接続されている構成とすることができる。
この液体原料供給装置は、複数設けられた各送液手段が、当該液体原料供給装置に設けられた全ての気化器に対して液体原料供給器を介して接続された構成としたものである。このような構成とするならば、前記送液手段の設置数を気化器より少なくした場合にも、各気化器への液体原料の安定供給を実現できる。また、送液手段の設置数を増やすほど、気化器1台に対する各送液手段の寄与率が低下するので、送液手段の設置数を増やすことで、送液手段ないし液体原料供給器において供給動作の不具合が生じた際の液体原料の変動量を小さくすることができ、CVD反応装置等に対する原料ガスの安定供給を実現できる。
【0019】
本発明のCVD用液体原料供給装置は、前記各送液手段が、前記収納容器から前記液体原料供給器へ送液される前記液体原料の流量を制御する流量制御手段を備えるとともに、前記液体原料供給器と前記送液手段との間に、前記液体原料の流量を測定する流量測定手段を備え、前記流量測定手段の測定結果に基づいて、前記流量制御手段により前記液体原料の流量を制御可能とされた構成とすることができる。
このような構成とすることで、各送液手段から液体原料供給器へ供給される液体原料の流量を、正確かつ自動的に一定量に保持することができるようになり、CVD反応装置等への原料ガスの供給をさらに安定化することができる。
【0020】
次に、本発明の酸化物超電導体の製造装置は、先に記載の本発明のCVD用液体原料供給装置と、該CVD用液体原料供給装置の気化器と接続されたCVD反応装置とを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、本発明のCVD用液体原料供給装置からCVD反応装置に対して、安定に原料ガスが供給されるCVD装置を構成できるので、形成される機能膜の特性の均一性に優れるCVD装置を提供することができる。
【0021】
次に、本発明の酸化物超電導体の製造方法は、CVD用液体原料供給装置から供給される原料ガスをCVD反応装置内へ導入し、該CVD反応装置内で基材上に酸化物超電導体を形成する酸化物超電導体の製造方法において、
先に記載の本発明のCVD用液体原料供給装置を用い、1台の前記気化器に対して、互いに異なる送液手段に接続された1つ又は複数の液体原料供給器を介して前記液体原料を供給し、前記気化器により前記液体原料を気化させて原料ガスを生成することを特徴としている。
この製造方法によれば、各気化器に対して複数の送液手段により液体原料を供給するので、前記送液手段のいずれかにおいて供給動作に不具合が生じたとしても、他の送液手段により安定に液体原料を供給でき、従ってCVD用液体原料供給装置からCVD反応装置へ安定に原料ガスを供給することができる。これにより、超電導特性の均一性に優れる酸化物超電導体を製造することができる。
【0022】
本発明の酸化物超電導体の製造方法では、前記各送液手段によって対応する液体原料供給器に供給される液体原料の流量を前記流量測定手段により測定し、係る流量に応じて前記各気化器に供給する液体原料の合計量を前記流量制御手段により制御しながら液体原料を気化器に供給することもできる。
この製造方法によれば、前記流量測定手段により各気化器に供給される液体原料の流量をモニタするとともに、このモニタ結果に基づき前記流量制御手段によって前記送液手段の作動調整を行い、流量の制御を行うので、CVD用液体原料供給装置からCVD反応装置へ供給される原料ガス量をさらに安定に保持することができ、これにより、さらに超電導特性の均一性が向上された酸化物超電導体を製造することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係るCVD用液体原料供給装置が備えられたCVD装置の概略構成図である。このCVD装置100は、CVD用液体原料供給装置10と、CVD反応装置120とを主体として構成されている。
【0024】
液体原料供給装置10は、図1に示すように、3台の気化器61〜63と、これらの気化器61〜63にそれぞれ2台ずつ設けられた液体原料供給器30a〜30fとを備えている。各液体原料供給器30a〜30fには、それぞれに対応する液体ポンプ(送液手段)P1〜P3のいずれかが接続されており、例えば気化器61に設けられた液体原料供給器30aには液体ポンプP3が接続され、液体原料供給器30bにはポンプP1が接続されている。そして、各液体ポンプP1〜P3により図示略の原料供給源から各液体原料供給器30a〜30fに対して液体原料が供給されるようになっている。
【0025】
また、図1に示すように、各液体ポンプP1〜P3は、それぞれ2系統の出力を有しており、液体ポンプP1のA側出力は気化器61の液体原料供給器30bと接続管35aを介して接続され、B側出力は、気化器62の液体原料供給器30cと接続管35aを介して接続されている。同様に、液体ポンプP2のA側出力、B側出力はそれぞれ気化器62の液体原料供給器30d、気化器63の液体原料供給器30eと接続され、液体ポンプP3のA側出力、B側出力はそれぞれ気化器63の液体原料供給器30f、気化器61の液体原料供給器30aと接続されている。
このように、本実施形態のCVD用液体原料供給装置10においては、各気化器61〜63に2台ずつの液体原料供給器30a〜30fが設けられ、各気化器61〜63に設けられた液体原料供給器を介して、互いに異なる液体ポンプ(気化器61では液体ポンプP1とP3)が接続された構成となっている。
【0026】
CVD反応装置120は、直列に接続された3個の反応室C1〜C3を有する多段式のCVD反応装置である。これらの反応室C1〜C3は、その内部が互いに連通された構造を有しており、また図示略の基材搬送手段及び加熱手段(加熱ヒータ等)を備えている。そして、長尺の基材Sを反応室C1側から導入し、反応装置120内部を直線的に移動させながら各反応室C1〜C2において順次CVD反応による成膜プロセスを行い、反応室C3側から導出するようになっている。
また、液体原料供給装置10の気化器61〜63と反応室C1〜C3とが、輸送管57を介してそれぞれ接続されており、液体原料供給装置10にて生成された原料ガスが、輸送管57を介して各反応室C1〜C3へ供給されるようになっている。
【0027】
図2は、本実施形態の液体原料供給装置10に備えられた気化器61と、気化器61に接続された構成要素を示す概略構成図である。尚、図2では、気化器61とそれに接続された構成要素のみを示しているが、他の気化器62,63とそれらに接続された構成要素、及び接続状態は、図2に示すものと同様である。
この液体原料供給装置10は、目的とする化合物の元素を含む液体原料を各原料供給源40から対応する液体原料供給器30a〜30fを介して気化器61〜63に供給し、この気化器61〜63により液体原料を気化して原料ガスを生成するものである。生成された原料ガスはCVD反応装置120に供給されてCVD反応に供される。
【0028】
図2に示すように、気化器61には、その上面部に2台の液体原料供給器30a、30bが立設されている。一方の液体原料供給器30aは接続管35aを介して液体ポンプP3に接続され、液体ポンプP3は接続管41を介して原料供給源40に接続されている。他方の液体原料供給器30bは、接続管35aを介して液体ポンプP1に接続され、液体ポンプP1は接続管41を介して原料供給源40に接続されている。
また、上記液体ポンプP1及び液体ポンプP3は、液体原料供給器30a、30bへ接続される出力とは別に、もう1系統の出力を備えており、液体ポンプP1の他の出力(B側出力)は液体原料供給器30cに接続され、液体ポンプP3の他の出力(A側出力)は、液体原料供給器30fに接続されている。
上記各接続管35aには、内部を流れる液体原料34の流量を測定する流量計(流量測定手段、図示略)が設けられている。
【0029】
上記の液体原料供給器30a、30bに接続された各液体ポンプP3,P1は流量制御手段90と電気的に接続されている。この流量制御手段90には、上記の各流量計(各接続管35aに設けられた流量計)が電気的に接続されている。流量制御手段90は、各液体ポンプP3,P1から対応する液体原料供給器30a、30bに供給される液体原料34の流量を上記の各流量計で測定し、各流量計の液体原料の流量の測定結果に基づいて各液体ポンプP3,P1を作動調整することにより、気化器61に供給される液体原料34の合計量を制御できるようになっている。具体的には、図1に示すように、液体ポンプP1のA側出力における流量P1Aと、液体ポンプP3のB側出力における流量P3Bとの合計が、気化器61に供給されるべき流量となるように制御される。すなわち、上記接続管35aの経路上に設けられた流量計により液体原料34の流量をモニタすることで、液体原料供給器30a、30bに対して正確な流量で液体原料を供給できるようにするとともに、何らかの理由で上記2本の接続管35a、35aのうち、一方の流量が低下した場合にも、他方の接続管35aの流量を増加させることで、気化器61に対して供給される液体原料34の量を確保することができるようになっている。
【0030】
また、上記流量制御手段90は、図1に示す他の気化器62,63にもそれぞれ設けられており、上記気化器61への液体原料34の供給と同様に、気化器62に対しては、液体ポンプP1,P2を作動調整することにより液体ポンプP1のB側出力における流量P1Bと、液体ポンプP2のA側出力における流量P2Aとの合計流量を調整し、所定量の液体原料34が供給するようになっている。気化器63に対しては、液体ポンプP2,P3を作動調整することにより液体ポンプP2のB側出力における流量P2Bと、液体ポンプP3のA側出力における流量P3Aとの合計流量を調整し、所定量の液体原料34を供給するようになっている。
【0031】
このように、本実施形態のCVD用原料供給装置10においては、3台の気化器61〜63と同数の液体ポンプP1〜P3が設けられており、これらの液体ポンプP1〜P3のうち2台が協働して1台の気化器61(又は気化器62,63)に対して液体原料34を供給する構成とされていることで、液体ポンプ、あるいは液体原料供給器のいずれかに動作エラーが生じたとしても、他の供給系により液体原料34の供給量を賄うことができ、気化器61〜63への液体原料34の供給量を安定に保持することができる。従って、本実施形態に係るCVD用液体原料供給装置10によれば、CVD反応装置120の各反応室C1〜C3に対して安定、かつ連続的に原料ガスを供給することができ、この液体原料供給装置10を備えたCVD装置100によれば、均一な特性を備えた機能膜(例えば超電導薄膜)を形成することが可能である。
そして、図5に示した構成のCVD装置300に比して液体ポンプの数を半減することができ、設備コストの低減を実現することができる。また、液体ポンプ数の減少に伴い、設備メンテナンスに掛かる時間とコストを低減することができ、経済的である。
【0032】
以下、図2を参照して本実施形態に係る液体原料供給装置10の詳細構成について説明する。
気化器61に設けられた液体原料供給器30a、30bは、図2に示すように、内部に液体原料が供給される毛細管31aと、毛細管31aが着脱交換可能に挿入される略筒状の冷却ガス供給部32と、冷却ガス供給部32の外周を取り囲んで設けられた外装部33とから概略構成されている。
【0033】
毛細管31aは、原料供給源40から圧送されてくる液体原料34が内部に供給されるものである。毛細管31aは、外径が375μm程度であり、内径が数十〜数百μm程度である。
この構成の毛細管31aは着脱交換可能に冷却ガス供給部32に挿入され、その先端部31cは、冷却ガス供給部の先端部32aよりもやや気化器61の内側に突出されている。
【0034】
上述の数10〜数百μm程度の内径を有する毛細管31a内に、液体原料34を圧送するためには、数10kgf/cm2 (但し、1kgf/cm2=10−4kgf/m2 =9.8×10−4Pa)程度の液送圧力が必要であるため、図2に示すように原料供給源40から接続管41を介して送り込まれてくる液体原料34を毛細管31a内に圧送するための加圧式の液体ポンプP3が接続管35aを介して毛細管31aの液体供給部31dに接続されている。この液体ポンプP3と液体原料供給器30aとの間の接続管35aには液体原料34の流れを測定する流量計(流量測定手段、図示略)が設けられている。
【0035】
冷却ガス供給部32は、内部に毛細管31aが挿入されて、毛細管31aとの隙間にArガス、N2ガス等の冷却ガスを供給可能とされたものである。
冷却ガス供給部32の上部には、図1に示す冷却ガス用MFC(マスフローコントローラ)36aを介して冷却ガス供給源36が接続され、冷却ガス供給部32へ冷却ガスを供給する構成となっている。
【0036】
液体原料供給器30aは、ガラス等からなる毛細管31aを除いて、全てステンレス鋼等の金属部品により構成することができ、この液体原料供給器30aを構成する冷却ガス供給部32とこの冷却ガス供給部32を支持する外装部33は、外装部33の上端部に設けられた貫通孔を有するフランジ部に前記冷却ガス供給部32を挿入して所定位置で接合一体化されている。
【0037】
毛細管31aの先端部31cおよび冷却ガス供給部32の先端部32aは、液体原料供給器30の外装部33の先端部33aよりも、気化器61への挿入方向に対して大きく突出された構造であり、その突出長さは、気化器50の液体原料導入部51aに設けられた伝熱部56の長さに合わせて適切な長さに調整される。すなわち、冷却ガス供給部32の先端部32aと、伝熱部56の気化器61側の端面56aとが側面視でほぼ同位置になるように上記突出長さが調整される。さらに、毛細管31aの先端部31cは冷却ガス供給部32の先端部32aよりも気化器50側へ1〜10mm程度突出されている。
【0038】
各液体原料供給器30a、30bにおいて、液体原料34を液体供給部31dから毛細管31a内に一定流量にて圧送すると、液体原料34は毛細管31aの先端部31cに達して液滴状になり気化器61に連続的に供給され、気化器61内に供給された液滴状の液体原料34は気化器61内で加熱されて気化される。また、上記液体原料34の圧送と同時に冷却ガスを冷却ガス供給部32に一定流量で流すと、毛細管31aはこの冷却ガスにより冷却されるので、気化器61の加熱ヒータ52による過熱を防いで、毛細管31a内で液体原料34が気化するのを防止することができる。この冷却ガスは冷却ガス供給部32内で毛細管31aを冷却した後、冷却ガス供給部の先端部32aから気化器61内に放出されて、液体原料34が気化されたガスと混合されて原料ガスを構成する。
【0039】
原料供給源40は、収納容器42と、不活性ガス源43を具備し、収納容器42内部には液体原料34が貯溜されている。原料供給源40は、不活性ガス源43により収納容器42内にArガス等の不活性ガスを供給して、収納容器42内を不活性雰囲気に保つ。このArガス等の不活性ガスは、不活性ガスの出口より大気に解放され、収納容器42内は常圧を維持されるようになっている。
【0040】
気化器61は、密閉可能に構成された中空の容器からなる気化室51と、気化器61の外周に配置されて気化室51を加熱する加熱ヒータ52とから概略構成されている。
気化室51には、液体原料導入部51aが液体原料供給器30側に突出して設けられており、この液体原料導入部51aにはステンレス鋼等の保熱部材からなる筒状の伝熱部56が備えられている。伝熱部56は、気化器61に配設する液体原料供給器30a、30bの数に応じて2本設けられており、3台以上の液体原料供給器を設ける場合には、その数に応じて増設される。
各液体原料供給器30a、30bは、冷却ガス供給部32及びこれの内部の毛細管31aが、対応する伝熱部56に収納されて、外装部33の下端部外周面を取り囲むように配置されたOリング53によって気化室51を密閉状態にして気化器61に接続される。
【0041】
気化器61の外周には、気化室51内部を加熱するための加熱ヒータ52が配設されていて、この加熱ヒータ52により各毛細管31aの先端部31cから供給された液体原料34を所望の温度に加熱して気化させ、さらに各冷却ガス供給部32の先端部32aとこれに対応して設けられた毛細管31aの先端部31cの隙間から気化室51に流れ込む冷却ガスと混合させて原料ガスを得る。
【0042】
また、加熱ヒータ52は、液体原料導入部51aに設けられた各伝熱部56を介して各冷却ガス供給部32を加熱し、気化室51内に流れ込む冷却ガスの温度を上昇させて、各冷却ガス供給部32に対流する原料ガスからの再析出を防止する。また、この作用により各毛細管31aの温度もある程度上昇するため、各毛細管31aとその先端部31cにおける温度の低下を防止し、各毛細管31aの先端部31cにおける液体原料の再析出を効果的に防止できるようになっている。
上記伝熱部56は冷却ガス供給部32の外周面に概ね密着するように設けられているため、冷却ガス供給部32は加熱されて高温になるが、冷却ガス供給部32と毛細管31aとの隙間には冷却ガスが導入されているため、毛細管31aは、冷却ガス供給部32よりも低温に保たれ、毛細管31a内部の液体原料34は気化しない。
【0043】
また、気化室51内部は仕切板54を挟んで領域51dと領域51eの2つの領域に分割され、これら2つの領域は気化室51の底部51bと仕切板54との隙間を介して連通されている。
毛細管31aから供給された液体原料34が気化したガスと冷却ガスとから生成された原料ガスは、領域51d側から、仕切板54の下側の隙間を通過して領域51e側へ移動し、さらに領域51eの気化室51の上面部に設けられた原料ガス導出口51cから気化器51外へ輸送される。
原料ガス導出口51cから導出された原料ガスは、図1に示すように、輸送管57を介して気化器61に接続された反応室C1に供給される。
【0044】
なお、気化室51の構造は、上記のように仕切板54を用いて2つに分けられた構造の他に、例えば、側面略U字状のものでもよい。このように気化室がU字状である場合には、この略U字状の気化室の一方の端部側に液体原料供給器30a、30bから液体原料34が供給され、他方の端部側から原料ガスが輸送管57を介してCVD反応装置120に供給されるように構成することが好ましく、このように気化室を側面略U字状の構造にすると、気化室内の温度を一定に保ちやすい。
【0045】
[酸化物超電導体の製造方法]
次に、本発明に係るCVD用液体原料供給装置が備えられた酸化物超電導体の製造装置(CVD装置)を用いる本発明の酸化物超電導体の製造方法について説明する。
図1及び図2に示す製造装置を用いて酸化物超電導体を製造するには、まずテープ状の基材Sと液体原料34を用意する。
この基材Sは、長尺のものを用いることができ、熱膨張係数の低い耐熱性の金属テープ、あるいはその上面にセラミックス材料の中間層を被覆してなるものが好ましい。耐熱性の金属テープの構成材料としては、銀、白金、ステンレス鋼、銅、ハステロイ(C276等)などの金属材料、合金が好ましく、{100}<001>集合組織や{110}<110>集合組織を有する銀からなる金属テープを用いる場合には、該金属テープ上に直接超電導体を形成でき、かつ形成する酸化物超電導体の配向を制御することができるため、より好ましい。また、上記金属テープ以外では、ガラステープ、マイカテープ或いはセラミックス製のテープを用いることができる。
【0046】
また上記中間層を形成する場合、その構成材料は、熱膨張係数が金属よりも酸化物超電導体に近い、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、SrTiO3、MgO、Al2O3、LaAlO3、LaGaO3、YAlO3、ZrO2等のセラミックスが好ましく、これらの中でも、できる限り結晶配向性の整ったものがより好ましい。
【0047】
液体原料34は、例えばRE1Ba2Cu3Oxなる組成(ただし、REはY、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Ybの中から選択される1種または2種以上を示す)で示される酸化物超電導体の構成金属元素の有機金属錯体を目的の組成比となるように数種混合したものを、テトラヒドロフランとエチレングリコールジメチルエーテルの混合物に混合、溶解して作製することができる。
Y−Ba−Cu−O系の酸化物超電導体を製造する場合においては、Y(thd)3、Ba(thd)2またはBa(thd)2・phen2、Cu(thd)2、あるいはY(DPM)3、Ba(DPM)2、Cu(DPM)2などの有機金属錯体を上記の溶媒に溶解して酸化物超電導体製造用の液体原料を調製する。
また、上記以外の酸化物超電導体を製造する場合は、目的とする組成系に応じて、Bi(C6H5)3、Sr(DPM)2、Ca(DPM)2、La(DPM)3などの有機金属錯体を用いてそれぞれの酸化物超電導体用の液体原料34を調製することができる。
【0048】
上記液体原料34に用いる有機金属錯体は、上記溶媒に可溶なものであれば、目的化合物を構成する金属元素のアルコキシド、アセチルアセトナト、ジピバロイルメタナト、シクロペンタジエニル、またはそれらの誘導体などを用いることができる。
また、液体原料の濃度、混合溶媒の混合比等は目的とする化合物の種類により適宜変更し、最適な条件としておく。例えば、Y−Ba−Cu−O系酸化物超電導体を製造する場合には、液体原料濃度は5〜20重量%が好ましく、6〜10重量%であればより好ましい。混合溶媒においてテトラヒドロフランとエチレングリコールジメチルエーテルの混合比は、その体積比にして、好ましくは1:1〜9:1であり、より好ましくは6:1の混合比である。
【0049】
上記のテープ状の基材Sを用意したならば、これを反応室C1の外側に設けられた基材導入部(図示略)から反応室内に基材搬送手段により前記基材導入部から所定の移動速度で送り込むとともに、更に反応室C1〜C3内の基材Sを、これらの反応室C1〜C3に設けられた加熱手段により所定の温度に加熱する。
基材Sの移動速度、および加熱手段の設定温度は、目的とする酸化物超電導体の組成系にもよるが、それぞれ1〜10m/時間、600〜800℃程度であるのが好ましい。
【0050】
続いて、各液体ポンプP1〜P3を用いて収納容器42…から液体原料34を吸い込み、液体原料34をそれぞれ液体原料供給器30a〜30fの毛細管31a内に圧送する。これと同時に冷却ガスを冷却ガス供給部32に流量300〜600ccm(ml/分)程度で送り込む。この際、前記流量制御手段90は、各液体ポンプP1〜P3により液体原料供給器30a〜30fに供給される液体原料34の流量を各接続管3aに設けられた流量計で測定し、これら流量計の液体原料の流量の測定結果に基づいて各ポンプP1〜P3を作動調整することにより、気化器61〜63に供給する液体原料34の合計流量(0.1〜1ml/分程度)が一定になるように制御し、各気化器61〜63に一定量の液体原料34を連続的に供給する。また、ここでは同時に各反応室C1〜C3の内部のガスを排気する。
また、気化室51の内部温度、液体原料導入部51aの内部温度及び液体原料供給器30a〜30fの温度が、上記原料のうちの最も気化温度の高い原料の最適温度になるように加熱ヒータ52により調節しておく。こうすることにより冷却ガス供給部32がヒータ52により予熱されるとともに気化室51内での原料ガスの再析出が防止される。
【0051】
すると、液体原料34は各毛細管31aの先端部31cから各気化器61〜63の気化室51内に液滴状となって供給される。そして、気化器61〜63の内部に供給された液滴状の液体原料34は、加熱ヒータ52により加熱されるとともに冷却ガスと混合されて気化される。これにより原料ガスが生成され、輸送管53を介してCVD反応装置120の各反応室C1〜C3に連続的に供給される。先に述べたように気化室51内には一定量の液体原料34が連続的に供給されているので、この気化室51からCVD反応装置60に一定量の原料ガスが連続的に供給される。
この時、輸送管57の内部温度が上記原料のうちの最も気化温度の高い原料の最適温度になるように上記加熱手段により調節しておく。同時に、酸素ガス供給源(図示略)から酸素ガスを供給して原料ガス中に酸素ガスを混合する操作を行うようにしても良い。
【0052】
次に、反応室C1〜C3の内部においては、輸送管57との接続部から放出された原料ガスが、反応室C1〜C3の内部を通り、次いで基材Sの近傍を移動する。これにより、加熱された基材Sの上面側で原料ガスを反応させて酸化物超電導薄膜を各反応室C1〜C3で連続的に積層形成することができる。この後、酸化物超電導薄膜が形成された基材Sに熱処理を施して、酸化物超電導薄膜に超電導特性を現出あるいは向上させて酸化物超電導体が得られる。
以上の成膜操作を所定時間継続して行なうことにより、長尺の基材S上に所望の厚さの、均一な膜質を有する酸化物超電導体を備えた酸化物超電導導体を得ることができる。
【0053】
また、上記本実施形態の酸化物超電導体の製造方法によれば、上記構成の本実施形態のCVD用液体原料供給装置を備えたCVD装置を用いているので、この原料供給装置10の気化器61〜63から反応室C1〜C3に所定量の原料ガスを長期間に渡って連続的に供給でき、長尺の基材S上に均質な酸化物超電導薄膜を成膜でき、従って長尺に渡って均一な超電導特性を有する酸化物超電導体を製造できる。
【0054】
(第2の実施形態)
次に、図3を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。図3は、本実施形態のCVD装置の概略構成図であり、同図に示すCVD装置200は、CVD用液体原料供給装置20と、CVD反応装置120とを主体として構成されている。尚、図3において図1と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0055】
CVD用液体原料供給装置20は、3台の気化器61〜63と、これらの気化器61〜63にそれぞれ3台ずつ設けられた液体原料供給器301〜309とを備えている。各液体原料供給器301〜309には、それぞれに対応する液体ポンプ(送液手段)P1〜P3のいずれかが接続されており、例えば気化器61に設けられた液体原料供給器301に液体ポンプP1が接続され、液体原料供給器302にポンプP2が接続され、残る液体原料供給器303には、液体ポンプP3が接続されている。そして、各液体ポンプP1〜P3により図示略の原料供給源から各液体原料供給器301〜309に対して液体原料が供給されるようになっている。尚、液体原料供給器301〜309は、図2に示す液体原料供給器30a、30bと同様の構成とすることができるので、その詳細な構成についての説明は省略する。
【0056】
本実施形態の場合、各液体ポンプP1〜P3は、それぞれ3系統の出力を有しており、各液体ポンプP1〜P3のそれぞれの出力が、気化器61〜63に対してそれぞれ液体原料供給器301〜309を介して接続されている。このように、本実施形態のCVD用液体原料供給装置20においては、各気化器61〜63に3台ずつの液体原料供給器301〜309が設けられるともに、1台の気化器に設けられた3台の液体原料供給器には、異なる液体ポンプP1〜P3が接続されている。
また、気化器61〜63にて生成された原料ガスを輸送する輸送管57を介して、CVD反応装置120の各反応室C1〜C3が、前記気化器61〜63にそれぞれ接続され、輸送管57を介して各反応室C1〜C3に原料ガスが供給されるようになっている。
【0057】
また、本実施形態に係る液体ポンプP1〜P3にも、先の第1実施形態における流量制御手段90と同様の流量制御手段が備えられており、各液体ポンプP1〜P3と液体原料供給器301〜309とを接続する接続管351〜353には、それぞれの液体原料供給器301〜309へ供給される液体原料の流量を測定するための流量計(流量測定手段)が設けられている。本実施形態の液体原料供給装置20に備えられた上記流量制御手段は、図3に示すように、液体ポンプP1〜P3により圧送される液体原料の総量が一定に保持されるように動作する。また、上記各流量計により測定された液体原料の流量に基づき、前記流量測定手段が各接続管351〜352内を流れる液体原料の流量を調整し、各気化器61〜63に対して供給される液体原料の流量を一定に保持するようになっている。
【0058】
上記構成を備えた本実施形態のCVD用液体原料供給装置20においても、3台の気化器61〜63と同数の液体ポンプP1〜P3が設けられており、これらの液体ポンプP1〜P3が協働して1台の気化器61(又は気化器62,63)に対して液体原料34を供給する構成とされていることで、液体ポンプP1〜P3、あるいは液体原料供給器301〜309のいずれかに動作エラーが生じたとしても、他の供給系により液体原料34の供給量を賄うことができ、気化器61〜63への液体原料34の供給量を安定に保持することができる。従って、本実施形態に係るCVD用液体原料供給装置20によれば、CVD反応装置120の各反応室C1〜C3に対して安定、かつ連続的に原料ガスを供給することができ、この液体原料供給装置20を備えたCVD装置200によれば、均一な特性を備えた機能膜(例えば超電導体薄膜)を形成することが可能である。
そして、図5に示した構成のCVD装置300に比して液体ポンプの数を半減することができ、設備コストの低減を実現することができる。また、液体ポンプ数の減少に伴い、設備メンテナンスに掛かる時間とコストを低減することができ、経済的である。
【0059】
さらに、本実施形態の液体原料供給装置20では、液体ポンプを2台として構成することもできる。その場合には、3系統の出力を備えた1台の液体ポンプにより、3台の気化器61〜63に対して液体原料の供給を行う用にする。このような構成とした場合にも、2台の液体ポンプのいずれか、あるいは液体原料供給器のいずれかにおいて動作エラーが生じた場合にも、他方の液体ポンプ、あるいは液体原料供給器により、動作エラーによる液体原料の減少分を補償でき、気化器61〜63に対して長期間に渡り安定した液体原料の供給を行うことが可能である。
【0060】
あるいは、本実施形態の液体原料供給装置20は、液体ポンプを4台以上備えた構成とすることもできる。この場合には、各液体ポンプは気化器と同数の出力系統を備え、各々の出力系統に対してそれぞれ1台の気化器が接続される。このような構成とするならば、各液体ポンプの気化器1台あたり占有率が低下するので、液体ポンプないし液体原料供給器において供給動作エラーが生じた際の条件変動がさらに緩和され、より均一な特性の機能膜を形成することが可能である。尚、気化器の台数を超える液体ポンプを用いる場合には、当然ながら設備コスト、メンテナンスコストの上昇を伴うため、必要以上に液体ポンプ数を増やすことは好ましくないが、本実施形態の構成では、複数の液体ポンプのうち1台又は複数台を停止させたとしても、他の液体ポンプにより気化器61〜63に対する液体原料の供給を継続させることができるため、例えば4台の液体ポンプを備えた構成としておき、そのうち3台の液体ポンプを常時稼働させ、残る1台をメンテナンスに当てるようにすれば、CVD装置の稼働率を向上させることができる。
【0061】
尚、上記第1、第2の実施形態では、気化器61〜63に複数の液体原料供給器を設け、同一の気化器に備えられた液体原料供給器のそれぞれが異なる液体ポンプに接続されている構成(例えば1台の気化器61に設けられた液体原料供給器30a、30bがそれぞれ異なる液体ポンプP3、P1に接続されている)としたが、気化器1台に対して1台の液体原料供給器を設けておき、この液体原料供給器に対して2台以上の液体ポンプを接続するように構成することもできる。このような構成とすれば、液体原料供給器における動作エラーまでは補償できないが、液体ポンプにおいて生じる動作エラーについては補償できるため、CVD装置にて形成される薄膜の均質性について一定の効果が期待できる。
また、上記各実施の形態では、3段式のCVD装置100,200を例示したが、2段式あるいは4段以上のCVD装置についても、本発明に係るCVD用原料供給装置は好適に用いることができるのは勿論である。さらに、CVD用液体原料供給器10,20の各気化器61〜63に対して、同一の液体原料34が供給される場合について説明したが、各気化器61〜63に対して異なる液体原料を供給するようにすることもできる。
【0062】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明をより具体的に説明する。本例では、図1、図3に示す本発明に係るCVD装置100,200とともに、図5に示す、先の特許出願により本発明者らが提案済みのCVD装置300を用いて長尺の酸化物超電導線材を製造し、得られた線材の特性の均一性の評価を行った。
【0063】
(液体原料の調製)
テトラヒドロフラン(THF)とエチレングリコールジメチルエーテル(DME)を5:1の体積比で混合した溶媒に、Ba−ビス−2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン(Ba(thd)2)と、Y(thd)2と、Cu(thd)2を、Y:Ba:Cu=1.0:1.9:2.5のモル比で混合したものを7重量%となるように溶解して液体原料を作製した。
【0064】
(酸化物超電導体の作製)
内径40μmの毛細管が取り付けられた図2に示す液体原料供給器を各気化器61〜63に所定数設置して図1及び図2に示す液体原料供給装置を構成し、これらの液体原料供給装置をCVD反応装置120に接続して酸化物超電導体の製造装置(CVD装置)100を構成した。
【0065】
上記のCVD装置100を用いて酸化物超電導体の作製する際、液体原料供給器30a〜30fから気化器の気化室に供給される液体原料として先に調製した液体原料を用いた。各液体原料供給器30a〜30fからそれぞれ液体原料34を気化室51に供給する際に、各液体ポンプP1〜P3の作動調整を行うことにより、圧送される液体原料34の合計量が一定になるように流量制御手段90により制御しながら液体原料を各気化室51に供給した。そして、これらの気化室51…で発生させた原料ガスを輸送管57…により反応室C1〜C3内に連続的に供給し、この反応室C1〜C3内を走行するテープ状の基材S上にY1Ba2Cu3Oxなる組成の酸化物超電導薄膜を成膜した。次いで、上記成膜が終了した基材Sを、500℃、2時間の条件で熱処理し、酸化物超電導体を作製した。そして、上記CVD装置100により作製された酸化物超電導体の長さ方向の臨界電流密度(Jc)を4端子法により測定した結果を図6に示す。
【0066】
また、上記と同様にして、CVD装置200,300についても、内径40μmの毛細管が取り付けられた液体原料供給器を備えた液体原料供給装置を構成した。そして、これらのCVD装置200,300によっても上記CVD装置100と同様にして酸化物超電導体の製造を行い、得られた酸化物超電導体の長さ方向の臨界電流密度(Jc)を4端子法により測定した。CVD装置200により作製された酸化物超電導体の測定結果を図7に示し、CVD装置300により作製された酸化物超電導体の測定結果を図8に示す。
【0067】
尚、上記各CVD装置100,200,300により酸化物超電導体を作製するに際して、それぞれの気化器に設けられた複数の液体原料供給器から気化室に供給される液体原料の合計の供給速度が、0.45ml/分となるように制御し、冷却ガス供給部への冷却ガス供給速度を450ccmとした。
また、基材Sとしては幅10mm、長さ100m、厚さ0.2mmのAgテープ基材(無配向圧延Agテープ)を用い、各反応室C1〜C3の反応圧力を5.0Torr(=5×133Pa)、酸素分圧1.25Torr(=1.25×133Pa)、反応生成室温度800℃、合成速度(基材の移動速度)10m/時間で10時間かけて酸化物超電導体を作製した。
【0068】
図6ないし図8に示すように、本発明の第1実施形態のCVD装置100を用いて酸化物超電導体の製造を行うならば、本発明者らが先に提案したCVD装置300と同等の均一な超電導特性を有する酸化物超電導体が得られることが確認された。また、本発明の第2実施形態のCVD装置200を用いて酸化物超電導体の製造を行うならば、前記両CVD装置100,300よりもさらに均一な超電導特性を有する酸化物超電導体が得られることが確認された。
【0069】
このように、本発明に係る構成を備えたCVD装置100,200によれば、本発明者らが先に提案済みのCVD装置300に比して、液体原料供給装置の液体ポンプ台数を半分以下としながら、製造される酸化物超電導体の超電導特性としては同等又はそれ以上の均一性が得られる。従って、本発明の構成によれば、均一な超電導特性を有する酸化物超電導体を極めて経済的に製造することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、複数の気化器への液体原料が途絶えるのを効果的に防止することができ、気化器から原料ガスを長期間に渡り安定かつ連続的に供給できるCVD用液体原料供給装置を提供することができる。また、本発明の構成では、複数の気化器に対してそれらと同数、あるいはそれ以下の数の送液手段を用いて上記液体原料の安定供給を実現することができ、設備コスト及びメンテナンス性の点で極めて優れたCVD用液体原料供給装置を提供できる。
さらに、上記送液手段に流量制御手段を設けるとともに、前記送液手段と液体原料供給器との間に流量測定手段を設けた構成とするならば、前記送液手段を介して液体原料供給器に供給される液体原料の流量を正確かつ一定に保持することができ、もって原料ガスの供給安定性をさらに向上させることができる。
また、本発明の酸化物超電導体の製造方法によれば、上記本発明のCVD用液体原料供給装置を用いたことで、この原料供給器装置の気化器からCVD反応装置に対して所定量の原料ガスを長期間に渡り安定かつ連続的に供給でき、長尺の基材上に均質な超電導体薄膜を成膜でき、従って、長尺に渡って均一な超電導特性を備えた酸化物超電導体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、第1実施形態に係るCVD装置の概略構成図。
【図2】図2は、図1に示す液体原料供給装置の部分構成図。
【図3】図3は、第2実施形態に係るCVD装置の概略構成図。
【図4】図4は、複数式の液体原料供給器を備えた液体原料供給装置の概略構成図。
【図5】図5は、図4に示す液体原料供給装置を複数備えた多段式のCVD装置の概略構成図。
【図6】図6は、実施例において得られた酸化物超電導体の超電導特性の均一性を示すグラフ。
【図7】図7は、実施例において得られた酸化物超電導体の超電導特性の均一性を示すグラフ。
【図8】図8は、実施例において得られた酸化物超電導体の超電導特性の均一性を示すグラフ。
【符号の説明】
10、20…CVD用液体原料供給装置、30a〜30f,301〜309…液体原料供給器、31a…毛細管、32…冷却ガス供給部、33…キャリアガス供給部、34…液体原料、61〜63…気化器、51…気化室、51b…気化室底部(気化室の端部)、52…加熱ヒータ、55…保熱部材、P1〜P3…液体ポンプ(送液手段)
Claims (7)
- 液体原料を貯溜する収納容器と、該収納容器に接続された液体原料供給器と、該液体原料供給器と前記収納容器との接続経路中に接続されて前記収納容器から前記液体原料供給器へ前記液体原料を送液する送液手段と、前記液体原料供給器に接続されてこの液体原料供給器から供給された液体原料を気化する気化器とを具備したCVD用液体原料供給装置であって、
前記気化器と前記送液手段とがそれぞれ複数設けられ、前記各気化器に対応して1つ又は複数の前記液体原料供給器が設けられており、
前記各気化器が、1つ又は複数の前記液体原料供給器を介して複数の前記送液手段に接続されるとともに、前記各送液手段が、異なる前記気化器に設けられた複数の前記液体原料供給器と接続されていることを特徴とするCVD用液体原料供給装置。 - 前記送液手段が、前記気化器と同数設けられ、前記各気化器に2つずつの前記液体原料供給手段が設けられており、
前記各送液手段が、異なる前記気化器にそれぞれ設けられた2個の前記液体原料供給器に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のCVD用液体原料供給装置。 - 前記各気化器に、前記送液手段の数と同数の前記液体原料供給器が設けられており、
1台の前記気化器に設けられた複数の前記液体原料供給器が、それぞれ異なる前記送液手段に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のCVD用液体原料供給装置。 - 前記各送液手段が、前記収納容器から前記液体原料供給器へ送液される前記液体原料の流量を制御する流量制御手段を備えるとともに、前記液体原料供給器と前記送液手段との間に、前記液体原料の流量を測定する流量測定手段を備え、
前記流量測定手段の測定結果に基づいて、前記流量制御手段により前記液体原料の流量を制御可能とされたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のCVD用液体原料供給装置。 - 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のCVD用液体原料供給装置と、該CVD用液体原料供給装置の気化器と接続されたCVD反応装置とを備えたことを特徴とするCVD装置。
- CVD用液体原料供給装置から供給される原料ガスをCVD反応装置内へ導入し、該CVD反応装置内で基材上に酸化物超電導体を形成する酸化物超電導体の製造方法において、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のCVD用液体原料供給装置を用い、1台の前記気化器に対して、互いに異なる送液手段に接続された1つ又は複数の液体原料供給器を介して前記液体原料を供給し、前記気化器により前記液体原料を気化させて原料ガスを生成することを特徴とする酸化物超電導体の製造方法。 - 前記各送液手段によって対応する液体原料供給器に供給される液体原料の流量を前記流量測定手段により測定し、係る流量に応じて前記各気化器に供給する液体原料の合計量を前記流量制御手段により制御しながら液体原料を気化器に供給することを特徴とする請求項6に記載の酸化物超電導体の製造方法。
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