JP2005015612A - 不飽和ポリエステル樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂組成物及びその成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】低収縮性、低線膨脹率性を有すると共に、耐加水分解性に優れ、特にモータ、コイル等の電気・電子部品の封止用途に好適に用いることができる不飽和ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】不飽和ポリエステル樹脂、無機充填材、低収縮剤及び分散剤を含有する不飽和ポリエステル樹脂組成物に関する。前記不飽和ポリエステル樹脂として水素化ビスフェノールA型不飽和ポリエステル樹脂を含有し、前記無機充填材として水酸化アルミニウムと炭酸カルシウムとを含有し、前記低収縮剤として、ゴム系低収縮剤とポリスチレン系低収縮剤とを含有する。前記分散剤として、主鎖にイオン性基を、側鎖にポリオキシアルキレン基を有する高分子化合物を含有する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ、コイル等の電気、電子部品の封入材として用いられる不飽和ポリエステル樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
モータ、コイル等の電気・電子部品を封止した封入部品は、小型化と高出力化の進展により、発熱による性能低下の問題がクローズアップされてきている。
【0003】
例えばモータの場合は、近年のエネルギー利用の更なる高効率化のために高出力化、小型化が求められており、種々の改良が検討されているが、モータが熱をもって高温になっていくと、出力が低下し、本来のモータの性能が得られなくなり、機器の性能が次第に低下していってしまうものであり、このようなモータを高効率で駆動させるためには、熱放散性を高くしてモータの温度上昇を防ぐ必要がある。
【0004】
このような熱対策の一つとして、樹脂による封止化を行って熱放散性を向上し、或いは更に冷却液を用いた水冷を行うことが提案されている。
【0005】
樹脂による封止を行う場合は、従来、不飽和ポリエステル樹脂による封止が行われている(特許文献1参照)。このような不飽和ポリエステル樹脂による封止にあたっては、従来、イソ系不飽和ポリエステル樹脂を含有する封止材を用いることにより成形性を安定化させ、更にこの封止材にポリエステル系の低収縮剤を含有させることで、収縮率及び線膨脹係数を低減することが行われている。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−268196号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような従来の不飽和ポリエステル樹脂による封止を行う場合に、更に冷却液による水冷を行う場合には、封止材の冷却液に対する劣化が問題となっていた。すなわち、このような冷却液としては、エチレングリコールを主成分とする不凍液(LLC)が広く用いられているが、上記のような従来の不飽和ポリエステル樹脂による封止材は、LLCによって加水分解されて劣化しやすいものであった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、低収縮性、低線膨脹率性を有すると共に、耐加水分解性に優れ、特にモータ、コイル等の電気・電子部品の封止用途に好適に用いることができる不飽和ポリエステル樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る不飽和ポリエステル樹脂組成物は、不飽和ポリエステル樹脂、無機充填材、低収縮剤及び分散剤を含有する不飽和ポリエステル樹脂組成物において、前記不飽和ポリエステル樹脂として水素化ビスフェノールA型不飽和ポリエステル樹脂を含有し、前記無機充填材として水酸化アルミニウムと炭酸カルシウムとを含有し、前記低収縮剤として、ゴム系低収縮剤とポリスチレン系低収縮剤とを含有し、分散剤として、主鎖にイオン性基を、側鎖にポリオキシアルキレン基を有する高分子化合物を含有することを特徴とするものである。この不飽和ポリエステル樹脂組成物は良好な流動性を有して成形性が高く、またこれを成形して得られる封止材は、良好な熱伝導性を有すると共に、線膨脹係数が低く、成形時の収縮率が小さくなり、且つ、優れた耐加水分解性を有して、エチレングリコールを主成分とする不凍液(LLC)等による劣化を受けにくくなる。また、上記組成物中における無機充填材と低収縮剤は分散剤により分散性が向上され、これにより成形性と低収縮性の更なる向上を図ることができる。
【0010】
また、上記分散剤として、低極性の化合物を含有させることが好ましく、この場合、分散剤と不飽和ポリエステル樹脂との相溶性を向上して、成形性の更なる向上を図ることができる。
【0011】
また上記分散剤の含有量が、0.1〜1.0重量%の範囲となるようにすることが好ましく、これにより、成形性と低収縮性を一層向上することができる。
【0012】
また、本発明に係る成形品は、上記のような不飽和ポリエステル樹脂組成物を成形硬化して成ることを特徴とするものである。このように得られた成形品は、良好な熱伝導性を有すると共に、線膨脹係数が低く、成形時の収縮率が小さくなり、且つ、優れた耐加水分解性を有して、エチレングリコールを主成分とする不凍液(LLC)等による劣化を受けにくくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
本発明に係る不飽和ポリエステル樹脂組成物は、不飽和ポリエステル樹脂、無機充填材、低収縮剤及び分散剤を、必須成分として含有する。
【0015】
不飽和ポリエステル樹脂は、不飽和多塩基酸又は場合により飽和多塩基酸を含む不飽和多塩基酸と多価アルコールから得られるものであるが、本発明では、前記多価アルコールとして水素化ビスフェノールAを用いて調製される、水素化ビスフェノールA型不飽和ポリエステル樹脂が用いられる。
【0016】
ここで、不飽和多塩基酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、クロロマレイン酸、あるいはこれらのアルキルエステル等を挙げることができる。また飽和多塩基酸を併用する場合には、例えば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸などを挙げることができる。これら多塩基酸は、それぞれ一種単独で用い、あるいは二種以上を併用することができる。
【0017】
上記のような水素化ビスフェノールA型不飽和ポリエステル樹脂は、耐加水分解性に優れ、イソ系やテレ系の不飽和ポリエステル樹脂を用いる場合よりも、組成物の硬化物の耐加水分解性を向上することができる。
【0018】
この水素化ビスフェノールA型不飽和ポリエステル樹脂の含有量は特に制限されないが、含有量が少ないと良好な成形性や寸法安定性の良い成形品を得ることができなくなり、また含有量が多すぎると特徴とする熱伝導性を得られなくなるおそれがあるものであり、特に硬化物の耐加水分解性の向上効果を発揮するためには、含有量が組成物全量に対して5〜20重量%の範囲であることが好ましい。
【0019】
また、無機充填材としては、水酸化アルミニウムと炭酸カルシウムとが併用されるものであり、これにより良好な成形性を維持すると共に、高い熱伝導性を確保することができる。このとき無機充填材として水酸化アルミニウムのみを用いると、組成物の流動性を十分に向上することが困難となって良好な成形性を得ることができず、また炭酸カルシウムのみを用いる場合には、熱伝導率を十分に向上することができなくなる。
【0020】
このとき水酸化アルミニウムの含有量は特に制限されないが、含有量が過少であると硬化物の熱伝導性向上が十分に得られないおそれがあり、また含有量が過大であると組成物の粘度が上昇して成形性が低下するおそれがあるため、所望の性能が得られるように適宜含有量を調整することが好ましく、特に組成物全量に対して40〜70重量%の範囲、更に好ましくは50〜70重量%の範囲となるようにすると、組成物の硬化物に特に優れた熱伝導性を付与することができる。
【0021】
また炭酸カルシウムの含有量も特に制限はされないが、含有量が過少であると良好な成形性が得られなくなるおそれがあり、また含有量が過大であると十分な熱伝導率が得られなくなるおそれがあるため、所望の性能が得られるように適宜含有量を調整することが好ましく、特に組成物全量に対して5〜30重量%の範囲となるようにすると、組成物に優れた成形性を付与することができる。
【0022】
また、低収縮剤としては、ゴム系低収縮剤とポリスチレン系低収縮剤とが併用される。ゴム系低収縮剤とは不飽和ポリエステル樹脂組成物の硬化に伴う収縮を防止するために用いるゴム系の樹脂であり、例えば日本ユピカ株式会社製「A−35」等を挙げることができる。またポリスチレン系低収縮剤とは不飽和ポリエステル樹脂組成物の硬化に伴う収縮を防止するために用いるスチレン系の樹脂であり、例えば東洋スチレン株式会社製ポリスチレン樹脂「HRM−5B」等を挙げることができる。
【0023】
このような低収縮剤を用いると、組成物の成形時の収縮率を特に低減することができると共に、耐加水分解性の低下を抑制することができる。このとき低収縮剤としてゴム系低収縮剤のみを用いると、耐加水分解性を十分に発揮することができなくなり、またポリスチレン系低収縮剤のみを用いる場合では十分な低収縮性を得ることが困難となる。
【0024】
上記のような低収縮剤の含有量は、特に制限されないが、この含有量が過少であると成形時の低収縮性を十分に発現させることが困難となり、また含有量が過大となると含有量を増大しても低収縮性を更に向上させることが困難となるため、低収縮性を十分に得るためには、組成物全量に対する低収縮剤の合計量が8〜12重量%の範囲であることが好ましい。
【0025】
またこの低収縮剤のうち、特にゴム系低収縮剤の含有量は、5〜10重量%の範囲であることが好ましく、この場合含有量が5重量%未満であると、充分な低収縮効果を得ることができないものであり、逆に10重量%を超えると、それ以上の低収縮効果を得る事ができないものであり、曲げ強度が低下する場合がある。またポリスチレン系低収縮剤の含有量は3〜5重量%の範囲であることが好ましく、この場合、含有量が3質量%未満であると、充分な低収縮効果を得ることができないものであり、逆に5質量%を超えると、それ以上の低収縮効果を得る事ができないものである。
【0026】
また、分散剤としては、適宜のものを用いることができるが、特に主鎖にイオン性基を、側鎖(グラフト基)にポリオキシアルキレン基を有する高分子化合物を用いることが好ましく、この場合、組成物中における無機充填材と低収縮剤の分散性を特に向上することができ、これにより成形性と低収縮性の更なる向上を図ることができる。このとき上記のイオン性基としては、カルボキシアニオン等が挙げられる。
【0027】
ここで、上記の分散剤の分子量が小さいと、無機充填材や低収縮剤の分散性を十分に向上することが困難となる。特に分散剤は、その重量平均分子量が1000〜100000の範囲であることが好ましい。
【0028】
また、分散剤は、低極性のものであることが好ましく、この場合は、分散剤と不飽和ポリエステル樹脂との相溶性を向上して、成形性の更なる向上を図ることができる。また、このとき分散剤のHLB(親水性油性バランス)の値は、11〜13の範囲であることが好ましい。また、このような分散剤は、組成物中にスチレン、キシレン、トルエン等が配合される場合には、これらのものとの相溶性も高くなり、これにより成形性が向上することになる。
【0029】
上記のような分散剤の具体例としては、日本油脂株式会社製の「分散剤・マリアリムシリーズ」、例えば「マリアリムAAB−0851」、「マリアリムAWS−0851」等のような、アリルエーテルコポリマーを挙げることができる。
【0030】
上記のような分散剤の含有量は、組成物が所望の性能を得ることができるように適宜調整されるが、特にその含有量が0.1〜1.0重量%の範囲となるようにすることが好ましく、この場合、組成物の粘度を十分に低減して高い成形性を維持することができると共に、成形時の収縮率を十分に低減することができる。このときこの含有量が0.1重量%に満たない場合は成形性の向上と収縮率の低減とを十分に図ることが困難となり、また1.0重量%を超えて含有させた場合には、分散剤による性能向上の効果が飽和して、それ以上含有量を増大させても更なる性能向上を図ることが困難となる。
【0031】
また組成物中には、上記の各成分に加えて、補強材としてガラス繊維等を含有させることにより、硬化物の強度向上を図ることも好ましい。このとき、補強材としてガラス繊維を用いる場合には、その含有量は組成物全量に対して5重量%以上とすることで、硬化物の強度を著しく向上することができる。またガラス繊維の含有量は高くするほど強度向上が見込まれるが、封止材用途に対しては構造材ほどの強度は必要とされず、また含有量が過大になると熱伝導性を阻害するおそれもあるため、ガラス繊維の含有量は組成物全量に対して10重量%以下であることが好ましい。
【0032】
また、組成物中には、更に必要に応じて種々の添加剤を含有させることもできる。このような添加剤としては、封止用の樹脂組成物に一般的に用いられる適宜のものを含有させることができ、例えば架橋剤、硬化触媒、離型剤等を挙げることができる。このとき、架橋剤としてはスチレン系樹脂(例えば松下電工株式会社製「CJ3946」、「CJ3947」)等を、硬化触媒としてはt−ブチルパーオキシベンゾエート(例えば日本油脂株式会社製「パーブチルZ」)等を、離型剤としてはステアリン酸亜鉛、カルナバワックス等を、用いることができる。このような添加剤は、組成物に対して所望の性能を付与することができるように適宜の割合で含有させることができるが、本発明の効果を十分に発現させるためには、その含有量の総量が、組成物全量に対して12重量%以下となるようにすることが好ましく、更に好ましくは3〜12重量%の範囲となるようにするものである。
【0033】
本発明に係る不飽和ポリエステル樹脂組成物は、上記のような所定量の各成分を、常法により配合・混練することにより得ることができる。例えば所定量の各成分をニーダーに投入し、25〜30℃で20〜40分間混合することで、不飽和ポリエステル樹脂組成物を調製することができる。
【0034】
この不飽和ポリエステル樹脂組成物を成形硬化することでモータ、コイル等の電気・電子部品を封止して、成形品を得ることができる。封止成形は適宜の手法を採用して行うことができ、例えば圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等により行うことができる。また成形時の成形条件は適宜設定されるが、例えば成形温度130〜140℃、成形時間は〔成形品の最大肉厚(mm)〕×〔20〜30(秒/mm)〕、成形圧力は9.8〜14.7MPaとすることができる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳述する。
【0036】
各実施例及び比較例について、表1,2に示す各成分をニーダーに投入し、25〜30℃で30分間混合することで、不飽和ポリエステル樹脂組成物を調製した。
【0037】
尚、表中の各成分としては、次のものを用いた。
・水酸化アルミニウム:昭和電工株式会社製、ハイジライトシリーズ
・炭酸カルシウム:日東粉化工業株式会社製、NSシリーズ
・イソ系不飽和ポリエステル樹脂:武田薬品工業株式会社製「ポリマール9516」
・水素化ビスフェノールA型不飽和ポリエステル樹脂:日本ユピカ株式会社製、「ユピカ7123」
・ポリスチレン系低収縮剤:東洋スチレン株式会社製、「HRM−5B」
・ポリエステル系低収縮剤:株式会社日本触媒製、「AT600H」
・ゴム系低収縮剤:日本ユピカ株式会社製、「A−35」
・低分子型分散剤:日本油脂株式会社製、「ナイミーンL202」
・高分子型分散剤:日本油脂株式会社製「マリアリムAAB−0851」、「マリアリムAWS−0851」
・ガラス繊維:日本硝子繊維株式会社製、「RES03」
・架橋剤:松下電工株式会社製、スチレン系樹脂、「CJ3946」
・離型剤:ステアリン酸亜鉛
・顔料:カーボンブラック
(評価)
a.熱伝導率測定
各実施例及び比較例の組成物について、金型温度135℃、成形時間900秒、成形圧力12.5MPaの条件で直圧成形を行い、直径100mm、厚み25mmの円盤状の成形体を得た。
【0038】
この成形体の熱伝導率を、JIS K6911に準拠して測定した。
【0039】
b.成形性評価(スパイラルフロー試験)
各実施例及び比較例の組成物について、ASTM法に準拠した金型を用い、金型温度150℃、注入圧力4.9MPa、注入時間30秒、硬化時間90秒の条件で、スパイラルフロー試験を行い、それぞれスパイラルフロー長さを測定した。
【0040】
c.耐LLC性評価
各実施例及び比較例の組成物について、金型温度135℃、成形時間180秒、成形圧力12.5MPaの条件で直圧成形を行い、直径90mm、厚み5mmの寸法の成形体を得た。
【0041】
この成形体を、140℃のLLC水溶液中に100時間浸漬し、その前後の重量変化率を測定した。
【0042】
尚、上記LLC水溶液は、エチレングリコールを主成分とする不凍液(LLC)の含有量が90容積%となるように調製した。
【0043】
d.成形収縮率評価
各実施例及び比較例の組成物について、金型温度135℃、成形時間180秒、成形圧力12.5MPaの条件で直圧成形を行い、直径90mm、厚み5mmの寸法の成形体を得た。
【0044】
この成形体の成形時の収縮率を、JIS K6911に準拠して測定した。
【0045】
以上の結果を、表1,2に示す。
【0046】
【表1】
Figure 2005015612
【0047】
【表2】
Figure 2005015612
【0048】
【発明の効果】
上記のように本発明に係る不飽和ポリエステル樹脂組成物は、良好な流動性を有して成形性が高く、またこれを成形して得られる封止材は、良好な熱伝導性を有すると共に、線膨脹係数が低く、成形時の収縮率が小さくなり、且つ、優れた耐加水分解性を有して、エチレングリコールを主成分とする不凍液(LLC)等による劣化を受けにくくなるものであり、このため特にモータ、コイル等の電気・電子部品の封止用途に好適に用いることができ、電気・電子部品が発熱した際には良好な放熱性を確保すると共に、エチレングリコールを主成分とする不凍液(LLC)にて水冷を行う際の封止材の劣化を防止することができるものである。また、主鎖にイオン性基を、側鎖にポリオキシアルキレン基を有する高分子化合物からなる分散剤により、組成物中における無機充填材と低収縮剤の分散性を特に向上することができ、これにより成形性と低収縮性の更なる向上を図ることができるものである。
【0049】
また、請求項2の発明によれば、低極性の化合物からなる分散剤と不飽和ポリエステル樹脂との相溶性を向上して、成形性の更なる向上を図ることができるものである。
【0050】
また、請求項3の発明によれば、分散剤の含有量を0.1〜1.0重量%の範囲とすることで、成形性と低収縮性の向上効果を十分に得ることができるものである。
【0051】
また、請求項4に係る成形品は、良好な熱伝導性を有すると共に、線膨脹係数が低く、成形時の収縮率が小さくなり、且つ、優れた耐加水分解性を有して、エチレングリコールを主成分とする不凍液(LLC)等による劣化を受けにくくなる。このため特にモータ、コイル等の電気・電子部品の封止材として好適に用いることができ、電気・電子部品が発熱した際には良好な放熱性を確保すると共に、エチレングリコールを主成分とする不凍液(LLC)にて水冷を行う際の封止材の劣化を防止することができるものである。

Claims (4)

  1. 不飽和ポリエステル樹脂、無機充填材、低収縮剤及び分散剤を含有する不飽和ポリエステル樹脂組成物において、前記不飽和ポリエステル樹脂として水素化ビスフェノールA型不飽和ポリエステル樹脂を含有し、前記無機充填材として水酸化アルミニウムと炭酸カルシウムとを含有し、前記低収縮剤として、ゴム系低収縮剤とポリスチレン系低収縮剤とを含有し、前記分散剤として、主鎖にイオン性基を、側鎖にポリオキシアルキレン基を有する高分子化合物を含有することを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  2. 上記分散剤として、低極性の化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  3. 上記分散剤の含有量が、0.1〜1.0重量%の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物を成形硬化して成ることを特徴とする成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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