JP2005015358A - 摂食障害の治療に供される医薬組成物 - Google Patents

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明 平澤
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Abstract

【課題】摂食障害の治療に供される医薬組成物及びそのキットを提供する。また本発明は、合理的ダイエット又は食欲不振に効果を示す栄養補助組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、過食症、拒食症に代表される摂食異常及びそれに伴う大腸疾患等の治療に供される、GT01ポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニスト、特に、GT01ポリペプチド特異的リガンドである遊離脂肪酸、及びGT01遺伝子、GT01ポリペプチドを含む医薬組成物及びそのキット並びに栄養補助組成物など。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、過食症又は拒食症などに代表される摂食障害及びそれに伴う肥満症、又は過敏性大腸炎などの大腸疾患等の治療に供される医薬組成物に関する。
また、本発明は、合理的なダイエット又は食欲不振の改善を可能ならしめる栄養補助組成物に関する。
【0002】
【従来技術】
現代社会において、摂食障害がその要因の一つとなっている拒食症や過食症は、体重の減少による身体能力の低下、又は肥満による生活習慣病などを引き起こしており、その効果的な予防及び治療が切望される疾患として挙げることができる。特に過食症は、肥満症、さらには、糖尿病や動脈硬化症など死亡率の高い成人病を引き起こす主たる原因にもなっている。
【0003】
肥満症は、身体的健康状態を害する他に、社会生活における対人関係に起因する自尊心の毀損等を招来せしめる場合もあり、かかる場合には、精神における健康状態の低下をも引き起こす場合がある。肥満とは、過剰な脂肪組織が体に蓄積した状態を表し、▲1▼糖尿病などの代謝系疾患の発症、▲2▼心血管系への過負荷、▲3▼肝胆道系の異常、▲4▼呼吸機能の低下、▲5▼骨及び関節系への過剰負担など、健康の維持を図るにあたって、マイナスの要因を与えるものである。上記のことから、肥満症を特に「体脂肪の過剰蓄積に起因する健康障害が起こっている、あるいは予想されるために、医学的に減量を必要とする状態」と定義する場合もある(日本臨床、第53巻、1955年特別号「肥満症」221頁〜236頁、日本臨床社、1995年6月22日発行)。
【0004】
摂食障害には、中枢に原因がある場合と末梢に原因がある場合とに分けることができる。例えば、中枢の視床下部内側部摂食停止機構においては、セロトニンが関与し、特に炭水化物の摂取抑制を行っていると考えられている。一方、末梢領域では、コレシストキニン(以下、CCKと称する)が、迷走神経を介して伝達された摂食信号を抑制的に調節し、摂食を中止させる機能を有する。神経性食欲不振症ではCCKの食事負荷時の過剰応答が認められ、逆に神経性過食症ではCCKの応答が消失していることが知られている。従って、末梢領域におけるCCKの分泌を調節することで、摂食中枢におけるCCKに対する応答を制御し、その結果、摂食障害による拒食症又は過食症の症状を緩和することが可能であると考えられる。
さらに、CCKは摂食した食物中の脂肪や脂肪酸などの刺激によって十二指腸の内分泌細胞から放出され消化管ホルモンとしても作用する。放出されたCCKは、胆嚢の収縮および膵臓の酵素分泌を促進する作用を持ち、腸の応答を広汎に制御することにより、食物消化において重要な役割を果たしている(Hopman等, 1985;Liddle等, 1986;;Smith及びGibbs, 1994;Higham等, 1997;Liddle, 1997)。
【0005】
これまでに、CCKの分泌には比較的長鎖のトリグリセリド、特に十二指腸の遊離脂肪酸が関与していることが示唆されている(Isaacs等, 1987;Beardshall等, 1989;Guimbaud等, 1997)。腸内分泌細胞株(例えば、STC−1、GLUTagなど)に遊離脂肪酸が作用すると、細胞内カルシウムイオン濃度([Ca2+])が上昇し、その後CCKの分泌が促されることが明らかにされているが、脂肪酸がどのような機構を介してCCKの分泌をコントロールするのかについては、依然として不明のままである(Sidhu等, 2000)。
【0006】
本発明に係る組成物にはGタンパク質共役型レセプターであるGT01タンパク質に特異的なアゴニスト又はアンタゴニスト、特に、GT01タンパク質に特異的に結合するリガンドが含まれる。Gタンパク質共役型レセプターは、7個の膜貫通領域を有することから7回膜貫通型受容体(7TMR)と称されており(図1を参照のこと)、共役しているグアニンヌクレオチド結合タンパク質(以下、Gタンパク質と称する)の活性化を通じて、細胞内のシグナル伝達に関与している。
Gタンパク質共役型レセプターは、生体内の各機能細胞表面に存在し、それらの機能を調節するリガンド分子の標的となっており、該リガンド分子との結合を介して細胞内にシグナルを伝達している。伝達されたシグナルを受け取った細胞は、その細胞機能の活性化又は抑制化を受け、その結果、種々の生体内反応を惹起していく。従って、Gタンパク質共役型レセプターの機能を明らかにしていくことは、生体内反応を整合よく調整する医薬を開発する点においても、非常に重要なこととなっている。
近年、膨大な量のゲノム及びcDNA情報が入手可能となり、多くのGタンパク質共役レセプターが同定されてきたが、未だ機能及びその特異的リガンドが明らかにされていないものも多く、その解析の進展が待たれている。
ヒトのGT01タンパク質は、機能未知のガラニン様レセプター(GAL1−R;GenBank登録番号XP_061208.1)とアミノ酸配列が同一である。ただし、GenBank登録番号中のXPは、生物情報学により特定されたヒトのモデルタンパク質であることを意味し、実際の生物学的機能については不明であることを示す。また、Gタンパク質共役レセプターである14273レセプターと95%のアミノ酸同一性を有する。しかしながら、14273レセプターはそのリガンドが特定されておらず、その作用機序の詳細は明らかになっていない。また、該14373レセプターは、心臓において発現が認められ、該レセプターをコードする遺伝子によるトランスジェニックマウスの解析から、14273レセプターは心臓疾患に関与するものとして同定されている。従って、本発明において開示されるGT01ポリペプチドと14273レセプターはアミノ酸配列上の同一性は高いものの、その機能の比較から(後述する)、生理学的に全く異なる役割を担っている可能性が考えられる(特許文献1又は2を参照のこと)。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第6,448,005B1号(全文)
【特許文献2】
特表2002−536997号公報(全文)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明においては、生活習慣病の中でも近年その患者数が増大している肥満症、及びその結果生じる糖尿病、高血圧症、動脈硬化症などの治療及び予防に効果を発揮する副作用の少ない製剤の開発、並びに合理的にダイエットを実現させ得る栄養食品等の開発を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記事情に鑑み、GPCR遺伝子GT01ポリペプチド(例えば、配列番号1及び2)の機能を解析し、そのアゴニスト又はアンタゴニストとなる化合物を同定すべく、鋭意研究を行った結果、意外にもGT01ポリペプチドはヒト腸内分泌細胞表面に分布し、摂食制御に機能するCCKの分泌を促進する機能を有することをここで初めて明らかにし、併せて、GT01ポリペプチドのリガンドとなる化合物を明らかにした。
なお、本明細書中においては、「ポリペプチド」と「タンパク質」なる用語は特に注記しないかぎり、同じ意味に用いられるものとする。
すなわち、上記課題は以下の(1)〜(12)によって解決される。
(1)配列番号1又は配列番号2で表されるポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニスト。
(2)細胞表面上に存在する配列番号1又は配列番号2で表されるポリペプチドと結合し、該細胞からのCCK放出を促進又は抑制する上記(1)に記載のアゴニスト又はアンタゴニスト。
ここで「細胞」とは、哺乳動物細胞のことであり、特に、限定はしないが、生体内に存在して、CCKを放出する能力を有する細胞(例えば、I細胞など)、又はin vitroにおいてCCKを放出する能力を有する株化細胞(例えば、STC−1細胞、GLUTag細胞)などを指す。
(3)上記(1)又は(2)に記載のアゴニスト又はアンタゴニストを有効成分として含む摂食障害を治療するための医薬組成物。
(4)前記アゴニスト又は前記アンタゴニストが配列番号1又は配列番号2で表されるポリペプチドに対する抗体である上記(3)に記載の医薬組成物。
(5)前記アゴニスト又は前記アンタゴニストが一又は複数の直鎖又は分岐の遊離脂肪酸である上記(3)に記載の医薬組成物。
ここで開示される「脂肪酸」は、分岐状又は直鎖状のいずれの形態であってもよく、飽和したもの或いは不飽和のもののいずれの形態であってもよい。
(6)前記遊離脂肪酸の炭素数が10〜24である上記(5)に記載の医薬組成物。
(7)前記遊離脂肪酸の不飽和結合数が0〜6である上記(5)又は(6)に記載の医薬組成物。
(8)前記遊離脂肪酸が、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、マルガリン酸、パルミトレイン酸、エイコサトリエノイン酸、エライジン酸、ペトロセリニン酸、オレイン酸、リノレン酸、γリノレン酸、ホモγリノレン酸、アラキドン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リノール酸、エイコサテトラエン酸、バクセン酸から成るグループから選択される上記(5)に記載の医薬組成物。
ここで、上記(8)に記載の脂肪酸に異性体が存在する場合、全ての異性体を含むものとするが、例えば、エイコサトリエノイン酸では、特にcis−5,8,11−エイコサトリエノイン酸が好ましく、エイコサジエン酸では、特にcis−11,14−エイコサジエン酸が好ましく、エイコサトリエン酸では、特にcis−11,14,17−エイコサトリエン酸が好ましく、エイコサテトラエン酸では、特にcis−7,10,13,16−エイコサテトラエン酸が好ましく、エイコサペンタエン酸では、cis−5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸、all−cis−7,10,13,16,19−エイコサペンタエン酸が好ましく、ドコサヘキサエン酸では、 特にcis−4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸が好ましい。
(9)配列番号1又は配列番号2で表されるアミノ酸をコードするポリヌクレオチドを含有するベクターを含んでなる摂食障害を治療するための医薬組成物。
(10)肥満症を治療する上記(3)ないし(9)のいずれかに記載の医薬組成物。
(11)拒食症を治療する上記(3)ないし(7)のいずれかに記載の医薬組成物。
【0010】
さらに、本発明は、食品、限定はしないが、例えばマーガリン等に添加して摂取するための栄養補助組成物、あるいは、合理的なダイエットを可能ならしめるための栄養補助組成物等にも関する。
すなわち、本発明は以下の(12)〜(18)も提供する。
(12)上記(1)又は(2)に記載のアゴニスト又はアンタゴニストを有効成分として含む摂食障害用栄養補助組成物。
(13)前記アゴニスト又は前記アンタゴニストが一又は複数の遊離脂肪酸である上記(12)に記載の栄養補助組成物。
(14)前記遊離脂肪酸の炭素数が10〜24である上記(13)に記載の栄養補助組成物。
(15)前記遊離脂肪酸の不飽和結合数が0〜6である上記(13)又は(14)に記載の栄養補助組成物。
(16)前記遊離脂肪酸が、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、マルガリン酸、パルミトレイン酸、エイコサトリエノイン酸、エライジン酸、ペトロセリニン酸、オレイン酸、リノレン酸、γリノレン酸、ホモγリノレン酸、アラキドン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リノール酸、エイコサテトラエン酸、バクセン酸から成るグループから選択される上記(13)に記載の栄養補助組成物。
ここで、上記(16)に記載の脂肪酸に異性体が存在する場合、全ての異性体を含むものとするが、例えば、エイコサトリエノイン酸では、特にcis−5,8,11−エイコサトリエノイン酸が好ましく、エイコサジエン酸では、特にcis−11,14−エイコサジエン酸が好ましく、エイコサトリエン酸では、特にcis−11,14,17−エイコサトリエン酸が好ましく、エイコサテトラエン酸では、特にcis−7,10,13,16−エイコサテトラエン酸が好ましく、エイコサペンタエン酸では、cis−5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸、all−cis−7,10,13,16,19−エイコサペンタエン酸が好ましく、ドコサヘキサエン酸では、 特にcis−4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸が好ましい。
(17)合理的なダイエットに用いられる上記(12)ないし(16)のいずれかに記載の栄養補助組成物。
(18)食欲不振の緩和に用いられる上記(12)ないし(15)のいずれかに記載の栄養補助組成物。
ここで「摂食障害」とは、かかる用語が一般的に用いられる場合に意味する内容を指すものである。例えば、「摂食障害」には、拒食症、過食症などの病態あるいは疾患が含まれる。ここで「拒食症」には、中枢又は末梢に何らかの原因があるため、食事量が減り極端に痩せていく病態あるいは疾患などが含まれる。また、「拒食症」には、中枢又は末梢に何らかの原因があるため、食事量が極端に増大する状態などが含まれる。
【0011】
【発明の実施の形態】
1.GT01ポリペプチドをコードする遺伝子のクローニング
本発明における「GT01ポリペプチド」とは、配列番号1又は配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するGタンパク質共役型レセプター、又は配列番号1若しくは配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、腸内分泌細胞(例えば、I細胞、)若しくは腸内分泌細胞株(例えば、STC−1、GLUTag細胞株等)表面に分布し、そのリガンドの結合により、CCKの分泌のためのシグナルを細胞内に伝達するGタンパク質共役型レセプターのことである。
【0012】
本発明におけるGT01ポリペプチド遺伝子は、公的なデータベース(NCBI)に登録されている配列情報(登録番号;XM_129252(マウス)、XP_061208.1(ヒト)など)に基づいて作製されたPCRプライマーを用いて、cDNAライブラリー、ゲノムDNAライブラリー等からクローニングすることができる。
PCRプライマーの設計は、primer3 (Whitehead Institute for Biomedical Research.)等のプライマー設計ソフトを用いて行うことができる。また、PCRプライマー合成は、標準的な合成技術、例えば、自動DNA合成装置などを用いて行うことができるが、商業的に入手してもよい。PCR反応によって増幅が予想される増幅産物の長さは、増幅効率およびその後のアガロースゲルによる分離能および塩基配列解析が容易であるような長さが好ましく、例えば、80〜200塩基になるようにデザインするのがよい。作成したPCRプライマーを用いて、cDNAライブラリー等を鋳型にしてPCR反応を行い、増幅産物が目的の産物であることを、配列決定を行うなどして確認する。
【0013】
ここで用いられる、cDNAライブラリーはヒトを含むあらゆる動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ウシ、サル、ヒツジ、イヌ、ネコなど)の細胞、限定はしないが、例えば、免疫系細胞、血球系細胞、線維芽細胞、脾細胞、肝細胞、骨髄細胞、すい臓細胞、ランゲルハンス細胞、上皮細胞、筋細胞、神経細胞、グリア細胞、脂肪細胞、若しくはこれらの株化細胞、若しくはこれらの前駆細胞などから調製したものでもよく、又はあらゆる動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ウシ、サル、ヒツジ、イヌ、ネコなど)の組織、限定はしないが、例えば、脳、脊髄、下垂体、胸腺、抹消血、脾臓、リンパ組織、下垂体、胃、すい臓、腎臓、生殖腺、甲状腺、胆嚢、睾丸、精巣、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋などから調製したものでもよい。cDNAライブラリーの調製は、当該技術分野における通常の技術を用いて行うことができる(例えば、Sambrook等, 1989などを参照のこと)。
【0014】
2.GT01ポリペプチドに対するアゴニスト及びアンタゴニスト
本明細書中における「アゴニスト」には、内在性のGT01ポリペプチドの生物学的活性(リガンドの結合により、CCKの分泌のためのシグナルを細胞内に伝達する活性)を誘導する分子のいずれもが含まれる。一方「アンタゴニスト」には、アゴニストと競合することで、内在性GT01ポリペプチドの生物学的活性の一部又は全てを阻害し、中和させる分子のいずれもが含まれる。本発明の「アゴニスト」は、限定はしないが、特に、肥満症の治療に効果があると考えられる。一方、「アンタゴニスト」は、限定はしないが、特に、拒食症の治療に効果があると考えられる。
(1)アゴニスト及びアンタゴニストの同定
GT01ポリペプチドの生物学的活性(リガンドの結合により、CCKの分泌のためのシグナルを細胞内に伝達する活性)を検出ためのアッセイ系に試験されるべき化合物等を添加した場合、GT01ポリペプチドの生物学的活性が促進されれば、該化合物はアゴニストであり、逆に活性が抑制されれば、該化合物はアンタゴニストである。具体的には、限定はしないが、例えば、後述の実施例にて示す細胞内カルシウム濃度の測定において、該アッセイで使用する細胞に試験化合物を接触させた場合に、細胞内カルシウム濃度が上昇すれば、該試験化合物はアゴニストであり、アゴニストの存在下においても細胞内カルシウム濃度の上昇を阻害すれば、該試験化合物はアンタゴニストであると判断することができる。
【0015】
(2)アンチセンスRNA又はDNA
GT01遺伝子に対する、アンチセンスRNA又はDNAは有効なアンタゴニストとして作用する可能性がある。アンチセンスRNA又はDNA分子は標的のmRNAに対してハイブリダイズして翻訳を阻害することにより標的因子の機能を阻害する。アンチセンスRNAは、例えば、in vivoにおいてmRNAとハイブリダイズし、mRNAからGT01ポリペプチドへの翻訳を阻害するようにデザインされる(Okano等, 1991)。また、DNAオリゴヌクレオチドは、例えば、GT01遺伝子の転写開始領域に対して相補的となるようにデザインされ、その結果GT01の発現を阻害する(Cohen, 1989)。
これらのアンチセンスRNA又はDNAがGT01ポリペプチドの発現を阻害するようin vivoにおいて発現し得るように細胞へ導入することができる。アンチセンスDNAが用いられる場合には、例えば、標的遺伝子配列の約−10と+10の間の位置に結合するオリゴヌクレオチドであることが望ましい。
【0016】
(3)抗GT01ポリペプチド抗体
本発明は、GT01ポリペプチドと特異的に結合する抗体、及びFab又は(Fab)2などの抗体断片を含む。
本明細書中の「抗体」(抗GT01;アゴニスト、アンタゴニスト及び中和抗体を含む)には、GT01ポリペプチドに対するモノエピトープ特異的抗GT01ポリペプチド抗体、ポリエピトープ特異的抗GT01ポリペプチド抗体、単一鎖抗体、及びこれらの断片が含まれる。
これらの抗体には、例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト化抗体などが含まれる。
(3)−1.ポリクローナル抗体
ポリクローナル抗体は、例えば、哺乳類宿主動物に対して、免疫原及びアジュバントの混合物をインジェクトすることにより調製することができる。通常は、免疫原及び/又はアジュバントを宿主動物の皮下又は腹腔内へ複数回インジェクトする。免疫原にはGT01ポリペプチド及びその異種ポリペプチドとの融合体又はこれらの断片が含まれる。アジュバントの例には、完全フロイントアジュバント及びモノホスホリル脂質A合成−トレハロースジコリノミコレート(MPL−TDM)が含まれる。免疫応答を増強するために、免疫原は、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、血清アルブミン、ウシチログロブリン及び大豆トリプシンインヒビターなどの免疫原性を有するタンパク質に結合させたのち、インジェクトしてもよい。
あるいは、IgY分子を産生するニワトリを用いて調製してもよい(Schade等, 1996)。
抗体産生方法の詳細は、例えば、Ausubel等, 1987又はHarlow及びLane, 1988を参照のこと。
【0017】
(3)−2.モノクローナル抗体
抗GT01ポリペプチドモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法を用いて調製される(Milstein及びCuello, 1983)。
この方法には以下に示す4つの工程が含まれる:(1)宿主動物または、宿主動物由来のリンパ球を免疫する、(2)モノクローナル抗体分泌性(又は潜在的に分泌性)のリンパ球を回収する、(3)リンパ球を不死化細胞に融合させる、(4)所望のモノクローナル抗体(抗GT01ポリペプチド)を分泌する細胞を選択する。
マウス、ラット、モルモット、ハムスター、又は他の適当な宿主動物が免疫動物として選択され、免疫原がインジェクトされる。あるいは、免疫動物から取得したリンパ球をin vitroで免疫化してもよい。ヒト細胞が望ましい場合には、末梢血リンパ球(PBLs)が一般に使用される。しかしながら、他の哺乳類由来の脾臓細胞又はリンパ球がより一般的で好ましい。免疫原には、GT01ポリペプチド及びその異種ポリペプチドとの融合体又はこれらの断片が含まれる。
免疫後、宿主動物から得られたリンパ球はハイブリドーマ細胞を樹立するために、ポリエチレングリコールなどの融合剤を用いて不死化細胞株と融合される(Goding, 1996)。融合細胞としては、トランスフォーメーションによって不死化された齧歯類、ウシ、又はヒトのミエローマ細胞が使用されるか、ラットもしくはマウスのミエローマ細胞株が使用される。細胞融合を行った後、融合しなかったリンパ球及び不死化細胞株の成長又は生存を阻害する一又は複数の基質を含む適切な培地中で細胞を生育させる。通常の技術では、酵素のヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠く親細胞を使用する。この場合、ヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミジンがHGPRT欠損細胞の成長を阻害し、ハイブリドーマの成長を許容する培地(HAT培地)に添加される。
【0018】
モノクローナル抗体の調製にあたり、好ましい不死化細胞株はマウスミエローマ株で、アメリカンタイプカルチャーコレクション(Manassas, VA)より入手可能である。ヒトミエローマ及びマウス−ヒトヘテロミエローマ細胞株による、ヒトモノクローナル抗体産生に関しては、Kozbor等, 1984を参照のこと。
ハイブリドーマ細胞は細胞外に抗体を分泌するため、GT01ポリペプチドに対するモノクローナル抗体の産生の有無を培養液を用いて確認することができる。産生されたモノクローナル抗体の結合特異性は、ラジオイムノアッセイ(RIA)又は酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)などの免疫沈降又はインヴィトロでの結合アッセイにより評価することができる(Harlow及びLane, 1988;Harlow及びLane, 1999)。
抗GT01ポリペプチドモノクローナル抗体分泌性ハイブリドーマ細胞は限界希釈法及びサブカルチャーにより単一クローンとして単離することができる(Goding, 1996)。適切な培地にはダルベッコ改変イーグル培地、RPMI−1640、場合によっては、タンパク質を含まない培地若しくは無血清培地などが含まれる(例えば、Ultra DOMA PF 又はHL−1;Biowhittaker;Walkersville, MD)。また、ハイブリドーマ細胞は、適切な宿主動物の腹水中で増殖させてもよい。
【0019】
モノクローナル抗体は、培地又は腹水からプロテインAセファロース、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー、硫安沈殿又はアフィニティークロマトグラフィー(Harlow及びLane, 1988;Harlow及びLane, 1999)などの当業者にとって周知の方法によって単離及び精製される。
また、モノクローナル抗体は遺伝子組換え技術によっても作製することができる(米国特許第4166452号)。抗GT01ポリペプチド抗体を分泌するハイブリドーマ細胞株から目的のモノクローナル抗体ポリペプチドをコードする遺伝子を同定するのに、例えば、マウスの重鎖及び軽鎖抗体遺伝子と特異的に結合するオリゴヌクレオチドプローブを用いてもよい。その結果、抗体重鎖及び軽鎖遺伝子が取得された場合は、その遺伝子の配列を決定することにより目的の抗体遺伝子を同定することができる。同定され、単離された抗体遺伝子のDNA断片は、モノクローナル抗体を発現させるために、適当な発現ベクターに導入し、該ベクターを他のIgタンパク質を生産しないsimian COS−7細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又はミエローマ細胞などのホスト細胞中へトランスフェクトする。単離されたDNA断片は、例えば、ヒト重鎖及び軽鎖定常ドメインに対するコード化配列を相同なマウス配列と置換することにより(米国特許第4816567号, 1989;Morrison等, 1987)、又は非Igポリペプチドをコードする配列の全て又は一部とIgコード化配列を融合することにより、修飾することができる。そのような非Igポリペプチドは、キメラ二価抗体を作製するために、抗体の定常ドメインと置換することが可能であり、又は抗原結合部位の定常ドメインと置換することができる。
【0020】
(3)−3.ヒト化及びヒト抗体
抗GT01ポリペプチド抗体には、ヒト化又はヒト抗体が含まれる。非ヒト抗体のヒト化型は、非ヒトIg由来の最小配列を含むキメラIgs、Ig鎖又は断片(Fv, Fab, Fab’, F(ab’)2又は他の抗体の抗原結合領域など)である。
一般に、ヒト化抗体は非ヒト由来のIgから導入された一又は複数のアミノ酸残基を持つ。これらの非ヒトアミノ酸残基は、多くの場合、可変ドメインから選ばれる。ヒト化抗体は、例えばマウスのCDRs又はCDR配列と対応するヒト抗体配列とを置換することにより作製することができる(Jones等, 1986;Riechmann等, 1988;Verhoeyen等, 1988)。つまり、ヒト化抗体とは、典型的には、ヒトIg中の特定のCDR残基がマウスの相当部位由来のCDR残基と置換されているヒト抗体のことである。ヒト化抗体には、マウス、ラット又はウサギなどの非ヒト種のCDRであって、抗原に対する所望の特異的親和性を持つ残基により、置換されるヒトIgsが含まれる。また、非ヒト由来の残基によって、ヒトIgのFvフレームワーク残基が置換される場合もある(Jones等, 1986;Presta, 1992;Riechmann等, 1988)。
【0021】
(4)GT01ポリペプチドに対するリガンド
リガンドを決定する方法においては、GT01受容体タンパク質と試験化合物(候補リガンド)とを接触させた場合の、例えば、該受容体タンパク質の細胞内移行を確認する方法、該受容体タンパク質を発現する細胞の刺激活性を測定する方法などが使用可能であり、当業者における通常の技術常識の範囲内において実施可能である。
【0022】
具体的には、例えば、本発明におけるGT01受容体タンパク質と蛍光タンパク質(例えば、GFP、CFP、YFP又はDsREDなど)とのキメラ融合タンパク質を発現するための発現ベクターを試験細胞表面上に発現させ、試験化合物と接触させた場合の該キメラタンパク質の細胞内移行を蛍光顕微鏡等で観察することにより、試験化合物がリガンド(アゴニスト又はアンタゴニスト)として機能し得るか否か検討することができる。蛍光タンパク質とのキメラ融合タンパク質を発現させるベクターは、市販品(例えば、pDsRed、pEGFP、pCFPなど、Clontech社)などの蛍光タンパク質遺伝子が挿入されたベクターに本発明のGT01遺伝子のフレームが合うように挿入することで、構築することができる。
また、GT01受容体タンパク質を細胞表面上に発現させる細胞と試験化合物を接触させた場合において、受容体タンパク質を介して細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、イノシトールリン酸産生など)を検出することによっても候補リガンドを同定することができる。本発明においては、細胞内の遊離Ca2+濃度を測定する方法が用いられる。細胞内Ca2+濃度の測定は、当業者にとって周知の技術を用いることで実施することが可能である。例えば、Ca2+と結合することで蛍光を発する蛍光物質を用いる方法が一般的によく用いられる。
本発明において好ましいリガンド同定の方法は、蛍光タンパク質とGT01受容体タンパク質のキメラ融合体を用いた細胞内移行による方法、及び細胞内Ca2+濃度変化を検出する方法である。
【0023】
3.細胞培養
本発明のGT01ポリペプチドのリガンドを同定するために、適切な細胞表面上に該ポリペプチドを機能し得る状態で発現させる必要がある。
ここで使用可能な細胞には、哺乳動物細胞及びその株化細胞であれば利用可能である。適切な細胞又は細胞株は、当業者であれば容易に選択することができる。例えば、CHO細胞、STC−1細胞、GLUTag細胞又はHEK細胞などが利用可能である。
細胞を培養する際、培地としては、例えば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM培地、DMEM培地等が用いられ、必要に応じてグルコース、グルタミン、抗生物質等が適宜添加される。pHは約6〜8であるのが好ましく、温度は約37℃、CO2濃度は約5%が望ましい。
【0024】
4.GT01ポリペプチドの哺乳動物細胞内での発現
本発明のリガンドを同定するために、GT01ポリペプチドを、適切な哺乳動物細胞内で発現させ、該細胞表面上に分布させる必要がある。
GT01ポリペプチドの安定発現株を得るために、適切なベクター(pCDNなど)に本発明のGT01ポリペプチド(実質的に同一なポリペプチド及びそれらの部分ペプチドも含む。本明細書中において同様)のみ、又は他のタンパク質(例えば、GFP、G16など)との融合体ポリペプチドをコードするDNAを挿入し、該ベクターを目的の細胞内へ導入する。
動物細胞へのベクターの導入方法としては、DEAEデキストラン法(Lopata等, 1984)、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法(Chen及びOkayama, 1988)、カチオン性脂質による方法(Elroy−Stein及びMoss, 1990)等が挙げられる。
また、安定にトランスフォームされた組換体細胞を選択するためのマーカーとしては、限定はしないが、ハイグロマイシン耐性マーカー(Hyg)、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子(dhfr)、アンピシリン耐性遺伝子(Amp)、カナマイシン耐性遺伝子(Kan)、ネオマイシン耐性遺伝子(Neo, G418)などが利用可能である。
【0025】
5.GT01ポリペプチドに対するアゴニスト又はアンタゴニストを含む医薬組成物 GT01ポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニストは、薬学的に受容可能な担体と共に、生体に対して悪影響を及ぼさない医薬組成物の形態で治療剤として使用され得る。
「薬学的に受容可能な坦体」は、溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌及び抗真菌剤、アイソトニックに作用して吸着を遅らせる薬剤及びその類似物を含み、薬剤的投与に適するもののことである(Gennaro, 2000)。該担体及び該担体を希釈するために好ましいものの例には、限定はしないが、水、生理食塩水、フィンガー溶液、デキストロース溶液、及び5%のヒト血清アルブミンが含まれる。また、リポソーム及び不揮発性油などの非水溶性媒体も用いられる。さらに、本発明のGT01ポリペプチド及び抗GT01ポリペプチド抗体を含む該ポリペプチドに対するアゴニスト又はアンタゴニストの活性を保護又は促進するような、特定の化合物も該組成物中に取り込まれ得る。
【0026】
(1)医薬組成物の調製
本発明の医薬組成物は、静脈内、経口への投与を含む、治療上適切な投与経路に適合するように製剤化される。静脈内への投与に使用される溶液又は懸濁液には、限定はしないが、注射用の水などの滅菌的希釈液、生理食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、又は他の合成溶媒、ベンジルアルコール又は他のメチルパラベンなどの保存剤、アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなどの無痛化剤、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)などのキレート剤、酢酸塩、クエン酸塩、又はリン酸塩などの緩衝剤、塩化ナトリウム又はデキストロースなど浸透圧調製のための薬剤を含んでもよい。
pHは塩酸又は水酸化ナトリウムなどの酸又は塩基で調整することができる。非径口的標品はアンプル、ガラスもしくはプラスチック製の使い捨てシリンジ又は複数回投与用バイアル中に収納される。
【0027】
(2)注射可能な製剤
注射に適する医薬組成物には、滅菌された注射可能な溶液又は分散媒であって、使用時に調製するための滅菌水溶液(水溶性の)又は分散媒及び滅菌されたパウダー(凍結乾燥されたタンパク質、核酸などを含む)が含まれる。静脈内の投与に関し、適切な担体には生理食塩水、静菌水、CREMOPHOR ELTM(BASF, Parsippany, N.J.)、又はリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)が含まれる。注射剤として使用する場合、組成物は滅菌的でなくてはならず、また、シリンジを用いて投与されるために十分な流動性を保持していなくてはならない。該組成物は、調剤及び保存の間、化学変化及び腐食等に対して安定でなくてはならず、細菌及び真菌などの微生物由来のコンタミネーションなどが生じてはならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、及び適切な混合物を含む溶媒又は分散媒培地を使用することができる。例えば、レクチンなどのコーティング剤を用い、分散媒においては必要とされる粒子サイズを維持し、界面活性剤を用いることにより適度な流動性が維持される。種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、及びチメロサールなどは、微生物のコンタミネーションを防ぐために使用可能である。また、糖、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコール及び塩化ナトリウムのような等張性を保つ薬剤が組成物中に含まれてもよい。吸着を遅らせることができる組成物には、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの薬剤が含まれる。
滅菌的な注射可能溶液は、必要な成分を単独で又は他の成分と組み合わせた後に、適切な溶媒中に必要量の活性化合物を加え、滅菌することで調製される。一般に、分散媒は、基本的な分散培地及び上述したその他の必要成分を含む滅菌的媒体中に活性化合物を取り込むことにより調製される。滅菌的な注射可能な溶液の調製のための滅菌的なパウダーの調製方法には、活性な成分及び滅菌溶液に由来する何れかの所望な成分を含むパウダーを調製する真空乾燥及び凍結乾燥が含まれる。
【0028】
(3)経口組成物
通常、経口組成物には、不活性な希釈剤又は体内に取り込んでも害を及ぼさない担体が含まれる。経口組成物には、例えば、ゼラチンのカプセル剤に包含されるか、加圧されて錠剤化される。経口的治療のためには、活性化合物は賦形剤と共に取り込まれ、錠剤、トローチ又はカプセル剤の形態で使用される。また、経口組成物は、流動性担体を用いて調製することも可能であり、流動性担体中の該組成物は経口的に適用される。さらに、薬剤的に適合する結合剤、及び/又はアジュバント物質などが包含されてもよい。
錠剤、丸薬、カプセル剤、トローチ剤及びその類似物は以下の成分又は類似の性質を持つ化合物の何れかを含み得る:微結晶性セルロースのような賦形剤、アラビアゴム、トラガント又はゼラチンなどの結合剤;スターチ又はラクトース、アルギン酸、PRIMOGEL、又はコーンスターチなどの膨化剤;ステアリン酸マグネシウム又はSTRROTESなどの潤滑剤;コロイド性シリコン二酸化物などの滑剤;スクロース又はサッカリンなどの甘味剤;又はペパーミント、メチルサリシル酸又はオレンジフレイバーなどの香料添加剤。
【0029】
(5)全身投与
また、全身投与は経粘膜的又は経皮的に行うことができる。経粘膜的又は経皮的投与について、標的のバリアーを透過することができる浸透剤が選択される。経粘膜浸透剤は界面活性剤、胆汁酸塩、及びフシジン酸誘導体が含まれる。経鼻スプレー又は坐薬は経粘膜的な投与に対して使用することができる。経粘膜的投与に対して、活性化合物はオイントメント、軟膏、ジェル又はクリーム中に製剤化される。
また、化合物は、直腸への送達に対して、坐薬(例えば、ココアバター及び他のグリセリドなどの基剤と共に)又は滞留性の浣腸の形態で調製することもできる。
(6)担体
本発明のGT01ポリペプチド及び抗GT01ポリペプチド抗体を含む該ポリペプチドに対するアゴニスト又はアンタゴニストは、植込錠及びマイクロカプセルに封入された送達システムなどの制御放出製剤として、体内から即時に除去されことを防ぎ得る担体を用いて調製することができる。エチレンビニル酢酸塩、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸などの、生物分解性、生物適合性ポリマーを用いることができる。このような材料は、ALZA Corporation(Mountain View, CA)及びNOVA Pharmaceuticals, Inc.(Lake Elsinore, CA)から入手することが可能で、また、当業者によって容易に調製することもできる。また、リポソームの懸濁液も薬学的に受容可能な坦体として使用することができる。有用なリポソームは、限定はしないが、ホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG誘導ホスファチジルエタノール(PEG−PE)を含む脂質組成物として、使用に適するサイズになるように、適当なポアサイズのフィルターを通して調製され、逆相蒸発法によって精製される。例えば、抗体のFab’断片などは、ジスルフィド交換反応を介して、リポソームに結合させてもよい(Martin及びPapahadjopoulos, 1982)。詳細な調製方法は、例えば、Eppstein等, 1985;Hwang等, 1980中の記載を参照のこと。
【0030】
(7)投与量
本発明のGT01ポリペプチド又は該ポリペプチドをコードする遺伝子等による特定の疾患の治療又は予防において、適切な投与量レベルは、投与される患者の状態、投与方法等に依存するが、当業者であれば、容易に最適化することが可能である。
注射投与の場合は、例えば、一日に患者の体重あたり約0.1μg/kgから500mg/kgを投与するのが好ましく、一般に一回又は複数回に分けて投与され得るであろう。好ましくは、投与量レベルは、一日に約0.1μg/kgから約250mg/kgであり、より好ましくは一日に約0.5〜約100mg/kgである。
経口投与の場合は、組成物は、好ましくは1.0から1000mgの活性成分を含む錠剤の形態で提供され、好ましくは治療されるべき患者に対する投与量に含まれる有効活性成分は、1.0, 5.0, 10.0, 15.0, 20.0, 25.0, 50.0, 75.0, 100.0, 150.0, 200.0, 250.0, 300.0, 400.0, 500.0, 600.0, 750.0, 800.0, 900.0,及び1000.0mgである。化合物は一日に1〜4回の投与計画で、好ましくは一日に一回又は二回投与される。
【0031】
(8)単位投与量
医薬組成物又は製剤は、一定の投与量を保障すべく、均一単位投与量により構成されなくてはならない。単位投与量とは、患者の治療に有効な一回の投与量を含み、薬学的に受容可能な担体と共に製剤化された一単位のことである。本発明の単位投与量を決定する場合には、製剤化される化合物(例えば、遊離脂肪酸、抗GT01ポリペプチド抗体など)の物理的、化学的特徴、期待される治療上の効果、及び該化合物に特有な製剤化における留意事項等により影響を受ける。
【0032】
6.遺伝子治療組成物
本発明において開示される核酸分子(例えば、GT01ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが挿入されたベクターなど)を患者の細胞に導入するために、in vivo及びex vivoという2つの主要な方法がある。in vivo送達においては、治療が必要とされる患者の部位に直接注入される。ex vivo処理では、治療が必要とされる患者の部位の細胞を単離し、単離された細胞に製剤化した核酸分子を導入し、導入された細胞を患者に直接又は、例えば、患者に埋め込まれる多孔性膜にカプセル化して投与することができる(米国特許第4,892,538号及び第5,283,187号参照)。核酸分子を生細胞に導入するために利用可能な技術は、培養細胞等にin vitroで導入するか、又は患者にin vivoで導入するかに依存して選択される。哺乳動物細胞にin vitroで核酸分子を導入するのに適した技術としては、リポソーム、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、トランスフェクション、細胞融合、DEAE−デキストラン法、リン酸カルシウム法などが挙げられる。トランスフェクションには、組換えウイルス(好ましくはレトロウイルス)粒子の細胞レセプターとの結合、次いで粒子に含まれる核酸分子の細胞への導入が含まれる。遺伝子のex vivo送達に通常用いられるベクターはレトロウイルスである。
【0033】
現在、in vivo核酸移入技術で好ましいのは、ウイルス又は非ウイルスベクター(アデノウイルス、レンチウイルス、単純ヘルペスIウイルス、又はアデノ関連ウイルス(AAV))、及びカチオン性脂質ベースの系(遺伝子の脂質媒介移入に有用な脂質は、例えば、DOTMA、DOPE、及びDC−Cho1である;例えば、Tonkinson等, Cancer Investigation, 14(1): 54−65 (1996) 参照)を利用した系が含まれる。遺伝子治療で使用するために最も好ましいベクターはウイルスであり、その中でも、最も好ましくはアデノウイルス、AAV、レンチウイルス又はレトロウイルスである。レトロウイルスベクター等のウイルスベクターには、少なくとも1つの転写プロモーター/エンハンサー又は位置決定因子などが含まれる。さらに、レトロウイルスベクター等のウイルスベクターは、例えば、GT01ポリペプチドをコードする遺伝子を含んだ状態で転写される場合、該コード化遺伝子の翻訳を可能とするシスエレメント、即ち翻訳開始配列として機能する核酸配列を含む。このようなベクター構築物は、用いるウイルスに適したパッケージングシグナル、末端反復配列(LTR)又はその一部を含む。場合によっては、ベクター構築物は、ポリアデニル化並びに翻訳終結配列も含む。例えば、5’LTR、tRNA結合部位、パッケージングシグナル、DNA合成の開始点、及び3’LTR又はその一部を含む。非ウイルス性の他のベクターは、例えばカチオン性脂質、ポリリジン、及びデンドリマーを用いることもできる。
場合によっては、治療に用いる核酸を目的の細胞にターゲティングする試薬、例えば、細胞表面膜タンパク質を特異的な抗体などと共に提供するのが望ましい。現在知られている遺伝子標識化及び遺伝子治療プロトコールの概説については、Anderson等, Science, 256:808−813 (1992)を参照のこと。好適な遺伝子治療及びレトロウイルス粒子及び構造タンパク質の作成方法は、米国特許第5,681,746号を参照のこと。
【0034】
7.医薬組成物に関するキット
医薬組成物はキット、容器、パック中に投与の説明書と共に含めることができる。本発明に係る医薬組成物がキットとして供給される場合、該医薬組成物のうち異なる構成成分が別々の容器中に包装され、使用直前に混合される。このように構成成分を別々に包装するのは、活性構成成分の機能を失うことなく、長期間の貯蔵を可能ならしめるためである。
(1)容器又は器
キット中に含まれる試薬は、構成成分が活性を長期間有効に持続し、容器の材質によって吸着されず、変質を受けないような何れかの種類の容器中に供給される。例えば、封着されたガラスアンプルは、窒素ガスのような中性で不反応性ガスの下において包装されたバッファーを含む。アンプルは、ガラス、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの有機ポリマー、セラミック、金属、又は試薬を保持するために通常用いられる他の何れかの適切な材料などから構成される。他の適切な容器の例には、アンプルなどの類似物質から作られる簡単なボトル、及び内部がアルミニウム又は合金などのホイルで裏打ちされた包装材が含まれる。他の容器には、試験管、バイアル、フラスコ、ボトル、シリンジ、又はその類似物が含まれる。容器は、皮下用注射針で貫通可能なストッパーを有するボトルなどの無菌のアクセスポートを有する。
(2)使用説明書
また、キットには使用説明書も添付される。当該医薬組成物からな成るキットの使用説明は、紙又は他の材質上に印刷され、及び/又はフロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、Zipディスク、ビデオテープ、オーディオテープなどの電気的又は電磁的に読み取り可能な媒体として供給されてもよい。詳細な使用説明は、キット内に実際に添付されていてもよく、あるいは、キットの製造者又は分配者によって指定され又は電子メール等で通知されるウェッブサイトに掲載されていてもよい。
【0035】
8.GT01ポリペプチドに対するアゴニスト又はアンタゴニストを含む栄養補助組成物又は栄養補助食品
GT01ポリペプチドに対するアゴニスト又はアンタゴニストを用いて、本発明に係る新規栄養補助組成物又は栄養補助食品とする場合、通常、食品の形態は特には限定されず、通常の食品として長期間摂取することができる形状としたものが良く、例えば、錠剤、顆粒状、散剤、清涼飲料水、菓子、パン、マーガリン等を例示することができる。また、通常食品に用いられている添加物、増量剤、香料、甘味料、増粘剤等を本発明の効果が損なわれない範囲で適宜混合することができる。
【0036】
以下に実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例】
実施例1:GT01遺伝子のクローニング
ヒト臓器RNAパネル中の回腸 total RNA、および、マウス回腸から抽出したtotal RNA 5 μgから、 SuperScriptII(Invitrogen)に添付の方法で、Random primer(Takara)を用いてTotal RNA 5μgから逆転写を行い、cDNAを作成した。反応後、5’側プライマー(5’−ATGTCCCCTGAATGCGCGCGGG−3’)(配列番号3)及び3’側プライマー(5’−GCCAGAAATAATCGACAAGTCA−3’)(配列番号4)を使用し、TaKaRa EX Taq(TaKaRa)を用いてRT−PCRを行った。PCR反応は、cDNAの変性を95℃で2分間行った後、96℃30秒間、52℃30秒間、72℃2分間のサイクル反応を35回行い、PCR産物を増幅させた。そして、産物の伸長反応を72℃で5分間行い、4℃に冷却して反応を停止した。 PCR断片を pGEM−T easy (Promega)ベクターにサブクローニングした後、塩基配列を決定した。ヒト、マウスのそれぞれの断片を、制限酵素で切り出し、全体を、発現ベクターpIRES (Clonetech) ベクターのプロモーター下流に載せ、全長を発現するものとした。また、PCRする際に、ストップコドンを除去したプライマーを作成し同様の手順で全長のcDNAを作成した。得られたcDNAは、pEGFP−N3(Clonetech)発現ベクターと、又は当該発現ベクターのEGFP配列部分をG16に置換した発現ベクターへ導入することで、 EGFPまたはG16との融合タンパクを作成できる発現ベクターとした。
【0037】
実施例2:GT01遺伝子発現の組織分布
(1)組織の調製
雄C57BL/6系マウスをエーテルで麻酔し、4% Paraform aldehyde/0.1 M Phospate buffer pH 7.4を用いて灌流固定を行った。そして、結腸の一部を採取し、冷Phosphate−buffered saline(PBS) 中で内容物を除去した後、4℃で1日固定した。その後、4℃にて2日間以上20% ショ糖/0.1 M Phosphate buffer pH 7.4に置換した。置換された試料はO.C.T Compoundを用いて液体窒素で凍結させ、使用時まで−80℃で保存した。新鮮凍結試料の作成については、以下のように行った。同系統の雄マウスをエーテルで麻酔し、空腸、結腸の一部採取した後、冷PBSで腸管内容物を洗浄した。試料は軽く水気を切り、速やかにO.C.T Compoundで包埋し、液体窒素で凍結させ、使用時まで−80℃で保存した。
【0038】
(2)RT−PCR
採取したマウス各臓器から、ISOGEN(日本ジーン)を用いてTotal RNAを抽出した。得られたTotal RNA 5 mgから、Ready−To−Go You Prime First−Strand Beads(Amersham Bioscience、Sweden)を用いてRT反応を行いcDNAを作成した。反応後、5’側プライマー(5’−CGCACCCGCTTTCCCTTCTTCTC−3’(配列番号3))及び3’側プライマー(5’−AGCTCT TTCCTTGATGCCTTTGTGA−3’(配列番号4))を使用し、TaKaRa EX Taq(TaKaRa)を用いてRT−PCRを行った。PCR反応は、cDNAの変性を95℃で2分間行った後、96℃30秒間、52.3℃30秒間、72℃2分間のサイクル反応を35回行い、PCR産物を増幅させた。そして、産物の伸長反応を72℃で5分間行い、4℃に冷却して反応を停止した。
【0039】
(3)サザンハイブリダイゼーション
RT−PCR反応後、2%アガロースゲルを用いて電気泳動を行い、泳動産物をニトロセルロース膜に転写させた。サザンハイブリダイゼーションのプローブを作成するため、まずpGEM−T Easy Vector(TaKaRa)に組み込まれたマウスのGT01遺伝子の配列(配列番号5)を制限酵素BssHI、BglIIでそれぞれ切断し、1%アガロースゲルで泳動を行った。目的のバンドを切り出した後、GENECLEAN II(Q−BIO gene、USA)でDNAを精製し、これをプローブ作成の為の鋳型とした。マウスのGT01遺伝子特異的DNAプローブは、32P標識dCTP(NEN、USA)を用い、Random Primer DNA labeling Kit Ver.2(TaKaRa)により作成した。サザンブロットを行った膜に、hybridization buffer(5 x SSC、5 x Denhart’s Solution、0.5% SDS)中で32P標識DNAプローブを加え、55℃にて一晩反応させた。ハイブリダイゼーション後、55℃、10分間にて2 x SSC/0.1% SDS、続いて0.2 x SSCでプローブの洗浄を行った。これを富士イメージングプレート(富士フィルム)に露光し、画像解析装置(STORM 860、Amersham Bioscience、Sweden)によりスキャニングを行った。
【0040】
(4)結果
GT01遺伝子発現の組織分布の結果は図1に示す。盲腸、大腸、において高頻度に発現されており、脳、肺でも比較的多くの発現がみられ、直腸、膵臓、島細胞にも発現がみられた。また、腸内分泌細胞株であるSTC−1細胞においても多く発現されていることが確認された。これに対し、心臓、肝臓、腎臓における発現は少なかった(図2)。
【0041】
実施例3:CCK免疫組織化学
マウス空腸新鮮凍結切片をクリオスタット(LEICA CM1800; Leica)を用いて8 mmに剥切し、APSコートスライドグラス(松浪ガラス)に張り付け−20℃で風乾した。そして、切片をZamboni液で30分固定し、流水洗浄を10分行った。内因性ペルオキシターゼの阻止のために、0.5%メタ過ヨウ素酸ナトリウム処理を10分行い、10分流水にて洗浄した。抗CCK抗体の非特異反応のブロッキングは抗体希釈液(1%正常ウマ血清、0.4% Triton−X 100、PBS希釈)で1時間行い、PBSで洗浄した。スライドグラスを湿潤箱に移し、ウサギ抗CCK抗体(1:4000、 AB1972、Chemicon、USA)を室温で一晩反応させた。反応後、PBS で5分3回洗浄し、ビオチン標識ヤギ抗ウサギIgG(1:2000、Cat. No. 55701、ICN Pharmaceuticals、USA)を室温にて2時間反応させ、PBSで5分3回洗浄した。続いてavidin−biotin−peroxidase複合体(VECTASTAIN ABC KIT、Vector Labs、USA)を40分間反応させ、PBSで5分3回洗浄した。その後、DAB反応液(0.02% 3,3−diaminobenzidine−tetrahydrochloride、0.06% 過酸化水素水を含む50mM トリス緩衝液 pH7.6)で発色させた。発色後、流水洗浄を10分行い、エタノール・キシレン系列で脱水・透徹を行った後、標本用封入剤(MP500、松浪ガラス)を用いて試料を封入した。
【0042】
実施例4:インサイツ(in situ)ハイブリダイゼーション
(1)cRNAプローブの作成
pGEM−T Easy Vector(TaKaRa)に組み込まれたマウスGT01の配列をsenseプローブ作成用に制限酵素SpeI、並びにanti senseプローブ作成用として制限酵素NcoIを用いて、それぞれ切断した。得られた各直鎖状プラスミドDNAは、それぞれ1mgをcRNAプローブ合成に使用し、DIG RNA Labeling Kit(Roche Diagnostics、Switzerland)を用いて反応混合液(プラスミドDNA、1 x DIG RNA labeling Mix、1 x Transcription buffer、1 U/ml RNasin、2 U/ml T7又はSP6RNA polymerase、RNase−free dHO)は全量20 mlとした。この反応液を37℃で2時間反応させ、DNaseを用いてプラスミドDNAを分解し、0.5 M EDTA 1 mlで反応を停止した。合成されたcRNAプローブをエタノール沈殿し、遠心(15000 rpm、4℃にて15分間)によって得られたペレットを乾燥させた後、アルカリ加水分解液(40 mM NaHCO、 60 mM NaCO, pH 10.2)に溶解し、60℃にて9分間、断片化処理を行った。処理後再びエタノール沈殿を行い、沈殿物をDEPC水(Milli−Q水を0.1% DEPCで一晩処理し、オートクレーブにて121℃、40分間加熱して無毒化したもの)に溶解した。
【0043】
(2)インサイツ(in situ)ハイブリダイゼーション
4% Paraform aldehydeにて固定を行ったマウス結腸の凍結試料を、クリオスタット(LEICA CM1800; Leica)を用いて厚さ20mmの切片を作成し、4×SSC (0.6M NaCl, 0.6M Sodium Citrate)に浮かべた。得られた切片をPBSで洗浄し、1 mg/ml Proteinase K(0.1 M Tris−HCl pH 8.0/50 mM EDTA希釈)で37℃、20分間処理した。4% Paraform aldehydeを用いて10分間後固定し、PBSで洗浄した。0.25% 無水酢酸(0.1 M Triethanolamin希釈)で10分間室温にて静置、再びPBSで洗浄した。そしてhybridization buffer (50% formamide、10 mM Tris−HCl pH 7.6、1 x Denhardt Solution、0.2 mg/ml Yeast tRNA、10% Dextran Sulfate、600 mM NaCl、0.25% SDS、0.5 M EDTA pH 8.0)にプローブを200 ng/mlの濃度になるように加え、60℃で一晩(約16時間)反応させた。ハイブリダイゼーション反応後、2 x SSC/50% formamideで60℃、30分間プローブの洗浄を行い、TNE (10 mM Tris−HCl pH 7.6、500 mM NaCl、1 mM EDTA)に10分間置換した後、20 mg/ml RNase(TNE希釈)で過剰プローブを分解した。TNEにて10分洗浄した後、2 x SSC、1 x SSC、0.5 x SSCで20分間の洗浄を55℃で行った。シグナル検出のため、TBS (100 mM Tris−HCl pH 7.5、150 mM NaCl)に5分間置換し、1.5% Blocking Reagent(TBS希釈)で37℃1時間、DIG抗体のブロッキング反応を行った。TBSで5分間洗浄し、ヒツジ抗DIG抗体(Roche Diagnostics、Switzerland)、1:500(1.5% Blocking Reagent希釈)をもちいて、室温1時間にて抗体反応を行った。TBST(100 mM Tris−HCl pH7.5、150 mM NaCl、0.1% Tween 20)で洗浄して抗体を除去し、NTM (100 mM Tris−HCl pH9.5、100 mM NaCl、50 mM MgCl)に3分間置換した。そして、0.34 mg/ml NBT、0.18% BCIP (NTM希釈)にて検鏡しながら発色を行い、反応停止液(10 mM Tris−HCl、1 mM EDTA pH 8.0)にて10分処理し、発色反応を停止させた。発色後、切片はPBS中でスライドグラスにのせ、90% glycerol(PBS希釈)で封入し、光学顕微鏡で検鏡した。
【0044】
実施例5:安定発現細胞の作製
目的の遺伝子DNAが挿入されたベクターを得るためにpEGFP−N3(invitrogen)のEGFPを制限酵素KpnI、NotI(TaKaRa)を用いて切り出し、TaKaRa Ligation Kit ver.2(TaKaRa)を用いてG16の配列を挿入した。さらにマウスGT01の配列を制限酵素、KpnI(TaKaRa)、TaKaRa Ligation Kit ver.2(TaKaRa)を用いてG16の上流側に挿入した。
細胞へのDNA導入はエレクトロポレーション法を用いた。細胞(HEK−293、2,500,000個)を培地(Dulbecco’s Modified Eagle Medium,high glucose,GIBCO)に懸濁し、DNA溶液(DNA量は10−15 μg)を加えて10分間静置した後、Bio Rad Capacitance Pulse Controller Gene Pulser を用いて240V、975−μFの条件で導入した。
受容体DNAを導入した細胞は薬剤入り培地(G418:1.0 mg/mL、ペニシリン:100 unit/mL、ストレプトマイシン:100 μg/mL、10% FCS)を用いて37℃ 5% COで培養し、セレクションを行った。10日後、コロニーをピックアップし、薬剤入り培地(G418 0.5 mg/mL、ペニシリン:100 unit/mL、ストレプトマイシン:100μg/mL、10% FCS)で培養した。
【0045】
実施例6:レセプター(GT01ポリペプチド)の細胞内移行を用いた計測
(1)アッセイ用プレートのE−C−Lコーティング
E−C−L Cell Attachment Matrix (Upstate)を5μg/mL含む無菌PBS(137mM NaCl、 8.1mM NaHPO・12HO、2.68mM KCl、1.47mM KHPO)をViewPlate−96 (Packard)に各穴100μLとなるように加え、37℃で1時間または4℃で一晩培養し、これを以下のアッセイに用いた。
(2)細胞のプレートへの播種
キメラ受容体安定発現細胞(HEK細胞)をトリプシンで細胞を剥がし、10% FCS入り培地に懸濁させた。E−C−Lコーティングしたプレートに各穴の液量が100μLで、かつ細胞数が5×10となるように細胞をまいて、37℃、5% CO条件下で一晩培養した後、培地を除き、無血清培地を各穴100μLに加えた。
(3)アゴニスト(又はアンタゴニスト)のアッセイ
細胞に発現しているキメラ受容体のアゴニスト(又はアンタゴニスト)と推定される脂質を各穴1μLとなるように加え、37℃、5% CO2条件下で1時間培養した。
<細胞の固定・染色>
培養後、培地を除き、固定染色液(10μg/mL Hoechst No.33342 (SIGMA)、2% paraformaldehyde (Nacalai)を含有)を各穴100μL加えた後、暗所で30分静置した。
このプレートの穴を完全に覆うようににELISA TAPE (IWAKI)を貼った。
【0046】
(4)アッセイ
解析には、Cellomics社製ArrayScan Systemを使用した。核をHoechstにより染色し、また受容体にGFPを結合させキメラ受容体とすることによって、薬物処理に伴う受容体の挙動をGFPの挙動として追跡した。細胞膜上にある局在するGタンパク質共役型受容体はリガンド刺激により、細胞質内へと内在化するものがあることが知られている。核から一定距離にあるキメラ受容体を内在化したものとして判定し、受容体の内在化が起こった細胞数の全細胞数に占める割合を各穴ごとに算出した。この算出された値をもとに、使用した脂質がマウスGT01レセプターのアゴニスト(又はアンタゴニスト)であるかを判定した(図3)。
【0047】
実施例7:細胞内Ca2+濃度の測定
(1)FLIPRによる測定
細胞内カルシウム濃度の測定は次のように行った。目的の受容体を安定発現させた細胞(HEK細胞;1ウェル当たり200,000個)を96穴プレート(Collagen・Cell ware 96−well Black / Clear Plate, Becton dickinson)上で20時間 37℃ 5%COの条件で培養した。バッファー(HEPES/Hanks,pH 7.4)で希釈したFLIPR Calcium Assay Kit(Molecular Devices)を加え、1時間 37℃ 5%COで培養した。バッファー(同上)で希釈した試験薬(各種遊離脂肪酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカノイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、マルガリン酸、パルミトレイン酸、エイコサトリエノイン酸、エライジン酸、ペトロセリニン酸、オレイン酸、リノレン酸、γリノレン酸、ホモγリノレン酸、アラキドン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リノール酸、エイコサテトラエン酸、バクセン酸などを含む)を加え、FLIPR(Fluorometric Imaging Plate Reader,Molecular Devices)を用いて488 nmの励起光に対する510〜570 nmの蛍光強度を測定した(図4)。図5に種々の遊離脂肪酸を加えた場合のHEK細胞内Ca2+濃度の上昇におけるpEC50を示す。図5のデータに示さる脂肪酸は、ミリスチン酸(C14:0)、ペンタデカノイン酸(C15:0)、パルミチン酸(C16:0)、パルミトレイン酸(C16:1)、マルガリン酸(C17:0)、ステアリン酸(C18:0)、オレイン酸(他、エライジン酸、バクセン酸、ペトロセリニン酸)(C18:1)、リノレン酸(C18:3)、エイコサジエン酸(C20:2)、エイコサトリエン酸(C20:3)、エイコサテトラエン酸(C20:4)である。その他、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、なども同等のpEC50を示した。
【0048】
(2)CAFによる測定
目的の受容体を安定発現させた細胞(2,500,000個)を5 mL バッファー(135 mM NaCl,5 mM KCl,10 mM glucose,10 mM HEPES,1.2 mM CaCl,1 mM MgCl2)で懸濁し、fura2−AM 15 μLを加えた後、37℃ 40分 浸透培養した。その後試験薬を加え、CAF−110(Jasco)を用いて340nm,380nmの二励起光対する500nmの蛍光強度比を測定した。
(2)−1.顕微鏡下での測定
細胞(STC−1細胞)をカバーグラスを底面に貼った35mm培養デッシュに培養する。Ca−tyrode溶液で洗浄後、 2μM fura2−AMを含むCa−tyrode溶液を加え室温で20分間おく。Ca−tyrode溶液で2回洗浄後、1mLのCa−tyrode溶液を加え、室温で、ARGUS200 (340/380nm計測)対物レンズ40X 15sec間隔で画像の取り込みを行う。取り込んだ画像のそれぞれについてratioを計測する。10分後20分後にそれぞれ、リガンドと対照となる刺激(ボンベシン, KCl)を行う。
RNAi vector導入時には、同時に導入したGFPによる蛍光を測定し、GFP蛍光があり、かつ、対照でのCa2+上昇が認められる細胞についての経時的なCa2+反応を定量し、表示した(図6)。ここで用いた脂肪酸は、リノレン酸(C18:3)である。
(2)−2.RNAi vectorの作製と導入
Ambion社製pSilencer2.1−U6 systemを用いた、添付の方法に従って、目的遺伝子から選択したoligoを合成、アニーリングした後上記のベクターにライゲーションした。得られたコンストラクトはシークエンスにて確認した。
STC−1細胞への遺伝子導入はLipofectamine plusを用いて行ったのち、細胞内Caを顕微鏡下で測定した。
【0049】
実施例8:CCKの測定
STC−1細胞は24穴プレートに8 x 10 and 1 x 10 cells cm−2で培養した。24−48時間後にcholecystokinin octapeptide (26−33, Asp−Tyr−Met−Gly−Trp−Met−Asp−Phe−NH2)の定量を行った。細胞は、3回ハンクス緩衝液 (HBBS)で洗浄後0.5mLのハンクス中、各種遊離脂肪酸の薬物と濃度で37℃60分間反応させた。培養上清を回収し、5分間遠心して(約5000 g)細胞片を除き、上清について、CCK(26−33)特異的なEIA法のキット(Phoenix Pharmaceuticals Inc., Belmont, CA)を用いて測定した(図7)。ここでは、リノレン酸(C18:3)、オレイン酸(他、エライジン酸、バクセン酸、ペトロセリニン酸)(C18:1)、ステアリン酸(C18:0)、ペラルゴン酸(C9:0)を用いた。
【0050】
【発明の効果】
本発明により初めて明らかにされたGT01ポリペプチドに対するリガンドである遊離脂肪酸を含む医薬組成物を用いることで、GT01ポリペプチドを発現する腸内細胞からのCCK放出を調節することが可能となる。その結果、末梢又は中枢におけるCCK応答性の摂食制御機構の調節が可能となり、摂食障害及びそれに伴う疾患等の症状の改善を達成し得る。
また、本発明のGT01ポリペプチドに対するリガンドである遊離脂肪酸を含有する栄養補助剤を摂取することにより、合理的なダイエットの達成又は食欲増進効果を期待し得る。
【0051】
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【0052】
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、7回膜貫通型受容体の模式図を示す。
【図2】図2は、マウスGT01遺伝子発現の組織特異性を示したものである。GAPDH(グリセルアルデヒド三リン酸脱水素酵素)は、発現比較のコントロールとして用いた。
【図3】図3は、GT01ポリペプチドにリガンドが結合した結果、該ポリペプチドがリガンドと共に細胞内へ移行していく様子を示す蛍光顕微鏡像を示す。
【図4】図4は、遊離脂肪酸によって誘導された細胞内カルシウム濃度の上昇を、FLIPR(Fluorometric Imaging Plate Reader,Molecular Devices)を用いて488 nmの励起光に対する510〜570 nmの蛍光強度を検出することにより測定した結果を示す。
【図5】図5は、種々の遊離脂肪酸を加えた場合のHEK細胞内Ca2+濃度の上昇におけるpEC50を示す。
【図6】図6は、遊離脂肪酸によって誘導される細胞内カルシウム濃度の上昇に対するヒトGT01のアンチセンスの影響を示す。
【図7】図7は、各種遊離脂肪酸によって誘導されるCCK放出の遊離脂肪酸濃度依存性を示す。

Claims (18)

  1. 配列番号1又は配列番号2で表されるポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニスト。
  2. 細胞表面上に存在する配列番号1又は配列番号2で表されるポリペプチドと結合し、該細胞からのCCK放出を促進又は抑制する請求項1に記載のアゴニスト又はアンタゴニスト。
  3. 請求項1又は2に記載のアゴニスト又はアンタゴニストを有効成分として含む摂食障害を治療するための医薬組成物。
  4. 前記アゴニスト又は前記アンタゴニストが配列番号1又は配列番号2で表されるポリペプチドに対する抗体である請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 前記アゴニスト又は前記アンタゴニストが一又は複数の直鎖又は分岐の遊離脂肪酸である請求項3に記載の医薬組成物。
  6. 前記遊離脂肪酸の炭素数が10〜24である請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 前記遊離脂肪酸の不飽和結合数が0〜6である請求項5又は6に記載の医薬組成物。
  8. 前記遊離脂肪酸が、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカノイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、マルガリン酸、パルミトレイン酸、エイコサトリエノイン酸、エライジン酸、ペトロセリニン酸、オレイン酸、リノレン酸、γリノレン酸、ホモγリノレン酸、アラキドン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リノール酸、エイコサテトラエン酸、バクセン酸から成るグループから選択される請求項5に記載の医薬組成物。
  9. 配列番号1又は配列番号2で表されるアミノ酸をコードするポリヌクレオチドを含有するベクターを含んでなる摂食障害を治療するための医薬組成物。
  10. 肥満症を治療する請求項3ないし9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  11. 拒食症を治療する請求項3ないし7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  12. 請求項1又は2に記載のアゴニスト又はアンタゴニストを有効成分として含む摂食障害用栄養補助組成物。
  13. 前記アゴニスト又は前記アンタゴニストが一又は複数の直鎖又は分岐の遊離脂肪酸である請求項12に記載の栄養補助組成物。
  14. 前記遊離脂肪酸の炭素数が10〜24である請求項13に記載の栄養補助組成物。
  15. 前記遊離脂肪酸の不飽和結合数が0〜6である請求項13又は14に記載の栄養補助組成物。
  16. 前記遊離脂肪酸が、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、マルガリン酸、パルミトレイン酸、エイコサトリエノイン酸、エライジン酸、ペトロセリニン酸、オレイン酸、リノレン酸、γリノレン酸、ホモγリノレン酸、アラキドン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リノール酸、エイコサテトラエン酸、バクセン酸から成るグループから選択される請求項13に記載の栄養補助組成物。
  17. 合理的なダイエットに用いられる請求項12ないし16のいずれか一項に記載の栄養補助組成物。
  18. 食欲不振の緩和に用いられる請求項12ないし15のいずれか一項に記載の栄養補助組成物。
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