JP2005015132A - 用紙搬送装置およびプリンタ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】連続用紙の搬送状態を検出し、所望の印刷内容を適切に印刷することのできるプリンタ装置を提供する
【解決手段】変位センサ135により連続用紙200上に載置されているフラップ132の位置を検出し、これにより結果的に連続用紙200の浮き状態を検出する。したがって、連続用紙200の孔210とトラクタ装置120のピン122との係合が不十分で連続用紙200が浮いてきたような場合には、直ちにこれを検出し、連続用紙200の搬送を停止する等の処置を講ずることができる。したがって、装置が故障したり、復旧が難しい状態にまで用紙が詰まってしまう等の状態を回避することができ、装置を効率良く使用することができる。また、印刷用紙200を無駄なく使用することもできる。
【選択図】 図2
【解決手段】変位センサ135により連続用紙200上に載置されているフラップ132の位置を検出し、これにより結果的に連続用紙200の浮き状態を検出する。したがって、連続用紙200の孔210とトラクタ装置120のピン122との係合が不十分で連続用紙200が浮いてきたような場合には、直ちにこれを検出し、連続用紙200の搬送を停止する等の処置を講ずることができる。したがって、装置が故障したり、復旧が難しい状態にまで用紙が詰まってしまう等の状態を回避することができ、装置を効率良く使用することができる。また、印刷用紙200を無駄なく使用することもできる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続用紙を搬送する用紙搬送装置、および、搬送される連続用紙に所望の印刷内容を印刷するプリンタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
連続用紙に所望の印刷内容を印刷するプリンタ装置は、従来より広く使用されている。近年、単票に印字するプリンタ装置も急速に普及しているが、依然連続用紙に印字を行うプリンタ装置も使用されつづけている(たとえば、特許文献1参照)。
プリンタ装置に使用される連続用紙としては、両側部に所定のピッチで孔が形成された用紙が広く使用されている。トラクタ装置と呼ばれる用紙搬送部において印刷用紙のこの孔にピンを係合させて紙送りを行うことにより、高精度かつ応答性の良い用紙搬送が行え、高品質で大量かつ高速な印刷が行える。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−145869号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような連続用紙に印刷を行うプリンタ装置においても、用紙が詰まる等の障害が発生して装置が停止したり、傾いた印刷や目的外の場所への印刷等の不適切な印刷が発生する場合がある。
このような不具合の大きな要因として、用紙が搬送中に蛇行したり、あるいは印刷用紙の孔が所定のピッチで形成されていない規格外な用紙である場合等が挙げられる。そのような場合には、トラクタ装置のピンに用紙の孔が適切に係合しなくなり、すなわち、孔にピンが完全に挿入されなくなり、用紙がトラクタの用紙載置面から浮いてくる場合がある。そのような状態が生じると、ピンと孔のずれは徐々に大きくなり、最終的に紙送り機構から用紙が外れて不適切な印刷をもたらすことになる。
【0005】
これまでの、用紙がトラクタ装置から外れるのを検出する方法としては、フラップの下側にマイクロスイッチを設けて、フラップがある程度浮くとマイクロスイッチが作動する機械的方式があった。しかしこの方式だと、紙厚が異なる用紙に対し正常に用紙外れを検出できない問題があった。具体的には、薄い用紙をトラクタにセットした状態でフラップがある程度浮いた時にマイクロスイッチが作動するように取り付け位置を調整した場合、厚い用紙を搬送させた時には、用紙が外れる前に少しフラップが浮いただけでも用紙外れとして検出してしまうことがある。逆に、厚紙に合わせて取り付け位置を調整すると、今度は薄紙を搬送させた時にうまく検出できなくなる。このように、丁度良く検出させるための取り付け位置調整が非常に困難であった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、用紙が適切に保持されて搬送されているか否かを検出することのできる、換言すれば用紙外れを検出することのできる用紙搬送装置を提供することにある。特に、簡単な調整により高い精度で用紙外れを検出させることのできる用紙搬送装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、連続用紙の搬送状態を検出し、所望の印刷内容を適切に印刷することのできるプリンタ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の用紙搬送装置は、両側部に所定のピッチで孔が設けられた連続用紙を搬送する用紙搬送装置であって、前記連続用紙の前記両側部が載置されるトラクタと、前記トラクタ上に前記所定のピッチで設けられたピンとを有し、前記ピンを前記連続用紙の前記孔に順次係合させて移動することにより前記連続用紙を搬送するトラクタ手段と、前記トラクタ上に載置された前記連続用紙上に載置されるフラップと、前記連続用紙の紙面と垂直な方向の前記フラップの位置を検出するセンサを有し、前記フラップの位置に基づいて前記連続用紙の載置状態を検出するセンサ手段とを有する。
【0008】
このような構成の用紙搬送装置においては、センサにより用紙上に載置されているフラップの位置を検出し、これにより結果的に用紙の浮き状態を検出している。したがって、用紙の孔とトラクタ手段のピンとの係合が不十分で用紙が浮いてきたような場合には、直ちにこれを検出することができる。そして、そのような状態が検出できれば、その結果に基づいて、直ちに用紙の搬送を停止する等の処置を講ずることができる。したがって、装置が故障したり、復旧が難しい状態にまで用紙が詰まってしまう等の状態を回避することができ、装置を効率良く使用することができる。また、印刷用紙を無駄なく使用することもできる。
【0009】
好適には、前記センサ手段は、前記フラップが前記トラクタの前記連続用紙の載置面から所定の距離以上離れていた場合に、前記連続用紙の孔が前記トラクタ上の前記ピンに適切に係合していないと判定する。
また好適には、前記センサ手段は、前記フラップの位置に基づいて前記連続用紙の用紙厚を検出する。
【0010】
また、本発明のプリンタ装置は、両側部に所定のピッチで孔が設けられた連続用紙に印字を行うプリンタ装置であって、前記連続用紙の前記両側部が載置されるトラクタと、前記トラクタ上に前記所定のピッチで設けられたピンとを有し、前記ピンを前記連続用紙の前記孔に順次係合させて移動することにより前記連続用紙を搬送するトラクタ手段と、前記トラクタ上に載置された前記連続用紙上に載置されるフラップと、前記フラップの前記連続用紙の紙面と垂直な方向の前記フラップの位置を検出するセンサを有し、前記フラップの位置に基づいて前記連続用紙が前記トラクタ手段により適切に搬送されているか否かを検出するセンサ手段と、前記適切に搬送されていることが検出された前記連続用紙に対して所望の印字内容を印字する印字手段とを有する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図1〜図3を参照して説明する。
本実施の形態においては、連続用紙に所望の印刷内容を印刷するプリンタ装置を例示して本発明を説明する。
図1は、そのプリンタ装置の主な構成部を示すブロック図である。
図1に示すように、プリンタ装置100は、トラクタ装置120、用紙検出部130、印刷部140および紙送りローラ150を有する。
また、図2は、本発明に係るトラクタ装置120および用紙検出部130の詳細な構成を示す図であり、(A)は上面図であり、(B)は、(A)のA−A’における断面図である。
【0012】
まず、プリンタ装置100で使用する印刷用紙について説明する。
プリンタ装置100で使用する印刷用紙は、図2(A)および図2(B)にその一方の側部を示すような連続用紙200である。連続用紙200には、両側にピン係合用の孔210が所定のピッチで形成されている。その孔210の用紙内部側には、用紙側辺に平行にミシン目220が形成されており、印刷終了後に孔210部分が容易に切り離せるようになっている。なお、ミシン目220は、用紙の両側に形成されていても、一方にのみ形成されていても、あるいは全く形成されていなくても良く、その有無は任意である。また、連続用紙200には、ページの区切りごとに用紙の一方の側部から他方の側部までのミシン目230が形成されており、印刷の終了後に必要に応じてページごとに分離できるようになっている。このミシン目230についても、その有無は任意である。
【0013】
次に、プリンタ装置100の構成について説明する。
トラクタ装置120は、連続用紙200の両側部の孔210にピンを係合させてこれを保持し、所定の搬送速度で、所定の姿勢(主走査方向、副走査方向あるいは用紙搬送方向)で搬送する。これにより、トラクタ装置120は、ホッパー等から連続用紙200を取り出して印刷部140に供給する。なお、印刷用紙は、ページごとに折り曲げられてホッパーにセットされている場合や、ロール紙として供給される場合等種々の供給形態が考えられ、どのような供給形態であっても良い。
【0014】
トラクタ装置120は、図2(A)および図2(B)に示すように、トラクタ121およびピン122を有する。
トラクタ121は、平板な帯状部材を環状(リング状)に形成した部材であり、所定の範囲にわたってその外面が連続用紙200の搬送経路に一致するように設置されている。この部分において、連続用紙200の両側部が各々トラクタ121の上に載置される。トラクタ121は、この範囲において後述するピン122を連続用紙200の孔210に係合させて連続用紙200と接触し、連続用紙200を保持する。そして、図示せぬ駆動装置により、連続用紙200との接触面が用紙搬送方向に移動するように回転移動され、用紙を搬送する。
【0015】
ピン122は、トラクタ121の外側表面に、連続用紙200の孔210と同じ所定のピッチで形成された突起部である。ピン122の外径は、連続用紙200の孔210に係合するように、孔210の内径より若干小さく形成される。また、ピン122の高さは、連続用紙200の孔210と係合して連続用紙200を案内でき、また、連続用紙200の孔210との係合区間の開始部および終端部において、孔210とスムーズに係合または離別できる高さに形成される。
このような構成により、トラクタ装置120はピン122を連続用紙200の孔210に係合させて連続用紙200を保持し、所定の速度、姿勢で搬送する。
【0016】
なお、トラクタ装置120による連続用紙200の搬送範囲は、本実施の形態のプリンタ装置100においては、ホッパーから用紙がプリンタ装置100内に投入されてから印刷部140の直前までの範囲である。しかし、これに限られるものではなく、たとえば印刷部140において印刷が行われている区間もトラクタ装置120により連続用紙200が搬送される構成であっても良いし、また、より短い区間のみ連続用紙200を搬送する構成であっても良い。
【0017】
用紙検出部130は、連続用紙200がトラクタ装置120に適切に保持されているか否かを検出する。用紙検出部130は、図2(B)に示すようにフラップ部131および変位センサ135を有する。また、フラップ部131は、フラップ132、ピン通過溝133およびフラップ支持部134を有する。
フラップ132は、搬送される連続用紙200のトラクタ121の上の部分の上にさらに載置される。すなわち、フラップ132は、連続用紙200をトラクタ121方向に押下するように、連続用紙200の両側部に載置される。フラップ132には、図示のごとくピン通過溝133が設けられており、フラップ132は、この部分を連続用紙200に係合されたトラクタ装置120のピン122が通過するようにトラクタ装置120上に配置される。
なお、フラップ132は、自重やバネ力等により、トラクタ121方向に付勢され、連続用紙200をトラクタ121方向に押下する。
【0018】
また、フラップ132は、連続用紙200の搬送路の外部において、フラップ支持部134に接続されている。フラップ支持部134は、連続用紙200の搬送方向を回転軸の方向とする回転部材であり、フラップ132は、このフラップ支持部を回転軸として、連続用紙200の搬送方向に垂直な面内で自在に回転可能に設置されている。そして、この回転移動により、連続用紙200をトラクタ121方向に押下する。なお、フラップ支持部134は、トラクタ121の用紙載置面とほぼ同じかわずかに上側(用紙を搬送する側)に配置される。その結果、フラップ132は円弧状の軌跡で移動するが、トラクタ121付近では、実質的に真上(連続用紙200の紙面に対して垂直な方向)から連続用紙200およびトラクタ121上に載置されるとみなすことができる。
【0019】
変位センサ135は、変位センサ135からフラップ132の背面(上面)までの距離を計測し、これにより実質的に連続用紙200とトラクタ121の用紙載置面との距離を検出する。そして、この検出結果に基づいて、図示しないプリンタ装置100内の制御部において、トラクタ装置120における連続用紙200の保持状態を検出する。
変位センサ135は、フラップ132の背面上方に配置されたレーザー式変位センサであり、フラップ132の背面にレーザー光を照射し、その反射光を検出し、変位センサ135からフラップ132背面までの距離を計測する。
【0020】
変位センサ135においては、まず、トラクタ121とフラップ132との間に何も存在しない状態、すなわち、トラクタ121とフラップ132の下面が密接している状態のフラップ132の背面位置を、基準の位置として予め計測し記憶しておく。すなわち、この状態での変位センサ135とフラップ132との距離を基準の距離として計測し記憶しておく。
プリンタ装置100に連続用紙200をセットすると、トラクタ121とフラップ132との間に連続用紙200が配置されることとなり、連続用紙200の厚さ分フラップ132が上方に移動する。したがって、変位センサ135で計測されるフラップ132の背面の位置は、その分上方に移動し、変位センサ135とフラップ132との距離はその分短くなる。そこで、計測した距離と予め記憶している基準の距離との差を求めることにより、連続用紙200の厚さを求める。
【0021】
求められたフラップ132の背面の位置の情報または連続用紙200の厚さの情報は、図示せぬプリンタ装置100内の制御部に出力され、所定の範囲内であるか否かがチェックされる。その結果、所定の範囲内である場合には、連続用紙200は適正にトラクタ装置120に載置されているものと判定され、範囲外の場合には連続用紙200が適正にトラクタ装置120に載置(保持)されていないものと判定される。
そして、連続用紙200が適正にトラクタ装置120に載置されていないと判定された場合には、印刷を中止する等の処理を施す。
【0022】
印刷部140は、搬送される連続用紙200に所望の印刷を行う。印刷部140における印刷方式は、電子写真方式、インクジェット方式、熱転写方式、ドットインパクト方式、昇華方式等の任意の方式で良い。
【0023】
紙送りローラ150は、連続用紙200が所定のテンションで印刷部140を通過し印刷が行われるように、また印刷の終了した連続用紙200が適切にプリンタ装置100から排出されるように、連続用紙200を送り出す。
なお、排出された連続用紙200の取り扱いは任意である。連続紙の状態で順次巻き取るようにしても良いし、スタッカーに順次折り曲げて蓄積していっても良い。また、プリンタ装置100の排出口にバースター装置等を設置し、1つの印刷物ごとに分離してスタッカーに収容するようにしても良い。
【0024】
なお、図示しないが、プリンタ装置100は、さらにペーパーガイド、搬送ローラ等の紙送り機構、あるいは、プリンタ装置100の全体の動作を制御する制御部等の構成を有する。
【0025】
次に、このような構成のプリンタ装置100の動作について、本発明に係る用紙の搬送状態の判定処理を中心として、さらに図3を参照して説明する。
図3は、プリンタ装置100の用紙検出部130における用紙の搬送状態の判定処理を説明するための図である。
まず、実際の印刷処理に先だって、たとえばプリンタのセッティンの時等に、図3(A)に示すように、トラクタ121とフラップ132との間に何も存在しない状態でのフラップ132の背面位置を、基準の位置(位置P0)として予め計測しておく。すなわち、この状態での変位センサ135とフラップ132との距離を基準の距離(距離L0)として計測しておく。そして、計測した情報は、連続用紙200の用紙厚を測定する際のオフセット情報として、プリンタ装置100内の図示せぬ制御部等に記憶しておく。
【0026】
実際にプリンタ装置100を使用する際に、プリンタ装置100に連続用紙200をセットすると、図3(B)に示すように、トラクタ121とフラップ132との間に連続用紙200が配置されることとなり、連続用紙200の厚さ分フラップ132が上方に移動する。したがって、変位センサ135で計測されるフラップ132の背面の位置は、その分上方に移動し(位置P1)、変位センサ135とフラップ132との距離はその分短くなる(距離L1)。したがって、この状態での変位センサ135とフラップ132との距離L1を求めることにより、フラップ132の背面位置P1を求め、この位置と先に記憶している基準位置(位置P0)との差を求め、連続用紙200の厚さを求める。
求められたフラップ132の背面の位置(位置P1)の情報または連続用紙200の厚さの情報は、図示せぬプリンタ装置100内の制御部に出力され、所定の範囲内であるか否かがチェックされる。そして、所定の範囲内である場合には、連続用紙200は適正にトラクタ装置120に載置されているものと判定され、印刷処理が開始または継続される。
【0027】
一方、たとえば図3(C)に示すように、連続用紙200の孔210にピン122が十分に挿入されておらず、連続用紙200がピン122の上部付近にとどまっている場合がある。また、連続用紙200の孔210がピン122に全く挿入されておらず、連続用紙200が122の上部に位置しているような場合もある。そのような場合には、図示のごとく、フラップ132は大幅に上方に移動する。したがって、変位センサ135で計測されるフラップ132の背面の位置は、大幅に上方に移動し(位置P2)、変位センサ135とフラップ132との距離は大幅に短くなる(距離L2)。また、このような状態で求められる連続用紙200の厚さは、非常に厚い値となる。
したがって、この情報がプリンタ装置100内の制御部に出力され、所定の範囲内であるか否かがチェックされると、範囲内ではないことが検出される。その結果、連続用紙200が適正にトラクタ装置120に保持されていないと判定され、印刷が中止される等の処理が実行される。
【0028】
このように、本実施の形態のプリンタ装置100においては、トラクタ装置120に連続用紙200が適切に載置され、保持されているか否かをチェックすることができる。したがって、用紙が搬送中に蛇行したり、あるいは印刷用紙の孔が所定のピッチで形成されていない規格外の用紙である場合等の理由で、連続用紙200の孔210がトラクタ装置120のピン122から外れる等の、連続用紙200の保持状態の異常を直ちに検出することができる。その結果、用紙が無理矢理押しこまれる等、用紙のハンドリングが適切に行われないためにプリンタ装置100の動作が停止したり、連続用紙200に対して不適切な印刷を行うというような異常事態を未然に防ぐことができる。したがって、高品質な印字を効率良く行うことができる。
また、本実施の形態のプリンタ装置100においては、マイクロスイッチを用いた従来の方法とは異なり、用紙の重さ(厚さ)等の影響を受けずに用紙の実際の変位を検出することができる。したがって、厚さが異なる用紙に対しても、正常に用紙外れを検出することができる。
【0029】
なお、本実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって本発明を何ら限定するものではない。本実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含み、また、任意好適な種々の改変が可能である。
【0030】
たとえば、本実施の形態においては、プリンタ装置を例示して本発明を説明したが、両側部に孔を有する連続紙を取り扱う装置であれば、任意の装置に適用可能である。たとえば、印刷の終了した連続紙の印刷内容を検査する検査装置、印刷の終了した連続紙を個別の印刷物に切断する切断装置、あるいは、個別の印刷物に切断するとともに直ちに封筒に封入する封入装置等の用紙搬送手段として適用することができる。そして、そのいずれの場合も、用紙外れ等の異常を直ちに検出することができるので有効である。
【0031】
また、本実施の形態のプリンタ装置においては、検出した用紙厚の情報は、単に所定の範囲内に入っているか否かを検出するために利用していた。しかしながら、たとえば用紙厚の情報に基づいて印刷部140における印字条件を変更したり、検出した用紙厚の情報を作業者に通知する等、この用紙厚の情報をより積極的に使用するようにしてよい。
【0032】
また、フラップ132の変位量、移動量を検出するための計測対象や、そのための座標系の設定等は任意である。所定の座標系におけるフラップ132の計測位置を検出し、予め記憶している基準の位置との差を求めても良いし、変位センサ135とフラップ132との距離を検出し、予め記憶している基準の距離との差を求めても良い
【0033】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、簡単な構成で、かつ精度良く、用紙が適切に保持されて搬送されているか否かを検出することのできる、換言すれば用紙外れを検出することのできる用紙搬送装置を提供することができる。
また、連続用紙の搬送状態を検出し、所望の印刷内容を適切に印刷することのできるプリンタ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態のプリンタ装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、図1に示したプリンタ装置のトラクタ装置および用紙検出部の構成を示す図である。
【図3】図3は、図1に示したプリンタ装置の用紙検出部の作用を説明するための図である。
【符号の説明】
100…プリンタ装置
120…トラクタ装置
121…トラクタ
122…ピン
130…用紙検出部
131…フラップ部
132…フラップ
133…ピン通過溝
134…フラップ支持部
135…変位センサ
140…印刷部
150…紙送りローラ
200…連続用紙
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続用紙を搬送する用紙搬送装置、および、搬送される連続用紙に所望の印刷内容を印刷するプリンタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
連続用紙に所望の印刷内容を印刷するプリンタ装置は、従来より広く使用されている。近年、単票に印字するプリンタ装置も急速に普及しているが、依然連続用紙に印字を行うプリンタ装置も使用されつづけている(たとえば、特許文献1参照)。
プリンタ装置に使用される連続用紙としては、両側部に所定のピッチで孔が形成された用紙が広く使用されている。トラクタ装置と呼ばれる用紙搬送部において印刷用紙のこの孔にピンを係合させて紙送りを行うことにより、高精度かつ応答性の良い用紙搬送が行え、高品質で大量かつ高速な印刷が行える。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−145869号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような連続用紙に印刷を行うプリンタ装置においても、用紙が詰まる等の障害が発生して装置が停止したり、傾いた印刷や目的外の場所への印刷等の不適切な印刷が発生する場合がある。
このような不具合の大きな要因として、用紙が搬送中に蛇行したり、あるいは印刷用紙の孔が所定のピッチで形成されていない規格外な用紙である場合等が挙げられる。そのような場合には、トラクタ装置のピンに用紙の孔が適切に係合しなくなり、すなわち、孔にピンが完全に挿入されなくなり、用紙がトラクタの用紙載置面から浮いてくる場合がある。そのような状態が生じると、ピンと孔のずれは徐々に大きくなり、最終的に紙送り機構から用紙が外れて不適切な印刷をもたらすことになる。
【0005】
これまでの、用紙がトラクタ装置から外れるのを検出する方法としては、フラップの下側にマイクロスイッチを設けて、フラップがある程度浮くとマイクロスイッチが作動する機械的方式があった。しかしこの方式だと、紙厚が異なる用紙に対し正常に用紙外れを検出できない問題があった。具体的には、薄い用紙をトラクタにセットした状態でフラップがある程度浮いた時にマイクロスイッチが作動するように取り付け位置を調整した場合、厚い用紙を搬送させた時には、用紙が外れる前に少しフラップが浮いただけでも用紙外れとして検出してしまうことがある。逆に、厚紙に合わせて取り付け位置を調整すると、今度は薄紙を搬送させた時にうまく検出できなくなる。このように、丁度良く検出させるための取り付け位置調整が非常に困難であった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、用紙が適切に保持されて搬送されているか否かを検出することのできる、換言すれば用紙外れを検出することのできる用紙搬送装置を提供することにある。特に、簡単な調整により高い精度で用紙外れを検出させることのできる用紙搬送装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、連続用紙の搬送状態を検出し、所望の印刷内容を適切に印刷することのできるプリンタ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の用紙搬送装置は、両側部に所定のピッチで孔が設けられた連続用紙を搬送する用紙搬送装置であって、前記連続用紙の前記両側部が載置されるトラクタと、前記トラクタ上に前記所定のピッチで設けられたピンとを有し、前記ピンを前記連続用紙の前記孔に順次係合させて移動することにより前記連続用紙を搬送するトラクタ手段と、前記トラクタ上に載置された前記連続用紙上に載置されるフラップと、前記連続用紙の紙面と垂直な方向の前記フラップの位置を検出するセンサを有し、前記フラップの位置に基づいて前記連続用紙の載置状態を検出するセンサ手段とを有する。
【0008】
このような構成の用紙搬送装置においては、センサにより用紙上に載置されているフラップの位置を検出し、これにより結果的に用紙の浮き状態を検出している。したがって、用紙の孔とトラクタ手段のピンとの係合が不十分で用紙が浮いてきたような場合には、直ちにこれを検出することができる。そして、そのような状態が検出できれば、その結果に基づいて、直ちに用紙の搬送を停止する等の処置を講ずることができる。したがって、装置が故障したり、復旧が難しい状態にまで用紙が詰まってしまう等の状態を回避することができ、装置を効率良く使用することができる。また、印刷用紙を無駄なく使用することもできる。
【0009】
好適には、前記センサ手段は、前記フラップが前記トラクタの前記連続用紙の載置面から所定の距離以上離れていた場合に、前記連続用紙の孔が前記トラクタ上の前記ピンに適切に係合していないと判定する。
また好適には、前記センサ手段は、前記フラップの位置に基づいて前記連続用紙の用紙厚を検出する。
【0010】
また、本発明のプリンタ装置は、両側部に所定のピッチで孔が設けられた連続用紙に印字を行うプリンタ装置であって、前記連続用紙の前記両側部が載置されるトラクタと、前記トラクタ上に前記所定のピッチで設けられたピンとを有し、前記ピンを前記連続用紙の前記孔に順次係合させて移動することにより前記連続用紙を搬送するトラクタ手段と、前記トラクタ上に載置された前記連続用紙上に載置されるフラップと、前記フラップの前記連続用紙の紙面と垂直な方向の前記フラップの位置を検出するセンサを有し、前記フラップの位置に基づいて前記連続用紙が前記トラクタ手段により適切に搬送されているか否かを検出するセンサ手段と、前記適切に搬送されていることが検出された前記連続用紙に対して所望の印字内容を印字する印字手段とを有する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図1〜図3を参照して説明する。
本実施の形態においては、連続用紙に所望の印刷内容を印刷するプリンタ装置を例示して本発明を説明する。
図1は、そのプリンタ装置の主な構成部を示すブロック図である。
図1に示すように、プリンタ装置100は、トラクタ装置120、用紙検出部130、印刷部140および紙送りローラ150を有する。
また、図2は、本発明に係るトラクタ装置120および用紙検出部130の詳細な構成を示す図であり、(A)は上面図であり、(B)は、(A)のA−A’における断面図である。
【0012】
まず、プリンタ装置100で使用する印刷用紙について説明する。
プリンタ装置100で使用する印刷用紙は、図2(A)および図2(B)にその一方の側部を示すような連続用紙200である。連続用紙200には、両側にピン係合用の孔210が所定のピッチで形成されている。その孔210の用紙内部側には、用紙側辺に平行にミシン目220が形成されており、印刷終了後に孔210部分が容易に切り離せるようになっている。なお、ミシン目220は、用紙の両側に形成されていても、一方にのみ形成されていても、あるいは全く形成されていなくても良く、その有無は任意である。また、連続用紙200には、ページの区切りごとに用紙の一方の側部から他方の側部までのミシン目230が形成されており、印刷の終了後に必要に応じてページごとに分離できるようになっている。このミシン目230についても、その有無は任意である。
【0013】
次に、プリンタ装置100の構成について説明する。
トラクタ装置120は、連続用紙200の両側部の孔210にピンを係合させてこれを保持し、所定の搬送速度で、所定の姿勢(主走査方向、副走査方向あるいは用紙搬送方向)で搬送する。これにより、トラクタ装置120は、ホッパー等から連続用紙200を取り出して印刷部140に供給する。なお、印刷用紙は、ページごとに折り曲げられてホッパーにセットされている場合や、ロール紙として供給される場合等種々の供給形態が考えられ、どのような供給形態であっても良い。
【0014】
トラクタ装置120は、図2(A)および図2(B)に示すように、トラクタ121およびピン122を有する。
トラクタ121は、平板な帯状部材を環状(リング状)に形成した部材であり、所定の範囲にわたってその外面が連続用紙200の搬送経路に一致するように設置されている。この部分において、連続用紙200の両側部が各々トラクタ121の上に載置される。トラクタ121は、この範囲において後述するピン122を連続用紙200の孔210に係合させて連続用紙200と接触し、連続用紙200を保持する。そして、図示せぬ駆動装置により、連続用紙200との接触面が用紙搬送方向に移動するように回転移動され、用紙を搬送する。
【0015】
ピン122は、トラクタ121の外側表面に、連続用紙200の孔210と同じ所定のピッチで形成された突起部である。ピン122の外径は、連続用紙200の孔210に係合するように、孔210の内径より若干小さく形成される。また、ピン122の高さは、連続用紙200の孔210と係合して連続用紙200を案内でき、また、連続用紙200の孔210との係合区間の開始部および終端部において、孔210とスムーズに係合または離別できる高さに形成される。
このような構成により、トラクタ装置120はピン122を連続用紙200の孔210に係合させて連続用紙200を保持し、所定の速度、姿勢で搬送する。
【0016】
なお、トラクタ装置120による連続用紙200の搬送範囲は、本実施の形態のプリンタ装置100においては、ホッパーから用紙がプリンタ装置100内に投入されてから印刷部140の直前までの範囲である。しかし、これに限られるものではなく、たとえば印刷部140において印刷が行われている区間もトラクタ装置120により連続用紙200が搬送される構成であっても良いし、また、より短い区間のみ連続用紙200を搬送する構成であっても良い。
【0017】
用紙検出部130は、連続用紙200がトラクタ装置120に適切に保持されているか否かを検出する。用紙検出部130は、図2(B)に示すようにフラップ部131および変位センサ135を有する。また、フラップ部131は、フラップ132、ピン通過溝133およびフラップ支持部134を有する。
フラップ132は、搬送される連続用紙200のトラクタ121の上の部分の上にさらに載置される。すなわち、フラップ132は、連続用紙200をトラクタ121方向に押下するように、連続用紙200の両側部に載置される。フラップ132には、図示のごとくピン通過溝133が設けられており、フラップ132は、この部分を連続用紙200に係合されたトラクタ装置120のピン122が通過するようにトラクタ装置120上に配置される。
なお、フラップ132は、自重やバネ力等により、トラクタ121方向に付勢され、連続用紙200をトラクタ121方向に押下する。
【0018】
また、フラップ132は、連続用紙200の搬送路の外部において、フラップ支持部134に接続されている。フラップ支持部134は、連続用紙200の搬送方向を回転軸の方向とする回転部材であり、フラップ132は、このフラップ支持部を回転軸として、連続用紙200の搬送方向に垂直な面内で自在に回転可能に設置されている。そして、この回転移動により、連続用紙200をトラクタ121方向に押下する。なお、フラップ支持部134は、トラクタ121の用紙載置面とほぼ同じかわずかに上側(用紙を搬送する側)に配置される。その結果、フラップ132は円弧状の軌跡で移動するが、トラクタ121付近では、実質的に真上(連続用紙200の紙面に対して垂直な方向)から連続用紙200およびトラクタ121上に載置されるとみなすことができる。
【0019】
変位センサ135は、変位センサ135からフラップ132の背面(上面)までの距離を計測し、これにより実質的に連続用紙200とトラクタ121の用紙載置面との距離を検出する。そして、この検出結果に基づいて、図示しないプリンタ装置100内の制御部において、トラクタ装置120における連続用紙200の保持状態を検出する。
変位センサ135は、フラップ132の背面上方に配置されたレーザー式変位センサであり、フラップ132の背面にレーザー光を照射し、その反射光を検出し、変位センサ135からフラップ132背面までの距離を計測する。
【0020】
変位センサ135においては、まず、トラクタ121とフラップ132との間に何も存在しない状態、すなわち、トラクタ121とフラップ132の下面が密接している状態のフラップ132の背面位置を、基準の位置として予め計測し記憶しておく。すなわち、この状態での変位センサ135とフラップ132との距離を基準の距離として計測し記憶しておく。
プリンタ装置100に連続用紙200をセットすると、トラクタ121とフラップ132との間に連続用紙200が配置されることとなり、連続用紙200の厚さ分フラップ132が上方に移動する。したがって、変位センサ135で計測されるフラップ132の背面の位置は、その分上方に移動し、変位センサ135とフラップ132との距離はその分短くなる。そこで、計測した距離と予め記憶している基準の距離との差を求めることにより、連続用紙200の厚さを求める。
【0021】
求められたフラップ132の背面の位置の情報または連続用紙200の厚さの情報は、図示せぬプリンタ装置100内の制御部に出力され、所定の範囲内であるか否かがチェックされる。その結果、所定の範囲内である場合には、連続用紙200は適正にトラクタ装置120に載置されているものと判定され、範囲外の場合には連続用紙200が適正にトラクタ装置120に載置(保持)されていないものと判定される。
そして、連続用紙200が適正にトラクタ装置120に載置されていないと判定された場合には、印刷を中止する等の処理を施す。
【0022】
印刷部140は、搬送される連続用紙200に所望の印刷を行う。印刷部140における印刷方式は、電子写真方式、インクジェット方式、熱転写方式、ドットインパクト方式、昇華方式等の任意の方式で良い。
【0023】
紙送りローラ150は、連続用紙200が所定のテンションで印刷部140を通過し印刷が行われるように、また印刷の終了した連続用紙200が適切にプリンタ装置100から排出されるように、連続用紙200を送り出す。
なお、排出された連続用紙200の取り扱いは任意である。連続紙の状態で順次巻き取るようにしても良いし、スタッカーに順次折り曲げて蓄積していっても良い。また、プリンタ装置100の排出口にバースター装置等を設置し、1つの印刷物ごとに分離してスタッカーに収容するようにしても良い。
【0024】
なお、図示しないが、プリンタ装置100は、さらにペーパーガイド、搬送ローラ等の紙送り機構、あるいは、プリンタ装置100の全体の動作を制御する制御部等の構成を有する。
【0025】
次に、このような構成のプリンタ装置100の動作について、本発明に係る用紙の搬送状態の判定処理を中心として、さらに図3を参照して説明する。
図3は、プリンタ装置100の用紙検出部130における用紙の搬送状態の判定処理を説明するための図である。
まず、実際の印刷処理に先だって、たとえばプリンタのセッティンの時等に、図3(A)に示すように、トラクタ121とフラップ132との間に何も存在しない状態でのフラップ132の背面位置を、基準の位置(位置P0)として予め計測しておく。すなわち、この状態での変位センサ135とフラップ132との距離を基準の距離(距離L0)として計測しておく。そして、計測した情報は、連続用紙200の用紙厚を測定する際のオフセット情報として、プリンタ装置100内の図示せぬ制御部等に記憶しておく。
【0026】
実際にプリンタ装置100を使用する際に、プリンタ装置100に連続用紙200をセットすると、図3(B)に示すように、トラクタ121とフラップ132との間に連続用紙200が配置されることとなり、連続用紙200の厚さ分フラップ132が上方に移動する。したがって、変位センサ135で計測されるフラップ132の背面の位置は、その分上方に移動し(位置P1)、変位センサ135とフラップ132との距離はその分短くなる(距離L1)。したがって、この状態での変位センサ135とフラップ132との距離L1を求めることにより、フラップ132の背面位置P1を求め、この位置と先に記憶している基準位置(位置P0)との差を求め、連続用紙200の厚さを求める。
求められたフラップ132の背面の位置(位置P1)の情報または連続用紙200の厚さの情報は、図示せぬプリンタ装置100内の制御部に出力され、所定の範囲内であるか否かがチェックされる。そして、所定の範囲内である場合には、連続用紙200は適正にトラクタ装置120に載置されているものと判定され、印刷処理が開始または継続される。
【0027】
一方、たとえば図3(C)に示すように、連続用紙200の孔210にピン122が十分に挿入されておらず、連続用紙200がピン122の上部付近にとどまっている場合がある。また、連続用紙200の孔210がピン122に全く挿入されておらず、連続用紙200が122の上部に位置しているような場合もある。そのような場合には、図示のごとく、フラップ132は大幅に上方に移動する。したがって、変位センサ135で計測されるフラップ132の背面の位置は、大幅に上方に移動し(位置P2)、変位センサ135とフラップ132との距離は大幅に短くなる(距離L2)。また、このような状態で求められる連続用紙200の厚さは、非常に厚い値となる。
したがって、この情報がプリンタ装置100内の制御部に出力され、所定の範囲内であるか否かがチェックされると、範囲内ではないことが検出される。その結果、連続用紙200が適正にトラクタ装置120に保持されていないと判定され、印刷が中止される等の処理が実行される。
【0028】
このように、本実施の形態のプリンタ装置100においては、トラクタ装置120に連続用紙200が適切に載置され、保持されているか否かをチェックすることができる。したがって、用紙が搬送中に蛇行したり、あるいは印刷用紙の孔が所定のピッチで形成されていない規格外の用紙である場合等の理由で、連続用紙200の孔210がトラクタ装置120のピン122から外れる等の、連続用紙200の保持状態の異常を直ちに検出することができる。その結果、用紙が無理矢理押しこまれる等、用紙のハンドリングが適切に行われないためにプリンタ装置100の動作が停止したり、連続用紙200に対して不適切な印刷を行うというような異常事態を未然に防ぐことができる。したがって、高品質な印字を効率良く行うことができる。
また、本実施の形態のプリンタ装置100においては、マイクロスイッチを用いた従来の方法とは異なり、用紙の重さ(厚さ)等の影響を受けずに用紙の実際の変位を検出することができる。したがって、厚さが異なる用紙に対しても、正常に用紙外れを検出することができる。
【0029】
なお、本実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって本発明を何ら限定するものではない。本実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含み、また、任意好適な種々の改変が可能である。
【0030】
たとえば、本実施の形態においては、プリンタ装置を例示して本発明を説明したが、両側部に孔を有する連続紙を取り扱う装置であれば、任意の装置に適用可能である。たとえば、印刷の終了した連続紙の印刷内容を検査する検査装置、印刷の終了した連続紙を個別の印刷物に切断する切断装置、あるいは、個別の印刷物に切断するとともに直ちに封筒に封入する封入装置等の用紙搬送手段として適用することができる。そして、そのいずれの場合も、用紙外れ等の異常を直ちに検出することができるので有効である。
【0031】
また、本実施の形態のプリンタ装置においては、検出した用紙厚の情報は、単に所定の範囲内に入っているか否かを検出するために利用していた。しかしながら、たとえば用紙厚の情報に基づいて印刷部140における印字条件を変更したり、検出した用紙厚の情報を作業者に通知する等、この用紙厚の情報をより積極的に使用するようにしてよい。
【0032】
また、フラップ132の変位量、移動量を検出するための計測対象や、そのための座標系の設定等は任意である。所定の座標系におけるフラップ132の計測位置を検出し、予め記憶している基準の位置との差を求めても良いし、変位センサ135とフラップ132との距離を検出し、予め記憶している基準の距離との差を求めても良い
【0033】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、簡単な構成で、かつ精度良く、用紙が適切に保持されて搬送されているか否かを検出することのできる、換言すれば用紙外れを検出することのできる用紙搬送装置を提供することができる。
また、連続用紙の搬送状態を検出し、所望の印刷内容を適切に印刷することのできるプリンタ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態のプリンタ装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、図1に示したプリンタ装置のトラクタ装置および用紙検出部の構成を示す図である。
【図3】図3は、図1に示したプリンタ装置の用紙検出部の作用を説明するための図である。
【符号の説明】
100…プリンタ装置
120…トラクタ装置
121…トラクタ
122…ピン
130…用紙検出部
131…フラップ部
132…フラップ
133…ピン通過溝
134…フラップ支持部
135…変位センサ
140…印刷部
150…紙送りローラ
200…連続用紙
Claims (4)
- 両側部に所定のピッチで孔が設けられた連続用紙を搬送する用紙搬送装置であって、
前記連続用紙の前記両側部が載置されるトラクタと、前記トラクタ上に前記所定のピッチで設けられたピンとを有し、前記ピンを前記連続用紙の前記孔に順次係合させて移動することにより前記連続用紙を搬送するトラクタ手段と、
前記トラクタ上に載置された前記連続用紙上に載置されるフラップと、
前記連続用紙の紙面と垂直な方向の前記フラップの位置を検出するセンサを有し、前記フラップの位置に基づいて前記連続用紙の載置状態を検出するセンサ手段とを有する用紙搬送装置。 - 前記センサ手段は、前記フラップが前記トラクタの前記連続用紙の載置面から所定の距離以上離れていた場合に、前記連続用紙の孔が前記トラクタ上の前記ピンに適切に係合していないと判定する請求項1に記載の用紙搬送装置。
- 前記センサ手段は、前記フラップの位置に基づいて前記連続用紙の用紙厚を検出する請求項1または2に記載の用紙搬送装置。
- 両側部に所定のピッチで孔が設けられた連続用紙に印字を行うプリンタ装置であって、
前記連続用紙の前記両側部が載置されるトラクタと、前記トラクタ上に前記所定のピッチで設けられたピンとを有し、前記ピンを前記連続用紙の前記孔に順次係合させて移動することにより前記連続用紙を搬送するトラクタ手段と、
前記トラクタ上に載置された前記連続用紙上に載置されるフラップと、
前記フラップの前記連続用紙の紙面と垂直な方向の前記フラップの位置を検出するセンサを有し、前記フラップの位置に基づいて前記連続用紙が前記トラクタ手段により適切に搬送されているか否かを検出するセンサ手段と、
前記適切に搬送されていることが検出された前記連続用紙に対して所望の印字内容を印字する印字手段とを有するプリンタ装置。
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Cited By (3)
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JP2011107659A (ja) * | 2009-11-20 | 2011-06-02 | Ricoh Co Ltd | 印刷システム |
CN102189826A (zh) * | 2010-02-25 | 2011-09-21 | 佳能株式会社 | 喷墨记录装置 |
CN104044360A (zh) * | 2013-03-12 | 2014-09-17 | 柯尼卡美能达美国研究所有限公司 | 用于校准纸传感器以虑及介质孔的方法和装置 |
-
2003
- 2003-06-25 JP JP2003181076A patent/JP2005015132A/ja active Pending
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CN104044360A (zh) * | 2013-03-12 | 2014-09-17 | 柯尼卡美能达美国研究所有限公司 | 用于校准纸传感器以虑及介质孔的方法和装置 |
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