JP2004224505A - シート分離装置・シート給送装置・画像形成装置 - Google Patents
シート分離装置・シート給送装置・画像形成装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】空気流によってシート先端部が暴れるようなトラブルを抑制でき、積載されたシートを1枚ずつ確実に分離して搬送することができるようにする。
【解決手段】シート給送装置1は、印刷用紙2を吸着して搬送する吸着搬送手段4と、印刷用紙束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置5と、印刷用紙2の搬送方向上流側上面を選択的に押圧する押圧手段6と、吸着搬送手段4に最も近接した最端(最上位)の印刷用紙2の位置を検知する用紙位置検知センサ7を有している。シート分離装置5は印刷用紙2の積載方向に揺動可能な噴射ノズル24を有している。噴射ノズル24の上方への変位により用紙上端部が徐々に分離され、所定のタイミングにて吸着搬送手段4により搬送が開始される。
【選択図】 図2
【解決手段】シート給送装置1は、印刷用紙2を吸着して搬送する吸着搬送手段4と、印刷用紙束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置5と、印刷用紙2の搬送方向上流側上面を選択的に押圧する押圧手段6と、吸着搬送手段4に最も近接した最端(最上位)の印刷用紙2の位置を検知する用紙位置検知センサ7を有している。シート分離装置5は印刷用紙2の積載方向に揺動可能な噴射ノズル24を有している。噴射ノズル24の上方への変位により用紙上端部が徐々に分離され、所定のタイミングにて吸着搬送手段4により搬送が開始される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層された印刷用紙や転写紙等のシート(シート状記録媒体)を分離するシート分離装置、該シート分離装置を有するシート給送装置、該シート給送装置を有する複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、印刷装置等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の画像形成装置では、積層されたシートを1枚ずつ分離して給送し、給送されたシートにインキ画像やトナー画像等の画像を転写して画像形成を行っている。シートが重なった状態で送られる重送や1枚も送られない不送りを防止して1枚ずつ確実に給紙するために、多種多様の給送方式が提案されている。
トレイ上に積載されたシート束の端面に空気流を吹き付けてシート間に隙間を形成し、空気流で浮き上がって分離された最上の1枚を、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送するベルト方式の吸着搬送手段により吸着して搬送する方式もその一つである。
【0003】
特開平5−286596号公報には、位置固定された2つのノズルからシート束の搬送方向前方側端面と、吸着搬送部(吸着搬送手段の搬送面)の2箇所に空気流を噴射するとともに、空気流の噴射方向下流側においてシート束の上面を押え部材で押え、空気が抜けないようにして分離機能を高めるシート給送装置が開示されている。
シート束の端面に対向したノズルはシートを浮揚させる機能を有し、吸着搬送部に対向したノズルはシートを捌いて最上の1枚のみを吸着搬送手段に吸着させる機能を有している。押え部材は、最上位のシートが吸着搬送手段に吸着されて搬送される際に、シートから離間するようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−286596号公報
【特許文献2】
特開平5−21808号公報
【特許文献3】
特許公報第3220541号
【特許文献4】
特許公報第3220553号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平5−286596号公報に記載の構成では、空気流吹き付け手段としてのノズルからの空気流がシート先端部と吸着搬送部の2箇所に吹き付けられるので、シートの種類又は状態によっては一旦浮場した最上位のシートが吸着搬送部に吹き付けられる空気流によって押し戻されたりする場合があり、シートの分離動作が不十分になりやすいという問題があった。
また、シート先端部に湿度の影響でウェープが発生している場合、2箇所からの空気流でシート先端が暴れ、ジャムやスキューの原因になりやすいという問題があった。さらに、シート押え部材の押え動作タイミングは一定であるので、浮揚しやすい薄いシートであっても、シート押え部材が押え動作に入るまでは、シートの挙動が不安定になる傾向があった。
【0006】
そこで、本発明は、空気流によってシート先端部が暴れるようなトラブルを抑制でき、積載されたシートを1枚ずつ確実に分離することができるシート分離装置、重送等を無くして確実に1枚ずつの給紙を行えるシート給送装置、該シート給送装置を備えた画像形成装置の提供を、その目的とする。
また、本発明は、厚紙や、あるいは用紙間の摩擦抵抗が大きくて不送りが発生しやすい用紙(シート)であっても1枚ずつ確実に搬送することができるようにすることを、その目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、空気流を発生するエアー源と、該エアー源からの空気流を噴射する噴射ノズルを有し、少なくとも上記噴射ノズルが、シートが積載されたシート束の該積載方向に変位可能に設けられ、上記噴射ノズルを空気流を噴射させながら上記シート束の端方向へ変位させて該シート束の端部の各シート間に隙間を形成し、最終的に最端のシートを他のシートと分離する、という構成を採っている。
【0008】
請求項2記載の発明では、請求項1記載のシート分離装置において、空気流の噴射方向と略直交するシートの幅方向において、上記噴射ノズルの変位動作に連動して所定のタイミングで上記最端のシートをその積載方向に押圧し、該最端のシートとその次のシートとの間における空気流の通り抜けを妨げる押圧手段を有している、という構成を採っている。
【0009】
請求項3記載の発明では、請求項2記載のシート分離装置において、上記押圧手段による押圧タイミング及び押圧時間を調整可能に設けられている、という構成を採っている。
【0010】
請求項4記載の発明では、請求項1又は2記載のシート分離装置において、上記噴射ノズルから空気流を噴射し始めるタイミングと噴射する時間を調整可能に設けられている、という構成を採っている。
【0011】
請求項5記載の発明では、請求項2記載のシート分離装置において、上記押圧手段のシートに押圧接触する部分が、湾曲面形状を有している、という構成を採っている。
【0012】
請求項6記載の発明では、請求項1又は2記載のシート分離装置において、上記噴射ノズルが、シートの搬送方向と略直交するシートの幅方向に移動可能に設けられている、という構成を採っている。
【0013】
請求項7記載の発明では、請求項1乃至6のうちの何れか1つに記載のシート分離装置において、上記最端のシートを他のシートと分離した後、上記噴射ノズルを空気流を噴射させながら逆方向に変位させ、上記最端のシート以外の残ったシート群の予備分離を行う、という構成を採っている。
【0014】
請求項8記載の発明では、請求項1又は2記載のシート分離装置において、上記噴射ノズルによる空気流の噴射方向下流側においてシート間に隙間を形成するシート後端側隙間形成手段を有している、という構成を採っている。
【0015】
請求項9記載の発明では、請求項8記載のシート分離装置において、上記シート後端側隙間形成手段が、シート束の端面に空気流を噴射する構成を有している、という構成を採っている。
【0016】
請求項10記載の発明では、請求項8記載のシート分離装置において、上記シート後端側隙間形成手段が、空気流の噴射方向と略直交するシートの幅方向からシート後端方向にかけて変位可能に設けられ、シート束の端面に空気流を噴射する構成を有していることとした。
【0017】
請求項11記載の発明では、請求項9又は10記載のシート分離装置において、上記シート後端側隙間形成手段による空気流の噴射力を調整可能である、という構成を採っている。
【0018】
請求項12記載の発明では、請求項8記載のシート分離装置において、シート積載方向における上記シート後端側隙間形成手段の位置を調整可能である、という構成を採っている。
【0019】
請求項13記載の発明では、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が、請求項1乃至12のうちの何れか1つに記載のものである、という構成を採っている。
【0020】
請求項14記載の発明では、請求項13記載のシート給送装置において、上記吸着搬送手段が、複数の吸引孔を有しシート搬送方向と略直交するシート幅方向に間隔をおいて複数本設けられた無端状の搬送ベルトと、少なくともシート搬送方向前後に配置され上記搬送ベルトを支持するローラ部材を有し、これらのローラ部材のうち少なくとも一方には、上記搬送ベルトを支持する支持ローラとは別にシートを上記搬送ベルトとは独立に搬送する搬送ローラが上記支持ローラと同軸上に設けられている、という構成を採っている。
【0021】
請求項15記載の発明では、請求項13記載のシート給送装置において、上記吸着搬送手段が、複数の吸引孔を有しシート搬送方向と略直交するシート幅方向に間隔をおいて複数本設けられた無端状の搬送ベルトと、少なくともシート搬送方向前後に配置され上記搬送ベルトを支持するローラ部材を有し、これらのローラ部材のうち、シート搬送方向前方側(下流側)のローラ部材に対してシート搬送面を挟んで対向する位置に設けられ、該前方側のローラ部材に向けて所定の圧力で上記搬送ベルトに接触する摩擦部材を有している、という構成を採っている。
【0022】
請求項16記載の発明では、請求項13記載のシート給送装置において、上記吸着搬送手段が、複数の吸引孔を有しシート搬送方向と略直交するシート幅方向に間隔をおいて複数本設けられた無端状の搬送ベルトと、少なくともシート搬送方向前後に配置され上記搬送ベルトを支持するローラ部材を有し、これらのローラ部材のうち、シート搬送方向前方側のローラ部材と同軸上に該前方側のローラ部材間に位置して搬送ローラが設けられ、該搬送ローラに対してシート搬送面を挟んで対向する位置に設けられ該搬送ローラに向けて所定の圧力で接触する摩擦部材を有している、という構成を採っている。
【0023】
請求項17記載の発明では、請求項13記載のシート給送装置において、上記吸着搬送手段にシートが吸着されたことを検知するシート吸着検知手段を有し、該シート吸着検知手段からの検知信号に基づいて所定のタイミングで上記吸着搬送手段による吸着したシートの搬送を開始する、という構成を採っている。
【0024】
請求項18記載の発明では、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記シート後端側隙間形成手段が、上記シート搬送方向上流側で且つ上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートを含むシート群の側面に対する所定の高さに設けられ、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知するシート位置検知手段と、上記トレイが上昇し上記吸着搬送手段との間に所定の間隔を空けて停止した時点での上記最端のシートと上記シート後端側隙間形成手段が作動した後における上記最端のシート間の高低差を演算し、その演算結果が所定量を超えないように上記シート後端側隙間形成手段による空気流の噴射力を調整する制御手段とを有し、常に上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの浮き上がり量が一定になるようにした、という構成を採っている。
【0025】
請求項19記載の発明では、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記シート後端側隙間形成手段が、上記シート搬送方向上流側で且つシート積載方向に沿って昇降自在に設けられ、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知するシート位置検知手段と、上記シート後端側隙間形成手段を上記シート位置検知手段からの信号を基に、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートを含むシート群の端面に対する所定の位置に保持制御する制御手段とを有し、上記トレイが上昇し上記吸着搬送手段との間に所定の間隔を空けて停止した時点での上記最端のシートと上記シート後端側隙間形成手段が作動した後における上記最端のシート間の高低差を演算し、その演算結果が所定量を超えないように上記シート後端側隙間形成手段による空気流の噴射力を調整するか、上記シート後端側隙間形成手段による空気流の位置を移動するかの少なくともいずれか一方を行うことによって、常に上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの浮き上がり量が一定になるようにした、という構成を採っている。
【0026】
請求項20記載の発明では、請求項19記載のシート給送装置において、上記トレイに積載されるシートの搬送方向と略直交するシート幅方向の位置を規制し上記トレイと一体に昇降するシート幅規制手段を有し、上記シート後端側隙間形成手段が、上記シート幅規制手段においてシート積載方向に移動可能に設けられている、という構成を採っている。
【0027】
請求項21記載の発明では、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記トレイに積載されるシートの搬送方向と略直交するシート幅方向の位置を規制し上記トレイと一体に昇降するシート幅規制手段を有し、上記シート後端側隙間形成手段が上記シート幅規制手段においてシート積載方向に移動可能に設けられ、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知するシート位置検知手段と、上記シート後端側隙間形成手段を上記シート位置検知手段からの信号を基に、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートを含むシート群の端面に対する所定の位置に保持制御する制御手段と、上記吸着搬送手段にシートが吸着されたことを検知するシート吸着検知手段と、上記吸着搬送手段が動作を開始してからシートが吸着されるまでの時間を計測するタイマー手段とを有し、上記タイマー手段にて計測した結果が所定時間を超えた場合に、上記シート後端側隙間形成手段を作動させ、上記トレイが上昇し上記吸着搬送手段との間に所定の間隔を空けて停止した時点での上記最端のシートと上記シート後端側隙間形成手段が作動した後における上記最端のシート間の高低差を演算し、その演算結果が所定量を超えないように上記シート後端側隙間形成手段による空気流の噴射力を調整するか、上記シート後端側隙間形成手段による空気流の位置を移動するかの少なくともいずれか一方を行うことによって、常に上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの浮き上がり量が一定になるようにした、という構成を採っている。
【0028】
請求項22記載の発明では、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記シート後端側隙間形成手段がシート束の積載方向に複数配置され、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知するシート位置検知手段を有し、シートが搬送されていく毎に変化する上記シート位置検知手段からの検知信号に基づいて上記複数のシート後端側隙間形成手段のうちの最適な1つないし上下に連続した2つを選択して動作させる、という構成を採っている。
【0029】
請求項23記載の発明では、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記シート後端側隙間形成手段がシート束の積載方向に複数配置され、シートの搬送に伴う最端のシートの位置変化に拘わらずこれらのシート後端側隙間形成手段を全て動作させる、という構成を採っている。
【0030】
請求項24記載の発明では、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記空気流の噴射方向下流側においてシート間に隙間を形成するシート後端側隙間形成手段を有している、という構成を採っている。
【0031】
請求項25記載の発明では、請求項24記載のシート給送装置において、上記シート後端側隙間形成手段が、シート束の端面に空気流を噴射する構成を有している、という構成を採っている。
【0032】
請求項26記載の発明では、請求項24記載のシート給送装置において、上記シート後端側隙間形成手段が、空気流の噴射方向と略直交するシートの幅方向からシート後端方向にかけて変位可能に設けられ、シート束の端面に空気流を噴射する構成を有していることとした。
【0033】
請求項27記載の発明では、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記吸着搬送手段がシート搬送方向下流側を支点としてシートに対して接離する方向に回動自在に設けられ、上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側のシートに対する近接位置を規制する位置規制手段と、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知し且つ上記トレイの昇降方向に移動可能に設けられ、上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側とシートとの間に所定の間隔を維持するためのシート位置検知手段と、上記吸着搬送手段の回動範囲における該吸着搬送手段の搬送面が上記シートと略平行に接触する上限位置を検知する回動上限位置検知手段と、シートの種類を入力するシート種類入力手段と、該シート種類入力手段からの情報に基づいて上記シート分離装置により分離可能なシートかどうかを判断し、分離可能なシートの場合には上記シート位置検知手段からの検知信号に基づいて上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側とシートとの間に所定の間隔を維持するように上記トレイの昇降を制御し、空気流噴射によっても分離困難なシートの場合には上記シート位置検知手段からの検知信号に拘わらず上記シート位置検知手段を移動させながら上記回動上限位置検知手段により検知されるまで上記トレイの昇降を制御する制御手段を有し、分離可能なシートの場合には上記シート分離装置により分離した後上記吸着搬送手段により吸着して搬送し、空気流噴射によっても分離困難なシートの場合には上記吸着搬送手段の重さと空気の負圧作用の両方によって搬送面に発生する摩擦搬送力により搬送する、という構成を採っている。
【0034】
請求項28記載の発明では、請求項27記載のシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項2記載のものであり、上記押圧手段が、上記吸着搬送手段が上記回動上限位置検知手段により検知される位置でシートに接触しない退避位置を有し、該退避位置を検知する退避位置検知手段が設けられ、上記制御手段は、空気流噴射によっても分離困難なシートの場合に上記押圧手段が上記退避位置に設定されていないとき又は分離可能なシートの場合に上記押圧手段が上記退避位置に設定されているときは警告をする、という構成を採っている。
【0035】
請求項29記載の発明では、請求項28記載のシート給送装置において、上記押圧手段が上記退避位置にあることを表示する表示手段を有している、という構成を採っている。
【0036】
請求項30記載の発明では、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項2記載のものであり、上記吸着搬送手段がシート搬送方向下流側を支点としてシートに対して接離する方向に回動自在に設けられ、上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側のシートに対する近接位置を規制する位置規制手段と、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知し且つ上記トレイの昇降方向に移動可能に設けられ、上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側とシートとの間に所定の間隔を維持するためのシート位置検知手段と、上記吸着搬送手段の回動範囲における該吸着搬送手段の搬送面が上記シートと略平行に接触する上限位置を検知する回動上限位置検知手段と、上記押圧手段を上記吸着搬送手段が上記回動上限位置検知手段により検知される位置でシートに接触しない退避位置と押圧位置とに選択的に移動させる移動手段と、上記吸着搬送手段のシート搬送方向下流側に位置するレジストローラ対へのシートの到達を検知するシート到達検知手段と、上記吸着搬送手段によりシートの搬送が開始されてから上記シート到達検知手段によって検知されるまでの時間を計測するタイマー手段と、該タイマー手段により計測された時間が所定時間より長い場合には上記押圧手段を上記退避位置に設定するとともに上記シート位置検知手段を移動させながら上記回動上限位置検知手段により検知されるまで上記トレイの昇降を制御し、計測された時間が所定時間より短い場合には上記押圧手段を押圧位置に設定し上記シート位置検知手段からの検知信号に基づいて上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側とシートとの間に所定の間隔を維持するように上記トレイの昇降を制御する制御手段を有している、という構成を採っている。
【0037】
請求項31記載の発明では、請求項30記載のシート給送装置において、上記シート到達検知手段によりシートの先端が検知されてから所定時間経過後に上記吸着搬送手段の搬送を停止し、上記レジストローラ対による搬送の開始タイミングに合わせて上記吸着搬送手段の吸着を停止する、という構成を採っている。
【0038】
請求項32記載の発明では、請求項13乃至31のうちの何れか1つに記載のシート給送装置において、上記吸着搬送手段のシートの吸着力を調整可能である、という構成を採っている。
【0039】
請求項33記載の発明では、請求項13乃至32のうちの何れか1つに記載のシート給送装置において、上記トレイに積載されたシートの先端を突き当てて揃える面板を有し、該面板に、上記吸着搬送手段のシート搬送面に対向して配置され且つ該搬送面との間に搬送待機状態のシートが進入しない程度の隙間を形成するシート阻止部材を設けた、という構成を採っている。
【0040】
請求項34記載の発明では、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項2記載のものであり、上記押圧手段のシートに接触する部分が円筒又は円柱状に形成され且つ回転自在に設けられている、という構成を採っている。
【0041】
請求項35記載の発明では、請求項13乃至34記載のシート給送装置において、従来装置への着脱が可能にユニット化されている、という構成を採っている。
【0042】
請求項36記載の発明では、シート給送装置によりシートを給送し、給送されたシートに画像を形成する画像形成装置において、上記シート給送装置が、請求項13乃至35のうちの何れか1つに記載のものである、という構成を採っている。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図8に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて、本実施形態における画像形成装置としての孔版印刷装置の全体構成及び孔版印刷プロセスの概要を説明する。
装置本体50の上部には原稿読取部80が設けられており、その下方中央部には多孔性の印刷ドラム101を有する印刷ドラム部100が設けられている。印刷ドラム部100の上方右側には製版装置90が設けられ、印刷ドラム部100の上方左側には排版部70が設けられている。また、製版装置90の下方にはシート給送装置1が、印刷ドラム部100の下方には印圧部120が、排版部70の下方には排紙部130が、それぞれ設けられている。
【0044】
次に、上記構成に係る孔版印刷装置の印刷動作を説明する。
まず、原稿読取部80の上部に配置された図示しない原稿載置台に、印刷すべき画像を持った原稿60を載置し、図示しない操作パネル上の製版スタートキーを押す。この製版スタートキーの押下に伴い、排版工程が実行される。すなわち、この状態においては、印刷ドラム部100の印刷ドラム101の外周面に前回の印刷で使用された使用済み感熱性孔版マスタ61bが装着されたまま残っている。
【0045】
印刷ドラム101が反時計回りに回転し、印刷ドラム101の外周面の使用済み感熱性孔版マスタ61bの後端部が排版剥離ローラ対71a、71bに近づくと、この排版剥離ローラ対71a、71bは回転しつつ一方の排版剥離ローラ対71aで使用済み感熱性孔版マスタ61bの後端部をすくい上げる。
使用済み感熱性孔版マスタ61bは、排版剥離ローラ対71a、71bの左側に配設された排版コロ対73a、73bと排版剥離ローラ対71a、71bとの間に掛け回された排版搬送ベルト対72a、72bで矢印Y1方向へ搬送されつつ排版ボックス74内へ排出され、印刷ドラム101の外周面から引き剥がされて排版工程が終了する。このとき、印刷ドラム101は反時計回り方向への回転を続けている。剥離・排出された使用済み感熱性孔版マスタ61bは、その後、圧縮板75により排版ボックス74の内部で圧縮される。
【0046】
排版工程と並行して、原稿読取部80で原稿読み取りが行われる。図示しない原稿載置台に載置された原稿60は、分離ローラ81、前方原稿搬送ローラ対82a、82b及び後方原稿搬送ローラ対83a、83bのそれぞれの回転により矢印Y2からY3方向に搬送されつつ露光読み取りに供される。このとき、原稿60が多数あるときは、分離ブレード84の作用でその最下部の原稿のみが搬送される。原稿60の画像読み取りは、コンタクトガラス上を搬送されつつ、蛍光灯86により照明された原稿60の表面からの反射光を、ミラー87で反射させ、レンズ88を通してCCD(電荷結合素子)から成る画像センサ89に入射させることにより行われる。
原稿60の読み取りは、周知である縮小式の原稿読取方式で行われ、その画像が読み取られた原稿60は原稿トレイ80A上に排出される。画像センサ89で光電変換された電気信号は、装置本体50内の図示しないアナログ/デジタル(A/D)変換基板に入力され、デジタル画像信号に変換される。
【0047】
一方、この画像読み取り動作と並行して、デジタル信号化された画像情報に基づき製版及び給版工程が行われる。製版装置90の所定部位にセットされたロール状の感熱性孔版マスタ61は、ロール状態から引き出され、サーマルヘッド91に感熱性孔版マスタ61を介して押圧されているプラテンローラ92、及びテンションローラ対93a、93bの回転により搬送路の下流側に搬送される。
このように搬送される感熱性孔版マスタ61に対して、サーマルヘッド91にライン状に並んだ複数個の微小な発熱部が、図示しないA/D変換基板から送られてくるデジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱部に接触している感熱性孔版マスタ61の熱可塑性樹脂フィルムが溶融穿孔される。このように、画像情報に応じた感熱性孔版マスタ61の位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとして書き込まれる。
【0048】
画像情報が書き込まれた製版済感熱性孔版マスタ61aの先端は、給版ローラ対94a、94bにより印刷ドラム101の外周部側へ向かって送り出され、図示しないガイド部材により進行方向を下方へ変えられ、給版位置状態にある印刷ドラム101の拡開したマスタークランパ102(仮想線で示す)へ向かって垂れ下がる。このとき印刷ドラム101は、排版工程により使用済感熱性孔版マスタ61bを既に除去されている。
【0049】
製版済感熱性孔版マスタ61aの先端が、一定のタイミングでマスタークランパ102によりクランプされると、印刷ドラム101は図中A方向(時計回り方向)に回転しつつ外周面に製版済感熱性孔版マスタ61aを徐々に巻き付けていく。製版済感熱性孔版マスタ61aの後端部はカッタ95により一定の長さに切断される。
【0050】
一版の製版済感熱性孔版マスタ61aが印刷ドラム101の外周面に巻装されると製版及び給版工程が終了し、印刷工程が開始される。まず、給紙台51上に積載されたシートとしての印刷用紙2のうちの最上位の1枚が、シート給送装置1によりレジストローラ対9に向けて矢印Y4方向に送り出され、さらにレジストローラ対9によりドラム部100の回転と同期した所定のタイミングで印圧部120に送られる。送り出された印刷用紙2が、印刷ドラム101とプレスローラ103との間にくると、印刷ドラム101の外周面下方に離間していたプレスローラ103が図示しない接離機構により上方に移動されることにより、印刷ドラム101の外周面に巻装された製版済感熱性孔版マスタ61aに押圧される。こうして、印刷ドラム101の多孔部及び製版済感熱性孔版マスタ61aの穿孔パターン部(共に図示せず)からインキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙2の表面に転移されて、印刷画像が形成される。
【0051】
このとき、印刷ドラム101の内周側では、インキ供給管104からインキローラ105とドクターローラ106との間に形成されたインキ溜り107にインキが供給され、印刷ドラム101の回転方向と同一方向に、且つ、印刷ドラム101の回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ105により、インキが印刷ドラム101の内周側に供給される。
【0052】
印圧部120において印刷画像が形成された印刷用紙2は、排紙剥離爪114により印刷ドラム101から剥がされ、吸着用ファン118による吸引力で吸着されつつ、吸着排紙入口ローラ115及び吸着排紙出口ローラ116に掛け渡された搬送ベルト117の反時計回り方向の回転により、矢印Y5のように排紙部130へ向かって搬送され、排紙台52上に順次排出積載される。このようにして所謂試し刷りが終了する。
次に、図示しないテンキーで印刷枚数をセットし、図示しない印刷スタートキーを押下すると上記試し刷りと同様の工程で、給紙、印刷及び排紙の各工程がセットした印刷枚数分繰り返して行われ、孔版印刷の全工程が終了する。
【0053】
シート給送装置1は、図2に示すように、印刷用紙2が積載されるトレイ3と、空気の負圧作用により印刷用紙2を吸着して搬送する吸着搬送手段4と、積載された印刷用紙束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置5と、印刷用紙2の搬送方向上流側上面を選択的に押圧する押圧手段6と、吸着搬送手段4に最も近接した最端(最上位)の印刷用紙2の位置を検知するシート位置検知手段としての用紙位置検知センサ7と、トレイ3に積載された印刷用紙2の先端を突き当てて揃える面板8と、レジストローラ対9と、吸着搬送手段4により搬送された印刷用紙2のレジストローラ対9への到達を検知するシート到達検知手段としての用紙検知センサ10と、吸着搬送手段4に印刷用紙2が吸着されたことを検知するシート吸着検知手段としての用紙吸着検知センサ11等を有している。押圧手段6はシート分離装置5の一要素である。
【0054】
トレイ3は、図示しない給紙台昇降機構により印刷用紙2の積載方向に昇降可能に設けられている。
押圧手段6は、軸12に一端部を支持されて回動自在に設けられたアーム13と、該アーム13の自由端部から略直角に延びる押圧片14と、アーム13を上下方向(トレイ3の昇降方向)に回動させるソレノイド15を有している。後述する制御手段16(図8参照)によるソレノイド15の制御により、押圧片14は最上の印刷用紙2に接触しない実線で示す非押圧位置と2点鎖線で示す押圧位置とに選択的に設定される。押圧片14は印刷用紙2の搬送方向と直交する用紙幅方向に延びる長さを有しており、その押圧接触部は印刷用紙2に押圧痕を残さないように湾曲面形状に形成されている。
用紙位置検知センサ7は、機械式のフィラー型センサであり、用紙検知センサ10及び用紙吸着検知センサ11は反射型のフォトセンサである。
【0055】
吸着搬送手段4は、図3及び図4に示すように、複数の吸引孔17aを有するとともにシート搬送性を有する2本無端状の搬送ベルト17と、シート搬送方向前後に配置されて搬送ベルト17を支持する互いに平行なローラ部材18、19と、ローラ部材18、19と搬送ベルト17によって形成される空間内に設けられた吸着箱20とエアー吸引源21を有している。
ローラ部材18は、回転軸18aと、回転軸18aに固定された支持ローラ18bを有している。ローラ部材19も同様に、回転軸19aと、回転軸19aに固定された支持ローラ19bを有している。用紙搬送方向下流側のローラ部材18の回転軸18aには、印刷用紙2の搬送性を向上させるために、搬送ベルト17を支持する支持ローラ18bとは別に印刷用紙2を搬送ベルト17とは独立に搬送する搬送ローラ22が設けられている。
【0056】
吸着箱20は、用紙搬送側においては2本の搬送ベルト17の幅を含む広さの底面20aを有し、該底面20aの吸引孔17aと対応する位置の周辺部には所定の大きさの穴20bが形成されている。吸着箱20の上面にはエアー吸引源21に連通する連通孔22cが形成されており、これらの開口部以外の吸着箱20とエアー吸引源21との間は気密性を有するように形成されている。
エアー吸引源21は、吸引ファン21aと、ファンモータ21b(図8参照)を有している。吸引ファン21aが回転すると、矢印で示すように吸引エアーの流れが生じ、吸着箱20の内部は負圧となり、この負圧作用によって印刷用紙2は搬送ベルト17面に吸着される。図5は、吸着搬送手段4をその底面側(用紙搬送面側)から見た図である。
【0057】
次に、図6及び図7に基づいて、シート分離装置5の要部構成を詳細に説明する。
図6に示すように、シート分離装置5は、空気流を発生するエアー源23と、該エアー源23からの空気流を噴射する噴射ノズル(エアーナイフ)24を有している。噴射ノズル24は係合凹部25aを有するノズル揺動爪25を一体に有しており、軸26によりエアー源23と連結されているとともに該軸26を支点としてエアー源23に対して上下方向に揺動(回動)自在に設けられている。エアー源23は、面板8に固定されたブラケット27に固定されている。
噴射ノズル24の下方には、面板8に固定された他のブラケット28に設けられた軸29に回動自在に支持されたレバー30が設けられており、レバー30の一端部(上端部)にはノズル揺動爪25の係合凹部25aに係合するスライドガイド軸31が固定されている。
レバー30の下方には、噴射ノズル24を上下方向に変位させるノズル駆動カム32が設けられており、レバー30の他端部(下端部)には該ノズル駆動カム32の外周面に当接して回転するカムフォロア33が支持されている。レバー30は、カムフォロア33がノズル駆動カム32に圧接する向きにバネ34により付勢されている。
【0058】
エアー源23は、エアー供給ファン23aと、該エアー供給ファン23aを回転させるファンモータ23b(図8参照)を有している。ノズル駆動カム32はカム駆動モータ35(図8参照)の駆動軸35aに固定されている。
噴射ノズル24は、トレイ3に載置された印刷用紙2束に対し、吸着搬送手段4に一番近接した1枚目を含む印刷用紙2群の搬送方向下流側端面に対して空気流を噴射させて互いの印刷用紙2間に隙間を形成させる機能を有しており、その噴射流の通過を許容すべく面板8には通気穴8aが形成されている。
図7に示すように、ブラケット27は印刷用紙2の搬送方向と直交する幅方向に間隔をおいて2箇所に設けられており、それぞれにエアー源23、噴射ノズル24が設けられている。
各ブラケット27には印刷用紙2の幅方向に延びる長孔27aが形成されており、噴射ノズル24の位置を調整できるようになっており、調整後は、図示しないネジでブラケット28aの一部に固定されるようになっている。長孔27aにはブラケット28aに固定されたピン36が係合しており、該ピン36によって噴射ノズルの調整範囲が規制されている。
【0059】
スライドガイド軸31は、噴射ノズル24を最大量移動してもノズル揺動爪25との係合が外れないような長さに設定されている。従って、噴射ノズル24をスライドガイド軸31に沿ってどこに移動してもノズル駆動カム32によって同じように揺動させることができる。
従って、搬送する印刷用紙2の幅が小さい場合や、印刷用紙2が厚めの場合には2つの噴射ノズル24の間隔を狭くして空気流を中央部に集中させたり、逆に印刷用紙2の幅が広い場合には両噴射ノズル24の間隔を広くしたりすることが可能である。
噴射ノズル24は下方から上方へ揺動(変位)され、所定のタイミングの後、上方から下方へ揺動される。この噴射ノズル24の変位動作に連動して、押圧手段6が制御され、押圧片14は押圧位置と非押圧位置の間を1枚搬送する毎に往復移動する。噴射ノズル24の上記変位動作は、反時計回り方向に駆動され、且つ1枚印刷するごとに1回転するノズル駆動カム32によって駆動される。従って、噴射ノズル24も1枚搬送するごとに1往復揺動するように構成されている。
【0060】
次に、図8に基づいて本実施形態における制御系を説明する。上述した用紙位置検知センサ7、用紙検知センサ10、用紙吸着検知センサ11からの検知情報(信号)が制御手段16に入力され、制御手段16はこれらの情報に基づいてソレノイド15、ファンモータ21b、ファンモータ23b、ノズル駆動カム32等を制御する。
ここでの制御手段16は、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェース等を含むマイクロコンピュータを意味する。制御手段16は孔版印刷装置のメインコントローラが兼ねることができる。符号37は操作パネルを示す。
【0061】
図9乃至図11に基づいて本実施形態における分離動作(隙間形成動作)及び搬送動作を説明する。
図示しない印刷スタートボタンが押されると、図9に示すように、印刷用紙2が積載されたトレイ3が図示しない給紙台昇降機構によって吸着搬送手段4に向け上昇を開始する。
吸着搬送手段4と、トレイ3に載置された印刷用紙2の最上位の印刷用紙2aとの間が所定の間隔(用紙上面が適正高さ)になった時点で用紙位置検知センサ7が最上位の印刷用紙2a(以下、用紙上面ともいう)を検知し、トレイ3が停止するように図示しない給紙台昇降機構が制御手段16により制御される。
印刷動作が進むに連れて用紙上面位置が適正でないことが用紙位置検知センサ7によって検知されると、必要量だけトレイ3が吸着搬送手段4に向けて移動及び停止する制御が繰り返しなされる。
【0062】
印刷用紙2の上面2aが適正高さになってトレイ3の上昇が停止すると、所定のタイミングにて噴射ノズル24へのエアー源23からのエアー供給と、吸着搬送手段4においてはエアー吸引源21からのエアー吸引が開始され、それと同時に噴射ノズル24と押圧手段6を揺動すべくそれらの駆動源であるノズル駆動カム32、ソレノイド15の駆動が開始される。
押圧手段6の押圧片14が非押圧位置にある状態で、噴射ノズル24から印刷用紙2の搬送方向下流側端面に向けてエアーが吹き付けられ、徐々に印刷用紙2間にエアーが入り込む。ノズル駆動カム32が回転しその小径部32aにカムフォロア33が入り込むと、図10に示すように、噴射ノズル24がエアーを印刷用紙2の端面に吹き付けたまま吸着搬送手段4に向けて揺動を始め、噴射ノズル24上死点に至るとほぼ同時に押圧手段6が用紙上面2aの押圧を開始する。
【0063】
噴射ノズル24が吸着搬送手段4に向けて揺動していく過程において、空気流の中心が吸着搬送手段4に近接した印刷用紙2間に順次移動していくことにより、用紙群端面に噴射する空気流の中心線、つまり、流速が一番強いポイントを結んだ線で、用紙の幅方向とほぼ平行に存在する線に対してその上に残った用紙枚数(重さ)が徐々に少なくなっていく為、用紙群のうち、吸着搬送手段4に対して遠い部分から近い部分にかけて、エアーによって形成される隙間が徐々に大きくなる。
また、空気流の中心を挟み、トレイ3側の印刷用紙2は順次トレイ3側に戻されていくため、エアーによる用紙分離が促進されることになる。
従来の固定ノズルによる2方向噴射方式に比べ、噴射源が単一であるため異方向からの空気流の作用による印刷用紙2の先端部の暴れ現象も極力抑制される。なお、サイズが小さく重さが軽い印刷用紙2の場合、エアーによりトレイ3側に戻される際に、その勢いでトレイ3上の印刷用紙2よりもさらに後方に戻される場合があるので、そのような場合には用紙後端部にエンドフェンス38(図14乃至図16参照)を設ければよい。
【0064】
押圧手段6による用紙押圧が完了すると、それまで印刷用紙2間に行き渡っていたエアーがその時点で遮断されることになる。行き場を失った空気流の膨らみにより、図11に示すように、押圧片14より搬送方向下流側の最上位の印刷用紙2aが吸着搬送手段4側に更に持ち上げられ吸引される。
用紙吸着検知センサ11により最上位の印刷用紙2aが吸着搬送手段4に吸着されたことが確認されると、押圧手段6は非押圧位置に設定され、所定タイミングを経て吸着搬送手段4による印刷用紙2の搬送が開始される。ノズル駆動カム32が更に回転することにより、噴射ノズル24は徐々に下方に向けて揺動され、次の搬送に向けて再度2枚目以下の印刷用紙2の予備分離を同時に行う。
なお、吸着搬送手段4に印刷用紙2aが吸着されたことが検知されてから実際に吸着搬送手段4による印刷用紙2aの搬送動作が開始されるまでは余裕があり、その間に印刷用紙2aは十分に吸着搬送手段4に吸引されるので、前述の用紙吸着検知センサ11は省くことも可能である。
搬送された印刷用紙2がレジストローラ対9の手前の用紙検知センサ10により検知されると、所定時間経過後に吸着搬送手段4の搬送動作が停止するように制御される。更にレジストローラ対9の用紙搬送負荷を減らしたい場合には、レジストローラ対9の印圧部120へ向けた駆動を開始するタイミングに合わせて吸着搬送手段4の吸着を停止するように制御してもよい。
【0065】
以下に、他の実施形態を説明する。なお上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する。
図12に、シート分離装置5の変形例(第2の実施形態)を示す。本実施形態では、噴射ノズル24の揺動及び空気流の噴射時間を制御によらず簡単な構成で調整できることを特徴としている。
本実施形態におけるシート分離装置5Aでは、噴射ノズル24は、エアー源23にジョイント42で連結されており、ジョイント42に設けられた軸42aを支点として回動自在に設けられている。
ブラケット27は斜めに曲げられており、これにエアー源23が固定されてエアー源23の水平距離を短くしている。すなわち、シート分離装置5の構成のコンパクト化が図られている。
本実施形態におけるノズル駆動カム40は、カム駆動モータ35の駆動軸35aに固定されたフランジ41に図示しないネジで固定された固定カム40bと、該固定カム40bに位置調整可能に取り付けられた可動カム40cによる合わせ構造を有している。可動カム40cには固定カム40bの周方向に延びる長孔40c−1が形成されており、該長孔40c−1を介して固定カム40bにネジ42で固定されている。なお、固定カム40bにおいても、可動カム40cに設けたような図示しない長孔があり、フランジ41に対して回転方向にずらすことが可能となっている。
【0066】
噴射ノズル24は、図示しない本体駆動部と同期して例えば反時計回り方向に駆動され且つ1枚印刷する毎に1回転するノズル駆動カム40によって駆動される。従って、噴射ノズル24も1枚搬送する毎に1往復揺動する。最初は図12に実線で示すように噴射ノズル24は略水平に向いている。
ノズル駆動カム40が回転を始め、カムフォロア33が、ノズル駆動カム40において吸着搬送開始タイミングに合わせて設けられた小径部40aに達すると、カムフォロア33もそれに追従し、レバー30は軸29を支点に時計回り方向に回転する。これによって、噴射ノズル24は2点鎖線で示すように、吸着搬送手段4が搬送を開始するタイミングに合わせて、吸着搬送手段4方に向くように揺動する。
【0067】
噴射ノズル24が上を向くタイミングを早めたい場合には、固定カム40bを固定しているネジを緩め、ノズル駆動カム406全体を反時計回り方向にずらすことによって調節が可能となる。
印刷用紙2間に隙間が僅かしか形成されないような種類の印刷用紙2の場合には、エアー吹付け(噴射)時間を延長することも可能である。すなわち、固定カム40bはそのままで、可動カム40cを固定しているネジ42を緩め、可動カム40cのみを時計回り方向にずらして小径部40aの範囲を大きくすることで噴射時間を長くすることができる。
【0068】
図13に、押圧手段6の変形例(第3の実施形態)を示す。印刷用紙2の厚さによっては噴射ノズル24によるエアーで瞬時に印刷用紙2間に隙間が形成され、通常の押圧タイミングでは印刷用紙2が吸着搬送手段4と2枚目の印刷用紙2との間でばたつく場合があり、その場合には押圧開始タイミング及び押圧時間を最適な状態に変化させる必要がある。
本実施形態では、押圧手段の押圧開始タイミング及び押圧時間を制御によらず簡単な構成で調整できることを特徴としている。
本実施形態における押圧手段6Aでは、トレイ3の両側には支柱43が設けられており、該支柱43にはその軸43aを支点として押圧レバー44が回動自在に設けられている。押圧レバー44の押圧側と反対側の端部には、押圧駆動カム46にバネ48の付勢力で当接するカムフォロア45が設けられている。
押圧駆動カム46は、図示しない駆動モータの回転軸に固定されたフランジ49に2つの長孔46a−1を介してネジ47で固定された固定カム46aと、該固定カム46aに2つの長孔46b−1を介してネジ47で固定された可動カム46bによる合わせ構造を有しており、図示しない本体駆動部と同期して1枚印刷する毎に、例えば反時計回り方向に1回転駆動される。
【0069】
上述のように印刷用紙2がばたつく場合には、押圧駆動カム46のタイミングを早める方向に調節を行う。具体的には、固定カム46aをフランジ49に固定しているネジ47を緩め、押圧駆動カム46全体を反時計回り方向にずらすようにする。
逆に、噴射ノズル24によるエアーでも印刷用紙2間に隙間が僅かしか形成されない種類の印刷用紙2の場合には、押圧時間を延長するようにする。この場合には、固定カム46aはそのままで、可動カム46bを固定しているネジ47を緩め、可動カム46bのみを時計回り方向にずらすようにする。このようにした場合、小径部46cの範囲が大きくなり、押圧時間が長くなる。
本実施形態ではネジを緩めてカムをずらし再度ネジを締め付ける方式を示したが、ステッピングモータ、ギヤ、センサ等を用いて操作パネル37から調整量を遠隔操作できるように構成してもよい。
【0070】
図14乃至図16に第4の実施形態を示す。本実施形態では、噴射ノズルと押圧手段の連動動作が、共通のカム機構により所定のタイミングでなされることを特徴とする。
本実施形態におけるシート分離装置5Bは、エアー源を一体に備え、回転軸156に固定された噴射ノズル157と、回転軸156に固定されたアーム158と、ノズル駆動カムとして機能し、図示しない駆動源の回転軸160に固定された駆動カム159と、駆動カム159の中心から偏心した位置に設けられた軸159aとアーム158の端部に設けられた軸158a間に回転自在に連結されたリンク161を有している。駆動カム159は回転軸160の長手方向に間隔をおいて複数設けられている。
押圧手段6Bでは、押圧駆動カムとして機能する共通の駆動カム159と、支柱43(図示省略)の軸43aに回動自在に支持された押圧レバー150と、該押圧レバー150のカムフォロア45と反対側の端部に設けた軸150aを支点として回動自在に支持された従動レバー151が設けられている。従動レバー151は押圧レバー150の下面に沿うストッパとしての曲げ片151aを有しており、押圧レバー150に対して反時計回り方向にのみ回転できるようになっている。従動レバー151の先端部には押圧部材152が設けられている。
押圧部材152は、押圧時の印刷用紙2に対する接触痕が残らないように、円筒状又は円柱形状を有し、従動レバー151の先端部に回転自在に支持されている。押圧部材152は、押圧片14と同様に、印刷用紙2の幅方向に延びる長さを有している。なお、既述したように、押圧手段6Bはシート分離装置5Bの一要素である。
【0071】
本実施形態における印刷用紙2の分離動作(隙間形成動作)及び搬送動作は第1の実施形態と同様である。
すなわち、図示しない印刷スタートボタンが押されると、図14に示すように、印刷用紙2が積載されたトレイ3が図示しない給紙台昇降機構によって吸着搬送手段4に向け上昇を開始する。
吸着搬送手段4と、トレイ3に載置された印刷用紙2の最上位の印刷用紙2aとの間が所定の間隔(用紙上面が適正高さ)になった時点で用紙位置検知センサ7(省略)が最上位の印刷用紙2aを検知し、トレイ3が停止するように図示しない給紙台昇降機構が制御手段16により制御される。
印刷動作が進むに連れて用紙上面位置が適正でないことが用紙位置検知センサ7によって検知されると、必要量だけトレイ3が吸着搬送手段4に向けて移動及び停止する制御が繰り返しなされる。
【0072】
印刷用紙2の上面2aが適正高さになってトレイ3の上昇が停止すると、所定のタイミングにて噴射ノズル157へのエアー源からのエアー供給と、吸着搬送手段4においてはエアー吸引源21からのエアー吸引が開始され、それと同時に噴射ノズル157と押圧手段6Bを揺動すべくそれらの共通の駆動源である駆動カム159の駆動が開始される。
押圧手段6Bの押圧部材152が非押圧位置にある状態で、噴射ノズル157から印刷用紙2の搬送方向下流側端面に向けてエアーが吹き付けられ、徐々に印刷用紙2間にエアーが入り込む。駆動カム159が回転しその小径部159bにカムフォロア33が達すると、図15に示すように、噴射ノズル157がエアーを印刷用紙2の端面に吹き付けたまま吸着搬送手段4に向けて揺動を始め、噴射ノズル157が上死点に至るとほぼ同時に押圧手段6Bが用紙上面2aの押圧を開始する。
【0073】
噴射ノズル157が吸着搬送手段4に向けて揺動していく過程において、空気流の中心が吸着搬送手段4に近接した印刷用紙2間に順次移動していくことにより、用紙群端面に噴射する空気流の中心線に対してその上に残った用紙枚数(重さ)が徐々に少なくなっていく為、用紙群のうち、吸着搬送手段4に対して遠い部分から近い部分にかけて、エアーによって形成される隙間が徐々に大きくなる。
また、空気流の中心を挟み、トレイ3側の印刷用紙2は順次トレイ3側に戻されていくため、エアーによる用紙分離が促進されることになる。サイズが小さく重さが軽い印刷用紙2の場合、エアーによりトレイ3側に戻される際に、その勢いでトレイ3上の印刷用紙2よりもさらに後方に戻される場合があるので、そのような場合には用紙後端部にエンドフェンス38を設ければよい。
【0074】
押圧手段6Bによる用紙押圧が完了すると、それまで印刷用紙2間に行き渡っていたエアーがその時点で遮断されることになる。行き場を失った空気流の膨らみにより、図16に示すように、押圧部材152より搬送方向下流側の最上位の印刷用紙2aが吸着搬送手段4側に更に持ち上げられ吸引される。
駆動カム159が更に回転して押圧レバー150が上方への回動を開始して押圧部材152が搬送される印刷用紙2の上面から離れると、所定タイミングを経て吸着搬送手段4による印刷用紙2の搬送が開始される。駆動カム159が更に回転することにより、噴射ノズル157は徐々に下方に向けて揺動され、次の搬送に向けて再び2枚目以下の印刷用紙2の予備分離を同時に行う。
搬送された印刷用紙2がレジストローラ対9の手前の用紙検知センサ10により検知されると、所定時間経過後に吸着搬送手段4の搬送動作が停止するように制御される。更にレジストローラ対9の用紙搬送負荷を減らしたい場合には、レジストローラ対9の印圧部120へ向けた駆動を開始するタイミングに合わせて吸着搬送手段4の吸着を停止するように制御してもよい。
【0075】
図17に、第5の実施形態を示す。本実施形態では、噴射ノズル24又は噴射ノズル157による空気流の噴射方向下流側(用紙搬送方向上流側)において印刷用紙2間に隙間を形成するシート後端側隙間形成手段162を有していることを特徴とする。シート後端側隙間形成手段162により印刷用紙2の後端側にも隙間を形成して搬送される印刷用紙2の抵抗を低減して搬送性を向上させることを目的としている。
シート後端側隙間形成手段162は、本実施形態においては、噴射ノズル24又は噴射ノズル157による空気流の噴射方向と略直交する印刷用紙2の幅方向において印刷用紙2の束の端面に空気流を噴射する構成を有している。具体的には、印刷用紙2の束の端面に空気流を噴射するファン162aと、図示しない装置側板に固定され、ファン162aを駆動する駆動機構162bを有している。
【0076】
シート後端側隙間形成手段162の近傍には、吸着搬送手段4に最も近接した最上位の印刷用紙2aの位置を検知するシート位置検知手段としての反射型のフォトセンサ163が設けられている。フォトセンサ163が上記用紙位置検知センサ7を兼ねる構成としてもよい。
制御手段16は、トレイ3が上昇し、吸着搬送手段4との間に所定の間隔を空けて停止した時点での最上位の印刷用紙2aとシート後端側隙間形成手段162が作動した後における上記最上位の印刷用紙2a間の高低差を演算し、演算結果が所定量を超えないように、シート後端側隙間形成手段162による空気流の噴射力を調整するようになっている。
図17(a)は、トレイ31が上昇し、吸着搬送手段4との間に所定の間隔を空けて停止した時に、吸着搬送手段4に一番近接した1枚目の印刷用紙2aの位置をフォトセンサ163によって検知している様子を示している。
図17(b)は、シート後端側隙間形成手段162が作動した後において、吸着搬送手段4に一番近接した1枚目の印刷用紙2aを含む印刷用紙群がファン162aからの空気流で浮揚し、その時に最上位の印刷用紙2aの位置を検知している様子を示している。
【0077】
図17(a)、(b)に示す状態でフォトセンサ163により得られた数値をそれぞれh1、h2とすると、H1−H2=Mの演算結果が得られる。その結果が実験によって得られたM0に対しM>M0であった場合、制御手段16は、シート後端側隙間形成手段162からの空気流で印刷用紙2aが必要以上に浮揚していると判断し、MがM0を超えないようにシート後端側隙間形成手段162からの空気流の強弱制御を行う。
これにより、印刷用紙2の後端側の用紙間に、より広範囲に適切な隙間を安定して形成でき、用紙間の摩擦カを低減できるので、2枚目以降の摩擦力(ブレーキ力)によって1枚目と吸着搬送手段4との間でスリップすることによる搬送不良(不送り)を防止することが可能となるとともに、印刷用紙2の後端部が空気流でばたつくことによる搬送不良(例えばジャムやスキュー)を未然に防止することが可能となる。
【0078】
図18に、シート後端側隙間形成構成の変形例(第6の実施形態)を示す。本実施形態では、シート後端側隙間形成手段がトレイ3と共に昇降可能に設けられ、且つ、印刷用紙2の積載方向に移動可能に設けられていることを特徴としている。
トレイ3の吸着搬送手段4よりも上流側(用紙後端側)に相当する部分には、印刷用紙2の搬送方向と直交する幅方向の位置を規制するシート幅規制手段としての一対のサイドフェンス164が設けられており、これらのサイドフェンス164にはシート後端側隙間形成手段162が一体に設けられている。
サイドフェンス164の下端側には駆動モータ165が設けられており、該駆動モータ165の回転軸には駆動プーリ166が固定されている。サイドフェンス164の上端側にはブラケット167が固定されており、該ブラケット167には従動プーリ168が回転自在に支持されている。駆動プーリ166と従動プーリ168間にはベルト169が掛け回されており、該ベルト169にシート後端側隙間形成手段162が固定されている。従って、駆動モータ165を動作させることによりシート後端側隙間形成手段162を上下方向(印刷用紙2の積載方向)に移動させることができる。シート後端側隙間形成手段162の移動範囲に対応するサイドフェンス164の部位には空気流通過用の開口部が形成されている。
【0079】
制御手段16は、フォトセンサ163からの信号により、シート後端側隙間形成手段162を常に吸着搬送手段4に一番近接した1枚目の印刷用紙2aを含む用紙群の端面に対応する位置に移動させる制御を行う。これにより、印刷用紙2が搬送されていく毎に減っていく印刷用紙2の束において、常に、吸着搬送手段4に一番近接した1枚目の印刷用紙2aを含む用紙間に隙間を形成することができる。
制御手段16は、該制御手段16によって決められたシート後端側隙間形成手段162の位置をスタートの基準とし、印刷用紙2が搬送されていく毎に変化するフォトセンサ163からの検知信号に基づいてシート後端側隙間形成手段162を常に吸着搬送手段4に一番近接した1枚目の印刷用紙2aを含む用紙群の端面に対する位置に移動させる位置制御手段としても機能する。
シート後端側隙間形成手段162の位置を確実に検知するために、ブラケット167に支持された位置検知手段としてのフォトセンサ170を併用してもよい。
また、シート後端側隙間形成手段162の上限、或いは下限位置を検知する図示しない検知手段を設け、ベルト169を駆動する手段として図示しないステッピングモータを用いれば、フォトセンサ163からの信号に対応して、ステップ数でシート後端側隙間形成手段162の位置管理を行うことも可能である。
【0080】
図19に、シート後端側隙間形成構成の他の変形例(第7の実施形態)を示す。
本実施形態では、サイドフェンス164にシート後端側隙間形成手段162が印刷用紙2の積載方向に複数個(本実施形態では3個)一体に設けられている。制御手段16は、フォトセンサ163からの信号に基づき、吸着搬送手段4に一番近接した1枚目の印刷用紙2aを含む用紙群の端面に対応する必要なシート後端側隙間形成手段162のみを上から順に駆動させるようになっている。
本実施形態では、必要なシート後端側隙間形成手段162のみをスイッチング制御するだけで、シート後端側隙間形成手段162を上下に移動させる機構が必要ないので、装置の簡略化が実現できる。
【0081】
図19に示す構成において、フォトセンサ163を省き、各サイドフェンス164に1個ないし複数個のシート後端側隙間形成手段162を取り付け、常時駆動させるようにしてもよい。
この場合、実際には吸着搬送手段4に一番近接した1枚目の印刷用紙2aを含む用紙群付近の用紙間のみにエアーが入り込んで隙間が形成され、それより下の部分には印刷用紙2の重みでエァーはほとんど入り込まず密着したままであるので、フォトセンサ163は特には必要が無く、簡単な構成のみで搬送されようとしている印刷用紙2間のみに隙間を形成することができる。
なお、図18、図19のいずれの場合でも、シート後端側隙間形成手段162の非駆動時における最上紙位置検出結果H1と、シート後端側隙間形成手段162駆動時の検出結果H2から算出されたデータMに基づき、制御手段16によりシート後端側隙間形成手段162の位置を変更したり、印刷用紙2の側面に吹き付ける空気流の強さを変えたり、或いは駆動するシート後端側隙間形成手段162をスイッチングしたり等の制御を行い、最上紙2aが必要以上に浮揚しないようにすることが可能である。
【0082】
図18に示したような、シート後端側隙間形成手段162が印刷用紙2の積載方向に移動可能な構成において、吸着搬送手段4が動作を開始してから印刷用紙2が吸着されるまでの時間を計測するタイマー手段を設け、制御手段16は、該タイマー手段にて計測した結果が所定時間を超えた場合に、シート後端側隙間形成手段162を作動させ、トレイ3が上昇し吸着搬送手段4との間に所定の間隔を空けて停止した時点での最上位の印刷用紙2aとシート後端側隙間形成手段162が作動した後における上記最上位の印刷用紙2a間の高低差を演算し、演算結果が所定量を超えないようにシート後端側隙間形成手段162の位置(シート後端側隙間形成手段162による空気流の位置)を移動させるかあるいはシート後端側隙間形成手段162による空気流の噴射力を調整するようにしてもよい。
【0083】
図18に示したような、シート後端側隙間形成手段162が印刷用紙2の積載方向に移動可能な構成において、トレイ3が上昇し吸着搬送手段4との間に所定の間隔を空けて停止した時点での最上位の印刷用紙2aとシート後端側隙間形成手段162が作動した後における上記最上位の印刷用紙2a間の高低差を演算し、演算結果が所定量を超えないようにシート後端側隙間形成手段162による空気流の噴射力を調整する制御手段16と、該制御手段によって決められたシート後端側隙間形成手段162の空気流の噴射力の状態を保持したまま、印刷用紙2が搬送されていく毎に変化するフォトセンサ163からの検知信号に基づいてシート後端側隙間形成手段162を常に吸着搬送手段4に最も近接した最上位の印刷用紙2aを含む用紙群の端面に対する位置に移動させる位置制御手段を有している構成としてもよい。この場合、位置制御手段は制御手段16が兼ねることができる。
【0084】
図20及び図21に第8の実施形態を示す。
本実施形態では、シート後端側隙間形成手段162が、空気流の噴射方向と略直交する印刷用紙2の幅方向から印刷用紙2の後端方向にかけて変位可能に設けられ、印刷用紙2の束の端面に空気流を噴射する構成を有していることを特徴とする。
印刷用紙2のサイズが大きい(搬送方向に長い)場合や、大きいサイズで紙厚が厚い場合には、通常サイズの印刷用紙2に比べてより後端側に空気流を噴射した方がシート後端側隙間形成手段162の隙間形成機能を十分に発揮させることができる。本実施形態ではこの考えの下、シート後端側隙間形成手段162の空気流を印刷用紙2のサイズに応じて後端側へ変位可能としている。
【0085】
図20に示すように、サイドフェンス164には上下に間隔をおいて水平方向に延びるブラケット182、183が固定されており、ブラケット182、183間には、複数個(本実施形態では3個)のシート後端側隙間形成手段162が印刷用紙2の積載方向に固定されたフレーム183が上端側を軸184で、下端側を軸185でそれぞれ軸支されて回動可能に設けられている。軸184と軸185は同一軸心上に位置している。
図21に示すように、上端側のブラケット182には、長孔182aが形成されており、該長孔182aに挿通して固定ネジ186がフレーム183の上面に形成された図示しないネジ孔に螺合されている。従って、固定ネジ186の緩め・締め付け操作によってフレーム183を長孔182aの範囲内で任意の位置に回動して固定できるようになっている。
【0086】
印刷用紙2が例えばA4サイズのように普通サイズの場合には、2点鎖線で示すように、シート後端側隙間形成手段162が印刷用紙2の幅方向に向けて空気流を噴射するようにフレーム183が固定される。
印刷用紙2が例えばA3サイズのように大きい場合には、実線で示すように、固定ネジ186を緩めてシート後端側隙間形成手段162が印刷用紙2の後端側へ向くように回動し、固定する。フレーム183を回動した場合、空気流afはより後端側へ向けて噴射される。シート後端側隙間形成手段162の噴射力の調整等の制御は上記各実施形態と同様である。
本実施形態では手動操作によりシート後端側隙間形成手段162を回動変位させる構成としたが、ギアとステッピングモータ等を用いて自動的に回動変位させる構成としてもよい。
【0087】
上述したシート後端側隙間形成手段の諸構成は、本発明の特徴である、変位する噴射ノズルとの組み合わせの場合に限らず、従来における固定式の噴射ノズル構成との組み合わせにおいても、その印刷用紙2の搬送性の向上を図ることができる。
【0088】
図22に第9の実施形態を示す。本実施形態では、シート分離装置5によって分離が可能か否かを印刷用紙2の種類によって判断し、種類に応じて搬送形態を変えることを特徴とする。
本実施形態では、吸着搬送手段4が用紙搬送方向下流側を支点として、すなわち、回転軸18aを支点として印刷用紙2に対して接離する方向に回動自在に設けられている。吸着搬送手段4の右側近傍には、吸着搬送手段4の用紙搬送方向上流側の印刷用紙2に対する近接位置を規制する位置規制手段としてのL字状のブラケット171が図示しない装置側板に固定されて設けられている。このブラケット171に吸着箱20に固定されたL字状の係合片20cが係合することにより吸着搬送手段4の位置規制がなされている。
【0089】
ブラケット171の右側には、吸着搬送手段4に最も近接した最上位の印刷用紙2aの位置を検知し且つトレイ3の昇降方向に移動可能に設けられ、吸着搬送手段4の用紙搬送方向上流側と印刷用紙2aとの間に所定の間隔を維持するためのシート位置検知手段172が設けられている。シート位置検知手段172はその上端部に係合片172aを有しており、図示しない装置側板に固定されたガイド部材174の下端174aに係合片172aが当接することにより通常(シート分離装置5によって分離できる印刷用紙2の場合)の位置決めがなされるようになっている。シート位置検知手段172は自重により通常の位置決めがなされており、下側からの押圧力によって上昇可能となっている。
また、吸着搬送手段4の上部には、吸着搬送手段4の回動範囲における該吸着搬送手段4の搬送面が印刷用紙2と略平行に接触する上限位置を検知する回動上限位置検知手段173が設けられている。
【0090】
操作パネル37には、印刷用紙2の種類を入力する図示しないシート種類入力手段が設けられており、該シート種類入力手段からの情報に基づいて制御手段16は、シート分離装置5により分離可能な印刷用紙かどうかを判断する。
分離可能な印刷用紙の場合には、図22(a)に示すように、上述した実施形態と同様に、シート位置検知手段172からの検知信号に基づいて吸着搬送手段4の用紙搬送方向上流側と印刷用紙2との間に所定の間隔を維持するようにトレイ3の昇降を制御する。
空気流噴射によっても分離困難な印刷用紙の場合には、制御手段16は、シート位置検知手段172からの検知信号に拘わらずトレイ3を上昇させ、シート位置検知手段172を上方に追従移動させながら吸着搬送手段4を反時計回り方向に回動させる。そして回動上限位置検知手段173により吸着搬送手段4が検知されるまでトレイ3の上昇移動を制御する。
分離可能な印刷用紙の場合には、既述したように、シート分離装置5により分離した後、吸着搬送手段4により吸着して搬送する。空気流噴射によっても分離困難な印刷用紙の場合には、吸着搬送手段4の重さと空気の負圧作用の両方によって搬送面に発生する摩擦搬送力により搬送する。
なお、この場合には、空気流を噴射するエアー源は停止させても分離性には影響は無く、もちろん吸着搬送手段4に接していない部分の用紙間に対して少しでも空気流を導入させるためエアー源を作動させたままでもどちらでもよい。
【0091】
図23に、押圧手段6の変形例(第10の実施形態)を示す。
本実施形態における押圧手段6Cでは、軸43aに回動自在に支持された押圧レバー150と、該押圧レバー150のカムフォロア45と反対側の端部に設けた軸150aを支点として回動自在に支持された従動レバー151が設けられている。従動レバー151は押圧レバー150の下面に沿うストッパとしての曲げ片151aを有しており、押圧レバー150に対して反時計回り方向にのみ回転できるようになっている。
また、従動レバー151にその長手方向に延びる長孔151bが形成されており、この長孔151bに上記軸150aが係合している。押圧レバー150の上記曲げ片151aの近傍には突起150bが形成されており、曲げ片151aが突起150bの反対側に位置するように従動レバー151を移動させると、図23(b)に示すように、従動レバー151の先端部に設けられた押圧部材152が印刷用紙2を押圧しない退避位置に設定されるようになっている。
【0092】
押圧レバー150には、従動レバー151が退避位置に設定されているかどうかを検知するための検知センサ153が設けられている。検知センサ153による検知情報は制御手段16に入力され、制御手段16は表示手段としての例えば操作パネル37の図示しない液晶表示部に退避位置にあることを表示する。
押圧部材152は、押圧時の印刷用紙2に対する接触痕が残らないように、円筒状又は円柱形状を有し、従動レバー151の先端部に回転自在に支持されている。押圧部材152は、押圧片14と同様に、印刷用紙2の幅方向に延びる長さを有している。本実施形態では、押圧駆動カムとして、ノズル駆動カム40と同様のものを使用している。
【0093】
押圧駆動カム40が図示しない駆動手段によって回転すると、カムフォロア45はやがて押圧駆動カム40の小径部40aに達する。押圧部材152はカムフォロワ45が押圧駆動カム40の小径部40aに達する前に印刷用紙2の上面2aに接するように構成され、小径部40aに達するまで押圧部材152が押圧接触したまま押圧レバー150のみが押圧駆動カム40の曲線(カム面)に従い、軸43aの回りに更に揺動するようになっている。従動レバー151は反時計回り方向に回動自在であるので、押圧部材152は従動レバー151を含む自重のみで印刷用紙2を押圧する。
【0094】
従動レバー151を一旦右側にずらして、曲げ片151aを突起150bに突き当てた状態にすると、図23(b)に示すように、カムフォロア45が押圧駆動カム40の小径部40aに達しても押圧部材152は常時印刷用紙2の上面から隙間を有する退避位置に保持される。
従動レバー151のずらし操作によって上記検知センサ153がオン・オフするようになっており、オペレータは操作パネル37の液晶表示部を見て現在の押圧部材152の状況を確認することが可能となる。
印刷用紙2の種類によっては、上述したように、押圧手段を使用することが却って逆効果となる場合がありそのような条件下では押圧部材152は退避位置に設定される。
【0095】
図24に、押圧手段6Cの変形例(第11の実施形態)を示す。
本実施形態における押圧手段6Dでは、オペレータが手動で従動レバー151をずらして退避位置に設定することを自動的に行うことを特徴としている。
従動レバー151には上方に立ち上がるブラケット151cが一体に形成されており、押圧レバー150にはソレノイド154が設けられている。ソレノイド154の伸縮ロッド154aとブラケット151cはリンク155で接続されており、リンク155のブラケット151c側の端部は該ブラケット151cに設けられた軸151dに回動自在に連結されている。検知センサ153は押圧レバー150に固定された図示しないブラケットにより支持されている。
【0096】
オペレータが操作パネル37を介して押圧部材152の退避設定を入力すると、制御手段16はソレノイド154に通電してソレノイド154をオン(吸引)し、これにより従動レバー151は上方に回動して押圧部材152は退避位置に設定される。
押圧部材152の働き等は、図23で示した例で述べた内容と全く同じである。
従動レバー151はソレノイド154に連結されてはいるが、図23の説明でも述べたように、押圧部材152はカムフォロワ45が押圧駆動カム40の小径部40aに達する前に印刷用紙2の上面2aに接し、その後押圧部材152が押圧接触したまま押圧レバー150は押圧駆動カム40の曲線(カム面)に従い、軸43aの回りに揺動するようになっているために、リンク155とソレノイド154との間あるいは、リンク155と従動レバー151との間には適度な遊びを設けている。
【0097】
図22で示した構成と、図23で示した押圧手段6Cとを組み合わせた場合では、ユーザーにより図示しない上記シート種類入力手段により入力された種類がシート分離装置5により隙間が形成可能な印刷用紙(標準紙)か、隙間形成が困難な印刷用紙(厚紙等)かどうかと、押圧手段6Cが退避位置にセットされたかどうかの信号データとの組み合わせによって、印刷用紙2が積載されたトレイ3は制御手段16により以下のように移動制御されるようになっている。
【0098】
(1)シート種類入力手段より標準紙と入力され、押圧手段6Cが退避位置にセットされていない場合:
シート位置検知手段172により吸着搬送手段4とトレイ3に積載された印刷用紙2aとの間に常に所定の間隔を維持するようにトレイ3を移動制御する。
(2)シート種類入力手段より厚紙と入力され、押圧手段6Cが退避位置にセットされている場合:
シート位置検知手段172で検知したまま、吸着搬送手段4に印刷用紙2aを接触させ、ブラケット171で保持された位置から更に吸着搬送手段4を上方に回動させ、吸着搬送手段4の回動箪囲に設けた回動上限位置検知手段173で吸着搬送手段4が検知されるまでトレイ3を移動制御する。
(3)シート種類入力手段より標準紙と入力され、押圧手段6Cが退避位置にセットされている場合:
シート位置検知手段172により吸着搬送手段4と印刷用紙2aとの間に常に所定の間隔を維持するようにトレイ3を移動制御するとともに、図示しない液晶表示部に押圧手段6Cが退避状態であることを表示(警告)する。
(4)シート種類入力手段より厚紙と入力され、押圧手段6Cが退避位置にセットされていない場合:
シート位置検知手段172で検知したまま、吸着搬送手段4に印刷用紙2aを接触させ、ブラケット171で保持された位置から更に吸着搬送手段4を上方に回動させ、回動上限位置検知手段173で吸着搬送手段4が検知されるまでトレイ3を移動制御するとともに、液晶表示部に押圧手段6Cが退避していないことを表示(警告)する。
【0099】
図22で示した構成と、図24で示した押圧手段6Dとを組み合わせた場合では、吸着搬送手段4によって該吸着搬送手段4より下流側にあるレジストローラ対9に向けて搬送されてきた印刷用紙2の、レジストローラ対9のニップ部への到達を検知する用紙検知センサ10と、印刷用紙2が吸着搬送手段4によって搬送が開始されてから用紙検知センサ10が検知動作するまでの時間を計測する図示しないタイマー手段としてのタイマーが設けられることによって、トレイ3は以下のように移動制御されるようになっている。
【0100】
(1)印刷用紙2の、レジストローラ対9のニップ部への到達する時間が所定時問より長い場合、押圧手段6Dを非押圧位置から更に退避した退避位置に移動するとともに、ブラケット171で保持された位置から吸着搬送手段4に印刷用紙2を接触させた上で更に吸着搬送手段4を上方に回動させ、回動上限位置検知手段173で吸着搬送手段4が検知されるまでトレイ3を移動制御する。
(2)印刷用紙2の、レジストローラ対9のニップ部への到達する時間が所定時間より短い場合、押圧手段6Dを退避位置から非押圧位置に移動するとともに、吸着搬送手段4と印刷用紙2との間にシート位置検知手段172により常に所定の間隔が維持されるまで前記トレイ1を移動制御する。
なお、上記の所定時間とは、実験によって求められた許容できる吸着搬送手段4と印刷用紙2間のスリップ率から計算された時間であり、全くスリップしない、すなわち印刷用紙2間の摩擦抵抗が極端に小さく、重送が発生する危険性がある場合にはレジストローラニップ部への印刷用紙2の到達時間が所定時間よりも短くなるので、このような場合には逆に搬送力を重送が発生しにくい状態まで弱める制御モードに変更する必要がある(後述の吸着搬送手段4の吸着力調整)。本構成においても、用紙検知センサ10により印刷用紙2先端が検知されてから所定時間経過後に吸着搬送手段4の搬送が停止され、レジストローラ対9の用紙搬送負荷を減らしたい場合には、レジストローラ対9による搬送の開始タイミングに合わせて吸着搬送手段4の吸着を停止するように制御してもよい。
【0101】
図25及び図26に、第12の実施形態を示す。本実施形態では、吸着搬送手段4の印刷用紙2の吸着力を調整可能であることを特徴とする。
図25(a)に示すように、吸着箱20の一部に、印刷用紙2の搬送方向に延びる矩形の窓20dが形成されており、窓20dの内部には吸着力の強さを示す矢印をかねた取手175aを有するスライド扉175が設けられている。スライド扉175は、窓20dが形成された吸着箱20の側面の内側に設けられたガイド20eによってガイドされる。
図25(a)は、スライド扉175の全閉状態を示しており、吸着力は最大になる。図25(b)は、スライド扉175が略半分開かれた状態を示しており、この場合吸着力は中レベルとなる。
スライド扉175を開いたり閉じたりすることによって容易に印刷用紙2の吸着力を可変できるため、特別な電子回路により吸引源であるファンモータ23bへの印加電圧を変えて回転数(吸引力)を変える必要は無くなる。
もちろん、上記のようにスライド扉175を開け閉めする方式ではなく、ファンモータ23bの回転数を変えることによって吸引力を強弱制御することも可能である。
【0102】
図27に、第13の実施形態を示す。本実施形態では、印刷用紙2の分離機能をさらに高めることを目的としている。
吸着搬送手段4の搬送面下流側には、用紙搬送方向前方側のローラ部材18に対して用紙搬送面を挟んで対向する位置に摩擦部材176が設けられている。摩擦部材176は、前方のローラ部材18に向けて所定の圧力で搬送ベルト17に接触するように設けられている。又、ローラ部材18と同軸上に設けた搬送ローラ22に接触するように設けてもよい。
摩擦部材176は、ホルダ177に保持されており、該ホルダ177は、面板8に固定されたブラケット178に一端側を支持されたバネ179によりローラ部材18あるいは、搬送ローラ22方向へ付勢されている。
印刷用紙2の種類によっては、噴射ノズル24の空気流や押圧手段6でも完全に分離させることが困難なものも存在する。このような場合には、用紙搬送方向下流側で、用紙搬送面を挟んで下方からローラ部材18あるいは、搬送ローラ22に向けて摩擦部材176を圧接させることにより、従来周知の摩擦分離機能を併用することが可能になり、用紙分離動作をより確実に行うことができる。
また、通常搬送時には摩擦部材176の反力と搬送部材(搬送ベルト17或いは搬送ローラ)の摩擦係数により搬送力が加わるため、吸着搬送手段4全体のシート搬送力を増大させることになる。
【0103】
図28に、第14の実施形態を示す。本実施形態では、印刷用紙2の分離機能(特に重送防止機能)をさらに高めることを目的としている。
面板8の上端には、搬送待機状態の印刷用紙2の先端部が面板8に突き当てられた位置から摩擦部材176側にずれ込まないように、シート阻止部材180が設けられている。シート阻止部材180は、吸着搬送手段4の用紙搬送面に対向して配置され且つ該搬送面との間に搬送待機状態の印刷用紙2が進入しない程度の隙間を形成するように設けられている。
シート阻止部材180を設けない場合には、図29に示すように、最上位の印刷用紙2aが搬送されるにつれて、2枚目以降の印刷用紙2が用紙間の摩擦力により徐々に摩擦部材176側にずれ込んでしまい、吸着搬送手段4に一番近接した1枚目の印刷用紙2aを含む用紙群の端面に対して噴射ノズル24が空気流を噴射しても互いの用紙間に十分な隙間を形成させることが困難になってしまう。これに対し、シート阻止部材180を設ける構成とした場合、印刷用紙2の先端部が効果的にシート阻止部材180で進入が阻止されるため、噴射ノズル24により2枚目以降の用紙間に効率的に隙間が形成されて予備分離を確実に行うことができる。
【0104】
上記各実施形態で述べたシート給送装置を、従来装置への着脱が可能にユニット化してもよい。すなわち、従来装置における着脱可能なシート給送装置との互換性を持たせるようにしてもよい。このようにすれば、従来装置においても上述した高精度なシート分離・搬送機能を容易に得ることができる。
【0105】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、シート分離装置において、空気流を発生するエアー源と、該エアー源からの空気流を噴射する噴射ノズルを有し、少なくとも上記噴射ノズルが、シートが積載されたシート束の該積載方向に変位可能に設けられ、上記噴射ノズルを空気流を噴射させながら上記シート束の端方向へ変位させて該シート束の端部の各シート間に隙間を形成し、最終的に最端のシートを他のシートと分離する構成としたので、噴射ノズル変位によって空気流中心線、つまり、流速が一番強いポイントを結んだ線で、シートの幅方向とほぼ平行に存在する線よりも上に残るシート枚数が徐々に少なくなっていくにつれて、シート間に形成される隙間は徐々に大きくなっていくとともに単一噴射流によってシート先端部のばたつきが抑制されるので、空気流によるシート分離の確実性を高めることができる。
【0106】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載のシート分離装置において、空気流の噴射方向と略直交するシートの幅方向において、上記噴射ノズルの変位動作に連動して所定のタイミングで上記最端のシートをその積載方向に押圧し、該最端のシートとその次のシートとの間における空気流の通り抜けを妨げる押圧手段を有している構成としたので、空気流の滞留及び膨張作用により最端のシートと他のシートを迅速且つ確実に分離することができる。
【0107】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載のシート分離装置において、上記押圧手段による押圧タイミング及び押圧時間を調整可能に設けられている構成としたので、シートの種類や環境条件に合わせて最適な分離機能を得ることができる。
【0108】
請求項4記載の発明によれば、請求項1又は2記載のシート分離装置において、上記噴射ノズルから空気流を噴射し始めるタイミングと噴射する時間を調整可能に設けられている構成としたので、シートの種類や環境条件に合わせて最適な分離機能を得ることができる。
【0109】
請求項5記載の発明によれば、請求項2記載のシート分離装置において、上記押圧手段のシートに押圧接触する部分が、湾曲面形状を有している構成としたので、シートに対する接触痕を残すことがなく、押圧手段による損傷付与を防止できる。
【0110】
請求項6記載の発明によれば、請求項1又は2記載のシート分離装置において、上記噴射ノズルが、シートの搬送方向と略直交するシートの幅方向に移動可能に設けられている構成としたので、シート先端部に対するエアーの噴出口をシート搬送方向と直交する方向に移動可能にすることによって、さまざまなサイズのシートにも最適なシート間隙間を形成することができる。また、噴射ノズルを2個用いれば、搬送するシートの幅が小さい場合や、シートが厚めの場合には2個の噴射ノズル間隔を狭くして、空気流を中央部に集中させたり、逆にシート幅が広い場合には両噴射ノズル間隔を広くしたりしての対応も可能である。
【0111】
請求項7記載の発明によれば、請求項1乃至6のうちの何れか1つに記載のシート分離装置において、上記最端のシートを他のシートと分離した後、上記噴射ノズルを空気流を噴射させながら逆方向に変位させ、上記最端のシート以外の残ったシート群の予備分離を行う構成としたので、2枚目以降のシートの分離機能を高めることができる。
【0112】
請求項8記載の発明によれば、請求項1又は2記載のシート分離装置において、上記噴射ノズルによる空気流の噴射方向下流側においてシート間に隙間を形成するシート後端側隙間形成手段を有している構成としたので、シート後端側のシート間の摩擦抵抗を低減でき、分離機能を高めることができる。
【0113】
請求項9記載の発明によれば、請求項8記載のシート分離装置において、上記シート後端側隙間形成手段が、シート束の端面に空気流を噴射する構成を有している構成としたので、シート後端側のシート間の摩擦抵抗を確実に低減でき、分離機能を高めることができる。
【0114】
請求項10記載の発明によれば、請求項8記載のシート分離装置において、上記シート後端側隙間形成手段が、空気流の噴射方向と略直交するシートの幅方向からシート後端方向にかけて変位可能に設けられ、シート束の端面に空気流を噴射する構成を有していることとしたので、シートサイズが大きい(搬送方向に長い)場合や、大きいサイズで紙厚が厚い場合にはシート後端側隙間形成手段をシートの後端側に変位させたり、あるいはシート積載方向と平行な軸周りに回転調整したりすることによって、シートサイズ及び種類に対応した隙間形成機能を得ることができる。
【0115】
請求項11記載の発明によれば、請求項9又は10記載のシート分離装置において、上記シート後端側隙間形成手段による空気流の噴射力を調整可能である構成としたので、シート後端側がばたつくことによるスキュー等の弊害を防止しながら、シート間の摩擦抵抗を確実に低減でき、分離性能を高めることができる。
【0116】
請求項12記載の発明によれば、請求項8記載のシート分離装置において、シート積載方向における上記シート後端側隙間形成手段の位置を調整可能である構成としたので、シート後端側がばたつくことによるスキュー等の弊害を防止しながら、シート間の摩擦抵抗を確実に低減でき、分離性能を高めることができる。
【0117】
請求項13又は36記載の発明によれば、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が、請求項1乃至12のうちの何れか1つに記載のものである構成としたので、上述した効果をそれぞれ得ることができる。
シートに対しn枚目とn+1枚目間から吸着搬送手段に一番近接した1枚目と2枚目間にかけて順次シート間に隙間が形成されるように噴射ノズルが変位動作することにより、シート群端面に噴射する空気流の中心線に対してその上に残ったシート枚数(重さ)が徐々に少なくなって行く為、シート群の内、吸着搬送手段に対して遠い部分から近い部分にかけて、エアーによって形成される隙間が徐々に大きくなる。それと同時に空気流中心線よりも下の部分はトレイ側に戻されることになる。よって、噴射される空気流による分離が確実に行われる。
【0118】
請求項14又は36記載の発明によれば、請求項13記載のシート給送装置において、上記吸着搬送手段が、複数の吸引孔を有しシート搬送方向と略直交するシート幅方向に間隔をおいて複数本設けられた無端状の搬送ベルトと、少なくともシート搬送方向前後に配置され上記搬送ベルトを支持するローラ部材を有し、これらのローラ部材のうち少なくとも一方には、上記搬送ベルトを支持する支持ローラとは別にシートを上記搬送ベルトとは独立に搬送する搬送ローラが上記支持ローラと同軸上に設けられている構成としたので、吸着搬送手段によるシート吸引力が及びにくい部分でのシート搬送力を向上させることができる。
【0119】
請求項15又は36記載の発明によれば、請求項13記載のシート給送装置において、上記吸着搬送手段が、複数の吸引孔を有しシート搬送方向と略直交するシート幅方向に間隔をおいて複数本設けられた無端状の搬送ベルトと、少なくともシート搬送方向前後に配置され上記搬送ベルトを支持するローラ部材を有し、これらのローラ部材のうち、シート搬送方向前方側のローラ部材に対してシート搬送面を挟んで対向する位置に設けられ、該前方側のローラ部材に向けて所定の圧力で上記搬送ベルトに接触する摩擦部材を有している構成としたので、吸着搬送手段によるシート吸引カが及びにくい部分でのシート搬送力の向上を図ることができるとともに、シート分離装置でも分離が不十分であつた場合には従来から一般的に行われている摩擦分離も併用でき、分離動作を確実に行うことができる。
【0120】
請求項16又は36記載の発明によれば、請求項13記載のシート給送装置において、上記吸着搬送手段が、複数の吸引孔を有しシート搬送方向と略直交するシート幅方向に間隔をおいて複数本設けられた無端状の搬送ベルトと、少なくともシート搬送方向前後に配置され上記搬送ベルトを支持するローラ部材を有し、これらのローラ部材のうち、シート搬送方向前方側のローラ部材と同軸上に該前方側のローラ部材間に位置して搬送ローラが設けられ、該搬送ローラに対してシート搬送面を挟んで対向する位置に設けられ該搬送ローラに向けて所定の圧力で接触する摩擦部材を有している構成としたので、吸着搬送手段によるシート吸引力が及びにくい部分でのシート搬送力の向上を図ることができるとともに、シート分離装置でも分離が不十分であった場合には従来から一般的に行われている摩擦分離も併用でき、分離動作を確実に行うことができる。
【0121】
請求項17又は36記載の発明によれば、請求項13記載のシート給送装置において、上記吸着搬送手段にシートが吸着されたことを検知するシート吸着検知手段を有し、該シート吸着検知手段からの検知信号に基づいて所定のタイミングで上記吸着搬送手段による吸着したシートの搬送を開始する構成としたので、吸着搬送手段におけるシートの搬送時のスベリを極力少なくすることができる。
【0122】
請求項18又は36記載の発明によれば、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記シート後端側隙間形成手段が、上記シート搬送方向上流側で且つ上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートを含むシート群の側面に対する所定の高さに設けられ、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知するシート位置検知手段と、上記トレイが上昇し上記吸着搬送手段との間に所定の間隔を空けて停止した時点での上記最端のシートと上記シート後端側隙間形成手段が作動した後における上記最端のシート間の高低差を演算し、その演算結果が所定量を超えないように上記シート後端側隙間形成手段による空気流の噴射力を調整する制御手段とを有し、常に上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの浮き上がり量が一定になるようにした構成としたので、シート分離装置だけでは十分にシート間に隙間が形成されないような、搬送方向に沿って長尺なシートであっても、また、シートが搬送され上記トレイ上のシートが少なくなっていっても、シート後端側のシート間に、より広範囲に適切な隙間を安定して形成でき、シート間の摩擦力を低減できるので、搬送不良(重送や不送り)を防止することができるとともに、シート後端部が空気流でばたつくことによる搬送不良(例えばジャムやスキュー)を未然に防止することができる。
【0123】
請求項19又は36記載の発明によれば、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記シート後端側隙間形成手段が、上記シート搬送方向上流側で且つシート積載方向に沿って昇降自在に設けられ、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知するシート位置検知手段と、上記シート後端側隙間形成手段を上記シート位置検知手段からの信号を基に、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートを含むシート群の端面に対する所定の位置に保持制御する制御手段とを有し、上記トレイが上昇し上記吸着搬送手段との間に所定の間隔を空けて停止した時点での上記最端のシートと上記シート後端側隙間形成手段が作動した後における上記最端のシート間の高低差を演算し、その演算結果が所定量を超えないように上記シート後端側隙間形成手段による空気流の噴射力を調整するか、上記シート後端側隙間形成手段による空気流の位置を移動するかの少なくともいずれか一方を行うことによって、常に上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの浮き上がり量が一定になるようにした構成としたので、シート分離装置だけでは十分にシート間に隙間が形成されないような、搬送方向に沿って長尺なシートであっても、また、シートが搬送され上記トレイ上のシートが少なくなっていっても、上記のような最適なシート間摩擦力低減方式を選択することによってシート後端側のシート間に、より広範囲に適切な隙間を安定して形成でき、シート間の摩擦力を低減できるので、搬送不良(重送や不送り)を防止することができるとともに、シート後端部が空気流でばたつくことによる搬送不良(例えばジャムやスキュー)を未然に防止することができる。
【0124】
請求項20又は36記載の発明によれば、請求項19記載のシート給送装置において、上記トレイに積載されるシートの搬送方向と略直交するシート幅方向の位置を規制し上記トレイと一体に昇降するシート幅規制手段を有し、上記シート後端側隙間形成手段が、上記シート幅規制手段においてシート積載方向に移動可能に設けられている構成としたので、シート分離装置だけでは十分にシート間に隙間が形成されないような、搬送方向に沿って長尺なシートであっても、また、シートが搬送され上記トレイ上のシートが少なくなっていっても、上記のような最適なシート間摩擦力低減方式を選択することによってシート後端側のシート間に、より広範囲に適切な隙間を安定して形成でき、シート間の摩擦力を低減できるので、搬送不良(重送や不送り)を防止することができるとともに、シート後端部が空気流でばたつくことによる搬送不良(例えばジャムやスキュー)を未然に防止することができる。
また、シート後端側隙間形成手段をシート幅方向規制手段(サイドフェンス)に取り付けた場合には、シート幅方向規制手段をシート側面に合わせさえすれば、シート後端側隙間形成手段とシート側面との相対的な位置関係を、例えトレイに積載されるシートのサイズが変更されても、常に適切に保つことができ、シート間に隙間を形成する動作を安定して行うことができる。
【0125】
請求項21又は36記載の発明によれば、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記トレイに積載されるシートの搬送方向と略直交するシート幅方向の位置を規制し上記トレイと一体に昇降するシート幅規制手段を有し、上記シート後端側隙間形成手段が上記シート幅規制手段においてシート積載方向に移動可能に設けられ、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知するシート位置検知手段と、上記シート後端側隙間形成手段を上記シート位置検知手段からの信号を基に、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートを含むシート群の端面に対する所定の位置に保持制御する制御手段と、上記吸着搬送手段にシートが吸着されたことを検知するシート吸着検知手段と、上記吸着搬送手段が動作を開始してからシートが吸着されるまでの時間を計測するタイマー手段とを有し、上記タイマー手段にて計測した結果が所定時間を超えた場合に、上記シート後端側隙間形成手段を作動させ、上記トレイが上昇し上記吸着搬送手段との間に所定の間隔を空けて停止した時点での上記最端のシートと上記シート後端側隙間形成手段が作動した後における上記最端のシート間の高低差を演算し、その演算結果が所定量を超えないように上記シート後端側隙間形成手段による空気流の噴射力を調整するか、上記シート後端側隙間形成手段による空気流の位置を移動するかの少なくともいずれか一方を行うことによって、常に上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの浮き上がり量が一定になるようにした構成としたので、シート分離装置だけでは十分にシート間に隙間が形成されないような、搬送方向に沿って長尺なシートであっても、また、シートが搬送され上記トレイ上のシートが少なくなっていっても、上記のような最適なシート間摩擦力低減方式を選択することによってシート後端側のシート間に、より広範囲に適切な隙間を安定して形成でき、シート間の摩擦力を低減できるので、搬送不良(重送や不送り)を防止することができるとともに、シート後端部が空気流でばたつくことによる搬送不良(例えばジャムやスキュー)を未然に防止することができる。
また、シート後端側隙間形成手段をシート幅方向規制手段(サイドフェンス)に取り付けた場合には、シート幅方向規制手段をシート側面に合わせさえすれば、シート後端側隙間形成手段とシート側面との相対的な位置関係を、例えトレイに積載されるシートのサイズが変更されても、常に適切に保つことができ、シート間に隙間を形成する動作を安定して行うことができる。
【0126】
請求項22又は36記載の発明によれば、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記シート後端側隙間形成手段がシート束の積載方向に複数配置され、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知するシート位置検知手段を有し、シートが搬送されていく毎に変化する上記シート位置検知手段からの検知信号に基づいて上記複数のシート後端側隙間形成手段のうちの最適な1つないし上下に連続した2つを選択して動作させる構成としたので、シート分離装置だけでは十分に隙間が形成されないような、搬送方向に沿って長尺なシートであっても、また、シートが搬送され前記トレイ上のシートが少なくなっていっても、簡単な構成でシート後端側のシート間により広範囲に適切な隙間を安定して形成でき、シート間の摩擦力を低減できるので、搬送不良(不送り)を防止することができるとともに、シート後端部が空気流でばたつくことによる搬送不良(例えばジャムやスキュー)を未然に防止することができる。
【0127】
請求項23又は36記載の発明によれば、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記シート後端側隙間形成手段がシート束の積載方向に複数配置され、シートの搬送に伴う最端のシートの位置変化に拘わらずこれらのシート後端側隙間形成手段を全て動作させる構成としたので、シート分離装置だけでは十分に隙間が形成されないような、搬送方向に沿って長尺なシートであっても、また、シートが搬送され前記トレイ上のシートが少なくなっていっても、簡単な構成且つ簡単な制御でシート後端側のシート間により広範囲に適切な隙間を安定して形成でき、シート間の摩擦力を低減できるので、搬送不良(不送り)を防止することができるとともに、シート後端部が空気流でばたつくことによる搬送不良(例えばジャムやスキュー)を未然に防止することができる。
【0128】
請求項24又は36記載の発明によれば、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記空気流の噴射方向下流側においてシート間に隙間を形成するシート後端側隙間形成手段を有している構成としたので、搬送方向に沿って長尺なシートであっても、また、シートが搬送され前記トレイ上のシートが少なくなっていっても、シート後端側のシート間により広範囲に適切な隙間を安定して形成でき、シート間の摩擦力を低減できるので、搬送不良(不送り)を防止することができるとともに、シート後端部が空気流でばたつくことによる搬送不良(例えばジャムやスキュー)を未然に防止することができる。
【0129】
請求項25又は36記載の発明によれば、請求項24記載のシート給送装置において、上記シート後端側隙間形成手段が、シート束の端面に空気流を噴射する構成を有している構成としたので、搬送方向に沿って長尺なシートであっても、また、シートが搬送され前記トレイ上のシートが少なくなっていっても、シート後端側のシート間により広範囲に適切な隙間を安定して形成でき、シート間の摩擦力を確実に低減できるので、搬送不良(不送り)を防止することができるとともに、シート後端部が空気流でばたつくことによる搬送不良(例えばジャムやスキュー)を未然に防止することができる。
【0130】
請求項26又は36記載の発明によれば、請求項24記載のシート給送装置において、上記シート後端側隙間形成手段が、空気流の噴射方向と略直交するシートの幅方向からシート後端方向にかけて変位可能に設けられ、シート束の端面に空気流を噴射する構成を有している構成としたので、シートサイズが大きい(搬送方向に長い)場合や、大きいサイズで紙厚が厚い場合にはシート後端側隙間形成手段をシートの後端側に変位させたり、あるいはシート積載方向と平行な軸周りに回転調整したりすることによって、シートサイズ及び種類に対応した隙間形成機能を得ることができる。
【0131】
請求項27又は36記載の発明によれば、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記吸着搬送手段がシート搬送方向下流側を支点としてシートに対して接離する方向に回動自在に設けられ、上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側のシートに対する近接位置を規制する位置規制手段と、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知し且つ上記トレイの昇降方向に移動可能に設けられ、上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側とシートとの間に所定の間隔を維持するためのシート位置検知手段と、上記吸着搬送手段の回動範囲における該吸着搬送手段の搬送面が上記シートと略平行に接触する上限位置を検知する回動上限位置検知手段と、シートの種類を入力するシート種類入力手段と、該シート種類入力手段からの情報に基づいて上記シート分離装置により分離可能なシートかどうかを判断し、分離可能なシートの場合には上記シート位置検知手段からの検知信号に基づいて上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側とシートとの間に所定の間隔を維持するように上記トレイの昇降を制御し、空気流噴射によっても分離困難なシートの場合には上記シート位置検知手段からの検知信号に拘わらず上記シート位置検知手段を移動させながら上記回動上限位置検知手段により検知されるまで上記トレイの昇降を制御する制御手段を有し、分離可能なシートの場合には上記シート分離装置により分離した後上記吸着搬送手段により吸着して搬送し、空気流噴射によっても分離困難なシートの場合には上記吸着搬送手段の重さと空気の負圧作用の両方によって搬送面に発生する摩擦搬送力により搬送する構成としたので、シートの種類に拘わらず確実に分離・搬送することができる。
【0132】
請求項28又は36記載の発明によれば、請求項27記載のシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項2記載のものであり、上記押圧手段が、上記吸着搬送手段が上記回動上限位置検知手段により検知される位置でシートに接触しない退避位置を有し、該退避位置を検知する退避位置検知手段が設けられ、上記制御手段は、空気流噴射によっても分離困難なシートの場合に上記押圧手段が上記退避位置に設定されていないとき又は分離可能なシートの場合に上記押圧手段が上記退避位置に設定されているときは警告をする構成としたので、シートの種類の違いによる搬送トラブルを未然に回避できる。
【0133】
請求項29又は36記載の発明によれば、請求項28記載のシート給送装置において、上記押圧手段が上記退避位置にあることを表示する表示手段を有している構成としたので、オペレータが状態を容易に把握することができる。
【0134】
請求項30又は36記載の発明によれば、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項2記載のものであり、上記吸着搬送手段がシート搬送方向下流側を支点としてシートに対して接離する方向に回動自在に設けられ、上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側のシートに対する近接位置を規制する位置規制手段と、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知し且つ上記トレイの昇降方向に移動可能に設けられ、上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側とシートとの間に所定の間隔を維持するためのシート位置検知手段と、上記吸着搬送手段の回動範囲における該吸着搬送手段の搬送面が上記シートと略平行に接触する上限位置を検知する回動上限位置検知手段と、上記押圧手段を上記吸着搬送手段が上記回動上限位置検知手段により検知される位置でシートに接触しない退避位置と押圧位置とに選択的に移動させる移動手段と、上記吸着搬送手段のシート搬送方向下流側に位置するレジストローラ対へのシートの到達を検知するシート到達検知手段と、上記吸着搬送手段によりシートの搬送が開始されてから上記シート到達検知手段によって検知されるまでの時間を計測するタイマー手段と、該タイマー手段により計測された時間が所定時間より長い場合には上記押圧手段を上記退避位置に設定するとともに上記シート位置検知手段を移動させながら上記回動上限位置検知手段により検知されるまで上記トレイの昇降を制御し、計測された時間が所定時間より短い場合には上記押圧手段を押圧位置に設定し上記シート位置検知手段からの検知信号に基づいて上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側とシートとの間に所定の間隔を維持するように上記トレイの昇降を制御する制御手段を有している構成としたので、レジストローラニップ部へのシートの到達時間が所定時間よりも長い場合は搬送するシート間の摩擦抵抗が大きいか、或いはシート表面が平滑で吸着搬送手段とシートとの間でスリップが発生し、不送りになりやすいと前記制御手段が判断し、その後のシートに対し吸着搬送手段の搬送力を上げるためにシートと吸着搬送手段とを密着させるようにトレイが移動制御されるため、未然に不送りを防止できる。逆に、シートと吸着搬送手段とが密着した状態で、レジストローラニップ部へのシートの到達時間が所定時間よりも短い場合は吸着搬送手段とトレイに積載されたシートとの間に常に所定の間隔を維持するモードにしないと重送の危険性があると前記制御手段が判断し、トレイをその位置まで下げて且つ、シート押圧手段を押圧可能位置まで移動させるので未然に重送を防止できる。
【0135】
請求項31又は36記載の発明によれば、請求項30記載のシート給送装置において、上記シート到達検知手段によりシートの先端が検知されてから所定時間経過後に上記吸着搬送手段の搬送を停止し、上記レジストローラ対による搬送の開始タイミングに合わせて上記吸着搬送手段の吸着を停止する構成としたので、シート先端がレジストローラ対のニップ部に到達してから所定時問搬送を続けることにより、レジストローラ対のニップ部の上流側にシートのたわみが形成され、レジストローラ対のニップ部におけるシート先端位置を常に一定に揃えることができる。また、レジストローラ対の駆動時に吸着を停止することによって、レジストローラ対の搬送時の負荷を低減できる。
【0136】
請求項32又は36記載の発明によれば、請求項13乃至31のうちの何れか1つに記載のシート給送装置において、上記吸着搬送手段のシートの吸着力を調整可能である構成としたので、搬送するシートの厚さ(腰の強さ)によって細かく吸着力を設定できるので、シートの種類に拘わらず搬送ミスを防止できる。
【0137】
請求項33又は36記載の発明によれば、請求項13乃至32のうちの何れか1つに記載のシート給送装置において、上記トレイに積載されたシートの先端を突き当てて揃える面板を有し、該面板に、上記吸着搬送手段のシート搬送面に対向して配置され且つ該搬送面との間に搬送待機状態のシートが進入しない程度の隙間を形成するシート阻止部材を設けた構成としたので、2枚目以降のシートがシート阻止部材で阻止されるため、噴射ノズルからの空気流を十分にシート間に導入できるので、エアーによる予備分離を確実に行うことができる。
【0138】
請求項34又は36記載の発明によれば、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項2記載のものであり、上記押圧手段のシートに接触する部分が円筒又は円柱状に形成され且つ回転自在に設けられている構成としたので、押圧手段におけるシートに接触する部分が円筒又は円柱状であり、シートと押圧手段とは点接触になるため、シート先端部から入り込んだ空気が瞬時に効率的に堰き止められて吸着搬送手段に一番近接した1枚目が2枚目表面から更に引き剥がされる。その結果、1枚目のシートが吸着搬送手段に確実に吸引される。
また、吸着搬送手段によりシートが搬送開始される前に押圧手段がシート面から離間する過程で、押圧手段が僅かにシートに接触していても押圧手段が回転自在になっているために、吸着搬送手段の搬送負荷増大を防止できる。
【0139】
請求項35又は36記載の発明によれば、請求項13乃至34記載のシート給送装置において、従来装置への着脱が可能にユニット化されている構成としたので、従来機の給紙ローラ方式では分離搬送が困難なシートを多用する場合には、吸着搬送ユニットを使用し、そうでない場合は従来の給紙ローラユニットを使用するように容易にセッティングできるので、より広範囲の種類のシートに対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における画像形成装置としての孔版印刷装置の概要正面図である。
【図2】シート給送装置の概要正面図である。
【図3】吸着搬送手段の概要平面図である。
【図4】吸着搬送手段の概要正面図である。
【図5】吸着搬送手段の概要底面図である。
【図6】シート分離装置の概要正面図である。
【図7】シート分離装置における噴射ノズルのシート幅方向への移動構成を示す概要側面図である。
【図8】制御ブロック図である。
【図9】シート分離装置と押圧手段の動作を示す図で、初期状態を示す図である。
【図10】シート分離装置と押圧手段の動作を示す図で、シート分離が進行している状態を示す図である。
【図11】シート分離装置と押圧手段の動作を示す図で、最上位のシートが吸着された状態を示す図である。
【図12】第2の実施形態におけるシート分離装置の概要正面図である。
【図13】第3の実施形態における押圧手段の概要正面図である。
【図14】第4の実施形態におけるシート分離装置と押圧手段の動作を示す図で、初期状態を示す図である。
【図15】第4の実施形態におけるシート分離装置と押圧手段の動作を示す図で、シート分離が進行している状態を示す図である。
【図16】第4の実施形態におけるシート分離装置と押圧手段の動作を示す図で、最上位のシートが吸着された状態を示す図である。
【図17】第5の実施形態におけるシート後端側隙間形成手段及び動作を示す概要正面図である。
【図18】第6の実施形態におけるシート後端側隙間形成手段を示す概要背面図である。
【図19】第7の実施形態におけるシート後端側隙間形成手段を示す概要背面図である。
【図20】第8の実施形態におけるシート後端側隙間形成手段を示す概要背面図である。
【図21】第8の実施形態におけるシート後端側隙間形成手段の水平面での変位動作を示す概要平面図である。
【図22】第9の実施形態における吸着搬送手段の構成及び動作を示す概要正面図である。
【図23】第10の実施形態における押圧手段の構成及び動作を示す概要正面図である。
【図24】第11の実施形態における押圧手段の構成及び動作を示す概要正面図である。
【図25】第12の実施形態における吸着搬送手段の概要正面図である。
【図26】第12の実施形態における吸着搬送手段の概要正面図である。
【図27】第13の実施形態における吸着搬送手段のシート分離部の概要正面図である。
【図28】第14の実施形態における吸着搬送手段のシート分離部の概要正面図である。
【図29】第14の実施形態において、シート阻止部材を設けない場合の吸着搬送手段のシート分離部の概要正面図である。
【符号の説明】
2 シートとしての印刷用紙
4 吸着搬送手段
5 シート分離装置
6 押圧手段
7 シート位置検知手段としての用紙位置検知センサ
11 シート吸着検知手段としての用紙吸着検知センサ
16 制御手段
17 搬送ベルト
18、19 ローラ部材
21 エアー源
22 搬送ローラ
23 エアー源
24 噴射ノズル
162 シート後端側隙間形成手段
164 シート幅規制手段としてのサイドフェンス
171 位置規制手段としてのブラケット
176 摩擦部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層された印刷用紙や転写紙等のシート(シート状記録媒体)を分離するシート分離装置、該シート分離装置を有するシート給送装置、該シート給送装置を有する複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、印刷装置等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の画像形成装置では、積層されたシートを1枚ずつ分離して給送し、給送されたシートにインキ画像やトナー画像等の画像を転写して画像形成を行っている。シートが重なった状態で送られる重送や1枚も送られない不送りを防止して1枚ずつ確実に給紙するために、多種多様の給送方式が提案されている。
トレイ上に積載されたシート束の端面に空気流を吹き付けてシート間に隙間を形成し、空気流で浮き上がって分離された最上の1枚を、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送するベルト方式の吸着搬送手段により吸着して搬送する方式もその一つである。
【0003】
特開平5−286596号公報には、位置固定された2つのノズルからシート束の搬送方向前方側端面と、吸着搬送部(吸着搬送手段の搬送面)の2箇所に空気流を噴射するとともに、空気流の噴射方向下流側においてシート束の上面を押え部材で押え、空気が抜けないようにして分離機能を高めるシート給送装置が開示されている。
シート束の端面に対向したノズルはシートを浮揚させる機能を有し、吸着搬送部に対向したノズルはシートを捌いて最上の1枚のみを吸着搬送手段に吸着させる機能を有している。押え部材は、最上位のシートが吸着搬送手段に吸着されて搬送される際に、シートから離間するようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−286596号公報
【特許文献2】
特開平5−21808号公報
【特許文献3】
特許公報第3220541号
【特許文献4】
特許公報第3220553号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平5−286596号公報に記載の構成では、空気流吹き付け手段としてのノズルからの空気流がシート先端部と吸着搬送部の2箇所に吹き付けられるので、シートの種類又は状態によっては一旦浮場した最上位のシートが吸着搬送部に吹き付けられる空気流によって押し戻されたりする場合があり、シートの分離動作が不十分になりやすいという問題があった。
また、シート先端部に湿度の影響でウェープが発生している場合、2箇所からの空気流でシート先端が暴れ、ジャムやスキューの原因になりやすいという問題があった。さらに、シート押え部材の押え動作タイミングは一定であるので、浮揚しやすい薄いシートであっても、シート押え部材が押え動作に入るまでは、シートの挙動が不安定になる傾向があった。
【0006】
そこで、本発明は、空気流によってシート先端部が暴れるようなトラブルを抑制でき、積載されたシートを1枚ずつ確実に分離することができるシート分離装置、重送等を無くして確実に1枚ずつの給紙を行えるシート給送装置、該シート給送装置を備えた画像形成装置の提供を、その目的とする。
また、本発明は、厚紙や、あるいは用紙間の摩擦抵抗が大きくて不送りが発生しやすい用紙(シート)であっても1枚ずつ確実に搬送することができるようにすることを、その目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、空気流を発生するエアー源と、該エアー源からの空気流を噴射する噴射ノズルを有し、少なくとも上記噴射ノズルが、シートが積載されたシート束の該積載方向に変位可能に設けられ、上記噴射ノズルを空気流を噴射させながら上記シート束の端方向へ変位させて該シート束の端部の各シート間に隙間を形成し、最終的に最端のシートを他のシートと分離する、という構成を採っている。
【0008】
請求項2記載の発明では、請求項1記載のシート分離装置において、空気流の噴射方向と略直交するシートの幅方向において、上記噴射ノズルの変位動作に連動して所定のタイミングで上記最端のシートをその積載方向に押圧し、該最端のシートとその次のシートとの間における空気流の通り抜けを妨げる押圧手段を有している、という構成を採っている。
【0009】
請求項3記載の発明では、請求項2記載のシート分離装置において、上記押圧手段による押圧タイミング及び押圧時間を調整可能に設けられている、という構成を採っている。
【0010】
請求項4記載の発明では、請求項1又は2記載のシート分離装置において、上記噴射ノズルから空気流を噴射し始めるタイミングと噴射する時間を調整可能に設けられている、という構成を採っている。
【0011】
請求項5記載の発明では、請求項2記載のシート分離装置において、上記押圧手段のシートに押圧接触する部分が、湾曲面形状を有している、という構成を採っている。
【0012】
請求項6記載の発明では、請求項1又は2記載のシート分離装置において、上記噴射ノズルが、シートの搬送方向と略直交するシートの幅方向に移動可能に設けられている、という構成を採っている。
【0013】
請求項7記載の発明では、請求項1乃至6のうちの何れか1つに記載のシート分離装置において、上記最端のシートを他のシートと分離した後、上記噴射ノズルを空気流を噴射させながら逆方向に変位させ、上記最端のシート以外の残ったシート群の予備分離を行う、という構成を採っている。
【0014】
請求項8記載の発明では、請求項1又は2記載のシート分離装置において、上記噴射ノズルによる空気流の噴射方向下流側においてシート間に隙間を形成するシート後端側隙間形成手段を有している、という構成を採っている。
【0015】
請求項9記載の発明では、請求項8記載のシート分離装置において、上記シート後端側隙間形成手段が、シート束の端面に空気流を噴射する構成を有している、という構成を採っている。
【0016】
請求項10記載の発明では、請求項8記載のシート分離装置において、上記シート後端側隙間形成手段が、空気流の噴射方向と略直交するシートの幅方向からシート後端方向にかけて変位可能に設けられ、シート束の端面に空気流を噴射する構成を有していることとした。
【0017】
請求項11記載の発明では、請求項9又は10記載のシート分離装置において、上記シート後端側隙間形成手段による空気流の噴射力を調整可能である、という構成を採っている。
【0018】
請求項12記載の発明では、請求項8記載のシート分離装置において、シート積載方向における上記シート後端側隙間形成手段の位置を調整可能である、という構成を採っている。
【0019】
請求項13記載の発明では、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が、請求項1乃至12のうちの何れか1つに記載のものである、という構成を採っている。
【0020】
請求項14記載の発明では、請求項13記載のシート給送装置において、上記吸着搬送手段が、複数の吸引孔を有しシート搬送方向と略直交するシート幅方向に間隔をおいて複数本設けられた無端状の搬送ベルトと、少なくともシート搬送方向前後に配置され上記搬送ベルトを支持するローラ部材を有し、これらのローラ部材のうち少なくとも一方には、上記搬送ベルトを支持する支持ローラとは別にシートを上記搬送ベルトとは独立に搬送する搬送ローラが上記支持ローラと同軸上に設けられている、という構成を採っている。
【0021】
請求項15記載の発明では、請求項13記載のシート給送装置において、上記吸着搬送手段が、複数の吸引孔を有しシート搬送方向と略直交するシート幅方向に間隔をおいて複数本設けられた無端状の搬送ベルトと、少なくともシート搬送方向前後に配置され上記搬送ベルトを支持するローラ部材を有し、これらのローラ部材のうち、シート搬送方向前方側(下流側)のローラ部材に対してシート搬送面を挟んで対向する位置に設けられ、該前方側のローラ部材に向けて所定の圧力で上記搬送ベルトに接触する摩擦部材を有している、という構成を採っている。
【0022】
請求項16記載の発明では、請求項13記載のシート給送装置において、上記吸着搬送手段が、複数の吸引孔を有しシート搬送方向と略直交するシート幅方向に間隔をおいて複数本設けられた無端状の搬送ベルトと、少なくともシート搬送方向前後に配置され上記搬送ベルトを支持するローラ部材を有し、これらのローラ部材のうち、シート搬送方向前方側のローラ部材と同軸上に該前方側のローラ部材間に位置して搬送ローラが設けられ、該搬送ローラに対してシート搬送面を挟んで対向する位置に設けられ該搬送ローラに向けて所定の圧力で接触する摩擦部材を有している、という構成を採っている。
【0023】
請求項17記載の発明では、請求項13記載のシート給送装置において、上記吸着搬送手段にシートが吸着されたことを検知するシート吸着検知手段を有し、該シート吸着検知手段からの検知信号に基づいて所定のタイミングで上記吸着搬送手段による吸着したシートの搬送を開始する、という構成を採っている。
【0024】
請求項18記載の発明では、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記シート後端側隙間形成手段が、上記シート搬送方向上流側で且つ上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートを含むシート群の側面に対する所定の高さに設けられ、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知するシート位置検知手段と、上記トレイが上昇し上記吸着搬送手段との間に所定の間隔を空けて停止した時点での上記最端のシートと上記シート後端側隙間形成手段が作動した後における上記最端のシート間の高低差を演算し、その演算結果が所定量を超えないように上記シート後端側隙間形成手段による空気流の噴射力を調整する制御手段とを有し、常に上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの浮き上がり量が一定になるようにした、という構成を採っている。
【0025】
請求項19記載の発明では、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記シート後端側隙間形成手段が、上記シート搬送方向上流側で且つシート積載方向に沿って昇降自在に設けられ、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知するシート位置検知手段と、上記シート後端側隙間形成手段を上記シート位置検知手段からの信号を基に、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートを含むシート群の端面に対する所定の位置に保持制御する制御手段とを有し、上記トレイが上昇し上記吸着搬送手段との間に所定の間隔を空けて停止した時点での上記最端のシートと上記シート後端側隙間形成手段が作動した後における上記最端のシート間の高低差を演算し、その演算結果が所定量を超えないように上記シート後端側隙間形成手段による空気流の噴射力を調整するか、上記シート後端側隙間形成手段による空気流の位置を移動するかの少なくともいずれか一方を行うことによって、常に上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの浮き上がり量が一定になるようにした、という構成を採っている。
【0026】
請求項20記載の発明では、請求項19記載のシート給送装置において、上記トレイに積載されるシートの搬送方向と略直交するシート幅方向の位置を規制し上記トレイと一体に昇降するシート幅規制手段を有し、上記シート後端側隙間形成手段が、上記シート幅規制手段においてシート積載方向に移動可能に設けられている、という構成を採っている。
【0027】
請求項21記載の発明では、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記トレイに積載されるシートの搬送方向と略直交するシート幅方向の位置を規制し上記トレイと一体に昇降するシート幅規制手段を有し、上記シート後端側隙間形成手段が上記シート幅規制手段においてシート積載方向に移動可能に設けられ、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知するシート位置検知手段と、上記シート後端側隙間形成手段を上記シート位置検知手段からの信号を基に、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートを含むシート群の端面に対する所定の位置に保持制御する制御手段と、上記吸着搬送手段にシートが吸着されたことを検知するシート吸着検知手段と、上記吸着搬送手段が動作を開始してからシートが吸着されるまでの時間を計測するタイマー手段とを有し、上記タイマー手段にて計測した結果が所定時間を超えた場合に、上記シート後端側隙間形成手段を作動させ、上記トレイが上昇し上記吸着搬送手段との間に所定の間隔を空けて停止した時点での上記最端のシートと上記シート後端側隙間形成手段が作動した後における上記最端のシート間の高低差を演算し、その演算結果が所定量を超えないように上記シート後端側隙間形成手段による空気流の噴射力を調整するか、上記シート後端側隙間形成手段による空気流の位置を移動するかの少なくともいずれか一方を行うことによって、常に上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの浮き上がり量が一定になるようにした、という構成を採っている。
【0028】
請求項22記載の発明では、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記シート後端側隙間形成手段がシート束の積載方向に複数配置され、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知するシート位置検知手段を有し、シートが搬送されていく毎に変化する上記シート位置検知手段からの検知信号に基づいて上記複数のシート後端側隙間形成手段のうちの最適な1つないし上下に連続した2つを選択して動作させる、という構成を採っている。
【0029】
請求項23記載の発明では、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記シート後端側隙間形成手段がシート束の積載方向に複数配置され、シートの搬送に伴う最端のシートの位置変化に拘わらずこれらのシート後端側隙間形成手段を全て動作させる、という構成を採っている。
【0030】
請求項24記載の発明では、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記空気流の噴射方向下流側においてシート間に隙間を形成するシート後端側隙間形成手段を有している、という構成を採っている。
【0031】
請求項25記載の発明では、請求項24記載のシート給送装置において、上記シート後端側隙間形成手段が、シート束の端面に空気流を噴射する構成を有している、という構成を採っている。
【0032】
請求項26記載の発明では、請求項24記載のシート給送装置において、上記シート後端側隙間形成手段が、空気流の噴射方向と略直交するシートの幅方向からシート後端方向にかけて変位可能に設けられ、シート束の端面に空気流を噴射する構成を有していることとした。
【0033】
請求項27記載の発明では、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記吸着搬送手段がシート搬送方向下流側を支点としてシートに対して接離する方向に回動自在に設けられ、上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側のシートに対する近接位置を規制する位置規制手段と、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知し且つ上記トレイの昇降方向に移動可能に設けられ、上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側とシートとの間に所定の間隔を維持するためのシート位置検知手段と、上記吸着搬送手段の回動範囲における該吸着搬送手段の搬送面が上記シートと略平行に接触する上限位置を検知する回動上限位置検知手段と、シートの種類を入力するシート種類入力手段と、該シート種類入力手段からの情報に基づいて上記シート分離装置により分離可能なシートかどうかを判断し、分離可能なシートの場合には上記シート位置検知手段からの検知信号に基づいて上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側とシートとの間に所定の間隔を維持するように上記トレイの昇降を制御し、空気流噴射によっても分離困難なシートの場合には上記シート位置検知手段からの検知信号に拘わらず上記シート位置検知手段を移動させながら上記回動上限位置検知手段により検知されるまで上記トレイの昇降を制御する制御手段を有し、分離可能なシートの場合には上記シート分離装置により分離した後上記吸着搬送手段により吸着して搬送し、空気流噴射によっても分離困難なシートの場合には上記吸着搬送手段の重さと空気の負圧作用の両方によって搬送面に発生する摩擦搬送力により搬送する、という構成を採っている。
【0034】
請求項28記載の発明では、請求項27記載のシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項2記載のものであり、上記押圧手段が、上記吸着搬送手段が上記回動上限位置検知手段により検知される位置でシートに接触しない退避位置を有し、該退避位置を検知する退避位置検知手段が設けられ、上記制御手段は、空気流噴射によっても分離困難なシートの場合に上記押圧手段が上記退避位置に設定されていないとき又は分離可能なシートの場合に上記押圧手段が上記退避位置に設定されているときは警告をする、という構成を採っている。
【0035】
請求項29記載の発明では、請求項28記載のシート給送装置において、上記押圧手段が上記退避位置にあることを表示する表示手段を有している、という構成を採っている。
【0036】
請求項30記載の発明では、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項2記載のものであり、上記吸着搬送手段がシート搬送方向下流側を支点としてシートに対して接離する方向に回動自在に設けられ、上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側のシートに対する近接位置を規制する位置規制手段と、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知し且つ上記トレイの昇降方向に移動可能に設けられ、上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側とシートとの間に所定の間隔を維持するためのシート位置検知手段と、上記吸着搬送手段の回動範囲における該吸着搬送手段の搬送面が上記シートと略平行に接触する上限位置を検知する回動上限位置検知手段と、上記押圧手段を上記吸着搬送手段が上記回動上限位置検知手段により検知される位置でシートに接触しない退避位置と押圧位置とに選択的に移動させる移動手段と、上記吸着搬送手段のシート搬送方向下流側に位置するレジストローラ対へのシートの到達を検知するシート到達検知手段と、上記吸着搬送手段によりシートの搬送が開始されてから上記シート到達検知手段によって検知されるまでの時間を計測するタイマー手段と、該タイマー手段により計測された時間が所定時間より長い場合には上記押圧手段を上記退避位置に設定するとともに上記シート位置検知手段を移動させながら上記回動上限位置検知手段により検知されるまで上記トレイの昇降を制御し、計測された時間が所定時間より短い場合には上記押圧手段を押圧位置に設定し上記シート位置検知手段からの検知信号に基づいて上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側とシートとの間に所定の間隔を維持するように上記トレイの昇降を制御する制御手段を有している、という構成を採っている。
【0037】
請求項31記載の発明では、請求項30記載のシート給送装置において、上記シート到達検知手段によりシートの先端が検知されてから所定時間経過後に上記吸着搬送手段の搬送を停止し、上記レジストローラ対による搬送の開始タイミングに合わせて上記吸着搬送手段の吸着を停止する、という構成を採っている。
【0038】
請求項32記載の発明では、請求項13乃至31のうちの何れか1つに記載のシート給送装置において、上記吸着搬送手段のシートの吸着力を調整可能である、という構成を採っている。
【0039】
請求項33記載の発明では、請求項13乃至32のうちの何れか1つに記載のシート給送装置において、上記トレイに積載されたシートの先端を突き当てて揃える面板を有し、該面板に、上記吸着搬送手段のシート搬送面に対向して配置され且つ該搬送面との間に搬送待機状態のシートが進入しない程度の隙間を形成するシート阻止部材を設けた、という構成を採っている。
【0040】
請求項34記載の発明では、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項2記載のものであり、上記押圧手段のシートに接触する部分が円筒又は円柱状に形成され且つ回転自在に設けられている、という構成を採っている。
【0041】
請求項35記載の発明では、請求項13乃至34記載のシート給送装置において、従来装置への着脱が可能にユニット化されている、という構成を採っている。
【0042】
請求項36記載の発明では、シート給送装置によりシートを給送し、給送されたシートに画像を形成する画像形成装置において、上記シート給送装置が、請求項13乃至35のうちの何れか1つに記載のものである、という構成を採っている。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図8に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて、本実施形態における画像形成装置としての孔版印刷装置の全体構成及び孔版印刷プロセスの概要を説明する。
装置本体50の上部には原稿読取部80が設けられており、その下方中央部には多孔性の印刷ドラム101を有する印刷ドラム部100が設けられている。印刷ドラム部100の上方右側には製版装置90が設けられ、印刷ドラム部100の上方左側には排版部70が設けられている。また、製版装置90の下方にはシート給送装置1が、印刷ドラム部100の下方には印圧部120が、排版部70の下方には排紙部130が、それぞれ設けられている。
【0044】
次に、上記構成に係る孔版印刷装置の印刷動作を説明する。
まず、原稿読取部80の上部に配置された図示しない原稿載置台に、印刷すべき画像を持った原稿60を載置し、図示しない操作パネル上の製版スタートキーを押す。この製版スタートキーの押下に伴い、排版工程が実行される。すなわち、この状態においては、印刷ドラム部100の印刷ドラム101の外周面に前回の印刷で使用された使用済み感熱性孔版マスタ61bが装着されたまま残っている。
【0045】
印刷ドラム101が反時計回りに回転し、印刷ドラム101の外周面の使用済み感熱性孔版マスタ61bの後端部が排版剥離ローラ対71a、71bに近づくと、この排版剥離ローラ対71a、71bは回転しつつ一方の排版剥離ローラ対71aで使用済み感熱性孔版マスタ61bの後端部をすくい上げる。
使用済み感熱性孔版マスタ61bは、排版剥離ローラ対71a、71bの左側に配設された排版コロ対73a、73bと排版剥離ローラ対71a、71bとの間に掛け回された排版搬送ベルト対72a、72bで矢印Y1方向へ搬送されつつ排版ボックス74内へ排出され、印刷ドラム101の外周面から引き剥がされて排版工程が終了する。このとき、印刷ドラム101は反時計回り方向への回転を続けている。剥離・排出された使用済み感熱性孔版マスタ61bは、その後、圧縮板75により排版ボックス74の内部で圧縮される。
【0046】
排版工程と並行して、原稿読取部80で原稿読み取りが行われる。図示しない原稿載置台に載置された原稿60は、分離ローラ81、前方原稿搬送ローラ対82a、82b及び後方原稿搬送ローラ対83a、83bのそれぞれの回転により矢印Y2からY3方向に搬送されつつ露光読み取りに供される。このとき、原稿60が多数あるときは、分離ブレード84の作用でその最下部の原稿のみが搬送される。原稿60の画像読み取りは、コンタクトガラス上を搬送されつつ、蛍光灯86により照明された原稿60の表面からの反射光を、ミラー87で反射させ、レンズ88を通してCCD(電荷結合素子)から成る画像センサ89に入射させることにより行われる。
原稿60の読み取りは、周知である縮小式の原稿読取方式で行われ、その画像が読み取られた原稿60は原稿トレイ80A上に排出される。画像センサ89で光電変換された電気信号は、装置本体50内の図示しないアナログ/デジタル(A/D)変換基板に入力され、デジタル画像信号に変換される。
【0047】
一方、この画像読み取り動作と並行して、デジタル信号化された画像情報に基づき製版及び給版工程が行われる。製版装置90の所定部位にセットされたロール状の感熱性孔版マスタ61は、ロール状態から引き出され、サーマルヘッド91に感熱性孔版マスタ61を介して押圧されているプラテンローラ92、及びテンションローラ対93a、93bの回転により搬送路の下流側に搬送される。
このように搬送される感熱性孔版マスタ61に対して、サーマルヘッド91にライン状に並んだ複数個の微小な発熱部が、図示しないA/D変換基板から送られてくるデジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱部に接触している感熱性孔版マスタ61の熱可塑性樹脂フィルムが溶融穿孔される。このように、画像情報に応じた感熱性孔版マスタ61の位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとして書き込まれる。
【0048】
画像情報が書き込まれた製版済感熱性孔版マスタ61aの先端は、給版ローラ対94a、94bにより印刷ドラム101の外周部側へ向かって送り出され、図示しないガイド部材により進行方向を下方へ変えられ、給版位置状態にある印刷ドラム101の拡開したマスタークランパ102(仮想線で示す)へ向かって垂れ下がる。このとき印刷ドラム101は、排版工程により使用済感熱性孔版マスタ61bを既に除去されている。
【0049】
製版済感熱性孔版マスタ61aの先端が、一定のタイミングでマスタークランパ102によりクランプされると、印刷ドラム101は図中A方向(時計回り方向)に回転しつつ外周面に製版済感熱性孔版マスタ61aを徐々に巻き付けていく。製版済感熱性孔版マスタ61aの後端部はカッタ95により一定の長さに切断される。
【0050】
一版の製版済感熱性孔版マスタ61aが印刷ドラム101の外周面に巻装されると製版及び給版工程が終了し、印刷工程が開始される。まず、給紙台51上に積載されたシートとしての印刷用紙2のうちの最上位の1枚が、シート給送装置1によりレジストローラ対9に向けて矢印Y4方向に送り出され、さらにレジストローラ対9によりドラム部100の回転と同期した所定のタイミングで印圧部120に送られる。送り出された印刷用紙2が、印刷ドラム101とプレスローラ103との間にくると、印刷ドラム101の外周面下方に離間していたプレスローラ103が図示しない接離機構により上方に移動されることにより、印刷ドラム101の外周面に巻装された製版済感熱性孔版マスタ61aに押圧される。こうして、印刷ドラム101の多孔部及び製版済感熱性孔版マスタ61aの穿孔パターン部(共に図示せず)からインキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙2の表面に転移されて、印刷画像が形成される。
【0051】
このとき、印刷ドラム101の内周側では、インキ供給管104からインキローラ105とドクターローラ106との間に形成されたインキ溜り107にインキが供給され、印刷ドラム101の回転方向と同一方向に、且つ、印刷ドラム101の回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ105により、インキが印刷ドラム101の内周側に供給される。
【0052】
印圧部120において印刷画像が形成された印刷用紙2は、排紙剥離爪114により印刷ドラム101から剥がされ、吸着用ファン118による吸引力で吸着されつつ、吸着排紙入口ローラ115及び吸着排紙出口ローラ116に掛け渡された搬送ベルト117の反時計回り方向の回転により、矢印Y5のように排紙部130へ向かって搬送され、排紙台52上に順次排出積載される。このようにして所謂試し刷りが終了する。
次に、図示しないテンキーで印刷枚数をセットし、図示しない印刷スタートキーを押下すると上記試し刷りと同様の工程で、給紙、印刷及び排紙の各工程がセットした印刷枚数分繰り返して行われ、孔版印刷の全工程が終了する。
【0053】
シート給送装置1は、図2に示すように、印刷用紙2が積載されるトレイ3と、空気の負圧作用により印刷用紙2を吸着して搬送する吸着搬送手段4と、積載された印刷用紙束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置5と、印刷用紙2の搬送方向上流側上面を選択的に押圧する押圧手段6と、吸着搬送手段4に最も近接した最端(最上位)の印刷用紙2の位置を検知するシート位置検知手段としての用紙位置検知センサ7と、トレイ3に積載された印刷用紙2の先端を突き当てて揃える面板8と、レジストローラ対9と、吸着搬送手段4により搬送された印刷用紙2のレジストローラ対9への到達を検知するシート到達検知手段としての用紙検知センサ10と、吸着搬送手段4に印刷用紙2が吸着されたことを検知するシート吸着検知手段としての用紙吸着検知センサ11等を有している。押圧手段6はシート分離装置5の一要素である。
【0054】
トレイ3は、図示しない給紙台昇降機構により印刷用紙2の積載方向に昇降可能に設けられている。
押圧手段6は、軸12に一端部を支持されて回動自在に設けられたアーム13と、該アーム13の自由端部から略直角に延びる押圧片14と、アーム13を上下方向(トレイ3の昇降方向)に回動させるソレノイド15を有している。後述する制御手段16(図8参照)によるソレノイド15の制御により、押圧片14は最上の印刷用紙2に接触しない実線で示す非押圧位置と2点鎖線で示す押圧位置とに選択的に設定される。押圧片14は印刷用紙2の搬送方向と直交する用紙幅方向に延びる長さを有しており、その押圧接触部は印刷用紙2に押圧痕を残さないように湾曲面形状に形成されている。
用紙位置検知センサ7は、機械式のフィラー型センサであり、用紙検知センサ10及び用紙吸着検知センサ11は反射型のフォトセンサである。
【0055】
吸着搬送手段4は、図3及び図4に示すように、複数の吸引孔17aを有するとともにシート搬送性を有する2本無端状の搬送ベルト17と、シート搬送方向前後に配置されて搬送ベルト17を支持する互いに平行なローラ部材18、19と、ローラ部材18、19と搬送ベルト17によって形成される空間内に設けられた吸着箱20とエアー吸引源21を有している。
ローラ部材18は、回転軸18aと、回転軸18aに固定された支持ローラ18bを有している。ローラ部材19も同様に、回転軸19aと、回転軸19aに固定された支持ローラ19bを有している。用紙搬送方向下流側のローラ部材18の回転軸18aには、印刷用紙2の搬送性を向上させるために、搬送ベルト17を支持する支持ローラ18bとは別に印刷用紙2を搬送ベルト17とは独立に搬送する搬送ローラ22が設けられている。
【0056】
吸着箱20は、用紙搬送側においては2本の搬送ベルト17の幅を含む広さの底面20aを有し、該底面20aの吸引孔17aと対応する位置の周辺部には所定の大きさの穴20bが形成されている。吸着箱20の上面にはエアー吸引源21に連通する連通孔22cが形成されており、これらの開口部以外の吸着箱20とエアー吸引源21との間は気密性を有するように形成されている。
エアー吸引源21は、吸引ファン21aと、ファンモータ21b(図8参照)を有している。吸引ファン21aが回転すると、矢印で示すように吸引エアーの流れが生じ、吸着箱20の内部は負圧となり、この負圧作用によって印刷用紙2は搬送ベルト17面に吸着される。図5は、吸着搬送手段4をその底面側(用紙搬送面側)から見た図である。
【0057】
次に、図6及び図7に基づいて、シート分離装置5の要部構成を詳細に説明する。
図6に示すように、シート分離装置5は、空気流を発生するエアー源23と、該エアー源23からの空気流を噴射する噴射ノズル(エアーナイフ)24を有している。噴射ノズル24は係合凹部25aを有するノズル揺動爪25を一体に有しており、軸26によりエアー源23と連結されているとともに該軸26を支点としてエアー源23に対して上下方向に揺動(回動)自在に設けられている。エアー源23は、面板8に固定されたブラケット27に固定されている。
噴射ノズル24の下方には、面板8に固定された他のブラケット28に設けられた軸29に回動自在に支持されたレバー30が設けられており、レバー30の一端部(上端部)にはノズル揺動爪25の係合凹部25aに係合するスライドガイド軸31が固定されている。
レバー30の下方には、噴射ノズル24を上下方向に変位させるノズル駆動カム32が設けられており、レバー30の他端部(下端部)には該ノズル駆動カム32の外周面に当接して回転するカムフォロア33が支持されている。レバー30は、カムフォロア33がノズル駆動カム32に圧接する向きにバネ34により付勢されている。
【0058】
エアー源23は、エアー供給ファン23aと、該エアー供給ファン23aを回転させるファンモータ23b(図8参照)を有している。ノズル駆動カム32はカム駆動モータ35(図8参照)の駆動軸35aに固定されている。
噴射ノズル24は、トレイ3に載置された印刷用紙2束に対し、吸着搬送手段4に一番近接した1枚目を含む印刷用紙2群の搬送方向下流側端面に対して空気流を噴射させて互いの印刷用紙2間に隙間を形成させる機能を有しており、その噴射流の通過を許容すべく面板8には通気穴8aが形成されている。
図7に示すように、ブラケット27は印刷用紙2の搬送方向と直交する幅方向に間隔をおいて2箇所に設けられており、それぞれにエアー源23、噴射ノズル24が設けられている。
各ブラケット27には印刷用紙2の幅方向に延びる長孔27aが形成されており、噴射ノズル24の位置を調整できるようになっており、調整後は、図示しないネジでブラケット28aの一部に固定されるようになっている。長孔27aにはブラケット28aに固定されたピン36が係合しており、該ピン36によって噴射ノズルの調整範囲が規制されている。
【0059】
スライドガイド軸31は、噴射ノズル24を最大量移動してもノズル揺動爪25との係合が外れないような長さに設定されている。従って、噴射ノズル24をスライドガイド軸31に沿ってどこに移動してもノズル駆動カム32によって同じように揺動させることができる。
従って、搬送する印刷用紙2の幅が小さい場合や、印刷用紙2が厚めの場合には2つの噴射ノズル24の間隔を狭くして空気流を中央部に集中させたり、逆に印刷用紙2の幅が広い場合には両噴射ノズル24の間隔を広くしたりすることが可能である。
噴射ノズル24は下方から上方へ揺動(変位)され、所定のタイミングの後、上方から下方へ揺動される。この噴射ノズル24の変位動作に連動して、押圧手段6が制御され、押圧片14は押圧位置と非押圧位置の間を1枚搬送する毎に往復移動する。噴射ノズル24の上記変位動作は、反時計回り方向に駆動され、且つ1枚印刷するごとに1回転するノズル駆動カム32によって駆動される。従って、噴射ノズル24も1枚搬送するごとに1往復揺動するように構成されている。
【0060】
次に、図8に基づいて本実施形態における制御系を説明する。上述した用紙位置検知センサ7、用紙検知センサ10、用紙吸着検知センサ11からの検知情報(信号)が制御手段16に入力され、制御手段16はこれらの情報に基づいてソレノイド15、ファンモータ21b、ファンモータ23b、ノズル駆動カム32等を制御する。
ここでの制御手段16は、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェース等を含むマイクロコンピュータを意味する。制御手段16は孔版印刷装置のメインコントローラが兼ねることができる。符号37は操作パネルを示す。
【0061】
図9乃至図11に基づいて本実施形態における分離動作(隙間形成動作)及び搬送動作を説明する。
図示しない印刷スタートボタンが押されると、図9に示すように、印刷用紙2が積載されたトレイ3が図示しない給紙台昇降機構によって吸着搬送手段4に向け上昇を開始する。
吸着搬送手段4と、トレイ3に載置された印刷用紙2の最上位の印刷用紙2aとの間が所定の間隔(用紙上面が適正高さ)になった時点で用紙位置検知センサ7が最上位の印刷用紙2a(以下、用紙上面ともいう)を検知し、トレイ3が停止するように図示しない給紙台昇降機構が制御手段16により制御される。
印刷動作が進むに連れて用紙上面位置が適正でないことが用紙位置検知センサ7によって検知されると、必要量だけトレイ3が吸着搬送手段4に向けて移動及び停止する制御が繰り返しなされる。
【0062】
印刷用紙2の上面2aが適正高さになってトレイ3の上昇が停止すると、所定のタイミングにて噴射ノズル24へのエアー源23からのエアー供給と、吸着搬送手段4においてはエアー吸引源21からのエアー吸引が開始され、それと同時に噴射ノズル24と押圧手段6を揺動すべくそれらの駆動源であるノズル駆動カム32、ソレノイド15の駆動が開始される。
押圧手段6の押圧片14が非押圧位置にある状態で、噴射ノズル24から印刷用紙2の搬送方向下流側端面に向けてエアーが吹き付けられ、徐々に印刷用紙2間にエアーが入り込む。ノズル駆動カム32が回転しその小径部32aにカムフォロア33が入り込むと、図10に示すように、噴射ノズル24がエアーを印刷用紙2の端面に吹き付けたまま吸着搬送手段4に向けて揺動を始め、噴射ノズル24上死点に至るとほぼ同時に押圧手段6が用紙上面2aの押圧を開始する。
【0063】
噴射ノズル24が吸着搬送手段4に向けて揺動していく過程において、空気流の中心が吸着搬送手段4に近接した印刷用紙2間に順次移動していくことにより、用紙群端面に噴射する空気流の中心線、つまり、流速が一番強いポイントを結んだ線で、用紙の幅方向とほぼ平行に存在する線に対してその上に残った用紙枚数(重さ)が徐々に少なくなっていく為、用紙群のうち、吸着搬送手段4に対して遠い部分から近い部分にかけて、エアーによって形成される隙間が徐々に大きくなる。
また、空気流の中心を挟み、トレイ3側の印刷用紙2は順次トレイ3側に戻されていくため、エアーによる用紙分離が促進されることになる。
従来の固定ノズルによる2方向噴射方式に比べ、噴射源が単一であるため異方向からの空気流の作用による印刷用紙2の先端部の暴れ現象も極力抑制される。なお、サイズが小さく重さが軽い印刷用紙2の場合、エアーによりトレイ3側に戻される際に、その勢いでトレイ3上の印刷用紙2よりもさらに後方に戻される場合があるので、そのような場合には用紙後端部にエンドフェンス38(図14乃至図16参照)を設ければよい。
【0064】
押圧手段6による用紙押圧が完了すると、それまで印刷用紙2間に行き渡っていたエアーがその時点で遮断されることになる。行き場を失った空気流の膨らみにより、図11に示すように、押圧片14より搬送方向下流側の最上位の印刷用紙2aが吸着搬送手段4側に更に持ち上げられ吸引される。
用紙吸着検知センサ11により最上位の印刷用紙2aが吸着搬送手段4に吸着されたことが確認されると、押圧手段6は非押圧位置に設定され、所定タイミングを経て吸着搬送手段4による印刷用紙2の搬送が開始される。ノズル駆動カム32が更に回転することにより、噴射ノズル24は徐々に下方に向けて揺動され、次の搬送に向けて再度2枚目以下の印刷用紙2の予備分離を同時に行う。
なお、吸着搬送手段4に印刷用紙2aが吸着されたことが検知されてから実際に吸着搬送手段4による印刷用紙2aの搬送動作が開始されるまでは余裕があり、その間に印刷用紙2aは十分に吸着搬送手段4に吸引されるので、前述の用紙吸着検知センサ11は省くことも可能である。
搬送された印刷用紙2がレジストローラ対9の手前の用紙検知センサ10により検知されると、所定時間経過後に吸着搬送手段4の搬送動作が停止するように制御される。更にレジストローラ対9の用紙搬送負荷を減らしたい場合には、レジストローラ対9の印圧部120へ向けた駆動を開始するタイミングに合わせて吸着搬送手段4の吸着を停止するように制御してもよい。
【0065】
以下に、他の実施形態を説明する。なお上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する。
図12に、シート分離装置5の変形例(第2の実施形態)を示す。本実施形態では、噴射ノズル24の揺動及び空気流の噴射時間を制御によらず簡単な構成で調整できることを特徴としている。
本実施形態におけるシート分離装置5Aでは、噴射ノズル24は、エアー源23にジョイント42で連結されており、ジョイント42に設けられた軸42aを支点として回動自在に設けられている。
ブラケット27は斜めに曲げられており、これにエアー源23が固定されてエアー源23の水平距離を短くしている。すなわち、シート分離装置5の構成のコンパクト化が図られている。
本実施形態におけるノズル駆動カム40は、カム駆動モータ35の駆動軸35aに固定されたフランジ41に図示しないネジで固定された固定カム40bと、該固定カム40bに位置調整可能に取り付けられた可動カム40cによる合わせ構造を有している。可動カム40cには固定カム40bの周方向に延びる長孔40c−1が形成されており、該長孔40c−1を介して固定カム40bにネジ42で固定されている。なお、固定カム40bにおいても、可動カム40cに設けたような図示しない長孔があり、フランジ41に対して回転方向にずらすことが可能となっている。
【0066】
噴射ノズル24は、図示しない本体駆動部と同期して例えば反時計回り方向に駆動され且つ1枚印刷する毎に1回転するノズル駆動カム40によって駆動される。従って、噴射ノズル24も1枚搬送する毎に1往復揺動する。最初は図12に実線で示すように噴射ノズル24は略水平に向いている。
ノズル駆動カム40が回転を始め、カムフォロア33が、ノズル駆動カム40において吸着搬送開始タイミングに合わせて設けられた小径部40aに達すると、カムフォロア33もそれに追従し、レバー30は軸29を支点に時計回り方向に回転する。これによって、噴射ノズル24は2点鎖線で示すように、吸着搬送手段4が搬送を開始するタイミングに合わせて、吸着搬送手段4方に向くように揺動する。
【0067】
噴射ノズル24が上を向くタイミングを早めたい場合には、固定カム40bを固定しているネジを緩め、ノズル駆動カム406全体を反時計回り方向にずらすことによって調節が可能となる。
印刷用紙2間に隙間が僅かしか形成されないような種類の印刷用紙2の場合には、エアー吹付け(噴射)時間を延長することも可能である。すなわち、固定カム40bはそのままで、可動カム40cを固定しているネジ42を緩め、可動カム40cのみを時計回り方向にずらして小径部40aの範囲を大きくすることで噴射時間を長くすることができる。
【0068】
図13に、押圧手段6の変形例(第3の実施形態)を示す。印刷用紙2の厚さによっては噴射ノズル24によるエアーで瞬時に印刷用紙2間に隙間が形成され、通常の押圧タイミングでは印刷用紙2が吸着搬送手段4と2枚目の印刷用紙2との間でばたつく場合があり、その場合には押圧開始タイミング及び押圧時間を最適な状態に変化させる必要がある。
本実施形態では、押圧手段の押圧開始タイミング及び押圧時間を制御によらず簡単な構成で調整できることを特徴としている。
本実施形態における押圧手段6Aでは、トレイ3の両側には支柱43が設けられており、該支柱43にはその軸43aを支点として押圧レバー44が回動自在に設けられている。押圧レバー44の押圧側と反対側の端部には、押圧駆動カム46にバネ48の付勢力で当接するカムフォロア45が設けられている。
押圧駆動カム46は、図示しない駆動モータの回転軸に固定されたフランジ49に2つの長孔46a−1を介してネジ47で固定された固定カム46aと、該固定カム46aに2つの長孔46b−1を介してネジ47で固定された可動カム46bによる合わせ構造を有しており、図示しない本体駆動部と同期して1枚印刷する毎に、例えば反時計回り方向に1回転駆動される。
【0069】
上述のように印刷用紙2がばたつく場合には、押圧駆動カム46のタイミングを早める方向に調節を行う。具体的には、固定カム46aをフランジ49に固定しているネジ47を緩め、押圧駆動カム46全体を反時計回り方向にずらすようにする。
逆に、噴射ノズル24によるエアーでも印刷用紙2間に隙間が僅かしか形成されない種類の印刷用紙2の場合には、押圧時間を延長するようにする。この場合には、固定カム46aはそのままで、可動カム46bを固定しているネジ47を緩め、可動カム46bのみを時計回り方向にずらすようにする。このようにした場合、小径部46cの範囲が大きくなり、押圧時間が長くなる。
本実施形態ではネジを緩めてカムをずらし再度ネジを締め付ける方式を示したが、ステッピングモータ、ギヤ、センサ等を用いて操作パネル37から調整量を遠隔操作できるように構成してもよい。
【0070】
図14乃至図16に第4の実施形態を示す。本実施形態では、噴射ノズルと押圧手段の連動動作が、共通のカム機構により所定のタイミングでなされることを特徴とする。
本実施形態におけるシート分離装置5Bは、エアー源を一体に備え、回転軸156に固定された噴射ノズル157と、回転軸156に固定されたアーム158と、ノズル駆動カムとして機能し、図示しない駆動源の回転軸160に固定された駆動カム159と、駆動カム159の中心から偏心した位置に設けられた軸159aとアーム158の端部に設けられた軸158a間に回転自在に連結されたリンク161を有している。駆動カム159は回転軸160の長手方向に間隔をおいて複数設けられている。
押圧手段6Bでは、押圧駆動カムとして機能する共通の駆動カム159と、支柱43(図示省略)の軸43aに回動自在に支持された押圧レバー150と、該押圧レバー150のカムフォロア45と反対側の端部に設けた軸150aを支点として回動自在に支持された従動レバー151が設けられている。従動レバー151は押圧レバー150の下面に沿うストッパとしての曲げ片151aを有しており、押圧レバー150に対して反時計回り方向にのみ回転できるようになっている。従動レバー151の先端部には押圧部材152が設けられている。
押圧部材152は、押圧時の印刷用紙2に対する接触痕が残らないように、円筒状又は円柱形状を有し、従動レバー151の先端部に回転自在に支持されている。押圧部材152は、押圧片14と同様に、印刷用紙2の幅方向に延びる長さを有している。なお、既述したように、押圧手段6Bはシート分離装置5Bの一要素である。
【0071】
本実施形態における印刷用紙2の分離動作(隙間形成動作)及び搬送動作は第1の実施形態と同様である。
すなわち、図示しない印刷スタートボタンが押されると、図14に示すように、印刷用紙2が積載されたトレイ3が図示しない給紙台昇降機構によって吸着搬送手段4に向け上昇を開始する。
吸着搬送手段4と、トレイ3に載置された印刷用紙2の最上位の印刷用紙2aとの間が所定の間隔(用紙上面が適正高さ)になった時点で用紙位置検知センサ7(省略)が最上位の印刷用紙2aを検知し、トレイ3が停止するように図示しない給紙台昇降機構が制御手段16により制御される。
印刷動作が進むに連れて用紙上面位置が適正でないことが用紙位置検知センサ7によって検知されると、必要量だけトレイ3が吸着搬送手段4に向けて移動及び停止する制御が繰り返しなされる。
【0072】
印刷用紙2の上面2aが適正高さになってトレイ3の上昇が停止すると、所定のタイミングにて噴射ノズル157へのエアー源からのエアー供給と、吸着搬送手段4においてはエアー吸引源21からのエアー吸引が開始され、それと同時に噴射ノズル157と押圧手段6Bを揺動すべくそれらの共通の駆動源である駆動カム159の駆動が開始される。
押圧手段6Bの押圧部材152が非押圧位置にある状態で、噴射ノズル157から印刷用紙2の搬送方向下流側端面に向けてエアーが吹き付けられ、徐々に印刷用紙2間にエアーが入り込む。駆動カム159が回転しその小径部159bにカムフォロア33が達すると、図15に示すように、噴射ノズル157がエアーを印刷用紙2の端面に吹き付けたまま吸着搬送手段4に向けて揺動を始め、噴射ノズル157が上死点に至るとほぼ同時に押圧手段6Bが用紙上面2aの押圧を開始する。
【0073】
噴射ノズル157が吸着搬送手段4に向けて揺動していく過程において、空気流の中心が吸着搬送手段4に近接した印刷用紙2間に順次移動していくことにより、用紙群端面に噴射する空気流の中心線に対してその上に残った用紙枚数(重さ)が徐々に少なくなっていく為、用紙群のうち、吸着搬送手段4に対して遠い部分から近い部分にかけて、エアーによって形成される隙間が徐々に大きくなる。
また、空気流の中心を挟み、トレイ3側の印刷用紙2は順次トレイ3側に戻されていくため、エアーによる用紙分離が促進されることになる。サイズが小さく重さが軽い印刷用紙2の場合、エアーによりトレイ3側に戻される際に、その勢いでトレイ3上の印刷用紙2よりもさらに後方に戻される場合があるので、そのような場合には用紙後端部にエンドフェンス38を設ければよい。
【0074】
押圧手段6Bによる用紙押圧が完了すると、それまで印刷用紙2間に行き渡っていたエアーがその時点で遮断されることになる。行き場を失った空気流の膨らみにより、図16に示すように、押圧部材152より搬送方向下流側の最上位の印刷用紙2aが吸着搬送手段4側に更に持ち上げられ吸引される。
駆動カム159が更に回転して押圧レバー150が上方への回動を開始して押圧部材152が搬送される印刷用紙2の上面から離れると、所定タイミングを経て吸着搬送手段4による印刷用紙2の搬送が開始される。駆動カム159が更に回転することにより、噴射ノズル157は徐々に下方に向けて揺動され、次の搬送に向けて再び2枚目以下の印刷用紙2の予備分離を同時に行う。
搬送された印刷用紙2がレジストローラ対9の手前の用紙検知センサ10により検知されると、所定時間経過後に吸着搬送手段4の搬送動作が停止するように制御される。更にレジストローラ対9の用紙搬送負荷を減らしたい場合には、レジストローラ対9の印圧部120へ向けた駆動を開始するタイミングに合わせて吸着搬送手段4の吸着を停止するように制御してもよい。
【0075】
図17に、第5の実施形態を示す。本実施形態では、噴射ノズル24又は噴射ノズル157による空気流の噴射方向下流側(用紙搬送方向上流側)において印刷用紙2間に隙間を形成するシート後端側隙間形成手段162を有していることを特徴とする。シート後端側隙間形成手段162により印刷用紙2の後端側にも隙間を形成して搬送される印刷用紙2の抵抗を低減して搬送性を向上させることを目的としている。
シート後端側隙間形成手段162は、本実施形態においては、噴射ノズル24又は噴射ノズル157による空気流の噴射方向と略直交する印刷用紙2の幅方向において印刷用紙2の束の端面に空気流を噴射する構成を有している。具体的には、印刷用紙2の束の端面に空気流を噴射するファン162aと、図示しない装置側板に固定され、ファン162aを駆動する駆動機構162bを有している。
【0076】
シート後端側隙間形成手段162の近傍には、吸着搬送手段4に最も近接した最上位の印刷用紙2aの位置を検知するシート位置検知手段としての反射型のフォトセンサ163が設けられている。フォトセンサ163が上記用紙位置検知センサ7を兼ねる構成としてもよい。
制御手段16は、トレイ3が上昇し、吸着搬送手段4との間に所定の間隔を空けて停止した時点での最上位の印刷用紙2aとシート後端側隙間形成手段162が作動した後における上記最上位の印刷用紙2a間の高低差を演算し、演算結果が所定量を超えないように、シート後端側隙間形成手段162による空気流の噴射力を調整するようになっている。
図17(a)は、トレイ31が上昇し、吸着搬送手段4との間に所定の間隔を空けて停止した時に、吸着搬送手段4に一番近接した1枚目の印刷用紙2aの位置をフォトセンサ163によって検知している様子を示している。
図17(b)は、シート後端側隙間形成手段162が作動した後において、吸着搬送手段4に一番近接した1枚目の印刷用紙2aを含む印刷用紙群がファン162aからの空気流で浮揚し、その時に最上位の印刷用紙2aの位置を検知している様子を示している。
【0077】
図17(a)、(b)に示す状態でフォトセンサ163により得られた数値をそれぞれh1、h2とすると、H1−H2=Mの演算結果が得られる。その結果が実験によって得られたM0に対しM>M0であった場合、制御手段16は、シート後端側隙間形成手段162からの空気流で印刷用紙2aが必要以上に浮揚していると判断し、MがM0を超えないようにシート後端側隙間形成手段162からの空気流の強弱制御を行う。
これにより、印刷用紙2の後端側の用紙間に、より広範囲に適切な隙間を安定して形成でき、用紙間の摩擦カを低減できるので、2枚目以降の摩擦力(ブレーキ力)によって1枚目と吸着搬送手段4との間でスリップすることによる搬送不良(不送り)を防止することが可能となるとともに、印刷用紙2の後端部が空気流でばたつくことによる搬送不良(例えばジャムやスキュー)を未然に防止することが可能となる。
【0078】
図18に、シート後端側隙間形成構成の変形例(第6の実施形態)を示す。本実施形態では、シート後端側隙間形成手段がトレイ3と共に昇降可能に設けられ、且つ、印刷用紙2の積載方向に移動可能に設けられていることを特徴としている。
トレイ3の吸着搬送手段4よりも上流側(用紙後端側)に相当する部分には、印刷用紙2の搬送方向と直交する幅方向の位置を規制するシート幅規制手段としての一対のサイドフェンス164が設けられており、これらのサイドフェンス164にはシート後端側隙間形成手段162が一体に設けられている。
サイドフェンス164の下端側には駆動モータ165が設けられており、該駆動モータ165の回転軸には駆動プーリ166が固定されている。サイドフェンス164の上端側にはブラケット167が固定されており、該ブラケット167には従動プーリ168が回転自在に支持されている。駆動プーリ166と従動プーリ168間にはベルト169が掛け回されており、該ベルト169にシート後端側隙間形成手段162が固定されている。従って、駆動モータ165を動作させることによりシート後端側隙間形成手段162を上下方向(印刷用紙2の積載方向)に移動させることができる。シート後端側隙間形成手段162の移動範囲に対応するサイドフェンス164の部位には空気流通過用の開口部が形成されている。
【0079】
制御手段16は、フォトセンサ163からの信号により、シート後端側隙間形成手段162を常に吸着搬送手段4に一番近接した1枚目の印刷用紙2aを含む用紙群の端面に対応する位置に移動させる制御を行う。これにより、印刷用紙2が搬送されていく毎に減っていく印刷用紙2の束において、常に、吸着搬送手段4に一番近接した1枚目の印刷用紙2aを含む用紙間に隙間を形成することができる。
制御手段16は、該制御手段16によって決められたシート後端側隙間形成手段162の位置をスタートの基準とし、印刷用紙2が搬送されていく毎に変化するフォトセンサ163からの検知信号に基づいてシート後端側隙間形成手段162を常に吸着搬送手段4に一番近接した1枚目の印刷用紙2aを含む用紙群の端面に対する位置に移動させる位置制御手段としても機能する。
シート後端側隙間形成手段162の位置を確実に検知するために、ブラケット167に支持された位置検知手段としてのフォトセンサ170を併用してもよい。
また、シート後端側隙間形成手段162の上限、或いは下限位置を検知する図示しない検知手段を設け、ベルト169を駆動する手段として図示しないステッピングモータを用いれば、フォトセンサ163からの信号に対応して、ステップ数でシート後端側隙間形成手段162の位置管理を行うことも可能である。
【0080】
図19に、シート後端側隙間形成構成の他の変形例(第7の実施形態)を示す。
本実施形態では、サイドフェンス164にシート後端側隙間形成手段162が印刷用紙2の積載方向に複数個(本実施形態では3個)一体に設けられている。制御手段16は、フォトセンサ163からの信号に基づき、吸着搬送手段4に一番近接した1枚目の印刷用紙2aを含む用紙群の端面に対応する必要なシート後端側隙間形成手段162のみを上から順に駆動させるようになっている。
本実施形態では、必要なシート後端側隙間形成手段162のみをスイッチング制御するだけで、シート後端側隙間形成手段162を上下に移動させる機構が必要ないので、装置の簡略化が実現できる。
【0081】
図19に示す構成において、フォトセンサ163を省き、各サイドフェンス164に1個ないし複数個のシート後端側隙間形成手段162を取り付け、常時駆動させるようにしてもよい。
この場合、実際には吸着搬送手段4に一番近接した1枚目の印刷用紙2aを含む用紙群付近の用紙間のみにエアーが入り込んで隙間が形成され、それより下の部分には印刷用紙2の重みでエァーはほとんど入り込まず密着したままであるので、フォトセンサ163は特には必要が無く、簡単な構成のみで搬送されようとしている印刷用紙2間のみに隙間を形成することができる。
なお、図18、図19のいずれの場合でも、シート後端側隙間形成手段162の非駆動時における最上紙位置検出結果H1と、シート後端側隙間形成手段162駆動時の検出結果H2から算出されたデータMに基づき、制御手段16によりシート後端側隙間形成手段162の位置を変更したり、印刷用紙2の側面に吹き付ける空気流の強さを変えたり、或いは駆動するシート後端側隙間形成手段162をスイッチングしたり等の制御を行い、最上紙2aが必要以上に浮揚しないようにすることが可能である。
【0082】
図18に示したような、シート後端側隙間形成手段162が印刷用紙2の積載方向に移動可能な構成において、吸着搬送手段4が動作を開始してから印刷用紙2が吸着されるまでの時間を計測するタイマー手段を設け、制御手段16は、該タイマー手段にて計測した結果が所定時間を超えた場合に、シート後端側隙間形成手段162を作動させ、トレイ3が上昇し吸着搬送手段4との間に所定の間隔を空けて停止した時点での最上位の印刷用紙2aとシート後端側隙間形成手段162が作動した後における上記最上位の印刷用紙2a間の高低差を演算し、演算結果が所定量を超えないようにシート後端側隙間形成手段162の位置(シート後端側隙間形成手段162による空気流の位置)を移動させるかあるいはシート後端側隙間形成手段162による空気流の噴射力を調整するようにしてもよい。
【0083】
図18に示したような、シート後端側隙間形成手段162が印刷用紙2の積載方向に移動可能な構成において、トレイ3が上昇し吸着搬送手段4との間に所定の間隔を空けて停止した時点での最上位の印刷用紙2aとシート後端側隙間形成手段162が作動した後における上記最上位の印刷用紙2a間の高低差を演算し、演算結果が所定量を超えないようにシート後端側隙間形成手段162による空気流の噴射力を調整する制御手段16と、該制御手段によって決められたシート後端側隙間形成手段162の空気流の噴射力の状態を保持したまま、印刷用紙2が搬送されていく毎に変化するフォトセンサ163からの検知信号に基づいてシート後端側隙間形成手段162を常に吸着搬送手段4に最も近接した最上位の印刷用紙2aを含む用紙群の端面に対する位置に移動させる位置制御手段を有している構成としてもよい。この場合、位置制御手段は制御手段16が兼ねることができる。
【0084】
図20及び図21に第8の実施形態を示す。
本実施形態では、シート後端側隙間形成手段162が、空気流の噴射方向と略直交する印刷用紙2の幅方向から印刷用紙2の後端方向にかけて変位可能に設けられ、印刷用紙2の束の端面に空気流を噴射する構成を有していることを特徴とする。
印刷用紙2のサイズが大きい(搬送方向に長い)場合や、大きいサイズで紙厚が厚い場合には、通常サイズの印刷用紙2に比べてより後端側に空気流を噴射した方がシート後端側隙間形成手段162の隙間形成機能を十分に発揮させることができる。本実施形態ではこの考えの下、シート後端側隙間形成手段162の空気流を印刷用紙2のサイズに応じて後端側へ変位可能としている。
【0085】
図20に示すように、サイドフェンス164には上下に間隔をおいて水平方向に延びるブラケット182、183が固定されており、ブラケット182、183間には、複数個(本実施形態では3個)のシート後端側隙間形成手段162が印刷用紙2の積載方向に固定されたフレーム183が上端側を軸184で、下端側を軸185でそれぞれ軸支されて回動可能に設けられている。軸184と軸185は同一軸心上に位置している。
図21に示すように、上端側のブラケット182には、長孔182aが形成されており、該長孔182aに挿通して固定ネジ186がフレーム183の上面に形成された図示しないネジ孔に螺合されている。従って、固定ネジ186の緩め・締め付け操作によってフレーム183を長孔182aの範囲内で任意の位置に回動して固定できるようになっている。
【0086】
印刷用紙2が例えばA4サイズのように普通サイズの場合には、2点鎖線で示すように、シート後端側隙間形成手段162が印刷用紙2の幅方向に向けて空気流を噴射するようにフレーム183が固定される。
印刷用紙2が例えばA3サイズのように大きい場合には、実線で示すように、固定ネジ186を緩めてシート後端側隙間形成手段162が印刷用紙2の後端側へ向くように回動し、固定する。フレーム183を回動した場合、空気流afはより後端側へ向けて噴射される。シート後端側隙間形成手段162の噴射力の調整等の制御は上記各実施形態と同様である。
本実施形態では手動操作によりシート後端側隙間形成手段162を回動変位させる構成としたが、ギアとステッピングモータ等を用いて自動的に回動変位させる構成としてもよい。
【0087】
上述したシート後端側隙間形成手段の諸構成は、本発明の特徴である、変位する噴射ノズルとの組み合わせの場合に限らず、従来における固定式の噴射ノズル構成との組み合わせにおいても、その印刷用紙2の搬送性の向上を図ることができる。
【0088】
図22に第9の実施形態を示す。本実施形態では、シート分離装置5によって分離が可能か否かを印刷用紙2の種類によって判断し、種類に応じて搬送形態を変えることを特徴とする。
本実施形態では、吸着搬送手段4が用紙搬送方向下流側を支点として、すなわち、回転軸18aを支点として印刷用紙2に対して接離する方向に回動自在に設けられている。吸着搬送手段4の右側近傍には、吸着搬送手段4の用紙搬送方向上流側の印刷用紙2に対する近接位置を規制する位置規制手段としてのL字状のブラケット171が図示しない装置側板に固定されて設けられている。このブラケット171に吸着箱20に固定されたL字状の係合片20cが係合することにより吸着搬送手段4の位置規制がなされている。
【0089】
ブラケット171の右側には、吸着搬送手段4に最も近接した最上位の印刷用紙2aの位置を検知し且つトレイ3の昇降方向に移動可能に設けられ、吸着搬送手段4の用紙搬送方向上流側と印刷用紙2aとの間に所定の間隔を維持するためのシート位置検知手段172が設けられている。シート位置検知手段172はその上端部に係合片172aを有しており、図示しない装置側板に固定されたガイド部材174の下端174aに係合片172aが当接することにより通常(シート分離装置5によって分離できる印刷用紙2の場合)の位置決めがなされるようになっている。シート位置検知手段172は自重により通常の位置決めがなされており、下側からの押圧力によって上昇可能となっている。
また、吸着搬送手段4の上部には、吸着搬送手段4の回動範囲における該吸着搬送手段4の搬送面が印刷用紙2と略平行に接触する上限位置を検知する回動上限位置検知手段173が設けられている。
【0090】
操作パネル37には、印刷用紙2の種類を入力する図示しないシート種類入力手段が設けられており、該シート種類入力手段からの情報に基づいて制御手段16は、シート分離装置5により分離可能な印刷用紙かどうかを判断する。
分離可能な印刷用紙の場合には、図22(a)に示すように、上述した実施形態と同様に、シート位置検知手段172からの検知信号に基づいて吸着搬送手段4の用紙搬送方向上流側と印刷用紙2との間に所定の間隔を維持するようにトレイ3の昇降を制御する。
空気流噴射によっても分離困難な印刷用紙の場合には、制御手段16は、シート位置検知手段172からの検知信号に拘わらずトレイ3を上昇させ、シート位置検知手段172を上方に追従移動させながら吸着搬送手段4を反時計回り方向に回動させる。そして回動上限位置検知手段173により吸着搬送手段4が検知されるまでトレイ3の上昇移動を制御する。
分離可能な印刷用紙の場合には、既述したように、シート分離装置5により分離した後、吸着搬送手段4により吸着して搬送する。空気流噴射によっても分離困難な印刷用紙の場合には、吸着搬送手段4の重さと空気の負圧作用の両方によって搬送面に発生する摩擦搬送力により搬送する。
なお、この場合には、空気流を噴射するエアー源は停止させても分離性には影響は無く、もちろん吸着搬送手段4に接していない部分の用紙間に対して少しでも空気流を導入させるためエアー源を作動させたままでもどちらでもよい。
【0091】
図23に、押圧手段6の変形例(第10の実施形態)を示す。
本実施形態における押圧手段6Cでは、軸43aに回動自在に支持された押圧レバー150と、該押圧レバー150のカムフォロア45と反対側の端部に設けた軸150aを支点として回動自在に支持された従動レバー151が設けられている。従動レバー151は押圧レバー150の下面に沿うストッパとしての曲げ片151aを有しており、押圧レバー150に対して反時計回り方向にのみ回転できるようになっている。
また、従動レバー151にその長手方向に延びる長孔151bが形成されており、この長孔151bに上記軸150aが係合している。押圧レバー150の上記曲げ片151aの近傍には突起150bが形成されており、曲げ片151aが突起150bの反対側に位置するように従動レバー151を移動させると、図23(b)に示すように、従動レバー151の先端部に設けられた押圧部材152が印刷用紙2を押圧しない退避位置に設定されるようになっている。
【0092】
押圧レバー150には、従動レバー151が退避位置に設定されているかどうかを検知するための検知センサ153が設けられている。検知センサ153による検知情報は制御手段16に入力され、制御手段16は表示手段としての例えば操作パネル37の図示しない液晶表示部に退避位置にあることを表示する。
押圧部材152は、押圧時の印刷用紙2に対する接触痕が残らないように、円筒状又は円柱形状を有し、従動レバー151の先端部に回転自在に支持されている。押圧部材152は、押圧片14と同様に、印刷用紙2の幅方向に延びる長さを有している。本実施形態では、押圧駆動カムとして、ノズル駆動カム40と同様のものを使用している。
【0093】
押圧駆動カム40が図示しない駆動手段によって回転すると、カムフォロア45はやがて押圧駆動カム40の小径部40aに達する。押圧部材152はカムフォロワ45が押圧駆動カム40の小径部40aに達する前に印刷用紙2の上面2aに接するように構成され、小径部40aに達するまで押圧部材152が押圧接触したまま押圧レバー150のみが押圧駆動カム40の曲線(カム面)に従い、軸43aの回りに更に揺動するようになっている。従動レバー151は反時計回り方向に回動自在であるので、押圧部材152は従動レバー151を含む自重のみで印刷用紙2を押圧する。
【0094】
従動レバー151を一旦右側にずらして、曲げ片151aを突起150bに突き当てた状態にすると、図23(b)に示すように、カムフォロア45が押圧駆動カム40の小径部40aに達しても押圧部材152は常時印刷用紙2の上面から隙間を有する退避位置に保持される。
従動レバー151のずらし操作によって上記検知センサ153がオン・オフするようになっており、オペレータは操作パネル37の液晶表示部を見て現在の押圧部材152の状況を確認することが可能となる。
印刷用紙2の種類によっては、上述したように、押圧手段を使用することが却って逆効果となる場合がありそのような条件下では押圧部材152は退避位置に設定される。
【0095】
図24に、押圧手段6Cの変形例(第11の実施形態)を示す。
本実施形態における押圧手段6Dでは、オペレータが手動で従動レバー151をずらして退避位置に設定することを自動的に行うことを特徴としている。
従動レバー151には上方に立ち上がるブラケット151cが一体に形成されており、押圧レバー150にはソレノイド154が設けられている。ソレノイド154の伸縮ロッド154aとブラケット151cはリンク155で接続されており、リンク155のブラケット151c側の端部は該ブラケット151cに設けられた軸151dに回動自在に連結されている。検知センサ153は押圧レバー150に固定された図示しないブラケットにより支持されている。
【0096】
オペレータが操作パネル37を介して押圧部材152の退避設定を入力すると、制御手段16はソレノイド154に通電してソレノイド154をオン(吸引)し、これにより従動レバー151は上方に回動して押圧部材152は退避位置に設定される。
押圧部材152の働き等は、図23で示した例で述べた内容と全く同じである。
従動レバー151はソレノイド154に連結されてはいるが、図23の説明でも述べたように、押圧部材152はカムフォロワ45が押圧駆動カム40の小径部40aに達する前に印刷用紙2の上面2aに接し、その後押圧部材152が押圧接触したまま押圧レバー150は押圧駆動カム40の曲線(カム面)に従い、軸43aの回りに揺動するようになっているために、リンク155とソレノイド154との間あるいは、リンク155と従動レバー151との間には適度な遊びを設けている。
【0097】
図22で示した構成と、図23で示した押圧手段6Cとを組み合わせた場合では、ユーザーにより図示しない上記シート種類入力手段により入力された種類がシート分離装置5により隙間が形成可能な印刷用紙(標準紙)か、隙間形成が困難な印刷用紙(厚紙等)かどうかと、押圧手段6Cが退避位置にセットされたかどうかの信号データとの組み合わせによって、印刷用紙2が積載されたトレイ3は制御手段16により以下のように移動制御されるようになっている。
【0098】
(1)シート種類入力手段より標準紙と入力され、押圧手段6Cが退避位置にセットされていない場合:
シート位置検知手段172により吸着搬送手段4とトレイ3に積載された印刷用紙2aとの間に常に所定の間隔を維持するようにトレイ3を移動制御する。
(2)シート種類入力手段より厚紙と入力され、押圧手段6Cが退避位置にセットされている場合:
シート位置検知手段172で検知したまま、吸着搬送手段4に印刷用紙2aを接触させ、ブラケット171で保持された位置から更に吸着搬送手段4を上方に回動させ、吸着搬送手段4の回動箪囲に設けた回動上限位置検知手段173で吸着搬送手段4が検知されるまでトレイ3を移動制御する。
(3)シート種類入力手段より標準紙と入力され、押圧手段6Cが退避位置にセットされている場合:
シート位置検知手段172により吸着搬送手段4と印刷用紙2aとの間に常に所定の間隔を維持するようにトレイ3を移動制御するとともに、図示しない液晶表示部に押圧手段6Cが退避状態であることを表示(警告)する。
(4)シート種類入力手段より厚紙と入力され、押圧手段6Cが退避位置にセットされていない場合:
シート位置検知手段172で検知したまま、吸着搬送手段4に印刷用紙2aを接触させ、ブラケット171で保持された位置から更に吸着搬送手段4を上方に回動させ、回動上限位置検知手段173で吸着搬送手段4が検知されるまでトレイ3を移動制御するとともに、液晶表示部に押圧手段6Cが退避していないことを表示(警告)する。
【0099】
図22で示した構成と、図24で示した押圧手段6Dとを組み合わせた場合では、吸着搬送手段4によって該吸着搬送手段4より下流側にあるレジストローラ対9に向けて搬送されてきた印刷用紙2の、レジストローラ対9のニップ部への到達を検知する用紙検知センサ10と、印刷用紙2が吸着搬送手段4によって搬送が開始されてから用紙検知センサ10が検知動作するまでの時間を計測する図示しないタイマー手段としてのタイマーが設けられることによって、トレイ3は以下のように移動制御されるようになっている。
【0100】
(1)印刷用紙2の、レジストローラ対9のニップ部への到達する時間が所定時問より長い場合、押圧手段6Dを非押圧位置から更に退避した退避位置に移動するとともに、ブラケット171で保持された位置から吸着搬送手段4に印刷用紙2を接触させた上で更に吸着搬送手段4を上方に回動させ、回動上限位置検知手段173で吸着搬送手段4が検知されるまでトレイ3を移動制御する。
(2)印刷用紙2の、レジストローラ対9のニップ部への到達する時間が所定時間より短い場合、押圧手段6Dを退避位置から非押圧位置に移動するとともに、吸着搬送手段4と印刷用紙2との間にシート位置検知手段172により常に所定の間隔が維持されるまで前記トレイ1を移動制御する。
なお、上記の所定時間とは、実験によって求められた許容できる吸着搬送手段4と印刷用紙2間のスリップ率から計算された時間であり、全くスリップしない、すなわち印刷用紙2間の摩擦抵抗が極端に小さく、重送が発生する危険性がある場合にはレジストローラニップ部への印刷用紙2の到達時間が所定時間よりも短くなるので、このような場合には逆に搬送力を重送が発生しにくい状態まで弱める制御モードに変更する必要がある(後述の吸着搬送手段4の吸着力調整)。本構成においても、用紙検知センサ10により印刷用紙2先端が検知されてから所定時間経過後に吸着搬送手段4の搬送が停止され、レジストローラ対9の用紙搬送負荷を減らしたい場合には、レジストローラ対9による搬送の開始タイミングに合わせて吸着搬送手段4の吸着を停止するように制御してもよい。
【0101】
図25及び図26に、第12の実施形態を示す。本実施形態では、吸着搬送手段4の印刷用紙2の吸着力を調整可能であることを特徴とする。
図25(a)に示すように、吸着箱20の一部に、印刷用紙2の搬送方向に延びる矩形の窓20dが形成されており、窓20dの内部には吸着力の強さを示す矢印をかねた取手175aを有するスライド扉175が設けられている。スライド扉175は、窓20dが形成された吸着箱20の側面の内側に設けられたガイド20eによってガイドされる。
図25(a)は、スライド扉175の全閉状態を示しており、吸着力は最大になる。図25(b)は、スライド扉175が略半分開かれた状態を示しており、この場合吸着力は中レベルとなる。
スライド扉175を開いたり閉じたりすることによって容易に印刷用紙2の吸着力を可変できるため、特別な電子回路により吸引源であるファンモータ23bへの印加電圧を変えて回転数(吸引力)を変える必要は無くなる。
もちろん、上記のようにスライド扉175を開け閉めする方式ではなく、ファンモータ23bの回転数を変えることによって吸引力を強弱制御することも可能である。
【0102】
図27に、第13の実施形態を示す。本実施形態では、印刷用紙2の分離機能をさらに高めることを目的としている。
吸着搬送手段4の搬送面下流側には、用紙搬送方向前方側のローラ部材18に対して用紙搬送面を挟んで対向する位置に摩擦部材176が設けられている。摩擦部材176は、前方のローラ部材18に向けて所定の圧力で搬送ベルト17に接触するように設けられている。又、ローラ部材18と同軸上に設けた搬送ローラ22に接触するように設けてもよい。
摩擦部材176は、ホルダ177に保持されており、該ホルダ177は、面板8に固定されたブラケット178に一端側を支持されたバネ179によりローラ部材18あるいは、搬送ローラ22方向へ付勢されている。
印刷用紙2の種類によっては、噴射ノズル24の空気流や押圧手段6でも完全に分離させることが困難なものも存在する。このような場合には、用紙搬送方向下流側で、用紙搬送面を挟んで下方からローラ部材18あるいは、搬送ローラ22に向けて摩擦部材176を圧接させることにより、従来周知の摩擦分離機能を併用することが可能になり、用紙分離動作をより確実に行うことができる。
また、通常搬送時には摩擦部材176の反力と搬送部材(搬送ベルト17或いは搬送ローラ)の摩擦係数により搬送力が加わるため、吸着搬送手段4全体のシート搬送力を増大させることになる。
【0103】
図28に、第14の実施形態を示す。本実施形態では、印刷用紙2の分離機能(特に重送防止機能)をさらに高めることを目的としている。
面板8の上端には、搬送待機状態の印刷用紙2の先端部が面板8に突き当てられた位置から摩擦部材176側にずれ込まないように、シート阻止部材180が設けられている。シート阻止部材180は、吸着搬送手段4の用紙搬送面に対向して配置され且つ該搬送面との間に搬送待機状態の印刷用紙2が進入しない程度の隙間を形成するように設けられている。
シート阻止部材180を設けない場合には、図29に示すように、最上位の印刷用紙2aが搬送されるにつれて、2枚目以降の印刷用紙2が用紙間の摩擦力により徐々に摩擦部材176側にずれ込んでしまい、吸着搬送手段4に一番近接した1枚目の印刷用紙2aを含む用紙群の端面に対して噴射ノズル24が空気流を噴射しても互いの用紙間に十分な隙間を形成させることが困難になってしまう。これに対し、シート阻止部材180を設ける構成とした場合、印刷用紙2の先端部が効果的にシート阻止部材180で進入が阻止されるため、噴射ノズル24により2枚目以降の用紙間に効率的に隙間が形成されて予備分離を確実に行うことができる。
【0104】
上記各実施形態で述べたシート給送装置を、従来装置への着脱が可能にユニット化してもよい。すなわち、従来装置における着脱可能なシート給送装置との互換性を持たせるようにしてもよい。このようにすれば、従来装置においても上述した高精度なシート分離・搬送機能を容易に得ることができる。
【0105】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、シート分離装置において、空気流を発生するエアー源と、該エアー源からの空気流を噴射する噴射ノズルを有し、少なくとも上記噴射ノズルが、シートが積載されたシート束の該積載方向に変位可能に設けられ、上記噴射ノズルを空気流を噴射させながら上記シート束の端方向へ変位させて該シート束の端部の各シート間に隙間を形成し、最終的に最端のシートを他のシートと分離する構成としたので、噴射ノズル変位によって空気流中心線、つまり、流速が一番強いポイントを結んだ線で、シートの幅方向とほぼ平行に存在する線よりも上に残るシート枚数が徐々に少なくなっていくにつれて、シート間に形成される隙間は徐々に大きくなっていくとともに単一噴射流によってシート先端部のばたつきが抑制されるので、空気流によるシート分離の確実性を高めることができる。
【0106】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載のシート分離装置において、空気流の噴射方向と略直交するシートの幅方向において、上記噴射ノズルの変位動作に連動して所定のタイミングで上記最端のシートをその積載方向に押圧し、該最端のシートとその次のシートとの間における空気流の通り抜けを妨げる押圧手段を有している構成としたので、空気流の滞留及び膨張作用により最端のシートと他のシートを迅速且つ確実に分離することができる。
【0107】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載のシート分離装置において、上記押圧手段による押圧タイミング及び押圧時間を調整可能に設けられている構成としたので、シートの種類や環境条件に合わせて最適な分離機能を得ることができる。
【0108】
請求項4記載の発明によれば、請求項1又は2記載のシート分離装置において、上記噴射ノズルから空気流を噴射し始めるタイミングと噴射する時間を調整可能に設けられている構成としたので、シートの種類や環境条件に合わせて最適な分離機能を得ることができる。
【0109】
請求項5記載の発明によれば、請求項2記載のシート分離装置において、上記押圧手段のシートに押圧接触する部分が、湾曲面形状を有している構成としたので、シートに対する接触痕を残すことがなく、押圧手段による損傷付与を防止できる。
【0110】
請求項6記載の発明によれば、請求項1又は2記載のシート分離装置において、上記噴射ノズルが、シートの搬送方向と略直交するシートの幅方向に移動可能に設けられている構成としたので、シート先端部に対するエアーの噴出口をシート搬送方向と直交する方向に移動可能にすることによって、さまざまなサイズのシートにも最適なシート間隙間を形成することができる。また、噴射ノズルを2個用いれば、搬送するシートの幅が小さい場合や、シートが厚めの場合には2個の噴射ノズル間隔を狭くして、空気流を中央部に集中させたり、逆にシート幅が広い場合には両噴射ノズル間隔を広くしたりしての対応も可能である。
【0111】
請求項7記載の発明によれば、請求項1乃至6のうちの何れか1つに記載のシート分離装置において、上記最端のシートを他のシートと分離した後、上記噴射ノズルを空気流を噴射させながら逆方向に変位させ、上記最端のシート以外の残ったシート群の予備分離を行う構成としたので、2枚目以降のシートの分離機能を高めることができる。
【0112】
請求項8記載の発明によれば、請求項1又は2記載のシート分離装置において、上記噴射ノズルによる空気流の噴射方向下流側においてシート間に隙間を形成するシート後端側隙間形成手段を有している構成としたので、シート後端側のシート間の摩擦抵抗を低減でき、分離機能を高めることができる。
【0113】
請求項9記載の発明によれば、請求項8記載のシート分離装置において、上記シート後端側隙間形成手段が、シート束の端面に空気流を噴射する構成を有している構成としたので、シート後端側のシート間の摩擦抵抗を確実に低減でき、分離機能を高めることができる。
【0114】
請求項10記載の発明によれば、請求項8記載のシート分離装置において、上記シート後端側隙間形成手段が、空気流の噴射方向と略直交するシートの幅方向からシート後端方向にかけて変位可能に設けられ、シート束の端面に空気流を噴射する構成を有していることとしたので、シートサイズが大きい(搬送方向に長い)場合や、大きいサイズで紙厚が厚い場合にはシート後端側隙間形成手段をシートの後端側に変位させたり、あるいはシート積載方向と平行な軸周りに回転調整したりすることによって、シートサイズ及び種類に対応した隙間形成機能を得ることができる。
【0115】
請求項11記載の発明によれば、請求項9又は10記載のシート分離装置において、上記シート後端側隙間形成手段による空気流の噴射力を調整可能である構成としたので、シート後端側がばたつくことによるスキュー等の弊害を防止しながら、シート間の摩擦抵抗を確実に低減でき、分離性能を高めることができる。
【0116】
請求項12記載の発明によれば、請求項8記載のシート分離装置において、シート積載方向における上記シート後端側隙間形成手段の位置を調整可能である構成としたので、シート後端側がばたつくことによるスキュー等の弊害を防止しながら、シート間の摩擦抵抗を確実に低減でき、分離性能を高めることができる。
【0117】
請求項13又は36記載の発明によれば、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が、請求項1乃至12のうちの何れか1つに記載のものである構成としたので、上述した効果をそれぞれ得ることができる。
シートに対しn枚目とn+1枚目間から吸着搬送手段に一番近接した1枚目と2枚目間にかけて順次シート間に隙間が形成されるように噴射ノズルが変位動作することにより、シート群端面に噴射する空気流の中心線に対してその上に残ったシート枚数(重さ)が徐々に少なくなって行く為、シート群の内、吸着搬送手段に対して遠い部分から近い部分にかけて、エアーによって形成される隙間が徐々に大きくなる。それと同時に空気流中心線よりも下の部分はトレイ側に戻されることになる。よって、噴射される空気流による分離が確実に行われる。
【0118】
請求項14又は36記載の発明によれば、請求項13記載のシート給送装置において、上記吸着搬送手段が、複数の吸引孔を有しシート搬送方向と略直交するシート幅方向に間隔をおいて複数本設けられた無端状の搬送ベルトと、少なくともシート搬送方向前後に配置され上記搬送ベルトを支持するローラ部材を有し、これらのローラ部材のうち少なくとも一方には、上記搬送ベルトを支持する支持ローラとは別にシートを上記搬送ベルトとは独立に搬送する搬送ローラが上記支持ローラと同軸上に設けられている構成としたので、吸着搬送手段によるシート吸引力が及びにくい部分でのシート搬送力を向上させることができる。
【0119】
請求項15又は36記載の発明によれば、請求項13記載のシート給送装置において、上記吸着搬送手段が、複数の吸引孔を有しシート搬送方向と略直交するシート幅方向に間隔をおいて複数本設けられた無端状の搬送ベルトと、少なくともシート搬送方向前後に配置され上記搬送ベルトを支持するローラ部材を有し、これらのローラ部材のうち、シート搬送方向前方側のローラ部材に対してシート搬送面を挟んで対向する位置に設けられ、該前方側のローラ部材に向けて所定の圧力で上記搬送ベルトに接触する摩擦部材を有している構成としたので、吸着搬送手段によるシート吸引カが及びにくい部分でのシート搬送力の向上を図ることができるとともに、シート分離装置でも分離が不十分であつた場合には従来から一般的に行われている摩擦分離も併用でき、分離動作を確実に行うことができる。
【0120】
請求項16又は36記載の発明によれば、請求項13記載のシート給送装置において、上記吸着搬送手段が、複数の吸引孔を有しシート搬送方向と略直交するシート幅方向に間隔をおいて複数本設けられた無端状の搬送ベルトと、少なくともシート搬送方向前後に配置され上記搬送ベルトを支持するローラ部材を有し、これらのローラ部材のうち、シート搬送方向前方側のローラ部材と同軸上に該前方側のローラ部材間に位置して搬送ローラが設けられ、該搬送ローラに対してシート搬送面を挟んで対向する位置に設けられ該搬送ローラに向けて所定の圧力で接触する摩擦部材を有している構成としたので、吸着搬送手段によるシート吸引力が及びにくい部分でのシート搬送力の向上を図ることができるとともに、シート分離装置でも分離が不十分であった場合には従来から一般的に行われている摩擦分離も併用でき、分離動作を確実に行うことができる。
【0121】
請求項17又は36記載の発明によれば、請求項13記載のシート給送装置において、上記吸着搬送手段にシートが吸着されたことを検知するシート吸着検知手段を有し、該シート吸着検知手段からの検知信号に基づいて所定のタイミングで上記吸着搬送手段による吸着したシートの搬送を開始する構成としたので、吸着搬送手段におけるシートの搬送時のスベリを極力少なくすることができる。
【0122】
請求項18又は36記載の発明によれば、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記シート後端側隙間形成手段が、上記シート搬送方向上流側で且つ上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートを含むシート群の側面に対する所定の高さに設けられ、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知するシート位置検知手段と、上記トレイが上昇し上記吸着搬送手段との間に所定の間隔を空けて停止した時点での上記最端のシートと上記シート後端側隙間形成手段が作動した後における上記最端のシート間の高低差を演算し、その演算結果が所定量を超えないように上記シート後端側隙間形成手段による空気流の噴射力を調整する制御手段とを有し、常に上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの浮き上がり量が一定になるようにした構成としたので、シート分離装置だけでは十分にシート間に隙間が形成されないような、搬送方向に沿って長尺なシートであっても、また、シートが搬送され上記トレイ上のシートが少なくなっていっても、シート後端側のシート間に、より広範囲に適切な隙間を安定して形成でき、シート間の摩擦力を低減できるので、搬送不良(重送や不送り)を防止することができるとともに、シート後端部が空気流でばたつくことによる搬送不良(例えばジャムやスキュー)を未然に防止することができる。
【0123】
請求項19又は36記載の発明によれば、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記シート後端側隙間形成手段が、上記シート搬送方向上流側で且つシート積載方向に沿って昇降自在に設けられ、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知するシート位置検知手段と、上記シート後端側隙間形成手段を上記シート位置検知手段からの信号を基に、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートを含むシート群の端面に対する所定の位置に保持制御する制御手段とを有し、上記トレイが上昇し上記吸着搬送手段との間に所定の間隔を空けて停止した時点での上記最端のシートと上記シート後端側隙間形成手段が作動した後における上記最端のシート間の高低差を演算し、その演算結果が所定量を超えないように上記シート後端側隙間形成手段による空気流の噴射力を調整するか、上記シート後端側隙間形成手段による空気流の位置を移動するかの少なくともいずれか一方を行うことによって、常に上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの浮き上がり量が一定になるようにした構成としたので、シート分離装置だけでは十分にシート間に隙間が形成されないような、搬送方向に沿って長尺なシートであっても、また、シートが搬送され上記トレイ上のシートが少なくなっていっても、上記のような最適なシート間摩擦力低減方式を選択することによってシート後端側のシート間に、より広範囲に適切な隙間を安定して形成でき、シート間の摩擦力を低減できるので、搬送不良(重送や不送り)を防止することができるとともに、シート後端部が空気流でばたつくことによる搬送不良(例えばジャムやスキュー)を未然に防止することができる。
【0124】
請求項20又は36記載の発明によれば、請求項19記載のシート給送装置において、上記トレイに積載されるシートの搬送方向と略直交するシート幅方向の位置を規制し上記トレイと一体に昇降するシート幅規制手段を有し、上記シート後端側隙間形成手段が、上記シート幅規制手段においてシート積載方向に移動可能に設けられている構成としたので、シート分離装置だけでは十分にシート間に隙間が形成されないような、搬送方向に沿って長尺なシートであっても、また、シートが搬送され上記トレイ上のシートが少なくなっていっても、上記のような最適なシート間摩擦力低減方式を選択することによってシート後端側のシート間に、より広範囲に適切な隙間を安定して形成でき、シート間の摩擦力を低減できるので、搬送不良(重送や不送り)を防止することができるとともに、シート後端部が空気流でばたつくことによる搬送不良(例えばジャムやスキュー)を未然に防止することができる。
また、シート後端側隙間形成手段をシート幅方向規制手段(サイドフェンス)に取り付けた場合には、シート幅方向規制手段をシート側面に合わせさえすれば、シート後端側隙間形成手段とシート側面との相対的な位置関係を、例えトレイに積載されるシートのサイズが変更されても、常に適切に保つことができ、シート間に隙間を形成する動作を安定して行うことができる。
【0125】
請求項21又は36記載の発明によれば、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記トレイに積載されるシートの搬送方向と略直交するシート幅方向の位置を規制し上記トレイと一体に昇降するシート幅規制手段を有し、上記シート後端側隙間形成手段が上記シート幅規制手段においてシート積載方向に移動可能に設けられ、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知するシート位置検知手段と、上記シート後端側隙間形成手段を上記シート位置検知手段からの信号を基に、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートを含むシート群の端面に対する所定の位置に保持制御する制御手段と、上記吸着搬送手段にシートが吸着されたことを検知するシート吸着検知手段と、上記吸着搬送手段が動作を開始してからシートが吸着されるまでの時間を計測するタイマー手段とを有し、上記タイマー手段にて計測した結果が所定時間を超えた場合に、上記シート後端側隙間形成手段を作動させ、上記トレイが上昇し上記吸着搬送手段との間に所定の間隔を空けて停止した時点での上記最端のシートと上記シート後端側隙間形成手段が作動した後における上記最端のシート間の高低差を演算し、その演算結果が所定量を超えないように上記シート後端側隙間形成手段による空気流の噴射力を調整するか、上記シート後端側隙間形成手段による空気流の位置を移動するかの少なくともいずれか一方を行うことによって、常に上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの浮き上がり量が一定になるようにした構成としたので、シート分離装置だけでは十分にシート間に隙間が形成されないような、搬送方向に沿って長尺なシートであっても、また、シートが搬送され上記トレイ上のシートが少なくなっていっても、上記のような最適なシート間摩擦力低減方式を選択することによってシート後端側のシート間に、より広範囲に適切な隙間を安定して形成でき、シート間の摩擦力を低減できるので、搬送不良(重送や不送り)を防止することができるとともに、シート後端部が空気流でばたつくことによる搬送不良(例えばジャムやスキュー)を未然に防止することができる。
また、シート後端側隙間形成手段をシート幅方向規制手段(サイドフェンス)に取り付けた場合には、シート幅方向規制手段をシート側面に合わせさえすれば、シート後端側隙間形成手段とシート側面との相対的な位置関係を、例えトレイに積載されるシートのサイズが変更されても、常に適切に保つことができ、シート間に隙間を形成する動作を安定して行うことができる。
【0126】
請求項22又は36記載の発明によれば、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記シート後端側隙間形成手段がシート束の積載方向に複数配置され、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知するシート位置検知手段を有し、シートが搬送されていく毎に変化する上記シート位置検知手段からの検知信号に基づいて上記複数のシート後端側隙間形成手段のうちの最適な1つないし上下に連続した2つを選択して動作させる構成としたので、シート分離装置だけでは十分に隙間が形成されないような、搬送方向に沿って長尺なシートであっても、また、シートが搬送され前記トレイ上のシートが少なくなっていっても、簡単な構成でシート後端側のシート間により広範囲に適切な隙間を安定して形成でき、シート間の摩擦力を低減できるので、搬送不良(不送り)を防止することができるとともに、シート後端部が空気流でばたつくことによる搬送不良(例えばジャムやスキュー)を未然に防止することができる。
【0127】
請求項23又は36記載の発明によれば、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記シート後端側隙間形成手段がシート束の積載方向に複数配置され、シートの搬送に伴う最端のシートの位置変化に拘わらずこれらのシート後端側隙間形成手段を全て動作させる構成としたので、シート分離装置だけでは十分に隙間が形成されないような、搬送方向に沿って長尺なシートであっても、また、シートが搬送され前記トレイ上のシートが少なくなっていっても、簡単な構成且つ簡単な制御でシート後端側のシート間により広範囲に適切な隙間を安定して形成でき、シート間の摩擦力を低減できるので、搬送不良(不送り)を防止することができるとともに、シート後端部が空気流でばたつくことによる搬送不良(例えばジャムやスキュー)を未然に防止することができる。
【0128】
請求項24又は36記載の発明によれば、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記空気流の噴射方向下流側においてシート間に隙間を形成するシート後端側隙間形成手段を有している構成としたので、搬送方向に沿って長尺なシートであっても、また、シートが搬送され前記トレイ上のシートが少なくなっていっても、シート後端側のシート間により広範囲に適切な隙間を安定して形成でき、シート間の摩擦力を低減できるので、搬送不良(不送り)を防止することができるとともに、シート後端部が空気流でばたつくことによる搬送不良(例えばジャムやスキュー)を未然に防止することができる。
【0129】
請求項25又は36記載の発明によれば、請求項24記載のシート給送装置において、上記シート後端側隙間形成手段が、シート束の端面に空気流を噴射する構成を有している構成としたので、搬送方向に沿って長尺なシートであっても、また、シートが搬送され前記トレイ上のシートが少なくなっていっても、シート後端側のシート間により広範囲に適切な隙間を安定して形成でき、シート間の摩擦力を確実に低減できるので、搬送不良(不送り)を防止することができるとともに、シート後端部が空気流でばたつくことによる搬送不良(例えばジャムやスキュー)を未然に防止することができる。
【0130】
請求項26又は36記載の発明によれば、請求項24記載のシート給送装置において、上記シート後端側隙間形成手段が、空気流の噴射方向と略直交するシートの幅方向からシート後端方向にかけて変位可能に設けられ、シート束の端面に空気流を噴射する構成を有している構成としたので、シートサイズが大きい(搬送方向に長い)場合や、大きいサイズで紙厚が厚い場合にはシート後端側隙間形成手段をシートの後端側に変位させたり、あるいはシート積載方向と平行な軸周りに回転調整したりすることによって、シートサイズ及び種類に対応した隙間形成機能を得ることができる。
【0131】
請求項27又は36記載の発明によれば、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記吸着搬送手段がシート搬送方向下流側を支点としてシートに対して接離する方向に回動自在に設けられ、上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側のシートに対する近接位置を規制する位置規制手段と、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知し且つ上記トレイの昇降方向に移動可能に設けられ、上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側とシートとの間に所定の間隔を維持するためのシート位置検知手段と、上記吸着搬送手段の回動範囲における該吸着搬送手段の搬送面が上記シートと略平行に接触する上限位置を検知する回動上限位置検知手段と、シートの種類を入力するシート種類入力手段と、該シート種類入力手段からの情報に基づいて上記シート分離装置により分離可能なシートかどうかを判断し、分離可能なシートの場合には上記シート位置検知手段からの検知信号に基づいて上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側とシートとの間に所定の間隔を維持するように上記トレイの昇降を制御し、空気流噴射によっても分離困難なシートの場合には上記シート位置検知手段からの検知信号に拘わらず上記シート位置検知手段を移動させながら上記回動上限位置検知手段により検知されるまで上記トレイの昇降を制御する制御手段を有し、分離可能なシートの場合には上記シート分離装置により分離した後上記吸着搬送手段により吸着して搬送し、空気流噴射によっても分離困難なシートの場合には上記吸着搬送手段の重さと空気の負圧作用の両方によって搬送面に発生する摩擦搬送力により搬送する構成としたので、シートの種類に拘わらず確実に分離・搬送することができる。
【0132】
請求項28又は36記載の発明によれば、請求項27記載のシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項2記載のものであり、上記押圧手段が、上記吸着搬送手段が上記回動上限位置検知手段により検知される位置でシートに接触しない退避位置を有し、該退避位置を検知する退避位置検知手段が設けられ、上記制御手段は、空気流噴射によっても分離困難なシートの場合に上記押圧手段が上記退避位置に設定されていないとき又は分離可能なシートの場合に上記押圧手段が上記退避位置に設定されているときは警告をする構成としたので、シートの種類の違いによる搬送トラブルを未然に回避できる。
【0133】
請求項29又は36記載の発明によれば、請求項28記載のシート給送装置において、上記押圧手段が上記退避位置にあることを表示する表示手段を有している構成としたので、オペレータが状態を容易に把握することができる。
【0134】
請求項30又は36記載の発明によれば、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項2記載のものであり、上記吸着搬送手段がシート搬送方向下流側を支点としてシートに対して接離する方向に回動自在に設けられ、上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側のシートに対する近接位置を規制する位置規制手段と、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知し且つ上記トレイの昇降方向に移動可能に設けられ、上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側とシートとの間に所定の間隔を維持するためのシート位置検知手段と、上記吸着搬送手段の回動範囲における該吸着搬送手段の搬送面が上記シートと略平行に接触する上限位置を検知する回動上限位置検知手段と、上記押圧手段を上記吸着搬送手段が上記回動上限位置検知手段により検知される位置でシートに接触しない退避位置と押圧位置とに選択的に移動させる移動手段と、上記吸着搬送手段のシート搬送方向下流側に位置するレジストローラ対へのシートの到達を検知するシート到達検知手段と、上記吸着搬送手段によりシートの搬送が開始されてから上記シート到達検知手段によって検知されるまでの時間を計測するタイマー手段と、該タイマー手段により計測された時間が所定時間より長い場合には上記押圧手段を上記退避位置に設定するとともに上記シート位置検知手段を移動させながら上記回動上限位置検知手段により検知されるまで上記トレイの昇降を制御し、計測された時間が所定時間より短い場合には上記押圧手段を押圧位置に設定し上記シート位置検知手段からの検知信号に基づいて上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側とシートとの間に所定の間隔を維持するように上記トレイの昇降を制御する制御手段を有している構成としたので、レジストローラニップ部へのシートの到達時間が所定時間よりも長い場合は搬送するシート間の摩擦抵抗が大きいか、或いはシート表面が平滑で吸着搬送手段とシートとの間でスリップが発生し、不送りになりやすいと前記制御手段が判断し、その後のシートに対し吸着搬送手段の搬送力を上げるためにシートと吸着搬送手段とを密着させるようにトレイが移動制御されるため、未然に不送りを防止できる。逆に、シートと吸着搬送手段とが密着した状態で、レジストローラニップ部へのシートの到達時間が所定時間よりも短い場合は吸着搬送手段とトレイに積載されたシートとの間に常に所定の間隔を維持するモードにしないと重送の危険性があると前記制御手段が判断し、トレイをその位置まで下げて且つ、シート押圧手段を押圧可能位置まで移動させるので未然に重送を防止できる。
【0135】
請求項31又は36記載の発明によれば、請求項30記載のシート給送装置において、上記シート到達検知手段によりシートの先端が検知されてから所定時間経過後に上記吸着搬送手段の搬送を停止し、上記レジストローラ対による搬送の開始タイミングに合わせて上記吸着搬送手段の吸着を停止する構成としたので、シート先端がレジストローラ対のニップ部に到達してから所定時問搬送を続けることにより、レジストローラ対のニップ部の上流側にシートのたわみが形成され、レジストローラ対のニップ部におけるシート先端位置を常に一定に揃えることができる。また、レジストローラ対の駆動時に吸着を停止することによって、レジストローラ対の搬送時の負荷を低減できる。
【0136】
請求項32又は36記載の発明によれば、請求項13乃至31のうちの何れか1つに記載のシート給送装置において、上記吸着搬送手段のシートの吸着力を調整可能である構成としたので、搬送するシートの厚さ(腰の強さ)によって細かく吸着力を設定できるので、シートの種類に拘わらず搬送ミスを防止できる。
【0137】
請求項33又は36記載の発明によれば、請求項13乃至32のうちの何れか1つに記載のシート給送装置において、上記トレイに積載されたシートの先端を突き当てて揃える面板を有し、該面板に、上記吸着搬送手段のシート搬送面に対向して配置され且つ該搬送面との間に搬送待機状態のシートが進入しない程度の隙間を形成するシート阻止部材を設けた構成としたので、2枚目以降のシートがシート阻止部材で阻止されるため、噴射ノズルからの空気流を十分にシート間に導入できるので、エアーによる予備分離を確実に行うことができる。
【0138】
請求項34又は36記載の発明によれば、シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、上記シート分離装置が請求項2記載のものであり、上記押圧手段のシートに接触する部分が円筒又は円柱状に形成され且つ回転自在に設けられている構成としたので、押圧手段におけるシートに接触する部分が円筒又は円柱状であり、シートと押圧手段とは点接触になるため、シート先端部から入り込んだ空気が瞬時に効率的に堰き止められて吸着搬送手段に一番近接した1枚目が2枚目表面から更に引き剥がされる。その結果、1枚目のシートが吸着搬送手段に確実に吸引される。
また、吸着搬送手段によりシートが搬送開始される前に押圧手段がシート面から離間する過程で、押圧手段が僅かにシートに接触していても押圧手段が回転自在になっているために、吸着搬送手段の搬送負荷増大を防止できる。
【0139】
請求項35又は36記載の発明によれば、請求項13乃至34記載のシート給送装置において、従来装置への着脱が可能にユニット化されている構成としたので、従来機の給紙ローラ方式では分離搬送が困難なシートを多用する場合には、吸着搬送ユニットを使用し、そうでない場合は従来の給紙ローラユニットを使用するように容易にセッティングできるので、より広範囲の種類のシートに対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における画像形成装置としての孔版印刷装置の概要正面図である。
【図2】シート給送装置の概要正面図である。
【図3】吸着搬送手段の概要平面図である。
【図4】吸着搬送手段の概要正面図である。
【図5】吸着搬送手段の概要底面図である。
【図6】シート分離装置の概要正面図である。
【図7】シート分離装置における噴射ノズルのシート幅方向への移動構成を示す概要側面図である。
【図8】制御ブロック図である。
【図9】シート分離装置と押圧手段の動作を示す図で、初期状態を示す図である。
【図10】シート分離装置と押圧手段の動作を示す図で、シート分離が進行している状態を示す図である。
【図11】シート分離装置と押圧手段の動作を示す図で、最上位のシートが吸着された状態を示す図である。
【図12】第2の実施形態におけるシート分離装置の概要正面図である。
【図13】第3の実施形態における押圧手段の概要正面図である。
【図14】第4の実施形態におけるシート分離装置と押圧手段の動作を示す図で、初期状態を示す図である。
【図15】第4の実施形態におけるシート分離装置と押圧手段の動作を示す図で、シート分離が進行している状態を示す図である。
【図16】第4の実施形態におけるシート分離装置と押圧手段の動作を示す図で、最上位のシートが吸着された状態を示す図である。
【図17】第5の実施形態におけるシート後端側隙間形成手段及び動作を示す概要正面図である。
【図18】第6の実施形態におけるシート後端側隙間形成手段を示す概要背面図である。
【図19】第7の実施形態におけるシート後端側隙間形成手段を示す概要背面図である。
【図20】第8の実施形態におけるシート後端側隙間形成手段を示す概要背面図である。
【図21】第8の実施形態におけるシート後端側隙間形成手段の水平面での変位動作を示す概要平面図である。
【図22】第9の実施形態における吸着搬送手段の構成及び動作を示す概要正面図である。
【図23】第10の実施形態における押圧手段の構成及び動作を示す概要正面図である。
【図24】第11の実施形態における押圧手段の構成及び動作を示す概要正面図である。
【図25】第12の実施形態における吸着搬送手段の概要正面図である。
【図26】第12の実施形態における吸着搬送手段の概要正面図である。
【図27】第13の実施形態における吸着搬送手段のシート分離部の概要正面図である。
【図28】第14の実施形態における吸着搬送手段のシート分離部の概要正面図である。
【図29】第14の実施形態において、シート阻止部材を設けない場合の吸着搬送手段のシート分離部の概要正面図である。
【符号の説明】
2 シートとしての印刷用紙
4 吸着搬送手段
5 シート分離装置
6 押圧手段
7 シート位置検知手段としての用紙位置検知センサ
11 シート吸着検知手段としての用紙吸着検知センサ
16 制御手段
17 搬送ベルト
18、19 ローラ部材
21 エアー源
22 搬送ローラ
23 エアー源
24 噴射ノズル
162 シート後端側隙間形成手段
164 シート幅規制手段としてのサイドフェンス
171 位置規制手段としてのブラケット
176 摩擦部材
Claims (36)
- 空気流を発生するエアー源と、該エアー源からの空気流を噴射する噴射ノズルを有し、少なくとも上記噴射ノズルが、シートが積載されたシート束の該積載方向に変位可能に設けられ、上記噴射ノズルを空気流を噴射させながら上記シート束の端方向へ変位させて該シート束の端部の各シート間に隙間を形成し、最終的に最端のシートを他のシートと分離することを特徴とするシート分離装置。
- 請求項1記載のシート分離装置において、
空気流の噴射方向と略直交するシートの幅方向において、上記噴射ノズルの変位動作に連動して所定のタイミングで上記最端のシートをその積載方向に押圧し、該最端のシートとその次のシートとの間における空気流の通り抜けを妨げる押圧手段を有していることを特徴とするシート分離装置。 - 請求項2記載のシート分離装置において、
上記押圧手段による押圧タイミング及び押圧時間を調整可能に設けられていることを特徴とするシート分離装置。 - 請求項1又は2記載のシート分離装置において、
上記噴射ノズルから空気流を噴射し始めるタイミングと噴射する時間を調整可能に設けられていることを特徴とするシート分離装置。 - 請求項2記載のシート分離装置において、
上記押圧手段のシートに押圧接触する部分が、湾曲面形状を有していることを特徴とするシート分離装置。 - 請求項1又は2記載のシート分離装置において、
上記噴射ノズルが、シートの搬送方向と略直交するシートの幅方向に移動可能に設けられていることを特徴とするシート分離装置。 - 請求項1乃至6のうちの何れか1つに記載のシート分離装置において、
上記最端のシートを他のシートと分離した後、上記噴射ノズルを空気流を噴射させながら逆方向に変位させ、上記最端のシート以外の残ったシート群の予備分離を行うことを特徴とするシート分離装置。 - 請求項1又は2記載のシート分離装置において、
上記噴射ノズルによる空気流の噴射方向下流側においてシート間に隙間を形成するシート後端側隙間形成手段を有していることを特徴とするシート分離装置。 - 請求項8記載のシート分離装置において、
上記シート後端側隙間形成手段が、シート束の端面に空気流を噴射する構成を有していることを特徴とするシート分離装置。 - 請求項8記載のシート分離装置において、
上記シート後端側隙間形成手段が、空気流の噴射方向と略直交するシートの幅方向からシート後端方向にかけて変位可能に設けられ、シート束の端面に空気流を噴射する構成を有していることを特徴とするシート分離装置。 - 請求項9又は10記載のシート分離装置において、
上記シート後端側隙間形成手段による空気流の噴射力を調整可能であることを特徴とするシート分離装置。 - 請求項8記載のシート分離装置において、
シート積載方向における上記シート後端側隙間形成手段の位置を調整可能であることを特徴とするシート分離装置。 - シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、
上記シート分離装置が、請求項1乃至12のうちの何れか1つに記載のものであることを特徴とするシート給送装置。 - 請求項13記載のシート給送装置において、
上記吸着搬送手段が、複数の吸引孔を有しシート搬送方向と略直交するシート幅方向に間隔をおいて複数本設けられた無端状の搬送ベルトと、少なくともシート搬送方向前後に配置され上記搬送ベルトを支持するローラ部材を有し、これらのローラ部材のうち少なくとも一方には、上記搬送ベルトを支持する支持ローラとは別にシートを上記搬送ベルトとは独立に搬送する搬送ローラが上記支持ローラと同軸上に設けられていることを特徴とするシート給送装置。 - 請求項13記載のシート給送装置において、
上記吸着搬送手段が、複数の吸引孔を有しシート搬送方向と略直交するシート幅方向に間隔をおいて複数本設けられた無端状の搬送ベルトと、少なくともシート搬送方向前後に配置され上記搬送ベルトを支持するローラ部材を有し、これらのローラ部材のうち、シート搬送方向前方側のローラ部材に対してシート搬送面を挟んで対向する位置に設けられ、該前方側のローラ部材に向けて所定の圧力で上記搬送ベルトに接触する摩擦部材を有していることを特徴とするシート給送装置。 - 請求項13記載のシート給送装置において、
上記吸着搬送手段が、複数の吸引孔を有しシート搬送方向と略直交するシート幅方向に間隔をおいて複数本設けられた無端状の搬送ベルトと、少なくともシート搬送方向前後に配置され上記搬送ベルトを支持するローラ部材を有し、これらのローラ部材のうち、シート搬送方向前方側のローラ部材と同軸上に該前方側のローラ部材間に位置して搬送ローラが設けられ、該搬送ローラに対してシート搬送面を挟んで対向する位置に設けられ該搬送ローラに向けて所定の圧力で接触する摩擦部材を有していることを特徴とするシート給送装置。 - 請求項13記載のシート給送装置において、
上記吸着搬送手段にシートが吸着されたことを検知するシート吸着検知手段を有し、該シート吸着検知手段からの検知信号に基づいて所定のタイミングで上記吸着搬送手段による吸着したシートの搬送を開始することを特徴とするシート給送装置。 - シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、
上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記シート後端側隙間形成手段が、上記シート搬送方向上流側で且つ上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートを含むシート群の側面に対する所定の高さに設けられ、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知するシート位置検知手段と、上記トレイが上昇し上記吸着搬送手段との間に所定の間隔を空けて停止した時点での上記最端のシートと上記シート後端側隙間形成手段が作動した後における上記最端のシート間の高低差を演算し、その演算結果が所定量を超えないように上記シート後端側隙間形成手段による空気流の噴射力を調整する制御手段とを有し、常に上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの浮き上がり量が一定になるようにしたことを特徴とするシート給送装置。 - シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、
上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記シート後端側隙間形成手段が、上記シート搬送方向上流側で且つシート積載方向に沿って昇降自在に設けられ、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知するシート位置検知手段と、上記シート後端側隙間形成手段を上記シート位置検知手段からの信号を基に、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートを含むシート群の端面に対する所定の位置に保持制御する制御手段とを有し、上記トレイが上昇し上記吸着搬送手段との間に所定の間隔を空けて停止した時点での上記最端のシートと上記シート後端側隙間形成手段が作動した後における上記最端のシート間の高低差を演算し、その演算結果が所定量を超えないように上記シート後端側隙間形成手段による空気流の噴射力を調整するか、上記シート後端側隙間形成手段による空気流の位置を移動するかの少なくともいずれか一方を行うことによって、常に上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの浮き上がり量が一定になるようにしたことを特徴とするシート給送装置。 - 請求項19記載のシート給送装置において、
上記トレイに積載されるシートの搬送方向と略直交するシート幅方向の位置を規制し上記トレイと一体に昇降するシート幅規制手段を有し、上記シート後端側隙間形成手段が、上記シート幅規制手段においてシート積載方向に移動可能に設けられていることを特徴とするシート給送装置。 - シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、
上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記トレイに積載されるシートの搬送方向と略直交するシート幅方向の位置を規制し上記トレイと一体に昇降するシート幅規制手段を有し、上記シート後端側隙間形成手段が上記シート幅規制手段においてシート積載方向に移動可能に設けられ、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知するシート位置検知手段と、上記シート後端側隙間形成手段を上記シート位置検知手段からの信号を基に、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートを含むシート群の端面に対する所定の位置に保持制御する制御手段と、上記吸着搬送手段にシートが吸着されたことを検知するシート吸着検知手段と、上記吸着搬送手段が動作を開始してからシートが吸着されるまでの時間を計測するタイマー手段とを有し、上記タイマー手段にて計測した結果が所定時間を超えた場合に、上記シート後端側隙間形成手段を作動させ、上記トレイが上昇し上記吸着搬送手段との間に所定の間隔を空けて停止した時点での上記最端のシートと上記シート後端側隙間形成手段が作動した後における上記最端のシート間の高低差を演算し、その演算結果が所定量を超えないように上記シート後端側隙間形成手段による空気流の噴射力を調整するか、上記シート後端側隙間形成手段による空気流の位置を移動するかの少なくともいずれか一方を行うことによって、常に上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの浮き上がり量が一定になるようにしたことを特徴とするシート給送装置。 - シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、
上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記シート後端側隙間形成手段がシート束の積載方向に複数配置され、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知するシート位置検知手段を有し、シートが搬送されていく毎に変化する上記シート位置検知手段からの検知信号に基づいて上記複数のシート後端側隙間形成手段のうちの最適な1つないし上下に連続した2つを選択して動作させることを特徴とするシート給送装置。 - シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、
上記シート分離装置が請求項9又は10記載のものであり、上記トレイが昇降自在に設けられ、上記シート後端側隙間形成手段がシート束の積載方向に複数配置され、シートの搬送に伴う最端のシートの位置変化に拘わらずこれらのシート後端側隙間形成手段を全て動作させることを特徴とするシート給送装置。 - シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、
上記空気流の噴射方向下流側においてシート間に隙間を形成するシート後端側隙間形成手段を有していることを特徴とするシート給送装置。 - 請求項24記載のシート給送装置において、
上記シート後端側隙間形成手段が、シート束の端面に空気流を噴射する構成を有していることを特徴とするシート給送装置。 - 請求項24記載のシート給送装置において、
上記シート後端側隙間形成手段が、空気流の噴射方向と略直交するシートの幅方向からシート後端方向にかけて変位可能に設けられ、シート束の端面に空気流を噴射する構成を有していることを特徴とするシート給送装置。 - シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、
上記吸着搬送手段がシート搬送方向下流側を支点としてシートに対して接離する方向に回動自在に設けられ、上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側のシートに対する近接位置を規制する位置規制手段と、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知し且つ上記トレイの昇降方向に移動可能に設けられ、上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側とシートとの間に所定の間隔を維持するためのシート位置検知手段と、上記吸着搬送手段の回動範囲における該吸着搬送手段の搬送面が上記シートと略平行に接触する上限位置を検知する回動上限位置検知手段と、シートの種類を入力するシート種類入力手段と、該シート種類入力手段からの情報に基づいて上記シート分離装置により分離可能なシートかどうかを判断し、分離可能なシートの場合には上記シート位置検知手段からの検知信号に基づいて上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側とシートとの間に所定の間隔を維持するように上記トレイの昇降を制御し、空気流噴射によっても分離困難なシートの場合には上記シート位置検知手段からの検知信号に拘わらず上記シート位置検知手段を移動させながら上記回動上限位置検知手段により検知されるまで上記トレイの昇降を制御する制御手段を有し、分離可能なシートの場合には上記シート分離装置により分離した後上記吸着搬送手段により吸着して搬送し、空気流噴射によっても分離困難なシートの場合には上記吸着搬送手段の重さと空気の負圧作用の両方によって搬送面に発生する摩擦搬送力により搬送することを特徴とするシート給送装置。 - 請求項27記載のシート給送装置において、
上記シート分離装置が請求項2記載のものであり、上記押圧手段が、上記吸着搬送手段が上記回動上限位置検知手段により検知される位置でシートに接触しない退避位置を有し、該退避位置を検知する退避位置検知手段が設けられ、上記制御手段は、空気流噴射によっても分離困難なシートの場合に上記押圧手段が上記退避位置に設定されていないとき又は分離可能なシートの場合に上記押圧手段が上記退避位置に設定されているときは警告をすることを特徴とするシート給送装置。 - 請求項28記載のシート給送装置において、
上記押圧手段が上記退避位置にあることを表示する表示手段を有していることを特徴とするシート給送装置。 - シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、
上記シート分離装置が請求項2記載のものであり、上記吸着搬送手段がシート搬送方向下流側を支点としてシートに対して接離する方向に回動自在に設けられ、上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側のシートに対する近接位置を規制する位置規制手段と、上記吸着搬送手段に最も近接した最端のシートの位置を検知し且つ上記トレイの昇降方向に移動可能に設けられ、上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側とシートとの間に所定の間隔を維持するためのシート位置検知手段と、上記吸着搬送手段の回動範囲における該吸着搬送手段の搬送面が上記シートと略平行に接触する上限位置を検知する回動上限位置検知手段と、上記押圧手段を上記吸着搬送手段が上記回動上限位置検知手段により検知される位置でシートに接触しない退避位置と押圧位置とに選択的に移動させる移動手段と、上記吸着搬送手段のシート搬送方向下流側に位置するレジストローラ対へのシートの到達を検知するシート到達検知手段と、上記吸着搬送手段によりシートの搬送が開始されてから上記シート到達検知手段によって検知されるまでの時間を計測するタイマー手段と、該タイマー手段により計測された時間が所定時間より長い場合には上記押圧手段を上記退避位置に設定するとともに上記シート位置検知手段を移動させながら上記回動上限位置検知手段により検知されるまで上記トレイの昇降を制御し、計測された時間が所定時間より短い場合には上記押圧手段を押圧位置に設定し上記シート位置検知手段からの検知信号に基づいて上記吸着搬送手段のシート搬送方向上流側とシートとの間に所定の間隔を維持するように上記トレイの昇降を制御する制御手段を有していることを特徴とするシート給送装置。 - 請求項30記載のシート給送装置において、
上記シート到達検知手段によりシートの先端が検知されてから所定時間経過後に上記吸着搬送手段の搬送を停止し、上記レジストローラ対による搬送の開始タイミングに合わせて上記吸着搬送手段の吸着を停止することを特徴とするシート給送装置。 - 請求項13乃至31のうちの何れか1つに記載のシート給送装置において、
上記吸着搬送手段のシートの吸着力を調整可能であることを特徴とするシート給送装置。 - 請求項13乃至32のうちの何れか1つに記載のシート給送装置において、
上記トレイに積載されたシートの先端を突き当てて揃える面板を有し、該面板に、上記吸着搬送手段のシート搬送面に対向して配置され且つ該搬送面との間に搬送待機状態のシートが進入しない程度の隙間を形成するシート阻止部材を設けたことを特徴とするシート給送装置。 - シートが積載されるトレイと、空気の負圧作用によりシートを吸着して搬送する吸着搬送手段と、積載されたシート束の搬送方向下流側端面に空気流を噴射してシート間に隙間を形成するシート分離装置を有し、該シート分離装置によって分離した最端のシートを上記吸着搬送手段により吸着して搬送するシート給送装置において、
上記シート分離装置が請求項2記載のものであり、上記押圧手段のシートに接触する部分が円筒又は円柱状に形成され且つ回転自在に設けられていることを特徴とするシート給送装置。 - 請求項13乃至34記載のシート給送装置において、
従来装置への着脱が可能にユニット化されていることを特徴とするシート給送装置。 - シート給送装置によりシートを給送し、給送されたシートに画像を形成する画像形成装置において、
上記シート給送装置が、請求項13乃至35のうちの何れか1つに記載のものであることを特徴とする画像形成装置。
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