JP2005012955A - ブラシレスモータおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転位置センサの進角設定を容易にして、このブラシレスモータの製造コストを低減することである。
【解決手段】ロータ14の回転位置を検出する3つのホール素子Hu,Hv,Hwの進角は進角検査装置51を用いて調整される。進角検査装置51は、電機子コイルLu,Lv,Lwの両端に接続される誘起電圧検出部54とホール素子Hu,Hv,Hwの検出信号Pu,Pv,Pwが入力される検出信号入力部58とを備えており、ロータ14を外部から駆動して回転させた状態の下で電機子コイルLu,Lv,Lwに生じる誘起電圧Vu,Vv,Vwの位相と検出信号Pu,Pv,Pwの位相とを比較するようになっている。そして、各ホール素子Hu,Hv,Hwの進角は、この結果に基づいて、その固定位置をロータ14の回転方向に移動させることにより中立位置に設定される。
【選択図】 図5
【解決手段】ロータ14の回転位置を検出する3つのホール素子Hu,Hv,Hwの進角は進角検査装置51を用いて調整される。進角検査装置51は、電機子コイルLu,Lv,Lwの両端に接続される誘起電圧検出部54とホール素子Hu,Hv,Hwの検出信号Pu,Pv,Pwが入力される検出信号入力部58とを備えており、ロータ14を外部から駆動して回転させた状態の下で電機子コイルLu,Lv,Lwに生じる誘起電圧Vu,Vv,Vwの位相と検出信号Pu,Pv,Pwの位相とを比較するようになっている。そして、各ホール素子Hu,Hv,Hwの進角は、この結果に基づいて、その固定位置をロータ14の回転方向に移動させることにより中立位置に設定される。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はステータとステータに対して回転自在のロータとを備えたブラシレスモータに関し、特に、正逆両方向に回転するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
ブラシレスモータは、ステータとステータに対して回転自在のロータとを有しており、例えば3相4極式の場合には、ステータには互いに星形結線されたU相、V相、W相の電機子コイルが装着され、ロータには周方向に並ぶ4つの磁極が設けられる。そして、モータドライバを用いて各相の電機子コイルに所定の順序と方向で通電することによりステータに回転磁界が生じてロータが回転するようになっている。
【0003】
モータドライバは、例えば電界効果トランジスタ(FET)等のスイッチング素子により構成されるインバータ回路を有しており、各相の電機子コイルに対する通電の切替えは、これらのスイッチング素子を所定の切替えタイミングで駆動することにより行われる。また、ブラシレスモータにはホール素子やレゾルバ等、ロータの回転位置を検出する回転位置センサが設けられており、モータドライバは回転位置センサからの検出信号つまりロータの回転位置に基づいてスイッチング素子を駆動するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このようなブラシレスモータを自動車等の車両に設けられる所謂電動パワーステアリング装置の動力源として用いる場合には、正転と逆転の両方向に回転可能であるものが用いられる。この場合、正転時と逆転時のモータ特性が相違すると操舵フィーリングが悪化するため、ブラシレスモータには正転時と逆転時のモータ特性が同一であることが求められる。しかし、特に回転位置センサとしてホール素子を用いた場合には、組付けの際に誤差が生じて、正転時と逆転時の進角が相違する恐れがある。
【0005】
そのため、従来のブラシレスモータでは、組立完了後のブラシレスモータを実際に正転方向と逆転方向とに作動させて各回転方向でのモータ特性を測定し、これらのモータ特性を比較して回転位置センサの進角を中立位置に調整するようにしていた。これにより、正転時と逆転時の両方において、ロータの回転位置に対する電機子コイルへの通電タイミングを一致させて、正転時と逆転時のモータ特性を同一とすることができる。
【0006】
【特許文献1】
特公平6−52996号公報(第2−3頁、第1,3図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような方法では、実際にブラシレスモータを正逆両方向に作動させて各種の計測機器を用いてモータ特性を測定しなければならない。また、モータ特性が得られた後に、再度モータカバーを外してホール素子の位置を調整することが必要となる。そのため、進角の設定には多数の工数が必要となり、このブラシレスモータの製造コストは高くなっていた。
【0008】
本発明の目的は、回転位置センサの進角設定を容易にして、このブラシレスモータの製造コストを低減することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のブラシレスモータは、ステータと前記ステータに対して回転自在のロータとを備えたブラシレスモータであって、前記ロータに設けられた複数の磁極と、前記ロータの回転位置に応じた検出信号を出力する回転位置センサと、互いに星形結線されて前記ステータに装着され、前記回転位置センサが出力する前記検出信号に基づいた所定の順序と方向でモータドライバから駆動電流が供給される複数相の電機子コイルとを有し、前記ロータを外部から駆動して回転させた状態の下で前記電機子コイルに生じる誘起電圧の位相と前記検出信号の位相とを比較して前記回転位置センサの進角を中立位置に設定することを特徴とする。
【0010】
本発明のブラシレスモータは、前記電機子コイルの両端に接続されて前記電機子コイルの誘起電圧を検出する誘起電圧検出部と、前記回転位置センサの検出信号が入力される検出信号入力部とを備えた進角検査装置により前記電機子コイルの誘起電圧の位相と前記検出信号の位相とを比較することを特徴とする。
【0011】
本発明のブラシレスモータは、前記電機子コイルの中性点に接続された中性点接続端子を備え、前記中性点接続端子において前記進角検査装置に着脱自在に接続されることを特徴とする。
【0012】
本発明のブラシレスモータは、前記誘起電圧検出部と前記検出信号入力部とを前記モータドライバに設けたことを特徴とする。
【0013】
本発明のブラシレスモータは、前記回転位置センサがホール素子であり、前記ホール素子を回転方向に移動させて前記回転位置センサの進角を調整することを特徴とする。
【0014】
本発明のブラシレスモータは、前記回転位置センサがレゾルバであり、前記レゾルバの検出信号の位相を補正して前記回転位置センサの進角を調整することを特徴とする。
【0015】
本発明のブラシレスモータの製造方法は、互いに星形結線された複数相の電機子コイルが装着されたステータと複数の磁極を備えたロータと前記ロータの回転位置に応じた検出信号を出力する回転位置センサを備え、前記検出信号に基づいた所定の順序と方向でモータドライバから前記電機子コイルに駆動電流が供給されることにより作動するブラシレスモータの製造方法であって、前記ステータ、前記ロータおよび前記回転位置センサを組み立てるモータ組立工程と、前記ロータを外部から駆動して回転させた状態の下で前記電機子コイルに生じる誘起電圧の位相と前記検出信号の位相とを比較して前記回転位置センサの進角を検出する進角検出工程と、前記進角検出工程による検出結果に基づいて前記回転位置センサの進角を中立位置に設定する進角設定工程とを有することを特徴とする。
【0016】
本発明のブラシレスモータの製造方法は、前記回転位置センサがホール素子であり、前記ホール素子を回転方向に移動させて前記回転位置センサの進角を調整することを特徴とする。
【0017】
本発明のブラシレスモータの製造方法は、前記回転位置センサがレゾルバであり、前記レゾルバの検出信号の位相を補正して前記回転位置センサの進角を調整することを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、ロータを外部から駆動して回転させた状態の下で電機子コイルに生じる誘起電圧の位相と回転位置センサの検出信号の位相とを比較して、回転位置センサの進角を中立位置に設定するようにしたので、回転位置センサの進角を容易に中立位置に設定することができ、このブラシレスモータの製造コストを低減することができる。
【0019】
また、本発明にあっては、星形結線された電機子コイルの中性点に進角検査装置に着脱自在に接続される中性端子を設けたので、中性点と進角検査装置との接続は容易となり、このブラシレスモータの製造コストを低減することができる。
【0020】
さらに、本発明にあっては、誘起電圧検出部と検出信号入力部とをモータドライバに設けたので、回転位置センサの進角の設定はさらに容易になり、このブラシレスモータの製造コストをさらに低減させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の一実施の形態であるブラシレスモータの詳細を示す正面図であり、図2は図1におけるA−A線に沿う断面図である。また、図3は図1に示すブラシレスモータの制御体系を示す回路図である。
【0023】
図1〜図3に示すブラシレスモータ11は、例えば、図示しない車両の操舵装置の操舵力を補助する電動パワーステアリング装置の駆動源等として用いられるものであり、正逆両方向に回転可能となっている。
【0024】
このブラシレスモータ11はモータハウジング12の内周面に固定されたステータ13とステータ13に対して回転自在のロータ14とを備えており、ステータ13にはU相、V相、W相の3つの相に分けられた電機子コイルLu,Lv,Lwが装着され、ロータ14には4つの磁極Pを備えたマグネット15が設けられている。つまり、このブラシレスモータ11は3相4極式となっている。なお、符号16はモータハウジングを閉塞するエンドブラケット、符号17,18はロータ14のシャフト19を回転自在に支持する軸受である。
【0025】
各相の電機子コイルLu,Lv,Lwはそれぞれ同一の抵抗値やインダクタンス値を有するものとなっており、図3に示すように、その一端において互いに星形結線されるとともに互いに回転方向に120°の間隔を空けてステータ13に装着されている。各相の電機子コイルLu,Lv,Lwの相互接続される一端は中性点21(コモンとも呼ばれる)となっており、この中性点21にはエンドブラケット16に固定される中性点接続端子22が接続されている。そして、この中性点接続端子22はエンドブラケット16に設けられた切り欠き部16aから突出しており、エンドブラケット16に着脱自在に設けられたカバー23(図1においては取り外されている)を取り外したときには外部に露出するようになっている。また、各電機子コイルLu,Lv,Lwの他端は駆動電流入力端24u,24v,24wとなっており、これらの駆動電流入力端24u,24v,24wにはそれぞれ給電線25u,25v,25wが接続されている。
【0026】
このブラシレスモータ11には、ロータ14の回転位置を検出するためにホールセンサユニット31が設けられている。ホールセンサユニット31は、センサ基板32と、それぞれU相、V相、W相に対応する回転位置センサとしての3つのホール素子Hu,Hv,Hwとを有しており、各相のホール素子Hu,Hv,Hwは互いにロータ14の回転方向に30°ずれてセンサ基板32に固定されている。また、ホールセンサユニット31はロータ14に固定されたセンサマグネット33を有しており、このセンサマグネット33にはロータ14のマグネット15と同様にロータ14の回転方向に並ぶ4つの磁極pが設けられている。そして、このセンサマグネット33がロータ14と一体的に回転すると、各相のホール素子Hu,Hv,Hwはセンサマグネット33の磁極pに反応してロータ14の回転位置に応じた検出信号Pu,Pv,Pwをエンドブラケット16に設けられたセンサコネクタ34から出力するようになっている。なお、センサコネクタ34は、各相のホール素子Hu,Hv,Hwに対する給電用の2つのセンサ給電端子34a,34bと、各相のホール素子Hu,Hv,Hwの検出信号Pu,Pv,Pwが出力される信号出力用の3つの検出信号出力端子34u,34v,34wとの5つとからなっている。
【0027】
センサ基板32はロータ14の回転方向に延びて形成された2つの取付孔32aを有しており、これらの取付孔32aに挿通されたボルト35によりエンドブラケット16にねじ固定されている。そして、ボルト35を緩めてセンサ基板32つまりホール素子Hu,Hv,Hwをロータ14の回転方向に移動させることにより、ステータ13に対するセンサ基板32の固定位置つまりホール素子Hu,Hv,Hwの進角を調整することができるようになっている。
【0028】
図3に示すように、このブラシレスモータ11は、インバータ回路36と駆動回路37およびコントローラ38を有するモータドライバ39に接続されて、このモータドライバ39により駆動されるようになっている。
【0029】
インバータ回路36は、各相に対応する3つの正極側スイッチング素子FET・uh,FET・vh,FET・whと3つの負極側スイッチング素子FET・ul,FET・vl,FET・wlとを有しており、同相の正極側スイッチング素子と負極側スイッチング素子が直列に接続されるとともに各相のスイッチング素子対が互いに並列に接続された構造となっている。これらのスイッチング素子FET・uh,FET・vh,FET・wh,FET・ul,FET・vl,FET・wlとしては、例えばFET等、駆動信号によりON・OFF制御可能な半導体素子が用いられている。また、各相の正極側スイッチング素子FET・uh,FET・vh,FET・whはそれぞれ図示しない電源の電源端子41に接続され、各相の負極側スイッチング素子FET・ul,FET・vl,FET・wlはそれぞれ接地端子42に接続されている。
【0030】
そして、各相の正極側スイッチング素子FET・uh,FET・vh,FET・whと負極側スイッチング素子FET・ul,FET・vl,FET・wlの相互接続部は、それぞれ対応するインバータ入出力端子43u,43v,43wに接続されており、各相の電機子コイルLu,Lv,Lwの給電線25u,25v,25wは、対応するインバータ入出力端子43u,43v,43wに接続されるようになっている。
【0031】
駆動回路37はコントローラ38とインバータ回路36との間に接続されており、コントローラ38から入力される指令信号に基づいた所定のタイミングでスイッチング素子FET・uh,FET・vh,FET・wh,FET・ul,FET・vl,FET・wlに向けて駆動信号を出力し、各々のスイッチング素子FET・uh,FET・vh,FET・wh,FET・ul,FET・vl,FET・wlを駆動するようになっている。
【0032】
コントローラ38は、図示はしないが、各種入力信号を演算するマイクロプロセッサ(CPU)と、制御プログラム、演算式およびマップデータなどが格納されるROMと、一時的にデータを格納するRAMなどを有するマイクロコンピュータとなっている。
【0033】
コントローラ38には信号入力線44が接続されており、この信号入力線44はホールセンサユニット31のセンサコネクタ34に接続されるようになっている。これにより、コントローラ38は信号入力線44を介してホールセンサユニット31に接続されてホールセンサユニット31からの検出信号Pu,Pv,Pwが入力されるようになっている。これらの検出信号Pu,Pv,Pwは所定の閾値以上となったときに信号が立ち上がる矩形波となっており、コントローラはこれらの検出信号Pu,Pv,Pwの立ち上がりもしくは立ち下がりのエッジに基づいてロータ14の回転位置を認識し、ロータ14の回転位置に基づいた所定のタイミングで駆動回路37に向けて指令信号を出力するようになっている。なお、指令信号や駆動信号は各スイッチング素子FET・uh,FET・vh,FET・wh,FET・ul,FET・vl,FET・wlに対応する6つの系統に分けて出力されるようになっており、各スイッチング素子FET・uh,FET・vh,FET・wh,FET・ul,FET・vl,FET・wlを個別に駆動することができるようになっている。
【0034】
これにより、各相の電機子コイルLu,Lv,Lwにはホール素子Hu,Hv,Hwが出力する検出信号Pu,Pv,Pwに基づいた、つまり、ロータ14の回転位置に基づいた所定の順序と方向の駆動電流がモータドライバ39から供給され、ステータ13に回転磁界が生じてロータ14が回転するようになっている。この場合、各相の電機子コイルLu,Lv,Lwへの通電角は、それぞれ電気角で120°に設定されるとともに同時に2つの相の電機子コイルLu,Lv,Lwが通電される所謂120°矩形波駆動により駆動されるようになっている。そして、シャフト19の先端部に設けられたアダプタ19aに図示しない被駆動部材を連結することにより、ロータ14の回転を被駆動部材に伝達して駆動することができる。
【0035】
図4は図1に示すブラシレスモータの製造工程を示す工程図であり、図5は進角検査装置の概略を示す回路図である。また、図6は図5に示すモニタに表示される誘起電圧と検出信号の関係を示す相関図である。
【0036】
このようなブラシレスモータ11では、各ホール素子Hu,Hv,Hwの固定位置がロータ14の回転方向にずれると、各電機子コイルLu,Lv,Lwへの通電タイミングが変化して、つまりホール素子Hu,Hv,Hwの進角が変化して、正回転時と逆回転時とでモータ特性が相違することになる。そのため、図4に示すように、このブラシレスモータ11はモータ組立工程、進角検出工程および進角設定工程とを経て製造されるようになっており、進角検出工程においてホール素子Hu,Hv,Hwの進角を検出し、進角設定工程においてホール素子Hu,Hv,Hwの進角を中立位置に設定して、完成したブラシレスモータ11のモータ特性を正逆両方向において同一となるようにしている。以下に、このブラシレスモータ11の製造方法について詳細に説明する。
【0037】
まず、モータ組立工程においてモータハウジング12とステータ13、ロータ1、ホールセンサユニット31などを組み立て、ブラシレスモータ11が組み立てられる。
【0038】
次に、進角検出工程において、このブラシレスモータ11の進角、つまり各ホール素子Hu,Hv,Hwの進角を検出する。進角検出工程では、図5に示すような、進角検査装置51が用いられる。
【0039】
進角検査装置51は中性点入力端子52と各相に対応した3つの誘起電圧入力端子53u,53v,53wとを備えた誘起電圧検出部54を有しており、誘起電圧入力端子53u,53v,53wは各相の電機子コイルLu,Lv,Lwの給電線25u,25v,25wに接続されるようになっている。図示する場合には、誘起電圧入力端子53u,53v,53wは各相の電機子コイルLu,Lv,Lwの給電線25u,25v,25wに接続されているが、これに限らず、各相の駆動電流入力端24u,24v,24wにエンドブラケット16の切り欠き部16bから突出するコイル端端子55u,55v,55wを設け、誘起電圧入力端子53u,53v,53wをこれらのコイル端端子55u,55v,55wに接続するようにしてもよい。
【0040】
一方、中性点入力端子52はケーブル56を介して中性点接続端子22に接続されるようになっている。これにより、この誘起電圧検出部54は各電機子コイルLu,Lv,Lwの両端に接続されて、電機子コイルLu,Lv,Lwに生じる誘起電圧Vu,Vv,Vwを検出することができるようになっている。このとき、ケーブル56は、その先端に設けられた図示しないクリップ部で中性点接続端子22を挟む等、中性点接続端子22に対して着脱自在に接続されるようになっている。つまり、このブラシレスモータ11は、中性点接続端子22において進角検査装置51の誘起電圧検出部54に着脱自在に接続されるようになっている。なお、本実施の形態においては、ブラシレスモータ11に中性点21と接続された中性点接続端子22を設け、進角検査装置51を中性点接続端子に接続するようにしているが、これに限らず、進角検査装置51を直接、中性点21に接続するようにしてもよい。
【0041】
また、進角検査装置51には検出信号入力端子57を備えた検出信号入力部58が設けられており、検出信号入力端子57をケーブル59を介してセンサコネクタ34に接続することにより、検出信号入力部58には各相のホール素子Hu,Hv,Hwが出力する検出信号Pu,Pv,Pwが入力されるようになっている。
【0042】
さらに、進角検査装置51には、図示はしないが、各種入力信号を演算するマイクロプロセッサ(CPU)と、制御プログラム、演算式およびマップデータなどが格納されるROMと、一時的にデータを格納するRAMなどを有するマイクロコンピュータ61が設けられており、誘起電圧検出部54と検出信号入力部58はこのマイクロコンピュータ61に接続されている。そして、マイクロコンピュータ61には誘起電圧検出部54により検出された誘起電圧Vu,Vv,Vwと検出信号入力部58に入力された検出信号Pu,Pv,Pwとが入力され、誘起電圧Vu,Vv,Vwの位相と検出信号Pu,Pv,Pwの位相とを比較することができるようになっている。さらに、マイクロコンピュータ61にはモニタ62が接続されており、このモニタ62に誘起電圧Vu,Vv,Vwと検出信号Pu,Pv,Pwとを表示させるようになっている。
【0043】
ブラシレスモータ11を進角検査装置51に接続し、ロータ14のシャフト19を例えば外部モータ63等を用いて外部から回転駆動させると、各電機子コイルLu,Lv,Lwにはロータ14の回転位置に応じた位相の誘起電圧Vu,Vv,Vwが生じ、各ホール素子Hu,Hv,Hwはロータ14の回転位置に応じた検出信号Pu,Pv,Pwを出力する。そして、誘起電圧Vu,Vv,Vwは誘起電圧検出部54に検出され、検出信号Pu,Pv,Pwは検出信号入力部58に入力され、図6に示すように、これらがマイクロコンピュータ61により処理されてモニタ62に映し出される。したがって、モニタ62を見ることにより誘起電圧Vu,Vv,Vwの位相と検出信号Pu,Pv,Pwの位相とを比較することができる。たとえば、図6に示す場合ではU相の電機子コイルLuに生じる誘起電圧Vuと、U相のホール素子Huの検出信号Puとが表示されており、誘起電圧Vuの周期は電気角で360°であり、検出信号Puは電気角で120°の矩形波となっている。
【0044】
次に、進角設定工程において、進角検出工程による検出結果つまりモニタ62に示された誘起電圧Vu,Vv,Vwの位相と検出信号Pu,Pv,Pwの位相とに基づいてホールセンサユニット31の固定位置を、各ホール素子Hu,Hv,Hwの進角が0つまり中立位置となるように調整する。この場合、このブラシレスモータ11は3相4極式であり、120°矩形波駆動により駆動されるので、ある相のホール素子Hu,Hv,Hwの検出信号Pu,Pv,Pwの立ち上がりエッジが同相の電機子コイルLu,Lv,Lwの誘起電圧誘起電圧Vu,Vv,Vwが0となる位置に対して電気角で30°遅れて生じる位置がこの相のホール素子Hu,Hv,Hwの進角が中立位置の点である。つまり、モニタ62を見ながら、電機子コイルLu,Lv,Lwの誘起電圧が0となる位置に対してホール素子Hu,Hv,Hwの検出信号Pu,Pv,Pwの立ち上がりエッジが電気角で30°遅れて生じるようにホールセンサユニット31をロータ14の回転方向に移動させることにより、ホール素子Hu,Hv,Hwの進角を中立位置に設定することができる。このとき、各相の電機子コイルLu,Lv,Lwの誘起電圧Vu,Vv,Vwをそれぞれ同相のホール素子Hu,Hv,Hwの検出信号Pu,Pv,Pwと比較してもよく、また、1つの相についてのみ比較するようにしてもよい。
【0045】
このように、このブラシレスモータ11では、ロータ14を外部から駆動して回転させた状態の下で電機子コイルLu,Lv,Lwに生じる誘起電圧Vu,Vv,Vwの位相とホール素子Hu,Hv,Hwの検出信号Pu,Pv,Pwの位相とを比較して、ホール素子Hu,Hv,Hwの進角を中立位置に設定するようにしたので、ホール素子Hu,Hv,Hwの進角を容易に中立位置に設定することができ、このブラシレスモータ11の製造コストを低減することができる。
【0046】
また、このブラシレスモータ11では、星形結線された電機子コイルLu,Lv,Lwの中性点21にはエンドブラケット16から露出する中性点接続端子22が接続されており、中性点21と誘起電圧検出部54との接続はケーブル56を用いて着脱自在に行われるようにしたので、中性点21と誘起電圧検出部54との接続は容易となり、このブラシレスモータ11の製造コストを低減することができる。
【0047】
本実施の形態においては、ブラシレスモータ11をモータドライバ39により120°矩形波駆動で駆動するようにしているが、これに限らず、各相の電機子コイルLu,Lv,Lwに正弦波状の駆動電流を供給する所謂正弦波駆動等、他の駆動方法で駆動するようにしてもよい。例えば正弦波駆動の場合には、図7に示すように、各ホール素子Hu,Hv,Hwの検出信号Pu,Pv,Pwは電気角で180°の矩形波となり、検出信号Pu,Pv,Pwのエッジを同相の電機子コイルLu,Lv,Lwの誘起電圧が0となる位置と一致させることによりホール素子Hu,Hv,Hwの進角を中立位置に設定することができる。
【0048】
図8は本発明の他の実施の形態であるブラシレスモータの制御体系を示す回路図であり、誘起電圧検出部54と検出信号入力部58とをモータドライバ39に設け、進角検査装置51の機能をモータドライバ39により行うようにしたものである。なお、図8においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号が付されている。
【0049】
この場合、各電機子コイルLu,Lv,Lwの駆動電流入力端子24u,24v,24wは給電線25u,25v,25wとインバータ入出力端子43u,43v,43wとを介して誘起電圧検出部54に接続され、検出信号入力部58の機能や誘起電圧Vu,Vv,Vwと検出信号Pu,Pv,Pwの比較、比較結果のモニタ62への表示等はモータドライバ39のコントローラ38により行われるようになっている。なお、この場合においては、中性点接続端子22と誘起電圧検出部54の中性点入力端子52とを接続するケーブル56は、進角設定工程の終了後には取り外されるか切断されることになる。
【0050】
このように、この場合では、誘起電圧検出部54と検出信号入力部58とをモータドライバ39に設けたので、ホール素子Hu,Hv,Hwの進角の設定はさらに容易になり、このブラシレスモータ11の製造コストをさらに低減させることができる。
【0051】
図9は図1に示すブラシレスモータの変形例を示す正面図であり、図10は図9におけるB−B線に沿う断面図である。また、図11はモニタに表示される誘起電圧と検出信号の関係を示す相関図である。
【0052】
図9、図10に示すブラシレスモータ71は、回転位置センサとしてホール素子Hu,Hv,Hwに替えて検出コイル72と回転トランス73とを有するレゾルバ74が用いられたものである。この場合、図11に示すように、レゾルバ74からの検出信号Prの基準番地を電機子コイルLu,Lv,Lwの誘起電圧Vu,Vv,Vwが0の位置と一致するように補正することにより、レゾルバ74の進角を調整して中立位置に設定することができる。また、図8に示す場合のように、進角検査装置51の機能がモータドライバ39に設けられている場合には、モータドライバ39のコントローラ38に、誘起電圧Vu,Vv,Vwが0のときに基準番地を認識させるようにしてもよい。なお、図9〜11においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号が付されている。
【0053】
本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、本実施の形態においては、ブラシレスモータ11は3相4極式となっているが、これに限らず、他の形式のブラシレスモータとしてもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、ロータを外部から駆動して回転させた状態の下で電機子コイルに生じる誘起電圧の位相と回転位置センサの検出信号の位相とを比較して、回転位置センサの進角を中立位置に設定するようにしたので、回転位置センサの進角を容易に中立位置に設定することができ、このブラシレスモータの製造コストを低減することができる。
【0055】
また、本発明によれば、星形結線された電機子コイルの中性点に進角検査装置に着脱自在に接続される中性端子を設けたので、中性点と進角検査装置との接続は容易となり、このブラシレスモータの製造コストを低減することができる。
【0056】
さらに、本発明によれば、誘起電圧検出部と検出信号入力部とをモータドライバに設けたので、回転位置センサの進角の設定はさらに容易になり、このブラシレスモータの製造コストをさらに低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるブラシレスモータの詳細を示す正面図である。
【図2】図1におけるA−A線に沿う断面図である。
【図3】図1に示すブラシレスモータの制御体系を示す回路図である。
【図4】図1に示すブラシレスモータの製造工程を示す工程図である。
【図5】進角検査装置の概略を示す回路図である。
【図6】図5に示すモニタに表示される誘起電圧と検出信号の関係を示す相関図である。
【図7】正弦波駆動の場合における誘起電圧と検出信号の関係を示す相関図である。
【図8】本発明の他の実施の形態であるブラシレスモータの制御体系を示す回路図である。
【図9】図1に示すブラシレスモータの変形例を示す正面図である。
【図10】図9におけるB−B線に沿う断面図である。
【図11】モニタに表示される誘起電圧と検出信号の関係を示す相関図である。
【符号の説明】
11 ブラシレスモータ
12 モータハウジング
13 ステータ
14 ロータ
15 マグネット
16 エンドブラケット
16a,16b 切り欠き部
17,18 軸受
19 シャフト
19a アダプタ
21 中性点
22 中性点接続端子
23 カバー
24u,24v,24w 駆動電流入力端
25u,25v,25w 給電線
31 ホールセンサユニット
32 センサ基板
32a 取付孔
33 センサマグネット
34 センサコネクタ
34a,34b センサ給電端子
34u,34v,34w 検出信号出力端子
35 ボルト
36 インバータ回路
37 駆動回路
38 コントローラ
39 モータドライバ
41 電源端子
42 接地端子
43u,43v,43w インバータ入出力端子
44 信号入力線
51 進角検査装置
52 中性点入力端子
53u,53v,53w 誘起電圧入力端子
54 誘起電圧検出部
55u,55v,55w コイル端端子
56 ケーブル
57 検出信号入力端子
58 検出信号入力部
59 ケーブル
61 マイクロコンピュータ
62 モニタ
63 外部モータ
71 ブラシレスモータ
72 検出コイル
73 回転トランス
74 レゾルバ
Lu,Lv,Lw 電機子コイル
P 磁極
Hu,Hv,Hw ホール素子
p 磁極
Pu,Pv,Pw 検出信号
FET・uh,FET・vh,FET・wh 正極側スイッチング素子
FET・ul,FET・vl,FET・wl 負極側スイッチング素子
Vu,Vv,Vw 誘起電圧
Pr 検出信号
【発明の属する技術分野】
本発明はステータとステータに対して回転自在のロータとを備えたブラシレスモータに関し、特に、正逆両方向に回転するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
ブラシレスモータは、ステータとステータに対して回転自在のロータとを有しており、例えば3相4極式の場合には、ステータには互いに星形結線されたU相、V相、W相の電機子コイルが装着され、ロータには周方向に並ぶ4つの磁極が設けられる。そして、モータドライバを用いて各相の電機子コイルに所定の順序と方向で通電することによりステータに回転磁界が生じてロータが回転するようになっている。
【0003】
モータドライバは、例えば電界効果トランジスタ(FET)等のスイッチング素子により構成されるインバータ回路を有しており、各相の電機子コイルに対する通電の切替えは、これらのスイッチング素子を所定の切替えタイミングで駆動することにより行われる。また、ブラシレスモータにはホール素子やレゾルバ等、ロータの回転位置を検出する回転位置センサが設けられており、モータドライバは回転位置センサからの検出信号つまりロータの回転位置に基づいてスイッチング素子を駆動するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このようなブラシレスモータを自動車等の車両に設けられる所謂電動パワーステアリング装置の動力源として用いる場合には、正転と逆転の両方向に回転可能であるものが用いられる。この場合、正転時と逆転時のモータ特性が相違すると操舵フィーリングが悪化するため、ブラシレスモータには正転時と逆転時のモータ特性が同一であることが求められる。しかし、特に回転位置センサとしてホール素子を用いた場合には、組付けの際に誤差が生じて、正転時と逆転時の進角が相違する恐れがある。
【0005】
そのため、従来のブラシレスモータでは、組立完了後のブラシレスモータを実際に正転方向と逆転方向とに作動させて各回転方向でのモータ特性を測定し、これらのモータ特性を比較して回転位置センサの進角を中立位置に調整するようにしていた。これにより、正転時と逆転時の両方において、ロータの回転位置に対する電機子コイルへの通電タイミングを一致させて、正転時と逆転時のモータ特性を同一とすることができる。
【0006】
【特許文献1】
特公平6−52996号公報(第2−3頁、第1,3図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような方法では、実際にブラシレスモータを正逆両方向に作動させて各種の計測機器を用いてモータ特性を測定しなければならない。また、モータ特性が得られた後に、再度モータカバーを外してホール素子の位置を調整することが必要となる。そのため、進角の設定には多数の工数が必要となり、このブラシレスモータの製造コストは高くなっていた。
【0008】
本発明の目的は、回転位置センサの進角設定を容易にして、このブラシレスモータの製造コストを低減することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のブラシレスモータは、ステータと前記ステータに対して回転自在のロータとを備えたブラシレスモータであって、前記ロータに設けられた複数の磁極と、前記ロータの回転位置に応じた検出信号を出力する回転位置センサと、互いに星形結線されて前記ステータに装着され、前記回転位置センサが出力する前記検出信号に基づいた所定の順序と方向でモータドライバから駆動電流が供給される複数相の電機子コイルとを有し、前記ロータを外部から駆動して回転させた状態の下で前記電機子コイルに生じる誘起電圧の位相と前記検出信号の位相とを比較して前記回転位置センサの進角を中立位置に設定することを特徴とする。
【0010】
本発明のブラシレスモータは、前記電機子コイルの両端に接続されて前記電機子コイルの誘起電圧を検出する誘起電圧検出部と、前記回転位置センサの検出信号が入力される検出信号入力部とを備えた進角検査装置により前記電機子コイルの誘起電圧の位相と前記検出信号の位相とを比較することを特徴とする。
【0011】
本発明のブラシレスモータは、前記電機子コイルの中性点に接続された中性点接続端子を備え、前記中性点接続端子において前記進角検査装置に着脱自在に接続されることを特徴とする。
【0012】
本発明のブラシレスモータは、前記誘起電圧検出部と前記検出信号入力部とを前記モータドライバに設けたことを特徴とする。
【0013】
本発明のブラシレスモータは、前記回転位置センサがホール素子であり、前記ホール素子を回転方向に移動させて前記回転位置センサの進角を調整することを特徴とする。
【0014】
本発明のブラシレスモータは、前記回転位置センサがレゾルバであり、前記レゾルバの検出信号の位相を補正して前記回転位置センサの進角を調整することを特徴とする。
【0015】
本発明のブラシレスモータの製造方法は、互いに星形結線された複数相の電機子コイルが装着されたステータと複数の磁極を備えたロータと前記ロータの回転位置に応じた検出信号を出力する回転位置センサを備え、前記検出信号に基づいた所定の順序と方向でモータドライバから前記電機子コイルに駆動電流が供給されることにより作動するブラシレスモータの製造方法であって、前記ステータ、前記ロータおよび前記回転位置センサを組み立てるモータ組立工程と、前記ロータを外部から駆動して回転させた状態の下で前記電機子コイルに生じる誘起電圧の位相と前記検出信号の位相とを比較して前記回転位置センサの進角を検出する進角検出工程と、前記進角検出工程による検出結果に基づいて前記回転位置センサの進角を中立位置に設定する進角設定工程とを有することを特徴とする。
【0016】
本発明のブラシレスモータの製造方法は、前記回転位置センサがホール素子であり、前記ホール素子を回転方向に移動させて前記回転位置センサの進角を調整することを特徴とする。
【0017】
本発明のブラシレスモータの製造方法は、前記回転位置センサがレゾルバであり、前記レゾルバの検出信号の位相を補正して前記回転位置センサの進角を調整することを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、ロータを外部から駆動して回転させた状態の下で電機子コイルに生じる誘起電圧の位相と回転位置センサの検出信号の位相とを比較して、回転位置センサの進角を中立位置に設定するようにしたので、回転位置センサの進角を容易に中立位置に設定することができ、このブラシレスモータの製造コストを低減することができる。
【0019】
また、本発明にあっては、星形結線された電機子コイルの中性点に進角検査装置に着脱自在に接続される中性端子を設けたので、中性点と進角検査装置との接続は容易となり、このブラシレスモータの製造コストを低減することができる。
【0020】
さらに、本発明にあっては、誘起電圧検出部と検出信号入力部とをモータドライバに設けたので、回転位置センサの進角の設定はさらに容易になり、このブラシレスモータの製造コストをさらに低減させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の一実施の形態であるブラシレスモータの詳細を示す正面図であり、図2は図1におけるA−A線に沿う断面図である。また、図3は図1に示すブラシレスモータの制御体系を示す回路図である。
【0023】
図1〜図3に示すブラシレスモータ11は、例えば、図示しない車両の操舵装置の操舵力を補助する電動パワーステアリング装置の駆動源等として用いられるものであり、正逆両方向に回転可能となっている。
【0024】
このブラシレスモータ11はモータハウジング12の内周面に固定されたステータ13とステータ13に対して回転自在のロータ14とを備えており、ステータ13にはU相、V相、W相の3つの相に分けられた電機子コイルLu,Lv,Lwが装着され、ロータ14には4つの磁極Pを備えたマグネット15が設けられている。つまり、このブラシレスモータ11は3相4極式となっている。なお、符号16はモータハウジングを閉塞するエンドブラケット、符号17,18はロータ14のシャフト19を回転自在に支持する軸受である。
【0025】
各相の電機子コイルLu,Lv,Lwはそれぞれ同一の抵抗値やインダクタンス値を有するものとなっており、図3に示すように、その一端において互いに星形結線されるとともに互いに回転方向に120°の間隔を空けてステータ13に装着されている。各相の電機子コイルLu,Lv,Lwの相互接続される一端は中性点21(コモンとも呼ばれる)となっており、この中性点21にはエンドブラケット16に固定される中性点接続端子22が接続されている。そして、この中性点接続端子22はエンドブラケット16に設けられた切り欠き部16aから突出しており、エンドブラケット16に着脱自在に設けられたカバー23(図1においては取り外されている)を取り外したときには外部に露出するようになっている。また、各電機子コイルLu,Lv,Lwの他端は駆動電流入力端24u,24v,24wとなっており、これらの駆動電流入力端24u,24v,24wにはそれぞれ給電線25u,25v,25wが接続されている。
【0026】
このブラシレスモータ11には、ロータ14の回転位置を検出するためにホールセンサユニット31が設けられている。ホールセンサユニット31は、センサ基板32と、それぞれU相、V相、W相に対応する回転位置センサとしての3つのホール素子Hu,Hv,Hwとを有しており、各相のホール素子Hu,Hv,Hwは互いにロータ14の回転方向に30°ずれてセンサ基板32に固定されている。また、ホールセンサユニット31はロータ14に固定されたセンサマグネット33を有しており、このセンサマグネット33にはロータ14のマグネット15と同様にロータ14の回転方向に並ぶ4つの磁極pが設けられている。そして、このセンサマグネット33がロータ14と一体的に回転すると、各相のホール素子Hu,Hv,Hwはセンサマグネット33の磁極pに反応してロータ14の回転位置に応じた検出信号Pu,Pv,Pwをエンドブラケット16に設けられたセンサコネクタ34から出力するようになっている。なお、センサコネクタ34は、各相のホール素子Hu,Hv,Hwに対する給電用の2つのセンサ給電端子34a,34bと、各相のホール素子Hu,Hv,Hwの検出信号Pu,Pv,Pwが出力される信号出力用の3つの検出信号出力端子34u,34v,34wとの5つとからなっている。
【0027】
センサ基板32はロータ14の回転方向に延びて形成された2つの取付孔32aを有しており、これらの取付孔32aに挿通されたボルト35によりエンドブラケット16にねじ固定されている。そして、ボルト35を緩めてセンサ基板32つまりホール素子Hu,Hv,Hwをロータ14の回転方向に移動させることにより、ステータ13に対するセンサ基板32の固定位置つまりホール素子Hu,Hv,Hwの進角を調整することができるようになっている。
【0028】
図3に示すように、このブラシレスモータ11は、インバータ回路36と駆動回路37およびコントローラ38を有するモータドライバ39に接続されて、このモータドライバ39により駆動されるようになっている。
【0029】
インバータ回路36は、各相に対応する3つの正極側スイッチング素子FET・uh,FET・vh,FET・whと3つの負極側スイッチング素子FET・ul,FET・vl,FET・wlとを有しており、同相の正極側スイッチング素子と負極側スイッチング素子が直列に接続されるとともに各相のスイッチング素子対が互いに並列に接続された構造となっている。これらのスイッチング素子FET・uh,FET・vh,FET・wh,FET・ul,FET・vl,FET・wlとしては、例えばFET等、駆動信号によりON・OFF制御可能な半導体素子が用いられている。また、各相の正極側スイッチング素子FET・uh,FET・vh,FET・whはそれぞれ図示しない電源の電源端子41に接続され、各相の負極側スイッチング素子FET・ul,FET・vl,FET・wlはそれぞれ接地端子42に接続されている。
【0030】
そして、各相の正極側スイッチング素子FET・uh,FET・vh,FET・whと負極側スイッチング素子FET・ul,FET・vl,FET・wlの相互接続部は、それぞれ対応するインバータ入出力端子43u,43v,43wに接続されており、各相の電機子コイルLu,Lv,Lwの給電線25u,25v,25wは、対応するインバータ入出力端子43u,43v,43wに接続されるようになっている。
【0031】
駆動回路37はコントローラ38とインバータ回路36との間に接続されており、コントローラ38から入力される指令信号に基づいた所定のタイミングでスイッチング素子FET・uh,FET・vh,FET・wh,FET・ul,FET・vl,FET・wlに向けて駆動信号を出力し、各々のスイッチング素子FET・uh,FET・vh,FET・wh,FET・ul,FET・vl,FET・wlを駆動するようになっている。
【0032】
コントローラ38は、図示はしないが、各種入力信号を演算するマイクロプロセッサ(CPU)と、制御プログラム、演算式およびマップデータなどが格納されるROMと、一時的にデータを格納するRAMなどを有するマイクロコンピュータとなっている。
【0033】
コントローラ38には信号入力線44が接続されており、この信号入力線44はホールセンサユニット31のセンサコネクタ34に接続されるようになっている。これにより、コントローラ38は信号入力線44を介してホールセンサユニット31に接続されてホールセンサユニット31からの検出信号Pu,Pv,Pwが入力されるようになっている。これらの検出信号Pu,Pv,Pwは所定の閾値以上となったときに信号が立ち上がる矩形波となっており、コントローラはこれらの検出信号Pu,Pv,Pwの立ち上がりもしくは立ち下がりのエッジに基づいてロータ14の回転位置を認識し、ロータ14の回転位置に基づいた所定のタイミングで駆動回路37に向けて指令信号を出力するようになっている。なお、指令信号や駆動信号は各スイッチング素子FET・uh,FET・vh,FET・wh,FET・ul,FET・vl,FET・wlに対応する6つの系統に分けて出力されるようになっており、各スイッチング素子FET・uh,FET・vh,FET・wh,FET・ul,FET・vl,FET・wlを個別に駆動することができるようになっている。
【0034】
これにより、各相の電機子コイルLu,Lv,Lwにはホール素子Hu,Hv,Hwが出力する検出信号Pu,Pv,Pwに基づいた、つまり、ロータ14の回転位置に基づいた所定の順序と方向の駆動電流がモータドライバ39から供給され、ステータ13に回転磁界が生じてロータ14が回転するようになっている。この場合、各相の電機子コイルLu,Lv,Lwへの通電角は、それぞれ電気角で120°に設定されるとともに同時に2つの相の電機子コイルLu,Lv,Lwが通電される所謂120°矩形波駆動により駆動されるようになっている。そして、シャフト19の先端部に設けられたアダプタ19aに図示しない被駆動部材を連結することにより、ロータ14の回転を被駆動部材に伝達して駆動することができる。
【0035】
図4は図1に示すブラシレスモータの製造工程を示す工程図であり、図5は進角検査装置の概略を示す回路図である。また、図6は図5に示すモニタに表示される誘起電圧と検出信号の関係を示す相関図である。
【0036】
このようなブラシレスモータ11では、各ホール素子Hu,Hv,Hwの固定位置がロータ14の回転方向にずれると、各電機子コイルLu,Lv,Lwへの通電タイミングが変化して、つまりホール素子Hu,Hv,Hwの進角が変化して、正回転時と逆回転時とでモータ特性が相違することになる。そのため、図4に示すように、このブラシレスモータ11はモータ組立工程、進角検出工程および進角設定工程とを経て製造されるようになっており、進角検出工程においてホール素子Hu,Hv,Hwの進角を検出し、進角設定工程においてホール素子Hu,Hv,Hwの進角を中立位置に設定して、完成したブラシレスモータ11のモータ特性を正逆両方向において同一となるようにしている。以下に、このブラシレスモータ11の製造方法について詳細に説明する。
【0037】
まず、モータ組立工程においてモータハウジング12とステータ13、ロータ1、ホールセンサユニット31などを組み立て、ブラシレスモータ11が組み立てられる。
【0038】
次に、進角検出工程において、このブラシレスモータ11の進角、つまり各ホール素子Hu,Hv,Hwの進角を検出する。進角検出工程では、図5に示すような、進角検査装置51が用いられる。
【0039】
進角検査装置51は中性点入力端子52と各相に対応した3つの誘起電圧入力端子53u,53v,53wとを備えた誘起電圧検出部54を有しており、誘起電圧入力端子53u,53v,53wは各相の電機子コイルLu,Lv,Lwの給電線25u,25v,25wに接続されるようになっている。図示する場合には、誘起電圧入力端子53u,53v,53wは各相の電機子コイルLu,Lv,Lwの給電線25u,25v,25wに接続されているが、これに限らず、各相の駆動電流入力端24u,24v,24wにエンドブラケット16の切り欠き部16bから突出するコイル端端子55u,55v,55wを設け、誘起電圧入力端子53u,53v,53wをこれらのコイル端端子55u,55v,55wに接続するようにしてもよい。
【0040】
一方、中性点入力端子52はケーブル56を介して中性点接続端子22に接続されるようになっている。これにより、この誘起電圧検出部54は各電機子コイルLu,Lv,Lwの両端に接続されて、電機子コイルLu,Lv,Lwに生じる誘起電圧Vu,Vv,Vwを検出することができるようになっている。このとき、ケーブル56は、その先端に設けられた図示しないクリップ部で中性点接続端子22を挟む等、中性点接続端子22に対して着脱自在に接続されるようになっている。つまり、このブラシレスモータ11は、中性点接続端子22において進角検査装置51の誘起電圧検出部54に着脱自在に接続されるようになっている。なお、本実施の形態においては、ブラシレスモータ11に中性点21と接続された中性点接続端子22を設け、進角検査装置51を中性点接続端子に接続するようにしているが、これに限らず、進角検査装置51を直接、中性点21に接続するようにしてもよい。
【0041】
また、進角検査装置51には検出信号入力端子57を備えた検出信号入力部58が設けられており、検出信号入力端子57をケーブル59を介してセンサコネクタ34に接続することにより、検出信号入力部58には各相のホール素子Hu,Hv,Hwが出力する検出信号Pu,Pv,Pwが入力されるようになっている。
【0042】
さらに、進角検査装置51には、図示はしないが、各種入力信号を演算するマイクロプロセッサ(CPU)と、制御プログラム、演算式およびマップデータなどが格納されるROMと、一時的にデータを格納するRAMなどを有するマイクロコンピュータ61が設けられており、誘起電圧検出部54と検出信号入力部58はこのマイクロコンピュータ61に接続されている。そして、マイクロコンピュータ61には誘起電圧検出部54により検出された誘起電圧Vu,Vv,Vwと検出信号入力部58に入力された検出信号Pu,Pv,Pwとが入力され、誘起電圧Vu,Vv,Vwの位相と検出信号Pu,Pv,Pwの位相とを比較することができるようになっている。さらに、マイクロコンピュータ61にはモニタ62が接続されており、このモニタ62に誘起電圧Vu,Vv,Vwと検出信号Pu,Pv,Pwとを表示させるようになっている。
【0043】
ブラシレスモータ11を進角検査装置51に接続し、ロータ14のシャフト19を例えば外部モータ63等を用いて外部から回転駆動させると、各電機子コイルLu,Lv,Lwにはロータ14の回転位置に応じた位相の誘起電圧Vu,Vv,Vwが生じ、各ホール素子Hu,Hv,Hwはロータ14の回転位置に応じた検出信号Pu,Pv,Pwを出力する。そして、誘起電圧Vu,Vv,Vwは誘起電圧検出部54に検出され、検出信号Pu,Pv,Pwは検出信号入力部58に入力され、図6に示すように、これらがマイクロコンピュータ61により処理されてモニタ62に映し出される。したがって、モニタ62を見ることにより誘起電圧Vu,Vv,Vwの位相と検出信号Pu,Pv,Pwの位相とを比較することができる。たとえば、図6に示す場合ではU相の電機子コイルLuに生じる誘起電圧Vuと、U相のホール素子Huの検出信号Puとが表示されており、誘起電圧Vuの周期は電気角で360°であり、検出信号Puは電気角で120°の矩形波となっている。
【0044】
次に、進角設定工程において、進角検出工程による検出結果つまりモニタ62に示された誘起電圧Vu,Vv,Vwの位相と検出信号Pu,Pv,Pwの位相とに基づいてホールセンサユニット31の固定位置を、各ホール素子Hu,Hv,Hwの進角が0つまり中立位置となるように調整する。この場合、このブラシレスモータ11は3相4極式であり、120°矩形波駆動により駆動されるので、ある相のホール素子Hu,Hv,Hwの検出信号Pu,Pv,Pwの立ち上がりエッジが同相の電機子コイルLu,Lv,Lwの誘起電圧誘起電圧Vu,Vv,Vwが0となる位置に対して電気角で30°遅れて生じる位置がこの相のホール素子Hu,Hv,Hwの進角が中立位置の点である。つまり、モニタ62を見ながら、電機子コイルLu,Lv,Lwの誘起電圧が0となる位置に対してホール素子Hu,Hv,Hwの検出信号Pu,Pv,Pwの立ち上がりエッジが電気角で30°遅れて生じるようにホールセンサユニット31をロータ14の回転方向に移動させることにより、ホール素子Hu,Hv,Hwの進角を中立位置に設定することができる。このとき、各相の電機子コイルLu,Lv,Lwの誘起電圧Vu,Vv,Vwをそれぞれ同相のホール素子Hu,Hv,Hwの検出信号Pu,Pv,Pwと比較してもよく、また、1つの相についてのみ比較するようにしてもよい。
【0045】
このように、このブラシレスモータ11では、ロータ14を外部から駆動して回転させた状態の下で電機子コイルLu,Lv,Lwに生じる誘起電圧Vu,Vv,Vwの位相とホール素子Hu,Hv,Hwの検出信号Pu,Pv,Pwの位相とを比較して、ホール素子Hu,Hv,Hwの進角を中立位置に設定するようにしたので、ホール素子Hu,Hv,Hwの進角を容易に中立位置に設定することができ、このブラシレスモータ11の製造コストを低減することができる。
【0046】
また、このブラシレスモータ11では、星形結線された電機子コイルLu,Lv,Lwの中性点21にはエンドブラケット16から露出する中性点接続端子22が接続されており、中性点21と誘起電圧検出部54との接続はケーブル56を用いて着脱自在に行われるようにしたので、中性点21と誘起電圧検出部54との接続は容易となり、このブラシレスモータ11の製造コストを低減することができる。
【0047】
本実施の形態においては、ブラシレスモータ11をモータドライバ39により120°矩形波駆動で駆動するようにしているが、これに限らず、各相の電機子コイルLu,Lv,Lwに正弦波状の駆動電流を供給する所謂正弦波駆動等、他の駆動方法で駆動するようにしてもよい。例えば正弦波駆動の場合には、図7に示すように、各ホール素子Hu,Hv,Hwの検出信号Pu,Pv,Pwは電気角で180°の矩形波となり、検出信号Pu,Pv,Pwのエッジを同相の電機子コイルLu,Lv,Lwの誘起電圧が0となる位置と一致させることによりホール素子Hu,Hv,Hwの進角を中立位置に設定することができる。
【0048】
図8は本発明の他の実施の形態であるブラシレスモータの制御体系を示す回路図であり、誘起電圧検出部54と検出信号入力部58とをモータドライバ39に設け、進角検査装置51の機能をモータドライバ39により行うようにしたものである。なお、図8においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号が付されている。
【0049】
この場合、各電機子コイルLu,Lv,Lwの駆動電流入力端子24u,24v,24wは給電線25u,25v,25wとインバータ入出力端子43u,43v,43wとを介して誘起電圧検出部54に接続され、検出信号入力部58の機能や誘起電圧Vu,Vv,Vwと検出信号Pu,Pv,Pwの比較、比較結果のモニタ62への表示等はモータドライバ39のコントローラ38により行われるようになっている。なお、この場合においては、中性点接続端子22と誘起電圧検出部54の中性点入力端子52とを接続するケーブル56は、進角設定工程の終了後には取り外されるか切断されることになる。
【0050】
このように、この場合では、誘起電圧検出部54と検出信号入力部58とをモータドライバ39に設けたので、ホール素子Hu,Hv,Hwの進角の設定はさらに容易になり、このブラシレスモータ11の製造コストをさらに低減させることができる。
【0051】
図9は図1に示すブラシレスモータの変形例を示す正面図であり、図10は図9におけるB−B線に沿う断面図である。また、図11はモニタに表示される誘起電圧と検出信号の関係を示す相関図である。
【0052】
図9、図10に示すブラシレスモータ71は、回転位置センサとしてホール素子Hu,Hv,Hwに替えて検出コイル72と回転トランス73とを有するレゾルバ74が用いられたものである。この場合、図11に示すように、レゾルバ74からの検出信号Prの基準番地を電機子コイルLu,Lv,Lwの誘起電圧Vu,Vv,Vwが0の位置と一致するように補正することにより、レゾルバ74の進角を調整して中立位置に設定することができる。また、図8に示す場合のように、進角検査装置51の機能がモータドライバ39に設けられている場合には、モータドライバ39のコントローラ38に、誘起電圧Vu,Vv,Vwが0のときに基準番地を認識させるようにしてもよい。なお、図9〜11においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号が付されている。
【0053】
本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、本実施の形態においては、ブラシレスモータ11は3相4極式となっているが、これに限らず、他の形式のブラシレスモータとしてもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、ロータを外部から駆動して回転させた状態の下で電機子コイルに生じる誘起電圧の位相と回転位置センサの検出信号の位相とを比較して、回転位置センサの進角を中立位置に設定するようにしたので、回転位置センサの進角を容易に中立位置に設定することができ、このブラシレスモータの製造コストを低減することができる。
【0055】
また、本発明によれば、星形結線された電機子コイルの中性点に進角検査装置に着脱自在に接続される中性端子を設けたので、中性点と進角検査装置との接続は容易となり、このブラシレスモータの製造コストを低減することができる。
【0056】
さらに、本発明によれば、誘起電圧検出部と検出信号入力部とをモータドライバに設けたので、回転位置センサの進角の設定はさらに容易になり、このブラシレスモータの製造コストをさらに低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるブラシレスモータの詳細を示す正面図である。
【図2】図1におけるA−A線に沿う断面図である。
【図3】図1に示すブラシレスモータの制御体系を示す回路図である。
【図4】図1に示すブラシレスモータの製造工程を示す工程図である。
【図5】進角検査装置の概略を示す回路図である。
【図6】図5に示すモニタに表示される誘起電圧と検出信号の関係を示す相関図である。
【図7】正弦波駆動の場合における誘起電圧と検出信号の関係を示す相関図である。
【図8】本発明の他の実施の形態であるブラシレスモータの制御体系を示す回路図である。
【図9】図1に示すブラシレスモータの変形例を示す正面図である。
【図10】図9におけるB−B線に沿う断面図である。
【図11】モニタに表示される誘起電圧と検出信号の関係を示す相関図である。
【符号の説明】
11 ブラシレスモータ
12 モータハウジング
13 ステータ
14 ロータ
15 マグネット
16 エンドブラケット
16a,16b 切り欠き部
17,18 軸受
19 シャフト
19a アダプタ
21 中性点
22 中性点接続端子
23 カバー
24u,24v,24w 駆動電流入力端
25u,25v,25w 給電線
31 ホールセンサユニット
32 センサ基板
32a 取付孔
33 センサマグネット
34 センサコネクタ
34a,34b センサ給電端子
34u,34v,34w 検出信号出力端子
35 ボルト
36 インバータ回路
37 駆動回路
38 コントローラ
39 モータドライバ
41 電源端子
42 接地端子
43u,43v,43w インバータ入出力端子
44 信号入力線
51 進角検査装置
52 中性点入力端子
53u,53v,53w 誘起電圧入力端子
54 誘起電圧検出部
55u,55v,55w コイル端端子
56 ケーブル
57 検出信号入力端子
58 検出信号入力部
59 ケーブル
61 マイクロコンピュータ
62 モニタ
63 外部モータ
71 ブラシレスモータ
72 検出コイル
73 回転トランス
74 レゾルバ
Lu,Lv,Lw 電機子コイル
P 磁極
Hu,Hv,Hw ホール素子
p 磁極
Pu,Pv,Pw 検出信号
FET・uh,FET・vh,FET・wh 正極側スイッチング素子
FET・ul,FET・vl,FET・wl 負極側スイッチング素子
Vu,Vv,Vw 誘起電圧
Pr 検出信号
Claims (9)
- ステータと前記ステータに対して回転自在のロータとを備えたブラシレスモータであって、
前記ロータに設けられた複数の磁極と、
前記ロータの回転位置に応じた検出信号を出力する回転位置センサと、
互いに星形結線されて前記ステータに装着され、前記回転位置センサが出力する前記検出信号に基づいた所定の順序と方向でモータドライバから駆動電流が供給される複数相の電機子コイルとを有し、
前記ロータを外部から駆動して回転させた状態の下で前記電機子コイルに生じる誘起電圧の位相と前記検出信号の位相とを比較して前記回転位置センサの進角を中立位置に設定することを特徴とするブラシレスモータ。 - 請求項1記載のブラシレスモータにおいて、前記電機子コイルの両端に接続されて前記電機子コイルの誘起電圧を検出する誘起電圧検出部と、前記回転位置センサの検出信号が入力される検出信号入力部とを備えた進角検査装置により前記電機子コイルの誘起電圧の位相と前記検出信号の位相とを比較することを特徴とするブラシレスモータ。
- 請求項2記載のブラシレスモータにおいて、前記電機子コイルの中性点に接続された中性点接続端子を備え、前記中性点接続端子において前記進角検査装置に着脱自在に接続されることを特徴とするブラシレスモータ。
- 請求項2または3記載のブラシレスモータにおいて、前記誘起電圧検出部と前記検出信号入力部とを前記モータドライバに設けたことを特徴とするブラシレスモータ。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のブラシレスモータにおいて、前記回転位置センサがホール素子であり、前記ホール素子を回転方向に移動させて前記回転位置センサの進角を調整することを特徴とするブラシレスモータ。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のブラシレスモータにおいて、前記回転位置センサがレゾルバであり、前記レゾルバの検出信号の位相を補正して前記回転位置センサの進角を調整することを特徴とするブラシレスモータ。
- 互いに星形結線された複数相の電機子コイルが装着されたステータと複数の磁極を備えたロータと前記ロータの回転位置に応じた検出信号を出力する回転位置センサを備え、前記検出信号に基づいた所定の順序と方向でモータドライバから前記電機子コイルに駆動電流が供給されることにより作動するブラシレスモータの製造方法であって、
前記ステータ、前記ロータおよび前記回転位置センサを組み立てるモータ組立工程と、
前記ロータを外部から駆動して回転させた状態の下で前記電機子コイルに生じる誘起電圧の位相と前記検出信号の位相とを比較して前記回転位置センサの進角を検出する進角検出工程と、
前記進角検出工程による検出結果に基づいて前記回転位置センサの進角を中立位置に設定する進角設定工程とを有することを特徴とするブラシレスモータの製造方法。 - 請求項7記載のブラシレスモータの製造方法において、前記回転位置センサがホール素子であり、前記ホール素子を回転方向に移動させて前記回転位置センサの進角を調整することを特徴とするブラシレスモータの製造方法。
- 請求項7記載のブラシレスモータの製造方法において、前記回転位置センサがレゾルバであり、前記レゾルバの検出信号の位相を補正して前記回転位置センサの進角を調整することを特徴とするブラシレスモータの製造方法。
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WO2007141064A1 (de) * | 2006-06-02 | 2007-12-13 | Robert Bosch Gmbh | Verfahren zur erkennung der sensorzuordnung innerhalb einer elektrischen maschine |
JP2014207779A (ja) * | 2013-04-12 | 2014-10-30 | 村田機械株式会社 | ブラシレスモータの制御装置、ブラシレスモータの電気角推定方法、および記憶媒体 |
US10199964B2 (en) | 2012-07-31 | 2019-02-05 | Canon Kabushiki Kaisha | Motor control apparatus and motor control method |
-
2003
- 2003-06-20 JP JP2003175943A patent/JP2005012955A/ja not_active Abandoned
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