JP2005012057A - 薄膜半導体装置とその製造方法並びに画像表示装置 - Google Patents

薄膜半導体装置とその製造方法並びに画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】多結晶半導体膜で作製された薄膜トランジスタの結晶配向を制御して、CMOS薄膜トランジスタの高性能化、高信頼化を実現する。
【解決手段】絶縁性基板3上に、主たる配向が異なる半導体薄膜を、N型薄膜トランジスタのチャネル領域4、P型薄膜トランジスタのチャネル領域5で最適な配向をとるように作り分ける。絶縁性基板上3に、主たる配向が異なる半導体薄膜を作り分け、ソース・ドレイン領域6の配向が、不純物活性化速度が最も大きくなる配向となるようにする。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜半導体装置とその製造方法並びに画像表示装置に係り、特に半導体薄膜で作製された高性能な薄膜トランジスタとその製造方法及びこの半導体装置を用いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置(液晶ディスプレイ)や有機発光表示装置(エレクトロルミネセンスディスプレイ、有機ELディスプレイ)などの画像表示装置、あるいはイメージセンサに用いる画素回路、画素駆動回路にはN導電型(Nチャネル型、または単にN型とも称する)薄膜トランジスタとP導電型(Pチャネル型、または単にP型とも称する)薄膜トランジスタとで構成した相補型MOSの薄膜半導体(半導体膜薄膜とも称する)を用いた薄膜トランジスタ(所謂、CMOS薄膜トランジスタ)が広く採用されている。薄膜トランジスタを構成する半導体膜として種々の半導体材料が知られているが、以下ではシリコンを例として説明する。
【0003】
例えば、アクティブマトリクス方式の液晶表示装置の画素回路や画素駆動回路の回路素子として、チャネル部を多結晶シリコン薄膜とした薄膜トランジスタ(TFT)が開発されている。液晶表示装置では、絶縁性基板上に複数の画素をマトリクス状に配列した表示領域と、この表示領域の周辺に配置して前記複数の画素を駆動する駆動回路部とを少なくとも有する。この多結晶シリコンTFTは消費電力を低減できるという理由から、特に周辺駆動回路部は、P型薄膜トランジスタとN型薄膜トランジスタとが対になったCMOSの薄膜半導体回路で構成することが望ましい。多結晶シリコンで形成したP型薄膜トランジスタとN型薄膜トランジスタで構成されるCMOSの薄膜半導体回路(以下、CMOS回路とも称する)は、電流移動度が十分高く、画素と同一の基板上に周辺駆動回路として搭載することができる。
【0004】
大型サイズの液晶表示装置用の多結晶シリコン薄膜トランジスタはコスト面の要請から、絶縁性基板としてガラス基板の上に形成されるのが一般的である。ガラス基板上に薄膜トランジスタを形成するプロセスでは、ガラスの耐熱温度がプロセス温度を規定する。ガラス基板上に高品質な多結晶シリコン薄膜を形成するには、「非特許文献1」に記載のように、レーザーアニールによる結晶化を利用する。
【0005】
CMOS回路を構成するために、より高性能な薄膜トランジスタを実現する必要があるが、従来は「特許文献1」、「特許文献2」、「特許文献3」に記載のように、結晶粒径を大きくすることによって、薄膜トランジスタの性能を向上する試みがなされている。
【0006】
これまでは、レーザーアニールによって得られる結晶の粒径が小さく、チャネル部分にシリコン結晶の粒界が大量に入っていたため、電流移動度はシリコン結晶の粒界部の散乱により律速され、結晶配向の寄与は少なかった。したがって、粒径を大きくしさえすれば移動度が向上し、薄膜トランジスタの性能を上げることができる。近年、レーザーアニールによって大粒径の多結晶シリコン薄膜が作製できるようになり、チャネル部分に粒界のない薄膜トランジスタ開発の試みがなされている。大粒径化、薄膜トランジスタのサイズ縮小が進むに従い、結晶の面方位(結晶面配向)依存性が電気特性に与える影響は深刻になると予想される。
【0007】
結晶面配向を制御する方法は、能動層が単結晶シリコンの場合では、「特許文献4」に記載のように、P型薄膜トランジスタ、N型薄膜トランジスタの能動層を別々に結晶面配向を制御する方法が提案されている。しかしこの方法は、薄膜トランジスタを形成する基板の制約やコスト面から、液晶表示装置の用途として適当ではない。液晶表示装置の用途としては、「特許文献5」あるいは「特許文献6」に記載のように、グラフォエピタキシャル成長を利用して、単結晶シリコンの結晶面配向を制御する方法が提案されている。しかし、P型薄膜トランジスタ、N型薄膜トランジスタの結晶面配向依存性が電気特性に与える影響の差異を考慮して、同一基板上に異なる結晶面配向を制御し、CMOS薄膜トランジスタの性能を向上する試みはなされていない。
【0008】
「特許文献7」に記載のように、多結晶シリコンにおいて、液晶表示装置の制御部(駆動回路部)と画像表示部(表示領域)の結晶面配向を別々に制御する方法が提案されている。しかしここでも、P型薄膜トランジスタ、N型薄膜トランジスタの結晶面配向(結晶配向方位)依存性が電気特性に与える影響の差異を考慮して、同一基板上に異なる面配向を制御、CMOS薄膜トランジスタの性能を向上する試みはまではなされていない。
【0009】
また、ガラス基板上に多結晶シリコン薄膜トランジスタを形成する低温プロセスでは、ソース・ドレイン領域に注入した不純物を活性化するために、RTA(Rapid Thermal Annealing )などの高速アニール、もしくは低温炉アニールを用いて不純物活性化を行っている。しかし、活性化は十分ではなく、少しでも活性化率を上げる必要がある。
【0010】
【非特許文献1】
テクノロジー・アンド・アプリケーションズ・オブ・アモルファスシリコン (2000年)第94頁から第146頁(Technology and Applications of Amorphous Silicn (Springer 2000) PP94−146 )
【非特許文献2】
フィジカル レビュー 第4 巻(1971年)第1950頁から第1960頁に(Physical Review B (1971)PP1950−1960 )
【非特許文献3】
応用物理 第69巻(2000年)第1099頁から第1102頁
【特許文献1】
特開平11−64883号公報、
【特許文献2】
特開平10−64815号公報、
【特許文献3】
特開2000−82669号公報
【特許文献4】
特開平1−162376号公報
【特許文献5】
特開2000−66234号公報
【特許文献6】
特開2000−235355 公報
【特許文献7】
特開平8−195491公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法は、結晶粒径が薄膜トランジスタのチャネルサイズに対して小さい範囲では薄膜トランジスタの電流移動度改善の効果があるが、結晶粒径が薄膜トランジスタのチャネルサイズと同程度になると、それ以上チャネルサイズを大きくしても、電流移動度は改善しない。
【0012】
また、従来のレーザーアニールで作製した多結晶シリコン薄膜を用いて構成されるCMOSは、N型薄膜トランジスタ、P型薄膜トランジスタ共に主たる結晶面配向が{111}と単一の配向であった。{111}配向膜は界面準位が最も多く、特にN型薄膜トランジスタでは比較的短時間で劣化が進み、深刻である。
【0013】
本発明の目的は、P型薄膜トランジスタの性能を向上し、N型薄膜トランジスタの結晶界面準位を低減することにより、CMOS薄膜トランジスタの性能を向上することにある。
【0014】
また、結晶面配向が{111}と単一である場合、N型薄膜トランジスタ、P型薄膜トランジスタの電流移動度差が大きく、電流移動度の小さいP型薄膜トランジスタのチャネル幅を大きくして、N型薄膜トランジスタ、P型薄膜トランジスタのサイズが非対称なCMOS薄膜トランジスタを作る必要があった。P型薄膜トランジスタのサイズが大きくなると、CMOS薄膜トランジスタのサイズが大きくなり、基板上の占有面積及びキャパシタ容量が大きくなる。非対称なCMOS薄膜トランジスタで回路を構成した場合、占有面積の縮小のためのレイアウトは工夫が必要であり、限界があった。また、キャパシタ容量は信号の遅延の原因となる。
【0015】
本発明の他の目的は、CMOS薄膜トランジスタのレイアウト効率を向上すること、及びキャパシタ容量を小さくし、信号伝播スピードを大きくすることにある。
【0016】
また、従来の方法ではソース・ドレイン領域の活性化は十分ではなく、少しでも活性化率を上げる必要があった。{111}配向膜は他の結晶配向に比べ不純物活性化率が最も小さい。
【0017】
本発明はの他の目的は、薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域の活性化率を上げて薄膜トランジスタの性能を向上することにある。
【0018】
本発明はの他の目的は、上記の各目的を達成して、高性能なアクティブマトリクス方式の画像表示装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記本発明の目的を達成するために、N型薄膜トランジスタとP型薄膜トランジスタでチャネル部分の半導体膜結晶粒の結晶面配向を作り分け、配向組み合わせを最適化することにより、CMOS薄膜トランジスタの性能及び、基板上のレイアウト効率を向上する。
【0020】
また、本発明の他の目的を達成するために、薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域の半導体膜の結晶粒の配向を制御し、活性化速度が最も大きい配向とすることにより、ソース・ドレイン領域の不純物活性化の効率を向上する。
【0021】
また、本発明の他の目的を達成するために、薄膜トランジスタのソース・ドレインの各領域の結晶配向の組み合わせを最適化することにより、高性能な画像表示装置を提供する。
【0022】
本発明の代表的な構成は次のとおりである。すなわち、
(1)本発明の薄膜半導体装置は、同一の絶縁性基板上に形成されてチャネル領域及びソース・ドレイン領域が半導体薄膜からなるN導電型薄膜トランジスタとP導電型薄膜トランジスタとで構成した相補型MOS(CMOS)薄膜半導体装置の前記チャネル領域の半導体薄膜膜面の主たる結晶面配向が、前記N導電型薄膜トランジスタと前記P導電型薄膜トランジスタとで異なるものとする。
【0023】
また、本発明の薄膜半導体装置は、前記チャネル領域の半導体薄膜膜面の主たる結晶面配向が、前記N導電型薄膜トランジスタと前記P導電型薄膜トランジスタの電界効果移動度がそれぞれ最大となる結晶面配向の組み合わせとなるように構成する。そして、前記チャネル領域の半導体薄膜膜面の主たる結晶面配向が、前記N導電型薄膜トランジスタで{100}、前記P導電型薄膜トランジスタで{110}となるようにする。
【0024】
また、本発明の薄膜半導体装置は、前記チャネル領域の半導体薄膜膜面の主たる結晶面配向が、前記N導電型薄膜トランジスタと前記P導電型薄膜トランジスタの電界効果移動度の差が最小となる結晶面配向の組み合わせで構成する。そして、前記チャネル領域の半導体薄膜膜面の主たる結晶面配向が、前記N導電型薄膜トランジスタで{110}、前記P導電型薄膜トランジスタで{111}となるようにする。
【0025】
また、本発明の薄膜半導体装置は、前記チャネル領域の半導体薄膜の前記ソース・ドレイン領域を結ぶ方向にほぼ垂直な面の主たる結晶面配向が、前記N導電型薄膜トランジスタと前記P導電型薄膜トランジスタとで異なるように構成する。そして、前記チャネル領域の半導体薄膜の前記ソース・ドレイン領域を結ぶ方向にほぼ垂直な面の主たる結晶面配向が、前記N導電型薄膜トランジスタと前記P導電型薄膜トランジスタの電界効果移動度がそれぞれ最大となるような結晶面配向の組み合わせで構成する。
【0026】
また、前記チャネル領域の半導体膜の前記ソース・ドレイン領域を結ぶ方向にほぼ垂直な面の主たる結晶面配向が、前記N導電型薄膜トランジスタと前記P導電型薄膜トランジスタの電界効果移動度の差が最小となるような結晶面配向の組み合わせで構成する。さらに、絶縁性基板上に形成され、チャネル領域及びソース・ドレイン領域が半導体薄膜からなる薄膜トランジスタの前記ソース・ドレイン領域の不純物活性化率が最大となるように、前記半導体薄膜膜面の主たる結晶面配向が前記チャネル領域とソース・ドレイン領域とで異ならせることができる。また、上記ソース・ドレイン領域の結晶面配向が{100}とすることができる。
【0027】
(2)平坦な同一の絶縁性基板上に形成されて、チャネル領域及びソース・ドレイン領域が半導体薄膜からなり、前記チャネル領域の半導体薄膜の膜面の主たる結晶面配向が異なるN導電型薄膜トランジスタとP導電型薄膜トランジスタとで構成した相補型MOSの薄膜半導体装置を製造する本発明による方法は、
前記膜面の主たる結晶面配向が一様でほぼ平坦な表面を持つ半導体チップ片を前記絶縁性基板の表面に散布し、
前記半導体チップ片を覆って非晶質あるいは多結晶半導体膜を成膜し、
前記半導体チップ片を結晶種として前記非晶質あるいは多結晶半導体膜を加熱あるいは光照射によって結晶化する。
【0028】
また、絶縁性基板上に形成されて、チャネル領域及びソース・ドレイン領域が半導体薄膜からなり、前記ソース・ドレイン領域の不純物活性化率が最大となるように前記半導体薄膜の膜面の主たる結晶面配向が前記チャネル領域と前記ソース・ドレイン領域とで異なる薄膜半導体装置を製造する本発明による方法は、
表面の主たる結晶配向面配向が一様でほぼ平坦な表面を持つ半導体チップ片を前記絶縁性基板の表面に散布し、
前記半導体チップ片を覆って非晶質あるいは多結晶半導体膜を成膜し、
前記半導体チップ片を結晶種として前記非晶質あるいは多結晶半導体膜を加熱あるいは光照射によって結晶化する。
【0029】
そして、上記の各製造方法において、ほぼ平坦な表面を持ち、その面の主たる面配向が一様である半導体チップ片を数種の結晶面配向について用意し、
前記半導体チップ片を、前記絶縁性基板の表面に選択的に散布し、
散布された前記半導体チップ片の上にに非晶質あるいは多結晶半導体膜を成膜し、
前記半導体チップ片を結晶種として、前記非晶質あるいは多結晶半導体膜を熱あるいは光照射によって結晶化する。
【0030】
また、上記の各製造方法において、同一絶縁体基板表面に異なる形状の溝を異なる領域にパタニングし、
前記領域の上に非晶質あるいは多結晶半導体膜を成膜し、
前記溝を結晶種として前記非晶質あるいは多結晶半導体膜を熱あるいは光照射によって結晶化する。
【0031】
さらに、上記の各製造方法において、同一絶縁体基板表面上に特定の成膜条件で多結晶半導体薄膜を成膜し、
前記多結晶半導体薄膜をフォトリソ工程で島を形成した後、前記成膜条件とは異なる条件で多結晶半導体薄膜を成膜し、
フォトリソ工程で前記島を形成した領域と異なる領域に他の島を作る工程を繰り返すことにより、異なった主たる結晶面配向を持つ複数種の島を形成した後、
前記複数種の島の上に非晶質あるいは多結晶半導体薄膜を成膜し、
前記複数種の島を種結晶として非晶質あるいは多結晶半導体薄膜を熱あるいは光照射によって結晶化する。
【0032】
また、複数の画素をマトリクス状に形成した表示領域と、前記複数の画素を駆動する駆動回路とを少なくとも有する本発明の画像表示装置は、
前記駆動回路を、チャネル領域及びソース・ドレイン領域が半導体薄膜からなるN導電型薄膜トランジスタとP導電型薄膜トランジスタとで構成された相補型MOSの薄膜半導体回路とし、
前記チャネル領域の半導体薄膜膜面の主たる結晶面配向を、前記N導電型薄膜トランジスタと前記P導電型薄膜トランジスタとで異ならせた。
【0033】そして、上記画像表示装置の前記駆動回路部を、チャネル領域及びソース・ドレイン領域が半導体薄膜からなるN導電型薄膜トランジスタとP導電型薄膜トランジスタとで構成した相補型MOSの薄膜半導体回路から構成し、
前記ソース・ドレイン領域の不純物活性化率が最大となるように、前記半導体薄膜膜面の主たる結晶面配向が前記チャネル領域とソース・ドレイン領域とで異ならせた。
【0034】
なお、本発明は上記の各構成および後述する実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面も参照して詳細に説明する。一般に電流移動度、初期特性、不純物活性化速度はシリコンの結晶面配向に依存性を有する。図1は単結晶シリコン薄膜トランジスタで測定した電界効果移動度の結晶面配向依存性の説明図、図2は単結晶シリコンウェハ−熱酸化膜−ゲート電極で構成されたキャパシタを測定して得た界面準位密度の結晶面配向依存性の説明図、図3はアニール温度500°C付近の不純物活性化速度の結晶面配向依存性の説明図である。但し、図2、図3は面配向が{100}の場合に対する比率を示した。
【0036】
電界効果移動度の値については、N型薄膜トランジスタは図1の符号1に示すように、{100}、{111}、{110}の順に小さく、P型薄膜トランジスタでは図1の符号2に示すように、{110}、{111}、{100}の順に小さくなっていく。N型薄膜トランジスタ、P型薄膜トランジスタで電界効果移動度の配向依存性が異なるのは、伝導帯と価電子帯の構造が異なり、有効質量の配向依存性が異なることに起因する。界面準位密度は図2に示すように、N型薄膜トランジスタ、P型薄膜トランジスタともに{111}、{110}、{100}の順に小さくなっていく。
【0037】
不純物活性化速度は、図3に示すように、{100}、{110}、{111}の順に小さくなっていく。更に、「非特許文献2」、「非特許文献3」に記載のように、ソース・ドレイン領域を結ぶ方向にほぼ垂直な面の結晶面配向によっても移動度が異なることが分かっている。
【0038】
図4は本発明の薄膜半導体装置の一実施例を説明する要部断面図である。ここでは、絶縁性基板がSiO、多結晶半導体膜が多結晶シリコンであるCMOS薄膜トランジスタを例とした場合である。図4の図面左側がN型薄膜トランジスタ、図面右側がP型薄膜トランジスタである。N型薄膜トランジスタのチャネル4と、P型薄膜トランジスタのチャネル5、及びソース・ドレイン領域6の主たる結晶面配向は、以下に示す方法を用いて、用途に応じて作り分けられる。
【0039】
主たる結晶面配向が異なる多結晶半導体薄膜を用いて構成したCMOS薄膜トランジスタに関して、N型薄膜トランジスタとP型薄膜トランジスタのチャネル領域4、5、ソース・ドレイン領域6の結晶面配向の組み合わせは、回路の用途、回路がレイアウトされる基板上の領域等によって最適な組み合わせを選択すればよい。
【0040】
例えば、N型薄膜トランジスタのチャネル領域4に{100}、P型薄膜トランジスタのチャネル領域5に{110}、ソース・ドレイン領域6に{100}を選択した場合、ホール、電子の電界効果移動度は最大、N型薄膜トランジスタの界面準位密度は最小、不純物活性化速度は最大となる。この場合、CMOS薄膜トランジスタの初期特性、信頼性といった性能が向上する。また、薄膜トランジスタのサイズを縮小でき、高集積化が可能になるだけでなく、MOS容量を低減でき、信号伝播特性の向上による、高速・低電圧駆動が可能になるという効果がある。更にソース・ドレイン領域に関しては、不純物活性化率増加という効果がある。
【0041】
また、P型薄膜トランジスタのチャネル領域5のソース・ドレインを結ぶ方向にほぼ垂直な面の主たる面配向が{011}となるようにすると、P型薄膜トランジスタの電界効果移動度は約50%増加することが期待される。このとき、P型薄膜トランジスタの小面積化が可能となり、高集積化、高速・低電圧駆動が可能になる効果が期待できる。また、N型薄膜トランジスタのチャネル領域4に{110}、P型薄膜トランジスタのチャネル領域5に{111}、ソース・ドレイン領域6に{100}を選択した場合、ホールと電子の電界効果移動度の差は最小となり、不純物活性化速度は最大となる、このとき、P型薄膜トランジスタのチャネルの小面積化、N型薄膜トランジスタのチャネルの高信頼化による、高集積化高速・低電圧駆動化といった効果、及びソース・ドレイン領域の、不純物活性化率増加という効果がある。
【0042】
図5は本発明の薄膜半導体装置の他の実施例を説明する要部断面図である。単一の導電型薄膜トランジスタからなる回路においても、チャネル領域の主たる結晶面配向を制御することにより、回路の性能向上が期待できる。図5では薄膜トランジスタがN型である場合を例として示す。チャネル領域12及びソース・ドレイン領域6に{100}を選択した場合、電子の電界効果移動度は最大、界面準位密度は最小、活性化速度は最大となる。その結果、面配向が単一なので、プロセス工程が煩雑になることなく、回路性能向上、ソース・ドレイン領域の不純物活性化率増加という効果が期待できる。
【0043】
図6はCMOS薄膜トランジスタの結晶面配向の組合せとその効果の説明図であり、図6(a)はN型薄膜トランジスタ(NMOS)とP型薄膜トランジスタ(PMOS)の結晶配向面の組合せ内容の説明図で、縦欄と横欄に示した結晶面配向の組合せを▲1▼乃至▲6▼で示す。また、図6(b)は各組合せ▲1▼乃至▲6▼におけるホール移動度(h移動度)、電子−ホール移動度(e−h移動度)、P型半導体膜の界面順位(P界面順位)、N型半導体膜の界面順位(N界面順位)大きさを○(大)、△(中)、×(小)で示す。そして、図6(c)は組合せ▲3▼と▲4▼、▲1▼と▲4▼および▲6▼に{110}単一方向としたCMOS、▲3▼と▲5▼、{100}方向のNMOS、{110}PMOSのそれぞれに対する電界移動度と界面順位の特徴およびその効果を示す。
【0044】
図7は主たる結晶面配向が異なる半導体薄膜の形成過程の一例を説明する工程図である。先ず、絶縁性基板13に該基板表面に対し垂直な溝14(a−1)、斜めの溝15(a−2)をフォトリソグラフィ技術により形成する。化学気相成長法(以下、CVDと記述する)技術によりシリコンを堆積すると、基板とシリコンとの界面エネルギーの異方性により、溝14には{100}面を表面に持つ結晶シリコン16が、溝15には{110}面を表面に持つ結晶シリコン17がそれぞれ堆積する(b)。シリコン堆積中もしくは堆積後に、例えばレーザー、ランプアニールを用いて堆積膜を加熱して、結晶化を促進してもよい。
【0045】
垂直な溝14が形成された領域18、斜めの溝15が形成された領域19、溝が形成されない領域20を同一基板上にパタニングし、上記過程により、特定配向のシリコン結晶を得る。この際、溝が形成されない領域20の上には、例えばマスクをかけてシリコン結晶が出来ないようにする(c)。更にその上にCVD技術によりシリコンを堆積させ、堆積膜21を形成する。シリコン堆積膜21に矢印で示したようにレーザー22を照射すると(d)、シリコン堆積膜21上部は溶融、冷却し、結晶化する。垂直な溝14が形成された領域18、斜めの溝15が形成された領域19では、基板13とシリコン堆積膜21の境界部に残存する結晶シリコンを種結晶として多結晶膜が得られる。領域18では主たる面配向が{100}である多結晶膜23が、領域29では主たる面配向が{110}である多結晶膜24が形成される。領域20では種結晶に特定な面配向がないため、従来と同じく、主たる面配向が{111}である多結晶膜25が形成される(e)。
【0046】
図8は主たる面配向が異なる多結晶半導体膜の形成過程の一例を説明する工程図である。先ず、シリコンウェハ(ここでは{100}配向ウェハ)を例にとる。先ず、シリコンウェハ26)26に、フォトリソグラフィ技術により、基板表面に対し垂直な溝27(a−1)、斜めの溝28(a−2)を形成する。形成する溝の深さは、残った部分の厚みより十分大きくし、後述のシリコン片29の最大面積を持つ平坦面は{100}に等価な面(b−1)、またシリコン片30の最大面積を持つ平坦面は{110}に等価な面(b−2)となる様に溝を形成する。残った部分を研磨等で削りとり、チップ状の単結晶シリコン片29、30を得る(c−1)(c−2)。
【0047】
チップ状単結晶シリコン片29、30を表面が平坦な絶縁性基板31に、例えばマスクを用いて選択的に散布する(d)。更にその上に、CVD技術によりシリコンを堆積させ、堆積膜32を形成する(e)。シリコン堆積膜32に矢印で示したようにレーザー33を照射すると、シリコン堆積膜32上部は溶融、冷却し、結晶化する(f)。チップ状単結晶シリコン片29が散布された領域34、チップ状単結晶シリコン片30が散布された領域35では、基板31とシリコン堆積膜32の境界部に残存する結晶シリコンを種結晶として多結晶膜が得られる。領域34では主たる配向が{100}である多結晶膜37が、領域35では主たる面配向が{110}である多結晶膜38が形成される。領域36では、種結晶に特定な配向がないため、主たる面配向が{111}である多結晶膜39が形成される(g)。
【0048】
図9は主たる面配向が異なる多結晶半導体膜の形成過程の一例を説明する工程図である。CVD技術により絶縁性基板上にシリコンを堆積するが、堆積中の条件を制御することで主たる面方位を制御できる。例えば、600°Cでシリコンを堆積すると、{110}を主たる面配向とする多結晶シリコン膜が得られる。あるいはCVD反応ガス(SiH:H)の流量比を変化させることで主たる結晶面方位を制御できる(例えば、粒量比SiH/Hが小さいときは{110}を主たる結晶面配向とする多結晶シリコン膜を、大きいときは{100}を主たる結晶面配向とする多結晶シリコン膜が得られる。)。
【0049】
先ず、表面が平坦な絶縁性基板40の上に、CVD技術によって、{100}を主たる結晶面配向とする多結晶シリコン膜を得られる堆積条件で、シリコンを堆積させ、堆積膜41を形成する(a)(b)。フォトリソグラフィ技術により、{100}を主たる結晶面配向とする多結晶シリコン膜の島322を形成する(c)。その上にCVD技術によって、{110}を主たる結晶面配向とする多結晶シリコン膜を得られる堆積条件で、シリコンを堆積せ、堆積膜43を形成する(d)。フォトリソグラフィ技術により、{110}を主たる結晶面配向とする多結晶シリコン膜の島44を形成し(e)、その上にCVD技術によって、シリコン堆積膜45を形成する(f)。シリコン堆積膜45に矢印で示したようにレーザー46を照射すると(g)、シリコン堆積膜45の上部は溶融、冷却し、結晶化する。多結晶シリコン膜の島42が存在する領域47、多結晶シリコン膜の島44が存在する領域48では基板40とシリコン堆積膜45の境界部に残存する結晶シリコンを種結晶として多結晶膜が得られる。領域47では主たる結晶面配向が{100}である多結晶膜50が、領域48では主たる面配向が{110} である多結晶膜51が形成される。領域49では種結晶に特定な配向がないため、従来法と同じく、主たる面配向が{111}である多結晶膜52が形成される(f)。
【0050】
上記の方法により、同一基板上に任意の主たる結晶面配向を持つ多結晶半導体膜を得ることができる。これらの方法を応用した液晶表示装置の実施例を説明する。
【0051】
図10は本発明による画像表示装置の一例としての液晶表示装置の構成例を説明する展開斜視図である。本実施例の液晶表示装置は、絶縁性基板としてのガラス基板53上に、マトリクス状に配置された複数の画素電極56、及び上記画素電極56に表示信号を入力する液晶駆動回路54、及び画像表示のために必要な回路群55が形成されている。このガラス基板53の上には、印刷法で配向膜57が塗布されている。一方、対向基板60上には、3色(R,G,B)のカラーフィルタ61、対向電極62が形成され、さらにその上に配向膜59が塗布されている。ガラス基板53と対向基板60とを各配向膜57と59とが対向するように貼り合わせられる。貼り合わせた両基板の周囲に、液晶注入口を残してシール剤63が塗布される。
【0052】
そして、両基板の貼り合わせ間隙に液晶62が封入される。液晶62は、真空雰囲気中で封入され、封止剤63により液晶を封止する。なお、両基板間の間にはスペーサ58が設けられており、液晶62を封入する上記間隙を所定値に規制する。スペーサ58として、プラスチックあるいはガラス製のビーズを用いたが、これに限るものではなく、ガラス基板53側か対向基板60側の何れかにフォトリソグラフィ技術により形成した柱状体を用いることもできる。
【0053】
その後、ガラス基板53と対向基板60のそれぞれの外面に偏光板64を貼り付け、ガラス基板53の背面にバックライト65を装着して、液晶表示装置が完成する。バックライト65はテレビ受像機や大型モニターなどの大サイズの画像表示装置では、所謂直下型バックライトが用いられ、ノートパソコンなどの比較的小サイズの画像表示装置には、導光板の端縁に線状光源を配置した、所謂サイドエッジ型バックライトを用いるのは一般的である。本発明では、バックライトとして上記の直下型またはサイドエッジ型の何れであってもよい。
【0054】
この液晶表示装置は、上記本発明の実施の形態で説明した構成を採用したことにより、従来の液晶表示装置に比較して、CMOS薄膜トランジスタの高性能化、高集積化がなされており、低消費電力、高速応答といった特長を持つ。また、回路面積の縮小により、表示領域の周囲にある、所謂額縁部分の幅が狭くなる。更に薄膜トランジスタの信頼性改善により、長寿命という特長を持つ。
【0055】
図11から図14は本発明による液晶表示装置を実装した各種の電子機器の例を示す外観図である。図11は本発明による液晶表示装置を実装したデスクトップ型パソコンまたはテレビ受像機の説明図であり、その画像表示部67に本発明による液晶表示装置66が実装されている。図12は本発明による液晶表示装置を実装した携帯電話機の説明図であり、その画像表示部68に本発明による液晶表示装置66が実装されている。図13は本発明による液晶表示装置を実装した携帯情報端末の説明図であり、携帯情報端末(PDA : Personal Digital Assistant)の画像表示部69に本発明による液晶表示装置66が実装されている。図14は本発明による液晶表示装置を実装したビデオカメラの説明図であり、ビデオカメラ70のヴユーファインダ部に本発明による液晶表示装置66が実装されている。この外にも、デジタルスチールカメラや、プロジェクタ、車載用ナヴィゲーションシステム等の画像表示部に、本発明による液晶表示装置を採用することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の薄膜半導体装置によれば、電界効果移動度は、N型チャネル、P型チャネルともに最大150%増大し、更にソース・ドレイン領域の活性化率が向上することから、CMOS薄膜トランジスタの高性能化、高集積化を図ることができるという効果を有する。また、劣化の大きいN型チャネル薄膜トランジスタの界面準位密度が低減され、CMOS薄膜トランジスタの高信頼化を実現することができる。
【0057】
そして、この薄膜半導体装置を用いた本発明の画像表示装置は低消費電力で、高速応答特性を有し、また基板上の占有回路面積が縮小されることにより、表示領域の周囲にある、所謂額縁部分の幅を狭くすることが容易で、かつ薄膜トランジスタの信頼性改善により、長寿命の画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】単結晶シリコン薄膜トランジスタで測定した電界効果移動度の結晶面配向依存性の説明図である。
【図2】単結晶シリコンウェハ−熱酸化膜−ゲート電極で構成されたキャパシタを測定して得た界面準位密度の結晶面配向依存性の説明図である。
【図3】アニール温度500°C付近の不純物活性化速度の結晶面配向依存性の説明図である。
【図4】本発明の薄膜半導体装置の一実施例を説明する要部断面図である。
【図5】本発明の薄膜半導体装置の他の実施例を説明する要部断面図である。
【図6】CMOS薄膜トランジスタの結晶面配向の組合せとその効果の説明図である。
【図7】主たる結晶面配向が異なる半導体薄膜の形成過程の一例を説明する工程図である。
【図8】主たる面配向が異なる多結晶半導体膜の形成過程の一例を説明する工程図である。
【図9】主たる面配向が異なる多結晶半導体膜の形成過程の一例を説明する工程図である。
【図10】本発明による画像表示装置の一例としての液晶表示装置の構成例を説明する展開斜視図である。
【図11】本発明による液晶表示装置を実装したデスクトップ型パソコンまたはテレビ受像機の説明図である。
【図12】本発明による液晶表示装置を実装した携帯電話機の説明図である。
【図13】本発明による液晶表示装置を実装した携帯情報端末の説明図である。
【図14】本発明による液晶表示装置を実装したビデオカメラの説明図である。
【符号の説明】
1・・・N型薄膜トランジスタの電界効果移動度を示す棒グラフ、2・・・P型薄膜トランジスタの電界効果移動度を示す棒グラフ、3・・・絶縁性基板、4・・・ある主たる結晶面配向を持ったN型薄膜トランジスタのチャネル領域、5・・・チャネル領域4とは異なる主たる面配向を持ち得るP型薄膜トランジスタのチャネル領域、6・・・チャネル領域4およびチャネル領域5とは異なる主たる面配向を持ち得るソース・ドレイン領域、7・・・ゲート絶縁膜、8・・・層間絶縁膜、9・・・ゲート、10・・・配線、11・・・絶縁保護膜、12・・・ある主たる結晶面配向を持った単一導電型薄膜トランジスタのチャネル領域、13・・・絶縁性基板、14・・・基板表面に対し垂直な溝、15・・・基板表面に対し斜めの溝、16・・・{100}面を表面に持つ結晶シリコン、17{110}面を表面に持つ結晶シリコン、18・・・垂直な溝が形成された領域、19・・・斜めの溝が形成された領域、20・・・溝を形成しない領域、21・・・シリコン堆積膜、22・・・照射するレーザー、23・・・主たる結晶面配向が{100}である多結晶膜、24・・・主たる面配向が{110}である多結晶膜、25・・・主たる面配向が{111}である多結晶膜、26・・・{100}結晶面配向シリコンウェハ、27・・・基板表面に対し垂直な溝、28・・・基板表面に対し斜めの溝、29・・・平坦面が{100}に等価な面を持つシリコン片、30・・・平坦面が{110}に等価な面を持つシリコン片、31・・・絶縁性基板、32・・・シリコン堆積膜、33・・・照射するレーザー、34・・・チップ状単結晶シリコン片29が散布された領域、35・・・チップ状単結晶シリコン片30が散布された領域、36・・・種結晶に特定な配向がない領域、37・・・主たる面配向が{100}である多結晶膜、38・・・主たる面配向が{110}である多結晶膜、39・・・主たる面配向が{111}である多結晶膜、40・・・絶縁性基板、41・・・{100}を主たる面配向とする多結晶シリコン堆積膜、42・・・{100}を主たる面配向とする多結晶シリコン膜の島、43・・・{110}を主たる面配向とする多結晶シリコン堆積膜、44・・・{110}を主たる面配向とする多結晶シリコン膜の島、45・・・シリコン堆積膜、46・・・照射するレーザー、47・・・多結晶シリコン膜の島42が存在する領域、48・・・多結晶シリコン膜の島44が存在する領域、49・・・種結晶に特定な配向がない領域、50・・・主たる面配向が{100}である多結晶膜、51・・・主たる面配向が{110}である多結晶膜、52・・・主たる面配向が{111}である多結晶膜、53・・・ガラス基板、54・・・液晶駆動用回路、55・・・画像表示のために必要な回路群、56・・・画素電極、57・・・バックライト側の配向膜、58・・・スペーサ、59・・・カラーフィルタ側の配向膜、60・・・対向基板、61・・・カラーフィルタ、62・・・液晶、63・・・封止剤、64・・・偏光板、65・・・バックライト、66・・・液晶表示装置、67・・・パソコンもしくはテレビ受像機の画像表示部、68・・・携帯電話機、69・・・携帯情報端末(PDA),70・・・ビデオカメラ。

Claims (17)

  1. 同一の絶縁性基板上に形成され、チャネル領域及びソース・ドレイン領域が半導体薄膜からなるN導電型薄膜トランジスタとP導電型薄膜トランジスタとで構成した相補型MOSの薄膜半導体装置であって、
    前記チャネル領域の半導体薄膜膜面の主たる結晶面配向が、前記N導電型薄膜トランジスタと前記P導電型薄膜トランジスタとで異なることを特徴とする薄膜半導体装置。
  2. 前記チャネル領域の半導体薄膜膜面の主たる結晶面配向が、前記N導電型薄膜トランジスタと前記P導電型薄膜トランジスタの電界効果移動度が、それぞれ最大となる結晶面配向の組み合わせで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜半導体装置。
  3. 前記チャネル領域の半導体薄膜膜面の主たる結晶面配向が、前記N導電型薄膜トランジスタで{100}、前記P導電型薄膜トランジスタで{110}であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜半導体装置。
  4. 前記チャネル領域の半導体薄膜膜面の主たる結晶面配向が、前記N導電型薄膜トランジスタと前記P導電型薄膜トランジスタの電界効果移動度の差が最小となる結晶面配向の組み合わせで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜半導体装置。
  5. 前記チャネル領域の半導体薄膜膜面の主たる結晶面配向が、前記N導電型薄膜トランジスタで{110}、前記P導電型薄膜トランジスタで{111}であることを特徴とする請求項4に記載の薄膜半導体装置。
  6. 絶縁性基板上に形成され、チャネル領域及びソース・ドレイン領域が半導体薄膜からなるN導電型薄膜トランジスタとP導電型薄膜トランジスタとで構成した相補型MOSの薄膜半導体装置であって、
    前記チャネル領域の半導体薄膜の前記ソース・ドレイン領域を結ぶ方向にほぼ垂直な面の主たる結晶面配向が、前記N導電型薄膜トランジスタと前記P導電型薄膜トランジスタとで異なることを特徴とする薄膜半導体装置。
  7. 前記チャネル領域の半導体薄膜の前記ソース・ドレイン領域を結ぶ方向にほぼ垂直な面の主たる結晶面配向が、前記N導電型薄膜トランジスタと前記P導電型薄膜トランジスタの電界効果移動度がそれぞれ最大となるような結晶面配向の組み合わせで構成されていることを特徴とする請求項6に記載の薄膜半導体装置。
  8. 前記チャネル領域の半導体膜の前記ソース・ドレイン領域を結ぶ方向にほぼ垂直な面の主たる結晶面配向が、前記N導電型薄膜トランジスタと前記P導電型薄膜トランジスタの電界効果移動度の差が最小となるような結晶面配向の組み合わせで構成されていることを特徴とする請求項6に記載の薄膜半導体装置。
  9. 絶縁性基板上に形成され、チャネル領域及びソース・ドレイン領域が半導体薄膜からなる薄膜トランジスタであって、
    前記ソース・ドレイン領域の不純物活性化率が最大となるように、前記半導体薄膜膜面の主たる結晶面配向が前記チャネル領域とソース・ドレイン領域とで異なることを特徴とする薄膜半導体装置。
  10. ソース・ドレイン領域の結晶面配向が{100}であることを特徴とする請求項9に記載の薄膜半導体装置。
  11. 平坦な同一の絶縁性基板上に形成されて、チャネル領域及びソース・ドレイン領域が半導体薄膜からなり、前記チャネル領域の半導体薄膜の膜面の主たる結晶面配向が異なるN導電型薄膜トランジスタとP導電型薄膜トランジスタとで構成した相補型MOSの薄膜半導体装置の製造方法であって、
    前記膜面の主たる結晶面配向が一様でほぼ平坦な表面を持つ半導体チップ片を前記絶縁性基板の表面に散布し、
    前記半導体チップ片を覆って非晶質あるいは多結晶半導体膜を成膜し、
    前記半導体チップ片を結晶種として前記非晶質あるいは多結晶半導体膜を加熱あるいは光照射によって結晶化することを特徴とする薄膜半導体装置の製造方法。
  12. 絶縁性基板上に形成されて、チャネル領域及びソース・ドレイン領域が半導体薄膜からなり、前記ソース・ドレイン領域の不純物活性化率が最大となるように前記半導体薄膜の膜面の主たる結晶面配向が前記チャネル領域と前記ソース・ドレイン領域とで異なる薄膜半導体装置の製造方法であって、
    表面の主たる結晶配向面配向が一様でほぼ平坦な表面を持つ半導体チップ片を前記絶縁性基板の表面に散布し、
    前記半導体チップ片を覆って非晶質あるいは多結晶半導体膜を成膜し、
    前記半導体チップ片を結晶種として前記非晶質あるいは多結晶半導体膜を加熱あるいは光照射によって結晶化することを特徴とする薄膜半導体装置の製造方法。
  13. ほぼ平坦な表面を持ち、その面の主たる面配向が一様である半導体チップ片を数種の結晶面配向について用意し、
    前記半導体チップ片を、前記絶縁性基板の表面に選択的に散布し、
    散布された前記半導体チップ片の上にに非晶質あるいは多結晶半導体膜を成膜し、
    前記半導体チップ片を結晶種として、前記非晶質あるいは多結晶半導体膜を熱あるいは光照射によって結晶化することを特徴とする請求項11又は12に記載の薄膜半導体装置の製造方法。
  14. 同一絶縁体基板表面に異なる形状の溝を異なる領域にパタニングし、
    前記領域の上に非晶質あるいは多結晶半導体膜を成膜し、
    前記溝を結晶種として前記非晶質あるいは多結晶半導体膜を熱あるいは光照射によって結晶化することを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の薄膜半導体装置の製造方法。
  15. 同一絶縁体基板表面上に特定の成膜条件で多結晶半導体薄膜を成膜し、
    前記多結晶半導体薄膜をフォトリソ工程で島を形成した後、前記成膜条件とは異なる条件で多結晶半導体薄膜を成膜し、
    フォトリソ工程で前記島を形成した領域と異なる領域に他の島を作る工程を繰り返すことにより、異なった主たる結晶面配向を持つ複数種の島を形成した後、
    前記複数種の島の上に非晶質あるいは多結晶半導体薄膜を成膜し、
    前記複数種の島を種結晶として非晶質あるいは多結晶半導体薄膜を熱あるいは光照射によって結晶化することを特徴とする請求項11又は12に記載の薄膜半導体装置の製造方法。
  16. 複数の画素をマトリクス状に形成した表示領域と、前記複数の画素を駆動する駆動回路とを少なくとも有する画像表示装置であって、
    前記駆動回路は、チャネル領域及びソース・ドレイン領域が半導体薄膜からなるN導電型薄膜トランジスタとP導電型薄膜トランジスタとで構成した相補型MOSの薄膜半導体回路からなり、
    前記チャネル領域の半導体薄膜膜面の主たる結晶面配向が、前記N導電型薄膜トランジスタと前記P導電型薄膜トランジスタとで異なることを特徴とする画像表示装置。
  17. 複数の画素をマトリクス状に形成した表示領域と、前記複数の画素を駆動する駆動回路部とを少なくとも有する画像表示装置であって、
    前記駆動回路部は、チャネル領域及びソース・ドレイン領域が半導体薄膜からなるN導電型薄膜トランジスタとP導電型薄膜トランジスタとで構成した相補型MOSの薄膜半導体回路からなり、
    前記ソース・ドレイン領域の不純物活性化率が最大となるように、前記半導体薄膜膜面の主たる結晶面配向が前記チャネル領域とソース・ドレイン領域とで異なることを特徴とする画像表示装置。
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