JP2005011860A - 外部磁気シールド機能付回路基板構造体 - Google Patents

外部磁気シールド機能付回路基板構造体 Download PDF

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Yoshinobu Terui
嘉信 照井
Katsuyuki Asai
克之 浅井
Yuji Murata
裕治 村田
Kenji Kuroishi
健児 黒石
Takeshi Horikawa
毅 堀川
Masaya Takenaka
昌也 竹中
Tomoyasu Koizumi
智靖 小泉
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Abstract

【課題】回路基板に設置されるデバイスを外部磁界の影響から保護し、装置の誤動作・故障の発生を未然に防止する。
【解決手段】外部磁気シールド機能付回路基板構造体は、回路基板1と、この回路基板1に設置されるデバイス2と、デバイス2を密閉状態で覆うために回路基板1に設置されるシールド材3,4とから構成されている。シールド材3,4は高透磁率材料から構成されており、デバイス2の全周を覆っている。また、シールド材3,4はデバイス2近傍に磁気的な不連続部が無いこと、その端部3b,4bはデバイス2から離れた位置で緩い円弧を描くように曲げられていること、表面用シールド材3と裏面用シールド材4は略同一形状であって回路基板1に対して表裏対象に設置されること、シールド材3,4は回路基板1に対して隙間のないようにハンダ等で金属接合されていることが好適である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部磁気シールド機能付回路基板構造体、特に、回路基板上に設置された不揮発性磁気メモリ等のデバイスを外部からの磁気ノイズから保護することができる外部磁気シールド機能付回路基板構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、回路基板から外部に漏洩する電気的ノイズの発生を防止するために、回路基板を導電性のある金属等でシールドすることが行われていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、ノイズの発生源となっているデバイスや外乱ノイズに弱いデバイスに対して電気的なシールドを施す場合には、デバイスが実装されているケース等の外装部材をシールド材として用いることが行われていた(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平06−204681号公報
【特許文献2】
特開平06−314002号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年のメモリ技術の進歩によって、回路基板に実装されるデバイスとしてMRAM(Magnetic Random Access Memory)等の不揮発性磁気メモリが多く使用されるに至っている。MRAM等の不揮発性磁気メモリに代表されるデバイスは、不揮発・高速・大容量という利点を兼ね備えるものであるが、一方で、外部からの磁気ノイズの影響によって、記憶したデータの内容が破壊されてしまうという不安要素も有している。外部からの磁気ノイズの発生源としては磁気健康器具(磁気ネックレス、エレキバン(登録商標)など)等が考えられる。
【0006】
しかしながら、上記のようなデバイスは近年のメモリ技術の発達によって急速に利用が拡大しているものであって、磁気健康器具等の思わぬ磁界発生源によるデバイスの記憶内容破壊あるいは動作不良という不具合を防止するための対策は、十分に実施されていないのが現状であった。また、従来の技術で例示した各特許文献に開示されている技術は、外部からの磁気に非常に敏感なMRAM等の不揮発性磁気メモリに代表されるデバイスを想定したものではない。したがって、回路基板に設置されるデバイスを外部磁界の影響から保護することで、装置の誤動作・故障の発生を未然に防止する技術が求められていた。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、回路基板に設置されるデバイスを外部磁界の影響から保護し、装置の誤動作・故障の発生を未然に防止することができる技術を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上のような課題を解決するために、本発明に係る外部磁気シールド機能付回路基板構造体は、回路基板に設置されるデバイスを外部磁気から磁気シールドするものであって、前記回路基板には、前記デバイスを密閉状態で覆う高透磁率材料で形成されるシールド材が設置されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る外部磁気シールド機能付回路基板構造体において、前記シールド材は、前記デバイス載置面を覆い、前記回路基板との間に空間を形成する表面用シールド材と、前記表面用シールド材が形成する前記空間に対応する回路基板裏面側を覆う裏面用シールド材と、から構成されることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明に係る外部磁気シールド機能付回路基板構造体において、前記シールド材は、前記デバイス近傍に磁気的な不連続部が無いように形成されていることを特徴とする。
【0011】
またさらに、本発明に係る外部磁気シールド機能付回路基板構造体において、前記シールド材は、前記回路基板に接続するシールド材端部が前記デバイスから離れた位置で緩い弧を描くように曲げられていることを特徴とする。
【0012】
さらにまた、本発明に係る外部磁気シールド機能付回路基板構造体において、前記表面用シールド材と裏面用シールド材は、略同一形状であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る外部磁気シールド機能付回路基板構造体において、前記シールド材は、前記回路基板に対して金属接合されていることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明に係る外部磁気シールド機能付回路基板構造体において、前記デバイスは、不揮発性磁気メモリであることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施の形態について、図を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る外部磁気シールド機能付回路基板構造体を説明するための断面概略図である。
【0016】
本実施の形態に係る外部磁気シールド機能付回路基板構造体は、回路基板1と、この回路基板1に設置されるデバイス2と、デバイス2を密閉状態で覆うために回路基板1に設置されるシールド材3,4とから構成されている。
【0017】
デバイス2は、MRAM(Magnetic Random Access Memory)等の不揮発性磁気メモリであり、本発明が対象とする外部磁気シールド機能付回路基板構造体は、例えば、プリンタやMulti Function事務機器のコントローラ、ゼログラフィ画像形成装置制御回路等の不揮発性メモリを必要とする情報処理装置一般に適用が可能である。
【0018】
シールド材3,4は、デバイス2が設けられている回路基板1の表面側に設置される表面用シールド材3と、回路基板1を挟んで表面用シールド材3に対向した位置に設置される裏面用シールド材4から構成されている。表面用シールド材3は、回路基板1に設置されることによって回路基板1との間にデバイス2を収納する空間3aを形成している。また、裏面用シールド材4も表面用シールド材3が形成する空間3aと同様の空間4aを回路基板1の裏面側に形成するように設置されている。
【0019】
このように設置されるシールド材3,4は、高透磁率の材料で形成されており、外部からの磁界に対してシールド材3,4が磁路を形成し、外部磁界が回路基板1上のデバイス2に到達することを防止することによって磁気シールドの役割を果たしている。シールド材3,4に用いられる透磁性材料として好ましいのは、透磁率が高く、保磁力が低く、素材が安価、加工性が良く、耐腐食性に優れるものである。具体的には、純鉄、炭素含有量の低い鉄、鉄・ニッケル合金、パーマロイ等の磁性合金、フェライト等が好適である。
【0020】
また、シールド材3,4として表面用シールド材3と裏面用シールド材4という2種類を採用したのは、デバイス2に対して影響を及ぼす外部磁気を全方向でシールドするためである。これらシールド材3,4は、さらに、デバイス2近傍に磁気的な不連続部が無いように形成されることが好ましい。これは、シールド材3,4に端点や角部、段差等の不連続な形状がある場合には、この不連続部から磁束が漏洩する原因となり、結果として、外部磁気からデバイス2をシールドすることができなくなるからである。また、シールド材3,4の形状として、回路基板1に接続するシールド材端部3b,4bがデバイス2から離れた位置で緩い円弧を描くように曲げられていることが好ましい。シールド材端部3b,4bがデバイス2から離れた位置に設置されるのは、シールド材3,4に到達した外部磁気がシールド材3,4を磁路として移動し、シールド材端部3b,4bから漏洩することになるので、この漏洩磁気をデバイス2からより遠くで放出するためである。また、シールド材端部3b,4bが緩い円弧を描くように曲げられているのは、シールド材3,4を磁路として移動する磁気をスムーズに誘導するためである。なお、表面用シールド材3と裏面用シールド材4は、同様の磁気シールド効果を発揮させるため、略同一形状であり、回路基板1に対して表裏対象に設置されることが好ましい。このような形状を採用することによって部品の共通化を図ることができ、さらに、設計コスト、製造コストの削減も可能となっている。
【0021】
また、シールド材3,4は、回路基板1に対して金属接合されている。これは、回路基板1とシールド材3,4の接合面に隙間があったのでは外部磁気からデバイス2を完全に保護することができないためである。金属接合の方法としては、ハンダ付けによる接合が好適である。ハンダ付けであれば、シールド材3,4の取り付けを回路部品と同一工程で行うことができる。また、例えば、螺子止め構造を採用した場合には、螺子穴等から磁気の漏洩が発生してしまうことになるが、ハンダ付けであればそのような心配はない。なお、シールド材3,4の接合方法はハンダ付けに限定されるものではなく、ろう付け等磁気漏洩を発生させない構造を実現できるものであればよい。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明では、基板に設置されたデバイスを高透磁率材料から構成されるシールド材で密閉することにより、デバイスに対する外部磁気ノイズの影響を排除し、確実にデバイスを保護することが可能となった。本発明は、特に、MRAM等の不揮発性磁気メモリに代表されるデバイスを外部磁気の影響から保護することに好適であり、装置の誤動作・故障の発生を防止することができる。
【0023】
また、シールド材3,4を回路基板1上のグランド(接地)等の安定電位部へ金属接合させることにより、磁気シールド効果に加えて、従来の電磁シールド効果を奏することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る外部磁気シールド機能付回路基板構造体を説明するための断面概略図である。
【符号の説明】
1 回路基板、2 デバイス、3 (表面用)シールド材、3a,4a 空間、3b,4b シールド材端部、4 (裏面用)シールド材。

Claims (7)

  1. 回路基板に設置されるデバイスを外部磁気から磁気シールドする外部磁気シールド機能付回路基板構造体であって、
    前記回路基板には、前記デバイスを密閉状態で覆う高透磁率材料で形成されるシールド材が設置されていることを特徴とする外部磁気シールド機能付回路基板構造体。
  2. 請求項1に記載の外部磁気シールド機能付回路基板構造体において、
    前記シールド材は、
    前記デバイス載置面を覆い、前記回路基板との間に空間を形成する表面用シールド材と、
    前記表面用シールド材が形成する前記空間に対応する回路基板裏面側を覆う裏面用シールド材と、
    から構成されることを特徴とする外部磁気シールド機能付回路基板構造体。
  3. 請求項1又は2に記載の外部磁気シールド機能付回路基板構造体において、
    前記シールド材は、前記デバイス近傍に磁気的な不連続部が無いように形成されていることを特徴とする外部磁気シールド機能付回路基板構造体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1に記載の外部磁気シールド機能付回路基板構造体において、
    前記シールド材は、前記回路基板に接続するシールド材端部が前記デバイスから離れた位置で緩い弧を描くように曲げられていることを特徴とする外部磁気シールド機能付回路基板構造体。
  5. 請求項2〜4のいずれか1に記載の外部磁気シールド機能付回路基板構造体において、
    前記表面用シールド材と裏面用シールド材は、略同一形状であることを特徴とする外部磁気シールド機能付回路基板構造体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1に記載の外部磁気シールド機能付回路基板構造体において、
    前記シールド材は、前記回路基板に対して金属接合されていることを特徴とする外部磁気シールド機能付回路基板構造体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1に記載の外部磁気シールド機能付回路基板構造体において、
    前記デバイスは、不揮発性磁気メモリであることを特徴とする外部磁気シールド機能付回路基板構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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