JP2004113455A - 磁界発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置自体の重量化を抑制しつつ、漏洩磁界を抑制し中心磁界強度を向上できる、磁界発生装置を提供する。
【解決手段】磁界発生装置10は、複数の永久磁石を用いて磁界発生空間32を有するように環状に構成される装置本体12を含む。装置本体12の外周に永久磁石表面から0mm以上35mm以下離して厚さ5mm以上35mm以下のシールド部材34a〜40aが設けられる。シールド部材34a〜40aは1.5T以上の飽和磁化を有する。永久磁石とシールド部材34a〜40aとの間に飽和磁化が0.2T以下の介挿部材34b〜40bが設けられる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は磁界発生装置に関し、より特定的には、指などの身体の一部分や小動物、食物の中身を検査するための小型のMRI装置等に用いられる、永久磁石式磁界発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、MRI装置等に用いられる永久磁石式の磁界発生装置として、0.8T以上といった高磁界を発生させる磁界発生装置が使用されつつある。しかし、永久磁石は常に磁界を発生させるため、磁界発生装置の中心磁界強度が向上するほど漏洩磁界による事故等が心配される。
【0003】
本件出願人は、この種の磁界発生装置の一例を提案している(特許文献1参照。)。
この従来技術では、磁石として、その主面に対して平行または垂直な磁化方向を有する磁石が、生産性を向上させる点からも使用されている。しかし、この場合、磁界発生装置の一部において、磁化方向が90度変化してしまう等、磁化方向が急に変化することによって漏洩磁界が発生してしまい、たとえばハルバッハ型の磁界発生装置のように漏洩磁界を小さくすることができず、当該磁界発生装置を医療機器や測定機器としてのMRI装置に用いた場合、使用上・作業上の問題がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−70280号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような磁界発生装置をMRI装置に用いる場合には、装置本体(磁気回路)の中心から1m以内の漏洩磁界が0.5mTであることが要求される。
そのための一番簡単な方法は、装置本体自体を鉄やパーマロイ等の高透磁率のシールド部材で覆うことである。
しかし、良好な中心磁界強度が得られかつ漏洩磁界を十分に抑制するためには、シールド部材の厚みやシールド部材と装置本体との間隔が重要となる。シールド部材の厚みを大きくすればシールド効果は大きくなるが、その分磁界発生装置全体の重量が大きくなってしまい、床の強度の関係から設置場所がより限定されてしまう。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、装置自体の重量化を抑制しつつ、漏洩磁界を抑制し中心磁界強度を向上できる、磁界発生装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の磁界発生装置は、複数の磁石を用いて磁界発生空間を有するように環状に構成される装置本体、および装置本体の外周に磁石表面から0mm以上35mm以下離して設けられる厚さ5mm以上35mm以下のシールド部材を備える。
請求項2に記載の磁界発生装置は、請求項1に記載の磁界発生装置において、シールド部材は1.5T以上の飽和磁化を有することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の磁界発生装置は、請求項1に記載の磁界発生装置において、磁界発生空間に0.5T以上の磁界を発生させることを特徴とする。
請求項4に記載の磁界発生装置は、請求項1に記載の磁界発生装置において、さらに、磁石とシールド部材との間に設けられる飽和磁化が0.2T以下の部材を含むことを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の磁界発生装置は、複数の磁石を用いて構成される装置本体、および装置本体の外周に設けられるシールド部材を備え、装置本体とシールド部材との間隔は装置本体の外寸最大値の10%以下、シールド部材の厚さは装置本体の外寸最大値の10%以下に設定されることを特徴とする。
請求項6に記載の磁界発生装置は、複数の磁石を用いて磁界発生空間を有するように環状に構成される装置本体、装置本体の外周に設けられる飽和磁化1.5T以上のシールド部材、および磁石とシールド部材との間に設けられる飽和磁化が0.2T以下の部材を備える。
【0010】
請求項7に記載の磁界発生装置は、請求項1から6のいずれかに記載の磁界発生装置において、磁石はその主面に対して平行または垂直に磁化されていることを特徴とする。
請求項8に記載の磁界発生装置は、請求項1から7のいずれかに記載の磁界発生装置において、磁石はR−Fe−B系磁石であることを特徴とする。
【0011】
シールド部材の配置箇所が装置本体の磁界発生方向の磁石表面から35mmを超えると、中心磁界強度は低下していく。また、シールド部材の厚さが5mm未満であればシールド部材を設けない場合と比べても中心磁界強度および漏洩磁界がさほど変わらず効果的ではない。一方、シールド部材の厚さが35mmを超えるとシールド部材ひいては磁界発生装置自体の重量が大きくなりすぎる。
したがって、請求項1に記載の磁界発生装置のように、シールド部材を磁石表面から0mm以上35mm以下離して設け、かつシールド部材の厚さを5mm以上35mm以下に設定することによって、装置自体の重量化を抑制しつつ、漏洩磁界を抑制しシールド効果および中心磁界強度を向上できる。
【0012】
請求項2に記載するように、シールド部材として飽和磁化1.5T以上の磁性部材を用いることによって、漏洩磁界をより効果的に抑制できる。また、このような磁性部材を用いれば、磁路を実質的に太くする効果も大きくなるので、磁気飽和を抑制でき中心磁界強度をより効果的に向上できる。
装置本体の磁界発生空間に0.5T以上の磁界を発生させるとそれに応じて漏洩磁界も大きくなるが、請求項3に記載の磁界発生装置では、このような強磁界を発生させる場合であっても漏洩磁界を効果的に抑制できる。
請求項4に記載の磁界発生装置のように、装置本体の磁石とシールド部材との間に飽和磁化が0.2T以下の部材を設ければ、装置本体とシールド部材とによって磁束が短絡することを抑制でき、漏洩磁界を抑制できる。
【0013】
装置本体とシールド部材との間隔が、装置本体の外寸最大値の10%を超えると、中心磁界強度は低下していく。また、シールド部材の厚さが装置本体の外寸最大値の10%を超えると、シールド部材ひいては磁界発生装置自体の重量が大きくなりすぎる。
したがって、請求項5に記載の磁界発生装置のように、装置本体とシールド部材との間隔を装置本体の外寸最大値の10%以下、シールド部材の厚さを装置本体の外寸最大値の10%以下に設定することによって、装置自体の重量化を抑制しつつ、漏洩磁界を抑制しシールド効果および中心磁界強度を向上できる。
【0014】
請求項6に記載の磁界発生装置のように、装置本体の磁石とシールド部材との間に飽和磁化が0.2T以下の部材を設ければ、装置本体とシールド部材とによって磁束が短絡することを抑制でき、漏洩磁界を抑制できる。
【0015】
装置本体に用いられる各磁石として、その主面に対して平行または垂直に磁化されている磁石を用いれば、装置本体(磁気回路)において磁束の向きが急激に変化する部分が生じ、漏洩磁界が発生する。しかし、請求項7に記載の磁界発生装置では、所定の位置に所定のシールド部材を設けることによって、このような漏洩磁界を効果的に抑制できる。
【0016】
用いられる磁石がR−Fe−B系磁石である場合には、強力な磁界が発生しそれに応じて漏洩磁界も大きくなるが、請求項8に記載の磁界発生装置では、このような場合であっても漏洩磁界を効果的に抑制できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
図1〜図3を参照して、この発明の一実施形態の磁界発生装置10は装置本体12を含む。装置本体12は、直方体形状または略直方体形状の複数の永久磁石を用いて略直方体状に形成され、たとえば470mm×440mm×423mmの外径寸法を有する。装置本体12に用いられる各永久磁石は、その(永久磁石の)平面状の主面に対して略平行または略垂直に磁化されており、たとえば異方性R−Fe−B系焼結磁石(RはYを含む希土類元素)からなる。
【0018】
装置本体12は一対の直方体状の永久磁石14aおよび14bを含む。
永久磁石14aの周囲(側面)には、直方体状の永久磁石16a,18aおよび略直方体状の永久磁石20aおよび22aが設けられ、永久磁石14aは永久磁石16a,18a,20aおよび22aと接し磁気的に結合される。このとき、永久磁石16aと18aとは永久磁石14aを挟んで対向配置され、さらに、永久磁石20aと22aとは永久磁石14a,16aおよび18aを挟んで対向配置される。
【0019】
同様に、永久磁石14bの周囲(側面)には、直方体状の永久磁石16b,18bおよび略直方体状の永久磁石20bおよび22bが設けられ、永久磁石14bは永久磁石16b,18b,20bおよび22bと接し磁気的に結合される。このとき、永久磁石16bと18bとは永久磁石14bを挟んで対向配置され、さらに、永久磁石20bと22bとは永久磁石14b,16bおよび18bを挟んで対向配置される。永久磁石18bは、図3(b)に示すように永久磁石16bと対をなすように、図1でいえば永久磁石28bの後方側面かつ永久磁石18aの下方に設けられる。
【0020】
また、永久磁石20aと20bとの間には永久磁石24が、永久磁石22aと22bとの間には永久磁石26がそれぞれ設けられる。これによって永久磁石14aと14bとの間に空隙が形成される。
【0021】
このように複数の永久磁石が環状に配置されることによって、図3(a)に示すような磁気回路A1およびA2が形成される。図3(a)は図2のB−B断面(永久磁石14a上面を通る縦断面)を示す図解図である。
なお、永久磁石14aと14bとは同寸法であり、永久磁石16a,16b,18aおよび18bは同寸法であり、永久磁石20a,20b,22aおよび22bは同寸法であり、永久磁石24と26とは同寸法である。
【0022】
さらに、永久磁石14aの下面および永久磁石14bの上面には、それぞれ強磁性体28aおよび28bが設けられる。
この実施形態において、「強磁性体」とは、飽和磁化が1.0T以上の部材をいう。
強磁性体28aおよび28bとしては、たとえば電磁軟鉄や、JIS:S15Cまたはパーメンジュール等が用いられる。強磁性体28aおよび28bの幅および奥行きは、この実施形態では永久磁石14aおよび14bと同一である。
強磁性体28aの下面は、永久磁石16a,18a,20aおよび22aの下面と面一になるように形成される。したがって、強磁性体28aは、磁界発生空間32(後述)近傍でありかつ磁束が通過する箇所に、永久磁石に埋め込まれるように配置される。同様に、強磁性体28bの上面は、永久磁石16b,18b,20bおよび22bの上面と面一になるように形成される。したがって、強磁性体28bは、磁界発生空間32近傍でありかつ磁束が通過する箇所に、永久磁石に埋め込まれるように配置される。その結果、強磁性体28aは互いに磁化方向の異なる複数の永久磁石14a,16a,18aおよび20aおよび22aと磁気的に結合(面接触)している。強磁性体28bについても同様である。なお、磁界発生空間32の磁束の向きと、永久磁石14a,14bの磁化方向とのなす角度は5度未満であり、略同一方向となっている。このように構成することによって、磁界発生空間32の磁界強度を向上させることができる。
【0023】
さらに、強磁性体28aの下面には磁極片30aが、強磁性体28bの上面には磁極片30bがそれぞれ設けられる。したがって、強磁性体28aは永久磁石14aと磁極片30aとの間に挟まれ、強磁性体28bは永久磁石14bと磁極片30bとの間に挟まれる。磁極片30aと30bとの間に磁界発生空間32が形成される。この実施形態では、磁界発生空間32において、磁極片30aと30bとのギャップG1は90mmに設定される。この磁界発生空間32の磁界強度は0.8T〜2.0Tである。
【0024】
図3(b)は図2のC−C断面(永久磁石24,26を通る横断面)を示す図解図であり、強磁性体28b上に環状突起を含む磁極片30bが配置された状態を示す。磁極片30b(環状突起)と永久磁石24,26とのギャップG2,G3は、3mm以上好ましくは5mm以上に設定され、磁束の短絡と均一性の劣化とを防止している。また、図3(b)に示すように、磁極片30b(環状突起)の外周面に囲まれる面積は、強磁性体28bの上面の面積よりも小さくされ、強磁性体28bによってより効率的に磁束を集められるようにしている。磁極片30a側においても同様に構成される。
【0025】
このようにして装置本体12は、複数の永久磁石を用いて磁界発生空間32を有するように環状に構成される。
【0026】
なお、図面において、永久磁石中に描かれた実線矢印は磁石の磁化方向を示す。○(マル)の中に×(バツ印)が描かれた記号は、その記号が示された面から垂直に永久磁石に貫入する方向に磁化されていることを示す。また、○(マル)の中に・(中黒)が描かれた記号は、永久磁石からその記号が示された面を垂直に突き出る方向に磁化されていることを示す。
【0027】
また、図1に示すように、強磁性体28aの周りの各永久磁石14a,16a,18a,20aおよび22aの磁化方向は、強磁性体28aから見ると外向きに、すなわち強磁性体28a側がN極となるように形成される。したがって、強磁性体28aは強力な磁極片として機能する。一方、強磁性体28bの周りの各永久磁石14b,16b,18b,20bおよび22bの磁化方向は、強磁性体28bに向かうように形成される。したがって、強磁性体28bは強力な磁極片として機能する。磁束は、磁極片30bから磁極片30aに向かって発生する。
【0028】
装置本体12の外周には、それぞれ板状のシールド部材34a,36a,38aおよび40aが設けられる。すなわち、装置本体12の上面にはシールド部材34aが、装置本体12の下面にはシールド部材36aが、装置本体12の一方側面にはシールド部材38aが、装置本体12の他方側面にはシールド部材40aが、それぞれ設けられる。シールド部材34a,36a,38aおよび40aは、飽和磁化が1.5T以上のたとえば鉄やパーマロイからなる板状の磁性部材からなる。シールド部材34a,36a,38aおよび40aの一方主面には、それぞれ飽和磁化(4πIs)が0.2T以下の介挿部材34b,36b,38bおよび40bが形成される。これらの介挿部材は、たとえばステンレス鋼、SUS304、アルミニウム等で構成される。これらの介挿部材の飽和磁化(4πIs)は0.1T以下である。
【0029】
そして、図2および図3(a)に示すように、介挿部材34b,36b,38bおよび40bが内側に来るようにシールド部材34a,36a,38aおよび40aがそれぞれ装置本体12の外周に配置され、これによって装置本体12がシールドされる。
【0030】
このとき、装置本体12の永久磁石表面からシールド部材34a〜40a表面までの間隔(たとえば図3(a)においてシールド部材38aについてXで示す:介挿部材34b〜40bの厚さに相当)は、装置本体12の外寸最大値(この実施形態では幅寸法470mm)の10%以下、シールド部材34a〜40aの厚さ(たとえば図3(a)においてシールド部材38aについてYで示す)は、装置本体12の外寸最大値の10%以下に設定されることが望ましい。
この実施形態では、装置本体12の永久磁石表面からシールド部材34a〜40a表面までの間隔は0mm以上35mm以下、シールド部材34a〜40aの厚さは5mm以上35mm以下とすることが望ましい。
【0031】
また、磁界発生方向の外側、つまり永久磁石14a,14bの外側においては、漏洩磁界が大きくなるが、この領域では、永久磁石14a表面からシールド部材34a表面までの間隔、永久磁石14b表面からシールド部材36a表面までの間隔、およびシールド部材34a,36aの厚さは、それぞれ、装置本体12の磁界発生方向の外寸(この実施形態では高さ寸法423mmに相当)の10%以下に設定されることがより望ましい。
【0032】
このような磁界発生装置10によれば、シールド部材34a〜40aを装置本体12の永久磁石表面から0mm以上35mm以下離して設け、かつシールド部材34a〜40aの厚さを5mm以上35mm以下に設定することによって、装置自体の重量化を抑制しつつ、漏洩磁界を抑制しシールド効果および中心磁界強度を向上できる。
【0033】
また、装置本体12の寸法に拘わらず、装置本体12の永久磁石表面からシールド部材34a〜40a表面までの間隔を装置本体12の外寸最大値の10%以下、シールド部材34a〜40aの厚さを装置本体12の外寸最大値の10%以下に設定すれば、上述と同様の効果が得られる。
【0034】
さらに、シールド部材34a〜40aとして飽和磁化1.5T以上の磁性部材を用いることによって、漏洩磁界をより効果的に抑制できる。また、このような磁性部材を用いれば、磁路を実質的に太くする効果も大きくなるので、磁気飽和を抑制でき中心磁界強度をより効果的に向上できる。
【0035】
装置本体12の磁界発生空間32に0.5T以上の強磁界を発生させる場合、または、装置本体12に用いられる各永久磁石としてその主面に対して平行または垂直に磁化されている磁石が用いられる場合やR−Fe−B系焼結磁石が用いられる場合であっても、所定の位置に所定のシールド部材34a〜40aを設けることによって漏洩磁界を効果的に抑制できる。
【0036】
また、装置本体12の永久磁石とシールド部材34a〜40aとの間に介挿部材34b〜40bを設ければ、装置本体12とシールド部材34a〜40aとによって磁束が短絡することを抑制でき、漏洩磁界を抑制できる。
【0037】
このような磁界発生装置10を用いた一実験例について説明する。
この実験例では、シールド部材34a〜40aとして鉄板を用いた。
この実験例では、シールド部材34a〜40aと装置本体12との間隔を変化させて、各位置にシールド部材34a〜40aを配置したときの磁界発生装置10の中心磁界強度および漏洩磁界0.5mTラインを測定した。また、シールド部材34a〜40aと装置本体12との間隔が0mm、35mm、40mmの各場合について、磁界発生装置10全体の重量を測定した。この実験を、シールド部材34a〜40aの厚さを5mmから40mmまで5mm刻みで厚くしていき各厚さにおいて行った。
【0038】
ここで、「中心磁界強度」とは、磁界発生空間32の中心部における磁界の強さをいう。「漏洩磁界0.5mTライン」は、装置本体12の中心部から装置本体12の永久磁石14a上方において漏洩磁界が0.5mTとなる位置までの距離で表され、この値が小さいほど漏洩磁界が小さいことになる。
因みに、シールド部材がない場合には磁界発生装置の中心磁界強度は1.053Tであり、漏洩磁界0.5mTラインは1.3mであった。
【0039】
図4〜図11からわかるように、シールド部材34a〜40aの厚さが大きくなるほど、中心磁界強度が向上し漏洩磁界を抑制できる。これは、磁路として機能するシールド部材34a〜40aが厚く(太く)なるほど磁束を通し易く磁気飽和を抑制できるからである。
【0040】
なお、図4および図5に示すように、シールド部材34a〜40aの厚さが比較的小さいときには、シールド部材34a〜40aを装置本体12の永久磁石表面に近づけすぎるより多少離して配置する方が中心磁界強度が大きくなる。これは、シールド部材34a〜40aが装置本体12の永久磁石表面に近づきすぎると磁束が短絡しやすくなるからである。
しかし、図4〜図11に示すように、シールド部材34a〜40aと装置本体12の永久磁石表面との間隔が35mmを超えると、中心磁界強度を向上させる効果が小さくなる。
【0041】
また、図4を参照して、シールド部材34a〜40aの厚さが5mm未満であればシールド部材を設けない場合と比べても中心磁界強度および漏洩磁界がさほど変わらずシールド機能もさほど向上せず効果的でないと考えられる。
一方、図11に示すように、シールド部材34a〜40aの厚さが35mmを超えると磁界発生装置10自体の重量が大きくなりすぎる。また、シールド効果も向上しない。
【0042】
したがって、シールド部材34a〜40aを装置本体12の外周において永久磁石表面から0mm以上35mm以下離して設け、かつシールド部材34a〜40aの厚さを5mm以上35mm以下に設定することが望ましく、この場合、装置自体の重量化を抑制しつつ、漏洩磁界を抑制しシールド効果および中心磁界強度を向上できる。
【0043】
なお、この発明は、介挿部材34b〜40bを用いずに、シールド部材34a〜40aと装置本体12との間に隙間を設ける場合にも適用できる。
上述の実施形態では、シールド部材は装置本体12の外周の四面を覆うように設けられたが、これに限定されず、装置本体12の外周全面(六面)を覆うように設けられてもよい。
この発明が適用される環状型の磁界発生装置としては、磁界発生装置10のような箱型の装置だけでなく、特願2001−86098号に開示されたハルバッハ型磁界発生装置(磁気回路)のようにリング状に磁石を配置した装置であってもよい。
【0044】
【発明の効果】
この発明によれば、装置自体の重量化を抑制しつつ、漏洩磁界を抑制しシールド効果および中心磁界強度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】この発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図3】(a)は図2に示す実施形態のB−B断面を示す図解図であり、(b)は図2に示す実施形態のC−C断面を示す図解図である。
【図4】(a)はシールド部材の厚さが5mmの場合の実験結果を示すテーブルであり、(b)はそのグラフである。
【図5】(a)はシールド部材の厚さが10mmの場合の実験結果を示すテーブルであり、(b)はそのグラフである。
【図6】(a)はシールド部材の厚さが15mmの場合の実験結果を示すテーブルであり、(b)はそのグラフである。
【図7】(a)はシールド部材の厚さが20mmの場合の実験結果を示すテーブルであり、(b)はそのグラフである。
【図8】(a)はシールド部材の厚さが25mmの場合の実験結果を示すテーブルであり、(b)はそのグラフである。
【図9】(a)はシールド部材の厚さが30mmの場合の実験結果を示すテーブルであり、(b)はそのグラフである。
【図10】(a)はシールド部材の厚さが35mmの場合の実験結果を示すテーブルであり、(b)はそのグラフである。
【図11】(a)はシールド部材の厚さが40mmの場合の実験結果を示すテーブルであり、(b)はそのグラフである。
【符号の説明】
10   磁界発生装置
12   装置本体
14a,14b,16a,16b,18a,18b,20a,20b,22a,22b,24,26   永久磁石
28a,28b   強磁性体
30a,30b   磁極片
32   磁界発生空間
34a,36a,38a,40a   シールド部材
34b,36b,38b,40b   介挿部材

Claims (8)

  1. 複数の磁石を用いて磁界発生空間を有するように環状に構成される装置本体、および
    前記装置本体の外周に前記磁石表面から0mm以上35mm以下離して設けられる厚さ5mm以上35mm以下のシールド部材を備える、磁界発生装置。
  2. 前記シールド部材は1.5T以上の飽和磁化を有する、請求項1に記載の磁界発生装置。
  3. 前記磁界発生空間に0.5T以上の磁界を発生させる、請求項1に記載の磁界発生装置。
  4. さらに、前記磁石と前記シールド部材との間に設けられる飽和磁化が0.2T以下の部材を含む、請求項1に記載の磁界発生装置。
  5. 複数の磁石を用いて構成される装置本体、および
    前記装置本体の外周に設けられるシールド部材を備え、
    前記装置本体と前記シールド部材との間隔は前記装置本体の外寸最大値の10%以下、前記シールド部材の厚さは前記装置本体の外寸最大値の10%以下に設定される、磁界発生装置。
  6. 複数の磁石を用いて磁界発生空間を有するように環状に構成される装置本体、
    前記装置本体の外周に設けられる飽和磁化1.5T以上のシールド部材、および
    前記磁石と前記シールド部材との間に設けられる飽和磁化が0.2T以下の部材を備える、磁界発生装置。
  7. 前記磁石はその主面に対して平行または垂直に磁化されている、請求項1から6のいずれかに記載の磁界発生装置。
  8. 前記磁石はR−Fe−B系磁石である、請求項1から7のいずれかに記載の磁界発生装置。
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