JP2005010662A - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】電子写真感光体特性の環境変動を低減し、筋状の濃度ムラや黒点の発生を十分に抑制することができ、形成する画像の高画質化及び画像形成速度の高速化が容易に実現可能な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】電子写真感光体12、帯電装置14、露光装置16、現像装置18及び転写装置24を備える画像形成装置であって、露光装置16は、面発光レーザアレイを露光光源として備え、8本以上のレーザビームを前記電子写真感光体上に走査させて前記静電潜像を形成させるマルチビーム方式の露光装置であり、電子写真感光体12における中間層5は、金属酸化物微粒子を含有しており、且つ、中間層5の比抵抗が、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1013Ω・cmとなるように、金属酸化物微粒子の含有量及び分散状態が調節されていることを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター及びファクシミリ等に用いられる画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザビームプリンターやデジタル複写機等に用いられる露光手段としては、画像信号に応じたレーザビームを半導体レーザから出力させ、それを回転多面鏡(ポリゴンミラー)に反射させて電子写真感光体表面に照射させることにより静電潜像を形成する方法が挙げられる。
【0003】
このようなレーザビームを用いた露光手段の場合、1本のレーザビームによって出力画像の高精細化(高画質化)、高速化を実現するにはレーザビームの走査速度を速めることが必要となる。しかし、回転多面鏡の回転速度には限界があるため、出力画像の高精細化及び高速化を図ることが困難であった。
【0004】
このような問題を改善するために、複数本のレーザビームを電子写真感光体上に走査させる方法(以下、「マルチビーム方式」という)が提案されている。そして、このマルチビーム方式の画像形成装置は、以下の1)〜3)の利点から、画像形成プロセスの高速化に有効であると考えられている。
【0005】
1)n(nは自然数)本のレーザビームを用いた画像形成装置の場合には、レーザビームの走査速度とプリントスピードとを単一のレーザビームを用いた場合と等しく設定した場合は、走査線の密度をn倍にすることができ、高解像度の画像記録が可能となる。2)レーザビームの走査速度と走査線の密度を単一の場合と等しく設定した場合は、プリントスピードをn倍に高速化することが可能となる。3)プリントスピードとレーザビームの走査密度を単一の場合と等しく設定した場合は、各レーザビームの走査速度を低減すること(つまり、レーザビームを反射して反射ビームを電子写真感光体表面に照射させることにより静電潜像を形成するための回転多面鏡の回転数を1/n倍にすること)ができるため、回転多面鏡を回転駆動するための機構を簡略化してコストダウンが可能となる。
【0006】
このようなマルチビーム方式の画像形成装置としては、半導体基板の基板面に直行する端面よりレーザビームを射出する端面発光レーザを用いた画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、端面発光レーザは、2次元的に発光点を配置することが出来ないため、レーザビームの本数を増やすことが容易ではなく、画像の高画質化及び画像形成速度の高速化が不十分であった。
【0007】
そこで、マルチビーム方式の画像形成装置として、複数本のレーザビームを各々偏向して電子写真感光体等の被走査体上で同時に走査させ、1回の主走査で複数本の走査線の走査を行うことで画像を形成する構成の画像形成装置であって、露光装置の光源としてアレイ化が容易な面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Emitting Laser)を用い、同時に走査させるレーザビームの本数(レーザビームによって同時に走査される走査線の本数)を増加させることで、画像の高画質化及び画像形成速度の高速化を目指したものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
一方、電子写真装置において用いられる電子写真感光体としては、有機の光導電性材料を用いた有機感光体が主流となっており、感光体の構成も、電荷移動型錯体構造や、感光層を電荷発生層と電荷輸送層とに分離した機能分離型の感光体へと変遷しており、電子写真感光体の性能の向上が図られている。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−107988号公報
【特許文献2】
特開平5−294005号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先に述べた特許文献2に記載の画像形成装置のように露光装置の光源として面発光レーザを用いる画像形成装置では、下記2つの理由により感光体上での光量が低下する欠点があることを本発明者らは見出した。
【0011】
すなわち、一つめの理由は、面発光レーザアレイ自体のキャビティーの容積が小さいために発光点一つ当たりの発光量を十分に得ることができないことである。二つめの理由は、発光点が近接している面発光レーザアレイを利用しつつ同時に感光体上での所望のビーム径を得る観点から、走査光学系中にアパーチャを備える必要があり、そのために光量が低下することである。
【0012】
また、マルチビーム方式の画像形成装置では、複数本のレーザビームを電子写真感光体上で同時に走査させるため、電子写真感光体上に形成される静電潜像の中に、露光終了までの光ビームの走査回数(照射回数)が異なる領域が混在し、各領域間での照射回数の相違が画像上に筋状の濃度ムラとして視認されることがある。
【0013】
このような筋状の濃度ムラは、マルチビーム方式の中でも、1つのビームを音響素子により疑似的に複数ビームとする方式を用いた場合、ビーム数が多くなるに従い露光時間が短くなるため、特に多く発生しやすい。この場合と比較して、面発光レーザアレイを用いた場合には、ビーム数を増やしても露光時間は減少することがなく筋状濃度ムラの発生を低減することが可能であるが、レーザビームの本数を数多くした場合には、筋状濃度ムラの発生を十分に抑制することが困難であった。
【0014】
面発光レーザアレイを光源として搭載する画像形成装置は、これらの欠点を有しているが、かかる欠点は、特に電子写真感光体特性の環境変動(環境による電位変動等)が大きい場合に、形成する画像の画質低下や画質欠陥として現れやすいことを本発明者らは見出した。
【0015】
一方、先に述べた画像形成装置において電子写真感光体として用いられる機能分離型感光体は、一般的に、アルミニウム等の導電性基材の上に中間層をまず形成し、その上に電荷発生層及び電荷輸送層の感光層を形成した構成を有している。ここで、感光体の繰り返し安定性や環境安定性の改善に関しては、電荷発生層や電荷輸送層のみならず中間層に依存する部分も多く、繰り返し使用による電荷蓄積性の少ない中間層が要求されている。
【0016】
また、画質欠陥の防止に関しても中間層の役割は大きく、導電性基材の欠陥や汚れ、あるいは電荷発生層等の塗膜欠陥や塗膜むらに起因する画質欠陥を抑制するために中間層は欠かせない存在となっている。
【0017】
特に、近年、電子写真装置においては、コロトロン等の非接触帯電方式の帯電装置に代わり、オゾン発生が少ない接触帯電方式の帯電装置が多く用いられるようになっているが、この場合、感光体の局所的な劣化部に局所的な高電場が印加されると、その劣化部に電気的なピンホール(ピンホールリーク)が生じやすく、これにより黒点等の画質欠陥が生じやすい。このため、感光体の不均一状態に起因する欠陥を防止する技術が特に強く求められるようになってきており、そのために中間層の改良が求められている。
【0018】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、レーザビームの本数を数多くできる面発光レーザアレイを用いた場合であっても、電子写真感光体特性の環境変動を低減し、且つ、筋状の濃度ムラや黒点の発生を十分に抑制することができ、形成する画像の高画質化及び画像形成速度の高速化が容易に実現可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、8本以上のレーザビームを電子写真感光体上に走査させることが可能な面発光レーザアレイを有する露光装置を備えるとともに、比抵抗が、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1013Ω・cmとなるように、金属酸化物微粒子及び/又は該微粒子に表面処理を施した表面処理金属酸化物微粒子の含有量及び分散状態が調節された中間層を有する電子写真感光体を備える画像形成装置であれば、上述の目的を達成可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0020】
すなわち、本発明は、導電性支持体、該支持体の上方に配置される中間層及び該中間層の上方に配置される感光層を少なくとも有する電子写真感光体と、電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、帯電装置により帯電される電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像装置と、トナー像を電子写真感光体から被転写媒体に転写する転写装置と、を備える画像形成装置であって、露光装置は、面発光レーザアレイを露光光源として備え、8本以上のレーザビームを電子写真感光体上に走査させて静電潜像を形成させるマルチビーム方式の露光装置であり、中間層は、金属酸化物微粒子を含有しており、且つ、中間層の比抵抗が、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1013Ω・cmとなるように、金属酸化物微粒子の含有量及び分散状態が調節されていることを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0021】
また、本発明は、導電性支持体、該支持体の上方に配置される中間層及び該中間層の上方に配置される感光層を少なくとも有する電子写真感光体と、電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、帯電装置により帯電される電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像装置と、トナー像を電子写真感光体から被転写媒体に転写する転写装置と、を備える画像形成装置であって、露光装置は、面発光レーザアレイを露光光源として備え、8本以上のレーザビームを電子写真感光体上に走査させて静電潜像を形成させるマルチビーム方式の露光装置であり、中間層は、金属酸化物微粒子に表面処理を施した表面処理金属酸化物微粒子を含有しており、且つ、中間層の比抵抗が、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1013Ω・cmとなるように、表面処理金属酸化物微粒子の含有量及び分散状態が調節されていることを特徴とする画像形成装置を提供する。ここで、中間層は、金属酸化物微粒子及び表面処理金属酸化物微粒子の両方を含有しており、且つ、中間層の比抵抗が、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1013Ω・cmとなるように、金属酸化物微粒子及び表面処理金属酸化物微粒子の含有量及び分散状態が調節されているものであってもよい。
【0022】
これらの画像形成装置によれば、マルチビーム方式の静電潜像を形成する方法、特に、アレイ化が容易な面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Emitting Laser)を光源として用い、同時に走査させるレーザビームの本数を8本以上とすることにより、画質の向上と画像形成速度の高速化とを実現することができる。また、この場合、記録密度を高めることもできる。
【0023】
更に、本発明の画像形成装置における面発光レーザアレイは、主走査方向に3行以上、副走査方向に3列以上のレーザビーム発生源が2次元的に配置された構造を有するものであることが好ましい。これにより、画質の向上と画像形成速度の高速化をより確実に実現することが可能となる傾向がある。
【0024】
更に、本発明の画像形成装置によれば、搭載される電子写真感光体として、導電性支持体と、中間層と、感光層とを有するものを用い、中間層として、金属酸化物微粒子及び/又は表面処理金属酸化物微粒子を含有しており、且つ、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときの比抵抗が10〜1013Ω・cmとなるように、金属酸化物微粒子及び/又は表面処理金属酸化物微粒子の配合量及び分散状態が調節されているものを用いることによって、感光層への電荷注入の制御及び電子写真プロセス(帯電、露光、現像、転写、クリーニング等の画像形成における一連の過程)における残留電位の低減の双方を高水準で両立することが可能となる。そして、かかる電子写真感光体を用いることによって、上述の面発光レーザアレイを用いた場合であっても、電子写真感光体特性の環境変動を低減し、且つ、形成する画像における筋状の濃度ムラの発生及び感光体の摩耗にともなうピンホールリークの発生に起因する黒点の発生を十分に抑制することができ、形成する画像の高画質化及び画像形成速度の高速化を容易に実現することが可能となる。
【0025】
また、金属酸化物微粒子及び表面処理金属酸化物微粒子の比抵抗は、いずれも28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1012Ω・cmであることが好ましい。ここで、金属酸化物微粒子は、酸化チタン及び/又は酸化亜鉛であることが好ましく、表面処理金属酸化物微粒子は、金属酸化物微粒子がシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤及びアルミネート系カップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種のカップリング剤で被覆処理されたものであることが好ましく、金属酸化物微粒子がシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤及びアルミネート系カップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種のカップリング剤と所定の溶媒とを含む処理液で被覆された後、更に熱処理されたものであることがより好ましい。また、カップリング剤は、アミノ基を有する化合物であることが好ましい。
【0026】
このような金属酸化物微粒子及び/又は表面処理金属酸化物微粒子を用いることにより、本発明の画像形成装置は、上述した本発明の効果をより効率的且つ確実に得ることができる。
【0027】
また、電子写真感光体は、導電性支持体と、中間層と、感光層とが、この順に順次積層されてなるものであることが好ましく、帯電装置は、電子写真感光体に接触して該電子写真感光体を帯電させる接触帯電装置であることが好ましく、転写装置は、電子写真感光体表面上のトナー像を中間転写体を介して被転写媒体に転写する中間転写方式を採用する構成を有していることが好ましい。
【0028】
かかる構成を有する本発明の画像形成装置によれば、上述した本発明の効果をより確実に得ることができるとともに、装置の小型化等を図ることが容易に可能となる。
【0029】
また、本発明は、電子写真感光体と、電子写真感光体を帯電させる帯電装置、クリーニング装置、静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像装置及びトナー像を電子写真感光体から被転写媒体に転写する転写装置転写装置からなる群より選択される少なくとも1つの装置を備え、帯電した電子写真感光体を露光して静電潜像を形成させる露光装置を有する画像形成装置に着脱可能にセットされるプロセスカートリッジであって、露光装置は、面発光レーザアレイを有し、8本以上の光ビームを電子写真感光体上に走査させて静電潜像を形成させるマルチビーム方式の露光装置であり、電子写真感光体は、導電性支持体、該支持体の上方に配置される中間層及び該中間層の上方に配置される感光層を少なくとも有し、中間層は、金属酸化物微粒子を含有しており、且つ、中間層の比抵抗が、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1013Ω・cmとなるように、金属酸化物微粒子の含有量及び分散状態が調節されていることを特徴とするプロセスカートリッジを提供する。
【0030】
また、本発明は、 また、本発明は、電子写真感光体と、電子写真感光体を帯電させる帯電装置、クリーニング装置、静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像装置及びトナー像を電子写真感光体から被転写媒体に転写する転写装置転写装置からなる群より選択される少なくとも1つの装置を備え、帯電した電子写真感光体を露光して静電潜像を形成させる露光装置を有する画像形成装置に着脱可能にセットされるプロセスカートリッジであって、露光装置は、面発光レーザアレイを有し、8本以上の光ビームを電子写真感光体上に走査させて静電潜像を形成させるマルチビーム方式の露光装置であり、電子写真感光体は、導電性支持体、該支持体の上方に配置される中間層及び該中間層の上方に配置される感光層を少なくとも有し、中間層は、金属酸化物微粒子を含有しており、且つ、中間層の比抵抗が、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1013Ω・cmとなるように、表面処理金属酸化物微粒子の含有量及び分散状態が調節されていることを特徴とするプロセスカートリッジを提供する。ここで、中間層は、金属酸化物微粒子及び表面処理金属酸化物微粒子の両方を含有しており、且つ、中間層の比抵抗が、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1013Ω・cmとなるように、金属酸化物微粒子及び表面処理金属酸化物微粒子の含有量及び分散状態が調節されているものであってもよい。
【0031】
これらのプロセスカートリッジは、上記面発光レーザアレイを有する露光装置が搭載された画像形成装置に装着され、上記構成を有する電子写真感光体を搭載していることにより、電子写真感光体特性の環境変動を低減し、且つ、筋状の濃度ムラや黒点の発生を十分に抑制することができ、形成する画像の高画質化及び画像形成速度の高速化が容易に実現することが可能となる。
【0032】
また、画像の高画質化及び画像形成速度の高速化をより確実に実現する観点から、本発明のプロセスカートリッジが搭載されるべき画像形成装置における面発光レーザアレイは、主走査方向に3行以上、副走査方向に3列以上のレーザビーム発生源が2次元的に配置された構造を有するものであることが好ましい。
【0033】
更に、本発明の効果をより効率的且つ確実に得る観点から、金属酸化物微粒子及び表面処理金属酸化物微粒子の比抵抗は、いずれも28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1012Ω・cmであることが好ましい。ここで、金属酸化物微粒子は、酸化チタン及び/又は酸化亜鉛であることが好ましく、表面処理金属酸化物微粒子は、金属酸化物微粒子がシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤及びアルミネート系カップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種のカップリング剤で被覆処理されたものであることが好ましく、金属酸化物微粒子がシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤及びアルミネート系カップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種のカップリング剤と所定の溶媒とを含む処理液で被覆された後、更に熱処理されたものであることがより好ましい。また、カップリング剤は、アミノ基を有する化合物であることが好ましい。
【0034】
また、本発明の効果をより確実に得るとともに装置の小型化等を図る観点から、電子写真感光体は、導電性支持体と、中間層と、感光層とが、この順に順次積層されてなるものであることが好ましく、帯電装置は、電子写真感光体に接触して該電子写真感光体を帯電させる接触帯電装置であることが好ましく、転写装置は、電子写真感光体表面上のトナー像を中間転写体を介して被転写媒体に転写する中間転写方式を採用する構成を有していることが好ましい。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0036】
(画像形成装置)
まず、本発明の画像形成装置の好適な一実施形態について説明する。図1は、本発明の画像形成装置の好適な一実施形態を示す概略構成図である。
【0037】
図1に示した画像形成装置10は電子写真感光体12を備えるもので、電子写真感光体12は、駆動装置(図示せず)により所定の回転速度で矢印Aの向きに回転可能となっている。電子写真感光体12の略上方には、電子写真感光体12の外周面を帯電させる帯電器14が設けられている。
【0038】
また、帯電器14の略上方には露光装置(レーザビーム走査装置)16が配置されている。詳細は後述するが、露光装置16は、光源から射出される複数本のレーザビームを、形成すべき画像に応じて変調すると共に、主走査方向に偏向し、帯電器14により帯電した電子写真感光体12の外周面上を電子写真感光体12の軸線と平行に走査させる。
【0039】
電子写真感光体12の側方には現像装置18が配置されている。現像装置18は回転可能に配置されたローラ状の収容体を備えている。この収容体の内部には4個の収容部が形成されており、各収容部には現像器18Y,18M,18C,18Kが設けられている。現像器18Y,18M,18C,18Kは各々現像ローラ20を備え、内部に各々イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色のトナーを貯留している。
【0040】
また、電子写真感光体12の略下方には無端の中間転写ベルト24が配設されている。中間転写ベルト24はローラ26,28,30に巻掛けられており、外周面が電子写真感光体12の外周面に接触するように配置されている。ローラ26〜30はモータ(図示せず)の駆動力が伝達されて回転し、中間転写ベルト24を矢印Bの向きに回転させる。
【0041】
中間転写ベルト24を挟んで電子写真感光体12の反対側には転写器32が配置されている。電子写真感光体12の外周面上に形成されたトナー像は転写器32によって中間転写ベルト24の画像形成面に転写される。
【0042】
中間転写ベルト24よりも下方側にはトレイ34が配置されており、トレイ34内には記録材料としての用紙Pが多数枚積層された状態で収容されている。図1におけるトレイ34の左斜め上方には取り出しローラ36が配置されており、取り出しローラ36による用紙Pの取り出し方向下流側にはローラ対38、ローラ40が順に配置されている。積層状態で最も上方に位置している記録紙は、取り出しローラ36が回転されることによりトレイ34から取り出され、ローラ対38、ローラ40によって搬送される。
【0043】
また、中間転写ベルト24を挟んでローラ30の反対側には転写器42が配置されている。ローラ対38、ローラ40によって搬送された用紙Pは、中間転写ベルト24と転写器42の間に送り込まれ、中間転写ベルト24の画像形成面に形成されたトナー像が転写器42によって転写される。転写器42よりも用紙Pの搬送方向下流側には、定着ローラ対を備えた定着器44が配置されており、トナー像が転写された用紙Pは、転写されたトナー像が定着器44によって溶融定着された後に画像形成装置10の機体外へ排出され、排紙トレイ(図示せず)上に載置される。
【0044】
また、電子写真感光体12を挟んで現像装置18の反対側には、電子写真感光体12の外周面を除電する機能及び外周面上に残留している不要トナーを除去する機能を備えた除電・清掃器22が配置されている。電子写真感光体12の外周面上に形成されたトナー像が中間転写ベルト24に転写されると、電子写真感光体12の外周面のうち転写されたトナー像を担持していた領域は、除電・清掃器22によって清掃される。
【0045】
図1に示した画像形成装置10では、電子写真感光体12が4回転する回転過程においてフルカラー画像の形成が行われる。すなわち、電子写真感光体12が4回転する間、帯電器14は電子写真感光体12の外周面の帯電、除電・清掃器22は外周面の除電を継続し、露光装置16は、形成すべきカラー画像を表すY,M,C,Kの画像データのうちの何れかに応じて変調したレーザビームを電子写真感光体12の外周面上で走査させることを、電子写真感光体12が1回転する毎にレーザビームの変調に用いる画像データを切替えながら繰り返す。また、現像装置18は、現像器18Y,18M,18C,18Kの何れかの現像ローラ20が電子写真感光体12の外周面に対応している状態で、外周面に対応している現像器を作動させ、電子写真感光体12の外周面に形成された静電潜像を特定の色に現像し、電子写真感光体12の外周面上に特定色のトナー像を形成させることを、電子写真感光体12が1回転する毎に、静電潜像の現像に用いる現像器が切り替わるように収容体を回転させながら繰り返す。
【0046】
これにより、電子写真感光体12が1回転する毎に、電子写真感光体12の外周面上には、Y,M,C,Kのトナー像が互いに重なるように順次形成されることになり、電子写真感光体12が4回転した時点で電子写真感光体12の外周面上にフルカラーのトナー像が形成されることになる。
【0047】
このように、複数本のレーザビームを電子写真感光体上に走査させて静電潜像を形成させるマルチビーム方式の露光装置14と共に、先に述べた構成を有する電子写真感光体12を用いることによって、電子写真感光体特性の環境変動を低減し、且つ、筋状の濃度ムラや黒点の発生を十分に抑制することができ、形成する画像の高画質化及び画像形成速度の高速化が容易に実現することが可能となる。
【0048】
次に、電子写真感光体12の好ましい例について詳述する。
【0049】
図2及び3は、それぞれ電子写真感光体12の好適な一例を示す模式断面図であり、導電性支持体1と感光層4との積層方向に沿って電子写真感光体12を切断したときの部分断面図である。
【0050】
図2及び3に示す電子写真感光体12は、電荷発生材料を含有する層(電荷発生層2)と電荷輸送材料を含有する層(電荷輸送層3)とに機能が分離された感光層4を備えるものである。そして、導電性支持体1と感光層4との間には、金属酸化物微粒子及び/又は表面処理金属酸化物微粒子(以下、単に「微粒子8」という)を含有する中間層5を備えている。
【0051】
図2に示す電子写真感光体12は、導電性支持体1上に中間層5、電荷発生層2、電荷輸送層3が順次積層された構造を有するものである。
【0052】
図3に示す電子写真感光体12は、導電性支持体1上に中間層5、電荷発生層2、電荷輸送層3、保護層6が順次積層された構造を有するものである。
【0053】
以下、このような電子写真感光体12を構成する各要素について詳述する。
【0054】
まず、導電性支持体12について説明する。導電性支持体12の材質としては、導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類;アルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO(酸化インジウムスズ)等の薄膜を設けたプラスチックフィルム;導電性付与剤を塗布又は含浸させた紙又はプラスチックフィルム、等が挙げられる。これらの導電性支持体の形状としては特に制限されないが、例えば、ドラム状、シート状、プレート状等の形状で使用される。
【0055】
また、導電性支持体1として金属パイプを用いる場合、金属パイプは素管のまま用いてもよいが、予め鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニング、着色処理等の処理を施したものを用いることが好ましい。表面処理により基材表面を粗面化することで、レーザビームのような可干渉光源を用いた場合に発生しうる感光体内での干渉光による木目状の濃度斑を防止することができる。
【0056】
次に、中間層5について説明する。中間層5は、微粒子8(金属酸化物微粒子及び/又は表面処理金属酸化物微粒子)及び結着樹脂を含んで構成されるものである。
【0057】
金属酸化物微粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アルミニウム等が挙げられ、中でも酸化チタン、酸化亜鉛が好ましく、酸化亜鉛が特に好ましい。かかる金属酸化物微粒子を用いることにより、電子写真感光体特性の環境変動を十分に低減し、筋状濃度ムラや黒点による画質欠陥の発生を十分に抑制することができる傾向がある。
【0058】
また、表面処理金属酸化物微粒子は、上記金属酸化物微粒子をシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤及びアルミネート系カップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種のカップリング剤で被覆処理してなるものである。微粒子8としては、金属酸化物微粒子、表面処理金属酸化物微粒子をそれぞれ単独で又はこれらを組み合わせて用いることができるが、本発明においては、表面処理金属酸化物微粒子を単独で又は金属酸化物微粒子と組み合わせて用いることが好ましい。かかる表面処理金属酸化物微粒子を用いることにより、中間層5の比抵抗及びその環境依存性を容易に且つ確実に制御することができるとともに、感光層4への電荷注入の制御及び電子写真プロセスにおける残留電位の低減の双方を高水準で両立することができ、電子写真感光体特性の環境変動をより十分に低減し、且つ、筋状濃度ムラや黒点による画質欠陥の発生をより十分に抑制することができる傾向がある。
【0059】
ここで、シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0060】
チタネート系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、ビス(ジオクチルピロホフェート)、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート等が挙げられる。
【0061】
アルミネート系カップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
【0062】
これらのカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0063】
また、これらの中でも、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリ(N−アミノエチル)チタネート等のアミノ基を有するカップリング剤を用いると、これらのカップリング剤による被覆処理を効率よく且つ確実に行うことができるので好ましく、特に、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン等の2個のアミノ基を有するカップリング剤を用いることがより好ましい。
【0064】
これらのカップリング剤を用いた被覆処理は、実質的にカップリング剤と反応しない溶媒中にカップリング剤を溶解させた溶液(処理液)に、被覆処理前の金属酸化物微粒子を分散させることにより行うことが好ましい。
【0065】
ここで、上記溶媒としては、トルエン、エチルベンゼン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチル、塩化メチレン、クロロホルム、クロルベンゼン、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられるが、これらの中でもトルエン等の高沸点溶媒を用いることが好ましい。上記処理液を調製する際には、撹拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等を用いてカップリング剤を溶媒中に分散することができる。また、処理温度は室温から溶媒の沸点の範囲で任意に設定可能である。
【0066】
このようにして被覆処理された金属酸化物微粒子について所定の熱処理(焼き付け)を施すことによって、カップリング剤の反応による被膜の形成をより完全なものとすることができる。ここで、熱処理温度は150℃以上であることが好ましく、150〜250℃であることがより好ましく、150〜200℃であることが更に好ましい。熱処理温度が150℃未満であると、残存する吸着水やカップリング剤が十分に除去されず、暗減衰等の電気特性が不十分となる傾向にある。また、熱処理温度が250℃を超えると、カップリング剤により形成された被膜の分解や金属酸化物微粒子表面の酸化により、電荷のトラップサイトが発現して残留電位が上昇しやすくなる傾向にある。熱処理時間は、カップリング剤の種類及び熱処理温度に応じて適宜選定されるが、通常、10分〜10時間程度である。
【0067】
これらの微粒子8の粉体の比抵抗は、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1012Ω・cmであることが好ましく、10〜1011Ω・cmであることがより好ましく、10〜1010Ω・cmであることが更に好ましい。比抵抗が前記下限値未満であると、微粒子8から感光層への電荷注入が増え、黒点が発生しやすく、また、十分なリーク防止性が得られない傾向にあり、比抵抗が前記上限値を超えると、電子写真プロセスにおいて残留電位の上昇が起こりやすくなる傾向にある。
【0068】
中間層5の結着樹脂としては、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子樹脂化合物等が挙げられる。
【0069】
中間層5は、上記の金属酸化物微粒子及び結着樹脂のみからなるものであってもよく、また、電気特性向上、環境安定性向上、及び画質向上のための添加物を含有してもよい。
【0070】
かかる添加物としては、クロラニルキノン、ブロモアニルキノン、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送性物質、多環縮合系化合物、アゾ系化合物等の電子輸送性顔料、シランカップリング剤、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、及び有機チタニウム化合物等が挙げられる。
【0071】
ここで、シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの中でも特に好ましく用いられるシリコン化合物としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。
【0072】
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
【0073】
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
【0074】
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
【0075】
中間層5は、例えば微粒子8と結着樹脂とを所定の溶媒に混合/分散して中間層形成用塗布液を調製し、この中間層形成用塗布液を導電性支持体1上に塗布し、乾燥することによって形成することができる。
【0076】
かかる塗布液を調製する際の混合/分散方法としては、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、超音波等による方法が適用可能である。また、塗布液の塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられる。また、塗布液には塗膜の平滑性向上のためのレベリング剤としてシリコーンオイルを微量添加することもできる。
【0077】
このようにして得られる中間層5の比抵抗(厚み方向の比抵抗)は、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1013Ω・cmであることが必要であり、10〜1011Ω・cmであることが好ましい。この比抵抗が前記下限値未満であると、微粒子8から感光層への電荷注入が増え、黒点が発生しやすく、また、十分なリーク防止性が得られない傾向にあり、比抵抗が前記上限値を超えると、電子写真プロセスにおいて残留電位の上昇が起こりやすくなる傾向にある。
【0078】
中間層5において、微粒子8と結着樹脂との配合比(質量比)は、中間層5の比抵抗が上記範囲内となるように、微粒子8の種類やその分散状態等に応じて適宜調節されるものであるが、50:50〜90:10であることが好ましく、60:40〜70:30であることがより好ましい。配合比を上記範囲とすることによって、中間層5の比抵抗をより確実に上記範囲内とすることが可能となる傾向があり、電子写真感光体特性の環境変動をより確実に低減し、且つ、筋状濃度ムラや黒点の発生をより確実に抑制することができる傾向がある。
【0079】
また、中間層5の膜厚は、3〜50μmであることが好ましく、15〜50μmであることがより好ましく、15〜30μmであることが更に好ましい。中間層の膜厚が3μm未満であると十分なリーク防止性が得られない傾向にある。また、中間層の膜厚の増加に伴いリーク防止性は向上するが、膜厚が50μmを超えると成膜が困難となり、また、残留電位の上昇による画質低下が生じやすくなる傾向にある。また、中間層5のビッカース強度は35以上であることが好ましい。
【0080】
次に、電荷発生層2について説明する。電荷発生層2は、電荷発生材料及び結着樹脂を含んで構成される。
【0081】
かかる電荷発生材料としては、公知の電荷発生材料を特に制限なく使用することができるが、中でも金属及び無金属フタロシアニン顔料が好ましく用いられ、特定の結晶を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、チタニルフタロシアニンが特に好ましく用いられる。
【0082】
電荷発生層2において好ましく用いられる電荷発生材料は、公知の方法で製造される顔料結晶を、自動乳鉢、遊星ミル、振動ミル、CFミル、ローラーミル、サンドミル、及びニーダー等を用いて機械的に乾式粉砕するか、乾式粉砕後、溶剤と共にボールミル、乳鉢、サンドミル、及びニーダー等を用いて湿式粉砕処理を行うことによって製造することができる。
【0083】
湿式粉砕処理において使用される溶剤は、芳香族類(トルエン、クロロベンゼン等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、脂肪族アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、脂肪族多価アルコール類(エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等)、芳香族アルコール類(ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等)、エステル類(酢酸エステル、酢酸ブチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、ジメチルスルホキシド、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、又はこれらの数種の混合系、あるいは水とこれら有機溶剤との混合系が挙げられる。
【0084】
これら溶剤の使用量は、顔料結晶1質量部に対して1〜200質量部、好ましくは10〜100質量部が望ましい。また、湿式粉砕処理における処理温度は、0℃以上溶剤の沸点以下、好ましくは10〜60℃である。また、粉砕の際に食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を用いてもよい。磨砕助剤は、顔料に対して0.5〜20倍、好ましくは1〜10倍(いずれも質量換算値)用いればよい。
【0085】
また、公知の方法で製造される顔料結晶について、アシッドペースティング又はアシッドペースティングと前述したような乾式粉砕又は湿式粉砕との組み合わせによって結晶制御することもできる。アシッドペースティングに用いる酸としては、硫酸が好ましく、この硫酸の濃度は70〜100%、好ましくは95〜100%の濃度のものが使用される。この濃硫酸の量は、顔料結晶の質量に対して、1〜100倍、好ましくは3〜50倍(いずれも質量換算値)の範囲に設定される。また、溶解温度は、−20〜100℃、好ましくは0〜60℃の範囲に設定される。結晶を酸から析出させる際の溶剤としては、水、或いは水と有機溶剤の混合溶剤を任意の量で使用できる。析出させる温度については特に制限はないが、発熱を防ぐために、氷等で冷却することが好ましい。
【0086】
これらの電荷発生材料は、加水分解性基を有する有機金属化合物又はシランカップリング剤で被覆処理してもよい。かかる被覆処理によって電荷発生材料の分散性や電荷発生層用塗布液の塗布性が向上し、平滑で分散均一性の高い電荷発生層2を容易に且つ確実に成膜することができ、その結果、カブリやゴースト等の画質欠陥が防止され、画質維持性を向上させることができる。また、電荷発生層用塗布液の保存性も著しく向上するので、ポットライフの延長の点でも効果的であり、感光体のコストダウンも可能となる。
【0087】
上記加水分解性基を有する有機金属化合物は、下記一般式(I):
Rp−M−Yq (I)
で表される化合物である。なお、式中、Rは有機基を表し、Mはアルカリ金属以外の金属原子又はケイ素原子を表し、Yは加水分解性基を表し、p及びqはそれぞれ1〜4の整数であり、pとqとの和はMの原子価に相当する。
【0088】
一般式(I)中、Rで表される有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアリールアルキル基、スチリル基等のアリールアルケニル基、フリル基、チエニル基、ピロリジニル基、ピリジル基、イミダゾリル基等の複素環残基等が挙げられる。これらの有機基は1または2種以上の各種の置換基を有していてもよい。
【0089】
また、一般式(I)中、Yで表される加水分解性基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、フェノキシ基、ベンジロキシ基等のエーテル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、ベンゾイルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、ベンジロキシカルボニル基等のエステル基、塩素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
【0090】
また、一般式(I)中、Mはアルカリ金属以外であれば特に制限されるものではないが、好ましくはチタン原子、アルミニウム原子、ジルコニウム原子又はケイ素原子である。すなわち、本発明に係る感光体においては、上記の有機基や加水分解性の官能基を置換した有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物、有機ジルコニウム化合物、さらにはシランカップリング剤が好ましく用いられる。
【0091】
また、上記シランカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの中でも、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
【0092】
また、上記の有機金属化合物及びシランカップリング剤の加水分解生成物も使用することができる。この加水分解生成物としては、上記一般式(I)で示される有機金属化合物のM(アルカリ金属以外の金属原子又はケイ素原子)に結合するY(加水分解性基)やR(有機基)に置換する加水分解性基が加水分解したものが挙げられる。なお、有機金属化合物及びシランカップリング剤が加水分解性基を複数含有する場合は、必ずしも全ての官能基を加水分解する必要はなく、部分的に加水分解された生成物であってもよい。また、これらの有機金属化合物及びシランカップリング剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0093】
上記の加水分解性基を有する有機金属化合物及び/又はシランカップリング剤(以下、単に「有機金属化合物」という)を用いてフタロシアニン顔料を被覆処理する方法としては、フタロシアニン顔料の結晶を整える過程で該フタロシアニン顔料を被覆処理する方法、フタロシアニン顔料を結着樹脂に分散する前に被覆処理する方法、フタロシアニン顔料の結着樹脂への分散時に有機金属化合物を混合処理する方法、フタロシアニン顔料の結着樹脂への分散後に有機金属化合物で更に分散処理する方法等が挙げられる。
【0094】
より具体的には、顔料の結晶を整える過程で予め被覆処理する方法としては、有機金属化合物と結晶が整う前のフタロシアニン顔料とを混合した後加熱する方法、有機金属化合物を結晶が整う前のフタロシアニン顔料に混合し機械的に乾式粉砕する方法、有機金属化合物の水または有機溶剤中の混合液を結晶が整う前のフタロシアニン顔料に混合し湿式粉砕処理方法等が挙げられる。
【0095】
また、フタロシアニン顔料を結着樹脂に分散する前に被覆処理する方法としては、有機金属化合物、水又は水と有機溶剤との混合液、並びにフタロシアニン顔料を混合して加熱する方法、有機金属化合物をフタロシアニン顔料に直接噴霧する方法、有機金属化合物をフタロシアニン顔料と混合しミリングする方法等がある。
【0096】
また、分散時に混合処理する方法としては、分散溶剤に有機金属化合物、フタロシアニン顔料、結着樹脂を順次添加しながら混合する方法、これらの電荷発生層2形成成分を同時に添加し混合する方法等が挙げられる。
【0097】
また、フタロシアニン顔料を結着樹脂中に分散した後に有機金属化合物で更に分散処理する方法としては、例えば溶剤で希釈した有機金属化合物を分散液に添加し攪拌しながら分散する方法が挙げられる。また、かかる分散処理の際、より強固にフタロシアニン顔料に付着させるために、触媒として硫酸、塩酸、トリフルオロ酢酸等の酸を添加してもよい。
【0098】
これらの中でも、フタロシアニン顔料の結晶を整える過程で予め被覆処理する方法、又はフタロシアニン顔料を結着樹脂に分散する前に被覆処理する方法が好ましい。
【0099】
電荷発生層2に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択することができる。また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択することもできる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸との重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂を挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。電荷発生材料と結着樹脂との配合比(質量比)は、10:1〜1:10の範囲が好ましい。
【0100】
電荷発生層2は、例えば、電荷発生材料及び結着樹脂を含む塗布液の塗布により形成される。塗布液の溶媒としては、結着樹脂を溶解することが可能であれば特に制限なく使用することができ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独で又は2種以上混合して用いることができる。
【0101】
電荷発生材料及び結着樹脂を溶媒に分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常の方法を用いることができるが、この際、分散によって電荷発生材料の結晶型が変化しない条件で行うことが好ましい。また、この分散の際、電荷発生材料を好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下の粒子サイズにすることが有効である。
【0102】
また、かかる塗布液の塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法が挙げられる。
【0103】
電荷発生層2の膜厚は、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.2〜2.0μmである。
【0104】
次に、電荷輸送層3について説明する。電荷輸送層3は、電荷輸送材料及び結着樹脂を含んで構成されるものである。
【0105】
かかる電荷輸送材料としては、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体等の正孔輸送物質;クロラニル、ブロアントラキノン等のキノン系化合物、テトラアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物等の電子輸送物質;あるいは上記化合物から水素原子等を除いた残基を主鎖又は側鎖に有する重合体等が挙げられる。これらの電荷輸送材料は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0106】
電荷輸送層3に用いる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリアリレート、ポリエステル樹脂、ビスフェノールAタイプ或いはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリスルホン、ポリアクリルアミド、ポリアミド、塩素ゴム等の絶縁性樹脂、およびポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマー等が挙げられる。これらの結着樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0107】
電荷輸送層3は、上記の電荷輸送材料及び結着樹脂を所定の溶媒に溶解/分散させた塗布液を塗布し乾燥することによって形成することができる。塗布液に用いる溶媒としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n―ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状又は直鎖状エーテル系溶剤、あるいはこれらの混合溶剤等を用いることができる。なお、これらの溶媒のうち、電荷発生層2の結着樹脂に対する溶解性が低いものを選定することが好ましい。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(質量比)は3:7〜6:4が好ましい。このような配合比とすることによって、電気特性及び膜強度の両方を向上することができる傾向がある。
【0108】
また、電荷輸送層3には、摩耗を低減する目的のために、フッ素系樹脂を分散することができる。かかるフッ素系樹脂としては、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂及びこれらの樹脂を構成する単量体の2種以上からなる共重合体からなる群より選択される少なくとも一種を用いることが好ましく、中でも4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
【0109】
これらのフッ素系樹脂は、通常、粒子形状を有しているが、その平均一次粒径としては、好ましくは0.05〜1μmであり、より好ましくは0.1〜0.5μmである。平均一次粒径が0.05μm未満では、分散時の凝集が起こりやすくなる傾向があり、1μmを超えると、形成する画像の画質欠陥が発生し易くなる傾向がある。
【0110】
また、電荷輸送層3中のフッ素系樹脂の含有量は、電荷輸送層3に含まれる固形分全量を基準として、0.1〜40質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましい。含有量が1質量%未満では、フッ素系樹脂による改質効果が不十分となる傾向があり、40質量%を越えると、光通過性の低下や繰返し使用による残留電位の上昇が起こりやすくなる傾向がある。
【0111】
塗布液を調製する際にフッ素系樹脂を分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、高圧ホモジナイザー、超音波分散機、コロイドミル、衝突式メディアレス分散機、貫通式メディアレス分散機等の方法を用いることができる。
【0112】
また、塗布液を調製する際に、フッ素系樹脂の分散安定性を向上させ、且つ塗膜形成時の凝集を防止する観点から、分散助剤を更に添加することが好ましい。かかる分散助剤としては、フッ素系界面活性剤、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマー、シリコーンオイル等が挙げられる。また、塗布液には塗膜の平滑性向上のためのレベリング剤としてシリコーンオイルを微量添加することもできる。
【0113】
塗布液を調製する際の分散方法及び塗布液の塗布方法としては、電荷発生層2の場合と同様の方法が適用可能であり、得られる電荷輸送層3の膜厚は、5〜50μmであることが好ましく、10〜35μmであることがより好ましい。
【0114】
また、電子写真感光体12においては、通常、導電性支持体1から近い順に電荷発生層2、電荷輸送層3が積層されているが、これらの層の順序は逆であってもよく、電荷発生層2と電荷輸送層3との間に他の層が存在していてもよい。
【0115】
更に、本発明にかかる電子写真感光体12において、感光層4は電荷輸送材料及び電荷発生材料を同一の層に含有する単層構造を有するものであってもよい。
【0116】
次に、保護層6について説明する。保護層6は、必要に応じて設けられる層であり、かかる層を設けることにより、積層構造を有する感光層4の帯電の際に、電荷輸送層3の化学的変化を防止したり、感光層4の機械的強度を向上することができる傾向がある。
【0117】
この保護層6の材料としては、例えば、電荷輸送機能を有する高分子にシリコーンハードコート剤をハイブリッドさせたもの、高分子化合物中に金属酸化物等の微粒子を分散させたもの、導電性高分子化合物等が挙げられる。
【0118】
本発明にかかる電子写真感光体12においては、電子写真装置10中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光・熱による感光体の劣化を防止する目的で、感光層4(電荷発生層2、電荷輸送層3)や保護層6中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の添加剤を添加することができる。
【0119】
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等が挙げられる。
【0120】
より具体的には、フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]−メタン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
【0121】
また、ヒンダードアミン系化合物としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイミル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,3,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチルN−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等が挙げられる。
【0122】
また、有機イオウ系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。
【0123】
また、有機燐系酸化防止剤としてトリスノニルフェニルフォスフィート、トリフェニルフォスフィート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフィート等が挙げられる。
【0124】
上記の酸化防止剤のうち、有機硫黄系および有機燐系酸化防止剤は2次酸化防止剤と呼ばれ、フェノール系又はアミン系酸化防止剤等の1次酸化防止剤と併用することにより相乗効果を得ることができる。
【0125】
また、光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ジチオカルバメート系、テトラメチルピペリジン系等の誘導体が挙げられる。
【0126】
より具体的には、ベンゾフェノン系光安定剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0127】
また、ベンゾトリアゾール系系光安定剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。その他、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ニッケルジブチル−ジチオカルバメート等を用いてもよい。
【0128】
また、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、感光層4(電荷発生層2、電荷輸送層3)に少なくとも1種の電子受容性物質を含有せしめることができる。かかる電子受容性物質としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等が挙げられる。これらのうち、フルオレノン系又はキノン系化合物や、−Cl、−CN、−NO等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
【0129】
次に、図4を参照し、露光装置16について説明する。露光装置16はm本(mは少なくとも8以上)のレーザビームを射出する面発光レーザアレイ50を備えている。なお、図4では簡略化のためにレーザビームを3本のみ示しているが、面発光レーザをアレイ化してなる面発光レーザアレイ50は、例えば数十本のレーザビームを射出するように構成することができ、また、面発光レーザの配列(面発光レーザアレイ50から射出されるレーザビームの配列)についても、1列に配列する以外に、2次元的に(例えばマトリクス状に)配列することも可能である。
【0130】
図5は、発光点(レーザビーム発生源)51が2次元的に配列されたレーザアレイ50を示す平面図である。図示の通り、レーザアレイ50には、所定の間隔で、主走査方向に3行、副走査方向に3列の計9個の発光点51が2次元的に配置されている。また、主走査方向に並んだ発光点51は、副走査方向に隣り合う発光点51との距離を4等分した距離を1ステップとし、副走査方向に1ステップずつ段階的にずれるように配置されている。すなわち、副走査方向に限ってみれば、1ステップ毎に発光点51が配置されていることになる。このように副走査方向に段階的にずらして発光点51を配置することにより、全ての発光点51が異なる走査線を走査することができるようになっている。これにより、レーザアレイ50は9本の走査線を同時に走査することができる。
【0131】
また、面発光レーザアレイ50の発光点は、上述のように3行以上×3列以上に並んでいることが好ましく、4行以上×4列以上に並んでいることがより好ましく、6行以上×6列以上に並んでいることが特に好ましい。これにより、形成する画像の高画質化(高解像度化)及び画像形成速度の高速化をより確実に実現することが可能となる傾向がある。
【0132】
更に、露光装置16は、上述の通り8本以上のレーザビームをそれぞれ独立に電子写真感光体12上に走査させるものであることが必要であるが、上記効果(高画質化及び高速化)をより有効に得る観点から、ビーム数を9本以上とすることが好ましく、16本以上とすることがより好ましく、32本以上とすることが特に好ましい。
【0133】
図4に戻り、面発光レーザアレイ50のレーザビーム射出側には、コリメートレンズ52、ハーフミラー54が順に配置されている。面発光レーザアレイ50から射出されたレーザビームは、コリメートレンズ52によって略平行光束とされた後にハーフミラー54に入射され、ハーフミラー54によって一部が分離・反射される。ハーフミラー54のレーザビーム反射側にはレンズ56、光量センサ58が順に配置されており、ハーフミラー54によって主レーザビーム(露光に用いるレーザビーム)から分離・反射された一部のレーザビームは、レンズ56を透過して光量センサ58へ入射され、光量センサ58によって光量が検出される。
【0134】
なお、面発光レーザは、露光に用いるレーザビームが射出される側と反対側からはレーザビームが射出されない(端面発光レーザでは両側から射出される)ため、レーザビームの光量を検出・制御するためには、上記のように露光に用いるレーザビームの一部を分離して光量検出に供することが必要になる。
【0135】
ハーフミラー54の主レーザビーム射出側には、アパーチャ60、副走査方向にのみパワーを有するシリンダレンズ62、折り返しミラー64が順に配置されており、ハーフミラー54から射出された主レーザビームは、アパーチャ60によって整形された後に、回転多面鏡66の反射面近傍で主走査方向に長い線状に結像するようにシリンダレンズ62によって屈折され、折り返しミラー64によって回転多面鏡66側へ反射される。なお、パーチャ60は複数本のレーザビームを均等に整形するために、コリメートレンズ52の焦点位置近傍に配置することが望ましい。
【0136】
回転多面鏡66は、図示しないモータの駆動力が伝達されて図4中の矢印C方向に回転され、折り返しミラー64によって反射されて入射されたレーザビームを主走査方向に沿って偏向・反射する。回転多面鏡66のレーザビーム射出側には主走査方向にのみパワーを有するFθレンズ68,70が配置されており、回転多面鏡66によって偏向・反射されたレーザビームは、電子写真感光体12の外周面上を略等速で移動し、且つ主走査方向の結像位置が電子写真感光体12の外周面上に一致するようにFθレンズ68,70によって屈折される。
【0137】
Fθレンズ68,70のレーザビーム射出側には、副走査方向にのみパワーを有するシリンダミラー72,74が順に配置されており、Fθレンズ68,70を透過したレーザビームは、副走査方向の結像位置が電子写真感光体12の外周面に一致するようにシリンダミラー72,74によって反射され、電子写真感光体12の外周面上に照射される。なお、シリンダミラー72,74は回転多面鏡66と電子写真感光体12の外周面を副走査方向において共役にする面倒れ補正機能も有している。
【0138】
また、シリンダミラー72のレーザビーム射出側には、レーザビームの走査範囲のうち走査開始側の端部(SOS:Start Of Scan)に相当する位置にピックアップミラー76が配置されており、ピックアップミラー76のレーザビーム射出側にはビーム位置検出センサ78が配置されている。面発光レーザアレイ50から射出されたレーザビームは、回転多面鏡66の各反射面のうちのレーザビームを反射している面が、入射ビームをSOSに相当する方向へ反射する向きとなったときに、ピックアップミラー76で反射されてビーム位置検出センサ78に入射される(図4の想像線も参照)。
【0139】
ビーム位置検出センサ78から出力された信号は、回転多面鏡66の回転に伴って電子写真感光体12の外周面上を走査されるレーザビームを変調して静電潜像を形成するにあたり、各回の主走査における変調開始タイミングの同期をとるために用いられる。
【0140】
また、本実施形態にかかる露光装置16では、コリメートレンズ52とシリンダレンズ62、2枚のシリンダミラー72,74が各々副走査方向においてアフォーカルになる様に配置されている。これは、複数本のレーザビームの走査線湾曲(BOW)の差と複数本のレーザビームによる走査線間隔の変動を抑制するためである。
【0141】
続いて、画像形成装置10の制御装置のうち、露光装置16の面発光レーザアレイ50からのレーザビームの射出を制御する部分(以下、この部分を制御部80と称する)の構成について、図6を参照して説明する。制御装置は、画像形成装置10によって形成すべき画像を表す画像データを記憶するための記憶部82を内蔵しており、記憶部82に記憶された画像データは、画像形成装置10によって画像が形成される際に制御部80の変調信号生成手段84に入力される。
【0142】
図示は省略するが、変調信号生成手段84にはビーム位置検出センサ78が接続されている。変調信号生成手段84は、記憶部82から入力された画像データを、面発光レーザアレイ50から射出されるm本のレーザビームの何れかに各々対応するm個の画像データに分解し、分解したm個の画像データに基づき、ビーム位置検出センサ78から入力された信号によって検知されるSOSのタイミングを基準として、面発光レーザアレイ50から射出されるm本のレーザビームの各々をオンオフさせるタイミングを規定するm個の変調信号を生成し、レーザ駆動回路(LDD)86に出力する。
【0143】
LDD86には駆動量制御手段88が接続されており、面発光レーザアレイ50から射出されるm本のレーザビームを、変調信号生成手段84から入力された変調信号に応じたタイミングでオンオフすると共に、オン時のレーザビームの光量を、駆動量制御手段88から入力される駆動量設定信号に対応する光量にするためのm個の駆動電流を生成し、面発光レーザアレイ50のm個の面発光レーザに各々供給する。
【0144】
これにより、面発光レーザアレイ50からは、変調信号に応じたタイミングでオンオフされると共に、オン時の光量が駆動量設定信号に対応する光量とされたm本のレーザビームが射出され、このm本のレーザビームが電子写真感光体12の外周面上を各々走査・露光されることで、電子写真感光体12の外周面上に静電潜像が形成される。この静電潜像が現像装置18によりトナー像として現像され、このトナー像が転写器32,42による転写を経て用紙Pに転写され、定着器44によって用紙Pに溶融定着されることで、用紙Pに画像が記録されることになる。
【0145】
一方、画像形成装置10は、電子写真感光体12の外周面上に形成されたトナー像、中間転写ベルト24の外周面上に転写されたトナー像、及び用紙Pに記録された画像の何れかの濃度を検出する濃度センサ(図示省略)を備えており、この濃度センサは制御部80に接続されている。なお、本実施形態のように多数本(m本)のレーザビームを電子写真感光体12の外周面上で同時に走査・露光して画像(詳しくは静電潜像)を形成する場合、各回の主走査におけるm本のレーザビームによる走査領域の境界付近ではレーザビームが2回照射(露光)される。
【0146】
なお、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、帯電装置14として、図1に示すように、コロトロンやスコロトロン等の非接触方式の帯電装置を用いてもよいが、帯電ローラや帯電ブラシを備える接触帯電方式の帯電装置を用いてもよい。かかる接触帯電方式の帯電装置は、画像形成装置10の小型化を図る観点から好ましい。
【0147】
この接触帯電方式は、電子写真感光体12の表面に接触させた導電性部材に電圧を印加することにより電子写真感光体12の表面を帯電させるものである。導電性部材の形状としては、ブラシ状、ブレード状、ピン電極状、ローラ状等が挙げられるが、中でもローラ状であることが好ましい。通常、ローラ状部材は外側から抵抗層とそれらを支持する弾性層と芯材から構成される。更に、必要に応じて抵抗層の外側に保護層を設けることができる。
【0148】
ローラ状部材は、感光体に接触させることにより特に駆動手段を有しなくとも感光体と同じ周速度で回転し、帯電手段として機能する。しかし、ローラ部材に何らかの駆動手段を取り付け、感光体とは異なる周速度で回転させ、帯電させても良い。
【0149】
芯材の材質としては、導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、鉄、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等が挙げられる。また、導電性粒子等を分散した樹脂成形品等を用いることもできる。
【0150】
弾性層の材質としては、導電性あるいは半導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、ゴム材に導電性粒子あるいは半導電性粒子を分散したものが挙げられる。ゴム材としては、EPDM、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソブチレン、SBR、CR、NBR、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、SBS、熱可塑性エラストマー、ノルボーネンゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンオキシドゴム等が用いられる。導電性粒子あるいは半導電性粒子としては、カーボンブラック、亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、クロム、チタニウム等の金属、ZnO−Al、SnO−Sb、In−SnO、ZnO−TiO、MgO−Al、FeO−TiO、TiO、SnO、Sb、In、ZnO、MgO等の金属酸化物を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0151】
抵抗層及び保護層は、結着樹脂に導電性粒子又は半導電性粒子を分散させ、その抵抗を制御したもので、電気抵抗値が、10〜1014Ωcmであることが好ましく、10〜1012Ωcmであることがより好ましく、10〜1012Ωcmであることが更に好ましい。また、膜厚はそれぞれ、0.01〜1000μmであること好ましく、0.1〜500μmであることがより好ましく、0.5〜100μmであることが更に好ましい。
【0152】
抵抗層及び保護層における結着樹脂としては、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、メトキシメチル化ナイロン、エトキシメチル化ナイロン、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリチオフェン樹脂、PFA、FEP、PET等のポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂等が用いられる。
【0153】
抵抗層及び保護層における導電性粒子又は半導電性粒子としては、弾性層と同様のカーボンブラック、金属、金属酸化物等が用いられる。また必要に応じてヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等の酸化防止剤、クレー、カオリン等の充填剤や、シリコーンオイル等の潤滑剤を添加することができる。これらの層を形成する手段としてはブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等を用いることができる。
【0154】
これらの導電性部材を用いて感光体を帯電させる際に、導電性部材に印加する電圧は、直流電圧又は直流電圧に交流電圧を重畳したものであることが好ましい。また、印加する電圧の範囲は、直流電圧の場合には要求される感光体帯電電位に応じて正又は負の50〜2,000Vが好ましく、100〜1,500Vがより好ましい。交流電圧を重畳する場合には、ピーク間電圧が400〜1,800Vであることが好ましく、800〜1,600Vであることがより好ましく、1,200〜1,600Vであることが更に好ましい。また、交流電圧の周波数は、好ましくは50〜20,000Hz、より好ましくは100〜5,000Hzである。
【0155】
本発明の画像形成装置で用いられる現像剤は、一成分系、二成分系のいずれであってもよく、また、正規現像剤、反転現像剤のいずれであってもよい。
【0156】
また、本発明の画像形成装置は、電子写真感光体上のトナー像を被転写媒体に直接転写するものであってもよく、電子写真感光体上のトナー像を中間転写体に転写した後、さらに被転写媒体に転写する中間転写方式のものであってもよい。なお、中間転写体としては、図1に示した画像形成装置10では中間転写体としてベルト形状の中間転写ベルト24を用いているが、ドラム形状等の中間転写体を用いてもよい。
【0157】
更に、図1に示した画像形成装置10は、電子写真感光体12を少なくとも含んで構成されるプロセスカートリッジを備えるものであってもよい。かかるプロセスカートリッジを用いることによって、メンテナンスをより簡便に行うことができる。
【0158】
また、本発明の画像形成装置は、図1に示したものの他、白黒画像用の画像形成装置やタンデム式のカラー画像形成装置としてもよい。次に、タンデム式のカラー画像形成装置について説明する。なお、「タンデム式画像形成装置」とは、以下の画像形成ユニットを2以上有する画像形成装置をという。
【0159】
図7は、本発明の画像形成装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。図4に示す画像形成装置200は、帯電装置402a〜402dが接触帯電装置であり、転写装置が中間転写方式を採用する構成を有しており、且つ、帯電装置402a〜402d、露光装置403、及び現像装置404a〜404dを少なくとも備える画像形成ユニットを2以上有するタンデム式画像形成装置である。
【0160】
より具体的には、このタンデム式画像形成装置200は、ハウジング400内において4つの電子写真感光体401a〜401d(例えば、電子写真感光体401aがイエロー、電子写真感光体401bがマゼンタ、電子写真感光体401cがシアン、電子写真感光体401dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成可能である)が中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。また、この画像形成装置200には、さらに、クリーニング手段415a〜415dが備わっている。
【0161】
ここで、画像形成装置200に搭載されている電子写真感光体401a〜401dは、それぞれ先に述べた本発明の電子写真感光体の構成を有するものである。
【0162】
電子写真感光体401a〜401dのそれぞれは所定の方向(紙面上は反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール402a〜402d(電子写真感光体を帯電させる接触帯電装置)、現像装置404a〜404d(露光装置により形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置)、1次転写ロール410a〜410d{現像装置により形成されたトナー像を後述の中間転写ベルト409(中間転写体)に1次転写するための転写装置}、クリーニングブレード415a〜415d(クリーニング手段)が配置されている。現像装置404a〜404dのそれぞれにはトナーカートリッジ405a〜405dに収容されたブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーが供給可能であり、また、1次転写ロール410a〜410dはそれぞれ中間転写ベルト409(1次転写像を被転写媒体500に転写する中間転写体)を介して電子写真感光体401a〜401dに当接している。
【0163】
更に、ハウジング400内の所定の位置にはレーザ光源となる露光装置403(帯電装置により帯電される電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光装置)が配置されており、レーザ光源403から出射されたレーザ光を帯電後の電子写真感光体401a〜401dの表面に照射することが可能となっている。なお、この露光装置403は図1及び図4〜6を用いて説明した露光装置16と同様の構成を有するものである。
【0164】
これにより、電子写真感光体401a〜401dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト409上に重ねて転写される。
【0165】
上記帯電装置(帯電用部材)402a〜402dは、ローラ状の接触帯電部材を備えるもので、感光体401a〜401dの表面に接触するように配置され、感光体に電圧を均一に印加し、感光体表面を所定の電位に帯電させるものである。帯電装置にはアルミニウム、鉄、銅等の金属、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子材料、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、フッソゴム、スチレンーブタジエンゴム、ブタジエンゴム等のエラストマー材料にカーボンブラック、沃化銅、沃化銀、硫化亜鉛、炭化ケイ素、金属酸化物等の金属酸化物微粒子を分散したもの等を用いることができる。
【0166】
この金属酸化物の例としてはZnO、SnO、TiO、In、MoO等、あるいはこれらの複合酸化物が挙げられる。また、帯電装置402a〜402dにはエラストマー材料中に過塩素酸塩を含有させて導電性を付与したものを使用しても良い。
【0167】
更に、帯電装置402a〜402dにはその表面に被覆層を設けてもよい。被覆層を形成する材料としては、N−アルコキシメチル化ナイロン、セルロース樹脂、ビニルピリジン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、メラミン等が単独、あるいは併用して用いられる。また、エマルジョン樹脂系材料、たとえば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリエステル樹脂エマルジョン、ポリウレタン、特にソープフリーのエマルジョン重合により合成されたエマルジョン樹脂を用いることも出来る。
【0168】
これらの樹脂にはさらに抵抗率を調整するために、導電剤粒子を分散してもよいし、劣化を防止するために酸化防止剤を含有させることもできる。また、被覆層を形成する時の成膜性を向上させるために、エマルジョン樹脂にレベリング剤または界面活性剤を含有させることもできる。また、この接触帯電用部材の形状としては、ローラ状、ブレード状、ベルト状、ブラシ状等が挙げられる。
【0169】
更に、帯電装置402a〜402dの電気抵抗値は、好ましくは10〜1014Ωcm、さらに好ましくは10〜1012Ωcmの範囲が良い。また、この接触帯電用部材への印加電圧は、直流、交流いずれも用いることができる。又、直流+交流の形(直流電圧と交流電圧とを重畳したもの)で印加することもできる。
【0170】
また、転写装置410a〜410dとしては、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等、が挙げられる。
【0171】
また、上記現像装置404a〜404dとしては、一成分系、二成分系等の正規または反転現像剤を用いた従来公知の現像装置等を用いることができる。このような現像剤のうち画質の向上という理由から、二成分現像剤を用いる二成分現像方式を用いて行うことが好ましい。この場合、静電潜像の可視化のために用いる現像剤は、トナーとキャリアとで構成される。また、使用されるトナーの形状は特に制限されず、例えば粉砕法による不定形トナーや重合法による球形トナーが好適に使用される。
【0172】
また、上記クリーニング手段415a〜415dは、転写工程後の電子写真感光体401a〜401dの表面に付着する残存トナーを除去するためのもので、これにより清浄面化された電子写真感光体401a〜401dは上記の画像形成プロセスに繰り返し供される。クリーニング手段415a〜415dとしては、クリーニングブレード、ブラシクリーニング、ロールクリーニング等を用いることができるが、これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
【0173】
また、上記中間転写ベルト409は以下の手順で製造することができる。すなわち、略等モルのテトラカルボン酸二無水物或いはその誘導体とジアミンとを所定の溶媒中で重合反応させてポリアミド酸溶液を得る。このポリアミド酸溶液を円筒状金型に供給・展開して膜(層)形成を行った後、さらにイミド転化を行うことによって、ポリイミド樹脂からなる中間転写ベルト409を得ることができる。
【0174】
かかるテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等が例示される。
【0175】
また、ジアミンの具体例としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ベンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロボキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ピペラジン、HN(CHO(CHO(CH)NH、HN(CHS(CHNH、HN(CHN(CH(CHNH等が挙げられる。
【0176】
テトラカルボン酸二無水物とジアミンを重合反応させる際の溶媒としては、溶解性等の点から極性溶媒が好ましい。極性溶媒としては、N,N−ジアルキルアミド類が好ましく、中でもN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等の低分子量のものがより好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0177】
また、中間転写ベルト409の膜抵抗を調整するために、ポリイミド樹脂中にカーボンを分散してもよい。カーボンの種類は特に限定されないが、カーボンブラックの酸化処理によりその表面に酸素含有官能基(カルボキシル基、キノン基、ラクトン基、水酸基等)が形成された酸化処理カーボンブラックを用いることが好ましい。ポリイミド樹脂中に酸化処理カーボンブラックを分散すると、電圧を印可したときに酸化処理カーボンブラックに過剰な電流が流れるため、ポリイミド樹脂が繰返しの電圧印加による酸化の影響を受けにくくなる。また、酸化処理カーボンブラックはその表面に形成された酸素含有官能基によりポリイミド樹脂中への分散性が高いので、抵抗バラツキを小さくすることができると共に電界依存性も小さくなり、転写電圧による電界集中が起こりにくくなる。従って、転写電圧による抵抗低下を防止し、電気抵抗の均一性を改善し、電界依存性が少なく、さらに環境による抵抗の変化の少ない、用紙走行部が白く抜けること等の画質欠陥の発生が抑制された高画質を得ることができる中間転写ベルトを得ることができる。
【0178】
酸化処理カーボンブラックは、カーボンブラックを高温雰囲気下で空気と接触、反応させる空気酸化法、常温下で窒素酸化物やオゾン等と反応させる方法、高温下での空気酸化後、低温下でオゾン酸化する方法等により得ることができる。
【0179】
また、酸化処理カーボンとしては、三菱化学製のMA100(pH3.5、揮発分1.5%)、同,MA100R(pH3.5、揮発分1.5%)、同MA100S(pH3.5、揮発分1.5%)、同#970(pH3.5、揮発分3.0%)、同MA11(pH3.5、揮発分2.0%)、同#1000(pH3.5、揮発分3.0%)、同#2200(pH3.5,揮発分3.5%)、同MA230(pH3.0、揮発分1.5%)、同MA220(pH3.0、揮発分1.0%)、同#2650(pH3.0、揮発分8.0%)、同MA7(pH3.0、揮発分3.0%)、同MA8(pH3.0、揮発分3.0%)、同OIL7B(pH3.0、揮発分6.0%)、同MA77(pH2.5、揮発分3.0%)、同#2350(pH2.5、揮発分7.5%)、同#2700(pH2.5、揮発分10.0%)、同#2400(pH2.5、揮発分9.0%);デグサ社製のプリンテックス150T(pH4.5、揮発分10.0%)、同スペシャルブラック350(pH3.5、揮発分2.2%)、同スペシャルブラック100(pH3.3、揮発分2.2%)、同スペシャルブラック250(pH3.1、揮発分2.0%)、同スペシャルブラック5(pH3.0、揮発分15.0%)、同スペシャルブラック4(pH3.0、揮発分14.0%)、同スペシャルブラック4A(pH3.0、揮発分14.0%)、同スペシャルブラック550(pH2.8、揮発分2.5%)、同スペシャルブラック6(pH2.5、揮発分18.0%)、同カラーブラックFW200(pH2.5、揮発分20.0%)、同カラーブラックFW2(pH2.5、揮発分16.5%)、同カラーブラックFW2V(pH2.5、揮発分16.5%);キャボット社製MONARCH1000(pH2.5、揮発分9.5%)、同MONARCH1300(pH2.5、揮発分9.5%)、同MONARCH1400(pH2.5、揮発分9.0%)、同MOGUL−L(pH2.5、揮発分5.0%)、同REGAL400R(pH4.0、揮発分3.5%)、等の市販品を用いてもよい。また、このような酸化処理カーボンとしては、pH4.5以下であり、揮発分1.0%以上であるものが好ましい。
【0180】
上記の酸化処理カーボンは、例えば酸化処理の度合い、DBP吸油量、窒素吸着を利用したBET法による比表面積等の物性の相違により導電性が異なるがこれらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよいが、実質的に導電性の異なるものを2種以上組み合わせて用いることが好ましい。このように物性の異なる2種類以上のカーボンブラックを添加する場合、例えば高い導電性を発現するカーボンブラックを優先的に添加した後、導電率の低いカーボンブラックを添加して表面抵抗率を調整すること等が可能である。
【0181】
これら酸化処理カーボンブラックの含有量は、ポリイミド樹脂に対して10〜50質量%が好ましく、より好ましくは12〜30質量%である。当該含有量が10質量%未満であると、電気抵抗の均一性が低下し、耐久使用時の表面抵抗率の低下が大きくなる場合があり、一方、50質量%を超えると、所望の抵抗値が得られにくく、また、成型物として脆くなるため好ましくない。
【0182】
2種類以上の酸化処理カーボンブラックを分散させたポリアミド酸溶液の製造方法としては、溶媒中に2種類以上の酸化処理カーボンブラックを予め分散した分散液中に上記酸二無水物成分及びジアミン成分を溶解・重合する方法、2種類以上の酸化処理カーボンブラックを各々溶媒中に分散させ2種類以上のカーボンブラック分散液を作製し、この分散液に酸無水物成分及びジアミン成分を溶解・重合させた後、各々のポリアミド酸溶液を混合する方法、等が挙げられる。
【0183】
中間転写ベルト409は、このようにして得られたポリアミド酸溶液を円筒状金型内面に供給・展開して被膜とし、加熱によりポリアミド酸をイミド転化させることにより得られる。かかるイミド転化の際には、所定の温度で0.5時間以上保持することによって、良好な平面度を有する中間転写ベルトを得ることができる。
【0184】
ポリアミド酸溶液を円筒状金型内面に供給する際の供給方法としては、ディスペンサーによる方法、ダイスによる方法等が挙げられる。ここで、円筒上金型としては、その内周面が鏡面仕上げされたものを用いることが好ましい。
【0185】
また、金型に供給されたポリアミド酸溶液から被膜を形成する方法としては、加熱しながら遠心成形する方法、弾丸状走行体を用いて成形する方法、回転成形する方法等が挙げられ、これらの方法により均一な膜厚の被膜が形成される。
【0186】
このようにして形成された被膜をイミド転化させて中間転写ベルトを成形する方法としては、(i)金型ごと乾燥機中に入れ、イミド転化の反応温度まで昇温する方法、(ii)ベルトとして形状を保持できるまで溶媒の除去を行った後、金型内面から被膜を剥離して金属製シリンダ外面に差し替えた後、このシリンダごと加熱してイミド転化を行う方法等が挙げられる。本発明においては、得られる中間転写ベルトの表面のダイナミック硬度が上記の条件を満たせば上記(i)、(ii)のいずれの方法でイミド転化を行ってもよいが、方法(ii)によりイミド転化を行うと、平面度及び外表面精度が良好な中間転写体を効率よく且つ確実に得ることができるので好ましい。以下、方法(ii)について詳述する。
【0187】
方法(ii)において、溶媒を除去する際の加熱条件は、溶媒を除去できれば特に制限されないが、加熱温度は80〜200℃であることが好ましく、加熱時間は0.5〜5時間であることが好ましい。このようにしてベルトとしてそれ自身形状を保持することができるようになった成形物は金型内周面から剥離されるが、かかる剥離の際に金型内周面に離型処理を施してもよい。
【0188】
次いで、ベルト形状として保持できるまで加熱・硬化させた成形物を、金属製シリンダ外面に差し替え、差し替えたシリンダごと加熱することにより、ポリアミド酸のイミド転化反応を進行させる。かかる金属製シリンダとしては、線膨張係数がポリイミド樹脂よりも大きいものが好ましく、また、シリンダの外径をポリイミド成形物の内径より所定量小さくすることで、ヒートセットを行うことができ均一な膜厚でムラのない無端ベルトを得ることができる。また、金属製シリンダ外面の表面粗度(Ra)は、1.2〜2.0μmであることが好ましい。金属製シリンダ外面の表面粗度(Ra)が1.2μm未満であると、金属製シリンダ自身が平滑過ぎるため、得られる中間転写ベルトにおいてベルトの軸方向に対する収縮による滑りが発生しないため、延伸がこの工程で行われ、膜厚のバラツキや平面度の精度の低下が発生する傾向にある。また、金属製シリンダ外面の表面粗度(Ra)が2.0μmを超えると、金属製シリンダ外面がベルト状中間転写体の内面に転写し、さらには外面に凹凸を発生させ、これにより画像不良が発生しやすくなる傾向にある。なお、本実施形態でいう表面粗度とはJIS B601に準じて測定されるRaをいう。
【0189】
また、イミド転化の際の加熱条件としては、ポリイミド樹脂の組成にもよるが、加熱温度が220〜280℃、加熱時間0.5〜2時間であることが好ましい。このような加熱条件でイミド転化を行うと、ポリイミド樹脂の収縮量がより大きくなるため、ベルトの軸方向についての収縮を緩やかに行うことにより、膜厚バラツキや平面度の精度の低下を防ぐことができる。
【0190】
このようにして得られたポリイミド樹脂からなる中間転写ベルトの外面の表面粗度(Ra)は、1.5μm以下であることが好ましい。中間転写体の表面粗度(Ra)が1.5μmを超えるとがさつき等の画像欠陥が発生しやすくなる傾向にある。なお、がさつきの発生は、転写の際に印加される電圧や剥離放電による電界がベルト表面の凸部に局所的に集中して凸部表面が変質することによって、新たな導電経路の発現により抵抗が低下し、その結果得られる画像の濃度低下が起こることに起因すると本発明者らは推察する。
【0191】
このようにして得られる中間転写ベルト409はシームレスベルトであることが好ましい。このシームレスベルトの場合、中間転写ベルト409の厚さはその使用目的に応じて適宜決定しうるが、強度や柔軟性等の機械的特性の点から、20〜500μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。また、中間転写ベルト409の表面抵抗は、その表面抵抗率(Ω/□)の常用対数値が8〜15(logΩ/□)であることが好ましく、11〜13(logΩ/□)であることがより好ましい。なお、ここでいう表面抵抗率とは、22℃、55%RH環境下で100Vの電圧を印加し、電圧印可開始時から10秒後に測定される電流値に基づいて得られる値をいう。ここで、「表面抵抗[Ω/□]」とは、「薄膜ハンドブック(オーム社刊)」p.896に記載の「表面抵抗」と同義であり、面状の抵抗体を正方形に切り出して対向する2辺間の抵抗で表わしたものを示す。この表面抵抗は、抵抗分布が一様ならば正方形の寸法に無関係である。
【0192】
中間転写ベルト409は駆動ロール406、バックアップロール408及びテンションロール407により所定の張力をもって指示されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介してバックアップロール408と当接するように配置されている。バックアップロール408と2次転写ロール413との間を通った中間転写ベルト409はクリーニングブレード416により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。
【0193】
また、ハウジング400内の所定の位置にはトレイ(被転写媒体トレイ)411が設けられており、トレイ411内の紙等の被転写媒体500が移送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413との間、さらには相互に当接する2個の定着ロール414の間に順次移送された後、ハウジング400の外部に排紙される。
【0194】
このように電子写真感光体401a〜401dの回転工程において、帯電、露光、現像、転写、クリーニングの各工程を順次行うことによって画像形成が繰り返し行われる。ここで、電子写真感光体401a〜401dは、上述した電子写真感光体1であり、リーク防止性と電気特性との双方が充分に高水準で達成されたものであるため、接触帯電装置402a〜402dと共に用いた場合であってもかぶり等の画質欠陥を生じることなく良好な画像品質を得ることが可能となる。従って、本実施形態により、長期にわたり繰り返し使用される場合であっても、感光体におけるピンホールリークの発生が充分に防止され、画像品質の優れたカラー画像を高速で形成できる画像形成装置200が実現される。
【0195】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図7に示した装置は、電子写真感光体401a〜401dと接触帯電装置402a〜402dとを含んで構成されるプロセスカートリッジを備えるものであってもよい。かかるプロセスカートリッジを用いることによって、メンテナンスをより簡便に行うことができる。
【0196】
また、本発明の画像形成装置はイレース光照射装置等の除電装置をさらに備えていてもよい。これにより、電子写真感光体が繰り返し使用される場合に、電子写真感光体の残留電位が次のサイクルに持ち込まれる現象が防止されるので、画像品質をより高めることができる。
【0197】
(プロセスカートリッジ)
次に、本発明のプロセスカートリッジについて説明する。図8は、本発明のプロセスカートリッジの好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。プロセスカートリッジ300は、電子写真感光体307とともに、帯電装置308、現像装置311、中間転写体320(中間転写装置)、クリーニング装置313、露光のための開口部318、及び、除電露光のための開口部317を取り付けレール316を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。また、プロセスカートリッジ300は、転写装置312の転写方式が、トナー像を中間転写体320を介して被転写媒体500に転写する中間転写方式を採用する構成を有している。なお、電子写真感光体307は、上述した本発明にかかる電子写真感光体の構成を有するものである。
【0198】
そして、このプロセスカートリッジ300は、転写装置312と、定着装置315と、図示しない他の構成部分とからなる画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。
【0199】
なお、本発明のプロセスカートリッジにおいて、帯電装置308(帯電用部材)は、帯電ロール、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電チューブ等による接触帯電方式を採用することができる。接触帯電方式は、感光体表面に接触させた導電性部材に電圧を印加することにより感光体表面を帯電させるものである。導電性部材の形状はブラシ状、ブレード状、ピン電極状、或いはローラ状等何れでもよいが、特にローラ状部材が好ましい。通常、ローラ状部材は外側から抵抗層とそれらを支持する弾性層と芯材から構成される。更に必要に応じて抵抗層の外側に保護層を設けることができる。
【0200】
上述した本発明のプロセスカートリッジに使用される現像装置311について具体的に説明すると、現像装置311としては、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用い接触或いは非接触させて現像する公知の現像器等が挙げられる。また、トナーとしては、機械的な粉砕方や化学重合で作られる。トナーの形状としては不定形なものから球形のものが挙げられる。
【0201】
上述した本発明のプロセスカートリッジに使用される中間転写装置320について具体的に説明すると、中間転写装置320としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。これらの中でも、転写帯電補償能力に優れる点で接触型転写帯電器が好ましい。なお、本発明においては、上記転写帯電器の他、剥離帯電器等を併用することもできる。
【0202】
上述した本発明のプロセスカートリッジに使用されるクリーニング装置313について具体的に説明すると、クリーニング装置313としては、特に制限はなく、それ自体公知のクリーニング装置等を用いればよい。例えば、ウレタン製のブレードやクリーニングブラシ等が挙げられる。
【0203】
上述した本発明のプロセスカートリッジに使用される除電装置(光除電装置)について具体的に説明すると、光除電装置としては、例えば、タングステンランプ、LED等が挙げられ、該光除電プロセスに用いる光質としては、例えば、タングステンランプ等の白色光、LED光等の赤色光等が挙げられる。該光除電プロセスにおける照射光強度としては、通常、電子写真感光体の半減露光感度を示す光量の数倍乃至30倍程度になるよう出力設定される。本実施形態においては、開口部317からこのような光除電装置からの光を取り込み、感光体を除電する。
【0204】
このような本発明のプロセスカートリッジは、先に述べた面発光レーザアレイを有する露光装置が搭載された画像形成装置に装着されるものであり、上記電子写真感光体を搭載していることにより、電子写真感光体特性の環境変動を低減し、筋状の濃度ムラや黒点の発生を十分に抑制することができ、形成する画像の高画質化及び画像形成速度の高速化を達成することができる。
【0205】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0206】
[実施例1]
酸化亜鉛(平均粒径70nm、テイカ社製試作品)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、これにシランカップリング剤(KBM603、信越化学社製)1.5質量部を添加して2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、150℃で2時間焼き付けを行った。ここで、得られた表面処理後の酸化亜鉛の比抵抗は、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10Ω・cmであった。この表面処理後の酸化亜鉛60質量部と、硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)15質量部と、ブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)15質量部とを、メチルエチルケトン85質量部に溶解させて混合液を得た。この混合液38質量部とメチルエチルケトン25質量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散処理を行うことで分散液を得た。得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部と、光散乱付与のため、平均粒径4.5μmのシリコーン樹脂ボール(トスパール145、GE東芝シリコーン社製)3.5質量部とを添加して攪拌し、中間層形成用塗布液を得た。得られた塗布液を外径84mm、長さ340mm、肉厚1mmのアルミニウム支持体上に浸漬塗布し、160℃で100分間の乾燥硬化を行い、膜厚20μmの中間層を形成した。ここで、中間層の比抵抗は、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに1010Ω・cmであった。
【0207】
次に、電荷発生材料としてヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10質量部及びn−ブチルアルコール300質量部からなる混合物をサンドミルにて4時間分散処理し、電荷発生層形成用塗布液を得た。得られた塗布液を、上記中間層上に浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥させて、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0208】
次に、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン40質量部と、ビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量40,000)60質量部とを、テトロヒドロフラン280質量部及びトルエン120質量部に十分に溶解混合して、電荷輸送層形成用塗布液を得た。得られた塗布液を上記電荷発生層の上に浸漬塗布し、120℃で30分間乾燥させて、膜厚30μmの電荷輸送層を形成し、目的の電子写真感光体を得た。
【0209】
(画像形成装置の作製)
得られた電子写真感光体を用いて、帯電装置が接触帯電装置であり、転写方式が中間転写方式であるタンデム式画像形成装置を作製した。なお、画像形成装置の構成は、露光装置部分を以下の構成に改造した以外はカラータンデム複写機DocuCentre Color 400(富士ゼロックス社製)と同様の構成とした。すなわち、露光装置に、面発光レーザアレイ(発光点が6×6の二次元に配列、レーザビーム数が32本)を備え、その走査線数を2400dpiに改造した。
【0210】
ここで、面発光レーザアレイの発光点(6×6の二次元に配列)に対して、レーザビーム数が36本ではなく32本であるのは、6×6マトリックスは36個の素子を配列しているが、実際に使用する場合にはコンピュータでの制御条件の制約[2のn乗(この場合は2)]による。そのため、36本ではなく、32本を使用している。
【0211】
[実施例2]
以下の手順により作製した電荷輸送層形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2のタンデム式画像形成装置を作製した。
【0212】
すなわち、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン40質量部と、ビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量40,000)60質量部とを、テトロヒドロフラン280質量部及びトルエン120質量部に十分に溶解混合した後、平均一次粒径0.5μmの4フッ化エチレン樹脂粒子10質量部を加えて更に混合した。その後、ガラスビーズを用いたサンドグラインダーにより5時間分散処理を行い、4フッ化エチレン樹脂粒子が分散した電荷輸送層形成用塗布液を作製した。
【0213】
[比較例1]
以下の手順により中間層を形成した以外は実施例1と同様にして、比較例1のタンデム式画像形成装置を作製した。
【0214】
すなわち、共重合ナイロン樹脂(アミランCM8000、東レ社製)10質量部を、メタノール70質量部とn−ブタノール20質量部の混合液に溶解して中間層形成用塗布液を得た。得られた塗布液を、ホーニング処理により外周面が粗面化された、外径84mm、長さ340mm、肉厚1mmのアルミニウム支持体上に浸漬塗布し、室温で5分間風乾を行った後、処理後の支持体を熱風乾燥機に入れて、100℃で15分間乾燥を行い、膜厚1μmの中間層を形成した。ここで、中間層の比抵抗は、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに1010Ω・cmであった。
【0215】
[比較例2]
以下の手順により作製した導電層形成用塗布液を用いて、中間層の代わりに導電層を形成した以外は実施例1と同様にして、比較例2のタンデム式画像形成装置を作製した。
【0216】
すなわち、アンチモンをドープした酸化錫により導電処理された酸化チタン(EC100、チタン工業社製)60質量部と、硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)15質量部と、ブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)15質量部とを、メチルエチルケトン85質量部に溶解させて混合液を得た。なお、アンチモンをドープした酸化錫により導電処理された酸化チタンの比抵抗は、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10Ω・cmであった。この混合液38質量部とメチルエチルケトン25質量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散処理を行うことで分散液を得た。得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部と、光散乱付与のため、平均粒径4.5μmのシリコーン樹脂ボール(トスパール145、GE東芝シリコーン社製)3.5質量部とを添加して攪拌し、導電層形成用塗布液を得た。
【0217】
また、この導電層形成用塗布液を用いて形成した導電層の比抵抗は、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10Ω・cmであった。
【0218】
[比較例3]
以下の手順により導電層と電荷発生層との間に下引層を形成した以外は比較例2と同様にして、比較例3のタンデム式画像形成装置を作製した。
【0219】
すなわち、共重合ナイロン樹脂(アミランCM8000、東レ社製)10質量部を、メタノール70質量部とn−ブタノール20質量部の混合液に溶解した溶液を、上記中間層上に浸漬塗布し、100℃で15分間乾燥して、膜厚0.5μmの下引層を形成した。
【0220】
<画像形成装置の性能評価試験>
実施例1、2及び比較例1〜3の画像形成装置について、それぞれの性能を以下のように評価した。
【0221】
各画像形成装置を用いて、28℃、85%RHでプリント試験を行い、形成した画像における濃度ムラ及び黒点の発生の有無を調べた。得られた結果を表1に示す。表1中、濃度ムラに関して、○は筋状濃度ムラの発生がないか軽微なもの、×は筋状濃度ムラの発生が顕著なもの、△は筋状濃度ムラの発生状態が○と×との中間程度であるもの、をそれぞれ意味する。また、同表中、黒点の発生状態について、○は黒点の発生がないか軽微なもの、×は黒点の発生が顕著なもの、△は黒点の発生状態が○と×との中間程度であるもの、をそれぞれ意味する。
【0222】
また、各画像形成装置を用いた電子写真プロセスにおいて、各画像形成装置の帯電後の表面電位(VH)及び露光後の表面電位(VL)制御の自動制御を解除し、常温常湿(20℃、55%RH)で帯電後の電子写真感光体の表面電位(VH)が700V、露光後の電子写真感光体の表面電位(VL)が300Vとなるような帯電条件、露光条件を用いて、高温高湿(28℃、85%RH)及び低温低湿(10℃、15%RH)でのVLの値をそれぞれ測定した。その結果を表1に示す。なお、高温高湿時のVLの値と低温低湿時のVLの値との差が小さいほど、環境による電位変動が小さく、電子写真感光体特性の環境変動が低減されていることを意味している。
【0223】
上述の各測定結果を表1に示す。
【表1】
Figure 2005010662
【0224】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、レーザビームの本数を数多くできる面発光レーザアレイを用いた場合であっても、電子写真感光体特性の環境変動を低減し、且つ、筋状の濃度ムラや黒点の発生を十分に抑制することができ、形成する画像の高画質化、画像形成速度の高速化及び装置の小型化が容易に実現可能な画像形成装置及びプロセスカートリジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の好適な一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の画像形成装置に搭載される電子写真感光体の一例を示す模式断面図である。
【図3】本発明の画像形成装置に搭載される電子写真感光体の一例を示す模式断面図である。
【図4】本発明にかかる露光装置の一例を示す概略構成図である。
【図5】発光点が2次元的に配列されたレーザアレイを示す平面図である。
【図6】本発明にかかる制御装置の一例を示す概略構成図である。
【図7】本発明の画像形成装置の他の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。
【図8】本発明のプロセスカートリッジの好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
1…導電性支持体、2…電荷発生層、3…電荷輸送層、4…感光層、5…中間層、6…保護層、8…微粒子、10…画像形成装置、12…電子写真感光体、14…帯電器、16…露光装置、18…現像装置、24…中間転写ベルト、32、42…転写器、44…定着器、50…面発光レーザアレイ、51…発光点、52…コリメートレンズ、54…ハーフミラー、56…レンズ、58…光量センサ、60…アパーチャ、62…シリンダレンズ、64…折り返しミラー、66…回転多面鏡、68、70…Fθレンズ、72、74…シリンダミラー、76…ピックアップミラー、78…ビーム位置検出センサ、80…制御部、82…記憶部、84…変調信号生成手段、88…駆動量制御手段、90…光量設定部、92…レベル変更手段、200…画像形成装置、300…プロセスカートリッジ、307…電子写真感光体、308…帯電装置、311…現像装置、312…中間転写装置、313…クリーニング装置、315…定着装置、316…取り付けレール、317…除電露光のための開口部、318…露光のための開口部、400…ハウジング、401a〜401d…電子写真感光体、402a〜402d…帯電装置、403…露光装置、404a〜404d…現像装置、405a〜405d…トナーカートリッジ、406…駆動ロール、407…テンションロール、408…バックアップロール、409…中間転写ベルト、410a〜410d…1次転写ロール、411…トレイ(被転写体トレイ)、412…移送ロール、413…2次転写ロール、414…定着ロール、416…クリーニングブレード、500…被転写媒体。

Claims (26)

  1. 導電性支持体、該支持体の上方に配置される中間層及び該中間層の上方に配置される感光層を少なくとも有する電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、
    前記帯電装置により帯電される前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、
    前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像装置と、
    前記トナー像を前記電子写真感光体から被転写媒体に転写する転写装置と、
    を備える画像形成装置であって、
    前記露光装置は、面発光レーザアレイを露光光源として備え、8本以上のレーザビームを前記電子写真感光体上に走査させて前記静電潜像を形成させるマルチビーム方式の露光装置であり、
    前記中間層は、金属酸化物微粒子を含有しており、且つ、
    前記中間層の比抵抗が、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1013Ω・cmとなるように、前記金属酸化物微粒子の含有量及び分散状態が調節されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 導電性支持体、該支持体の上方に配置される中間層及び該中間層の上方に配置される感光層を少なくとも有する電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、
    前記帯電装置により帯電される前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、
    前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像装置と、
    前記トナー像を前記電子写真感光体から被転写媒体に転写する転写装置と、
    を備える画像形成装置であって、
    前記露光装置は、面発光レーザアレイを露光光源として備え、8本以上のレーザビームを前記電子写真感光体上に走査させて前記静電潜像を形成させるマルチビーム方式の露光装置であり、
    前記中間層は、金属酸化物微粒子に表面処理を施した表面処理金属酸化物微粒子を含有しており、且つ、
    前記中間層の比抵抗が、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1013Ω・cmとなるように、前記表面処理金属酸化物微粒子の含有量及び分散状態が調節されていることを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記中間層は、金属酸化物微粒子を更に含有しており、且つ、
    前記中間層の比抵抗が、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1013Ω・cmとなるように、前記金属酸化物微粒子及び前記表面処理金属酸化物微粒子の含有量及び分散状態が調節されていることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記面発光レーザアレイは、主走査方向に3行以上、副走査方向に3列以上のレーザビーム発生源が2次元的に配置された構造を有するものであることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記金属酸化物微粒子の比抵抗は、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1012Ω・cmであることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記表面処理金属酸化物微粒子の比抵抗は、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1012Ω・cmであることを特徴とする請求項2〜5のうちのいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記金属酸化物微粒子は、酸化チタン及び/又は酸化亜鉛であることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記表面処理金属酸化物微粒子は、前記金属酸化物微粒子がシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤及びアルミネート系カップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種のカップリング剤で被覆処理されたものであることを特徴とする請求項2〜7のうちのいずれか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記表面処理金属酸化物微粒子は、前記金属酸化物微粒子をシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤及びアルミネート系カップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種のカップリング剤と所定の溶媒とを含む処理液で被覆された後、更に熱処理されたものであることを特徴とする請求項2〜7のうちのいずれか一項に記載の画像形成装置。
  10. 前記カップリング剤は、アミノ基を有する化合物であることを特徴とする請求項8又は9記載の画像形成装置。
  11. 前記電子写真感光体は、前記導電性支持体と、前記中間層と、前記感光層とが、この順に順次積層されてなるものであることを特徴とする請求項1〜10のうちのいずれか一項に記載の画像形成装置。
  12. 前記帯電装置は、前記電子写真感光体に接触して該電子写真感光体を帯電させる接触帯電装置であることを特徴とする請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の画像形成装置。
  13. 前記転写装置は、前記電子写真感光体表面上の前記トナー像を中間転写体を介して前記被転写媒体に転写する中間転写方式を採用する構成を有していることを特徴とする請求項1〜12のうちのいずれか一項に記載の画像形成装置。
  14. 電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置、クリーニング装置、静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像装置及び前記トナー像を前記電子写真感光体から被転写媒体に転写する転写装置転写装置からなる群より選択される少なくとも1つの装置を備え、
    帯電した前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成させる露光装置を有する画像形成装置に着脱可能にセットされるプロセスカートリッジであって、
    前記露光装置は、面発光レーザアレイを有し、8本以上の光ビームを前記電子写真感光体上に走査させて前記静電潜像を形成させるマルチビーム方式の露光装置であり、
    前記電子写真感光体は、導電性支持体、該支持体の上方に配置される中間層及び該中間層の上方に配置される感光層を少なくとも有し、
    前記中間層は、金属酸化物微粒子を含有しており、且つ、
    前記中間層の比抵抗が、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1013Ω・cmとなるように、前記金属酸化物微粒子の含有量及び分散状態が調節されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  15. 電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置、クリーニング装置、静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像装置及び前記トナー像を前記電子写真感光体から被転写媒体に転写する転写装置転写装置からなる群より選択される少なくとも1つの装置を備え、
    帯電した前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成させる露光装置を有する画像形成装置に着脱可能にセットされるプロセスカートリッジであって、
    前記露光装置は、面発光レーザアレイを有し、8本以上の光ビームを前記電子写真感光体上に走査させて前記静電潜像を形成させるマルチビーム方式の露光装置であり、
    前記電子写真感光体は、導電性支持体、該支持体の上方に配置される中間層及び該中間層の上方に配置される感光層を少なくとも有し、
    前記中間層は、金属酸化物微粒子を含有しており、且つ、
    前記中間層の比抵抗が、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1013Ω・cmとなるように、前記表面処理金属酸化物微粒子の含有量及び分散状態が調節されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  16. 前記中間層は、金属酸化物微粒子を更に含有しており、且つ、
    前記中間層の比抵抗が、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1013Ω・cmとなるように、前記金属酸化物微粒子及び前記表面処理金属酸化物微粒子の含有量及び分散状態が調節されていることを特徴とする請求項15記載のプロセスカートリッジ。
  17. 前記面発光レーザアレイは、主走査方向に3行以上、副走査方向に3列以上のレーザビーム発生源が2次元的に配置された構造を有するものであることを特徴とする請求項14〜16のうちのいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  18. 前記金属酸化物微粒子の比抵抗は、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1012Ω・cmであることを特徴とする請求項14〜17のうちのいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  19. 前記表面処理金属酸化物微粒子の比抵抗は、28℃、85%RHで10V/mの電場を印加したときに10〜1012Ω・cmであることを特徴とする請求項15〜18のうちのいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  20. 前記金属酸化物微粒子は、酸化チタン及び/又は酸化亜鉛であることを特徴とする請求項14〜19のうちのいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  21. 前記表面処理金属酸化物微粒子は、前記金属酸化物微粒子がシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤及びアルミネート系カップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種のカップリング剤で被覆処理されたものであることを特徴とする請求項15〜20のうちのいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  22. 前記表面処理金属酸化物微粒子は、前記金属酸化物微粒子がシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤及びアルミネート系カップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種のカップリング剤と所定の溶媒とを含む処理液で被覆された後、更に熱処理されたものであることを特徴とする請求項15〜20のうちのいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  23. 前記カップリング剤は、アミノ基を有する化合物であることを特徴とする請求項21又は22記載のプロセスカートリッジ。
  24. 前記電子写真感光体は、前記導電性支持体と、前記中間層と、前記感光層とが、この順に順次積層されてなるものであることを特徴とする請求項14〜23のうちのいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  25. 前記帯電装置は、前記電子写真感光体に接触して該電子写真感光体を帯電させる接触帯電装置であることを特徴とする請求項14〜24のうちのいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  26. 前記転写装置は、前記電子写真感光体表面上の前記トナー像を中間転写体を介して前記被転写媒体に転写する中間転写方式を採用する構成を有していることを特徴とする請求項14〜25のうちのいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
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