JP2005010494A - 排気用ルーバーとそのルーバーを用いた映像投影装置 - Google Patents
排気用ルーバーとそのルーバーを用いた映像投影装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005010494A JP2005010494A JP2003174913A JP2003174913A JP2005010494A JP 2005010494 A JP2005010494 A JP 2005010494A JP 2003174913 A JP2003174913 A JP 2003174913A JP 2003174913 A JP2003174913 A JP 2003174913A JP 2005010494 A JP2005010494 A JP 2005010494A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- exhaust
- fan
- axial fan
- louver
- opening
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Abstract
【課題】軸流ファンの排気効率を向上させる。ルーバー部で生じる風切り音を低減させることによって低騒音化する。・ランプからの漏れ光を低減させることで装置使用者の不快感を低減、コントラスト低下を防止する。
【解決手段】軸流ファンから送風される風は、回転軸方向への流れと遠心力による回転軸方向から離れる方向への流れが合成された流れとなる。そこで、ルーバー開口部を軸中心から遠心方向へ開口させることで排気効率を高め、更に低騒音を実現する。もしくは、軸中心から同心円状にルーバーを開口させることでも同等の効果を得ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】軸流ファンから送風される風は、回転軸方向への流れと遠心力による回転軸方向から離れる方向への流れが合成された流れとなる。そこで、ルーバー開口部を軸中心から遠心方向へ開口させることで排気効率を高め、更に低騒音を実現する。もしくは、軸中心から同心円状にルーバーを開口させることでも同等の効果を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源と照明光学系と色分離合成光学系と光変調素子と電気回路基板とが外装キャビネット内に配置されると共に、外装キャビネット内で発生する熱を軸流ファンによって外部に排気する機構を有する投射型映像装置であって、光源および光変調素子および偏光整流素子および回路基板および偏光変換素子および偏光分離素子の冷却において、高効率でかつ低騒音な冷却を実現するための冷却技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、映像投影装置においては、投影映像の高輝度化および装置の小型化が促進されている。そのため、映像の高輝度化に伴い、光源ランプ出力の増大、つまり光源ランプから発生する熱量が大きくなってきている。また、更に装置全体の小型化が進み、装置体積に対する熱密度は更に増大していることも、装置内部の冷却を難しいものとしている。そうした現状のなか、前記光源や光変調素子、偏光整流素子、回路基板、偏光変換素子および偏光分離素子などの発熱体に対し、装置外部へ熱を排出する手段として、発熱体近傍に開口を設け、冷却ファンによって温められた空気を外部へ排気して冷却を行う方法が一般的に広く用いられている。
【0003】
以下に、光源における冷却技術を例にとって従来技術を説明する。
【0004】
図16は、例えば特許文献1に示されているような従来の映像投影装置における光源の冷却構造を表し、さらに図15は排気用ルーバーが取り付けられた装置の側面図(図16の紙面右方向から見た図)を示す。図16において、101は光源、102は光源101から発せられた光を平行光に変換するリフレクタ、103は照明光学系および色分解合成光学系を含む光学系、104は投射光学系、105は装置外装キャビネット、106は光源および装置外装キャビネット内部を冷却するための軸流ファン、107は開口部と風向き変更壁からなる排気用ルーバーを表す。
【0005】
図15に示したように効率よい冷却を実現するため、光源近傍に排気口を設けることにより、光源ランプから発せられた光が排気口より漏れ光となり、使用者あるいは外部スクリーンを照らし、不快感を与えてしまう為、従来では特許文献2に示されているように、排気用ルーバー107は軸流ファン106の送風方向に対して、傾斜して配置された複数の風向き変更壁をある任意の風向き変更壁に対して装置外装側端とその隣の風向き変更壁の外部側端が紙面上下方向に重なるように配列することで、光源ランプからランプ背後に漏れる光が装置外部に漏れ出ることを防ぎ、更に排気用ルーバーの奥行き方向に深くすることでも、漏れ光や装置内部への物や手等の進入を防ぐ対策をとっている。
【0006】
また、光源101を冷却した空気は、高温となり軸流ファン106により装置外部に直接排気される。そのため、従来では装置使用者に温風が使用者に当ることによる不快感を与えないために、排気方向および漏れ光方向を決定する風向き変更壁の向きを可変にし、使用者に不快感を与えない方向へ向ける、例えば装置下方向や使用者がいない方向へ排気方向および漏れ光方向を向けるなどの対策がとられている。
【0007】
また、高温の風が投射光と重なることで投影される映像に揺らぎを与える為、投射光と排気風が交わらないよう、排気風が投射光から遠ざかる方向へ排気される方向に風向き変更壁が傾斜して構成されるなどの対策も取られている。
【0008】
【特許文献1】
特開2001―350199号公報
【特許文献2】
特開平8−69053号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般に軸流ファンでは傾斜して取り付けられた複数枚の羽が回転軸中心を軸に回転することで送風している。その結果、回転する羽から空気に与えられる力は、図12および図13に示すように、羽から押し出されることで及ぼされる回転軸方向の力111と、羽が回転することで及ぼされる回転面上で加えられる力112と、羽が回転することで及ぼされる遠心方向の力113の合成力である。ファンから送風された空気は一旦送風されると、ほぼその慣性力で空気は送風されることとなる。そのため、軸流ファンから送風される空気は前述した力の影響によって、ファンの回転軸を中心に渦状の流れを形成しながら回転軸360°全周において、回転軸から離れる方向に流れ出ることとなる(図14)。
【0010】
しかしながら、前述したように従来の排気用風向き変更壁は、ファンに対して1方向の傾斜角をなして平行に配列されているため、1方では風向き変更壁を沿っての滑らかな空気流れを実現するが、もう1方では排気用風向き変更壁が空気の流れを妨害してしまっている。例えば、図14に示すようにファン106から風の流れを示す流線114は従来型の排気用風向き変更壁107と略同一の傾きを持っているため、風向き変更壁がそれほど障害とならずに装置内部の空気を装置外部へ排気することが可能である(流線116)。逆に、同一ファン106からの風でありながら流線114とは反対側から流れ出る空気を示す流線115は、排気用風向き変更壁と略直行した形で接触することとなり、装置外部へ排気されるには風向き変更壁107自体に繰りかえし衝突することが必至であり、風向き変更壁107が明らかに排気することへの障害となってしまっている。
【0011】
そのため、ファンから送風された直後で空気圧が上昇し、風圧の弱い軸流ファンの排気効率を低減させてしまっている。その結果、発熱体の冷却を困難なものとし、多大なファン出力が必要となる。このようなことから、排気用ルーバーを介して風を流すためには、ファンの回転数を上げたり、大型のファンを用いる必要が生じ、このことが騒音問題や大型ファンを用いることでの装置大型化の問題の要因となっている。更に、排気用風向き変更壁が送風の障害物となることで、排気用ルーバーによる風切り音も増大させ、装置使用者に不快な騒音を発する音源にもなってしまっているという問題もある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は光源や光変調素子、偏光整流素子、回路基板、偏光変換素子および偏光分離素子などの発熱体を冷却した排出されるべき温風が使用者等に不快感を与えることなく、更に投射光と重ならない方向に排気を行い、かつ漏れ光が使用者やスクリーンを照らし不快感を与えないよう遮光し、かつ高温となった前記発熱体への接触を避けることを可能としたうえに、ファンから送られてくる風が排気用ルーバー通過時に壁自体が障害とならないようにすることで、冷却効率の向上と低騒音化を全て同時に実現するものである。
【0013】
光源と照明光学系と色分離合成光学系と投射レンズと光変調素子と電気回路基板とが装置外装キャビネット内に配置されると共に、装置外装キャビネット内で発生した熱を軸流ファンによって外部に排気する機構を有する映像投影装置において前記装置外装キャビネットには、前記軸流ファンと略対向する位置に前記軸流ファンから送風される風を通過させる複数もしくは単一の開口を有し、該開口は前記軸流ファンの回転中心対して略回転対称を成すと共に、該開口近傍には前記軸流ファンの回転中心に対して略回転対称な前記軸流ファンから送風される風をガイドするための排気整流壁を有することで、
前記開口と前記排気整流壁からなる排気ルーバーでは、軸流ファン全周方向において遠心方向成分を持って送風される風の障害となることなく、装置外部に風を送り出すことが可能となる。そうすることで、ファン効率を低減させることなく、更に排気整流壁による風切りを低減させることで、静かで高効率な冷却を可能とする。
【0014】
また、例えば前記排気ルーバーにおいて、前記開口部が軸流ファンの遠心方向に開口しており、かつ前記開口部近傍に前記排気整流壁が設けられていることで、軸流ファン全周方向において遠心方向成分を持って送風される風の障害となることなく、装置外部に風を送り出すことが可能となる。そうすることで、ファン効率を低減させることなく、更に排気整流壁による風切りを低減させることで、静かで高効率な冷却を可能とする。
【0015】
もしくは、前記排気ルーバーにおいて、前記開口部ーが軸流ファンの同心円状、もしくは軸流ファンの回転方向に開口しており、かつ前記開口部近傍に前記排気整流壁が設けられていることでも遠心方向成分をもってファンから送風される風の障害とならずに装置外部へ風を送り出すことが可能となり、前述した内容と同等の効果が得られる。
【0016】
もしくは、前記排気ルーバーにおいて、前記排気整流壁が前記軸流ファンの回転軸方向に対して傾斜して設けられ、かつ前記軸流ファンの回転方向に複数枚配置されている、所謂プロペラの羽状に配置することでも、遠心方向成分をもってファンから送風される風の障害とならずに装置外部へ風を送り出すことが可能となり、前述した内容と同等の効果が得られる。
【0017】
もしくは、前記排気ルーバーにおいて、前記排気整流壁が前記軸流ファンの回転方向に回転しながら回転軸方向にスライドする立体的螺旋形状で形成され、同時に、開口部が螺旋状に構成されていることでも、遠心方向成分をもってファンから送風される風の障害とならずに装置外部へ風を送り出すことが可能となり、前述した内容と同等の効果が得られる。
【0018】
さらに、前記排気ルーバーにおける前記開口部が構成される面が前記軸流ファンの送風面と略平行で、かつ前記軸流ファンが投射光学系光軸方向に対し遠ざかる方向に傾斜して配置することで、装置から排気される熱い空気が投射光に入ることを防ぎ画像の揺らぎを抑えることができる。
【0019】
さらに、前記排気ルーバーにおける前記排気整流壁は、その隣の排気整流壁と回転軸方向から見て、一部重なり合うように構成されていることで光源から装置外部に漏れる光を遮光し、使用者の不快感をなくすことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を示す。
【0021】
【実施例】
本発明は光源や光変調素子、偏光整流素子、回路基板、偏光変換素子もしくは偏光分離素子などの発熱体を冷却した空気を軸流ファンによって、外装キャビネットに設けられた開口を通して、外部に排気する機構に関するものである。ここでは、光源の冷却に特化して説明を行うが、前記光源以外の発熱体を冷却した場合にも本発明を適用することができ、同様の効果を得ることができる。
【0022】
(第1実施形態)
図1は本発明の排気用ルーバーを用いた映像投影装置を表す。図1中、1は光源、2は光源から発せられた光を略平行光にするためのリフレクタ、3は光源から発せられた光を分解および合成する光学系、4は投影光学系、5は装置外装キャビネット、6は光源1および分解および合成光学系3に用いられる光学要素等を冷却するための冷却用軸流ファン、7は冷却ファン6からの排気風をガイドするための排気用ルーバーを表す。
【0023】
光源1は例えば発光部で900〜1000℃程度の推奨温度にすることで高効率な発光を実現するように冷却条件を設定する。推奨温度外になると、光源寿命が短命になったり、最悪の場合、光源1が破裂する恐れがある。また、分解合成光学系3においては、例えば分解合成光学系3を構成する要素である偏光板は、推奨温度75℃を超過してしまうと偏光板を構成する組織が壊れ、その機能を失うなど光学特性を悪化させることに繋がってしまうことが知られている。このようなことから、光源1や分解合成光学系の冷却は非常に重要な条件であり、その為に光源1で温められた空気および装置内で温められた空気を排気する前記冷却ファン6の効果は不可欠なものとなっている。
【0024】
以後第1実施例における本発明の排気用ルーバーを7aと示す。
【0025】
高温になる光源1から発熱する熱が分解合成光学系3の構成部品に影響を及ぼさないようにするため、かつ光源ランプの長寿命化および安定発光のために、光源1とリフレクタ2の近傍には光源1および装置内部全体の冷却を目的とした軸流ファン6が配置されており、装置外装キャビネット外部に熱風を排気する。
【0026】
図2に示すように、装置外装キャビネット5には排気用の開口8が設けられ、前記開口8には排気用ルーバーが装着される。即ち、装置外装キャビネット5の開口8近傍に設けられた溝9によって、排気用ルーバー機構7が保持されている。更に、冷却用軸流ファン6は前記ファンを固定する部材6hによって固定され、前記固定部材6hは装置外装キャビネット5に固定されている。
【0027】
次に本発明第1実施例に置ける排気用ルーバー機構7aの詳細形状について説明する。
【0028】
排気用ルーバー7aは図3に示すように、軸流ファンの遠心方向に複数の開口部31および32が設けられている(ただし、開口部31および32は図3裏側に設けられており、図3には示されていない)。
【0029】
開口部31は冷却ファン回転軸中心から遠心方向に向かって開口させる。開口部は冷却ファン6から送られてくる風に対し、開口面積が広く設けられている方が排気時に障害となる壁が少なく排気効率が上がるので、できるだけ開口面積を広く設けるのが望ましい。そのため、開口面積を大きく設けるために、開口部31が並ぶ間の隙間にも開口部32を設ける。開口部31および32の幅は開口面積が最も広くなるように設定することが望ましい。ただし、冷却ファンの回転軸付近は送風される風が少量であるため、図3に示すように開口部を設けなくてもよい。
【0030】
そして、各々の開口部には図4(開口部の断面図を示す。図4は図3のA−A断面を示す。)に示すような傾斜した排気整流壁33が設けられている。排気整流壁33は排気用ルーバー7aに正対して開口部31および32が見えないように構成されている。また、排気整流壁33の傾斜角は開口部が設けられている面に対してできるだけ大きな角度で設けられた方がファンから送られてくる風の障害となることが少なく、望ましい。このようにすることで、光源からの漏れ光が装置外部に漏れ出さず、風のみが通過できるようになっている。また、それぞれの開口部に設けられた前記排気整流壁33は冷却用軸流ファンからの流れを妨げない為にファン回転方向が開口となるように設けられている。
【0031】
また、排気用ルーバー7aは高耐熱性の材質、例えば耐熱性プラスチックもしくはマグネシウムなどで作られていることが望ましい。
【0032】
つまり、前述した排気用ルーバーが装置外装に設置された場合は、図2に示すように排気用ルーバー7の冷却用軸流ファンに対向する面には開口部31および32が設けられ、それぞれの開口部には冷却用軸流ファンからの流れを妨げない為にファン回転方向が開口となるように排気整流壁33をそれぞれの開口部に対して構成する。
【0033】
このような構成をとることで、前述したように軸流ファンの回転中心から離れる方向への成分を持った風でも、排気整流壁自体が障害物となることなく、図4に示す風W1のようにスムーズな排気を実現できる。そのため、ファン効率が上昇し、冷却効率を高めることができる。更に、排気整流壁に衝突する風が減少する為、風向き変更機構部で生じる風切り音が低減し、低騒音な映像投影装置を実現することができる。また、このとき、冷却ファンの回転方向に対してファン回転方向が開口されていることで、遠心方向成分を持ってファンから送られてくる風の向きに対して、各排気整流壁が略平行になることから排気整流壁自体が障害になりにくいという効果がある。
【0034】
また、図1には本発明の排気ルーバーが装置外装5に取り付けられている構成を示したが、本発明の排気ルーバー機構を冷却用軸流ファンの固定部材に固定する構成でも、外装自身に排気ルーバー機構が作りこまれている構成でも良い。更に、装置内部および外装部にも排気ルーバー機構を設けるという2重構造にすることで、更に遮光性能を向上することもができる。更に、本発明の排気ルーバー機構に用いられる排気整流壁33の光源1側の面に光反射防止手段34を設ける、例えば黒塗り処理をすることで、反射による光の漏れを抑制することができる。更に、排気ルーバーを構成する各排気整流壁33を図4では板形状に示したが、面が曲率を持つ曲面形状であっても良い。
【0035】
(第2実施例)
第1実施例で述べた排気用ルーバー形状以外にも、図5に示すように、軸流ファンの同心円状もしくは軸流ファンの回転方向に開口させることでも同様の効果が得られる。
【0036】
以後第2実施例における本発明の排気用ルーバーを7bと示す。
排気用ルーバー7bは第1実施例と同様に、装置外装キャビネット5に設けられた開口8に装着される。即ち、装置外装キャビネット5の開口8近傍に設けられた溝9によって、排気用ルーバー7bが保持されている構成をとる。(図2)
そして排気用ルーバー7bの冷却用軸流ファンに対向する面には開口部が設けられ、それぞれの開口部にはファンから送風される方向に対して広がる方向に排気用ルーバーを構成する排気整流壁51が構成されている。(不図示)
【0037】
次に本発明第2実施例における排気用ルーバー7bの詳細形状について説明する。
【0038】
排気整流壁51をある一定の角度で同心円状、かつ装置内部側から外部側に向けて(図5では紙面下から紙面上)広がる方向に傾斜角を持つよう構成する。このとき第一実施例と同様に、任意の排気整流壁51の装置内部側端(図6では下側端)は、その隣の排気整流壁の外部側(図6では上側端)とが図5に正対した方向から見て重なるよう配置されているため、排気用ルーバー7bに正対して開口部が見えないように構成されている。また、排気整流壁51の傾斜角は開口部が設けられている面に対してできるだけ大きな角度で設けられた方がファンから送られてくる風の障害となることが少なく、望ましい。また、冷却ファンの回転軸付近は送風される風が少量であるため、図5に示すように開口部を設けなくてもよい。
【0039】
更に、排気整流壁51を保持するために保持部材52が必要となる。しかしながら、保持部材52はファンから送風される風の障害となるため、排気用ルーバー7bの風侵入方向では小さな断面積で構成されていることが望ましい。(図5のB−B断面図を図6に示す)
排気用ルーバーにファン中心から外側に向かう傾斜を持たせることで、軸流ファンの回転中心から離れる方向への成分を持った風でも、図6に示す風W2およびW3のように排気用ルーバー自体が障害物となることなく、スムーズな排気を実現できる。そのため、ファン効率が上昇し、冷却効率を高めることができる。更に、排気整流壁に衝突する風が減少する為、排気用ルーバー部で生じる風切り音が低減し、低騒音な映像投影装置を実現することができる。また、前述したように、1つの排気整流壁の外部側と前記風向き変更壁の1つ円周外側を排気用ルーバーのファン側正面から見たときに、重ねるよう構成することで光源からの光が外部に漏れ出さないようする。
【0040】
更に、本発明の排気用ルーバーに用いられる排気整流壁の光源1側の面に光反射防止手段(不図示)、例えば黒塗り処理をすることで、反射による光の漏れを抑制することができる。
【0041】
また、排気用ルーバーを構成する各排気整流壁51を図6では板形状に示したが、面が曲率を持つ曲面形状であっても良い。
【0042】
(第3実施例)
第1実施例、第2実施例で述べた排気用ルーバー形状以外にも、図7に示すように、排気整流壁を軸流ファンの回転軸方向に対して傾斜し、かつ前記軸流ファンの回転方向に複数枚配置する、所謂プロペラの羽状に構成することでも同様の効果が得られる。
【0043】
以後第3実施例における本発明の排気用ルーバーを7cと示す。
排気用ルーバー7cは第1実施例と同様に、装置外装5キャビネットに設けられた開口8に装着される。即ち、装置外装5キャビネットの開口8近傍に設けられた溝9によって、排気用ルーバー7cが保持されている構成をとる。
【0044】
そして、排気用ルーバー7cの冷却用軸流ファンに対向する面には開口部が設けられ、それぞれの開口部にはファンの羽根と略同一方向の傾きを持った排気整流壁(プロペラ形状の羽根)71が構成されている。
【0045】
次に本発明第3実施例に置ける排気用ルーバー7cの詳細形状について説明する。
【0046】
図7の横から見た図を図8に示す。各々の羽(排気整流壁)71のファン側部分と前記羽(排気整流板)の隣に配置された羽(排気整流板)の外部側部分が正面から見たときに重なるように配置する。そうすることで、光源からの光が外部に漏れ出さないようすることができる。また、羽(排気整流板)71の傾斜角は開口部を有する面に対してできるだけ大きな角度で設けられた方がファンから送られてくる風の障害となることが少なく、望ましい。また、冷却ファンの回転軸付近は送風される風が少量であるため、図7に示すよう羽受け部72を設けてよい。更に、ファンに設けられている羽と近似形状を採用することで、軸流ファンの回転中心から離れる方向への成分を持った風でも、排気整流壁自体が障害物となることなく、図8に示す風の流れW4のようにスムーズな排気を実現できる。そのため、ファン効率が上昇し、冷却効率を高めることができる。更に、ルーバーに衝突する風が減少する為、排気整流壁部で生じる風切り音が低減し、低騒音な映像投影装置を実現することができる。
【0047】
更に、本発明の排気用ルーバーに用いられる排気整流壁71の光源1側の面に光反射防止手段(不図示)、例えば黒塗り処理をすることで、反射による光の漏れを抑制することができる。また、排気用ルーバーを構成する各排気整流壁71を図7では板形状に示したが、面が曲率を持つ曲面形状であっても良い。
【0048】
(第4実施例)
第1実施例、第2実施例、第3実施例で述べた排気用ルーバー機構形状以外にも、図9に示すように、排気整流壁が装置内部から前記軸流ファンの回転方向に回転しながら回転軸方向にスライドする立体的螺旋形状で形成されていることでも同様の効果が得られる。
【0049】
以後第4実施例における本発明の排気用ルーバー7dを示す。
排気用ルーバー7dは第1実施例と同様に、装置外装キャビネット5に設けられた開口8に装着される。即ち、装置外装キャビネット5の開口8近傍に設けられた溝9によって、排気用ルーバー7dが保持されている構成をとる。
【0050】
そして、排気用ルーバー7dの冷却用軸流ファンに対向する面には開口部が設けられ、開口部にはファンの羽根と略同一方向の傾きを持った螺旋形状を構成する羽(排気整流壁)91が構成されている。
【0051】
次に本発明第3実施例に置ける排気用ルーバー7dの詳細形状について説明する。
【0052】
冷却ファンの回転軸付近は送風される風が少量であるため、開口部を設けなくても排気に関してそれほど障害とならない。そこで、回転軸付近に羽受け部92を設けその周りを螺旋状に一枚の羽(排気整流壁)91が略一周し、かつ軸方向に変化する、いわゆる螺旋階段のような形状を構成する。このとき、羽(排気整流壁)91が軸受け部92を一周以上周りに構成されるような仕組みにすることで、光源からの光が外部に漏れ出さないようすることができる(図9の横から見た図を図10に示す)。
【0053】
このようにすることで、軸流ファンの回転中心から離れる方向への成分を持った風でも、排気用ルーバー自体が障害物となることなく、図10に示す風の流れW5のように、羽受け部92の周りを回りながら排気用ルーバーを通過するスムーズな排気を実現できる。そのため、ファン効率が上昇し、冷却効率を高めることができる。更に、羽(排気整流壁)に衝突する風が減少する為、排気用ルーバー部で生じる風切り音が低減し、低騒音な映像投影装置を実現することができる。
【0054】
(第5実施例)
第1から第4実施例で述べた排気用ルーバーを用いた映像投影装置において、前記ファンの排気流が前記投射レンズの投射光から遠ざかるように投射光学系光軸に対して傾斜して配置する。図11に示すように、ファンと排気用ルーバーの関係は略平行のまま、投射光学系から投影される光の角度と同等の角度か、もしくはそれよりも大きな角度だけ、投射光学系に対してファンおよびルーバーの角度を傾けて配置する。例えば、投射レンズから発せられる光と投射レンズ光軸がなす角度がa=30°だとすれば、ファンおよびルーバーは投射レンズ光軸に対してb≧30°となるように配置する。そうすることで、ファンから送風され排気用ルーバーを通過して装置外部に排気された熱い排気流は投影される映像に大きな影響を与えることなく、映像の揺らぎを防ぐことができる。
【0055】
【発明の効果】
(1)光源と照明光学系と色分離合成光学系と投射レンズと光変調素子と電気回路基板とが装置外装キャビネット内に配置されると共に、装置外装キャビネット内で発生した熱を軸流ファンによって外部に排気する機構を有する映像投影装置において
前記装置外装キャビネットには、前記軸流ファンと略対向する位置に前記軸流ファンから送風される風を通過させる複数もしくは単一の開口を有し、該開口は前記軸流ファンの回転中心対して略回転対称を成すと共に、該開口近傍には前記軸流ファンの回転中心に対して略回転対称な前記軸流ファンから送風される風をガイドするための排気整流壁を有することで、ファンの回転全周方向の風の流れに対して開口が広くなり、ルーバー付近での風圧上昇にともなうファン効率の低減を抑制することができる。また、開口面積が広くなることで、ルーバー部で生じる風切り音をも低減させることが可能となる。更に光源から外部へ漏れる光に関しても遮光することができる。
【0056】
(2)光源と照明光学系と色分離合成光学系と投射レンズと光変調素子と電気回路基板とが装置外装キャビネット内に配置されると共に、装置外装キャビネット内で発生した熱を軸流ファンによって外部に排気する機構を有する映像投影装置において
例えば、前記軸流ファンから送られる風を通過させる排気ルーバーを構成する開口部を軸流ファンの遠心方向に開口させ、かつ前記開口部近傍に前記排気整流壁を設けることで、ファンの回転全周方向の風の流れに対して開口が広くなり、ルーバー機構付近での風圧上昇にともなうファン効率の低減を抑制することができる。また、開口面積が広くなることで、ルーバー機構部で生じる風切り音をも低減させることが可能となる。更に光源ランプから外部へ漏れる光に関しても遮光することができる。
【0057】
(3)光源と照明光学系と色分離合成光学系と投射レンズと光変調素子と電気回路基板とが装置外装キャビネット内に配置されると共に、装置外装キャビネット内で発生した熱を軸流ファンによって外部に排気する機構を有する映像投影装置において
例えば、前記軸流ファンから送られる風を通過させる排気ルーバーを構成する開口部が軸流ファンの同心円状、もしくは軸流ファンの回転方向に開口しており、かつ前記開口部近傍に前記排気整流壁を設けることで、ファンの回転全周方向の風の流れに対して開口が広くなり、ルーバー機構付近での風圧上昇にともなうファン効率の低減を抑制することができる。また、開口面積が広くなることで、ルーバー機構部で生じる風切り音をも低減させることが可能となる。更に光源ランプから外部へ漏れる光に関しても遮光することができる。
【0058】
(4)光源と照明光学系と色分離合成光学系と投射レンズと光変調素子と電気回路基板とが装置外装キャビネット内に配置されると共に、装置外装キャビネット内で発生した熱を軸流ファンによって外部に排気する機構を有する映像投影装置において
例えば、前記軸流ファンから送られる風を通過させる排気ルーバーを構成する排気整流壁が前記軸流ファンの回転軸方向に対して傾斜して設け、かつ前記軸流ファンの回転方向に複数枚配置するようなプロペラ状に形成することでことで、ファンの回転全周方向の風の流れに対して開口が広くなり、ルーバー機構付近での風圧上昇にともなうファン効率の低減を抑制することができる。また、開口面積が広くなることで、ルーバー機構部で生じる風切り音をも低減させることが可能となる。更に光源ランプから外部へ漏れる光に関しても遮光することができる。
【0059】
(5)光源と照明光学系と色分離合成光学系と投射レンズと光変調素子と電気回路基板とが装置外装キャビネット内に配置されると共に、装置外装キャビネット内で発生した熱を軸流ファンによって外部に排気する機構を有する映像投影装置において
例えば、前記軸流ファンから送られる風を通過させる排気ルーバーを構成する排気整流壁が装置内部から立体的に螺旋状を形成することで、ファンの回転全周方向の風の流れに対して開口が広くなり、ルーバー機構付近での風圧上昇にともなうファン効率の低減を抑制することができる。また、開口面積が広くなることで、ルーバー機構部で生じる風切り音をも低減させることが可能となる。更に光源ランプから外部へ漏れる光に関しても遮光することができる。
【0060】
(6)本発明の排気用ルーバーを備えた映像投影装置において、
前記ファンの排気流が前記投射光学系の投射光から遠ざかるように投射光学系光軸に対して傾斜して配置することで、前述したようにファンの排気効率を高め、更に、温められた排気流が投射光と重なることを防ぎ、揺らぎを防止することで、より高画質な映像を投影することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気用ルーバー機構を装着した映像投影装置の構成を示す図。
【図2】本発明の排気用ルーバー機構装着方法を表す図。
【図3】本発明の排気用ルーバー機構の形状を示す図。
【図4】本発明の排気用ルーバー機構の1部分を拡大した形状を示す図。
【図5】本発明第2実施例の排気用ルーバー機構の形状を示す図。
【図6】本発明第2実施例の排気用ルーバー機構の断面形状を示す図。
【図7】本発明第3実施例の排気用ルーバー機構の形状を示す図。
【図8】本発明第3実施例の排気用ルーバー機構の側面形状を示す図。
【図9】本発明第4実施例の排気用ルーバー機構の形状を示す図。
【図10】本発明第4実施例の排気用ルーバー機構の側面形状を示す図。
【図11】本発明第5実施例のファンおよび排気用ルーバー機構の配置を示す図。
【図12】ファンから空気に加えられる力を示す図。
【図13】ファンから空気に加えられる力を示す拡大図。
【図14】ファンから送風される風の流れとルーバーとの関係を示す図。
【図15】従来の排気用ルーバー機構を示す図
【図16】従来の排気用ルーバー機構を用いた映像投影装置の図。
【符号の説明】
1 光源
2 リフレクター
3 色分解および合成光学系
4 投射光学系
5 装置外装キャビネット
6 冷却用軸流ファン
6h 冷却用軸流ファン固定部材
7 本発明の排気用ルーバー(第1実施例から第4実施例における排気用ルーバー)
7a、7b、7c、7d 本発明の排気用ルーバー
8 装置外装キャビネットに設けられた開口部
9 排気用ルーバー装着用の溝
31、32 排気用ルーバー7aにおける開口部
33 排気用ルーバー16aにおける排気整流壁
34 反射防止手段
W1、W2、W3、W4、W5 風の流れ
51 排気用ルーバー7bにおける排気整流壁
52、53 排気用ルーバー7b羽受け部
71 排気用ルーバー7cにおける羽(排気整流壁)
72 排気用ルーバー7cにおける羽受け部
91 排気用ルーバー7dにおける羽(排気整流壁)
92 排気用ルーバー7dにおける羽受け部
a 投射光学系光軸と投射映像端のなす角度
b 投射光学系光軸とファン回転軸のなす角度
111、112、113 力
114、115、116、117 流線
101 光源
102 リフレクタ
103 色分解合成光学系
104 投射光学系
105 装置外装キャビネット
106 冷却用軸流ファン
107 従来の排気用ルーバー
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源と照明光学系と色分離合成光学系と光変調素子と電気回路基板とが外装キャビネット内に配置されると共に、外装キャビネット内で発生する熱を軸流ファンによって外部に排気する機構を有する投射型映像装置であって、光源および光変調素子および偏光整流素子および回路基板および偏光変換素子および偏光分離素子の冷却において、高効率でかつ低騒音な冷却を実現するための冷却技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、映像投影装置においては、投影映像の高輝度化および装置の小型化が促進されている。そのため、映像の高輝度化に伴い、光源ランプ出力の増大、つまり光源ランプから発生する熱量が大きくなってきている。また、更に装置全体の小型化が進み、装置体積に対する熱密度は更に増大していることも、装置内部の冷却を難しいものとしている。そうした現状のなか、前記光源や光変調素子、偏光整流素子、回路基板、偏光変換素子および偏光分離素子などの発熱体に対し、装置外部へ熱を排出する手段として、発熱体近傍に開口を設け、冷却ファンによって温められた空気を外部へ排気して冷却を行う方法が一般的に広く用いられている。
【0003】
以下に、光源における冷却技術を例にとって従来技術を説明する。
【0004】
図16は、例えば特許文献1に示されているような従来の映像投影装置における光源の冷却構造を表し、さらに図15は排気用ルーバーが取り付けられた装置の側面図(図16の紙面右方向から見た図)を示す。図16において、101は光源、102は光源101から発せられた光を平行光に変換するリフレクタ、103は照明光学系および色分解合成光学系を含む光学系、104は投射光学系、105は装置外装キャビネット、106は光源および装置外装キャビネット内部を冷却するための軸流ファン、107は開口部と風向き変更壁からなる排気用ルーバーを表す。
【0005】
図15に示したように効率よい冷却を実現するため、光源近傍に排気口を設けることにより、光源ランプから発せられた光が排気口より漏れ光となり、使用者あるいは外部スクリーンを照らし、不快感を与えてしまう為、従来では特許文献2に示されているように、排気用ルーバー107は軸流ファン106の送風方向に対して、傾斜して配置された複数の風向き変更壁をある任意の風向き変更壁に対して装置外装側端とその隣の風向き変更壁の外部側端が紙面上下方向に重なるように配列することで、光源ランプからランプ背後に漏れる光が装置外部に漏れ出ることを防ぎ、更に排気用ルーバーの奥行き方向に深くすることでも、漏れ光や装置内部への物や手等の進入を防ぐ対策をとっている。
【0006】
また、光源101を冷却した空気は、高温となり軸流ファン106により装置外部に直接排気される。そのため、従来では装置使用者に温風が使用者に当ることによる不快感を与えないために、排気方向および漏れ光方向を決定する風向き変更壁の向きを可変にし、使用者に不快感を与えない方向へ向ける、例えば装置下方向や使用者がいない方向へ排気方向および漏れ光方向を向けるなどの対策がとられている。
【0007】
また、高温の風が投射光と重なることで投影される映像に揺らぎを与える為、投射光と排気風が交わらないよう、排気風が投射光から遠ざかる方向へ排気される方向に風向き変更壁が傾斜して構成されるなどの対策も取られている。
【0008】
【特許文献1】
特開2001―350199号公報
【特許文献2】
特開平8−69053号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般に軸流ファンでは傾斜して取り付けられた複数枚の羽が回転軸中心を軸に回転することで送風している。その結果、回転する羽から空気に与えられる力は、図12および図13に示すように、羽から押し出されることで及ぼされる回転軸方向の力111と、羽が回転することで及ぼされる回転面上で加えられる力112と、羽が回転することで及ぼされる遠心方向の力113の合成力である。ファンから送風された空気は一旦送風されると、ほぼその慣性力で空気は送風されることとなる。そのため、軸流ファンから送風される空気は前述した力の影響によって、ファンの回転軸を中心に渦状の流れを形成しながら回転軸360°全周において、回転軸から離れる方向に流れ出ることとなる(図14)。
【0010】
しかしながら、前述したように従来の排気用風向き変更壁は、ファンに対して1方向の傾斜角をなして平行に配列されているため、1方では風向き変更壁を沿っての滑らかな空気流れを実現するが、もう1方では排気用風向き変更壁が空気の流れを妨害してしまっている。例えば、図14に示すようにファン106から風の流れを示す流線114は従来型の排気用風向き変更壁107と略同一の傾きを持っているため、風向き変更壁がそれほど障害とならずに装置内部の空気を装置外部へ排気することが可能である(流線116)。逆に、同一ファン106からの風でありながら流線114とは反対側から流れ出る空気を示す流線115は、排気用風向き変更壁と略直行した形で接触することとなり、装置外部へ排気されるには風向き変更壁107自体に繰りかえし衝突することが必至であり、風向き変更壁107が明らかに排気することへの障害となってしまっている。
【0011】
そのため、ファンから送風された直後で空気圧が上昇し、風圧の弱い軸流ファンの排気効率を低減させてしまっている。その結果、発熱体の冷却を困難なものとし、多大なファン出力が必要となる。このようなことから、排気用ルーバーを介して風を流すためには、ファンの回転数を上げたり、大型のファンを用いる必要が生じ、このことが騒音問題や大型ファンを用いることでの装置大型化の問題の要因となっている。更に、排気用風向き変更壁が送風の障害物となることで、排気用ルーバーによる風切り音も増大させ、装置使用者に不快な騒音を発する音源にもなってしまっているという問題もある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は光源や光変調素子、偏光整流素子、回路基板、偏光変換素子および偏光分離素子などの発熱体を冷却した排出されるべき温風が使用者等に不快感を与えることなく、更に投射光と重ならない方向に排気を行い、かつ漏れ光が使用者やスクリーンを照らし不快感を与えないよう遮光し、かつ高温となった前記発熱体への接触を避けることを可能としたうえに、ファンから送られてくる風が排気用ルーバー通過時に壁自体が障害とならないようにすることで、冷却効率の向上と低騒音化を全て同時に実現するものである。
【0013】
光源と照明光学系と色分離合成光学系と投射レンズと光変調素子と電気回路基板とが装置外装キャビネット内に配置されると共に、装置外装キャビネット内で発生した熱を軸流ファンによって外部に排気する機構を有する映像投影装置において前記装置外装キャビネットには、前記軸流ファンと略対向する位置に前記軸流ファンから送風される風を通過させる複数もしくは単一の開口を有し、該開口は前記軸流ファンの回転中心対して略回転対称を成すと共に、該開口近傍には前記軸流ファンの回転中心に対して略回転対称な前記軸流ファンから送風される風をガイドするための排気整流壁を有することで、
前記開口と前記排気整流壁からなる排気ルーバーでは、軸流ファン全周方向において遠心方向成分を持って送風される風の障害となることなく、装置外部に風を送り出すことが可能となる。そうすることで、ファン効率を低減させることなく、更に排気整流壁による風切りを低減させることで、静かで高効率な冷却を可能とする。
【0014】
また、例えば前記排気ルーバーにおいて、前記開口部が軸流ファンの遠心方向に開口しており、かつ前記開口部近傍に前記排気整流壁が設けられていることで、軸流ファン全周方向において遠心方向成分を持って送風される風の障害となることなく、装置外部に風を送り出すことが可能となる。そうすることで、ファン効率を低減させることなく、更に排気整流壁による風切りを低減させることで、静かで高効率な冷却を可能とする。
【0015】
もしくは、前記排気ルーバーにおいて、前記開口部ーが軸流ファンの同心円状、もしくは軸流ファンの回転方向に開口しており、かつ前記開口部近傍に前記排気整流壁が設けられていることでも遠心方向成分をもってファンから送風される風の障害とならずに装置外部へ風を送り出すことが可能となり、前述した内容と同等の効果が得られる。
【0016】
もしくは、前記排気ルーバーにおいて、前記排気整流壁が前記軸流ファンの回転軸方向に対して傾斜して設けられ、かつ前記軸流ファンの回転方向に複数枚配置されている、所謂プロペラの羽状に配置することでも、遠心方向成分をもってファンから送風される風の障害とならずに装置外部へ風を送り出すことが可能となり、前述した内容と同等の効果が得られる。
【0017】
もしくは、前記排気ルーバーにおいて、前記排気整流壁が前記軸流ファンの回転方向に回転しながら回転軸方向にスライドする立体的螺旋形状で形成され、同時に、開口部が螺旋状に構成されていることでも、遠心方向成分をもってファンから送風される風の障害とならずに装置外部へ風を送り出すことが可能となり、前述した内容と同等の効果が得られる。
【0018】
さらに、前記排気ルーバーにおける前記開口部が構成される面が前記軸流ファンの送風面と略平行で、かつ前記軸流ファンが投射光学系光軸方向に対し遠ざかる方向に傾斜して配置することで、装置から排気される熱い空気が投射光に入ることを防ぎ画像の揺らぎを抑えることができる。
【0019】
さらに、前記排気ルーバーにおける前記排気整流壁は、その隣の排気整流壁と回転軸方向から見て、一部重なり合うように構成されていることで光源から装置外部に漏れる光を遮光し、使用者の不快感をなくすことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を示す。
【0021】
【実施例】
本発明は光源や光変調素子、偏光整流素子、回路基板、偏光変換素子もしくは偏光分離素子などの発熱体を冷却した空気を軸流ファンによって、外装キャビネットに設けられた開口を通して、外部に排気する機構に関するものである。ここでは、光源の冷却に特化して説明を行うが、前記光源以外の発熱体を冷却した場合にも本発明を適用することができ、同様の効果を得ることができる。
【0022】
(第1実施形態)
図1は本発明の排気用ルーバーを用いた映像投影装置を表す。図1中、1は光源、2は光源から発せられた光を略平行光にするためのリフレクタ、3は光源から発せられた光を分解および合成する光学系、4は投影光学系、5は装置外装キャビネット、6は光源1および分解および合成光学系3に用いられる光学要素等を冷却するための冷却用軸流ファン、7は冷却ファン6からの排気風をガイドするための排気用ルーバーを表す。
【0023】
光源1は例えば発光部で900〜1000℃程度の推奨温度にすることで高効率な発光を実現するように冷却条件を設定する。推奨温度外になると、光源寿命が短命になったり、最悪の場合、光源1が破裂する恐れがある。また、分解合成光学系3においては、例えば分解合成光学系3を構成する要素である偏光板は、推奨温度75℃を超過してしまうと偏光板を構成する組織が壊れ、その機能を失うなど光学特性を悪化させることに繋がってしまうことが知られている。このようなことから、光源1や分解合成光学系の冷却は非常に重要な条件であり、その為に光源1で温められた空気および装置内で温められた空気を排気する前記冷却ファン6の効果は不可欠なものとなっている。
【0024】
以後第1実施例における本発明の排気用ルーバーを7aと示す。
【0025】
高温になる光源1から発熱する熱が分解合成光学系3の構成部品に影響を及ぼさないようにするため、かつ光源ランプの長寿命化および安定発光のために、光源1とリフレクタ2の近傍には光源1および装置内部全体の冷却を目的とした軸流ファン6が配置されており、装置外装キャビネット外部に熱風を排気する。
【0026】
図2に示すように、装置外装キャビネット5には排気用の開口8が設けられ、前記開口8には排気用ルーバーが装着される。即ち、装置外装キャビネット5の開口8近傍に設けられた溝9によって、排気用ルーバー機構7が保持されている。更に、冷却用軸流ファン6は前記ファンを固定する部材6hによって固定され、前記固定部材6hは装置外装キャビネット5に固定されている。
【0027】
次に本発明第1実施例に置ける排気用ルーバー機構7aの詳細形状について説明する。
【0028】
排気用ルーバー7aは図3に示すように、軸流ファンの遠心方向に複数の開口部31および32が設けられている(ただし、開口部31および32は図3裏側に設けられており、図3には示されていない)。
【0029】
開口部31は冷却ファン回転軸中心から遠心方向に向かって開口させる。開口部は冷却ファン6から送られてくる風に対し、開口面積が広く設けられている方が排気時に障害となる壁が少なく排気効率が上がるので、できるだけ開口面積を広く設けるのが望ましい。そのため、開口面積を大きく設けるために、開口部31が並ぶ間の隙間にも開口部32を設ける。開口部31および32の幅は開口面積が最も広くなるように設定することが望ましい。ただし、冷却ファンの回転軸付近は送風される風が少量であるため、図3に示すように開口部を設けなくてもよい。
【0030】
そして、各々の開口部には図4(開口部の断面図を示す。図4は図3のA−A断面を示す。)に示すような傾斜した排気整流壁33が設けられている。排気整流壁33は排気用ルーバー7aに正対して開口部31および32が見えないように構成されている。また、排気整流壁33の傾斜角は開口部が設けられている面に対してできるだけ大きな角度で設けられた方がファンから送られてくる風の障害となることが少なく、望ましい。このようにすることで、光源からの漏れ光が装置外部に漏れ出さず、風のみが通過できるようになっている。また、それぞれの開口部に設けられた前記排気整流壁33は冷却用軸流ファンからの流れを妨げない為にファン回転方向が開口となるように設けられている。
【0031】
また、排気用ルーバー7aは高耐熱性の材質、例えば耐熱性プラスチックもしくはマグネシウムなどで作られていることが望ましい。
【0032】
つまり、前述した排気用ルーバーが装置外装に設置された場合は、図2に示すように排気用ルーバー7の冷却用軸流ファンに対向する面には開口部31および32が設けられ、それぞれの開口部には冷却用軸流ファンからの流れを妨げない為にファン回転方向が開口となるように排気整流壁33をそれぞれの開口部に対して構成する。
【0033】
このような構成をとることで、前述したように軸流ファンの回転中心から離れる方向への成分を持った風でも、排気整流壁自体が障害物となることなく、図4に示す風W1のようにスムーズな排気を実現できる。そのため、ファン効率が上昇し、冷却効率を高めることができる。更に、排気整流壁に衝突する風が減少する為、風向き変更機構部で生じる風切り音が低減し、低騒音な映像投影装置を実現することができる。また、このとき、冷却ファンの回転方向に対してファン回転方向が開口されていることで、遠心方向成分を持ってファンから送られてくる風の向きに対して、各排気整流壁が略平行になることから排気整流壁自体が障害になりにくいという効果がある。
【0034】
また、図1には本発明の排気ルーバーが装置外装5に取り付けられている構成を示したが、本発明の排気ルーバー機構を冷却用軸流ファンの固定部材に固定する構成でも、外装自身に排気ルーバー機構が作りこまれている構成でも良い。更に、装置内部および外装部にも排気ルーバー機構を設けるという2重構造にすることで、更に遮光性能を向上することもができる。更に、本発明の排気ルーバー機構に用いられる排気整流壁33の光源1側の面に光反射防止手段34を設ける、例えば黒塗り処理をすることで、反射による光の漏れを抑制することができる。更に、排気ルーバーを構成する各排気整流壁33を図4では板形状に示したが、面が曲率を持つ曲面形状であっても良い。
【0035】
(第2実施例)
第1実施例で述べた排気用ルーバー形状以外にも、図5に示すように、軸流ファンの同心円状もしくは軸流ファンの回転方向に開口させることでも同様の効果が得られる。
【0036】
以後第2実施例における本発明の排気用ルーバーを7bと示す。
排気用ルーバー7bは第1実施例と同様に、装置外装キャビネット5に設けられた開口8に装着される。即ち、装置外装キャビネット5の開口8近傍に設けられた溝9によって、排気用ルーバー7bが保持されている構成をとる。(図2)
そして排気用ルーバー7bの冷却用軸流ファンに対向する面には開口部が設けられ、それぞれの開口部にはファンから送風される方向に対して広がる方向に排気用ルーバーを構成する排気整流壁51が構成されている。(不図示)
【0037】
次に本発明第2実施例における排気用ルーバー7bの詳細形状について説明する。
【0038】
排気整流壁51をある一定の角度で同心円状、かつ装置内部側から外部側に向けて(図5では紙面下から紙面上)広がる方向に傾斜角を持つよう構成する。このとき第一実施例と同様に、任意の排気整流壁51の装置内部側端(図6では下側端)は、その隣の排気整流壁の外部側(図6では上側端)とが図5に正対した方向から見て重なるよう配置されているため、排気用ルーバー7bに正対して開口部が見えないように構成されている。また、排気整流壁51の傾斜角は開口部が設けられている面に対してできるだけ大きな角度で設けられた方がファンから送られてくる風の障害となることが少なく、望ましい。また、冷却ファンの回転軸付近は送風される風が少量であるため、図5に示すように開口部を設けなくてもよい。
【0039】
更に、排気整流壁51を保持するために保持部材52が必要となる。しかしながら、保持部材52はファンから送風される風の障害となるため、排気用ルーバー7bの風侵入方向では小さな断面積で構成されていることが望ましい。(図5のB−B断面図を図6に示す)
排気用ルーバーにファン中心から外側に向かう傾斜を持たせることで、軸流ファンの回転中心から離れる方向への成分を持った風でも、図6に示す風W2およびW3のように排気用ルーバー自体が障害物となることなく、スムーズな排気を実現できる。そのため、ファン効率が上昇し、冷却効率を高めることができる。更に、排気整流壁に衝突する風が減少する為、排気用ルーバー部で生じる風切り音が低減し、低騒音な映像投影装置を実現することができる。また、前述したように、1つの排気整流壁の外部側と前記風向き変更壁の1つ円周外側を排気用ルーバーのファン側正面から見たときに、重ねるよう構成することで光源からの光が外部に漏れ出さないようする。
【0040】
更に、本発明の排気用ルーバーに用いられる排気整流壁の光源1側の面に光反射防止手段(不図示)、例えば黒塗り処理をすることで、反射による光の漏れを抑制することができる。
【0041】
また、排気用ルーバーを構成する各排気整流壁51を図6では板形状に示したが、面が曲率を持つ曲面形状であっても良い。
【0042】
(第3実施例)
第1実施例、第2実施例で述べた排気用ルーバー形状以外にも、図7に示すように、排気整流壁を軸流ファンの回転軸方向に対して傾斜し、かつ前記軸流ファンの回転方向に複数枚配置する、所謂プロペラの羽状に構成することでも同様の効果が得られる。
【0043】
以後第3実施例における本発明の排気用ルーバーを7cと示す。
排気用ルーバー7cは第1実施例と同様に、装置外装5キャビネットに設けられた開口8に装着される。即ち、装置外装5キャビネットの開口8近傍に設けられた溝9によって、排気用ルーバー7cが保持されている構成をとる。
【0044】
そして、排気用ルーバー7cの冷却用軸流ファンに対向する面には開口部が設けられ、それぞれの開口部にはファンの羽根と略同一方向の傾きを持った排気整流壁(プロペラ形状の羽根)71が構成されている。
【0045】
次に本発明第3実施例に置ける排気用ルーバー7cの詳細形状について説明する。
【0046】
図7の横から見た図を図8に示す。各々の羽(排気整流壁)71のファン側部分と前記羽(排気整流板)の隣に配置された羽(排気整流板)の外部側部分が正面から見たときに重なるように配置する。そうすることで、光源からの光が外部に漏れ出さないようすることができる。また、羽(排気整流板)71の傾斜角は開口部を有する面に対してできるだけ大きな角度で設けられた方がファンから送られてくる風の障害となることが少なく、望ましい。また、冷却ファンの回転軸付近は送風される風が少量であるため、図7に示すよう羽受け部72を設けてよい。更に、ファンに設けられている羽と近似形状を採用することで、軸流ファンの回転中心から離れる方向への成分を持った風でも、排気整流壁自体が障害物となることなく、図8に示す風の流れW4のようにスムーズな排気を実現できる。そのため、ファン効率が上昇し、冷却効率を高めることができる。更に、ルーバーに衝突する風が減少する為、排気整流壁部で生じる風切り音が低減し、低騒音な映像投影装置を実現することができる。
【0047】
更に、本発明の排気用ルーバーに用いられる排気整流壁71の光源1側の面に光反射防止手段(不図示)、例えば黒塗り処理をすることで、反射による光の漏れを抑制することができる。また、排気用ルーバーを構成する各排気整流壁71を図7では板形状に示したが、面が曲率を持つ曲面形状であっても良い。
【0048】
(第4実施例)
第1実施例、第2実施例、第3実施例で述べた排気用ルーバー機構形状以外にも、図9に示すように、排気整流壁が装置内部から前記軸流ファンの回転方向に回転しながら回転軸方向にスライドする立体的螺旋形状で形成されていることでも同様の効果が得られる。
【0049】
以後第4実施例における本発明の排気用ルーバー7dを示す。
排気用ルーバー7dは第1実施例と同様に、装置外装キャビネット5に設けられた開口8に装着される。即ち、装置外装キャビネット5の開口8近傍に設けられた溝9によって、排気用ルーバー7dが保持されている構成をとる。
【0050】
そして、排気用ルーバー7dの冷却用軸流ファンに対向する面には開口部が設けられ、開口部にはファンの羽根と略同一方向の傾きを持った螺旋形状を構成する羽(排気整流壁)91が構成されている。
【0051】
次に本発明第3実施例に置ける排気用ルーバー7dの詳細形状について説明する。
【0052】
冷却ファンの回転軸付近は送風される風が少量であるため、開口部を設けなくても排気に関してそれほど障害とならない。そこで、回転軸付近に羽受け部92を設けその周りを螺旋状に一枚の羽(排気整流壁)91が略一周し、かつ軸方向に変化する、いわゆる螺旋階段のような形状を構成する。このとき、羽(排気整流壁)91が軸受け部92を一周以上周りに構成されるような仕組みにすることで、光源からの光が外部に漏れ出さないようすることができる(図9の横から見た図を図10に示す)。
【0053】
このようにすることで、軸流ファンの回転中心から離れる方向への成分を持った風でも、排気用ルーバー自体が障害物となることなく、図10に示す風の流れW5のように、羽受け部92の周りを回りながら排気用ルーバーを通過するスムーズな排気を実現できる。そのため、ファン効率が上昇し、冷却効率を高めることができる。更に、羽(排気整流壁)に衝突する風が減少する為、排気用ルーバー部で生じる風切り音が低減し、低騒音な映像投影装置を実現することができる。
【0054】
(第5実施例)
第1から第4実施例で述べた排気用ルーバーを用いた映像投影装置において、前記ファンの排気流が前記投射レンズの投射光から遠ざかるように投射光学系光軸に対して傾斜して配置する。図11に示すように、ファンと排気用ルーバーの関係は略平行のまま、投射光学系から投影される光の角度と同等の角度か、もしくはそれよりも大きな角度だけ、投射光学系に対してファンおよびルーバーの角度を傾けて配置する。例えば、投射レンズから発せられる光と投射レンズ光軸がなす角度がa=30°だとすれば、ファンおよびルーバーは投射レンズ光軸に対してb≧30°となるように配置する。そうすることで、ファンから送風され排気用ルーバーを通過して装置外部に排気された熱い排気流は投影される映像に大きな影響を与えることなく、映像の揺らぎを防ぐことができる。
【0055】
【発明の効果】
(1)光源と照明光学系と色分離合成光学系と投射レンズと光変調素子と電気回路基板とが装置外装キャビネット内に配置されると共に、装置外装キャビネット内で発生した熱を軸流ファンによって外部に排気する機構を有する映像投影装置において
前記装置外装キャビネットには、前記軸流ファンと略対向する位置に前記軸流ファンから送風される風を通過させる複数もしくは単一の開口を有し、該開口は前記軸流ファンの回転中心対して略回転対称を成すと共に、該開口近傍には前記軸流ファンの回転中心に対して略回転対称な前記軸流ファンから送風される風をガイドするための排気整流壁を有することで、ファンの回転全周方向の風の流れに対して開口が広くなり、ルーバー付近での風圧上昇にともなうファン効率の低減を抑制することができる。また、開口面積が広くなることで、ルーバー部で生じる風切り音をも低減させることが可能となる。更に光源から外部へ漏れる光に関しても遮光することができる。
【0056】
(2)光源と照明光学系と色分離合成光学系と投射レンズと光変調素子と電気回路基板とが装置外装キャビネット内に配置されると共に、装置外装キャビネット内で発生した熱を軸流ファンによって外部に排気する機構を有する映像投影装置において
例えば、前記軸流ファンから送られる風を通過させる排気ルーバーを構成する開口部を軸流ファンの遠心方向に開口させ、かつ前記開口部近傍に前記排気整流壁を設けることで、ファンの回転全周方向の風の流れに対して開口が広くなり、ルーバー機構付近での風圧上昇にともなうファン効率の低減を抑制することができる。また、開口面積が広くなることで、ルーバー機構部で生じる風切り音をも低減させることが可能となる。更に光源ランプから外部へ漏れる光に関しても遮光することができる。
【0057】
(3)光源と照明光学系と色分離合成光学系と投射レンズと光変調素子と電気回路基板とが装置外装キャビネット内に配置されると共に、装置外装キャビネット内で発生した熱を軸流ファンによって外部に排気する機構を有する映像投影装置において
例えば、前記軸流ファンから送られる風を通過させる排気ルーバーを構成する開口部が軸流ファンの同心円状、もしくは軸流ファンの回転方向に開口しており、かつ前記開口部近傍に前記排気整流壁を設けることで、ファンの回転全周方向の風の流れに対して開口が広くなり、ルーバー機構付近での風圧上昇にともなうファン効率の低減を抑制することができる。また、開口面積が広くなることで、ルーバー機構部で生じる風切り音をも低減させることが可能となる。更に光源ランプから外部へ漏れる光に関しても遮光することができる。
【0058】
(4)光源と照明光学系と色分離合成光学系と投射レンズと光変調素子と電気回路基板とが装置外装キャビネット内に配置されると共に、装置外装キャビネット内で発生した熱を軸流ファンによって外部に排気する機構を有する映像投影装置において
例えば、前記軸流ファンから送られる風を通過させる排気ルーバーを構成する排気整流壁が前記軸流ファンの回転軸方向に対して傾斜して設け、かつ前記軸流ファンの回転方向に複数枚配置するようなプロペラ状に形成することでことで、ファンの回転全周方向の風の流れに対して開口が広くなり、ルーバー機構付近での風圧上昇にともなうファン効率の低減を抑制することができる。また、開口面積が広くなることで、ルーバー機構部で生じる風切り音をも低減させることが可能となる。更に光源ランプから外部へ漏れる光に関しても遮光することができる。
【0059】
(5)光源と照明光学系と色分離合成光学系と投射レンズと光変調素子と電気回路基板とが装置外装キャビネット内に配置されると共に、装置外装キャビネット内で発生した熱を軸流ファンによって外部に排気する機構を有する映像投影装置において
例えば、前記軸流ファンから送られる風を通過させる排気ルーバーを構成する排気整流壁が装置内部から立体的に螺旋状を形成することで、ファンの回転全周方向の風の流れに対して開口が広くなり、ルーバー機構付近での風圧上昇にともなうファン効率の低減を抑制することができる。また、開口面積が広くなることで、ルーバー機構部で生じる風切り音をも低減させることが可能となる。更に光源ランプから外部へ漏れる光に関しても遮光することができる。
【0060】
(6)本発明の排気用ルーバーを備えた映像投影装置において、
前記ファンの排気流が前記投射光学系の投射光から遠ざかるように投射光学系光軸に対して傾斜して配置することで、前述したようにファンの排気効率を高め、更に、温められた排気流が投射光と重なることを防ぎ、揺らぎを防止することで、より高画質な映像を投影することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気用ルーバー機構を装着した映像投影装置の構成を示す図。
【図2】本発明の排気用ルーバー機構装着方法を表す図。
【図3】本発明の排気用ルーバー機構の形状を示す図。
【図4】本発明の排気用ルーバー機構の1部分を拡大した形状を示す図。
【図5】本発明第2実施例の排気用ルーバー機構の形状を示す図。
【図6】本発明第2実施例の排気用ルーバー機構の断面形状を示す図。
【図7】本発明第3実施例の排気用ルーバー機構の形状を示す図。
【図8】本発明第3実施例の排気用ルーバー機構の側面形状を示す図。
【図9】本発明第4実施例の排気用ルーバー機構の形状を示す図。
【図10】本発明第4実施例の排気用ルーバー機構の側面形状を示す図。
【図11】本発明第5実施例のファンおよび排気用ルーバー機構の配置を示す図。
【図12】ファンから空気に加えられる力を示す図。
【図13】ファンから空気に加えられる力を示す拡大図。
【図14】ファンから送風される風の流れとルーバーとの関係を示す図。
【図15】従来の排気用ルーバー機構を示す図
【図16】従来の排気用ルーバー機構を用いた映像投影装置の図。
【符号の説明】
1 光源
2 リフレクター
3 色分解および合成光学系
4 投射光学系
5 装置外装キャビネット
6 冷却用軸流ファン
6h 冷却用軸流ファン固定部材
7 本発明の排気用ルーバー(第1実施例から第4実施例における排気用ルーバー)
7a、7b、7c、7d 本発明の排気用ルーバー
8 装置外装キャビネットに設けられた開口部
9 排気用ルーバー装着用の溝
31、32 排気用ルーバー7aにおける開口部
33 排気用ルーバー16aにおける排気整流壁
34 反射防止手段
W1、W2、W3、W4、W5 風の流れ
51 排気用ルーバー7bにおける排気整流壁
52、53 排気用ルーバー7b羽受け部
71 排気用ルーバー7cにおける羽(排気整流壁)
72 排気用ルーバー7cにおける羽受け部
91 排気用ルーバー7dにおける羽(排気整流壁)
92 排気用ルーバー7dにおける羽受け部
a 投射光学系光軸と投射映像端のなす角度
b 投射光学系光軸とファン回転軸のなす角度
111、112、113 力
114、115、116、117 流線
101 光源
102 リフレクタ
103 色分解合成光学系
104 投射光学系
105 装置外装キャビネット
106 冷却用軸流ファン
107 従来の排気用ルーバー
Claims (8)
- 光源と照明光学系と色分離合成光学系と投射レンズと光変調素子と電気回路基板とが装置外装キャビネット内に配置されると共に、装置外装キャビネット内で発生した熱を軸流ファンによって外部に排気する機構を有する映像投影装置において
前記装置外装キャビネットには、前記軸流ファンと略対向する位置に前記軸流ファンから送風される風を通過させる複数もしくは単一の開口を有し、該開口は前記軸流ファンの回転中心対して略回転対称を成すと共に、該開口近傍には前記軸流ファンの回転中心に対して略回転対称な前記軸流ファンから送風される風をガイドするための排気整流壁を有することを特徴とする映像投影装置。 - 請求項1の映像投影装置において、
前記開口部が軸流ファンの遠心方向に開口しており、かつ前記開口部近傍に前記整流壁が設けられていることを特徴とする映像投影装置。 - 請求項1の映像投影装置において、
前記開口部ーが軸流ファンの同心円状、もしくは軸流ファンの回転方向に開口しており、かつ前記開口部近傍に前記整流壁が設けられていることを特徴とする映像投影装置。 - 請求項1の映像投影装置において、
前記排気整流壁が前記軸流ファンの回転軸方向に対して傾斜して設けられ、かつ前記軸流ファンの回転方向に複数枚配置されていることを特徴とする映像投影装置。 - 請求項1の映像投影装置において、
前記排気整流壁が前記軸流ファンの回転方向に回転しながら回転軸方向にスライドする立体的螺旋形状で形成され、同時に、開口部が螺旋状に構成されていることを特徴とする映像投影装置。 - 請求項1から請求項5における映像投影装置において、
前記開口部が構成される面が前記軸流ファンの送風面と略平行で、かつ前記軸流ファンが前記投射光学系光軸方向に対し傾斜して配置されていることを特徴とする映像投影装置。 - 請求項6における映像投影装置において、
前記ファンの排気流が前記投射光学系の投射光から遠ざかるように前記投射レンズ光軸に対して傾斜して配置されていることを特徴とする映像投影装置。 - 請求項1から請求項7における映像投影装置において、
前記排気整流壁は前記軸流ファンの回転軸方向に対し、傾斜角をもって構成されており、
該排気整流壁は、その隣の排気整流壁と前記軸流ファン回転軸方向から見て、一部重なり合うように構成されていることを特徴とするルーバーを用いてなる映像投影装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003174913A JP2005010494A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 排気用ルーバーとそのルーバーを用いた映像投影装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003174913A JP2005010494A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 排気用ルーバーとそのルーバーを用いた映像投影装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005010494A true JP2005010494A (ja) | 2005-01-13 |
Family
ID=34098259
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003174913A Withdrawn JP2005010494A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 排気用ルーバーとそのルーバーを用いた映像投影装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005010494A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006215218A (ja) * | 2005-02-02 | 2006-08-17 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 平面型表示装置 |
JP2010117589A (ja) * | 2008-11-13 | 2010-05-27 | Sanyo Electric Co Ltd | ルーバーおよびそれを備えた投射型映像表示装置 |
JP2010122491A (ja) * | 2008-11-20 | 2010-06-03 | Sony Corp | 投射型表示装置 |
CN110094366A (zh) * | 2018-01-31 | 2019-08-06 | 宁波方太厨具有限公司 | 一种热风挡板及应用有该热风挡板的烤箱 |
WO2023286785A1 (ja) * | 2021-07-15 | 2023-01-19 | 三菱重工業株式会社 | 電動ファンおよび電動垂直離着陸機 |
-
2003
- 2003-06-19 JP JP2003174913A patent/JP2005010494A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006215218A (ja) * | 2005-02-02 | 2006-08-17 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 平面型表示装置 |
JP2010117589A (ja) * | 2008-11-13 | 2010-05-27 | Sanyo Electric Co Ltd | ルーバーおよびそれを備えた投射型映像表示装置 |
JP2010122491A (ja) * | 2008-11-20 | 2010-06-03 | Sony Corp | 投射型表示装置 |
CN101738835B (zh) * | 2008-11-20 | 2011-05-11 | 索尼株式会社 | 投射型显示装置 |
US8328364B2 (en) | 2008-11-20 | 2012-12-11 | Sony Corporation | Projection display apparatus comprising a louver with inclined and non-inclined portions |
CN110094366A (zh) * | 2018-01-31 | 2019-08-06 | 宁波方太厨具有限公司 | 一种热风挡板及应用有该热风挡板的烤箱 |
CN110094366B (zh) * | 2018-01-31 | 2024-02-20 | 宁波方太厨具有限公司 | 一种热风挡板及应用有该热风挡板的烤箱 |
WO2023286785A1 (ja) * | 2021-07-15 | 2023-01-19 | 三菱重工業株式会社 | 電動ファンおよび電動垂直離着陸機 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3378019B2 (ja) | ランプカートリッジ | |
JP4257311B2 (ja) | 投写型表示装置 | |
JP2004014204A (ja) | 光源装置の冷却装置 | |
TWI404496B (zh) | 散熱裝置 | |
JP2005010494A (ja) | 排気用ルーバーとそのルーバーを用いた映像投影装置 | |
JP2005309430A (ja) | 投影光学モジュールとその遮光ファン | |
JP2003157714A (ja) | 光源装置 | |
JPH11119181A (ja) | 投射型液晶表示装置の冷却構造 | |
JP2009063671A (ja) | プロジェクタ | |
JP2008286036A (ja) | ファンモータ | |
JP2004170541A (ja) | プロジェクタ装置の冷却構造及びプロジェクタ装置 | |
JP2009181113A (ja) | プロジェクタ | |
JP3092371B2 (ja) | 空気調和機用室外機ユニット | |
JP2005156748A (ja) | 投射型画像表示装置 | |
JP2002040562A (ja) | 投影装置 | |
JP2005275301A (ja) | 投射表示装置用の光源ユニット、投射表示装置および画像投射システム | |
JP2001330890A (ja) | 光源装置及び投写型表示装置 | |
JP2005301088A (ja) | 画像表示プロジェクタ | |
JP2011099991A (ja) | 投射型表示装置 | |
JP2004239221A (ja) | ファン装置及び投射型表示装置及び電子機器 | |
JPH10186517A (ja) | 投写形表示機の冷却装置 | |
JP2003157715A (ja) | 光源ランプ冷却構造 | |
JP2006337466A (ja) | 光源装置及び投射型表示装置 | |
JPH10197953A (ja) | 投射型液晶表示装置の冷却構造 | |
JP2000252675A (ja) | 電子機器の冷却装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060905 |