JP2005009417A - 内燃機関の吸気量制御 - Google Patents

内燃機関の吸気量制御 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の吸気量調整機構を有する内燃機関において、各吸気量調整機構の特性を考慮して吸気量を正確に決定する。
【解決手段】吸気量予測部14は、吸気終了前に燃焼室への吸気終了時における吸気量を予測する。吸気量調整機構制御部18は、内燃機関への負荷要求値の変化から所定の動作遅延時間DLの後に各吸気量調整機構の動作を開始させるための指令値を各吸気量調整機構にそれぞれ出力する。各吸気量調整機構は、各吸気量調整機構の動作の開始から吸気量が変化し始めるまでの時間遅れδ1,δ2をそれぞれ有している。吸気量予測部14は、吸気終了時において各吸気量調整機構に対して出力される予定の指令値と、各吸気量調整機構に関する時間遅れδ1,δ2とに基づいて吸気量を算出する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の制御技術に関し、特に、適切な吸気量を決定するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
代表的な内燃機関であるガソリンエンジンでは、スロットル弁によって燃焼室への吸気量が調整され、この吸気量に応じて燃料噴射量が決定される。一方、燃料噴射の直前に吸気量と燃料噴射量とを演算するのは困難なので、吸気量と燃料噴射量は、実際の燃料噴射よりもかなり早いタイミングで算出される。このとき、吸気量を算出した後にスロットル弁の開度が変化すると、燃料噴射までに実際の吸気量が変わってしまい、予め算出された燃料噴射量が不適切なものになってしまう可能性がある。そこで、従来から、スロットル弁の開度変化をアクセル踏込量の変化から意図的に遅らせることによって、算出された吸気量と実際の吸気量とを一致させる工夫がなされている(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−89140号公報
【特許文献2】特開2000−87766号公報
【特許文献3】特開2001−159324号公報
【特許文献4】特開2001−159325号公報
【0004】
特許文献1の技術によれば、スロットル弁の開度変化をアクセル踏込量の変化から一定時間遅らせているので、吸気量/燃料噴射量の算出時にも、吸気終了時におけるスロットル弁の開度を予測することができる。従って、吸気量/燃料噴射量の算出時に、実際の吸気量を正確に予測することが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近では、スロットル弁以外の吸気量調整機構を有する種々のタイプの内燃機関が存在する。吸気量調整機構としては、吸気弁の開弁量(作用角)によっても吸気量を調整できる可変動弁機構や、吸気ポート内に設けられた吸気制御弁などがある。後者は、主として燃焼室内にスワール流を発生させるために設けられている場合が多いが、吸気経路の流路抵抗を変更させて吸気量を調整可能であるという意味からは、スロットル弁や可変動弁機構付き吸気弁と同様の作用を有している。しかし、従来は、複数の吸気量調整機構を有する内燃機関において、吸気量や燃料噴射量の調整を正確に行うことは考慮されていなかった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、複数の吸気量調整機構を有する内燃機関において、吸気量を従来よりも正確に算出するための技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題を解決するために、本発明による内燃機関の制御装置は、
前記内燃機関の燃焼室への吸気量を調整可能な複数の吸気量調整機構と、
前記内燃機関への負荷要求に応じて前記複数の吸気量調整機構の動作を制御する吸気量調整機構制御部と、
前記燃焼室への吸気量を吸気終了前に予測する吸気量予測部と、
を備え、
前記吸気量調整機構制御部は、前記内燃機関への負荷要求値の変化から所定の動作遅延時間の後に各吸気量調整機構の動作を開始させるための指令値を各吸気量調整機構にそれぞれ出力し、
各吸気量調整機構は、各吸気量調整機構の動作の開始から該動作に応じて吸気量が変化し始めるまでの第1の時間遅れを有しており、
前記吸気量予測部は、吸気終了時において各吸気量調整機構に対して出力される予定の指令値と、各吸気量調整機構に関する前記第1の時間遅れとに基づいて吸気量を算出する。
【0008】
この装置によれば、吸気量予測部が、吸気終了時において各吸気量調整機構に対して出力される予定の指令値と、各吸気量調整機構に関する第1の時間遅れとに基づいて吸気量を算出するので、第1の時間遅れを考慮しない場合に比べて吸気量をより正確に算出することができる。
【0009】
前記吸気量予測部は、各吸気量調整機構に対する前記第1の時間遅れを、吸気終了時における各吸気量調整機構の動作速度の予測値に応じて決定するようにしてもよい。
【0010】
この構成によれば、第1の時間遅れをより精度良く決定することができるので、吸気量の算出精度を向上させることができる。
【0011】
また、各吸気量調整機構は、さらに、前記吸気量調整機構制御部からの指令値の変化から動作開始までの第2の時間遅れを有しており、前記吸気量予測部は、各吸気量調整機構に関する前記第2の時間遅れをさらに考慮して前記吸気量を算出するものとしてもよい。
【0012】
この構成によれば、吸気量の算出精度をさらに向上させることができる。
【0013】
前記吸気量予測部は、各吸気量調整機構の動作に応じた吸気量変化の時定数をさらに考慮して前記吸気量を算出するようにしてもよい。
【0014】
この構成によれば、時定数を考慮しない場合に比べて、実際の吸気量変化をさらに高精度で予測することができる。
【0015】
前記吸気量調整機構制御部は、各吸気量調整機構の動作による吸気量変化の開始タイミングが一致するように各吸気量調整機構への指令値を出力するようにしてもよい。
【0016】
この構成によれば、吸気量がより単純な変化を示すようになるので、吸気量の予測精度を向上させることができる。また、吸気量が多段に変化する場合に比べてトルク段差を抑制することが可能である。
【0017】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、内燃機関の制御装置または制御方法、その制御装置を備えたエンジンや車両、その制御装置または制御方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の態様で実現することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置構成:
B.第1実施例:
C.第2実施例:
D.変形例:
【0019】
A.装置構成:
図1は、本発明の一実施例としての制御装置の構成を示している。この制御装置は、車両に搭載されたガソリンエンジン100を制御する装置として構成されている。エンジン100は、空気(新気)を燃焼室に供給するための吸気管110と、燃焼室から排気を外部に排出するための排気管120とを備えている。燃焼室には、燃料を燃焼室内に噴射する燃料噴射弁101と、燃焼室内の混合気を着火させるための点火プラグ102と、吸気弁112と、排気弁122とが設けられている。
【0020】
吸気管110には、上流側から順に、吸気流量を測定するためのエアフローメータ130(流量センサ)と、吸気流量を調整するためのスロットル弁132と、サージタンク134とが設けられている。サージタンク134には、温度センサ136(吸気温センサ)と、圧力センサ138(吸気圧センサ)とが設けられている。サージタンク134の下流側の吸気経路は、複数の燃焼室に接続された多数の分岐管に別れているが、図1では簡略化されて1本の分岐管のみが描かれている。排気管120には、空燃比センサ126と、排気中の有害成分を除去するための触媒128とが設けられている。なお、エアフローメータ130や圧力センサ138は、他の位置に設けることも可能である。また、本実施例では、燃料を直接燃焼室内に噴射しているが、吸気管110に燃料を噴射するようにしてもよい。
【0021】
エンジン100の吸気動作と排気動作は、吸気弁112と排気弁122の開閉状態によって切り換えられる。吸気弁112と排気弁122には、その開閉タイミングを調整するための可変動弁機構114、124がそれぞれ設けられている。これらの可変動弁機構114、124は、開弁期間の大きさ(いわゆる作用角)と、開弁期間の位置(「開弁期間の位相」あるいは「VVT(Variable Valve Timing)位置」とも呼ぶ)とを変更である。このような可変動弁機構としては、例えば本出願人により開示された特開2001−263015号公報に記載されたものを利用することができる。あるいは、電磁弁を用いて作用角と位相とを変更可能な可変動弁機構を利用することも可能である。
【0022】
エンジン100の運転は、制御ユニット10によって制御される。制御ユニット10は、内部にCPU、RAM、ROMを備えるマイクロコンピュータとして構成されている。この制御ユニット10には、種々のセンサからの信号が供給されている。これらのセンサには、上述したセンサ136,138,126の他に、ノックセンサ104と、エンジン水温を検出する水温センサ106と、エンジン回転数を検出する回転数センサ108と、アクセルセンサ109と、が含まれている。
【0023】
制御ユニット10は、運転目標値決定部12と、吸気量予測部14と、燃料噴射量算出部16と、吸気量調整機構制御部18の機能を実現する。運転目標値決定部12は、アクセルセンサ109からの出力(アクセルの踏込量)に応じて、主として吸気量調整機構(スロットル弁132と吸気弁112)の目標値を決定する。吸気量予測部14は、吸気量算出用のセンサ(エアフローメータ130や圧力センサ138など)の出力と、運転目標値決定部12で決定された吸気量調整機構の運転目標値(指令値)とに応じて吸気終了前に吸気量を算出する。この算出方法の詳細についてはさらに後述する。燃料噴射量算出部16は、吸気量予測部14で算出された吸気量に応じた適切な燃料噴射量を算出する。吸気量調整機構制御部18は、運転目標値決定部12で決定された吸気量調整機構の運転目標値に応じて各吸気量調整機構に適切なタイミングで指令値を出力する。これらの各部12,14,16,18の機能は、制御ユニット10の図示しないメモリに格納されたコンピュータプログラムによって実現されている。
【0024】
図2は、可変動弁機構114による吸気弁112の開弁/閉弁タイミングの調整の様子を示している。本実施例の可変動弁機構114では、開弁期間の大きさ(作用角)θは、弁軸のリフト量を変えることによって調整される。また、開弁期間の位相(開弁期間の中心)φは、可変動弁機構114が有するVVT機構(可変バルブタイミング機構)を用いて調整される。なお、この可変動弁機構114は、吸気弁112の作用角と、開弁期間の位相とを独立に変更可能である。従って、エンジン100の運転状態に応じて、吸気弁112の作用角と、開弁期間の位相とがそれぞれ好ましい状態に設定される。排気弁122用の可変動弁機構124も、これと同じ特性を有している。
【0025】
B.第1実施例:
図3は、本発明の第1実施例における吸気量と燃料噴射量の算出タイミングの一例を示している。図3(a)〜(d)は4気筒4サイクルエンジンにおける運転サイクルを模式的に示しており、また、図3(e)はアクセル踏込量の変化を示し、図3(f)はスロットル開度の指令値の変化を示している。図3(a)〜(d)において、星印は点火時刻を示し、また、下向きの黒三角は吸気終了タイミングを、矩形内に数字が付されている印は吸気量と燃料噴射量の算出タイミングをそれぞれ示している。この矩形内の数字は、気筒の番号である。なお、吸気量の算出は、通常は、燃料噴射量の算出タイミングに拘わらず一定時間毎(例えば10ms毎)に行われており、燃料噴射量の算出タイミングの直前で算出された吸気量が燃料噴射量の算出に利用されることが多い。但し、吸気量の算出(予測)は、少なくとも燃料噴射量の算出の直前に行われていればよい。
【0026】
図3の例では、吸気量と燃料噴射量の演算は排気行程に行われている。一方、実際の吸気量は、吸気終了タイミング(吸気弁の閉タイミング)におけるスロットル開度と、吸気弁の作用角とに応じて決まる。従って、吸気量の演算は、実際の吸気量が決まる吸気終了タイミングよりも時間Tcalだけ早いタイミングで行われている。なお、実際の燃料噴射は吸気の終了タイミングの近傍で行われる。このように、吸気量と燃料噴射量の演算を燃料噴射に先立って行う理由は、これらの演算時間を考慮して、エンジンの高速回転時にも燃料噴射の前に確実に演算を行えるようにするためである。
【0027】
図3(e)のようにアクセル踏込量(すなわちエンジンへの負荷要求値)が変化すると、スロットル開度の指令値は図3(f)に示すように所定の動作遅延時間DLだけ遅れたタイミングt2で変化する。この動作遅延時間DLは、吸気量と燃料噴射量の演算タイミングt1と吸気終了タイミングt2との時間差Tcal以上の所定の値に設定されている。このような動作遅延時間DLを設定している理由は、吸気量算出後にアクセル踏込量が変化しても、吸気終了時における吸気量を正確に算出できるようにするためである。すなわち、図3(e)に示す気筒#1の吸気量演算時t1では、それよりも時間Tcalだけ後の吸気終了時t2における吸気量を算出する。この際、スロットル開度指令値は、アクセル踏込量の変化から動作遅延時間DLだけ遅れることが予め分かっているので、時刻t2におけるスロットル開度は、この時刻t2よりも時間DL前の時刻t0におけるアクセル踏込量に応じて決定された値である。従って、時刻t1で吸気量を演算する際には、それよりも(DL−Tcal)だけ前の時刻t0におけるアクセル踏込量に従って決定されていたスロットル開度を、時刻t2におけるスロットル開度として使用することができる。吸気弁112の作用角についても同様である。こうして、吸気終了時t2におけるスロットル開度と吸気弁作用角とに応じて、その時刻t2における吸気量を正確に予測することができる。また、この吸気量に基づいて、適切な燃料噴射量を算出することが可能である。
【0028】
図4は、第1実施例における吸気量の演算方法を示す説明図である。図4(a)はアクセル踏込量を示し、図4(b)はこれに応じたスロットル開度指令値の変化を示す。ここでは、吸気終了時刻t12においてスロットル開度が変化している場合の例が示されている。図4(c)に示すように、吸気弁の作用角指令値もスロットル開度指令値と同じタイミングで変化する。なお、第1実施例では、スロットル開度指令値とスロットル弁132の動作の間には時間遅れが無いものと仮定している。吸気弁作用角の指令値と吸気弁112の動作についても同様である。
【0029】
図5は、第1実施例におけるスロットル弁および吸気弁の開度変化とこれによる吸気量変化への影響とを個別に示す説明図である。図5(a)のスロットル開度指令値と図5(c)の吸気弁作用角指令値の変化は図4(b),(c)とそれぞれ同じものである。図5(b)に示すように、スロットル弁による吸気量の変化は、スロットル開度の変化から時間δ1だけ遅れて開始され、時定数TC1で曲線的に変化する。同様に、図5(d)に示す吸気弁による吸気量の変化は、吸気弁の作用角変化から時間δ2だけ遅れて開始され、時定数TC2で曲線的に変化する。また、スロットル弁の開度変化に起因する吸気量変化の遅れ時間δ1は、吸気弁の作用角変化に起因する吸気量変化の遅れ時間δ2よりもかなり大きい。この理由は、スロットル弁の方が吸気弁よりも燃焼室から遠いところに設置されているからである。
【0030】
図4(d)は、スロットル弁と吸気弁の両方の影響による吸気量変化を示している。すなわち、スロットル開度と吸気弁作用角が同時に変化すると、まず、吸気弁作用角の変化に起因する吸気量変化が時間遅れδ2の後に現れる。その後、スロットル開度の変化に起因する吸気量変化が時間遅れδ1で現れる。この結果吸気量は2段階に変化するので、吸気終了時の吸気量はそのような変化をするものとして予測される。
【0031】
図4(e)は、吸気弁の作用角変化による時間遅れδ2を考慮しない場合の吸気量予測値を比較例として示したものである。この場合には、吸気量が指令値の変化から時間遅れδ1の後に変化し始めるものとして吸気量が予測されている。図4(d),(e)を比較すれば理解できるように、第1実施例では比較例に比べて実際の吸気量の変化をより良く模擬することができ、より高精度に吸気量を予測することが可能である。
【0032】
なお、第1実施例では、時刻t11において吸気終了時t12における吸気量を予測する際には、吸気終了時t12に至るスロットル開度指令値および吸気弁作用角指令値の変化が取得される。図3でも説明したように、これらの指令値は、時刻t11よりも(DL−Tcal)だけ前の時刻t10におけるアクセル踏込量に従って決定されていた指令値である。そして、スロット弁の開度変化と吸気弁の作用角変化に起因する吸気量変化の時間遅れδ1,δ2と時定数TC1,TC2とを考慮して、吸気終了時t12における吸気量が予測される。
【0033】
なお、変化の時定数TC1,TC2を考慮せず、指令値の変化と同様の曲線で吸気量が変化するものとしてもよい。但し、変化の時定数TC1,TC2を考慮すれば、より正確に吸気量を算出することが可能である。
【0034】
図6は、第1実施例における吸気量と燃料噴射量の算出手順を示すフローチャートである。ステップS1では、運転目標値決定部12が、アクセル踏込量に応じて2つの吸気量調整機構(スロットル弁132および吸気弁112)の動作の目標値を算出する。具体的には、スロットル開度指令値と吸気弁の作用角指令値とが算出される。これらの目標値は、ステップS2において制御ユニット10内の図示しないメモリに記憶される。
【0035】
吸気量予測部14は、ステップS11において、各吸気量調整機構毎に吸気量変化の遅れ時間δ1,δ2(図5)を算出する。このステップが実行される理由は、遅れ時間δ1,δ2が各機構の目標値(スロットル開度指令値および作用角指令値)の変化速度に依存するからである。この代わりに、遅れ時間δ1,δ2を常に一定値としても良いが、目標値(指令値)の変化速度に応じて遅れ時間δ1,δ2を算出するようにすれば、吸気量予測の精度が高まるという利点がある。なお、指令値の変化速度に応じて遅れ時間δ1,δ2を算出する場合には、吸気終了時に至るまでの指令値の履歴に基づいて遅れ時間δ1,δ2が算出されるものと考えることができる。あるいは、吸気終了時における各吸気量調整機構の動作速度の予測値に応じて遅れ時間δ1,δ2が決定されるものと考えることも可能である。
【0036】
ステップS12では、吸気量予測部14が、各吸気量調整機構の目標値(すなわち予定されている指令値)と、吸気量変化の遅れ時間δ1,δ2とに基づいて、吸気量を算出する。吸気量予測部14は、一定時間毎(例えば10ms毎)に吸気量を算出しており、算出結果を図示しないメモリに一時的に記憶する。
【0037】
燃料噴射量算出部16は、燃料噴射量算出タイミングになると(ステップS21)、ステップS22において、吸気弁閉弁時の予測吸気量に応じて所望の目標空燃比が達成されるように燃料噴射量を算出する。この目標空燃比は、運転条件に応じて運転目標値決定部12によって決定された値である。そして、ステップS23で燃料噴射タイミングに到達と、燃料噴射弁101から燃料を噴射させる。
【0038】
一方、吸気量調整機構制御部18は、ステップS31において、各吸気量調整機構の指令値を、アクセル開度から動作遅延時間DLだけ遅延させた後に出力する。そして、ステップS32では、この指令値に応じて各吸気量調整機構を動作させる。
【0039】
このように、第1実施例では、吸気終了時において2つの吸気量調整機構(スロットル弁132および吸気弁112)に対して出力される予定の指令値と、吸気量変化に対する時間遅れδ1,δ2とを考慮して吸気終了時における吸気量が予測されるので、従来に比べて高精度に吸気量を予測することが可能である。
【0040】
C.第2実施例:
図7は、第2実施例における吸気量の演算方法を示す説明図である。図4に示した第1実施例との違いは、アクセル踏込量の変化から指令値の変化までの動作遅延時間DLが各吸気量調整機構毎に設定されている点だけである。具体的には、スロットル開度指令値の動作遅延時間DL1は第1実施例の値DLと同じであるが、吸気弁作用角の指令値の動作遅延時間DL2は、スロットル開度指令値の動作遅延時間DL1に(δ1−δ2)を加算した値に設定されている。ここで、δ1,δ2は、2つの吸気量調整機構(スロットル弁132と吸気弁112)における指令値の変化から吸気量変化までの時間遅れである。
【0041】
図8は、第2実施例におけるスロットル弁および吸気弁の開度変化とこれによる吸気量変化への影響とを個別に示す説明図である。ここで、吸気弁の作用角指令値は、スロットル開度指令値よりも(δ1−δ2)だけ遅れたタイミングで出力されているので、図8(b),(d)に示すように、スロットル弁による吸気量変化と、吸気弁による吸気量変化とが同じタイミングで開始される。この結果、吸気量の変化は、図7(D)に示すように、1段のみの比較的単純な曲線に沿って変化する。
【0042】
このように、第2実施例では、スロットル開度変化に起因する吸気量変化の開始タイミングと、吸気弁の作用角変化に起因する吸気量変化の開始タイミングとが一致するようにそれぞれの指令値の出力タイミングが調整されている。この結果、吸気量がより単純な曲線に沿って変化するので、吸気量の予測精度を向上させることができる。また、吸気量が多段階に変化するのを防止できるので、トルクの段差が発生することを防止できるという利点もある。
【0043】
図9は、第2実施例における吸気量と燃料噴射量の算出手順を示すフローチャートである。ステップS1,S2,S21〜S23は、図6に示した第1実施例と同じである。
【0044】
吸気量予測部14は、ステップS13において、各吸気量調整機構の指令値の記憶値に基づいて、吸気量を算出する。この際、吸気量は、スロットル開度指令値の変化から時間δ1だけ遅れて変化するものとして算出される。あるいは、吸気弁の作用角指令値の変化から時間δ2だけ遅れて吸気量が変化するものとして演算を行ってもよい。
【0045】
吸気量調整機構制御部18は、ステップS30において、各吸気量調整機構毎に吸気量変化の遅れ時間δ1,δ2を算出し、動作遅延時間DL1,DL2を決定する。そして、ステップS31aにおいて、各吸気量調整機構毎の動作遅延時間DL1,DL2だけ指令値を遅延させた後にそれぞれの指令値を出力する。そして、ステップS32では、この指令値に応じて各吸気量調整機構を動作させる。
【0046】
このように、第2実施例では、各吸気量調整機構の動作による吸気量変化の開始タイミングが一致するようにそれぞれの指令値の出力タイミングを設定しているので、吸気量予測を向上させることができ、また、トルク段差の発生も防止することが可能である。
【0047】
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0048】
D1.変形例:1
上記実施例では、各吸気量調整機構の指令値と実際の動作との間に時間遅れが無いと仮定していたが、各吸気量調整機構の指令値と実際の動作との間に時間遅れ(第2の時間遅れ)があるものとして吸気量を算出してもよい。この構成によれば、吸気量予測精度をさらに向上させることが可能である。
【0049】
D2.変形例:2
上記実施例では、スロットル弁132と吸気弁112の2つの吸気量調整機構を利用できるものとしていたが、本発明は、これ以外の種々の吸気量調整機構を利用することが可能である。例えば、主として燃焼室内にスワール流を発生させるために吸気ポート内に設けられた吸気制御弁を吸気量調整機構として利用することも可能である。
【0050】
D3.変形例:3
上記実施例では、ガソリンエンジンについて説明したが、本発明はガソリンエンジン以外の種々の内燃機関に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における制御装置の構成を示す概念図。
【図2】可変動弁機構の動作を示す図。
【図3】吸気量算出タイミングの一例を示す説明図。
【図4】第1実施例における吸気量の演算方法を示す説明図。
【図5】第1実施例におけるスロットル弁および吸気弁の開度変化とこれによる吸気量変化への影響とを個別に示す説明図。
【図6】第1実施例における吸気量と燃料噴射量の算出手順を示すフローチャート。
【図7】第2実施例における吸気量の演算方法を示す説明図。
【図8】第2実施例におけるスロットル弁および吸気弁の開度変化とこれによる吸気量変化への影響とを個別に示す説明図。
【図9】第2実施例における吸気量と燃料噴射量の算出手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…制御ユニット
12…運転目標値決定部
14…吸気量予測部
16…燃料噴射量算出部
18…吸気量調整機構制御部
100…ガソリンエンジン
101…燃料噴射弁
102…点火プラグ
104…ノックセンサ
106…水温センサ
108…回転数センサ
109…アクセルセンサ
110…吸気管
112…吸気弁
114…可変動弁機構
120…排気管
122…排気弁
124…可変動弁機構
126…空燃比センサ
128…触媒
130…エアフローメータ
132…スロットル弁
134…サージタンク
136…温度センサ
138…圧力センサ

Claims (5)

  1. 内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の燃焼室への吸気量を調整可能な複数の吸気量調整機構と、
    前記内燃機関への負荷要求に応じて前記複数の吸気量調整機構の動作を制御する吸気量調整機構制御部と、
    前記燃焼室への吸気量を吸気終了前に予測する吸気量予測部と、
    を備え、
    前記吸気量調整機構制御部は、前記内燃機関への負荷要求値の変化から所定の動作遅延時間の後に各吸気量調整機構の動作を開始させるための指令値を各吸気量調整機構にそれぞれ出力し、
    各吸気量調整機構は、各吸気量調整機構の動作の開始から該動作に応じて吸気量が変化し始めるまでの第1の時間遅れを有しており、
    前記吸気量予測部は、吸気終了時において各吸気量調整機構に対して出力される予定の指令値と、各吸気量調整機構に関する前記第1の時間遅れとに基づいて吸気量を算出する、制御装置。
  2. 請求項1記載の制御装置であって、
    前記吸気量予測部は、各吸気量調整機構に対する前記第1の時間遅れを、吸気終了時における各吸気量調整機構の動作速度の予測値に応じて決定する、制御装置。
  3. 請求項1または2記載の制御装置であって、
    各吸気量調整機構は、さらに、前記吸気量調整機構制御部からの指令値の変化から動作開始までの第2の時間遅れを有しており、
    前記吸気量予測部は、各吸気量調整機構に関する前記第2の時間遅れをさらに考慮して前記吸気量を算出する、制御装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記吸気量予測部は、各吸気量調整機構の動作に応じた吸気量変化の時定数をさらに考慮して前記吸気量を算出する、制御装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記吸気量調整機構制御部は、各吸気量調整機構の動作による吸気量変化の開始タイミングが一致するように各吸気量調整機構への指令値を出力する、制御装置。
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